JP7033277B2 - 水素充填装置の校正方法 - Google Patents
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Description
水素ステーションには水素充填装置が設けられており、水素充填装置により、水素ステーションに到着した前記車両の車載タンク内に所定の圧力で水素を充填している。そして、車載タンク内の水素充填を安全且つ正確に行うため、水素充填装置を校正する作業が定期的に行われている。
係る校正作業では、例えば水素充填系統に水素流量計測装置(基準流量計:いわゆるマスターメータ)を介装して(水素充填装置の校正を)行う場合がある。その様な場合、燃料電池自動車に水素を充填しつつ、水素充填系統に介装された水素流量計測装置(基準流量計)で燃料電池自動車に実際に充填された水素量を計測し、水素充填装置が計測した充填水素量と比較することにより、校正が行われる。
図13において、符号3Aは水素流量計測装置側(基準流量計側)の充填ノズル、符号SAは車両S側のレセプタクルを示す。
或いは図14で示す様に、校正に際しては、車載タンクが校正の設定圧まで低下している(所謂「空になった状態」である)燃料電気自動車S(FCV)を、1台の水素充填装置100について予め4台用意する必要がある。
一方、校正作業を行うために4台の燃料電気自動車S1~S4を用意しておくことは(図14の場合)、校正作業の準備に多大なコストが必要になってしまう。
上述した従来の水素ステーション(特許文献1参照)においては、係る問題を解決することは意図していない。
しかし、これ等の従来技術(特許文献2~4)は何れも水素充填タンク内の圧力及び温度を計測しながら水素を充填して校正作業を行ってはおらず、そのため、通信充填を行いつつ校正することが出来なかった。そのため、水素充填のプロトコル上、水素充填タンクにおける満タンの状態(例えば87.5MPa)まで充填して校正を行うことが出来ず、それよりも低圧(例えば70MPa)の領域までしか校正作業を行うことが出来なかった。
校正装置(10)のレセプタクル(5)に、校正するべき水素充填装置(100)の充填ノズル(2)を接続する工程を有し、
校正装置(10)には、基準流量計(3:マスターメータ)と、充填タンク(4)と、充填タンク(4)内の圧力を計測する圧力センサ(4P)と、充填タンク(4)内の温度を計測する温度センサ(4T)と、圧力センサ(4P)及び温度センサ(4T)で計測された圧力及び温度をレセプタクル(5)に伝達する信号伝達手段(7)が設けられており、
前記充填タンク(4)は実質的に断熱状態で水素充填をすることが可能なグローバル・テクニカル・リクワイアント・タンク(GTRタンク)であり、
圧力センサ(4P)及び温度センサ(4T)で計測された充填タンク(4)内の圧力及び温度を信号伝達手段(7)とレセプタクル(5)と充填ノズル(2)を介して水素充填装置(100)に伝達しつつ、水素充填装置(100)から充填ノズル(2)及びレセプタクル(5)を介して基準流量計(3)により水素ガス流量を計測しつつ充填タンク(4)に水素ガスを充填する工程と、
校正装置(10)に設けられた排ガス機構(6)を介して、充填タンク(4)内に充填された水素を(校正装置外に)開放する工程(脱ガス:調圧)を有することを特徴としている。
校正装置(10-4)のレセプタクル(5)に、校正するべき水素充填装置(100)の充填ノズル(2)を接続する工程を有し、
校正装置(10-4)には、基準流量計(3:マスターメータ)と、充填タンク(4)と、充填タンク(4)内の圧力を計測する圧力センサ(4P)と、充填タンク(4)内の温度を計測する温度センサ(4T)と、圧力センサ(4P)及び温度センサ(4T)で計測された圧力及び温度を(15)により無線信号で送信して水素充填装置(100)の受信装置に送信する送信装置(15)が設けられており、
前記充填タンク(4)は実質的に断熱状態で水素充填をすることが可能なグローバル・テクニカル・リクワイアント・タンク(GTRタンク)であり、
圧力センサ(4P)及び温度センサ(4T)で計測された充填タンク(4)内の圧力及び温度を送信装置(15)により無線信号で送信して水素充填装置(100)の受信装置に伝達しつつ、水素充填装置(100)から充填ノズル(2)及びレセプタクル(5)を介して基準流量計(3)により水素ガス流量を計測しつつ充填タンク(4)に水素ガスを充填する工程と、
