JP7028234B2 - 磁気センサ - Google Patents

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Description

本発明は、磁気抵抗効果素子と、磁気抵抗効果素子に印加するためのコイル磁界を発生するコイルとを備えた磁気センサに関する。
近年、種々の用途で、磁気センサが利用されている。磁気センサとしては、基板上に設けられたスピンバルブ型の磁気抵抗効果素子を用いたものが知られている。スピンバルブ型の磁気抵抗効果素子は、方向が固定された磁化を有する磁化固定層と、印加磁界の方向に応じて方向が変化可能な磁化を有する自由層と、磁化固定層と自由層の間に配置されたギャップ層とを有している。
磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサでは、磁気抵抗効果素子が、その線形領域で動作することが望ましい。磁気抵抗効果素子の線形領域とは、磁気抵抗効果素子に対する印加磁界と磁気抵抗効果素子の抵抗値の関係を表す特性図において、印加磁界の変化に対して磁気抵抗効果素子の抵抗値が直線的またはほぼ直線的に変化する領域である。線形領域で動作するように磁気抵抗効果素子の動作領域を調整する方法としては、例えば、磁気抵抗効果素子の自由層に、形状磁気異方性等の一軸磁気異方性を持たせる方法が知られている。
形状磁気異方性を有する自由層を含む磁気抵抗効果素子では、印加磁界が無いときの自由層の磁化の方向は、自由層の磁化容易軸に平行で互いに反対方向である2方向のうちの一方に設定されている。しかし、この磁気抵抗効果素子では、外乱磁界の印加等によって、自由層の磁化が反転することがあった。例えば、この磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサでは、自由層の磁化が反転すると、その後の磁気センサの検出値が、本来の値とは異なる値になるおそれがある。印加磁界が無いときの自由層の磁化の方向を、本来の設定方向に揃える方法としては、例えば、磁気抵抗効果素子に対して外部から磁界を印加する方法がある。
特許文献1には、磁気抵抗効果素子とコイルが一体化された磁気センサが記載されている。この磁気センサでは、コイルは、磁気抵抗効果素子の自由層に印加されるバイアス磁界を発生する。このバイアス磁界により、印加磁界が無いときの自由層の磁化の方向を、バイアス磁界の方向に揃えることができる。また、この磁気センサでは、印加磁界が無いときの自由層の磁化の方向が、本来の設定方向からずれた場合に、バイアス磁界を発生させて、自由層の磁化の方向をリセットすることも可能である。
特開2017-72375号公報
コイルが発生する磁界によって、印加磁界が無いときの自由層の磁化の方向を揃えたり、自由層の磁化の方向をリセットしたりするためには、コイルに十分な大きさの電流を流す必要がある。しかし、特に、特許文献1に記載された磁気センサのように、磁気抵抗効果素子とコイルが一体化された磁気センサでは、コイルに十分な大きさの電流を流すことができない場合がある。その結果、自由層に十分な強度の磁界を印加することができない場合があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、コイルによって、磁気抵抗効果素子に十分な強度の磁界を印加することができる磁気センサを提供することにある。
本発明の磁気センサは、外部磁界に応じて抵抗値が変化する少なくとも1つの磁気抵抗効果素子と、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子に印加するための磁界であるコイル磁界を発生するコイルとを備えている。コイルは、少なくとも1つの導体部分を含んでいる。コイル磁界は、少なくとも1つの導体部分の各々から発生される部分磁界を含んでいる。少なくとも1つの導体部分の各々は、その導体部分から発生される部分磁界が、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子のうち、その導体部分に対応する磁気抵抗効果素子に印加される位置にあると共に、対応する磁気抵抗効果素子から遠ざかる方向に凸となるように湾曲した仮想の曲線に沿って延在している。
本発明の磁気センサは、更に、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子を支持する支持部材を備えていてもよい。支持部材は、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子に対向する上面と、上面とは反対側に位置する下面とを有している。支持部材の上面は、支持部材の下面から遠ざかる方向に凸となるように湾曲した曲面部分を含んでいてもよい。少なくとも1つの磁気抵抗効果素子は、曲面部分の上に配置されていてもよい。また、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子の各々は、支持部材に対向する下面を有している。少なくとも1つの磁気抵抗効果素子の各々の下面は、曲面部分に沿って湾曲した曲面であってもよい。
支持部材の上面が曲面部分を含んでいる場合、この曲面部分は、第1の方向に沿って延在すると共に、第1の方向に直交する第2の方向における曲面部分の中央に位置する中央部分と、第2の方向における中央部分の両側に位置する第1の側方部分および第2の側方部分とを含んでいてもよい。この場合、第1の側方部分と第2の側方部分は、中央部分よりも支持部材の下面により近い位置にあると共に、支持部材の下面に近づくに従って互いの距離が大きくなる2つの湾曲した斜面であってもよい。少なくとも1つの磁気抵抗効果素子は、第1の側方部分の上に配置されていてもよい。あるいは、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子は、第1の側方部分の上に配置された少なくとも1つの第1の磁気抵抗効果素子と、第2の側方部分の上に配置された少なくとも1つの第2の磁気抵抗効果素子とを含んでいてもよい。
本発明の磁気センサが支持部材を備えている場合、少なくとも1つの導体部分は、支持部材との間に少なくとも1つの磁気抵抗効果素子を挟む位置に配置されていてもよい。この場合、磁気センサは、更に、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子および支持部材の上面を覆う絶縁層を備えていてもよい。少なくとも1つの導体部分は、絶縁層の上に配置されていてもよい。また、この場合、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子の各々は、積層された複数の層からなっていてもよい。少なくとも1つの導体部分の各々は、その一部が、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子のうち、その導体部分に対応する磁気抵抗効果素子を構成する各層の面に平行になるように延在していてもよい。あるいは、少なくとも1つの導体部分の各々は、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子のうち、その導体部分に対応する磁気抵抗効果素子を構成する各層の面に非平行になるように延在していてもよい。
少なくとも1つの導体部分が、支持部材との間に少なくとも1つの磁気抵抗効果素子を挟む位置に配置されている場合、コイルは、更に、少なくとも1つの第2の導体部分を含んでいてもよい。少なくとも1つの第2の導体部分は、少なくとも1つの導体部分とは異なるコイルの一部である。この場合、コイル磁界は、更に、少なくとも1つの第2の導体部分の各々から発生される第2の部分磁界を含んでいてもよい。また、少なくとも1つの第2の導体部分は、支持部材の下面側に配置されていてもよい。少なくとも1つの第2の導体部分の各々は、その第2の導体部分から発生される第2の部分磁界が、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子のうち、その第2の導体部分に対応する磁気抵抗効果素子に印加される位置にあってもよい。
コイルが少なくとも1つの第2の導体部分を含んでいる場合、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子の各々は、積層された複数の層からなっていてもよい。少なくとも1つの導体部分の各々は、その一部が、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子のうち、その導体部分に対応する磁気抵抗効果素子を構成する各層の面に平行になるように延在し、少なくとも1つの第2の導体部分の各々は、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子のうち、その第2の導体部分に対応する磁気抵抗効果素子を構成する各層の面に非平行になるように延在していてもよい。あるいは、少なくとも1つの導体部分の各々は、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子のうち、その導体部分に対応する磁気抵抗効果素子を構成する各層の面に非平行になるように延在し、少なくとも1つの第2の導体部分の各々は、その一部が、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子のうち、その第2の導体部分に対応する磁気抵抗効果素子を構成する各層の面に平行になるように延在していてもよい。
