JP7032721B2 - チャネル状態予測装置、チャネル状態予測方法、無線通信装置および無線通信方法 - Google Patents

チャネル状態予測装置、チャネル状態予測方法、無線通信装置および無線通信方法 Download PDF

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特許法第30条第2項適用 (1)平成29年3月7日に、電子情報通信学会 2017年総合大会講演論文集にて公表 (2)平成29年3月25日に、電子情報通信学会 2017年総合大会講演会で発表
本発明は、チャネル状態予測装置、チャネル状態予測方法、それを用いた無線通信装置および無線通信方法に関する。
従来の無線通信方式、たとえば、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で標準化が行なわれた無線通信システムであるLTE(Long Term Evolution)リリース8(Rel-8)は、最大20MHzの帯域を利用して通信を行うことが可能である。
さらに、LTEの発展版であるLTE-A(Long Term Evolution-Advanced)では、LTEとの後方互換性を確保しつつ、更なる高速伝送を実現するため、LTEでサポートされる帯域幅を基本単位としたコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)を複数束ねて同時に用いるキャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)技術が採用され、最大で5CC(100MHz幅)を用いて100MHz幅の広帯域伝送が実現可能である。ただし、このようなキャリアアグリゲーションは、近接する周波数バンドでの異なるチャネルを用いた伝送である。
上記のような高速化が図られてはいるものの、近年、 スマートフォン等の高機能な携帯端末の普及に伴って、移動通信トラフィックの需要が急激に増大している。
その結果、従来からの無線LAN(Local Area Network)の利用拡大に加え、スマートフォンの普及によるモバイルデータトラフィックの増大により無線LANへのオフロードが進展し、免許不要帯域(2.4GHz帯、5GHz帯)でのトラフィックが急増している。
また、IoT(Internet Of Things)/M2M(Machine to Machine)社会の進展により、 上記周波数帯および920MHz帯の更なる逼迫が懸念され、これらの周波数帯の周波数利用効率向上は喫緊の課題となっている。
ここで、無線リソースの利用状況は時間・場所・周波数帯や無線チャネル等によって変動するため、一部の周波数帯(や無線チャネル)のみが混雑する状況が発生し得る。
しかしながら、既存の自営系無線システム(例えばIEEE802.11無線LAN)は単一の周波数帯を用いるか、予め使用する帯域をひとつ決めてから通信を行う。例えば、IEEE802.11nは2.4GHz帯と5GHz帯のいずれを使用するかを設定してから使用する。このため、既存の自営系無線システム全体として無線リソースに空きがある場合であっても、輻輳が発生するおそれがある。
ここで、無線通信リソースの有効利用を図るためコグニティブ無線技術が注目されている。コグニティブ無線技術とは、無線端末が周囲の電波の利用状況を認識し、その状況に応じて利用する無線通信リソースを変えることをいう。コグニティブ無線技術には、異なる無線通信規格を状況に応じて選択して使うヘテロジニアス型と、無線端末が空き周波数を探し出して必要な通信帯域を確保する周波数共用型とがある。
ヘテロジニアス型においては、コグニティブ無線機は、周辺で運用されている複数の無線システムを認識し、各システムの利用度や実現可能な伝送品質に関する情報を入手し、適切な無線システムに接続する。即ち、ヘテロジニアス型のコグニティブ無線は、周辺に存在する無線システムの利用効率を高めることにより、間接的に周波数資源の利用効率を高めるものである。
一方、周波数共用型においては、コグニティブ無線機は、他の無線システムが運用されている周波数帯域において、一時的、または局所的に利用されていない周波数資源(これは、white spaceと呼ばれる)の存在を検知し、これを利用して信号伝送を行なう。即ち、周波数共用型のコグニティブ無線は、ある周波数帯域における周波数資源の利用効率を直接的に高めるものである。
そして、上述したような免許不要帯域におけるトラフィックの増大の問題を解決する一手法として、使用周波数帯の異なる複数の無線LAN規格(例えば、2.4GHz帯無線LAN規格と5GHz帯無線LAN規格)を選択あるいは並行利用する、ヘテロジニアス型コグニティブ無線的アプローチが考えられる(たとえば、特許文献1、特許文献2)。
しかし、このヘテロジニアス型コグニティブ無線的アプローチでは送信データを適宜分割し、それぞれどの周波数帯で伝送するかを事前に振り分けておく必要がある。この結果、各周波数帯の混雑度合いによっては使用周波数帯によって伝送遅延が大きく異なったり、データが宛先に到着する順番が入れ替わる、等の問題が新たに発生してしまう。
そこで、互いに大きく分離した複数の周波数帯、たとえば、2.4GHz帯無線LANと5GHz帯無線LANにおいて、既存システムと周波数を共用して、コグニティブな無線通信を実現することが望ましい。
しかしながら、複数の互いに分離した周波数帯域で同時並行に通信をする場合に、どのようなデータの分配を行い、送信タイミングをどのように決定すべきかについては、必ずしも明らかでない。
そこで、複数周波数帯(各周波数帯の中では1つ以上の無線チャネル)の利用状況(各無線チャネルの空き状況など)を観測し、このような観測結果に基づいて、送信のタイミングや使用する無線チャネルを制御するということが考えられる。具体的には、各無線チャネルがいつまで利用可能であるか、あるいはいつから利用可能であるかに応じて、送信のタイミングと使用する無線チャネルを決定する。
ただし、このような送信制御には、過去の観測結果から、将来の利用状況の予測をすることが必要になる。
このとき、フレーム送信を試みる度に空き状況やビジー確率等を頻繁的に予測することを考えると、予測アルゴリズムは低計算量かつ良好な精度を保つ必要がある。
数多くの無線装置が無線伝送を行い、種々の通信トラフィックが混在している状況下では、無線リソース利用パターンが複雑化していると考えられる。そのような状況に対する簡易な表現でモデル化が非常に困難である。そのため、予測アルゴリズムの設計や複雑さの低減などが重要な課題である。
ここで、無線通信の利用状況を予測するための従来技術としては、以下のようなものがある。
非特許文献1では、AR(autoregressive)法に基づく無線リソース利用率(COR : channel occupation ratio)の予測アルゴリズムを提案している。しかし、実時間軸でのビジー/アイドル(busy/idle)状態の継続時間に対する発生確率の予測には言及していない。
非特許文献2では、隠れマルコフモデルを用いてトラフィックをモデル化し、CORの予測を行っている。また、非特許文献3では、autoregressive integrated moving average (ARIMA) モデルを使ってCORの解析や予測を行っている。しかし、ビジー/アイドルの開始・終了タイミングや継続時間に対する発生確率の予測は行っていない。
非特許文献4では、実測結果に基づき無線チャネルの利用モデルの検討を行っている。また、チャネル状況の予測手法について概説している。しかし、ビジー/アイドルの開始・終了タイミングに関する効果的な予測手法は示されていない。
特開2011-211433号明細書 特開2013-187561号明細書
S. Kaneko, S. Nomoto, T. Ueda, S. Nomura, and K. Takeuchi, "Predicting radio resource availability in cognitive radio-an experimental examination,"in Proc. CrownCom, Singapore, pp. 1-8, May 2008. E. Chatziantoniou, B. Allen and V. Velisavljevie, "An HMM-based spectrum occupancy predictor for energy efficient cognitive radio," IEEE PIMRC, London, pp. 601-605, Sept. 2013. Z. Wang and S. Salous, "Spectrum occupancy statistics and time series models for cognitive radio," J. Signal Process. Syst., vol. 62, no. 2, pp. 145-155, Feb. 2011. Y. Chen and H.S. Oh, "A Survey of Measurement-Based Spectrum Occupancy Modeling for Cognitive Radios," IEEE Communications Surveys & Tutorials, vol. 18, no. 1, pp. 848-859, First quarter 2016.
