JP7047951B2 - 液体噴射装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の液体噴射装置は、タンク(液体貯留部)に貯留されたインクを、供給チューブを介して印刷ヘッドに供給する液体供給装置と、手動で供給チューブ(流路)を開閉可能な流路開閉装置と、を有している。この流路開閉装置を使用して手動で流路を閉にすることによって、液体噴射装置内にインクが充填された場合であっても、インクが漏れ出さない状態で液体噴射装置を輸送することができる。
図1及び図2は、実施形態1に係る液体噴射装置1Aの斜視図である。なお、図1ではスキャナー5が装置本体2に対して閉じられた状態が図示され、図2ではスキャナー5が装置本体2に対して開かれた状態が図示されている。
まず、図1及び図2を参照し、本実施形態に係る液体噴射装置1Aの概略構成について説明する。
なお、X方向は、「主走査方向」の一例である。
本実施形態に係る液体噴射装置1Aは、例えば、用紙などの媒体に「液体」の一例であるインクを吐出して印刷するインクジェット式のプリンターである。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせている。
なお、操作パネル6は、「報知部」の一例である。
なお、液体噴射装置1Aは、スキャナー5を備えない構成であっても良い。スキャナー5の代わりに、装置本体2内部を上面から覆う上面カバーを設けてもよい。
図1及び図2は、液体噴射装置1AをY(+)方向側(前方側)から見た斜視図である。一方、図3は、液体噴射装置1AをY(-)方向側(後方側)から見た斜視図である。
また、図3では、キャリッジ30がホームポジションHPに位置する状態が図示されている。図4では、キャリッジ30とレバー62A(操作部61)と筐体3と液体貯留ユニット10とが模式的に図示され、他の構成要素の図示が省略されている。さらに、図4では、装置本体2のY(+)方向側が図示され、装置本体2のY(-)方向側の図示が省略されている。
フレーム4は、筐体3の構成要素であり、キャリッジ30に対してZ(+)方向側に配置されている。このため、Y方向側から見た側面視において、フレーム4とキャリッジ30とは重ならず、キャリッジ30をX方向に移動させた場合に、キャリッジ30とフレーム4とは干渉しない。
一方、Y方向側から見た側面視において、フレーム4とレバー62Aとは重なる。
非印刷領域RAは、印刷領域PAに対してX(-)方向側に位置する非印刷領域RA1と、印刷領域PAに対してX(+)方向側に位置する非印刷領域RA2とを含む。印刷領域PAは、2つの非印刷領域RA1,RA2の間に配置されている。
なお、筐体3のX(-)方向側には側壁が設けられ、非印刷時において、X(-)方向側に移動するキャリッジ30がこの側壁に接触可能になっている。そして、側壁に接触した場合のキャリッジ30の位置が、キャリッジ30がX方向に往復移動する際の基準位置になる。
キャリッジ30は、Z(+)方向側にキャリッジカバー32を有する中空の容器である。キャリッジ30には、液体噴射部50及び開閉機構60Aに加えて、中継アダプターが搭載されている。中継アダプターは、キャリッジカバー32によって覆われ、キャリッジ30の内側に配置される。
このように、液体噴射部50は、媒体に対してインクを噴射するノズル51を有する。
図5は、本実施形態に係る液体噴射装置1Aの電気的構成を示すブロック図である。
図5に示すように、制御部80は、制御基板に設けられたCPU(中央演算素子)81やメモリー82、インターフェイス部(I/F)83、及び検出部84などを有する。
メモリー82は、CPU81が動作するプログラムを格納する領域や動作する作動領域などを確保する記憶媒体であり、RAM、EPROMなどの記憶素子によって形成される。
なお、PC110が印刷データを作成し、制御部80は、PC110から受信する印刷データに基づいて、液体噴射部50、搬送機構25、キャリッジモーター31などを制御する構成でもよい。さらに、操作パネル6の操作ボタン8によってユーザーから入力された操作コマンドに基づいて、制御部80が印刷データを作成し、当該印刷データに基づいて、液体噴射部50、搬送機構25、キャリッジモーター31などを制御する構成でも構わない。
媒体収容部22に収容された媒体は、搬送機構25により、主走査方向と交差する搬送方向の上流側から下流側に搬送される。そして、搬送機構25は、液体噴射部50の下方側において液体噴射部50と対向する領域に設けられたプラテン(不図示)に媒体を搬送する。そして、プラテンに支持された媒体の液体噴射部50と対向する面に対して、液体噴射部50のノズル51からインクが噴射される。これにより、媒体の液体噴射部50と対向する面に印刷が実施される。そして、印刷が行われた媒体は、媒体排出トレイに向けて排出される。
