JP7042294B2 - ワイヤ位置修正方法及びワイヤ位置修正装置 - Google Patents

ワイヤ位置修正方法及びワイヤ位置修正装置 Download PDF

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Description

本発明は、ワイヤ位置修正方法及びワイヤ位置修正装置に関する。より詳しくは、環状のステータコア及びこのステータコアに形成されたスロット内に配置された複数のワイヤを備えるステータのワイヤ位置修正方法及びワイヤ位置修正装置に関する。
電動機や発電機等の回転電機は、ステータとロータとを備える。回転電機のステータは、例えば以下の手順によって製造される。
先ず、複数の電気導体であるワイヤを略U字状に成形し、コイル要素を複数作製する。次に、作製した複数のコイル要素を周方向に重ねながら円環状に整列させ、この状態で各ワイヤの先端部を円環状のステータコアに形成された各スロットに挿通する。次に、ねじり曲げ装置により、各スロットから突出した複数のワイヤの先端部を周方向にねじり曲げる。その後、隣接する先端部同士を溶接によって接合することにより、ステータを製造する。
以上のようなステータの製造手順において、ねじり曲げられた後の先端部の位置には少なからずばらつきがあることから、接合不良が生じる場合がある。特許文献1に示されたステータの製造方法では、ねじり曲げ加工が行われた後のワイヤの先端部に棒状の治具をステータコアの径方向に沿って当接させることにより、この先端部を押し曲げ、隣接する先端部同士を接触させ、接合不良を防止している。
特開2016-131453号公報
しかしながら特許文献1の製造方法では、治具をワイヤの先端部に当接させているため、ワイヤがスロット側の根元から曲がってしまい、スプリングバックによる先端部の戻り幅が大きく、精度良く先端位置を修正することができない。またスロットには複数本のワイヤが密集して配置されるため、特許文献1の製造方法のようにワイヤを根元から曲げてしまうと、先端位置を修正しようとするワイヤだけでなく、これに隣接するワイヤの位置もずれてしまうおそれがある。
本発明は、対象とするワイヤの先端位置を精度良く修正できるステータのワイヤ位置修正方法及びワイヤ位置修正装置を提供することを目的とする。
(1)本発明に係るワイヤ位置修正方法は、複数のスロット(例えば、後述のスロット22)が形成された環状のステータコア(例えば、後述のステータコア21)及び前記スロット内に配置された複数のワイヤ(例えば、後述の26)を備えるステータ(例えば、後述のステータ2)において、前記ワイヤのうち前記スロットから突出したワイヤ脚部(例えば、後述のワイヤ脚部261)の先端位置を基準位置へ修正する方法であって、前記ワイヤ脚部のうち曲げ部(例えば、後述の曲げ部264)より先端側の先端部(例えば、後述の先端部263)を保持装置(例えば、後述のワイヤクランパ4)で保持する工程と、前記先端位置が前記基準位置に接近する方向(例えば、後述の修正方向)へ移動するように、前記曲げ部又は前記曲げ部より前記先端部側の基点(例えば、後述の基点P)を通過する中心軸(例えば、後述の中心軸線53a)を中心として前記保持装置を回動し、前記ワイヤ脚部を曲げる工程と、を備えることを特徴とする。
(2)この場合、前記ワイヤ位置修正方法は、前記中心軸を中心とした前記保持装置の回動角と曲げ加工後の前記ワイヤ脚部のスプリングバックを加味した前記先端位置の移動量との相関関係に基づいて、前記曲げる工程において前記先端位置を前記基準位置へ修正するために必要な前記回動角を算出する工程を備えることが好ましい。
(3)この場合、前記保持装置は、前記先端部の両側部(例えば、後述の側部263a,263b)に沿って延びる分割爪(例えば、後述の分割爪41,42)を備え、前記保持する工程では、前記分割爪を前記先端部の向きに沿って挿入することが好ましい。
(4)この場合、前記保持装置は、前記分割爪の爪幅を変化させるチャック機構(例えば、後述のチャック機構44)を備え、前記保持する工程では、前記爪幅を開いた状態で前記分割爪を前記先端部に挿入した後、前記爪幅を閉じることによって前記先端部を保持することが好ましい。
(5)この場合、前記ワイヤ脚部は、前記ステータコアの径方向に沿って視た場合、前記スロット側から前記先端部側へ向かって順に、前記スロットの軸方向に対し傾斜しかつ前記ステータコアの周方向に沿って延びる傾斜部(例えば、後述の傾斜部262)と、前記傾斜部に対し傾斜しかつ前記スロットの軸方向に沿って延びる前記先端部と、を備え、前記保持する工程では、前記保持装置で前記先端部の前記周方向に沿った両側部を挟み込むことによって前記先端部を保持し、前記曲げる工程では、前記中心軸を中心として前記保持装置を回動することが好ましい。
(6)本発明に係るワイヤ位置修正装置(例えば、後述のワイヤ位置修正装置14)は、複数のスロットが形成された環状のステータコア(例えば、後述のステータコア21)及び前記スロット内に配置された複数のワイヤ(例えば、後述のワイヤ26)を備えるステータ(例えば、後述のステータ2)において、前記ワイヤのうち前記スロットから突出したワイヤ脚部(例えば、後述のワイヤ脚部261)の先端位置を基準位置へ修正するものであって、前記ワイヤ脚部のうち曲げ部(例えば、後述の曲げ部264)より先端側の先端部(例えば、後述の先端部263)を保持する保持装置(例えば、後述のワイヤクランパ4)と、前記保持装置を支持するとともに、前記先端位置が前記基準位置に接近する方向へ移動するように、前記曲げ部又は前記曲げ部より前記先端部側の基点(例えば、後述の基点P)を通過する中心軸(例えば、後述の中心軸線53a)を中心として前記保持装置を回動自在な回動機構(例えば、後述の回動機構5)と、を備えることを特徴とする。
(7)この場合、前記ワイヤ位置修正装置は、前記中心軸を中心とした前記保持装置の回動角と曲げ加工後の前記ワイヤ脚部のスプリングバックを加味した前記先端位置の移動量との相関関係に基づいて、前記先端位置を前記基準位置へ修正するために必要な前記回動角を算出する回動角算出手段(例えば、後述のコンピュータ7)を備えることが好ましい。
(8)この場合、前記ワイヤ位置修正装置は、前記ワイヤ脚部を鉛直方向上方に向けた状態で前記ステータを支持するテーブル(例えば、後述のテーブル3)と、前記保持装置及び前記回動機構を前記テーブルの上方において前記鉛直方向、前記ステータコアの周方向、及び前記ステータコアの径方向に沿って移動自在な移動機構(例えば、後述の移動機構6)と、を備えることが好ましい。
(9)この場合、前記保持装置は、前記先端部の両側部(例えば、後述の側部263a,263b)に沿って延びる分割爪(例えば、後述の分割爪41,42)と、当該分割爪の爪幅を変化させるチャック機構(例えば、後述のチャック機構44)と、を備えることが好ましい。
(10)この場合、前記ワイヤ脚部は、前記ステータコアの径方向に沿って視た場合、前記スロット側から前記先端部側へ向かって順に、前記スロットの軸方向に対し傾斜しかつ前記ステータコアの周方向に沿って延びる傾斜部(例えば、後述の傾斜部262)と、前記傾斜部に対し傾斜しかつ前記スロットの軸方向に沿って延びる前記先端部と、を備え、前記保持装置は、前記先端部の前記周方向に沿った両側部(例えば、後述の側部263a,263b)を挟み込むことによって前記先端部を保持し、前記回動機構は、前記中心軸を中心として前記保持装置を回動自在であることが好ましい。
