JP7059713B2 - 光走査装置、画像表示装置、および移動体 - Google Patents

光走査装置、画像表示装置、および移動体 Download PDF

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Description

本発明は、光走査装置、画像表示装置、および移動体に関する。
従来より、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーを駆動する駆動電圧について最適な印加方法が検討されている。
例えば、駆動電圧の印加方法として、MEMSミラーの各圧電部材に印加する電圧の駆動波形の位相を逆相にする技術を開示したものがある(特許文献1参照)。
しかし、従来の駆動電圧の印加技術では、MEMSミラーなどのような光偏向器に駆動電圧を印加する配線において電流のピーク値が増加するという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光偏向器に駆動電圧を印加する配線における電流のピーク値の増加を防止する光走査装置、画像表示装置、および移動体を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一実施の形態の光走査装置は、光偏向器と該光偏向器の駆動を制御する制御部とを有し、前記光偏向器は、ミラー面を有するミラー部と、該ミラー部を回転可能に支持するミアンダ形状のカンチレバーと、前記カンチレバーの反り変形を発生させる第1の圧電部材と第2の圧電部材と、前記第1の圧電部材および前記第2の圧電部材の一端側の電極に接続された共通配線と、を有し、前記制御部は、前記第1の圧電部材に印加する第1の駆動電圧及び前記第2の圧電部材を印加する第2の駆動電圧は所定時間刻みで段階的に変化し、前記第1の圧電部材に印加する第1の駆動電圧を前記所定時間刻みで変化させるタイミングと前記第2の圧電部材を印加する第2の駆動電圧を前記所定時間刻みで変化させるタイミングとが相対的にずれている、ことを特徴とする。
本発明によれば、光偏向器に駆動電圧を印加する配線における電流のピーク値の増加を防止するという効果を奏する。
図1は、第1の実施の形態に係る光走査装置の一例を示す図である。 図2は、光偏向器の概略上面図である。 図3は、ミラー枠部材の上面を抜粋した図である。 図4は、図3に示したL-L’断面図である。 図5は、図3に示したM-M’断面図である。 図6は、図3に示したN-N’断面図である。 図7は、光偏向器のX-X’(図2参照)断面図である。 図8は、カンチレバー群を変位させるための電気配線の概略図である。 図9は、図8に示す電気配線を施した圧電部材群の等価回路を示す図である。 図10は、駆動波形の詳細説明図である。 図11は、駆動波形の領域によりピーク電流値が異なることについて説明する図である。 図12は、カンチレバー群の1ペアのみを切り出した等価回路を示す図である。 図13は、2つの駆動波形を同一のタイミングで形成する場合の各領域(第1領域、第2領域、第3領域)におけるピーク電流値の関係の一例を示す図である。 図14は、2つの駆動波形を別のタイミングで形成する場合の各領域(第1領域、第2領域、第3領域)におけるピーク電流値の関係の一例を示す図である。 図15は、光走査装置を有するヘッドアップディスプレイを説明する図である。
以下に添付図面を参照して、光走査装置、画像表示装置、および移動体の実施の形態を説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る光走査装置の一例を示す図である。図1の光走査装置1は、光偏向器100と駆動制御部(「制御部」に相当)500とを含み、駆動制御部500からの駆動信号により、光偏向器100がミラーを回転させて、光走査する。
なお、光偏向器11には、ミアンダ形状のカンチレバーを用いて1軸方向に光走査する構成が含まれていればよい。ここでは、一例として、主走査方向と副走査方向との2軸方向に光走査する構成を示すが、これに限定するものではない。また、ここでは主に光偏向器100と駆動制御部500との構成を示すが、光走査装置1には、光走査する光源や、光源の光をミラーに導く光学系などを含めてもよい。
