JP7036491B2 - 調湿装置 - Google Patents
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Description
特許文献2も、2つの吸着ユニットを備え、所定の時間間隔で交互に機能を切り替える調湿装置を開示する。
また、特許文献4に記載の調湿装置は、再生用の空気を加熱するための温水熱交換器を備えており、燃料電池の排熱などの熱源から供給された温水と再生用の空気との間で熱交換を行う。そして、温水熱交換器で加熱された空気を吸着剤へ導入し、吸着剤から水分を脱離させる。
あるため、熱が逃げないよう断熱された大きな蓄熱槽が必要となり、装置の設置場所が制約されるおそれがある。
四方向ダンパを用いた制御に応じて空気流路を切り替えるダクト群であって、
除湿運転モードにおいては、第1の空気導入部から引き込まれた第1の空気が、前記第1の槽および前記第2の槽のうち一方の槽に供給され、前記一方の槽の前記吸着剤を再生したのち排気される第1の空気流路と、第2の空気導入部から引き込まれた第2の空気が、前記一方の槽ではない他方の槽に供給され、前記他方の槽の前記吸着剤によって除湿されたのち室内に供給される第2の空気流路と、を形成し、
加湿運転モードにおいては、前記第1の空気導入部から引き込まれた前記第1の空気が、前記第1の槽および前記第2の槽のうち一方の槽に供給され、前記一方の槽の前記吸着剤に含まれる水分によって加湿されたのち室内に供給される第3の空気流路と、前記一方の槽ではない他方の槽を含む循環経路内で空気が循環する第4の空気流路と、を形成する、ダクト群と、
弁を用いた制御に応じて流体流路を切り替える配管群であって、
前記除湿運転モードにおいては、冷水源からの冷水が、前記第2の空気流路に含まれる前記他方の槽の前記熱交換部材に供給される第1の流体流路と、温水源からの温水が、前記第1の空気流路に含まれる前記一方の槽の前記熱交換部材に供給されるような第2の流体流路と、を形成し、
前記加湿運転モードにおいては、前記温水源からの温水が、前記第3の空気流路に含まれる前記一方の槽の前記熱交換部材に供給されるとともに、前記第4の空気流路に含まれる前記他方の槽の前記吸着剤に供給されるような、第3の流体流路を形成する、配管群と、
を備えることを特徴とする調湿装置を提供する。
この構成によれば、制御部が一日ごとに運転モードを切り替えるため、一日の中で変動のある自然エネルギーを熱源として利用する場合でも、安定した除加湿や再生を実施できる。
また、前記第1の空気導入部が太陽光パネルによって暖められた前記第1の空気を引き込む構成を採用しても良い。また、前記温水源が、燃料電池により暖められた水、または
、太陽エネルギーによって暖められた水を供給する構成を採用しても良い。また、前記冷水源が、井水、または、ヒートポンプ冷熱による冷却水を供給する構成を採用しても良い。これらの構成により、建物の省エネルギー化を実現できる。
<構成>
本発明の調湿装置1に関する概略構成を説明する。調湿装置1は、バッチ式のデシカント除加湿を実現するための2つの吸着槽として、第1の槽100と第2の層200を備える。除湿運転時には、一方の槽で吸着剤による除湿を行っている間、他方の槽で吸着剤を再生する。加湿運転時には、一方の槽で吸着剤から水分を脱離させて加湿を行っている間、他方の槽で吸着剤に水分を吸着させる。
あるいは、制御部は、温度センサや湿度センサなどの環境センサの測定値に応じて、切り替え処理に関する構成要素(例えばポンプ、噴霧部、送風機など)を制御しても良い。例えば冷温水の循環に関して言えば、水温がある閾値以下になったら温水ポンプによる温水の供給を停止し、水温がある閾値以下になったら冷水ポンプによる冷水の供給を停止するようにしても良い。また、加湿時の水の噴霧について言えば、槽内の相対湿度がある閾値を越えたら再生処理が完了したと判断して噴霧を停止しても良い。また、空気循環時の送風機制御について言えば、中央監視からのスイッチ、もしくは室内壁スイッチによって、「定風量モード」と「CO2濃度制御モード」を切り替える構成にしてもよい。ここでCO2濃度制御モードは、計測した室内のCO2濃度をもとに、必要な換気風量になるように、給気用の送風機の風量を下げ省エネを図るモードである。
図1(A)および(B)を用いて、調湿装置1の空気流路に関する構成を説明する。本実施形態の調湿装置1は、ダクト301~312、送風機331および332、逆止ダンパ351~354、四方向ダンパ401~403、第1の外気導入部501(PVOA導入部)、SA送出部502、第2の外気導入部503、EA送出部504、太陽光パネル600を備える。
なお、本実施例では調湿装置内部に引き込む対象を「外気」としている。しかし本発明は、外気以外の空気、例えば室内循環空気を調湿する装置にも適用できる。その場合、「第1の外気導入部」および「第2の外気導入部」は、それぞれ「第1の空気導入部」およ
び「第2の空気導入部」と読み替えれば良い。
図1(A)の場合を例として除湿時の空気流路を説明する。ここでは、第1の槽100が吸着剤により空気を除湿し、第2の槽200が吸着剤の水分を取り除いて再生する。なお、制御部が四方向ダンパ401および403の接続状態を切り替えることにより、調湿装置が図1(B)の状態に移行すると、第2の槽200が除湿側となり、第1の槽100が再生側となる。
