JP7028927B2 - 顆粒の静電量を低減させる方法 - Google Patents

顆粒の静電量を低減させる方法 Download PDF

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Description

本発明は、顆粒の静電量を低減させる方法に関する。
従来から、圧縮錠剤の製造方法として、直接打錠法、セミ直接打錠法、乾式顆粒圧縮法、湿式顆粒圧縮法等が知られている。湿式顆粒圧縮法では、活性成分と添加剤とを混合及び造粒し、得られた造粒物に滑沢剤を加えて圧縮成形する方法である。湿式顆粒圧縮法において、帯電性の高い活性成分と添加剤とを混合及び造粒する場合に、装置の壁面に活性成分が付着しやすく、原薬回収率が低下する場合がある。
また、医薬品の錠剤化は生産性が高く、輸送や使用時に取扱い易いという利点がある。錠剤化に際して、多くの活性成分原料は圧縮しても成形ができないために、賦形剤を配合して錠剤化され、良好な成形性、流動性及び崩壊性が求められる。賦形剤としては結晶セルロースがよく使用される。
特許文献1には、平均重合度が100以上350以下、重量平均粒子径が30μm超250μm以下、見掛け比容積が2cm/g以上15cm/g未満、粒度分布シャープネスが1.5以上2.9以下であるセルロース粉末が開示されている。このセルロース粉末を用いることで、圧縮成形性に優れ、かつべたつきや吸湿性の高い漢方薬や粘着性のある成分を均一に保持し、セルロース粉末の粒度分布がシャープであることにより顆粒の粒度分布もシャープにでき、崩壊時間を短くすること、さらに経時的に安定した崩壊性を付与する効果を有することが開示されている。
特許文献2には、平均重合度が150以上450以下、75μm以下の粒子の平均L/D(長径短径比)が2.0以上4.5以下、平均粒子径が20μm以上250μm以下、見掛け比容積が4.0cm/g以上7.0cm/g以下、見掛けタッピング比容積が2.4cm/g以上4.5cm/g以下、安息角が55°以下であるセルロース粉末が開示されている。当該セルロース粉末は、成形性、流動性及び崩壊性に優れることが開示されている。
国際公開第2013/180248号 国際公開第02/02643号
しかしながら、従来のセルロース粉末では、上記帯電性の高い活性成分と添加剤とを混合及び造粒する際に生じる問題を解決できるものは知られていない。
また、医薬分野において薬物等の活性成分の配合量が多い場合、得られた錠剤の崩壌時間が遅延する傾向があるため、崩壊剤の添加割合を増やす必要がある。しかしながら、崩壊剤は活性成分との反応性が高い場合や、成形性を悪化させる場合があり、さらに、崩壊剤は吸水しやすい性質を有するため、錠剤の保存安定性が低下させるおそれがあり、崩壊剤の割合の増加には限度がある。
また、従来では、崩壊性を良好に保ちながら、錠剤の保存安定性を向上できるセルロース粉末は知られていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、崩壊性を良好に保ちながら、原薬回収率に優れる錠剤が得られるセルロース粉末及び前記セルロース粉末の製造方法を提供する。また、崩壊性を良好に保ちながら、保存安定性に優れる錠剤及び前記錠剤の製造方法を提供する。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
[1] 顆粒の静電量を低減させる方法であって、
活性成分にセルロース粉末を添加して造粒を行い、顆粒を形成させることを含み、
前記セルロース粉末の平均粒子径が17μm以上58μm以下であり、
前記セルロース粉末の4%硫酸を用いた121℃及び1時間の硫酸加水分解反応による加水分解物は、前記加水分解物中のグルコース、マンノース及びキシロースの合計質量に対するグルコースの含有量が87質量%以上99.3質量%以下であり、
前記加水分解物中のグルコース、マンノース及びキシロースの合計質量に対するマンノースの含有量が0.4質量%以上5.0質量%以下であり、
前記加水分解物中のグルコース、マンノース及びキシロースの合計質量に対するキシロースの含有量が1.6質量%以上8.0質量%以下であり、
前記マンノースの含有量及び前記キシロースの含有量は、高速液体クロマトグラフ法により測定されたものであり、
前記活性成分の含有量は、前記顆粒の総質量に対して50質量%以上99質量%以下であり、
前記活性成分の摩擦帯電量が+0.1nC/g以上、又は-0.1nC/g以下である、方法。
[2] 前記造粒が湿式造粒法で行われる、[1]に記載の方法。
上記態様のセルロース粉末によれば、崩壊性を良好に保ちながら、原薬回収率に優れるセルロース粉末を提供することができる。
上記態様の錠剤によれば、崩壊性を良好に保ちながら、保存安定性に優れる錠剤を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<セルロース粉末>
セルロース粉末とは、一般に結晶セルロース、粉末セルロース等と称されるものであり、医薬品添加剤又は食品添加物として好適に用いられるものである。セルロース粉末として好ましくは、結晶セルロースである。結晶セルロースとしては、たとえば、食品添加物公定書第8版に記載された微結晶セルロースや、日本薬局方(第17改定)に記載に記載された結晶セルロース、米国薬局方、欧州薬局方などに記載された結晶セルロースが知られている。
本実施形態のセルロース粉末は、平均粒子径が10μm以上であり、13μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましく、17μm以上がさらに好ましく、20μm以上がさらに好ましく、25μm以上がさらに好ましく、30μm以上が特に好ましい。また、本実施形態のセルロース粉末は、平均粒子径が300μm以下であり、200μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、80μm以下がさらに好ましく、60μm以下が特に好ましい。
平均粒子径が上記上限値以下であることにより、薬物等の活性成分と均一に混合されやすく、錠剤としたときの崩壊性がより良好になる。一方、平均粒子径が上記下限値以上であることにより、取り扱い性がより良好になる。
なお、セルロース粉末の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計(LA-950 V2型(商品名)、堀場製作所製)で測定される累積体積50%の粒子径である。
従来、医薬品添加剤又は食品添加剤として使用されるセルロース粉末は、純度が99.5%以上のものが用いられていた。これに対して、本実施形態のセルロース粉末は、従来では不純物として排除されていたヘミセルロースを一定量以上含有する。ヘミセルロースは電荷を有さず、静電気の影響を軽減し、帯電性の高い活性成分の回収率が良好になるものと推察される。また、ヘミセルロースは、セルロースよりも水を吸いやすく、錠剤の内部へ水を呼び込みやすい性質を有するため、後述する錠剤において、崩壊性が良好になるものと推察される。また、セルロース粉末がヘミセルロースを適量含むことにより、錠剤の保存安定性が良好になることも確認されている。なお、上記メカニズムと異なるメカニズムで所望の効果が得られる場合であっても、技術的範囲に含まれる。
本実施形態のセルロース粉末に含まれるヘミセルロースは、当該セルロース粉末を酸により加水分解し、得られた加水分解物に含まれる構成糖から、ヘミセルロースを間接的に検出することができる。ヘミセルロースの構成糖として代表的なものは、マンノース、キシロースであり、これらをヘミセルロースの指標として用いる。
本実施形態の錠剤に含まれる多糖類の構成糖は、錠剤から多糖類を回収した後、当該多糖類を酸により加水分解し、得られた加水分解物を、高速液体クロマトグラフ法を用いて測定することで検出することができる。錠剤から多糖類を回収する方法としては、例えば、セルロース、ヘミセルロースが溶けない溶媒(アセトン、エタノール、冷水など)で錠剤を洗浄し、残渣を回収することが挙げられる。
次いで、多糖類の構成糖の比率の算出方法としては、具体的には、まず、多糖類:0.6gを採取し、72%硫酸:5mLを加えて、室温にて1時間撹拌する。さらに、純水で18倍希釈し(4%硫酸)、オートクレーブ中(121℃)で1時間反応させ、硫酸加水分解反応を行う。冷却後、2N水酸化ナトリウム水溶液で中和し、純水で定容(200mL)し、ろ紙で濾過する。得られた濾液を純水で適宜希釈し、得られた希釈液を以下に示す条件の高速液体クロマトグラフ法にて分析し、各糖の含有量を定量する。各構成糖の比率は、グルコース、キシロース及びマンノースの合計に対する質量分率として求める。
(測定条件)
機種:LC-20AD(島津製作所)
検出器:蛍光分光光度計RF-20Axs(島津製作所)、蛍光励起波長320nm、蛍光測定波長430nm
カラム:TSKgel SUGAR AXI、φ4.6mm×150mm(東ソー)
カラム温度:60℃
移動相:0.5mol/Lホウ酸緩衝液(pH8.7)、0.4mL/min
注入量:20μL
ポストカラム:反応液1w/v%のL-アルギニン溶液、反応液流量0.7mL/min、反応温度150℃
本実施形態のセルロース粉末において、前記加水分解物中のグルコース、マンノース及びキシロースの合計質量に対するグルコースの含有量が87.0質量%以上99.3質量%以下であることが好ましい。89.0質量%以上99.0質量%以下が好ましく、90.0質量%以上99.0質量%以下がより好ましく、91.0質量%以上98.5質量%以下がさらに好ましく、92.0質量%以上98.0質量%以下が特に好ましい。
本実施形態のセルロース粉末においては、前記加水分解物中のグルコース、マンノース及びキシロースの合計質量に対するマンノースの含有量が0.2質量%以上であり、0.2質量%以上5.0質量%以下が好ましく、0.3質量%以上4.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以上4.0質量%以下がさらに好ましく、0.4質量%以上3.8質量%以下が特に好ましい。
マンノースの含有量が上記下限値以上であることで、得られる顆粒の静電量をより低くすることができ、また錠剤の崩壊性がより良好になる傾向がある。一方で、マンノースの含有量が上記上限値以下であることで、錠剤中の活性成分の均一性がより良好になる傾向がある。また、錠剤の保存安定性がより良好になる傾向がある。
また、前記加水分解物中のグルコース、マンノース及びキシロースの合計質量に対するキシロースの含有量が0.5質量%以上であり、0.5質量%以上8.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以上7.0質量%以下がより好ましく、1.3質量%以上6.5質量%以下がさらに好ましく、1.6質量%以上6.3質量%以下が特に好ましい。
キシロースの含有量が上記下限値以上であることで、原薬回収率により優れる錠剤が得られる。一方で、キシロースの含有量が上記上限値以下であることで、錠剤中の活性成分の均一性がより良好になる傾向がある。また、錠剤の崩壊性がより良好になる傾向がある。一方で、キシロースの含有量が上記上限値以下であることで、錠剤の保存安定性がより良好になる傾向がある。
また、前記加水分解物中のグルコース、マンノース及びキシロースの合計質量に対するマンノース及びキシロースの合計含有量の下限値としては、0.7質量%以上であることが好ましく、上限値としては13.0質量%以下が好ましい。また、1.3質量%以上11.5質量%以下がより好ましく、2.0質量%以上10.5質量%以下がさらに好ましく、3.0質量%以上10.1質量%以下が特に好ましく、3.5質量%以上9.0質量%以下が最も好ましい。
マンノース及びキシロースの合計含有量が上記下限値以上であることで、錠剤の崩壊性をより良好に保ちながら、原薬回収率により優れる錠剤が得られる。一方、マンノース及びキシロースの合計含有量が上記上限値以下であることで、錠剤中の活性成分の均一性がより良好になる傾向がある。また、錠剤の保存安定性がより良好になる傾向がある。
また、前記加水分解物中のマンノースに対するキシロースの質量比(キシロース/マンノース)は、0.5以上10以下が好ましく、0.7以上8.0以下がより好ましく、1.0以上6.0以下がさらに好ましく、1.2以上5.0以下が特に好ましく、1.3以上4.5以下が最も好ましい。