また、本発明の磁気センサにおいて、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子の各々は、方向が固定された第1の磁化を有する磁化固定層と、外部磁界に応じて方向が変化可能な第2の磁化を有する自由層とを含んでいてもよい。コイル磁界は、自由層の第2の磁化の方向を所定の方向に向かせるためのものであってもよい。
本発明の磁気センサでは、コイルの一部である少なくとも1つの導体部分の各々は、その導体部分から発生される部分磁界が、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子のうち、その導体部分に対応する磁気抵抗効果素子に印加される位置にあると共に、対応する磁気抵抗効果素子から遠ざかる方向に凸となるように湾曲した仮想の曲線に沿って延在している。これにより、本発明によれば、コイルによって、磁気抵抗効果素子に十分な強度の磁界を印加することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態における磁気センサシステムの概略の構成を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサの磁気抵抗効果素子およびコイルを示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサの磁気抵抗効果素子およびコイルを示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサを示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサの一断面を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサの回路構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態における磁気抵抗効果素子、下部電極および上部電極を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態における磁気抵抗効果素子を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態における対象磁界について説明するための説明図である。 本発明の第1の実施の形態における対象磁界の方向が基準方向に対してなす角度の定義を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態における上側導体部分および下側導体部分の形状を説明するための説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサの第1の変形例の一断面を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサの第2の変形例の一断面を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気センサの磁気抵抗効果素子およびコイルを示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気センサの磁気抵抗効果素子およびコイルを示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気センサを示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気センサの一断面を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気センサの回路構成を示す回路図である。 本発明の第2の実施の形態における上側導体部分および下側導体部分の形状を説明するための説明図である。 本発明の第2の実施の形態における第1の磁気抵抗効果素子が検出する対象磁界について説明するための説明図である。 本発明の第2の実施の形態における第2の磁気抵抗効果素子が検出する対象磁界について説明するための説明図である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサを含む磁気センサシステムの概略について説明する。本実施の形態における磁気センサシステム100は、本実施の形態に係る磁気センサ1と、磁気センサ1が検出すべき磁界(検出対象磁界)である対象磁界MFを発生する磁界発生器5とを備えている。
磁界発生器5は、回転軸Cを中心として回転可能である。磁界発生器5は、一対の磁石6A,6Bを含んでいる。磁石6A,6Bは、回転軸Cを含む仮想の平面を中心として対称な位置に配置されている。磁石6A,6Bの各々は、N極とS極を有している。磁石6A,6Bは、磁石6AのN極と磁石6BのS極が対向するような姿勢で配置されている。磁界発生器5は、磁石6AのN極から磁石6BのS極に向かう方向の対象磁界MFを発生する。
磁気センサ1は、所定の基準位置における対象磁界MFを検出することができる位置に配置されている。基準位置は、回転軸C上にあってもよい。以下の説明では、基準位置は、回転軸C上にあるものとする。磁気センサ1は、磁界発生器5が発生する対象磁界MFを検出して、検出値Vsを生成する。検出値Vsは、磁気センサ1に対する磁界発生器5の相対的な位置、特に回転位置と対応関係を有している。
磁気センサシステム100は、回転可能な可動部を含む機器における可動部の回転位置を検出する装置として利用することができる。このような機器としては、例えば産業用ロボットの関節がある。図1は、産業用ロボット200に磁気センサシステム100を適用した例を示している。
図1に示した産業用ロボット200は、可動部201と、可動部201を回転可能に支持する支持部202とを含んでいる。可動部201と支持部202の連結部分は関節である。可動部201は、回転軸Cを中心として回転する。磁気センサシステム100を産業用ロボット200の関節に適用する場合には、例えば、支持部202に磁気センサ1を固定し、可動部201に磁石6A,6Bを固定すればよい。
ここで、図1に示したように、X方向、Y方向、Z方向を定義する。X方向、Y方向、Z方向は、互いに直交する。本実施の形態では、回転軸Cに平行な一方向(図1では奥から手前に向かう方向)をX方向とする。図1では、Y方向を右側に向かう方向として表し、Z方向を上側に向かう方向として表している。また、X方向とは反対の方向を-X方向とし、Y方向とは反対の方向を-Y方向とし、Z方向とは反対の方向を-Z方向とする。対象磁界MFの方向は、YZ平面内において、回転軸C上の基準位置を中心として回転する。
次に、図2ないし図6を参照して、本実施の形態に係る磁気センサ1の構成について説明する。図2および図3は、磁気センサ1の磁気抵抗効果素子およびコイルを示す斜視図である。図4は、磁気センサ1を示す平面図である。図5は、磁気センサ1の一断面を示す断面図である。図6は、磁気センサ1の回路構成を示す回路図である。
磁気センサ1は、外部磁界に応じて抵抗値が変化する少なくとも1つの磁気抵抗効果素子と、少なくとも1つの磁気抵抗効果素子を支持する支持部材40とを備えている。以下、磁気抵抗効果素子を、MR素子と記す。少なくとも1つのMR素子の各々は、対象磁界MFを検出することができるように構成されている。本実施の形態では、磁気センサ1は、少なくとも1つのMR素子として、4つのMR素子11,12,13,14を含んでいる。図5は、MR素子11と交差する磁気センサ1の断面を示している。
支持部材40は、例えば、SiO等の絶縁材料よりなる絶縁層によって構成されている。また、図5に示したように、支持部材40は、MR素子11~14に対向する上面40aと、上面40aとは反対側に位置する下面40bとを有している。上面40aは、支持部材40におけるZ方向の端に位置する。下面40bは、支持部材40における-Z方向の端に位置する。下面40bは、XY平面に平行である。
支持部材40の上面40aは、支持部材40の下面40bから遠ざかる方向(Z方向)に凸となるように湾曲した曲面部分40a1と、曲面部分40a1よりも下面40bにより近い位置にある平面部分40a2とを含んでいる。平面部分40a2は、XY平面に平行であってもよい。
ここで、X方向に平行な方向を第1の方向と言い、Y方向に平行な方向を第2の方向と言う。第1の方向と第2の方向は、いずれも、特定の一方向とその反対方向とを含むものとして定義される。曲面部分40a1は、第1の方向に沿って延在すると共に、第2の方向おける曲面部分40a1の中央に位置する中央部分C1と、第2の方向における中央部分C1の両側に位置する第1の側方部分SD1および第2の側方部分SD2とを含んでいる。第1の側方部分SD1と第2の側方部分SD2は、中央部分C1よりも支持部材40の下面40bにより近い位置にある。また、第1の側方部分SD1と第2の側方部分SD2は、支持部材40の下面40bに近づくに従って互いの距離が大きくなる2つの湾曲した斜面である。第1の側方部分SD1と第2の側方部分SD2は、第2の方向おける曲面部分40a1の中央と交差するXZ平面に対して対称またはほぼ対称な形状を有している。
支持部材40は、上面40aに曲面部分40a1が形成されるような断面形状を有している。具体的には、支持部材40は、YZ平面に平行な任意の断面において、Z方向に張り出すような断面形状を有している。
