JP7049123B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気共鳴イメージング装置において、複数のコイル間に相互に発生する誘導電流を低減する技術に関し、特に傾斜磁場コイル駆動時に、静磁場補正用のシムコイルに生じる誘導電流を低減する技術に関する。
磁気共鳴イメージング(以下、MRIという)装置は、撮像空間に均一な磁場を生成する超電導磁石等の静磁場発生装置と、撮像断面に位置情報を付加するためにパルス状の傾斜磁場を撮像空間に生成する傾斜磁場コイルと、被検者を構成する原子核に磁気共鳴を起こさせるための高周波の電磁波を発生させる照射コイルと、磁気共鳴によって発生するエコー信号(磁気共鳴信号)を検出する受信コイル等を備え、エコー信号を用いて画像を再構成して断層画像を得るものである。
このようなMRI装置において、傾斜磁場コイルの近傍には、磁場を均一に補正するための磁場補正コイル(シムコイル)が配置されており、シムコイルには、補正磁場を発生するために定常的な電流(シム電流)が供給されている。本来、傾斜磁場コイルとシムコイルとは磁気的に結合しない、すなわち相互インダクタンスが発生しないように設計するが、部品や組み立て時に誤差が生じると数μH程度の相互インダクタンスが発生する。このため、傾斜磁場コイルに電流を印加すると、その電流の立ち上がり時或いは立ち下がり時にシムコイルに電流が誘起され、シム電流とは別に不正な電流(誘導電流)が流れる。この誘導電流により、シムコイルにより磁場を均一に補正することが困難になる。
この問題に対し、特許文献1では、傾斜磁場コイルとシムコイルの両方に直列にキャンセルコイルを設置し、両方のキャンセルコイル間に誘導電流を生じさせることで、傾斜磁場コイル駆動時にシムコイルに生じる誘導電圧(電流)を相殺する方法が提案されている。また、特許文献2では、傾斜磁場電源の出力電流を検知し、傾斜磁場コイルとシムコイルとに生じる誘導電流を相殺するような電流をシム電源に加算する技術が提案されている。
特開平1-284239号公報 特開平5-212010号公報
特許文献1による方法と特許文献2による方法は、いずれも、傾斜磁場コイルとシムコイルとに生じる誘導電流を相殺することを目的としているため、傾斜磁場コイル駆動時に発生する誘導電流を正確に把握することが必要となる。例えば、特許文献1の方法では、キャンセルコイルの定数を決定するために誘導電流の大きさを把握する必要がある。特許文献2の方法では、シム電源に加算する電流を決定するために、傾斜磁場コイル駆動時の出力電流を検知することが必要である。そして、そのための手段を追加するなど、回路が煩雑になる。
そこで本発明では、生じる誘導電流の大きさを把握する必要なく、効果的に誘導電流を低減することを課題とする。
本発明はシムコイル自体に誘導電流を低減する回路を付加することにより上記課題を解決する。具体的には、本発明のMRI装置は、以下の構成を有する。静磁場発生装置と、前記静磁場発生装置が発生する静磁場に磁場勾配を与える傾斜磁場コイルと、前記傾斜磁場コイルに近接して配置され、静磁場の不均一を補正するシムコイルと、を備える。さらに、前記シムコイルと当該シムコイルに電流を供給するシム電源との間に直列に接続され、前記シムコイル及び前記シム電源を含む回路の時定数を増大する付加回路を備える。前記付加回路は、前記傾斜磁場コイル及び前記シムコイルとの間に相互インダクタンスを生じない位置に配置されている。
また、前記付加回路は、第一の付加コイルと第二の付加コイルとを含み、前記第一の付加コイルと第二の付加コイルとは、互いに正の相互インダクタンスを生じるように配置されていることが好ましい。
本発明によれば、シムコイルのみの変更によって、誘導電流の大きさを把握しなくても効果的に誘導電流を低減することができる。
本発明が適用されるMRI装置の全体構成を示す図 従来の傾斜磁場コイルとシムコイルの等価回路を示す図 シムコイルに流れる誘導電流を説明する図 第一実施形態の傾斜磁場コイルとシムコイルの等価回路を示す図 付加回路の一例を示す図 参考例の傾斜磁場コイルとシムコイルの等価回路を示す図 実際のMRI装置を用いて測定した誘導電流を示すグラフ 第一実施形態の変形例を示す図 第二実施形態の傾斜磁場コイルとシムコイルの等価回路を示す図
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
