JP7050201B1 - 異種液体混合装置および水処理設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】注入口から流れ経路内に注入された第2液体を流れ経路内で十分に攪拌して第1液体と混合することができる異種液体混合装置を提供する。【解決手段】第1液体2が流れる流れ経路20中に第2液体16を注入して混合する異種液体混合装置4であって、複数のラインミキサー9,10が直列に接続され、各ラインミキサー9,10は、流れ経路20の上流側から、第2直管部32と、内径が下流側ほど拡大する拡径部33と、第2直管部32の内径よりも大きい内径の第3直管部34とを順次有しており、第2液体16を第1液体2中に注入する注入経路37の注入口38が最上流端のラインミキサー9内へ突入して開口し、注入口38は、流れ経路20の軸方向Lにおいて第3直管部34内に対応した位置で且つ流れ経路20の径方向Rにおいて第2直管部32の内面と第3直管部34の内面との中間近傍位置で、開口している。【選択図】図3

Description

本発明は、第1液体が流れる流れ経路中に第2液体を注入して混合する異種液体混合装置および異種液体混合装置を備えた水処理設備に関する。
従来、この種の異種液体混合装置としては、例えば図18に示すように、水110に洗剤111を混合して洗浄液112を生成する洗浄液生成器101がある。この洗浄液生成器101は、器体102と、流入口103から流出口104にわたって器体102内に形成された第1流路105と、第1流路105の途中に設けられ且つ流路断面積が最小となるベンチュリー部106と、ベンチュリー部106の周壁部107に開設された注入口108と、注入口108に連通する第2流路109とを有している。
尚、注入口108はベンチュリー部106の周壁部107から径方向における内側へ突出した突部107aに形成されている。
水110は、流入口103から器体102内に流入し、第1流路105を流れる。また、洗剤111は第2流路109を通って注入口108から第1流路105に注入される。これにより、水110と洗剤111とが第1流路105において混合されて洗浄液112が生成され、洗浄液112が流出口104から器体102の外部に流出する。
この際、ベンチュリー部106において水110の流れが加速されるため、ベンチュリー部106の下流側において流速の高い流れが発生する。
尚、上記のような洗浄液生成器101は例えば下記特許文献1に記載されている。
特開2019-136648
しかしながら上記の従来形式では、注入口108をベンチュリー部106に設けているため、注入口108から第1流路105に注入された洗剤111は、ベンチュリー部106で加速された水110の流れに乗って短時間で一気に下流側へ流れ、洗剤111を第1流路105内で十分に攪拌することができないといった問題がある。
例えば、上記のような洗浄液生成器101を異種液体混合装置として用いて、懸濁物質を含む原水に凝集剤を注入して混合する場合、原水は、流入口103から器体102内に流入し、第1流路105を流れる。また、凝集剤は第2流路109を通って注入口108から第1流路105に注入される。
しかしながら、この場合においても、上記と同様に、注入口108から第1流路105に注入された凝集剤は、ベンチュリー部106で加速された原水の流れに乗って短時間で一気に下流側へ流れてしまうため、凝集剤を第1流路105内で十分に攪拌することができないといった問題がある。また、ベンチュリー部106の周壁部107に形成された突部107aによって、注入口108の下流側に原水の滞留域が生じ、注入口108から注入された凝集剤が滞留域に面する周壁部107や注入口108に析出してしまうことがある。
本発明は、注入口から流れ経路内に注入された第2液体を流れ経路内で十分に攪拌して第1液体と混合することができる異種液体混合装置および水処理設備を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本第1発明は、第1液体が流れる流れ経路中に第2液体を注入して混合する異種液体混合装置であって、
複数のラインミキサーが直列に接続され、
各ラインミキサーは、流れ経路の上流側から、第2直管部と、内径が下流側ほど拡大する拡径部と、第2直管部の内径よりも大きい内径の第3直管部とを順次有しており、
第2液体を第1液体中に注入する注入経路の先端の注入口が少なくとも最上流端のラインミキサー内へ突入して開口し、
注入口は、流れ経路の軸方向において第3直管部内に対応した位置で且つ流れ経路の径方向において第2直管部の内面と第3直管部の内面との中間近傍位置で、開口しており、
第2直管部の内径をdとし、第3直管部の内径をDとし、流れ経路の径方向における注入口から第3直管部の内面までの寸法をBとし、流れ経路の径方向における注入口から第2直管部の内面までの寸法をCとすると、
中間近傍位置とは、0.1×(D-d)≦Bを満足し、且つ、0.15×(D-d)≦Cを満足する位置であるものである。
これによると、第1液体は、各ラインミキサー内を流れる際、各ラインミキサーの第2直管部を通過して拡径部で流路が拡大される。このため、各ラインミキサーの拡径部の上流端部から下流の領域において、第1液体の流れが流れ経路の内面から剥離し、速度勾配が大きくなり、拡径部の内面および第3直管部の内面に沿って渦流が発生する。
この状態で、第2液体を注入経路の注入口から最上流端のラインミキサーの第3直管部内に注入することにより、第2液体は、拡径部内と第3直管部内とにわたって発生する渦流中に注入され、渦流によって攪拌される。これにより、第2液体は、最上流端のラインミキサーを流れる際、最上流端のラインミキサーの拡径部内から第3直管部内において速やかに広範囲に拡散する。
