JP7052672B2 - 物理量検出装置 - Google Patents

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Description

本開示は、静電容量の変化に基づいて物理量を検出する容量式の物理量検出装置に関する。
特許文献1には、加速度などの物理量を静電容量の変化に基づいて検出する容量式の物理量検出装置が開示されている。特許文献1の物理量検出装置は、容量部、C-V変換部、S/H部、およびA/D変換部を備えている。容量部の静電容量には、印加された物理量に従う大きさの容量変化が生じる。C-V変換部は、容量変化を所定のゲインで電圧に変換する。S/H部は、C-V変換部からの電圧をサンプルホールドし、サンプルホールドした電圧を出力する。A/D変換部は、S/H部から入力された電圧をアナログデジタル変換する。
特許文献1の物理量検出装置では、C-V変換部は、容量変化に対する電圧のゲインを切替え可能に構成されている。物理量検出装置は、A/D変換部への入力電圧が飽和しない範囲で高いゲインを選択することにより、広範囲の物理量を検出可能となる。
特開2012-78337号公報
特許文献1の物理量検出装置では、切替え後のゲインで物理量を検出するためには、A/D変換部へ入力される電圧が、切替え後のゲインに従う電圧まで変動する必要がある。故に、S/H部からA/D変換部への入力に、電圧の変動遅れを招くローパスフィルタを追加した場合、切替えに対する応答性が低下するおそれがある。従って、特許文献1の物理量検出装置は、A/D変換部への入力電圧における高周波ノイズの抑制をゲインの切替えと両立しにくかった。
本開示は、高周波ノイズを抑制しつつゲインを切替え可能な容量式の物理量検出装置の提供を目的とする。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は、本開示の更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するための本開示の物理量検出装置は、印加された物理量に従って静電容量の変化する容量部(14、15)と、あらかじめ設定された複数の候補ゲインから選択したゲインで容量部の静電容量変化を電圧に変換し、選択する候補ゲインを周期的に切り替える容量電圧変換部(120)と、容量電圧変換部において対応する候補ゲインが選択されている場合に容量電圧変換部で変換された電圧をサンプルホールドする、互いに異なる候補ゲインに対応した複数のサンプルホールド部(133、135)と、対応するサンプルホールド部でサンプルホールドされた電圧を、所定の周波数以上の高周波成分を減衰させて候補電圧として出力する複数のローパスフィルタ部(134、136)と、入力電圧をアナログデジタル変換するAD変換部(160)と、複数の候補電圧から、AD変換部への入力電圧を選択する入力選択部(150)と、を備える。

以上の構成によれば、容量電圧変換部において各候補ゲインで変換された電圧は、各候補ゲインに対応するサンプルホールド部でそれぞれサンプルホールドされ、ローパスフィルタ部により高周波成分を減衰されてそれぞれ候補電圧として出力される。この結果、互いに異なる候補ゲインに対応した電圧をサンプルホールドした候補電圧が、高周波成分を減衰された状態でそれぞれ継続的に提供されうる。こうした候補電圧からAD変換部への入力電圧が選択されることにより、AD変換部への入力電圧は、高周波成分を減衰され、かつ候補ゲインに従う電圧に速やかに変動可能となる。従って物理量検出装置は、AD変換部への入力電圧における高周波ノイズを抑制しつつゲインを切り替え可能となる。
物理量検出装置の構成を示す図である。 物理量検出装置の駆動状態を示すタイミングチャートである。 補正部における出力の補正処理を示すグラフである。 各候補電圧と入力電圧との変動を示すグラフである。
本開示の実施形態による物理量検出装置1を図1に示す。本実施形態の物理量検出装置1は、物理量として加速度を検出する加速度センサである。物理量検出装置1は、センサモジュール10、および処理部100を備えている。