制御部80は、メンテナンスユニット55を制御することで、液体噴射部50に対してメンテナンス動作を行う。
制御部80は、光学センサー(不図示)等からなる開閉検出部85によって、スキャナー5の開閉状態を受信する。
制御部80における検出部84は、キャリッジモーター31の回転トルクを検出することによって、キャリッジモーター31の駆動負荷を検出する。詳細は後述するが、検出部84は、キャリッジモーター31の駆動負荷によって、開閉機構60A(レバー62A)と接触部100との接触を検出する。
図6は、開閉機構60Aの斜視図である。図7は、開閉機構60Aの分解斜視図である。図8A及び図8Bは、Z(-)方向側から見た開閉機構60Aの図6のB-B線矢視断面図である。
図8A及び図8Bでは、ケース69の図示を省略している。図8Aは、供給流路40が開放されている状態であり、図8Bは、供給流路40が閉塞されている状態である。
次に、図6、図7、図8A、及び図8Bを用いて開閉機構60Aについて説明する。
ケース69と供給流路支持部68とは、開閉部63(開閉機構60A)の外装フレームである。ケース69と供給流路支持部68との間には、ケース69側から順に、軸部64及びカム部材65と、押圧部材66とが配置される。さらに、供給流路40は、押圧部材66と供給流路支持部68との間に配置される。
軸部64は、Z方向に長い部材である、軸部64の押圧部材66と対向する部分に、カム部材65が設けられている。さらに、軸部64のZ(+)方向側の端には、操作部61(レバー62A)が設けられている。
本実施形態では、軸部64と、カム部材65と、レバー62Aとは、樹脂を用いた一体成型で作製されている。また、ケース69と押圧部材66と供給流路支持部68とも、樹脂の成形品である。
レバー62Aはキャリッジ30の外側に配置されているので、ユーザーがレバー62Aを手で摘まんでレバー62Aを回転させると、レバー62Aの回転に連動して、カム部材65が回転する。
すなわち、凹部71は、押圧部材66の移動方向をガイドする。
供給流路40が開放されている図8Aに示す状態において、図中に矢印で示される時計回り方向にレバー62Aを回転させ、軸部64及びカム部材65を時計回りに回転させると、押圧部材66が供給流路支持部68に近付く方向に、押圧部材66の位置が変化する。押圧部材66が供給流路支持部68に近付くと、図8Bに示すように、供給流路40が押圧部材66と供給流路支持部68とによって押圧され、供給流路40が潰れ、供給流路40が閉塞された状態になる(閉状態になる)。
図8Bに示されるレバー62Aを反時計回りに回転させると、押圧部材66が供給流路支持部68から遠ざかり、図8Aに示すように、供給流路40の潰れが解消され、供給流路40が開放され、液体貯留部13と液体噴射部50との間のインクの連通が許容される。すなわち、供給流路40が開状態になる。
このように、開閉部63は、レバー62Aが閉位置に位置するときに供給流路40を閉塞し、レバー62Aが開位置に位置するときに供給流路40を開放する押圧部材66を有する。
このように、操作部61は、供給流路40を開状態とする開位置と、供給流路40を閉状態とする閉位置との間を回動可能なレバー62Aを有する。そして、操作部61(レバー62A)は、供給流路40を開状態とする開位置と供給流路40を閉状態とする閉位置との間を移動可能である。換言すれば、操作部61は、供給流路40を開状態とする開位置と供給流路40を閉状態とする閉位置との間を、軸部64を中心に回動可能なレバー62Aを含む。
例えば、液体噴射装置1Aを移動させたり搬送したりするときに、すなわち、液体噴射装置1Aを輸送するとき、開閉機構60Aを閉塞しておけば、液体噴射部50のノズル51からインクが漏れ出しにくくなる。
詳しくは、液体噴射装置1Aを輸送すると、液体貯留部13や供給流路40内のインクに振動や衝撃が作用する。液体貯留部13や供給流路40内のインクに振動や衝撃が作用すると、液体噴射部50のノズル51内のインクに圧力が作用し、液体噴射部50のノズル51からインクが漏れ出るおそれがある。
液体噴射装置1Aを輸送する前に、開閉機構60Aによって供給流路40を閉塞しておけば、液体噴射装置1Aを輸送する場合に、液体噴射部50内のインクに作用する圧力変動を低く抑えることができ、液体噴射部50のノズル51からインクが漏れ出るおそれを抑制することができる。
ところが、ユーザーが手作業でレバー62Aを閉位置または開位置に操作するので、液体噴射装置1Aの輸送が終了しても、ユーザーがレバー62Aを閉位置から開位置に変更することを忘れてしまい、供給流路40が閉塞された状態で印刷処理がなされ、液体噴射部50からインクが噴射されず、媒体に画像が形成されないという不具合が生じるおそれがある。
