JP7051175B1 - 評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】試験対象素材の評価方法及び評価用培地を提供すること。【解決手段】本発明は1種以上の腸内細菌を含むヒト便検体と、試験対象素材と、前記腸内細菌により代謝され、有害物質を生成する代謝基質物質と、を培地中で培養する培養ステップと、培養後の培養液に含まれる代謝物をメタボローム解析する解析ステップとを含むことを特徴とする、試験対象素材の評価方法に関する。また、腸内細菌の培養が可能な培地と、前記腸内細菌により代謝され、有害物質を生成する代謝基質物質とを含むことを特徴とする、試験対象素材の作用を評価するための評価用培地に関する。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用 刊行物 2019年11月02日(02.11.2019)第24回日本食物繊維学会学術集会講演要旨集 一般社団法人日本食物繊維学会事務局
特許法第30条第2項適用 刊行物 2019年09月06日(06.09.2019)2019年Keystone sym予稿集 登録者へメールで配布
本発明は、試験対象素材の腸内環境に対する作用を評価する方法、及びそのための培地に関する。
ヒトの腸管内では多種多様な細菌が存在し、これらは腸内細菌叢と呼ばれる。腸内細菌叢の構成は食習慣や年齢などによって個々人により異なり、健康に対して様々な作用を及ぼすことが知られている。また、食品や医薬品の健康に対する効果は、腸内細菌叢の変化や、それにともなう腸内細菌の代謝物の増減に大きく関係している場合があることが報告されている。
一般に、食品等の機能性成分の機能性・安全性の評価は、ラットやマウス等の実験動物への当該成分の経口投与試験やヒトに対する介入試験にて行われている。しかしながら、実験動物を用いた経口投与試験で得られた結果は、ヒトの腸内環境を反映しているとはいえない場合があった。また、ヒトに対する介入試験では、ヒトを対象とした試験なので手続面の困難性・煩雑性等により、費用が高額になる場合が多いことや、研究期間が長期化すること等が問題点として挙げられる。したがって、ヒトの介入試験を実施する前に、食品や医薬品などの試験対象素材の腸内環境に及ぼす作用を簡便にスクリーニングする手法が望まれている。さらに、経口摂取した場合には胃や小腸で消化・吸収されるような食品や物質等であっても、大腸に到達した場合には腸内環境に有益な効果をもたらす可能性もあるが、動物試験やヒトに対する介入試験で経口摂取した場合には、大腸崩壊性カプセルなどを用いなければそのような仮説を検証することはできない。したがって、上記スクリーニングは、様々な食品や物質を直接大腸に送達した場合の事象を評価できるとなおよいため、試験管内で大腸を模倣したような環境で行われることが望ましい。
特許文献1には、実際の腸内細菌叢に類似した微生物多様性を維持する腸管模倣培養装置が提案されている。特許文献1では、腸管模倣培養装置に腸管上皮を模倣した構造物を組み込むことにより、微生物の多様性を増すことができることが開示されている。
特開2012-34589号公報
特許文献1に記載の技術は、腸管模倣培養装置が記載されているが、試験対象素材の作用を効率的に評価できることは記載されていない。そこで本発明は、食品や医薬品候補化合物などの試験対象素材の腸内環境に対する影響を効率的に評価することが可能な評価方法を提供することを一つの目的とする。本発明は、腸内細菌により代謝される代謝基質物質を添加した培地中で便と試験対象素材とを培養し、メタボローム解析を実施することにより、試験対象素材の腸内環境に対する影響を評価することができる。
本発明によれば、1種以上の腸内細菌を含む便検体と、試験対象素材と、前記腸内細菌により代謝される代謝基質物質と、を培地中で培養する培養ステップと、培養後の培養液に含まれる代謝物をメタボローム解析する解析ステップとを含むことを特徴とする、試験対象素材の評価方法が得られる。
本発明によれば、試験対象素材の腸内環境に対する作用を効率的に評価することができる。
本発明の実施の形態による評価方法の概要図である。 実施例1の結果(OD値)を示す図である。 実施例2の結果(OD値)を示す図である。 実施例2の結果(細菌叢の属組成)を示す図である。 実施例2の結果(各サンプル間の距離情報)を示す図である。 実施例3の結果(OD値)を示す図である。 実施例4の結果(細菌叢の属組成)を示す図である。 実施例4の結果(スピアマン距離)を示す図である。 実施例5で用いた便検体の細菌叢に関する図である。 実施例5の結果(マイクロバイオーム)を示す図である。 実施例5の結果(メタボローム)を示す図である。 実施例5の結果(相関関係)を示す図である。 実施例6の結果(マイクロバイオーム)を示す図である。 実施例6の結果(ヒートマップ)を示す図である。 実施例6の結果(メタボローム)を示す図である。 実施例6の結果(メタボローム)を示す図である。 実施例6の結果(ヒートマップ)を示す図である。 実施例7の結果を示す図である。
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、以下のような構成を備える。
[項目1]
1種以上の腸内細菌を含む便検体と、
試験対象素材と、
前記腸内細菌により代謝される代謝基質物質と、を培地中で培養する培養ステップと、
培養後の培養液に含まれる代謝物を解析する解析ステップとを含むことを特徴とする、試験対象素材の評価方法。
[項目2]
前記代謝基質物質は、前記腸内細菌により代謝され、健康状態に悪影響を及ぼすことを特徴とする、項目1に記載の評価方法。
[項目3]
前記代謝基質物質は、少なくとも胆汁酸を含む、項目1に記載の評価方法。
[項目4]
前記代謝基質物質は、少なくともコリン、カルニチン、グリココール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸、ヒスチジン、フェニルアラニンから選ばれる少なくとも1つを含む、項目1に記載の評価方法。
[項目5]
前記代謝基質物質は、コリン、カルニチンから選ばれる少なくとも1つと、グリココール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸から選ばれる少なくとも1つを少なくとも含む、項目2に記載の評価方法。
[項目6]
前記代謝基質物質は、少なくともコリン、カルニチン、グリココール酸、及びタウロコール酸を含む、項目3に記載の評価方法。
[項目7]
腸内細菌叢の類似度の指標に基づいて、複数の前記便検体の組合せを選択する便検体選択ステップをさらに備える、項目1~6のいずれかに記載の評価方法。
[項目8]
前記便検体選択ステップは、異なるエンテロタイプの前記便検体が含まれるように前記ヒト便検体の組合わせを選択する、項目7に記載の評価方法。
[項目9]
