JP7059089B2 - X線検出器およびそれを用いたx線計測装置 - Google Patents

X線検出器およびそれを用いたx線計測装置 Download PDF

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Description

本発明は、X線検出器およびそれを用いたX線計測装置に関する。
XRF(X-Ray Fluorescence analyzer 、蛍光X線検出装置)は、物質にX線を照射し、そこから発生する蛍光X線を検出することで物質の定性と定量が行えるだけでなく、物質の厚みや積層状態などを評価可能な装置である。現在、X線検出器の改良が進み、机上に置いて使えるほど小型で、かつ高感度な蛍光X線検出装置が普及している。このXRFの小型化に貢献したのが、X線を検出する半導体検出器(シリコンドリフト検出器、Silicon Drift Detector:SDD)である。SDDは、小型で検出感度が高いだけでなく、大きな冷却装置を必要としないのが最大の特徴である。そして、X線検出器においては、低エネルギーから高エネルギーまで幅広いエネルギー帯において検出感度が高いことが望ましい。
なお、特開2014-21000号公報(特許文献1)には、信号線が、配線基板などの基板に設けられたスルーホールを介して上記基板と放射線検出素子およびプリアンプとを接続する構造の放射線検出器が開示されている。
特開2014-21000号公報
上述のX線検出器では、X線検出器を構成するSi基板の厚さに依存して、X線が高エネルギーになるほど検出効率は低下する。標準的な0.5mmの厚さのSi基板で作製したSDDの場合、入射エネルギーが10keVを超えると急激に検出効率が低下する。このため、X線エネルギーが10keV以上のX線の検出効率を改善する手段として、Si基板の厚さを厚くする方法がある。
しかしながら、厚いSi基板でSDDを作製するには専用装置の開発と購入が必要であるだけでなく、Si基板が厚くなるほど検出効率の高いウインドウ領域が減少し、さらに別途高電圧回路が必要になるなどの問題がある。一方、SDDの基板厚さは変えずにSDDを複数配置したり、あるいは、複数重ねたマルチ検出器にする方法がある。しかしながら、増えたSDDの数に比例して、X線検出器の占有面積や体積が増えるだけでなく、増えたアンプや回路数だけコストも増加することが課題である。
なお、上記特許文献1では、放射線検出素子において検出される放射線のエネルギー感度については特に言及されていない。
本発明の目的は、高い分解能を維持しつつX線の検出効率を高めることができる技術を提供することにある。
本発明の前記の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
代表的なX線検出器は、試料から発生するX線を第1のエネルギー感度で検出する第1の半導体チップと、上記X線を上記第1のエネルギー感度と異なる第2のエネルギー感度で検出する第2の半導体チップと、を有する。さらに、上記第1の半導体チップと電気的に接続された第1の信号線と、上記第2の半導体チップと電気的に接続された第2の信号線と、上記第1の信号線と上記第2の信号線とに電気的に接続され、信号を増幅するアンプと、を有する。
また、代表的なX線計測装置は、試料を保持するステージと、上記試料にX線を照射するX線発生源と、上記試料から発生するX線を検出するX線検出器と、上記X線検出器から送信される信号を編集する第1の処理部と、を有する。ここで、上記X線検出器は、上記試料から発生する上記X線を第1のエネルギー感度で検出する第1の半導体チップと、上記試料から発生する上記X線を上記第1のエネルギー感度と異なる第2のエネルギー感度で検出する第2の半導体チップと、を有する。さらに、上記X線検出器は、上記第1の半導体チップと電気的に接続された第1の信号線と、上記第2の半導体チップと電気的に接続された第2の信号線と、上記第1の信号線と上記第2の信号線とに電気的に接続され、信号を増幅するアンプと、を有する。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
X線検出器およびこのX線検出器を有するX線計測装置において、高い分解能を維持しつつX線の検出効率を高めることができる。また、X線検出器の占有面積や体積を増やすことなく、コスト上昇も抑制してX線の検出効率を高めることができる。
