以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。下記の実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(1)概要
本実施形態に係る判別システム1について、図1及び図2を参照して説明する。本実施形態に係る判別システム1は、電力計測システムに用いられ、複数の分岐回路5の各々の種類を判定し、判定結果に基づいて分岐回路5ごとの電力を演算し、演算結果を表示するシステムである。
例えば、単相三線式の配電方式であれば、分電盤は、図1に示すように、第1電圧線(L1相)41と、第2電圧線(L2相)42と、中性線(N相)43とを含む3本の電力線4に電気的に接続される。
そして、分電盤は、この電力線4から交流電力を複数(図1の例では3つ)の分岐回路51~53に分配する。そのため、複数の分岐回路51~53には、「第1分岐回路」と、「第2分岐回路」と、「第3分岐回路」との3種類が存在する。「第1分岐回路」は、第1電圧線41及び中性線43に電気的に接続される。「第2分岐回路」は、第2電圧線42及び中性線43に電気的に接続される。「第3分岐回路」は、第1電圧線41及び第2電圧線42に電気的に接続される。なお、以下では、複数の分岐回路51~53を特に区別しない場合には、複数の分岐回路51~53の各々を「分岐回路5」ともいう。また、ここでいう「分岐回路5」は、分岐ブレーカ、並びに分岐ブレーカの二次側に接続される配線路、配線器具(アウトレット、壁スイッチなど)、及び各種の機器(エアコン、テレビ、照明器具、調理家電など)を含んでいる。
ここで、第1電圧線41又は第2電圧線42と、中性線43との間の電圧が100〔V〕(実効値)であるとすれば、「第1分岐回路」及び「第2分岐回路」には100〔V〕が印加され、「第3分岐回路」には200〔V〕が印加されることになる。判別システム1は、複数の分岐回路5の各々について、上述のように印加電圧の異なる3種類の分岐回路(第1分岐回路、第2分岐回路、第3分岐回路)のいずれに当たるかを、自動的に判定するように構成された判定部12を備えている。
判定部12は、計測部13の計測結果に基づいて各分岐回路5の種類を判定する。計測部13は、少なくとも第1電圧線(L1相)41を流れる第1電流I1及び第2電圧線(L2相)42を流れる第2電流I2の各々を計測する。判定部12は、計測部13の計測結果を用いて、少なくとも複数の分岐回路5の各々が、「第1分岐回路」及び「第2分岐回路」と、「第3分岐回路」とのどちらであるかを判定する。このとき、判定部12は、第1期間と第2期間との間で生じる電流の変化を電流変化とし、第1電流I1の電流変化と第2電流I2の電流変化とが一致するか否かによって、複数の分岐回路5の各々の種類を判定する。
演算部11は、複数の分岐回路5の各々について、消費電力と消費電力量との少なくとも一方を計測値として求めるように構成されている。演算部11は、各分岐回路5が接続されている電力線4(第1電圧線41、第2電圧線42、及び中性線43)の線間電圧と、各分岐回路5に流れる電流値(計測部13の計測結果)とから、各分岐回路5での電力(消費電力や消費電力量)を演算により求める。演算部11は、各分岐回路5での電力を求める演算を周期的に繰り返し行っている。演算部11の演算結果は、表示部23に表示可能であり、ユーザが各分岐回路5での消費電力や消費電力量を時系列で確認することができる。
また、演算部11は、判定部12が判定した各分岐回路5の種類(第1~第3分岐回路)を表す特定情報に基づいて演算を行うことにより、より正確な消費電力や消費電力量を求める。演算部11は、演算対象の分岐回路5において、判定部12による判定が完了していない場合、演算対象の分岐回路5の種類が第1分岐回路(仮情報)であると仮定し、第1電圧線41-中性線43間の線間電圧を用いて演算を行う。そして、演算部11は、判定部12によって演算対象の分岐回路5の種類の判定が完了した後、所定のタイミング(切替タイミング)で、仮情報を用いた演算から判定部12の判定結果を用いた演算に切り替える。したがって、演算部11は、仮情報から判定部12の判定結果に切り替えた後の演算では、分岐電流と、判定結果である分岐回路5の種類が示す電力線4の線間電圧、つまり分岐回路5に印加される印加電圧と、から消費電力や消費電力量を求める。
ここで、判定部12の判定結果が第2分岐回路であった場合、仮情報として用いた第1分岐回路と電力線4の線間電圧の極性が逆である。したがって、仮情報(第1分岐回路)から判定部12の判定結果(第2分岐回路)への切り替え前後において、演算部11の演算結果の正負が逆転することとなる。また、判定部12の判定結果が第3分岐回路であった場合、仮情報として用いた第1分岐回路と線間電圧の電圧値が2倍となる。したがって、仮情報(第1分岐回路)から判定部12の判定結果(第3分岐回路)への切り替え前後において、演算部11の演算結果が2倍に変化することとなる。つまり、演算部11が、演算に判定部12の判定結果を用いる前後において、演算結果が大きく変化するおそれがある。
そこで、本実施形態の判別システム1では、切替タイミングを調整することによって演算結果の整合性を向上させ、ユーザが演算結果を時系列で確認した際の違和感の軽減を図っている。
(2)詳細
以下に、本実施形態に係る判別システム1について詳しく説明する。本実施形態では、判別システム1は、需要家施設において消費電力と消費電力量との少なくとも一方を計測する電力計測システムに適用される。ここでいう「需要家施設」は、電力の需要家の施設を意味しており、電力会社等の電気事業者から電力の供給を受ける施設だけでなく、太陽光発電設備等の自家発電設備から電力の供給を受ける施設も含む。本実施形態では、戸建住宅を需要家施設の一例として説明する。
(2.1)基本構成
まず、判別システム1の基本構成について、図1を参照して説明する。
本実施形態の判別システム1は、図1に示すように、演算部11と、判定部12と、計測部13と、情報記憶部14と、履歴記憶部15と、トリガ発生部16と、時計部17と、表示部23と、を備えている。演算部11と、判定部12と、計測部13と、情報記憶部14と、履歴記憶部15と、トリガ発生部16と、時計部17とは、計測ユニット63に設けられ、分電盤6のキャビネット60(図2参照)内に収納されている。また、表示部23は、分電盤6とは異なる位置に設けられたコントローラ20に設けられている。
計測部13には、一対の(主幹用)電流センサ31,32及び複数の(分岐用)電流センサ301~303の各々が電気的に接続されている。一対の電流センサ31,32は、第1電圧線41及び第2電圧線42に一対一に対応して設けられている。また、複数の電流センサ301~303は、複数の分岐回路5に一対一に対応して設けられている。これにより、計測部13では、電流センサ31の出力から第1電圧線41を流れる第1電流I1が計測可能であり、電流センサ32の出力から第2電圧線42を流れる第2電流I2が計測可能である。また、計測部13では、複数の電流センサ301~303の出力から、複数の分岐回路5の各々を流れる電流(以下、「分岐電流」という)を計測可能である。以下では、分岐電流を計測するための複数の電流センサ301~303を特に区別しない場合には、複数の電流センサ301~303の各々を「電流センサ30」ともいう。また、図1では、分岐回路51~53に流れる分岐電流をそれぞれ、分岐電流I11~I13で表記している。