前記便検体選択ステップは、全てのペアのWeighted UniFrac distanceがいずれも0.3以上になるように前記便検体の組合わせを選択する、項目7に記載の評価方法。
[項目10]
前記便検体選択ステップは、異なるエンテロタイプに属する便検体のペアのWeighted UniFrac distanceがいずれも0.4以上になるように前記便検体の組合わせを選択する、項目7に記載の評価方法。
[項目11]
前記培地には、炭素源材料が添加されていないことを特徴とする、項目1~10のいずれかに記載の評価方法。
[項目12]
腸内細菌の培養が可能な培地と、前記腸内細菌により代謝される代謝基質物質とを含むことを特徴とする、試験対象素材の作用を評価するための評価用培地。
図1に、本実施の形態における評価方法の概要を示す。本評価方法では、嫌気培養システムを用い、便懸濁液と試験対象素材とを混合した便-試験対象素材混合液を培養し、無添加での培養と比較して細菌叢・代謝物質のプロファイルがどのように変動したか解析を行う。
本実施の形態において試験対象素材とは、動物の腸内環境に作用する可能性のある素材であれば特に制限はなく、食品、食品由来の生理活性物質、食品添加物、飲料、微生物(細菌、真菌等。死菌体や菌体由来の抽出物も含む)、医薬品、医薬品に準ずる化合物、及びこれらの混合物であってよい。
本実施形態における培地には、代謝基質物質の少なくとも一つを含む。代謝基質物質とは、ヒトの腸内細菌により代謝されうる基質物質である。特に、ヒトの腸内細菌により代謝されることによって腸内環境や健康に有害な物質を生成するなど、健康状態に悪影響を及ぼす代謝基質物質を使用することができる。これらの代謝基質物質として、コリン、カルニチン、ヒトが分泌する抱合胆汁酸(グリココール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸)、ヒスチジン、フェニルアラニン等を使用することができる。
なお、コリンやカルニチンは、腸内細菌により代謝されるとトリメチルアミンとなるが、トリメチルアミンは、門脈を介して肝臓に運ばれ、肝酵素フラビン・モノオキシゲナーゼ3(FMO3)により酸化されトリメチルアミンNオキシド(TMAO)となり血液中を循環する。血液中を循環するTMAOは、動脈硬化進展にかかわるマクロファージの泡沫化を促進することが知られている。また、グリココール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸などの胆汁酸は、腸内細菌によりデオキシコール酸やリトコール酸などの二次胆汁酸へと変換される。二次胆汁酸には、大腸がん促進作用や細胞障害作用が報告されている。ヒスチジンは、腸内細菌により代謝され、イミダゾールプロピオン酸となる。イミダゾールプロピオン酸はインスリンシグナル伝達を阻害することで耐糖能の悪化につながることが報告されている。フェニルアラニンも腸内細菌により代謝されフェニル酢酸となり、門脈を介して肝臓に運ばれ、肝臓のアミノ基転移酵素によりフェニルアセチルグルタミンやフェニルアセチルグリシンとなる。これらは血液中を循環し、血小板に作用することで血栓症や動脈硬化、心不全を引き起こすことが報告されている。
本実施の形態において、代謝基質物質として特にコリン、カルニチン、グリココール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸、ヒスチジン、フェニルアラニンから選ばれる少なくとも1つを含んでいることが好ましい。また、コリン、カルニチンの少なくともいずれか、及び、グリココール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸から選ばれる少なくともいずれか、の少なくとも2種を含むことがより好ましく、コリン、カルニチン、グリココール酸、タウロコール酸を含むことが特に好ましい。
また、代謝基質物質として、腸内細菌により代謝されることによって腸内環境や健康に良い効果をもたらす物質を生成する代謝基質物質を使用することもできる。例えば、食物繊維やオリゴ糖等を使用することもできる。
培地は、腸内細菌が増殖可能な培地であれば特に制限はない。例えば、YCFA培地やGAM培地、BBL培地、SOC培地、LB培地などの培地を使用可能であり、これらの既知の培地を改変した培地、混合した培地を使用することができる。また、特定の腸内細菌に対する影響や、特定の腸内細菌による代謝基質物質の代謝を評価するために、選択培地を用いることや、培地に抗生物質等を混合し、一部の腸内細菌のみが増殖できる状況で試験を行うこともできる。本実施の形態において、培地に炭素源材料を添加しないことが好ましい。炭素源材料として特にグルコースを添加しないこととすることが好ましい。ここで「炭素源材料」とは、酵母抽出物などの炭素源を含む混合物とは区別する意図で、通常炭素源を培地に含ませることを主目的として使用する材料を指し、代表的にはグルコース、フルクトース、ガラクトース、マルトースなどの糖源材料である。炭素源材料を添加しないことによって、試験対象素材による腸内細菌叢の増減に対する影響を確認しやすくすることができる。
便検体は、ヒトの便であってもよいし、ヒト以外の動物の便検体であってもよい。また、便検体は新鮮便であってもよいし、採便後に冷凍保存した冷凍便であってもよい。便の濃度は、試験対象素材を添加する前の便懸濁液の段階で0.01% (w/v)~50% (w/v)とすることができる。便が多すぎると便中の腸内細菌以外の成分(ヒト細胞や食物残渣等)による影響が生じることや、細菌数過多により培地中の栄養源が速やかに枯渇して培養が不十分になることで適切な培養が実施できない点で好ましくなく、また少なすぎると試験対象素材の添加効果を検証できない。また、便検体の代わりに、1以上の特定の腸内細菌を用いてもよい。
本実施の形態において、複数の個体から採取した便検体をそれぞれ用いることが好ましい。腸内細菌叢の構成は個体によって異なることから、単一の便サンプルを用いた試験では、当該試験の結果が実際の介入試験における1症例の模倣に過ぎず、試験対象素材の腸内細菌叢に対する影響を十分に評価することができるとは言えない。したがって、多様な便サンプルを用いることが重要であると考えられる。特に、腸内細菌叢の類似性の低い便検体を複数用いて試験を行うことによって、腸内細菌叢の違いによる試験対象素材の作用の違いを検証することができる。本実施の形態の評価方法においては、腸内細菌叢の類似性の指標に基づいて、使用する便検体の組み合わせを選定するステップを備えることができる。腸内細菌叢の類似性の指標としては例えば、腸内細菌叢エンテロタイプの考え方を採用することができる。腸内細菌叢エンテロタイプは、一般的にBacteroidesエンテロタイプ・Prevotellaエンテロタイプ・Ruminococcusエンテロタイプに分類される。一例として、異なるエンテロタイプに分類される便検体を2以上使用することが好ましく、これらの3つのエンテロタイプに属する便検体をそれぞれ1つ以上使用することがより好ましい。日本人の腸内環境における試験対象素材の作用を評価する場合の好適例として、Bacteroidesエンテロタイプ・Prevotellaエンテロタイプ・Ruminococcusエンテロタイプの3タイプが日本人における割合(3:2:1)となるように試験を実施することができる。当該割合で試験を実施することで、試験対象素材を広く日本人に適用した場合の効果を知ることができる。