まず図1を参照して、本発明が適用されるMRI装置の全体構成を説明する。MRI装置100は、主として、静磁場発生装置と、傾斜磁場発生系(30,31,80)と、シーケンサ40と、送信系(50,51)と、受信系(60,61)と、計算機70とで構成されている。
静磁場発生装置は、永久磁石方式、常電導方式または超電導方式の静磁場発生磁石20を備え、静磁場発生磁石20は、被検者10が置かれる空間に均一な静磁場を発生させる。発生する静磁場の方向により、水平磁場方式と垂直磁場方式があり、前者は被検者1の体軸方向と同一方向に均一な静磁場を発生させ、後者は体軸方向と垂直方向に均一な静磁場を発生させる。図1は一例として水平磁場方式の静磁場発生装置を示している。
傾斜磁場発生系は、MRI装置の座標系であるx,y,zの3軸方向に傾斜磁場を印加する複数の傾斜磁場コイル30と、それぞれの傾斜磁場コイル30を駆動する傾斜磁場電源31と、撮像空間の磁場不均一を補正するための複数のシムコイル80と、それぞれのシムコイル80を駆動するシム電源81とを有している。傾斜磁場発生系は,シーケンサ40からの命令に従って傾斜磁場電源31を駆動することにより、x,y,zの3軸方向に傾斜磁場Gx,Gy,Gzを印加する。また、被検者10が存在する状態での磁場を均一するために、シーケンサ40からの命令に従ってシム電源81を駆動することにより、シムコイル80から磁場を発生させる。
傾斜磁場コイル30が発生する傾斜磁場は、核磁気共鳴信号に位置情報を与えるもので、所定のパルスシーケンスに従ってパルスとして印加される。具体的には、スライス面(撮影断面)に直交する方向にスライス方向傾斜磁場パルスが印加されて、被検者10に対するスライス面が設定される。そして、そのスライス面に直交し、かつ互いに直交する残りの二つの方向に、位相エンコード方向傾斜磁場パルスと周波数エンコード方向傾斜磁場パルスとが印加され、エコー信号にそれぞれの方向の位置情報がエンコードされる。
シムコイル80が発生する磁場は、被検者10の撮影中、磁場を均一に保つために形成される磁場であり、シム電源81から連続して所定の電流(シム電流)が供給される。
シーケンサ40は、計算機70により制御されて動作し、被検者10の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信部51、傾斜磁場発生系及び受信部61に送る。これにより高周波磁場パルス(RFパルス)と傾斜磁場パルスとを所定のパルスシーケンスで繰り返し印加するよう制御する。
送信系は、被検者10に近接して配置される高周波コイル50と、送信部51とを備える。送信部51は、図示していないが、変調器、高周波発振器、高周波増幅器などを備え、高周波コイル50に所定周波数の信号を送る。これにより、被検者10の生体組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせるためのRFパルスが被検者10に照射される。
受信系は、被検者10に近接して配置され、被検者10の生体組織を構成する原子核スピンの核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出する高周波コイル60と、受信部61とを備える。受信部61は、図示していないが、信号増幅器、直交位相検波器、A/D変換器などを備え、デジタル信号に変換したエコー信号を計算機(或いは信号処理回路)70に送る。
計算機70は、各種データ処理と処理結果の表示及び保存等を行う。計算機70には、ディスプレイ71、記憶装置72及び操作装置73が接続されている。
なお図1において、一点鎖線で囲まれる要素は、電磁波を遮蔽するシールドルームに置かれる要素であり、点線で囲まれる要素は、シールドルームの外、例えば操作室に置かれる要素である。
傾斜磁場コイル30及びシムコイル80は、それぞれ、導電性の金属(例えば、銅)を切削、曲げ加工等することによって作られ、円筒状或いは円盤状の絶縁性支持体に固定されている。傾斜磁場コイル30は、3軸方向の傾斜磁場を発生する3組のコイルが、各支持体に形成され、互いに絶縁状態を保って一体化されている。シムコイル80が発生する傾斜磁場の方向は、傾斜磁場コイル30が発生する傾斜磁場の方向とは必ずしも一致しないが、導体のコイルが支持体上に固定されていることは傾斜磁場コイルと同様である。
