JP7061786B2 - ドライブレコーダー、潜在事故記録装置 - Google Patents
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Description
[概要]
本発明を実施するための第1の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態は、ある車両に設置されたドライブレコーダーが収集した潜在事故情報を、他の車両に設置されたドライブレコーダーにおいて利用可能とする、つまり共有する潜在事故記録システムである。潜在事故とは、事故には至らなかったものの、事故が発生する可能性があった状況をいう。いわゆるヒヤリハット、ニアミス等は、潜在事故に含まれる。
[外観構成]
本実施形態のドライブレコーダー100の外観構成を、図2~図5を参照して説明する。図2は正面側斜視図、図3は背面側斜視図、図4は底面側斜視図、図5は車両への設置例を示す斜視図である。なお、本明細書において、図面に示すz軸方向を「上側」、その逆方向を「下側」とする。各部材の構成を説明するのに、「下」は「底」とも称する。z軸方向を縦軸方向と称する場合もある。また、図2に示すy軸方向を正面側とし、その反対側を背面側とする。正面側は前方、背面側は後方と称する場合もある。「上」、「下」、「正面側」、「背面側」、「前方」、「後方」とは、ドライブレコーダー100が通常の態様で設置された場合の各構成の位置関係をいう(図5参照)。
次に、ドライブレコーダー100の内部のハードウェア構成を、図6のブロック図を参照して説明する。ドライブレコーダー100は、上記のカメラ103、ディスプレイ104、ボタン105、ランプ106、メモリカード収容部108に加えて、加速度センサ110、GPS受信器111、時計112、一時メモリ113、スピーカ114、マイク115、メモリカードインタフェース116、制御部120を有する。
制御部120は、プロセッサが、メモリに格納された各種のプログラム、データ、各種設定を読み出して実行することにより、各種の処理部として機能する。本発明は、上記のようなプログラム、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記憶媒体としても把握できる。以下の説明では、各処理部の機能をブロックで図示したブロック図を用いる。プログラム、データ、設定は、メモリカードMに記録されている場合も含む。
速度:GPSの信号に基づいて演算される速度、車内CAN信号ポート118により取得される速度(例えば、図1の車両C2に示すように、速度がしきい値を超えた場合には、潜在事故として検知される。)
急加速/急減速:加速度センサの値がしきい値を超えた場合(例えば、図1の車両C1に示すように、飛び出しがあって急ブレーキを踏んだ場合には、急減速があったとして、潜在事故として検知される。)
急ハンドル:ジャイロセンサの値がしきい値を超えた場合
アイドリング:速度がしきい値未満の停止中であり、加速度センサにより検出される振動がしきい値を超える場合
大きな音:マイクにより検出された音量が、しきい値を超えた場合
(a)音声認識部23により認識された音声の音量、周波数がしきい値を超えた場合、音量、周波数が所定のしきい値の上限及び下限の範囲内にある場合等に、検知部22は、潜在事故であると検知する。例えば、人間の声としては、悲鳴、叫び、音としては、タイヤのスキール音、ABS作動音、他車事故時のクラッシュ音、クラクション音などを認識することにより、潜在事故であると検知する。
また、潜在事故記録部25は、潜在事故情報を消去することもできる。指示入力の態様は、潜在事故情報の記録の指示入力と同様である。
潜在事故記録装置200は、図1に示すように、入力装置210、表示装置220、カードリーダ230、制御装置240を有する。入力装置210は、潜在事故記録装置200に必要な各種の情報を入力する装置である。入力装置210は、タッチパネル、キーボード、マウスを含む。表示装置220は、潜在事故記録装置200に必要な各種の情報を表示する出力装置である。タッチパネルは、表示装置220に構成されたものも含む。
以上のような本実施形態の処理手順を、上記の図面に加えて、図11、図12のフローチャートを参照して説明する。
(フラグの付与)
潜在事故記録装置200によるフラグの付与の手順を説明する。図11に示すように、まず、各車両のドライバーは、運転を終えた後、ドライブレコーダー100からメモリカードMを抜き出して、オペレータOPに渡す。オペレータOPは、カードリーダ230にメモリカードMを挿入し、情報を読み書き可能な状態とする(ステップ101)。
次に、ドライブレコーダー100による潜在事故情報の収集及び報知の手順を説明する。図12に示すように、ドライブレコーダー100は、エンジンの起動とともに電源が入り(ステップ201)、映像記録部21によるメモリカードMへの映像データの記録が開始する(ステップ202)。映像記録部21は映像データの記録を継続し、検知部22は潜在事故の発生を待つ(ステップ203のNO)。