(1)本発明では、ステータコアのスロットから突出するワイヤ脚部の先端部を保持装置によって保持し、このワイヤ脚部の先端位置が基準位置に接近する方向へ移動するように、曲げ部又はこの曲げ部より先端部側の基点を通過する中心軸を中心としてこの保持装置を回動し、ワイヤ脚部を曲げる。本発明によれば、ワイヤ脚部のうち基点よりもスロット側の部分の位置をずらしたり曲げたりすることなく、先端位置を基準位置に接近させることができるので、従来のようにワイヤ脚部の根元を曲げる場合と比較して、曲げ加工後のスプリングバックによる先端部の戻り幅を小さくできる。これにより、対象とするワイヤ脚部の先端位置を精度良く修正できる。
(2)本発明では、中心軸を中心とした保持装置の回動角と曲げ加工後のワイヤ脚部のスプリングバックを加味した先端位置の移動量との相関関係に基づいて、曲げる工程において先端位置を基準位置へ修正するために必要な回動角を算出する。これにより、対象とするワイヤ脚部の先端位置を精度良く修正できる。
(3)本発明において、ワイヤの先端部を保持する工程では、先端部の両側部に沿って延びる分割爪を先端部の向きに沿って挿入する。これにより、分割爪を先端部に挿入する際に、分割爪が先端部に当接し、対象とするワイヤ脚部の位置をずらしたり曲げたりしてしまうのを防止することができる。これにより、対象とするワイヤ脚部の先端位置を精度良く修正できる。
(4)本発明では、保持装置として、分割爪の爪幅を変化させるチャック機構を備えるものを用いる。また先端部を保持する工程では、爪幅を開いた状態で分割爪を先端部に挿入した後、爪幅を閉じることによって先端部を保持する。これにより、中心軸を中心として分割爪を回動し、ワイヤ脚部を曲げる際に、ワイヤ脚部の先端部が分割爪に対してずれてしまい、意図しない部分でワイヤ脚部が曲がってしまうのを防止することができる。これにより、対象とするワイヤ脚部の先端位置を精度良く修正できる。
(5)本発明に係るワイヤ位置修正方法に先立って行われるねじり曲げ工程では、スロットから突出するワイヤに対しねじり曲げ加工を施すことによって、スロットの軸方向に対して傾斜する傾斜部と、スロットの軸方向に沿って延びる先端部と、を備えるワイヤ脚部を形成する。これに対し先端部を保持する工程では、保持装置で先端部の周方向に沿った両側部を挟み込むことによって先端部を保持し、ワイヤ脚部を曲げる工程では、中心軸を中心として、すなわち上記周方向と直交する軸を中心として保持装置を回動することによってワイヤ脚部を曲げる。これにより、ねじり曲げ加工時に発生する先端部の周方向に沿った整列不良を修正することができる。
(6)本発明に係るワイヤ位置修正装置は、ステータコアのスロットから突出するワイヤ脚部の先端部を保持する保持装置と、この保持装置を支持するとともに、ワイヤ脚部の先端位置が基準位置に接近する方向へ移動するように、曲げ部又は曲げ部より先端部側の基点を通過する中心軸を中心としてこの保持装置を回動自在な回動機構と、を備える。本発明によれば、保持装置によってワイヤ脚部の先端部を保持した状態で、回動機構によって保持装置を回動し、ワイヤ脚部を曲げることにより、ワイヤ脚部のうち基点よりもスロット側の部分の位置をずらしたり曲げたりすることなく、先端位置を基準位置に接近させることができるので、従来のようにワイヤ脚部の根元を曲げる場合と比較して、曲げ加工後のスプリングバックによる先端部の戻り幅を小さくできる。これにより、対象とするワイヤ脚部の先端位置を精度良く修正できる。
(7)本発明に係るワイヤ位置修正装置は、中心軸を中心とした保持装置の回動角と曲げ加工後のワイヤ脚部のスプリングバックを加味した先端位置の移動量との相関関係に基づいて、先端位置を基準位置へ修正するために必要な回動角を算出する回動角算出手段を備える。本発明によれば、回動角算出手段によって算出された回動角だけ保持装置を回動させることにより、曲げ加工後のワイヤ脚部のスプリングバックを加味して、先端位置を精度良く修正できる。
(8)本発明に係るワイヤ位置修正装置は、ワイヤ脚部を鉛直方向上方に向けた状態でステータを支持するテーブルと、保持装置及び回動機構をテーブルの上方において、鉛直方向、周方向、径方向に沿って移動自在な移動機構と、を備える。本発明によれば、保持装置によってワイヤ脚部の先端部を保持させる際には、保持装置の回動角、並びに保持装置の鉛直方向、周方向、及び径方向に沿った位置を微調整しながら保持装置をワイヤ脚部の先端部に接近させることができる。これにより、保持装置を先端部に接近させる際に、保持装置が先端部に当接し、対象とするワイヤ脚部の位置をずらしたり曲げたりしてしまうのを防止することができる。これにより、対象とするワイヤ脚部の先端位置を精度良く修正できる。
(9)本発明に係るワイヤ位置修正装置では、保持装置として、先端部の両側部に沿って延びる分割爪と、この分割爪の爪幅を変化させるチャック機構と、を備えるものを用いる。これにより、爪幅を開いた状態で分割爪を先端部に挿入した後、爪幅を閉じることによって分割爪で先端部を保持させることができる。これにより、中心軸を中心として分割爪を回動し、ワイヤ脚部を曲げる際に、ワイヤ脚部の先端部が分割爪に対してずれてしまい、意図しない部分でワイヤ脚部が曲がってしまうのを防止することができる。これにより、対象とするワイヤ脚部の先端位置を精度良く修正できる。
(10)ワイヤの先端位置を修正する前に行われるねじり曲げ工程では、スロットから突出するワイヤに対しねじり曲げ加工を施すことによって、スロットの軸方向に対して傾斜する傾斜部と、スロットの軸方向に沿って延びる先端部と、を備えるワイヤ脚部を形成する。これに対し、保持装置は、先端部の周方向に沿った両側部を挟み込むことによって先端部を保持し、回動機構は、中心軸を中心として保持装置を回動自在である。本発明によれば、基点を通過しかつ上記周方向と直交する軸を中心として保持装置を回動させ、ワイヤ脚部を曲げることができるので、ねじり曲げ加工時に発生する先端部の周方向に沿った整列不良を修正することができる。
本発明の一実施形態に係るワイヤ位置修正装置が組み込まれたステータ製造装置の一部を示す図である。 ステータコア及びコイルの構成を示す図である。 ねじり曲げ装置によるねじり曲げ加工を経たステータの構成を示す図である。 ワイヤ先端検査装置によって撮像された検査画像の一例を示す図である。 ワイヤ位置修正装置の正面図である。 ワイヤ位置修正装置の平面図である。 ワイヤクランパの正面図である。 ワイヤクランパの断面図である。 ワイヤクランパによってワイヤ脚部の先端部を保持した状態を示す図である。 回動機構の側面図である。 初期画面の一例を示す図である。 スロット番号選択後の詳細画面の一例を示す図である。 基準位置となる1ターン目のワイヤ脚部と、先端位置が基準位置に対し周方向時計回り側へずれているワイヤ脚部と、を外側から径方向に沿って視た図である。 分割爪によってワイヤ脚部の先端位置を基準位置へ移動させるための手順を模式的に示す図である。 分割爪の回動角とスプリングバックを加味した先端位置の移動量との相関関係に基づいて構築されたマップの一例である。 ワイヤ位置修正方法の具体的な手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態に係るワイヤ位置修正装置及びこれを用いたワイヤ位置修正方法について図面を参照しながら説明する。
図1は、電動機や発電機等の回転電機に用いられるステータの製造装置1の一部を示す図である。ステータ製造装置1は、整列挿入装置11と、ねじり曲げ装置12と、ワイヤ先端検査装置13と、ワイヤ位置修正装置14と、接合装置15と、を備える。ステータコア21及びコイル25を含むステータ2は、上記装置11~15による加工及び検査を経て製造される。
整列挿入装置11は、図2に示すように、予め準備しておいたステータコア21に対し、予め準備しておいたコイル25を装着する。