センサモジュール10は、例えば半導体基板に第一固定電極11、第二固定電極12および、可動電極13が形成された検出素子である。第一固定電極11および第二固定電極12は、半導体基板に固定されている。可動電極13は、ばねなどを介して半導体基板に接続され、印加された加速度に応じた大きさで相対的に変位する。可動電極13は、第一固定電極11との間に第一コンデンサ14を形成するとともに、第二固定電極との間に第二コンデンサ15を形成する配置である。第一コンデンサ14および第二コンデンサ15の静電容量は、可動電極13の変位に応じて変化する。従って第一コンデンサ14および第二コンデンサ15は、印加された物理量としての加速度に従って静電容量の変化する「容量部」に相当する。
処理部100は、半導体基板に各種の素子や配線パターンを集積した半導体チップである。処理部100には、例えばプロセッサやメモリを備えたマイコン、マイコンをセンサモジュール10と接続する入出力部としてのアナログ回路、およびクロック信号を生成するクロック回路などが設けられている。処理部100は、駆動部110、容量電圧変換部120、第一SCF回路131、第二SCF回路132、入力判定部140、入力選択部150、AD変換部160、復調部170、補正部180、診断部190を有している。
駆動部110は、センサモジュール10を駆動する駆動電圧をクロック信号に基づいて生成し、センサモジュールに対して提供する。駆動部110は、第一固定電極11に第一駆動電圧を印加し、第二固定電極12に第二駆動電圧を印加する。第一駆動電圧および第二駆動電圧は、図2に示すように電圧レベルの周期的に変動する矩形波状の電圧である。第一駆動電圧および第二駆動電圧は、互いに電圧レベルの入れ替わる電圧である。電圧の入れ替わりに伴い、図1に示した第一コンデンサ14および第二コンデンサ15に蓄積された電荷量は、静電容量の変化量、すなわち加速度の大きさに従って変動する。蓄積された電荷量の変動に伴い、可動電極13から電荷の移動量として加速度を示す信号が処理部100に出力される。
容量電圧変換部120は、第一コンデンサ14および第二コンデンサ15の静電容量変化を電圧に変換する。より具体的には、容量電圧変換部120は、静電容量の変化量に従ってセンサモジュール10から出力される電荷量を電圧に変換する。容量電圧変換部120は、矩形波状の出力電圧の振幅を、静電容量の変化量に従って変動させる。容量電圧変換部120は、演算増幅器121、メインスイッチ122、および帰還コンデンサ123を有する。
演算増幅器121は、非反転入力端子を基準電圧と接続し、反転入力端子を可動電極13と接続する配置である。演算増幅器121の出力端子は、容量電圧変換部120の出力端子として第一SCF回路131および第二SCF回路132に接続されている。メインスイッチ122および帰還コンデンサ123は、演算増幅器121の出力端子と反転入力端子との間を接続する配置で設けられている。
メインスイッチ122は、図2に示す放電信号がハイレベルの場合に閉状態となり、ローレベルの場合に開状態となる。放電信号はクロック信号に基づいて生成されている。メインスイッチ122が閉状態の場合、図1に示した帰還コンデンサ123に蓄積された電荷が放出され、演算増幅器121からの出力電圧は基準電圧となる。メインスイッチ122が開状態の場合、帰還コンデンサ123にはセンサモジュール10から出力された電荷が蓄積される。従って、メインスイッチ122を開状態としてセンサモジュール10への駆動電圧を切り替えた場合、演算増幅器121からの出力電圧は、基準電圧に対して静電容量の変化量に従う振幅で変動する。具体的には、出力された電荷量を、帰還コンデンサ123の容量で除算した振幅となる。
また容量電圧変換部120は、静電容量変化から電圧への変換にあたり、あらかじめ設定された複数の候補ゲインから選択した一つのゲインに従って変換する。複数の候補ゲインの設定および切替えのため、容量電圧変換部120には、帰還コンデンサ123が、互いに等しい静電容量で八個設けられている。また容量電圧変換部120は、帰還スイッチ124を有している。