その後、第1液体と第2液体との混合液は、最上流端のラインミキサーの下流側に接続されたラインミキサー内を流れる際、上記下流側のラインミキサーの拡径部内と第3直管部内とにわたって発生する渦流によってさらに攪拌される。これにより、第2液体は、上記下流側のラインミキサーを流れる際、上記下流側のラインミキサーの拡径部内から第3直管部内において速やかに広範囲に分散する。
従って、ラインミキサーを1台だけ用いて第1液体と第2液体とを混合する場合に比べて、第1液体と第2液体とを十分に且つ均一に混合することができる。
本第2発明は、第1液体が流れる流れ経路中に第2液体を注入して混合する異種液体混合装置であって、
複数のラインミキサーが直列に接続され、
各ラインミキサーは、流れ経路の上流側から、第2直管部と、内径が下流側ほど拡大する拡径部と、第2直管部の内径よりも大きい内径の第3直管部とを順次有しており、
第2液体を第1液体中に注入する注入経路の先端の注入口が少なくとも最上流端のラインミキサー内へ突入して開口し、
注入口は、流れ経路の軸方向において拡径部内に対応した位置で且つ流れ経路の径方向において第2直管部の内面と拡径部の内面の所定箇所との中間近傍位置で、開口しており、
拡径部の内面の所定箇所とは注入口から流れ経路の径方向における外方へ面した箇所であり、
第2直管部の内径をdとし、第3直管部の内径をDとし、流れ経路の径方向における注入口から拡径部の内面の所定箇所までの寸法をBとし、流れ経路の径方向における注入口から第2直管部の内面までの寸法をCとすると、
中間近傍位置とは、0.1×(D-d)≦Bを満足し、且つ、0.15×(D-d)≦Cを満足する位置であるものである。
これによると、第1液体は、各ラインミキサー内を流れる際、各ラインミキサーの第2直管部を通過して拡径部で流路が拡大される。このため、各ラインミキサーの拡径部の上流端部から下流の領域において、第1液体の流れが流れ経路の内面から剥離し、速度勾配が大きくなり、拡径部の内面および第3直管部の内面に沿って渦流が発生する。
この状態で、第2液体を注入経路の注入口から最上流端のラインミキサーの拡径部内に注入することにより、第2液体は、拡径部内と第3直管部内とにわたって発生する渦流中に注入され、渦流によって攪拌される。これにより、第2液体は、最上流端のラインミキサーを流れる際、最上流端のラインミキサーの拡径部内から第3直管部内において速やかに広範囲に拡散する。
その後、第1液体と第2液体との混合液は、最上流端のラインミキサーの下流側に接続されたラインミキサー内を流れる際、上記下流側のラインミキサーの拡径部内と第3直管部内とにわたって発生する渦流によってさらに攪拌される。これにより、第2液体は、上記下流側のラインミキサーを流れる際、上記下流側のラインミキサーの拡径部内から第3直管部内において速やかに広範囲に分散する。
従って、ラインミキサーを1台だけ用いて第1液体と第2液体とを混合する場合に比べて、第1液体と第2液体とを十分に且つ均一に混合することができる。
本第3発明における異種液体混合装置は、各ラインミキサーは、第2直管部の上流側に、第1直管部と、内径が下流側ほど縮小する縮径部とを順次有し、
第1直管部の内径が第2直管部の内径よりも大きいものである。
これによると、第1液体は、各ラインミキサーを流れる際、第1直管部を流れ、縮径部を経て第2直管部を流れる際に加速され、拡径部で流路が拡大される。このように、第1直管部の内径を第2直管部の内径よりも大きくすることで、第1液体が各ラインミキサーの流れ経路を流れる時の圧力損失を低く抑えることができる。
本第4発明における異種液体混合装置は、第1直管部と第3直管部とは同径であり、
上流側のラインミキサーの第3直管部と下流側のラインミキサーの第1直管部とが同径の接続管を介して接続されているものである。
これによると、各ラインミキサーの拡径部の上流端部から下流の領域において、第1液体の流れが流れ経路の内面から剥離して、速度勾配が大きくなり、拡径部の内面および第3直管部の内面さらには接続管の内面に沿って渦流が発生する。
これにより、接続管を介して上流側のラインミキサーの第3直管部と下流側のラインミキサーの第1直管部とを接続した方が、接続管を介さずに、上流側のラインミキサーの第3直管部と下流側のラインミキサーの第1直管部とを直に接続した場合に比べて、渦流の発生領域を流れ方向において長く確保することができる。このため、第1液体と第2液体とを十分に且つ均一に混合することができる。
本第5発明における異種液体混合装置は、最上流端のラインミキサーの注入口から下流側のラインミキサーの拡径部の上流端部までの距離が1000mm以内であるものである。
これによると、速度勾配は、各ラインミキサーの拡径部において最大になり、拡径部から下流側へ離れるほど小さくなる。このため、攪拌力は各ラインミキサーの拡径部から下流側へ離れるほど減衰していく。
従って、最上流端のラインミキサーの攪拌力が大幅に減衰してしまう前に、下流側のラインミキサーの攪拌力が拡径部において最大になるため、攪拌力が長く持続し、これにより、第1液体と第2液体とを十分に且つ均一に混合することができる。
本第6発明は、第1発明から第5発明のいずれかに記載の異種液体混合装置を備えた水処理設備であって、
第2液体は液体の凝集剤であり、
第1液体は凝集剤によって凝集される被凝集物を含む水であり、
最下流端のラインミキサーの下流側に凝集混和装置が接続され、
凝集混和装置は、下部の流入口と上部の流出口との間に上向流路が形成される少なくとも1台の混和槽を有しているものである。