図4では、開位置のレバー62Aが実線で図示されており、閉位置のレバー62Aが二点鎖線で図示されている。なお、開位置のレバー62Aとは、供給流路40を開状態とする位置に配置されるレバー62Aである。閉位置のレバー62Aとは、供給流路40を閉状態とする位置に配置されるレバー62Aである。すなわち、レバー62Aが図4における実線の位置に位置する場合に供給流路40は開かれ、レバー62Aが図4における二点鎖線の位置に位置する場合に供給流路40は閉じられる。
さらに、図4では、開閉機構60A(レバー62A)をキャリッジ30と一緒にホームポジションHPの位置からX(+)方向に移動させた場合、開位置のレバー62Aが移動する移動領域TAが破線で図示され、閉位置のレバー62Aが移動する移動領域TBが一点鎖線で図示されている。
また、以降の説明では、キャリッジ30の移動に伴って開位置のレバー62Aが移動する移動領域TAを、開位置のレバー62Aの移動領域TAと称す。キャリッジ30の移動に伴って閉位置のレバー62Aが移動する移動領域TBを、閉位置のレバー62Aの移動領域TBと称す。
以下、図4を参照し、供給流路40の開閉状態の検出方法、すなわち、本実施形態に係る液体噴射装置1Aの検出方法について説明する。
このため、フレーム4のY(+)方向側の端4Bにおいて、部分92は部分91よりもY(-)方向側に張り出している。さらに、フレーム4のY(+)方向側の端4Bにおいて、Y(-)方向側に張り出した部分92のX(-)方向側の端が、接触部100である。
このように、接触部100は、フレーム4に設けられている。さらに、フレーム4は筐体3の構成要素であるので、接触部100は、液体噴射部50及びキャリッジ30を収容する筐体3に設けられている。
このため、開閉機構60A(レバー62A)をキャリッジ30と一緒にホームポジションHPの位置からX(+)方向に移動させた場合、開位置のレバー62Aとフレーム4とは干渉(接触)しない。その結果、キャリッジ30の移動は阻害されない。
換言すれば、接触部100は、開位置に位置する操作部61(レバー62A)がキャリッジ30の移動に伴って移動する移動領域TAの外側に配置されるので、接触部100と操作部61(レバー62A)とは干渉せず、キャリッジ30の移動は阻害されない。
このように、レバー62A(操作部)は、供給流路40が開状態でキャリッジ30を移動させた場合に、接触部100に接触しない。
このように、接触部100は、閉位置に位置する操作部61(レバー62A)がキャリッジ30の移動に伴って移動する移動領域TBの内側に配置される。
さらに、Y方向側から見た側面視において、フレーム4とレバー62Aとは重なるので、ホームポジションHPに位置するキャリッジ30をX(+)方向に移動させると、開位置のレバー62Aはフレーム4の部分91に接触しないが、閉位置のレバー62Aはフレーム4の部分92(接触部100)に接触する。すると、キャリッジ30の移動が阻害される。
すなわち、供給流路40が閉状態でキャリッジ30を移動させた場合(閉位置のレバー62Aをキャリッジ30と一緒に移動させた場合)、閉位置のレバー62A(開閉機構60A)は接触部100に接触する。換言すれば、接触部100は、供給流路40が閉状態でキャリッジ30を移動させた場合に、操作部61(レバー62A)と接触する。
このように、レバー62A(操作部)は、供給流路40が閉状態でキャリッジ30を移動させた場合に、接触部100に接触する。
ホームポジションHPに位置するキャリッジ30をX(+)方向に移動させる場合、Z(+)方向側から見た上面視において、キャリッジ30とフレーム4の部分92(接触部100)とは重なるが、キャリッジ30をX(+)方向に移動させても、キャリッジ30とフレーム4の部分92(接触部100)とは干渉せず、キャリッジ30の移動は阻害されない。
制御部80は、検出部84が接触部100とレバー62Aとの接触を検出した場合、供給流路40の閉状態であると判断する。また、制御部80は、開閉機構60Aが搭載されたキャリッジ30をホームポジションHPからX(+)方向に移動させ、キャリッジモーター31の駆動負荷が予め定められた閾値を超えない場合、接触部100とレバー62Aとが接触していなく、供給流路40が開状態であると判断する。
このように、液体噴射装置1Aの輸送が終了し、液体噴射装置1Aの電源をオンにすると、制御部80は、キャリッジ30を移動させ、供給流路40が開状態であるのか、または、供給流路40が閉状態であるのかを判断する。換言すれば、本実施形態に係る液体噴射装置1Aの検出方法は、電源投入に伴ってキャリッジ30を移動させ、キャリッジ30の移動によって供給流路40の状態を検出する。