また、腸内細菌叢プロファイルの違いを距離として計算した値であるUniFrac distanceの値を指標とすることもできる。例えば、細菌の種類および各細菌の存在比を考慮したWeighted UniFrac distanceの最小値が一定以上である便検体の組み合わせを使用することができる。例えば、過去に臨床試験で得た日本人の便検体から無作為に6人分を選び、それらのWeighted UniFrac distanceの最小値を選択する工程を100回行い、それらの平均値を算出したところ、0.3であった。したがって、使用する便検体について、全てのペアのWeighted UniFrac distanceがいずれも0.3以上の便検体の組み合わせを使用すると好適であり、0.35以上の便検体の組み合わせを使用するとより好適である。また、使用する便検体のうち、異なるエンテロタイプに属する便検体のペアのWeighted UniFrac distanceの最小値が一定以上である便検体の組み合わせを使用することもできる。この場合は、異なるエンテロタイプに属する便検体のWeighted UniFrac distanceの最小値が0.40以上である便検体の組み合わせを使用すると好適であり、0.42以上である便検体の組み合わせを使用するとさらに好適である。
本試験の方法について説明する。まず、試験対象素材を水等の溶媒で溶かし、あらかじめ嫌気チャンバー内で気相を置換しておいたチューブなどに、所定の孔径のフィルターを通して移す。溶解しきらない素材は、所定の孔径のフィルターを通した溶媒で懸濁することができる。溶媒は、pHを4.0~5.5に調整して使用することができる。試験対象素材の終濃度(培地添加後)は、0.01% (w/v)~5.0% (w/v)程度とすることができる。0.01% (w/v)未満であると素材の効果を測定することが困難であり、5.0%(w/v)より大きいと腸内細菌の適切な増殖を妨げる恐れがある。特に0.1~0.5% (w/v)とすることが好適である。
次に、代謝基質物質を水などの溶媒に溶かし、適切な濃度になるように液体培地に添加して代謝基質物質混合液入り培地を調整する。各代謝基質物質の代謝基質物質混合液入り培地中の終濃度は、0.1μM~10000μMとすることができる。10000μMより多いと腸内細菌の生育を阻害するおそれがあり好ましくない。また、0.1μM未満であると培養後の代謝物の正確な分析が困難となる。特に、1μM以上、3μM以上、5μM以上、8μM以上、10μM以上であると好適である。また、1000μM以下、500μM以下、150μM以下、100μM以下、50μM以下であると好適である。
嫌気チャンバー内で、あらかじめ気相を置換しておいたエッペンドルフチューブに規定量の便検体を量り取る。便検体は、上記で調整した代謝基質物質混合液入り培地で懸濁する。または、水や生理食塩水などで懸濁してもよい。当該便の懸濁液を代謝基質物質混合液入り培地に添加して攪拌し、便ジュースを作成する。
最後に、上記で調製した試験対象素材と便ジュースとを所定量ずつ混合し、嫌気条件下で37℃にて所定時間培養する。培養は、腸内細菌の対数増殖期中に終了することが好ましく、非連続培養の場合は例えば12時間~24時間とする。特に、培養時間を16時間~20時間とすることが好ましい。培養時間が長すぎると、腸内細菌の増殖が定常期に到達してしまい、試験対象素材による影響を正確に評価することができない場合がある。
本実施形態における培養は、非連続培養、連続培養のいずれにも適用することができる。非連続培養の場合は、例えば96ウェルプレートを使用することができ、培養液の使用量が削減でき、設備も手軽である。
また、試験対象素材投入後の(培養開始時の)培地のpHは、5.0~9.0となるように調整することが好ましい。pHが当該範囲外であると、腸内細菌の培養に悪影響が出る場合がある。試験対象素材のpHによって、必要に応じて素材投入前の培地のpHを調整する。酸性の素材を使用する場合、素材投入前の培地はpH7.0~8.0程度に調整することができる。
(実施例1)
まず、培養時間を最適化する目的で、以下の実験を行った。
A.試験対象素材の調整
ドラフト内で所定の試験対象素材を90mg量り取った。実施例1において、試験対象素材としてグルコースを用いた。なお、ネガティブコントロールとしてグルコースを添加しないものを作成した。嫌気チャンバー内で、量り取った試験対象素材をpH4.5のPureWater 1mLで溶かした。あらかじめ嫌気チャンバー内で気相を置換しておいたチューブに、0.22μmのフィルターを通して移した。
B.培地の調整
YCFA培地の組成は以下のとおりである。(per liter)
trypticase (2.5 g), peptone (2.5 g), yeast extract(5 g), K2HPO4 (0.9 g), KH2PO4 (0.9 g), NaCl (1.8 g), NH4SO4 (1.8 g), CaCl2 2H2O (0.24 g), MgSO4 7H2O (0.375 g), potassiumacetate (1 g), sodium propionate (0.5 g), sodium n-butyrate (0.3g), valeric acid (0.1 g), isobutyrate (0.1 g), isovaleric acid (0.1g), 2-methyl butyrate (0.1 g), NH4Fe(III)-citrate (0.01 g), MnCl2(0.006 g), CoCl2 (0.002 g), NiCl2 (0.0004 g), (NH4)6(Mo7O24) 4H2O(0.0004 g), CuSO4 (0.00015 g), AlK(SO4)2 (0.0003 g), Na2B4O7(0.0003 g), ZnSO4 (0.002 g), Na2SeO3 (0.0003 g), pyridoxalphosphate (0.002 g), p-amino benzoate (0.0005 g), biotin (0.0002g), phenylpropionate (0.002 g), l-arginine (0.002 g), Panvitan(0.1 g), cysteine hydrochloride(1 g), resazurin (7-hydroxy-3H-phenoxazin-3-one 10-oxide) (0.005 g), and vitamin K(0.001g).
