JP7061908B2 - 複合ナノファイバー不織布及びその製造方法 - Google Patents

複合ナノファイバー不織布及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、複合ナノファイバー不織布及びその製造方法に関する。
ナノファイバー不織布は、数十から数百nmの繊維径を有する極細繊維(ナノファイバー)で構成される不織布である。繊維径がμmオーダーを超える従来の不織布に比べて、ナノファイバー不織布は、高比表面積、微細孔径、nmオーダーの微細構造に由来する特異な機能発現、といった特徴を有するため、樹脂補強材、電解質膜補強材、電池やキャパシタのセパレータ、濾材、細胞培養基材などといった用途への応用がなされている。
ポリアゾール系化合物は高耐熱性、高機械強度、高い化学的安定性といった特徴を有するため、ポリアゾール系化合物含有ナノファイバー不織布は高機能、高性能な不織布として注目されている。
例えば、特許文献1には、ポリアゾール系化合物のナノファイバーで構成されたナノファイバー不織布とイオン性基含有高分子電解質とが複合化した複合層を有する複合高分子電解質膜が、低加湿、低温条件においても優れたプロトン伝導性を有し、なおかつ寸法変化率が小さく、機械強度と化学安定性に優れることが記載されている。
また、特許文献2には、小孔内表面にポリベンズイミダゾールなどの高弾性率材料が複合化されているポリテトラフルオロエチレン多孔質膜と、高分子電解質を含んでなる燃料電池用電解質膜が開示されており、該電解質膜は、低抵抗、高機械強度、高耐久性を併せ持つことが記載されている。
さらに、特許文献3には、多孔質基材と高分子が複合化されてなる複合多孔質膜であって、前記多孔質基材は、繊維の織布、繊維の不織布、金属多孔質体、無機物質多孔質体のいずれか1種からなり、前記高分子は6員環と5員複素環との縮環化合物を繰り返し単位に含んでおり、多孔質基材の空孔中で三次元網目状の多孔構造を形成している、複合多孔質膜が記載されている。
国際公開2017/141878号 国際公開2016/056430号 特開2008-214462号
しかしながら、ポリアゾール系化合物は軟化温度が極めて高い高耐熱ポリマーであるため、引用文献1のようにポリアゾール系化合物のナノファイバーで構成されたナノファイバー不織布に対して、熱処理やカレンダー処理、プレス等のボンディング加工を施すことは難しい。そのため、繊維の解れや脱落の無い高品位な自立性不織布が得られにくい。なお、本明細書において「自立性」とは、取扱い上の諸条件において自壊・崩壊しないことをいい、「自壊・崩壊」とは、繊維の解れ、脱落がないこと、応力に対し破断や永久変形がないことをいう。実際、ポリアゾール系ナノファイバー不織布は、引張等の外部応力にさらされた際に破断しやすく、また、取扱い時の摩擦等により繊維が解れ易く脱落しやすいといった問題を有している。これらの問題は特に、ナノファイバー不織布を連続的にロール状に巻き取ったり、ロールから繰り出したりする際に多く発生し、ナノファイバー不織布の品位低下の要因となる。
また、引用文献2のポリテトラフルオロエチレン多孔質膜についても、一般に剛性が低く自立性が不足しているため、加工や取扱いの際に加わる張力により永久変形を生じやすく、シワや折れが発生するなどといった問題を生じやすい。また、ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜は、ナノファイバー不織布と比較して孔径が小さくなる傾向にあり、高弾性率材料との複合化により孔が閉塞するなどの問題を生じやすい。そのため、製造方法の観点から言えば、複合化前後で多孔構造や空隙率を維持することが難しい。
さらに、特許文献3は、多孔質基材と高分子の三次元網目構造とを複合化することにより、多孔質基材の剛性を向上させるとともに、平均孔径を小さくするものであるが、ナノファイバー不織布を用いることについては一切開示がない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ポリアゾール系化合物に由来する低帯電性等の特徴を有しつつも、応力が加わるような過酷な使用環境や製造・加工プロセスにおいて破断、繊維の解れや脱落といった問題を生じにくい複合ナノファイバー不織布、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、基材ナノファイバー不織布の繊維表面の少なくとも一部をポリアゾール系化合物により被覆することにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
〔1〕
基材ナノファイバー不織布と、
該基材ナノファイバー不織布を構成する繊維表面の少なくとも一部を被覆するポリアゾール系化合物と、を有し、
前記複合ナノファイバー不織布全体における前記ポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度X(%)と、前記複合ナノファイバー不織布の繊維表面における前記ポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度Y(%)の比Y/Xが、2以上である、
複合電解質膜用の複合ナノファイバー不織布。
〔2〕
前記複合ナノファイバー不織布全体における前記ポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度X(%)が、0.5%以上10%以下である、
〔1〕に記載の複合ナノファイバー不織布。
〔3〕
前記ポリアゾール系化合物が、ポリベンズイミダゾール系化合物を含む、
〔1〕又は〔2〕に記載の複合ナノファイバー不織布。
〔4〕
前記基材ナノファイバー不織布を構成する繊維が、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリスルホン(PSU)、ポリイミド(PI)、ポリアクリロニトリル(PAN)からなる群より選ばれる一種類以上の化合物を含む、
〔1〕から〔3〕のいずれか一項に記載の複合ナノファイバー不織布。
〔5〕
前記複合ナノファイバー不織布を構成する繊維の平均繊維径が、100nm以上500nm以下である、
〔1〕から〔4〕のいずれか一項に記載の複合ナノファイバー不織布。
〔6〕
〔1〕から〔5〕のいずれか一項に記載の複合ナノファイバー不織布と、
プロトン伝導性ポリマーと、を備える、
複合電解質膜。
〔7〕
〔1〕から〔5〕のいずれか一項に記載の複合ナノファイバー不織布の製造方法であって、
ポリアゾール系化合物及びアルカリ金属水酸化物がプロトン性溶媒に溶解したポリアゾール溶液に、基材ナノファイバー不織布を浸漬する工程を含む、
複合ナノファイバー不織布の製造方法。
本発明によれば、ポリアゾール系化合物に由来する低帯電性等の特徴を有しつつも、応力が加わるような過酷な使用環境や製造・加工プロセスにおいて破断、繊維の解れや脱落といった問題を生じにくい複合ナノファイバー不織布、及びその製造方法を提供することができる。
本実施形態の複合電解質膜の構成を説明するための模式図である。 本実施形態の複合電解質膜の使用態様の一例を説明するための模式図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明は下記本実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
<複合ナノファイバー不織布>
本実施形態の複合ナノファイバー不織布は、基材ナノファイバー不織布を構成する繊維表面の少なくとも一部が、ポリアゾール系化合物で被覆されたものである。これにより、本実施形態の複合ナノファイバー不織布は、従来、ポリアゾール系化合物のナノファイバーで構成されたナノファイバー不織布において問題とされていた繊維の解れや脱落の問題が解消され、ポリアゾール系化合物由来の低帯電性や高耐熱性などの特徴と、基材ナノファイバー不織布由来の優れた破断伸度、繊維の解れや脱落の低減といった、双方の優れた特性を併せ持つものとなる。さらに、帯電性が低いことにより、異物の吸着が抑制されることに加え、静電気によるシワやロールへの巻き付きトラブルが減少する。そのため、例えば、本実施形態の複合ナノファイバー不織布を他の樹脂と複合化する際における収率低下を軽減することができる。また、応力が加わるような過酷な使用環境や、長尺ロールの高速での巻取り、繰り出しを含むような製造・加工プロセスにおいても、破断、繊維の解れ脱落、といったナノファイバー不織布および加工品の品位低下が抑制される。以下、複合ナノファイバー不織布の構成について詳述する。
<ポリアゾール系化合物>