判定部12は、計測部13と電気的に接続されており、計測部13の計測結果を用いて、複数の分岐回路5の各々が、「第1分岐回路」と「第2分岐回路」と「第3分岐回路」とのいずれであるかを判定する。ここでいう計測部13の計測結果は、計測部13での各電流(第1電流I1、第2電流I2、及び分岐電流I11~I13)の計測結果であって、例えば実効値や電流波形などである。判定部12は、分岐回路5の種類を判定することにより、分岐回路5が接続されている電力線4(第1電圧線41、第2電圧線42、及び中性線43)の線間電圧、つまり分岐回路5に印加される印加電圧を判定する。
本実施形態では、複数の分岐回路5の各々を識別するための識別符号として回路番号(1,2,3…)が用いられ、分岐ブレーカ62の位置ごとに個別の回路番号が割り当てられる。例えば、上段の分岐ブレーカ62については、主幹ブレーカ61側から順に奇数番号(1,3,5,7…)が回路番号として割り当てられる。下段の分岐ブレーカ62については、主幹ブレーカ61側から順に偶数番号(2,4,6,8…)が回路番号として割り当てられる。なお、分岐回路5への回路番号の割り当て方は、上述した例に限らず任意に決めることができる。
判定部12は、判定した各分岐回路5の種類(第1~第3分岐回路)を情報記憶部14に記憶する。情報記憶部14には、判定部12が判定した各分岐回路5の種類(第1~第3分岐回路)と、識別符号(回路番号)とが一対一に対応付けて記憶される。情報記憶部14には、各分岐回路5に対して、判定部12による最新の判定結果のみが記憶される。なお、判定部12の動作については、「(3.1)判定動作」の欄で詳しく説明する。
演算部11は、計測部13と電気的に接続されており、計測部13から各分岐電流の計測結果が入力される。また、演算部11は、電力線4(第1電圧線41、第2電圧線42、及び中性線43)の線間電圧を監視している。演算部11は、分岐電流と線間電圧とを用いた演算により、各分岐回路5の消費電力と消費電力量との少なくとも一方を計測値として計測する。計測値は、瞬時電力を表す消費電力であってもよいし、あるいは一定時間における電力の消費量(使用量)を表す消費電力量であってもよい。また、計測値は、消費電力と消費電力量との両方であってもよい。本実施形態では一例として、計測値は、消費電力を一定時間(例えば1分間)積算した消費電力量であることとする。
演算部11は、演算結果である計測値を履歴記憶部15に記憶する。履歴記憶部15には、演算部11が求めた各分岐回路5の計測値(消費電力量)と、識別符号(回路番号)と、時刻情報(時刻に加えて、年月日も含む)と、がそれぞれ対応付けて記憶される。時刻情報は、時計部17により生成される。時計部17は、現在時刻(年月日を含む)を計時するように構成されており、計測ユニット63が備えるコンピュータのリアルタイムクロックにより実現可能である。時計部17は、インターネット上のNTP(Network Time Protocol)サーバにアクセスし現在時刻の問い合わせを行うことで、現在時刻などの時計情報を取得するように構成されていることが好ましい。履歴記憶部15に記憶されたデータは、通信アダプタ64を介して、分電盤6の外部に設けられたコントローラ20へ送信される。なお、履歴記憶部15は、コントローラ20に設けられていてもよい。
コントローラ20は、HEMS(Home Energy Management System)コントローラであり、通信部21、処理部22、表示部23、及び操作部24を有している。通信部21は、Wi-Fi(登録商標)などの無線通信に対応した通信モジュールであり、通信アダプタ64との間で無線通信が可能に構成されている。なお、通信部21は、通信アダプタ64との間で信号線を介した有線通信が可能に構成されていてもよい。処理部22は、例えばマイコン(マイクロコンピュータ)からなり、履歴記憶部15から取得したデータをデータ処理して表示部23に表示させることができるように構成されている。本実施形態では、処理部22は、履歴記憶部15から取得したデータをグラフ化して表示部23に表示させているが、数値化、文字化して表示部23に表示させてもよい。表示部23は、例えば液晶ディスプレイで構成されている。図3及び図4に、表示部23に表示される画面の一例を示す。
図3の表示画面P1では、中央部の第1表示エリアA1に、1日間における需要家施設の総消費電力量のデータが、0時を開始時刻とした1時間単位の棒グラフで示されている。また、表示画面P1では、一日前(前日)の消費電力量のデータが、当日の消費電力量のデータとの比較のために表示されている。また、表示画面P1では、当日の消費電力量のデータのうち、電気事業者から供給された電力量(買電電力量)と、太陽光発電システムが発電した電力量(発電電力量)と、蓄電装置に蓄電した電力量(蓄電電力量)とがそれぞれ色分けして表示されている。
図4の表示画面P2では、中央部の第1表示エリアA1に、1日間における1つの分岐回路5の消費電力量のデータが、0時を開始時刻とした1時間単位の棒グラフで示されている。また、表示画面P2では、一日前(前日)の消費電力量のデータが、当日の消費電力量のデータとの比較のために表示されている。また、表示画面P2では、第1表示エリアA1の下側の第2表示エリアA2に、分岐回路5に含まれる機器の識別情報(図4では、“リビング エアコン”)が表示されている。また、表示画面P2では、第2表示エリアA2の隣(図4では右隣)の第3表示エリアA3に、分岐回路5の1日の総消費電力量(図4では2.7kWh)、及び電気代(図4では183円)が表示されている。
操作部24は、例えば、表示部23を構成する液晶ディスプレイに設けられた静電式又は感圧式のタッチパネルである。ユーザが操作部24に触れる(タップ、スワイプなどを含む)と、操作部24から処理部22に操作内容に応じた操作信号が出力される。処理部22は、操作信号に応じた表示画面を表示部23に表示させる。ユーザは、操作部24を操作することにより、所望の演算部11の演算結果を確認することができる。例えば、図3の表示画面P1において、第1表示エリアA1の左隣に表示された「月」ボタンB1がタップにより選択されると、処理部22は、1ヵ月間における需要家施設の総消費電力量を1日単位の棒グラフで表示部23に表示させる。
ここで、演算部11は、情報記憶部14に、演算対象の分岐回路5の種類を表すデータが記憶されていない場合、演算対象の分岐回路5の種類が第1分岐回路(仮情報)であると仮定して演算を行う。言い換えれば、演算部11は、判定部12による演算対象の分岐回路5の種類の判定が完了していない場合、演算対象の分岐回路5の種類が第1分岐回路であるという仮情報を用いて演算を行う。したがって、演算部11は、第1電圧線41-中性線43間の線間電圧と、演算対象の分岐回路5の分岐電流とから、消費電力量を求める。仮情報を用いて演算された演算結果(仮結果)には、仮結果であることを示す識別情報が付加されて、履歴記憶部15に記憶される。処理部22は、仮結果を表示部23に表示させる際に、表示データが仮結果であり暫定的な値であることを通知するメッセージやアイコンなどの情報を表示部23に表示させてもよい。これにより、ユーザは、表示データが暫定的な値であることを認識することができる。
