JP7042764B2 - トマトエキストラクト及びその製造方法、並びにトマトエキストラクトを含んだ飲食品及び化粧品 - Google Patents

トマトエキストラクト及びその製造方法、並びにトマトエキストラクトを含んだ飲食品及び化粧品 Download PDF

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Description

本発明が関係するのは、トマトエキストラクト及びその製造方法、並びにトマトエキストラクトを含んだ飲食品及び化粧品である。
近年、健康志向の高まりの下、人々が注目するのは、食品の機能性成分である。当該機能性成分の用途は、幅広く、例えば、食品や化粧品等である。この食品を例示すると、飲料、調味料やサプリメントなどである。
注目されている食品由来の機能性成分の一つは、リコピンである。リコピンを含有するのは、植物であり、例えば、トマトやスイカ等である。一般的に、リコピンの抽出に用いられるのは、有機溶媒である。有機溶媒とは、有機化合物であって、常温常圧で液体であり、かつ、水不溶性物質を溶かすものをいう。有機溶媒を例示すると、エタノール、ベンゼン、酢酸エチル、ヘキサン、アセトン、クロロホルム等である。
リコピンが有するのは、強い抗酸化力であり、それによって、様々な疾病を予防できるとされている。リコピンの抗酸化力が作用するのは、体内にリコピンが吸収された場合である。体に吸収され易いのは、シス体のリコピンである。シス体は、トランス体と比較して腸管への吸収が高いことが知られている(非特許文献1参照)。
しかし、トマトエキストラクトに多く含まれるのは、トランス体のリコピンである。リコピンの構造は、自然界では、通常、トランス体だからである。つまり、市販のトマトエキストラクトにおいて、シス体のリコピンの含有率は低い。
そこで、市場で求められているのは、トマトエキストラクトであって、シス体のリコピンが多く含まれているものである。トランス体のリコピンをシス化する方法として知られているのは、有機溶媒中でヨウ素を触媒として光異性化させる方法(特許文献1)や有機溶媒中で固体触媒と共に加熱処理する方法(特許文献2)等である。
特表2007-522166号公報 特表2010-500302号公報
In vitro micellarization and intestinal cell uptake of cis isomers of lycopene exceed those of all-trans lycopene.ファイラ(Failla)、他2名、Journal of Nutrition、2008年、第138巻、第482~486ページ。
トマトエキストラクトの課題は、有機溶媒抽出への消費者の忌避感、及びリコピンの吸収率の低さである。有機溶媒が忌避されるのは、リコピンが直接口にされ、又は肌に塗布されるからである。他方、前述のとおり、体が吸収しやすいのは、シス体のリコピンである。しかし、トランス体のリコピンをシス化するのに必要なのは、有機溶媒の使用である。
当該課題を解決するため、本発明に係るトマトエキストラクトの製造方法を構成するのは、超臨界抽出及び加熱である。超臨界抽出とは、抽出であって、その溶媒が超臨界流体(例えば、超臨界二酸化炭素)であることをいう。本発明において、抽出される物質は、主に、リコピンであるが、他の物質が抽出されることは妨げられない。また、リコピンの抽出元(すなわち、原材料)は、トマト加工品(例えば、トマトパルプ)である。リコピンを超臨界抽出することで、有機溶剤が不要となる。また、リコピンに対するシスリコピンの含有率(シスリコピン含有率)が上がる。そのように超臨界抽出されたリコピンは加熱されることで、シスリコピン含有率が更に上がる。加熱にあたり、他の物質が加熱されることは妨げられない。
本発明に係るトマトエキストラクトは、シスリコピン含有率が60%以上である。それによって、トマトエキストラクトは、リコピンの吸収が高められる。
本発明が奏する効果は、トマトエキストラクトに対する忌避感の解消、及び、リコピンの吸収性の向上である。
