JP7056530B2 - 改質硫化物固体電解質の生成方法 - Google Patents

改質硫化物固体電解質の生成方法 Download PDF

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Description

本開示は、改質硫化物固体電解質の生成方法、特に、硫化物固体電解質の水/エタノール溶液から溶媒を除去して改質硫化物固体電解質を生成する方法に関するものである。
リチウムイオン電池は高エネルギー密度を有しており、携帯電話や携帯用パソコン等などの用途において使用されているだけではなく、車載用、社会インフラ等の定置用途においても利用されている。また、二酸化炭素の増加に伴う地球温暖化防止の観点から、電気自動車への関心が高まっており、その電源としてもリチウム二次電池の使用が検討されている。
さらに、近年、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質を用いた全固体リチウムイオン電池が注目されている。全固体リチウムイオン電池は、装置の簡素化の観点及び出力特性の向上の観点等において優れていると考えられている。
このようなリチウムイオン電池に関して、サイクル特性の向上、高耐久化、耐熱性の向上などを目的として技術開発が進められており、特に、活物質の表面を種々の物質で被覆する技術が開示されている。
特許文献1は、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法を開示している。当該文献では、正極活物質、リチウムアルコキシド、及び、リンに対して共有結合を形成する元素Mのアルコキシドをアルコール溶液中で混合し、混合溶液を得ること、超音波を照射しながらロータリーエバポレータによって溶媒を除去すること、並びに、被覆前駆体を乾燥空気中で750℃以下の温度にて焼成すること、が記載されている。
特許文献2は、リチウム二次電池用被覆正極活物質の製造方法を開示している。当該文献では、固体電解質の原料を1-プロパノール及び水に溶解させること、これらの混合溶液に活物質としてのLiCoOを加えること、エバポレーターで溶媒を飛ばすこと、60℃で24時間にわたって真空乾燥を行うこと、並びに、700℃で1時間にわたって焼成すること、が記載されている。
ここで、固体電解質の中でも、硫化物固体電解質は、高いリチウムイオン伝導性を有しており、全固体リチウムイオン電池の固体電解質として使用することが提案されている。また、硫化物固体電解質を種々の溶媒に溶解させた溶液によって、活物質などを被覆する技術の開発が行われている。
非特許文献1では、硫化物固体電解質としてのLiPSClのエタノール溶液をLiCoOに含侵させることが開示されている。当該文献では、リチウムイオン電池の電極をLiPSClのエタノール溶液に浸漬したことが記載されている。
非特許文献2は、硫化物固体電解質としてのLiSnS及びLiIのメタノール溶液による、被覆LiCoOの取得について記載している。当該文献は、水溶液を用いたLiI-LiSnSの合成について開示しており、無水メタノールに原料を溶解した後に、真空で加熱処理を行うことが記載されている。
非特許文献3では、硫化物固体電解質による活物質LiCoOの被覆のために、水溶液を用いる方法が開示されている。当該文献では、LiSnSを水に溶解させた水溶液を調整し、当該水溶液に粉末状のLiCoOを加え、かつ、真空下で乾燥して、LiSnSで被覆された活物質を調製することが記載されている。
特開2016-110714号公報 特開2016-018610号公報
Dong Hyeon Kim et al., Nano Lett.、2017、17、3013-3020. Kern Ho Park et al., Adv. Mater.、2016,28,1874-1883. Young Eun Choi et al., ChemSusChem、2017、10、2605-2611.