しかしながら、上述したように、複数の互いに分離した周波数帯域で同時並行に通信するためには、複数周波数帯の利用状況を観測し、この観測結果に基づいて、1つ以上の瞬時的に未使用な周波数帯・無線チャネルで同時に無線フレームを送信することが必要になる。この場合、データを複数帯域にマッピングして送信し、受信側では複数帯域を一括受信してデータを統合するという構成になる。
このようにすると、帯域間で混雑状況に偏りがあっても送信機会を確保できるため周波数利用効率の向上と伝送遅延の低減が期待でき、またデータの到着順番が入れ替わるような問題も発生しない。
ただし、複数周波数帯を利用して効率的なフレーム送信を行うには、送信のタイミングと使用する無線チャネルを適切に決定することが肝要であり、これにはどのタイミングでどの周波数帯・無線チャネルが利用可能になるかを高精度に予測する必要がある。このため、複数周波数帯の利用状況の観測結果から、各周波数帯について、チャネルの空/塞の状態(idle/busy)の開始・終了タイミングに関する効果的な予測手法が必要になる。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、複数の互いに分離した周波数帯域で同時並行に通信をする場合に、複数周波数帯の利用状況の観測結果から、各周波数帯について、チャネルの空/塞の状態の開始・終了タイミングに関する効果的な予測が可能な、チャネル状態予測装置、チャネル状態予測方法、それを用いた無線通信装置および無線通信方法を提供することである。
この発明の1つの局面に従うと、対象となる周波数帯でランダムアクセス制御を行っている無線チャネルのビジー状態およびアイドル状態の継続時間を予測するためのチャネル状態予測装置であって、周波数帯において無線チャネルの利用状況を複数の計測時点において観測するチャネル利用状況観測部と、観測された複数の計測時点における利用状況に応じて、複数の計測時点に対する自己回帰モデルにより、次の時点でのチャネル利用状況を予測して予測情報を生成するチャネル利用状況予測部とを備え、チャネル利用状況予測部は、無線チャネルのビジー/アイドル状態の判定を行い、ビジー/アイドル状態の継続時間を計測するビジー/アイドル継続時間取得部と、取得したビジー/アイドル継続時間から次のビジー/アイドル発生時間を予測して、チャネル利用状況観測部による測定値に対する予測誤差の発生確率を算出する継続時間予測誤差確率取得部とを含み、継続時間予測誤差確率取得部は、取得したビジー/アイドル継続時間で自己回帰モデルの予測式のパラメータを学習し、学習したパラメータを用いて次のビジー/アイドル発生時間を予測して、チャネル利用状況観測部による測定値に対する予測誤差の発生確率を算出し、予測誤差の発生確率に基づいて、次のビジー/アイドル継続時間の発生確率を予測する継続時間発生確率予測部をさらに含む
この発明の他の局面に従うと、対象となる周波数帯でランダムアクセス制御を行っている無線チャネルのビジー状態およびアイドル状態の継続時間を予測するためのチャネル状態予測方法であって、周波数帯において無線チャネルの利用状況を複数の計測時点において観測するチャネル利用状況観測ステップと、観測された複数の計測時点における利用状況に応じて、複数の計測時点に対する自己回帰モデルにより、次の時点でのチャネル利用状況を予測して予測情報を生成するステップとを備え、予測情報を生成するステップは、無線チャネルのビジー/アイドル状態の判定を行い、ビジー/アイドル状態の継続時間を計測するビジー/アイドル継続時間取得ステップと、取得したビジー/アイドル継続時間から次のビジー/アイドル発生時間を予測して、チャネル利用状況観測ステップにおける測定値に対する予測誤差の発生確率を算出する継続時間予測誤差確率取得ステップとを含み、継続時間予測誤差確率取得ステップにおいては、取得したビジー/アイドル継続時間で自己回帰モデルの予測式のパラメータを学習し、学習したパラメータを用いて次のビジー/アイドル発生時間を予測して、チャネル利用状況観測ステップにおける測定値に対する予測誤差の発生確率を算出し、予測誤差の発生確率に基づいて、次のビジー/アイドル継続時間の発生確率を予測する継続時間発生確率予測ステップをさらに含む。
この発明のさらに他の局面に従うと、互いに分離した複数の周波数帯のそれぞれでランダムアクセス制御を行っている複数の無線チャネルを利用して、信号を送信するための無線通信装置であって、送信データを複数の周波数帯のそれぞれに対応して複数の部分データに分割し、各周波数帯ごとに送信パケットのデジタル信号を生成するためのデジタル信号処理部と、各周波数帯ごとに設けられ、デジタル信号を対応する周波数帯ごとの高周波信号に変換するための複数の高周波信号処理部と、複数の周波数帯において無線チャネルの利用状況を複数の計測時点において観測するチャネル利用状況観測部と、観測された複数の計測時点における利用状況に応じて、複数の計測時点に対する自己回帰モデルにより、次の時点でのチャネル利用状況を予測して予測情報を生成するチャネル利用状況予測部とを備え、チャネル利用状況予測部は、無線チャネルのビジー/アイドル状態の判定を行い、ビジー/アイドル状態の継続時間を計測するビジー/アイドル継続時間取得部と、取得したビジー/アイドル継続時間から次のビジー/アイドル発生時間を予測して、チャネル利用状況観測部による測定値に対する予測誤差の発生確率を算出する継続時間予測誤差確率取得部とを含み、継続時間予測誤差確率取得部は、取得したビジー/アイドル継続時間で自己回帰モデルの予測式のパラメータを学習し、学習したパラメータを用いて次のビジー/アイドル発生時間を予測して、チャネル利用状況観測部による測定値に対する予測誤差の発生確率を算出し、予測誤差の発生確率に基づいて、次のビジー/アイドル継続時間の発生確率を予測する継続時間発生確率予測部をさらに含み、予測情報に基づいて、デジタル信号処理部および高周波信号処理部を制御し、複数の無線チャネルにより、各部分データを複数の周波数帯ごとのパケットとして、同期して同一のタイミングで送信するアクセス制御部とを備える。
この発明のさらに他の局面に従うと、互いに分離した複数の周波数帯のそれぞれでランダムアクセス制御を行っている複数の無線チャネルを利用して、信号を送信するための無線通信方法であって、送信データを複数の周波数帯のそれぞれに対応して複数の部分データに分割し、各周波数帯ごとに送信パケットのデジタル信号を生成するステップと、各周波数帯ごとに、デジタル信号を対応する周波数帯ごとの高周波信号に変換するステップと、複数の周波数帯において無線チャネルの利用状況を複数の計測時点において観測するチャネル利用状況観測ステップと、観測された複数の計測時点における利用状況に応じて、複数の計測時点に対する自己回帰モデルにより、次の時点でのチャネル利用状況を予測して予測情報を生成するステップとを備え、予測情報を生成するステップは、無線チャネルのビジー/アイドル状態の判定を行い、ビジー/アイドル状態の継続時間を計測するビジー/アイドル継続時間取得ステップと、取得したビジー/アイドル継続時間から次のビジー/アイドル発生時間を予測して、チャネル利用状況観測ステップにおける測定値に対する予測誤差の発生確率を算出する継続時間予測誤差確率取得ステップとを含み、継続時間予測誤差確率取得ステップにおいては、取得したビジー/アイドル継続時間で自己回帰モデルの予測式のパラメータを学習し、学習したパラメータを用いて次のビジー/アイドル発生時間を予測して、チャネル利用状況観測ステップにおける測定値に対する予測誤差の発生確率を算出し、予測誤差の発生確率に基づいて、次のビジー/アイドル継続時間の発生確率を予測する継続時間発生確率予測ステップをさらに含み、予測情報に基づいて、複数の無線チャネルにより、各部分データを複数の周波数帯ごとのパケットとして、同期して同一のタイミングで送信するステップとを備える。
この発明によれば、複数周波数帯の利用状況の観測結果から、各周波数帯について、チャネルの空/塞の状態の開始・終了タイミングに関する予測を効果的に行い、送信データを複数周波数帯域にマッピングし、送信タイミングを調整してデータ伝送を行うことが可能である。
