本発明に基づいた実施の形態における表示システム(通知システム)について、以下、図を参照しながら説明する。同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。また、各実施形態で説明した少なくとも1の構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
[適用例]
図1は、本実施形態の適用例を示す図である。図1を用いて、本実施形態の適用例を説明する。本実施形態の表示システムは、例えば、生産設備に設置される。生産設備は、例えば、連続的に対象物を生産する設備である。「連続的に対象物を生産する」とは、例えば、「長尺の対象物」を生産することである。また、対象物が、個々の物品として途切れることはなく、同一条件で数時間以上にわたって一つながりの物品として生産される物であってもよい。対象物は、次工程や梱包等のために物品を切断した物も含む。生産設備は、例えば、紡糸、フィルム製膜、製紙、印刷、塗工、連続押出成形体、樹脂の連続重合などの設備を含む。生産設備は、紡糸、フィルム製膜、塗工、連続押出成形体としてもよい。
生産設備において、同一条件で対象物が生産される時間の下限は好ましくは3時間であり、より好ましくは5時間であり、さらに好ましくは7時間である。時間の上限は特に定めるものではないが、生産設備やセンサの定期的なメンテナンス、品番の切り替えなどを考慮すると、好ましくは2年以下であり、より好ましくは1年以下である。
また、設備は、他の設備であってもよい。例えば、設備は生産された対象物の品質などを検査する検査設備としてもよい。本実施形態の表示システムは、「ある箇所で振動が発生したときに、振動が発生した箇所とは異なる箇所において該振動に基づく共振が生じ得る設備」に設置させることが好ましい。
図1の例では、設備を生産設備1として説明する。図1(A)は、生産設備1が正常稼働している場合を示す。生産設備1の複数(以下、M個、Mは2以上の整数)の箇所それぞれにM個のセンサS1~SM(検出部)が設けられている。M個のセンサS1~SMそれぞれは、生産設備1の状態を示すパラメータを検出する。典型的には、生産設備1を構成する1以上の構成部を示すパラメータを検出する。構成部とは、例えば、パイプとロールなどの部材、およびポンプとモータなどの装置を含む(図2など参照)。以下では、図1の例では、センサS2は、構成部としてのモータの状態を示すパラメータを検出する。モータの状態を示すパラメータは、例えば、モータの回転数、およびモータの振動数などである。
センサS13は、構成部としてのパイプの状態を示すパラメータを検出する。パイプの状態を示すパラメータは、例えば、パイプの振動数などである。センサS16は、構成部としてのベアリングの状態を示すパラメータを検出する。ベアリングの状態を示すパラメータは、例えば、ベアリングの振動数などである。他のセンサについては、特に図示されていないが、生産設備1を構成する各構成部の状態を示すパラメータを検出する。また、ユーザ(例えば、生産設備1での作業者)が生産設備1の異常の発生状況、および生産設備1により生産される対象物の異常の発生状況などを検査している。
次に、図1(B)に示すように、生産設備1のモータにおいて異常Aが発生したとする。異常Aとは、例えば、モータに異物が混入することにより、モータが正常に稼働しないことなどである。また、ユーザは、生産設備で生産されている対象物を検査することなどにより、生産設備1のいずれかの箇所(いずれかの構成部)で異常が発生したことを認識したが、異常が発生した箇所までは特定できていないとする。
ここで、モータに異常Aが発生すると、モータでは異常Aに基づいた異常振動(正常ではない振動)が生じる。異常振動は、他の構成部に伝播することにより、該他の構成部は該振動に基づいて共振する(振動する)。異常振動は、例えば、中間体を伝って他の構成部に伝播する。中間体は、例えば、生産設備1の他の構成部、生産設備1で生産された対象物、および空気などのうち少なくとも1つを含む。図1(B)の例では、破線の矢印で示すように、モータの異常振動に基づいて、他の構成部であるパイプ、およびベアリングに伝播されたとする。これにより、パイプ、およびベアリングは共振する。
ユーザは、生産設備で生産されている対象物に異常が発生したときに、各センサS1~SMで検出されたパラメータを、情報処理装置(例えば、PC)などで実行されるフーリエ変換により周波数成分に変換させる。
図1(C)は、各センサS1~SNで検出されたパラメータを周波数成分に変換された後を示す図である。図1(C)に示すように、センサS1のパラメータから変換された周波数成分は、7Hzである。センサS2のパラメータから変換された周波数成分は、2.5Hzである。センサS13のパラメータから変換された周波数成分は、2.5Hzである。センサS16のパラメータから変換された周波数成分は、2.5Hzである。センサSMのパラメータから変換された周波数成分は、7Hzである。また、他のセンサについては示していないが、他のセンサが検出したパラメータについても全て周波数成分に変換される。
ここで、「異常振動が生じた構成部のセンサで検出されたパラメータの周波数成分」と、「該異常振動に基づく共振が生じた構成部のセンサで検出されたパラメータの周波数成分」とは、それぞれ関連する。図1の例での「関連する周波数成分」とは、「同一の周波数成分」である。図1(C)の例では、センサS2(異常振動が生じた構成部のセンサ)の周波数成分、およびセンサS13およびセンサS16(該異常振動に基づく共振が生じた構成部のセンサ)の周波数成分はそれぞれ2.5Hzとなっている。
本実施形態の表示システムでは、「異常振動が生じた構成部のセンサで検出されたパラメータの周波数成分」と、「該異常振動に基づく共振が生じた構成部のセンサで検出されたパラメータの周波数成分」とは、それぞれ関連するという現象を用いて、異常振動が生じた構成部のセンサをユーザに認識させることができる。典型的には、表示システムは、関連する周波数成分と、該関連する周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサの名称とを表示する。この表示により、ユーザに対して、異常振動が生じた構成部、および該異常振動に基づく共振が生じた構成部を、「異常が発生した構成部の候補(異常個所の候補)」として、ユーザに認識させることができる。
従来であれば、ユーザは、全てのセンサS1~SMそれぞれのパラメータ全ての周波数成分を1つ1つ検証することにより、設備の異常個所を特定する必要があった。したがって、従来では、ユーザが異常個所を特定するために要する時間が膨大となる。特に、Mの値が50であるなどの大きい場合、つまり、センサの数が50個である場合には、該50個のセンサからのパラメータの全ての周波数成分を1つ1つ検証する必要がある。
一方、本実施形態の表示システムは、関連する周波数成分と、該関連する周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサの名称とを表示する。これにより、本実施形態の表示システムは、異常振動が生じた構成部および該異常振動に基づく共振が生じた構成部を、ユーザに認識させることができる。つまり、図1(C)の四角で囲っているように、表示システムは、異常振動が発生したと推測される構成部の候補(異常個所の候補)をユーザに認識させることができる。異常振動が発生したと推測される構成部の候補は、異常振動が生じた構成部、および該異常振動に基づく共振が生じた構成部である。
したがって、例えば、Mの値が50であるなどの大きい場合、つまり、センサの数が50個である場合であっても、ユーザは、生産設備1を構成する全ての構成部から、異常振動が発生したと推測される構成部の候補に絞ることができる。ユーザは、該候補の構成部を検査する、または、該候補の構成部のパラメータを検査する、または該パラメータから変換された周波数成分(他のパワーの周波数成分など)を検査することにより、異常振動が発生した構成部(箇所)を特定できる。
以上により、本実施形態の表示システムは、異常振動が発生したと推測される構成部の候補をユーザに認識させることができる。したがって、全てのセンサのパラメータから変換された周波数成分の各々をユーザが検証する必要がある従来技術と比較して、ユーザが設備の異常個所を特定するために要する時間を減少させることができる。
<第1実施形態>
[生産設備について]
本実施形態の表示システムが適用される生産設備について説明する。図2は、本実施形態の生産設備1の一例を示す図である。生産設備1は、長尺のフィルム20に対して、塗布剤(例えば、着色塗料)を塗布する。塗工ロール8は、図2の矢印a方向に回転する。塗工ロール8の最下点には、塗布剤を貯留する塗液パン(図示せず)が設けられている。塗工ロール8は、塗液パンに浸ることにより、該塗工ロール8の表面に多量の塗布剤が付与される。ブレード10は、塗工ロール8の表面に付与された多量の塗布剤の一部を除去する。これにより、ブレード10は、塗工ロール8の表面に付与された塗布剤の厚みを一定にすることができる。