このような傾斜磁場コイル30及びシムコイル80の等価回路を図2に示す。ここでは、それぞれ、複数ある傾斜磁場コイル及びシムコイルのうちの各一つのコイル30a,80aを代表して示している。等価回路において、傾斜磁場コイル30aは、抵抗R、インダクタンスLで表すことができ、シムコイル80aは、抵抗R、インダクタンスLで表すことができる。
傾斜磁場コイル30とシムコイル80とは、相互インダクタンスが理想的にはゼロになるように設計されているが、部品や組み立てで誤差が生じると、数μH程度の相互インダクタンスMGS[H]が生じる。これにより、傾斜磁場コイル30に電流が流れることによってシムコイル80に誘導電流が生じる。
すなわち、相互インダクタンスMGSがある状態では、一次側(300)である傾斜磁場コイル30aに、例えば、図3(A)に示すような台形形状の電流が流れると、電流の立ち上がり(電流が変化する期間)において、二次側(800)であるシムコイル80aには誘導起電力が生じ、同図(B)に点線で示すような誘導電流が流れる。図3には、シム電源81aから電流を発生させていない状態を示すが、実際には、シムコイル80aには、シム電源81aから静磁場の不均一を補正するための所定電流が供給されているため、このような誘導電流が流れると、静磁場を正確に補正することができない。実際には複数のシムコイルのそれぞれが3つの傾斜磁場コイルとの相互インダクタンスを持つ可能性があるため、誘導電流を検出して補正することは困難である。
本実施形態のMRI装置では、誘導電流を検出して補正するというアプローチを取るのではなく、シムコイルに対し、シムコイル側回路の時定数を大きくする付加回路を接続することにより、傾斜磁場コイルの駆動によりシムコイル側(二次側)に流れる誘導電流の立ち上がりを鈍くし、結果として発生する誘導電流を低く抑える。
以下、シムコイルに接続される付加回路の実施形態を説明する。以下の実施形態でも、代表として、一つのシムコイル80aについて説明する。
<第一実施形態>
本実施形態では、付加回路として、一対の付加コイル、第一付加コイル及び第二付加コイル、から構成される誘導電流低減コイルを用いる。なお以下、個々の付加コイルは、第一コイル或いは第二コイルと略称する。図4に、本実施形態の付加回路(誘導電流低減コイル)を含む傾斜磁場コイル30a及びシムコイル80aの等価回路を示す。
図示するように、一次側の閉回路300は、傾斜磁場コイル30aと、傾斜磁場電源31aとを有していて、直列に接続されている。傾斜磁場コイル30aは、抵抗成分R[Ω]と、自己インダクタンス成分L[H]とを有する。
二次側の閉回路810は、シムコイル80aと、シム電源81aと、誘導電流低減コイル(付加回路)90とを有しており、直列に接続されている。シムコイル80aは、抵抗R[Ω]と自己インダクタンスL[H]とを有する。誘導電流低減コイル90は、自己インダクタンスL[H]の第一コイル91と、自己インダクタンスL[H]の第二コイル92とを有し、第一コイル91と第二コイル92とは、相互インダクタンスMAB[H]が正の値に生じる距離且つ極性(巻線方向)になるように設置されている。すなわち、図4に示すように、第一コイル91に流れる電流によって生じる磁束の向きと第二コイル92に流れる電流によって生じる磁束の向きとが同一方向となるように設置される。相互インダクタンスを正の値となるように配置することで、後述するようにシムコイル80aに流れる誘導電流を低減することができる。なお図4に示す状態に対して例えば極性を逆にしてしまうと、相互インダクタンスMABは負の値を示す。
相互インダクタンスMABは極力大きいことが望ましく、これによって、より高い誘導電流低減効果が得られる。相互インダクタンスMABを大きくするには、例えば第一コイル91と第二コイル92とを接近させて設置させたり、同一の鉄心(コア)に巻きつけるのが良い。例えば、コモンモードチョークコイルを使用すれば、相互インダクタンスは理想的に大きくでき、MAB =L×L程度に大きくできる。この場合、誘導電流低減コイル91は、コモンモードチョークコイル一個のみで実現できる。
また、コイル91と92の自己インダクタンスは等しいことが望ましい(L=L)。特にシム電源81が、電源の中性点を接地した電源である場合、2つの付加コイルを電気的に対称に配置することで、耐電圧内で安定した動作を確保することができる。