ステータコア21は、軸方向に沿って延びる中空の円柱状であり、平面視では円環状である。ステータコア21は、複数枚の円環状の鋼板を積層することによって構成される。ステータコア21の内周部には、軸方向に沿って貫通するスロット22が周方向に沿って等間隔で複数形成されている。またステータコア21のうち各スロット22の間の部分はティース部23となっている。コイル25は、複数の電気導体であるワイヤ26を束ねて略U字状に成形された複数のコイル要素27を含む。複数のコイル要素27の頂部は、平面視では略S字状に成形される。
整列挿入装置11は、複数のコイル要素27を周方向に重ねながら円環状に整列させた状態で、各ワイヤ26の先端部263を、ステータコア21に形成された各スロット22に挿通し、先端部263をスロット22から突出させる。
なお図1~図4には、ステータコア21に形成されているスロット22の数(以下、「スロット数」ともいう)を48とし、1つのスロット22に配置するワイヤ26の本数(以下、「ターン数」ともいう)を8とした場合について説明するが、ステータ2のスロット数やターン数はこれに限るものではない。
ねじり曲げ装置12は、整列挿入装置11による加工を経たステータ2のスロット22内に配置された複数のワイヤ26に対しねじり曲げ加工を施す。このねじり曲げ加工では、図3に示すように、ワイヤ26のうちスロット22から突出する部分であるワイヤ脚部261を、ステータコア21の周方向にねじり曲げる。より具体的には、ねじり曲げ加工では、ステータコア21の径方向内側から数えて1ターン目のワイヤ脚部261については周方向の一方側(図3の例では、右側)へねじり曲げ、2、3ターン目のワイヤ脚部261については周方向の他方側(図3の例では、左側)へねじり曲げ、4、5ターン目のワイヤ脚部261については周方向の一方側へねじり曲げ、6、7ターン目のワイヤ脚部261については周方向の他方側へねじり曲げ、8ターン目のワイヤ脚部261については周方向の一方側へねじり曲げる。またねじり曲げ加工では、以上のようにしてねじり曲げた各ワイヤ脚部261の先端部263を反対側へねじり曲げることにより、各先端部263をステータコア21の軸方向と略平行にする。なお図3では、2、3ターン目、4、5ターン目、6、7ターン目が同方向にねじり曲げられる場合について説明するが、各ターンのねじり曲げ方向はこれに限るものではない。
図3に示すように、ねじり曲げ装置12によるねじり曲げ加工を経たステータ2のワイヤ脚部261は、ステータコア21の径方向に沿って視た場合、スロット22側から先端部263側へ向かって順に、スロット22の軸方向に対し傾斜しかつステータコア21の周方向に沿って延びる傾斜部262と、傾斜部262に対し傾斜しかつスロット22の軸方向に沿って延びる先端部263と、周方向に沿って湾曲しこれら傾斜部262と先端部263とを接続する曲げ部264と、を備える。これにより、以上のようなねじり曲げ加工を経たステータ2の各ワイヤ26の先端部263は、適切なねじり曲げ加工が施されていれば、図3に示すように径方向に沿って列状に配置される。
ワイヤ先端検査装置13は、ねじり曲げ装置12によるねじり曲げ加工を経たステータ2において、各ワイヤ26の先端部263が適切な位置に配置されているかどうかを検査する。より具体的には、ワイヤ先端検査装置13は、図示しないカメラを用いることによってステータ2の各ワイヤ26の先端部263の検査画像をステータコア21の軸方向に沿ってスロット22毎に撮像し、得られた検査画像に基づいて先端部263が適切な位置に配置されているかどうかを検査する。
図4は、ワイヤ先端検査装置13によって撮像された検査画像の一例を示す図である。図4には、各先端部263の中心の適切な位置に相当する基準位置を一点鎖線で示す。また図4において、右側は径方向内側であり、左側は径方向外側である。ワイヤ先端検査装置13は、取得した検査画像に基づいて、各ターンの先端部263の周方向に沿った両端面が、基準位置を中心として周方向時計回り側に定められた閾値L1と、周方向反時計回り側に定められた閾値L2との範囲内であるか否かを判定することによって、各先端部263が適切な位置に配置されているかどうかを検査する。
なお以下では、各ターンの先端部263の周方向に沿った中心位置を先端位置という。また以下では、最も径方向内側に存在する1ターン目の先端位置を基準位置とする場合について説明するが、本発明はこれに限らない。1以外の他のターンの先端位置を基準位置としてもよいし、予め定められた位置を基準位置としてもよい。
なお図4には、1ターン目の先端位置を基準位置とし、2ターン目、3ターン目の先端位置は基準位置に対し周方向反時計回り側へ僅かにずれており、4ターン目、6ターン目、8ターン目の先端位置は基準位置に対し周方向時計回り側へ僅かにずれている場合を示す。
また図4には、5ターン目の先端位置は基準位置に対し周方向反時計回り側へ大きくずれており、7ターン目の先端位置は基準位置に対し周方向時計回り側へ大きくずれた場合を示す。より具体的には、5ターン目の先端部263の周方向反時計回り側の端面の位置が閾値L2を超えており、7ターン目の先端部263の周方向時計回り側の端面の位置が閾値L1を超えている場合を示す。このため、5ターン目の先端位置は、基準位置へ向けて周方向時計回り側へ移動させる必要があり、7ターン目の先端位置は、基準位置へ向けて周方向反時計回り側へ移動させる必要がある。
ワイヤ先端検査装置13は、取得した検査画像に基づいて、各ターンの先端位置の基準位置に対するずれ方向と、各ターンの先端位置の基準位置からのずれ量とを算出する。ワイヤ先端検査装置13は、先端位置が基準位置に対し周方向時計回り側へずれている場合には、ずれ量を閾値Acw(基準位置に存在する先端部263の周方向時計回り側の端面の位置と閾値L1との間隔)と比較し、ずれ量が閾値Acwを超えない場合には先端部263は適切な位置に配置されていると判定し、ずれ量が閾値Acwを超える場合には先端部263は適切な位置に配置されていないと判定する。またワイヤ先端検査装置13は、先端位置が基準位置に対し周方向反時計回り側へずれている場合には、ずれ量を閾値Accw(基準位置に存在する先端部263の周方向反時計回り側の端面の位置と閾値L2との間隔)と比較し、ずれ量が閾値Accwを超えない場合には先端部263は適切な位置に配置されていると判定し、ずれ量が閾値Acwを超える場合には先端部263は適切な位置に配置されていないと判定する。従って以上のようにして算出されるずれ量は、先端部263を適切な位置に配置するため、この先端位置を周方向に沿って移動させる必要のある距離に相当する。
ワイヤ先端検査装置13は、以上のような検査画像に基づく検査をスロット22毎に行い、全スロット22について全ターンの先端部263が適切な位置に配置されていると判定した場合には、この検査を経たステータ2を接合装置15へ送る。またワイヤ先端検査装置13は、全スロット22のうち何れか1つでも適切な位置に配置されていない先端部263が存在する場合には、必要なデータとともにこの検査を経たステータ2をワイヤ位置修正装置14へ送る。ここでワイヤ先端検査装置13からワイヤ位置修正装置14へ送信されるデータには、例えば、各ターンのずれ方向及びずれ量、並びに適切な位置に配置されていない先端部263が存在するスロット番号及びターン番号等が含まれる。
ワイヤ位置修正装置14は、ワイヤ先端検査装置13から送信される情報に基づいて、ワイヤ先端検査装置13から送られてきたステータ2のワイヤ26の先端位置へ修正する。ワイヤ位置修正装置14によってその先端位置が修正されたステータ2は、再びワイヤ先端検査装置13へ送られ、再び検査される。なおこのワイヤ位置修正装置14の構成については、後に図5~図14等を参照しながら詳細に説明する。