本発明の実施の形態のX線検出器の構成の一例を示す概略図である。 図1に示すX線検出器に用いられるSDDチップの構造の一部を破断して示す概略図である。 図1に示すX線検出器に用いられる第1SDDチップの構造の一例を示す裏面図である。 図1に示すX線検出器に用いられる第2SDDチップの構造の一例を示す裏面図である。 図1に示すX線検出器に用いられる第1SDDチップと第2SDDチップの積層構造の一例を図3と図4のA-A線に沿って切断して示す断面図である。 図1に示すX線検出器に用いられる第2SDDチップの第1変形例の構造を示す裏面図である。 図1に示すX線検出器に用いられる第1SDDチップと第2SDDチップの積層構造の第1変形例を図3と図6のB-B線に沿って切断して示す断面図である。 図1に示すX線検出器に用いられる第2SDDチップの第2変形例の構造を示す裏面図である。 図1に示すX線検出器に用いられる第1SDDチップと第2SDDチップの積層構造の第2変形例を図3と図8のB-B線に沿って切断して示す断面図である。 図1に示すX線検出器に用いられる第2SDDチップの第3変形例の構造を示す裏面図である。 図1に示すX線検出器に用いられる第1SDDチップと第2SDDチップの積層構造の第3変形例を図3と図10のB-B線に沿って切断して示す断面図である。 図1に示すX線検出器に用いられる第2SDDチップの第4変形例の構造を示す裏面図である。 図1に示すX線検出器に用いられる第1SDDチップと第2SDDチップの積層構造の第4変形例を図3と図12のB-B線に沿って切断して示す断面図である。 本発明の実施の形態のX線検出器を備えたX線計測装置の構成の一例を示す概略図である。 図14に示すX線計測装置における処理手順の一例を示すフロー図である。 本発明の実施の形態における変形例のX線計測装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態のX線検出器による効果を示すデータ図である。 本発明の実施の形態のX線検出器による他の効果を示すデータ図である。
図1は本発明の実施の形態のX線検出器の構成の一例を示す概略図、図2は図1に示すX線検出器に用いられるSDDチップの構造の一部を破断して示す概略図である。
図1に示す本実施の形態のX線検出器12は、後述する図14に示すように、物質にX線6を照射し、そこから発生する蛍光X線7を検出することで物質の定性と定量を行うことが可能な機器である。
X線検出器12の構成について説明すると、上記図14に示すサンプル(試料)24にX線6を照射し、サンプル24から発生する蛍光X線7を第1のエネルギー感度で検出する第1SDDチップ(第1の半導体チップ)1と、蛍光X線7を上記第1のエネルギー感度と異なる第2のエネルギー感度で検出する第2SDDチップ(第2の半導体チップ)2と、を有している。
さらに、X線検出器12は、第1SDDチップ1と電気的に接続された第1の信号線3と、第2SDDチップ2と電気的に接続された第2の信号線4と、第1の信号線3と第2の信号線4とに電気的に接続され、かつ信号を増幅するアンプ(増幅器)5と、を有している。
また、X線検出器12は、各素子(各半導体チップ)の熱を吸収するペルチェ10を備えており、さらに、各素子(各半導体チップ)の温度を検出する温度センサであるサーミスタ8が取り付けられている。
そして、X線検出器12には、各半導体チップやペルチェ10およびサーミスタ8などと電気的に接続され、かつ電源供給制御、温度制御および信号処理などの制御を行う制御部11が設けられている。
なお、X線検出器12において、第1SDDチップ1と第2SDDチップ2は、積層配置されており、第1SDDチップ1がX線6の入射側に配置され、一方、第2SDDチップ2は、X線6の入射側と反対側に配置されている。すなわち、X線検出器12では、X線6の入射側から第1SDDチップ1、第2SDDチップ2の順に配置されている。これにより、第1SDDチップ1の表面(ウインドウ面)1aは、X線6の入射側を向いており、第1SDDチップ1の裏面(リング面)1bと、第2SDDチップ2の表面2aとが対向している。
また、第1SDDチップ1と第2SDDチップ2の間には、絶縁性のスペーサ9が介在されている。言い方を変えると、第1SDDチップ1は、第2SDDチップ2上にスペーサ9を介して積層されている。
また、入射側と反対側に配置された第2SDDチップ2は、その表面2aおよび裏面2bに開口する貫通孔(空間部)2eをチップ平面(表面2a)の中央部に備えており、この貫通孔2eに第2SDDチップ2と電気的に接続する第2の信号線4が配置されている。
なお、第1SDDチップ1の裏面1b上には、第1SDDチップ1の信号を外部に引き出すための回路を備えた配線層1dが形成されており、この配線層1dの内部配線を介して第1SDDチップ1の信号が外部に引き出される。
同様に、第2SDDチップ2の裏面2b上にも、第2SDDチップ2の信号を外部に引き出すための回路を備えた配線層2dが形成されており、この配線層2dの内部配線を介して第2SDDチップ2の信号が外部に引き出される。なお、配線層1dや配線層2dとして、薄膜配線基板などを採用してもよい。
また、第1の信号線3と第2の信号線4の両者が電気的に接続されるアンプ5が、第1SDDチップ1の裏面1bに設けられた配線層1d上に設けられている。
詳細には、第1の信号線3の一端は、第1SDDチップ1の裏面1bの中央部に設けられたアノード電極(第1の電荷収集電極)1cを介して第1SDDチップ1と電気的に接続され、かつ第1の信号線3の他端は、第1SDDチップ1の裏面1b側の配線層1d上に設けられたアンプ5と電気的に接続されている。
一方、第2の信号線4の一端は、第2SDDチップ2の裏面2bの中央部に設けられたアノード電極(第2の電荷収集電極)2cを介して第2SDDチップ2と電気的に接続され、かつ第2の信号線4は、貫通孔2e内に配置されるとともに、貫通孔2eを介して第2の信号線4の他端がアンプ5と電気的に接続されている。