光偏向器100は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーである。駆動制御部500は、光偏向器100に駆動信号として駆動電圧を印加する制御回路である。図1には、制御回路の一例として、FPGA(Field Programmable Gate Array)510とドライバ520(D/A521およびオペアンプ522)との構成を示している。FPGA510は、光偏向器100のミラーを主走査方向や副走査方向に回転させる駆動電圧信号をD/A521に出力する。D/A521は、駆動電圧信号をデジタルからアナログに変換してオペアンプ522に出力する。オペアンプは、D/A521から出力されたアナログの駆動電圧信号を所定の利得で増幅して光偏向器100に印加する。
本実施の形態において、光偏向器100はミラーを回転させるアクチュエータとしてミアンダ形状のカンチレバーと異なる圧電部材(第1の圧電部材と第2の圧電部材)を有する。圧電部材は互いに異なる変形によりカンチレバーを反り変形してミラーを1軸方向に回転させる。圧電部材の一端側の電極は共通配線で接続されている。本実施の形態では、第1の圧電部材に印加する第1の駆動電圧を変化させるタイミングまたは第2の圧電部材を印加する第2の駆動電圧を変化させるタイミングを相対的にずらしたものについて説明する。ここでは一例として、駆動制御部500が第1の駆動電圧と第2の駆動電圧とを所定時間刻みで段階的に変化させるものについて、第1の駆動電圧を変化させるタイミングと第2の駆動電圧を変化させるタイミングとを相対的にずらすことにより、共通配線に流れる電流のピーク値を軽減させる。なお、相対的なずらしはD/A521が行う。ずらす量は予めD/A521に設定しておいてもよいし、FPGA510からD/A521に設定してもよい。
図2は、光偏向器100の概略上面図である。図2に示すように、光偏向器100には、主走査方向に相当する1軸方向(第1軸)のミラーの回転と、副走査方向に相当するもう一つの軸方向(第2軸)のミラーの回転とを可能にするカンチレバー構造が構成されている。具体的には、主走査方向のミラーの回転は、基板101(SOI基板:Silicon On Insulator)と、ミラー面を有するミラー部103と、ミラー部103を支持するトーションバー(ミラー支持部)110と、カンチレバー109と、カンチレバー109において反り変形を発生させる圧電部材104とにより可能にされている。これらは「カンチレバー構成部」としてミラー枠部材301に含まれている。ミラー枠部材301は、複数本の梁により構成されるミアンダ形状のカンチレバー(以下では、これをカンチレバー群と呼ぶ)302の一端に接続される。ミアンダ形状のカンチレバー群302のもう一方の一端は、外周の基板101と接続される。ミアンダ形状のカンチレバー群302上には、複数本の梁上に反り変形を発生させる手段として圧電部材群303が存在する。これにより、ミラー枠部材301を第2軸方向へ回転可能に支持する。
ミラー枠部材301は、圧電部材群303の反り変形に起因して、第2軸方向(副走査方向)に回転する。すなわち、光偏向器100は、ミラーが2軸方向(第1軸方向および第2軸方向)に回転することにより、入射する光の反射光方向を2軸方向に走査しながら偏向する。光偏向器100は、2軸方向への光偏向によって、例えば、投影面に画像を投影する。電圧供給部201は、各構成部材に印加する電圧を供給するためのパッドであり、基板上に構成された配線により各構成部材に接続されている。なお、配線については、後述する。
主走査方向に相当する1軸方向のミラーの回転を起こすための圧電部材104に印加される電圧は、圧電部材104の上下に位置する電極間に印加され、画像のフレームレートから決定される駆動周波数でサイン波電圧が印加される。例えば、駆動周波数は、20kHz等の比較的高い周波数となる。駆動周波数を、ミラー部103の重量と、トーションバー110のばね定数とから決定される共振周波数に近い周波数とすることにより、共振させてミラーを回転させることができるため、比較的低い電圧で、ミラーの高い振れ角を発生させることができる。