MR素子11~14は、曲面部分40a1の上に配置されている。本実施の形態では特に、MR素子11~14は、いずれも、曲面部分40a1の第1の側方部分SD1の上に配置されている。なお、MR素子11~14と支持部材40との間には、後述する下部電極が介在している。また、図2ないし図4に示したように、MR素子11~14は、-X方向に沿ってこの順に一列に並んでいる。
MR素子11~14の各々は、支持部材40に対向する下面を有している。MR素子11~14の各々の下面は、曲面部分40a1に沿って湾曲した曲面である。
後述するように、MR素子11~14の各々は、積層された複数の層からなる。各層の面を平面と見なすと、MR素子11~14の各々は、各層の面がXY平面に対して傾くような姿勢で、第1の側方部分SD1の上に配置されている。
磁気センサ1は、更に、少なくとも1つのMR素子すなわちMR素子11~14に印加するための磁界であるコイル磁界を発生するコイル30を備えている。MR素子11~14とコイル30は、一体化されている。
コイル30は、コイル30を構成する導体の長手方向の両端の位置する第1の端部30aおよび第2の端部30bを有している。第1および第2の端部30a,30bは、図示しない電源に接続されている。また、コイル30は、MR素子11~14の周りに巻回されている。本実施の形態では特に、コイル30は、MR素子11~14の各々に、X方向または-X方向のコイル磁界が印加されるように巻回されている。例えば、第1の端部30aから第2の端部30bに向かう方向に電流を流すと、MR素子11,13の各々には-X方向のコイル磁界が印加され、MR素子12,14の各々にはX方向のコイル磁界が印加される。第2の端部30bから第1の端部30aに向かう方向に電流を流すと、MR素子11,13の各々にはX方向のコイル磁界が印加され、MR素子12,14の各々には-X方向のコイル磁界が印加される。
コイル30は、支持部材40の下面40bよりもZ方向側に位置する上側コイル部分30Uと、支持部材40の下面40bよりも-Z方向側に位置する下側コイル部分30Lとを含んでいる。図3および図4では、上側コイル部分30Uを二点鎖線で示している。図4では、下側コイル部分30Lを破線で示している。
磁気センサ1は、更に、MR素子11~14を電気的に接続する複数の下部電極41および複数の上部電極42と、基板61と、絶縁層62,63,64,65,66,67とを備えている。絶縁層62は、基板61の上に配置されている。下側コイル部分30Lは、絶縁層62の上に配置された複数の第1層30L1と、複数の第1層30L1の上に配置された複数の第2層30L2とを含んでいる。絶縁層63は、絶縁層62の上において複数の第1層30L1の周囲に配置されている。絶縁層64は、第1層30L1および絶縁層63の上において第2層30L2の周囲に配置されている。支持部材40は、第2層30L2および絶縁層64の上に配置されている。
複数の下部電極41は、支持部材40の上面40aの上に配置されている。なお、複数の下部電極41は、主に、支持部材40の上面40aのうち、曲面部分40a1の第1の側方部分SD1の上に配置されている。絶縁層65は、支持部材40の上面40aの上において複数の下部電極41の周囲に配置されている。MR素子11~14は、複数の下部電極41の上に配置されている。絶縁層66は、複数の下部電極41および絶縁層65の上においてMR素子11~14の周囲に配置されている。複数の上部電極42は、MR素子11~14および絶縁層66の上に配置されている。絶縁層67は、複数の上部電極42および絶縁層66の上に配置されている。なお、図4では、複数の下部電極41、複数の上部電極42および絶縁層65~67を省略している。
上側コイル部分30Uは、主に、絶縁層67の上に配置されている。磁気センサ1には、絶縁層67の上面から支持部材40の下面40bにかけて貫通する複数の貫通孔が形成されている。上側コイル部分30Uと下側コイル部分30Lは、複数の貫通孔を通して互いに接続されている。
複数の下部電極41および複数の上部電極42は、例えば、Cu等の導電材料よりなる。基板61は、例えば、Si等の半導体よりなる半導体基板である。絶縁層62~67は、例えば、SiO等の絶縁材料よりなる。
磁気センサ1は、更に、上側コイル部分30Uと絶縁層67を覆う図示しない絶縁層を備えている。図示しない絶縁層は、例えば、SiO等の絶縁材料よりなる。
なお、下側コイル部分30Lの第2層30L2と絶縁層64は、設けられていなくてもよい。この場合、支持部材40は、下側コイル部分30Lの第1層30L1および絶縁層63の上に配置される。
図6に示したように、磁気センサ1は、更に、電源端V1と、グランド端G1と、2つの信号出力端E11,E12と、差分検出器21とを備えている。MR素子11は、電源端V1と信号出力端E11との間に設けられている。MR素子12は、信号出力端E11とグランド端G1との間に設けられている。MR素子13は、信号出力端E12とグランド端G1との間に設けられている。MR素子14は、電源端V1と信号出力端E12との間に設けられている。電源端V1には、所定の大きさの電源電圧が印加される。グランド端G1はグランドに接続される。差分検出器21は、信号出力端E11,E12の電位差に対応する信号を検出信号S1として出力する。
磁気センサ1は、更に、検出信号S1に基づいて検出値Vsを生成する検出値生成回路22を備えている。検出値Vsは、検出信号S1に依存する。検出値生成回路22は、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)あるいはマイクロコンピュータによって構成されている。検出値Vsの生成方法については、後で説明する。
次に、MR素子11~14の構成について詳しく説明する。以下、MR素子11~14のうちの任意のMR素子について説明する際には、そのMR素子を符号10で表す。図7は、MR素子10、下部電極41および上部電極42を示す斜視図である。図8は、MR素子10を示す斜視図である。
本実施の形態では特に、MR素子10は、スピンバルブ型のMR素子である。図8に示したように、MR素子10は、方向が固定された磁化を有する磁化固定層52と、外部磁界の方向に応じて方向が変化可能な磁化を有する自由層54と、磁化固定層52と自由層54の間に配置されたギャップ層53とを含んでいる。MR素子10は、TMR(トンネル磁気抵抗効果)素子でもよいし、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子でもよい。TMR素子では、ギャップ層53はトンネルバリア層である。GMR素子では、ギャップ層53は非磁性導電層である。MR素子10では、自由層54の磁化の方向が磁化固定層52の磁化の方向に対してなす角度に応じて抵抗値が変化し、この角度が0°のときに抵抗値は最小値となり、角度が180°のときに抵抗値は最大値となる。MR素子10において、自由層54は、磁化容易軸方向が、磁化固定層52の磁化の方向に直交する方向となる形状異方性を有している。
個々の下部電極41は細長い形状を有している。下部電極41の長手方向に隣接する2つの下部電極41の間には、間隙が形成されている。図7に示したように、下部電極41の上面上において、長手方向の一端の近傍に、MR素子10が配置されている。図8に示したように、MR素子10は、更に、反強磁性層51を含んでいる。反強磁性層51、磁化固定層52、ギャップ層53および自由層54は、下部電極41側からこの順に積層されている。反強磁性層51は、下部電極41に電気的に接続されている。反強磁性層51は、反強磁性材料よりなり、磁化固定層52との間で交換結合を生じさせて、磁化固定層52の磁化の方向を固定する。
個々の上部電極42は細長い形状を有し、下部電極41の長手方向に隣接する2つの下部電極41上に配置されて隣接する2つのMR素子10の自由層54同士を電気的に接続する。なお、MR素子10における層51~54の配置は、図8に示した配置とは上下が反対でもよい。
次に、検出値Vsの生成方法について説明する。ここで、MR素子10を構成する各層の面を平面と見なしたときに、各層の面に平行な一方向であって、X方向と直交する一方向をU方向とする。また、U方向とは反対の方向を、-U方向とする。前述のように、各層の面を平面と見なすと、MR素子10は、各層の面がXY平面に対して傾くような姿勢で、第1の側方部分SD1の上に配置されている。そのため、U方向は、Y方向または-Y方向とは異なる方向になる。本実施の形態では、U方向を、-Y方向からZ方向に向かってαだけ回転した方向とする。なお、αは、0°よりも大きく90°よりも小さい角度である。
図9は、対象磁界MFについて説明するための説明図である。図9では、MR素子10が対象磁界MFを検出する位置を、記号P1で示している。本実施の形態では、位置P1における対象磁界MFの方向と強度は、回転軸C(図1参照)上の基準位置における対象磁界MFの方向と強度と一致するものとする。位置P1における対象磁界MFの方向は、位置P1を中心として回転する。
また、図9では、位置P1を通りY方向に平行な仮想の直線を記号LYで示し、位置P1を通りZ方向に平行な仮想の直線を記号LZで示し、位置P1を通りU方向に平行な仮想の直線を記号LUで示している。位置P1における対象磁界MFは、U方向に平行な方向の成分MF1と、U方向に直交する方向に平行な方向の成分MF2に分けることができる。