硫化物固体電解質等の固体電解質を用いた全固体リチウムイオン二次電池では、イオン伝導性の確保等を目的として、有機溶媒などに硫化物固体電解質を溶解させた溶液によって活物質層を被覆する技術の開発が行われてきた。このような技術では、加熱などによって溶媒を除却する乾燥処理が必要であるが、硫化物固体電解質のイオン伝導度を比較的高く保ちつつ乾燥を行うことは困難であった。すなわち、高温で処理を行うと、硫化物固体電解質の結晶構造が維持できず、イオン伝導度の低下につながる。一方で、低温で乾燥処理を行うと、硫化物固体電解質内に水分が残存し、イオン伝導度の低下につながってしまうおそれがあった。
本開示は上記の問題に鑑みてなされたものであり、比較的高い硫化物固体電解質のイオン伝導度を保持しつつ、溶液から改質硫化物固体電解質を生成する方法を提供することが、目的である。
本開示は、以下の手段によって上記の目的を達成するものである。
LiSnSを含む原料硫化物固体電解質が、水及びエタノールを含む混合溶媒に溶解されている硫化物固体電解質溶液を提供すること、
前記溶液を、300℃以下で、真空条件において乾燥して、乾燥処理済みの硫化物固体電解質を得ること、並びに、
前記乾燥処理済みの硫化物固体電解質を、300℃以下で、アルゴン雰囲気下においてさらに乾燥すること
を含む、
改質硫化物固体電解質の生成方法。
本開示の方法によれば、比較的高い硫化物固体電解質のイオン伝導度を保持しつつ、溶液から改質硫化物固体電解質を生成することができる。
図1は、溶媒における水とエタノールの重量比が2:1である場合に、種々の様式によって溶液を乾燥させたときの、改質硫化物固体電解質のイオン伝導度を示している。 図2は、溶媒における水とエタノールの重量比が1:1である場合に、種々の様式によって溶液を乾燥させたときの、改質硫化物固体電解質のイオン伝導度を示している。 図3は、種々の乾燥時間で乾燥した場合の、改質硫化物固体電解質のイオン伝導度を示している。
以下、本開示の実施の形態について詳細に説明する。なお、具体的な構成は、この実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本開示に含まれるものである。
改質硫化物固体電解質を生成する本開示の方法は、
LiSnSを含む原料硫化物固体電解質が、水及びエタノールを含む混合溶媒に溶解されている硫化物固体電解質溶液を提供する、提供工程、
溶液を、300℃以下で、真空条件において乾燥して、乾燥処理済みの硫化物固体電解質を得る、真空乾燥工程、並びに、
乾燥処理済みの硫化物固体電解質を、300℃以下で、アルゴン雰囲気下においてさらに乾燥する、アルゴン雰囲気乾燥工程、
を含んでいる。
上述したように、リチウムイオン電池の電池特性を向上させる目的のためには、硫化物固体電解質などの固体電解質溶液によって活物質を被覆する技術が有用である。また、LiI-LiSnSの製造方法として、LiI及びLiSnSを含んでいる溶液を用いる方法がある。このような技術においては、溶液化した固体電解質を十分に乾燥させることが、生成する固体電解質の比較的高いイオン伝導度の確保のために重要となる。しかしながら、高温での加熱を伴う乾燥方法では、高温により硫化物固体電解質の結晶構造の維持が困難となり、その結果として、イオン伝導度が低下してしまうおそれがあった。
本開示の発明者らは、比較的低温で加熱することによって、比較的高い硫化物固体電解質のイオン伝導度を保持しつつ、溶液から改質硫化物固体電解質を生成する方法を見出した。
本開示の方法では、乾燥温度を300℃以下としている。これによって、高温加熱に伴う硫化物固体電解質の結晶構造の変化が抑制され、その結果として、比較的高いイオン伝導度の改質硫化物固体電解質が得られると考えられる。
さらに、本開示の方法では、真空における乾燥に加えて、アルゴン雰囲気下における乾燥を行っている。これによって、比較的低温での乾燥処理であっても、水分の除却を十分に行うことができ、十分な乾燥を達成することが可能となると考えられる。その結果として、比較的高いイオン伝導度の改質硫化物固体電解質が得られると考えられる。
以上のように、本開示の方法に従うことで、比較的高い硫化物固体電解質のイオン伝導度を保持しつつ、溶液から改質硫化物固体電解質を生成することができる。