接合装置15は、ワイヤ先端検査装置13による検査を経たステータ2において、隣接する2本のワイヤ26の先端部263同士をTIG溶接で接合することにより、コイル25を形成する。ステータ2は、以上のような手順によって製造される。
図5は、ワイヤ位置修正装置14を作業者(図示せず)側から視た正面図であり、図6は、ワイヤ位置修正装置14を鉛直方向上方側から視た平面図である。
ワイヤ位置修正装置14は、ステータ2が搭載されるテーブル3と、ワイヤ脚部261のうち曲げ部264より先端側の先端部263を保持するワイヤクランパ4と、このワイヤクランパ4を所定の回動軸を中心として回動自在に支持する回動機構5と、これらワイヤクランパ4及び回動機構5を所定の方向に沿って移動自在に支持する移動機構6と、ワイヤ先端検査装置13から送信される情報に基づいて演算を行うコンピュータ7と、ワイヤ先端検査装置13から送信される情報やコンピュータ7による演算結果等を作業者が視認可能な態様で表示するタッチパネルディスプレイ8と、これらテーブル3、移動機構6、及びタッチパネルディスプレイ8が設けられた作業机9と、を備える。また以下では、ステータ2のスロット数を72とし、ターン数を8とした場合について説明するが、スロット数やターン数はこれらに限らない。また理解を容易にするため、図5ではステータ2のステータコア21から突出する複数本(8×72本)のワイヤ脚部261のうち1本のみを図示し、図6ではワイヤ脚部261の図示を省略する。
テーブル3は、作業机9に設けられた板状のメインテーブル30と、ステータ2を支持するターンテーブル31と、ワイヤ先端検査装置13から送られるステータ2を図5中右側から左側へ移動させ、このステータ2をターンテーブル31に搭載するスライドレール32と、ターンテーブル31の位置を固定するために作業者が操作可能なスロット位置固定レバー33と、を備える。
ターンテーブル31は、平面視では、ステータ2よりもひと回り大きな円盤状である。ターンテーブル31は、ワイヤ脚部261を鉛直方向上方に向けた状態でステータ2を支持する。ターンテーブル31は、その中央部において鉛直方向に沿って延びる回転軸3aを中心として、時計回り及び反時計回りでメインテーブル30に対し回転自在である。ステータ2は、ターンテーブル31の回転軸3aと同軸になるように、図示しない位置決めピンによってターンテーブル31に固定される。また図6に示すように、ターンテーブル31の外周部には、複数の溝31aが形成されている。これら溝31aの数は、例えばステータ2のスロット数と同数、すなわち72であるが、本発明はこれに限るものではない。
スロット位置固定レバー33は、メインテーブル30のうちターンテーブル31よりも作業者側において、ターンテーブル31の接線方向に沿って延びる軸部材34を中心として回動自在に設けられている。スロット位置固定レバー33の先端側には作業者が把持可能な球状のグリップが設けられており、基端側にはターンテーブル31に形成された複数の溝31aのうちの1つに噛合する爪33aが設けられている。従って作業者は、スロット位置固定レバー33を図5に示すように立て、スロット位置固定レバー33の爪33aをターンテーブル31の溝31aに噛合させることにより、ターンテーブル31及びこれに支持されたステータ2の回転軸3a回りでの回転を規制する。また作業者は、スロット位置固定レバー33を手前側に引き、このスロット位置固定レバー33を寝かせ、スロット位置固定レバー33の爪33aをターンテーブル31の溝31aから外すことにより、上記規制を解除することができる。
なお以下では、ターンテーブル31上のステータ2に設けられた複数のスロットのうち、最も作業者に近いスロット、換言すれば最もスロット位置固定レバー33に近いスロットを対象スロット29ともいう。従って図5及び図6において、左側は対象スロット29の周方向時計回り側であり、右側は対象スロット29の周方向反時計回り側である。
図7Aは、ワイヤクランパ4を作業者側から視た正面図であり、図7Bは、ワイヤクランパ4の図7Aにおける線VII-VIIに沿った断面図である。図8は、ワイヤクランパ4によって、対象スロット29に対し鉛直方向上方側に存在するワイヤ脚部261の先端部263を保持した状態を示す図である。
ワイヤクランパ4は、先端部263の周方向に沿った両側部263a,263bに沿って延びる分割爪41,42と、これら分割爪41,42を爪幅方向Dcに沿って摺動自在に支持するクランパ本体43と、作業者が回転操作可能な棒状のグリップ45と、分割爪41,42の爪幅の開き方向への折れ曲がりを防止する爪開き防止リング46と、を備える。
クランパ本体43の内部には、作業者によるグリップ45の操作に応じて分割爪41,42の爪幅を変化させるチャック機構44が設けられている。チャック機構44は、グリップ45の回転運動を分割爪41,42の爪幅方向Dcに沿った直線運動に変換することにより、分割爪41,42の爪幅を変化させる。より具体的には、チャック機構44は、作業者によってグリップ45が正転されると、分割爪41,42を爪幅方向Dcに沿って互いに接近させ、これら分割爪41,42を閉じる。またチャック機構44は、作業者によってグリップ45が逆転されると、分割爪41,42を爪幅方向Dcに沿って互いに離間させ、これら分割爪41,42を開く。
一方の分割爪41は、基端部411と、この基端部411から爪幅方向Dcに対し直交する向きへ延びる棒状の爪部412と、を備える。爪部412のうち爪幅方向Dcに沿って内側には、その延在方向に沿って延びる切欠き部413及び背板部414が形成されている。他方の分割爪42は、基端部421と、この基端部421から爪幅方向Dcに対し直交する向きへ延びる棒状の爪部422と、を備える。爪部422のうち爪幅方向Dcに沿って内側には、その延在方向に沿って延びる切欠き部423及び背板部424が形成されている。
従って図7Bに示すように、爪部412,422の間には、切欠き部413,423によってワイヤ脚部261の先端部263を収容する凹状の溝である先端収容部47が形成される。図8に示すように、分割爪41,42は、ワイヤ脚部261の先端部263を先端収容部47に収容し、分割爪41,42の先端部をワイヤ脚部261の先端部263の付け根(すなわち、先端部263と曲げ部264の境目)に当接させるとともに、先端収容部47の両内壁面47a,47bによって先端部263の両側部263a,263bを挟み込むことによって、先端部263を保持する。
爪開き防止リング46は、柱状である。爪開き防止リング46の内部には、爪幅方向Dcに対し直交する向きに沿って延びる貫通孔461が形成されている。図8に示すように、爪開き防止リング46は、分割爪41,42を閉じた状態で爪部412,422を貫通孔461内に挿通し、さらに位置止めピン462を挿通することによって分割爪41,42に固定される。これにより、分割爪41,42の爪幅の開き方向への折れ曲がりが防止される。なお分割爪41,42の爪幅は、以上のような爪開き防止リング46を分割爪41,42に固定した状態であっても僅かに変化させることが可能となっている。
次に、図5及び図9を参照しながら回動機構5の構成について説明する。
図9は、回動機構5の側面図である。図9において、左側は作業者と対向する正面側であり、右側は背面側である。