本実施形態で用いることが可能なコモンモードチョークコイルの一例を図5に示す。図示するように、コモンモードチョークコイルは、2つのコイル91、92が、同一の鉄心(コア)93に巻かれており、コイル91とコイル92とは同一巻数で、巻線方向は逆向きである。また、端子A及びはシムコイル80a側に接続し、端子C及びはシム電源81a側に接続する。一例として、コア93の直径は約50mm、コイル91及びコイル92の線径は約1.5mmである。このような体系で電流が端子Aからコイル91を経由して端子C方向に流れると、端子からコイル92を経由して端子方向にも電流が流れる。すると、コイル91により鉄心93に生じる磁束と、コイル92により鉄心93に生じる磁束は同一方向で強め合うため、コイル91と92との相互インダクタンスMABは大きくなる。
このような構成の誘導電流低減コイル90は、傾斜磁場コイル30a及びシムコイル80aとは相互インダクタンスは生じないように離れた位置に設置されている。具体的には、例えば、図1に示すように、超電導発生磁石20と傾斜磁場コイル30とシムコイル80とは、シールドルームの中央付近に設置する。誘導電流低減コイル90は、シールドルーム内であって中央付近からできるだけ離れた位置、例えばシールドルームの壁際などに設置するのが望ましい。
次に本実施形態において、傾斜磁場コイル30aが駆動された場合にシムコイル80aに誘導される電流の低減効果を、再度、図3を参照して説明する。
図3(A)に示すように、傾斜磁場電源31aから台形形状の電流を傾斜磁場コイル30aに供給し、一次側から電流を発生させると、相互インダクタンスMGSの存在によって二次側に誘導電流が発生する。この誘導電流は指数関数的に増加或いは減少する。この変化の時定数はインダクタンスを抵抗で除したものに等しく(時定数=インダクタンス/抵抗)、時定数が大きいほど、一定時間内で増加あるいは減少する誘導電流の割合は小さい。
本実施形態では二次側(810)のインダクタンスは、シムコイル80aのインダクタンスL、第一コイル91及び第二コイル92の自己インダクタンスL、L、及び相互インダクタンス2MABの合計とみなすことができるので、二次側の誘導電流の時定数τは
τ=(L+L+L+2MAB)/R
である。
これに対し、図2に示すように誘導電流低減コイル90のような手段を用いない場合(比較例)は、
τ=L/R
であり、本実施形態により誘導電流の最大値を大幅に低減できることがわかる。
なお図6に参考例として示すように、二次側(820)に二つの付加コイル901、902を挿入した構成であって、その配置が付加コイル間に相互インダクタンスが生じないような或いは相互インダクタンスがあっても極めて小さい場合には、時定数τは、
τ=(L+L+L)/R
となり、比較例よりは誘導電流の低減効果があるものの、本実施形態に比べると効果は小さい。したがって、誘導電流の最大値は、本実施形態(付加回路あり)>参考例(付加回路における相互インダクタンスなし)>比較例(付加回路なし)の順番で大きく、本実施形態において誘導電流の最大値を一番抑制することができる。
実際のMRI装置で、一般的なパルスシーケンスであるエコープラナー法(EPI)により傾斜磁場コイルを駆動した場合に、シムコイル側(二次側)に発生する誘導電流を測定した結果を図7に示す。なおシムコイルには電流を供給していない。測定時のシムコイル側の回路定数は、R≒2Ω、Ls≒1.5mH、L=L≒3mH、MAB≒3mHであった。図中、点線は誘導電流低減コイルを挿入していない場合、実線は本実施形態の誘導電流低減コイルを挿入した場合である。この結果から、実機においても、誘導電流低減コイルを設置することによって、誘導電流が低減できることが確認された。
本実施形態によれば、傾斜磁場コイルとの間で不可避的に相互インダクタンスを生じるシムコイルにおいて、シムコイル側に傾斜磁場コイル駆動時の誘導電流を低減する手段を設けることにより、誘導電流を検知するための手段を不要とし簡易な構成で、シムコイルの安定した動作を維持することができる。また付加回路としてコイルを用いることにより、シムコイルに本来供給されているシム電流(定常電流)に対しては影響を与えることなく、シムコイル側回路の時定数を大きくすることができる。