演算部11は、判定部12が演算対象の分岐回路5の種類の判定を完了しても、すぐには演算に用いず、トリガ発生部16が切替トリガを発生した切替タイミングで、判定部12の判定結果を用いた演算に切り替える。言い換えれば、演算部11は、演算対象の分岐回路5の消費電力量の計測において、トリガ発生部16が切替トリガを発生するまでは、仮情報を用いて演算を行う。トリガ発生部16は、判定部12が分岐回路5の種類を判定した直後に演算部11が行う演算のタイミングよりも後のタイミングに切替トリガを発生するように構成されている。本実施形態では、トリガ発生部16は、時計部17から時刻情報を取得しており、判定部12が分岐回路5の種類を判定したタイミングに関わらず、定期的に切替トリガを演算部11に出力するように構成されている。トリガ発生部16は、現在時刻が0時、つまり日付が変わると、切替トリガを演算部11に出力するように構成されている。
演算部11は、切替トリガが入力されると、情報記憶部14にアクセスして判定部12の判定結果が記憶されているか確認する。演算部11は、情報記憶部14に演算対象の分岐回路5の種類のデータが記憶されている場合、そのデータ(分岐回路5の種類)を用いて演算を行う。具体的には、演算部11は、判定部12が判定した演算対象の分岐回路5の種類に基づいた電力線4の線間電圧と、演算対象の分岐回路5の分岐電流とから、消費電力量を算出する。したがって、判定部12による分岐回路5の種類の判定完了後において、切替トリガが発生したタイミングで、演算部11の演算結果が、仮情報を用いた仮結果から、判定部12の判定結果を用いた本結果に切り替わる。判定部12による分岐回路5の種類の判定が完了していない場合、情報記憶部14に判定結果が記憶されていないので、演算部11は、切替トリガが発生しても仮情報を用いた演算を継続して行う。なお、トリガ発生部16は、判定部12による分岐回路5の種類の判定が完了した場合にのみ、切替トリガを発生するように構成されていてもよい。演算部11の動作については、「(3.2)演算動作」の欄で詳しく説明する。
上述した演算部11、判定部12、及びトリガ発生部16の各々は、例えばマイコン(マイクロコンピュータ)を主構成とし、マイコンのメモリに記録されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)で実行することにより、種々の機能を実現する。プログラムは、予めマイコンのメモリに記録されていてもよいし、メモリカードのような記録媒体に記録されて提供されたり、電気通信回線を通して提供されたりしてもよい。なお、演算部11、判定部12、及びトリガ発生部16は、それぞれ別のマイコンで構成されていてもよいし、1つに集約されたマイコンで構成されていてもよい。
(2.2)分電盤
次に、分電盤6の構成について説明する。
分電盤6は、図2に示すように、電力線4に電気的に接続される主幹ブレーカ61と、主幹ブレーカ61の二次側端子に電気的に接続される複数の分岐ブレーカ62とをキャビネット60内に備えている。さらに、分電盤6は、計測ユニット63、通信アダプタ64、電流センサ31,32、及びセンサ群33,34をキャビネット60内に備えている。
主幹ブレーカ61の一次側端子は、3線式(第1電圧線41、第2電圧線42、及び中性線43)の電力線4を介して、系統電源7(図1参照)に電気的に接続されている。主幹ブレーカ61の二次側端子には、3極(L1相、L2相、N相)の導電バーが接続されている。これら3極の導電バーは、第1電圧線(L1相)41、第2電圧線(L2相)42、及び中性線(N相)43と一対一に電気的に接続される。
複数の分岐ブレーカ62は、導電バーに接続されることにより、主幹ブレーカ61の二次側端子に電気的に接続される。なお、複数の分岐ブレーカ62は、導電バーの幅方向の両側(上段と下段)に分かれて、それぞれ複数ずつ配置されている。
ここで、複数の分岐ブレーカ62のうち、「第1分岐回路」である分岐回路51に含まれる分岐ブレーカ62は、L1相の導電バーとN相の導電バーとに接続されている。また、複数の分岐ブレーカ62のうち、「第2分岐回路」である分岐回路52に含まれる分岐ブレーカ62は、L2相の導電バーとN相の導電バーとに接続されている。さらに、複数の分岐ブレーカ62のうち、「第3分岐回路」である分岐回路53に含まれる分岐ブレーカ62は、L1相の導電バーとL2相の導電バーとに接続されている。これにより、「第1分岐回路」となる分岐回路51の各々は、第1電圧線(L1相)41及び中性線(N相)43に対して電気的に接続されることになる。また、「第2分岐回路」となる分岐回路52の各々は、第2電圧線(L2相)42及び中性線(N相)43に対して電気的に接続されることになる。さらに、「第3分岐回路」となる分岐回路53の各々は、第1電圧線(L1相)41及び第2電圧線(L2相)42に対して電気的に接続されることになる。
ここにおいて、100〔V〕用の分岐ブレーカ62、つまり「第1分岐回路」又は「第2分岐回路」に分類される分岐回路5の分岐ブレーカ62は、導電バーの上段に取り付けられた状態では、第1電圧線41及び中性線43に対して電気的に接続される。一方、導電バーの下段に取り付けられた状態では、100〔V〕用の分岐ブレーカ62は、第2電圧線42及び中性線43に対して電気的に接続される。また、200V用の分岐ブレーカ62、つまり「第3分岐回路」に分類される分岐回路5の分岐ブレーカ62は、導電バーの上段、下段に関わらず、第1電圧線41及び第2電圧線42に対して電気的に接続される。
計測ユニット63には、一対の電流センサ31,32及びセンサ群33,34の各々が電気的に接続されている。電流センサ31,32,301~303としては、例えばCT(Current Transformer)センサ、ホール素子、GMR(Giant Magnetic Resistances)素子等の磁気抵抗素子、シャント抵抗などが用いられる。本実施形態では一例として、電流センサ31,32,301~303の各々はCTセンサからなる。
一対の電流センサ31,32は、主幹ブレーカ61の一次側端子に接続された電力線4の電流を計測するように、電力線4に取り付けられている。ここでは、一対の電流センサ31,32のうち、一方の(第1の)電流センサ31は第1電圧線41に取り付けられ、他方の(第2の)電流センサ32は第2電圧線42に取り付けられている。これにより、計測ユニット63に設けられた計測部13では、電流センサ31の出力から第1電圧線41を流れる第1電流I1が計測可能となり、電流センサ32の出力から第2電圧線42を流れる第2電流I2が計測可能となる。
センサ群33,34の各々は、複数の電流センサ30を具備し、これら複数の電流センサ30が、複数の分岐ブレーカ62に一対一に対応するようにして、複数の分岐ブレーカ62と導電バーとの間に取り付けられている。これにより、計測ユニット63に設けられた計測部13では、センサ群33,34の各々の出力から、複数の分岐回路5の各々を流れる分岐電流が計測可能となる。