校正装置(10-4)に設けられた排ガス機構(6)を介して、充填タンク(4)内に充填された水素を(校正装置外に)開放する工程(脱ガス:調圧)を有することを特徴としている。
カメラ(22)により水素充填装置(100)の表示画面(30)に表示された水素充填質量(md)を読み取り、読み取った水素充填質量(md)を判定装置(20)に送信する工程と、
判定装置(20)により、パルス発信器(18)から送信された基準流量計(3)の計測結果(質量流量)に基づいて充填タンク(4)への水素充填質量(mr)を演算する工程と、
カメラ(22)で読み取られた水素充填装置(100)の表示画面(30)に表示された水素充填質量(md)と、基準流量計(3)の計測結果(質量流量)に基づいて演算された充填タンク(4)への水素充填質量(mr)を、判定装置(20)により比較し、水素充填装置(100)で計測された水素充填質量(md)が正確であるか否かを判断する工程を有しているのが好ましい。
水素充填装置(100)の充填ホース(1)先端の充填ノズル(2)と接続及び取り外し可能なレセプタクル(5)を備え、
充填タンク(4)内の情報(例えば、圧力の情報、温度の情報)を(水素充填装置100に)伝達する信号伝達手段(7)を有しているのが好ましい。
充填タンク(4)内を所定の充填開始圧まで降圧するのに要する時間、すなわち、排ガス機構(10)を介して充填タンク(4)内に充填された水素を校正装置(10)外に開放する時間は、充填タンク(4)内に充填された水素と同量の水素を車載タンクに充填した燃料電池自動車(S)を走行させて水素を消費するのに費やされる時間に比較して、遥かに短時間である。そして、排ガス機構(6)を介して水素を校正装置(10)外に開放するため、校正作業により校正装置(10)内の充填タンク(4)に水素が充填された後、車載タンクが空になるまで燃料電池自動車(S)を走行させて待機する必要が無く、複数の(例えば4台の)燃料電池自動車(FCV)を準備する必要も無い。
その結果、単一の水素充填装置(100)の校正作業に費やされる時間が大幅に短縮される。
また、本発明によれば、校正の際には水素充填経路に水素流量計測装置(3:基準流量計)が介装されているので、水素流量計測装置(3)により水素充填量を正確に計測することが出来る。それにより、水素充填装置(100)の本体内で水素を計測する流量計について、その精度を評価することが出来る。
その様に構成すれば、校正装置(10)内の充填タンク(4)に充填した水素を、無駄なく、効率的に消費することが出来る。
最初に図1~図8を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
第1実施形態における校正時を示す図1において、水素充填装置100には充填ホース1が接続され、充填ホース1の先端には充填ノズル2が設けられている。符号30は水素充填装置100の表示画面であり、校正時に校正装置10側に供給した水素の質量であって、水素充填装置100側で計測した水素充填量(質量)が表示される。
図1の破線で囲まれた部分は校正装置10を示しており、校正装置10は、水素流量計測装置3(基準流量計:質量流量計)、充填タンク4、校正装置側レセプタクル5を備えている。基準流量計3と充填タンク4は、校正装置側ホース9(基準流量計ホース)を介して連通している。ここで、充填タンク4は、国際的な充填基準に対応しているGTRタンク(グローバル・テクニカル・リクワイアント・タンク)である。
校正装置側レセプタクル5は、水素充填装置100の充填ホース1先端の充填ノズル2と接続及び取り外し可能であり、校正装置側レセプタクル5と充填ノズル2とを接続した場合には、接続箇所では光信号の授受(光通信)が可能となるように構成されている。
校正装置側の信号伝達経路7は電気信号用導線で構成されているが、光ファイバーで構成することも可能である。信号伝達経路7の一端は充填タンク4内の図示しないセンサ(圧力センサ、温度センサ)に接続され、他端は校正装置側レセプタクル5に内蔵された図示しない光通信用コネクタに接続されている。
充填タンク4内の図示しないセンサが出力する計測信号は信号伝達経路7により校正装置側レセプタクル5まで伝達される。