本実施の形態に係るトマトエキストラクトの製造方法のフローチャート 本実施の形態に係るさらなるトマトエキストラクトの製造方法のフローチャート HPLC分析によって得られたリコピンの吸収スペクトル HPLC分析によって得られたトマトエキストラクトのクロマトグラム 実施例における焦げ発生の目視図
図1が示すのは、本実施の形態に係るトマトエキストラクトの製造方法(以下、「本製法」という。)のフローチャートである。本製法を構成するのは、超臨界抽出工程(S10)、加水工程(S20)、脱水工程(S30)、及び加熱工程(S40)である。これらの工程のうち加水工程(S20)及び脱水工程(S30)の採用は、任意である。
<トマトエキストラクト>
トマトエキストラクトとは、抽出物であって、その由来がトマト又はトマト加工品であるものをいう。当該トマトエキストラクトの含有成分は、少なくとも、リコピンである。当該トマトエキストラクトが目指す指標を列挙すると、超臨界抽出されたリコピンのシス体含有率(シスリコピン含有率)、超臨界抽出されたリコピンの5-シスリコピン含有率(5-シス体含有率)、リコピン濃度、水分含有率である。これらの指標の詳細は、後述する。
<トマト加工品>
トマト加工品が満たすべきは、リコピンの含有である。トマト加工品を列挙すると、トマトジュース、トマトピューレ、トマトペースト、やそれらを遠心分離して得られる沈殿物(トマトパルプ)などである。
<トマトパルプ>
トマト加工品のうち好ましいものは、トマトパルプである。その理由は、水分含量が少なく、さらに言えば、糖分が少ないからである。トマト加工品において、水分含量の多さが意味するのは、リコピン濃度の低さ、及び加熱時間の長さである。つまり、リコピン濃度が低いと、リコピンの抽出効率が下がってしまう。また、加熱時間が長いと、後述するリコピンの異性化(シス化)効率も下がってしまう。トマト加工品において、糖分の多さが意味するのは、乾燥時のリコピン濃度の低さ、及び超臨界抽出物への糖分の混入である。つまり、乾燥時のリコピン濃度が低いと、リコピンの抽出効率が下がってしまう。また、超臨界抽出物へ糖分が混入と、後述する加熱工程における焦げの原因となってしまう。以上の観点から、トマト加工品は、好ましくは、トマトパルプであり、より好ましいのは、乾燥トマトパルプである。
<乾燥トマトパルプ>
乾燥トマトパルプとは、トマトパルプであって、乾燥させたものであり、好ましくは、粉末状のものである。トマトパルプの乾燥方法は、通常用いられている方法であればよく、例示すると、ドラムドライヤー、スプレードライ、熱風乾燥などである。粉末状にする方法は、通常用いられている方法であればよく、例示すると、パワーミルやピンミルなどである。
<超臨界抽出工程(S10)>
超臨界抽出とは、抽出であって、その溶媒が超臨界流体であるものをいう。超臨界流体とは、流体であって、拡散性及び溶解性を兼ね備えるものをいう。超臨界流体を例示すると、超臨界水や超臨界二酸化炭素等である。以下の説明において、本製法が採用するのは、超臨界二酸化炭素である。また、超臨界流体は、エントレーナーを含んでもよい。本製法において、抽出される物質は、主に、リコピンであるが、他の物質が抽出されることを妨げない。リコピンの抽出元は、トマト加工品であり、好ましくは、トマトパルプであり、より好ましくは、乾燥トマトパルプである。超臨界抽出を採用することで、有機溶媒が不要となる。また、トランス体のリコピンが異性化されて、シス体のリコピンとなる(シス化の促進)。本製法において、抽出された物質(リコピン及びそれ以外の物質)を総称して、超臨界抽出物という。
超臨界抽出では、超臨界装置が使用される。超臨界装置は、供給した二酸化炭素を超臨界状態にするための昇圧ポンプと加熱機、超臨界二酸化炭素によって原材料からリコピンを抽出する抽出槽、超臨界二酸化炭素を常圧に戻し、二酸化炭素とリコピンを分離する分離ユニットによって構成される。超臨界抽出は、超臨界装置の抽出槽における温度、ガス流量、圧力によって制御される。これらの条件は、投入した原材料からリコピンを十分に抽出できれば特に限定されないが、温度は、好ましくは、50乃至90度、より好ましくは、70乃至90度である。ガス流量は、好ましくは、500乃至700kg/hである。また、圧力は、好ましくは、30乃至50MPaである。