ここで、本実施の形態のX線検出器12では、X線6の入射側に配置された第1SDDチップ1の厚さより、入射側と反対側に配置された第2SDDチップ2の厚さの方が厚い。一例として、第1SDDチップ1の厚さは、0.5mm程度であり、第2SDDチップ2の厚さは、1.0mm程度である。
次に、図2を用いてSi基板からなるSDDチップの基本構成について説明する。なお、図2に示す構造は、図1に示す第1SDDチップ1の配線層1dを取り除いた構造と同様である。
図2に示すように、SDDチップの表面(ウインドウ面)1a側は、X線6の入射面となっており、その中央部付近の最上層には酸化膜1eが形成されている。そして、酸化膜1eの周囲にはアルミニウムなどからなる配線1fがガードリングとして複数本リング状に形成されている。さらに、リング状の各配線1fの下部や酸化膜1eの下部にはボロン層1gが形成されている。また、リング状の配線1f間のそれぞれには絶縁膜1hが形成されている。
一方、SDDチップの裏面(リング面)1b側の最上層には、アルミニウムなどからなる複数のリング状の配線1fが形成されており、その中心部にアノード電極1cが形成されている。表面1a側と同様に、リング状の各配線1fの上部にはボロン層1gが形成されており、また、リング状の配線1f間のそれぞれには絶縁膜1hが形成されている。複数のリング状の配線1fは、同一中心上に等間隔で形成された複数のリング状の配線1fである。
なお、表面1a側および裏面1b側においてSi基板の各ボロン層1g間には、リンが注入されている。また、Si基板の内部は空乏層となっている。
このようなSDDチップに対して内電極1iと外電極1jとに電圧を印加すると、その裏面1b側に、同一中心上に等間隔で複数のリング状の配線1fが渦巻きのように形成されているため、Si基板の中心に向かう電界が形成される。この電界によってX線6の収集が行われる。図2に示すSDDチップでは、裏面1bの中心部に電荷収集電極であるアノード電極1cが設けられているため、このアノード電極1cにX線6を集めることができ、X線6を高い精度で検出することができる。
本実施の形態のX線検出器12は、図2に示す構造のSDDチップを、図1に示す第1SDDチップ1として採用し、かつ別のSDDチップを上下方向(SDDチップの厚さ方向)に重ね(積層し)、それぞれのSDDチップに接続される信号線を1つのアンプ5に接続するとともに、単一の回路でSDDチップを動作させるものである。
これにより、厚さが厚いSi基板の取り扱いが不要になり、検出器の面積や体積を増やすことなく、かつ複数のアンプや後段回路を必要とせずに分解能を維持した状態でX線6の検出効率を高めることができる。
次に、本実施の形態のX線検出器12に組み込まれる2つのSDDチップの構造について説明する。図3は図1に示すX線検出器に用いられる第1SDDチップの構造の一例を示す裏面図、図4は図1に示すX線検出器に用いられる第2SDDチップの構造の一例を示す裏面図、図5は図1に示すX線検出器に用いられる第1SDDチップと第2SDDチップの積層構造の一例を図3と図4のA-A線に沿って切断して示す断面図である。
図3に示すSDDチップは、本実施の形態のX線検出器12において積層される2つのSDDチップのうち、X線6の入射側に配置される第1SDDチップ1に相当するものであり、第1SDDチップ1の裏面1b側の構造を示している。つまり、図3に示す第1SDDチップ1は、図2に示すSDDチップと同様の構造を有している。
具体的には、図5に示すように、第1SDDチップ1の表面1aには酸化膜1eが形成されている。一方、裏面1b側には、図3に示すように、アルミニウムなどからなる複数のリング状の配線1fが同一中心上に等間隔で形成されている。また、裏面1bの中心部にアノード電極1cとアンプ5とが設けられている。アンプ5は、図5に示すように、例えば、接着材13を介して第1SDDチップ1の裏面1bに取り付けられている。
図4に示すSDDチップは、X線6の入射側と反対側に配置され、かつ第1SDDチップ1と積層される第2SDDチップ2である。第2SDDチップ2には、その平面方向の中央部に貫通孔(空間部)2eが形成されている。図5に示すように貫通孔2eは、第2SDDチップ2の表面2aと裏面2bとに開口している。
以上のように本実施の形態のX線検出器12は、第1SDDチップ1と第2SDDチップ2とを積層し、それぞれの信号を1つのアンプ5で検出するものである。すなわち、単一の回路でSDD動作を実行している。そして、アンプ5によって検出されたそれぞれの信号は、例えば、図1に示す配線層1dの内部配線を介してチップ外に引き出される。
また、第2SDDチップ2には、第1SDDチップ1の裏面1bに設けられたアンプ5に信号線(第2の信号線4)を接続するための貫通孔2eなどの空間部(間隙)が形成されている。つまり、第2SDDチップ2では、図5に示すように、その裏面2bでアノード電極2cを介して電気的に接続された第2の信号線4を貫通孔2eに通し、第2の信号線4は貫通孔2eを介して表面2a側に引き出される。さらに、表面2a側に引き出された第2の信号線4は、第1SDDチップ1の裏面1bに取り付けられたアンプ5に電気的に接続されている。