キシロース/マンノースが上記下限値以上であることで、崩壊性により優れる錠剤が得られる傾向があり、一方、上記上限値以下であることで、原薬回収率により優れる錠剤が得られる傾向がある。また、錠剤の保存安定性がより良好になる傾向がある。
セルロース粉末中のヘミセルロースの含有量及びヘミセルロース中の構成糖の比率は、例えば、使用する原料パルプの種類の選択、セルロース粉末製造時の精製条件等を適宜変更することで、調整することができる。具体的には、例えば、ヘミセルロースを多く含む原料パルプを用いる方法、ヘミセルロース中にマンノース及びキシロースを所望の割合で含む原料パルプを用いる方法、セルロース粉末の精製時に冷水を用いる方法等により、セルロース粉末中のヘミセルロースの含有量を増やすことができる。また、ヘミセルロースをセルロース粉末に添加したり、2種以上のセルロース水分散液を混合し、乾燥させること方法により、ヘミセルロースの割合(加水分解物中のマンノース及びキシロースの含有量)を任意に調整することができる。
本実施形態のセルロース粉末は、ゆるみ嵩密度が0.10g/cm以上0.40g/cm以下が好ましく、0.10g/cm以上0.39g/cm以下がより好ましく、0.11g/cm以上0.38g/cm以下がさらに好ましい。ゆるみ嵩密度が上記下限値以上であることにより、圧縮成形性をより向上させることができる。一方、ゆるみ嵩密度が上記上限値以下であることにより、充填性がより良好になる。
ゆるみ嵩密度は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
本実施形態のセルロース粉末は、かため嵩密度が0.25g/cm以上0.57g/cm以下が好ましく、0.25g/cm以上0.56g/cm以下がより好ましく、0.26g/cm以上0.55g/cm以下がさらに好ましい。かため嵩密度が上記下限値以上であることにより、薬物等の活性成分と均一に混合されやすく、取り扱い性がより良好になる。一方、かため嵩密度が上記上限値以下であることにより、活性成分やその他添加剤の粒子との密度差による偏析が生じることをより効果的に抑制することができる。
かため嵩密度は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
本実施形態のセルロース粉末において、圧縮度の範囲は、偏析防止と粉体の取り扱い性の観点から、21%以上70%以下であることが好ましく、23%以上65%以下がより好ましく、25%以上60%以下がさらに好ましい。また、圧縮度が30%以上58%以下であると、セルロース粉末自身の流動性がさらに良好になり、好ましい。セルロース粉末の流動性の観点においては、30%以上54%以下がより好ましく、30%以上48%以下がさらに好ましく、31%以上44%以下が最も好ましい。
圧縮度は、後述する実施例に記載の方法を用いて算出することができる。
本実施形態のセルロース粉末において、一次粒子相当の平均粒子径(以下、「一次粒子相当径」と略記する場合がある)は10μm以上50μm以下が好ましく、13μm以上35μm以下がより好ましく、14μm以上30μm以下がさらに好ましい。一次粒子相当粒径が上記範囲内であることにより、薬物等の活性成分と均一に混合されやすく、錠剤としたときの崩壊性がより良好になる。
なお、一次粒子とは単位粒子であり、一次粒子が凝集したものを二次粒子(aggregate,agglomerate)という。二次粒子は水中で分散させると、凝集が解け、一次粒子に戻すことができる。
一次粒子相当の平均粒子径は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
本実施形態のセルロース粉末において、セルロース粒子の短径に対する長径の比、すなわち、アスペクト比(L/D)は1.7以上4.5以下が好ましく、1.8以上4.0以下がより好ましく、2.0以上3.8以下がさらに好ましく、2.2以上3.5以下が特に好ましい。アスペクト比が上記範囲内であることにより、活性成分との混合性も良好であり、細長い粒子同士の絡み合いも適度であり、成形性と崩壊性のバランスに優れる。
アスペクト比(L/D)は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
本実施形態のセルロース粉末において、安息角の下限値は44°が好ましく、45°がより好ましく、46°がさらに好ましく、48°が特に好ましい。安息角が上記下限値以上であることにより、造粒中に造粒槽内で適度に舞い上がりやすくなり、粉体が造粒装置に付着するのを防止し、粉体の回収率を向上させることができる。また、粉末が圧縮成形され、錠剤化された時に錠剤内の空隙が形成されやすくなり、錠剤の崩壊性により優れる。
一方、安息角の上限としては、特に限定されないが、理論上は90°未満である。安息角は粉体の分野で一般的に用いられる流動性の指標であり、安息角が低いほど流動性に優れるものであり、薬効成分や他の成分と均一に混合しやすくなる。粉体回収量と流動性のバランスおよび崩壊性と流動性のバランスの観点から、安息角の上限値は80°が好ましく、70°がより好ましく、60°がさらに好ましい。
<セルロース粉末の製造方法>
以下に本実施形態のセルロース粉末の製造方法について記述する。
本実施形態のセルロース粉末は、例えば、加水分解処理された天然セルロース系物質を適当な媒体に分散してセルロース水分散液を得る工程、該水分散液を乾燥する工程を含むことにより得られる。該セルロース水分散液の固形分濃度は特に限定されるものではなく、例えば、1質量%以上30質量%以下とすることができる。この場合、加水分解処理により得られる加水分解反応溶液から、加水分解処理されたセルロース系物質を含む固形分を単離し、別途これを適当な媒体に分散させて調製した分散液を乾燥してもよい。また、同加水分解溶液がそのままの状態で、セルロース分散液を形成している場合はこの分散液を直接乾燥することもできる。
天然セルロース系物質とは、植物性でも動物性でもよく、例えば、木材、竹、コットン、ラミー、ホヤ、バガス、ケナフ、バクテリアセルロース等のセルロースを含有する天然物由来の繊維質物質であり、セルロースI型の結晶構造を有していることが好ましい。原料として、前記のうち1種の天然セルロース系物質を使用してもよく、2種以上を混合したものを使用することも可能である。また、精製パルプの形態で使用することが好ましいが、パルプの精製方法には特に制限はなく、溶解パルプ、クラフトパルプ、NBKPパルプ等いずれのパルプを使用してもよい。
前記製法において、天然セルロース系物質を含む固形分を、適当な媒体に分散させる場合に用いられる媒体としては、水が好ましいが、工業的に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、有機溶剤を使用してもよい。有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、2-メチルブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素類;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類が挙げられる。特に有機溶剤は、医薬品に使用されるものが好ましく、そのようなものとしては「医薬品添加物事典2016」(薬事日報社(株)発行)に溶剤として分類されるものが挙げられる。水、有機溶剤はそれを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよく、1種の媒体で一旦分散させたのち、その媒体を除去し、異なる媒体に分散させてもよい。
例えば、平均幅が2μm以上30μm以下、平均厚みが0.5μm以上5μm以下のパルプ繊維を、加圧下0.01質量%以上1.0質量%以下の塩酸中で70℃以上140℃以下の温度で攪拌機を回しながら加水分解を行う。
加水分解の進行度は、攪拌機のモーター動力(P:単位W)と撹拌容量(L:単位L)を調整することで制御できる。例えば、下記式で表されるP/Vを調整することで、最終的に得られるセルロース粒子の平均粒子径を200μm以下に制御することが可能である。
P/V(W/L)=[撹拌機のモーター実動力(W)]/[撹拌容量(L)]
天然セルロース系物質の加水分解後に得られる不溶解性残渣を、水や有機溶剤等を用いて洗浄した後に、洗浄後の不溶解性残渣を用いてセルロース水分散液を調製することが好ましい。洗浄に用いる水や有機溶剤の温度は0℃以上10℃以下であることが好ましい。温度が上記範囲内だと、ヘミセルロースの構成糖であるマンノースの含有量を0.2質量%以上及びヘミセルロースの構成糖であるキシロースの含有量を0.5質量%以上に制御しやすい。
セルロース水分散液を乾燥させてセルロース粉末を得る際の乾燥方法は、特に制限はない。例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥、ドラム乾燥、棚乾燥、気流乾燥、真空乾燥のいずれを使用してもよく、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。噴霧乾燥する際の噴霧方法は、ディスク式、加圧ノズル、加圧二流体ノズル、加圧四流体ノズル等のいずれの噴霧方法でもよく、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記の噴霧乾燥の際には、分散液の表面張力を下げる目的で、微量の水溶性高分子、界面活性剤を添加してもよく、媒体の気化速度を促進させる目的で分散液に発泡剤又はガスを添加してもよい。
天然セルロース系物質の加水分解後に得られる不溶解性残渣を洗浄する溶液の温度を制御することによってヘミセルロースの構成糖であるマンノース及びキシロースそれぞれの含有量が特定の範囲である不溶解性残渣が得られ、セルロース水分散液を調製する際の酸濃度及び撹拌条件を制御することによって平均粒子径が特定の大きさであるセルロース分散粒子を含むセルロース水分散液が得られ、さらにこのセルロース水分散液を乾燥する際のセルロース水分散液の固形分濃度や乾燥条件を調整することによって、得られるセルロース粉末の平均粒子径、圧縮率、安息角を制御できる。例えば、セルロース水分散液の乾燥をディスク式噴霧乾燥で行う場合、セルロース水分散液を調製する際の撹拌動力を特定の範囲にし、かつ噴霧乾燥時のセルロース水分散液の固形分濃度とディスク式噴霧乾燥の回転数の条件を特定の範囲にすることによって、平均粒子径、圧縮率、安息角が特定の範囲内であるセルロース粉末が得られる。
また、後述する実施例に記載のとおり、異なる条件で製造された2種以上のセルロース水分散液を混合し、乾燥させることで、平均粒子径、並びにヘミセルロースの構成糖であるマンノース及びキシロースそれぞれの含有量が特定の範囲内であるセルロース粉末を得てもよい。
乾燥後のセルロース粉末の平均粒子径が300μmより大きい場合でも、後述する粉砕工程に供することにより、平均粒子径は10μm以上300μm以下に調整可能である。
粉砕工程では、乾燥後のセルロース粉末を、超遠心粉砕機(ZM-200、Retsch製)、ジェットミル(STJ-200、セイシン企業製)やハンマーミル(H-12、ホソカワミクロン製)、バンタムミル(AP-B、ホソカワミクロン製)ピンミル(160Z、パウレック製)フェザミル(FM、ホソカワミクロン製)、ハンマーミル(HM-600、奈良機械製作所製)、フラッシュミル(FL-250N、ダルトン製)、ボールミル(Emax、Retsch製)、振動ボールミル(2C、TRU製)、スクリーンを通過させるスクリーンミル(U30、パウレック製)等の粉砕機で粉砕することにより実施できる。特に、ジェットミル粉砕機(STJ-200、セイシン企業製)は、高い空気圧で粒子同士を衝突させながら粉砕する気流式粉砕機であり、二次粒子が破砕され一次粒子化しやすいため、好ましい。
ジェットミル粉砕機の粉砕条件は、粉末の供給量と粉砕圧力が重要であり、ジェットミル粉砕機(STJ-200、セイシン企業製)を使用した場合の供給量は、10kg/時間以上20kg/時間以下が好ましく、15kg/時間以上20kg/時間以下がさらに好ましい。また、粉砕圧力は、0.15MPa以上0.70MPa以下が好ましく、0.30MPa以上0.50MPa以下がさらに好ましい。粉末の供給量と粉砕圧力が上述の範囲であると、平均粒子径10μm以上300μm以下に制御しやすい傾向にある。