供給流路40が閉状態であると判断する基準となる閾値は、キャリッジ30がX方向に移動される場合のキャリッジモーター31の駆動負荷と、キャリッジ30の移動が阻害される場合のキャリッジモーター31の駆動負荷との間に設定されている。すなわち、供給流路40が閉状態であると判断する基準となる閾値は、キャリッジ30がX方向に移動される場合のキャリッジモーター31の駆動負荷よりも大きく、キャリッジ30の移動が阻害される場合のキャリッジモーター31の駆動負荷よりも小さい。
キャリッジモーター31の駆動負荷は、誤作動によって瞬間的に急上昇して閾値を超えるおそれがある。このような場合、制御部80は、キャリッジ30の移動が阻害されていると誤検出する。制御部80が、予め定められた閾値を一定時間超えた場合に、供給流路40が閉状態であると判断するようにすると、誤作動によってキャリッジモーター31の駆動負荷が瞬間的に急上昇しても、制御部80が誤検出するおそれが少なくなり、制御部80は、閉位置に位置するレバー62Aがフレーム4の接触部100に接触し、キャリッジ30の移動が阻害され、供給流路40が閉状態であることを適正に検出することができる。
なお、上述した一定時間は、例えば、1秒以上である。
本実施形態では、X(+)方向が「主走査方向における第1方向」に該当し、X(-)方向が「第1方向と反対方向である第2方向」に該当する。
キャリッジ30をX(-)方向(第2方向)に移動させ、ホームポジションHPの位置に移動させると、キャリッジ30に搭載される開閉機構60A(レバー62A)とフレーム4の接触部100との接触が解消され、キャリッジ30や開閉機構60Aに対して余分な力が付与されなくなる。さらに、レバー62Aと接触部100との接触が解消されると、レバー62Aの位置を閉位置から開位置に変更する作業が実施されやすくなる。
なお、制御部80が供給流路40の閉状態を検出した場合、すなわち、キャリッジ30に搭載される開閉機構60Aとフレーム4の接触部100とが接触した場合、キャリッジ30や開閉機構60Aに対して余分な力が加わらないように、制御部80は、キャリッジモーター31の駆動を一時的に停止することが好ましい。
換言すれば、本実施形態に係る液体噴射装置1Aは、供給流路40が閉状態であることを報知する操作パネル6(報知部)を備える。
なお、ユーザーに供給流路40が閉状態であることを報知する「報知部」は、点滅するランプ(パトライト(登録商標))であり、光によって供給流路40が閉状態であるというアラームを報知してもよい。ユーザーに供給流路40が閉状態であることを報知する「報知部」は、ブザーであり、音によって供給流路40が閉状態であるというアラームを報知してもよい。
なお、レバー62Aと接触部100とが接触した状態では、閉位置に位置するレバー62Aを時計回りに回転させることが難しいので、本実施形態では、閉位置に位置するレバー62Aを時計回りに回転させるために、キャリッジ30をX(-)方向側(第2方向側)へ移動させている。
ここで、制御部80が、供給流路40の開閉状態を検出するタイミングについて説明する。
制御部80が供給流路40の開閉状態を検出するタイミングは、液体噴射装置1Aの電源が投入されてから、電源投入後のノズル51からインクが最初に排出されるまでの間であればよい。具体的には、液体噴射装置1Aの電源が投入されてから電源投入後の最初の空吐出を行うまでの間、液体噴射装置1Aの電源が投入されてから電源投入後の最初のクリーニングによってインクを排出するまでの間、液体噴射装置1Aの電源が投入されてから電源投入後の最初の印刷のためにインクを噴射するまでの間、の何れかであってもよい。
さらに、上述したタイミングの何れかにおいて、液体噴射装置1Aの電源の投入に伴って送られる制御部80からキャリッジモーター31への駆動信号によってキャリッジ30がX(+)方向(第1方向)側に移動する動作で供給流路40の開閉状態を検出するようにしても構わない。
電源がオンの状態である場合、スキャナー5の開閉動作は、開閉検出部85によって検出可能である。スキャナー5が開かれることによって、操作部61は、ユーザーによって操作され、供給流路40が閉塞される可能性がある。そして、ユーザーが供給流路40を閉塞した状態のまま、スキャナー5を閉じてしまう虞がある。従って、電源がオンの状態において、スキャナー5が開いた後に閉じられる開閉動作後から当該開閉動作後にノズル51からインクが最初に排出されるまでの間が望ましい。具体的には、電源がオンの状態においてスキャナー5の開閉動作後から当該開閉動作後の最初の空吐出を行うまでの間、電源がオンの状態においてスキャナー5の開閉動作後から当該開閉動作後の最初のクリーニングによってインクが排出されるまでの間、電源がオンの状態においてスキャナー5の開閉動作後から当該開閉動作後の最初の印刷のためのインクを噴射するまでの間、の何れかであればよい。上記のタイミングで供給流路40の開閉状態の検出動作を行うことによって、ユーザーが供給流路40を閉め忘れたままにしてしまうのを抑制できる。