なお、図4に示すように、貫通孔2eの平面視の形状は、縦長の長方形である。
そして、裏面2bにおいて、貫通孔2eの開口部の縦長の長方形の長辺に沿うようにアノード電極(第2の電荷収集電極)2cが設けられており、このアノード電極2cに第2の信号線4が電気的に接続されている。
第2SDDチップ2の裏面2bには、アノード電極2cと貫通孔2eとを中央部に配置した状態で、かつアノード電極2cおよび貫通孔2eを囲むように略同一中心上に等間隔で複数の配線2fが形成されている。
ここで、本実施の形態のX線検出器12では、第1SDDチップ1と第2SDDチップ2とが、X線6の入射方向に対して積層して配置されているため、第1SDDチップ1の蛍光X線7を検出する第1のエネルギー感度と、第2SDDチップ2の蛍光X線7を検出する第2のエネルギー感度とは、異なっている。すなわち、X線6の入射方向に対して後方側に配置される第2SDDチップ2は、入射側の第1SDDチップ1とそのエネルギー感度が必然的に異なっている。つまり、2つのSDDチップは、積層した時点で感度が異なる。この場合、後方側の第2SDDチップ2の方が、入射側の第1SDDチップ1に比較して高いエネルギー感度となる。
したがって、後方側の第2SDDチップ2によって、例えば10keV以上のエネルギーのX線6を検出し、10keVを越えないエネルギーのX線6は入射側の第1SDDチップ1によって検出することができる。
また、本実施の形態のX線検出器12におけるSDDチップ2の厚さは、第1SDDチップ1の厚さより厚い。一例として、第1SDDチップ1の厚さは、0.5mm程度であり、第2SDDチップ2の厚さは、1.0mm程度である。ただし、第1SDDチップ1の厚さと第2SDDチップ2の厚さは、同じ厚さであってもよい。
本実施の形態のX線検出器12においては、第1SDDチップ1と第2SDDチップ2とを積層し、かつ第2SDDチップ2の信号線を第2SDDチップ2が有する空間部に通すことで、両方のSDDチップのそれぞれの信号を1つのアンプ5で検出することができる。その結果、X線検出器12の占有面積や体積を増やさずに済むため、X線検出器12の小型化を図ることができる。
なお、10keV以上のエネルギーのX線6を検出しようとすると、Si基板の場合、X線6の感度が急激に低下する特性がある。そして、高いエネルギーのX線6の検出感度を高める対策として、単純にSi基板の厚さを厚くすることが考えられる。しかしながら、Si基板を厚くすると、1)SDDチップの製造においてSi基板のハンドリングや搬送が困難になる、2)SDDチップの分解能に影響するリーク電流が高くなる、3)X線6が入射するウインドウ面(ウインドウ領域)の実効面積がSi基板の厚さに反比例して小さくなる、などの課題が発生する。
そこで、本実施の形態のX線検出器12では、単純にSDDチップの厚さを厚くするのではなく、2つのSDDチップである第1SDDチップ1と第2SDDチップ2とを積層している。これにより、単純にSDDチップの厚さを厚くした場合の上記1)~3)の課題の発生は回避することができる。
また、X線検出器12においては、第1SDDチップ1と第2SDDチップ2を積層することにより、2つのSDDチップのそれぞれのエネルギー感度が異なるため、その結果、X線検出において高い分解能を維持しつつX線6の検出効率を高めることができる。さらに、コスト上昇も抑制してX線6の検出効率を高めることができる。
また、本実施の形態のX線検出器12においては、後方側の第2SDDチップ2の厚さは、入射側の第1SDDチップ1の厚さより厚い。これにより、後方側の第2SDDチップ2を高エネルギーのX線検出専用として用いることができる。なお、この場合の第2SDDチップ2の厚さを、例えば1.0mm程度とすることで、上述のSi基板を厚くした場合の課題の発生は回避することができる。
次に、本実施の形態のX線検出器12の変形例について説明する。
図6は図1に示すX線検出器に用いられる第2SDDチップの第1変形例の構造を示す裏面図、図7は図1に示すX線検出器に用いられる第1SDDチップと第2SDDチップの積層構造の第1変形例を図3と図6のB-B線に沿って切断して示す断面図である。
なお、図7に示す第1変形例のX線検出器12における第1SDDチップ1の構造については、図3に示す第1SDDチップ1の構造と同様であるため、その重複説明は省略する。
図6に示す第2SDDチップ2には、その平面方向の中央部に、平面視の形状が縦長の長方形を成す貫通孔(空間部)2eが形成されている。さらに、裏面2bにおいて、貫通孔2eの開口部の縦長の長方形の短辺に沿うようにアノード電極(第2の電荷収集電極)2cが設けられており、図7に示すように、このアノード電極2cに第2の信号線4が電気的に接続されている。
そして、第2SDDチップ2の裏面2bには、アノード電極2cと貫通孔2eとを中央部に配置した状態で、かつアノード電極2cおよび貫通孔2eを囲むように略同一中心上に等間隔で複数の配線2fが形成されている。
図7に示すX線検出器12では、図6に示すように第2SDDチップ2の裏面2b側において、複数のリング状の配線2fがアノード電極2cの周りにも略均等に渦巻いたパターンで形成されている。すなわち、図4の第2SDDチップ2に比べて図6の第2SDDチップ2の場合、アノード電極2cの周辺にも電界が形成されるため、X線6を検出できる領域をさらに広げることができる。