本開示の方法を、硫化物固体電解質溶液によって活物質等を被覆する公知の技術に適用することによって、比較的高いイオン伝導度を保持している改質硫化物固体電解質で活物質等を被覆することが、可能である。
以下、本開示の方法を詳細に説明する。
≪提供工程≫
本開示の方法における提供工程では、LiSnSを含む原料硫化物固体電解質が水及びエタノールを含む混合溶媒に溶解されている硫化物固体電解質溶液を、提供する。
当該工程における硫化物固体電解質溶液の提供は、例えば、LiSnSを含む原料硫化物固体電解質を、水及びエタノールを含む溶媒に溶解させることによって、行ってよい。
〈溶媒〉
本開示に係る溶媒は、水及びエタノールを含んでいる。
溶媒に含まれるエタノールは、水及びエタノールの合計に対して、5.0重量%以上、10.0重量%以上、25.0重量%以上、33.0重量%以上、若しくは40.0重量%以上であってよく、かつ/又は、90.0重量%以下、75.0重量%以下、60.0重量%以下、50.0重量%以下、若しくは45.0重量%以下であってよい。
〈溶解〉
LiSnSを含む原料硫化物固体電解質の溶媒への溶解は、公知の方法で行ってよい。例えば、本開示の1つの実施態様では、まず、水及びエタノールを混合した溶媒を準備し、そして、この溶媒にLiSnSを含む原料硫化物固体電解質を加え、随意に攪拌を行うことによって、溶解を行う。
あるいは、本開示の別の実施態様では、まず、LiSnSを含む原料硫化物固体電解質を、水又はエタノールに添加し、随意に攪拌を行って、溶液を調整する。その後に、エタノール又は水を、この溶液に添加し、かつ随意に攪拌を行って、水及びエタノール含有溶媒にLiSnS含有硫化物固体電解質が溶解した硫化物固体電解質溶液を得る。
〈LiSnSを含む硫化物固体電解質〉
本開示に係る方法では、LiSnSを含む原料硫化物固体電解質を使用する。本開示に係る原料硫化物固体電解質は、LiSnS以外の物質を含有していてよい。このような固体電解質の合成方法を、下記に例示する。
〈LiSnSの合成方法〉
(出発原料)
LiSnSを合成するための出発原料は、特に限定されないが、市販の材料を用いることができる。特に、高純度のものを用いることが好ましい。出発原料としては、例えば、硫化リチウム(LiS)、硫化スズ(SnS)、スズ(Sn),及び硫黄(S)などを挙げることができ、これらの任意の組み合わせを用いることができる。
(合成方法)
LiSnSを合成するための方法は、特に限定されず、公知の方法を用いてよいが、例えば、熱処理を伴う方法、及び、メカニカルミリング処理を挙げることができる。
熱処理を伴う方法では、例えば、出発原料としての硫化リチウム、スズ、及び硫黄の化学量論的な混合物を、真空で密封された石英アンプル内において、熱処理する。その後に、得られた粉末をイオン交換水に溶解し、溶解していない不純物を、フィルターによって除去する。そして、フィルター処理した溶液を、減圧処理し、かつ、減圧下で所定の温度で乾燥処理して、LiSnSの粉末を得る。
メカニカルミリング処理は、機械的エネルギーを付与しながら原料を摩砕混合する方法である。メカニカルミリング処理では、例えば、ボールミル、ビーズミル、ロッドミル、振動ミル、ディスクミル、ハンマーミル、又はジェットミル等の機械的粉砕装置を用いて、混合粉砕を行うことができる。メカニカルミリング処理により、LiSnSを含む硫化物固体電解質を、例えば微粉末として得ることができる。
〈LiI-LiSnSを含む硫化物固体電解質〉
本開示に係る方法の1つの実施態様では、提供工程において提供される硫化物固体電解質溶液が、LiSnSに加えて、LiIをさらに含んでいる。好ましくは、提供工程において提供される硫化物固体電解質溶液が、LiIとLiSnSの組成比x:1-xが0.2≦x≦0.4を満たすように、調整されている。例えば、0.2LiI-0.8LiSnSの場合には、その濃度が、溶媒に対して、1重量%~20重量%の範囲であることが好ましい。
LiSnSに加えてLiIをさらに含んでいることによって、硫化物固体電解質溶液から精製される改質硫化物固体電解質のイオン伝導度が、さらに向上する。増加の要因としては、論理によって限定する意図はないが、ヨウ素イオンの大きなイオン半径に起因して、比較的開かれた結晶構造が得られること、及び/又は、高度に極性化しているヨウ素イオンの性質に起因して、Liホッピングに要するエネルギー障壁が比較的低くなること、などが考えられる。