ここで、導電バーの上段の分岐ブレーカ62は、100〔V〕用か200〔V〕用かによらず、いずれも第1電圧線41に対して電気的に接続される。一方、導電バーの下段の分岐ブレーカ62は、100〔V〕用か200〔V〕用かによらず、いずれも第2電圧線42に対して電気的に接続される。そこで、上段の分岐ブレーカ62の電流を計測するセンサ群33においては、複数の電流センサ30は、第1電圧線41と分岐ブレーカ62との間に設置され、第1電圧線41と分岐ブレーカ62との間の電流を計測する。一方、下段の分岐ブレーカ62の電流を計測するセンサ群34においては、複数の電流センサ30は、第2電圧線42と分岐ブレーカ62との間に設置され、第2電圧線42と分岐ブレーカ62との間の電流を計測する。
(3.1)判定動作
次に、本実施形態の判別システム1における、判定部12の動作(判定動作)について説明する。
本実施形態では、判定部12は、計測部13の計測結果を用いて、少なくとも複数の分岐回路5の各々が、「第1分岐回路」及び「第2分岐回路」と、「第3分岐回路」とのどちらであるかを判定する。言い換えれば、判定部12は、計測部13の計測結果を用いて、少なくとも複数の分岐回路5の各々の電圧区分が100〔V〕か200〔V〕かを判定する。このとき、判定部12は、第1期間と第2期間との間で生じる電流の変化を電流変化とし、第1電流I1の電流変化と、第2電流I2の電流変化とが一致するか否かによって、複数の分岐回路5の各々の種類を判定する。要するに、判定部12は、ある期間(第1期間と第2期間とを含む期間)内において、時間経過に伴って第1電流I1に生じる変化と第2電流I2に生じる変化との一致、不一致により、分岐回路5の種類を判定する。第1期間と第2期間とは、互いに同じ時間幅(時間長さ)、かつ同じ位相であることが好ましい。
ここでいう電流変化は、第1期間と第2期間との間で生じる電流波形の特徴量の変化である。具体的には、判定部12は、例えば第1電流I1については、第1期間の電流波形と第2期間の電流波形との差分(差分波形)を、電流波形の特徴量の変化、つまり第1電流I1の電流変化として求める。判定部12は、第2電流I2についても同様に、第1期間の電流波形と第2期間の電流波形との差分(差分波形)を、電流変化として求める。
ここで、判定部12は、第1電流I1と第2電流I2とで差分波形(第1期間の電流波形と第2期間の電流波形との差分)同士を比較することにより、両者の一致、不一致を判断し、判断結果から分岐回路5の種類を判定する。このとき、判定部12は、第1電流I1と第2電流I2とで差分波形同士を比較するにあたり、例えばパターンマッチングにより、両者の一致度(合致度)を数値化して求める。そして、一致度が閾値以上であれば、判定部12では、第1電流I1の電流変化と第2電流I2の電流変化とが一致すると判断する。
また、本実施形態では、計測部13は、上述したように、複数の分岐回路5の各々を流れる分岐電流を計測するように構成されている。判定部12は、第1電流I1の電流変化と第2電流I2の電流変化とが一致しない場合、第1電流I1及び第2電流I2の各々と分岐電流とで差分波形同士を比較する。この場合においても、パターンマッチングにより差分波形同士を比較する。
本実施形態において、判定部12は、第1期間と第2期間とを1組とする判定期間を設定し、判定期間内で生じる電流の変化、つまり第2期間と第1期間との差分波形を、第1期間と第2期間との間で生じる電流変化として抽出する。
例えば、第1期間から第2期間にかけて、複数の分岐回路51~53のうちの1つの分岐回路5に含まれる機器がオン(あるいはオフ)することで、この分岐回路5の通電状態が変化した場合を想定する。以下では、第1期間から第2期間にかけて通電状態が変化した分岐回路5を「対象回路」ともいう。
この場合において、通電状態が変化した分岐回路(対象回路)5が、第1電圧線41及び中性線43に接続された「第1分岐回路」、例えば分岐回路51であったとする。このとき、分岐回路51の通電状態の変化に起因して、第1電圧線41及び中性線43を通して分岐回路51を流れる電流に、変化が生じることになる。言い換えれば、分岐回路51の通電状態の変化に起因した電流変化は、第2電圧線42には生じず、第1電圧線41のみに生じる。そのため、「第1分岐回路」にて通電状態が変化した場合、第1電流I1に生じる電流変化と第2電流I2に生じる電流変化とは一致しないこと(不一致)になる。
また、通電状態が変化した分岐回路(対象回路)5が、第2電圧線42及び中性線43に接続された「第2分岐回路」、例えば分岐回路52であったとする。このとき、分岐回路52の通電状態の変化に起因して、第2電圧線42及び中性線43を通して分岐回路52を流れる電流に、変化が生じることになる。言い換えれば、分岐回路52の通電状態の変化に起因した電流変化は、第1電圧線41には生じず、第2電圧線42のみに生じる。そのため、「第2分岐回路」にて通電状態が変化した場合、第1電流I1に生じる電流変化と第2電流I2に生じる電流変化とは一致しないこと(不一致)になる。
これに対して、通電状態が変化した分岐回路(対象回路)5が、第1電圧線41及び第2電圧線42に接続された「第3分岐回路」、例えば分岐回路53であったとする。このとき、分岐回路53の通電状態の変化に起因して、第1電圧線41及び第2電圧線42を通して分岐回路53を流れる電流に、変化が生じることになる。言い換えれば、分岐回路53の通電状態の変化に起因した電流変化は、第1電圧線41と第2電圧線42との両方に生じる。そのため、「第3分岐回路」にて通電状態が変化した場合、第1電流I1に生じる電流変化と第2電流I2に生じる電流変化とは一致することになる。
そこで、判定部12は、第1電流I1に生じる電流変化と第2電流I2に生じる電流変化とが一致しなければ、つまり不一致であれば、対象回路が「第1分岐回路」又は「第2分岐回路」であると判定する。一方、第1電流I1に生じる電流変化と第2電流I2に生じる電流変化とが一致すれば、判定部12は、対象回路が「第3分岐回路」であると判定する。
また、対象回路が「第1分岐回路」及び「第2分岐回路」のいずれかである場合、分岐回路5の通電状態の変化に起因した電流変化、言い換えると分岐電流に生じる電流変化は、第1電圧線41と第2電圧線42との一方のみに生じる。したがって、この場合には、分岐電流に生じる電流変化は、第1電流I1に生じる電流変化と第2電流I2に生じる電流変化との一方と一致することになる。
そこで、判定部12は、分岐電流に生じる電流変化と第1電流I1に生じる電流変化とが一致すれば、対象回路が「第1分岐回路」であると判定する。また、判定部12は、分岐電流に生じる電流変化と第2電流I2に生じる電流変化とが一致すれば、対象回路が「第2分岐回路」であると判定する。
このように、判定部12は、「第1分岐回路」及び「第2分岐回路」と「第3分岐回路」とで電流の経路が異なることを利用し、第1電流I1の電流変化と第2電流I2の電流変化とが一致するか否かによって、対象回路の種類を判定する。したがって、判定部12は、電力線4のうち少なくとも第1電圧線41及び第2電圧線42の各々を流れる電流の計測結果を用いることで、分岐回路5の種類を判定することが可能である。
