JP7059698B2 - 銅被膜の製造方法 - Google Patents

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本発明は、銅(Cu)被膜の製造方法に関する。
導電性の基材上に簡便な方法で銅被膜を形成する技術が求められている。その中でも、電気分解によって電極表面に銅被膜を形成する電解析出法は、操作が容易であり、経済的にも優れている面から、開発が進められている。
例えば、特許文献1は、陽極室液を保持するための陽極室と、前記陽極室と陰極とを隔離するための隔膜と、前記陽極室液に電流を流すための陽極と、前記陽極-前記陰極間に電圧を印加するための電源とを備え、前記隔膜は、基材と有機ニトリル化合物とを含み、前記陽極室液に含まれる金属イオンを選択的に透過させることが可能なものからなり、前記隔膜に含まれる前記ニトリル化合物の含有量は、前記隔膜の総乾燥重量に対して0.1重量%以上20重量%以下である電気めっきセルを使用して、温度が室温であり、電流密度が200mA/cmである条件下で、銅被膜を形成する方法を開示している。
特開2016-222991号公報
近年では、高速で被膜を形成(成膜)することができる固相電析法に注目が集まっている。ここで、固相電析法とは、陽極と、陰極となる基材との間に固体電解質膜を配置し、該固体電解質膜を基材に接触させると共に、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加し、該固体電解質膜の内部に含有された金属イオンから金属を前記基材の表面に析出することにより、前記金属からなる金属被膜を前記基材の表面に形成する方法である。
例えば、特開2015-092012号公報は、固相電析法によりニッケル被膜を形成する方法において、固体電解質膜にニッケルイオンを供給するための成膜用ニッケル溶液として、pH4.2~6.1の範囲にあり、成膜時において、前記pHの範囲内で緩衝能を有し、ニッケルイオンと不溶性塩及び錯体を形成しないpH緩衝液をさらに含む成膜用ニッケル溶液を使用することを開示している。
固相電析法では、一般的な電気めっきに使用する原料溶液と同様の原料溶液が使用される。しかしながら、固相電析法の成膜環境は、一般的な電気めっきの成膜環境と異なるため、一般的な電気めっきにおいて正常な被膜が形成される条件を固相電析法の条件に適用することはできない。例えば、特許文献1に開示される電気めっきの条件を使用して固相電析法により銅被膜を形成しようとしても、良好な銅被膜を得ることができない。
つまり、固相電析法では、成膜条件により複数の成膜異常モードが発生するため、高品質の被膜形成と高速成膜(例えば、1μm/min以上)との両立が困難である。
したがって、本発明は、銅被膜の成膜異常モードを抑制し、高速成膜が可能な銅被膜の製造方法を提供することを課題とする。
固相電析法を利用した銅の成膜において、得られる銅被膜の成膜異常モードとしては、主に固体電解質膜と銅被膜との密着(本明細書等では、「密着異常」ともいう)、及びピンホール(未析出部)の発生が挙げられる。
本発明者は、鋭意検討した結果、密着異常が高電流密度で低温処理することにより発生すること、及びピンホールが低電流密度で高温処理することにより発生することを見出し、さらに、所定範囲の温度及び電流密度の成膜条件下にて電圧を印加することにより、これらの銅被膜の成膜異常モードを抑制して、高品質の銅被膜を高速で形成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)陽極と、陰極としての基材と、銅イオンを含有する銅溶液を含む固体電解質膜とを、前記固体電解質膜が前記陽極と前記基材との間に位置するように、且つ前記固体電解質膜が前記基材の表面に接触するように配置する工程と、
前記陽極と前記基材との間に電圧を印加することにより、前記基材上に銅被膜を形成する工程と、
を含む銅被膜の製造方法であって、
電流密度及び温度が、前記電流密度をx(mA/cm)、前記温度をy(℃)とするx-y図において、(x,y)=(50,30)、(150,30)及び(150,55)の3点で囲われた範囲内になるように設定される成膜条件下にて、前記電圧を印加する、銅被膜の製造方法。