このため、本実施形態では、液体噴射装置1Aの輸送が終了し、液体噴射装置1Aの電源がオンになると、制御部80は、ホームポジションHPに位置するキャリッジ30をX(+)方向(第1方向)に移動させ、供給流路40の開閉状態を検出するようになっている。
すなわち、本実施形態は、液体噴射装置1Aが媒体に印刷するための構成要素を活用して、供給流路40の開閉状態を検出するので、供給流路40の開閉状態を検出するために新たな構成要素を必要とせず、供給流路40の開閉状態を検出するために新たな構成要素を必要とする場合と比べて、液体噴射装置1Aの低コスト化を図ることができる。
(1-1)手動で操作部61を操作することで供給流路40を開閉するために、液体噴射装置1A内にインクが充填された状態で液体噴射装置1Aを輸送し、印刷を再開する際に供給流路40を開くことを忘れてしまうことがある。その点、検出部84は、供給流路40が閉状態でキャリッジ30を移動させた場合に、開閉機構60Aが接触部100と接触することを検出することができる。これにより、ユーザーが供給流路40を開放することを忘れてしまう虞を抑制することができる。
図9は、図4に対応する図であり、実施形態2に係る液体噴射装置1BをZ(+)方向側から見た場合の模式図である。図10は、実施形態2に係る液体噴射装置1BをX(-)方向側から見た場合の模式図である。図11は、図7に対応する図であり、実施形態2に係る開閉機構60Bの分解斜視図である。
図9には、キャリッジ30が移動する領域TC(以降、キャリッジ30の移動領域TCと称す)が、破線で図示されている。さらに、図9では、フレーム4の図示が省略されている。図10では、キャリッジ30とレバー62Bと液体貯留ユニット10とが模式的に図示され、他の構成要素の図示が省略されている。さらに、図9及び図10では、供給流路40が開状態にある場合の変位部材67が実線で図示され、供給流路40が閉状態にある場合の変位部材67が二点鎖線で図示されている。
本実施形態では、接触部101は、キャリッジ30に設けられ、移動する。供給流路40が閉状態にある場合に接触部101に接触する開閉機構60Bは、移動せず、静止している。そして、供給流路40が閉状態である場合に、接触部101が移動して開閉機構60Bに接触する。
この点が、本実施形態と実施形態1との主な相違点である。
以下、図9~図11を参照し、本実施形態に係る液体噴射装置1Bの概要を、実施形態1との相違点を中心に説明する。また、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
液体貯留ユニット10は、非印刷領域RA1に配置されている。
開閉機構60Bは、二つの液体貯留ユニット10のZ(+)方向側の面(上面)のうち、Z(-)方向側に位置する面に接するように、液体貯留ユニット10の上部に配置されている。このため、開閉機構60Bは、移動せず、静止している。
開閉機構60Bでは、レバー62Bを除き、装置本体2の筐体3の内部に配置されている。このため、レバー62Bは、筐体3のX(-)方向側の側面から筐体3の外部へ突き出ている。
なお、レバー62Bが、筐体3内に設けられるような構成であってもよい。そのような場合には、例えば、スキャナー5を開いた状態で、レバー62Bにアクセスできるように、筐体3のフレーム4に開口(図示省略)を設けることが好ましい。
変位部材67は、軸部64のレバー62Bが装着されている側と反対側の端部に装着され、レバー62Bの移動に連動して変位する。一方、実施形態1では、開閉機構60Aは、開閉部63と操作部61とを有し、変位部材67を有していない。
さらに、本実施形態のレバー62Bは、実施形態1のレバー62Aと比べて、寸法が短く、軸部64がレバー62Bの長手方向の中心に配置され、ユーザーがレバー62Bを摘まんで回動させやすくなっている。
本実施形態では、レバー62Bの長手方向と変位部材67の長手方向とが成す角度は45度になるよう構成されている。レバー62Bの長手方向と変位部材67の長手方向とが成す角度は、適宜変更可能である。
以降の説明では、供給流路40が閉状態になる場合の変位部材67を、閉位置の変位部材67と称し、供給流路40が開状態になる場合の変位部材67を、開位置の変位部材67と称す。