また、生産設備1は、フィルム20を塗工ロール8の方向に対して加圧する加圧ロール(図示せず)を有する。塗工ロール8と加圧ロールとがフィルム20を挟みつつ、塗工ロール8と加圧ロールとが回転する。これにより、フィルム20は、矢印b方向に移動しつつ、塗工ロール8は、一定の厚みである塗布剤の少なくとも一部をフィルム20に対して塗布する。また、塗工ロール8は上下方向に変位可能である。
塗工ロール8の軸9は、軸受部12に接続されている。モータ14は、軸9を回転させることにより、塗工ロール8を回転駆動する。また、塗工ロール8の内部の少なくとも一部は空洞となっており、該空洞に液体(例えば、水)が充填される。液体貯蔵部2は水を貯蔵する。ポンプ4は、貯蔵されている水を、パイプ7を経由してロータリージョイント6に対して圧送する(矢印c参照)。ロータリージョイント6は、該圧送された水を塗工ロール8内に搬送する。また、ポンプ4の圧力により、塗工ロール8内に充填されていた水は、ロータリージョイント6およびパイプ7を経由して液体貯蔵部2に戻る。液体貯蔵部2は、液体貯蔵部内の水が一定の温度となるように温度調整を行う。したがって、塗工ロール8内の水も一定温度に維持される。よって、塗工ロール8は、一定の温度で、塗布剤をフィルム20に対して塗布することができる。
また、生産設備1は、複数の構成部から構成されている。複数の構成部は、例えば、液体貯蔵部2、ポンプ4、ロータリージョイント6、パイプ7、塗工ロール8、ブレード10、軸受部12、およびモータ14などを含む。
生産設備1の複数(以下、M個ともいい、Mは2以上の整数)の箇所それぞれにセンサ(検出部)が設けられている。センサは、生産設備1の状態を示すパラメータを検出する。生産設備1の状態とは、典型的には、「生産設備1を構成する複数の構成部の状態」をいう。状態は、例えば、ポンプ4の圧力などをいう。
図2の例では、M=13であり、センサの数も13である。次に、13個のセンサS1~S13それぞれを説明する。図3は、各センサS1~S13の種別などを示す図である。図3に示すように、S1~S13をセンサ識別情報という。図3では、該センサ識別情報に対応した、センサの種別(センサの名称)と、該センサが検出するパラメータとを示す。
センサS1は、液体貯蔵部2の温度をパラメータとして検出する温度計である。センサS2は、ポンプ4に含まれている回転構成部の回転数をパラメータとして検出する回転計である。センサS3は、ロータリージョイント6の振動数をパラメータとして検出する振動計である。センサS4は、パイプ7内の圧力をパラメータとして検出する圧力計である。センサS5は、パイプ7内を流れる水の流量をパラメータとして検出する流量計である。
センサS6は、水が流れるパイプ7の振動数をパラメータとして検出する振動計である。センサS7は、塗工ロール8の変位量をパラメータとして検出する変位計である。センサS8は、ブレード10の振動数をパラメータとして検出する振動計である。センサS9は、フィルムの変位量(例えば、上下方向の変位量)をパラメータとして検出する変位計である。センサS10は、フィルム20に塗布された塗布剤の厚み(膜厚)をパラメータとして検出する厚み計である。
センサS11は、軸受部12の振動数をパラメータとして検出する振動計である。センサS12は、モータ14の振動数をパラメータとして検出する振動計である。センサS13は、モータ14の回転数をパラメータとして検出する振動計である。
センサの種別は、図3に示したものに限らず、他の種別のセンサを含むようにしてもよい。他のセンサは、例えば、距離計、濃度計、光度計、および色度計などのうち少なくとも1つを含む。
また、センサが検出するパラメータについて、センサは生産設備1の状態(各パラメータ)を連続的に検出する。また、「連続的に検出する」とは途切れることなくパラメータを検出するとしてもよい。また、「連続的に検出する」とは、一瞬の途切れもなくという意味ではなく、生産設備において生産の時間中、連続してパラメータを検出するという意味であってもよい。例えば、パラメータとしての温度などは、ミリ秒以下での変動が起こり難く、センサは、このようなパラメータを定められた間隔で測定してもよい。定められた間隔は1分以下が好ましく、より好ましくは10秒以下、さらに好ましくは5秒以下、特に好ましくは1秒以下である。また、ノイズなどの影響によりばらつきが生じやすいパラメータについては、表示システムは、例えば、スムージング処理を実行するようにしてもよい。
<表示システムについて>
図4は、表示システム300の機能構成例を示す。表示システム300は、複数のセンサ(センサS1~センサS13)と、情報処理装置100と、表示装置200とを含む。
情報処理装置100は、取得部152の機能と、変換部154の機能と、特定部156の機能と、出力部157の機能などを含む。
センサS1~センサS13の各々で検出されたパラメータ(つまり、13個のパラメータ)は、電圧値または電流値などの信号として情報処理装置100の取得部152に入力される。取得部152は、センサS1~センサS13で検出された13個のパラメータを取得する。
なお、表示システム300は、センサS1~センサS13の各々で検出されたパラメータを、一旦、データ保管装置(データロガー(図示せず))に記憶させて、取得部152は、該データロガーに記憶されたパラメータを取得するようにしてもよい。取得部152は、取得した13個のパラメータを変換部154に出力する。
データを保管する媒体(データロガー)は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気テープ、および光学記録媒体などの少なくとも1つを含む。また、表示システムは、データロガーに付属のものをそのまま用いるようにしてもよい。また、表示システムは、外付けでこれら媒体を接続するようにしてもよい。
また、データロガーがパラメータを保管する期間の下限は、好ましくは、生産設備1の一連の稼動時間である。データロガーがパラメータを保管する期間の下限は、好ましくは1日であり、さらに好ましくは3日であり、特に好ましくは1週間であり、最も好ましくは1ヶ月である。データロガーがパラメータを保管する期間が、該下限未満であると、後に、ユーザが異常を発見したときの生産設備1の解析ができなくなる。保管期間の上限はデータロガーの容量を増やせばよく、特に上限を定めるものではないが、5年または3年は保管しておくことが好ましい。
次に、変換部154は、該13個のパラメータそれぞれを周波数成分に変換する。ここで、変換の手法としては、典型的には、フーリエ変換、または高速フーリエ変換(FFT(fast Fourier transform))が用いられる。パラメータを周波数成分に変換する手法は、他の手法であってもよい。変換部154は、FFT等のアルゴリズムに従って周波数成分に変換する。変換部154は、該13個のパラメータそれぞれを周波数成分に変換することにより、13個の周波数成分に係る情報を生成する。変換部154は、13個の周波数成分に係る情報は特定部156に出力する。
また、変換部154が解析する(変換する)周波数の下限を予め定めるようにしてもよい。例えば、周波数の下限は好ましくは0.001Hzであり、より好ましくは0.005Hzであり、さらに好ましくは0.01Hzであり、特に好ましくは0.05Hzであり、最も好ましくは0.1Hzである。周波数が、この下限未満であると周期が長くなり過ぎ、関連付けが困難になることがある。
また、周波数の上限は好ましくは10000Hzであり、より好ましくは1000Hzであり、さらに好ましくは500Hzであり、特に好ましくは100Hzであり、最も好ましくは50Hzである。周波数が、この上限を越えると周波数が高すぎることになり、生産の変動と関係が薄くなることがある。
また、変換部154の変換後のデータに対して、必要に応じて、フィルターを用いてもよい。フィルターはハイパスフィルター、ローパスフィルター、およびバンドストップフィルターなどのうち少なくとも1つを含む。変換部154は、解析の妨げとなるようなデータが存在する特定の時間を削除するようにしてもよい。
また、変換部154は、複数のセンサのパラメータ(データ)を全て周波数成分に変換してもよい。また、変換部154は、複数のセンサのパラメータ(データ)のうち1以上を選択して周波数成分に変換するようにしてもよい。変換部154が、複数選択する場合は3個以上が好ましく、より好ましくは5個以上であり、さらに好ましくは8個以上であり、特に好ましくは10個以上である。