本発明によって、固体電解質膜と銅被膜との密着、及びピンホールの発生を抑制し、高速成膜が可能な銅被膜の製造方法が提供される。
本発明の製造方法に用いることのできる成膜装置の一例の模式的断面図を示す。 図1Aの成膜装置を用いて、基材上に銅被膜を形成する工程を示す模式的断面図である。 銅被膜中において形成されたピンホールの光学顕微鏡画像である。 結晶核密度とピンホール数の関係を示す図である。 結晶核密度が2個/μmである銅被膜中の銅結晶核のSEM画像である。 結晶核密度が33個/μmである銅被膜中の銅結晶核のSEM画像である。 結晶核密度が30個/μm未満になる電流密度及び温度の条件、固体電解質膜と銅被膜との密着が生じる電流密度及び温度の条件、及び良品が形成される電流密度及び温度の条件の概念図である。 電流密度及び温度の条件を変更して得られた実施例1~5及び比較例1~8の成膜結果を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本明細書では、適宜図面を参照して本発明の特徴を説明する。図面では、明確化のために各部の寸法及び形状を誇張しており、実際の寸法及び形状を正確に描写してはいない。それ故、本発明の技術的範囲は、これら図面に表された各部の寸法及び形状に限定されるものではない。なお、本発明の銅被膜の製造方法は、下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良などを施した種々の形態にて実施することができる。
本発明は、陽極と、陰極としての基材と、銅イオンを含有する銅溶液を含む固体電解質膜とを、前記固体電解質膜が前記陽極と前記基材との間に位置するように、且つ前記固体電解質膜が前記基材の表面に接触するように配置する工程と、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加することにより、前記基材上に銅被膜を形成する工程と、を含む銅被膜の製造方法であって、電流密度及び温度が、一定の範囲内になるように設定される成膜条件下にて、前記電圧を印加する、銅被膜の製造方法である。
本発明では、固体電解質膜を基材に接触させた状態で、陽極と基材との間に電圧を印加することによって、固体電解質膜に含まれる銅イオンが基材の表面で還元される。その結果、基材表面に銅が析出し、銅被膜が形成される。
本発明では、電流密度及び温度が、電流密度をx(mA/cm)、温度をy(℃)とするx-y図において、(x,y)=(50,30)、(150,30)及び(150,55)の3点、好ましくは(x,y)=(100,35)、(125,35)及び(125,40)の3点で囲われた範囲内になるように設定される成膜条件下にて、電圧を印加する。
言い換えると、電流密度及び温度は、電流密度をx(mA/cm)、温度をy(℃)とするx-y図において、4y-x≦70(x≦150,y≧30)、好ましくは5y-x≦75(x≦125,y≧35)の不等式を満たすように設定される。
したがって、電流密度は、温度に依存して、50mA/cm~150mA/cm、好ましくは100mA/cm~125mA/cmに設定することができ、温度は、電流密度に依存して、30℃~55℃、好ましくは35℃~40℃に設定することができる。
本発明により、固体電解質膜と銅被膜との密着、及びピンホールの発生を抑制して、高速で、銅被膜を製造することができる。より具体的には、本発明により、酸化銅の被膜の形成に起因する固体電解質膜と銅被膜との密着を抑制でき、さらに小さい結晶核密度に起因するピンホールの発生を抑制することができる。特に、本発明では、銅被膜を高速、例えば1μm/min以上、好ましくは1.5μm/min~3μm/minで形成させる場合においても、固体電解質膜と銅被膜との密着、及びピンホールの発生を抑制することができる。
ここで、本発明において、固相電析法を利用した銅の成膜における、得られる銅被膜の成膜異常モード、すなわち(1)固体電解質膜と銅被膜との密着(密着異常)、及び(2)ピンホール(未析出部)の発生について説明する。
(1)固体電解質膜と銅被膜との密着(密着異常)
上述のように、密着異常は、高電流密度で低温処理することにより発生する。密着異常の発生メカニズムは、以下のように推察される。ただし、本発明は、下記推察によって限定されない。
