JP7033630B2 - 嚥下困難者用食品組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、嚥下困難者用に調整された食品組成物、およびそれらの製造方法に関する。特に、嚥下困難者用に調整された嚥下困難者用粥と粥専用調味ソースに関し、本発明は、以前より馴染みのある食材を使用し、馴染みがある風味でありながら嚥下困難者が摂食し易い食品物性に調整されている嚥下困難者用食品組成物とそれらの製造方法に関する。
現在、高齢者の人口の増加に伴い、食物を飲み込む身体的機能が低下した、嚥下困難者の人口も増加する傾向にある。また、人にとって食べることは楽しみの一つであり、嚥下困難者にとっても、経口摂食可能な食品を選ぶことは、重要なこととなっている。さらに、嚥下困難者にとって、水のようにさらっとした食物は、嚥下時に誤って気管に食物が入る所謂誤嚥が生じやすく、それが原因で誤嚥性肺炎をおこすことがしばしば認められる。また、粘着性のある食物は喉につかえ、窒息の危険性もある。
一方、日本国やアジア諸国においては、うるち米が主食とされているため、嚥下困難者にとっても、それらを安全においしく食べられることは重要である。しかし、嚥下困難者にとって、うるち米を炊飯して得られる米飯をそのまま摂取することは、米の粒子による誤嚥や、うるち米の粘度による付着性の影響があり困難である。そこで、嚥下困難者が、嚥下可能となる程度に多量の水で柔らかく煮て得られるお粥状としたものが広く受け入れられている。しかし、お粥はそれぞれ調理する度に煮炊きする時間及び調整する手間を要し、さらに多量の水を加えるため味が薄く、美味しくないという問題がある。
このような調理時間と手間を要す問題に対して、特許文献1には、澱粉性食品(米飯、お粥、うどん、芋類等)の摂食・嚥下適性を改善するための品質改良剤、および澱粉性食品にアミラーゼ(酵素)、増粘多糖類等を添加する工程を含む易嚥下食品の調製方法が開示されている。
特開2007-228834号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明で調整された粥は、糊状に固められ食べ終わりに、ややザラザラとした食感が残り後味が悪い、所要の温度に冷やさないと固まらず、熱々の状態で美味しく食することができない。味付けに塩分を加えると離水して誤嚥の原因になる危険性があるので、味付けに制限がある。結果として食欲が減退し、必要な栄養を十分に摂取できない問題があった。
さらに、調理時には食材に対する品質改良剤の配分量の管理及び、温度管理が必要で、加えて摂食時にも温度管理などが必要となり、調理から供給するまでの作業は煩雑であり手間を要す問題もあった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その具体的目的は、嚥下困難者にとって、安全においしく食べられることで、必要な栄養を十分摂取することが可能となる嚥下困難者用食品組成物である嚥下困難者用粥と、粥専用味付けソース及び、その製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために案出されたものである。詳述するならば、日本国やアジア諸国において主食とされているうるち米の内で、生米全体に対するアミロース含有量が17質量%~23質量%と比較的に多い、うるち米と水を主要成分とした嚥下困難者用に調整された食品組成物であって、水溶性又は吸水性を有し前記うるち米から成る成分と前記食品組成物を構成する水分とを一体として取りまとめ安定させるための本葛粉と、水溶性又は吸水性を有し前記うるち米から成る成分と前記食品組成物を構成する水分とを一体として取りまとめ安定させ前記本葛粉より付着性が低い片栗粉と、付着性を下げ嚥下時ののど越しを助け栄養補給効果が期待できる食用油脂が含有されている嚥下困難者用粥である構成が含まれる。