図8は図1に示すX線検出器に用いられる第2SDDチップの第2変形例の構造を示す裏面図、図9は図1に示すX線検出器に用いられる第1SDDチップと第2SDDチップの積層構造の第2変形例を図3と図8のB-B線に沿って切断して示す断面図である。
なお、図9に示す第2変形例のX線検出器12における第1SDDチップ1の構造については、図3に示す第1SDDチップ1の構造と同様であるため、その重複説明は省略する。
図8に示すように、第2SDDチップ2には、その平面方向の中央部に平面視の形状が円形の貫通孔(空間部)2eが形成されている。つまり、第2SDDチップ2の裏面2bの中央部に円筒形の貫通孔2eが形成されている。さらに、裏面2bにおいて、貫通孔2eの円形の開口部に沿って円形のアノード電極(第2の電荷収集電極)2cが形成されている。
そして、図9に示すように、第2SDDチップ2の裏面2bには、アノード電極2cと貫通孔2eとを中央部に配置した状態で、かつアノード電極2cおよび貫通孔2eを囲むように同一中心上に等間隔で図8に示す複数のリング状の配線2fが形成されている。
したがって、貫通孔2eの円形の開口部と、この開口部に沿って形成された円形のアノード電極2cと、複数のリング状の配線2fと、は同一中心上に形成されている。
また、図9に示すように、このアノード電極2cに第2の信号線4が電気的に接続され、さらに第2の信号線4は、貫通孔2eを通って第1SDDチップ1に取り付けられたアンプ5に電気的に接続されている。
図9に示すX線検出器12では、図8に示す複数の配線2fがリング状の同一中心上に形成された配線2fのみであり、これらの配線2fによって形成される電界の形状が分かり易い。したがって、X線検出器12の設計を容易に行うことができる。さらに、第2SDDチップ2に形成する貫通孔2eも円筒形であるため、貫通孔2eを容易に形成することができる。
図10は図1に示すX線検出器に用いられる第2SDDチップの第3変形例の構造を示す裏面図、図11は図1に示すX線検出器に用いられる第1SDDチップと第2SDDチップの積層構造の第3変形例を図3と図10のB-B線に沿って切断して示す断面図である。
なお、図11に示す第3変形例のX線検出器12における第1SDDチップ1の構造については、図3に示す第1SDDチップ1の構造と同様であるため、その重複説明は省略する。
図10に示す第2SDDチップ2には、その平面視において、端部から中央部に向かう切り込み(空間部)2gが形成されている。この切り込み2gは、図11に示すように第2SDDチップ2の表面2aおよび裏面2bに開口するとともに、図10に示すように第2SDDチップ2の側面にも開口している。
また、図10に示す裏面2bにおいて、その中央部の切り込み2gの終端部に沿うようにアノード電極(第2の電荷収集電極)2cが形成されている。
そして、第2SDDチップ2の裏面2bには、同一中心上に等間隔で複数のリング状の配線2fが形成されている。
また、図11に示すように、このアノード電極2cに第2の信号線4が電気的に接続され、さらに第2の信号線4は、切り込み2gを通って第1SDDチップ1に取り付けられたアンプ5に電気的に接続されている。
図11に示すX線検出器12では、第2SDDチップ2に、空間部である切り込み2gを形成するのに、チップ個片化の際にダイシングやレーザー加工によって形成することができる。これにより、ウエハレベルで貫通孔2eなどの空間部を形成するのに比較して、チップ製造工程が容易であり、第2SDDチップ2の製造コストを低減することができる。
図12は図1に示すX線検出器に用いられる第2SDDチップの第4変形例の構造を示す裏面図、図13は図1に示すX線検出器に用いられる第1SDDチップと第2SDDチップの積層構造の第4変形例を図3と図12のB-B線に沿って切断して示す断面図である。
なお、図13に示す第4変形例のX線検出器12における第1SDDチップ1の構造については、図3に示す第1SDDチップ1の構造と同様であるため、その重複説明は省略する。
第4変形例は、図12および図13に示すように、第1SDDチップ1上に2つの第2SDDチップ2が横並びで積層された構造のX線検出器12となっている。すなわち、3つのSDDチップを用いたX線検出器12である。
図13に示すX線検出器12は、第1SDDチップ1上に2つの第2SDDチップ2を配置した構造であるが、2つの第2SDDチップ2の間には空間部が形成されており、この空間部に2つの第2SDDチップ2のそれぞれの信号線を配置して第1SDDチップ1の裏面1bに取り付けられたアンプ5に電気的に接続されている。
すなわち、2つの第2SDDチップ2のそれぞれの裏面2bにアノード電極2cが形成されており、それぞれのアノード電極2cに接続された2つの第2の信号線4が2つの第2SDDチップ2の間の空間部を通り、かつ2つの第2の信号線4のそれぞれが第1SDDチップ1の裏面1bに取り付けられたアンプ5に電気的に接続された構造となっている。