図2(A)の場合を例として加湿時の空気流路を説明する。ここでは、第1の槽100が空気を加湿し、第2の槽200が吸着剤に水分を補給して再生する。なお、制御部が四方向ダンパ401および403の接続状態を切り替えることにより、調湿装置が図2(B)の状態に移行すると、第2の槽200が加湿側となり、第1の槽100が再生側となる。
また、図2に示す加湿運転モードでは、ダクト群は、ダンパ等による制御に応じて、第1の外気導入部から引き込まれたPVOA(第1の外気)が第1の槽または第2の槽のいずれか(一方の槽)に供給されて、吸着剤から水分を受け取ったのち室内に供給されるような第3の空気流路と、もう一方の槽(他方の槽)を含む循環経路内で空気が循環する第4の空気流路と、を形成する。
図3(A)および(B)を用いて、調湿装置1の冷温水流路に関する構成を説明する。
本実施形態の調湿装置1は、冷水源700、冷水ポンプ710、温水源750、温水ポンプ760、四方弁801および802、配管851~858、第1の槽100用の第1の噴霧部用配管142、第2の槽200用の第2の噴霧部用配管242を備える。なお、配管を冷水と温水のいずれが通るかは四方弁の制御状態にも依存するため、冷水および温水を含む流体を、冷温水と総称する。配管851~858と、各噴霧用配管を総称して、配管群とも称する。
図3(A)の場合を例として除湿時の冷温水流路を説明する。ここでは、第1の槽100が吸着剤により空気を除湿し、第2の槽200が吸着剤の水分を取り除いて再生する。なお、制御部が四方弁801および802の空気の経路を切り替えることにより、調湿装置が図3(B)の状態に移行すると、第2の槽200が除湿側となり、第1の槽100が再生側となる。
図4(A)の場合を例として加湿時の冷温水流路を説明する。ここでは、第1の槽100が吸着剤に含まれる水分により空気を加湿し、第2の槽200が吸着剤に水分を供給して再生する。なお、制御部が四方弁801および802の水の経路と、弁141および2
41の開閉状態を切り替えることにより、調湿装置が図4(B)の状態に移行すると、第2の槽200が加湿側となり、第1の槽100が再生側となる。
また、図4に示す加湿運転モードでは、配管群は、弁等による制御に応じて、温水源からの温水が第1の槽または第2の槽のうち加湿を行っている側の槽に供給されるとともに、加湿を行っていない側の槽の吸着剤に噴霧されるような、第3の流体流路を形成する。なお、加湿を行っている側の槽にも水分を噴霧して、加湿能力をさらに高めても良い。
図5(A)および(B)を用いて、第1の槽100および第2の槽200の内部の構成を説明する。第1の槽100は、吸着剤110、保持部材115、内部配管122、熱交換部材124を備える。第1の槽100の内部には、保持部材115および吸着剤110を横切るように空気流130が形成される。第2の槽200は、吸着剤210、保持部材215、内部配管222、熱交換部材224を備える。第2の槽200の内部には、保持部材215および吸着剤210を横切るように空気流230が形成される。
いずれにしても、吸着剤の材質および保持方法、ならびに、保持部材の形状および材質を選択する際には、吸着剤と空気流の接触面積や、吸着剤と冷温水の接触面積を増大させるようにする。これにより、除加湿能力や吸着剤の再生能力を向上させられる。また、吸着槽内部の容積や吸着剤の分量については、求められる除湿能力に応じて決定すれば良い
。
図5(A)は、除湿運転時に、第1の吸着槽100が除湿された空気を供給する様子を示す。槽内に導入された外気OAは、吸着剤110を通過する際に水分を奪われ、給気SAとなって槽外に送出される。また、熱交換部材124内を通過する冷水は、水分の吸着により吸着熱が発生した吸着剤110との間で熱交換を行う。
図6(A)は、加湿運転時に、第1の吸着槽100が加湿された空気を供給する様子を示す。本図において、吸着剤110は、所望の湿度を実現するために必要な量の水分を含有している。暖められた外気PVOAが、槽内に導入されて吸着剤110を通過することにより、空気の湿度が上昇する。加湿された空気は、給気SAとなって槽外に送出される。また、熱交換部材124内を通過する温水によって吸着剤110の温度が上昇する。
上で述べたように、空気を暖めるために太陽熱エネルギーを利用したり、冷水源として井水を利用したり、温水源として燃料電池の排熱を利用した温水を利用できる。その結果、建物の省エネルギー化が可能になり、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)の実現に貢献できる。ここで、太陽熱や井水は自然由来であるため、温度エネルギーの変動周期は多くの場合一日単位である。そこで好ましくは、制御部は、一日ごとに第1の吸着槽100と第2の吸着槽200の間で機能を入れ替える。言い換えると、吸着剤の利用と再生を一日周期で切り替えることで、吸着剤の再生を一日かけて行うようにする。その結果、上記のような一日単位でのエネルギー変動を吸収できるため、大型の蓄熱槽が不要になり、調湿装置の機構を簡易化することが可能になる。そのために、各吸湿槽には一日分の調湿を可能とする量の吸着剤を配置する。