≪真空乾燥工程≫
本開示の方法における真空乾燥工程では、硫化物固体電解質溶液を、300℃以下で、真空条件において乾燥して、乾燥処理済みの硫化物固体電解質を得る。
真空条件での乾燥は、公知の方法で行ってよく、加熱しつつ溶媒を除去できるものであれば、特に限定されない。
真空乾燥工程における乾燥時間は、特に限定されないが、1時間以上、2時間以上、若しくは3時間以上であってよく、かつ/又は、6時間以下、5時間以下、若しくは4時間以下であってよい。
真空乾燥工程における乾燥温度は、300℃以下である。真空乾燥工程における乾燥温度は、75℃以上、100℃以上、120℃以上、若しくは140℃以上であってよく、かつ/又は300℃以下、250℃以下、200℃以下、若しくは150℃以下であってよい。
≪アルゴン雰囲気乾燥工程≫
本開示の方法におけるアルゴン雰囲気乾燥工程では、真空乾燥工程において乾燥処理済みの硫化物固体電解質を、300℃以下で、アルゴン雰囲気下においてさらに乾燥する。
アルゴン雰囲気下での乾燥は、公知の方法で行ってよく、加熱しつつ溶媒を除去できるものであれば、特に限定されない。
アルゴン雰囲気乾燥工程における乾燥時間は、特に限定されないが、1時間以上、2時間以上、若しくは3時間以上であってよく、かつ/又は、6時間以下、5時間以下、若しくは4時間以下であってよい。
アルゴン雰囲気乾燥工程における乾燥温度は、300℃以下である。アルゴン雰囲気乾燥工程における乾燥温度は、75℃以上、100℃以上、120℃以上、若しくは140℃以上であってよく、かつ/又は300℃以下、250℃以下、200℃以下、若しくは150℃以下であってよい。
以下に実施例を示して、本開示に係る方法をさらに具体的に説明する。
≪乾燥温度の評価1≫
下記で詳述するようにして、乾燥温度と、乾燥後に得られる改質硫化物固体電解質のイオン伝導度との関係を調べた。
〈LiSnSの合成〉
LiS(日本化学工業、99.9%)及びSnS(高純度化学、99.9%)を、原料として用いた。これらを、LiSnSの化学量論比となるように混合し、700℃において真空で12時間にわたって焼成して、LiSnSを合成した。
〈溶液の調整〉
上記のようにして合成したLiSnS、及びLiI(アルドリッチ、99.9%)を、重量比2:1の水及びエタノールからなる溶媒に、LiSnS及びLiIが合計で10重量%となるようにして溶解させて、硫化物固体電解質溶液を調整した。LiIとLiSnSの組成比は、1:4であった。
〈乾燥工程〉
種々の様式によって、上記の硫化物固体電解質溶液を乾燥処理した。各実施例及び各比較例における乾燥の様式を、下記の表1に示す。
Figure 0007056530000001
比較例1、比較例2、及び比較例4は、アルゴン雰囲気下における乾燥を行っていないこと以外は、それぞれ、実施例1、実施例2、及び比較例3と同じである。
〈イオン伝導度の評価〉
上記乾燥処理の結果として得られる改質硫化物固体電解質100mgを秤量し、6ton/cmで1分間にわたってプレスした。次いで、6Nで拘束し、交流インピーダンスによって、イオン伝導度の測定を行った。
結果を、図1に示す。
図1は、溶媒における水とエタノールの重量比が2:1である場合に、種々の乾燥様式によって溶液を乾燥させたときの、改質硫化物固体電解質のイオン伝導度を示している。200℃での乾燥を真空条件及びアルゴン雰囲気下で行った実施例1では、200℃での乾燥を真空中でのみ行った比較例1と比べて、改質硫化物固体電解質のイオン伝導度が高くなっていたことが分かった。300℃での乾燥を真空条件及びアルゴン雰囲気下で行った実施例2においても、300℃での乾燥を真空中でのみ行った比較例2と比べて、改質硫化物固体電解質のイオン伝導度が高くなっていたことが分かった。これに対して、350℃での乾燥を真空条件及びアルゴン雰囲気下で行った比較例3では、350℃での乾燥を真空中でのみ行った比較例4と比べて、改質硫化物固体電解質のイオン伝導度は高くなっていなかった。
これらの結果は、200℃又は300℃での乾燥を真空条件及びアルゴン雰囲気下において行うことによって、比較的高いイオン伝導度を有している改質硫化物固体電解質を得ることができることを示している。