<使用用途>
本実施形態のセルロース粉末は、活性成分を含む組成物に配合することで、崩壊性を良好に保ちながら、原薬回収率に優れる錠剤が得られる。
<錠剤>
本実施形態の錠剤は、錠剤の総質量に対して50質量%以上99質量%以下の薬効成分と、錠剤の総質量に対して1質量%以上49質量%以下の多糖類と、を含む。前記多糖類の硫酸による加水分解物は、前記加水分解物中のグルコース、マンノース及びキシロースの合計質量に対するグルコースの含有量が89質量%以上99質量%以下であり、前記加水分解物中のグルコース、マンノース及びキシロースの合計質量に対するマンノースの含有量が0.2質量%以上であり、前記加水分解物中のグルコース、マンノース及びキシロースの合計質量に対するキシロースの含有量が0.5質量%以上である。
本実施形態の錠剤は、50質量%以上の薬効成分を含むが、上記構成を有する多糖類を含むことで、崩壊性を良好に保ちながら、保存安定性に優れる。
[多糖類]
本実施形態の錠剤中の多糖類の含有量は、錠剤の総質量に対して1質量%以上49質量%以下であり、3質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量以下がより好ましく、7質量%以上17質量%以下がさらに好ましい。
多糖類の含有量が上記範囲内であることで、本実施形態の錠剤は崩壊性を良好に保ちながら、保存安定性に優れる。
本実施形態の錠剤に含まれる多糖類としては、構成糖としてグルコース、マンノース及びキシロースを含むものであればよく、特別な限定はない。中でも、多糖類としては、本実施形態のセルロース粉末であることが好ましい。
本実施形態の錠剤に対する上記セルロース粉末の配合割合は、任意の割合で混ぜることができるが、錠剤全体の質量に対して90質量%以下が実用的に好ましい範囲である。下限値は0.1質量%が実用的である。活性成分を多く含む錠剤に使用する場合、0.1質量%以上50質量%以下程度が好ましく、0.1質量%以上20質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上10質量%以下がさらに好ましい。
[活性成分]
本実施形態の錠剤中の薬効成分の含有量は、錠剤の総質量に対して、50質量%以上99質量%以下であり、50質量%以上95質量%以下が好ましい。本実施形態の錠剤は、薬効成分を50質量%以上と多く含むが、上記多糖類を含むことで、崩壊性を良好に保ちながら、保存安定性に優れる。
本明細書において、活性成分とは、混合粉体、成形物、加工物等に対して、医薬品、健康食品、食品、工業分野等で目的とする機能や効果を発揮させるために添加するものをいう。例えば、医薬品分野における活性成分は、医薬品薬効成分である。
本実施形態の錠剤に含まれる活性成分としては、本発明の効果を顕著に奏することができることから、帯電性の高い活性成分が好ましい。具体的には、摩擦帯電量が+0.1nC/g以上、又は、-0.1nC/g以下であることが好ましく、+0.5nC/g以上、又は、-0.5nC/g以下であることがより好ましく、1.0nC/g以上、又は、-1.0nC/g以下であることがさらに好ましい。なお、活性成分の摩擦帯電量は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
以下に、本実施形態の錠剤に含まれる活性成分として好適なものを例示する。
医薬品薬効成分としては、例えば、解熱鎮痛消炎薬、催眠鎮静薬、眠気防止薬、鎮暈薬、小児鎮痛薬、健胃薬、制酸薬、消化薬、強心薬、不整脈用薬、降圧薬、血管拡張薬、利尿薬、抗潰瘍薬、整腸薬、骨粗鬆症治療薬、鎮咳去痰薬、抗喘息薬、抗菌剤、頻尿改善剤、滋養強壮剤、ビタミン剤等が挙げられる。薬効成分は、それを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
具体的には、例えば、アスピリン(-8.6nC/g)、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン(-16.7nC/g)、エテンザミド(+3.9nC/g)、サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、塩酸イソチベンジル、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェテロール、塩酸トリプロリジン、塩酸トリペレナミン、塩酸トンジルアミン、塩酸フェネタジン、塩酸メトジラジン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、サリチル酸ナトリウム(-1.4nC/g)、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、酒石酸アリメマジン、スルピリン(+4.9nC/g)、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオクル酸ジフェニルピラリン、ナパジシル酸メブヒドロリン、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、マレイン酸カルビノキサミン、dl-マレイン酸クロルフェニラミン、d-マレイン酸クロルフェニラミン(+0.1nC/g)、リン酸ジフェテロール、塩酸アロクラミド、塩酸クロペラスチン、クエン酸ペントキシベリン(クエン酸カルベタペンタン)、クエン酸チペピジン、ジブナートナトリウム、臭化水素酸デキストロメトルファン、デキストロメトルファン・フェノールフタリン酸、ヒベンズ酸チペピジン、フェンジゾ酸クロペラスチン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、塩酸ノスカピン、ノスカピン、dl-塩酸メチルエフェドリン、dl-メチルエフェドリンサッカリン塩、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン、安息香酸ナトリウムカフェイン、カフェイン、無水カフェイン、ビタミンB1及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンB2及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンC(-0.5nC/g)及びその誘導体並びにそれらの塩類、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンB6及びその誘導体並びにそれらの塩類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酢酸、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩(アルミニウムグリシネート)、水酸化アルミニウムゲル(乾燥水酸化アルミニウムゲルとして)、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、塩酸ラニチジン、シメチジン、ファモチジン、ナプロキセン、ジクロフェナックナトリウム、ピロキシカム、アズレン、インドメタシン、ケトプロフェン、イブプロフェン(-12.0nC/g)、塩酸ジフェニドール、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸プロメタジン、塩酸メクリジン(+4.0nC/g)、ジメンヒドリナート、タンニン酸ジフェンヒドラミン、タンニン酸フェネタジン、テオクル酸ジフェニルピラリン、フマル酸ジフェンヒドラミン、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩、臭化水素酸スポコラミン、塩酸オキシフェンサイクリミン、塩酸ジサイクロミン、塩酸メチキセン、臭化メチルアトロピン、臭化メチルアニソトロピン、臭化メチルスポコラミン、臭化メチル-1-ヒヨスチアミン、臭化メチルベナクチジウム、ベラドンナエキス、ヨウ化イソプロパミド、ヨウ化ジフェニルピペリジノメチルジオキソラン、塩酸パパベリン、アミノ安息香酸、シュウ酸セシウム、ピペリジルアセチルアミノ安息香酸エチル、アミノフィリン(-0.1nC/g)、ジプロフィリン、テオフィリン、炭酸水素ナトリウム、フルスルチアミン、硝酸イソソルバイド、エフェドリン、セファレキシン、アンピシリン、スルフィキサゾール、スクラルファート、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素等、マオウ、ナンテンジツ、オウヒ、オンジ、カンゾウ、キキョウ、シャゼンシ、シャゼンソウ、セネガ、バイモ、ウイキョウ、オウバク、オウレン、ガジュツ、カミツレ、ケイヒ、ゲンチアナ、ゴオウ、獣胆(ユウタンを含む)、シャジン、ショウキョウ、ソウジュツ、チョウジ、チンピ、ビャクジュツ、地竜、チクセツニンジン、ニンジン、カノコソウ、ボタンピ、サンショウ及びこれらのエキス等、インスリン、バゾプレッシン、インターフェロン、ウロキナーゼ、セラチオペプチターゼ、ソマトスタチン等の「日本薬局方」、「日本薬局方外医薬品規格(局外基)」、「米国薬局方(USP)」、「国民医薬品集(NF)」、「ヨーロッパ薬局方(EP)」に記載の医薬品薬効成分等を挙げることができる。前記から選ばれる1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
健康食品用の活性成分としては、健康増強を目的のために配合する成分であれば限定されないが、例えば、青汁粉末、アグリコン、アガリクス、アシュワガンダ、アスタキサンチン、アセロラ、アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、ヒスチジン、シスチン、システイン(-0.4nC/g)、チロシン、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、海藻粉末、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、プロリン、セリン等)、アルギン酸、いちょう葉エキス、イワシペプチド、ウコン、ウロン酸、エキナセア、エゾウコギ、オリゴ糖、オレイン酸、核タンパク、カツオブシペプチド、カテキン、カリウム、カルシウム、カロチノイド、ガルシニア、L-カルニチン、キトサン、共役リノール酸、キダチアロエ、ギムネマシルベスタエキス、クエン酸、クミスクチン、グリセリド、グリセノール、グルカゴン、クルクミン、グルコサミン、L-グルタミン、クロレラ、クランベリーエキス、キャッツクロー、ゲルマニウム、酵素、高麗人参エキス、コエンザイムQ10、コラーゲン、コラーゲンペプチド、コリウスフォルスコリン、コンドロイチン、サイリウムハスク末、サンザシエキス、サポニン、脂質、L-シスチン、シソエキス、シトリマックス、脂肪酸、植物ステロール、種子エキス、スピルリナ、スクワレン、セイヨウシロヤナギ、セラミド、セレン、セントジョーンズワートエキス、大豆イソフラボン、大豆サポニン、大豆ペプチド、大豆レシチン、単糖、タンパク質、チェストツリーエキス、鉄、銅、ドコサヘキサエン酸、トコトリエノール、納豆キナーゼ、納豆菌培養エキス、ナイアシンナトリウム、ニコチン酸、二糖、乳酸菌、ニンニク、ノコギリヤシ、発芽米、ハトムギエキス、ハーブエキス、バレリヤンエキス、パントテン酸、ヒアルロン酸、ビオチン、ピコリン酸クロム、ビタミンA、ビタミンA2 ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ヒドロキシチロソール、ビフィズス菌、ビール酵母、フラクトオリゴ糖、フラボノイド、ブッチャーズブルームエキス、ブラックコホシュ、ブルーベリー、プルーンエキス、プロアントシアニジン、プロテイン、プロポリス、ブロメライン、プロバイオティクス、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、β-カロチン、ペプチド、ベニバナエキス、マイタケエキス、マカエキス、マグネシウム、マリアアザミ、マンガン、ミトコンドリア、ミネラル、ムコ多糖、メラトニン、メシマコブ、メリロートエキス末、モリブデン、野菜粉末、葉酸、ラクトース、リコピン、リノール酸、リポ酸、燐(リン)、ルテイン、レシチン、ロズマリン酸、ローヤルゼリー、DHA、EPA等が挙げられる。