銅イオンを含む銅溶液を使用して、固体電解質膜を基材に接触させた状態で基材の表面に銅被膜を形成する固相電析法において、過大な電流密度が印加されると、析出界面において、銅イオンの還元以外に、溶液中の水素イオンの還元が起こる。水素イオンの還元、すなわち水素(イオン)の系外への放出は、析出界面付近のpHを一時的に上昇させる。pHの一時的な上昇によって増加した水酸化物イオンは、遊離している銅イオンと結合して、水酸化銅を形成する。生成された水酸化銅は、脱水されることにより、基材の表面上において、酸化銅の被膜を形成する。形成された酸化銅の被膜は、固体電解質膜と強く密着する性質を有する。酸化銅の被膜は、例えば、その表面が固体電解質膜の表面に化学的に結合して密着している場合がある。また、酸化銅の被膜は、例えば、その一部が固体電解質膜の内部構造(空孔など)に入り込んで形成され、機械的に密着している場合がある。その結果、固体電解質膜と銅被膜とが密着してしまう。
(2)ピンホール(未析出部)の発生
上述のように、ピンホールは、低電流密度で高温処理することにより発生する。ピンホールの発生メカニズムは、以下のように推察される。ただし、本発明は、下記推察によって限定されない。
銅イオンを含む銅溶液を使用して、固体電解質膜を基材に接触させた状態で基材の表面に銅被膜を形成する固相電析法において、印加される電流密度が小さいと、成膜初期に析出する結晶の存在密度(結晶核密度)が小さくなる。結晶核密度が小さいと、その後の増膜により結晶が成長しても結晶粒間が埋まりきらず、埋まりきらない部分がピンホールとして残留する。図2に、銅被膜中において形成されたピンホールの光学顕微鏡画像を示す。
ここで、図3に、結晶核密度とピンホール数の関係を示す。図3において、結晶核密度は、狙い膜厚を0.1μmとしたとき、すなわち、成膜初期における、被膜1μm当たりの結晶核の個数として定義され、ピンホール数は、銅被膜1cm当たりのピンホールの個数として定義される。また、図4に、結晶核密度が2個/μmである銅被膜中の銅結晶核のSEM画像を示し、図5に、結晶核密度が33個/μmである銅被膜中の銅結晶核のSEM画像を示す。
図3~5より、結晶核密度が大きくなるにつれてピンホール数が少なくなることがわかる。したがって、ピンホールのない高品質な銅被膜を形成するためには、成膜初期の結晶核の析出状態をち密化する必要がある。ピンホール数を、1個/cm以下、好ましくは0個/cmにするためには、結晶核密度を、30個/μm以上、好ましくは33個/μm以上にする。
本発明者は、鋭意検討した結果、電流密度及び温度が上述した範囲になるよう設定される成膜条件下にて電圧を印加することにより、密着異常、及びピンホールの発生を抑制することができることを見出した。ここで、当該温度は、基材下に設置された熱電対で測定することができる。
図6に、結晶核密度が30個/μm未満になる、すなわち、ピンホールが発生する電流密度及び温度の条件、固体電解質膜と銅被膜との密着が生じる電流密度及び温度の条件、及び良品が形成される電流密度及び温度の条件の概念図を示す。
本発明では、固相電析法により銅被膜を形成する。具体的には、固体電解質膜を基材(陰極)に接触させた状態で、陽極と基材との間に電圧を印加することによって、基材の表面に銅被膜を形成する。このような固相電析法による本発明に係る製造方法を実施することができる成膜装置の一例を図1A及び図1Bに示す。
図1Aは、成膜装置1Aの模式的断面図である。成膜装置1Aは、陽極11と、陰極としての基材Bと、陽極11と基材Bとの間に配置された固体電解質膜13と、陽極11と基材Bとの間に電圧を印加する電源部16とを備えている。
成膜装置1Aは、ハウジング20を更に備えている。ハウジング20には、陽極11と固体電解質膜13との間に銅溶液Lが配置されるように、銅溶液Lを収容する第1収容室21が形成されている。第1収容室21に収容された銅溶液Lは、固体電解質膜13と陽極11とに接触している。
第1収容室21には、基材Bの表面Baの大きさよりも大きい第1開口部22が形成されている。第1開口部22は、固体電解質膜13で覆われており、銅溶液Lは、第1収容室21内に流動可能な状態で封止されている。
成膜装置1Aは、基材Bを載置する載置台40を更に備えている。
成膜装置1Aは、ハウジング20の上部に押圧部30Aを更に備えている。