さらに、本実施形態では、複数の分岐回路5の各々を流れる分岐電流を計測部13が計測し、その計測結果を用いて、判定部12が複数の分岐回路5の種類を判定するように構成されている。そのため、第1電流I1の電流変化と第2電流I2の電流変化とが一致しない場合において、分岐電流の電流変化が第1電流I1の電流変化と第2電流I2の電流変化とのいずれに一致するかによって、分岐回路5の種類を判定することも可能である。
上述のように、判定部12は、第1電流I1の電流変化と第2電流I2の電流変化とが一致しない場合、複数の分岐回路5のうち、分岐電流の電流変化が第1電流I1の電流変化と一致する分岐回路5について、「第1分岐回路」であると判定する。また、判定部12は、第1電流I1の電流変化と第2電流I2の電流変化とが一致しない場合、複数の分岐回路5のうち、分岐電流の電流変化が第2電流I2の電流変化と一致する分岐回路5について、「第2分岐回路」であると判定する。
すなわち、判定部12は、判定の対象となる対象回路(第1期間から第2期間にかけて通電状態が変化した分岐回路5)を、分岐電流の電流変化(第1期間と第2期間との間で生じる電流の変化)に基づいて、複数の分岐回路5の中から特定する。対象回路が「第1分岐回路」であれば、第1電流I1の電流変化と第2電流I2の電流変化とが一致せず、かつ、対象回路の分岐電流の電流変化は第1電流I1の電流変化と一致することになる。
また、対象回路が「第2分岐回路」であれば、第1電流I1の電流変化と第2電流I2の電流変化とが一致せず、かつ、対象回路の分岐電流の電流変化は第2電流I2の電流変化と一致することになる。言い換えれば、第1電流I1の電流変化と第2電流I2の電流変化とが一致しない場合には、分岐電流の電流変化が第1電流I1及び第2電流I2のいずれかの電流変化と一致する分岐回路5が、第1分岐回路又は第2分岐回路であると推定される。そこで、判定部12は、分岐電流の電流変化が第1電流I1の電流変化と一致する分岐回路5については、「第1分岐回路」であると判定する。また、判定部12は、分岐電流の電流変化が第2電流I2の電流変化と一致する分岐回路5については、「第2分岐回路」であると判定する。
同様に、判定部12は、第1電流I1の電流変化と第2電流I2の電流変化とが一致する場合、複数の分岐回路5のうち、分岐電流の電流変化が第1電流I1及び第2電流I2の両方の電流変化と一致する分岐回路5について、「第3分岐回路」であると判定する。
すなわち、対象回路が「第3分岐回路」であれば、第1電流I1の電流変化と第2電流I2の電流変化とが一致し、かつ、対象回路の分岐電流の電流変化は第1電流I1及び第2電流I2の両方の電流変化と一致することになる。言い換えれば、第1電流I1の電流変化と第2電流I2の電流変化とが一致する場合には、分岐電流の電流変化が第1電流I1及び第2電流I2の両方の電流変化と一致する分岐回路5が、第3分岐回路であると推定される。そこで、判定部12は、分岐電流の電流変化が第1電流I1及び第2電流I2の両方の電流変化と一致する分岐回路5については、「第3分岐回路」であると判定する。
(3.2)演算動作
次に、本実施形態の判別システム1における、演算部11の動作(演算動作)の一例について図5を参照して説明する。ここでは、時刻t0に判別システム1が起動し、演算対象である所定の分岐回路5において、時刻t1に、判定部12による分岐回路5の種類(第1~第3分岐回路)の判定が完了した場合を例に説明する。
時刻t0(図5では一例として14時)の時点では、判別システム1の起動直後であり、判定部12による分岐回路5の種類の判定が完了していない。したがって、演算部11は、演算対象の分岐回路5の種類が第1分岐回路(仮情報)と仮定し、分岐回路5の消費電力量を演算により求めている。つまり、時刻t0の時点では、演算部11によって求められた演算対象の分岐回路5の消費電力量は、仮情報に基づいた仮結果である。演算部11によって求められた仮結果は、履歴記憶部15に記憶され、ユーザによるコントローラ20の操作部24の操作に応じて表示部23に表示される。
時刻t1(図5では一例として20時)において、上述した判定部12による判定動作によって、分岐回路5の種類が判定され、情報記憶部14に、判定結果のデータが書き込まれる。ここでは、一例として、分岐回路5の種類の判定結果が「第3分岐回路」であったとする。時刻t1において、分岐回路5の識別符号(回路番号)と種類(第3分岐回路)とが一対一に対応付けられて情報記憶部14に記憶される。
演算部11は、判定部12による分岐回路5の種類の判定が完了しても、すぐには判定結果を用いた演算には切り替えず、切替トリガが発生するまでは仮情報を用いて演算を継続して行う。トリガ発生部16は、現在時刻が0時(時刻t2)になると、切替トリガを演算部11に出力する。演算部11は、切替トリガが入力されると、情報記憶部14にアクセスし、演算対象の分岐回路5の種類のデータが記憶されているかを確認する。ここでは、時刻t1において、判定部12によって判定された分岐回路5の種類のデータ(第3分岐回路)が書き込まれている。したがって、演算部11は、判定部12の判定結果である演算対象の分岐回路5の種類のデータを取得し、第3分岐回路に接続された第1電圧線41-第2電圧線42間の線間電圧と、演算対象の分岐回路5の分岐電流とから、消費電力量を求める。つまり、切替トリガが発生した時刻t2以降において、演算部11によって求められた演算対象の分岐回路5の消費電力量は、判定部12の判定結果を用いた本結果である。演算部11によって求められた本結果は、履歴記憶部15に記憶され、ユーザによるコントローラ20の操作に応じて表示部23に表示される。
このように、判定部12によって分岐回路5の種類が判定されると、その後の切替トリガを境にして、演算部11の演算結果が仮結果から本結果に切り替わる。
(4)利点
次に、本実施形態に係る判別システム1の利点について説明する。
本実施形態の判別システム1では、演算部11は、判定部12が判定した分岐回路5の種類を、切替タイミング以降の演算に用いる。この切替タイミングは、判定部12が分岐回路5の種類を判定したタイミングに関わらず、トリガ発生部16が、日付の変わる0時に切替トリガを発生したタイミングである。そのため、0時を境にして演算部11の演算結果が、仮情報を用いた仮結果から、判定部12の判定結果を用いた本結果に切り替わる。したがって、1日間の消費電力量のデータに、仮結果と本結果とが混在することがなくなるので、1日間の消費電力量のデータの整合性が向上し、ユーザが消費電力量のデータを確認した際の違和感が軽減される。
また、本実施形態では、図3及び図4に示すように、1日間の消費電力量を表示部23に表示する場合、0時を開始時刻としている。したがって、表示部23に表示される表示画面において、1日間の消費電力量のデータは、仮結果と本結果のいずれか一方のみであるので、ユーザが違和感を感じにくくなる。
なお、トリガ発生部16が切替トリガを発生するタイミングは0時に限らず、他の時刻であってもよい。この場合、トリガ発生部16が切替トリガを発生する時刻と、表示部23に表示される1日間の消費電力量のグラフの開始時刻とが一致していることが好ましい。