活性成分は、水溶性の他、難溶性であってもよい。「難溶性」とは、第17改正日本薬局方において、溶質1gを溶かすのに必要な水量が30mL以上必要であることを指す。
水難溶性で固体状の活性成分としては、例えば、アセトアミノフェン、イブプロフェン、安息香酸、エテンザミド、カフェイン、カンフル、キニーネ、グルコン酸カルシウム、ジメチルカプロール、スルフアミン、テオフィリン、テオプロミン、リボフラビン、メフェネシン、フェノバービタル、アミノフィリン、チオアセタゾン、クエルセチン、ルチン、サリチル酸、テオフィリンナトリウム塩、ピラピタール、塩酸キニーネ、イルガピリン、ジキトキシン、グリセオフルビン、フェナセチン等の解熱鎮痛薬、神経系医薬、鎮静催眠薬、筋弛緩剤、血圧硬化剤、抗ヒスタミン剤等;アセチルスピラマイシン、アンピシリン、エリスロマイシン、キサタマイシン、クロラムフェニコール、トリアセチルオレアンドマイシン、ナイスタチン、硫酸コリスチン等の抗生物質;メチルテストステロン、メチルアンドロステトロンジオール、プロゲステロン、エストラジオールベンゾエイト、エチニレストラジオール、デオキシコルチコステロン・アセテート、コーチゾンアセテート、ハイドロコーチゾン、ハイドロコーチゾンアセテート、ブレドニゾロン等のステロイドホルモン剤;ジエンストロール、ヘキサストロール、ジエチルスチルベステロール、ジエチルスチルベステロールジブロヒオネイト、クロロトリアニセン等の非ステロイド系卵黄ホルモン剤;その他脂溶性ビタミン類等の、「日本薬局方」、「局外基」、「USP」、「NF」、「EP」に記載の医薬品薬効成分等を挙げることができる。前記から選ばれる1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。水難溶性であれば、昇華性、表面極性の程度にかかわらず、本実施形態の錠剤に活性成分として配合することで、本発明の効果が得られるものである。
活性成分は、水難溶性の油状、液状のものであってもよい。活性成分中の水難溶性の油状、液状活性成分としては、例えば、テプレノン、インドメタシン・ファルネシル、メナテトレノン、フィトナジオン、ビタミンA油、フェニペントール、ビタミンD、ビタミンE等のビタミン類、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、肝油等の高級不飽和脂肪酸類、補酵素Q類、オレンジ油、レモン油、ペパーミント油等の油溶性香味料等の「日本薬局方」、「局外基」、「USP」、「NF」、「EP」に記載の医薬品薬効成分等が挙げられる。ビタミンEには種々の同族体、誘導体があるが、常温で液状であれば特に限定されない。例えばdl-α-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、d-α-トコフェロール、酢酸d-α-トコフェロール等を挙げることができる。前記から選ばれる1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
活性成分は、水難溶性の半固形状の活性成分のものでもよい。活性成分中の水難溶性の半固形状としては、例えば地竜、カンゾウ、ケイヒ、シャクヤク、ボタンピ、カノコソウ、サンショウ、ショウキョウ、チンピ、マオウ、ナンテンジツ、オウヒ、オンジ、キキョウ、シャゼンシ、シャゼンソウ、石蒜、セネカ、バイモ、ウイキョウ、オウバク、オウレン、ガジュツ、カミツレ、ゲンチアナ、ゴオウ、獣胆、シャジン、ショウキョウ、ソウジュツ、チョウジ、チンヒ、ビャクジュツ、チクセツニンジン、ニンジン、葛根湯、桂枝湯、香蘇散、紫胡桂枝湯、小紫胡湯、小青竜湯、麦門冬湯、半夏厚朴湯、麻黄湯等の漢方又は生薬エキス類;カキ肉エキス、プロポリス及びプロポリス抽出物、補酵素Q類等を挙げることができる。前記から選ばれる1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
活性成分は、昇華性のものでもよい。昇華性の活性成分としては、例えば、安息香酸、エテンザミド、カフェイン、カンフル、サリチル酸、フェナセチン、イブプロフェン等の「日本薬局方」、「局外基」、「USP」、「NF」、「EP」に記載される昇華性の医薬品薬効成分等を挙げることができる。前記から選ばれる1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書でいう昇華性の活性成分とは、昇華性を有するものであれば、特に制限されるものではなく、常温で固体状であっても、液体状であっても、半固体状であっても、いずれの状態でもよい。
本実施形態の錠剤において、錠剤総質量の50質量%以上99質量%以下が薬効成分であるため、1錠当たりの投与量の多い薬効成分を用いることが好ましい。具体的には1錠当たり最大配合量が100mg超の薬効成分が好ましい。ただし、1錠当たりの最大配合量が中程度(10mg超100mg以下)の薬効成分や、1錠当たりの最大配合量が少ない(10mg以下)の薬効成分を使用してもよい。
1錠当たり最大配合量が100mg超の薬効成分としては、例えば、Abacavir(アバカビル)、acetazolamide(アセタゾラミド)、acetylsalicylic acid(アセチルサリチル酸)、aciclovir(アシクロビル)、albendazole(アルベンダゾール)、Aliskiren Fumarate(アリスキレンフマル酸塩)、Allopurinol(アロプリノール)、Amiodarone(アミオダロン)、Amodiaquine(アモジアキン)、Amoxicllin(アモキシシリン)、Aprepitant(アプレピタント)、Artemether(アルテムエーテル)、Artesunate(アーテスネート)、Atazanavir(アタザナビル)、calcium(カルシウム)、capecitabine(カペシタビン)、carbamazepine(カルバマゼピン)、carbidopa(カルビドパ)、cefalexin(セファレキシン)、cefixime(セフィキシム)、Celecoxib(セレコキシブ)、Chloroquine(クロロキン)、Ciprofloxacin(シプロフロキサシン)、Clarithromycin(クラリスロマイシン)、Clavulanate Potassium(クラブラン酸カリウム)、clopidogrel(クロピドグレル)、clozapine(クロザピン)、cycloserine(シクロセリン)、darunavir(ダルナビル)、Darunavir ethanolate(ダルナビルエタノール付加物)、dasabuvir(ダサブビル)、dasatinib(ダサチニブ)、Deferasirox(デフェラシロクス)、Dihydroartemisinin piperaquine phosphate(ジヒドロアルテミシニン ピペラキンリン酸塩)、Diloxanide(ジロキサニド)、Efavirenz(エファビレンツ)、emtricitabine(エムトリシタビン)、Erlotinib hydrochloride(エルロチニブ塩酸塩)、ethambutol(エタンブトール)、ethionamide(エチオナミド)、Famciclovir(ファムシクロビル)、Gefitinib(ゲフィチニブ)、Griseofulvin(グリセオフルビン)、Hydroxycarbamide(ヒドロキシカルバミド)、Hydroxychloroquine(ヒドロキシクロロキン)、ibuprofen(イブプロフェン)、imatinb(イマチニブ)、Irbesartan(イルベサルタン)、Isoniazid(イソニアジド)、lamivudine(ラミブジン)、lamotrigine(ラモトリギン)、Lanthanum carbonate hydrate(炭酸ランタン水和物)、Ledipasvir(レディパスビル)、Levamisole(レバミゾール)、Levetiracetam(レベチラセタム)、Levodopa (レボドパ)、levofloxacin(レボフロキサシン)、linezolid(リネゾリド)、lithium carbonate(炭酸リチウム)、lopinavir (ロピナビル)、lumefantrine(ルメファントリン)、mebendazole(メベンダゾール)、mefloquine(メフロキン)、mesna(メスナ)、metformin(メトホルミン)、methyldopa(メチルドパ)、metronidazole(メトロニダゾール)、morphine(モルヒネ)、moxifloxacin(モキシフロキサシン)、nevirapine(ネビラピン)、niclosamide(ニクロサミド)、nifurtimox(ニフルチモクス)、ombitasvir(オムビタスビル)、p-aminosalicylic acid(p-アミノサリチル酸)、paracetamol(パラセタモール)、paritaprevir(パリタプレビル)、penicillamine(ペニシラミン)、pentamidine(ペンタミジン)、phenoxymethylpenicillin(フェノキシメチルペニシリン)、Pirfenidone(ピルフェニドン)、praziquantel(プラジカンテル)、pyrantel(ピランテル)、pyrazinamide(ピラジナミド)、pyronaridine tetraphosphate(四りん酸ピロンアリジン)、quinine(キニーネ)、raltegravir(ラルテグラビル)、ranitidine(ラニチジン)、ribavirin(リバビリン)、rifampicin(リファンピシン)、rifapentine(リファペンチン)、Sevelamer hydrochloride(セベラマー塩酸塩)、Sofosbuvir(ソホスブビル)、Sorafenib tosilate(ソラフェニブトシル酸塩)、Sulfadiazine(スルファジアジン)、sulfamethoxazole(スルファメトキサゾール)、sulfasalazine(スルファサラジン)、tenofovir(テノホビル)、tenofovir disoproxil fumarate(テノホビルジソプロキシルフマレート)、triclabendazole(トリクラベンダゾール)、trimethoprim(トリメトプリム)、valganciclovir(バルガンシクロビル)、valproic acid(バルプロ酸)、velpatasvir(ベルパタスビル)、sodium valproate(バルプロ酸ナトリウム)、Voriconazole(ボリコナゾール)、Zidovudine(ジドブジン)等が挙げられる。