(1)本実施形態のドライブレコーダー100は、車両に設置されるカメラ103と、メモリカード収容部108と、カメラ103が撮像した映像データを、メモリカードMに記録する映像記録部21と、潜在事故の発生を検知する検知部22と、検知部22が潜在事故の発生を検知した場合に、潜在事故の発生前後の映像データを前記映像記録部により記録される映像データとは区別した情報と、位置情報とを含む潜在事故情報を、メモリカードMに記録する潜在事故記録部25と、を有し、メモリカードMには、潜在事故情報を共有するか否かを区別するためのフラグが記録され、フラグを認識することにより、潜在事故記録部25が、潜在事故の共有をするか否かを決定するフラグ認識部28を有する。
[構成]
本発明の第2の実施形態を、図面を参照して説明する。第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、図13に示すように、ドライブレコーダー100の制御部120が、評価部31、フラグ付与部32を有する。
本実施形態では、ドライブレコーダー100を搭載した車両の走行状態を示す情報に応じて、フラグを付与するフラグ付与部32を有する。このため、自らの走行状態の評価が低い場合には、他のドライバーの潜在事故情報として利用されない。
[構成]
本発明の第3の実施形態を、図面を参照して説明する。第1及び第2の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、メモリカードMには、メモリカードM毎に又は潜在事故情報毎に重み付けが付与されている。重み付けは、数値によって行う。例えば、数値が大きいほど重み付けが高く、数値が小さいほど重み付けが低い。
以上のような本実施形態の重み付けに応じた警告の処理手順を、図16のフローチャートを参照して説明する。なお、ステップ301~306、ステップ310、311の処理手順は、図12のフローチャートのステップ201~206、ステップ209、210と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態では、重み付けの値が低い潜在事故情報については、警告を出力しないため、不要な警告でドライバーが煩わされることがない。また、評価部44の評価を利用することにより、オペレータOPが判断しなくても、不要な警告を排除することができる。なお、本実施形態では、制御部120がフラグ認識部28、制御装置240がフラグ付与部45を有していたが、フラグ認識部28、フラグ付与部45がなくてもよい。
[構成]
本発明の第4の実施形態を、図面を参照して説明する。第2及び第3の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、図17に示すように、ドライブレコーダー100の制御部120は、重み付け部34を有する。重み付け部34は、第3の実施形態の重み付け部52と同様である。つまり、本実施形態では、ドライブレコーダー100において、潜在事故情報毎に重み付けを行うことができる。
本実施形態では、同一のドライブレコーダー100内において、重み付け部34が潜在事故情報毎に重み付けを行うので、収集した潜在事故情報が、有用なものと不要なものとに選別され、有用な警告を受けることができる。本実施形態では、制御部120がフラグ認識部28、制御装置240がフラグ付与部45を有していても、有していなくてもよい。
[構成]
本発明の第5の実施形態を説明する。本実施形態は、基本的には第1の実施形態と同様である。本実施形態では、ドライブレコーダー100の制御部120は、フラグ認識部28を有していない。また、本実施形態では、フラグ付与部45は、第1の実施形態と同様に、メモリカードMにフラグを付与する。但し、本実施形態のフラグは、潜在事故情報を読み取るか否かを決定するための識別情報である。このフラグを読取フラグと呼んでもよい。また、第1の実施形態と同様に、フラグ付与部45は、オペレータOPの入力装置210からの入力に応じて、フラグを付与することもできる。
以上のような本実施形態では、読取部であるカードリーダ230は、メモリカードMに付与されたフラグが落ちている場合には、潜在事故情報を読み取り、フラグが立っている場合には、潜在事故情報を読み取らない。このため、不要な潜在事故情報をデータベース化することを排除できる。
[構成]
本発明の第6の実施形態を説明する。本実施形態は、基本的には第1の実施形態と同様である。本実施形態では、ドライブレコーダー100の制御部120は、フラグ認識部28を有していない。また、本実施形態では、フラグ付与部45は、第1の実施形態と同様に、メモリカードMにフラグを付与する。但し、本実施形態のフラグは、あるドライブレコーダー100の潜在事故情報を、他のドライブレコーダー100のメモリカードMに書き込むか否かを決定するための識別情報である。このフラグを書込フラグと呼んでもよい。また、第1の実施形態と同様に、フラグ付与部45は、オペレータOPの入力装置210からの入力に応じて、フラグを付与することもできる。