図10は、対象磁界MFの方向が基準方向に対してなす角度の定義を示す説明図である。本実施の形態では、基準方向をU方向とする。ここで、位置P1における対象磁界MFの方向が基準方向すなわちU方向に対してなす角度を、記号θで表す。角度θは、U方向から図10における時計回り方向に見たときに正の値で表し、U方向から図10における反時計回り方向に見たときに負の値で表す。
成分MF1の方向は、角度θが0°以上90°未満、および270°より大きく360°以下の範囲内でU方向となり、角度θが90°より大きく270°未満の範囲内で-U方向となる。以下、成分MF1の方向がU方向となるときの成分MF1の強度を正の値で表し、成分MF1の方向が-U方向となるときの成分MF1の強度を負の値で表す。
磁気センサ1は、位置P1における対象磁界MFの成分MF1の強度を検出することができるように、MR素子11~14の各々の磁化固定層52の磁化の方向と、MR素子11~14の各々の自由層54の形状異方性が設定されている。図6において、塗りつぶした矢印は、磁化固定層52の磁化の方向を表している。また、図6には、X方向とU方向を示している。図6に示したように、MR素子11,13の各々の磁化固定層52の磁化の方向は、U方向であり、MR素子12,14の各々の磁化固定層52の磁化の方向は、-U方向である。また、自由層54は、磁化容易軸方向がX方向に平行な方向となる形状異方性を有している。
成分MF1の強度が0の場合、すなわち対象磁界MFの方向がU方向に直交する場合における、自由層54の磁化の方向は、X方向または-X方向である。成分MF1の強度が正の値の場合、自由層54の磁化の方向は、X方向または-X方向からU方向に向かって傾く。その結果、成分MF1の強度が0の場合に比べて、MR素子11,13の抵抗値は減少し、MR素子12,14の抵抗値は増加する。成分MF1の強度が負の値の場合には、上述の場合とは逆に、成分MF1の強度が0の場合に比べて、MR素子11,13の抵抗値は増加し、MR素子12,14の抵抗値は減少する。MR素子11~14の各々の抵抗値の変化量は、成分MF1の強度に依存する。
成分MF1の強度が変化すると、MR素子11~14の各々の抵抗値は、MR素子11,13の抵抗値が増加すると共にMR素子12,14の抵抗値が減少するか、MR素子11,13の抵抗値が減少すると共にMR素子12,14の抵抗値が増加するように変化する。これにより、信号出力端E11,E12の電位差が変化する。差分検出器21は、信号出力端E11,E12の電位差に対応する信号を検出信号S1として出力する。検出信号S1は、成分MF1の強度と対応関係を有している。また、成分MF1の強度は、対象磁界MFの方向と対応関係を有し、対象磁界MFの方向は、磁気センサ1に対する磁界発生器5の相対的な位置、特に回転位置と対応関係を有している。従って、検出信号S1は、回転位置と対応関係を有している。
検出値生成回路22は、検出信号S1に基づいて検出値Vsを生成する。検出値生成回路22は、検出値Vsとして、成分MF1の強度を生成してもよい。成分MF1の強度は、例えば、検出信号S1の値を、成分MF1の強度の変化に対する検出信号S1の変化の割合で割ることによって生成することができる。
あるいは、検出値生成回路22は、検出値Vsとして、位置P1における対象磁界MFの方向がU方向に対してなす角度θを表す値を、0°以上180°未満の範囲内で生成してもよい。この場合、検出値生成回路22は、まず、規格化信号S1cを生成する。規格化信号S1cは、角度θが0°のときにその値が1になり、角度θが180°のときにその値が-1になるように、検出信号S1を規格化した信号である。そして、検出値生成回路22は、規格化信号S1cを用いて、下記の式(1)によって、検出値Vsを生成する。なお、“acos”は、アークコサインを表す。
Vs=acos(S1c) …(1)
前述のように、本実施の形態では、位置P1における対象磁界MFの方向と強度は、基準位置における対象磁界MFの方向と強度と一致する。従って、成分MF1の強度は、基準位置における対象磁界MFのU方向に平行な方向の成分の強度と見なすことができる。また、位置P1における対象磁界MFの方向がU方向に対してなす角度θは、基準位置における対象磁界MFの方向がU方向に対してなす角度と見なすことができる。
検出値Vsとして成分MF1の強度を生成する場合と検出値Vsとして角度θを表す値を生成する場合のいずれの場合においても、検出値Vsは、磁気センサ1に対する磁界発生器5の相対的な位置、特に回転位置と対応関係を有している。
次に、コイル30の構成について更に詳しく説明する。コイル30は、少なくとも1つの導体部分を含んでいる。コイル磁界は、少なくとも1つの導体部分の各々から発生される部分磁界を含んでいる。
少なくとも1つの導体部分の各々は、その導体部分から発生される部分磁界が、少なくとも1つのMR素子のうち、その導体部分に対応するMR素子に印加される位置にある。本実施の形態では、コイル30は、少なくとも1つの導体部分として、4つの導体部分31,32,33,34を含んでいる。導体部分31は、MR素子11に対応し、導体部分31から発生される部分磁界がMR素子11に印加される位置にある。導体部分32は、MR素子12に対応し、導体部分32から発生される部分磁界がMR素子12に印加される位置にある。導体部分33は、MR素子13に対応し、導体部分33から発生される部分磁界がMR素子13に印加される位置にある。導体部分34は、MR素子14に対応し、導体部分34から発生される部分磁界がMR素子14に印加される位置にある。
本実施の形態では特に、導体部分31~34は、いずれも、上側コイル部分30Uの一部である。以下、導体部分31~34を、上側導体部分31~34と記す。図2では、理解を容易にするために、上側導体部分31~34にハッチングを付している。上側導体部分31~34は、いずれも、絶縁層67(図5参照)の上に配置されている。絶縁層67は、MR素子11~14および支持部材40の上面40aを覆っている。
上側導体部分31は、支持部材40との間に、MR素子11を挟む位置に配置されている。上側導体部分32は、支持部材40との間に、MR素子12を挟む位置に配置されている。上側導体部分33は、支持部材40との間に、MR素子13を挟む位置に配置されている。上側導体部分34は、支持部材40との間に、MR素子14を挟む位置に配置されている。
コイル30は、更に、下側導体部分35,36,37,38を含んでいる。下側導体部分35~38は、上側導体部分31~34とは異なるコイル30の一部である。本実施の形態では特に、下側導体部分35~38は、いずれも、下側コイル部分30Lのうちの支持部材40の下面40b側に配置された一部である。図3では、理解を容易にするために、下側導体部分35~38にハッチングを付している。下側導体部分35~38は、本発明における「少なくとも1つの第2の導体部分」に対応する。
コイル磁界は、更に、下側導体部分35~38の各々から発生される部分磁界を含んでいる。下側導体部分35~38の各々から発生される部分磁界は、本発明における「第2の部分磁界」に対応する。
下側導体部分35は、MR素子11に対応し、下側導体部分35から発生される部分磁界がMR素子11に印加される位置にある。下側導体部分36は、MR素子12に対応し、下側導体部分36から発生される部分磁界がMR素子12に印加される位置にある。下側導体部分37は、MR素子13に対応し、下側導体部分37から発生される部分磁界がMR素子13に印加される位置にある。下側導体部分38は、MR素子14に対応し、下側導体部分38から発生される部分磁界がMR素子14に印加される位置にある。
また、下側導体部分35は、MR素子11との間に支持部材40を挟む位置に配置されている。下側導体部分36は、MR素子12との間に支持部材40を挟む位置に配置されている。下側導体部分37は、MR素子13との間に支持部材40を挟む位置に配置されている。下側導体部分38は、MR素子14との間に支持部材40を挟む位置に配置されている。
ここで、図11を参照して、上側導体部分31~34および下側導体部分35~38の形状について説明する。図11は、上側導体部分31および下側導体部分35の形状を説明するための説明図である。図11では、上側コイル部分30Uのうち、上側導体部分31とそれ以外の部分との境界を点線で示している。また、下側コイル部分30Lのうち、下側導体部分35とそれ以外の部分との境界を点線で示している。
上側導体部分31は、MR素子11から遠ざかる方向に凸となるように湾曲した仮想の曲線Lに沿って延在している。図11では、仮想の曲線Lを、符号Lを付した二点鎖線の曲線で示している。仮想の曲線Lは、YZ平面に平行な曲線である。図11に示した例では、MR素子11から遠ざかる方向は、具体的には、Z方向からY方向に向かって0°より大きく90°より小さい所定の角度だけ傾いた方向である。仮想の曲線Lは、MR素子11から見て、この方向に凸となるように湾曲している。また、上側導体部分31は、その一部が、MR素子11を構成する各層の面に平行になるように延在している。
下側導体部分35は、Y方向に沿って延在している。また、下側導体部分35は、MR素子11を構成する各層の面に非平行になるように延在している。