圧電部材群303は、カンチレバー群302の各梁の1本おきに2種類の駆動電圧源に接続されている。図2には、駆動電圧源の違いにより、カンチレバー群302をカンチレバー群304とカンチレバー群305とで示し、上記圧電部材群303を、接続される駆動電圧源別に圧電部材群306と圧電部材群307とで示している。図2に駆動電圧源が同じ圧電部材群について同じ模様で示すように、圧電部材群306と圧電部材群307は、それぞれカンチレバー群302の各梁の1本おきに交互に設けられている。圧電部材群306と圧電部材群307とは、詳しくは後述するが共に群毎に並列に電圧が印加されるように接続されている。ミラー枠部材301は、圧電部材群303のそれぞれ(圧電部材群306と圧電部材群307)の反り変形に起因して1軸方向とは異なるもう一つの軸方向(副走査方向)に回転する。なお、図2に示すミラー部103の両端である「a」及び「b」と、「X-X’断面」とについては後述する。
ここで、圧電部材群306と圧電部材群307は、それぞれ、「第1の圧電部材」と「第2の圧電部材」または、「第2の圧電部材」と「第1の圧電部材」に対応する。
図3は、ミラー枠部材301の上面を抜粋した図である。図4は、図3に示したL-L’断面図である。図5は、図3に示したM-M’断面図である。図6は、図3に示したN-N’断面図である。L-L’断面図(図4参照)及びM-M’断面図(図5参照)では、主に、ミラーを回転させる駆動力を発生するカンチレバー109、すなわち圧電部材104を表している。N-N’断面図(図6参照)では、ミラー部103を表している。以下に、図3~図6を用いて、シリコン基板(基板101)上に構成させる光偏向器100の基本的な製造方法を説明する。なお、ここでは、一例としてミラー枠部材301回りの図を示すが、それ以外、ミアンダ形状のカンチレバー群302や外周の基板101などの製造方法も基本的に同様であり、図7において、ミラー枠部材301回りと対応する部分に同一の番号を付している。
シリコン基板(基板101)には、SOI基板が使用される。SOI基板である基板101は、活性層側のシリコン102と、埋め込み酸化膜層116と、基材層側のシリコン105とから構成される。埋め込み酸化膜層116は、「BOX層」と呼ばれる場合がある。まず、SOI表面にシリコン酸化膜107が成膜され、続いて、下部電極材料120(適宜、「下部電極120」と呼ぶ場合がある)、圧電材料121、上部電極材料122(適宜、「上部電極122」と呼ぶ場合がある)が順に成膜される。その後、上部電極材料122、圧電材料121、下部電極材料120が、それぞれ異なるパターンでパターン化される。このとき、それぞれのパターンは、光偏向器100に要求される性能等に応じて任意の形でパターン化され、シリコン酸化膜107は、下部電極材料120と同一のパターンでエッチングされる。
そして、絶縁膜108が成膜され、接続孔112を開口して、引出し配線材料111が成膜されパターン化される。続いて、パッシベーション膜113とミラー膜(ミラー部103)とが成膜され、順次パターン化される。その後、活性層102(活性層側のシリコン)と、基材層105(基材層側のシリコン)と、埋め込み酸化膜層116とを順次パターン化及びエッチングすることで、光偏向器100が完成する。ウェハ上からチップに個片化する方法は、ブレードによるダイシング技術や、レーザダイシング技術や、ドライエッチング技術等により実現されれば良い。下部電極材料120と上部電極材料122との間に、サイン波の駆動電圧を印加することにより、圧電材料121が平面方向に伸縮し、圧電部材104の反りを発生させ、トーションバー110のねじりを起こし、ミラー部103の共振振動を誘発させて、ミラー部103の主走査方向の回転を起こす(図6参照)。
次に、図7及び図8を用いて、1軸方向の回転とは異なるもう一つの軸方向(副走査方向)への回転を発生させる構造を説明する。図7は、光偏向器100のX-X’(図2参照)断面図である。図8は、カンチレバー群302を変位させるための電気配線の概略図である。
図7に示すように、複数の本数により構成される左右二組のミアンダ形状のカンチレバー群302は、左右二組とも、一端が、ミラー部103を有するミラー枠部材301に接続され、他の一端が、基板101に接続されている。ミアンダ形状の二組のカンチレバー群302は、共に1本おきに(つまりカンチレバー群304とカンチレバー群305とに)、梁に反り変形を発生させる手段となる圧電部材群303(それぞれ、圧電部材群306、圧電部材群307)を有する。左右二組のカンチレバー群302において、圧電部材群306と圧電部材群307とには異なる波形の駆動電圧(第1の駆動電圧と第2の駆動電圧、または第2の駆動電圧と第1の駆動電圧)が個別に印加される。この圧電部材群303の反り変形に起因し、カンチレバー群304とカンチレバー群305とが異なる動きをして、ミラー枠部材301が1軸方向とは異なるもう一つの軸方向に回転する。