ポリアゾール系化合物とは、窒素原子を1個以上含む複素五員環(アゾール環)を有する繰り返し単位を含む重合体、又は、当該繰り返し単位からなる重合体をいう。このような、ポリアゾール系化合物としては、特に制限されないが、例えば、ポリイミダゾール系化合物、ポリベンズイミダゾール系化合物、ポリベンズビスイミダゾール系化合物、ポリベンズオキサゾール系化合物、ポリオキサゾール系化合物、ポリチアゾール系化合物、ポリベンズチアゾール系化合物、ポリチアジアゾール系化合物、ポリベンズチアジアゾール系化合物、ポリトリアゾール系化合物、ポリベンズトリアゾール系化合物、ポリピラゾール系化合物、ポリベンズピラゾール系化合物、ポリフラザン系化合物、ポリベンズフラザン系化合物、ポリピロール系化合物が挙げられる。
また、アゾール環を有する繰り返し単位は、アゾール環が2価の芳香族基と結合した構造を有していてもよい。2価の芳香族基としては、特に制限されないが、例えば、p-フェニレン基、m-フェニレン基、ナフタレン基、ジフェニレンエーテル基、ジフェニレンスルホニル基、ビフェニレン基、ターフェニル基、2,2-ビス(4-カルボキシフェニレン)ヘキサフルオロプロパン基などが挙げられる。アゾール環と2価の芳香族基とを有する繰り返し単位を含む重合体、又は、当該繰り返し単位からなる重合体を用いることにより、得られる複合ナノファイバー不織布の低帯電性、耐熱性、機械強度、化学的安定性がより向上する傾向にある。このなかでも、ポリイミダゾール系化合物、ポリベンズイミダゾール系化合物、ポリベンズビスイミダゾール系化合物が好ましく、ポリベンズイミダゾールがより好ましく、ポリ[2,2’-(m-フェニレン)-5,5’-ビスベンズイミダゾール]がさらに好ましい。なお、アゾール環は、窒素原子以外に酸素原子又は硫黄原子を含んでもよい。また、上記2価の芳香族基以外にも、イミド基、アミド基、エステル基、エーテル基、スルホニル基、カルボニル基などの2価の連結基を繰り返し単位中に含んでいてもよい。
ポリアゾール系化合物の重量平均分子量は、好ましくは300~500000であり、より好ましくは1000~100000であり、さらに好ましくは5000~50000である。ポリアゾール系化合物の重量平均分子量はGPC法により測定することができる。
なお、ポリアゾール系化合物は、1種類で用いてもよく、また2種類以上を併用してもよい。
<基材ナノファイバー不織布>
本実施形態における基材ナノファイバー不織布とは、ナノオーダーの繊維径を有するナノファイバー(極細繊維)が接着剤や熱による接着、あるいは機械的に絡合して形成された繊維集合体である。ナノファイバーの平均繊維径は、好ましくは750nm以下であり、より好ましくは500nm以下であり、さらに好ましくは400nm以下であり、特に好ましくは350nm以下である。平均繊維径が750nm以下であることにより、高比表面積、微細孔径、nmオーダーの微細構造に由来する特異な機能が発現する。また、ナノファイバーの平均繊維径は、好ましくは10nm以上であり、より好ましくは50nm以上であり、さらに好ましくは100nm以上である。平均繊維径が10nm以上であることにより、不織布の生産性及び加工性がより向上し、目付、空隙率の均一性がより向上し、自立性がより確保されやすい傾向にある。
ナノファイバーの平均繊維径の調整方法は、常法により行うことができ、例えば、静電紡糸法によりナノファイバーを紡糸する場合には、装置の印加電圧、電極間距離、温度、湿度、紡糸溶液の溶媒種、及び紡糸溶液濃度等を調整することで所望の繊維径のナノファイバーを得ることができる。
基材ナノファイバー不織布の平均繊維径は、走査型電子顕微鏡により求めることができる。具体的には、基材ナノファイバー不織布の表面を撮影した5000倍の走査型電子顕微鏡写真のもと、50本の繊維の繊維径の算術平均を基材ナノファイバー不織布の平均繊維径とする。ここで繊維径は、繊維の長さ方向に対して直交する方向における長さをいう。
ナノファイバーを構成する素材は、特に限定はされないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなど)、スチレン系樹脂(例えばポリスチレンなど)、ポリエステル系樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂など)、アクリル系樹脂(例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸メチルなど)、ポリアミド系樹脂(例えば6ナイロン、66ナイロン、芳香族ポリアミド系樹脂など)、ポリエーテル系樹脂(例えばポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ウレタン系樹脂、塩素系樹脂(例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなど)、フッ素系樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など)、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂(PI)、ポリエーテルイミド系樹脂、芳香族ポリエーテルアミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂(例えばポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)など)、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂からなる群より選ばれる一種類以上が挙げられる。
このなかでも、ポリエーテルスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリイミド、ポリアクリロニトリルからなる群より選ばれる一種類以上の樹脂で構成されたナノファイバーが好ましく、ポリエーテルスルホン、ポリフッ化ビニリデンからなる群より選ばれる一種類以上の化合物で構成されたナノファイバーがより好ましい。このようなナノファイバーを有する基材ナノファイバー不織布は、加工性に優れ、また、後述する浸漬工程においてポリアゾール溶液を用いてポリアゾール系化合物で被覆する際の化学的安定性に優れる傾向にある。
また、ナノファイバーとしては、上記樹脂に官能基を導入したものも使用することができる。導入される官能基としては、特に限定されないが、例えば、スルホン酸基、カルボキシ基、リン酸基などの酸性官能基が挙げられる。このような酸性官能基を有するナノファイバーは、酸塩基相互作用によりポリアゾール系化合物との親和性に優れる。そのため、酸性官能基を有するナノファイバーを用いることで、後述する浸漬工程において、より効率的に被覆が進行する傾向にある。
ナノファイバーとしては、これらの樹脂1種からなるファイバーであっても、2種以上の樹脂からなるファイバーであってもよい。また、不織布は、同一の樹脂組成からなる1種のナノファイバーのみから構成されるものであっても、異なる樹脂組成からなる2種以上のナノファイバーから構成されるものであってもよい。
ナノファイバーを構成する素材が、ある特定の用途において、耐薬品性、耐溶剤性といった化学的な安定性に欠けるものであっても、繊維表面がポリアゾール系化合物で被覆されることで耐薬品性、耐溶剤性が改善され得る。これにより、基材ナノファイバー不織布単体では使用できなかった特定の用途へも応用が可能になる。
基材ナノファイバー不織布は、例えば、静電紡糸法(エレクトロスピニング法)、メルトブロー法、及びスパンボンド法などにより紡糸・製造することが可能である。これらの中でも、静電紡糸法は、平均繊維径が小さく、実質的に連続した繊維からなり、空隙率の大きな1mを超える広幅なナノファイバー不織布を連続的に生産することも可能であるため、好適に用いられる。ナノファイバー不織布を紡糸・製造する量産用の装置としては、例えば、エルマルコ株式会社製の「Nanospider」(商品名)のNS8S1600U(型式名、ワイヤー電極方式)、株式会社メック社のEDEN(NF-1001S)(製品名、ノズル吐出電極方式)、株式会社フューエンス社のエスプレイヤー量産機(ノズル吐出電極方式)を好適に用いることができる。
破断や、繊維の解れ脱落が起こりにくい高品位な自立性不織布を得る上で、本実施形態の基材ナノファイバー不織布は、紡糸工程の後にボンディング加工を施され、ナノファイバー同士の接点が部分的に接着されていることが好ましい。ここで、「部分的」とは数多くあるナノファイバー同士の接点のうちの一部が接着されているということである。ナノファイバー同士の接点のうちの接着されている接点の割合には好適な範囲があり、多いほどナノファイバー不織布の自立性が向上し、不織布の破断や、繊維の解れ脱落が抑制される傾向にある。一方、少ないほど、接着した接点において、不織布に残留応力や残留ひずみが蓄積され難い傾向にある。例えば、本実施形態の複合ナノファイバー不織布をプロトン伝導性ポリマーと複合化し複合電解質膜を作製する際に、応力やひずみが緩和されることでシワが発生し、複合電解質膜の品位低下につながるが、このような品質の低下を抑制することができる。ボンディング加工の方法としては、例えば、赤外線や熱風による加熱処理や熱プレス、カレンダー処理などが挙げられる。