これによると、異種液体混合装置において、凝集剤が水に注入されて十分に攪拌混合され、水と凝集剤との混合液が異種液体混合装置から混和槽に供給され、混和槽の上向流路において緩速攪拌されることで、混合液中に形成された凝集フロックが成長して粗大化する。
この際、凝集剤と水とが異種液体混合装置において十分に且つ均一に攪拌混合されているため、少ない台数の混和槽で十分に粗大化した凝集フロックを得ることができる。
以上のように本発明によると、注入口から流れ経路内に注入された第2液体を流れ経路内で十分に攪拌して第1液体と混合することができる。
本発明の第1の実施の形態における異種液体混合装置を備えた水処理設備の模式図である。 同、水処理設備の異種液体混合装置と凝集混和装置の図である。 同、異種液体混合装置の断面図である。 同、異種液体混合装置の最上流側のラインミキサーの一部拡大断面図である。 同、異種液体混合装置の最上流側のラインミキサーの内部の流れを示す断面図であり、試験品S2を用いた場合を示す。 同、異種液体混合装置の最上流側のラインミキサーの内部の流れを示す断面図であり、試験品S1を用いた場合を示す。 同、異種液体混合装置の最上流側のラインミキサーの内部の流れを示す断面図であり、試験品S3を用いた場合を示す。 同、異種液体混合装置の最上流側のラインミキサーの内部の流れを示す断面図であり、試験品S4を用いた場合を示す。 本発明の第2の実施の形態における異種液体混合装置の最上流側のラインミキサーの一部拡大断面図である。 同、異種液体混合装置の最上流側のラインミキサーの内部の流れを示す一部拡大断面図である。 本発明の第3の実施の形態における異種液体混合装置の断面図である。 同、異種液体混合装置と凝集混和装置の図である。 ラインミキサーの速度勾配の分布を示すグラフである。 異種液体混合装置内の速度勾配の分布を示すグラフであり、ラインミキサーを1台のみ単独で用いた場合を示す。 異種液体混合装置内の速度勾配の分布を示すグラフであり、2台のラインミキサーを直結して用いた場合を示す。 異種液体混合装置内の速度勾配の分布を示すグラフであり、接続管を介して2台のラインミキサーを接合して用いた場合を示す。 本発明の第4の実施の形態における異種液体混合装置の断面図である。 従来のラインミキサーの断面図である。
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、図1に示すように、1は浄水等の水処理設備であって、上流側から下流側にわたって、原水2(第1液体の一例)を貯留する原水貯留槽3と、異種液体混合装置4と、凝集混和装置5と、膜分離装置6(固液分離装置の一例)と、原水2を膜分離装置6で膜ろ過により固液分離することによって得られた処理水7を回収する処理水槽8とを有している。
これら原水貯留槽3と異種液体混合装置4と凝集混和装置5と膜分離装置6と処理水槽8とはそれぞれ配管路11~14を介して接続されている。
図2,図3に示すように、異種液体混合装置4は、原水2が流れる流れ経路20中に液体の凝集剤16(第2液体の一例)を注入して混合するものである。尚、原水2は凝集剤16によって凝集される懸濁物質(被凝集物の一例)を含んでいる。また、凝集剤16は例えばポリ塩化アルミニウム等を溶解した液体である。
異種液体混合装置4は直列に接続された2台(複数台)のラインミキサー9,10を有している。各ラインミキサー9,10はそれぞれ、管状の本体21と、本体21の両端に設けられたフランジ22,23とを有している。
このうち、最上流側のラインミキサー9の入口側のフランジ22は配管路11に設けられたフランジ17に接合され、下流側に接続されたラインミキサー10の出口側のフランジ23は配管路12に設けられたフランジ18に接合されている。また、最上流側のラインミキサー9の出口側のフランジ23と下流側のラインミキサー10の入口側のフランジ22とが接合されている。
流れ経路20は、各ラインミキサー9,10の本体21内にそれぞれ形成されており、上流側端部に入口25を有し、下流側端部に出口26を有している。
また、各ラインミキサー9,10の本体21はそれぞれ、流れ経路20の上流側から、第1直管部30と、第1直管部30よりも内径が下流側ほど次第に縮小する縮径部31と、縮径部31の下流端部の内径と等しい第2直管部32と、第2直管部32の下流端部よりも内径が下流側ほど次第に拡大する拡径部33と、拡径部33の下流端部の内径と等しい第3直管部34とを順次有している。
第3直管部34の内径Dは第2直管部32の内径dよりも大きく、内径Dと内径dとの比率は約1.5:1~3:1の範囲に設定されている。また、第1直管部30の内径D´は、第2直管部32の内径dよりも大きく、第3直管部34の内径Dと同じである。
また、拡径部33は第2直管部32の下流端部からなだらかなスロープを描いて拡大しており、流れ経路20の軸心50に対する拡径部33の傾斜角度αは30°~50°の範囲に設定されている。
凝集剤16を原水2中に注入する注入管37(注入経路の一例)が最上流側のラインミキサー9の本体21に接続されている。注入管37の先端に形成された注入口38は、流れ経路20の軸方向Lにおいて第3直管部34内に面した位置にあり、且つ、流れ経路20の径方向Rにおいて第2直管部32の内面と第3直管部34の内面との中間近傍位置で開口している。
尚、注入口38から第3直管部34内への凝集剤16の注入方向は流れ経路20の軸心50に対して直角となる方向である。
図4に示すように、上記径方向Rにおける注入管37の注入口38から第3直管部34の内面までの寸法をBとし、上記径方向Rにおける注入管37の注入口38から第2直管部32の内面までの寸法をCとすると、上記第2直管部32の内面と第3直管部34の内面との中間近傍位置とは以下の関係式[1][2]を同時に満足する位置である。