帰還スイッチ124は、八つの帰還コンデンサ123のうちの七つに対して、演算増幅器121との間にそれぞれ設けられている。各帰還スイッチ124は、例えば図2に示すゲイン切替信号がハイレベルの場合に閉状態となり、ローレベルの場合に開状態となる。ゲイン切替信号は、クロック信号に基づいて生成されている。帰還スイッチ124の開閉状態に従い、帰還スイッチ124を設けられた七つの帰還コンデンサ123は、演算増幅器121に対して一端を接続されていない状態と、両端を接続された状態とを交互に切り替えられる。帰還スイッチ124の開閉に従い、演算増幅器121に接続されている帰還コンデンサ123の実質的な静電容量が変動する。
帰還コンデンサ123の実質的な静電容量は、容量電圧変換部120にあらかじめ設定された複数の候補ゲインにそれぞれ対応する静電容量に変動する。本実施形態では、第一ゲインと第二ゲインとの二つの候補ゲインが容量電圧変換部120に設定されている。第一ゲインで変換する場合には、帰還スイッチ124を設けられていない一つの帰還コンデンサ123のみが演算増幅器121に両端を接続される。第二ゲインで変換する場合には、八つの帰還コンデンサ123全てが演算増幅器121に両端を接続される。
容量電圧変換部120は、候補ゲインから選択するゲインを、第一ゲインおよび第二ゲインの間で周期的に切替える。例えば、容量電圧変換部120は、第一駆動電圧の立ち上がるタイミングで選択するゲインを切り替える。すなわち容量電圧変換部120は、センサモジュール10から出力された電荷量を電圧に変換するたびに選択するゲインを切り替える。
第二ゲインにおいては、実質的な静電容量が第一ゲインの八倍となる。従って、第二ゲインが選択されている場合には、第一ゲインが選択されている場合に対して、同じ電荷量に対する振幅が八分の一となる。すなわち第一ゲインは、第二ゲインに対して八倍、すなわち二の整数乗倍である二の三乗倍の大きさのゲインに設定されている。
第一SCF回路131および第二SCF回路132は、複数のスイッチやコンデンサ、演算増幅器などを含んで構成されているスイッチトキャパシタフィルター回路である。第一SCF回路131および第二SCF回路132は、クロック信号に基づいて、各スイッチの開閉状態を所定のパターンで周期的に制御される。スイッチの制御により、第一SCF回路131は、第一サンプルホールド部133および第一ローパスフィルタ部134としての機能を発揮する。また第二SCF回路132は、第二サンプルホールド部135および第二ローパスフィルタ部136としての機能を発揮する。
第一サンプルホールド部133および第二サンプルホールド部135としての機能は、所定のサンプル期間に入力された電圧と実質的に等しい電圧を、次のサンプル期間までホールドして候補電圧として継続的に出力するサンプルホールド機能である。第一ローパスフィルタ部134および第二ローパスフィルタ部136としての機能は、出力する候補電圧の周波数帯成分のうち、スイッチング周波数に応じた所定の周波数以上の周波数帯成分を減衰させるローパスフィルタ機能である。従って第一SCF回路131および第二SCF回路132は、それぞれ「サンプルホールド部」に相当する機能と、それぞれに対応した「ローパスフィルタ部」に相当する機能とを発揮する。なお、所定の周波数は、例えばいわゆるカットオフ周波数やコーナー周波数などに相当する周波数である。また、周波数帯成分を減衰させるとは、実質的に遮断する状態を含む。
第一SCF回路131および第二SCF回路132は、ホールドしていた電圧をリセットし、容量電圧変換部120の出力電圧のレベルが切り替わった後に再度サンプル動作を実施する。第一SCF回路131および第二SCF回路132は、リセット時の入力電圧とサンプル時の入力電圧との差、すなわち容量電圧変換部120の出力電圧の振幅をサンプルホールドする。第一SCF回路131および第二SCF回路132は、互いに異なる候補ゲインに対応している。具体的には、第一SCF回路131は第一ゲインに対応し、第二SCF回路132は第二ゲインに対応している。