基材ナノファイバー不織布の目付(g/m2)は、用途に応じて適宜調整することができるが、0.5g/m2以上50g/m2以下であると好ましく、1.0g/m2以上20g/m2以下であるとより好ましく、1.0g/m2以上10g/m2以下であるとさらに好ましい。目付が0.5g/m2以上であることにより、基材ナノファイバー不織布の自立性がより向上し、複合ナノファイバー不織布を作製する際の取扱いが容易となり、製造プロセスが安定化する傾向にある。また、得られる複合ナノファイバー不織布の機械物性もより向上する傾向にある。また、目付が50g/m2以下であることにより、基材ナノファイバー不織布の生産性が向上し、また複合ナノファイバー不織布をより薄く構成できる傾向にある。
さらに、複合ナノファイバー不織布の多岐にわたる用途の中で例えば電解質膜補強材として使用する場合には、目付は0.5g/m2以上7.5g/m2以下であると好ましく、1.0g/m2以上5.0g/m2以下であるとより好ましく、1.5g/m2以上3.5g/m2以下であるとさらに好ましい。目付が0.5g/m2以上であることにより、上記に加え、得られる複合ナノファイバー不織布の電解質膜の補強効果もより向上し、また、目付が7.5g/m2以下であることにより、複合ナノファイバー不織布で補強された複合電解質膜の抵抗を低く保つことができる。
基材ナノファイバー不織布の目付(g/m2)は以下のようにして求められる。200mm×150mmに切り出した基材ナノファイバー不織布の重量を精密天秤にて測定し、1m2あたりの重量に換算して基材ナノファイバー不織布の目付(g/m2)とする。
基材ナノファイバー不織布の厚みは、用途に応じて適宜調整することができるが、3μm以上200μm以下であると好ましく、3μm以上100μm以下であるとより好ましく、5μm以上50μm以下であるとさらに好ましい。厚みをこのような範囲とすることにより、膜の自立性がより向上し、複合ナノファイバー不織布を作製する際の取扱いが容易となり、製造プロセスが安定化する傾向にある。また、得られる複合ナノファイバー不織布の機械物性もより向上する傾向にある。
さらに、複合ナノファイバー不織布を電解質膜補強材として使用する場合には、厚みは、5μm以上30μm以下であると好ましく、5μm以上25μm以下であるとさらに好ましい。厚みが上記範囲内であることにより、得られる複合ナノファイバー不織布とプロトン伝導性ポリマーを備える複合電解質膜の機械強度とプロトン伝導性を両立させることができる。
基材ナノファイバーの厚みは接触式の膜厚計(ミツトヨ製、製品名「ABSデジマチックインジケータID-F125」)を用いて以下のようにして求められる。100mm×100mmに切り出した基材ナノファイバー不織布について、任意の5点で厚みを測定し、その算術平均を基材ナノファイバー不織布の厚みとする。
基材ナノファイバー不織布の空隙率は、特に限定されないが、好ましくは50%以上98%以下であり、より好ましくは70%以上98%以下であり、さらに好ましくは80%以上95%以下である。空隙率が50%以上であることにより、気体や液体の透過性がより向上する傾向にあり、濾材やセパレータ等として用いる際により適する。また、樹脂補強材として用いる際には、樹脂の含浸不良がより抑制される傾向にある。一方、空隙率が98%以下であることにより、基材ナノファイバー不織布の自立性が向上し、取扱い性がより向上する傾向にある。
基材ナノファイバー不織布の空隙率は以下のようにして求められる。まず、40mm×30mmに切り出した基材ナノファイバー不織布の重量を精密天秤にて測定し、測定した重量及び基材ナノファイバー不織布の厚みから膜密度ρ(g/cm3)を下記式(A)により算出する。
膜密度ρ(g/cm3)=m/(4.0×3.0×t) (A)
m:40mm×30mmに切り出した基材ナノファイバー不織布の重量(g)
t:基材ナノファイバー不織布の厚み(cm)
そして、得られた膜密度ρ及び基材ナノファイバー不織布を構成する素材の真密度ρ0(g/cm3)から、下記式(B)により空隙率(%)を求めることができる。
空隙率(%)=(1-(ρ/ρ0))×100 (B)
<被覆状態>
複合ナノファイバー不織布全体におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度X(%)は、0.3%以上15%以下であると好ましく、0.5%以上10%以下であるとさらに好ましい。ポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度X(%)が0.3%以上であることにより、帯電防止性能及び機械強度がより向上する傾向にある。また、ポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度X(%)が15%以下であることにより、余剰のポリアゾール系化合物が基材ナノファイバー不織布の空隙を閉塞することを抑制できる傾向にある。これにより、基材ナノファイバー不織布が有する微細かつ高空隙率な多孔構造を維持した複合ナノファイバー不織布を得ることができるため、基材ナノファイバー不織布に由来する機能をより有効に発現させすい傾向にある。
複合ナノファイバー不織布全体におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度X(%)は、例えば以下のような核磁気共鳴分光法(NMR)を用いた方法によって求めることができる。まず、複合ナノファイバー不織布をNMR測定用の重水素化溶媒に完全に溶解させる。この測定溶液について1H-NMR測定を行い、NMRスペクトルを取得する。得られたNMRスペクトルの複数のピークから、基材ナノファイバー不織布を構成する素材と、ポリアゾール系化合物、それぞれに由来するピークを一つずつ選択し、それらの積分値、INFとIAZOLEを取得する。ここで選択するピークは他のピークとの重なりが極力無いことが好ましい。さらに基材ナノファイバー不織布を構成する素材とポリアゾール系化合物の繰り返し単位の分子量MNFおよびMAZOLEと、繰り返し単位中の、これらのピークを与える水素原子(プロトン)の個数nNF、nAZOLEから、以下の式(C)により、複合ナノファイバー不織布全体におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度X(%)を算出することができる。
ポリアゾール系化合物の不織布全体における質量パーセント濃度X(%)
=100×(MAZOLE×IAZOLE/nAZOLE)/((MAZOLE×IAZOLE/nAZOLE)+(MNF×INF/nNF)) (C)
NF :基材ナノファイバー不織布を構成する素材のNMRピークAの積分値
AZOLE:ポリアゾール系化合物のNMRピークBの積分値
NF :NMRピークAが帰属する水素原子を有する繰り返し単位Aの分子量
AZOLE:NMRピークBが帰属する水素原子を有する繰り返し単位Bの分子量
NF :繰り返し単位A中のNMRピークAを与える水素原子の個数
AZOLE:繰り返し単位B中のNMRピークBを与える水素原子の個数
ポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度X(%)は、後述する製造方法において用いるポリアゾール溶液中のポリアゾール系化合物の濃度を調整することや、ポリアゾール溶液の溶媒を変えて乾燥速度を調整すること等により制御することができる。
複合ナノファイバー不織布の繊維表面におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度Y(%)は、2%以上であると好ましく、5%以上であるとより好ましく、10%以上であるとさらに好ましい。また、質量パーセント濃度Y(%)の上限は、特に制限されないが、100%以下でもよく、80%以下でもよく、50%以下でもよく、30%以下でもよい。ポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度Y(%)が2%以上であることにより、基材ナノファイバー表面を被覆するポリアゾール系化合物による帯電防止、高機械強度等の効果が得られやすい傾向にある。また、ポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度Y(%)が100%以下であることにより、余剰のポリアゾール系化合物が基材ナノファイバー不織布の空隙を閉塞しにくく、基材ナノファイバー不織布が有する微細かつ高空隙率な多孔構造に由来する機能が発現しやすい傾向にある。