図1Bは、図1Aの成膜装置1Aを用いて、基材Bの表面Baに銅被膜Fを形成する工程を説明するものである。
図1Bに示す通り、基材Bを載置台40に載置した状態で、載置台40とハウジング20とを相対的に移動させて、固体電解質膜13と載置台40との間に基材Bを挟み込み、固体電解質膜13を介して銅溶液Lを基材Bの表面Baに配置する。
次に、電源部16によって、陽極11と基材Bとの間に電圧を印加し、固体電解質膜13に含まれる銅イオンを基材Bの表面Baで還元し、表面Baに銅を析出させて、銅被膜Fを形成する。
本発明では、陽極として、例えば、無酸素銅を挙げることができる。陽極は、溶解性陽極であってもよいし、不溶性陽極であってもよい。
本発明では、基材(陰極)としては、例えば、金属材料を用いることができる。金属材料としては、銅やアルミニウムなどの金属材料からなる基材、又は樹脂若しくはシリコン基材の処理表面に金属下地層(銅やアルミニウム)が形成されている基材を用いることができる。
本発明では、固体電解質膜としては、銅溶液に接触させることにより、銅イオンを内部に含浸することができ、電圧を印加したときに基材の表面において銅イオン由来の銅が析出することができるものであれば、特に限定されるものではない。固体電解質膜の材質としては、たとえばデュポン社製のナフィオン(登録商標)などのフッ素系樹脂、炭化水素系樹脂、ポリアミック酸樹脂、旭硝子社製のセレミオン(CMV、CMD、CMFシリーズ)などのイオン交換機能を有する樹脂を挙げることができる。
本発明において、固体電解質膜の厚さは、例えば、50μm~400μm、100μm~200μmである。
本発明において、銅溶液に添加して溶解させる銅化合物としては、例えば、塩化物若しくは臭化物などのハロゲン化合物、硫酸塩若しくは硝酸塩などの無機塩、又は酢酸塩若しくはクエン酸塩などの有機酸塩を挙げることができる。具体的には、銅化合物としては、例えば、塩化銅、硫酸銅、又は酢酸銅を挙げることができる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。銅イオンの濃度は、特に制限されるものではないが、例えば、0.1mol/L~2.0mol/L、より好ましくは、0.8mol/L~1.2mol/Lである。
本発明では、銅溶液のpHは、好ましくは2.0~5.0であり、より好ましくは2.5~4.5である。このようなpHに設定することによって、銅の析出電流効率を向上させることができ、銅被膜を高速で形成し易くできる。なお、銅被膜の成膜速度は、pH以外にも、例えば、銅溶液中の銅イオンや、電流値、陽極材料、陽極面積、温度などの条件により調整することができる。
本発明では、銅溶液は、銅イオンに加えて、任意の他の成分を含んでいてもよい。銅溶液は、例えば、溶媒、pH緩衝剤を含んでいてもよい。溶媒としては、例えば、水又はエタノールを挙げることができる。pH緩衝剤としては、例えば、酢酸-酢酸銅、又はコハク酸-コハク酸銅を挙げることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらにより限定されるものではない。
[実施例1]
<銅溶液の作製>
銅溶液として、硫酸銅を1.0mol/Lの濃度で含む水溶液を用意し、この水溶液に酢酸を適量滴下してpHを3.0に調整し、銅溶液を調製した。
<銅被膜の成膜>
上述した図1A及び図1Bに示す成膜装置1Aを用いる液圧法により、銅被膜を成膜した。
基材(陰極)として、Cuスパッタ膜付きSi基板(スパッタ膜厚:300nm)を用いた。陽極として、銅メッシュを用いた。固体電解質膜として、デュポン社製のナフィオンN117を用いた。
次に、図1Bに示すように、成膜装置の押圧部により固体電解質膜を基材に約0.5MPaの圧力で押し当てた。そして、銅溶液を第1収容室に充填し、固体電解質膜に銅イオンを供給した。
次に、基材Bの温度を温度調節器により43℃に一定に保ちつつ、電源部16により、電流密度が100mA/cmとなるように陽極と基材との間に電圧を印加し、狙い0.1μmの膜厚(3秒間)、又は狙い1μmの膜厚(30秒間)になるような時間で、銅被膜を形成した。成膜速度は2μm/minであった。
[実施例2]