0.1×(D-d)≦B・・・関係式[1]
0.15×(D-d)≦C・・・関係式[2]
また、注入管37の注入口38は拡径部33の直後の位置で開口している。ここで、軸方向Lにおける第3直管部34の上流端部34aから第3直管部34の内径Dに相当する長さだけ下流側を下流限位置Eとすると、上記拡径部33の直後の位置とは、軸方向Lにおいて、第3直管部34の上流端部34aから下流限位置Eまでの領域F内にある位置と定義される。
図1,図2に示すように、凝集混和装置5は、異種液体混合装置4の下流側に設けられており、異種液体混合装置4によって混合された原水2と凝集剤16との混合液40中に形成された凝集フロックを成長させ粗大化させるための緩速攪拌装置の一種である。
凝集混和装置5は、2台(複数台)の混和槽51,52と、両混和槽51,52間に接続される接続管路53と、上下方向に蛇行した蛇行流路54とを有している。各混和槽51,52はそれぞれ、上下両端が閉鎖された縦長の円筒状の槽であり、下部に流入口55を有するとともに、上部に流出口56を有している。
接続管路53の上端は上流側の混和槽51の流出口56に接続され、接続管路53の下端は下流側の混和槽52の流入口55に接続されている。また、蛇行流路54は、混和槽51,52内に形成された上向流路58と、接続管路53内に形成された下向流路59とを有している。尚、上向流路58は流入口55と流出口56との間に形成される。各混和槽51,52の内径は接続管路53の内径よりも大きく、これにより、上向流路58の流路断面積は下向流路59の流路断面積よりも大きい。
また、下流側のラインミキサー10が配管路12を介して上流側の混和槽51の流入口55に接続されている。
図1に示すように、膜分離装置6は、異種液体混合装置4によって混合された原水2と凝集剤16との混合液40を膜ろ過して固液分離するものである。
以下、上記構成における作用を説明する。
図1に示すように、原水2は、原水貯留槽3から、順次、異種液体混合装置4の上流側のラインミキサー9と下流側のラインミキサー10とに供給され、これらのラインミキサー9,10において原水2と凝集剤16とが混合されて混合液40となる。その後、混合液40は、凝集混和装置5の上流側の混和槽51に供給され、さらに上流側の混和槽51から接続管路53を通って下流側の混和槽52に供給される過程において、混合液40中に形成された凝集フロックが成長して粗大化する。その後、混合液40は混和槽52から膜分離装置6に供給されて固液分離され、膜分離装置6で得られた処理水7が処理水槽8に回収される。
このような一連の水処理において、原水2と凝集剤16とは上流側のラインミキサー9で以下のように混合され攪拌される。
図3に示すように、原水貯留槽3から上流側のラインミキサー9に供給された原水2は、このラインミキサー9の入口25から流れ経路20に流れ込み、流れ経路20を流れた後、出口26から流れ出る。このとき、原水2は、第1直管部30を流れた後、縮径部31を経て第2直管部32を流れる際に加速され、拡径部33で漸拡される。このため、図5に示すように、拡径部33の上流端部から下流の領域において、原水2の流れが流れ経路20の内面から剥離して、速度勾配が大きくなり、拡径部33の内面および第3直管部34の内面に沿って渦流45が発生する。
尚、点46は拡径部33の上流端部において原水2の流れが剥離する剥離点を示している。また、第2直管部32の下流側の中央部には、原水2が上流側から下流側へ速い流速で流れる本流47が形成されており、渦流45は本流47の周囲に発生する。
この状態で、凝集剤16を注入管37の注入口38から上流側のラインミキサー9の第3直管部34内に注入することにより、凝集剤16は、第3直管部34内の渦流45中に注入され、渦流45によって注入口38の上流側にも逆流する。これにより、凝集剤16が拡径部33から第3直管部34の全体にわたり分散されて供給され、攪拌がより促進されるため、原水2と凝集剤16とが第3直管部34内において十分に且つ均一に混合され、原水2に含まれる懸濁物質(被凝集物)が凝集剤16と速やかに反応して凝集が開始され、上流側のラインミキサー9の下流側において、凝集フロックが形成される。
これにより、凝集剤16が注入口38の下流側において第3直管部34内に析出するのを防止することができ、第3直管部34が析出した凝集剤16で閉塞されるといった不具合の発生を防ぐことができる。
また、注入管37の注入口38は、流れ経路20の軸方向Lにおいて、拡径部33の直後の位置で開口しているとともに、流れ経路20の径方向Rにおいて、第2直管部32の内面と第3直管部34の内面との中間近傍位置すなわち先述した関係式[1][2]を同時に満足する位置で開口しているため、凝集剤16を注入口38から第3直管部34内に発生する渦流45中に確実に注入することができる。
例えば、第3直管部34の内径Dを25mm、第2直管部32の内径dを13mmとすると、上記関係式[1]に基づいて注入管37の注入口38から第3直管部34の内面までの寸法Bは1.2mm以上に設定され、且つ、上記関係式[2]に基づいて注入口38から第2直管部32の内面までの寸法Cは1.8mm以上に設定されている。
下記表1は、内径Dを25mm、内径dを13mmとし、寸法Bを1mm、3mm、6mm、12.5mmの4段階に設定した時の上流側のラインミキサー9の下流側に流出される混合液40中の総粒子数および上流側のラインミキサー9の第3直管部34における凝集剤16の析出の有無を調べた実験結果を示している。
Figure 0007050201000002