同様に、上側導体部分32は、MR素子12から遠ざかる方向に凸となるように湾曲した仮想の曲線に沿って延在している。また、上側導体部分32は、その一部が、MR素子12を構成する各層の面に平行になるように延在している。同様に、上側導体部分33は、MR素子13から遠ざかる方向に凸となるように湾曲した仮想の曲線に沿って延在している。また、上側導体部分33は、その一部が、MR素子13を構成する各層の面に平行になるように延在している。同様に、上側導体部分34は、MR素子14から遠ざかる方向に凸となるように湾曲した仮想の曲線に沿って延在している。また、上側導体部分34は、その一部が、MR素子14を構成する各層の面に平行になるように延在している。これらの仮想の曲線は、いずれも、YZ平面に平行な曲線である。
同様に、下側導体部分36~38は、いずれも、Y方向に沿って延在している。また、下側導体部分36は、MR素子12を構成する各層の面に非平行になるように延在している。下側導体部分37は、MR素子13を構成する各層の面に非平行になるように延在している。下側導体部分38は、MR素子14を構成する各層の面に非平行になるように延在している。
次に、本実施の形態に係る磁気センサ1の作用および効果について説明する。本実施の形態では、コイル30の上側導体部分31~34の各々は、その導体部分から発生される部分磁界が、その導体部分に対応するMR素子10に印加される位置にあると共に、対応するMR素子10から遠ざかる方向に凸となるように湾曲した仮想の曲線に沿って延在している。これにより、本実施の形態によれば、コイル30によって、MR素子10に十分な強度の磁界を印加することができる。以下、この効果について、上側導体部分31およびMR素子11の組を例にとって説明する。
図11において、MR素子11と上側コイル部分30Uに重なる複数の破線の曲線は、上側導体部分31から発生される部分磁界に対応する磁力線を表している。部分磁界は、上側導体部分31の延在方向に延びる上側導体部分31の中心線の軸周り方向に発生する。上側導体部分31の中心線は、仮想の曲線Lと同様に、MR素子11から遠ざかる方向に凸となるように湾曲した曲線である。上側導体部分31の中心線がこのような曲線である場合、上側導体部分31の長手方向の両端の近傍から発生される部分磁界は、MR素子11に向かって傾く。これにより、図11に示したように、上側導体部分31から発生される複数の部分磁界を、MR素子11に集中させることができる。上側導体部分31の延在方向における中央の位置を同じにして比較すると、MR素子11に印加される部分磁界の強度は、上側導体部分31の中心線が直線またはMR素子11に近づく方向に凸となるように湾曲した曲線である場合に比べて大きくなる。
上記の上側導体部分31およびMR素子11の組についての説明は、上側導体部分32およびMR素子12の組、上側導体部分33およびMR素子13の組ならびに上側導体部分34およびMR素子14の組にも当てはまる。以上のことから、本実施の形態によれば、コイル30によって、MR素子10に十分な強度の磁界を印加することができる。
また、本実施の形態によれば、上述のように、MR素子10に印加される部分磁界の強度を大きくすることができることから、例えば検出値生成回路22とコイル30に共通の電源が用いられる場合等、磁気センサシステム100の制限によって、コイル30に流す電流の大きさが制限される場合であっても、コイル30によって、MR素子10に十分な強度の磁界を印加することができる。
また、本実施の形態では、MR素子10を支持する支持部材40の上面40aは、曲面部分40a1を含んでいる。曲面部分40a1は、支持部材40の下面40bから遠ざかる方向に凸となるように湾曲している。このような形状の曲面部分40a1は、例えば、第2の方向において互いに異なる複数の位置において、支持部材40を構成する絶縁層の膜厚が異なるように、絶縁層を堆積することによって形成することができる。また、磁気センサ1は、MR素子10および支持部材40の上面40aを覆う絶縁層65~67を備えている。上側導体部分31~34は、絶縁層67の上に配置されている。本実施の形態によれば、絶縁層65~67の各々を、曲面部分40a1に沿って形成することにより、上側導体部分31~34の形状を、曲面部分40a1に沿って延在する形状にすることができる。なお、上側導体部分31~34の各々が沿う仮想の曲線は、曲面部分40a1に沿って湾曲した曲線になる。
また、本実施の形態では、コイル30は、更に、下側導体部分35~38を含んでいる。図11において、MR素子11と下側コイル部分30Lに重なる破線の曲線は、下側導体部分35から発生される部分磁界に対応する磁力線を表している。図11に示したように、下側導体部分35から発生される部分磁界は、MR素子11に印加される。これにより、本実施の形態によれば、MR素子11に印加される部分磁界の強度をより大きくすることができる。上記の下側導体部分35およびMR素子11の組についての説明は、下側導体部分36およびMR素子12の組、下側導体部分37およびMR素子13の組ならびに下側導体部分38およびMR素子14の組にも当てはまる。従って、本実施の形態によれば、コイル30によって、MR素子10により大きな強度の磁界を印加することができる。
ところで、本実施の形態では、コイル30が発生するコイル磁界は、MR素子10の自由層54の磁化の方向を所定の方向すなわちX方向または-X方向に向かせるために用いられる。コイル磁界は、MR素子10に一時的に印加されるものであってもよい。これにより、本実施の形態によれば、磁気センサ1の使用開始時点における自由層54の磁化の方向を、所定の方向に揃えることができる。
[変形例]
次に、本実施の形態に係る磁気センサ1の第1および第2の変形例について説明する。始めに、図12を参照して、磁気センサ1の第1の変形例について説明する。図12は、磁気センサ1の第1の変形例の一断面を示す断面図である。第1の変形例では、支持部材40の上面40aは、曲面部分40a1を含んでおらず、XY平面に平行な平面である。
また、第1の変形例では、MR素子10は、支持部材40の上面40aの上に配置されている。MR素子10と支持部材40との間には、下部電極41が介在している。MR素子10の下面ならびにMR素子10を構成する各層の面は、XY平面に平行な平面である。
また、第1の変形例では、絶縁層67は、Z方向の端に位置する上面を有し、この上面は、曲面部分を含んでいる。この曲面部分の形状は、図5に示した支持部材40の上面40aの曲面部分40a1の形状と同様である。絶縁層67は、絶縁層67の上面に曲面部分が形成されるような形状を有している。具体的には、絶縁層67は、YZ平面に平行な任意の断面において、Z方向に張り出すような形状を有している。
第1の変形例では、コイル30の上側導体部分31~34および下側導体部分35~38の形状は、図1ないし図5に示した例と同様である。そのため、コイル30の上側導体部分31~34は、それぞれ、MR素子11~14を構成する各層の面に非平行になるように延在している。一方、コイル30の下側導体部分35~38は、それぞれ、その一部が、MR素子11~14を構成する各層の面に平行になるように延在している。
次に、図13を参照して、磁気センサ1の第2の変形例について説明する。図13は、磁気センサ1の第2の変形例の一断面を示す断面図である。第2の変形例は、以下の点で第1の変形例と異なっている。第2の変形例では、絶縁層67の上面は、周期的に湾曲する周期的曲面部分を含んでいる。コイル30の上側コイル部分30Uは、周期的曲面部分に沿ったミアンダ形状を有している。なお、上側コイル部分30Uの一部である上側導体部分31~34は、それぞれ、対応するMR素子10から遠ざかる方向に凸となるように湾曲した仮想の曲線に沿って延在しているという要件を満たしている。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。始めに、図14ないし図18を参照して、本実施の形態に係る磁気センサの構成について説明する。図14および図15は、本実施の形態に係る磁気センサのMR素子およびコイルを示す斜視図である。図16は、本実施の形態に係る磁気センサを示す平面図である。図17は、本実施の形態に係る磁気センサの一断面を示す断面図である。図18は、本実施の形態に係る磁気センサの回路構成を示す回路図である。
本実施の形態に係る磁気センサ101は、以下の点で、第1の実施の形態に係る磁気センサ1と異なっている。磁気センサ101は、少なくとも1つのMR素子として、第1の実施の形態におけるMR素子11~14に加えて、4つのMR素子15,16,17,18を備えている。MR素子15~18は、MR素子11~14と共に、支持部材40の上面40aの曲面部分40a1の上に配置されている。特に、MR素子15~18は、いずれも、曲面部分40a1の第2の側方部分SD2の上に配置されている。なお、MR素子15~18と支持部材40との間には、後述する下部電極が介在している。
また、図16に示したように、MR素子15~18は、MR素子11~14の-Y方向の先にある位置において、-X方向に沿ってこの順に一列に並んでいる。第1の実施の形態で説明したように、第2の方向は、Y方向に平行な方向である。MR素子11,15は、第2の方向おける曲面部分40a1の中央と交差するXZ平面を中心として対称またはほぼ対称な位置に配置されている。同様に、MR素子12,16は、上記XZ平面を中心として対称またはほぼ対称な位置に配置されている。同様に、MR素子13,17は、上記XZ平面を中心として対称またはほぼ対称な位置に配置されている。同様に、MR素子14,18は、上記XZ平面を中心として対称またはほぼ対称な位置に配置されている。