C.便ジュースの調整
嫌気チャンバー内で、あらかじめ気相を置換しておいたエッペンドルフチューブに便を12mg量り取った。Bで調整したYCFA培地を500μL入れ、ホモジナイズし、さらにYCFA培地を加えて便ジュースを作成した。便ジュースにおける便濃度は0.1% (w/v)となった。なお、実施例1では、異なる6人の健康な男女より採取した便(001、101、005、104、106、107)を使用した。
D.培養
Aで調整した試験対象素材10μLを96wellプレートの各wellに添加した。
Cで調整した便ジュースを290μLずつwellに添加した。
試験対象素材の終濃度は0.3% (w/v)となった。
嫌気チャンバー内の37℃インキュベーターで培養した。
本実施例1においては、培養時間をそれぞれ16時間、24時間、40時間とし、濁度測定(OD600)を実施した。結果を図2(a)に示す。便検体ごとに6本の棒グラフが示されており、左から無添加(ネガティブコントロール)16時間、無添加24時間、無添加40時間、グルコース(素材あり)16時間、グルコース24時間、グルコース40時間、のOD値を示している。当該結果から、いくつかのサンプルにおいて40時間培養した場合のOD値が、24時間培養した場合のOD値よりも小さいことが分かった。
次に、上記便検体のうち、005、106について、培養時間を0時間、16時間、36時間、48時間として上記と同様に培養を行い、OD値を測定した。結果を図2(b)に示す。便検体ごとに3本の棒グラフが示されており(培養時間0時間の場合のOD値はいずれも0であったため表示されていない)、左からN.T.(ネガティブコントロール)16時間、N.T.36時間、N.T.48時間、グルコース(素材あり)16時間、グルコース36時間、グルコース48時間、のOD値を示している。当該結果から、36時間培養した場合のOD値が、16時間培養した場合のOD値よりも小さいことが分かった。
以上図2(a)、(b)の結果から、本試験系において、培養24時間までは、腸内細菌が対数増殖しており、培養36時間を超えると対数増殖期を超えてしまう可能性が示された。したがって、培養時間を24時間以下、若しくは20時間以下、特に16時間以下とすることによって、多くの腸内細菌が対数増殖期にある状態での試験が可能となるといえる。対数増殖期で培養を終了することによって、幅広い腸内細菌が活動状態にあるタイミングでの腸内細菌叢や代謝物の評価が可能となり、より実際のヒトの腸内環境を反映することができる。
(実施例2)
本実施例においては、代謝基質物質を添加し、その濃度範囲を検討する目的で、以下の実験を行った。本実施例においては、試験対象素材(グルコース)を添加しない点(すべて無添加)と、培地に代謝基質物質を添加し、代謝基質物質混合液入り培地を用いる点以外は、上記実施例1と同様に培養液を準備し、16時間培養を行った。また、便検体としては、上記実施例1で用いた便検体のうち、104、106、107の便検体を用いた。
E.代謝基質物質混合液の調整
代謝基質物質として、コリン、カルニチン、グリココール酸(Glycocholic acid; GCA)、タウロコール酸(Taurocholic acid; TCA)を用いた。各代謝基質物質について、300mMの水溶液を作成した。コリンとして塩化コリン(ナカライ)、カルニチンとしてL-Carnitine(東京化成工業)、グリココール酸としてSodium Glycocholate Hydrate(東京化成工業)、タウロコール酸としてTaurocholic acid sodium salt hydrate(SIGMA)を使用した。作成した300mMのコリン、カルニチン、グリココール酸、タウロコール酸をそれぞれ14μLずつエッペンドルフチューブに取り、1,344μLのPureWaterを入れ、3mMの代謝基質物質混合液 1.4 mLを作製した。
あらかじめチューブ内の空間を嫌気チャンバー内の気相に置換しておいた30mLチューブに、11.6mLのYCFA培地を分注し、3mMの代謝基質物質混合液を400μLずつ培地に添加した。各代謝基質物質の代謝基質物質混合液入り培地における終濃度はそれぞれ100μMとなった。
なお、本実施例においては、各代謝基質物質(コリン、カルニチン、グリココール酸、タウロコール酸)それぞれの終濃度が1μM、10μM、100μMとなるように、前記Eで作成した3mMの代謝基質物質混合液をYCFA培地で希釈し、代謝基質物質の濃度を変更した培養液を作成した。また、代謝基質物質が0μM(添加しない)培養液も用いた。
実施例1と同様に、便ジュースを作成する際に、代謝基質物質混合液入り培地を用いた。ただし、代謝基質物質が0μMの培養液は、YCFA培地を用いて便ジュースを作成した。
各培養液について16時間培養後の各培養液のOD値を測定した。結果を図3に示す。図3から、いずれのサンプルも培養後のOD値が0.5以上に上昇していることから、代謝基質物質を添加したことによる腸内細菌の増殖への影響はほとんどないことがわかった。
また、各サンプルの培養後の腸内細菌叢の属組成を図4に示す。図4(a)が便検体104、図4(b)が便検体106、図4(c)が便検体107の結果であり、それぞれ上からMix0(代謝基質物質0μM)、Mix1(代謝基質物質1μM)、Mix10(代謝基質物質10μM)、Mix100(代謝基質物質100μM)を3サンプルずつ培養した結果を示している。図4(d)は、図4(a)~(c)の凡例を示している。また、図5(a)、(b)は、各サンプル間の距離情報のマトリックスを2次元に落とした主座標分析の結果である。図5から、代謝基質物質を0~100μMに変化させた場合においても、便検体ごとに同じクラスターを形成することがわかる。図4、5の結果から、代謝基質物質を0~100μM添加した場合でも、もともとの個人ごとの腸内細菌叢の特徴を超越するような変化は起こらないことが示された。
(実施例3)
次に、YCFA培地以外の培地の有用性について確認するために以下の実験を行った。