以上のような本実施形態では、書込部であるカードリーダ230は、メモリカードMに付与されたフラグが落ちている場合には、他の潜在事故情報を他のメモリカードMに書き込み、フラグが立っている場合には、潜在事故情報を書き込まない。このため、潜在事故記録装置200においては、多数の潜在事故情報を収集しつつ、不要な潜在事故情報についてはドライブレコーダー100のメモリカードMに書き込まれないので、各ドライブレコーダー100のメモリカードMの記憶容量を節約できる。
[構成]
本発明の第7の実施形態を説明する。本実施形態は、基本的には第1の実施形態と同様の構成の潜在事故記録システムSである。但し、本実施形態では、ドライブレコーダー100の制御部120は、フラグ認識部28を有していない。また、本実施形態では、フラグ付与部45は、第1の実施形態と同様に、メモリカードMにフラグを付与する。そして、本実施形態のフラグは、潜在事故情報をドライブレコーダー100に送信し、読み取るか否かを決定するための識別情報である。このフラグを読取フラグと呼んでもよい。さらに、本実施形態では、通信部40は、各ドライブレコーダー100から送信された潜在事故情報を受信する。潜在事故記録部42は、各ドライブレコーダー100から受信した潜在事故情報を、記録媒体にデータベース化して記録する。
本実施形態では、ネットワークNを介して潜在事故情報を取得できるので、最新の情報に基づく正確な警告を実現できる。そして、各ドライバーにとって必要な潜在事故情報が得られるとともに、不要な潜在事故情報が排除されるので、通信量、記憶容量を抑えることができる。
[構成]
本発明の第8の実施形態を説明する。本実施形態は、基本的には第3の実施形態と同様の構成の潜在事故記録システムSである。但し、本実施形態では、通信部40は、ドライブレコーダー100から送信された潜在事故情報を受信する。潜在事故記録部42は、ドライブレコーダー100から受信した潜在事故情報を、記録媒体にデータベース化して記録する。
本実施形態では、各ドライバーにとって必要な潜在事故情報が得られるとともに、不要な潜在事故情報が排除されるので、通信量、記憶容量を抑えることができる。なお、本実施形態は、ドライブレコーダー100の制御部120がフラグ認識部28を有していても、有していなくてもよい。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、下記に示す他の実施形態も包含する。また、本発明は、上記の実施形態及び下記の他の実施形態を全て又はいずれかを組み合わせた形態も包含する。さらに、これらの実施形態を発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができ、その変形も本発明に含まれる。
なお、以下に示すような潜在事故記録装置も、本発明の一態様である。また、ネットワークを介して接続された上記のドライブレコーダー及び以下の潜在事故記録装置を有する潜在事故記録システムも、本発明の一態様である。
(請求項1)
ドライブレコーダーのカメラが撮像した映像データを記録した記録媒体に、潜在事故の発生前後の映像データ及び位置情報を含む潜在事故情報を共有するか否かを区別するためのフラグを付与するフラグ付与部を有することを特徴とする潜在事故記録装置。
(請求項2)
ドライブレコーダーのカメラが撮像した映像データと、潜在事故の発生前後の映像データ及び位置情報を含む潜在事故情報とを記録した記録媒体から、前記潜在事故情報を読み取る読取部と、前記記録媒体に、前記潜在事故情報を読み取るか否かを区別するためのフラグを付与するフラグ付与部と、を有することを特徴とする潜在事故記録装置。
(請求項3)
ドライブレコーダーのカメラが撮像した映像データと、潜在事故の発生前後の映像データ及び位置情報を含む潜在事故情報とを記録した記録媒体に、他のドライブレコーダーの記録媒体の前記潜在事故情報を書き込む書込部と、
前記潜在事故情報に、他のドライブレコーダーの記録媒体に書き込むか否かを区別するためのフラグを付与するフラグ付与部と、
を有することを特徴とする潜在事故記録装置。
(請求項4)
車両の走行状態を評価する評価部を有し、
前記フラグ付与部は、前記評価部の評価に応じて前記フラグを付与することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の潜在事故記録装置。
(請求項5)
前記記録媒体毎に又は前記潜在事故情報毎に重み付けを付与する重み付け部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の潜在事故記録装置。
(請求項6)
車両の走行状態を評価する評価部を有し、
前記重み付け部は、前記評価部の評価に応じて前記重み付けを付与することを特徴とする請求項5記載の潜在事故記録装置。