MR素子15~18の各々の構成は、MR素子11~14の各々の構成と同じである。すなわち、MR素子15~18の各々は、積層された複数の層からなる。各層の面を平面と見なすと、MR素子15~18の各々は、各層の面がXY平面に対して傾くような姿勢で、第2の側方部分SD2の上に配置されている。また、MR素子15~18の各々は、支持部材40に対向する下面を有している。MR素子15~18の各々の下面は、曲面部分40a1に沿って湾曲した曲面である。
また、本実施の形態に係る磁気センサ101は、第1の実施の形態における複数の下部電極41および複数の上部電極42の代わりに、複数の下部電極41Aと、複数の下部電極41Bと、複数の上部電極42Aと、複数の上部電極42Bとを備えている。電極41A,41B,42A,42Bは、例えば、第1の実施の形態における電極41,42と同じ材料によって形成されている。複数の下部電極41Aと複数の上部電極42Aは、MR素子11~14を電気的に接続している。複数の下部電極41Aと複数の上部電極42Aの形状および配置は、第1の実施の形態における複数の下部電極41および複数の上部電極42と同じである。
複数の下部電極41Bと複数の上部電極42Bは、MR素子15~18を電気的に接続している。複数の下部電極41Bは、支持部材40の上面40aの上に配置されている。なお、複数の下部電極41Bは、主に、支持部材40の上面40aのうち、曲面部分40a1の第2の側方部分SD2の上に配置されている。MR素子15~18は、複数の下部電極41Bの上に配置されている。
本実施の形態では、絶縁層65は、支持部材40の上面40aの上において複数の下部電極41A,41Bの周囲に配置されている。絶縁層66は、複数の下部電極41A,41Bおよび絶縁層65の上においてMR素子11~18の周囲に配置されている。複数の上部電極42Aは、MR素子11~14および絶縁層66の上に配置されている。複数の上部電極42Bは、MR素子15~18および絶縁層66の上に配置されている。絶縁層67は、複数の上部電極42A,42Bおよび絶縁層66の上に配置されている。なお、図16では、複数の下部電極41A,41B、複数の上部電極42A,42Bおよび絶縁層65~67を省略している。
また、本実施の形態では、MR素子11~18とコイル30は、一体化されている。コイル30は、MR素子11~18の周りに巻回されている。本実施の形態では特に、コイル30は、MR素子11~18の各々に、X方向または-X方向のコイル磁界が印加されるように巻回されている。例えば、コイル30の第1の端部30aからコイル30の第2の端部30bに向かう方向に電流を流すと、MR素子11,13,15,17の各々には-X方向のコイル磁界が印加され、MR素子12,14,16,18の各々にはX方向のコイル磁界が印加される。なお、図15および図16では、コイル30の上側コイル部分30Uを二点鎖線で示している。図16では、コイル30の下側コイル部分30Lを破線で示している。
図18に示したように、本実施の形態に係る磁気センサ101は、更に、電源端V2と、2つの信号出力端E21,E22と、差分検出器23とを備えている。MR素子15は、電源端V2と信号出力端E21との間に設けられている。MR素子16は、信号出力端E21とグランド端G1との間に設けられている。MR素子17は、信号出力端E22とグランド端G1との間に設けられている。MR素子18は、電源端V2と信号出力端E22との間に設けられている。電源端V2には、電源端V1と同様に、所定の大きさの電源電圧が印加される。差分検出器23は、信号出力端E21,E22の電位差に対応する信号を検出信号S2として出力する。
本実施の形態では、検出値生成回路22は、差分検出器21が出力する検出信号S1と、差分検出器23が出力する検出信号S2に基づいて検出値Vsを生成する。本実施の形態における検出値Vsの生成方法については、後で説明する。
また、本実施の形態では、コイル30は、第1の実施の形態における上側導体部分31~34および下側導体部分35~38の代わりに、8つの上側導体部分31A,32A,33A,34A,31B,32B,33B,34Bと、8つの下側導体部分35A,36A,37A,38A,35B,36B,37B,38Bを含んでいる。
上側導体部分31A~34A,31B~34Bは、本発明における「少なくとも1つの導体部分」に対応する。上側導体部分31A~34A,31B~34Bは、いずれも、上側コイル部分30Uの一部である。図14では、理解を容易にするために、上側導体部分31A~34A,31B~34Bにハッチングを付している。上側導体部分31A~34A,31B~34Bは、いずれも、絶縁層67の上に配置されている。
下側導体部分35A~38A,35B~38Bは、本発明における「少なくとも1つの第2の導体部分」に対応する。下側導体部分35A~38A,35B~38Bは、上側導体部分31A~34A,31B~34Bとは異なるコイル30の一部である。本実施の形態では特に、下側導体部分35A~38A,35B~38Bは、いずれも、下側コイル部分30Lのうちの支持部材40の下面40b側に配置された一部である。図15では、理解を容易にするために、下側導体部分35A~38A,35B~38Bにハッチングを付している。
上側導体部分31A~34Aおよび下側導体部分35A~38Aの形状および配置は、第1の実施の形態における上側導体部分31~34および下側導体部分35~38の形状および配置と同じである。
上側導体部分31Bは、MR素子15に対応し、上側導体部分31Bから発生される部分磁界がMR素子15に印加される位置にある。上側導体部分32Bは、MR素子16に対応し、上側導体部分32Bから発生される部分磁界がMR素子16に印加される位置にある。上側導体部分33は、MR素子17に対応し、上側導体部分33Bから発生される部分磁界がMR素子17に印加される位置にある。上側導体部分34Bは、MR素子18に対応し、上側導体部分34Bから発生される部分磁界がMR素子18に印加される位置にある。
また、上側導体部分31Bは、支持部材40との間に、MR素子15を挟む位置に配置されている。上側導体部分32Bは、支持部材40との間に、MR素子16を挟む位置に配置されている。上側導体部分33Bは、支持部材40との間に、MR素子17を挟む位置に配置されている。上側導体部分34Bは、支持部材40との間に、MR素子18を挟む位置に配置されている。
下側導体部分35Bは、MR素子15に対応し、下側導体部分35Bから発生される部分磁界がMR素子15に印加される位置にある。下側導体部分36Bは、MR素子16に対応し、下側導体部分36Bから発生される部分磁界がMR素子16に印加される位置にある。下側導体部分37Bは、MR素子17に対応し、下側導体部分37Bから発生される部分磁界がMR素子17に印加される位置にある。下側導体部分38Bは、MR素子18に対応し、下側導体部分38Bから発生される部分磁界がMR素子18に印加される位置にある。
また、下側導体部分35Bは、MR素子15との間に支持部材40を挟む位置に配置されている。下側導体部分36Bは、MR素子16との間に支持部材40を挟む位置に配置されている。下側導体部分37Bは、MR素子17との間に支持部材40を挟む位置に配置されている。下側導体部分38Bは、MR素子18との間に支持部材40を挟む位置に配置されている。
図19は、上側導体部分31Bおよび下側導体部分35Bの形状を説明するための説明図である。図19では、上側コイル部分30Uのうち、上側導体部分31Bとそれ以外の部分との境界を点線で示している。また、下側コイル部分30Lのうち、下側導体部分35Bとそれ以外の部分との境界を点線で示している。
上側導体部分31Bは、MR素子15から遠ざかる方向に凸となるように湾曲した仮想の曲線Lに沿って延在している。図19では、仮想の曲線Lを、符号Lを付した二点鎖線の曲線で示している。仮想の曲線Lは、YZ平面に平行な曲線である。図19に示した例では、MR素子15から遠ざかる方向は、具体的には、Z方向から-Y方向に向かって0°より大きく90°より小さい所定の角度だけ傾いた方向である。仮想の曲線Lは、MR素子15から見て、この方向に凸となるように湾曲している。また、上側導体部分31Bは、その一部が、MR素子15を構成する各層の面に平行になるように延在している。なお、図19において、MR素子15と上側コイル部分30Uに重なる複数の破線の曲線は、上側導体部分31Bから発生される部分磁界に対応する磁力線を表している。
下側導体部分35Bは、Y方向に沿って延在している。また、下側導体部分35Bは、MR素子15を構成する各層の面に非平行になるように延在している。なお、図19において、MR素子15と下側コイル部分30Lに重なる破線の曲線は、下側導体部分35Bから発生される部分磁界に対応する磁力線を表している。
同様に、上側導体部分32Bは、MR素子16から遠ざかる方向に凸となるように湾曲した仮想の曲線に沿って延在している。また、上側導体部分32Bは、その一部が、MR素子16を構成する各層の面に平行になるように延在している。同様に、上側導体部分33Bは、MR素子17から遠ざかる方向に凸となるように湾曲した仮想の曲線に沿って延在している。また、上側導体部分33Bは、その一部が、MR素子17を構成する各層の面に平行になるように延在している。同様に、上側導体部分34Bは、MR素子18から遠ざかる方向に凸となるように湾曲した仮想の曲線に沿って延在している。また、上側導体部分34Bは、その一部が、MR素子18を構成する各層の面に平行になるように延在している。これらの仮想の曲線は、いずれも、YZ平面に平行な曲線である。