また、変換部154が、センサによるパラメータの検出と並行して、該パラメータを周波数成分に変換するようにしてもよい。つまり、変換部154がオンラインでパラメータを周波数成分に変換するようにしてもよい。また、第2実施形態で説明するように、記憶部162が、センサに検出されたパラメータを記憶し、表示システムは、該記憶されたパラメータからユーザなどにより時刻を指定させるようにしてもよい。特定部156は、指定された指定時刻の所定期間前の開始時刻から、該指定時刻から所定期間後の終了時刻までの期間でのパラメータを周波数成分に変換するようにしてもよい。また、表示システムは、ユーザなどにより、開始時刻および終了時刻を指定させるようにしてもよい。
また、第3実施形態で説明するように、「パラメータについての異常パラメータ」および「パラメータの周波数成分についての異常周波数成分」について少なくとも1つを予め定めておくようにしてもよい。「センサにより検出されたパラメータが異常パラメータとなったとき」、または「パラメータの周波数成分が異常周波数成分となったとき」に、異常が発生したと推定するようにしてもよい。該推定された時刻を指定時刻としてもよい。異常パラメータおよび異常周波数成分のうち少なくとも1つは、予め定められた所定値、または該所定値以上の値、および該所定値以下の値のいずれかとしてもよい。
次に、特定部156は、変換部154により変換された複数の周波数成分の各々のうちから、関連する周波数成分を特定する。
ここで、関連する周波数成分について説明する。関連する周波数成分は、1の周波数成分と、該1の周波数成分と同一の他の周波数成分との第1組合せを含む。例えば、13個の周波数成分のうちの1の周波数成分が15Hzであり、他の周波数成分が15Hzである場合には、該1の周波数成分と該他の周波数成分とは関連する周波数成分である。また、該1の周波数成分と、該他の周波数成分とは1次周波数同士の関係である。
また、関連する周波数成分は、1の周波数成分と、該1の周波数成分の近似値である他の周波数成分との第2組合せを含む。ここで、該1の周波数成分の近似値は、「(1の周波数成分)×(100-X)/100」から「(1の周波数成分)×(100+X)/100」の範囲内となる値である。X(%)は1の周波数成分からのずれを表し、例えば、0<X≦3となる値である。Xの値は予め定められている値である。また、Xの値はユーザが設定できるようにしてもよい。Xは0.1~5の範囲、好ましくは0.5~4の範囲、さらに好ましくは1~3の範囲で設定される。
1の周波数成分が15Hzであり、Xが3の場合において、他の周波数成分が、14.7Hzである場合には、該1の周波数成分と該他の周波数成分とは関連する周波数成分であると判断される。
また、関連する周波数成分は、1の周波数成分と、該1の周波数成分のN倍(Nは2以上の整数)の値である他の周波数成分との第3組合せを含む。例えば、1の周波数成分が13Hzであり、3つの他の周波数成分がそれぞれ、26Hz、39Hz、52Hzである場合には、該1の周波数成分と該3つの他の周波数成分とは関連する周波数成分である。また、該1の周波数成分(13Hz)と、他の周波数成分(26Hz)とは、2次周波数同士の関係である。該1の周波数成分(13Hz)と、他の周波数成分(39Hz)とは、3次周波数同士の関係である。該1の周波数成分(13Hz)と、他の周波数成分(52Hz)とは、4次周波数同士の関係である。また、多次周波数は上限として5次までが好ましく、さらには4次まで、特には3次までが好ましい。5次を超えると実際の関係が薄くなるだけでなく、実質的な生産設備の周期的な変化の原因解明や生産物の特性変化との関係の解明としての意味が無くなる場合がある。
また、関連する周波数成分は、1の周波数成分と、該1の周波数成分のN倍の値の近似値である他の周波数成分との第4組合せを含む。X(%)は、例えば、0<X%≦3となる値である。この場合に、例えば、1の周波数成分が13Hzであり、3つの他の周波数成分がそれぞれ、25.5Hz、39.05Hz、52.12Hzである場合には、該1の周波数成分と該3つの他の周波数成分とは関連する周波数成分である。この場合も、Xは上述の範囲が好ましい。
特定部156が関連する周波数成分を特定すると、出力部157が表示信号を表示装置200に対して出力する。表示信号は、関連する周波数成分と、該関連する周波数成分が得られたパラメータ(関連する周波数成分の変換前のパラメータ)を検出したセンサを特定可能なセンサ情報とを含む。表示装置200は、該表示信号に基づいて、関連する周波数成分とセンサ情報とを対応付けて表示する。つまり、表示信号は、関連する周波数成分とセンサ情報とを対応付けて、表示装置200に表示させるための信号である。
図5は、本実施形態の表示システム300で用いられるデータを具体化した図である。図5(A)は、該センサS1~S13で検出されたパラメータを示す。図5(A)で示されるパラメータグラフは、横軸が時間tであり、縦軸がセンサが検出したパラメータを示す。例えば、センサS1のパラメータグラフについては、縦軸が温度を示す。センサS1のパラメータグラフについては、回転数を示す。取得部152は、図5(A)に示すパラメータグラフに係るデータを取得する。
次に、変換部154のFFT変換処理により、検出されたパラメータは、周波数成分に変換される。なお、変換部154は、所定のサンプリング周波数、サンプル数、窓関数などを用いて、検出されたパラメータを、周波数成分に変換する。図5(B)は、変換された周波数成分の周波数成分グラフである。図5(B)は、周波数成分グラフは、横軸が周波数であり、縦軸がパワーを示す。周波数の単位は、「Hz」である。
図5(B)では、センサS1で検出されたパラメータの周波数成分である2.51Hzと、センサS13で検出されたパラメータの周波数成分である2.51Hzとが関連している(前述の第1組合せに相当する)。したがって、図5(C)に示すように、特定部156は、センサS1とセンサS13とで、周波数成分である2.51が関連していることを特定する。次に、図5(D)に示すように、表示システム300は、関連する周波数成分、および該関連する周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサを表示する。
[表示画面]
次に、図5(D)において、表示装置200が表示する表示画面の一例を説明する。図6は、表示画面の一例を示す図である。図6の例では、測定時刻と、経過時間と、各センサの周波数成分とが表示される。
表示装置200には、予め表作成ソフトがダウンロードされている。表示装置200は、該表作成ソフトを起動させて、図6に示す表の画面を表示する。測定時刻は、例えば、情報処理装置100が、各センサからパラメータを取得した時刻としてもよい。また、測定時刻は、例えば、情報処理装置100が、各センサからパラメータを取得した時刻としてもよい。また、測定時刻は、例えば、変換部154がパラメータを周波数成分に変換した時刻としてもよい。
経過時間は、1の測定時刻から次の測定時刻までの時間である。図6の例では、経過時間は、3分である。本実施形態の変換部154は、該経過時間で示された時間(例えば、3分)毎に、パラメータを周波数成分に変換する。換言すれば、本実施形態の変換部154は、所定時間が経過する毎に、パラメータを周波数成分に変換する。また、変換部154によるFFTのサンプリング処理などは、この経過時間に基づいて行われる。なお、変形例として、経過時間は、一定の時間ではなく、例えば、変化する時間としてもよい。例えば、変換部154が、センサから取得したパラメータを周波数成分に変換し、次に、4分後に、新たにセンサから取得したパラメータを周波数成分に変換し、次に、2分後にさらに新たにセンサから取得したパラメータを周波数成分に変換し、次に、3分後にさらに新たにセンサから取得したパラメータを周波数成分に変換するようにしてもよい。
表示システム300は、各センサの周波数成分について、パワー順に表示する。図6の例では、パワーの順序として、1~3番目が表示される。図5および図6の例では、例えば、2018年2月15日13:03のセンサS2については、最もパワーが高い周波数成分は、0.41Hzであり、パワーが2番目に高い周波数成分は、29.63Hzであり、パワーが3番目に高い周波数成分は、35.17Hzであることが示されている。なお、センサS1と、センサS13とについては、パワーが3番目に高い周波数成分が空白とされているが、これは、3番目に高いパワーが基準値を超えていないことを示している。
また、情報処理装置100は、開始条件が成立したときに、処理を開始する。開始条件とは、例えば、生産設備1の稼働が開始するという条件としてもよい。また、開始条件とは、例えば、ユーザなどから開始指示が受付部160(図4参照)から入力されたときとしてもよい。