1錠当たりの最大配合量が10mg超100mg以下のものとしては、例えば、Aripiprazole(アリピプラゾール)、Artesunate(アルテスネイト)、ascorbic acid(アスコルビン酸)、azathioprine(アザチオプリン)、Bazedoxifene acetate(バゼドキシフェン酢酸塩)、Bicalutamide(ビカルタミド)、calcium folinate(ホリン酸カルシウム水和物 )、clomifene(クロミフェン)、cyclizine(シクリジン)、cyclophosphamide(シクロホスファミド)、Dasatinib hydrate(ダサチニブ水和物)、Delamanid(デラマニド)、Dolutegravir(ドルテグラビル)、Eletriptan hydrobromide(エレトリブタン臭化水素酸塩)、Febuxostat(フェブキソスタット)、Fluoxetine(フルオキセチン)、Furosemide(フロセミド)、Galantamine Hydrobromide(ガランタミン臭化水素酸塩)、Hydralazine(ヒドララジン)、Hydrochlorothiazide(ヒドロクロロチアジド)、Hydrocortisone(ヒドロコルチゾン)、Memantine Hydrochloride(メマンチン塩酸塩)、Mercaptopurine(メルカプトプリン)、Midazolam(ミダゾラム)、Miltefosine(ミルテフォシン)、Minodronic Acid Hydrate(ミノドロン酸水和物)、Mirtazapine(ミルタザピン)、Neostigmine(ネオスチグミン)、Nicotineamide(ニコチンアミド)、Olmesartan Medoxomil(オルメサルタン メドキソミル)、Omeprazole(オメプラゾール)、Ondansetron(オンダンセトロン)、Pancrelipase(パンクレリパーゼ)、potassium iodine(ヨウ化カリウム)、prednisolone(プレドニゾロン)、primaquine(プリマキン)、primethamine(ピリメタミン)、propranolol(プロプラノロール)、propylthiouracil(プロピルチオウラシル)、pyridoxine(ピリドキシン)、simvastatin(シンバスタチン)、Sitafloxacin hydrate(シタフロキサシン水和物)、Spironolactone(スピロノラクトン)、Tadalafil(タダラフィル)、Tamoxifen(タモキシフェン)、Thiamine(チアミン)、Tioguanine(チオグアニン)、Tolvaptan(トルバプタン)、Ulipristal(ウリプリスタル)、Vardenafil Hydrochloride Hydrate(バルデナフィル塩酸塩水和物)、zinc sulfate(硫酸亜鉛)、Acotiamide hydrochloride hydrate(アコチアミド塩酸塩水和物)、Amitriptyline(アミトリプチリン)、Bedaquline(ベダキリン)、Benznidazole(ベンズニダゾール)、Bosentan hydrate(ボセンタン水和物)、Chlorpromazine(クロルプロマジン)、Cinacalcet hydrochlorid(シナカルセト塩酸塩)、Daclatasvir(ダクラタスビル)、Dapsone(ダプソン)、Diethylcarbamazine(ジエチルカルバマジン)、Doxycycline(ドキシサイクリン)、entacapone(エンタカボン)、Eplerenone(エプレレノン)、Ferrous sulfate(硫酸鉄水和物)、gliclazide(グリクラジド)、Ibandronate SodiumHydrate(イバンドロン酸ナトリウム水和物)、Losartan(ロサルタン)、Miglitol(ミグリトール)、Nitrofurantoin(ニトロフラントイン)、Phenobarbital(フェノバルビタール)、Phenytoin(フェニトイン)、Pyridostigmine(ピリドスチグミン)、Raloxifene Hydrochloride(ラロキシフェン塩酸塩)、Ritonavir(リトナビル)、Succimer(サクシマー)、telmisartan(テルミサルタン)、Topiramate(トピラマート)、Verapamil(ベラパミル)等が挙げられる。
1錠当たりの最大配合量が10mg以下の薬効成分としては、例えば、Anastrozole(アナストロゾール)、Dienogest(ジエノゲスト)、digoxin(ジゴキシン)、Dutasteride(デュタステリド)、Entecavir(エンテカビル)、Entecavir hydrate(エンテカビル水和物)、Ethinylestradiol(エチニルエストラジオール)、Finasteride(フィナステリド)、Fludrocortisone(フルドロコルチゾン)、glyceryl trinitate(グリセリルトリニトラート)、Imidafenacin(イミダフェナシン)、Levothyroxine(レボチロキシン)、Levonorgestrel(レボノルゲストレル)、Misoprostol(ミソプロストール)、Repaglinide(レパグリニド)、Ambrisentan(アンブリセンタン)、Amiloride(アミロライド)、Amlodipine(アムロジピン)、Bepotastine Besilate(ベポタスチンベシル酸塩)、Biperiden(ビペリテン)、Bisoprolol(ビソプロロール)、Blonanserin(ブロナンセリン)、Chlorambucil(クロラムブシル)、Dexamethasone(デキサメタゾン)、Diazepam(ジアゼパム)、Enalapril(エナラプリル)、Ergocalciferol(エルゴカルシフェロール)、Escitalopram Oxalate(エスシタロプラムシュウ酸塩)、Esomeprazole magnesium hydrate(エソメプラゾールマグネシウム水和物)、Eszopiclone(エスゾピクロン)、Ezetimibe(エゼチミブ)、Fludarabine(フルダラビン)、Fluticasone furoate(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)、folic acid(葉酸)、haloperidol(ハロペリドール)、isosorbide dinitrate(二硝酸イソソルビド)、ivermectin(イベルメクチン)、Lenalidomide hydrate(レナリドミド水和物)、Levocetirizine hydrochloride(レボセチリジン塩酸塩)、Levonorgestrel(レボノルゲストレル)、Loperamide(ロペラミド)、Loratadine(ロラタジン)、medroxyprogesterone acetate(メドロキシプロゲステロン酢酸エステル)、methadone(メサドン)、methotrexate(メトトレキサート)、metoclopramide(メトクロプラミド)、Mitiglinide Calcium Hydrate(ミチグリニドカルシウム水和物)、Montelukast Sodium(モンテルカストナトリウム)、Norethisterone(ノルエチステロン)、Paliperidone(パリペリドン)、Phytomenadione(フィトメナジオン)、Ramelteon(ラメルテオン)、Riboflavin(リボフラビン)、Risperidone(リスペリドン)、Rizatriptan benzoate(リザトリプタン安息香酸塩)、Ropinirole Hydrochloride(ロピニロール塩酸塩)、Rosuvastatin Calcium(ロスバスタチンカルシウム)、Senna(センナエキス)、Silodosin(シロドシン)、Solifenacin succinate(コハク酸ソリフェナシン)、Warfarin(ワルファリン)等が挙げられる。
これらの活性成分は、微粉砕された状態で、本実施形態のセルロース粉末と共に本実施形態の錠剤に配合されてもよい。例えば、本明細書において使用される活性成分は、活性成分の分散性を改善する、又は微量で薬効を有する活性成分の混合均一性を改善する等の目的で、平均粒子径が1μm以上40μm以下に微粉砕したものでもよい。活性成分の平均粒子径としては、1μm以上20μm以下がより好ましく、1μm以上10μm以下がさらに好ましい。
[その他の添加剤]
本実施形態の錠剤は、前記のセルロース粉末及び前記の活性成分に加えて、さらに他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、賦形剤、崩壊剤、結合剤流動化剤、滑沢剤、矯味剤等が挙げられる。
セルロース粉末以外の賦形剤としては、アクリル酸デンプン、L-アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、アミノ酢酸、あめ(粉)、アラビアゴム、アラビアゴム末、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルファー化デンプン、軽石粒、イノシトール、エチルセルロース、エチレン酢酸ビニルコポリマー、塩化ナトリウム、オリーブ油、カオリン、カカオ脂、カゼイン、果糖、軽石粒、カルメロース、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、乾燥酵母、乾燥水酸化アルミニウムゲル、乾燥硫酸ナトリウム、乾燥硫酸マグネシウム、カンテン、カンテン末、キシリトール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、グリセリン、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、L-グルタミン、クレー、クレー3、クレー粒、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、軽質流動パラフィン、ケイヒ末、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、結晶セルロース(粒)、ゲンマイコウジ、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、ゴマ油、小麦粉、コムギデンプン、小麦胚芽粉、コメコ、コメデンプン、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸フタル酸セルロース、サフラワー油、サラシミツロウ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、β―シクロデキストリン、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、2,6-ジ-ブチル-4-メチルフェノール、ジメチルポリシロキサン、酒石酸、酒石酸水素カリウム、焼セッコウ、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウム・ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化マグネシウム、スクラワン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、ステアリン酸マグネシウム、ダイズ硬化油、精製ゼラチン、精製セラック、精製白糖、精製白糖球状顆粒、セトステアリルアルコール、ポリエチレングリコール1000モノセチルエーテル、ゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、D-ソルビトール、第三リン酸カルシウム、ダイズ油、大豆不ケン化物、大豆レシチン、脱脂粉乳、タルク、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、中性無水硫酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、デキストリン、天然ケイ酸アルミニウム、トウモロコシデンプン、トラガント末、二酸化ケイ素、乳酸カルシウム、乳糖、乳糖造粒物、パーフィラー101、白色セラック、白色ワセリン、ハクド、白糖、白糖・デンプン球状顆粒、ハダカムギ緑葉エキス末、裸麦芽葉青汁乾燥粉末、ハチミツ、パラフィン、バレイショデンプン、半消化体デンプン、人血清アルブミン、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、フィチン酸、ブドウ糖、ブドウ糖水和物、部分アルファー化デンプン、プルラン、プロピレングリコール、粉末還元麦芽糖水飴、粉末セルロース、ペクチン、ベントナイト、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、マルチトール、マルトース、D-マンニトール、水アメ、ミリスチン酸イソプロピル、無水乳糖、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸カルシウム造粒物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルセルロース、綿実粉、綿実油、モクロウ、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、薬用炭、ラッカセイ油、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、粒状トウモトコシデンプン、流動パラフィン、dl-リンゴ酸、リン酸-水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム造粒物、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム等の「医薬品添加物事典2016」(薬事日報社(株)発行)に賦形剤として分類されるものが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類;カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、コメデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン等のデンプン類;クロスポビドン、クロスポビドンコポリマー等の合成高分子等の「医薬品添加物事典2016」(薬事日報社(株)発行)に崩壊剤として分類されるものを挙げることができる。前記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の錠剤中の崩壊剤の含有量は、錠剤の総質量に対して、0.5質量%以上5.0質量%以下が好ましい。