基材Bの温度を温度調節器により43℃に一定に保ちつつ、電源部16により、電流密度が150mA/cmとなるように陽極と基材との間に電圧を印加し、狙い0.1μmの膜厚(2秒間)、又は狙い1μmの膜厚(20秒間)になるような時間で、銅被膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして銅被膜を形成した。成膜速度は3μm/minであった。
[実施例3]
基材Bの温度を温度調節器により35℃に一定に保ちつつ、電源部16により、電流密度が75mA/cmとなるように陽極と基材との間に電圧を印加し、狙い0.1μmの膜厚(4秒間)、又は狙い1μmの膜厚(40秒間)になるような時間で、銅被膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして銅被膜を形成した。成膜速度は1.5μm/minであった。
[実施例4]
基材Bの温度を温度調節器により40℃に一定に保ちつつ、電源部16により、電流密度が125mA/cmとなるように陽極と基材との間に電圧を印加し、狙い0.1μmの膜厚(2.5秒間)、又は狙い1μmの膜厚(24秒間)になるような時間で、銅被膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして銅被膜を形成した。成膜速度は2.5μm/minであった。
[実施例5]
基材Bの温度を温度調節器により47℃に一定に保ちつつ、電源部16により、電流密度が150mA/cmとなるように陽極と基材との間に電圧を印加し、狙い0.1μmの膜厚(2秒間)、又は狙い1μmの膜厚(20秒間)になるような時間で、銅被膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして銅被膜を形成した。成膜速度は3μm/minであった。
[比較例1]
基材Bの温度を温度調節器により25℃に一定に保ちつつ、電源部16により、電流密度が50mA/cmとなるように陽極と基材との間に電圧を印加し、狙い0.1μmの膜厚(6秒間)、又は狙い1μmの膜厚(60秒間)になるような時間で、銅被膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして銅被膜を形成した。成膜速度は1μm/minであった。
[比較例2]
基材Bの温度を温度調節器により25℃に一定に保ちつつ、電源部16により、電流密度が100mA/cmとなるように陽極と基材との間に電圧を印加し、狙い0.1μmの膜厚(3秒間)、又は狙い1μmの膜厚(30秒間)になるような時間で、銅被膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして銅被膜を形成した。成膜速度は2μm/minであった。
[比較例3]
基材Bの温度を温度調節器により25℃に一定に保ちつつ、電源部16により、電流密度が150mA/cmとなるように陽極と基材との間に電圧を印加し、狙い0.1μmの膜厚(2秒間)、又は狙い1μmの膜厚(20秒間)になるような時間で、銅被膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして銅被膜を形成した。成膜速度は3μm/minであった。
[比較例4]
基材Bの温度を温度調節器により43℃に一定に保ちつつ、電源部16により、電流密度が50mA/cmとなるように陽極と基材との間に電圧を印加し、狙い0.1μmの膜厚(6秒間)、又は狙い1μmの膜厚(60秒間)になるような時間で、銅被膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして銅被膜を形成した。成膜速度は1μm/minであった。
[比較例5]
基材Bの温度を温度調節器により60℃に一定に保ちつつ、電源部16により、電流密度が50mA/cmとなるように陽極と基材との間に電圧を印加し、狙い0.1μmの膜厚(6秒間)、又は狙い1μmの膜厚(60秒間)になるような時間で、銅被膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして銅被膜を形成した。成膜速度は1μm/minであった。
[比較例6]