図8は、左右二組のカンチレバー群302の圧電部材群306と圧電部材群307との電気配線の一例を示す図である。図8に示すように、左右二組のカンチレバー群302において、圧電部材群306b(306)についての上部電極122および下部電極120と、圧電部材群307b(307)についての上部電極122および下部電極120とは、別の配線になっている。つまり、隣接するカンチレバー(カンチレバー群304とカンチレバー群305)は別々に駆動することができる。図8において、圧電部材群306と圧電部材群307とは並列に接続されており、圧電部材群306および圧電部材群307のいずれの上部電極122も共に共通線の配線(共通配線)で接地されている。圧電部材群306bおよび圧電部材群307bの下部電極120については。それぞれの共通線により個別に電圧供給部201(図2参照)の各パッドに接続されている。図8には、一例として、圧電部材群306bの下部電極120に電圧を印加するパッドを下部電極A(306c)と示し、圧電部材群307bの下部電極120に電圧を印加するパッドを下部電極B(307c)と示している。
圧電部材群306と圧電部材群307とに駆動電圧の印加がなされることにより、カンチレバー群304とカンチレバー群305において基板101に接続する部位から徐々に変位が大きくなり、ミラー枠部材301に接する箇所の変位が最大となる。これにより、主走査方向のミラーの回転とは異なり、共振振動に寄らずに比較的大きな回転を発生させることができる。なお、電気配線については、図8に示したものに限られるわけではない。
図9は、図8に示す電気配線を施した圧電部材群306と圧電部材群307の等価回路を示す図である。図9には、図8に示す左右二組のカンチレバー群302のうちの一組(ここでは、左側のカンチレバー群302-1)について、光偏向器100を駆動するドライバの駆動電圧源が電圧供給部201(図2参照)のパッドを通じて接続されたときの等価回路を示している。なお、以下において説明は省略するが、左側のカンチレバー群302―1で説明することは右側のカンチレバー群302-2においても同様のことが言えるものとする。
図9には、圧電部材群306と圧電部材群307を簡易的にコンデンサCへ置き換えた等価回路を示している。なお、図9に示す上部電極122と下部電極120の上下の配置は、図8を上下反転したため図8とは反対になっている。
図9において、駆動電圧源10Aのプラス側は圧電部材群306の下部電極120へ接続されている。また、駆動電圧源10Aのマイナス側は圧電部材群306および圧電部材群307の上部電極122へ接続され接地されている。駆動電圧源10Aは、下部電極A(図8参照)を通じて駆動波形11Aの鋸波の電圧を回路に印加する。
他方の駆動電圧源10Bのプラス側は圧電部材群307の下部電極120へ接続されている。また、駆動電圧源10Bのマイナス側は圧電部材群306および圧電部材群307の上部電極122へ接続され接地されている。駆動電圧源10Bは、下部電極B(図8参照)に接続され、駆動波形11Bの鋸波の電圧を回路に印加する。駆動波形11Aと駆動波形11Bは、時間軸方向において互いに左右対称の形状となる鋸波である。
図9において、圧電部材群306の下部電極120への配線に流れる電流をI、圧電部材群307の下部電極120への配線に流れる電流をIとする。この場合、電流Iは、圧電部材群306に対応する各コンデンサCに分岐電流(電流IA1、電流IA2、電流IA3、電流IA4)として流れ込む。また、電流Iは、圧電部材群307に対応する各コンデンサCに分岐電流(電流IB1、電流IB2、電流IB3、電流IB4)として流れ込む。従って、圧電部材群306および圧電部材群307の各上部電極122を接続する共通配線には、圧電部材群306と圧電部材群307に流れ込む電流が共に電流I(=電流I+電流I)として流れ出ることになる。つまり、当該共通配線には、圧電部材群306に印加される駆動波形11Aと圧電部材群307に印加される駆動波形11Bの重なりにより、1種類の駆動波形のときよりもピーク電流が高くなる。本実施の形態では、このピーク電流を低減させる。これについて、以下に更に詳しく説明する。