図13に示すX線検出器12では、第1SDDチップ1と2つの第2SDDチップ2の何れにも空間部を形成するような加工を施さなくて済む。その結果、各SDDチップを容易に製造することができる。また、各SDDチップの製造コストの低減化を図ることができる。
次に、本実施の形態のX線計測装置について説明する。
図14は本発明の実施の形態のX線検出器を備えたX線計測装置の構成の一例を示す概略図、図15は図14に示すX線計測装置における処理手順の一例を示すフロー図である。
図14に示す本実施の形態のX線計測装置20は、本実施の形態のX線検出器12を備えたものであり、X線検出器12によって検出されたX線6の元素(物質)の定量値処理などを行うものである。例えば、X線検出器12によって検出された物質の膜厚などを算出することも可能であり、膜厚測定装置として活用することも可能である。
図14に示すX線計測装置20の構成について説明すると、サンプル(試料)24を保持するステージ21と、サンプル24にX線6を照射するX線発生源25と、サンプル24から発生する蛍光X線7を検出するX線検出器12と、X線検出器12から送信される信号を編集する第1の処理部と、を有している。
ここで、図14に示すX線計測装置20では、上記第1の処理部は、DPP(Digital Pulse Processor)26であり、DPP26は、X線検出器12から送信されるデジタル信号(パルスまたは波形)を編集して制御PC(Personal Computer 、第2の処理部)27に送信する装置である。
また、X線検出器12は、図1に示すX線検出器12や図3~図11に示すX線検出器12と同様である。すなわち、X線検出器12の構成は、蛍光X線7を第1のエネルギー感度で検出する第1SDDチップ(第1の半導体チップ)1と、蛍光X線7を第1のエネルギー感度と異なる第2のエネルギー感度で検出する第2SDDチップ(第2の半導体チップ)2と、を有している。さらに、X線検出器12は、第1SDDチップ1と電気的に接続された第1の信号線3と、第2SDDチップ2と電気的に接続された第2の信号線4と、第1の信号線3と第2の信号線4とに電気的に接続され、かつ信号を増幅するアンプ5と、を有している。
また、X線計測装置20は、ステージ21を駆動する駆動ドライバ22を有しているとともに、駆動ドライバ22およびX線発生源25に電源を供給する電源23を備えている。
また、X線計測装置20には、上述のように制御PC(第2の処理部)27が接続されている。図14に示すように、本実施の形態のX線計測装置20では、その外部に制御PC27が接続されており、DPP26で編集されたX線6の元素(物質)の情報が制御PC27に送信され、X線計測装置20の外部に設けられた制御PC27にて上記元素(物質)の定量値処理などが行われる。
次に、図15を用いて図14に示すX線計測装置20の全般的な動作について説明する。まず、図15のステップS1に示す[ステージ上にサンプルセット]を行う。ステップS1では、ステージ21上にサンプル(試料)24を載置する。
次に、ステップS2に示す[X線照射]を行う。ステップS2では、まず駆動ドライバ22によってステージ21を所定位置に移動させる。その後、X線発生源25からサンプル24の所定箇所にX線6を照射する。
次に、ステップS3に示す[蛍光X線測定]を行う。ステップS3では、サンプル24から発生する蛍光X線7をX線検出器12によって検出する。X線検出器12では、蛍光X線7が入射されると、そのX線6のエネルギーに依存した「e」と「Hole」ペアが内部で生成され、その生成数に応じた電流値をアンプ5で増幅して電圧に変換し、変換された電圧をパルス信号(波形)として出力する。
次に、ステップS4に示す[蛍光X線スペクトル作成]を行う。ステップS4では、X線検出器12から送信されたパルス信号を、DPP26で編集して蛍光X線スペクトル(蛍光X線強度)を作成する。
次に、ステップS5に示す[定量演算処理]を行う。ステップS5では、DPP26から送信された数値を基に、制御PC27において、その内部に組み込まれた専用プログラムにより解析(演算処理)を行う。
次に、ステップS6に示す[定量値出力]を行う。ステップS6では、制御PC27により、検出された元素の定量値処理を行い、検出された元素の定量値を出力する。
本実施の形態のX線計測装置20によれば、内部に本実施の形態のX線検出器12が組み込まれるため、高い分解能を維持しつつX線の検出効率を高めることができる。また、内部に組み込まれるX線検出器12の小型化を図ることができるため、X線計測装置20の小型化も図ることができる。
さらに、X線検出器12が組み込まれるため、X線計測装置20のコスト上昇も抑制しつつX線6の検出効率を高めることができる。
次に、本実施の形態のX線計測装置20の変形例について説明する。図16は本発明の実施の形態における変形例のX線計測装置の構成を示す概略図である。
図16に示す変形例のX線計測装置20は、X線検出器12により検出した蛍光X線7の元素の定量値を、DPP(第1の処理部)26から送信された情報を基に算出する制御部(第2の処理部)28を内部に備えているものである。