(請求項7)
車両に搭載されたドライブレコーダーのカメラとネットワークを介して接続された通信部と、
前記通信部が前記ドライブレコーダーから受信した潜在事故の発生前後の映像データ及び位置情報を含む潜在事故情報を、前記記録媒体に記録する潜在事故記録部と、
前記潜在事故情報に、各ドライブレコーダーに送信するか否かを区別するためのフラグを付与するフラグ付与部と、
を有することを特徴とする潜在事故記録装置。
(請求項8)
車両の走行状態を評価する評価部を有し、
前記フラグ付与部は、前記評価部の評価に応じて前記フラグを付与することを特徴とす
る請求項7記載の潜在事故記録装置。
(請求項9)
車両の走行状態に応じて、潜在事故情報に重み付けを付与する重み付け部を有すること
を特徴とする請求項7又は請求項8記載の潜在事故記録装置。
101 本体
102 ブラケット
103 カメラ
104 ディスプレイ
105 ボタン
106 ランプ
107 音声出力口
108 メモリカード収容部
109 音声入力口
110 加速度センサ
111 GPS受信器
112 時計
113 一時メモリ
114 スピーカ
115 マイク
116 メモリカードインタフェース
117 ジャイロセンサ
118 車内CAN信号ポート
119 通信部
120 制御部
200 潜在事故記録装置
21 映像記録部
22 検知部
23 音声認識部
24 画像認識部
25 潜在事故記録部
25a 短時間モード
25b 長時間モード
25c モード切替部
26 位置判定部
27 警告出力部
28 フラグ認識部
29 走行状態記録部
31 評価部
32 フラグ付与部
33 重み付認識部
34 重み付け部
240 制御装置
40 通信部
41 映像記録部
42 潜在事故記録部
43 走行状態記録部
44 評価部
45 フラグ付与部
52 重み付け部
FG フロントガラス
M メモリカード
S 潜在事故記録システム
L 電源ケーブル
N ネットワーク
T 情報通信端末
Claims (8)
- 車両に設置されるカメラと、
記録媒体を収容する記録媒体収容部と、
前記カメラが撮像した映像データを、前記記録媒体に記録する映像記録部と、
潜在事故の発生を検知する検知部と、
前記検知部が潜在事故の発生を検知した場合に、潜在事故の発生前後の映像データを前記映像記録部により記録される映像データとは区別した情報と、位置情報とを含む潜在事故情報を、前記記録媒体に記録する潜在事故記録部と、
ドライバーの所定期間内の運転による車両の走行状態を、前記記録媒体単位で評価する評価部と、
前記評価部の評価に応じて、前記潜在事故情報を共有するか否かを区別するためのフラグを、前記記録媒体毎に付与するフラグ付与部と、
前記フラグを認識することにより、前記潜在事故記録部が潜在事故情報の共有をするか否かを決定するフラグ認識部と、
を有することを特徴とするドライブレコーダー。 - 前記記録媒体収容部に収容された記録媒体又は前記記録媒体収容部に代えて設けられた前記記録媒体を有することを特徴とする請求項1記載のドライブレコーダー。
- 潜在事故の発生を指示入力する入力部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のドライブレコーダー。
- 潜在事故情報の消去を指示入力する入力部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のドライブレコーダー。
- 前記検知部は、加速度センサからの信号のうち、縦軸方向の加速度を他の軸方向の加速度よりも相対的に低く評価して、潜在事故の発生を検知することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のドライブレコーダー。
- 車両の走行状態に応じて、前記潜在事故記録部が記録する潜在事故の映像データの時間長が異なることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のドライブレコーダー。
- 車両の現在位置を検出する位置検出部と、
前記位置検出部により検出された車両の現在位置が、前記潜在事故情報に含まれる位置情報が示す位置に接近したことを判定する位置判定部と、
前記位置判定部により、前記潜在事故情報に含まれる位置情報が示す位置に接近したことが判定された場合に、警告を出力する警告出力部と、
を有し、
前記記録媒体には、前記記録媒体毎に又は前記潜在事故情報毎に重み付けが付与され、
前記重み付けを認識して、前記警告出力部が警告を出力するか否かを決定する重み付け認識部を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のドライブレコーダー。 - 車両の走行状態に応じて、潜在事故情報毎に前記重み付けを付与する重み付け部を有することを特徴とする請求項7に記載のドライブレコーダー。
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