図10は、駆動波形11Aと駆動波形11Bとの詳細説明図である。図10には、駆動波形11Aと駆動波形11Bとを時間軸上に重ねて示している。駆動波形11Aと駆動波形11Bとは異なる形状の鋸波であり、図10に示すように時間軸に沿って共に変化する。各駆動波形11A、11Bは、ある時間間隔T(「所定時間刻みで変化させる時間間隔」)で電圧値を段階的に変化させることで形成されたものである。
本実施の形態では、駆動波形11Aの電圧値が変化するタイミングt1から駆動波形11Bの電圧値が変化するタイミングt2までを時間Tsaとし、駆動波形11Bの電圧値が変化するタイミングt3から駆動波形11Aの電圧値が変化するタイミングt4までを時間Tsbとする。そして、D/A521(図1参照)に時間Tsaと時間Tsbとがピーク電流値を低減させる最適な組み合わせとなるように設定する。ピーク電流値は、時間軸上の同じ時間帯(以下領域とする)における駆動波形11Aと駆動波形11Bの各信号変化パターンの違いに応じて異なる。
図11は、駆動波形の領域によりピーク電流値が異なることについて説明する図である。図11では、駆動波形11Aと駆動波形11Bとの傾きに注目し、傾きの組合せにより領域を分け、各領域により上記共通配線に流れる電流の向きが異なることについて説明する。
第1領域は、駆動波形11Aと駆動波形11Bの電圧が共に上昇する時間帯である。このため、駆動電圧源10Aおよび駆動電圧源10Bからは共にプラス方向の電流が流れ、接地されている共通配線には、それらの電流の和がプラス方向に流れる。
第2領域は、駆動波形11Aは上昇する時間帯で、駆動波形11Bは下降する時間帯である。このため、駆動電圧源10Aからはプラス方向の電流が流れ、駆動電圧源10Bからはマイナス方向の電流が流れ、接地されている共通配線には、駆動電圧源10Aの電流から駆動電圧源10Bの電流を差し引いた電流が流れる。
第3領域は、駆動波形11Aと駆動波形11Bの電圧は共に下降する時間帯である。このため、駆動電圧源10Aおよび駆動電圧源10Bからは共にマイナス方向の電流が流れ、接地されている共通配線には、それらの電流の和がマイナス方向に流れる。
続いて、時間Tsaと時間Tsbの最適な値の組み合わせについて説明する。なお、以下では、説明を分かり易くするため、図9に示す等価回路において、カンチレバー群302-1の内の1ペアのみを切り出した等価回路、つまり圧電部材群306と圧電部材群307の内の1ペアのみを切り出した等価回路を用いて説明する。
図12は、カンチレバー群の1ペアのみを切り出した等価回路を示す図である。図13は、駆動波形11Aと駆動波形11Bとを同一のタイミングで形成する場合の各領域(第1領域、第2領域、第3領域)におけるピーク電流値の関係の一例を示す図である。図14は、駆動波形11Aと駆動波形11Bとを別のタイミングで形成する場合の各領域(第1領域、第2領域、第3領域)におけるピーク電流値の関係の一例を示す図である。ここで図13は、本実施の形態にかかる光走査装置について示す図14の比較図として使用している。図13および図14について図12の等価回路に基づいて説明する。
図13には、時間Tsa=0、時間Tsb=Tとした場合における各領域(第1領域、第2領域、第3領域)の駆動電圧波形(駆動波形11Aと駆動波形11B)と電流波形とを並べて示している。図13に示すように第1領域と第3領域は、駆動波形11Aと駆動波形11Bとが共に上昇する時間帯と下降する時間帯になっている。このため、電流IA1(図12参照)と電流IB2(図12参照)とが同時に同じ方向に流れ、電流I(図12参照)に流れる電流ピーク値が、図13に示すように電流IA1のピーク電流値であるIPeak(A1)と電流IB1のピーク電流値であるIPeak(B1)とを足し合わせたものとなり、ピーク電流が最大化してしまう。
図14には、時間Tsa>K1、時間Tsb>K2とした場合における各領域(第1領域、第2領域、第3領域)の駆動電圧波形(駆動波形11Aと駆動波形11B)と電流波形とを並べて示している。ただし、K1は、電流IA1がIPeak(A1)の1/2以下になるまでの時間であり、K2は、電流IB1がIPeak(B1)の1/2以下になるまでの時間であるものとする。