<加水工程(S20)>
超臨界抽出物が加水されると、水溶性成分は、超臨界抽出物から水に溶け出す。水溶性成分を例示すると、多糖類である。水溶性成分が残存していると、後述する加熱工程(S40)において、焦げおよび焦げ臭が発生する。焦げおよび焦げ臭が影響して、トマトエキストラクトの商品性を損なってしまう。水が加えられるのは、超臨界抽出物である。加水条件は、超臨界抽出物に含まれる水溶性成分を十分に溶解できれば特に限定されないが、加えられる水の温度は、好ましくは、40乃至90度、より好ましくは、50乃至60度である。また、加えられる水の量は、好ましくは、超臨界抽出物の3倍量以上、より好ましくは、5倍量以上である。本工程においては、超臨界抽出物に加水して得られるのは、加水超臨界抽出物である。加水超臨界抽出物が撹拌されることで、水溶性成分が溶け出し易くなる。
<脱水工程(S30)>
加水超臨界抽出物が脱水されると、水とともにそこに溶けた水溶性成分も除かれる。加水超臨界抽出物が脱水されて得られるのは、脱水超臨界抽出物である。つまり、加水工程(S20)及び脱水工程(S30)の目的は、超臨界抽出物からの水溶性成分の除去である。それによって、トマトエキストラクトの商品性を保てる。脱水手段は、通常用いられている方法であればよく、例示すると、デカンテーションや遠心分離等である。加水工程(S20)及び脱水工程(S30)は、反復されてもよい。言い換えると、脱水超臨界抽出物が再度加水されて、その後、脱水されてもよい。これらの工程の反復回数を決める要素の一つは、超臨界抽出物に含まれる水溶性成分の量である。
<加熱工程(S40)>
加熱工程(S40)が実行されるのは、超臨界抽出工程(S10)の後であり、好ましくは、脱水工程(S30)の後である。超臨界抽出物(又は脱水超臨界抽出物)を加熱して得られるのは、トマトエキストラクトである。加熱の目的の一つは、シスリコピンの増加である。トマトエキストラクトに含まれるリコピンに対するシスリコピンの含有率は、超臨界抽出物のそれよりも高い。シスリコピン含有率の詳細は、後述するが、その値は、好ましくは、60%以上、より好ましくは、70%以上、さらに好ましくは、80%以上である。加熱の他の目的は、水分含有率の低下である。水分含有率が高いと、保管中に微生物が発生しやすくなる。水分含有率とは、トマトエキストラクト中に含まれている水分量の重量割合を意味する。トマトエキストラクトの水分含有率は、好ましくは、0.01乃至0.5%である。
超臨界抽出物を加熱する手段は、通常用いられている方法であればよく、例示すると、蒸気や高温水による加熱等である。加熱温度は、好ましくは、110乃至140度であり、より好ましくは、120乃至140度である。加熱温度が110度未満であると、シスリコピン含有率は低下してしまう。また、加熱の実施は、減圧下でもよい。減圧下加熱の利点は、リコピンのシス化及び水分含有率の低下の時間を短縮できる点である。シスリコピン含有率及び水分含有率に影響するのは、加熱であって、減圧ではない。減圧手段は、通常用いられている方法であればよく、例示すると、減圧ポンプや真空シリンダ等である。加熱工程において、撹拌することが好ましい。超臨界抽出物を撹拌することで、加熱によるエネルギーを均一に超臨界抽出物に与えることが出来る。したがって、撹拌しながら加熱することは、リコピンのシス化と水分含有率の低下を早める。
<トマトエキストラクトの含有成分>
本発明に係るトマトエキストラクト(以下、単に、「トマトエキストラクト」という。)が少なくとも含有する成分は、リコピンであり、好ましくは、超臨界抽出されたリコピンである。トマトエキストラクトは、他の成分を含んでいてもよい。他の成分を例示すると、脂溶性成分等である。脂溶性成分を例示すると、β-カロテン、α-カロテン、ルテイン、ゼアキサンチン、フィトエン、フィトフルエン等のカロテノイド化合物の他に、ビタミンE、リン脂質、植物ステロール、不飽和脂肪酸等である。