明確には図示されていないが、充填ノズル2と校正装置側レセプタクル5が接続されると、充填ノズル2内の図示しない光通信用コネクタと校正装置側レセプタクル5内の図示しない光通信用コネクタとの間で光信号の授受(光通信)が行われる。換言すれば、充填ノズル2と校正装置側レセプタクル5が接続された際には、充填ノズル2と校正装置側レセプタクル5の接続箇所には光通信経路が構成される。
校正装置側のレセプタクル5と充填ノズル2が接続解除されると、両者の光通信用コネクタも接続解除される。
校正装置10にはカメラ22が設けられており、カメラ22は水素充填装置100の表示画面30に表示された水素充填量を読み取り、読み取った水素充填量を信号伝達ラインSL12経由で判定装置20に送信する機能を有している。図1において符号22Aで示す点線は、カメラ22により表示画面30に表示された水素充填量を読み取っている旨を表現している。
判定装置20は、パルス発信器18から送信された基準流量計3の計測結果(質量流量)から充填タンク4に供給された水素質量(GTRタンクに充填された水素の合計質量)を演算する機能と、カメラ22で読み取られた水素充填装置100の表示画面30に表示された水素充填量を比較する機能と、水素充填装置100で計測された水素充填量が正確であるか否かを判断する機能を有している。
図2において、判定装置20は、パルス受信ブロック20A、水素充填量mr演算ブロック20B、画像認識ブロック20C、比較ブロック20D、判断ブロック20Eを有している。パルス受信ブロック20Aは信号伝達ラインSL11を介してパルス発信器18が発信したパルス信号を受信する機能と、受信したパルス信号を信号伝達ラインSL21経由で水素充填量mr演算ブロック20Bに送信する機能を有している。
水素充填量mr演算ブロック20Bは、パルス受信ブロック20Aから受信したパルス信号(基準流量計3の計測結果)から単位時間当たりの質量流量を演算し、その演算結果を積算することにより校正装置10に供給された水素充填量mr(質量:GTRタンク4へ供給された水素質量)を演算する機能を有すると共に、演算された水素充填量mrを信号伝達ラインSL22経由で比較ブロック20Dに送信する機能を有している。
比較ブロック20Dは、信号伝達ラインSL22経由の水素充填量mr(基準流量計3の計測結果により求められた水素充填量)と、信号伝達ラインSL23経由の水素充填量md(水素充填機100により計測された水素充填量)を比較して、両者の差異が所定範囲(許容範囲)内であるか否かを判断する機能を有している。それと共に、水素充填量mr、mdの比較結果を、信号伝達ラインSL24経由で判断ブロック20Eに送信する機能を有している。
判断ブロック20Eは、基準流量計3の計測結果により求められた水素充填量mrと水素充填機100により計測された水素充填量mdとの差異と予め定められた許容範囲内であるか否かの判断結果から、校正結果(水素充填機100による充填量の計測に異常がないか否か)を判断する機能を有する。そして判断結果を制御系統に送信する機能を有し、送信された判断結果は、図3のステップS37、S38、S39、図7のステップS14、S15で用いられる。
図3において、ステップS32ではパルス受信ブロック20Aがパルス発信器18からのパルス信号を受信する。そして、受信したパルス信号に基づいて、水素充填量mr演算ブロック20Bが、単位時間当たりの質量流量を演算し、その演算結果を積算して、GTRタンク4へ供給された水素質量することにより校正装置10に供給された水素充填質量mr(質量:基準流量計3の計測結果により求められたGTRタンク4への供給水素質量)を演算する(ステップS33)。
次にステップS34で、画像認識ブロック20Cにより、カメラ22の読み取り結果すなわち表示画面30に表示された水素充填機100により計測された水素充填量md(質量)を判読する。
ここで、ステップS32、S33に先行してステップS34を実行しても良いし、ステップS32、S33とステップS34を同時進行することも可能である。
ステップS36(給油を完了した場合)では、比較ブロック20Dにおいて、信号伝達ラインSL22経由の水素充填量mr(基準流量計3の計測結果により求められた水素充填量)と、信号伝達ラインSL23経由の水素充填量md(水素充填機100により計測された水素充填量)を比較し、ステップS37で水素充填量mr、mdの差異が所定範囲(許容範囲)内であるか否かを判断する機能を有している。