また、トリガ発生部16は、切替トリガを発生させるタイミングが1日に1回に限らず、所定期間に複数回発生させるように構成されていてもよい。例えば、トリガ発生部16は、正時ごと(毎時0分)に、切替トリガを発生するように構成されていてもよい。この場合、判定部12が分岐回路5の種類の判定を完了すると、次の正時のタイミングで、演算部11の演算結果が仮結果から本結果に切り替わる。したがって、1時間の消費電力量のデータに、仮結果と本結果とが混在することがなくなる。これにより、1時間ごとの消費電力量のデータの整合性を保ち、ユーザが違和感を感じさせにくくしつつ、より早いタイミングで仮結果から本結果に切り替えることができる。なお、トリガ発生部16が切替トリガを発生するタイミングは、1時間ごと、1日ごとに限らず、1週間ごと、1ヶ月ごとなどであってもよい。
(5)変形例
次に、本実施形態に係る判別システム1の変形例を列挙する。以下に説明する各変形例は、上述の実施形態、又は変形例同士を適宜組み合わせて適用可能である。
(5.1)第1変形例
本実施形態に係る判別システム1の第1変形例について説明する。
第1変形例の判別システム1では、判定部12による判定動作が完了すると、完了した旨をユーザに通知する通知部を備える点が、上述した実施形態の判別システム1と相違する。
本変形例では、通知部は、コントローラ20の表示部23と兼用されている。判定部12は、分岐回路5の種類の判定が完了すると、通信アダプタ64を介してコントローラ20に判定通知信号を送信する。判定通知信号には、判定部12が判定した分岐回路5の識別符号(回路番号)のデータが含まれている。コントローラ20の処理部22は、判定部12からの判定通知信号を受信すると、表示部23に分岐回路5の種類の判定が完了した旨のメッセージを、例えばポップアップ表示させることによりユーザに通知する。
さらに、本変形例では、処理部22は、判定部12による判定が完了した旨のメッセージとともに、判定結果を消費電力量の演算に反映させるか否(無視)かの選択ボタンを表示部23に表示させる。ユーザが操作部24への操作入力で、「反映」を選択した場合、処理部22は、通信部21、通信アダプタ64を介して計測ユニット63に反映通知信号を送信する。
トリガ発生部16は、コントローラ20からの反映通知信号を受信すると、切替トリガを演算部11に出力する。演算部11は、情報記憶部14に記憶されている判定部12の判定結果を取得し、分岐回路5の消費電力量を本結果として求める。これにより、演算部11の演算結果が仮結果から本結果に切り替わる。
ユーザが操作部24への操作入力で「無視」を選択した場合、処理部22は、反映通知信号の送信を行わない。したがって、演算部11は、判定部12の判定結果を演算に用いず、仮情報を用いた演算を継続する。なお、ユーザが「無視」を一旦選択した場合であっても、表示部23に表示される設定画面などから「反映」を選択することが可能である。
このように、本変形例に係る判別システム1では、判定部12が判定動作を完了すると、その旨をユーザに通知し、ユーザが消費電力量の演算に反映させるか否かを選択することができる。したがって、ユーザが任意のタイミングで、消費電力量のデータを仮結果から本結果に切り替えることができ、利便性が向上する。
なお、通知部は、表示部23と兼用した構成に限らず、発光ダイオードなどを用いた表示ランプによる通知、あるいはスピーカを用いた音(音声を含む)による通知を行うように構成されていてもよい。
(5.2)第2変形例
次に、本実施形態に係る判別システム1の第2変形例について説明する。
第2変形例の判別システム1では、トリガ発生部16は、所定の条件が満たされたタイミングで切替トリガを発生する点が、上述した実施形態の判別システム1と相違する。
本変形例のトリガ発生部16は、判定部12の判定動作が完了した分岐回路5において、演算部11の演算結果と閾値とを比較する比較処理を行う。そして、トリガ発生部16は、所定の条件として、演算部11の演算結果が閾値を下回る、という条件が満たされると、切替トリガを演算部11に出力する。ここでの演算部11の演算結果とは、仮情報を用いた仮結果であり、一定期間(例えば1分間、5分間など)における消費電力量である。閾値は、分岐回路5に含まれる機器がオフ状態であることを判定するための値であり、例えば5〔W〕などである。切替トリガは、演算部11の演算結果が閾値を下回ると、分岐回路5に含まれる機器がオフ状態であると判断し、切替トリガを演算部11に出力する。これにより、演算部11の演算結果が仮結果から本結果に切り替わる。なお、閾値は、機器の待機電力などを考慮して適宜設定可能であり、機器の待機電力が0〔W〕である場合、閾値が0〔W〕であってもよい。
このように、本変形例に係る判別システム1では、分岐回路5に含まれる機器がオフ状態であるタイミングで、演算部11の演算結果が仮結果から本結果に切り替わる。つまり、演算部11の演算結果である消費電力量が比較的小さいタイミングで、演算部11の演算結果が仮結果から本結果に切り替わるので、ユーザが演算部11の演算結果を確認した際に違和感を感じにくくなる。
所定の条件は、演算部11の演算結果が閾値を下回る、という条件に限らない。例えば、所定条件は、需要家施設内において、ユーザである住人が不在である、という条件であってもよい。この場合、トリガ発生部16は、例えば、需要家施設に設けられたセキュリティシステムの動作モードが留守モードであるか否かで、ユーザが需要家施設に不在であるか否かを判断する。トリガ発生部16は、判定部12の判定動作の完了後において、セキュリティシステムの動作モードが留守モードになると、ユーザが需要家施設に不在であると判断して切替トリガを演算部11に出力する。したがって、ユーザである住人が外出中であるタイミングで、演算部11の演算結果が仮結果から本結果に切り替わる。ユーザが外出中である場合、停止している機器が多く消費電力量が比較的小さいと推定されるので、ユーザが演算部11の演算結果を確認した際に違和感を感じにくくなる。
なお、ユーザが不在であるか否かを判断する対象箇所は、需要家施設全体である必要はなく、部屋単位であってもよい。例えば、所定条件は、分岐回路5に含まれる機器が設けられた部屋において、ユーザが不在である、という条件であってもよい。この場合、トリガ発生部16は、例えば、部屋に設けられた人感センサの出力に基づいて、ユーザが部屋に不在であるか否かを判断する。トリガ発生部16は、人感センサが人を検知していない時間が一定時間(例えば、10分、30分、1時間など)継続すると、ユーザが部屋に不在であると判断して切替トリガを演算部11に出力する。したがって、ユーザである住人が部屋に不在であるタイミングで、この部屋に割り当てられた分岐回路5の消費電力量である演算部11の演算結果が仮結果から本結果に切り替わる。ユーザが不在であるか否かを判断する部屋は、例えばコントローラ20が設置された部屋であってもよい。
また、所定の条件は、ユーザである住人が就寝中である、という条件であってもよい。この場合、トリガ発生部16は、例えば、人感センサ、明るさセンサなどの出力に基づいて、ユーザが就寝中であるか否かを判断する。トリガ発生部16は、人感センサが寝室などにおいて人を検知中であり、かつ、明るさセンサの出力が基準値以下である場合、住人が就寝中であると判断して切替トリガを演算部11に出力する。したがって、ユーザである住人が就寝中であるタイミングで、演算部11の演算結果が仮結果から本結果に切り替わる。ユーザが就寝中である場合、停止している機器が多く消費電力量が比較的小さいと推定されるので、ユーザが演算部11の演算結果を確認した際に違和感を感じにくくなる。