第一SCF回路131は、容量電圧変換部120で第一ゲインが選択されている場合に、リセット動作およびサンプルホールド動作を実施する。具体的には、第一SCF回路131は、図2に示すように、第一リセット期間においてリセット動作を実行し、第二サンプル期間においてサンプル動作を実行する。第一リセット期間は、第一ゲインに切り替わり、メインスイッチ122が閉状態から開状態に切り替わった後、各駆動電圧の切替わりまでの期間に設定されている。第一サンプル期間は、第一リセット期間直後の各駆動電圧の切り替わりから、第二ゲインへの切替わりまでの期間に設定されている。第一SCF回路131は、第二ゲインへの切替わり後においても、サンプルした電圧を実質的に維持するように候補電圧の出力を継続する。第一SCF回路131から出力される候補電圧が、最も倍率の高い候補ゲインである第一ゲインに対応した「最大候補電圧」に相当する。
第二SCF回路132は、容量電圧変換部120で第二ゲインが選択されている場合に、リセット動作およびサンプルホールド動作を実施する。具体的には、第二SCF回路132は、第二リセット期間においてリセット動作を実行し、第二サンプル期間においてサンプル動作を実行する。第二リセット期間は、第二ゲインに切り替わり、メインスイッチ122が閉状態から開状態に切り替わった後、各駆動電圧の切替わりまでの期間に設定されている。第二サンプル期間は、第二リセット期間直後の各駆動電圧の切り替わりから、第一ゲインへの切替わりまでの期間に設定されている。第二SCF回路132は、第一ゲインへの切替わり後においても、サンプルされた電圧を実質的に維持するように出力する候補電圧をホールドする。第二SCF回路132から出力される候補電圧は、第一SCF回路131からの候補電圧の変動に対しておよそ八分の一の大きさとなるように変動する。
入力判定部140は、例えばコンパレータなどを含んでいる。入力判定部140は、第一SCF回路131および第二SCF回路132の少なくとも一方の出力する候補電圧に基づいて、AD変換部160に入力される候補電圧に対応する候補ゲインを判定する。入力判定部140は、AD変換部160への入力電圧が、設定された入力電圧範囲の上限、換言すればアナログ回路の飽和レベルより小さくなるように使用する候補ゲインを判定する。入力判定部140は、飽和レベルよりも小さくなる候補ゲインが複数存在する状態においては、最も高い倍率のゲインを使用する候補ゲインと判定する。入力判定部140は、図2に示すゲイン判定期間において判定を行う。ゲイン判定期間は、例えば第一サンプル期間から第二リセット期間までの期間に設定されている。
本実施形態の入力判定部140は、第一SCF回路131が切替え閾値以上であるか否かに基づいて使用するゲインを判定する。具体的には、入力判定部140は、第一SCF回路131からの候補電圧が切替え閾値未満の場合には、使用するゲインを第一候補ゲインと判定する。また入力判定部140は、第一SCF回路131からの候補電圧が切替え閾値未満の場合には、使用するゲインを第二候補ゲインと判定する。切替え閾値は入力電圧範囲の上限に基づいて決定されている。切替え閾値は、例えば入力電圧範囲の上限よりも数%低い電圧などに設定されている。
入力選択部150は、入力判定部140で判定された使用する候補ゲインに従って、AD変換部160への入力電圧を選択する。入力選択部150は、第一SCF回路131および第二SCF回路132とAD変換部160との間に設けられた、複数のスイッチング素子またはマルチプレクサなどを制御して入力電圧を選択する。入力選択部150は、第一候補ゲインが選択されている場合には、第一候補ゲインに対応している第一SCF回路131からの候補電圧をAD変換部160への入力電圧として選択する。入力選択部150は、第二候補ゲインが選択されている場合には、第二候補ゲインに対応している第二SCF回路132からの候補電圧をAD変換部への入力電圧として選択する。
AD変換部160は、アナログ信号としての入力電圧をアナログデジタル変換し、デジタル値として出力する。AD変換部160は、所定のサンプリング周波数で入力電圧をサンプリングし、出力ビット数に従う所定の分解能で量子化する。AD変換部160のサンプリング周波数は、第一SCF回路131および第二SCF回路132において減衰されている周波数帯成分に応じて設定される。例えばサンプリング周波数は、第一SCF回路131および第二SCF回路132のカットオフ周波数の二倍以上のサンプリング周波数となるように設定されている。