水素充填量mr、mdの差異が所定範囲内(しきい値以下)であれば(ステップS37がYes)水素充填装置100に問題は無いと判断し(ステップS38)、所定範囲(しきい値)を越えていれば(ステップS37がNo)水素充填装置100が異常であると判断する(ステップS39)。この判断結果は、図7のステップS14、S15で用いられる。
図4で示す変形例では、基準流量計3の計測結果はパルス発信器18から信号伝達ラインSL32、無線送信器40を介して無線送信され、水素充填装置100の無線受信機42により受信され、信号伝達ラインSL33を介して水素充填装置100側の判定ブロック20Aに送信される。そして、判定ブロック20Aで水素充填質量mrが演算されて、表示画面30、信号伝達ラインSL34を介して判定ブロック20Aに送信される水素充填機100側で計測された水素充填質量mdと比較される。
また、図5で示す変形例では、基準流量計3の計測結果はパルス発信器18から信号伝達ラインSL36を介してPOS等の後方設備50に送信され、水素充填質量mrが演算される。一方、水素充填機100側で計測された水素充填質量mdは信号伝達ラインSL38を介して後方設備50に送信され、後方設備50で水素充填質量mr、mdが比較されて、校正の判断が実行される。
基準流量計3を内蔵した校正装置10を用いて校正を行う場合(図1)、校正すべき水素充填装置100の充填ノズル2を校正装置側のレセプタクル5に接続する。
充填ノズル2を校正装置側レセプタクル5に接続すると、充填タンク4内の圧力センサ及び温度センサと水素流量計測装置100は、校正装置側の通信経路7、充填装置側の通信経路8を介して接続される。
図示しない燃料電池自動車の車載タンクにおける計測装置(圧力センサ、温度センサ)で計測された車載タンク内の情報(圧力、温度)は、燃料電池自動車のレセプタクルと充填ノズル2との接続箇所に構成された光通信経路(図示せず)、充填装置側の通信経路8を介して水素充填装置100に伝達される。これにより、通信充填が実行される。
その際に、GTRタンク4内の圧力及び温度はセンサ4P、4Tで計測され、校正装置10側の通信経路7、校正装置側のレセプタクル5内の図示しない光通信用コネクタ、充填装置側ノズル2の図示しない光通信用コネクタ、充填装置側の光通信経路8を介して、水素充填装置100に伝達される。充填ノズル2と校正装置側のレセプタクル5を接続すると、レセプタクル5と充填ノズル2との間で光信号の授受(光通信)が可能となり、レセプタクル5と充填ノズル2との接続箇所には光通信経路が構成される。
そのため、校正の際にもGTRタンク4内の圧力及び温度をセンサ4P、4Tで計測しつつ水素を充填することが出来るので、通信充填が実行されることとなり、圧力及び温度を計測しないで構成をする場合(例えば70MPa)に比較して、高圧(例えば87.5MPa)な領域まで校正を行うことが出来る。また、校正時においても通信充填が行われるので、校正作業が安全且つ正確に実行される。
さらに、基準流量計3により水素充填量を正確に計測して、水素充填装置100の本体内で水素を計測する流量計について、その精度を評価することが出来る。
排ガス機構6を介して充填タンク4内に充填された水素を校正装置10外に開放して、充填タンク4内の圧力は校正開始条件に係る圧力まで降圧する時間は、車載タンクに充填した燃料電池自動車を走行させて充填タンク4内に充填された水素を消費する時間に比較して、遥かに短時間である。
そのため、図1の第1実施形態においては、車載タンクが空になるまで燃料電池自動車を走行させて待機する必要が無く、また、図14の従来技術の様に、複数の(例えば4台の)燃料電池自動車(FCV)を準備する必要も無い。
その結果、図1の第1実施形態においては、水素充填装置100の校正作業に費やされる時間が大幅に短縮され、校正作業の準備に多大なコストが掛かることもない。
図6において、校正装置10は校正車両PSに架装されており、校正装置10の充填タンク4と車両PSの車載タンクT(エンジンEに供給する水素を貯蔵する車両PS内のタンク)の間に、水素供給配管11と、そこに介装された流量調整弁12が設けられている。ここで、タンクTは省略することが可能である。