なお、需要家施設内の住人全員が就寝中である必要はなく、部屋ごとに住人が就寝中であるか否かを判断してもよい。例えば、所定条件は、分岐回路5に含まれる機器が設けられた部屋において、ユーザが就寝中である、という条件であってもよい。
また、上述した所定の条件の各々を組み合わせて適用可能であり、トリガ発生部16は、いずれかの条件が満たされた場合に、切替トリガを演算部11に出力するように構成されていてもよい。
(5.3)第3変形例
次に、本実施形態に係る判別システム1の第3変形例について説明する。
第3変形例の判別システム1では、演算部11が、判定部12の判定結果を用いて、履歴記憶部15に記憶されている過去の演算結果を更新する点が、上述した実施形態の判別システム1と相違する。
演算部11は、トリガ発生部16から切替トリガが入力されると、判定部12の判定結果を用いた演算に切り替わることにより、以降の演算結果が仮結果から本結果に切り替わる。さらに本変形例では、演算部11は、判定部12の判定結果が仮情報と異なる場合、履歴記憶部15に記憶されている仮結果と、判定部12の判定結果とを用いて再演算を行い、履歴記憶部15に記憶されているデータを更新する。例えば、判定部12の判定結果が第3分岐回路であったとする。仮情報である第1分岐回路が接続される電力線4の線間電圧が100〔V〕であるのに対し、第3分岐回路が接続される電力線4の線間電圧が200〔V〕である。したがって、演算部11は、履歴記憶部15に記憶されている仮結果を2倍にする演算を行い、履歴記憶部15に上書きする。
これにより、本変形例では、判定部12の判定動作の完了前における演算部11の演算結果(仮結果)が判定部12の判定結果に基づいて補正される。したがって、ユーザは、判定部12の判定動作の完了前における演算結果(消費電力量)についても、より正確なデータを確認することができる。
なお、履歴記憶部15に記憶されている過去の仮結果のデータの全てを更新する必要はなく、切替トリガが発生したタイミングが属する単位期間分のデータのみを構成してもよい。例えば、演算部11は、履歴記憶部15に記憶されている過去の仮結果のデータのうち、切替トリガが発生した当日分のデータのみを更新するように構成されていてもよい。これにより、判定部12が判定動作を完了した日の前日以前のデータが、更新されないのでユーザの違和感が軽減される。なお、単位期間は1日に限らず、1時間、12時間、1週間、1ヶ月などであってもよい。また、単位期間は、表示部23に表示される期間と一致した期間であってもよい。
(5.4)その他の変形例
次に、本実施形態に係る判別システム1のその他の変形例ついて列挙する。
本実施形態では、需要家施設での配電方式が単相三線式である場合を例にして説明したが、配電方式は、三相三線式であってもよい。
本実施形態では、判定部12は、演算部11が演算に用いる特定情報として、分岐回路5の種類を判定する場合を例にして説明したが、特定情報は、分岐回路5の種類に限らない。判定部12は、分岐回路5に含まれる機器の種類を特定情報として判定するように構成されていてもよい。この場合、判定部12は、計測部13の計測結果である分岐回路5の分岐電流の電流波形に基づいて、機器の種類(例えば、エアコン、照明器具、ドライヤー、テレビなど)を判定する。演算部11は、判定部12が判定した機器の種類に対応付けて消費電力量を演算により求める。また、図4に示すように、判定部12が判定した機器の種類は、表示画面P2の第2表示エリアA2に表示される。演算部11は、判定部12の判定動作の完了前であり機器の種類が不明である場合、仮情報として、機器の種類を「その他」にして消費電力量を求める。
また、判定部12は、計測部13の計測結果である電流波形、ピーク値などに基づいて、電流センサ30,31,32の種類、定格電流、取付状況などを特定情報として判定するように構成されていてもよい。電流センサの種類とは、例えばCTセンサが分割型であるか貫通型であるかを示す情報である。電流センサの取付状況とは、例えばCTセンサの取付方向(極性)、分割型CTトランスの嵌合状態などを示す情報である。
また、本実施形態では、演算部11は、資源の使用状況として分岐回路5の電力(消費電力量)を演算により求める場合を例に説明したが、これに限らず、分岐回路5の電気料金を演算により求めるように構成されていてもよい。また、資源は、電気(電力)に限らず、例えば、水道、ガスなどであってもよい。この場合、演算部11は、水道、ガスの使用量を演算により求める。
また、本実施形態では、戸建住宅を需要家施設の一例として説明しているが、この例に限らず、需要家施設は、集合住宅の各住戸などの戸建住宅以外の住宅、あるいは事務所、店舗等の非住宅であってもよい。
また、本実施形態では、判別システム1は、計測ユニット63及びコントローラ20を含む1つのシステムで実現されているが、2つ以上のシステムで実現されていてもよい。例えば、演算部11及び判定部12の機能が、2つ以上のシステムに分散して設けられていてもよい。また、演算部11及び判定部12のうち少なくとも1つの機能が、2つ以上のシステムに分散して設けられていてもよい。また、演算部11及び判定部12の各機能が、複数の装置に分散して設けられていてもよい。例えば、演算部11の機能が2つ以上の装置に分散して設けられていてもよい。また、判別システム1の少なくとも一部の機能が、例えばクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。
(6)判別方法、プログラム
上述の実施形態(各変形例も含む)は、様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、判別システム1と同様の機能は、判別方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した記録媒体等で具現化されてもよい。
本実施形態に係る判別方法は、演算により分岐回路5の消費電力量を繰り返し求める演算処理と、演算処理に用いられる分岐回路5の種類を判定する判定処理とを含む。演算処理では、判定処理で判定された分岐回路5の種類を、切替タイミング以降の演算に用いる。この切替タイミングは、判定処理で分岐回路5の種類を判定した直後に演算処理で行う演算よりも後のタイミングである。
また、本実施形態に係る(コンピュータ)プログラムは、コンピュータシステムに、演算処理と、判定処理と、を実行させるためのプログラムである。
判別システム1及び判別方法の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、判別システム1又は判別方法の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよいし、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
(7)まとめ