また、図6においては、センサS1が「基準」とされている。これは、センサS1が基準センサであることを示している。表示システム300の受付部160は、ユーザから基準センサの受付を可能としている。例えば、生産設備1が生産した対象物に異常が発生したときにおいて、該対象物の状態のパラメータを検出するセンサをユーザが基準センサとして判断する。受付部160が基準センサの受付を行わなかった場合、つまり、ユーザが表示システムに対して、基準センサを入力しなかった場合には、デフォルトのセンサが基準センサとして設定される。図6の例では、デフォルトのセンサは、S1である。なお、変形例として、表示システム300は、基準センサの設定を行わないようにしてもよい。基準センサについては、第2実施形態などでも説明する。
また、図6では、センサS2とセンサS13との間については、3点リーダが記載されている。この3点リーダは、センサS3~センサS12の表示が省略されていることを示す。つまり、第1実施形態の表示システムでは、全てのセンサ(S1~S13)についてのセンサ識別情報、および周波数成分を表示する。
なお、表示装置200の表示倍率などにより、表示されるセンサ識別情報の数は異なる。例えば、ユーザが表示倍率を大きくすることにより、周波数成分およびセンサ識別情報などの文字・数字が大きく表示されるが、表示されるセンサ識別情報の数は少なくなる。一方、ユーザが表示倍率を小さくすることにより、周波数成分、センサ識別情報などの文字・数字が小さく表示されるが、表示されるセンサ識別情報の数は多くなる。また、一画面で、全てのセンサ識別情報について表示されていない場合には、ユーザは横スクロールの操作を行うことにより、表示されていなかったセンサ識別情報および周波数成分を表示させることができる。
図6は、開始条件が生産設備1の稼働が開始するという条件である例を示したものである。図6の例では、測定時刻が、13:00および13:03であるときには、各センサが検出したパラメータの周波数成分は関連していない。図6に示すように、関連していない周波数成分のセルの枠は細線で示されている。
その後、測定時刻が13:06となったときに、センサS1が検出したパラメータの周波数成分と、センサS13が検出したパラメータの周波数成分とが関連したとする。図6の例では、センサS1が検出したパラメータの周波数成分と、センサS13が検出したパラメータの周波数成分とが共に、2.51Hzになったとする。
本実施形態の表示システム300は、関連する周波数成分と、該関連する周波数成分とは異なる周波数成分とをそれぞれ異なる態様で表示する。図6の例では、表示システム300は、関連する周波数成分のセルの枠を太線で表示する。また、表示システム300は、関連する周波数成分とは異なる周波数成分の枠を細線(太線とは異なる態様)で表示する。
図6の例では、表示システム300は、センサS1についての周波数成分2.51Hzと、センサS13についての周波数成分2.51Hzとを太線で表示する。表示システム300は、その他の周波数成分である「0.23」、「0.41」、「29.63」、「35.17」、「0.16」などのセルの枠線は細線で表示する。
図6に示すように、13時3分までは、各センサが検出した周波数同士は関連していなかったが、13時6分であるときには、センサS1が検出したパラメータの周波数成分とセンサS13が検出したパラメータの周波数成分とが関連したとする。この場合には、ユーザは、13時3分から13時6分の間に、生産設備1のいずれかの箇所で異常が発生したことを推定することができる。
図6の例では、センサS1の周波数成分と、センサS13の周波数成分とが関連している。したがって、異常振動が発生したと推測される構成部の候補は、「センサS1がパラメータ(温度)を検出しているパイプ7」と、「センサS13がパラメータ(回転数)を検出しているモータ14」である。ユーザは、パイプ7と、モータ14とを検査することにより、異常振動が発生した箇所を特定できる。なお、図6の例では、周波数成分が関連するセンサの数は、2つである例を示したが、周波数成分が関連するセンサの数は、3以上となる場合もある。この場合には、ユーザは、周波数成分が関連する3以上のセンサそれぞれがパラメータを検出する構成部を、異常振動が発生したと推測される構成部の候補として認識する。
また、図6では、関連する周波数成分が1種類(2.51Hz)である例を示した。例えば、関連する周波数成分が2種類以上存在する場合もある。この場合には、表示システムは、2種類以上の関連する周波数成分のそれぞれを異なる態様で表示する。例えば、関連する周波数成分が3種類である、例えば、関連する周波数成分が、2.51Hz以外に、「3.5Hz」、「8.2Hz」である場合には、表示システムは、これら関連する周波数成分以外の周波数成分のセルの枠を細線、該セル内の領域を第1色(白色)で示す。表示システムは、関連する周波数成分である「2.51Hz」のセルの枠を太線、該セル内の領域を第2色(青色)で示す。表示システムは、関連する周波数成分である「3.5Hz」のセルの枠を太線、該セル内の領域を第3色(赤色)で示す。表示システムは、関連する周波数成分である「8.2Hz」のセルの枠を太線、該セル内の領域を第4色(黄色)で示す。このように、表示システムは、関連する周波数成分の種類が2以上である場合であっても、該2種類以上の関連する周波数成分をユーザに適切に認識させることができる。
また、報知部158は、関連していない周波数成分が関連する周波数成分となったときに、報知処理(アラーム処理)を実行するようにしてもよい。報知処理は、例えば、情報処理装置100のスピーカから所定の報知音(例えば、ビープ音)を報知する処理としてもよい。また、表示装置200の表示領域に、報知画像を表示するようにしてもよい。報知画像は、例えば、「異常が発生しました」という画像を表示装置200に表示させる処理である。また、報知部158は、図示しない報知装置(例えば、パトランプ)を作動させるようにしてもよい。図6の例では、報知部158は、13時6分に報知処理を実行する。
[情報処理装置のハードウェア構成例]
図7は情報処理装置100のハードウェア構成例を示した図である。図2を参照して、情報処理装置100は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)101と、データを不揮発的に格納するROM(Read Only Memory)102と、データを揮発的に格納するRAM(Random Access Memory)103と、HDD(hard disk drive)104と、操作部105と、通信部106と、スピーカ107などを備える。
操作部105は、例えば、キーボードとマウスとを含む。ユーザは、操作部105を操作することにより、種々の情報を入力することができる。
HDD104は、不揮発性の半導体メモリである。HDD104は、CPU101が実行するオペレーティングシステムおよび各種のプログラム、各種のコンテンツおよびデータを格納している。また、HDD104は、情報処理装置100が生成したデータ、情報処理装置100の外部装置から取得したデータ等の各種データを揮発的に格納する。
通信部106は、外部機器と通信する。外部機器とは、例えば、13個のセンサS1~S13と、表示装置200とを含む。スピーカ107は、CPU101からの指令に応じて音を発生させる。例えば、報知部158は、スピーカ107を用いて報知処理を実行する。
情報処理装置100における処理は、各ハードウェアおよびCPU101により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、HDD104に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、メモリカードなどその他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットなどによってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、ICカードリーダライタその他の読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信IFを介してダウンロードされた後、HDD104に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU101によってHDD104から読み出され、さらにHDD104に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU101は、そのプログラムを実行する。
また、このプログラムは、HDD104、メモリカード、USBメモリなどのその他の記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアである。