試験対象素材(グルコース)を添加しない点(すべて無添加)と、培地の組成を以下のとおり変更した以外は、上記実施例1と同様に培養液を準備し、16時間培養を行った。なお、実施例2と同様に、代謝基質物質混合液入り培地を用い、各代謝基質物質の終濃度はそれぞれ100μMとした。また、便検体としては、上記実施例1で用いた便検体と同じ6者(001、101、102、104、106、107)の便を用いた。
各サンプルの培地組成は以下のとおりである。
サンプル名「non」:YCFA培地100%
サンプル名「0.3GAM」:YCFA培地99.7%+GAM培地0.3%
サンプル名「3GAM」:YCFA培地97%+GAM培地3%
サンプル名「10GAM」:YCFA培地90%+GAM培地10%
サンプル名「30GAM」:YCFA培地70%+GAM培地30%
サンプル名「GAM」:GAM培地100%
なお、YCFA培地は、実施例1と同様の組成である。GAM培地の組成は以下のとおりである。59.0g(1L分)中:ペプトン10.0g、ダイズペプトン3.0g、プロテオーゼペプトン10.0g、消化血清末13.5g、酵母エキス5.0g、肉エキス2.2g、肝臓エキス1.2g、ブドウ糖3.0g、リン酸二水素カリウム2.5g、塩化ナトリウム3.0g、溶性デンプン5.0g、L-システイン塩酸塩0.3g、チオグリコール酸ナトリウム0.3g
各培養液について16時間培養後の各培養液のOD値を測定した。結果を図6に示す。図6から、いずれのサンプルも培養後のOD値が0.5付近まで上昇していることから、YCFA培地、GAM培地、及びこれらの混合培地のいずれを用いても腸内細菌の増殖への影響はほとんどないことがわかった。
(実施例4)
次に、便検体の保存条件を検証するために以下の実験を行った。
試験対象素材(ファイバリクサ:Fib)を添加した点と、使用する便検体の状態を以下のとおりとした以外は、上記実施例3(YCFA培地100%)と同様に培養液を準備し、16時間培養を行った。また、ネガティブコントロールとして、試験対象素材を添加しない無添加(Non)サンプルを作成した。また、便検体としては、上記実施例1で用いた便検体のうち、3者(104、106、107)の便を用いた。
・0h-RT:便を採便後すぐに試験に使用
・7d-frozen:便を冷凍庫(-80℃)で7日間静置してから使用
・7d-RT:便を常温で7日間静置してから使用
培養後の腸内細菌叢の属組成を図7に示す。左から、0h-RT、7d-frozen、7d-RTの便を使用したサンプルの結果を3反復ずつ表示し、冷凍又は常温で7日間静置してから試験した場合に、便を採便後すぐに試験に使用(0h-RT)した場合と比較して、腸内細菌の属組成がどのように変化するかを示している。また、図8は、7d-frozen(7d-frd)、7d-RTの腸内細菌の属組成が0h-RTのものとどのくらい類似しているかをスピアマン距離(1からスピアマン相関係数を引いたもの)で示したグラフである。したがって、スピアマン距離が0である場合に、0h-RTの細菌叢組成と全く同じであることを示し、棒グラフの高さが低いほど0h-RTと似ている、ということを意味する。3反復の平均値を棒グラフの高さで、また標準偏差をひげのながさで示した。図8(a)は、試験対象素材を添加しない無添加(Non)サンプルの結果であり、図8(b)は、ファイバリクサを添加したサンプルの結果である。以上の結果から、7d-frozenの細菌叢組成は、7d-RTのものと比べて、0h-RTの細菌叢組成に近いことが分かった。図7、8の結果から、冷凍保存した便も、便を採便後すぐに試験に使用した場合と細菌叢組成において大きな違いは見られなかったため、本発明の試験に使用可能であるといえる。
(実施例5)
実施例5では、試験対象素材として4種類の食物繊維を用いて、複数の試験対象素材を並列に比較可能か否か評価を行った。試験対象素材として食物繊維を用いる点と、使用する便検体の状態を以下のとおりとした以外は、上記実施例3(YCFA培地100%)と同様に培養液を準備し、16時間培養を行った。
本実施例における試験対象素材は以下のとおりとした。なお、ポジティブコントロールとしてグルコース、比較対象として何も溶解していない酸素除去済み超純水を添加した無添加サンプルを解析した。
・チコリ由来イヌリン:Chi(直鎖イヌリン)
・アガベ由来イヌリン:Aga(分岐鎖イヌリン)
・合成イヌリン:Syn(合成イヌリン)
・難消化性デキストリン:dex
本実施例で用いた便検体について以下説明する。本実施例においては、6名の健康な男女より採取した便を使用して便懸濁液を調製した(001、101、102、104、106、107)。本試験では異なる腸内環境を想定して試験化合物の影響を検証するため、過去の調査より予め腸内細菌叢が判明している被験者の中から比較的細菌叢プロファイルの異なる6名の便を供試した。腸内細菌叢エンテロタイプ(Arumugam, M. et al. 2011)においては、Bacteroidesエンテロタイプ・Prevotellaエンテロタイプ・Ruminococcusエンテロタイプの3タイプが日本人におけるおおよその割合(3:2:1)となるように試験を実施した。
本試験で使用した便検体の細菌叢とエンテロタイプを図9に示す。図9(a)は、未培養の便検体における細菌叢の属組成である。全体像における合計組成比が多い20属を色分けし、その他の属を「Others」とした。「Unassigned」は、リファレンスとして使用したSILVAデータベースに登録されている16Sリファレンス配列のうち、属名および科名が登録されていないリファレンス配列を示す。図9(b)は、各便検体のエンテロタイプ分類である。白抜きのプロットが本試験で使用した便検体を表している。001、101はRuminococcusエンテロタイプ、102、106、107はBacteroidesエンテロタイプ、104はPrevotellaエンテロタイプである。また、これらの便検体の全てのペアのWeighted UniFrac distanceのうち、最小の値は0.4であった。また、これらの便検体のうち、異なるエンテロタイプに属する便検体間のWeighted UniFrac distanceの最小値は、0.446であった。
培養後、ピペッティングし、培養液をスクリューチューブに抜き取った。培養液を遠心分離し、上清をエッペンドルフチューブに移し入れた。ペレットが残ったチューブには、0.1mmジルコニア/シリカビーズを入れた。