本実施の形態の無線通信システムの構成を説明するための概念図である。 送信データを複数帯域にマッピングして送信し、受信側で一括受信して統合するための具体例を説明するための図である。 本実施の形態の送信装置1000の構成を説明するための機能ブロック図である。 チャネル利用状況観測部1060、チャネル利用状況統計量予測部1070およびアクセス制御部1080の動作を説明するためのタイミングチャートである。 送信装置1000のチャネル利用状況観測部1060、チャネル利用状況統計量予測部1070およびアクセス制御部1080の動作を説明するためのフローチャートである。 チャネル利用状況統計量予測部1070において、ビジー/アイドル継続時間の発生確率予測するための構成を説明する機能ブロック図である。 自己回帰モデル法を説明するための概念図である。 ビジー/アイドル継続時間を取得する手順を説明するための概念図である。 予測式のパラメータを学習する手続きを示す概念図である。 ビジー/アイドル継続確率の予測の手順を示すフローチャートである。 予測処理に対して行った実験の構成を説明する図である。 ビジー状態とアイドル状態の予測誤差の相補累積分布関数の算出結果を示す図である。 ビジー/アイドル継続時間の発生確率RB(XB new)およびRI(XI new)を示す図である。 送信装置1000のより詳細な構成の例を説明するための機能ブロック図である。 受信装置2000の構成を説明するための機能ブロック図である。 受信装置2000のより詳細な構成の例を説明するための機能ブロック図である。
以下、本発明の実施の形態の無線通信システムおよび無線通信装置の構成を説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素および処理工程は、同一または相当するものであり、必要でない場合は、その説明は繰り返さない。
なお、以下では、本発明の受信装置を説明する一例として、上述したような互いに大きく分離した複数の既存の免許不要帯域(たとえば、IoTなどに使用される920MHz帯、無線LANに使用される2.4GHz帯と5GHz帯)において、既存システムと周波数を共用して、コグニティブな無線通信を行うことが可能な無線通信システムにおける送信装置を例とする実施の形態を説明する。
ただし、本発明の無線通信装置については、必ずしも、このような場合に限定されず、より一般的に、互いに分離した複数の周波数帯域を用いて、同一の無線方式で同期したタイミングで同時並行的に通信を行う受信装置に適用することが可能である。また、本発明の無線通信装置においては、後に説明するように、互いに分離した複数の周波数帯域を用いて、異なる無線方式で同期したタイミングで同時並行的に通信を行う受信装置に適用することも可能である。
そして、本実施の形態では、以下に説明する通り、機械学習に基づくモデル化や予測法を併用し、実環境で各周波数帯・チャネルにおけるチャネルの空/塞の状態(idle/busy)になるまでの時間を予測することで、空/塞の状態の継続時間に対する確率分布を提供する。また、空/塞の状態の継続時間に対する確率分布の算出手法は、複数の周波数帯域のうちの少なくとも1つの周波数帯を利用して通信を行う構成に適用可能である。
また、以下では、「キャリアセンス」とは、電力検出または受信信号の復号を伴う仮想キャリアセンスにより、対象とする無線チャネルの信号の存在の有無を検出し送信タイミングの判断を行うためのセンシングを意味し、「チャネルセンシング」とは、キャリアセンスとしてのセンシングに加えて、対象チャネルの使用状況を把握するために、通信のモニタなどを実行するセンシングを意味するものとする。
図1は、本実施の形態の無線通信システムの構成を説明するための概念図である。
図1を参照して、送信側では、920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯の3つの周波数帯を使用することを前提に、各帯域で無線チャネルを1つずつ使用するものとして、送信フレームを構成する。
なお、各周波数帯で、複数チャネルを使用することとしてもよいが、以下では、周波数帯ごとに1チャネルを使用するものとして説明する。
本実施の形態では以下の特徴を有する無線アクセス制御を行う。
すなわち、まず、送信側では、後述するような方法で複数周波数帯の利用状況(各無線チャネルの空き状況など)を観測する。
続いて、送信側では、あるタイミングで、1つ以上の未使用な周波数帯・無線チャネルで同時に無線パケット(フレーム)を送信する。このとき、送信データを複数帯域にマッピングして送信する。
一方で、受信側では複数帯域を一括受信してデータを統合する。
送受信において、このような構成にすると、帯域間で混雑状況に偏りがあっても送信機会を確保できるため周波数利用効率の向上と伝送遅延の低減が期待でき、またデータの到着順番が入れ替わるような問題も発生しない。
図2は、送信データを複数帯域にマッピングして送信し、受信側で一括受信して統合するための具体例を説明するための図である。
図2に示すように、送信データを送信系列を使用する各帯域の伝送レートRiに比例するシンボル数ずつ区切って各帯域に、シリアル/パラレル変換により割り当てる。
例えば、(5GHz帯伝送レート:2.4GHz帯伝送レート:920MHz帯伝送レート)=(R1:R2:R3)=(3:2:1)ならば、送信データの系列を6シンボル毎に区切り、5GHz帯(ch1)、2.4GHz帯(ch2)、920MHz帯(ch3)にはその中の3シンボル、2シンボル、1シンボルを割り当てる。なお、送信系列を分割して割り当てる際には、このような場合に限定されず、より一般には、m個の周波数帯を使用する場合は、周波数帯の伝送レートの比を、(R1:R2:…:Rm)(比率は、既約に表現されるとする)とするとき、送信系列を(R1+R2+…+Rm)×n(m,n:自然数)シンボル毎に区切り、各チャネルには、(R1×n)シンボル、(R2×n)シンボル、…、(Rm×n)シンボルを割り当てるものとしてもよい。
そのような割り当ての後に、各帯域ごとに、送信シンボルに対して物理ヘッダをつけて、パケットとし、これらのパケットを同一タイミングで同時並列的に送信する。
送信側で各帯域に割り当てられたシンボル数については、この物理ヘッダ内に情報として格納される。
受信側では、各帯域上の物理ヘッダを利用して同期と復調処理を行う。復調された各系列を送信側と逆の処理で、パラレル/シリアル変換により結合し、フレームの復号を行う。
[送信装置の構成]
図3は、本実施の形態の送信装置1000の構成を説明するための機能ブロック図である。
図3を参照して、送信装置1000は、送信データの系列に対して、誤り訂正符号化処理を行うための誤り訂正符号化部1110と、誤り訂正符号化後のデータに対してインターリーブ処理を行うインターリーブ部1112と、図2で説明したように各周波数帯域に割り当てる処理をするためのシリアル/パラレル変換(以下、S/P変換)部1010と、S/P変換後のデータに対して、周波数帯域ごとに、マッピング処理や物理ヘッダの付加など、所定の無線通信方式で通信するための無線フレーム(パケット)を形成するデジタル処理を実行するための無線フレーム生成部1020.1~1020.3と、無線フレーム生成部1020.1~1020.3からのデジタル信号に対して、それぞれ、デジタルアナログ変換処理、所定の変調方式への変調処理(たとえば、所定の多値変調方式のための直交変調処理)、アップコンバート処理、電力増幅処理などを実行する高周波処理部(RF部)1040.1~1040.3と、RF部1040.1~1040.3の高周波信号をそれぞれ送出するためのアンテナ1050.1~1050.3とを含む。RF部1040.1~1040.3の動作は、これらに共通に設けられた局部発振器1030からのクロックに基づいて制御される。
さらに、送信装置1000は、各周波数帯(各周波数帯の中では1つ以上の無線チャネル)の利用状況(各無線チャネルの空き状況など)を観測するチャネル利用状況観測部1060と、チャネル利用状況観測部1060の観測に基づいて、所定のタイミングでのチャネル利用状況を予測するチャネル利用状況統計量予測部1070と、無線フレーム生成部1020.1~1020.3の処理タイミングおよびRF部での送信タイミングを制御して、制御された同一の送信タイミングにおいて所定の期間につき未使用な周波数帯・無線チャネルで同時に無線パケットを送信するように制御するアクセス制御部1080とを含む。
ここで、チャネル利用状況観測部1060が上述したキャリアセンスおよびチャネルセンシングを実行する構成とする。
ここで、アクセス制御部1080は、送信時に候補となる対象帯域をキャリアセンスした結果に応じて使用可能であると判明したチャネルを選択し使用して、制御された同一の送信タイミングにおいて未使用な周波数帯・無線チャネルで同時に無線パケットを送信することになる。
チャネル利用状況統計量予測部1070の詳しい動作の例については後述する。
このような構成の送信装置1000により、図2で説明したように、データを複数帯域にマッピングして送信し、受信側では複数帯域を一括受信してデータを統合する。