尚、上記総粒子数とは、原水2と凝集剤16との混合液40中に含まれる微小粒子(0.1~0.4μmの粒子)の総数であり、基準となる一定の総粒子数をN個と表示している。上流側のラインミキサー9内で原水2と凝集剤16とが十分に且つ均一に混合されると、このラインミキサー9の下流側において、混合液40中の微小粒子が多数集合して粗大化するため、混合液40中に含まれる微小粒子の総粒子数が減少する。従って、総粒子数が少ないほど、凝集剤16が十分に攪拌混合され、凝集効果が高いことを意味している。
上記表1によると、寸法Bを3mmに設定した試験品S2の場合、寸法Cは3mmとなり、上記関係式[1][2](すなわち、1.2mm≦Bで、且つ、1.8mm≦C)を同時に満たすため、総粒子数が少なく、凝集剤16が析出せず、凝集効果が高い。この場合、図5に示すように、凝集剤16は、注入口38から渦流45の中心部分に注入されるため、渦流45によって注入口38の上流側および下流側へ速やかに拡散する。これにより、原水2と凝集剤16とが十分に且つ均一に混合される
また、寸法Bを1mmに設定した試験品S1の場合、寸法Cは5mmとなり、上記関係式[1][2](すなわち、1.2mm≦Bで、且つ、1.8mm≦C)を同時に満たさないため、注入された凝集剤16が原水2と十分に攪拌混合されず、総粒子数が多く検出されていることから、凝集効果が低いことがわかる。さらに、未反応の凝集剤16が注入口38の下流域に析出する現象も確認された。この場合、図6に示すように、凝集剤16は注入口38から第3直管部34の内面付近(近傍)に注入されるが、第3直管部34の内面付近における原水2の流速は非常に遅いので、凝集剤16の多くは、注入口38の周囲に滞留したまま、拡散し難い。
また、寸法Bを6mmに設定した試験品S3の場合、寸法Cは0mmとなり、上記関係式[1][2](すなわち、1.2mm≦Bで、且つ、1.8mm≦C)を同時に満たさないため、注入された凝集剤16が原水2と十分に攪拌混合されず、総粒子数が多く検出されていることから、凝集効果が低いことがわかる。さらに、未反応の凝集剤16が注入口38の下流域に析出する現象も確認された。この場合、図7に示すように、凝集剤16は渦流45の上流側から下流側へ向かう流れに注入されるため、凝集剤16の多くが、注入後、直ちに原水2の本流47に合流して注入口38の下流側へ流れてしまい、注入口38の上流側へ拡散し難い。
さらに、寸法Bを12.5mmに設定した試験品S4の場合、寸法Cは-6.5mmとなり、上記関係式[1][2](すなわち、1.2mm≦Bで、且つ、1.8mm≦C)を同時に満たさないため、注入された凝集剤16が原水2と十分に攪拌混合されず、総粒子数が多く検出されていることから、凝集効果が低いことがわかる。さらに、未反応の凝集剤16が注入口38の下流域に析出する現象も確認された。この場合、図8に示すように、注入口38から第3直管部34内に注入された凝集剤16の多くは、主に、第3直管部34内の渦流45ではなく、流速の速い本流47に注入されるため、第3直管部34内で十分に攪拌される間も無く、本流47に乗って短時間のうちに一気に下流側へ流されてしまう。これにより、上流側のラインミキサー9の下流側において混合液40中に形成される凝集フロックの数が少なくなり、多くの微小粒子が混合液40中に残ったままになるため、総粒子数が極端に多くなる。
その後、混合液40は、上流側のラインミキサー9から下流側のラインミキサー10内を流れる際、下流側のラインミキサー10の拡径部33の内面および第3直管部34の内面に沿って発生する渦流45によってさらに攪拌される。これにより、凝集剤16は、下流側のラインミキサー10を流れる際、下流側のラインミキサー10の拡径部33内から第3直管部34内において速やかに広範囲に分散する。
従って、2台のラインミキサー9,10を用いた方が、ラインミキサーを1台だけ用いて原水2と凝集剤16とを混合する場合に比べて、原水2と凝集剤16とを十分に且つ均一に混合することができる。
その後、図2に示すように、原水2と凝集剤16との混合液40が混和槽51,52の上向流路58を流れる際、混合液40の平均流速が低下するので、混合液40が緩速攪拌され、混合液40中の粒子同士が会合し易くなり、凝集フロックが成長して粗大化する。これにより、図1に示すように、混合液40が膜分離装置6で固液分離される際、凝集フロックが膜分離装置6のろ過膜の膜面に付着しても、逆洗によってろ過膜を十分に洗浄し、ろ過性能を回復させることができる。
下記表2は凝集状態の評価を調べた結果を示している。このうち、条件(1)とは、ラインミキサー9を1台のみ単体で使用し、このラインミキサー9の下流側に2台の混和槽51,52を接続した形態のものである。また、条件(2)とは、第1の実施の形態のように2台のラインミキサー9,10を直結し、下流側のラインミキサー10の下流側に2台の混和槽51,52(図2参照)を接続した形態のものである。
採水(1)の欄に記載されている数値は、上流側の混和槽51内の上部から採取した混合液40中に含まれる残留アルミニウムの量[mg/リットル]を示している。採水(2)の欄に記載されている数値は、下流側の混和槽52内の上部から採取した混合液40中に含まれる残留アルミニウムの量[mg/リットル]を示している。
尚、上記残留アルミニウムとは、凝集剤16に由来するアルミニウムの内、未反応のアルミニウム分を抽出したものである。
残留アルミニウムの量が多いほど、未反応の凝集剤16が多く、凝集状態が悪いと判断される。反対に、残留アルミニウムの量が少ないほど、未反応の凝集剤16が少なく、凝集状態が良好であると判断される。
Figure 0007050201000003