図6で示す車両PSは、水素とそれ以外の燃料により駆動するタイプのバイ・フューエル車両であり、流量調整弁12の弁開度を調整することにより、当該車両PSに供給される水素量を制御することが出来る。
図6で示す様に校正装置10をバイ・フューエル車両である車両PSに架装した場合には、校正装置10内の充填タンク4に充填した水素を車両PSの走行のために消費することも出来る。車両PSがバイ・フューエル車両でなければ、水素供給配管と、水素流量調整弁は不要である。
車両PSがバイ・フューエル車両か否かに拘らず、校正装置10の排ガス機構6における開放/閉鎖機構(図示せず)を操作して、排ガス機構6を介して充填タンク4内に充填された水素を短時間で校正装置10外に排出して、充填タンク4内の圧力を所定の充填開始圧まで降圧することが出来るので、校正を終了した後、直ちに再開することが出来る。
図6の様に、校正装置10を車両PSに架装し、車両PSを運転して校正装置を移動することが出来れば、校正するべき水素充填装置100が遠距離を隔てて複数個所に点在する様な場合にも、校正が効率的に行われる。
図7のフローチャートにおいて、ステップS1では、校正作業を実施するか否かを判断する。ステップS1で「校正作業を実施する」と判断した場合には(ステップS1が「Yes」)ステップS2に進み、「校正作業を実施しない」と判断した場合には(ステップS1が「No」)ステップS1を繰り返す。
ステップS3では、充填タンク4内の圧力が所定の充填開始圧になっているか否かを判断する。ステップS3では、例えば、充填タンク4内の圧力センサ4Pで計測された圧力と、当該初期圧力とを比較することにより実行する。
ステップS3における判断の結果、充填タンク4内の圧力が所定の充填開始圧になっている場合(ステップS3が「Yes」:所謂「空になった」状態の場合)にはステップS4に進み、充填タンク4内の圧力が所定の充填開始圧になっていない場合(ステップS3が「No」)にはステップS5に進む。
一方、ステップS5では、充填タンク4内の圧力が所定の初期圧力(充填開始圧)となる様に、充填タンク4の排ガス機構6(図1)を作動し、図示しない開放/閉鎖機構(減圧弁)により減圧する。ステップS5の作業は、充填タンク4内の圧力、温度を監視しつつ行われる。ステップS5の次は、ステップS2に戻る。
ステップS6では、校正装置10の充填タンク4に水素充填を行う。当該充填に際しては、充填タンク4内の圧力センサ4P、温度センサ4Tで圧力、温度を計測しつつ、通信充填が実行される。その際に、校正装置10の基準流量計3が水素充填量を正確に計測している。そしてステップS7に進む。
ステップS8では、校正装置10の充填タンク4の充填を終了するか否か、すなわち、充填タンク4への水素充填量が定められた水素充填量に達したか否かを判断する。
ステップS8の判断の結果、充填終了の場合(ステップS8が「Yes」)にはステップS9に進み、充填終了ではない場合(ステップS8が「No」)にはステップS6に戻り、充填を継続する。
ステップS9の判断の結果、充填ノズル2の部分の脱圧完了の場合(ステップS9が「Yes」)にはステップS10に進み、脱圧完了ではない判断された場合(ステップS9が「No」)にはステップS11に進む。
ステップS10では基準流量計3の計測結果を記録して、それから、水素充填装置100の充填ノズル2を校正装置側のレセプタクル5から取り外す。そして、ステップS12に進む。
一方、ステップS11では、脱圧を実行或いは継続し、その後、ステップS9に戻る。
ステップS12の脱ガス工程が終了したならばステップS13に進み、予定した全ての校正が終了したか否かを確認する。ここで、全ての校正とは、例えば、校正対象の水素充填装置100で実施する4回の校正作業(水素充填量4kgが1回、1kgが3回)を意味する場合と、ガスステーションに設置された複数の水素充填装置100の全てにおける校正(すなわち、4回/1台×水素充填装置台数)を意味する場合がある。
ステップS13の判断の結果、全ての校正が終了した場合(ステップS13が「Yes」)にはステップS14に進み、全ての校正が終了していない場合(ステップS13が「No」)にはステップS2に戻り、校正を続行する。