図4は、チャネル利用状況観測部1060、チャネル利用状況統計量予測部1070およびアクセス制御部1080の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図4を参照して、チャネル利用状況観測部1060は、各周波数帯の利用状況(例えば各無線チャネルの空き状況やビジー確率等)を観測し、チャネル利用状況統計量予測部1070は、各周波数帯の直近の利用状況を予測し、その結果からアクセス制御部1080は、良好な通信が行えるよう伝送タイミングや使用周波数帯・無線チャネル等の伝送パラメータを決定する。
すなわち、後に詳しく説明するように、チャネル利用状況統計量予測部1070は、たとえば、3つの周波数帯域を使用して通信を行う場合、現時点を基準として、たとえば、時刻t2であれば、2帯域を利用して送信できると予測し、時刻t3であれば、3帯域を利用できると予測する。アクセス制御部1080は、効率的な伝送を行うため、利用状況の予測結果に基づき、送信開始タイミングと使用周波数帯を判断する。
たとえば、従来の無線LANなどでのランダムアクセス制御では、CSMA/CAとランダムバックオフにより送信機会が得られたら即座に送信を行う。
これに対して、本実施の形態のアクセス制御部1080は、必要に応じて、一部の無線チャネルで送信機会を得ても、複数の周波数帯・無線チャネルが同時利用できるまで送信を待機する、という制御を行う。
(チャネル利用状況統計量予測部1070の構成および動作)
以下では、チャネル利用状況統計量予測部1070の構成および動作について説明する。
チャネル利用状況統計量予測部1070は、無線チャネルの利用状況として観測・計測する情報を入力として受け、観測・計測の結果から計算する各無線チャネルの利用状況統計量を算出して、伝送開始タイミング決定に必要な利用状況情報を算出する。
無線チャネルの利用状況として観測・計測する項目および上記観測・計測の結果から計算する各無線チャネルの利用状況統計量の例としては、以下のようなものがある。
i)各無線チャネルの状態(busy または idle : 物理キャリアセンス結果)
ii)各無線チャネルのbusy継続時間
ii-1)受信中のフレームの物理ヘッダに記載されているフレーム長
ii-2)受信中のフレームのMACヘッダに記載されているNAVの値(仮想キャリアセンス結果)
NAVとは、Network Allocation Vector(送信禁止期間)のことである。
上記観測・計測の結果から計算する各無線チャネルの利用状況統計量の例としては、以下のようなものがある。
i)busy状態となる確率(時間的利用率)
ii)busy状態とidle状態の継続時間の確率分布 (導出方法については後述)
iii)直前のビジー/アイドル状態継続時間に対するidle/busy状態の継続時間の発生確率分布(たとえば、確率密度関数(PDF:probability density function)や累積確率(CDF:cumulative distribution function))
iv)busy状態とidle状態の発生パターン(周期とduty比 : 背景トラフィックが周期的な場合)
なお、用語の説明のために、無線LANにおいて、各端末からの送信の衝突を回避する一般的な方法について簡単に説明する。
無線LANのチャネルでは、お互いに送信を待ち合わせないとパケットが衝突して効率的な通信が成り立たないため、「CSMA(Carrier Sense Multiple Access)」と呼ばれる方式が採用される。
無線の場合、電波の強度を監視しただけでは、衝突が起こるかどうかはわからない。電波は距離によって大きく減衰するため、衝突を引き起こす相手が遠くにいるとその電波を検知できない可能性があるからである。
そこで送信前に必ず、「待ち時間(DIFS:Distributed access Inter Frame Space)」を設け、ほかに送信信号がないことを確認してから送信する。このような方式を「CA(Collision Avoidance、衝突回避)」と呼ぶ。
そして、送信後には、必ず「ACK(ACKnowledgement、到着確認応答)」を待ち、ACKが戻らない場合は衝突などが起きたと判断して再送信を行なう。
これ以外にも、無線LAN固有のアクセス制御の仕組みとして、たとえば、隠れ端末対策のために考案された「RTS/CTS(Request to Send/Clear to Send)」がある。ここで、隠れ端末とは、自分からは電波圏外だが、通信相手の電波圏内にいる端末のことである。その存在を直接知ることはできないが、干渉を引き起こす。
電波の到達距離をLmと仮定すると、無線端末Aの通信相手B(アクセスポイント)がLm先におり、さらにそのLm先に別の無線端末Cがいるという状況を考える。
このとき、端末Cの電波は端末Aまで届かないため、端末Aがほかの端末が信号を送出しているか調べても(キャリアセンスしても)端末Cの存在がわからないことから、端末Cは端末Aの隠れ端末になる。何も対策をとらないと、端末CがアクセスポイントBに送信中であっても、端末AもアクセスポイントBにデータを送信してしまうことが起きてしまうことになる。これは、アクセスポイントBで衝突を引き起こし、スループットを下げる要因になる。
RTS/CTSとは、すべての無線機器は送信前に「RTS(送信要求)」のパケットを出し、受信側も受信可能であれば「CTS(受信可能)」で応答する仕組みである。前述の例では、端末CはアクセスポイントBにまずRTSを送信する。ただし、このRTSは、端末Aには届かない。
アクセスポイントBは、端末Cに対してCTSを送信することで受信可能なことを通知する。このCTSは、端末Aにも届くため、端末Aは通信が行なわれることを察知し、送信を延期する。RTS/CTSのパケットには、チャネルの占有予定期間が書かれており、その間通信を保留する。この期間を「NAV(Network Allocation Vector、送信禁止期間)」と呼ぶ。
図5は、図3で説明した送信装置1000のチャネル利用状況観測部1060、チャネル利用状況統計量予測部1070およびアクセス制御部1080の動作を説明するためのフローチャートである。
図5を参照して、まず、チャネル利用状況観測部1060は、複数帯域でキャリアセンスを実施し、利用状況情報を算出して、図示しない記憶装置に記憶している利用状況情報を更新する(S100)。
すなわち、チャネル利用状況観測部1060は、複数周波数帯域においてそれぞれ使用予定である各無線チャネルのビジー(busy)/アイドル(idle)状態判定と、これらの継続時間を計測する。
アクセス制御部1080は、送信すべきデータがあるかを判断し(S102)、送信したいデータがまだない場合(S102でN)は、処理をS100にもどす。
一方で、アクセス制御部1080は、送信したいデータがある場合(S102でY)、まず、送信機会を得た無線チャネルで、以下に説明するような「即時送信条件」を満たしているかを判断する。
すなわち、本来であれば、アクセス制御部1080は、チャネル利用状況統計量予測部1070の予測結果に基づいて、送信タイミングが到来したかを判断するものの、実際にはビジー(busy)/アイドル(idle)状態の発生予測に誤差が生じて期待通りに送信機会が得られない恐れがあるため、送信機会が確保できた無線チャネルについて、例えば、以下の条件の組み合わせを満たしたと判断すると、当該無線チャネルを用いて即座に伝送を開始する制御を行う(S104)。すなわち、この場合は、アクセス制御部1080は、送信機会を得た無線チャネルで送信を行うことにより、所定の通信品質が達成できると判断した場合は、予測結果による送信タイミングを待つことなく、即時の無線送信を行う制御を行う。
a1)総伝送レートが所定値以上
a2)即座に伝送を開始すると、送信データの伝送遅延が所定値以下
a3)即座に伝送を開始すると、スループットが所定量以上増加
a4)送信機会が確保できた無線チャネルで送信を行うと、無線チャネル間の使用率の分散 and/or 平均が小さくなる
a5)送信機会が確保できた無線チャネルで伝送を行うと、伝送に要する消費エネルギーが所定量以下
a6)所定の無線チャネルで送信機会が得られている
a7)送信機会の喪失が許されない場合
以上のような条件a1)~a7)のいずれか1つの条件が満たされるか、あるいは、条件a1)~a7)の所定の組合せ(2つの条件以上の組合せ)が成り立つ場合は、アクセス制御部1080は、送信機会が確保できている無線チャネルを用いて即座に伝送を開始する。すなわち、アクセス制御部1080は、伝送パラメータの決定と送信データのマッピングを行い(S108)、S/P変換部1010と無線フレーム生成部1020.1~1020.3とを制御して、選択した周波数帯および無線チャネルでフレームを送信し(S110)、処理をステップS100に復帰させる。