回動機構5は、ワイヤクランパ4の背面側においてクランパ本体43を支持するクランパブラケット51と、クランパブラケット51の背面側においてこのクランパブラケット51を支持する回動機構本体52と、クランパブラケット51と回動機構本体52とを連結する回動軸53と、クランパブラケット51に設けられた爪角度操作レバー54と、回動機構本体52に設けられた爪角度調整機構55と、回動機構本体52の背面側に設けられた爪角度センサ56と、を備える。
クランパブラケット51は、分割爪41,42の先端部が対象スロット29の鉛直方向上方に位置するように、ワイヤクランパ4のクランパ本体43の背面側を支持する。
回動機構本体52は、鉛直方向に沿って延びる板状である。回動機構本体52は、その鉛直方向下方側に設けられた回動軸53を介してクランパブラケット51を軸支する。すなわち、クランパブラケット51及びこれによって支持されたワイヤクランパ4は、回動機構本体52に対し回動軸53回りで回動自在である。
回動軸53はステータコア21の径方向に沿って延びる。より具体的には、回動軸53の中心軸線53aは、径方向に沿って延び、分割爪41,42の先端部の近傍を通過する。より具体的には、中心軸線53aは、分割爪41,42の先端部又は分割爪41,42の延在方向に沿って分割爪41,42の先端部から僅かに離れた位置を通過する。以下では、分割爪41,42の延在方向に沿って延びかつ分割爪41,42の先端部を通過する仮想線Oと中心軸線53aとの交点を基点Pという。したがってワイヤクランパ4は、回動機構本体52に対し、分割爪41,42の先端部の近傍に定められた基点Pを通過する中心軸線53aを中心として回動自在である。このため、例えば図8に示すようにワイヤクランパ4の分割爪41,42によってワイヤ脚部261の先端部263を保持した状態では、曲げ部264上の基点Pを通過する中心軸53aを中心としてワイヤクランパ4を回動し、先端部263の先端位置を基準位置に接近する方向へ移動させることができる。
以下では、ワイヤクランパ4の回動軸53回りでの回動角、すなわち分割爪41,42の中心軸線53a回りでの角度を、爪角度ともいう。また以下では、対象スロット29の周方向反時計回り側(図5では右方側であり、図9では紙面手前側)を爪角度正側とし、対象スロット29の周方向時計回り側(図5では左方側であり、図9では紙面奥側)を爪角度負側とする。すなわち、分割爪41,42が作業者側から視て右側へ傾くと爪角度は正側へ増加し、分割爪41,42が作業者側から視て左側へ傾くと爪角度は負側へ減少する。なお本実施形態では、図9に示すように、基点Pを仮想線Oに沿って分割爪41,42の先端部から僅かに離れた位置に設定した場合について説明するが、本発明はこれに限らない。基点Pは、分割爪41,42の先端部上に設定してもよい。
爪角度センサ56は、所定の基準に対する爪角度を検出する。爪角度センサ56によって検出される爪角度の値は、メインテーブル30に設けられた表示器57に、作業者が視認可能な態様で表示される。なお表示器57には、爪角度の値を0にリセットするリセットボタン57aが設けられている。すなわち、表示器57には、最後にリセットボタン57aが押下された時における爪角度の値を0とした場合における爪角度の値が表示される。
爪角度操作レバー54は、棒状である。図5に示すように、爪角度操作レバー54は、作業者側から視た場合に分割爪41,42と同軸となるようにクランパブラケット51の上部に立設されている。従って作業者は、爪角度操作レバー54を作業者から視て右側又は左側へ傾けることにより、ワイヤクランパ4を中心軸線53a回りで回動させることができる。
爪角度調整機構55は、回動機構本体52の鉛直方向上方側に設けられている。爪角度調整機構55は、周方向に沿って延びるねじ軸551と、このねじ軸551の両端部を回転自在に支持する軸受552と、ねじ軸551の端部に設けられた回転ハンドル553と、を備える。またこのねじ軸551には、ナットブラケット554が螺合されている。このため作業者が回転ハンドル553を正転又は反転し、ねじ軸551が正転又は反転すると、ナットブラケット554は作業者側から視て右側又は左側へ摺動する。
図5に示すように、作業者側から視てナットブラケット554の左右両端側には、それぞれ径方向に沿って延びる円柱状のストッパ555,556が設けられている。上述の爪角度操作レバー54は、これらストッパ555,556の間に設けられている。従って作業者は、ストッパ556が爪角度操作レバー54に当接した状態で回転ハンドル553を正転させることにより、爪角度操作レバー54を周方向時計回り側へ傾け、爪角度を微調整することができる。また作業者は、ストッパ555が爪角度操作レバー54に当接した状態で回転ハンドル553を反転させることにより、爪角度操作レバー54を周方向反時計回り側へ傾け、爪角度を微調整することができる。
図5及び図6に示すように、移動機構6は、回動機構5を支持する周方向移動機構60と、周方向移動機構60を支持する鉛直方向移動機構63と、鉛直方向移動機構63を支持する径方向移動機構68と、を備える。移動機構6は、これら周方向移動機構60、鉛直方向移動機構63、及び径方向移動機構68を用いることによって、ワイヤクランパ4及び回動機構5をテーブル3の上方においてステータコア21の周方向、鉛直方向、及びステータコア21の径方向に沿って移動自在に支持する。以下、これら周方向移動機構60、鉛直方向移動機構63、及び径方向移動機構68の構成について順に説明する。
周方向移動機構60は、回動機構本体52を背面側から支持する支持プレート61と、回動機構本体52の支持プレート61に対する位置を固定する周方向固定機構62と、を備える。
支持プレート61には、作業者側から視て左右方向、すなわち対象スロット29の周方向と接する接線方向に沿って延びるレール(図示せず)が設けられている。回動機構本体52は、この支持プレート61に設けられたレールに沿って摺動自在に設けられている。回動機構本体52のうち作業者側から視て左側には、作業者が操作可能な周方向移動レバー60aが設けられている。このため作業者は、周方向移動レバー60aを操作することにより、回動機構5及びこの回動機構5によって支持されたワイヤクランパ4を対象スロット29の周方向に沿って移動させることができる。
周方向固定機構62は、柱状のストッパ621と、このストッパ621に対し作業者側から視て左右両側に設けられたクランプねじ622,623と、を備える。ストッパ621は、支持プレート61に固定されている。またクランプねじ622,623は、回動機構本体52のうちストッパ621の左右両側に設けられたブラケットに螺合されている。このため作業者は、周方向移動レバー60aを操作することによって、対象スロット29の周方向に沿った基点Pの位置を調整した後、これらクランプねじ622,623を締め回し、これらクランプねじ622,623によってストッパ621を挟持することにより、対象スロット29の周方向に沿った位置を固定することができる。
鉛直方向移動機構63は、周方向移動機構60を支持する支柱64と、作業者が操作可能な高さ移動ハンドル65及び高さ固定レバー66と、を備える。
支柱64は、鉛直方向に沿って延びる柱状であり、ターンテーブル31に対し作業者側から視て左側に設けられている。支柱64には、鉛直方向に沿って延びるレール641が形成されている。周方向移動機構60の支持プレート61は、このレール641に沿って摺動自在に設けられている。
支柱64の内部には、高さ移動ハンドル65の回転運動を支持プレート61のレール641に沿った直線運動に変換する機構が設けられている。このため作業者は、高さ移動ハンドル65を正転操作又は反転操作することによって周方向移動機構60、回動機構5、及びワイヤクランパ4を鉛直方向に沿って上方側及び下方側へ昇降し、基点Pの鉛直方向に沿った高さを調整することが可能となっている。また作業者は、高さ移動ハンドル65を操作することによって基点Pの鉛直方向に沿った高さを調整した後、高さ固定レバー66を操作することにより、支持プレート61のレール641に対する位置を固定し、ひいては基点Pの鉛直方向に沿った高さを固定することができる。