上記表2によると、条件(1)のときの残留アルミニウム量と条件(2)のときの残留アルミニウム量との差は、採水(1)においては0%であるが、採水(2)においては-9.8%である。これらの数値は以下のようにして算出される。
(0.0252-0.0252)×100/0.0252=0[%]
(0.0193-0.0214)×100/0.0214=-9.8[%]
これにより、下流側の混和槽52内において残留アルミニウムの量が大幅に減少しているため、下流側の混和槽52内において凝集反応が良好に行われていることがわかる。これは、混和槽51,52の上流側において2台のラインミキサー9,10を直結しているため、1台のラインミキサーを単体で用いた場合に比べて、両ラインミキサー9,10において原水2と凝集剤16とが十分に且つ均一に混合されているためであると考えられる。
上記第1の実施の形態では、径方向Rにおける注入口38の位置を、上記関係式[1][2]が同時に満足する位置に設定しているが、好ましくは寸法Bと寸法Cとが等しくなる位置に設定してもよい。
(第2の実施の形態)
先述した第1の実施の形態では、図4に示すように、注入管37の注入口38は第3直管部34内にあるが、以下に説明する第2の実施の形態では、図9,図10に示すように、注入口38は拡径部33内にある。すなわち、注入口38は、流れ経路20の軸方向Lにおいて拡径部33内に面した位置にあり、且つ、流れ経路20の径方向Rにおいて第2直管部32の内面と拡径部33の内面の所定箇所Gとの中間近傍位置で開口している。
尚、所定箇所Gとは、注入口38から流れ経路20の径方向Rにおける外方へ面した箇所である。
また、注入口38から拡径部33内への凝集剤16の注入方向は流れ経路20の軸心50に対して直角となる方向である。
上記径方向Rにおける注入口38から拡径部33の内面の所定箇所Gまでの寸法をBとし、上記径方向Rにおける注入口38から第2直管部32の内面までの寸法をCとすると、上記第2直管部32の内面と拡径部33の内面の所定箇所Gとの中間近傍位置とは以下の関係式[1][2]を同時に満足する位置である。
0.1×(D-d)≦B・・・関係式[1]
0.15×(D-d)≦C・・・関係式[2]
以下、上記構成における作用を説明する。
図10に示すように、凝集剤16を注入口38から上流側のラインミキサー9の拡径部33内に注入することにより、凝集剤16は、上流側のラインミキサー9の拡径部33内と第3直管部34内とにわたって発生する渦流45中に注入され、渦流45によって十分に攪拌される。これにより、凝集剤16が拡径部33内から第3直管部34内において速やかに広範囲に拡散するため、原水2と凝集剤16とが第3直管部34内において十分に且つ均一に混合され、原水2に含まれる懸濁物質が凝集剤16と速やかに反応して凝集が開始され、上流側のラインミキサー9の下流側において、凝集フロックが形成される。
また、注入口38は、流れ経路20の径方向Rにおいて、第2直管部32の内面と拡径部33の内面の所定箇所Gとの中間近傍位置すなわち先述した関係式[1][2]を同時に満足する位置で開口しているため、凝集剤16を注入口38から上流側のラインミキサー9の拡径部33内に発生する渦流45中に確実に注入することができる。
その後、原水2と凝集剤16との混合液40は、上流側のラインミキサー9から下流側のラインミキサー10内を流れる際、下流側のラインミキサー10の拡径部33の内面および第3直管部34の内面に沿って発生する渦流45によってさらに攪拌される。これにより、凝集剤16は、下流側のラインミキサー10を流れる際、下流側のラインミキサー10の拡径部33内から第3直管部34内において速やかに広範囲に分散する。
上記第1および第2の実施の形態では、2台のラインミキサー9,10を直列にして直結しているが、3台以上のラインミキサーを直列にして直結してもよい。
(第3の実施の形態)
先述した第1の実施の形態では、図3に示すように、上流側のラインミキサー9と下流側のラインミキサー10とが直結されているが、以下に説明する第3の実施の形態では、図11,図12に示すように、上流側のラインミキサー9と下流側のラインミキサー10とが、接続管65を介して、所定の間隔をあけて接続されている。
接続管65は、直管部66と、直管部66の両端に設けられた接続フランジ67,68とを有している。直管部66の内径Daは両ラインミキサー9,10の第1直管部30の内径D´ならびに第3直管部34の内径Dと同じである。
上流側のラインミキサー9の出口側のフランジ23と接続管65の一方の接続フランジ67とが接合され、下流側のラインミキサー10の入口側のフランジ22と接続管65の他方の接続フランジ68とが接合されている。
最上流端のラインミキサー9の注入口38から下流側のラインミキサー10の拡径部33の上流端部33aまでの距離Aが1000mm以内に設定されている。尚、この距離Aは520mm~700mmが好ましい。
また、凝集混和装置5は1台の混和槽51のみを有している。
以下、上記構成における作用を説明する。
各ラインミキサー9,10の拡径部33の上流端部33aから下流の領域において、原水2の流れが流れ経路20の内面から剥離して、速度勾配が大きくなり、拡径部33の内面および第3直管部34の内面さらには接続管65の直管部66の内面に沿って渦流45が発生する。
これにより、接続管65を介して上流側のラインミキサー9と下流側のラインミキサー10とを接続した方が、第1の実施の形態に示したように接続管65を介さずに上流側のラインミキサー9と下流側のラインミキサー10とを直に接続した場合に比べて、渦流45の発生領域を軸方向L(流れ方向)において長く確保することができる。このため、原水2と凝集剤16とを十分に且つ均一に混合することができる。