なお、記憶媒体としては、DVD-ROM、CD-ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られず、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。
また、表示装置200、および後述する通知装置400が図7のハードウェア構成を備えるようにしてもよい。
[本実施形態の情報処理装置のフローチャート]
図8は、本実施形態の情報処理装置100の処理を示すフローチャートである。図8のフローチャートは、例えば、図6に示す測定時刻の到達時に実行される処理である。ステップST4において、取得部152は、13個のセンサからパラメータを取得する。次に、ステップST6において、変換部154は、13個のパラメータをそれぞれ周波数成分に変換する。次に、ステップST8において、13個の周波数成分のうちから、関連する周波数成分を特定する。次に、ステップST10において、特定部156は、表示信号を表示装置200に対して出力する。表示装置200は、該表示信号に基づいて、図6などの画面を表示する。
[本実施形態の表示システムが奏する効果]
次に、本実施形態の表示システム300が奏する効果について説明する。
(1) 本実施形態の表示システム300は、関連する周波数成分と、該関連する周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサ識別情報とを対応づけて表示する。したがって、ユーザは、異常振動が生じた構成部および該異常振動に基づく共振が生じた構成部を、ユーザに認識させることができる。つまり、異常振動が発生したと推測される構成部の候補をユーザに認識させることができる。よって、設備の異常個所をユーザが特定するために要する時間を減少させることができる。
特に、近年では生産設備は大規模化、および高速化している。仮に、生産物(製品)の異常が生じた場合において、設備の異常個所をユーザが特定するために要する時間が多大になると、ユーザが原因を解明して対策をとるまでに膨大な量の不良品を生産することになったり、生産設備を停止しても立ち上げ安定生産までに大量の廃棄物を生じたりすることになる。本実施形態では、表示システムが図6などの画面を表示することにより、ユーザ等は、生産設備での処理工程の改良、生産設備の改良、および生産設備の保守点検を行いやすくすることができる。
図6などの例では、表示システムは、マトリクス形式(表形式)で周波数成分などを表示した。変形例として、表示システムは、13個のセンサそれぞれのパラメータのグラフを表示するようにしてもよい。このグラフは、例えば、横軸が時間を示し、縦軸がパラメータを示すグラフ(図5(A)のようなグラフ)である。また、関連する周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサそれぞれのグラフを同一の色または近い色で表示し、該グラフ以外のグラフを異なる態様で表示するようにしてもよい。
また、表示システムは、図6の例では、センサをユーザが特定可能な情報として、センサ識別情報を表示する。しかし、表示システムは、センサをユーザが特定可能な情報であれば、センサ識別情報ではなく、他の情報を表示するようにしてもよい。例えば、表示システムは、センサが検出するパラメータについての構成部の名称、または構成部の識別情報を表示するようにしてもよい。また、表示システムは、センサの場所、または、該場所の識別情報を表示するようにしてもよい。また、表示システムは、センサの名称を表示するようにしてもよい。
また、表示システムは、生産設備1の略図を表示するようにしてもよい。表示システムは、生産設備の略図において、関連する周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサを、該センサ以外とは異なる態様で表示するようにしてもよい。また、関連する周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサの近傍に、該センサが検出したパラメータの周波数成分を特定可能に表示するようにしてもよい。
また、表示システムは、周波数成分を表示せずに、関連する周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサを特定可能に通知するようにしてもよい。また、表示システムは、関連する周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサを表示ではなく、音(音声)によりユーザに通知するようにしてもよい。このように、表示システムは、関連する周波数成分を表示(通知)せずに、関連する周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサを特定可能に通知することにより、通知対象の情報を最小限にすることができる。したがって、関連する周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサを、ユーザは明確に認識できる。
(2) また、図3に示すように、複数のセンサ(13個のセンサ)は、互いに異なる種類のパラメータを検出する複数のセンサを含む。図3の例では、13個のセンサで検出できるパラメータは、温度、回転数、振動数、圧力、流量、変位量、厚みという7種類のパラメータを検出できる。つまり、13個のセンサは、温度を検出するセンサS1と、回転数を検出するセンサS2と、振動数を検出するセンサS3と、圧力を検出するセンサS4と、流量を検出するセンサS5と、変位量を検出するセンサS7と、厚みを検出するセンサS10とを含む。センサS1と、センサS2と、センサS3と、センサS4と、センサS5と、センサS7と、センサS10とが、互いに異なる種類のパラメータを検出する複数のセンサとなる。本実施形態の表示システム300は、互いに異なる種類のパラメータを用いて、関連する周波数成分が特定されることから、全て同一のパラメータを用いて関連する周波数成分を特定する表示システムと比較して、関連する周波数成分を多角的に特定できる。
(3) また、表示システム300は、関連する周波数成分(図6では、2.51)のセルの枠を太線で表示し、関連する周波数成分とは異なる周波数成分のセルの枠を細線で表示する。つまり、表示システム300は、関連する周波数成分と、関連する周波数成分とは異なる周波数成分とをそれぞれ異なる態様で表示する。したがって、表示システム300は、関連する周波数成分をユーザに明確に認識させることができる。
また、異なる態様については、以下のようにしてもよい。異なる態様は、センサ識別情報の文字および周波数成分の文字(数字)の少なくとも一方の色が異なるとしてもよい。また、異なる態様は、センサ識別情報が表示されたセルおよび周波数成分の文字(数字)が表示されたセルの少なくとも一方の表示態様(例えば、色)が異なるとしてもよい。また、異なる態様は、センサ識別情報の文字および周波数成分の文字(数字)の少なくとも一方を点滅表示させる、および該一方を点滅表示させないとしてもよい。
(4) また、表示システム300は、例えば、情報処理装置100が、関連する周波数成分と、センサ識別情報との他に、情報処理装置100が13個のセンサからパラメータを取得した時刻をも表示する。したがって、例えば、関連していない周波数成分が関連する周波数成分となった時刻、つまり、異常が発生した可能性が高い時刻をユーザに認識させることができる。
(5) また、表示システム300の報知部158は、関連していない周波数成分が関連する周波数成分となったときに、報知処理を実行するようにしてもよい。この報知処理により、関連していない周波数成分が関連する周波数成分となった旨、つまり、異常が発生した可能性が高い旨をユーザに認識させることができる。
(6) また、表示システムは、図6などに示すように、センサ識別情報のみではなく、周波数成分をも表示する。したがって、本実施形態の表示システムでは、センサ識別情報のみならず、周波数成分などの細かい情報もユーザに認識させることができる。
<第2実施形態>
[本実施形態の表示システムについて]
次に、第2実施形態の表示システム300Aを説明する。生産設備1が正常に稼働している場合には、厚み計であるセンサS10が検出する厚みの時間経過に基づく変化量(ムラ)は、基準量未満となる。しかしながら、時間経過に基づく変化量が、基準量以上である場合(膜厚ムラが生じた場合)には、生産設備1に異常が生じている可能性が高い。