図14では、各電流(電流IA1と電流IA2)がピーク値から半分以下になってから電圧値のステップが切り替わるように、駆動波形11Aと駆動波形11Bとの電圧値を切り替えるタイミングを相対的にずらしている。この例では、駆動波形11Aの電圧値の切り替えの度に、電流IA1がピーク値から半分以下に低下した期間内に駆動波形11Bの電圧値を切り替える。また、駆動波形11Bの電圧値の切り替えの度に、電流IB1がピーク値から半分以下に低下した期間内に駆動波形11Aの電圧値を切り替える。このため、電流IA1と電流IB1がそれぞれ迎える電流値のピークのタイミングがずれ、この例の場合には最大でも電流IA1のピーク値の1/2と電流IB1のピーク値の1/2との足し合わせが共通配線に流れる電流IC1のピーク値となる。つまり、共通配線に流れる電流IC1のピーク値が電流IA1のピーク値以上になることや、電流IB1のピーク値以上になることが、共に抑止される。
なお、電圧値を段階的に変化させる時間間隔Tが短く、時間Tsaと時間Tsbとして各電流(電流IA1と電流IB1)がピーク値の半分になる時間を確保することができない場合は、Tsa=Tsb=1/2Tとする。この場合でも、共通配線に流れる電流IC1のピーク値を軽減させる効果はある。
以上のように、本実施の形態では、異なる圧電部材群へ印加する駆動波形11Aと駆動波形11Bとの電圧値を変化させるタイミングを相対的にずらすことにより、各圧電部材群の共通配線に流れる電流IC1のピーク値を低減させることが可能になる。従って、MEMSミラーなどのような光偏向器の配線における電流のピーク値の増加が抑止され、配線の発熱が軽減するため、熱破損の防止にもなり、さらに、配線密度アップや、配線をさらに狭くするなどの設計自由度も向上する。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では光走査装置について説明した。第2の実施の形態では、第1の実施の形態の光走査装置を備えた画像表示装置について説明する。なお、ここでは、画像表示装置としてレーザ走査型画像表示装置であるヘッドアップディスプレイへの適用例を示す。
図15は、光走査装置を有するヘッドアップディスプレイを説明する図である。ヘッドアップディスプレイは、例えば、車両や航空機、船舶、移動式ロボット等の移動体、また、その場から移動せずにマニピュレータ等の駆動対象を操作する作業ロボット等の非移動体に搭載される画像表示装置としても適用できる。ここでは、ヘッドアップディスプレイを自動車に搭載した例を示す。なお、自動車は、「移動手段」として、モータやエンジンなどの動力源や、バッテリなどの電力源を有し、モータやエンジンの始動後に、電力源からの電力により後述する画像をフロントガラスに表示する。そして、自動車は、動力源から駆動力を得て走行し、走行中における画像の表示も選択に可能である。
図15に示すように、ヘッドアップディスプレイ1901は、光走査装置1902と、「表示装置」として、走査ミラー1903と、被走査面であるスクリーン1904と、凹面ミラー1906とを備え、フロントガラス(フロントウィンドシールド)1905に対して光を照射する。フロントガラス1905は、入射された光の一部を透過させ、残部の少なくとも一部を反射させる透過反射部材としても機能する。このため、運転手Hの視点から虚像Iが視認される。光走査装置1902は、単数又は複数の発光点を有する複数の光源素子600を備える。例えば、光源素子600は、赤色と青色と緑色の半導体レーザで、各光源素子から時分割に出射される赤色と青色と緑色の3色の偏向光は、光学系601を通じ、光偏向器100の反射面(ミラー)に混合光として導かれる。混合光は光偏向器100のミラーにより偏向され、走査ミラー1903で折り返されてスクリーン1904に2次元像(中間像)を描画する。