同様に、下側導体部分36B~38Bは、いずれも、Y方向に沿って延在している。また、下側導体部分36Bは、MR素子16を構成する各層の面に非平行になるように延在している。下側導体部分37Bは、MR素子17を構成する各層の面に非平行になるように延在している。下側導体部分38Bは、MR素子18を構成する各層の面に非平行になるように延在している。
次に、本実施の形態における検出値Vsの生成方法について説明する。以下、MR素子11~14のうちの任意のMR素子について説明する際には、そのMR素子を符号10Aで表し、MR素子15~18のうちの任意のMR素子について説明する際には、そのMR素子を符号10Bで表す。また、MR素子10Aを第1のMR素子10Aと言い、MR素子10Bを第2のMR素子10Bと言う。第1のMR素子10Aは、第1の実施の形態におけるMR素子10に対応する。
ここで、第1のMR素子10Aを構成する各層の面を平面と見なしたときに、各層の面に平行な一方向であって、X方向と直交する一方向をV方向とする。また、V方向とは反対の方向を、-V方向とする。第1の実施の形態で説明したように、各層の面を平面と見なすと、第1のMR素子10Aは、各層の面がXY平面に対して傾くような姿勢で、第1の側方部分SD1の上に配置されている。そのため、V方向は、Y方向または-Y方向とは異なる方向になる。本実施の形態では、V方向を、Y方向から-Z方向に向かってαだけ回転した方向とする。なお、αは、0°よりも大きく90°よりも小さい角度である。
図20は、第1のMR素子10Aが検出する対象磁界MFについて説明するための説明図である。図20では、第1のMR素子10Aが対象磁界MFを検出する位置を、記号Paで示している。本実施の形態では、位置Paにおける対象磁界MFの方向と強度は、回転軸C(図1参照)上の基準位置における対象磁界MFの方向と強度と一致するものとする。位置Paにおける対象磁界MFの方向は、位置Paを中心として回転する。以下、位置Paにおける対象磁界MFを、符号MFaで表す。
また、図20では、位置Paを通りY方向に平行な仮想の直線を記号LYaで示し、位置Paを通りZ方向に平行な仮想の直線を記号LZaで示し、位置Paを通りV方向に平行な仮想の直線を記号LVで示している。
磁気センサ101は、対象磁界MFaのV方向に平行な方向の成分の強度を検出することができるように、MR素子11~14の各々の磁化固定層52の磁化の方向と、MR素子11~14の各々の自由層54の形状異方性が設定されている。図18において、塗りつぶした矢印は、磁化固定層52の磁化の方向を表している。また、図18には、X方向とV方向を示している。図18に示したように、本実施の形態では、MR素子11,13の各々の磁化固定層52の磁化の方向は、V方向であり、MR素子12,14の各々の磁化固定層52の磁化の方向は、-V方向である。また、自由層54は、磁化容易軸方向がX方向に平行な方向となる形状異方性を有している。
図20に示したように、対象磁界MFaは、Y方向に平行な方向の磁界MFayと、Z方向に平行な方向の磁界MFazとの合成磁界と見なすことができる。MR素子11~14の各々は、磁界MFayのV方向に平行な方向の成分と、磁界MFazのV方向に平行な方向の成分との合成磁界を検出する。以下、V方向に平行な方向の成分をV成分と言い、磁界MFayのV成分と磁界MFazのV成分の合成磁界を、第1の合成磁界と言う。差分検出器21は、第1の合成磁界の強度と対応関係を有する信号を、検出信号S1として出力する。
また、第1の合成磁界の強度は、磁界MFayのV成分の強度と、磁界MFazのV成分の強度との和と等しい。ここで、磁界MFayの強度を記号Byで表し、磁界MFazの強度を記号Bzで表す。強度Byは、磁界MFayの方向がY方向のときに正の値で表し、磁界MFayの方向が-Y方向のときに負の値で表す。強度Bzは、磁界MFazの方向がZ方向のときに正の値で表し、磁界MFazの方向が-Z方向のときに負の値で表す。また、第1の合成磁界の強度の変化に対する検出信号S1の変化の割合を、記号Saで表す。検出信号S1は、下記の式(2)で表される。
S1=Sa*(By*cosα-Bz*sinα) …(2)
なお、V成分の強度は、V成分の方向がV方向となるときに正の値で表し、V成分の方向が-V方向となるときに負の値で表すものとする。磁界MFayのV成分の強度の正負は磁界MFayの強度Byの正負と一致するが、磁界MFazのV成分の強度の正負は磁界MFazの強度Bzの正負とは逆になる。そのため、式(2)では、磁界MFayのV成分の強度を“By*cosα”とし、磁界MFazのV成分の強度を“-Bz*sinα”としている。
また、第2のMR素子10Bを構成する各層の面を平面と見なしたときに、各層の面に平行な一方向であって、X方向と直交する一方向をW方向とする。また、W方向とは反対の方向を、-W方向とする。前述のように、各層の面を平面と見なすと、第2のMR素子10Bは、各層の面がXY平面に対して傾くような姿勢で、第2の側方部分SD2の上に配置されている。そのため、W方向は、Y方向または-Y方向とは異なる方向になる。本実施の形態では、W方向を、Y方向からZ方向に向かってαだけ回転した方向とする。
図21は、第2のMR素子10Bが検出する対象磁界MFについて説明するための説明図である。図21では、第2のMR素子10Bが対象磁界MFを検出する位置を、記号Pbで示している。本実施の形態では、位置Pbにおける対象磁界MFの方向と強度は、回転軸C上の基準位置における対象磁界MFの方向と強度と一致するものとする。位置Pbにおける対象磁界MFの方向は、位置Pbを中心として回転する。以下、位置Pbにおける対象磁界MFを、符号MFbで表す。
また、図21では、位置Pbを通りY方向に平行な仮想の直線を記号LYbで示し、位置Pbを通りZ方向に平行な仮想の直線を記号LZbで示し、位置Pbを通りW方向に平行な仮想の直線を記号LWで示している。
また、磁気センサ101は、対象磁界MFbのW方向に平行な方向の成分の強度を検出することができるように、MR素子15~18の各々の磁化固定層52の磁化の方向と、MR素子15~18の各々の自由層54の形状異方性が設定されている。図18には、X方向とW方向を示している。なお、図18では、便宜上、W方向をV方向と同じ矢印を用いて示している。図18に示したように、本実施の形態では、MR素子15,17の各々の磁化固定層52の磁化の方向は、W方向であり、MR素子16,18の各々の磁化固定層52の磁化の方向は、-W方向である。また、自由層54は、磁化容易軸方向がX方向に平行な方向となる形状異方性を有している。
図21に示したように、対象磁界MFbは、Y方向に平行な方向の磁界MFbyと、Z方向に平行な方向の磁界MFbzとの合成磁界と見なすことができる。MR素子15~18の各々は、磁界MFbyのW方向に平行な方向の成分と、磁界MFbzのW方向に平行な方向の成分との合成磁界を検出する。以下、W方向に平行な方向の成分をW成分と言い、磁界MFbyのW成分と磁界MFbzのW成分の合成磁界を、第2の合成磁界と言う。差分検出器23は、第2の合成磁界の強度と対応関係を有する信号を、検出信号S2として出力する。
また、第2の合成磁界の強度は、磁界MFbyのW成分の強度と、磁界MFbzのW成分の強度との和と等しい。ところで、対象磁界MFbの強度と対象磁界MFaの強度は、いずれも、基準位置における対象磁界MFの強度と等しい。そのため、磁界MFbyの強度は磁界MFayの強度と等しくなり、磁界MFbzの強度は磁界MFazの強度と等しくなる。そこで、磁界MFbyの強度を磁界MFayの強度と同様に記号Byで表し、磁界MFbzの強度を磁界MFazの強度と同様に記号Bzで表す。また、第2の合成磁界の強度の変化に対する検出信号S2の変化の割合を、記号Sbで表す。検出信号S2は、下記の式(3)で表される。
S2=Sb*(By*cosα+Bz*sinα) …(3)
なお、W成分の強度は、W成分の方向がW方向となるときに正の値で表し、W成分の方向が-W方向となるときに負の値で表すものとする。磁界MFbyのW成分の強度の正負は磁界MFbyの強度Byの正負と一致し、磁界MFbzのW成分の強度の正負も磁界MFbzの強度Bzの正負と一致する。そのため、式(3)では、磁界MFbyのW成分の強度を“By*cosα”とし、磁界MFbzのW成分の強度を“Bz*sinα”としている。
本実施の形態では、検出値生成回路22は、検出信号S1,S2に基づいて検出値Vsを生成する。検出値生成回路22は、検出値Vsとして、基準位置における対象磁界MFの方向がZ方向に対してなす角度を求めてもよい。なお、この角度は、対象磁界MFの方向がZ方向からY方向に向かって傾いたときに正の値で表し、対象磁界MFの方向がZ方向から-Y方向に向かって傾いたときに負の値で表す。この場合、検出値生成回路22は、まず、検出信号S1,S2に基づいて、基準位置における対象磁界MFのY方向に平行な方向の成分の強度を表す値Bysと、基準位置における対象磁界MFのZ方向に平行な方向の成分の強度を表す値Bzsを算出する。
基準位置における対象磁界MFのY方向の成分の強度は、磁界MFayまたは磁界MFbyの強度Byと等しい。また、第1の合成磁界の強度の変化に対する検出信号S1の変化の割合Saと、第2の合成磁界の強度の変化に対する検出信号S2の変化の割合Sbは、互いに等しいものとする。式(2)におけるSaと式(3)におけるSbをいずれもScに置き換えると、式(2)、(3)から、強度Byは、下記の式(4)で表される。