・マイクロバイオーム解析
実施例5における細菌系統組成を明らかにするため、未培養便および培養後の便-試験化合物混合液に対する16S rRNA遺伝子配列を用いたメタゲノム解析を行った。メタゲノム解析はMurakamiら(2015)の方法に従った。まず便および便-試験化合物混合液の遠心ペレットから抽出したDNAを鋳型として、16S rRNA遺伝子のV1-V2領域のDNA断片をPCRにて増幅し、続いてPCR産物の配列をIllumina MiSeqを用いたペアエンド法により解析した。これらの塩基配列をbowtie2により16S rRNA遺伝子のデータベースに対してマッピングした。16S rRNA遺伝子のデータベースには、silva(https://www.arb-silva.de)が提供するSILVA SSU Refを99%の閾値でクラスタリングして得られたOTUを用いた(以下、SILVAデータベースと記載)。上記マッピングにより、各塩基配列はSILVAデータベース内で最も類似しているOTUに帰属され、各OTUに帰属した(マップされた)塩基配列数を数えることで、腸内細菌叢の細菌系統組成を定量化した。
算出された各腸内細菌属の存在量をもとに、無添加と比較した特定の試験対象素材を添加した際の存在量の対数変化倍率(log fold change, logFC)を算出した。Wilcoxonの符号順位検定(対応ありノンパラメトリック二群検定)において、複数種類の細菌属で有意な変動(P < 0.05)が検出された。特定の試験対象素材による各便懸濁液における代表的な細菌属の変動プロファイルの変化を図10に示した。図10中の数値は各便懸濁液における特定試験対象素材/無添加時の存在比であり、色が濃いほど特定試験対象素材添加時の当該細菌属の存在量が増加したことを示している。Lachnoclostridium属及びBacteroides属では全ての試験対象素材で、Dorea属ではdex以外の試験対象素材で有意な増加が認められた。一方、Alistipesではdexのみで有意な増加が認められた。このように、本試験系は複数の試験対象素材が腸内環境に及ぼす影響を一度に並列に評価することが可能である。また、図10の結果より、便検体によって細菌属の変動プロファイルが異なることが分かる。例えばチコリ由来イヌリン(Chi)を添加した場合に、Bacteroides属は、便検体107では減少傾向にある一方、便検体104では顕著な増加傾向にあった。このように、本試験系は異なる腸内環境に対する試験対象素材の影響を一度に並列に評価することが可能である。
・メタボローム解析
試験対象素材添加による腸内細菌叢由来の代謝反応への影響を評価するため、便-試験化合物混合液の上清に含まれる代謝物質のうち、有機酸・短鎖脂肪酸、胆汁酸について定量評価を実施した。まず、培養液を遠心分離して得られた上清をフィルターユニット付きチューブでろ過し、有機酸・短鎖脂肪酸測定用と胆汁酸測定用に分けた。有機酸・短鎖脂肪酸測定用の試料溶液は有機溶媒を用いた液液抽出ののち誘導体化処理を施し、溶出時間補正用の内部標準物質を添加した。胆汁酸測定用の試料溶液は有機溶媒を用いた液液抽出ののち、内部標準物質を添加した。代謝物質はLC-TOF/MSを用いて測定し、検出されたピークのカラム保持時間、質量電荷比(m/z)、ピーク面積を取得した。これらの情報を標準試料の測定結果と照合することで各ピークが対応する代謝物質を同定した。これらのピークは、検体ごとに内部標準物質との面積比が一定になるように補正し、サンプル間で相対定量が可能な値(相対面積比、relative area)に変換した。代謝物質のうち有機酸・短鎖脂肪酸分析では14化合物、胆汁酸分析では14化合物を濃度既知の標準試料を用いて作成した検量線と比較することにより、絶対定量を行った。
算出された各代謝物質の濃度(便-試験化合物混合液の上清における濃度(nM))をもとに、無添加と比較した特定の試験対象素材を添加した際の濃度の対数変化倍率(logFC)を算出した。なお、Wilcoxonの符号順位検定(対応ありノンパラメトリック二群検定)において、複数の代謝物質で有意な変動(P < 0.05)が検出された。特定の試験対象素材添加による各便懸濁液における代表的な代謝物質の変動プロファイルをヒートマップで図示した(図11)。図11中の数値は各便懸濁液における特定試験対象素材添加時/無添加時の濃度比であり、色が濃いほど特定試験対象素材添加時の当該代謝物質の濃度が増加したことを示している。酢酸は全ての試験対象素材で有意な増加が認められ、酪酸、プロピオン酸は多くの試験対象素材で増加した。また、図11の結果より、便検体によって代謝物質の変動プロファイルが異なることが分かる。例えば便検体107における酪酸(Butyric acid)の変動は、チコリイヌリンを添加した場合にのみ増加し、その他の食物繊維では増加しなかった。また、試験対象素材に注目すると、チコリ由来イヌリンは全ての便検体で酪酸が増加したが、アガベ由来イヌリンや合成イヌリンは酪酸が増加しない便検体も存在した。このように、代謝物質においても、細菌叢と同様に、複数の試験対象素材が腸内環境に及ぼす影響及び異なる腸内環境に対する試験対象素材の影響を一度に並列に評価することが可能である。
次に、各試験対象素材添加時に見られた細菌存在量と代謝物質濃度の変動の相関解析を行った。本解析ではイヌリン添加時に増加が期待されていた短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)の濃度の変動と相関性のあった細菌属を検出した。各代謝物質の濃度と細菌属の存在量でピアソン相関係数およびスピアマン相関係数を算出し、いずれかの相関係数が0.6以上(正の相関)の組み合わせを図12に示した。酪酸は、Lachnoclostridium属と正の相関が、プロピオン酸はBacteroides属、Prevotella_9と正の相関が、酪酸はLachnoclostridium属と正の相関がみられた。
Lachnoclostridium属は短鎖脂肪酸を産生するClostiridium spp.を含むことが報告されている属であることから、酢酸濃度と正の相関が見られる細菌属としては妥当であると考えられる(Yutin, N. & Galperin, MY. 2013)。