すなわち、図14に示すX線計測装置20では、蛍光X線7の元素の定量値を算出する制御PC27がX線計測装置20の外部に設けられており、制御PC27とX線計測装置20とが接続されていたが、図16に示す変形例のX線計測装置20では、蛍光X線7の元素の定量値を算出する制御部28がX線計測装置20の内部に設けられている。つまり、図16に示す変形例のX線計測装置20は、蛍光X線7の元素の定量値を算出する制御部28を内蔵している。
これにより、X線計測装置20の機能を向上させることができる。また、X線計測装置20のコスト上昇も抑制しつつX線6の検出効率を高めることができる。
次に、図17および図18を用いて、本発明者が行った効果のシミュレーションについて説明する。図17は本発明の実施の形態のX線検出器による効果を示すデータ図、図18は本発明の実施の形態のX線検出器による他の効果を示すデータ図である。
図17では、各元素のKa線エネルギーとX線カウント(CPS)について、比較例と本実施の形態の比較を示している。図17の改善率は、Ka線エネルギーが高いほど増加する。NiやAsの改善率が低いのは、Ka線エネルギーが10KeVより低いか10KeVに近いため、1つの目の検出器(第1SDDチップ1)でKa線のほとんどが検出され、SDDを2枚重ねる効果が小さいと思われる。
一方、Ka線エネルギーが10KeVよりも大きくなるほど改善率は高くなる。これは、Ka線エネルギーが高いほど1つ目の検出器(第1SDDチップ1)を透過しやすく2つめの検出器(第2SDDチップ2)で検出される割合が高まるためである。このように、本実施の形態によるSDDチップを2枚重ねる手段の効果は高く、X線が高エネルギーになるほどその影響は大きくなる。上記結果から、SDDチップの積層数を2枚から3枚に増やすほうが改善率がさらに高くなることが推察される。
また、図18では、比較例による検出器占有体積、検出器コスト、Cd-Ka線検出率を100とした場合の本実施の形態との比較を示している。比較例では、検出器個数が増えるほど、検出器占有体積、検出器コスト、Cd-Ka線検出率が比例的に増加する。Cd-Ka線検出率を2倍にするには、検出占有体積、検出器コストも2倍になる。一方、本実施の形態のようにSDDチップを2積層とする場合、検出器占有体積と検出器コストとをほぼ変えることなく、Cd-Ka線検出率を1.75倍にすることができる。なお、Cd-Ka線検出率を2倍以上にするには、本実施の形態の3つのSDDチップの積層が必要だが、検出器のコストは高くなる。
また、本実施の形態の高効率・高エネルギーのX線検出器12を、RoHS指令で規制されている環境負荷物質の組成分析に適用すると、比較例と比較して10KeVよりも高い蛍光X線強度を改善することができる。例えば、Pbフリーハンダに含まれるCdのKa線(23.1KeV)強度は1.7倍、Kb線(26.2KeV)強度は1.8倍、PbのLb1線(12.6keV)強度は1.2倍にすることができる。
また、プリント基板内に含まれるPBB(Polybrominated biphenyl :ポリ臭化ビフェニル)をBrとして検出する場合、BrのKa線(11.9KeV)強度は1.2倍、Kb線(13.3KeV)強度は1.3倍にすることができる。特にCdの規制値は、他の物質よりも10倍厳しいため(<100ppm)、本実施の形態の手段がCdの分析精度を向上させる効果は大きい。
以上、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、さらに、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。なお、図面に記載した各部材や相対的なサイズは、本発明を分かりやすく説明するため簡素化・理想化しており、実装上はより複雑な形状となる。
例えば、上記実施の形態では、SDDチップを2つ積層する場合について説明したが、SDDチップは3つもしくは3つ以上積層してもよい。
また、上記実施の形態では、2つのSDDチップを積層するのに、異なる厚さの2つのSDDチップを積層する場合を説明したが、同じ厚さの2つのSDDチップを積層してもよく、さらに全く同じ2つのSDDチップを積層してもよい。
1 第1SDDチップ(第1の半導体チップ)
1a 表面
1b 裏面
1c アノード電極(第1の電荷収集電極)
1d 配線層
1e 酸化膜
1f 配線
1g ボロン層
1h 絶縁膜
1i 内電極
1j 外電極
2 第2SDDチップ(第2の半導体チップ)
2a 表面
2b 裏面
2c アノード電極(第2の電荷収集電極)
2d 配線層
2e 貫通孔(空間部)
2f 配線
2g 切り込み(空間部)
3 第1の信号線
4 第2の信号線
5 アンプ
6 X線
7 蛍光X線
8 サーミスタ
9 スペーサ
10 ペルチェ
11 制御部
12 X線検出器
13 接着材
20 X線計測装置
21 ステージ
22 駆動ドライバ
23 電源
24 サンプル(試料)
25 X線発生源
26 DPP(第1の処理部)
27 制御PC(第2の処理部)
28 制御部(第2の処理部)

Claims (11)

  1. 試料から発生するX線を第1のエネルギー感度で検出する第1の半導体チップと、
    前記X線を前記第1のエネルギー感度と異なる第2のエネルギー感度で検出する第2の半導体チップと、