図13は、出入口の口径が50Aのラインミキサー9の速度勾配の分布を示すグラフであり、横軸はラインミキサー9の注入口38から下流側への距離[m]を示し、縦軸は流れ経路20の各断面の平均速度勾配[1/秒]を示す。尚、横軸の「0」の地点が注入口38の位置である。
これによると、速度勾配は、拡径部33において最大になり、拡径部33から下流側へ離れるほど次第に小さくなる。尚、速度勾配は攪拌力と同義であり、速度勾配が大きくなるほど攪拌力が増大し、速度勾配が小さくなるほど攪拌力が減少するといった相関関係を有している。このため、攪拌力は、速度勾配と同様に、ラインミキサー9の拡径部33から下流側へ離れるほど減衰していく。
従って、第3の実施の形態では、最上流端のラインミキサー9の攪拌力が大幅に減衰してしまう前に、下流側のラインミキサー10の攪拌力が拡径部33において最大になるため、攪拌力が長く持続し、これにより、原水2と凝集剤16とを十分に且つ均一に混合することができる。
図14~図16は、各ラインミキサー9,10内の速度勾配の分布を示すグラフであり、横軸は最上流端のラインミキサー9の拡径部33の上流端部33a(図4,図11参照)から下流側への距離[mm]を示し、縦軸は流れ経路20の各断面の速度勾配[1/秒]を示す。このうち、図14のグラフG1はラインミキサー9を1台のみ単独で用いた場合を示しており、横軸のW1の領域がラインミキサー9の拡径部33の位置に相当し、矢印Pがラインミキサー9の注入口38の位置に相当する。これによると、速度勾配は、拡径部33において最大になり、拡径部33から下流側へ離れるほど次第に小さくなることがわかる。
また、図15のグラフG2は、先述した第1の実施の形態(図3参照)のように2台のラインミキサー9,10を直結して用いた場合を示しており、横軸のW1で示した領域が上流側のラインミキサー9の拡径部33の位置に相当し、矢印Pが上流側のラインミキサー9の注入口38の位置に相当し、W2で示した領域が下流側のラインミキサー10の拡径部33の位置に相当する。
また、図16のグラフG3は、第3の実施の形態(図11参照)のように接続管65を介して2台のラインミキサー9,10を接合して用いた場合を示している。横軸のW3で示した領域が接続管65の位置に相当する。
これによると、上流側のラインミキサー9の攪拌力(速度勾配と同義)が大幅に減衰してしまう前に、下流側のラインミキサー10の攪拌力が拡径部33において最大になるため、攪拌力が長く持続することがわかる。
下記表3は凝集状態の評価を調べた結果を示している。このうち、条件(1)とは先述した表2中の条件(1)と同じ形態のものである。また、条件(3)とは、第3の実施の形態のように接続管65を介して2台のラインミキサー9,10を接合し、下流側のラインミキサー10の下流側に2台の混和槽51,52(図2参照)を接続したものである。また、採水(1)および採水(2)の欄は表2と同じものである。
Figure 0007050201000004
上記表3によると、条件(1)のときの残留アルミニウム量と条件(3)のときの残留アルミニウム量との差は、採水(1)においては-8.3%であり、採水(2)においては-10.6%である。これらの数値は以下のようにして算出される。
(0.0255-0.0278)×100/0.0278=-8.3[%]
(0.0219-0.0245)×100/0.0245=-10.6[%]
これにより、両方の混和槽51,52内においてそれぞれ残留アルミニウムの量が大幅に減少しているため、両方の混和槽51,52内においてそれぞれ凝集反応が良好に行われていることがわかる。これは、混和槽51,52の上流側において2台のラインミキサー9,10を接続管65を介して接合しているため、これらラインミキサー9,10および接続管65において原水2と凝集剤16とが十分に且つ均一に混合されているためであると考えられる。
また、条件(1)のときの採水(2)の残留アルミニウム量と条件(3)のときの採水(1)の残留アルミニウム量との差は4.1%である。この数値は以下のようにして算出される。
(0.0255-0.0245)×100/0.0245=4.1[%]
これによると、条件(3)のときの採水(1)の残留アルミニウム量は条件(1)のときの採水(2)の残留アルミニウム量とほとんど変わらないので、条件(3)の場合、2台の混和槽51,52を1台に減らしても、残留アルミニウム量を条件(1)とほぼ同等の値まで低下させることができる。
これにより、図11,図12に示すように、上流側のラインミキサー9と下流側のラインミキサー10とを、接続管65を介して所定の間隔をあけて接続することにより、原水2と凝集剤16とが異種液体混合装置4において十分に且つ均一に攪拌混合されるため、1台の混和槽51のみで十分に成長して粗大化した凝集フロックを得ることができ、混和槽の台数を減らすことができる。
上記第3の実施の形態では、図11に示すように、接続管65は直管部66と接続フランジ67,68とを有しているが、直管部66の代わりに曲管部を有していてもよい。例えば90°に屈曲した曲管部を有する接続管65を介して、上流側のラインミキサー9と下流側のラインミキサー10とを接合することにより、上流側のラインミキサー9の向きと下流側のラインミキサー10の向きとを直交させてもよい。
上記第1~第3の実施の形態では、上流側のラインミキサー9と下流側のラインミキサー10とを同一形状にしているが、形状や大きさが異なっていてもよい。
(第4の実施の形態)