第1態様に係る判別システム(1)は、演算部(11)と、判定部(12)と、を備える。演算部(11)は、資源の使用状況に関する演算を繰り返し行う。判定部(12)は、演算部(11)が演算に用いる特定情報を判定する。演算部(11)は、判定部(12)が判定した特定情報を、切替タイミング以降の演算に用いるように構成されている。切替タイミングは、判定部(12)が特定情報を判定した直後に演算部(11)が行う演算よりも後のタイミングである。
この態様によれば、演算部(11)は、判定部(12)が特定情報を判定したタイミングに関わらず、切替タイミングで特定情報を用いた演算に切り替えるので、演算結果の整合性が向上する。これにより、ユーザが演算部(11)の演算結果を確認した際の違和感を軽減することができる。
第2態様に係る判別システム(1)は、第1態様において、情報記憶部(14)と、トリガ発生部(16)と、を更に備える。情報記憶部(14)は、判定部(12)が判定した特定情報を記憶する。トリガ発生部(16)は、切替トリガを発生する。切替タイミングは、トリガ発生部(16)が切替トリガを発生したタイミングである。演算部(11)は、切替タイミング以降の演算に、情報記憶部(14)に記憶されている特定情報を用いる。
この態様によれば、判定部(12)の判別結果が情報記憶部(14)に記憶されているので、演算部(11)は、判定部(12)が特定情報の判定後において、切替トリガが発生した切替タイミングで判定部(12)の判定結果を容易に取得することができる。
第3態様に係る判別システム(1)では、第2態様において、トリガ発生部(16)は、切替トリガを定期的に発生するように構成されている。
この態様によれば、演算部(11)による判定部(12)の判定結果の取得漏れを抑制することができる。
第4態様に係る判別システム(1)では、第2態様において、トリガ発生部(16)は、所定条件が満たされると切替トリガを発生するように構成されている。
この態様によれば、所定条件が、ユーザが違和感を感じにくい状況に設定されていれば、そのタイミングで特定情報を用いた演算が開始されるので、演算部(11)の演算結果をユーザが確認した際の違和感をより軽減することができる。
第5態様に係る判別システム(1)では、第4態様において、所定条件は、資源の使用量が閾値を下回るという条件である。
この態様によれば、資源の使用量が閾値よりも小さい切替タイミングで、演算部(11)が判定部(12)の判定結果を用いた演算が開始される。したがって、切替タイミングの前後で演算結果の変化が小さく、演算部(11)の演算結果をユーザが確認した際の違和感をより軽減することができる。
第6態様に係る判別システム(1)は、第2態様において、判定部(12)が特定情報の判定が完了すると通知を行う通知部(23)を更に備える。
この態様によれば、判定部(12)による特定情報の判定が完了したことをユーザが認識することができ、利便性が向上する。
第7態様に係る判別システム(1)は、第6態様において、ユーザからの操作入力を受け付ける操作部(24)を更に備える。トリガ発生部(16)は、操作部(24)が受け付けた入力情報に基づいて切替トリガを発生する。
この態様によれば、ユーザが意図したタイミングで、判定部(12)の判定結果を用いた演算が開始されるので、演算部(11)の演算結果をユーザが確認した際の違和感をより軽減することができる。
第8態様に係る判別システム(1)では、第1~第7態様のいずれかにおいて、演算部(11)は、資源の使用状況として回路(分岐回路5)ごとの電力を演算により求めるように構成されている。判定部(12)は、特定情報として回路(5)ごとに印加される印加電圧を判定するように構成されている。
この態様によれば、演算部(11)の演算結果である回路(5)の電力の整合性が向上し、ユーザが回路(5)の電力を確認した際の違和感を軽減することができる。
第9態様に係る判別システム(1)は、第1~第8態様のいずれかにおいて、演算部(11)の演算結果を表示する表示部(23)を更に備える。
この態様によれば、ユーザが演算部(11)の演算結果を表示部(23)で視認することができ利便性が向上する。
第10態様に係る判別システム(1)では、第9態様において、演算部(11)は、切替タイミング以前の演算に仮情報を用いる。
この態様によれば、演算部(11)は、仮情報を用いて暫定的に演算結果を求めることができ、暫定的に求めた演算結果が表示部(23)に表示されるので、演算部(11)の演算結果のデータ抜けを抑制することができる。
第11態様に係る判別システム(1)では、第10態様において、表示部(23)は、演算部(11)が仮情報を用いて演算した演算結果を仮結果として表示する。
この態様によれば、ユーザは、表示部(23)に表示される演算結果が仮結果であることを認識でき、利便性が向上する。
第12態様に係る判別システム(1)は、第1~第11態様のいずれかにおいて、演算部(11)の演算結果の履歴を記憶する履歴記憶部(15)を更に備える。
この態様によれば、ユーザが過去の演算結果の履歴を確認することができ、利便性が向上する。
第13態様に係る判別システム(1)では、第12態様において、演算部(11)は、切替タイミングより前の資源の使用状況を、履歴記憶部(15)に記憶されている演算部(11)の演算結果と、判定部(12)が判定した特定情報を用いて再演算する。
この態様によれば、切替タイミングより前の資源の使用状況が再演算によって求められるので、ユーザがより正確な演算結果を確認することができる。
第14態様に係る判別システム(1)では、第13態様において、演算部(11)は、切替タイミングが属する単位期間における切替タイミング以前の資源の使用状況を、履歴記憶部(15)に記憶されている演算部(11)の演算結果と、判定部(12)が判定した特定情報を用いて再演算する。
この態様によれば、単位期間よりも前の資源の使用状況に関しては再演算されないので、演算部(11)の処理を軽減できる。
なお、第2~第14の態様に係る構成については、判別システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
第15態様に係る判別方法は、演算処理と判定処理とを含む。演算処理では、資源の使用状況に関する演算を繰り返し行う。判定処理では、演算処理で演算に用いられ特定情報を判定する。また、演算処理では、判定処理で判定された特定情報を、切替タイミング以降の演算に用いる。切替タイミングは、判定処理で特定情報を判定した直後に演算処理で行う演算より後のタイミングである。
この態様によれば、演算処理において、判定処理でが特定情報を判定したタイミングに関わらず、切替タイミングで特定情報を用いた演算に切り替えるので、演算結果の整合性が向上する。これにより、ユーザが演算処理での演算結果を確認した際の違和感を軽減することができる。
第16態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、第15態様の判別方法を実行させる。
この態様によれば、演算処理において、判定処理でが特定情報を判定したタイミングに関わらず、切替タイミングで特定情報を用いた演算に切り替えるので、演算結果の整合性が向上する。これにより、ユーザが演算処理での演算結果を確認した際の違和感を軽減することができる。