また、図2に示すように、AD変換部160のサンプリングを実施する期間は、入力判定部140におけるゲインの判定、および入力選択部150における入力電圧の選択が完了した後に設定されている。より具体的には、サンプリング期間は、ゲイン判定期間が完了してから、第一リセット期間までの間に設定されている。すなわちAD変換部160によるサンプリングは、第一候補ゲインに対応する候補電圧に基づく入力選択部150の判定の後、第一候補ゲインに対応する候補電圧の更新前に実行される。サンプリング期間は、第二リセット期間と部分的に重なっている。
復調部170は、入力判定部140により使用する候補ゲインと判定されているゲインに従って、AD変換部160から出力されるデジタル値を復調する。より具体的には、復調部170は、選択されているデジタル信号の桁をゲインに応じてシフトさせることにより、物理量を示す検出値に復調する。復調部170は、第一ゲインが選択されている場合には、デジタル信号の示す数値を検出値として出力する。復調部170は、第二ゲインが選択されている場合には、デジタル信号の示す数値を八倍、すなわちデジタル信号を三桁シフトさせることにより復調する。
補正部180は、復調部170の出力する検出値を、容量電圧変換部120による変換における感度誤差およびオフセット量の少なくとも一方に基づいて補正する。容量電圧変換部120は、各候補ゲインによる変換において加速度に従う静電容量の変化量を一次関数的に電圧に変換する。図3に示すように、第一ゲインに対応した検出値G1は、所定の加速度以上においてAD変換部160の入力として選択した場合、加速度の大きさによらず回路の飽和電圧に対応した大きさで一定となる。従って、所定の加速度以上の検出は、第二ゲインに対応したデジタル値G2に基づいて実施される。
第二ゲインによるデジタル値G2を八倍した検出値G3では、基準特性G4に対するオフセット量、換言すれば切片による影響が検出値G1と比較して大きくなる。基準特性G4は、例えば所定の加速度以下における検出値G1の傾きおよび切片と一致する直線として定義される。また検出値G3には、検出値G1に対して感度誤差、換言すれば傾き誤差が生じうる。
従って補正部180は、入力判定部140で第二ゲインを使用すると判定されている場合に、第二ゲインにおける感度誤差およびオフセットに基づいて検出値の誤差を補正する。オフセット量の補正は、例えば検出値G3のオフセット量と検出値G1のオフセット量との差を差し引くことで実施される。感度誤差の補正は、検出値G3の傾きを検出値G1の傾きに揃えることにより実施される。補正された検出値は、所定の加速度以下における検出値G1に対して直線性を持つ。感度誤差およびオフセット量は、例えば処理部100メモリに格納されている、製造時の検査などにおいて測定された値を用いる。
診断部190は、物理量検出装置1の作動状態を診断する。診断部190は、AD変換部160の出力に基づいて、第一SCF回路131および第二SCF回路132の作動状態を診断する。本実施形態の診断部190は、復調部170で復調され、補正部180で補正された後のAD変換部160の出力に基づいて診断する。
診断部190は、診断用の駆動信号の出力を駆動部110に要求する。診断部190は、診断用の駆動信号を出力させている期間に、第一SCF回路131および第二SCF回路132からの候補電圧のうち入力選択部150に選択されている候補電圧を順次切り替えさせる。診断部190は、第一SCF回路131を選択させている場合の補正部180の出力に基づいて、第一SCF回路131が正常に作動しているか否かを判断する。診断部190は、第二SCF回路132を選択させている場合の補正部180の出力に基づいて、第二SCF回路132が正常に作動しているか否かを判断する。
[実施形態のまとめ]
以上、説明した実施形態によれば、容量電圧変換部120において各候補ゲインで変換された電圧は、各候補ゲインに対応するSCF回路でそれぞれサンプルホールドされ、高周波成分を減衰されてそれぞれ候補電圧として出力される。この結果、各サンプルホールド部および対応するローパスフィルタにより、互いに異なる候補ゲインに対応した候補電圧が、図4に示すように高周波成分を減衰された状態で同時に提供されうる。こうした候補電圧からAD変換部への入力電圧が選択されることにより、AD変換部160への入力電圧は、高周波成分を減衰され、かつ候補ゲインに従う電圧に速やかに切替え可能となる。従って物理量検出装置は、AD変換部160への入力電圧における高周波ノイズを抑制しつつゲインを切り替え可能となる。AD変換部への入力電圧における高周波ノイズの抑制により、エイリアシングが抑制される。