基材Bの温度を温度調節器により60℃に一定に保ちつつ、電源部16により、電流密度が100mA/cmとなるように陽極と基材との間に電圧を印加し、狙い0.1μmの膜厚(3秒間)、又は狙い1μmの膜厚(30秒間)になるような時間で、銅被膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして銅被膜を形成した。成膜速度は2μm/minであった。
[比較例7]
基材Bの温度を温度調節器により60℃に一定に保ちつつ、電源部16により、電流密度が150mA/cmとなるように陽極と基材との間に電圧を印加し、狙い0.1μmの膜厚(2秒間)、又は狙い1μmの膜厚(20秒間)になるような時間で、銅被膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして銅被膜を形成した。成膜速度は3μm/minであった。
[比較例8]
基材Bの温度を温度調節器により50℃に一定に保ちつつ、電源部16により、電流密度が175mA/cmとなるように陽極と基材との間に電圧を印加し、狙い0.1μmの膜厚(1.7秒間)、又は狙い1μmの膜厚(17秒間)になるような時間で、銅被膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして銅被膜を形成した。成膜速度は3.5μm/minであった。
<評価>
1.結晶核密度の測定
実施例1~5及び比較例1~8において得られた0.1μmの銅被膜をSEM画像で観察した。2値化処理により判定した結晶核数を観察画像の面積で除した値を結晶核密度とした。
2.成膜異常の判定
実施例1~5及び比較例1~8において得られた1μmの銅被膜について、成膜異常(固体電解質膜と銅被膜との密着)の有無を外観で判別した。
<結果>
表1に、実施例1~5及び比較例1~8における、成膜時の温度及び電流密度の条件における結晶核密度及び成膜異常の有無の結果を示す。
Figure 0007059698000001
図7に、電流密度及び温度の条件を変更して得られた実施例1~5及び比較例1~8の成膜結果を示す。図7において、成膜異常がなく、且つ結晶核密度が30個/μm以上であった例(実施例)を○で表し、成膜異常が認められたか、又は結晶核密度が30個/μm未満であった例(比較例)を×で表している。図7からも明らかな通り、電流密度及び温度が、(電流密度,温度)=(50,30)、(150,30)及び(150,55)の3点で囲われた範囲内になるように設定される成膜条件下にて電圧を印加した場合に、良品である銅被膜が得られることがわかった。
1A 成膜装置
11 陽極
13 固体電解質膜
16 電源部
20 ハウジング
21 第1収容室
22 第1開口部
30A 押圧部
40 載置台
L 銅溶液
B 基材(陰極)
Ba 基材の表面
F 銅被膜

Claims (4)

  1. 陽極と、陰極としての基材と、銅イオンを含有する銅溶液を含む固体電解質膜とを、前記固体電解質膜が前記陽極と前記基材との間に位置するように、且つ前記固体電解質膜が前記基材の表面に接触するように配置する工程と、
    前記陽極と前記基材との間に電圧を印加することにより、前記基材上に銅被膜を形成する工程と、
    を含む銅被膜の製造方法であって、
    前記基材が、銅から形成されている基材、又は樹脂若しくはシリコン基材の処理表面に銅が形成されている基材であり、
    前記銅溶液が、銅イオンを0.1mol/L~2.0mol/Lの濃度で含むpH2.0~5.0の水溶液であり、
    電流密度及び温度が、前記電流密度をx(mA/cm2)、前記温度をy(℃)とするx-y図において、(x,y)=(50,30)、(150,30)及び(150,55)の3点で囲われた範囲内になるように設定される成膜条件下にて、前記電圧を印加する、銅被膜の製造方法。
  2. 前記基材が、Cuスパッタ膜付きSi基板である、請求項1に記載の銅被膜の製造方法。
  3. 前記銅溶液が、銅イオンを0.8mol/L~1.2mol/Lの濃度で含むpH2.5~4.5の水溶液である、請求項1又は2に記載の銅被膜の製造方法。
  4. 前記銅溶液が、硫酸銅を1.0mol/Lの濃度で含むpH3.0の水溶液である、請求項1~3のいずれか一項に記載の銅被膜の製造方法。
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