先述した第3の実施の形態では、図11に示すように、直管部66と接続フランジ67,68とを有する接続管65を用いて、両ラインミキサー9,10を接続しているが、以下に説明する第4の実施の形態では、図17に示すように、接続管65は、接続フランジ67,68を有さず、直管部66のみを有している。
また、上流側のラインミキサー9は出口側のフランジ23を有しておらず、下流側のラインミキサー10は入口側のフランジ22を有していない。
接続管65の直管部66は、上流側のラインミキサー9の第3直管部34の出口側端部と下流側のラインミキサー10の第1直管部30の入口側端部とに一体的に設けられている。
これによると、上記第3の実施の形態と同様の作用および効果を得ることができる。
上記第3および第4の実施の形態ではそれぞれ、図11,図17に示すように、1本の接続管65を介して、2台のラインミキサー9,10を間隔をあけて直列に接続しているが、複数本の接続管65を介して、3台以上のラインミキサーを間隔をあけて直列に接続してもよい。
上記各実施の形態では、図3,図11,図17に示すように、注入管37を最上流側のラインミキサー9のみに接続し、凝集剤16を最上流側のラインミキサー9のみに注入しているが、最上流側のラインミキサー9とこのラインミキサー9以外のラインミキサー10とにそれぞれ注入管37を接続して凝集剤16を注入してもよい。
1 水処理設備
2 原水(第1液体)
4 異種液体混合装置
5 凝集混和装置
9,10 ラインミキサー
16 凝集剤(第2液体)
20 流れ経路
30 第1直管部
31 縮径部
32 第2直管部
33 拡径部
33a 拡径部の上流端部
34 第3直管部
37 注入管(注入経路)
38 注入口
51,52 混和槽
65 接続管
A 最上流端のラインミキサーの注入口から下流側のラインミキサーの拡径部の上流端部までの距離
D 第3直管部の内径
d 第2直管部の内径
D´ 第1直管部の内径
Da 直管部の内径
G 所定箇所
L 軸方向
R 径方向

Claims (6)

  1. 第1液体が流れる流れ経路中に第2液体を注入して混合する異種液体混合装置であって、
    複数のラインミキサーが直列に接続され、
    各ラインミキサーは、流れ経路の上流側から、第2直管部と、内径が下流側ほど拡大する拡径部と、第2直管部の内径よりも大きい内径の第3直管部とを順次有しており、
    第2液体を第1液体中に注入する注入経路の先端の注入口が少なくとも最上流端のラインミキサー内へ突入して開口し、
    注入口は、流れ経路の軸方向において第3直管部内に対応した位置で且つ流れ経路の径方向において第2直管部の内面と第3直管部の内面との中間近傍位置で、開口しており、
    第2直管部の内径をdとし、第3直管部の内径をDとし、流れ経路の径方向における注入口から第3直管部の内面までの寸法をBとし、流れ経路の径方向における注入口から第2直管部の内面までの寸法をCとすると、
    中間近傍位置とは、0.1×(D-d)≦Bを満足し、且つ、0.15×(D-d)≦Cを満足する位置であることを特徴とする異種液体混合装置。
  2. 第1液体が流れる流れ経路中に第2液体を注入して混合する異種液体混合装置であって、
    複数のラインミキサーが直列に接続され、
    各ラインミキサーは、流れ経路の上流側から、第2直管部と、内径が下流側ほど拡大する拡径部と、第2直管部の内径よりも大きい内径の第3直管部とを順次有しており、
    第2液体を第1液体中に注入する注入経路の先端の注入口が少なくとも最上流端のラインミキサー内へ突入して開口し、
    注入口は、流れ経路の軸方向において拡径部内に対応した位置で且つ流れ経路の径方向において第2直管部の内面と拡径部の内面の所定箇所との中間近傍位置で、開口しており、
    拡径部の内面の所定箇所とは注入口から流れ経路の径方向における外方へ面した箇所であり、
    第2直管部の内径をdとし、第3直管部の内径をDとし、流れ経路の径方向における注入口から拡径部の内面の所定箇所までの寸法をBとし、流れ経路の径方向における注入口から第2直管部の内面までの寸法をCとすると、
    中間近傍位置とは、0.1×(D-d)≦Bを満足し、且つ、0.15×(D-d)≦Cを満足する位置であることを特徴とする異種液体混合装置。
  3. 各ラインミキサーは、第2直管部の上流側に、第1直管部と、内径が下流側ほど縮小する縮径部とを順次有し、
    第1直管部の内径が第2直管部の内径よりも大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の異種液体混合装置。
  4. 第1直管部と第3直管部とは同径であり、
    上流側のラインミキサーの第3直管部と下流側のラインミキサーの第1直管部とが同径の接続管を介して接続されていることを特徴とする請求項3に記載の異種液体混合装置。
  5. 最上流端のラインミキサーの注入口から下流側のラインミキサーの拡径部の上流端部までの距離が1000mm以内であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の異種液体混合装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の異種液体混合装置を備えた水処理設備であって、
    第2液体は液体の凝集剤であり、
    第1液体は凝集剤によって凝集される被凝集物を含む水であり、
    最下流端のラインミキサーの下流側に凝集混和装置が接続され、
    凝集混和装置は、下部の流入口と上部の流出口との間に上向流路が形成される少なくとも1台の混和槽を有していることを特徴とする水処理設備。
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