複合ナノファイバー不織布の繊維表面におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度Y(%)は、X線光電子分光法(XPS)で得られる、繊維表面数nmにおける元素の定量情報(相対元素濃度)をもとに算出される。基材ナノファイバー不織布を構成する素材と、ポリアゾール系化合物、それぞれでのみ検出される元素を選択し、それらの相対元素濃度CNF(atomic%)とCAZOLE(atomic%)を複合ナノファイバー不織布のXPS測定により取得する。さらに基材ナノファイバー不織布を構成する素材とポリアゾール系化合物の繰り返し単位の分子量MNFおよびMAZOLEと、繰り返し単位中の選択した元素の個数NNF、NAZOLEから、以下の式(D)により、複合ナノファイバー不織布の繊維表面におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度Y(%)を算出することができる。
ポリアゾール系化合物の繊維表面における質量パーセント濃度Y(%)
=100×(MAZOLE×CAZOLE/NAZOLE)/((MAZOLE×CAZOLE/NAZOLE)+(MNF×CNF/NNF)) (D)
NF :基材ナノファイバー不織布を構成する素材でのみ検出される元素Aの相対元素濃度
AZOLE:ポリアゾール系化合物でのみ検出される元素Bの相対元素濃度
NF :元素Aを有する繰り返し単位Aの分子量
AZOLE:元素Bを有する繰り返し単位Bの分子量
NF :繰り返し単位A中の元素Aの個数
AZOLE:繰り返し単位B中の元素Bの個数
ポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度Y(%)は、後述する製造方法において用いるポリアゾール溶液中のポリアゾール系化合物の濃度を調整することや、ポリアゾール溶液の溶媒を変えて乾燥速度を調整すること等により制御することができる。
複合ナノファイバー不織布全体におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度X(%)と、複合ナノファイバー不織布の繊維表面におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度Y(%)の比Y/Xは、1を超えていると好ましく、2以上であるとさらに好ましい。また、比Y/Xの上限は特に制限されないが、100以下であってもよく、50以下であってもよく、30以下であってもよく、20以下であってもよい。比Y/Xは、複合ナノファイバー不織布の繊維表面に偏在するポリアゾール系化合物の量を示す指標であり、比Y/Xが1を超えているということは、ポリアゾール系化合物が基材ナノファイバー不織布の繊維表面を被覆する形で複合化され、繊維表面に偏在していることを意味する。これにより、基材ナノファイバー表面を被覆するポリアゾール系化合物による帯電防止、高機械強度等の効果が得られやすい傾向にある。
基材ナノファイバー不織布の目付(g/m2)は、用途に応じて適宜調整することができるが、0.5g/m2以上50g/m2以下であると好ましく、1.0g/m2以上20g/m2以下であるとより好ましく、1.0g/m2以上10g/m2以下であるとさらに好ましい。目付が0.5g/m2以上であることにより、複合ナノファイバー不織布の自立性がより向上し、複合ナノファイバー不織布を用いて製品を作製する際の取扱いが容易となり、製造プロセスが安定化する傾向にある。また、得られる製品の機械物性もより向上する傾向にある。また、目付が50g/m2以下であることにより、得られる製品をより薄く構成できる傾向にある。
さらに、複合ナノファイバー不織布を電解質膜補強材として使用する場合には、目付は0.5g/m2以上7.5g/m2以下であると好ましく、1.0g/m2以上5.0g/m2以下であるとより好ましく、1.5g/m2以上3.5g/m2以下であるとさらに好ましい。目付が0.5g/m2以上であることにより、上記に加え、プロトン伝導性ポリマーと複合化して複合電解質膜を作製する際に取扱いが容易でプロセスが安定化し、また、電解質膜の補強効果もより向上する。また、目付が7.5g/m2以下であることにより、複合電解質膜の抵抗を低く保つことができる。
複合ナノファイバー不織布の目付(g/m2)は以下のようにして求められる。200mm×150mmに切り出した複合ナノファイバー不織布の重量を精密天秤にて測定し、1m2あたりの重量に換算して複合ナノファイバー不織布の目付(g/m2)とする。
複合ナノファイバー不織布の繊維径は、基材ナノファイバー不織布の繊維径及び繊維表面上のポリアゾール系化合物の被覆量により制御することができる。本実施形態の複合ナノファイバー不織布を構成する繊維の平均繊維径は、好ましくは750nm以下であり、より好ましくは500nm以下であり、さらに好ましくは400nm以下であり、特に好ましくは350nm以下である。平均繊維径が750nm以下であることにより、高比表面積、微細孔径、nmオーダーの微細構造に由来する特異な機能が発現する。特に、樹脂補強材としての補強効果が向上したり、濾材としての分離性能が向上する傾向にある。また、平均繊維径は、好ましくは10nm以上であり、より好ましくは50nm以上であり、さらに好ましくは100nm以上である。平均繊維径が100nm以上であることにより、不織布の生産性及び加工性がより向上し、目付、空隙率の均一性がより向上し、自立性がより確保されやすい傾向にある。
複合ナノファイバー不織布の平均繊維径は、走査型電子顕微鏡により求めることができる。具体的には、複合ナノファイバー不織布の表面を撮影した5000倍の走査型電子顕微鏡写真のもと、50本の繊維の繊維径の算術平均を複合ナノファイバー不織布の平均繊維径とする。ここで繊維径は、繊維の長さ方向に対して直交する方向における長さをいう。
複合ナノファイバー不織布の厚みは、用途に応じて適宜調整することができるが、3μm以上200μm以下であると好ましく、3μm以上100μm以下であるとより好ましく、5μm以上50μm以下であるとさらに好ましい。厚みをこのような範囲とすることにより、膜の自立性がより向上し、複合ナノファイバー不織布を用いて製品を作製する際の取扱いが容易となり、製造プロセスが安定化する傾向にある。また、得られる製品の機械物性もより向上する傾向にある。
さらに、複合ナノファイバー不織布を電解質膜補強材として使用する場合には、厚みは、3μm以上30μm以下であると好ましく、3μm以上25μm以下であるとさらに好ましい。厚みが上記範囲内であることにより、複合ナノファイバー不織布とプロトン伝導性ポリマーを備える複合電解質膜の機械強度とプロトン伝導性を両立させることができる。
複合ナノファイバーの厚みは接触式の膜厚計(ミツトヨ製、製品名「ABSデジマチックインジケータID-F125」)を用いて以下のようにして求められる。100mm×100mmに切り出した複合ナノファイバー不織布について、任意の5点で厚みを測定し、その算術平均を複合ナノファイバー不織布の厚みとする。
複合ナノファイバー不織布の空隙率は、基材ナノファイバー不織布の空隙率に応じて制御することができる。複合ナノファイバー不織布の空隙率は、特に限定されないが、好ましくは50%以上98%以下であり、より好ましくは70%以上98%以下であり、さらに好ましくは75%以上95%以下である。空隙率が50%以上であることにより、気体や液体の透過性がより向上する傾向にあり、濾材やセパレータ等として用いる際により適する。また、樹脂補強材として用いる際には、樹脂の含浸不良がより抑制される傾向にある、一方、空隙率が98%以下であることにより、複合ナノファイバー不織布の自立性が向上し、取扱い性がより向上する傾向にある。
複合ナノファイバー不織布の空隙率は以下のようにして求められる。まず、40mm×30mmに切り出した複合ナノファイバー不織布の重量を精密天秤にて測定し、測定した重量及び複合ナノファイバー不織布の厚みから膜密度ρ(g/cm3)を下記式(A)により算出する。
膜密度ρ(g/cm3)=m/(4.0×3.0×t) (A)
m:40mm×30mmに切り出した複合ナノファイバー不織布の重量(g)
t:複合ナノファイバー不織布の厚み(cm)
そして、得られた膜密度ρ及び複合ナノファイバー不織布を構成する素材の真密度ρ0(g/cm3)から、下記式(B)により空隙率(%)を求めることができる。複合ナノファイバー不織布を構成する素材の真密度ρ0は、基材ナノファイバー不織布を構成する素材の真密度ρNF(g/cm3)、ポリアゾール系化合物の真密度ρAZOLE(g/cm3)、複合ナノファイバー不織布全体におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度X(%)を用いて、下記式(E)により算出される。
空隙率(%)=(1-(ρ/ρ0))×100 (B)
真密度ρ0(g/cm3)=100×ρNF×ρAZOLE/(X×ρNF+(100-X)×ρAZOLE) (E)