Bacteroides属はコハク酸代謝経路を介したプロピオン酸産生の代表的な細菌属として知られており、コハク酸・プロピオン酸を産生する種が複数報告されている(Louis, P. et al. 2014)。また、Prevotella_9はプロピオン酸、コハク酸を産生する細菌属として報告されている(Louis, P. et al. 2014; Koh, A. et al. 2016)。
酪酸では酢酸の濃度と相関性が高かった細菌属が検出された。Lachnoclostridium属には酪酸産生に関与する細菌種も報告されている(Yutin, N. & Galperin, MY. 2013)。
本試験では多くの便検体で複数のイヌリン・食物繊維添加時に酪酸産生が増加傾向にあることが観察されたが、便懸濁液107においては、チコリイヌリン(Chi)のみで酪酸が増加していた(図11)。このことから、便検体107においては、他の便懸濁液とは異なる細菌属が酪酸産生に関与することが示唆された。
本実施例の結果から、イヌリン添加による短鎖脂肪酸の統計的に有意な増加が認められ、特に酢酸・酪酸においてはチコリイヌリン、プロピオン酸においてはアガベイヌリンでより顕著な効果が検出された。加えて、それぞれの産生に関与することが報告されている細菌属において高い相関性が示されたことから、上記試験対象素材の添加により腸内細菌叢に由来する当該短鎖脂肪酸の産生が亢進する可能性が示唆された。また、類似の複数の試験対象素材を並列に比較評価可能であることが示された。
(実施例6)
実施例6においては、試験対象素材としてフラクトオリゴ糖(FOS)を使用した。なお、ポジティブコントロールとしてグルコース(Glu)、比較対象として何も溶解していない酸素除去済み超純水を添加した無添加サンプルを解析した。また、便検体として、001、101、102、104、107、110を使用した。これらの便検体の全てのペアのWeighted UniFrac distanceのうち、最小の値は0.3であった。また、これらの便検体のうち、異なるエンテロタイプに属する便検体間のWeighted UniFrac distanceの最小値は、0.422であった。試験対象素材として上記を用いた以外は、実施例3(YCFA培地100%)と同様にして、培養を行った。培養後、ピペッティングし、培養液をスクリューチューブに抜き取った。培養液を遠心分離し、上清をエッペンドルフチューブに移し入れた。ペレットが残ったチューブには、0.1mmジルコニア/シリカビーズを入れた。
実施例5と同様にマイクロバイオーム解析を実施し、腸内細菌叢の細菌系統組成を定量化した。算出された各腸内細菌属の存在量をもとに、各サンプルの腸内細菌叢の属組成を算出した(図13)。フラクトオリゴ糖を添加したサンプルでは、無添加の場合と比較してBifidobacterium属が増加していた。図14は、無添加サンプルと比較したグルコース、フラクトオリゴ糖を添加した際のBifidobacterium属の変動プロファイルをヒートマップで示した。図14中の数値は、各便懸濁液における特定試験対象素材添加時/無添加時の存在比であり、色が濃いほど特定試験対象素材添加時の当該細菌属の存在量が増加したことを示している。図14から、Bifidobacterium属細菌は、フラクトオリゴ糖添加により、便検体104で特に顕著な増加が認められた。また、全ての便検体において、フラクトオリゴ糖添加時は、グルコース添加時よりBifidobacterium属細菌が増加することが明らかになった。
また、実施例5と同様にメタボローム解析を実施した。算出された各代謝物質の濃度(便-試験化合物混合液の上清における濃度(nM))を図15、図16を示す。その結果、フラクトオリゴ糖を添加したサンプルでは、無添加の場合と比較して酢酸の増加及びデオキシコール酸(DCA)の減少が見られた。図17は、無添加サンプルと比較したグルコース、フラクトオリゴ糖を添加した際の酢酸(Acetic acid)、デオキシコール酸(Deoxycholate)の変動プロファイルをヒートマップで示した。図17中の数値は各便懸濁液における特定試験対象素材添加時/無添加時の濃度比を示しており、色が濃いほど特定試験対象素材添加時の当該代謝物質の濃度が増加したことを示している。図17から、全ての便検体において、フラクトオリゴ糖添加時は、酢酸が、グルコース添加時と同等以上に増加することが明らかになった。また、便検体001、110では、デオキシコール酸の顕著な減少が認められた。
以上より、フラクトオリゴ糖は、Bifidobacterium属の増加および酢酸の増加を促す作用があることが示された。フラクトオリゴ糖を添加したサンプルでは、Bifidobacterium属が増加し、Bifidobacterium属の増加と相関してBifidobacterium属が産生すると報告されている酢酸も増加した可能性が考えられる。
(実施例7)
実施例7においては、試験対象素材としてフラクトオリゴ糖(FOS)を使用し、比較対象として何も溶解していない酸素除去済み超純水を添加した無添加サンプルを解析した。また、便検体として101、102、104、107、110、115を使用した。代謝基質物質として、コリン、カルニチン、グリココール酸、タウロコール酸を用い、代謝基質物質の終濃度がそれぞれ100μMの組(old4)、代謝基質物質として、コリン、カルニチン、グリココール酸、タウロコール酸を用い、培養液における代謝基質物質の終濃度がそれぞれ10μMの組(4mix)、代謝基質物質としてコリン、カルニチン、グリココール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸を用い、培養液における代謝基質物質の終濃度がそれぞれ10μMの組(5mix)、及び代謝基質物質を添加しない組(non)を用意した。その他の条件は実施例3(YCFA培地100%)と同様にして16時間培養した。