本発明の嚥下困難者用粥は、うるち米の内でアミロース含有量が、17質量%~23質量%と比較的多い、うるち米を選択したことで、過熱する度に米自体の粘りが強くなることを抑えることができ、再加熱する時も嚥下困難者用粥全体の粘度に影響を与えず安定する効果がある。また、嚥下困難者用粥の主要成分は先述の通り日本やアジア諸国で以前より慣れ親しんだ、うるち米と本葛粉と片栗粉であるため、全体として味や香りなどの嗜好性を満足させる感覚機能を有する美味しい粥となる効果がある。
本発明には、前記食用油脂が中鎖脂肪酸のみからなる構成が含まれる。
本発明の嚥下困難者用粥は、中鎖脂肪酸が含有されることで口腔内での付着性を低減し、嚥下時ののど越しを助ける効果が期待できる。また、中鎖脂肪酸は通常の植物油と違い、水になじみやすい特長を持つことで、一般的な植物油に比べ4~5倍速く分解されエネルギーになり栄養補給効果を有することから、食が細くなり十分な栄養摂取が出来ない人に有効である。
本発明には、生米状態の前記うるち米1に対し、水を1.1~1.3の割合で加水して炊飯器で米飯を炊き上げて得られた米飯を、嚥下困難者用粥の全体100質量%に対して18.0質量%~22.0質量%、前記本葛粉を0.7質量%~1.5質量%、前記片栗粉を2.0質量%~5.0質量%、前記中鎖脂肪酸を3.0質量%~6.0質量%含有する構成が含まれる。
本発明の嚥下困難者用粥は、上述した通り以前より馴れ親しんだ食材を使用し、嚥下困難者用が摂食可能となるように、口腔内での付着度を抑えつつも一体性を保つ適正な粘度と、嚥下時におけるのど越しの良さ、さらに再加熱時や塩分を加えても離水しない保水力を備える配合で調整しているので、本発明品は熱々の状態でも摂食可能であり、嚥下困難者の嗜好性を満足させる感覚機能をも有する。
本発明には、嚥下困難者用に調整された食品組成物の製造方法であって、生米全体に対するアミロース含有量が17質量%~23質量%のうるち米1に対して、水を1.1~1.3の割合で加え炊飯器で炊飯する炊飯工程と、前記炊飯工程で得られた米飯に、本葛粉と片栗粉と中鎖脂肪酸とを其々所要量加えミキサーまたは、ブレンダーなどで混合し攪拌及び液状化する液状化工程と、前記液状化した混合物を真空パックしスチームコンベクションオーブンなどで加熱する真空パック加熱工程と、前記真空パック加熱工程で得られた真空パックをブラストチラーで冷却し、急速冷凍機で冷凍する冷凍工程と、からなる嚥下困難者用粥の製造方法の発明が含まれる。
本発明の嚥下困難者用粥の製造方法は、所要量のアミロースを含有するうるち米を炊飯し得られる米飯と、他の成分を適宜混合攪拌した後に、所要の条件で加熱することで本葛粉と片栗粉への加熱すなわち全体の粘度等をコントロールすることができるとともに、真空パック後に加熱することで殺菌効果も得られる。
本発明には、嚥下困難者用粥を摂食時に、一緒に摂食する嚥下困難者用に調整された食品組成物である粥専用調味ソースであって、健常者が食べる完成品のおかず、例えば、肉味噌や牛丼など、もしくは、梅、ピーナッツなどからえらばれる風味を与える食材と、粥専用調味ソースに粘度を加えるための米粉のりと、付着性を下げ嚥下時の、のど越しを助け栄養補給効果が期待できる所要量の中鎖脂肪酸とを含有した粥専用調味ソースの発明が含まれる。
本発明の粥専用調味ソースは、健常者が食べる完成品のおかず、梅、ピーナッツなどから選ばれる風味を与える食材と、米粉とお湯で形成された米粉のりと、のど越しを助け栄養補給効果が期待できる中鎖脂肪酸とで形成されていることから、味や香りなどの嗜好性を満足させる感覚機能を有する美味しい粥専用調味ソースを形成することが出来ると共に、粘度を付加するために米粉のりを使用していることで、同じ主要成分からなる嚥下困難者用粥との親和性も優れている。