<複合ナノファイバー不織布の製造方法>
本実施形態における複合ナノファイバー不織布の製造方法について説明する。複合ナノファイバー不織布の製造方法は、ポリアゾール系化合物及びアルカリ金属水酸化物がプロトン性溶媒に溶解したポリアゾール溶液に、基材ナノファイバー不織布を浸漬する工程を含む。これにより、繊維表面の少なくとも一部をポリアゾール系化合物で被覆された複合ナノファイバー不織布を得ることができる。浸漬工程はバッチ式であっても連続式であってもよい。
一般にポリアゾール系化合物は、その剛直な分子骨格ゆえに溶解性が低く、非プロトン性極性溶媒などの樹脂の溶解性が高い溶媒にしか溶けない。したがって、ポリアゾール系化合物単体を非プロトン性極性溶媒に溶解した溶液に、基材ナノファイバー不織布を浸漬すると、基材ナノファイバー不織布が溶解してしまうという問題が生じる。しかし、アルカリ金属水酸化物を共存させることで、プロトン性溶媒にポリアゾール系化合物を溶解させたポリアゾール溶液を用いたこの製造方法により、基材ナノファイバー不織布がポリアゾール溶液に溶解するという問題を生じずに、繊維表面をより均一に被覆する形でポリアゾール系化合物と基材ナノファイバー不織布とを複合化することができる。
本実施形態において、プロトン性溶媒とは、水、アルコール類、脂肪酸などのように解離してプロトンを放出する溶媒を言う。下記にプロトン性溶媒の例を示すが、解離してプロトンを放出する溶媒であれば、これに限定されるものではない。またプロトン性溶媒の内、水以外をプロトン性有機溶媒とする。プロトン性溶媒の例としては、水;脂肪族アルコール類として、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、イソペンチルアルコール、tert-ペンチルアルコール、3-メチル-2-ブタノール、ネオペンチルアルコール、1-ヘキサノール、2-メチル-1-ペンタノール、4-メチルー2-ペンタノール、2-エチル-1-ブタノール、1-へプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、1-オクタノール、2-オクタノール、2-メチル-1-ヘキサノール、1-ノナノール、3,5,5-トリメチル-1-ヘキサノール、1-デカノール、1-ウンデカノール、1-ドデカノール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、1-メチルシクロヘキサノール、2-メチルシクロヘキサノール、3-メチルシクロヘキサノール、4-メチルシクロヘキサノール、α-テルピネオール、アビエチノール、フーゼル油;複数の官能基を有するものとして、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-(メトキシメトキシ)エタノール、2-イソプロポキシエタノール、2-ブトキシエタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-(へキシルオキシ)エタノール、2-フェノキシエタノール、2-(ベンジルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ジアセトンアルコール、2-クロロエタノール、1-クロロ-2-プロパノール、3-クロロ-1,2-プロパンジオール、1,3-ジクロロ-2-プロパノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、3-ヒドロキシプロピオニトリル、2-アミノエタノール、2-(ジエチルアミノ)エタノール、2-(ジエチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、N-ブチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’-チオジエタノール;ジオール類として、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-ブテン-1,4-ジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、グリセリン、2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール;フェノール類として、フェノール、クレゾール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、キシレノール類;フッ素化アルコール類として、一般式[CF3-(CF2x-(CH2y-OH]でありx=1~20、y=0~19でかつx+yが20以下のものやフッ素などでハロゲン化置換したアルコール等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても構わないし、2種類以上を混合して用いても構わない。
アルカリ金属水酸化物としては、特に制限されないが、例えば、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、FrOHなどの一価のアルカリ金属水酸化物が挙げられる。この中でもNaOHが同時に混合するポリアゾール系化合物の溶解性の面から好ましい。
ポリアゾール溶液におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度は、ポリアゾール溶液の総量を100質量%として、好ましくは0.005~25質量%であり、より好ましくは0.005~20質量%であり、さらに好ましくは0.01~15質量%であり、特に好ましくは0.01~5質量%である。ポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度が0.005質量%以上であることにより、基材ナノファイバー不織布の繊維表面を効率的に被覆できる傾向にある。また、ポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度が25質量%以下であることにより、ポリアゾール系化合物の未溶解物の発生を抑制できる傾向にある。
また、ポリアゾール溶液におけるアルカリ金属水酸化物の質量パーセント濃度は、ポリアゾール溶液の総量を100質量%として、好ましくは0.001~25質量%であり、より好ましくは0.001~20質量%であり、さらに好ましくは0.01~15質量%であり、特に好ましくは0.01~5質量%である。アルカリ金属水酸化物の量が0.001質量%以上であることにより、ポリアゾール系化合物が十分に溶解され、基材ナノファイバー不織布の繊維表面を効率的に被覆できる傾向にある。また、アルカリ金属水酸化物の量が25質量%以下であることにより、アルカリ金属水酸化物の沈殿を抑制できる傾向にある。
さらに、ポリアゾール溶液におけるポリアゾール系化合物とアルカリ金属水酸化物の質量パーセント濃度は、ポリアゾール系化合物が0.005~25質量%でアルカリ金属水酸化物が0.001~25質量%であり、より好ましくはポリアゾール系化合物が0.005~20質量%でアルカリ金属水酸化物が0.001~20質量%であり、さらに好ましくはポリアゾール系化合物が0.01~15質量%でアルカリ金属水酸化物が0.01~15質量%である。
また、ポリアゾール溶液におけるポリアゾール系化合物に対するアルカリ金属水酸化物の質量比は、好ましくは1.5以下であり、より好ましくは0.2~1.5であり、さらに好ましくは0.3~1.2である。質量比が上記範囲内であることにより、ポリアゾール系化合物が十分に溶解され、基材ナノファイバー不織布の繊維表面を効率的に被覆できる傾向にある。
ポリアゾール系化合物の溶解に際しては、ポリアゾール系化合物及びアルカリ金属水酸化物をプロトン性溶媒に添加し、加温をする方法が溶解性を高める上で好ましい。この際の温度は、好ましくは10~160℃であり、より好ましくは10~150℃であり、さらに好ましくは10~90℃である。なお、加温の上限は、プロトン性溶媒の沸点としてもよい。
<溶液除去工程>
本実施形態の複合ナノファイバー不織布の製造方法は、浸漬工程後、必要に応じて、過剰なポリアゾール溶液を除去する溶液除去工程を有してもよい。溶液の除去方法は特に限定はされないが、例えば、布や紙等で余剰のポリアゾール溶液を拭き取る方法、空気流により余剰のポリアゾール溶液を吹き飛ばす方法、マスロールなどに接触させる方法や、振動を加える方法などが挙げられる。過剰なポリアゾール溶液を除去することにより、基材ナノファイバー不織布の空隙率や微細構造が維持され、平坦性に優れた高品位な複合ナノファイバー不織布を得ることができる傾向にある。
<乾燥工程>
本実施形態の複合ナノファイバー不織布の製造方法は、浸漬工程後、必要に応じて、付着したポリアゾール溶液を乾燥させる乾燥工程を有してもよい。乾燥方法は特に限定はされないが、例えば赤外線や熱風を用いた加熱乾燥処理、真空乾燥処理、自然乾燥や、それらの組み合わせが挙げられる。