また、図1から、真空条件及びアルゴン雰囲気下において200℃で乾燥を行った場合(実施例1)には、真空条件及びアルゴン雰囲気下において300℃で乾燥を行った場合(実施例2)と比較して、比較的高いイオン伝導度を有している改質硫化物固体電解質を得ることができたことが分かる。
≪乾燥温度の評価2≫
乾燥温度と、乾燥後に得られる改質硫化物固体電解質のイオン伝導度との関係を調べた。
溶媒における水及びエタノールの重量比を1:1としたこと以外は、実施例1等に関して上述したのと同様にして、硫化物固体電解質溶液を準備した。そして、当該溶液を、下記の表2に示す種々の様式で乾燥させることによって、改質硫化物固体電解質を生成し、改質硫化物固体電解質のイオン伝導度を測定した。
Figure 0007056530000002
結果を、図2に示す。
図2は、溶媒における水とエタノールの重量比が1:1である場合に、種々の様式によって乾燥したときの、改質硫化物固体電解質のイオン伝導度を示している。200℃での乾燥を真空条件及びアルゴン雰囲気下で行った実施例3では、200℃での乾燥を真空中でのみ行った比較例5と比べて、硫化物固体電解質のイオン伝導度が高くなっていたことが分かった。300℃での乾燥を真空条件及びアルゴン雰囲気下で行った実施例4においても、300℃での乾燥を真空中でのみ行った比較例6と比べて、改質硫化物固体電解質のイオン伝導度が高くなっていたことが分かった。これに対して、350℃での乾燥を真空条件及びアルゴン雰囲気下で行った比較例7では、350℃での乾燥を真空中でのみ行った比較例8と比べて、改質硫化物固体電解質のイオン伝導度の上昇は見られなかった。
これらの結果は、200℃又は300℃での乾燥を真空条件及びアルゴン雰囲気下において行うことによって、比較的高いイオン伝導度を有している改質硫化物固体電解質を得ることができることを示している。
また、図2から、真空条件及びアルゴン雰囲気下において200℃で乾燥を行った場合(実施例3)には、真空条件及びアルゴン雰囲気下において300℃で乾燥を行った場合(実施例4)と比較して、比較的高いイオン伝導度を有している改質硫化物固体電解質を得ることができたことが分かる。
≪乾燥時間の評価≫
真空条件及びアルゴン雰囲気下における乾燥時間を種々の値とした場合における、改質硫化物固体電解質のイオン伝導度の評価を行った。
実施例1等に関して上述したのと同様の方法によって、硫化物固体電解質溶液を準備した。そして、乾燥を、各実施例及び各比較例について、以下の表3に示す様式で行った。乾燥温度は、200℃であった。得られた改質硫化物固体電解質について、既述した方法によって、イオン伝導度の測定を行った。
結果を、下記の表3及び図3に示す。
Figure 0007056530000003
図3では、5.0×10-5S/cm未満のイオン伝導度を示した場合を×で示しており、5.0×10-5S/cm以上であってかつ8.0×10-5S/cm未満のイオン伝導度を示した場合を△で示しており、かつ、8.0×10-5S/cm以上のイオン伝導度を示した場合を〇で示している。
図3を見ると、真空条件における乾燥のみを行った比較例9及び比較例10では、改質硫化物固体電解質のイオン伝導度が5.0×10-5S/cm未満であったことがわかった。真空条件における乾燥時間が1時間であり、かつ/又は、アルゴン雰囲気下における乾燥時間が2時間であった実施例8、実施例9、及び実施例10では、改質硫化物固体電解質のイオン伝導度が5.0×10-5S/cm以上8.0×10-5S/cm未満であったことがわかった。真空条件における乾燥時間が2時間以上であり、かつアルゴン雰囲気下における乾燥時間が3時間以上であった実施例1、実施例5、実施例6、及び実施例7では、改質硫化物固体電解質のイオン伝導度が、8.0×10-5S/cm以上であったことが分かった。

Claims (1)

  1. LiSnSを含む原料硫化物固体電解質が、水及びエタノールを含む混合溶媒に溶解されている硫化物固体電解質溶液を提供すること、
    前記溶液を、200℃以上300℃以下で、真空条件において乾燥して、乾燥処理済みの硫化物固体電解質を得ること、並びに
    前記乾燥処理済みの硫化物固体電解質を、200℃以上300℃以下で、アルゴン雰囲気下においてさらに乾燥すること
    を含む、改質硫化物固体電解質の生成方法。
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