<リコピン濃度>
リコピンの濃度は、好ましくは、6%以上、より好ましくは、8%以上、さらに好ましくは、10%以上である。リコピンの濃度とは、トマトエキストラクトに含まれているリコピン量の重量割合である。リコピンの濃度が低いと、商品において所望のリコピン濃度を実現するために、トマトエキストラクトの配合量を増やさなければならず、商品設計を制限してしまう。
<シスリコピンの含有率>
トマトエキストラクトに含まれるリコピンに対するシスリコピンの含有率は、60%以上である。リコピンに対するシスリコピンの含有率とは、トマトエキストラクト中の全リコピン量に対する全シスリコピン量の割合(%)である。リコピン量の測定方法は、逆相カラムや順相カラムを用いたHPLC(高速液体クロマトグラフィー)法である。定量は、クロマトグラム中における各リコピンのピークのピーク面積に基づいて算出される。より詳細には、シスリコピン含有率(%)は、下記式により算出できる。
[リコピンに対するシスリコピンの含有率(%)]=([全シスリコピンのピークのピーク面積の合算値]/[全リコピンのピークのピーク面積の合算値])×100
ここで、全リコピンとは、オールトランスリコピンとシスリコピンをあわせたものを指す。また、全シスリコピンは、全てのシスリコピンをあわせたものを指す。
シスリコピンは、HPLC分析によって得られるピークの吸収スペクトルとピークのリテンションタイムによって特定される。図3が示すのは、オールトランスリコピンと5-シスリコピンの吸収スペクトルである。リコピンに特徴的な吸収極大は、400乃至500nm付近に3つ存在する。このような吸収スペクトルを持つピークをシスリコピンとして確認できる。図4が示すのは、後述する区分3、90分加熱後のトマトエキストラクトをHPLC分析して得られたクロマトグラムである。β-カロテンのピーク以降に検出されるピークであって5シス-リコピンまでのピークをシスリコピンと確認できる。リコピンの吸収波長は、リコピンを溶解する有機溶媒によって多少の変化が認められる。シスリコピン含有率が高いことは、経口摂取および皮膚への塗布の際に、より多くのリコピンを体内に吸収可能となる。
<5-シスリコピンの含有率>
トマトエキストラクトに含まれるリコピンに対する5-シスリコピンの含有率は、好ましくは、7%以上である。リコピンに対する5-シスリコピンの含有率とは、全リコピン量に対する5-シスリコピン量の割合(%)である。5-シスリコピンを含むリコピンの量は、逆相カラムや順相カラムを用いたHPLC(高速液体クロマトグラフィー)法により測定できる。定量は、クロマトグラム中における各リコピンのピークのピーク面積に基づいて算出される。より詳細には、5-シスリコピンの含有率(%)は、下記式により算出できる。
[5-シス体含有率(%)]=([5-シスリコピンのピークのピーク面積]/[全リコピンのピークのピーク面積の合算値])×100
5-シスリコピンは、他のシスリコピンと比較して、熱エネルギー学上、非常に安定性が高い構造である。また、5-シスリコピンは、オールトランスリコピンや9-シスリコピン、13-シスリコピンと比較して抗酸化活性が高いこと、人体への吸収が高いことが知られている。5-シス体含有率が高いことは、製品に用いた際の長期保管におけるシスリコピンの総量の減少を抑え、且つより高い抗酸化活性を提供する。
<水分含有率>
トマトエキストラクトは、水分含有率が0.01乃至0.5%であることが好ましい。水分含量が高いことは、保管中の微生物発生の原因となる。また、水分含量が高いことは、離水によってサプリメントのカプセルを溶かしてしまう等、製品形状の制限につながる。水分含有率は、トマトエキストラクト中に含まれている水分量の重量割合を意味する。水分含有率の測定方法は、加熱乾燥法及びカールフィッシャー法である。トマトエキストラクトの水分含有率が1%以上の場合、水分含有率は、加熱乾燥法を用いて測定し、下記式により算出できる。