本実施形態の錠剤では、上記多糖類を用いることで、崩壊剤の含有量をより低減することができ、崩壊性をより良好に保ちながら、保存安定性により優れる錠剤が得られる。
結合剤としては、白糖、ブドウ糖、乳糖、果糖等の糖類;マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール等の糖アルコール類;ゼラチン、プルラン、カラギーナン、ローカストビーンガム、寒天、グルコマンナン、キサンタンガム、タマリンドガム、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム等の水溶性多糖類;結晶セルロース、粉末セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等のセルロース類;アルファー化デンプン、デンプン糊等のデンプン類;ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール等の合成高分子類;リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、合成ヒドロタルサイト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム等の無機化合物類等の「医薬品添加物事典2016」(薬事日報社(株)発行)に結合剤として分類されるものを挙げることができる。前記から選ばれる1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
流動化剤としては、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸等のケイ素化合物類等の「医薬品添加物事典2016」(薬事日報社(株)発行)に流動化剤として分類されるものを挙げることができる。前記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル、タルク等の「医薬品添加物事典2016」(薬事日報社(株)発行)に滑沢剤として分類されるものを挙げることができる。前記から選ばれる1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
矯味剤としては、グルタミン酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、塩化ナトリウム、l-メントール等の「医薬品添加物事典2016」(薬事日報社(株)発行)に矯味剤として分類されるものを挙げることができる。前記から選ばれる1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
香料としては、オレンジ、バニラ、ストロベリー、ヨーグルト、メントール、ウイキョウ油、ケイヒ油、トウヒ油、ハッカ油等の油類、緑茶末等の「医薬品添加物事典2016」(薬事日報社(株)発行)に着香剤、香料として分類されるものを挙げることができる。前記から選ばれる1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
着色剤としては、食用赤色3号、食用黄色5号、食用青色1号等の食用色素、銅クロロフィンナトリウム、酸化チタン、リボフラビン等の「医薬品添加物事典2016」(薬事日報社(株)発行)に着色剤として分類されるものを挙げることができる。前記から選ばれる1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
甘味剤としては、アスパルテーム、サッカリン、ギリチルリチン酸二カリウム、ステビア、マルトース、マルチトール、水飴、アマチャ末等の「医薬品添加物事典2016」(薬事日報社(株)発行)に甘味剤として分類されるものを挙げることができる。前記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
<錠剤の製造方法>
以下に、1種以上の活性成分と本実施形態のセルロース粉末とを含む組成物を錠剤化して錠剤を製造する方法(本実施形態の錠剤の製造方法)について記述するが、これは一例であって、本実施形態の効果は、以下の方法に制限されるものではない。
錠剤の製造方法は、造粒工程と、成形工程とを含む。
造粒工程では、本実施形態のセルロース粉末と活性成分とを混合し、造粒する。本実施形態のセルロース粉末を用いることで、造粒工程で得られる造粒物の原薬回収率を良好にすることができる。造粒工程では、活性成分以外に、必要に応じて他の添加剤を配合してもよい。他の添加剤としては、例えば、前記に示す賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤、矯味剤、香料、着色剤、甘味剤、溶解補助剤等の成分から選ばれる1種以上が挙げられる。
各成分の添加順序には、特に制限がなく、i)活性成分と本実施形態のセルロース粉末と、必要に応じ他の添加剤を一括混合する方法、ii)活性成分と、流動化剤及び滑沢剤のうち少なくともいずれかの添加剤等を前処理混合し、本実施形態のセルロース粉末と、必要に応じ他の添加剤を混合する方法、のいずれでもよい。操作の簡便性から、i)が好ましい。i)又はii)において得られた混合末に、滑沢剤を添加し、さらに混合した後、続く成形工程において、圧縮成型することもできる。各成分の添加方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、小型吸引輸送装置、空気輸送装置、バケットコンベヤ、圧送式輸送装置、バキュームコンベヤ、振動式定量フィーダー、スプレー、漏斗等を用いて連続的に添加しても、一括投入してもよい。噴霧方法としては、圧力ノズル、二流体ノズル、四流体ノズル、回転ディスク、超音波ノズル等を使用し活性成分溶液/分散液を噴霧する方法、管状ノズルから活性成分溶液/分散液を滴下する方法のいずれでもよい。
活性成分を媒体に溶解又は分散する方法としては、通常行われる溶解、分散方法であれば特に制限はないが、ポータブルミキサー、立体ミキサー、側面ミキサー等の1方向回転式、多軸回転式、往復反転式、上下移動式、回転+上下移動式、管路式等の撹拌翼を使用する撹拌混合方法、ラインミキサー等の噴流式撹拌混合方法、気体吹き込み式の撹拌混合方法、高剪断ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等を使用する混合方法でも、シェーカーを使用する容器振とう式混合方法等を用いてもよい。
前記の製造方法において使用する溶剤としては、医薬品に使用されるものであれば、特に制限されるものではないが、例えば水及び有機溶剤のうち少なくともいずれかを使用してもよい。有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、2-メチルブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素類;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類等の「医薬品添加物事典2016」(薬事日報社(株)発行)に溶剤として分類されるものが挙げられる。それを単独で使用してもよく、2種以上を併用することも自由であり、1種の媒体で一旦分散させたのち、その媒体を除去し、異なる媒体に分散させてもよい。
活性成分を媒体に溶解させる際、溶解補助剤として、水溶性高分子、油脂、界面活性剤等を使用してよい。溶解補助剤として用いる水溶性高分子、油脂、界面活性剤は、「医薬品添加物事典2016」(薬事日報社(株)発行)に記載されるものを適宜用いることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
混合方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、V型、W型、ダブルコーン型、コンテナタック型混合機等の容器回転式混合機;高速撹拌型、万能撹拌型、リボン型、パグ型、ナウター型混合機等の撹拌式混合機;高速流動式混合機、ドラム式混合機、流動層式混合機を使用してもよい。またシェーカー等の容器振とう式混合機を使用することもできる。
製造工程において造粒を経る場合の造粒方法としては、乾式造粒、湿式造粒、加熱造粒、噴霧造粒、マイクロカプセル化がある。中でも、湿式造粒法を採用することが好ましい。湿式造粒法は、具体的には流動層造粒法、攪拌造粒法、押し出し造粒法、破砕造粒法、転動造粒法が有効であり、流動層造粒法では、流動層造粒装置の中で、流動化された粉体に結合液を噴霧して造粒する。攪拌造粒法では、結合液を添加しながら、混合槽内で攪拌羽根を回転させることにより、粉体の混合、練合、造粒が密閉構造の中で同時に行われる。押し出し造粒法では、結合液の添加によって練合された湿潤塊をスクリュー式やバスケット式等の方法で、適当な大きさのスクリーンから強制的に押し出すことにより造粒する。破砕造粒法では、結合液の添加によって練合された湿潤塊を造粒機の回転刃で剪断、破砕し、その遠心力によって外周のスクリーンからはじき出すことにより造粒する。転動造粒法では、回転するローターの遠心力によって転動し、この時スプレーガンから噴霧される結合液によって、雪だるま式に粒子径の均一な球形顆粒を成長させていくことにより造粒する。
造粒物の乾燥方法は、熱風加熱型(棚乾燥、真空乾燥、流動層乾燥)、伝導伝熱型(平鍋型、棚段箱型、ドラム型)や、凍結乾燥のようないずれかの方法を使用することもできる。熱風加熱型では、添加剤に熱風を直接接触させ、同時に蒸発水分を除去する。伝導伝熱型では、伝熱壁を通して添加剤を間接的に加熱させる。凍結乾燥では、添加剤を-10℃以上40℃以下で凍結させておき、次に高真空下(1.3×10-5MPa以上2.6×10-4MPa以下)で加温することによって、水を昇華させて除去する。
成形工程では、造粒工程で得られた造粒物を圧縮成形する。圧縮成形方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、臼と杵を使用し所望の形状に圧縮成形する方法、予めシート状に圧縮成形した後所望の形状に割断する方法でもよい。圧縮成形機としては、例えば、静圧プレス機、ブリケッティングローラー型プレス機、平滑ローラー型プレス機等のローラー式プレス機、シングルパンチ打錠機、ロータリー打錠機等の圧縮機を使用できる。
錠剤の成形方法としては、例えば、活性成分と本実施形態のセルロース粉末を混合し、造粒したもの、又は1種以上の活性成分と本実施形態のセルロース粉末と、必要に応じて他の添加剤を混合し、造粒したものを圧縮成型する湿式顆粒圧縮法(直接打錠法)が挙げられる。その他、予め圧縮成形した錠剤を内核とする多核錠の製造方法、予め圧縮した複数の成形体を重ねて再度圧縮する多層錠の製造方法等を使用してもよい。生産性、工程管理のし易さから、直接打錠法が好ましい。
圧縮成型した錠剤に、さらにコーティングを施してもよい。この場合に用いるコーティング剤としては、例えば、「医薬品添加物事典2016」(薬事日報社(株)発行)に記載されるコーティング剤が挙げられる。これらを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本実施形態を詳しく説明するが、本実施形態はこれに限定されるものではない。なお、実施例、比較例における各物性及びその測定方法は以下のとおりである。
<セルロース粉末の組成の分析方法>
試料(パルプ片又はセルロース粉末):0.6gを採取し、72%硫酸:5mLを加えて、室温にて1時間撹拌した。さらに、反応液を18倍希釈し(4%硫酸)、オートクレーブ中(121℃)で1時間反応させ、硫酸加水分解反応を行った。冷却後、2N水酸化ナトリウム水溶液で中和し、純水で定容(200mL)し、ろ紙で反応液を濾過した。