本発明には、嚥下困難者用に調整された食品組成物である粥専用調味ソースの製造方法であって、健常者が食べる完成品のおかずを一般的な方法により調理するおかず調理工程と、粥専用調味ソースに粘度を加えるための米粉のり製造工程と、前記おかず調理工程で得られた完成品のおかず、もしくは、梅、のり、ピーナッツ、などから選ばれる風味を与える食材と、前記米粉のり製造工程で得られる所要量の米粉のりと、所要量の中鎖脂肪酸とを加え、ミキサーやブレンダーなどでピューレ化するピューレ化工程と、前記ピューレ化した混合物を真空パックしスチームコンベクションオーブンなどで加熱する真空パック加熱工程と、前記真空パック加熱工程で得られた真空パックをブラストチラーで冷却し急速冷凍機で冷凍する冷凍工程とからなり、前記米粉のりは、米粉1に対して水5の割合で配合し加熱することで形成する粥専用調味ソースの製造方法の発明が含まれる。
本発明の粥専用調味ソースの製造方法は、粥専用調味ソースに風味を与える複数の食材から選択したものと、あらかじめ形成された米粉のりを、選択した食材に対し所要量を加えることで粥専用調味ソースの粘度を適正に調整することが容易となる。例えば、粥専用調味ソース全体100質量%に対し、米粉のりを1.0質量%~15.0質量%の範囲で調整し加えることが好ましい。
本発明の嚥下困難者用食品組成物は、日本国やアジア諸国において主食とされている、うるち米や以前より親しみのある食材を主要成分として調整され、再加熱や塩分を加えても離水しないことなど嚥下困難者にとって摂食し易い食品物性でありながら、味や香りなどの嗜好性を満足させる感覚機能をも有し、食欲を減退することも無く、さらに、栄養補給効果が期待できる中鎖脂肪酸を包含することから、嚥下困難者が十分な栄養摂取が出来る効果もある。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態で表記するアミロース含有量は生米全体に対する割合であって、生米中に含有されるデンプンに対する割合ではない。また、「生米」とは、精米した米、あるいは精米した米を洗浄した米であって、炊く、蒸すといった加熱処理を施していない米をいう。
本発明の嚥下困難者用粥に使用する米は、生米全体に対するアミロース含有量が17質量%~23質量%のうるち米を使用すればよく、アミロース含有量が17質量%以上の米で、アミロース含有量による炊飯時の加熱吸水率の影響による米飯の食感すなわち硬度と粘りの強弱という観点から、アミロース含有量が18質量%以上であるうるち米が好ましく、一方、食味の観点からは、アミロース含有量が23質量%以下であれば良いが、19質量%以下である米がさらに好ましい。
生米中のアミロース含有量が高いと加熱吸水率が低くなり、炊飯して得た米飯の食感が硬く、食味の観点からも好ましくない。一方、生米中のアミロース含有量が低いと、炊飯して得られる米飯の粘度が増し、嚥下困難者用の粥としての食品物性すなわち、嚥下困難者用粥全体を一体として取りまとめ安定させ、その上で、口腔内での付着性を抑制し、嚥下時ののど越しを良くするという機能に影響する。
本発明の嚥下困難者用粥に使用する本葛粉と、片栗粉は、嚥下困難者用粥全体を一体として取りまとめ、その上で、口腔内での付着性を抑制し、嚥下困難者が摂取し易い食品物性を安定させるために使用するが、本葛粉と片栗粉は、過熱して湖化した状態での破断伸長度や付着度等特性に違いがある。そこで、本葛粉、片栗粉、本葛粉と片栗粉の混合粉(表1配合)のものを其々粉20gに水100mlを混合した後に加熱し、完全に糊化し各種テスト測定を行った。破断伸張度は、糊化したテスト品を円筒形の容器に入れ該円筒の径よりやや小径のテスト円板を付着させた後に引き離し、テスト品が引きちぎれる地点までの距離を測定した。付着度は、テスト品を容器に入れ感圧軸をつけて、テスト品を引き下ろした時に、感圧軸に残ったテスト品の重量をはかり、その数値を付着度とした。付着面積比は、本葛粉を100とした時の百分比である。以上測定した結果を下記表1に示す。
Figure 0007033630000001
上記測定結果からも判断できる通り、本葛粉は水分を含めた成分を一体として取りまとめる力は強いが付着性等も強く、それに対して、片栗粉は水分を含めた成分を一体として取りまとめ力は弱いが付着性等は低く、混合粉は、本葛粉と片栗粉の特性をそれぞれ補い合う効果を得ることが出来ることが判明した。さらに、嚥下困難者用粥の食品物性を安定させるために使用するには、嚥下困難者用粥の全体100質量%に対して、本葛粉を0.7質量%~1.5質量%、片栗粉を2.0質量%~5.0質量%の範囲で使用することが好ましく、本葛粉を0.8質量%~1.0質量%と片栗粉を2.5質量%~3.5質量%の範囲で使用することがさらに好ましい。