ここで、基準流量計3で計測した水素充填量と、水素充填装置100で計測した水素充填量を比較する工程は、図7のステップS14で行うのに限定はされない。充填終了以降(図7のステップS8の工程)であれば、任意のタイミングで、基準流量計3により計測された水素充填量と水素充填装置100側で水素充填量を比較することが出来る。係る比較により、水素充填装置100内に設けられている図示しない流量計の精度の良し悪しを判断することが出来る。
基準流量計3により計測された水素充填量と水素充填装置100側で水素充填量を比較した後、ステップS15において校正結果を作成する。例えば、ステップS14の比較結果に基づき、校正対象である水素充填装置100の各々について、その内部に配置された流量計(図示せず)の計測精度を定量的に表示し、適否を判定することが出来る。
図7では、水素充填装置100が複数台設けられている場合、全ての水素充填装置についてステップS1~S14までの工程が完了した後、校正の結果を複数台まとめて作成しているが、個々の水素充填装置100の校正が終了する毎に、ステップS13直前の段階で、校正が終了した水素充填装置100毎に校正結果を作成することも出来る。
主として図8を参照して、校正車両PS(図6)と校正装置10における制御について説明する。
図8において、ステップS21では、校正車両PSがバイ・フューエル車両か否かを判断する。校正車両PSが水素を燃料とするバイ・フェーエル車両の場合(ステップS21が「Yes」)にはステップS22に進み、校正車両PSがバイ・フェーエル車両ではない場合(ステップS21が「No」)にはステップS24に進む。
ステップS22において、校正車両PSが走行モードである場合にはステップS23に進み、校正車両PSが校正作業を行う場合にはステップS24に進む。
ステップS23(走行モード)では、校正車両PSにおける水素供給配管11(図6)に介装された開閉弁12(流量調整弁、図6)を開放する。それにより、充填タンク4内の水素は、水素供給配管11を通過して校正車両PSの燃料タンクT(図6)に供給される。
一方、ステップS24(校正作業を行う場合)では校正車両PSは走行しないので、水素供給配管11の開閉弁12を閉鎖する。
例えば、校正車両PSのモードを車両PSの速度計の計測結果等から自動検出し、自動制御により開閉弁12の開閉を行う様に構成することも出来る。
以下、図9の第2実施形態において、図1の校正装置10とは異なる点を主として説明する。
図9~図12において、水素充填装置、充填タンク、基準流量計、充填ノズル等について、図1~図8の第1実施形態と同様の符号を付して説明する。
校正装置側の通信経路7-1において、電気/光コンバータ13より充填タンク4側の領域は電気通信経路(破線)であり符号7-1-Aで示されており、電気/光コンバータ13よりレセプタクル5側の領域は光通信経路(実線)であって符号7-1-Bで示されている。
電気/光コンバータ13は、基準流量計側レセプタクル5に内蔵することも可能である。或いは、基準流量計側レセプタクル3Bが、電気信号を受信して光信号に変換する機能を有するのであれば、例えばLED等の発光機器を内蔵するのであれば、電気/光コンバータ8は不要である。また、充填タンク4内の図示しないセンサが、検出結果を光信号として出力するタイプであれば、電気/光コンバータ8は不要である。
そして、GTRタンク4内の圧力、温度は、校正装置10-1のレセプタクル5側の図示しない光通信用コネクタ、充填ノズル2側の図示しない光通信用コネクタ、充填装置側の通信経路8-1を介して、水素充填装置100(図9では図示せず)に伝達される。通信経路8-1は電気信号経路であるが、光ファイバー等の光通信経路として構成することも可能である。
図9の第2実施形態のその他の構成及び作用効果は、図1~図8の第1実施形態と同様であり、パルス発信器18、判定装置20、カメラ22も第1実施形態と同様に設けられている。そして図4、図5で示すのと同様な変形が可能である。
図10の校正装置側の通信経路7-2には、電気信号を光信号に変換する変換装置13(電気/光コンバータ)が介装されている。変換装置13は、図9の第2実施形態における電気/光コンバータ13と同様である。