スクリーン1904は、レーザ光を所望の発散角で発散させる機能を有し、マイクロレンズアレイ構造とすることが好ましい。スクリーン1904から射出された光束は、単一の凹面ミラー1906及びフロントガラス1905を介することにより虚像Iが拡大表示される。単一の凹面ミラー1906は、フロントガラス1905の影響で中間像の水平線が上又は下に凸形状となる光学歪み要素を補正するように、設計・配置されている。なお、フロントガラス1905と同一の機能(部分反射)を持つ別途の部分反射鏡(コンバイナ)を有する構成であっても良い。ヘッドアップディスプレイ1901は、高画質を維持しつつ、任意の限定された方向への高輝度な画像投影が可能となり、例えば、自動車の操縦のためのナビゲーション情報(速度や走行距離等の情報)を、視認性を向上させるために高輝度に表示することができる。光走査装置1902を用いて光走査を行なうことで画像を投影する装置であれば、例えば、表示スクリーン上に画像を投影するプロジェクタや、観測者の頭部等に装着した装着部材が有する反射透過部材等のスクリーンに画像を投影するヘッドマウントディスプレイ等にも、同様に適用することができる。
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態の光走査装置を使用するため第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
1 光走査装置
100 光偏向器
500 駆動制御部
510 FPGA
520 ドライバ
521 D/A
522 オペアンプ
特開2017-138375号公報

Claims (8)

  1. 光偏向器と該光偏向器の駆動を制御する制御部とを有し、
    前記光偏向器は、
    ミラー面を有するミラー部と、該ミラー部を回転可能に支持するミアンダ形状のカンチレバーと、
    前記カンチレバーの反り変形を発生させる第1の圧電部材と第2の圧電部材と、
    前記第1の圧電部材および前記第2の圧電部材の一端側の電極に接続された共通配線と、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記第1の圧電部材に印加する第1の駆動電圧及び前記第2の圧電部材を印加する第2の駆動電圧は所定時間刻みで段階的に変化し、
    前記第1の圧電部材に印加する第1の駆動電圧を前記所定時間刻みで変化させるタイミングと前記第2の圧電部材を印加する第2の駆動電圧を前記所定時間刻みで変化させるタイミングとが相対的にずれている、
    ことを特徴とする光走査装置。
  2. 前記第1の駆動電圧の駆動電圧波形および前記第2の駆動電圧の駆動電圧波形は電圧が上昇する時間帯と下降する時間帯とが重なる
    ことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記第1の駆動電圧を変化させるタイミングに対する前記第2の駆動電圧を変化させるタイミングは、
    前記第1の駆動電圧を変化させたときに前記共通配線に流れる電流値がピーク値の半分以下に低下する時間以上とする
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の光走査装置。
  4. 前記第1の駆動電圧を変化させるタイミングに対する前記第2の駆動電圧を変化させるタイミングは、前記第1の駆動電圧を所定時間刻みで変化させる時間間隔の半分である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の光走査装置。
  5. 前記光偏向器は、
    前記ミアンダ形状のカンチレバーにより前記ミラー部が回転可能に支持される回転軸とは異なる方向の回転軸周りに前記ミラー部を回転させるカンチレバー構成部を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一項に記載の光走査装置。
  6. 前記ミアンダ形状のカンチレバーは、
    前記第1の圧電部材と前記第2の圧電部材とを前記カンチレバーの1本の梁おきに交互に有する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の光走査装置。
  7. 請求項1乃至6のうちの何れか一項に記載の光走査装置と、
    前記光走査装置から出射された光を画像として表示する表示装置と、
    を備えることを特徴とする画像表示装置。
  8. 請求項1乃至6のうちの何れか一項に記載の光走査装置と、
    前記光走査装置から出射された光を画像として表示する表示装置と、
    前記画像を表示しながら移動する移動手段と
    を備えることを特徴とする移動体。
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