支柱64のうち高さ移動ハンドル65に対し作業者側から視て右側には、鉛直方向に沿って延びる円柱状のストッパ642と、このストッパ642の支柱64に対する鉛直方向に沿った高さを、ステータ2の機種に応じて調整するストッパ高さ調整機構643と、が設けられている。また支持プレート61のうち上記ストッパ642の鉛直方向上方側には、突き当てボルト645が設けられている。
従って作業者が高さ移動ハンドル65を操作することによって支持プレート61を下降させると、突き当てボルト645がストッパ642に当接し、この支持プレート61の鉛直方向下方側への移動が規制される。ここでストッパ642の高さは、突き当てボルト645がストッパ642に当接した状態では、図8に示すように分割爪41,42の先端部がワイヤ脚部261の先端部263の付け根に当接するように調整されている。
先端部263の高さ(すなわち、テーブル3から先端部263までの鉛直方向に沿った高さ)は、ステータ2の機種によって異なる。このため分割爪41,42の鉛直方向に沿った高さを低くしすぎると、分割爪41,42がワイヤ脚部261にぶつかってしまい、ワイヤ脚部261を意図しない向きに曲げてしまうおそれがある。鉛直方向移動機構63は、ストッパ高さ調整機構643によってストッパ642の高さをステータ2の機種に適した高さに設定することにより、分割爪41,42が低くなりすぎないようにする。
径方向移動機構68は、メインテーブル30のうちターンテーブル31に対し作業者側から視て左側に設けられている。径方向移動機構68は、メインテーブル30上に設けられ対象スロット29の径方向に沿って延びるスライドレール681と、このスライドレール681に沿って摺動自在な支持台682と、スライドレール681と平行に延びるねじ軸683と、このねじ軸683の両端部を回転自在に支持する軸受684と、ねじ軸683の端部に設けられた回転ハンドル685と、を備える。
支持台682の上面には、鉛直方向移動機構63の支柱64が固定されている。このため、鉛直方向移動機構63、周方向移動機構60、回動機構5、及びワイヤクランパ4は、支持台682とともにスライドレール681に沿って摺動自在となっている。また支持台682には、ねじ軸683が螺合されている。このため作業者が回転ハンドル685を正転又は反転し、ねじ軸683が正転又は反転すると、支持台682は、スライドレール681の延在方向、すなわち対象スロット29の径方向に沿って移動する。このため作業者は、回転ハンドル685を操作することによって、対象スロット29の径方向に沿った基点Pの位置を調整することができる。
コンピュータ7は、ワイヤ先端検査装置13から送信されるデータ及びこのデータに基づく演算結果等を、タッチパネルディスプレイ8に表示する。
先ず、コンピュータ7は、ワイヤ先端検査装置13から送信されるデータを受信すると、適切な位置に配置されていない先端部263が存在するスロット番号を作業者に報知するべく、例えば図10Aに示すような初期画面をタッチパネルディスプレイ8に表示する。
図10Aには、全スロット番号(1~72)をマトリックス表示した場合を示す。この場合コンピュータ7は、図10Aに示すように、全ての先端部263が適切な位置に配置されているスロット番号(すなわち、修正の必要がないスロット番号)と、適切な位置に配置されていない先端部263が存在するスロット番号(すなわち、修正の必要があるスロット番号)と、を色分けして表示することが好ましい。なお図10Aに示す例では、55番目のスロット及び70番目のスロットに適切な位置に配置されていない先端部263が存在する場合を示す。作業者は、図10Aに示すような画面を見ることによって、修正な必要なスロット番号を容易に把握することができる。
またコンピュータ7は、図10Aに示すような初期画面を表示している間に作業者によってタッチパネルディスプレイ8が操作されると、例えば図10Bに示すような詳細画面をタッチパネルディスプレイ8に表示する。より具体的には図10Bには、図10Aに示す初期画面において作業者が修正の必要がある55番目のスロット番号を選択した場合における詳細画面の表示例を示す。
図10Bに示すようにスロット番号選択後の詳細画面には、上段から順に、作業者が選択したスロット番号を示す欄101と、各ターンのずれ方向及びずれ量を示す欄102と、作業者が操作可能な演算ボタン103と、コンピュータ7による演算結果を示す欄104と、が表示される。
コンピュータ7は、ワイヤ先端検査装置13から送信されるデータに基づいて、作業者によって選択されたスロット番号における各ターンの先端位置の基準位置に対するずれ方向及びずれ量を表示する。図10Bにおいて、「CW」は、周方向時計回り側を示し、「CCW」は、周方向反時計回り側を示す。またコンピュータ7は、ずれ量が図4を参照して説明した閾値Acw,Accwを超えており、先端位置を基準位置へ向けて移動する必要がある場合と、ずれ量が閾値Acw,Accw、を超えておらず、先端位置を基準位置へ向けて移動する必要がない場合とで、図10Bに示すように色分けして表示することが好ましい。なお図10Bには、5ターン目のずれ量がAccwを超えており(a5>Accw)、7ターン目のずれ量がAcwを超えている場合(a7>Acw)を示す。
コンピュータ7は、図10Bに示すような詳細画面を表示している間において、作業者によって修正を必要とするターン番号を選択する操作が行われ、さらに演算ボタン103が押されると、選択されたターン番号のずれ方向及びずれ量に基づいて以下で図11~図13を参照しながら説明する演算を行うことによって修正方向及び修正角度を算出し、これら修正方向及び修正角度についての演算結果を欄104に表示する。なお図10Bには、作業者は5ターン目を選択した場合を例示する。
ここで「修正方向」とは、ワイヤ脚部261の先端位置を基準位置へ接近させるため、先端位置を移動させる必要がある方向であり、周方向時計回り側(CW)及び周方向反時計回り側(CCW)の何れかである。また「修正角度」とは、ワイヤ脚部261の先端位置と基準位置とがずれている状態から、先端位置と基準位置とが一致した状態にするため、図8に示すように分割爪41,42によって先端部263を保持しながら基点Pを通過する中心軸線53aを中心として回動させる必要のある爪角度を意味する。
図11は、基準位置となる1ターン目のワイヤ脚部261と、先端位置が基準位置に対し周方向時計回り側へずれているワイヤ脚部261と、を外側から径方向に沿って視た図である。
図11に示すように、先端位置が基準位置からずれているワイヤ脚部261の先端位置を基準位置へ接近させるためには、先端位置を基準位置に対するずれ方向とは反対方向へ移動させる必要がある。したがってコンピュータ7は、ずれ方向と反対方向を修正方向として欄104に表示する。
図12は、分割爪41,42によってワイヤ脚部261の先端位置を基準位置へ移動させるための手順を模式的に示す図である。図12の左側にはワイヤ脚部261の先端部263を分割爪41,42によって保持した状態を示し、図12の中央には分割爪41,42を、その先端部を基点Pとして所定の爪角度だけ回動することによってワイヤ脚部261を曲げた後の状態を示し、図12の右側にはワイヤ脚部261を曲げた後、分割爪41,42によるワイヤ脚部261の保持を解除した後の状態を示す。