<洗浄工程>
本実施形態の複合ナノファイバー不織布の製造方法は、乾燥工程後、必要に応じて、複合ナノファイバー不織布を酸及び/又は水で洗浄する洗浄工程を有してもよい。洗浄することにより、ポリアゾール系化合物の被膜中のアルカリ金属水酸化物を除去することができる。洗浄方法としては、複合ナノファイバー不織布を酸及び/又は水に接触させてアルカリ金属水酸化物が酸又は水中に溶解する態様であれば特に制限されない。洗浄に水を使用する場合、例えば、水洗後の水のpHが6~7となればアルカリ金属水酸化物を充分に除去できたとみなすことができる。
洗浄を施された複合ナノファイバー不織布は、必要に応じて、再度乾燥処理を施してもよい。乾燥処理方法は特に限定はされないが、例えば赤外線や熱風を用いた加熱乾燥処理、真空乾燥処理、自然乾燥や、それらの組み合わせが挙げられる。
<用途>
本実施形態の複合ナノファイバー不織布の用途は特に限定されず、例えば樹脂補強材、電解質膜補強材、電池やキャパシタのセパレータ、濾材、細胞培養基材などに好適に用いられる。中でも電解質膜補強材、とりわけ固体高分子形燃料電池用電解質膜の補強材として好適に用いられる。電解質膜補強材として複合ナノファイバー不織布を用いることで、電解質膜の機械強度や耐久性を向上させることができる。以下、複合ナノファイバー不織布と、プロトン伝導性ポリマーと、を備える、複合電解質膜について説明する。
図1に、複合ナノファイバー不織布とプロトン伝導性ポリマーが複合化される際の断面模式図を示す。図1に示されるように、複合ナノファイバー不織布1はプロトン伝導性ポリマー2と複合化しており、その空隙にはプロトン伝導性ポリマー2が少なくとも部分的に充填され、複合層3を形成する。複合層3の両面にはプロトン伝導性ポリマー層2が形成される。図2に本実施形態の複合電解質膜の使用態様の一例を説明するための模式図を示す。図2に示されるように、本実施形態の複合ナノファイバー不織布1は、電極触媒層4、電解質であるプロトン伝導性ポリマー層2、複合ナノファイバー不織布1とプロトン伝導性ポリマー2の複合層3、プロトン伝導性ポリマー層2、および電極触媒層4の順で膜電極複合体を構成して使用することができる。
複合電解質膜の厚みは、1μm以上300μm以下であることが好ましく、より好ましくは2μm以上100μm以下、更に好ましくは5μm以上50μm以下、特に好ましくは5μm以上25μm以下である。複合電解質膜の厚みを上記範囲に調整することにより、水素と酸素との直接反応のような不都合を低減でき、燃料電池製造時や燃料電池運転中に差圧・歪み等が生じても、膜の損傷等が発生し難くなる傾向にある。さらに、複合電解質膜のイオン透過性をより良好に維持し、電解質膜としての性能をより有効かつ確実に維持する観点からも、厚みを上記範囲に調整することは好ましい。
複合電解質膜の厚みは接触式の膜厚計(ミツトヨ製、製品名「ABSデジマチックインジケータID-F125」)を用いて以下のようにして求められる。100mm×100mmに切り出した複合電解質膜について、任意の5点で厚みを測定し、その算術平均を複合電解質膜の厚みとする。
上記プロトン伝導性ポリマーは特に限定されないが、例えば、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン高分子化合物、及び、分子内に芳香環を有する炭化水素系高分子化合物にイオン交換基を導入したものが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも、化学的安定性に一層優れる観点から、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン高分子化合物が好適である。
プロトン伝導性ポリマーのイオン交換容量(ミリ当量/g)は、0.5ミリ当量/g以上3.0ミリ当量/g以下であると好ましく、0.65ミリ当量/g以上2.0ミリ当量/g以下であるとより好ましく、0.8ミリ当量/g以上1.5ミリ当量/g以下であるとさらに好ましい。イオン交換容量が3.0ミリ当量/g以下であることにより、電解質膜として使用した際に、燃料電池運転中の高温高加湿下における電解質膜の膨潤がより低減される傾向にある。このように膨潤が低減されることにより、電解質膜の強度の低下や、しわが発生して電極から剥離したりするといった問題、さらには、ガス遮断性が低下する問題を低減できる傾向にある。また、イオン交換容量が0.5ミリ当量/g以上であることにより、得られた電解質膜を備えた燃料電池の発電能力がより向上する傾向にある。
イオン交換容量は、以下の方法により求めることができる。イオン交換基の対イオンがプロトンの状態となっている電解質膜(シート面積でおよそ2cm2以上20cm2以下)を、25℃の飽和NaCl水溶液30mLに浸漬し、攪拌しながら30分間放置する。次いで、飽和NaCl水溶液中のプロトンを、フェノールフタレインを指示薬として0.01NのNaOH水溶液を用いて中和滴定する。中和後に得られた、イオン交換基の対イオンがナトリウムイオンの状態となっている電解質膜を、純水ですすぎ、さらに真空乾燥してから秤量する。中和に要したNaOHの物質量をM(mmol)、イオン交換基の対イオンがナトリウムイオンである電解質膜の重量をW(mg)とし、下記式(F)により当量重量EW(g/eq)を求める。
EW(g/eq)=(W/M)-22 (F)
さらに、得られたEWの値の逆数をとって1000倍とすることにより、イオン交換容量(ミリ当量/g)を算出する。
イオン交換基としては、特に限定されないが、例えばスルホン酸基、スルホンイミド基、スルホンアミド基、カルボキシ基及びリン酸基が挙げられ、中でもスルホン酸基であることが好ましい。イオン交換基は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
分子内に芳香環を有する炭化水素系高分子化合物としては、特に限定されないが、例えば、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリチオエーテルエーテルスルホン、ポリチオエーテルケトン、ポリチオエーテルエーテルケトン、ポリベンズイミダゾール、ポリベンズオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリベンズオキサジノン、ポリキシリレン、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセン、ポリシアノゲン、ポリナフチリジン、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、芳香族ポリアミド、ポリスチレン、ポリエステル、及びポリカーボネートが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
また、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン高分子化合物としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂、パーフルオロカーボンカルボン酸樹脂、パーフルオロカーボンスルホンイミド樹脂、パーフルオロカーボンスルホンアミド樹脂、及びパーフルオロカーボンリン酸樹脂、並びにこれら樹脂のアミン塩及び金属塩が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
パーフルオロカーボン高分子化合物としては、特に限定されないが、より具体的には、下記式[1]で表される重合体が挙げられる。
-[CF2CX12a-[CF2-CF(-O-(CF2-CF(CF23))b-Oc-(CFR1d-(CFR2e-(CF2f-X4)]g- [1]
ここで、式中、X1、X2及びX3は、各々独立して、ハロゲン原子又は炭素数1以上3以下のパーフルオロアルキル基を示す。a及びgは、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1を満たす。bは0以上8以下の整数である。cは0又は1である。d及びeは、互いに独立して、0以上6以下の整数である。fは、0以上10以下の整数である。ただし、d+e+fは0に等しくない。R1及びR2は、互いに独立して、ハロゲン原子、炭素数1以上10以下のパーフルオロアルキル基又はフルオロクロロアルキル基を示す。X4はCOOZ、SO3Z、PO32又はPO3HZを示す。ここで、Zは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はアミン類(NH4、NH33、NH234、NHR345、又はNR3456)を示す。また、R3、R4、R5及びR6は、各々独立してアルキル基又はアレーン基を示す。