ここで、図9を参照して、従来の調湿装置の構成と、空気流路の切り替えについて説明
する。図9(A)および(B)は、従来の構成における除湿運転モード時の空気流路を示す。図1と同じ構成要素については同じ符号を付し、説明を省略する。符号910~912はそれぞれ流路を開状態と閉状態の間で切り替えるための切り替え部材である。図中、太い実線は引き込まれたPVOAが通過する排気経路であり、吸着剤からの水分脱離に関わる。中空の線は引き込まれたOAが通過する給気経路であり、吸着剤による除湿が行われる。細い実線は、各切り替え部材によって閉状態にされた経路を示す。そして、制御部が切り替え部材の状態を所定の期間(例えば一日周期)で変更することにより、除湿側の吸着槽と再生側の吸着槽が入れ替わり、バッチ式処理が実現される。
以下、図7および図8を参照して第2の実施形態について説明する。第1の実施形態と同様の部分については同じ符号を付し、説明を簡略化する。図7は、本実施形態の除湿運転モードにおける冷温水流路を示しており、図7(A)では第1の槽100が除湿側、第2の槽200が再生側である。図7(B)では第2の槽200が除湿側、第1の槽100が再生側である。本実施形態の調湿装置1は、三方弁821~824を備えている。制御部は、これらの弁の状態を変更することにより、冷温水用の配管の接続状態を切り替える。その結果、各吸着槽の機能を変更できる。
Claims (9)
- 吸着剤と、内部を通過する流体が前記吸着剤との間で熱交換を行う熱交換部材とをそれぞれが有する、第1の槽および第2の槽と、
四方向ダンパを用いた制御に応じて空気流路を切り替えるダクト群であって、
除湿運転モードにおいては、第1の空気導入部から引き込まれた第1の空気が、前記第1の槽および前記第2の槽のうち一方の槽に供給され、前記一方の槽の前記吸着剤を再生したのち排気される第1の空気流路と、第2の空気導入部から引き込まれた第2の空気が、前記一方の槽ではない他方の槽に供給され、前記他方の槽の前記吸着剤によって除湿されたのち室内に供給される第2の空気流路と、を形成し、
加湿運転モードにおいては、前記第1の空気導入部から引き込まれた前記第1の空気が、前記第1の槽および前記第2の槽のうち一方の槽に供給され、前記一方の槽の前記吸着剤に含まれる水分によって加湿されたのち室内に供給される第3の空気流路と、前記一方の槽ではない他方の槽を含む循環経路内で空気が循環する第4の空気流路と、を形成する、ダクト群と、
弁を用いた制御に応じて流体流路を切り替える配管群であって、
前記除湿運転モードにおいては、冷水源からの冷水が、前記第2の空気流路に含まれる前記他方の槽の前記熱交換部材に供給される第1の流体流路と、温水源からの温水が、前記第1の空気流路に含まれる前記一方の槽の前記熱交換部材に供給されるような第2の流体流路と、を形成し、
前記加湿運転モードにおいては、前記温水源からの温水が、前記第3の空気流路に含まれる前記一方の槽の前記熱交換部材に供給されるとともに、前記第4の空気流路に含まれる前記他方の槽の前記吸着剤に水分を供給する、第3の流体流路を形成する、配管群と、
を備えることを特徴とする調湿装置。 - 前記除湿運転モードにおいては前記第1の槽と前記第2の槽のいずれが前記第1の空気流路に含まれるかを一日ごとに切り替え、前記加湿運転モードにおいては前記第1の槽と前記第2の槽のいずれが前記第3の空気流路に含まれるかを一日ごとに切り替える、制御部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の調湿装置。 - 前記制御部は、前記調湿装置を前記除湿運転モードと前記加湿運転モードの間で切り替える
ことを特徴とする請求項2に記載の調湿装置。 - 前記第3の流体流路において、前記水分は、前記温水の噴霧によって前記吸着剤に供給される
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の調湿装置。 - 前記第1の空気導入部は、太陽光パネルによって暖められた外気を引き込む
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の調湿装置。 - 前記温水源は、発電装置の排熱、または、太陽エネルギーによって暖められた水を供給する
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の調湿装置。 - 前記冷水源は、井水、または、ヒートポンプ冷熱による冷却水を供給する
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の調湿装置。 - 前記配管群の流体流路を切り替える前記弁は、四方弁または三方弁である
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の調湿装置。 - 前記第1の槽および前記第2の槽は、気密に形成され、内部に前記吸着剤および前記熱交換部材が配置された筐体を有する
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の調湿装置。
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