表示システム300Aは、所定期間(例えば、1日)における所定のセンサが所定時間毎に検出した全てのパラメータを情報処理装置100の記憶部162(例えば、HDD104)またはデータロガーに記憶させる。ユーザは、該記憶領域に記憶されたパラメータのうち、膜厚ムラが生じたか否かを直感的に判別できるパラメータ(例えば、センサS10が検出する厚み)を視認することにより、膜厚ムラが生じたか否かを判断する。これにより、ユーザは、生産設備1での生産処理に異常が生じているか否かを判断することができる。また、生産設備1での生産処理に異常が生じている場合には、該異常が生じたと推定される時刻、つまり、変化量が基準量以上となった時刻をユーザは、視認できる。変化量が基準量以上となった時刻は、2018年4月15日13:15であるとする。
ユーザは、受付部160に対して、日時情報と、情報処理装置100Aの処理を開始させる開始指定とを入力する。日時情報と、開始指定とをまとめて「指定」ともいう。また、この指定とともに、センサS1~センサS13のうちから基準センサを、受付部160から指定できる。基準センサは、如何なるセンサであってもよい。例えば、基準センサは、センサS10により検出される厚みの変動に直接起因する構成部(異常に直接起因する構成部)のパラメータを検出するセンサである。生産設備1では、厚みの変動に直接起因する構成部は、塗工ロール8である。また、該塗工ロール8のパラメータ(変位量)を検出するセンサは、センサS7である。つまり、ユーザが、基準センサとしてセンサS7を指定したとする。
情報処理装置100Aの受付部160は、ユーザからの指定を受付けると、変換部154は、該指定に含まれる日時情報を特定する。変換部154は、該日時情報から特定される日時の所定期間前と、該日時の所定期間後それぞれの期間における13個のセンサが検出したパラメータの各々を、周波数成分に変換する。この所定期間は、予め定められた期間である。また、この所定期間は、ユーザが変更できる期間としてもよい。本実施形態の所定期間は、9分であるとする。つまり、変換部154は、該日時情報から特定される日時(2018年4月15日13:15)から9分前までの期間と、該日時から9分後までの期間とにおける13個のセンサが検出したパラメータの各々を、周波数成分に変換する。特定部156は、13個の周波数成分の各々のうちから、関連する周波数成分を特定する。以下では、基準センサが検出したパラメータの周波数成分を「基準周波数成分」という。
本実施形態では、特定部156は、基準周波数成分に関連する周波数成分を特定する。特定部156が表示装置200に対して送信する表示信号は、基準センサの識別情報と、基準周波数成分と、基準周波数成分に関連する周波数成分と、該周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサの識別情報とを含む信号である。
表示装置200は、特定部156が送信された表示信号に基づいた画面を表示する。図9はこの画面の一例を示す図である。図9に示すように、表示装置200は、指定された日時(2018年4月15日13:15)から9分前までの期間と、該日時から9分後までの日時、つまり、2018年4月15日13:06~2018年4月15日13:24までの期間での情報を表示する。また、経過時間は、3分であるとする。
図9の例では、表示装置200は、基準センサの識別情報としてセンサS7とともに、該センサS7についての1番目のパワー、2番目のパワー、3番目のパワーそれぞれについての周波数成分(基準周波数成分)を表示する。また、表示装置200は、基準センサの識別情報と、基準周波数成分と、基準周波数成分に関連する周波数成分と、該周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサの識別情報とを表示する。一方、表示装置200は、基準周波数成分に関連しない周波数成分と、該周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサの識別情報とは表示しない。
本実施形態では、基準センサであるセンサS7の基準周波数成分である0.31Hzと、センサS8の2番目のパワーの周波数成分である0.31Hzと、センサS4の1番目のパワーの周波数成分である0.31Hzとが関連している。したがって、表示装置200は、センサS7、センサS8、およびセンサS4の各々の基準周波数成分である0.31Hzを他の周波数成分とは異なる態様で表示する。図9の例では、表示装置200は、0.31Hzのセルの枠線を太線で表示する。
ユーザは、図9の画面を視認することにより、時刻13:12において、センサS7、センサS8およびセンサS4について、0.31Hzである周波数成分が互いに関連することを認識できる。ユーザは、センサS7、センサS8、およびセンサS4それぞれがパラメータを検出している構成部(異常が生じた構成部の候補)を調べることにより、異常が発生した構成部を特定できる。ここでは、センサS7がパラメータを検出する塗工ロール8、センサS8がパラメータを検出するブレード10、およびセンサS4がパラメータを検出するパイプ7それぞれを点検することにより、これらの構成部に異常が生じているか否かを検査する。
ここでは、パイプ7内の圧力が変動していることにより、塗工ロール8がブレていることをユーザは特定した。また、時刻13:12辺りで、作業者が、液体貯蔵部2に対して水の追加を行い、液体貯蔵部2内の圧力およびパイプ7内の圧力が変化していることに起因していることもユーザは特定した。ユーザは、液体貯蔵部2に対して追加する水の量を減少させるとともに、追加する頻度を増加することにより、液体貯蔵部2内の圧力変化およびパイプ7内の圧力変化を抑制して、パイプ7内の圧力の変動、つまり、塗工ロール8のブレを抑制できた。
図10は、本実施形態の情報処理装置100Aの処理を示すフローチャートである。ステップST4の前に、ステップST2の処理が実行される。情報処理装置100Aは、ステップST2において、受付部160がユーザからの指定を受付けたか否かを判断する。情報処理装置100Aは、受付部160がユーザからの指定を受付けたと判断するまで、ステップST2の処理を繰返す(ステップST2でNO)。また、情報処理装置100Aは、受付部160がユーザからの指定を受付けたと判断したときに(ステップST2でYES)、情報処理装置100Aの処理は、ステップST4に進む。
[本実施形態の表示システム300Aが奏する効果]
(1) 本実施形態の表示システム300Aの受付部160は、情報処理装置100Aは、ユーザからの指定が入力されたときに、処理を開始する。典型的には、ユーザからの指定が入力されたときに(図10のステップST2参照)、取得部152は、13個のセンサの各々のパラメータを取得する。また、ユーザからの指定が入力されたときに(図10のステップST2参照)、変換部154は、13個のセンサの各々のパラメータを周波数成分に変換するようにしてもよい。これにより、例えば、ユーザが生産設備1での異常を発見したときに、指定を入力することにより、情報処理装置100Aは処理を開始することから、常時、情報処理装置が処理を実行する表示システムと比較して、処理コストを削減できる。
(2) また、本実施形態の表示システム300Aの受付部160は、複数のセンサのうちの基準センサの指定を受付ける。さらに、図6に示すように、表示装置200は、基準センサ(センサS7)が検出したパラメータから変換された基準周波数成分と、該基準センサを特定可能な情報と、該基準周波数成分に関連する周波数成分と、該周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサを特定可能な情報(センサS8とセンサS4)とを表示する。典型的には、表示装置200は、これら4つの情報(基準センサが検出したパラメータから変換された基準周波数成分と、該基準センサを特定可能な情報と、該基準周波数成分に関連する周波数成分と、該周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサを特定可能な情報)をそれぞれ近傍の位置関係となるように、該これら4つの情報を表示する。
したがって、例えば、ユーザが、異常に直接起因する構成部(例えば、塗工ロール8)を推定した場合などに、該構成部のパラメータを検出するセンサを基準センサとできる。また、ユーザは、基準センサが検出したパラメータから変換された基準周波数成分と、該基準周波数成分に関連する周波数成分とを認識できる。したがって、ユーザは、異常に直接起因する構成部のパラメータの周波数成分(基準周波数成分)と、該基準周波数成分に関連する周波数成分とを認識することができる。