さらに本実施形態では、入力選択部150による候補電圧の切替えは、AD変換部160のサンプリング期間と異なるタイミングで実行される。故に、サンプリング期間における入力電圧の変動が抑制される。従って、検出された物理量の誤差が抑制される。
加えて本実施形態では、AD変換部160のサンプリング期間は、最大候補電圧に基づいて入力判定部140で判定されてから、最大候補電圧の更新までの期間に設定されている。上記の構成に反して最大候補電圧の更新以降にサンプリング期間が設定された構成の場合、最大候補電圧の更新により、サンプリング期間においてAD変換部160への入力電圧が飽和しうる。この懸念に対し、上記の構成によれば、サンプリング期間におけるAD変換部160への入力電圧の飽和が抑制される。従って、検出された物理量の誤差がより抑制される。
また本実施形態では、診断部190は、入力選択部で選択される候補電圧を強制的に変更させ、変更させた候補電圧を出力するSCF回路の作動状態を診断する。故に、診断用の駆動信号に従って出力された候補電圧に基づく入力判定部140の判定結果に拘わらず、複数設けられたSCF回路の個別の作動状態を診断しうる。従って、各SCF回路の作動状態を容易に診断可能となる。
さらに本実施形態では、第一ゲインは第二ゲインの八倍の倍率に設定されている。従って復調部170は、第二ゲインにおいてAD変換部160で変換されたデジタル値を、デジタル値の桁のシフトのみで物理量に復調可能となる。
加えて本実施形態では、補正部180により、第二ゲインにおいて、感度誤差およびオフセットに基づいて検出値が補正される。従って物理量検出装置は、第二ゲインを選択した場合における検出値の誤差を抑制可能となる。
<他の実施形態>
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の変形例も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。なお、以下の説明において、それまでに使用した符号と同一番号の符号を有する要素は、特に言及する場合を除き、それ以前の実施形態における同一符号の要素と同一である。また、構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分については先に説明した実施形態を適用できる。
上述の実施形態においては、ローパスフィルタ部に相当する機能は、各SCF回路によりサンプルホールド部に相当する機能と一体的に実現されていた。しかし、ローパスフィルタ部に相当する機能は、個別に実現されていてもよい。また、各SCF回路によるローパスフィルタ部としての機能に加えて、RC回路などによる追加のローパスフィルタ部を備える構成とすることもできる。こうした構成によれば、減衰させる周波数帯によらず、各SCF回路におけるスイッチング周波数を任意に設定可能となる。また、スイッチングによる高周波ノイズなどが生じた場合においても、発生した高周波ノイズを追加のローパスフィルタ部で低減可能となる。
上述の実施形態においては、容量電圧変換部120におけるゲインの切り替えは、第二ゲインと、第二ゲインの八倍の第一ゲインとの二段階が候補ゲインとして設定されていた。
しかし、他のゲインに対する倍率は、二倍や四倍などの他の二の整数乗の倍率や、二の整数乗でない倍率に設定されていてもよい。また、設定された候補ゲインは三段階以上であってもよい。また、設定されている候補ゲインを切替える順序や、各候補ゲインに対応するSCF回路は固定でなくてもよい。
上述の実施形態においては、物理量検出装置1は、物理量に応じたセンサモジュール10からの信号を、シングルエンド信号として伝達する構成であった。しかし、物理量検出装置は、センサモジュール10からの信号を差動信号として伝達する構成を採用することもできる。すなわち物理量検出装置1は、可動電極13への矩形波を入力により第一固定電極11および第二固定電極12からそれぞれ出力される信号を、物理量の検出に用いる構成としてもよい。