また、本発明の嚥下困難者用粥には、口腔内での付着性を下げると共に、嚥下時の、のど越しを助け、さらに、栄養補給効果が期待できる食用油脂として、中鎖脂肪酸を採用すれば良い。中鎖脂肪酸は通常の植物油、所謂長鎖脂肪酸と違い、水になじみやすい特長を持ち、糖などと同様に小腸から吸収され直接肝臓で分解されるので、一般的な植物油に比べ4~5倍速く分解されエネルギーになる栄養補給効果を有することから、食が細くなり十分な栄養摂取が出来ない人に有効であるので中鎖脂肪酸のみを使用した。上記を考慮し、嚥下困難者用粥の全体100質量%に対して中鎖脂肪酸を3.0質量%~6.0質量%含有することが好ましく、4.0質量%~5.5質量%含有することがより好ましく、4.5質量%~5.0質量%含有することが最も好ましい。
本発明の嚥下困難者用粥の製造方法は、生米全体に対しアミロース含有量が17質量%~23質量%のうるち米1に対して、水1.1~1.3を加水して炊飯器で米飯を炊き上げて得られた米飯を、嚥下困難者用粥の全体100質量%に対して18.0質量%~22.0質量%、本葛粉を0.7質量%~1.5質量%、片栗粉を2.0質量%~5.0質量%、中鎖脂肪酸を3.0質量%~6.0質量%、水を65.0質量%~72.0質量%をミキサーまたは、ブレンダーなどで混合し攪拌及び液状化し、液状化した混合物を真空パックしスチームコンベクションオーブンなどで加熱した後にブラストチラーで冷却し急速冷凍機で冷凍する。
次に、嚥下困難者用粥を摂食時に一緒に摂食するために調整された、粥専用調味ソースについて説明する。粥専用調味ソースは、健常者が食べる完成品のおかず、例えば、肉味噌や牛丼の具など、もしくは、梅、ピーナッツなどからえらばれる風味を与える食材と、粥専用調味ソースに嚥下困難者用の食品物性としての粘度を加えるため、米粉に加水後加熱して完全に糊化し、所要の粘度に形成された米粉のりと、口腔内や嚥下時の付着性を低減し、のど越しを助け、さらに、栄養補給効果が期待できる中鎖脂肪酸が含有されていれば良い。
本発明の粥専用調味ソースの製造方法は、健常者が食べる完成品のおかずを一般的な方法により調理し、粥専用調味ソースに嚥下困難者用の食品物性としての粘度などを加えるための米粉のりを、米粉1に対して水5の割合で配合し加熱し完全に糊化して形成し、上述した完成品のおかず、もしくは、梅、ピーナッツなどからえらばれる1つの風味を与える食材と、所要量の米粉のりと、所要量の中鎖脂肪酸とを加えミキサーやブレンダーなどでピューレ化し、ピューレ化した混合物を真空パックし、スチームコンベクションオーブンなどで加熱した後に、ブラストチラーで冷却し急速冷凍機で冷凍すれば良い。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で適宜変更して実施できる。
嚥下困難者用粥は、表2に記載の比率に従い製造した。なお、使用した主な原材料は下記の通りである。
米:飛騨高山 まんま農場産コシヒカリ(アミロース含有量18.5~19質量%)
本葛粉:火乃国食品工業株式会社製
片栗粉:北島産業株式会社製
中鎖脂肪酸:日清オイリオグループ株式会社製
Figure 0007033630000002
表2に記載した配合に従い、原料を調整、秤量し、以下に記載した手順で嚥下困難者用粥を製造した。
最初に生米1に対して、水1.2の割合で炊飯器に入れ通常通り米飯を炊飯し、表2に記載の配合で、米飯と、本葛粉と、片栗粉と、中鎖脂肪酸と、水のすべてをバイタミックス社製ハイパワーブレンダーに入れ完全に混合され液状化するまで数分間攪拌する。次に液状化した物を真空パックに注入し真空処理し、スチームコンベクションオーブンを使用して100℃で20分間加熱することで糊化及び殺菌する。さらに、加熱が終わった物をブラストチラーで冷却し、急速冷凍機で冷凍し嚥下困難者用粥を得た。