    前記第1の半導体チップと電気的に接続された第1の信号線と、
    前記第2の半導体チップと電気的に接続された第2の信号線と、
    前記第1の信号線と前記第2の信号線とに電気的に接続され、信号を増幅するアンプと、
    を有し、
    前記第1の半導体チップと前記第2の半導体チップは、積層配置され、
    前記第1の半導体チップの前記第2の半導体チップと対向する面に、同一中心上に配置された複数のリング状の配線と、前記複数のリング状の配線の中心部に配置された第1の電荷収集電極と、が形成され、
    前記第1の電荷収集電極と前記アンプとが電気的に接続されている、X線検出器。
  2. 請求項に記載のX線検出器において、
    前記第1の半導体チップは、前記X線の入射側に配置され、
    前記第2の半導体チップの厚さは、前記第1の半導体チップの厚さより厚い、X線検出器。
  3. 請求項1に記載のX線検出器において、
    前記第2の半導体チップは、その表面および裏面に開口する空間部を備え、
    前記空間部に前記第2の信号線が配置されている、X線検出器。
  4. 請求項に記載のX線検出器において、
    前記第1の信号線の一端は、前記第1の半導体チップの裏面の中央部に設けられた前記第1の電荷収集電極を介して前記第1の半導体チップと電気的に接続され、かつ前記第1の信号線の他端は、前記第1の半導体チップの前記裏面に設けられた前記アンプと電気的に接続され、
    前記第2の信号線の一端は、前記第2の半導体チップの前記裏面の中央部に設けられた第2の電荷収集電極を介して前記第2の半導体チップと電気的に接続され、かつ前記第2の信号線の他端は、前記空間部を介して前記アンプと電気的に接続されている、X線検出器。
  5. 請求項に記載のX線検出器において、
    前記第2の半導体チップは、その表面および前記裏面に開口する円筒形の貫通孔を平面方向の中央部に備え、
    前記第2の電荷収集電極は、前記第2の半導体チップの前記裏面において前記貫通孔の開口部に沿って円形に形成されている、X線検出器。
  6. 試料を保持するステージと、
    前記試料にX線を照射するX線発生源と、
    前記試料から発生するX線を検出するX線検出器と、
    前記X線検出器から送信される信号を編集する第1の処理部と、
    を有し、
    前記X線検出器は、
    前記試料から発生する前記X線を第1のエネルギー感度で検出する第1の半導体チップと、
    前記試料から発生する前記X線を前記第1のエネルギー感度と異なる第2のエネルギー感度で検出する第2の半導体チップと、
    前記第1の半導体チップと電気的に接続された第1の信号線と、
    前記第2の半導体チップと電気的に接続された第2の信号線と、
    前記第1の信号線と前記第2の信号線とに電気的に接続され、信号を増幅するアンプと、
    を有し、
    前記第1の半導体チップと前記第2の半導体チップは、積層配置され、
    前記第1の半導体チップの前記第2の半導体チップと対向する面に、同一中心上に配置された複数のリング状の配線と、前記複数のリング状の配線の中心部に配置された第1の電荷収集電極と、が形成され、
    前記第1の電荷収集電極と前記アンプとが電気的に接続されている、X線計測装置。
  7. 請求項に記載のX線計測装置において、
    前記第1の半導体チップは、前記試料から発生する前記X線の入射側に配置され、
    前記第2の半導体チップの厚さは、前記第1の半導体チップの厚さより厚い、X線計測装置。
  8. 請求項に記載のX線計測装置において、
    前記第2の半導体チップは、その表面および裏面に開口する空間部を備え、
    前記空間部に前記第2の信号線が配置されている、X線計測装置。
  9. 請求項に記載のX線計測装置において、
    前記第1の信号線の一端は、前記第1の半導体チップの裏面の中央部に設けられた前記第1の電荷収集電極を介して前記第1の半導体チップと電気的に接続され、かつ前記第1の信号線の他端は、前記第1の半導体チップの前記裏面に設けられた前記アンプと電気的に接続され、
    前記第2の信号線の一端は、前記第2の半導体チップの前記裏面の中央部に設けられた第2の電荷収集電極を介して前記第2の半導体チップと電気的に接続され、かつ前記第2の信号線の他端は、前記空間部を介して前記アンプと電気的に接続されている、X線計測装置。
  10. 請求項に記載のX線計測装置において、
    前記第2の半導体チップは、その表面および前記裏面に開口する円筒形の貫通孔を平面方向の中央部に備え、
    前記第2の電荷収集電極は、前記第2の半導体チップの前記裏面において前記貫通孔の開口部に沿って円形に形成されている、X線計測装置。
  11. 請求項に記載のX線計測装置において、
    前記試料から発生しかつ前記X線検出器により検出された前記X線の元素の定量値を、前記第1の処理部から送信された情報を基に算出する第2の処理部を備えている、X線計測装置。
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