特に誘導電流低減手段として互いに相互インダクタンスを生じる2つのコイルを組み合わせて用いることにより、時定数をさらに大きくすることができ、高い誘導電流低減効果を得ることができる。さらに、2つのコイルの組み合わせとして、コモンモードチョークコイルを用いることにより、回路素子の簡素化、低コスト化を実現することができる。
なお図2及び図4では、耐電圧の観点から、シムコイム及びシム電源に対し、対称に付加回路を追加した例を示したが、例えば、シムイコイルの一方の端子とシム電源との間だけに、付加回路を挿入することも可能である。その場合、例えば、図8に示すように、直列に接続された2つの付加コイル911、912を互いに向き合うように設置し(付加回路910)、且つそれらが発生する磁束の向きが同一方向となる巻き方とすることにより、両者間に正の相互インダクタンスを生じさせることができ、誘導電流低減効果が得られる。
<第二実施形態>
第一実施形態では、誘導電流低減効果を与える2つの付加コイルをそれぞれシムコイルとシム電源との間に、それぞれ直列に接続したが、本実施形態は直列に接続した2つの付加コイルを1組として、シムコイルとシム電源との間に直列に接続したことが特徴である。
以下、図9を参照して本実施形態の付加回路を説明する。なお図9において、図4に示す要素と同一の機能を持つ要素について、同一の符号で示し、重複する説明は省略する。また以下の説明においても、傾斜磁場コイル側を一次側(300)、シムコイル側を二次側として説明する。
図9に示すように、二次側の閉回路840は、シムコイル80aと、シム電源81aと、誘導電流低減コイル94、95とを有しており、これらは直列に接続されている。誘導電流低減コイル94と95とは、シム電源91aを挟んだ位置に、互いに分離して、且つシムコイル80a及び傾斜磁場コイル40aと相互インダクタンスを生じない位置に設置されている。
誘導電流低減コイル94は、自己インダクタンスL[H]の第一コイル941と、自己インダクタンスL[H]の第二コイル942とを有し、第一コイル941と第二コイル942とは、相互インダクタンスMCD[H]が正の値に生じる距離および極性となるように設置されている。同様に、誘導電流低減コイル95は、自己インダクタンスL[H]の第一コイル951と、自己インダクタンスL[H]の第二コイル952とを有し、第一コイル951と第二コイル952とは、相互インダクタンスMEF[H]が正の値に生じる距離および極性となるように設置されている。
誘導電流低減コイル94と95を構成する4つのコイル941、942、951、952の各自己インダクタンスは等しいことが望ましい(L=L=L=L)。また、相互インダクタンスMCDとMEFは極力大きいことが望ましく、相互インダクタンスMCDとMEFは等しいことが望ましい(MCD=MEF)。このような条件を満たす誘導電流低減コイルとして、第一実施形態と同様に、コモンモードチョークコイルを使用することができる。本実施形態の場合、シムコイル80aの一方の端子とシム電源81aとの間及びシムコイル80aの他方の端子とシム電源81aとの間の2箇所、合計二個で実現できる。
この場合、二次側の閉回路840のインダクタンスLは、誘導電流低減コイル94と95のインダクタンスをL、Lとすると、次のようになる。
L=L+L+L
=L+L+2MCD
=L+L+2MEF
これにより、シムコイルの時定数は、
τ=(L+L+L)/Rとなり、誘導電流低減コイル94、95を配置しないときの値(τ=L/R)に比べ、大幅に高くすることができる。また誘導電流低減コイル94、95を、第一コイル941と自己インダクタンスが同じである1本のコイルに置き換えた場合(図6の参考例)に比べても大きい時定数を実現できる。
本実施形態によれば、第一実施形態と同様に、大きな誘導電流低減効果が得られる。また図5に示す第一実施形態の誘導電流低減コイルよりも、小さな自己インダクタンスおよび相互インダクタンスを有する誘導電流低減コイルを使用しても、二次側に発生する誘導電流を第一実施形態と同等な程度に低減することができる。
なお図9では、シムコイル及びシム電源に対し、2つの誘導電流低減コイル94、95を電気的に対称となるように配置した例を示したが、一方の誘導電流低減コイルを省略することも可能である。
また以上の実施形態は、複数の傾斜磁場コイル及び複数のシムコイルのうち、一つの傾斜磁場コイルと一つのシムコイルとの組み合わせを例に説明したが、本発明は一つの組み合わせに限るものではなく、複数のシムコイルの全てに付加回路を設けてもよいし、傾斜磁場コイルとの相互インダクタンスの影響を最も受ける1ないし複数のシムコイルを選択して付加回路を設けてもよい。