[水分含有率(%)]=((水分除去前のサンプル重量[g]-水分除去後のサンプル重量[g])/(水分除去前のサンプル重量[g]))×100
トマトエキストラクトの水分含有率1%以下の場合、水分含有率は、カールフィッシャー法を用いて測定できる。
<トマトエキストラクトの用途>
得られたトマトエキストラクトの用途は、幅広く、例示すると、飲食品、化粧品、医薬品等である。飲食品は、特に限定されるものではないが、好ましくは、各種飲料、調味料、ジュレ、ゼリー、ジャム、シャーベット、サプリメント(栄養補助食品)等である。
トマトエキストラクトは、以下の原材料および工程によって得られた。各工程を組み合わせて区分1乃至9のトマトエキストラクトを得た。
<原材料>
トマトエキストラクトを得るための原材料には乾燥トマトパルプを用いた。乾燥トマトパルプは、トマトジュースを遠心分離することによって得た沈殿物(トマトパルプ)を回収し、回収したトマトパルプを乾燥処理した後、さらに粉砕処理して得た。乾燥処理は、ドラムドライヤー(ジョンソンボイラ株式会社製 JM-T型)を用い、ドラム表面温度130乃至140度で加熱を行い、トマトパルプの水分含量を10%以下にした。粉砕処理にはピンミル(株式会社 奈良機械製作所製 SJM-2型)を用い、回転速度6000rpmで粉砕した後、1.5mmメッシュを通して乾燥トマトパルプを得た。
<超臨界抽出工程>
乾燥トマトパルプに対する超臨界抽出工程(S10)は、超臨界抽出装置を用いて行った。超臨界抽出装置は、昇圧ポンプ、加熱機、抽出槽、分離ユニットによって構成される。超臨界抽出は、以下の条件で行った。
投入量:53kg
温度:80度
ガス:二酸化炭素
流量:600kg/h
圧力:45MPa
<加水工程及び脱水工程>
超臨界抽出物に対する加水工程(S20)及び水分含有超臨界抽出物に対する脱水工程(S30)は次の通り行った。得られた超臨界抽出物300gを、下部から抜き取り可能なコック付きタンクに入れ、5倍量の60度の温水を添加した。品温が60度になるまで湯浴で加温した後、撹拌機で200rpmの条件で15分間撹拌し、水分含有超臨界抽出物を得た。水分含有超臨界抽出物を5分間静置し、水部と脂質部が分離したら、タンク下部のコックを開き、水部を除去した。タンク内の脂質部に対して、前述の温水の添加から水部の除去までの工程を2回繰り返し行った後、タンク内の脂質部を回収し、脱水超臨界抽出物を得た。
<加熱工程>
超臨界抽出物又は水分含有超臨界抽出物に対する加熱工程(S40)は、ホットスターラー(IKA社製 RHベーシック)を用いて行った。得られた超臨界抽出物又は水分含有超臨界抽出物10gをステンレス製カップ(底面直径:55mm)に入れ、ホットスターラーにて所定の温度で撹拌しながら加熱を行い、トマトエキストラクトを得た。撹拌は、スターラーバーを用いて行った。
<区分1>
区分1のトマトエキストラクトは、図2のフローチャートに従って得た。加熱工程における加熱温度は、120度であった。
<区分2乃至6>
区分2乃至6のトマトエキストラクトは、図1のフローチャートに従って得た。加熱工程における各区分の加熱温度は、区分2:140度、区分3:120度、区分4:110度、区分5:100度、区分6:80度であった。
<区分7>
区分7のトマトエキストラクトは、加熱工程における撹拌を行わなかったこと以外は、区分3と同様の製造方法にて得た。
<区分8>
区分8のトマトエキストラクトは、図1のフローチャートのうち、脱水工程後の加熱工程を行わずに得た。
<区分9>
区分9のトマトエキストラクトは、図2のフローチャートのうち、超臨界抽出工程後の加熱工程を行わずに得た。
区分1乃至9のトマトエキストラクトは、以下の評価に供した。
<シスリコピン含有率>
各区分のトマトエキストラクトのシスリコピン含有率の測定方法は、以下に示した。
トマトエキストラクトが0.1mg/mL(w/v)となるようにヘキサンに溶解し、0.2μmのPTFEフィルター(ADVANTEC社製)に通し、HPLCに供するサンプルを得た。得られたサンプルは、以下の条件でHPLC分析に供した。