上述の実施形態においては、サンプリング期間は、ゲイン判定期間から第一サンプル期間までの期間に設定されていた。しかし、各期間の関係は適宜変更可能である。
上述の実施形態においては、物理量検出装置1は補正部180および診断部190を備えていた。しかし、物理量検出装置1は、これらの機能を備えていなくてもよい。また補正部180は第二ゲインにおいて検出値を補正していた。しかし、第一ゲインにおいても検出値を補正してもよい。
上述の実施形態においては、物理量検出装置1は、物理量として加速度を検出する加速度センサであった。しかし、本開示は、物理量として角速度を検出する回転角センサなど、他の容量式の物理量センサにも適用可能である。また物理量検出装置1は、AD変換部160への入力電圧を複数軸の加速度や角速度、温度などに時分割して割り当て、複数の物理量を検出する構成とすることもできる。
1 物理量検出装置、 14 第一コンデンサ(容量部)、 15 第二コンデンサ(容量部)、 120 容量電圧変換部、 133 第一サンプルホールド部、 134 第一ローパスフィルタ部、 135 第二サンプルホールド部、 136 第二ローパスフィルタ部、 140 入力判定部、 150 入力選択部、 160 AD変換部、 180 補正部、 190 診断部

Claims (6)

  1. 印加された物理量に従って静電容量の変化する容量部(14、15)と、
    あらかじめ設定された複数の候補ゲインから選択したゲインで前記容量部の静電容量変化を電圧に変換し、選択する前記候補ゲインを周期的に切り替える容量電圧変換部(120)と、
    前記容量電圧変換部において対応する前記候補ゲインが選択されている場合に前記容量電圧変換部で変換された電圧をサンプルホールドする、互いに異なる前記候補ゲインに対応した複数のサンプルホールド部(133、135)と、
    対応する前記サンプルホールド部でサンプルホールドされた電圧を、所定の周波数以上の高周波成分を減衰させて候補電圧として出力する複数のローパスフィルタ部(134、136)と、
    入力電圧をアナログデジタル変換するAD変換部(160)と、
    複数の前記候補電圧から、前記AD変換部への入力電圧を選択する入力選択部(150)と、を備える物理量検出装置。
  2. 前記入力選択部は、入力電圧として選択する前記候補電圧の切替えを、前記AD変換部におけるアナログデジタル変換のサンプリングが実行されるタイミングと異なるタイミングで実行する請求項1に記載の物理量検出装置。
  3. 前記候補電圧のうち、最も倍率の高い前記候補ゲインに対応する最大候補電圧の値に基づいて、前記入力選択部で選択される前記候補電圧を判定する入力判定部(140)を備え、
    前記AD変換部は、前記入力選択部における判定の後、前記最大候補電圧の更新前にアナログデジタル変換のサンプリングが実行される請求項1または2に記載の物理量検出装置。
  4. 前記入力選択部で選択される前記候補電圧は、前記候補電圧の値に基づいて決定され、
    前記入力選択部で選択される前記候補電圧を、前記候補電圧の値に拘わらず強制的に変更させ、変更させた前記候補電圧を出力している前記サンプルホールド部および前記ローパスフィルタ部の作動状態を前記AD変換部からの出力に基づいて診断する診断部(190)を備える請求項1~3のいずれか1項に記載の物理量検出装置。
  5. 前記候補ゲインの各々は、他の前記候補ゲインに対して二の整数乗倍となるように設定されている請求項1~4のいずれか1項に記載の物理量検出装置。
  6. 前記入力選択部で選択されている前記候補ゲインに対応する、前記容量電圧変換部による変換の感度誤差およびオフセット量の少なくとも一方に基づいて、前記AD変換部により変換されたデジタル値を補正する補正部(180)を備える請求項1~5のいずれか1項に記載の物理量検出装置。
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