10:被検者、20:静磁場発生装置、40:シーケンサ、30:傾斜磁場コイル、30a:傾斜磁場コイル、50:高周波コイル、51:送信部、60:高周波コイル、61:受信部、70:計算機、80:シムコイル、80a:シムコイル、81:シム電源、90:誘導電流低減コイル(付加回路)、91:第一の付加コイル、92:第二の付加コイル、94:誘導電流低減コイル(付加回路)、941:第一の付加コイル、942:第二の付加コイル、95:誘導電流低減コイル(付加回路)、951:第一の付加コイル、952:第二の付加コイル、910:誘導電流低減コイル、911:第一の付加コイル、912:第二の付加コイル、100:MRI装置、300:一次側の閉回路、800:二次側の閉回路、810:二次側の閉回路、820:二次側の閉回路、830:二次側の閉回路、840:二次側の閉回路

Claims (9)

  1. 静磁場発生装置と、前記静磁場発生装置が発生する静磁場に磁場勾配を与える傾斜磁場コイルと、前記傾斜磁場コイルに近接して配置され、静磁場の不均一を補正するシムコイルと、を備え、
    前記シムコイルと当該シムコイルに電流を供給するシム電源との間に直列に接続され、前記シムコイル及び前記シム電源を含む回路の時定数を増大する付加回路をさらに備え、前記付加回路は、前記傾斜磁場コイル及び前記シムコイルとの間に相互インダクタンスを生じない位置に配置されていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記付加回路は、第一の付加コイルと第二の付加コイルとを含み、
    前記第一の付加コイルと第二の付加コイルとは、互いに正の相互インダクタンスを生じるように配置されていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記第一の付加コイルは、前記シムコイルの一方の端子と前記シム電源と間に配置され、前記第二の付加コイルは、前記シムコイルの他方の端子と前記シム電源と間に配置されていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記付加回路は、同一の鉄心に前記第一の付加コイルと前記第二の付加コイルとが巻かれたコモンモードのチョークコイルであることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記第一の付加コイルの自己インダクタンスと前記第二の付加コイルの自己インダクタンスとは、等しいことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記第一の付加コイルと前記第二の付加コイルは、直列に接続されていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  7. 請求項6に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    直列に接続された前記第一の付加コイルと第二の付加コイルとの対からなる付加回路が、前記シムコイルの一方の端子と前記シム電源と間、及び前記シムコイルの他方の端子と前記シム電源と間に、それぞれ配置されていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  8. 請求項7に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    各付加回路を構成する前記第一の付加コイル及び前記第二の付加コイルは、自己インダクタンスが等しいことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  9. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    複数のシムコイルを備え、前記複数のシムコイルのうち少なくとも一つのシムコイルに前記付加回路が接続されていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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