図10において、図中に実線で示される開位置の変位部材67を、反時計回りに180度回すと、図中に二点鎖線で示される閉位置の変位部材67になる。図中に二点鎖線で示される閉位置の変位部材67を、時計回りに180度回すと、図中に実線で示される開位置の変位部材67になる。
さらに、図10において、変位部材67をX方向側から見た場合、図中に実線で示される開位置の変位部材67はキャリッジ30と重ならず、図中に二点鎖線で示される閉位置の変位部材67はキャリッジ30と重なる。
すなわち、ホームポジションHPに位置するキャリッジ30をX(-)方向に移動させる場合に、閉位置の変位部材67に接触するキャリッジ30のX(-)側の面が接触部101である。このように、本実施形態では、接触部101がキャリッジ30に設けられている。
変位部材67は、供給流路40が閉状態でキャリッジ30を移動させた場合、キャリッジ30に設けられた接触部101に接触する。換言すれば、キャリッジ30は、液体噴射部50を搭載し、X方向に往復移動可能であり、供給流路40が閉状態である場合に変位部材67(開閉機構60B)に接触可能な接触部101を有する。
なお、接触部101は、本実施形態のようにキャリッジ30に設けられてもよいし、キャリッジ30の筐体に固定され、変位部材67との接触を緩衝することが可能な緩衝材のようなキャリッジ30とは別の部材として設けられてもよい。
次に、供給流路40の開閉状態の検出方法を説明する。
上述したように、制御部80は、特定のタイミングで供給流路40の開閉状態の検出を行う。また、本実施形態のレバー62Bは、筐体3の外側に設けられているため、スキャナー5の開閉動作後に供給流路40の開閉状態の検出を行わなくてもよい。なお、レバー62Bが筐体3内部に設けられている構成の場合には、スキャナー5の開閉動作後に供給流路40の開閉状態の検出を行うことが好ましい。
供給流路40が開状態である場合、開位置に位置する変位部材67はキャリッジ30の移動領域TCの外側に位置するため、キャリッジ30をX(-)方向(第1方向)に移動させたとしても、接触部101と変位部材67とは接触しない。この場合、キャリッジモーター31の駆動負荷が閾値を超えることはなく、検出部84は、接触部101と変位部材67との接触を検出しない。そして、制御部80は、供給流路40が開状態であると判断する。
このように、本実施形態に係る液体噴射装置1Bの検出方法は、キャリッジ30の移動によって供給流路40が閉状態であることを検出する。換言すれば、本実施形態に係る液体噴射装置1Bの検出方法は、キャリッジ30を移動させたとき、キャリッジ30の移動が阻害された場合に供給流路40が閉状態であることを検出する。さらに換言すれば、本実施形態に係る液体噴射装置1Bの検出方法は、液体噴射装置1Bがキャリッジ30を移動させるキャリッジモーター31を備え、キャリッジモーター31の駆動負荷によって供給流路40が閉状態であることを検出する。
さらに、制御部80は、X方向(主走査方向)におけるX(-)方向(第1方向)にキャリッジ30を移動させ、供給流路40の閉状態を検出した場合、X(-)方向(第1方向)と反対方向であるX(+)方向(第2方向)にキャリッジ30を移動させ、キャリッジ30をホームポジションHPの位置に移動させる。
このように、本実施形態では、X(-)方向が「主走査方向における第1方向」に該当し、X(+)方向が「第1方向と反対方向である第2方向」に該当する。
本実施形態は、液体噴射装置1Bが媒体に印刷するための構成要素を活用して、供給流路40の開閉状態を検出するので、供給流路40の開閉状態を検出するために新たな構成要素を必要とせず、供給流路40の開閉状態を検出するために新たな構成要素を必要とする場合と比べて、液体噴射装置1Bの低コスト化を図ることができる。
(2-1)手動で操作部61を操作することで供給流路40を開閉するために、液体噴射装置1B内にインクが充填された状態で液体噴射装置1Bを輸送し、印刷を再開する際に供給流路40を開くことを忘れてしまうことがある。その点、検出部84は、供給流路40が閉状態でキャリッジ30を移動させた場合に、開閉機構60Bが接触部101と接触することを検出することができる。これにより、ユーザーが供給流路40を開放することを忘れてしまう虞を抑制することができる。
実施形態1の液体噴射装置1Aは、開閉機構60Aの代わりに、実施形態2の開閉機構60Bを搭載する構成であってもよい。つまり、閉位置の変位部材67と接触部100とが接触するようにしてもよい。
実施形態2の液体噴射装置1Bは、開閉機構60Bの代わりに、実施形態1の開閉機構60Aを有する構成であってもよい。つまり、接触部101とレバー62Aが接触するようにしてもよい。変形例2において、閉位置のレバー62Aは、キャリッジ30の移動領域TCの内側に配置され、開位置のレバー62Aは、キャリッジ30の移動領域TCの外側に配置される。