得られた濾液をグルコースの分析では純水で100倍希釈し、キシロース及びマンノースの分析では純水で2倍希釈した。
得られた希釈液を以下に示す条件の高速液体クロマトグラフ法にて分析し、各糖の含有量を定量した。各構成糖の比率は、グルコース、キシロース及びマンノースの合計に対する質量分率として求めた。
(測定条件)
機種:LC-20AD(島津製作所)
検出器:蛍光分光光度計RF-20Axs(島津製作所)、蛍光励起波長320nm、蛍光測定波長430nm
カラム:TSKgel SUGAR AXI、φ4.6mm×150mm(東ソー)
カラム温度:60℃
移動相:0.5mol/Lホウ酸緩衝液(pH8.7)、0.4mL/min
注入量:20μL
ポストカラム:反応液1w/v%のL-アルギニン溶液、反応液流量0.7mL/min、反応温度150℃
<粉体物性の測定方法>
[物性1]安息角
測定には、水分含有量を3.5質量%以上4.5質量%以下に調整したセルロース粉末を用いた。セルロース粉末の水分含有量の範囲が下側に外れた場合は、恒温恒湿機等でセルロース粉末に水分を吸湿させて調整した。また、上側に外れた場合は、熱風オーブンにて60℃の熱風をセルロース粉末に均等に与えて水分を範囲内に調整した。
セルロース粉末の安息角の測定には、杉原式安息角測定器(スリットサイズ:奥行10×幅50×高さ140mm、幅50mmの位置に分度器を設置)を使用した。セルロース粉末を定量フィーダーにて50cc/分の速度でスリットに投下し、装置底部にセルロース粉末を堆積させた。堆積したセルロース粉末が徐々に斜面を形成し、この斜面が安定した角度を形成するまでセルロース粉末の投入を継続した。投入したセルロース粉末が安定した斜面を形成したとき、この斜面と装置底部の成す角度を読み取った。この角度が安息角である。測定は5回実施し、平均値を求めた。
[物性2]平均粒子径
レーザー回折式粒度分布計(LA-950 V2(商品名)、堀場製作所製)を使用し、乾式測定モードにて圧縮空気圧0.10MPa、フィーダー速度160、フィーダー初速度係数1.2、屈折率1.51で測定した。測定により得られた累積体積50%粒子を、セルロース粉末の平均粒子径(μm)とした。
[物性3]ゆるみ嵩密度
測定には、水分含有量を3.5質量%以上4.5質量%以下に調整したセルロース粉末を用いた。セルロース粉末の水分含有量は、「物性1」に記載の方法を用いて当該範囲に収まるように調整した。
セルロース粉末のゆるみ嵩密度の測定にはスコットボリュメーター(型式ASTM B-329-85、筒井理化学器械製)を使用し、篩(目開き1mm)を通じてセルロース粉末を25ccの円筒金属容器に充填した。25ccの円筒金属容器に入ったセルロース粉末を摺り切り、容器に入ったセルロース粉末の質量(g)を25ccで除して、ゆるみ嵩密度を求めた。測定は5回実施し、平均値を求めた。
[物性4]かため嵩密度
測定には、水分含有量を3.5質量%以上4.5質量%以下に調整したセルロース粉末を用いた。セルロース粉末の水分含有量は、「物性1」に記載の方法を用いて当該範囲に収まるように調整した。粉体物性測定機(PT-R、ホソカワミクロン製)にて、かため嵩密度(かため見掛け比重)(g/cc)を計算した。使用した篩の目開きは710μm、ロートは金属製(静電防止スプレー塗布)の内径0.8cmのものを使用した。VIBRATIONは2.0(供給電源:AC100V、60Hz)で実施した。
[物性5]圧縮度
下記に示す式により、各セルロース粉末の圧縮度を算出した。
圧縮度(%) = ([かため嵩密度]-[ゆるみ嵩密度])/[かため嵩密度]×100
[物性6]一次粒子相当粒径
セルロース粉末0.5gを純水10mLに入れ、10分間超音波照射(600W、40kHz)を行った後に、レーザー回折式粒度分布計(LA-950 V2(商品名)、堀場製作所製)を使用し、湿式測定モードにて屈折率1.20(セルロース屈折率1.59、水屈折率1.33)、前処理条件(超音波照射1分、超音波強度1)、循環速度7、撹拌速度5で測定した。測定により得られた累積体積50%粒子を、セルロース一次粒子相当粒径の平均粒子径(μm)とした。
[物性7]L/D
セルロース粉末をガラス板上に分散させ、マイクロスコープ(VHX-1000、キーエンス製)を用いて倍率500倍で撮影した。撮影した画像を、画像処理解析システムソフトウェア(Image HyperII、DigiMo製)を用いて以下の手順で解析して、粒子のアスペクト比(短径に対する長径の比;L/D)を測定した。少なくとも50個の粒子について測定を行い、平均値を求めた。
(1)手順1:2値化処理
マイクロスコープで撮影した画像をモノクロで解析ソフトに取り込み、画像のスケールの設定を2点間距離法で行った。次に、2値化処理にて「大津法」を選択し、閾値の設定を行った。最適な閾値は画像ごとに異なるため、元画像と見比べつつ、なるべく元の粒子の形状と一致するよう、閾値を選択した。
(2)手順2:2値化手補正
撮影した元画像と見比べつつ、粒子同士が重なっているもの、画面からはみ出ている粒子、不鮮明で輪郭がぼやけている粒子等、適切な測定結果が得られない粒子は削除し、測定対象から除外した。
(3)手順3:穴埋め
「穴埋め」のモードで、「近傍」は「8」を選択し、「穴埋め」を実行した。次に、再度、「2値画像手補正」にて元画像と比較を行い、正常に補正できているか確認した。正常に補正できていない場合は、再度手補正を行った。
(4)手順4:画像計測
削除画素数を「100」に設定し、「近傍」は「8」を選定した後、「画像計測」を実行した。測定粒子1個毎に「長径」及び「短径」の計測結果が、パソコン上にて表示される。「長径」を「短径」で除した数値をアスペクト比とした。
<顆粒及び錠剤の評価方法>
以下に示す方法を用いて、顆粒及び錠剤を作製し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
<顆粒の作成>
エテンザミド(摩擦帯電量 +3.9nC/g、平均粒径20μm):210g、200メッシュ乳糖:420g、及びセルロース粉末:70gをポリエチレン袋中で1分間混合し、流動層造粒機(パウレック製、マルチプレックス、MP-01型)に投入し、HPC-L:14.0gを精製水219gに溶解した液を噴霧し、乾燥することで顆粒を得た。顆粒回収時は流動層造粒機のカラムを傾けるのみで顆粒を払出し、カラムの壁面に付着した微粒子をなるべく落とさないように回収した。
[評価1]粉体回収率
粉体回収率は、回収した顆粒の質量を仕込んだ粉体及び結合液に含まれる固形分の質量で割ることにより求めた。なお、粉体回収率の低いものでは、流動層造粒機の装置への粉付着が多かった。
[評価2]顆粒の静電量
流動層造粒の直後、造粒装置からサンプリングした粉体をファラデーケージ(メーカー
春日電機)にて帯電量(単位nC/g:単位重量あたりの電荷量)を測定した。なお、帯電量を優先して測定するため、流動層造粒装置からサンプリングした顆粒の質量は、粉体回収率を求める際に回収した粉体の質量に加えて、計算した。
[評価3]顆粒製造時の原薬回収率
作製した顆粒について、さらに、710μmの篩分けを行い、粗大粒子を除いた後、得られた顆粒を500mgずつ9か所サンプリングし、顆粒に含まれるエテンザミドの含有量を以下に示す方法を用いて測定し、原薬の平均含有量を求めた。
(1)原薬の平均含有量の測定
まず、エテンザミドの検量線を作成した。本実施例では、吸光度計にてエテンザミドの吸収スペクトルを測定し、ピークトップの波長を元に検量線を作成した(エテンザミドの波長:292nm)。顆粒500mgをサンプリングし、100mLメスフラスコに入れて日本薬局方溶出試験第1液(pH1.2)で100mLにメスアップした。得られた水溶液を樹脂フィルターにより濾過して不溶分を除去した後、濾液中の活性成分のサンプリングした顆粒質量に対するエテンザミドの含有量を吸光度法により定量した。顆粒は、合計9点を測定し、原薬の含有量の平均値を求めた。
(2)原薬回収率の算出
次いで、(1)で得た原薬の平均含有量を仕込み時の原薬含有量(理論値)で割り、顆粒における原薬回収率を求めた。
<錠剤の作製>
顆粒:99質量部に対し、ステアリン酸マグネシウム:1質量部を添加し、ポリ袋内で30秒間ゆっくり混合した粉末を打錠用粉末としてロータリー打錠を行った。
ロータリー打錠機(型式:リブラ2、メーカー:菊水製作所、36本中12本杵使用、ターンテーブル回転数:30rpm、オープンフィードシュー使用)を用いて、直径8mm、質量200mg/錠を作製した。打錠圧力は打錠直後の錠剤硬度が60N以上70N以下となるように設定した。
[評価4]錠剤の原薬含有量CV値
錠剤1錠を精秤した後、「評価3」の(1)と同様の方法を用いて、原薬の平均含有量及び標準偏差を求めた。次いで、下記に示す式を用いて、均一性の尺度である変動係数(「原薬含有量CV値(%)」ともいう)を算出した。なお、変動係数が低いほど、原薬の含有量の均一性が良好である。
原薬含有量CV値(%)=([標準偏差]/[原薬の平均含有量])×100
[評価5]錠剤の崩壊性
各錠剤の崩壊性を、第17改正日本薬局方、一般試験法「崩壊試験法」(試験液:水、ディスク有りの条件)に従って調べた。崩壊試験器(NT-40HS型(商品名)、富山産業製)を用い、37℃、純水中における崩壊時間(分)を求めた。試料6錠の平均値を錠剤の崩壊時間とした。以下の評価基準に従い、崩壊性を評価した。
(評価基準)
〇:崩壊時間が15秒以内
×:崩壊時間が15秒超
[評価6]保存安定性試験
実施例及び比較例で得た錠剤をガラス瓶に入れて密封し、温度40℃、湿度75%RHに設定した恒温恒湿機中で1ヶ月間保存した。保存後の錠剤について、類縁物発生量及び白色度変化を評価した。なお、前記2種の評価項目の全てが良好であるものを保存安定性が良好(〇)であると評価し、そうでないものを保存安定性が不良(×)であると評価した。
(1)類縁物発生量
ここでいう「類縁物」とは、薬効成分が酸化又は水分による加水分解することで生じた化合物である。
実施例及び比較例で得た錠剤1錠を100mLの精製水に溶かし、0.45μmのセルロースアセテートフィルターでろ過した液を液体クロマトグラフィー(型式LC-20AD、島津製作所)により以下に示す条件に従い分析した。保存安定性試験の前後で得られたクロマトグラムを比較し、保存安定性試験後には見られず、保存安定性試験後に出現したピークを類縁物ピークとした。類縁物ピークが複数存在する場合は、類縁物ピークの面積の和を類縁物ピーク面積とした。類縁物発生量(%)は類縁物ピークの面積を薬効成分のピーク面積で割ることで求めた。以下に示す評価基準に従い、類縁物発生量を評価した。
(分析条件)・アミノフィリン
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:270nm)
カラム:内径6mm、長さ15cm、液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルカラム(シリカゲル粒径5μm)
カラム温度:40℃
移動相:25%メタノール水溶液(1%酢酸添加)
流量:アミノフィリンの保持時間が約5分になるように調整した。・アスコルビン酸
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:300nm)
カラム:Imtakt Unison UK-C18(3μm、4.6mm×150mm)
カラム温度:40℃
移動相(溶離液):2mM過塩素酸(HClO4)
溶離液流量:1.0mL/min
ポストカラム反応液:100mM水酸化ナトリウム(NaOH)、100mM水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)
ポストカラム反応液流量:0.5mL/min
(評価基準)
良好:類縁物発生量が0.05%以下
不良:類縁物発生量が0.05%超
(2)白色度変化
保存安定性試験前後の錠剤について、分光式色彩計(SE-2000、日本電色工業製)を用いて、明るさ(L)、彩度(緑~赤)(a)、彩度(青~黄)(b)の値を求め、下記に示す式により、白色度を算出した。次いで、保存安定性試験後の白色度から保存試験前の白色度を差し引くことで、白色度変化(%)を算出した。以下に示す評価基準に従い、白色度変化を評価した。