(3) また、図9に示すように、表示装置200は、基準センサと、基準周波数成分と、該基準周波数成分に関連する周波数成分と、該周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサ(以下、「関連センサ」という。)とを表示する。一方、表示装置200は、該センサおよび基準センサ以外のセンサ(以下、「他のセンサ」という。)と、該他のセンサが検出したパラメータから変換された周波数成分は表示しない。仮に、表示装置200が、他のセンサと、該他のセンサが検出したパラメータから変換された周波数成分をも表示すると、表示される情報量が多くなることから、ユーザは、関連する周波数成分を認識し難くなってしまう。そこで、表示装置200は、他のセンサ(センサS7、S8、S4以外のセンサ)、および他のセンサが検出したパラメータから変換された周波数成分は、表示しない。これにより、表示システム300Aは、関連する周波数成分をユーザに認識させ易くできる。
(4) また、特定部156は、基準周波数成分に関連する周波数成分を特定する。表示装置200は、該特定された関連する周波数成分などを表示する。したがって、例えば、基準周波数成分に関連する周波数成分をユーザが特定する表示システムと比較して、ユーザの負担を軽減できる。
なお、変形例として、ユーザ(ユーザ)が、基準周波数成分に関連する周波数成分を特定するようにしてもよい。例えば、図6に示すように、全てのセンサS1~S13、およびセンサS1~S13それぞれについての周波数成分が表示されている画面において、ユーザは、基準周波数成分に関連する周波数成分と、該周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサ識別情報とのうちのいずれか一方を指定する。該指定の手法として、例えば、表示画面に表示されているポインタ(図示せず)を、マウスなどにより、基準周波数成分に関連する周波数成分のセル、または該周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサ識別情報のセルに合わせる。その後、ユーザは、マウスのクリック動作などにより、該ポインタが位置しているセルの周波数成分またはセンサ識別情報を指定できる。
基準周波数成分に関連する周波数成分と、該周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサ識別情報とのうちのいずれか一方を受付部160が受付けると、表示システムは、基準周波数成分に関連する周波数成分についてのセンサ識別情報と、該基準周波数成分に関連する周波数成分との情報を、基準センサの隣のセルに移動させる。新たに、基準周波数成分に関連する周波数成分と、該周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサ識別情報とのうちのいずれか一方を受付部160が受付けると、表示システムは、該基準周波数成分に関連する周波数成分についてのセンサ識別情報と、該基準周波数成分に関連する周波数成分との情報を、該隣のセルのさらに隣のセルに、表示させる。このような構成であっても、表示装置200は、図9のような画面を表示できる。このような構成であれば、ユーザは、全てのセンサについての周波数成分を視認できつつ、表示装置200は、図9のような画面を表示できる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の表示システム300Cを説明する。第1実施形態では、情報処理装置100が処理を開始する条件は、生産設備1が稼動するという条件であるとして説明した。第2実施形態では、情報処理装置100Aが処理を開始する条件は、ユーザからの指定が入力されるという条件(図10参照)であるとして説明した。第3実施形態では、情報処理装置100Cが処理を開始する条件は、センサS1~S13が検出したパラメータのうち少なくとも1つのパラメータが異常パラメータであるという第1条件を含む。センサS1~S13が検出したパラメータそれぞれについて異常パラメータを予め定めておく。該異常パラメータは、例えば、記憶部162に記憶されている。異常パラメータは、通常のパラメータよりも極端に値が大きいパラメータ、および通常のパラメータよりも極端に値が小さいパラメータを含む。例えば、センサS10である変位計については、塗布剤の膜厚の正常範囲が予め定められる。正常範囲の上限値以上の値、および正常範囲の下限値以下の値それぞれが異常パラメータの値となる。
図11は、第3実施形態の情報処理装置100Cのフローチャートである。図11の例では、情報処理装置100Cは、ステップST4の処理終了後、ステップST20において、13個のセンサS1~S13の各々が検出したパラメータ(ステップST4で取得部152が取得したパラメータ)のうちの少なくとも1つが異常パラメータとなったか否かを判断する。
ステップST20において、情報処理装置100Cが、13個のセンサS1~S13の各々が検出したパラメータのうちの少なくとも1つが異常パラメータとなったと判断した場合には(ステップST20でYES)、情報処理装置100Cの処理は、ステップST6に進む。また、ステップST20において、情報処理装置100Cが、13個のセンサS1~S13の各々が検出したパラメータのいずれのパラメータも異常パラメータとはならなかったと判断した場合には(ステップST20でNO)、情報処理装置100Cの処理は、終了する。
第3実施形態の情報処理装置100Cは、13個のセンサS1~S13の各々が検出したパラメータのうちの少なくとも1つが異常パラメータとなったと判断した場合に、ST6以降の処理を実行する。したがって、ユーザが、生産設備1の異常に気付かない場合であっても、図6などの画面を表示させることができる。情報処理装置100Cは、ST4で取得したパラメータが、異常パラメータとなったと判断した時点(ST20でYESと判断された時点)から特定の時間(例えば5分)遡って、ST6以降の処理を実行することが好ましい。遡る時間は任意に決められるが、0.5~60分が好ましい。
次に、第3実施形態の情報処理装置100Cの異なる処理を説明する。図12は、情報処理装置100Cの異なる処理のフローチャートである。
図12の例では、情報処理装置100Cは、ST6の処理が終了した後に、ST22の処理を実行する。情報処理装置100Cは、ステップST22において、13個のセンサS1~S13の各々が検出したパラメータの周波数成分(ST6で変換された周波数成分)が異常周波数成分であるか否かを判断する。異常周波数成分は、例えば、パラメータの周波数成分において、新たな周波数成分が出現することにより、最もパワー(強度)の強い周波数成分が2番目以降(好ましくは、3番目)にパワーが強い周波数成分に変わった場合に、該新たに出現した周波数成分を異常周波数成分である。また、異常周波数成分は、予め定められた異常周波数成分としてもよい。予め定められた異常周波数成分は、例えば、実験的に、求められた周波数成分である。
ステップST22において、情報処理装置100Cが、13個のセンサS1~S13の各々が検出したパラメータの周波数成分のうちの少なくとも1つが異常周波数成分となったと判断した場合には(ステップST22でYES)、情報処理装置100Cの処理は、ステップST8に進む。また、ステップST22において、情報処理装置100Cが、13個のセンサS1~S13の各々が検出したパラメータの周波数成分のいずれの周波数成分も異常周波数成分とはならなかったと判断した場合には(ステップST22でNO)、情報処理装置100Cの処理は、終了する。
第3実施形態の情報処理装置100Cは、13個のセンサS1~S13の各々が検出したパラメータの周波数成分のうちの少なくとも1つが異常周波数成分となったと判断した場合に、ST8以降の処理を実行する。したがって、ユーザが、生産設備1の異常に気付かない場合などであっても、図6などの画面を表示させることができる。情報処理装置100Cは、ST6で変換された周波数成分が異常周波数成分であると判断した時点(ST22でYESと判断された時点)から特定の時間(例えば5分)遡って、ST8以降の処理を実行することが好ましい。遡る時間は任意に決められるが、0.5~60分が好ましい。
<第4実施形態>
第1実施形態および第2実施形態の表示システムは、異常振動が発生したと推測される構成部の候補をユーザに認識させるものである。第4実施形態では、異常振動が発生したと推測される構成部をユーザに認識させる通知システムを説明する。
図13は、第4実施形態の通知システムが、用いるテーブル(対応情報)の一例を示した図である。図13のテーブルは、検出したパラメータの周波数成分が関連するセンサ(周波数成分が関連するセンサ)と、異常発生箇所(振動発生箇所)とが予め対応付けられている。図13の例では、周波数成分が関連するセンサとして、「センサS7、センサS8、センサS4」が規定されていると共に、これらのセンサに、異常発生箇所としてパイプ7が対応付けられている。これは、周波数成分が関連するセンサが、「センサS7、センサS8、センサS4」であるときには、異常発生箇所はパイプ7である、または、異常発生箇所がパイプ7である可能性が高いことを示している。図13の例では、他の「周波数成分が関連するセンサ」については3点リーダで省略されているが、他の「周波数成分が関連するセンサ」についても規定するようにしてもよい。