図12に示すように、分割爪41,42によってワイヤ脚部261を曲げた後、分割爪41,42によるワイヤ脚部261の保持を解除すると、ワイヤ脚部261の先端位置は、スプリングバックによって修正方向とは逆方向へ移動する。そこでコンピュータ7は、スプリングバックによる戻り幅を見込んで先端位置と基準位置とを一致させるため、分割爪41,42の修正角度を、修正前の先端位置及び基点Pを通過する線Laと基準位置及び基点Pを通過する線Lbとの成す角よりも大きな角度に設定する。
より具体的には、コンピュータ7には、基点Pを通過する中心軸線53aを中心とした分割爪41,42の回動角と、曲げ加工後のワイヤ脚部261のスプリングバックを加味した先端位置の移動量との相関関係に基づいて構築されたマップ(図13参照)が格納されている。このようなマップは、予め試験を行うことによって構築することができる。コンピュータ7は、ワイヤ先端検査装置13から送信されるずれ量を移動量として図13に示すようなマップを検索することによって、スプリングバックによる戻り幅を見込んで先端位置と基準位置とを一致させるための修正角度を算出し、これを欄104に表示する。
次に、以上のようなワイヤ位置修正装置14を用いてワイヤ脚部の先端位置を基準位置へ向けて修正する具体的な手順について説明する。
図14は、ワイヤ位置修正方法の具体的な手順を示すフローチャートである。
始めにS1では、作業者は、ステータ2をターンテーブル31に固定する。
S2では、作業者は、鉛直方向移動機構63のストッパ高さ調整機構643を操作することによって、ストッパ642の高さを、ターンテーブル31に固定したステータ2の機種に適した高さに設定する。
S3では、作業者は、タッチパネルディスプレイ8に表示される初期画像(図10A参照)を見ることによって修正を必要とするスロット番号を確認する。またS3では、作業者は、確認したスロット番号と対象スロット29とが一致するようにターンテーブル31を回転した後、スロット位置固定レバー33を操作することによってターンテーブル31を固定する。
S4では、作業者は、タッチパネルディスプレイ8に表示される詳細画像(図10B参照)を見ることによって修正の必要なターン番号を確認する。またS4では、作業者は、径方向移動機構68の回転ハンドル685を操作し、分割爪41,42をステータ2の径方向に沿って移動させることにより、確認したターン番号の鉛直方向上方側に分割爪41,42が配置させる。これにより、分割爪41,42の鉛直方向下方側に、修正を必要とするワイヤ脚部261が配置される。
S5では、作業者は、分割爪41,42を開いた状態でストッパ鉛直方向移動機構63の高さ移動ハンドル65を操作することにより、突き当てボルト645がストッパ642に当接するまで分割爪41,42を下降させるとともに、分割爪41,42の先端収容部47を修正対象とするワイヤ脚部261の先端部263に挿入させる(図12の左側参照)。なおこの際、作業者は、回転ハンドル685、周方向移動レバー60a、及び爪角度操作レバー54を適宜操作し、分割爪41,42によってワイヤ脚部261を折り曲げてしまわないよう分割爪41,42の径方向、周方向、及び爪角度を微調整しながら、分割爪41,42の先端収容部47を先端部263の向きに沿って挿入する。
S6では、作業者は、ワイヤ脚部261の先端部263を先端収容部47内に挿入した状態で、鉛直方向移動機構63の高さ固定レバー66、及び周方向移動機構60のクランプねじ622,623を操作し、分割爪41,42の鉛直方向に沿った高さ及び周方向に沿った位置を固定する。またS6では、作業者は、ワイヤクランパ4のグリップ45を操作することにより、分割爪41,42の爪幅を閉じ、これら分割爪41,42によって先端部263の両側部263a,263bを挟み込むことによって先端部263を保持する。
S7では、作業者は、タッチパネルディスプレイ8を操作することにより、タッチパネルディスプレイ8に修正方向及び修正角度の演算結果を表示させる。
S8では、作業者は、爪角度調整機構55の回転ハンドル553を操作し、ストッパ555,556の何れかが爪角度操作レバー54に当接するまでナットブラケット554を修正方向へ移動させる。また作業者は、ストッパ555,556の何れかが爪角度操作レバー54に軽く当接した状態で表示器57のリセットボタン57aを押下することにより、爪角度の値を0にリセットする。
S9では、作業者は、表示器57に表示される爪角度とタッチパネルディスプレイ8に表示された修正角度とが等しくなるまで爪角度調整機構55の回転ハンドル553を操作することにより、先端位置が修正方向へ移動するように、曲げ部264上に設定された基点Pを通過する中心軸線53aを中心として分割爪41,42を回動させ、ワイヤ脚部263を曲げる。
本実施形態に係るワイヤ位置修正装置14によれば、以下の効果を奏する。
(1)ワイヤ位置修正装置14は、ステータコア21のスロット22から突出するワイヤ脚部261の先端部263を保持するワイヤクランパ4と、このワイヤクランパ4を支持するとともに、ワイヤ脚部261の先端位置が基準位置に接近する方向へ移動するように、曲げ部264上に設定された基点Pを通過する中心軸53aを中心としてこの分割爪41,42を回動自在な回動機構5と、を備える。ワイヤ位置修正装置14によれば、分割爪41,42によってワイヤ脚部261の先端部263を保持した状態で、回動機構5によって分割爪41,42を回動し、ワイヤ脚部261を曲げることにより、ワイヤ脚部261のうち基点Pよりもスロット22側の部分の位置をずらしたり曲げたりすることなく、先端位置を基準位置に接近させることができるので、従来のようにワイヤ脚部の根元を曲げる場合と比較して、曲げ加工後のスプリングバックによる先端部263の戻り幅を小さくできる。これにより、対象とするワイヤ脚部261の先端位置を精度良く修正できる。
(2)ワイヤ位置修正装置14は、基点Pを通過する中心軸線53aを中心とした分割爪41,42の回動角と曲げ加工後のワイヤ脚部261のスプリングバックを加味した先端位置の移動量との相関関係を規定したマップに基づいて、先端位置を基準位置へ修正するために必要な修正角度を算出するコンピュータ7を備える。ワイヤ位置修正装置14によれば、コンピュータ7によって算出された修正角度だけ分割爪41,42を回動させることにより、曲げ加工後のワイヤ脚部261のスプリングバックを加味して、先端位置を精度良く修正できる。
(3)ワイヤ位置修正装置14は、ワイヤ脚部261を鉛直方向上方に向けた状態でステータ2を支持するテーブル3と、ワイヤクランパ4及び回動機構5をテーブル3の上方において、鉛直方向、周方向、径方向に沿って移動自在な移動機構6と、を備える。ワイヤ位置修正装置14によれば、分割爪41,42によってワイヤ脚部261の先端部263を保持させる際には、分割爪41,42の回動角、並びに分割爪41,42の鉛直方向、周方向、及び径方向に沿った位置を微調整しながら分割爪41,42をワイヤ脚部261の先端部263に接近させることができる。これにより、分割爪41,42を先端部263に接近させる際に、分割爪41,42が先端部263に当接し、対象とするワイヤ脚部261の位置をずらしたり曲げたりしてしまうのを防止することができる。これにより、対象とするワイヤ脚部261の先端位置を精度良く修正できる。