装置:日立高速液体クロマトグラフChromaster(株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)
カラム:Nucleosil 300-5 〔固定相:シリカゲル、内径:4.6mm×250mm、ジーエルサイエンス株式会社製〕 カラム3本を連結して使用
カラム温度:30度
サンプル注入量:10μL
移動相:ヘキサン(0.1% N,N-ジイソプロピルエチルアミン含有)
流速:1.0mL/min
検出波長:460nm
シスリコピン含有率は、HPLC分析によって得られたクロマトグラフ中のピーク面積に基づいて前述の式から算出した。
<水分含有率>
各区分のトマトエキストラクトの水分含有率の測定方法は、以下に示した。トマトエキストラクトの水分含有率が1%以上の場合は、加熱乾燥法を用いて測定した。詳しくは、ホットスターラー(IKA社製 RHベーシック)を用い、サンプルを120度で加熱しながら撹拌して水分を除去し、前述の式により水分含有率を算出した。トマトエキストラクトの水分含有率1%以下の場合は、カールフィッシャー法を用いて測定した。詳しくは、以下の装置を用いて測定を行った。
装置:カールフィッシャー水分計 (京都電子工業株式会社製、電量滴定法、MCU-610)
陽極液:ケムアクア陽極液 AO (京都電子工業株式会社、電量用試薬、油用)
陰極液:ケムアクア陰極液 CGE (京都電子工業株式会社、電量用試薬、一般用)
<焦げ発生>
各区分のトマトエキストラクトの焦げ発生の確認方法は、以下に示した。焦げの発生は、加熱工程後(加熱処理時間120分)のステンレス製カップへの焦げの付着及びトマトエキストラクト中への焦げの混入を指標に行った。ステンレス製カップへの焦げの付着は、加熱工程後のステンレス製カップからトマトエキストラクトを回収した後、ヘキサンでカップを洗浄し、容器表面への焦げの付着の有無を目視にて確認した。トマトエキストラクト中への焦げの混入は、トマトエキストラクト1gをヘキサン:ジクロロメタン(5:1、v/v)溶液500mLに溶解し、No.5A濾紙(ADVANTEC社製)で濾過し、濾紙上に残った焦げの有無を目視にて確認した。なお、区分8及び区分9は、加熱工程を行わないため評価対象外とした。
<5-シス体含有率>
各区分のトマトエキストラクトの5-シス体含有率の測定方法は、以下に示した。トマトエキストラクトからのリコピンの抽出およびHPLC分析は、シスリコピン含有率と同様の方法で行った。5-シス体含有率は、HPLC分析によって得られたクロマトグラフ中のピーク面積に基づいて前述の式から算出した。
<リコピンの濃度>
各区分のトマトエキストラクトのリコピンの濃度の測定方法は、以下に示した。トマトエキストラクトが0.02mg/mL(w/v)となるようにヘキサンに溶解し、0.2μmのPTFEフィルター(ADVANTEC社製)に通し、HPLCに供するサンプルを得た。得られたサンプルは、以下の条件でHPLC分析に供した。
装置:日立高速液体クロマトグラフL-7000(株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)
カラム:L-column〔固定相:ODS、内径:4.6mm×150mm、一般財団法人化学物質評価研究機構製〕
カラム温度:40度
サンプル注入量:10μL
移動相:アセトニトリル/メタノール/テトラヒドロフラン(55:40:5(v/v))混液(α-トコフェロール50ppm含有)
流速:1.5mL/min
検出波長:453nm
リコピンの濃度は、HPLC分析によって得られたサンプル中のリコピン濃度と抽出に供したトマトエキストラクトの重量から算出した。
評価結果は表1乃至5のとおりである。表1乃至2および表4乃至5中の「-」は、未測定を意味する。
表1が示すのは、各区分における各加熱時間のシスリコピン含有率(%)である。表1によれば、シスリコピン含有率が良好なのは、区分1乃至4、区分7、および区分9であった。これらの区分では、シスリコピン含有率が60%以上のトマトエキストラクトが得られた。