また、校正装置10-2のレセプタクル5側の光通信経路7-2-Bには、光信号を増幅する増幅器14(アンプ)が介装されている。増幅装置14については、公知、市販の物を適用可能である。ただし、増幅器14を電気通信経路7-2-Aに介装することも可能である。また、変換装置13に増幅器としての機能を備えることも可能である。さらに、電気/光コンバータ13及び/又は増幅器14を、基準流量計側レセプタクル5に内蔵することも可能である。ここで、基準流量計側レセプタクル5が、電気信号を受信して光信号に変換する機能を有するのであれば、例えばLED等の発光機器を内蔵するのであれば、電気/光コンバータ8は不要である。また、充填タンク4内の圧力センサ4P、温度センサ4Tが、検出結果を光信号として出力するタイプであれば、電気/光コンバータ8は不要である。
なお、図10の校正装置10-2を校正車両PSに架装或いは搭載する場合、車両PSがバイ・フューエル車両であれば、図6で示すのと同様に、校正装置10-2の充填タンク4と車両PSの間に、水素供給配管11と、そこに介装された流量調整弁12を設けることが出来る。
図10の第3実施形態のその他の構成及び作用効果は、図9の第2実施形態と同様である。パルス発信器18、判定装置20、カメラ22についても同様であり、そして図4、図5で示すのと同様な変形が可能である。
以下、図11の第4実施形態において、図9、図10の校正装置とは異なる点を主として説明する。
図11の第4実施形態において、GTRタンク4内の圧力センサ4P、温度センサ4Tの出力信号は、校正装置10-3内の通信経路7-3(校正装置側の通信経路)により校正装置10-3のレセプタクル5に伝達される。
そして圧力センサ4P、温度センサ4Tの出力信号は、充填装置側の光通信経路8-3を介して、水素充填装置100(図11では図示せず)に伝達される。そのため、図11の第4実施形態では、図9、図10における電気/光コンバータ13は設けられていない。
したがって図11の第4実施形態であれば、GTRタンク4内の圧力センサ4P、温度センサ4Tの出力信号が微弱であっても、増幅装置14で増幅することにより充填タンク4内の圧力、温度は適切に水素充填装置100側に伝達される。
なお、図11の校正装置10-3についても校正車両PSに架装或いは搭載することが可能であり、当該車両PSがバイ・フューエル車両であれば、図6で示す様に、校正装置10-3のGTRタンク4と車両PSの間に、水素供給配管11と流量調整弁12を配置することが出来る。
図11の第4実施形態におけるその他の構成及び作用効果については、図1~図10の各実施形態と同様である。パルス発信器18、判定装置20、カメラ22についても同様であり、図4、図5で示すのと同様な変形も可能である。
図12の第5実施形態では、校正装置10-4の基準流量計3を用いて校正をする際に、充填タンク4内の圧力、温度を、充填タンク4に設けた送信装置15により、無線で、図示しない水素充填装置100に設けた受信装置へ伝達している。図12において、矢印Rは、無線で信号を送信していることを示している。
送信装置15(例えば、無線式IRセンサ)は、GTRタンク4内の圧力、温度を無線信号(例えば光、電波等)で送信する機能を有している。
校正時において、GTRタンク4内の圧力、温度は圧力センサ4P、温度センサ4Tで検出され、図示しない充填タンク側の光通信経路、光通信用コネクタ、送信装置15から無線信号(例えば光、電波等)により送信され、水素充填装置100(図12では図示せず)の受信装置(図示せず)により受信される。
そのため、図12では図示しない水素充填装置100において、校正作業中に、GTRタンク4内の状況に対応した正確な水素充填(通信充填)を実行することが出来る。なお、送信装置及15及び受信装置は、公知、市販の物を適用可能である。
図12の第5実施形態においても、燃料電池自動車(FCV)に水素を充填する際(通常の充填時)に、図示しない車両の充填タンク内の圧力、温度を水素充填装置100に伝達するため、充填装置側の光通信経路8-4を備えている。
また、図12の校正装置10-4は校正車両PS(図6)に架装或いは搭載することが可能である。校正車両PSがバイ・フューエル車両であれば、校正装置10-4の充填タンク4と車両PSの間に、水素供給配管11と、そこに介装された流量調整弁12を設けることが出来る。