ここで、「伝送パラメータ」としては、「使用帯域と使用無線チャネル」、「各無線チャネルで使用する伝送レート」、「各無線チャネル(直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)の場合は各サブキャリアでも可)の送信電力」などがある。
なお、所定の条件を満たすならば、使用可能性のある全ての周波数帯の無線チャネルではなく、一部の無線チャネルのみを用いて伝送することを可能としてもよい。
また、伝送レートと送信電力の決定については、以下に示す文献に記載されるような既存の手法が利用可能である。
文献:吉識 知明,三瓶 政一,森永 規彦,”高速データ伝送のためのマルチレベル送信電力制御を用いたOFDM適応変調方式,”電子情報通信学会論文誌(B), J84-B, 7, pp. 1141-1150,2001年07月
また、伝送レートと送信電力の決定に必要な伝搬路情報は、例えば、以下のような方法で入手可能である。
i)逆方向の通信で受信したフレームを受信する際に行った伝搬路推定結果を利用する。
ii)IEEE 802.11無線LANで規定されている伝搬路フィードバック手法を利用する。
続いて、アクセス制御部1080は、「即時送信条件」を満たさない場合(S104でN)、上述したようなチャネル利用状況統計量予測部1070の予測結果に基づいて、送信タイミングが到来したか否かを判断する(S106)
送信開始タイミングの決定については、以下のように利用状況情報による予測情報を利用する。
b1)ビジー(busy)状態にある無線チャネルがアイドル(idle)状態になるまでの所要時間の予測 (「いつまで待てばよいか?」の予測)
これには、以下のような情報を用いることで、「いつまで待てばよいか?」を予測することができる。
b1-1)ビジー(busy)要因となっているフレームやNAVの長さ(既に分かっている場合)
b1-2)任意の時刻後における各無線チャネルのビジー(busy)状態発生の有無 (周期的な背景トラフィックであれば、ビジー(busy)状態とアイドル(idle)状態の周期とデューティ(duty)から予測可能)
b1-3)これまでのビジー(busy)継続時間を踏まえた、今後の待ち時間に対するアイドル(idle)発生確率 (ビジー(busy)状態とアイドル(idle)状態のCDFから算出可能)
b2)アイドル(idle)な無線チャネルがビジー(busy)になるまでの所要時間の予測 (「いつまで待てるか?」の予測)
b2-1)任意の時刻後における各無線チャネルのビジー(busy)状態発生の有無 (周期的な背景トラフィックであれば、ビジー(busy)状態とアイドル(idle)状態の周期とdutyから予測可能)
b2-2)これまでのアイドル(idle)継続時間を踏まえた、今後の待ち時間に対するビジー(busy)発生確率 (ビジー(busy)状態とアイドル(idle)状態のCDFから算出可能)
アクセス制御部1080は、上述したような「ビジー(busy)状態にある無線チャネルがアイドル(idle)状態になるまでの所要時間の予測」と、「アイドル(idle)な無線チャネルがビジー(busy)になるまでの所要時間の予測」とを組み合わせることで、「伝送速度の期待値が最大となる」送信タイミングを算出する。
つまり、アクセス制御部1080は、上記2つの予測を組み合わせることで、各無線チャネルの伝送レートが所定の値を有するものとして、現時点から所定の時間範囲において、各時刻タイミングにおいて、アイドル(idle)状態となる無線チャネルにより伝送できるデータ量の最大値を予測することができる。そのような予測された伝送可能なデータ量(伝送速度)が所定の伝送速度に対応する値を超えている場合は、その送信タイミングでデータの伝送を行う。
すなわち、アクセス制御部1080は、このような送信タイミングが到来すると判断すれば(S106でY)、アクセス制御部1080は、伝送パラメータの決定と送信データのマッピングを行い(S108)、S/P変換部1010と無線フレーム生成部1020.1~1020.3とを制御して、選択した周波数帯および無線チャネルでフレームを送信し(S110)、処理をステップS100に復帰させる。
なお、アクセス制御部1080は、ステップS106において、予測された伝送可能なデータ量(伝送速度)が所定の伝送速度に対応する値を超えないと判断する場合は、送信を待機することによって現在以上の数の無線チャネルで送信機会が得られる可能性があるとして、送信を待機し(ステップS106でN)、処理をステップS100に復帰する。このような待機動作を行うことで、周波数利用効率の向上や伝送遅延の低減等が達成可能であると考えられるからである。
なお、アクセス制御部1080が、送信タイミングが到来しているか否かを判断する基準としては、以下のようなものを採用してもよい。
c1)送信データの伝送に完了するまでの時間を最小化 (送信が早く終われば多くのフレームが送信でき、また無駄にするリソースも少なく済むため。)
c2)伝送完了までに発生する空きリソース量を最小化
c3)所定の時間内に伝送可能なデータ量を最大化
c4)各無線チャネルの使用率の分散と平均を最小化 (無線リソースを有効利用しつつ、極端に混雑するチャネルをなくすため。)
c5)一定時間内に送信データの伝送が完了する条件下で、所要送信エネルギーを最小化
c6)送信アウテージ(伝送失敗・送信機会喪失)確率が所定値以下
c7)自身による特定の無線チャネルの使用率が所定値以下 (920MHz帯のように送信時間制限がある周波数帯において、当該周波数帯の時間利用率を制限内に収めるため。)
(ビジー/アイドル継続時間の発生確率予測)
以下では、チャネル利用状況統計量予測部1070によるビジー/アイドル継続時間の発生確率予測の手順について説明する。
図6は、チャネル利用状況統計量予測部1070において、ビジー/アイドル継続時間の発生確率予測するための構成を説明する機能ブロック図である。
チャネル利用状況統計量予測部1070は、チャネル利用状況観測部1060からの情報に基づいて、チャネルのビジー/アイドル状態の判定を行い、ビジー/アイドル状態の継続時間を計測するビジー/アイドル継続時間取得部1072と、取得したビジー/アイドル継続時間で後述する予測式のパラメータを学習し、学習したパラメータを用いて次のビジー/アイドル発生時間を予測して、測定値に対する予測誤差の発生確率P(Err)を評価する継続時間予測誤差確率取得部1074と、次のビジー/アイドル継続時間の発生確率R(X+Err)を予測する継続時間発生確率予測部1076とを含む。
以下、チャネル利用状況統計量予測部1070の各部の動作について説明する。
まず、前提として、チャネル利用状況統計量予測部1070は、自己回帰モデル(AR:autoregressive model)法に基づくビジー/アイドル継続時間予測を行う。
ここで、AR法では、以下の予測式により、直近p個のビジー/アイドル継続時間Xi,…,Xi-p から、次のビジー/アイドル継続時間を予測する。
Figure 0007032721000001
なお、ここでは直前のチャネル状態がビジーである(Xiがアイドル継続時間である)場合はXi+1としてアイドル継続時間を予測するものとし、直前のチャネル状態がアイドルである(Xiがビジー継続時間である)場合はXi+1としてビジー継続時間を予測するものとする。
また、上記の予測式(p次)の係数a0,…apは、トレーニング区間を用いて学習する。
ビジー/アイドル継続時間に対する発生確率の予測の手順を簡単にまとめると以下のとおりである。
1)センシングによりビジー/アイドル継続時間を取得する。
2)取得したビジー/アイドル継続時間で予測式のパラメータを学習する。
3)学習したパラメータを用いて次のビジー/アイドル発生時間Xを予測する。
4)測定値に対する予測誤差の発生確率P(Err)を評価する。
5)次のビジー/アイドル継続時間の発生確率R(X+Err)を次式で予測する
Figure 0007032721000002
図7は、自己回帰モデル法を説明するための概念図である。
時系列予測のための自己回帰モデルにおいては,そのパラメータ(AR係数(係数a1,…,ap)と予測誤差の分散)を、取得した標本時系列(それから推定された自己共分散関数)から求める。ここで、自己共分散関数が満足するYule-Walker 方程式を解くための高速アルゴリズムであるレビンソン-ダービン(Levinson-Durbin)アルゴリズムが使用されることが一般的である。