Figure 0007042764000001
表2が示すのは、各区分における各加熱時間の水分含有率(%)である。表2によれば、水分含有率が良好なのは、区分1乃至6であった。これらの区分では、水分含有率が0.5%以下のトマトエキストラクトが得られた。
Figure 0007042764000002
シスリコピン含有率と水分含有率の両方が良好なのは、区分1乃至4であった。つまり、区分1乃至4は、加熱工程において60%以上のシスリコピン含有率に達したときに、水分含有率が0.5%以下に達していた。その他の区分は、シスリコピン含有率が60%以上に達したとしても、その際の水分含有率が0.5%以下に達することができなかった。これらの区分は、水分含有率が0.5%以下に達したとき、既にシスリコピン含有率が低下傾向にあり、60%以上に達することはできない。
表3が示すのは、各区分における加熱工程後の焦げの発生の有無である。図5が示すのは、区分1及び区分3の焦げの発生の目視結果である。表3及び図5によれば、焦げの発生が確認されたのは、区分1であった。区分1は、シスリコピン含有率および水分含有率は良好だが、製品化においては焦げを除去しなければならない。
Figure 0007042764000003
区分3と区分8の比較は、シスリコピン含有率を高め、且つ水分含有率を低下させるために加熱工程が必要であることを示す。区分2乃至6の比較は、十分な温度での加熱工程、好ましくは110乃至140度で加熱することがシスリコピン含有率を高めるために必要であることを示す。区分3と区分1の比較は、製品化を容易にするために加水工程及び脱水工程を行うことが好ましいことを示す。
表4が示すのは、各区分における各加熱時間の5-シス体含有率(%)である。表4によれば、5-シス体含有率が良好なのは、区分1乃至4及び区分7であった。これらの区分では、5-シス体含有率が7%以上のトマトエキストラクトが得られた。
Figure 0007042764000004
表5が示すのは、各区分における各加熱時間のリコピンの濃度(%)である。表5によれば、リコピンの濃度が良好なのは、区分1乃至9であった。これらの区分では、リコピンの濃度が6%以上のトマトエキストラクトが得られた。
Figure 0007042764000005
超臨界抽出されたリコピンを含むトマトエキストラクトは、リコピンのシス体含有率が60%以上である。さらに、トマトエキストラクトに含まれるリコピンの5-シス体含有率が7%以上であることは、リコピンの吸収をさらに高めることにつながる。また、トマトエキストラクトに含まれるリコピンの濃度が6%以上であることは、所望のリコピン濃度を有する製品を作る際に配合量を少なくし、商品設計の自由度を高めることにつながる。トマトエキストラクトの水分含有率が0.01%乃至0.5%であることは、保管中の微生物発生を抑えるだけでなく、離水が少ないため商品設計の自由度を高めることにつながる。
本発明が産業上の利用可能な分野は、トマトエキストラクト及びその製造方法、並びにトマトエキストラクトを含む飲食品及び化粧品である。

Claims (3)

  1. トマトエキストラクト(有機溶剤を含むもの、及び有機溶媒抽出されたものを含むものを除く。)であって、
    その含有成分は、超臨界抽出されたリコピンであり、
    前記リコピンの濃度は、6%以上であり、 前記リコピンに対するシスリコピンの含有率は、60%以上であり、
    前記リコピンに対する5-シスリコピンの含有率は、7%以上であり、かつ、
    その水分含有率は、0.01乃至0.5%である。
  2. 飲食品であって、
    その原材料は、請求項1のトマトエキストラクトである。
  3. 化粧品であって、
    その原材料は、請求項1のトマトエキストラクトである。
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