粥専用調味ソースは、表3~6に記載の配合に従い製造した。なお、使用した主な原材料は下記の通りである。
米粉:日本製粉株式会社製
粉あめ:株式会社林原製
片栗粉:北島産業株式会社製
中鎖脂肪酸:日清オイリオグループ株式会社製
Figure 0007033630000003
(肉味噌)
Figure 0007033630000004
(粥専用調味ソース 肉味噌味)
表3-1に記載の食材(配合量)を用いて肉味噌を作成する。まず、ごま油をフライパンで熱し、しょうが、にんにく、ひき肉を炒める。ある程度、食材に火が通ったところで、その他の食材(調味料)を加え、加熱を続け煮詰めることで肉味噌を得た。次に、米粉1に対して水5の割合の材料で、米粉のりを作製する。水を鍋に入れ加熱し、お湯状態にした後に、米粉を入れ、さらに過熱して半透明の糊状になるまで煮詰めて糊化させ米粉のりを得た。
さらに、粥専用調味ソースの合計100質量%に対して、肉味噌68.62質量%と、米粉のり2.63質量%と、中鎖脂肪酸16.25質量%と、お湯12.50質量%とをバイタミックス社製ハイパワーブレンダーに入れ完全に混合しペースト状化するまで攪拌する。ここで、ぺースト状態を確認し、米粉のりの分量を調整し、粥専用調味ソースの粘度を調整することとしても良い。次にペースト状化した物を真空パックに注入し真空処理し、スチームコンベクションオーブンを使用して85℃で45分間加熱することで、二次殺菌する。さらに、加熱が終わった物をブラストチラーで冷却し、さらに、急速冷凍機で冷凍し、粥専用調味ソース(肉味噌ソース)を得た。
Figure 0007033630000005
(牛丼の具)
Figure 0007033630000006
(粥専用調味ソース 牛丼味)
表4-1に記載の食材及び配合量を用い牛丼の具を作成する。まず、サラダ油を鍋に入れ加熱し、牛肉と玉ねぎを炒め、ある程度食材に火が通ったところで、その他の食材を鍋に加え煮込み、牛丼の具を得た。
さらに、表4-2に記載された配合すなわち、粥専用調味ソースの合計100質量%に対して、牛丼の具79.61質量%と、米粉のり6.54質量%と、中鎖脂肪酸13.85質量%とをバイタミックス社製ハイパワーブレンダーに入れ完全に混合しペースト状化するまで攪拌する。ここで、ぺースト状態を確認し、米粉のりの分量を調整し、粥専用調味ソースの粘度を調整することとしても良い。次にペースト状化した物を真空パックに注入し真空処理し、スチームコンベクションオーブンを使用して85℃で45分間加熱することで、二次殺菌する。さらに、加熱が終わった物をブラストチラーで冷却し、さらに、急速冷凍機で冷凍し、粥専用調味ソース(牛丼ソース)を得た。
Figure 0007033630000007
(粥専用調味ソース うめ味)
表5に記載された配合すなわち、粥専用調味ソースの合計100質量%に対して、梅びしお16.58質量%と、大豆水煮16.58質量%と、豆乳38.68質量%と、ゆかり2.76質量%と、粉あめ11.05質量%と、米粉のり1.10質量%と、砂糖2.20質量%と、中鎖脂肪酸11.05質量%とをバイタミックス社製ハイパワーブレンダーに入れ完全に混合しペースト状化するまで攪拌する。ここで、ぺースト状態を確認し、米粉のりの分量を調整し、粥専用調味ソースの粘度を調整することとしても良い。次にペースト状化した物を真空パックに注入し真空処理し、スチームコンベクションオーブンを使用して85℃で45分間加熱することで、二次殺菌する。さらに、加熱が終わった物をブラストチラーで冷却し、急速冷凍機で冷凍し、粥専用調味ソース(梅ソース)を得た。
Figure 0007033630000008
(粥専用調味ソース ピーナッツ味噌味)
