JP7060916B2 - 水中油乳化型メイクアップ化粧料 - Google Patents
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Description
本発明に係る化粧料における(A):油分は、(B):高級アルコール及び(C):界面活性剤以外の油性成分である。(A):油分としては、化粧料に通常使用可能なものを用いることができ、例えば、肌への質感、馴染み、外観、滑り性等を考慮して、天然系オイル、炭化水素、シリコーン系オイル、エステル油等が挙げられる。
ニルポリシロキサン、環状メチルシロキサン、シリコーンポリエーテルコポリマー等の変
性シリコーンオイル等が挙げられる。
、エルカ酸、ミリスチン酸、リシノレイン酸等の各脂肪酸のオクチルドデシルエステル、グリセリンエステル(例えば、トリエチルヘキサノイン等)等が挙げられる。
本発明に係る化粧料における(B):高級アルコールは、炭素数12以上の直鎖又は分岐鎖状の一価アルコールである。(B):高級アルコールを構成する炭素数としては、12~40が好ましく、より好ましくは14~30、さらに好ましくは16~26である。炭素数が上記範囲にある(B):高級アルコールを使用することにより、化粧料の保存安定性がより向上する傾向がある。
本発明に係る化粧料における(C):界面活性剤としては、化粧料に通常用いられる界面活性剤(例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤)を使用することができる。(C):界面活性剤としては、特に、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、変性ポリエチレンワックス、変性ポリプロピレンワックス、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、セルロースエーテル(ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース等)、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩から選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤が好ましく用いられる。(C):界面活性剤は、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明に係る化粧料における(D):無機粉体としては、通常ベースメイクアップ化粧料(例えば、ファンデーション)に使用されるものが挙げられ、例えば、鉱物を粉砕して得られるもので板状や不定形の無機粉末が挙げられる。(D):無機粉体としては、隠ぺい力や付着力、つや感を与える効果を有するもの、例えば、タルク、マイカ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、酸化鉄(ベンガラ)、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄等が挙げられる。(D):無機粉体は、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明に係る化粧料における(E):重合体は、水溶性架橋剤によって架橋された、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体である。(E):重合体は、吸水性を有するものであることが好ましく、例えば、吸水性樹脂であり得る。つまり、(E):重合体は、好ましくは水溶性架橋剤によって架橋された、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体を含む吸水性樹脂であり、より好ましくは当該重合体からなる吸水性樹脂である。
製造例1
1000mL容のセパラブルフラスコに撹拌機、還流冷却管及び滴下ロートを取り付けた。このセパラブルフラスコの中で、水144gに対して水酸化ナトリウム48g(1.2モル)を溶解させた。ここにショ糖136.8g(0.4モル)を加え、70~85℃で120分間撹拌して、アルカリショ糖水溶液を調製した。このアルカリショ糖水溶液に対して、臭化アリル145.2g(1.2モル)を1.5時間かけて滴下し(滴下の間、水溶液の温度は70~85℃とした)、その後、80℃で3時間熟成して、ショ糖をアリルエーテル化した。室温まで冷却後、水440gを添加し、分液ロートで余分な油分を分離して、粗ショ糖アリルエーテル水溶液を得た。この粗ショ糖アリルエーテル水溶液に塩酸を加えてpHを6~8に調整した後、ロータリーエバポレーターを用いて、水溶液の質量が480gになるまで水分を除去した。そして、エタノール200gを添加して副生成物である臭化ナトリウム等の塩類を析出させ、析出物を濾別により水溶液から除去した。さらにエバポレーターを用いて水溶液から余分な水分を除去し、エーテル化度2.4の精製された水溶性ショ糖アリルエーテル166gを得た。
製造例2