このような手順については、たとえば、上述した非特許文献1などに開示のあるとおり、周知な手順である。
なお、ビジー/アイドル継続時間の予測方法については、AR法以外の機械学習をベースにした予測を用いてもよい。たとえば、マルコフ連鎖HMM(Markov Chain based HMM)予測法, 自己回帰移動平均予測法(ARMA予測法、ARMA:Autoregressive moving average)。ここで、ARMA予測法については、非特許文献4に開示がある。
以下、自己回帰モデル法の手順について、さらに詳しく説明する。
(1)ビジー/アイドル継続時間取得部1072により、ビジー/アイドル継続時間を取得する。
図8は、ビジー/アイドル継続時間を取得する手順を説明するための概念図である。
チャネル利用状況観測部1060は、各帯域・チャネルでキャリアセンスを実施し、ビジー/アイドル継続時間取得部1072は、チャネルのビジー/アイドル判定を行う。さらに、ビジー/アイドル継続時間取得部1072は、ビジー/アイドル判定結果に基づきビジー/アイドルの継続時間を計測する。計測は連続時間でも良く、情報圧縮を目的として一定幅を単位とした離散値でも良い。
たとえば、図8では、WLANを想定して、コンテンションスロット長である9μsを単位とした離散値で処理する例を示す。この場合、ビジー(busy)状態やアイドル(idle)の継続時間は、この単位時間のポイント数で表現できる。図8の例では1ポイント=9μsに相当する。以下では、時間は、ポイントを用いて表現するものとする。
(2)取得したビジー/アイドル継続時間の系列から予測式のパラメータa1,…,apを学習する。
図9は、予測式のパラメータを学習する手続きを示す概念図である。
続いて、継続時間予測誤差確率取得部1074は、ビジー/アイドルそれぞれN個の継続時間測定結果からパラメータa1,…,apを学習する。したがって、学習のために特別なデータが送信される必要はない。
継続時間予測誤差確率取得部1074は、上述のとおり、Levinson-Durbin帰納法を使って、最小二乗式から生じる正規方程式を解くことで、パラメータa1,…,apを算出する。
(3)学習したパラメータを用いて次のビジー/アイドル発生時間Xを予測する。
学習結果により得られた係数a1,…,apを用いて、上述したAR法の予測式により、次のビジー/アイドル発生時間X(=Xi+1)を予測する。
(4)予測誤差Errの発生確率の相補累積分布関数(CCDF:Complementary Cumulative Distribution Function)である、測定値に対する予測誤差の発生確率P(Err)を評価する。
ここで、以下の関係が成り立つ。
Figure 0007032721000003
(5)ビジー/アイドル継続時間の予測結果Xと,予測誤差発生確率P(Err)から 次のビジー/アイドル継続時間Xnewの発生確率R(Xnew)を予測する。
継続時間発生確率予測部1076は、以下の手順により、次のビジー/アイドル継続時間の発生確率RB(XB new)およびRI(XI new)を予測する。
Figure 0007032721000004
アクセス制御部1080は、上記のようにして算出された、次のビジー/アイドル継続時間の発生確率RB(XB new)およびRI(XI new)に基づいて、「今送信するかどうか?」の判断を実施する。
図10は、ビジー/アイドル継続確率の予測の手順を示すフローチャートである。
まず、チャネル利用状況観測部1060が、キャリアセンスによりビジー/アイドル継続時間を計測し、ビジー/アイドル継続時間取得部1072により、ビジー/アイドル継続時間を取得する(S200)。
続いて、予測式パラメータの学習・更新中であれば(S202でYes)、継続時間予測誤差確率取得部1074は、ビジー/アイドルそれぞれN個の継続時間測定結果からパラメータa1,…,apを学習して、予測式を更新し(S204)、処理はステップS200に復帰する。
一方で、予測式パラメータの学習・更新中でなければ(S202でNo)、継続時間予測誤差確率取得部1074は、予測式パラメータの更新が必要であるかを判断する(S210)。
ここで、予測式パラメータの更新が必要な場合とは、たとえば、以下のような場合がある。
i)アクティブな端末数(データを送受信している端末数)が変化した場合。
ii)新たなトラフィックが発生したり、一部のトラフィックの伝送が終了した場合。
iii)使用するMCSが変更された場合。(busy継続時間の分布が変わるため。)
iv)ビジー/アイドル継続時間の予測誤差の分散が学習完了時と比べて所定の量(あるいは比率)以上大きくなった場合。
ここで、MCS(Modulation and Coding Scheme)は、変調方式・チャネル符号化率を表す。通信経路の状態に応じて、伝送レートを変更するために、一般に、異なる変調方式・チャネル符号化率の組がテーブルとして準備されている。
再び、図10に戻って、予測式パラメータの更新が必要である場合(S210でYes)、処理は、ステップS200に復帰する。
一方で、予測式パラメータの更新が必要でない場合(S210でNo)、継続時間予測誤差確率取得部1074は、ビジー/アイドル状態の時間を予測する(S212)。
ここで、ビジー/アイドル継続時間の予測は交互に実施される。たとえば、直前の状態がビジーであればアイドルの継続時間の予測が実施される。
さらに、継続時間予測誤差確率取得部1074は、ステップS212で算出されたビジー/アイドル継続時間の予測値と、ステップS200でキャリアセンスにより計測されたビジー/アイドル継続時間とを使用して、予測値と実際の値の間の誤差(予測誤差)を計算する(S214)。
さらに、継続時間予測誤差確率取得部1074は、算出された予測誤差に基づいて、ビジー/アイドル継続時間の予測誤差の相補累積分布関数(CCDF)を更新する(S216)。ここで、図示しない記憶部に、予測誤差のCCDFを、ビジーとアイドルに分けて格納する。
継続時間発生確率予測部1076は、更新された相補累積分布関数に基づいて、次のビジー/アイドル継続時間の発生確率RB(XB new)およびRI(XI new)を算出し(S218)、ビジー/アイドル継続時間に対する発生確率をアクセス制御部1080に出力する(S220)。
(計測および予測実験の結果)
図11は、以上説明したような予測処理に対して行った実験の構成を説明する図である。
端末STA1から1KPのビデオ信号、あるいは320kの音声データが、アクセスポイントAPに、イーサネット(登録商標)を利用して、アップロードされ、アクセスポイントAPから、室内の5GHz帯のWLANを利用して、端末STA2にダウンロードされるものとする。このとき、別のセンシングデバイスが、ビジー/アイドル状態を検知しており、この検知結果により、ビジー状態およびアイドル状態について、継続時間の予測誤差の相補累積分布関数(CCDF)を算出し、ビジーおよびアイドルの継続時間発生確率を予測する。
ここで、センシングは、9μsごとに実施されるものとし、パラメータa1,…,apを算出するためのトレーニングデータは、200サンプル(N=100)であるものとする。
また、予測式の次数としては、2次を採用する。
図12は、ビジー状態とアイドル状態の予測誤差の相補累積分布関数の算出結果を示す図である。
特に、アイドル状態の場合、予測誤差は、20ポイント以内で、50%以下に抑えられている。
図13は、ビジー/アイドル継続時間の発生確率RB(XB new)およびRI(XI new)を示す図である。
ビジー期間が1400ポイント、2000ポイントの場合、または、アイドル期間が6300ポイントまたは5600ポイントのいずれの場合にも、ほぼ正確な予測が達成されていることがわかる。
[無線通信装置の詳細な構成]
図14は、送信装置1000のより詳細な構成の例を説明するための機能ブロック図である。
図14に示した機能ブロック図は、一例として、無線通信規格802.11aと同様の無線通信方式に従う送信装置の構成を示す。
すなわち、無線通信規格802.11aは、5GHz帯の無線LAN通信方式であるものの、図14では、2.4GHz、920MHz帯でも、周波数帯が異なるだけで、それ以外は同様の構成の無線通信方式に従う受信部を使用するものとする。
したがって、各周波数帯域において、パケットのプリアンブル部分の構成などは、複数の周波数帯について共通であるものとする。