これらの中でも、下記式[2]又は式[3]で表されるパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂若しくはその金属塩が好ましい。
-[CF2CF2a-[CF2-CF(-O-(CF2-CF(CF3))b-O-(CF2c-SO3X)]d- [2]
ここで、式中、a及びdは、0≦a<1、0≦d<1、a+d=1を満たす。bは1以上8以下の整数である。cは0以上10以下の整数である。Xは水素原子又はアルカリ金属原子を示す。
-[CF2CF2e-[CF2-CF(-O-(CF2f-SO3Y)]g- [3]
ここで、式中、e及びgは、0≦e<1、0≦g<1、e+g=1を満たす。fは0以上10以下の整数である。Yは水素原子又はアルカリ金属原子を示す。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
<基材ナノファイバー不織布の目付>
200mm×150mmに切り出した基材ナノファイバー不織布の重量を精密天秤にて測定し、1m2あたりの重量に換算して基材ナノファイバー不織布の目付(g/m2)とした。
<基材ナノファイバー不織布及び複合ナノファイバー不織布の平均繊維径>
基材ナノファイバー不織布及び複合ナノファイバー不織布の表面を撮影した5000倍の走査型電子顕微鏡写真のもと、50本の繊維の繊維径の算術平均を基材ナノファイバー不織布及び複合ナノファイバー不織布の平均繊維径とした。ここで繊維径は、繊維の長さ方向に対して直交する方向における長さを用いた。
<基材ナノファイバー不織布及び複合ナノファイバー不織布の厚み>
基材ナノファイバー不織布及び複合ナノファイバー不織布の厚みは接触式の膜厚計(ミツトヨ製、製品名「ABSデジマチックインジケータID-F125」)を用いて測定した。100mm×100mmに切り出した基材ナノファイバー不織布及び複合ナノファイバー不織布について、任意の5点で厚みを測定し、その算術平均を基材ナノファイバー不織布及び複合ナノファイバー不織布の厚みとした。
<基材ナノファイバー不織布及び複合ナノファイバー不織布の空隙率>
40mm×30mmに切り出した基材ナノファイバー不織布及び複合ナノファイバー不織布の重量を精密天秤にて測定し、測定した重量、及び、基材ナノファイバー不織布及び複合ナノファイバー不織布の厚みから膜密度ρ(g/cm3)を下記式(A)により算出した。
膜密度ρ(g/cm3)=m/(4.0×3.0×t) (A)
m:40mm×30mmに切り出した基材ナノファイバー不織布の重量(g)
t:ナノファイバー不織布の厚み(cm)
そして、基材ナノファイバー不織布については、得られた膜密度ρ及び基材ナノファイバー不織布を構成する素材の真密度ρ0(g/cm3)から、下記式(B)により空隙率(%)を求めた。また、複合ナノファイバー不織布については、得られた膜密度ρ及び複合ナノファイバー不織布の真密度ρ0から、下記式(B)により空隙率(%)を求めた。
空隙率(%)=(1-(ρ/ρ0))×100 (B)
なお、複合ナノファイバー不織布の真密度ρ0は、基材ナノファイバー不織布を構成する素材の真密度ρNF(g/cm3)、ポリアゾール系化合物の真密度ρAZOLE(g/cm3)、複合ナノファイバー不織布全体におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度X(%)を用いて、下記式(E)により算出した。
真密度ρ0(g/cm3)=100×ρNF×ρAZOLE/(X×ρNF+(100-X)×ρAZOLE) (E)
<複合ナノファイバー不織布全体におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度>
複合ナノファイバー不織布全体におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度X(%)は、以下のような核磁気共鳴分光法(NMR)を用いた方法によって求めた。複合ナノファイバー不織布をNMR測定用の重水素化溶媒に完全に溶解させた測定溶液について、核磁気共鳴装置(日本電子製、製品名「JNM-ECS400」)を用いて1H-NMR測定を行い、NMRスペクトルを取得した。基材ナノファイバー不織布を構成する素材と、ポリアゾール系化合物、それぞれに由来するピークを一つずつ選択し、それらの積分値、INFとIAZOLEを取得した。さらに基材ナノファイバー不織布を構成する素材とポリアゾール系化合物の繰り返し単位の分子量MNFおよびMAZOLEと、繰り返し単位中の、これらのピークを与える水素原子(プロトン)の個数nNF、nAZOLEから、以下の式(C)により、複合ナノファイバー不織布全体におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度X(%)を算出した。
ポリアゾール系化合物の不織布全体における質量パーセント濃度X(%)
=100×(MAZOLE×IAZOLE/nAZOLE)/((MAZOLE×IAZOLE/nAZOLE)+(MNF×INF/nNF)) (C)
<複合ナノファイバー不織布の繊維表面におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度>
複合ナノファイバー不織布の繊維表面におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度Y(%)は、以下のようなX線光電子分光法(XPS)を用いた方法によって求めた。複合ナノファイバー不織布について、X線光電子分光装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック製、製品名「ESCALAB 250」)を用いてXPS測定を行った。1mm×2mmスロット型マスクを被せた測定試料をXPS測定に供し、分析領域は約1mmの大きさの楕円、光電子取込角を0°とした。基材ナノファイバー不織布を構成する素材と、ポリアゾール系化合物、それぞれでのみ検出される元素を選択し、それらの相対元素濃度CNF(atomic%)とCAZOLE(atomic%)を取得した。さらに基材ナノファイバー不織布を構成する素材とポリアゾール系化合物の繰り返し単位の分子量MNFおよびMAZOLEと、繰り返し単位中の選択した元素の個数NNF、NAZOLEから、以下の式(D)により、複合ナノファイバー不織布の繊維表面におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度Y(%)を算出した。
ポリアゾール系化合物の繊維表面における質量パーセント濃度Y(%)
=100×(MAZOLE×CAZOLE/NAZOLE)/((MAZOLE×CAZOLE/NAZOLE)+(MNF×CNF/NNF)) (D)
<基材ナノファイバー不織布及び複合ナノファイバー不織布の繊維の解れ脱落の評価>
50mm×50mmに切り出した基材ナノファイバー不織布又は複合ナノファイバー不織布の表面を20mm×20mmのクリーンペーパー(桜井株式会社製、製品名「EXクリーン ブルー EX72B」)で3度、同一方向に擦った。その後、基材ナノファイバー不織布又は複合ナノファイバー不織布の表面を目視で観察し、繊維の解れ脱落に由来する毛羽立ちの有無を確認し、以下の基準により判定した。
○:繊維の解れ脱落が確認されなかった。
×:繊維の解れ脱落が確認された。
<基材ナノファイバー不織布及び複合ナノファイバー不織布の破断伸度>
基材ナノファイバー不織布又は複合ナノファイバー不織布について、シート形状に加工する際の流れ方向(MD)及びMDと直交する方向(TD)を区別し、基材ナノファイバー不織布又は複合ナノファイバー不織布をMD方向に70mm、TD方向に10mmの大きさに切り出した。切り出した5枚の試料について、JIS K-7127に準拠してMD方向の引張試験を行い、得られた5点の破断伸度(%)の算術平均値を基材ナノファイバー不織布及び複合ナノファイバー不織布の破断伸度(%)とした。測定は50Nロードセルを備える引っ張り試験機(エー・アンド・デイ社製、製品名「テンシロン万能材料試験機 RTG-1210」)を用いた。チャック間距離は50mm、クロスヘッド速度300mm/minとして、24℃、相対湿度45%の環境下で行った。
<基材ナノファイバー不織布及び複合ナノファイバー不織布の帯電電位>
クリーンペーパー(桜井株式会社製、製品名「EXクリーン ブルー EX72B」)上に、100mm×100mmに切り出した基材ナノファイバー不織布又は複合ナノファイバー不織布を設置した。3M社製Ionized Air Blower 967を用いて、1分間除電を行った。除電停止から5分後に、アズワン社製クリーンノールニトリル手袋(パウダーフリー)を装着した手でナノファイバー不織布の端部を掴んでクリーンペーパーから剥離し、直後の基材ナノファイバー不織布又は複合ナノファイバー不織布の帯電電位(kV)を静電気測定器(シムコ社製、製品名「Electrostatic Fieldmeter AD-1684A」)で測定した。