500mL容のセパラブルフラスコに撹拌機、還流冷却管及び滴下ロートを取り付けた。このセパラブルフラスコの中にアクリル酸72g及び水を入れ、80質量%のアクリル酸水溶液90gを調製した。このアクリル酸水溶液を冷却及び攪拌しながら、30質量%の水酸化ナトリウム水溶液54gを滴下した。さらにイオン交換水56gと、水溶性架橋剤としての製造例1で得られた水溶性ショ糖アリルエーテル0.32g(最初に調製したアクリル酸水溶液に対して0.35質量%)と、開始剤としての2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩(和光純薬工業株式会社製、V-50)0.04gとを加えて、エチレン性不飽和カルボン酸単量体水溶液を調製した。
これとは別に、撹拌機、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を取り付けた2Lのセパラブルフラスコにn-ヘプタン330gを入れ、さらに界面活性剤であるソルビタンモノステアレート(日油株式会社製、ノニオンSP-60R)2.7gを加え、これをn-ヘプタンに分散及び溶解させた。ここに、先に調製したエチレン性不飽和カルボン酸単量体水溶液を加えた。次いで、反応容器内の雰囲気、原料および溶媒中に存在している酸素を除去するために溶液中に窒素ガスを吹き込んで系内を窒素置換しながら、浴温を60℃に保持して、撹拌速度1000回転/分で撹拌しながら、1時間かけて逆相懸濁重合法により重合を行った。重合終了後、水およびn-ヘプタンを留去して、アクリル酸及びそのナトリウム塩の重合体であって、水溶性ショ糖アリルエーテルによって架橋された重合体である吸水性樹脂の粉末90gを得た。
製造例3
撹拌機、温度計、窒素吹き込み管及び冷却管を取り付けた500mL容の四つ口フラスコに、アクリル酸45g(0.625モル)、ペンタエリトリトールアリルエーテル1.32g、n-ヘキサン150g及び2,2’-アゾビス(メチルイソブチレート)0.081g(0.00035モル)を仕込んで、反応液を調製した。反応液を撹拌して各原料を均一に混合した後、反応容器の雰囲気、原料及び溶媒中に存在している酸素を除去するために溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、窒素雰囲気下、反応液を60~65℃に保持して4時間反応させた。反応終了後、生成したスラリーを90℃に加熱して、n-ヘキサンを留去し、さらに、110℃、10mmHgにて8時間減圧乾燥することにより、白色微粉末状のカルボキシビニルポリマーの粉末42gを得た。
実施例1
以下に示す成分を各割合で含有するリキッドファンデーションを調製した。詳しくは、成分1~3の混合物(油相(油性成分))を80℃に加温した後、成分4(界面活性剤)を加え、さらに80℃に調製した成分5~8の混合物(水相(水性成分))を加えて、ホモミキサーを用いて5000r/分、5分間の条件で乳化させ、続いて、さらに13000r/分、5分間の条件で撹拌しながら成分9(無機粉体混合物)を混合した。その後、成分10(吸水性樹脂)を添加し、13000r/分、5分間の条件で撹拌して均一に混合し、リキッドファンデーションを得た。このリキッドファンデーションの下記手順で測定される粘度は、37000mPa・sであった。
(リキッドファンデーションの組成)
成分1:セタノール 3.0質量%
成分2:トリエチルヘキサノイン 10.0質量%
成分3:スクアラン 5.0質量%
成分4:自己乳化型モノステアリン酸グリセリル 3.0質量%
成分5:PEG-200 5.0質量%
成分6:1,3-ブタンジオール 5.0質量%
成分7:2-フェノキシエタノール 0.5質量%
成分8:精製水 残余
成分9:無機粉体混合物 10.0質量%
成分10:吸水性樹脂(製造例2で調製したもの) 0.05質量%
タルク 37.9質量%
マイカ 12.0質量%
水酸化アルミニウム処理酸化チタン(酸化チタン97%) 40.0質量%
酸化チタン 3.0質量%
カオリン 2.0質量%
酸化鉄(ベンガラ) 0.7質量%
黄色酸化鉄 4.0質量%
黒色酸化鉄 0.4質量%
実施例1において、成分10(吸水性樹脂)の量を0.4質量%に変更したこと以外は実施例1と同様にして、下記手順で測定される粘度が50000mPa・sのリキッドファンデーションを得た。なお、実施例1に対して、成分10の増量分だけ精製水の使用量を減量した。
実施例1において、成分10(吸水性樹脂)を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして、下記手順で測定される粘度が18500mPa・sのリキッドファンデーションを得た。なお、実施例1に対して、成分10の不使用分だけ精製水の使用量を増量した。
以下に示す成分を各割合で含有するリキッドファンデーションを調製した。詳しくは、成分1~3の混合物(油相)を80℃に加温した後、成分4(界面活性剤)を加え、80℃に調製した成分5~9の混合物(水相)を加えて、ホモミキサーを用いて5000r/分、5分間の条件で乳化させ、続いて13000r/分、5分間の条件で攪拌しながら成分10を混合した。さらに、成分11を添加し、13000r/min、5分間の条件で撹拌しながら、カルボキシビニルポリマーを中和して、下記手順で測定される粘度44200mPa・sのリキッドファンデーションを得た。
(リキッドファンデーションの組成)