ただし、必ずしも、各周波数帯の無線通信方式が同様の構成を有していることは必須ではなく、周波数帯ごとに無線通信方式(信号形式、シンボル長やサブキャリア間隔など)が異なっていてもよい。この場合は、少なくとも単一の送信系列を各帯域に分割して同時に送信し、また、周波数帯が異なる以外は、RF部の構成が基本的に同一であればよく、パケットのプリアンブル部分の構成(プリアンブルの長さなど)が、複数の周波数帯ごとに異なっていてもよい。
図14では、5GHz帯の送信に係る構成を代表して例示的に示す。無線通信規格802.11aと同様の無線通信方式を想定しているので、伝送する信号は、OFDM(直交周波数分割多重)変調するものとする。
図14を参照して、無線フレーム生成部1020.3は、S/P変換部1010から分配された送信データを受けて、マッピング処理を実行するためのマッピング部1122と、逆フーリエ変換処理を実行するためのIFFT部1130と、ガードインターバル部分を付加するためのGI付加部1140と、デジタル信号をI成分およびQ成分のアナログ信号に変換するためのデジタルアナログコンバータ(DAC)1150とを含む。
高周波処理部1040.3は、DAC1150からの信号を所定の多値変調信号に変調するための直交変調器1210と、直交変調器1210の出力をアップコンバートするアップコンバータ1220と、アップコンバータ1220の出力を電力増幅しアンテナ1050.3から送出するための電力増幅器1230とを含む。
その結果、RF部1040.3により、基底帯域OFDM信号は搬送帯域OFDM信号に変換される。
さらに、高周波処理部1040.3は、局部発振器1030からの参照周波数信号を対応する周波数帯域の基準クロック信号に変換するためのクロック周波数変換部1310と、クロック周波数変換部1310からの基準クロックに基づいて、直交復調器1210での変調処理に使用するクロックを生成するクロック生成部1320と、クロック周波数変換部1310からの基準クロックに基づいて、アップコンバータ1220でのアップコンバート処理に使用するクロックを生成するクロック生成部1340とを含む。
すなわち、局部発振器1030からの参照周波数信号は、このような基底帯域OFDM信号から搬送帯域OFDM信号への変換におけるクロック信号として使用される。なお、より一般に、無線通信方式が異なる場合でも、基本的に、局部発振器1030からの参照周波数信号は、基底帯域信号から搬送帯域信号への変換におけるクロック信号として使用される。
チャネル利用状況観測部1060は、自局のセンシング結果により、各周波数帯の利用状況(例えば各無線チャネルの空き状況やビジー確率等)を観測し、チャネル利用状況統計量予測部1070は、各周波数帯の直近の利用状況を予測し、それに応じて、アクセス制御部1080が送信タイミングの制御を実行する。
[受信装置の構成]
以下では、図2で説明したような無線通信システムで使用される受信装置の構成について説明する。
図15は、本実施の形態の受信装置2000の構成を説明するための機能ブロック図である。
図15を参照して、受信装置2000は、複数の周波数帯域(920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯)の信号をそれぞれ受信するためのアンテナ2010.1~2010.3と、アンテナ2010.1~2010.3の信号のダウンコンバート処理、復調・復号処理などの受信処理を実行するための受信部2100.1~2100.3と、受信部2100.1~2100.3に対して共通に設けられ、受信部2100.1~2100.3の動作の基準となるクロックである参照周波数信号を生成する局部発振器2020と、受信部2100.1~2100.3からの信号の各系列を送信側と逆の処理で、パラレル/シリアル変換により結合するためのパラレル/シリアル変換部2700とを含む。
パラレル/シリアル(P/S)変換部2700からの統合されたフレームの出力は、上位レイヤーに受け渡される。
受信装置2000は、受信した信号のプリアンブル信号から局部発振器2020の周波数オフセットの検出を行って、局部発振器2020の発振周波数を制御するための信号(発振周波数制御信号)を生成し、搬送波周波数同期処理を行い、また、受信した信号からデジタル信号処理におけるタイミング同期をとるための信号(同期タイミング信号)を生成する同期処理部2600を含む。
受信部2100.1は、アンテナ2010.1からの信号を受けて、低雑音増幅処理、ダウンコンバート処理、所定の変調方式に対する復調処理(たとえば、所定の多値変調方式に対する直交復調処理)、アナログデジタル変換処理等を実行するための高周波処理部(RF部)2400.1と、RF部2400.1からのデジタル信号に対して、復調・復号処理等のベースバンド処理を実行するためのベースバンド処理部2500.1を含む。
受信部2100.2も、対応する周波数帯域についての同様の処理を行うための高周波処理部(RF部)2400.2ならびにベースバンド処理部2500.2を含む。また、受信部2100.3も、対応する周波数帯域についての同様の処理を行うための高周波処理部(RF部)2400.3ならびにベースバンド処理部2500.3を含む。
ベースバンド処理部2500.1~2500.3およびパラレル/シリアル(P/S)変換部2700とを総称して、デジタル信号処理部2800と呼ぶ。
図16は、図15に示した受信装置2000のより詳細な構成の例を説明するための機能ブロック図である。
図16に示した機能ブロック図でも、一例として、無線通信規格802.11aと同様の無線通信方式に従う受信装置の構成を示す。
したがって、受信装置の構成は、図14に示した送信装置の構成に対応するものである。
図16でも、5GHz帯の受信部2100.3の構成を代表して例示的に示す。
図16を参照して、受信部2100.3のRF部2400.3は、アンテナ2010.3からの受信信号を増幅するための低雑音増幅器3010と、低雑音増幅器3010の出力を周波数変換するためのダウンコンバータ3020と、ダウンコンバータ3020の出力を所定の振幅となるように制御するための自動利得制御器3030と、所定の多値変調信号を復調するための直交復調器3040と、直交復調器3040のI成分出力およびQ成分出力をそれぞれデジタル信号に変換するためのアナログデジタルコンバータ(ADC)3050とを含む。
RF部2400.3は、さらに、局部発振器2020からの参照周波数信号を対応する周波数帯域の基準クロック信号に変換するためのクロック周波数変換部3060と、クロック周波数変換部3060からの基準クロックに基づいて、ダウンコンバータ3020でのダウンコンバート処理に使用するクロックを生成するクロック生成部3070と、クロック周波数変換部3060からの基準クロックに基づいて、直交復調器3040での復調処理に使用するクロックを生成するクロック生成部3080とを含む。
無線通信規格802.11aと同様の無線通信方式を想定しているので、伝送されてきた信号は、OFDM(直交周波数分割多重)変調されている。その結果、RF部2400.3により、搬送帯域OFDM信号は、基底帯域OFDM信号に変換される。
そして、局部発振器2020からの参照周波数信号は、このような搬送帯域OFDM信号から基底帯域OFDM信号への変換における搬送周波数同期に使用される。なお、より一般に、無線通信方式が異なる場合でも、基本的に、局部発振器2020からの参照周波数信号は、搬送帯域信号から基底帯域信号への変換における搬送周波数同期に使用される。
ベースバンド処理部2500.3は、ADC3050からの信号を受けて、ガードインターバル部分を除去するためのGI除去部4010と、ガードインターバルが除去された信号に対して、高速フーリエ変換を実行するためのFFT部4020と、FFT部4020の出力に対して、デマッピング処理を実行するためのデマッピング部4032とを含む。
ベースバンド処理部2500.1~2500.3において、ガードインターバルの除去、FFT処理およびデマッピング処理を実施した後に、受信データについて、P/S変換部2700により各周波数帯の信号を結合した後に、デインターリーブ部4042によるデインターリーブ処理および誤り訂正部4040による誤り訂正処理を実行する。
ここで、同期処理部2600から出力される同期タイミング信号は、OFDMシンボルの始まりを検出するためのシンボルタイミング同期などに使用される。
より一般に、無線通信方式が異なる場合でも、基本的に、同期処理部2600から出力される同期タイミング信号は、ベースバンド処理における同期信号として使用される。