白色度 = 100-[(100-L)2+(a2+b2)]0.5
白色度変化 = 白色度(保存安定性試験後) - 白色度(保存安定性試験前)
(評価基準)
良好:白色度変化が-20%以上0%以下
不良:白色度変化が-20%未満
<湿フロックの調製>
[調製例1-1]湿フロックXの調製
市販のパルプのうち構成糖として、グルコース比率95%未満のパルプ(構成糖:グルコース90.8%、マンノース1.8%、キシロース7.4%)を選択した。選択したパルプを細断したもの2kgを低速型攪拌機(池袋琺瑯工業(株)製、30LGL反応器(商品名))に入れ、加圧状態で予め反応温度に加熱しておいた温塩酸:30Lを反応器に投入し、攪拌しながら、加水分解し(反応条件:塩酸濃度0.5%、反応温度110℃、反応時間30分、撹拌速度350rpm)、酸不溶解性残渣を得た。得られた酸不溶解性残渣は、濾液の電気伝導度が100μS/cm未満になるまで純水(5℃冷水)で十分に洗浄した後、ろ過し、湿フロックXを得た。
[調製例1-2]湿フロックYの調製
市販のパルプ(構成糖:グルコース97.0%、マンノース0.6%、キシロース2.4%)を選択した。選択したパルプを細断したもの2kgを低速型攪拌機(池袋琺瑯工業(株)製、30LGL反応器(商品名))に入れ、加圧状態で予め反応温度に加熱しておいた温塩酸:30Lを反応器に投入し、攪拌しながら、加水分解し(反応条件:塩酸濃度1.0%、反応温度130℃、反応時間60分、撹拌速度350rpm)、酸不溶解性残渣を得た。得られた酸不溶解性残渣は、濾液の電気伝導度が100μS/cm未満になるまで純水(90℃熱水)で十分に洗浄した後、ろ過し、湿フロックYを得た。
[調製例1-3]湿フロックZ1の調製
市販のパルプのうち構成糖として、グルコース比率95%未満のパルプ(構成糖:グルコース93.0%、マンノース2.7%、キシロース4.3%)を選択した。選択したパルプを細断したもの30gと、塩酸水溶液200mLとをマイクロ波試料前処理装置(マイルストーンゼネラル株式会社、ETHOS ONE(製品名))を用いて、加水分解し(反応条件:塩酸濃度0.5%、反応温度110℃、反応時間30分、撹拌速度200rpm)、酸不溶解性残渣を得た。得られた酸不溶解性残渣は、濾液の電気伝導度が100μS/cm未満になるまで純水(5℃冷水)で十分に洗浄した後、ろ過し、湿フロックZ1を得た。
[調製例1-4]湿フロックZ2の調製
市販のパルプのうち構成糖として、グルコース比率95%未満のパルプ(構成糖:グルコース93.0%、マンノース1.0%、キシロース6.0%)を選択した以外は、調製例1-3と同様の方法を用いて、湿フロックZ2を得た。
[調製例1-5]湿フロックZ3の調製
市販のパルプのうち構成糖として、グルコース比率95%未満のパルプ(構成糖:グルコース93.0%、マンノース3.5%、キシロース3.5%)を選択した以外は、調製例1-3と同様の方法を用いて、湿フロックZ3を得た。
[調製例1-6]湿フロックZ4の調製
市販のパルプのうち構成糖として、グルコース比率95%未満のパルプ(構成糖:グルコース88.0%、マンノース4.6%、キシロース7.4%)を選択した。選択したパルプを細断したもの30gと、塩酸水溶液200mLとをマイクロ波試料前処理装置(マイルストーンゼネラル株式会社、ETHOS ONE(製品名))を用いて、加水分解し(反応条件:塩酸濃度0.5%、反応温度105℃、反応時間30分、撹拌速度200rpm)、酸不溶解性残渣を得た。得られた酸不溶解性残渣は、濾液の電気伝導度が100μS/cm未満になるまで純水(5℃冷水)で十分に洗浄した後、ろ過し、湿フロックZ4を得た。
<セルロース粉末の製造>
[実施例1-1]セルロース粉末Aの製造
調製例1-1で得た湿フロックXを90Lポリバケツに導入し、全固形分濃度が25質量%になるように純水を加え、スリーワンモータで攪拌しながら、アンモニア水で中和し(中和後pH7.5以上8.0以下)、これを噴霧乾燥して(条件:分散液供給速度6kg/時間、入口温度180℃以上220℃以下、出口温度50℃以上70℃以下)、セルロース粉末Aを得た。
[実施例1-2]セルロース粉末Bの製造
調製例1-1及び調製例1-2で得た湿フロックX及び湿フロックYを60:40(固形分質量比率)で90Lポリバケツに導入した以外は、実施例1-1と同様の方法を用いて、セルロース粉末Bを得た。
[実施例1-3]セルロース粉末Cの製造
調製例1-1及び調製例1-2で得た湿フロックX及び湿フロックYを20:80(固形分質量比率)で90Lポリバケツに導入した以外は、実施例1-1と同様の方法を用いて、セルロース粉末Cを得た。
[実施例1-4]セルロース粉末Dの製造
調製例1-3で得た湿フロックZ1を2Lポリビーカーに導入し、全固形分濃度が7質量%になるように純水を加え、スリーワンモータで攪拌しながら、アンモニア水で中和し(中和後pH7.5以上8.0以下)、これを噴霧乾燥機(東京理化機械、SD-1000(型式))にて乾燥して(条件:分散液供給速度4mL/min、入口温度180℃以上190℃以下、出口温度90℃℃以上100℃以下)、セルロース粉末Dを得た。
[実施例1-5]セルロース粉末Eの製造
調製例1-4で得た湿フロックZ2を2Lポリビーカーに導入した以外は、実施例1-4と同様の方法を用いて、セルロース粉末Eを得た。
[実施例1-6]セルロース粉末Fの製造
調製例1-5で得た湿フロックZ3を2Lポリビーカーに導入した以外は、実施例1-4と同様の方法を用いて、セルロース粉末Fを得た。
[実施例1-7]セルロース粉末Gの製造
調製例1-6で得た湿フロックZ4を2Lポリビーカーに導入した以外は、実施例1-4と同様の方法を用いて、セルロース粉末Gを得た。
[実施例1-8]セルロース粉末Hの製造
実施例1-3で製造したセルロース粉末Cをジェットミル(粉砕圧0.4MPa)で粉砕し、セルロース粉末Hを得た。
[実施例1-9]セルロース粉末Iの製造
実施例1-5で製造したセルロース粉末Eをジェットミル(粉砕圧0.4MPa)で粉砕し、セルロース粉末Iを得た。
[比較例1-1]セルロース粉末Jの製造
調製例1-2で得た湿フロックYを90Lポリバケツに導入した以外は、実施例1-1と同様の方法を用いて、セルロース粉末Jを得た。
Figure 0007028927000001
表1から、セルロース粉末A~G(実施例1-1~1-9)を用いた顆粒では、原薬回収率が良好であり、該顆粒を用いた錠剤の崩壊性も優れていた。
また、セルロース粉末A~G(実施例1-1~1-9)において、マンノースの含有量が多くなるほど、顆粒の静電量が低くなり、粉体回収率がより優れる傾向が見られ、キシロースの含有量が多くなるほど、原薬回収率がより優れる傾向が見られた。
また、セルロース粉末A~C(実施例1-1~1-3)において、マンノース及びキシロースの合計含有量が少なくなるほど、圧縮度が低くなり、錠剤の原薬含有量CV値がより低くなる、すなわち、錠剤中の原薬含有量の均一性がより優れる傾向が見られ、マンノース及びキシロースの合計含有量が多くなるほど、錠剤の崩壊性がより優れる傾向が見られた。
また、セルロース粉末D~F(実施例1-4~1-6)において、マンノースに対するキシロースの質量比(キシロース/マンノース)が小さくなるほど、錠剤の崩壊性がより優れる傾向が見られた。
また、セルロース粉末C、E、H及びI(実施例1-3、1-5、1-8及び1-9)において、平均粒子径が小さくなるほど、顆粒の静電量が低くなり、粉体回収率がより優れ、さらに、原薬回収率もより優れる傾向が見られた。
一方、セルロース粉末J(比較例1-1)を用いた顆粒では、原薬回収率が90%未満であり、該顆粒を用いた錠剤の崩壊性も劣っていた。
[実施例1-10]セルロース粉末Bを用いた顆粒及び錠剤の評価
実施例1-2で製造したセルロース粉末Bにおいて、薬物をアセトアミノフェン(摩擦帯電量-16.7nC/g、平均粒径20μm)とし、吸光度の測定波長を244nmに変更した以外は、上記顆粒及び錠剤の評価方法と同様の方法を用いて、顆粒及び錠剤の評価を行った。結果を表1-2に示す。
[実施例1-11]セルロース粉末Bを用いた顆粒及び錠剤の評価
実施例1-2で製造したセルロース粉末Bにおいて、薬物をサリチル酸ナトリウム(摩擦帯電量-1.4nC/g、平均粒径20μm)とし、吸光度の測定波長を302nmに変更した以外は、上記顆粒及び錠剤の評価方法と同様の方法を用いて、顆粒及び錠剤の評価を行った。結果を表1-2に示す。
Figure 0007028927000002
表1-2から、異なる帯電量の薬物とセルロース粉末Bとを用いた顆粒及び錠剤(実施例1-2、1-10及び1-11)では、いずれも静電量が低減されており、顆粒の粉体回収率及び原薬回収率が良好であり、錠剤の含量CV値及び崩壊性も優れていた。
<錠剤の製造>
[実施例2-1]
アミノフィリン:250g、セルロース粉末A:75g、乳糖:167.5g、及びクロスポビドン:2.5gをポリエチレン袋に入れて、3分間混合し、ステアリン酸マグネシウム5gを加え、さらに30秒間混合し、打錠用粉末としてロータリー打錠を行った。ロータリー打錠機(型式:リブラ2、メーカー:菊水製作所、36本中12本杵使用、ターンテーブル回転数:30rpm、オープンフィードシュー使用)を用いて、直径8mm、質量200mg/錠を作製した。打錠圧力は打錠直後の錠剤硬度が60N以上70N以下となるように設定した。得られた錠剤について、上記方法を用いて各種評価を行った。結果を表2-2に示す。
[実施例2-2~2-9及び比較例2-1~2-2]
表2-2に示す組成及び配合比率となるようにした以外は、実施例2-1と同様の方法を用いて、各錠剤を作製した。得られた各錠剤について、上記方法を用いて各種評価を行った。結果を表2-2に示す。
Figure 0007028927000003
表2-2から、セルロース粉末A~Fを用いた錠剤(実施例2-1~2-9)では、崩壊性を良好に保ちながら、保存安定性に優れるものであったが、セルロース粉末Jを用いた錠剤(比較例2-1~2-2)では、崩壊性及び保存安定性の両方が良好なものは得られなかった。
また、セルロース粉末A~Cのいずれかを用いた以外は同じ処方である錠剤(実施例2-1~2-3)において、マンノース及びキシロースの合計含有量が多くなるほど、崩壊性により優れる傾向が見られた。これは、マンノース及びキシロースを構成糖とするヘミセルロースが吸水しやすい性質を有することから、崩壊剤の働きを助けることによるものと推察される。一方で、マンノース及びキシロースの合計含有量が少なくなるほど、類縁物発生量及び白色度変化がより減少し、保存安定性により優れる傾向が見られた。
本実施形態のセルロース粉末によれば、崩壊性を良好に保ちながら、原薬回収率に優れる錠剤が得られるセルロース粉末を提供することができる。
また、本実施形態の錠剤によれば、崩壊性を良好に保ちながら、保存安定性に優れる錠剤を提供することができる。

Claims (2)

  1. 顆粒の静電量を低減させる方法であって、
    活性成分にセルロース粉末を添加して造粒を行い、顆粒を形成させることを含み、
    前記セルロース粉末の平均粒子径が17μm以上58μm以下であり、
    前記セルロース粉末の4%硫酸を用いた121℃及び1時間の硫酸加水分解反応による加水分解物は、前記加水分解物中のグルコース、マンノース及びキシロースの合計質量に対するグルコースの含有量が87質量%以上99.3質量%以下であり、
    前記加水分解物中のグルコース、マンノース及びキシロースの合計質量に対するマンノースの含有量が0.4質量%以上5.0質量%以下であり、
    前記加水分解物中のグルコース、マンノース及びキシロースの合計質量に対するキシロースの含有量が1.6質量%以上8.0質量%以下であり、
    前記マンノースの含有量及び前記キシロースの含有量は、高速液体クロマトグラフ法により測定されたものであり、
    前記活性成分の含有量は、前記顆粒の総質量に対して50質量%以上99質量%以下であり、
    前記活性成分の摩擦帯電量が+0.1nC/g以上、又は-0.1nC/g以下である、方法。
  2. 前記造粒が湿式造粒法で行われる、請求項1に記載の方法。
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