成分1:セタノール 3.0%
成分2:トリエチルヘキサノイン 10.0%
成分3:スクアラン 5.0%
成分4:自己乳化型モノステアリン酸グリセリル 3.0%
成分5:PEG200 5.0%
成分6:1,3ブタンジオール 5.0%
成分7:2-フェノキシエタノール 0.5%
成分8:カルボキシビニルポリマー(製造例3で調製したもの) 0.05%
成分9:精製水 残余
成分10:無機粉体混合物(実施例1で使用したものと同じ) 10.0%
成分11:6%NaOH水溶液 0.3%
セタノール(成分1)を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして、リキッドファンデーションを得た。当該リキッドファンデーションの下記手順で測定される粘度は800mPa・sであった。なお、実施例1に対して、セタノール(成分1)の不使用分だけ精製水の使用量を増量した。
セタノール(成分1)を使用しなかったこと以外は実施例2と同様にして、リキッドファンデーションを得た。当該リキッドファンデーションの下記手順で測定される粘度は78000mPa・sであった。なお、実施例2に対して、セタノール(成分1)の不使用分だけ精製水の使用量を増量した。得られたリキッドファンデーションは、ぼそぼそした粉体に近いものであって、クリーム状の滑らかな性状を有するものではなかった。
(保存安定性)
実施例及び比較例で得られたリキッドファンデーションについて、50℃の恒温槽で7日間保存した後の状態を確認することにより、安定性(保存安定性)を評価した。状態の確認は目視で行った。
保存安定性良好(○) : 水相と油相の分離が認められなかった
保存安定性不良(×) : 水相と油相の分離が認められた
実施例及び比較例で得られたリキッドファンデーションについて、男女各5人計10人の試験者によって、塗布時の使用感[軽さ(軽い触感)、拡がり易さ、べたつきの無さ、フィルム残り感、よれ性]の評価を実施した。具体的には、使用感の各要素[軽さ、拡がり易さ、べたつきの無さ、フィルム残り感、よれ性]について、以下の基準で1~5点の5段階評価を10人で行い、点数を合計した。合計点数が201点以上の場合を○(使用感に優れる)、190点以上200点以下の場合を△(使用感に劣る)、189点以下の場合を×(使用感に極めて劣る)として評価した。
優れる 5点
良い 4点
普通 3点
やや劣る 2点
劣る 1点
なお、フィルム残り感については、フィルム残り感が無いほど使用感が良好である。また、よれ性については、よれが無いほど使用感が良好である。
比較例3で得られたリキッドファンデーションは粘度が極めて低く、上述の使用感の評価を行うまでもなく、使用感に極めて劣るものである(つまり、化粧料として使用できるものには値しない)ことが明白な化粧料であった。
東機産業製BH型粘度計、20rpm
測定温度:25℃
ローターは、粘度に応じて以下のものを使用した。
50~500mPa・s:No.1
200~2,000mPa・s:No.2
500~5,000mPa・s:No.3
1,000~10,000mPa・s:No.4
2,000~20,000mPa・s:No.5
5,000~50,000mPa・s:No.6
20,000~200,000mPa・s:No.7
実施例及び比較例で得られたリキッドファンデーションについて、ソフトフォーカス効果の評価を行った。具体的には、リキッドファンデーションを手の甲に塗布した後、シワ及び毛穴の隠蔽性、並びにテカリ有無等の状態を目視で確認した。ソフトフォーカス効果の評価は下記の基準で実施した。
ソフトフォーカス効果良好(○):テカリが無く、シワ及び毛穴の隠蔽性が高い
ソフトフォーカス効果不良(△):シワ及び毛穴の隠蔽性は有るが、テカリが有る
ソフトフォーカス効果極めて不良(×):テカリの有無に関わらず、シワ及び毛穴の隠蔽性が低い
なお、比較例3で得られたリキッドファンデーションは、化粧料として使用できるものには値しなかったため、ソフトフォーカス効果の評価を実施しなかった。
Claims (4)
- (A):油分と、
(B):高級アルコールと、
(C):界面活性剤と、
(D):無機粉体と、
(E):エーテル化度が2.0~3.5である水溶性ショ糖アリルエーテルによって架橋された、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体と、
を含有する水中油乳化型メイクアップ化粧料。 - エチレン性不飽和カルボン酸単量体が、アクリル酸、アクリル酸の塩、メタクリル酸、及びメタクリル酸の塩からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1に記載の水中油乳化型メイクアップ化粧料。
- (B):高級アルコールが、炭素数12~40の直鎖又は分岐鎖状の一価アルコールである、請求項1又は2に記載の水中油乳化型メイクアップ化粧料。
- BH型粘度計(回転数:20rpm)により測定される25℃の粘度が1000~100000mPa・sである、請求項1~3のいずれか一項に記載の水中油乳化型メイクアップ化粧料。
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