(4)ワイヤ位置修正装置14では、ワイヤクランパ4として、先端部263の両側部263a,263bに沿って延びる分割爪41,42と、この分割爪41,42の爪幅を変化させるチャック機構44と、を備えるものを用いる。これにより、爪幅を開いた状態で分割爪41,42の先端収容部47を先端部263に挿入した後、爪幅を閉じることによって分割爪41,42で先端部263を保持させることができる。これにより、中心軸53aを中心として分割爪41,42を回動し、ワイヤ脚部261を曲げる際に、ワイヤ脚部261の先端部263が分割爪41,42に対してずれてしまい、意図しない部分でワイヤ脚部261が曲がってしまうのを防止することができる。これにより、対象とするワイヤ脚部261の先端位置を精度良く修正できる。
(5)ワイヤ26の先端位置を修正する前に行われるねじり曲げ工程では、スロット22から突出するワイヤ26に対しねじり曲げ加工を施すことによって、スロット22の軸方向に対して傾斜する傾斜部262と、スロット22の軸方向に沿って延びる先端部263と、を備えるワイヤ脚部261を形成する。これに対し、分割爪41,42は、先端部263の周方向に沿った両側部263a,263bを挟み込むことによって先端部263を保持し、回動機構5は、中心軸線53aを中心として分割爪41,42を回動自在である。ワイヤ位置修正装置14によれば、基点Pを通過しかつ上記周方向と直交する中心軸線53aを中心として分割爪41,42を回動させ、ワイヤ脚部261を曲げることができるので、ねじり曲げ加工時に発生する先端部263の周方向に沿った整列不良を修正することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜変更してもよい。
上記実施形態では、ワイヤ脚部の先端部を保持する保持装置として、分割爪41,42を備えるワイヤクランパ4を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限らない。保持装置には、例えばワイヤ脚部の先端部を挿入可能な筒状の部材を用いてもよい。
また上記実施形態では、分割爪41,42を、突き当てボルト645がストッパ642に当接するまで、換言すれば分割爪41,42の先端部がワイヤ脚部261の先端部263の付け根に当接するまで下降させることにより、基点Pを曲げ部264上に設定する場合について説明したが、本発明はこれに限らない。基点Pは、曲げ部264よりも先端部263側に設定してもよい。
1…ステータ製造装置
14…ワイヤ位置修正装置
2…ステータ
21…ステータコア
22…スロット
25…コイル
26…ワイヤ
261…ワイヤ脚部
262…傾斜部
263…先端部
263a,263b…側部
29…修正対象スロット
3…テーブル
4…ワイヤクランパ(保持装置)
41,42…分割爪
43…クランパ本体43
44…チャック機構
5…回動機構
6…移動機構
60…周方向移動機構
63…鉛直方向移動機構
68…径方向移動機構68
7…コンピュータ(回動角算出手段)
8…ディスプレイ

Claims (10)

  1. 複数のスロットが形成された環状のステータコア及び前記スロット内に配置された複数のワイヤを備えるステータにおいて、保持装置を用いることによって前記ワイヤのうち前記スロットから突出したワイヤ脚部の先端位置を基準位置へ修正するワイヤ位置修正方法であって、
    前記保持装置は、前記ワイヤ脚部のうち曲げ部より先端側の先端部の両側部に沿って延びる分割爪を備え、
    前記分割爪で挟み込むことによって前記先端部を保持する工程と、
    前記先端位置が前記基準位置に接近する方向へ移動するように、前記曲げ部又は前記曲げ部より前記先端部側の基点を通過しかつ前記分割爪の延在方向と直交する中心軸を中心として前記保持装置を回動し、前記ワイヤ脚部を曲げる工程と、を備え、
    前記基点は、前記分割爪の延在方向に沿って延びる仮想線と前記中心軸との交点であることを特徴とするワイヤ位置修正方法。
  2. 前記中心軸を中心とした前記保持装置の回動角と曲げ加工後の前記ワイヤ脚部のスプリングバックを加味した前記先端位置の移動量との相関関係に基づいて、前記曲げる工程において前記先端位置を前記基準位置へ修正するために必要な前記回動角を算出する工程を備えることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ位置修正方法。
  3. 記保持する工程では、前記分割爪を前記先端部の向きに沿って挿入することを特徴とする請求項1又は2に記載のワイヤ位置修正方法。
  4. 前記保持装置は、前記分割爪の爪幅を変化させるチャック機構を備え、
    前記保持する工程では、前記爪幅を開いた状態で前記分割爪を前記先端部に挿入した後、前記爪幅を閉じることによって前記先端部を保持することを特徴とする請求項3に記載のワイヤ位置修正方法。
  5. 前記ワイヤ脚部は、前記ステータコアの径方向に沿って視た場合、前記スロット側から前記先端部側へ向かって順に、前記スロットの軸方向に対し傾斜しかつ前記ステータコアの周方向に沿って延びる傾斜部と、前記傾斜部に対し傾斜しかつ前記スロットの軸方向に沿って延びる前記先端部と、を備え、
    前記保持する工程では、前記分割爪で前記先端部の前記周方向に沿った両側部を挟み込むことによって前記先端部を保持し、
    前記曲げる工程では、前記中心軸を中心として前記保持装置を回動することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のワイヤ位置修正方法。
  6. 複数のスロットが形成された環状のステータコア及び前記スロット内に配置された複数のワイヤを備えるステータにおいて、前記ワイヤのうち前記スロットから突出したワイヤ脚部の先端位置を基準位置へ修正するワイヤ位置修正装置であって、
    前記ワイヤ脚部のうち曲げ部より先端側の先端部をその両側部に沿って延びる分割爪で挟み込むことによって保持する保持装置と、
    前記保持装置を支持するとともに、前記先端位置が前記基準位置に接近する方向へ移動するように、前記曲げ部又は前記曲げ部より前記先端部側の基点を通過しかつ前記分割爪の延在方向と直交する中心軸を中心として前記保持装置を回動自在な回動機構と、を備え
    前記基点は、前記分割爪の延在方向に沿って延びる仮想線と前記中心軸との交点であることを特徴とするワイヤ位置修正装置。
  7. 前記中心軸を中心とした前記保持装置の回動角と曲げ加工後の前記ワイヤ脚部のスプリングバックを加味した前記先端位置の移動量との相関関係に基づいて、前記先端位置を前記基準位置へ修正するために必要な前記回動角を算出する回動角算出手段を備えることを特徴とする請求項6に記載のワイヤ位置修正装置。
  8. 前記ワイヤ脚部を鉛直方向上方に向けた状態で前記ステータを支持するテーブルと、
    前記保持装置及び前記回動機構を前記テーブルの上方において前記鉛直方向、前記ステータコアの周方向、及び前記ステータコアの径方向に沿って移動自在な移動機構と、を備えることを特徴とする請求項6又は7に記載のワイヤ位置修正装置。
  9. 前記保持装置は、前記分割爪と、当該分割爪の爪幅を変化させるチャック機構と、を備えることを特徴とする請求項8に記載のワイヤ位置修正装置。
  10. 前記ワイヤ脚部は、前記ステータコアの径方向に沿って視た場合、前記スロット側から前記先端部側へ向かって順に、前記スロットの軸方向に対し傾斜しかつ前記ステータコアの周方向に沿って延びる傾斜部と、前記傾斜部に対し傾斜しかつ前記スロットの軸方向に沿って延びる前記先端部と、を備え、
    前記分割爪は、前記先端部の前記周方向に沿った両側部を挟み込むことによって前記先端部を保持し、
    前記回動機構は、前記中心軸を中心として前記保持装置を回動自在であることを特徴とする請求項6から9の何れかに記載のワイヤ位置修正装置。
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