カム部材65と、軸部64と、押圧部材66と、が一体形成されても良い。このようにすることによって部品点数を削減することができる。また、軸部64とレバー62Aとが一体に形成されていても良い。さらに、軸部64とレバー62Bと変位部材67とが一体に形成されていても良い。
上記の実施形態1において、制御部80は、主走査方向において、閉位置のレバー62Aと接触部100とが接触してキャリッジ30の移動を停止させるときのキャリッジ30の位置である停止位置と、ホームポジションHPとの間に、キャリッジ30の第1方向への移動を減速させる減速位置を予め設定してもよい。すなわち、供給流路40の開閉状態を検出する際に、キャリッジ30が減速位置に移動したら、キャリッジ30の移動速度を減速する。従って、減速位置まではキャリッジ30の移動速度を速くすることができるので、スループットを向上できる。
上記の実施形態2において、制御部80は、主走査方向において、閉位置に位置する変位部材67と接触部101とが接触してキャリッジ30の移動を停止させるときのキャリッジ30の位置である停止位置と、ホームポジションHPとの間に、キャリッジ30の第1方向への移動を減速させる減速位置を予め設定してもよい。すなわち、供給流路40の開閉状態を検出する際に、キャリッジ30が減速位置に移動したら、キャリッジ30の移動速度を減速する。従って、減速位置まではキャリッジ30の移動速度を速くすることができるので、スループットを向上できる。
上記の各実施形態は、キャリッジ30の第1方向への移動が阻害されることで、キャリッジモーター31の駆動負荷が閾値を超えることを検出部84が検出する。そして、制御部80は、検出部84の検出結果に基づき、供給流路40が閉状態であると判断する。キャリッジ30の第1方向への移動が阻害されるとは、キャリッジ30の移動が停止する場合だけでなく、キャリッジ30が第1方向に移動する速度が遅くなる場合も含む。つまり、接触部100と操作部61との接触、又は、接触部101と変位部材67との接触によるキャリッジ30の第1方向への移動を阻害させるとは、キャリッジ30の移動が停止することに加えて、キャリッジ30の移動速度が遅くなることを含む。
操作部61は、軸部64を中心に回動するレバー62A、62Bの代わりに、スライド式の操作部61を採用しても良い。また、操作部61としての摘みを回すことによって変位部材67を変位させる構成にしても構わない。
押圧部材66によって供給流路40を押し潰す以外の供給流路40を閉塞する構成として、操作部61を操作することによって、可撓性のダイアフラムを空気で加圧し、供給流路40を閉塞するような構成を採用しても良い。
上記の各実施形態は、キャリッジモーター31の駆動負荷を検出することによって供給流路40の開閉状態を検出する構成に限られない。供給流路40が閉状態のときにキャリッジ30の第1方向への移動を停止させる位置に、閉位置に位置する操作部61又は変位部材67を検出する光学センサーを設けることによって、操作部61と接触部100との接触、又は変位部材67と接触部101との接触を検出するような構成でもよい。
上記の実施形態1において、接触部100は、筐体3のフレーム4以外の装置本体2を構成するもので構成されてもよい。例えば、装置本体2に設けられ、液体噴射部50のメンテナンスのために排出された廃液を回収するメンテナンスボックス(不図示)の筐体に接触部100を設けてもよい。
供給流路支持部68によって複数の供給流路40が配列される方向は、適宜変更しても構わない。
上記の実施形態2において、開閉機構60Bは、液体貯留ユニット10上に配置したが、装置本体2内部の任意の位置に配置しても構わない。
上記の各実施形態は、5種類のインクを採用していたが、インクの種類は任意の数を採用してもよい。その場合には、採用するインクの任意の種類の数に対応し、液体貯留部13、供給流路40、等の数を対応させればよい。
液体噴射装置1A、1Bは、インク以外の他の液体を吐出する液体噴射装置1A、1Bであってもよい。液体噴射装置1A、1Bから微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。ここでいう液体は、液体噴射装置1A、1Bから吐出させることができるような材料であればよい。例えば、液体は、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属、金属融液、のような流状体を含むものとする。液体は、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置1A、1Bの具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を吐出する装置がある。液体噴射装置1A、1Bは、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。液体噴射装置1A、1Bは、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ、光学レンズ、などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する装置であってもよい。液体噴射装置1A、1Bは、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する装置であってもよい。