表6に記載された配合すなわち、粥専用調味ソースの合計100質量%に対して、ピーナッツバター10.37質量%と、豆乳33.33質量%と、赤味噌11.11質量%と、粉あめ18.52質量%と、濃口しょうゆ3.70質量%と、米粉のり1.48質量%と、砂糖5.93質量%と、生クリーム3.70質量%と、中鎖脂肪酸11.86質量%とをバイタミックス社製ハイパワーブレンダーに入れ完全に混合しペースト状化するまで攪拌する。ここで、ぺースト状態を確認し、米粉のりの分量を調整し、粥専用調味ソースの粘度を調整することとしても良い。次にペースト状化した物を真空パックに注入し真空処理し、スチームコンベクションオーブンを使用して85℃で45分間加熱することで、二次殺菌する。さらに、加熱が終わった物をブラストチラーで冷却し、急速冷凍機で冷凍し、粥専用調味ソース(ピーナッツ味噌)を得た。
また、本発明の嚥下困難者用粥や粥専用調味ソースは、冷凍パックをそのまま湯煎して加熱することで、熱々の状態に戻して摂食可能であり、再加熱しても、塩分を付加して放置しても、離水しないことが確認できた。
本発明の嚥下困難者用食品組成物は、日本国やアジア諸国において主食とされている、うるち米や以前より親しみのある食材を主要成分として調整され、再加熱や塩分を加えても離水しないことなど、嚥下困難者にとって摂食し易い食品物性でありながら、味や香りなどの嗜好性を満足させる感覚機能をも有し、さらに、栄養補給効果が期待できる中鎖脂肪酸を包含することも含め、嚥下困難者が十分な栄養摂取が出来ることから、嚥下困難者の健康と福祉に資することが可能なものである。

Claims (3)

  1. 生米全体に対するアミロース含有量が17質量%~23質量%のうるち米と水を主要成分とした嚥下困難者用に調整された食品組成物である嚥下困難者用粥であって、
    水溶性又は吸水性を有し前記うるち米から成る成分と前記食品組成物を構成する水分とを一体として取りまとめ安定させるための本葛粉と、
    水溶性又は吸水性を有し前記うるち米から成る成分と前記食品組成物を構成する水分とを一体として取りまとめ安定させ前記本葛粉より付着性が低い片栗粉と、
    付着性を下げ嚥下時ののど越しを助け、さらに、栄養補給効果が期待できる食用油脂である中鎖脂肪酸とを含有し、
    其々の含有量を前記嚥下困難者用粥の全体100.0質量%に対して、
    生米状態の前記うるち米に水を添加して炊飯することで得られる米飯を18.0質量%~22.0質量%、
    前記本葛粉を0.7質量%~1.5質量%、
    前記片栗粉を2.0質量%~5.0質量%、
    前記中鎖脂肪酸を3.0質量%~6.0質量%とすることを特徴とする嚥下困難者用粥。
  2. 嚥下困難者用に調整された食品組成物の製造方法であって、
    生米全体に対するアミロース含有量が17.0質量%~23.0質量%のうるち米に、水を所要量加水して炊飯する炊飯工程と、
    前記炊飯工程で得られた米飯に、本葛粉と片栗粉と中鎖脂肪酸とを其々所要量加え混合し攪拌及び液状化する液状化工程と、
    前記液状化した混合物を真空パックし加熱する真空パック加熱工程と、
    前記真空パック加熱工程で得られた真空パックを冷凍する冷凍工程とからなることを特徴とする嚥下困難者用粥の製造方法。
  3. 嚥下困難者用に調整された食品組成物である粥専用調味ソースの製造方法であって、
    健常者が食べる完成品のおかずを調理するおかず調理工程と、
    前記粥専用調味ソースに粘度を加えるためのお湯に米粉を加え加熱し米粉のりを形成する米粉のり製造工程と、
    前記おかず調理工程で得られた完成品のおかず、もしくは、梅、のり、ピーナッツ、から選ばれた風味を与える食材と、前記米粉のり製造工程で得られる所要量の米粉のりと、所要量の中鎖脂肪酸とを加えピューレ化するピューレ化工程と、
    前記ピューレ化した混合物を真空パックし加熱する真空パック加熱工程と、
    前記真空パック加熱工程で得られた真空パックを冷凍する冷凍工程とからなることを特徴とする粥専用調味ソースの製造方法。
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