図13のテーブルは、ユーザが、過去の経験などに基づいて、構築するようにしてもよい。また、通知システムが機械学習などにより、図13のテーブルを構築するようにしてもよい。
図14は、第3実施形態の通知システム500の機能構成例を示す。第1実施形態および第2実施形態の表示システムと異なる点は、情報処理装置100Cが通知装置400(通知部)に接続されている点である。通知装置400は、発光装置(例えば、パトランプ)と、音出力装置と、第1実施形態および第2実施形態で説明した表示装置200などのうち少なくとも1つを含む。
記憶部162には、図13で説明したテーブルが予め格納されている。特定部156は、変換部154により変換された複数の周波数成分の各々のうちから、関連する周波数成分を特定すると、図13のテーブル表を参照して、該特定された周波数成分に対応する異常発生箇所を特定する。特定部156は、該特定した異常発生箇所を示す通知信号を通知装置400に送信する。
通知装置400は、送信された通知信号に基づいて異常発生箇所を通知する。通知装置400は、表示装置に「パイプに異常が発生しております」という文字を表示させる。また、通知装置400は、発光装置を発光させる。また、通知装置400は、音出力装置から、「パイプに異常が発生しています」という音を出力させる。これらの通知処理により、ユーザに、異常発生箇所を認識させることができる。なお、通知装置400は、異常発生箇所を特定可能な情報であれば、他の態様で通知するようにしてもよい。例えば、通知装置400は、生産設備1の略図を示すとともに、概略図での異常発生箇所を特定色で表示するようにしてもよい。
図15は、第3実施形態の情報処理装置100Cのフローチャートである。情報処理装置100Cは、ステップST8の処理が終了すると、ステップST30において、図13のテーブル表を参照して、特定された周波数成分(ステップST8で特定された周波数成分)に対応する異常発生箇所を特定する。次に、ステップST32において、特定部156は、該特定された異常発生箇所を示す表示信号を通知装置400に送信する。
本実施形態の通知システムであれば、異常発生箇所、または、異常が発生している可能性が高い箇所をユーザに直接的に認識させることができる。したがって、設備の異常個所をユーザが特定するために要する時間を減少させることができる。
[その他の実施形態]
次に、その他の実施形態を説明する。図4の例では、表示装置200と、情報処理装置100とは別の装置であるとして説明した。しかしながら、表示装置200と、情報処理装置100とは同一の装置としてもよい。例えば、情報処理装置100が、表示装置200の少なくとも一部の機能を有するようにしてもよい。
また、図14の例では、通知装置400と、情報処理装置100Cとは別の装置であるとして説明した。しかしながら、通知装置400と、情報処理装置100Cとは同一の装置としてもよい。例えば、情報処理装置100Cが、通知装置400の少なくとも一部の機能を有するようにしてもよい。
[変形例]
本発明は、上記の実施例に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
(1) 本実施形態では、13個のセンサの各々が、生産設備1の13個の箇所に設置されるとして説明した。しかしながら、センサの数(センサが設置される箇所の数)は、他の数としてもよい。例えば、センサの数は「2」としてもよい。また、センサの数は3以上としてもよい。より好ましくは、センサの数は、5個以上であり、さらに好ましくは8個以上であり、特に好ましくは10個以上である。センサの数の上限に制限は無いが、多すぎると、表示されるセンサのデータ(図6など参照)も多すぎる結果となり、ユーザは解析が行いにくくなる。センサの数の上限は好ましくは1000個であり、より好ましくは500個であり、さらに好ましくは200個であり、特に好ましくは100個であり、最も好ましくは50個である。なお、一つのシステムとしてとは、複数のセンサと、情報処理装置と、表示装置とを1つのシステム(表示システム、および通知システム)とした場合に、1つの生産設備に複数のシステムを取り付けるようにしてもよい。また、該複数のシステムにおいて、センサの個数の合計数上限を超えてもよい。
(2) 本実施形態では、図3に示すように複数(13個)の検出部(センサ)は、互いに異なる種類のパラメータ(例えば、温度と圧力)を検出する検出部を含む、として説明した。しかしながら、複数の検出部の各々は全て異なるパラメータを検出するようにしてもよい。また、複数の検出部の各々は全て同一のパラメータを検出するようにしてもよい。
(3) また、各実施形態のうち1の実施形態で説明した技術思想の少なくとも一部は、他の実施形態で適用するようにしてもよい。例えば、第3実施形態で説明した「センサにより検出されたパラメータが異常パラメータであることを契機に、情報処理装置の処理が開始する」という思想を例えば、他の実施形態(例えば、第1実施形態)に適用するようにしてもよい。また、第2実施形態で説明した「関連する周波数成分とは異なる周波数成分を表示しない(図9参照)」という思想を、第1実施形態で適用するようにしてもよい。
(4) 前述の実施形態の表示システムでは、基準センサをユーザに入力させる構成を採用するとして説明した。しかしながら、基準センサをユーザに入力させない構成としてもよい。この場合には、例えば、全てのセンサのセンサ識別情報、および該全てのセンサの周波数成分を表示して、該全てのセンサのセンサ識別情報、および該全てのセンサの周波数成分のうち少なくとも1つをユーザに指定させる構成としてもよい。表示システムは、センサ識別情報が指定されたとすると、該センサ識別情報から特定されるセンサの周波数成分と、該周波数成分に関連する周波数成分とを関連する周波数成分として表示する。また、表示システムは、周波数成分が指定されたとすると、該指定された周波数成分と、該周波数成分に関連する周波数成分とを関連する周波数成分として表示する。
また、表示システムは、センサ識別情報、およびセンサの周波数成分を指定させるのではなく、表示システムが、互いに関連する周波数成分を特定し、該特定された関連する周波数成分、および該関連する周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサを表示するようにしてもよい。このような構成であれば、ユーザに指定をさせる必要がないことから、ユーザの負担を軽減できる。また、表示システムは、特定された関連する周波数成分を表示せずに、該関連する周波数成分が得られたパラメータを検出したセンサを表示するようにしてもよい。
(5) また、異常が生じている確率(信頼性)の観点で、パワーの高い周波数成分が関連している場合の方が、パワーの低い周波数成分が関連している場合よりも、該異常が生じている確率が高い生産設備がある。本実施形態の表示システムがこのような生産設備に設置されている場合において、表示システムは、パワーの高い周波数成分が関連している場合には、該関連しているパワーの高い周波数成分を、他の周波数成分とは異なる態様で表示するようにしてもよい。これにより、該異常が生じている確率が高い箇所をユーザに認識させることができる。
(6) また、生産設備1に異常が生じていない場合であっても、各構成部のパラメータの周波数成分は関連する場合がある。このような場合であっても、表示システムは、該関連する周波数成分を、該関連する周波数成分とは異なる周波数成分とは異なる態様で表示するようにしてもよい。これにより、生産設備1に異常が生じているか否かに関わらず、表示処理を共通化できることから、表示システムの処理負担を軽減できる。
また、表示システムが、生産設備1に異常が生じていないと判断した場合、例えば、表示システムが、センサが取得したパラメータのいずれもが異常パラメータではないと判断した場合には、関連する周波数成分を、該関連する周波数成分とは異なる周波数成分とを同一の態様で表示するようにしてもよい。さらに、生産設備1に異常が生じていると判断した場合、例えば、表示システムが、センサが取得したパラメータが異常パラメータであると判断した場合には、関連する周波数成分を、該関連する周波数成分とは異なる周波数成分とを異なる態様で表示するようにしてもよい。これにより、ユーザに生産設備1に異常が生じたことを認識させることができる。
今回開示された各実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。