Claims (12)
- 搬送方向に搬送される媒体に対して液体を噴射することで記録を行う液体噴射部と、
前記液体噴射部へ供給される液体を貯留する液体貯留部と、
前記液体貯留部と前記液体噴射部とを連通する供給流路と、
前記供給流路を、前記液体貯留部と前記液体噴射部とを連通する開状態と、前記液体貯留部と前記液体噴射部とを連通しない閉状態と、に切り替え可能な開閉部と、前記開閉部を操作するための操作部と、を有する開閉機構と、
前記供給流路の前記開閉状態を検出可能な検出部と、
回動可能に設けられるカバーと、
を備え、
前記カバーは、前記開閉部が前記閉状態にされた状態で、前記開閉機構が露出しないように前記開閉機構を覆うことが可能であることを特徴とする液体噴射装置。 - 前記検出部は、前記操作部の位置を検出することで、前記供給流路の前記開閉状態を検出することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
- 前記操作部は、前記カバーが開かれた時に露出する位置に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置。
- 前記開閉部は、前記搬送方向において、前記液体噴射部よりも下流側に配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
- 前記液体噴射部を搭載した状態で前記搬送方向と交差する主走査方向に移動可能なキャリッジを備え、
上方からの平面視において、前記開閉機構の少なくとも一部は、前記キャリッジの移動領域と重なる位置にあることを特徴とする請求項1から請求項4のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。 - 前記液体噴射部を搭載した状態で前記搬送方向と交差する主走査方向に移動可能なキャリッジを備え、
上方からの平面視において、前記閉状態における前記開閉機構の少なくとも一部は、前記キャリッジの移動領域のうち前記搬送方向下流側の領域と重なる位置にあることを特徴とする請求項1から請求項4のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。 - 前記開閉機構は、前記操作部と連動して変位する変位部を有し、
前記検出部は、前記変位部の位置を検出することで、前記供給流路の前記開閉状態を検出することを特徴とする請求項1から請求項6のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。 - 前記供給流路が前記閉状態であることを報知可能な報知部を備えることを特徴とする請求項1から請求項7のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
- 液体貯留部は、液体を補充可能な注入口を有することを特徴とする請求項1から請求項8のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
- 前記開閉部は、前記操作部と連動して変位する押圧部材を有し、
前記閉状態において、前記押圧部材は、前記供給流路の弾性部を押し潰すことを特徴とする請求項1から請求項9のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。 - 前記開閉機構は、前記液体貯留部から離れた位置に配置されることを特徴とする請求項1から請求項10のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
- 制御部を更に備え、
前記制御部は、液体噴射装置の電源が投入されてから前記液体噴射部が最初に液体を噴射するまでの間に前記検出部による検出を実行することを特徴とする請求項1から請求項11のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
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