以上説明したような構成により、複数の互いに分離した周波数帯域で同時並行に通信をする場合に、多チャネルの同時センシングを効率的に実行できる。また、各送信データを複数周波数帯域にマッピングし、送信タイミングを調整してデータ伝送を行うことが可能である。
今回開示された実施の形態は、本発明を具体的に実施するための構成の例示であって、本発明の技術的範囲を制限するものではない。本発明の技術的範囲は、実施の形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲の文言上の範囲および均等の意味の範囲内での変更が含まれることが意図される。
1000 送信装置、1010 S/P変換部、1020.1~1020.3 無線フレーム生成部、1030 局部発振器、1040.1~1040.3 RF部、1050.1~1050.3 アンテナ、1060 チャネル利用状況観測部、1070 チャネル利用状況統計量予測部、1080 アクセス制御部、1110 誤り訂正符号化部、1112 インターリーブ部、2000 受信装置、2010.1~2010.3 アンテナ、2020 局部発振器、2100.1~2100.3 受信部、2400.1~2400.3 RF部、2500.1~2500.3 ベースバンド処理部、2600 同期処理部、2700 P/S変換部、2800 デジタル信号処理部、4040 誤り訂正部、4042 デインターリーブ部。

Claims (5)

  1. 対象となる周波数帯でランダムアクセス制御を行っている無線チャネルのビジー状態およびアイドル状態の継続時間を予測するためのチャネル状態予測装置であって、
    前記周波数帯において前記無線チャネルの利用状況を複数の計測時点において観測するチャネル利用状況観測部と、
    観測された前記複数の計測時点における前記利用状況に応じて、前記複数の計測時点に対する自己回帰モデルにより、次の時点でのチャネル利用状況を予測して予測情報を生成するチャネル利用状況予測部とを備え
    前記チャネル利用状況予測部は、
    前記無線チャネルのビジー/アイドル状態の判定を行い、ビジー/アイドル状態の継続時間を計測するビジー/アイドル継続時間取得部と、
    取得した前記ビジー/アイドル継続時間から次のビジー/アイドル発生時間を予測して、前記チャネル利用状況観測部による測定値に対する予測誤差の発生確率を算出する継続時間予測誤差確率取得部とを含み、前記継続時間予測誤差確率取得部は、取得した前記ビジー/アイドル継続時間で前記自己回帰モデルの予測式のパラメータを学習し、学習した前記パラメータを用いて次のビジー/アイドル発生時間を予測して、前記チャネル利用状況観測部による測定値に対する予測誤差の発生確率を算出し、
    前記予測誤差の発生確率に基づいて、次のビジー/アイドル継続時間の発生確率を予測する継続時間発生確率予測部をさらに含む、チャネル状態予測装置。
  2. 対象となる周波数帯でランダムアクセス制御を行っている無線チャネルのビジー状態およびアイドル状態の継続時間を予測するためのチャネル状態予測方法であって、
    前記周波数帯において前記無線チャネルの利用状況を複数の計測時点において観測するチャネル利用状況観測ステップと、
    観測された前記複数の計測時点における前記利用状況に応じて、前記複数の計測時点に対する自己回帰モデルにより、次の時点でのチャネル利用状況を予測して予測情報を生成するステップとを備え、
    前記予測情報を生成するステップは、
    前記無線チャネルのビジー/アイドル状態の判定を行い、ビジー/アイドル状態の継続時間を計測するビジー/アイドル継続時間取得ステップと、
    取得した前記ビジー/アイドル継続時間から次のビジー/アイドル発生時間を予測して、前記チャネル利用状況観測ステップにおける測定値に対する予測誤差の発生確率を算出する継続時間予測誤差確率取得ステップとを含み、前記継続時間予測誤差確率取得ステップにおいては、取得した前記ビジー/アイドル継続時間で前記自己回帰モデルの予測式のパラメータを学習し、学習した前記パラメータを用いて次のビジー/アイドル発生時間を予測して、前記チャネル利用状況観測ステップにおける測定値に対する予測誤差の発生確率を算出し、
    前記予測誤差の発生確率に基づいて、次のビジー/アイドル継続時間の発生確率を予測する継続時間発生確率予測ステップをさらに含む、チャネル状態予測方法。
  3. 互いに分離した複数の周波数帯のそれぞれでランダムアクセス制御を行っている複数の無線チャネルを利用して、信号を送信するための無線通信装置であって、
    送信データを前記複数の周波数帯のそれぞれに対応して複数の部分データに分割し、各前記周波数帯ごとに送信パケットのデジタル信号を生成するためのデジタル信号処理部と、
    各前記周波数帯ごとに設けられ、前記デジタル信号を対応する前記周波数帯ごとの高周波信号に変換するための複数の高周波信号処理部と、
    前記複数の周波数帯において前記無線チャネルの利用状況を複数の計測時点において観測するチャネル利用状況観測部と、
    観測された前記複数の計測時点における前記利用状況に応じて、前記複数の計測時点に対する自己回帰モデルにより、次の時点でのチャネル利用状況を予測して予測情報を生成するチャネル利用状況予測部とを備え、
    前記チャネル利用状況予測部は、
    前記無線チャネルのビジー/アイドル状態の判定を行い、ビジー/アイドル状態の継続時間を計測するビジー/アイドル継続時間取得部と、
    取得した前記ビジー/アイドル継続時間から次のビジー/アイドル発生時間を予測して、前記チャネル利用状況観測部による測定値に対する予測誤差の発生確率を算出する継続時間予測誤差確率取得部とを含み、前記継続時間予測誤差確率取得部は、取得した前記ビジー/アイドル継続時間で前記自己回帰モデルの予測式のパラメータを学習し、学習した前記パラメータを用いて次のビジー/アイドル発生時間を予測して、前記チャネル利用状況観測部による測定値に対する予測誤差の発生確率を算出し、
    前記予測誤差の発生確率に基づいて、次のビジー/アイドル継続時間の発生確率を予測する継続時間発生確率予測部をさらに含み、
    前記予測情報に基づいて、前記デジタル信号処理部および前記高周波信号処理部を制御し、前記複数の無線チャネルにより、各前記部分データを前記複数の周波数帯ごとのパケットとして、同期して同一のタイミングで送信するアクセス制御部とを備える、無線通信装置。
  4. 前記継続時間予測誤差確率取得部は、トラフィック状況に応じて、前記予測式の前記パラメータを更新する処理を実行する、請求項記載の無線通信装置。
  5. 互いに分離した複数の周波数帯のそれぞれでランダムアクセス制御を行っている複数の無線チャネルを利用して、信号を送信するための無線通信方法であって、
    送信データを前記複数の周波数帯のそれぞれに対応して複数の部分データに分割し、各前記周波数帯ごとに送信パケットのデジタル信号を生成するステップと、
    各前記周波数帯ごとに、前記デジタル信号を対応する前記周波数帯ごとの高周波信号に変換するステップと、
    前記複数の周波数帯において前記無線チャネルの利用状況を複数の計測時点において観測するチャネル利用状況観測ステップと、
    観測された前記複数の計測時点における前記利用状況に応じて、前記複数の計測時点に対する自己回帰モデルにより、次の時点でのチャネル利用状況を予測して予測情報を生成するステップとを備え、
    前記予測情報を生成するステップは、
    前記無線チャネルのビジー/アイドル状態の判定を行い、ビジー/アイドル状態の継続時間を計測するビジー/アイドル継続時間取得ステップと、
    取得した前記ビジー/アイドル継続時間から次のビジー/アイドル発生時間を予測して、前記チャネル利用状況観測ステップにおける測定値に対する予測誤差の発生確率を算出する継続時間予測誤差確率取得ステップとを含み、前記継続時間予測誤差確率取得ステップにおいては、取得した前記ビジー/アイドル継続時間で前記自己回帰モデルの予測式のパラメータを学習し、学習した前記パラメータを用いて次のビジー/アイドル発生時間を予測して、前記チャネル利用状況観測ステップにおける測定値に対する予測誤差の発生確率を算出し、
    前記予測誤差の発生確率に基づいて、次のビジー/アイドル継続時間の発生確率を予測する継続時間発生確率予測ステップをさらに含み、
    前記予測情報に基づいて、前記複数の無線チャネルにより、各前記部分データを前記複数の周波数帯ごとのパケットとして、同期して同一のタイミングで送信するステップとを備える、無線通信方法。
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