培養後、実施例5と同様にメタボローム解析を実施し、リトコール酸(LCA)及びウルソデオキシコール酸(UDCA)の濃度(便-試験化合物混合液の上清における濃度(nM))を算出した(図18)。図中、棒グラフは左から、試験対象素材無添加でかつ代謝基質物質を添加しない組(non-non)、代謝基質物質組成がold4の組(non-old4)、代謝基質物質組成が4mixの組(non-4)、代謝基質物質組成が5mixの組(non-5)、試験対象素材としてFOSを用いかつ代謝基質物質を添加しない組(FOS-non)、代謝基質物質組成がold4の組(FOS-old4)、代謝基質物質組成が4mixの組(FOS-4)、代謝基質物質組成が5mixの組(FOS-5)の結果を表している。結果、代謝物質としてコリン、カルニチン、グリココール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸を用いた組(5mix)では、その他の組(non、old4、4mix)と比較して有意にLCA、UDCAの濃度が高かった。このことから、代謝基質物質として添加したグリコケノデオキシコール酸が培養系において代謝され、LCA及びUDCAが生成されたことが示唆された。また、LCA、UDCAの検出濃度は便検体によって異なり、例えば便検体101では他の便検体と比較してLCAの検出濃度が高く、便検体102、115では、他の便検体と比較してUDCAの検出濃度が高かった。このことから、本実験系によればグリコケノデオキシコール酸の代謝反応における個人差を検証可能であることが示された。また、LCA、UDCAの検出濃度は試験対象物質(FOS)の有無によっても異なり、LCAはFOSを添加することで検出濃度が有意に増加した。UDCAは、FOSを添加した場合の効果が便検体によって異なる傾向がみられ、例えば101ではFOSを添加することによってUDCAの検出濃度が減少し、102では反対に増加した。また、LCA、UDCAは、培養開始時点での基質の濃度が10μMであっても十分に評価可能であることが示された。以上より、代謝基質物質としてグリコケノデオキシコール酸を添加することによって、その代謝物であるLCA及びUDCAが検出可能となり、腸内環境におけるグリコケノデオキシコール酸の代謝状況を検証することができることが示された。
以上より、本発明の試験方法によれば、代謝基質物質を添加した培地中で試験対象素材を培養するという簡便な試験系で、試験対象素材が腸内細菌の代謝、すなわち腸内環境に及ぼす影響を評価することが可能である。特に、代謝基質物質として、腸内細菌により代謝されることによって宿主の健康状態に悪影響を及ぼす代謝基質物質を添加した場合は、当該代謝基質物質の代謝物の増減を解析することによって、試験対象素材の健康上の効果を評価することができる。また、本発明の試験方法に依れば、腸内細菌叢の類似性に基づいて複数の便検体を選択するステップを設けることにより、腸内細菌叢の違いによる効果の現れ方の違いを効率的に評価する試験設計が可能である。
本発明は、試験対象素材の腸内環境への作用をインビトロで簡便に評価することができる。本発明による評価方法は、産業上の多くの分野(食品、医薬品および医療等)で広く実施することができ、極めて有用である。

Claims (10)

  1. 1種以上の腸内細菌を含む便検体と、
    試験対象素材と、
    前記腸内細菌により代謝される代謝基質物質と、を培地中で培養する培養ステップと、
    培養後の培養液に含まれる代謝物を解析する解析ステップと、
    腸内細菌叢の類似度の指標に基づいて、複数の前記便検体の組合せを選択する便検体選択ステップを備えることを特徴とする、試験対象素材の評価方法。
  2. 前記代謝基質物質は、前記腸内細菌により代謝され、健康状態に悪影響を及ぼすことを特徴とする、請求項1に記載の評価方法。
  3. 前記代謝基質物質は、少なくとも胆汁酸を含む、請求項1に記載の評価方法。
  4. 前記代謝基質物質は、少なくともコリン、カルニチン、グリココール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸、ヒスチジン、フェニルアラニンから選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1に記載の評価方法。
  5. 前記代謝基質物質は、コリン、カルニチンから選ばれる少なくとも1つと、グリココール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸から選ばれる少なくとも1つを少なくとも含む、請求項4に記載の評価方法。
  6. 前記代謝基質物質は、少なくともコリン、カルニチン、グリココール酸、及びタウロコール酸を含む、請求項4に記載の評価方法。
  7. 前記便検体選択ステップは、異なるエンテロタイプの前記便検体が含まれるようにト便検体の組合わせを選択する、請求項1~6のいずれか一項に記載の評価方法。
  8. 前記便検体選択ステップは、全てのペアのWeighted UniFrac distanceがいずれも0.3以上になるように前記便検体の組合わせを選択する、請求項1~6のいずれか一項に記載の評価方法。
  9. 前記便検体選択ステップは、異なるエンテロタイプに属する便検体のペアのWeighted UniFrac distanceがいずれも0.4以上になるように前記便検体の組合わせを選択する、請求項1~6のいずれか一項に記載の評価方法。
  10. 前記培地には、炭素源材料が添加されていないことを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の評価方法。
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村上慎之介ら: "「腸内デザイン」が切り拓く病気ゼロ社会", 化学と生物, vol. 56, no. 10, JPN6020033845, 2018, pages 692 - 696, ISSN: 0004692124 *
村上慎之介ら: "腸内環境に基づく層別化ヘルスケアがもたらす未来", 生物工学, vol. 96, no. 9, JPN6020033847, 2018, pages 524 - 528, ISSN: 0004692123 *

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