図12の第5実施形態におけるその他の構成及び作用効果については、図1~図11の各実施形態と同様である。パルス発信器18、判定装置20、カメラ22についても同様であり、図4、図5で示すのと同様な変形も可能である。
2・・・充填ノズル
3・・・基準流量計(水素流量計測装置)
4・・・充填タンク
5・・・レセプタクル(校正装置のレセプタクル)
6・・・排ガス機構
7・・・校正装置側の通信経路(信号伝達手段)
8・・・充填装置側の通信経路(信号伝達手段)
10・・・校正装置
11・・・水素供給配管
12・・・開閉弁(流量調整弁)
18・・・パルス発信器
20・・・判定装置
22・・・カメラ
100・・・水素充填装置
PS・・・校正車両
Claims (3)
- 校正装置(10)のレセプタクル(5)に、校正するべき水素充填装置(100)の充填ノズル(2)を接続する工程を有し、
校正装置(10)には、基準流量計(3)と、充填タンク(4)と、充填タンク(4)内の圧力を計測する圧力センサ(4P)と、充填タンク(4)内の温度を計測する温度センサ(4T)と、圧力センサ(4P)及び温度センサ(4T)で計測された圧力及び温度をレセプタクル(5)に伝達する信号伝達手段(7)が設けられており、
前記充填タンク(4)は実質的に断熱状態で水素充填をすることが可能なグローバル・テクニカル・リクワイアント・タンクであり、
圧力センサ(4P)及び温度センサ(4T)で計測された充填タンク(4)内の圧力及び温度を信号伝達手段(7)とレセプタクル(5)と充填ノズル(2)を介して水素充填装置(100)に伝達しつつ、水素充填装置(100)から充填ノズル(2)及びレセプタクル(5)を介して基準流量計(3)により水素ガス流量を計測しつつ充填タンク(4)に水素ガスを充填する工程と、
校正装置(10)に設けられた排ガス機構(6)を介して、充填タンク(4)内に充填された水素を開放する工程を有することを特徴とする水素充填装置の校正方法。 - 校正装置(10-4)のレセプタクル(5)に、校正するべき水素充填装置(100)の充填ノズル(2)を接続する工程を有し、
校正装置(10-4)には、基準流量計(3)と、充填タンク(4)と、充填タンク(4)内の圧力を計測する圧力センサ(4P)と、充填タンク(4)内の温度を計測する温度センサ(4T)と、圧力センサ(4P)及び温度センサ(4T)で計測された圧力及び温度を(15)により無線信号で送信して水素充填装置(100)の受信装置に送信する送信装置(15)が設けられており、
前記充填タンク(4)は実質的に断熱状態で水素充填をすることが可能なグローバル・テクニカル・リクワイアント・タンクであり、
圧力センサ(4P)及び温度センサ(4T)で計測された充填タンク(4)内の圧力及び温度を送信装置(15)により無線信号で送信して水素充填装置(100)の受信装置に伝達しつつ、水素充填装置(100)から充填ノズル(2)及びレセプタクル(5)を介して基準流量計(3)により水素ガス流量を計測しつつ充填タンク(4)に水素ガスを充填する工程と、
校正装置(10-4)に設けられた排ガス機構(6)を介して、充填タンク(4)内に充填された水素を開放する工程を有することを特徴とする水素充填装置の校正方法。 - 校正装置(10、10-4)にはカメラ(22)と、基準流量計3の計測結果をパルスとして発信するパルス発信器(18)と、判定装置(20)が設けられており、
カメラ(22)により水素充填装置(100)の表示画面(30)に表示された水素充填質量(md)を読み取り、読み取った水素充填質量(md)を判定装置(20)に送信する工程と、
判定装置(20)により、パルス発信器(18)から送信された基準流量計(3)の計測結果に基づいて充填タンク(4)への水素充填質量(mr)を演算する工程と、
カメラ(22)で読み取られた水素充填装置(100)の表示画面(30)に表示された水素充填質量(md)と、基準流量計(3)の計測結果に基づいて演算された充填タンク(4)への水素充填質量(mr)を、判定装置(20)により比較し、水素充填装置(100)で計測された水素充填質量(md)が正確であるか否かを判断する工程を有する請求項1、2の何れかの水素充填装置の校正方法。
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