[実施例1]
<ポリベンズイミダゾール(PBI)溶液の製造>
ポリベンズイミダゾール(シグマアルドリッチジャパン社製、重量平均分子量27000)1gを充分に粉砕し、16質量%水酸化ナトリウム水溶液5g、エタノール20gを添加した後、80℃で1時間加熱攪拌した。ポリベンズイミダゾールは溶解し、赤褐色透明のポリベンズイミダゾール溶液が得られた。この溶液はポリベンズイミダゾールが3.8質量%、水酸化ナトリウム(溶液中のナトリウムを水酸化物として換算)が3.1質量%、水が16.1質量%、エタノールが77.0質量%であった。この溶液にエタノールを添加することでポリベンズイミダゾールの濃度を0.05質量%に調整し、複合ナノファイバー不織布の製造に供した。
<複合ナノファイバー不織布の製造>
上記PBI溶液に、表1の実施例1に記載の基材ナノファイバー不織布を浸漬し、すぐに引き上げた。引き上げた基材ナノファイバー不織布に付着した余分なPBI溶液をろ紙でふき取り、風乾により粗乾燥させた後に、100℃に設定した乾燥機(エスペック社製、型式「SPH-201M」)内で30分間乾燥させた。乾燥させた複合ナノファイバー不織布を水浴に30分、2度浸漬することで水洗を行った。さらに風乾により粗乾燥させた後に、100℃に設定した乾燥機(エスペック社製、型式「SPH-201M」)内で30分間乾燥することで複合ナノファイバー不織布を得た。
得られた複合ナノファイバー不織布に関して、複合ナノファイバー不織布全体におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度X(%)、複合ナノファイバー不織布の繊維表面におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度Y(%)、Y/X値、平均繊維径(nm)、厚み(μm)、空隙率(%)、繊維の解れ脱落の有無、破断伸度(%)、帯電電位(kV)を評価した。複合ナノファイバー不織布全体におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度X(%)の算出にあたっては、複合ナノファイバー不織布を濃度が3質量%になるように溶解させた重水素化N,N-ジメチルホルムアミド(DMF-d7)溶液の1H-NMRスペクトルにおいて、ポリエーテルスルホン(PES)に由来する7.3-7.4ppm付近のピークと、ポリベンズイミダゾール(PBI)に由来する9.3-9.4ppm付近のピークの積分値を用いた。化学シフトの基準は、DMFに由来する8.02ppmのピークを用いた。複合ナノファイバー不織布の繊維表面におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度Y(%)の算出にあたっては、XPS測定で取得したPESの硫黄(S)の相対元素濃度(atomic%)と、PBIの窒素(N)の相対元素濃度(atomic%)を用いた。結果を表1に示す。
[実施例2]
ポリベンズイミダゾールの濃度を0.3質量%に調整した以外は実施例1と同様の方法で複合ナノファイバー不織布を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
ポリベンズイミダゾールの濃度を0.5質量%に調整した以外は実施例1と同様の方法で複合ナノファイバー不織布を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
ポリベンズイミダゾールの濃度を1.0質量%に調整した以外は実施例1と同様の方法で複合ナノファイバー不織布を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例5]
ポリベンズイミダゾールの濃度を1.5質量%に調整した以外は実施例1と同様の方法で複合ナノファイバー不織布を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例6]
表1の実施例6に記載の基材ナノファイバー不織布を用いた以外は実施例5と同様の方法で複合ナノファイバー不織布を取得し、評価を行った。複合ナノファイバー不織布全体におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度X(%)の算出にあたっては、複合ナノファイバー不織布を濃度が3質量%になるように溶解させた重水素化N,N-ジメチルホルムアミド(DMF-d7)溶液の1H-NMRスペクトルにおいて、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)に由来する2.2-2.6ppm及び2.9-3.3ppm付近のピークと、ポリベンズイミダゾール(PBI)に由来する9.3-9.4ppm付近のピークの積分値を用いた。化学シフトの基準は、DMFに由来する8.02ppmのピークを用いた。複合ナノファイバー不織布の繊維表面におけるポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度Y(%)の算出にあたっては、XPS測定で取得したPVDFのフッ素(F)の相対元素濃度(atomic%)と、PBIの窒素(N)の相対元素濃度(atomic%)を用いた。結果を表1に示す。
[比較例1]
表1の比較例1に記載の基材ナノファイバー不織布について、特にポリアゾール系化合物との複合化を行うことなく、繊維の解れ脱落の有無、破断伸度(%)、帯電電位(kV)を評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
表1の比較例2に記載の基材ナノファイバー不織布を用いた以外は比較例1と同様の方法で評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
表1の比較例3に記載の基材ナノファイバー不織布を用いた以外は比較例1と同様の方法で評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0007061908000001
本発明の複合ナノファイバー不織布は、低帯電性などのポリアゾール系化合物に由来する特性を備え、かつ応力が加わるような過酷な使用環境や製造・加工プロセスにおいても破断、繊維の解れや脱落、といった問題を生じにくい高品位なナノファイバー不織布となる。そのため、樹脂補強材、電解質膜補強材、電池やキャパシタのセパレータ、濾材、細胞培養基材などの各種用途における材料として産業上の利用可能性を有する。

Claims (7)

  1. 基材ナノファイバー不織布と、
    該基材ナノファイバー不織布を構成する繊維表面の少なくとも一部を被覆するポリアゾール系化合物と、を有し、
    前記複合ナノファイバー不織布全体における前記ポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度X(%)と、前記複合ナノファイバー不織布の繊維表面における前記ポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度Y(%)の比Y/Xが、2以上である、
    複合電解質膜用の複合ナノファイバー不織布。
  2. 前記複合ナノファイバー不織布全体における前記ポリアゾール系化合物の質量パーセント濃度X(%)が、0.5%以上10%以下である、
    請求項に記載の複合ナノファイバー不織布。
  3. 前記ポリアゾール系化合物が、ポリベンズイミダゾール系化合物を含む、
    請求項1又は2に記載の複合ナノファイバー不織布。
  4. 前記基材ナノファイバー不織布を構成する繊維が、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリスルホン(PSU)、ポリイミド(PI)、ポリアクリロニトリル(PAN)からなる群より選ばれる一種類以上の化合物を含む、
    請求項1からのいずれか一項に記載の複合ナノファイバー不織布。
  5. 前記複合ナノファイバー不織布を構成する繊維の平均繊維径が、100nm以上500nm以下である、
    請求項1からのいずれか一項に記載の複合ナノファイバー不織布。
  6. 請求項1からのいずれか一項に記載の複合ナノファイバー不織布と、
    プロトン伝導性ポリマーと、を備える、
    複合電解質膜。
  7. 請求項1からのいずれか一項に記載の複合ナノファイバー不織布の製造方法であって、
    ポリアゾール系化合物及びアルカリ金属水酸化物がプロトン性溶媒に溶解したポリアゾール溶液に、基材ナノファイバー不織布を浸漬する工程を含む、
    複合ナノファイバー不織布の製造方法。
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