By=(S2+S1)/(2Sc*cosα) …(4)
検出値生成回路22は、例えば、式(4)の右辺を用いて、値Bysを算出する。なお、Scは、予め求められている。
また、基準位置における対象磁界MFのZ方向の成分の強度は、磁界MFazまたは磁界MFbzの強度Bzと等しい。式(4)と同様に、式(2)におけるSaと式(3)におけるSbをScに置き換えると、式(2)、(3)から、強度Bzは、下記の式(5)で表される。
Bz=(S2-S1)/(2Sc*sinα) …(5)
検出値生成回路22は、例えば、式(5)の右辺を用いて、値Bzsを算出する。
検出値生成回路22は、次に、値Bys,Bzsを用いて、検出値Vsとして、対象磁界MFの方向がZ方向に対してなす角度を求める。具体的には、検出値生成回路22は、例えば、下記の式(6)によって、検出値Vsを生成する。なお、“atan”は、アークタンジェントを表す。
Vs=90°-atan(Bzs/Bys)
=90°-θs …(6)
θsが0°以上360°未満の範囲内では、式(6)におけるθsの解には、180°異なる2つの値がある。しかし、Bys,Bzsの正負の組み合わせにより、θsの真の値が、式(6)におけるθsの2つの解のいずれであるかを判別することができる。検出値生成回路22は、式(6)と、上記のBys,Bzsの正負の組み合わせの判定により、0°以上360°未満の範囲内でθsを求める。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。請求の範囲の要件を満たす限り、コイル30の少なくとも1つの導体部分の形状および配置は、各実施の形態に示した例に限られず、任意である。例えば、支持部材40の下面40b側に配置された導体部分が、対応するMR素子から遠ざかる方向に凸となるように湾曲した仮想の曲線に沿って延在していてもよい。
また、支持部材40の上面40aは、複数の曲面部分を含んでいてもよい。複数の曲面部分の各々の形状は、曲面部分40a1の形状と同じである。複数の曲面部分は、Y方向に並ぶように配置されていてもよい。この場合、複数の曲面部分毎に、MR素子が設けられていてもよい。
また、第1の実施の形態に係る磁気センサ1では、検出値生成回路22は、検出値Vsとして、対象磁界MFのZ方向に平行な方向の成分の強度を表す値を生成してもよい。また、第1の実施の形態に係る磁気センサ1では、検出値生成回路22は、検出値Vsとして、値Bys,Bzsの組を生成してもよい。
1…磁気センサ、5…磁界発生器、6A,6B…磁石,11~14…MR素子、21…差分検出器、22…検出値生成回路、30…コイル、31~34…上側導体部分、35~38…下側導体部分、40…支持部材、40a…上面、40a1…曲面部分、41…下部電極、42…上部電極、51…反強磁性層、52…磁化固定層、53…ギャップ層、54…自由層、61…基板、62~67…絶縁層、100…磁気センサシステム、200…産業用ロボット、201…可動部、202…支持部。

Claims (15)

  1. 外部磁界に応じて抵抗値が変化する少なくとも1つの磁気抵抗効果素子と、
    前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子に印加するための磁界であるコイル磁界を発生するコイルと
    前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子を支持する支持部材とを備え、
    前記コイルは、少なくとも1つの導体部分を含み、
    前記コイル磁界は、前記少なくとも1つの導体部分の各々から発生される部分磁界を含み、
    前記少なくとも1つの導体部分の各々は、その導体部分から発生される前記部分磁界が、前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子のうち、その導体部分に対応する磁気抵抗効果素子に印加される位置にあると共に、前記対応する磁気抵抗効果素子から遠ざかる方向に凸となるように湾曲した仮想の曲線に沿って延在し
    前記支持部材は、湾曲した曲面部分を含み、
    前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子は、前記曲面部分の上に配置されていることを特徴とする磁気センサ。
  2. 前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子の各々は、前記支持部材に対向する下面を有し、
    前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子の各々の前記下面は、前記曲面部分に沿って湾曲した曲面であることを特徴とする請求項記載の磁気センサ。
  3. 前記支持部材は、前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子に対向する上面と、前記上面とは反対側に位置する下面とを有し、
    前記支持部材の前記上面は、前記曲面部分を含み、
    前記曲面部分は、前記支持部材の前記下面から遠ざかる方向に凸となるように湾曲していることを特徴とする請求項1または2記載の磁気センサ。
  4. 前記支持部材の前記上面の前記曲面部分は、第1の方向に沿って延在すると共に、前記第1の方向に直交する第2の方向における前記曲面部分の中央に位置する中央部分と、前記第2の方向における前記中央部分の両側に位置する第1の側方部分および第2の側方部分とを含み、
    前記第1の側方部分と前記第2の側方部分は、前記中央部分よりも前記支持部材の前記下面により近い位置にあると共に、前記支持部材の前記下面に近づくに従って互いの距離が大きくなる2つの湾曲した斜面であり、
    前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子は、前記第1の側方部分の上に配置されていることを特徴とする請求項記載の磁気センサ。
  5. 前記支持部材の前記上面の前記曲面部分は、第1の方向に沿って延在すると共に、前記第1の方向に直交する第2の方向における前記曲面部分の中央に位置する中央部分と、前記第2の方向における前記中央部分の両側に位置する第1の側方部分および第2の側方部分とを含み、
    前記第1の側方部分と前記第2の側方部分は、前記中央部分よりも前記支持部材の前記下面により近い位置にあると共に、前記支持部材の前記下面に近づくに従って互いの距離が大きくなる2つの湾曲した斜面であり、
    前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子は、前記第1の側方部分の上に配置された少なくとも1つの第1の磁気抵抗効果素子と、前記第2の側方部分の上に配置された少なくとも1つの第2の磁気抵抗効果素子とを含むことを特徴とする請求項記載の磁気センサ。
  6. 前記少なくとも1つの導体部分は、前記支持部材との間に前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子を挟む位置に配置されていることを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の磁気センサ。
  7. 更に、前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子および前記支持部材の前記曲面部分を覆う絶縁層を備え、
    前記少なくとも1つの導体部分は、前記絶縁層の上に配置されていることを特徴とする請求項記載の磁気センサ。
  8. 前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子の各々は、積層された複数の層からなり、
    前記少なくとも1つの導体部分の各々は、前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子のうち、その導体部分に対応する磁気抵抗効果素子を構成する各層の面に非平行になるように延在していることを特徴とする請求項6または7記載の磁気センサ。
  9. 外部磁界に応じて抵抗値が変化する少なくとも1つの磁気抵抗効果素子と、
    前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子に印加するための磁界であるコイル磁界を発生するコイルと、
    前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子を支持する支持部材とを備え、
    前記支持部材は、前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子に対向する上面と、前記上面とは反対側に位置する下面とを有し、
    前記コイルは、少なくとも1つの導体部分を含み、
    前記少なくとも1つの導体部分は、前記支持部材との間に前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子を挟む位置に配置され、
    前記コイル磁界は、前記少なくとも1つの導体部分の各々から発生される部分磁界を含み、
    前記少なくとも1つの導体部分の各々は、その導体部分から発生される前記部分磁界が、前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子のうち、その導体部分に対応する磁気抵抗効果素子に印加される位置にあると共に、前記対応する磁気抵抗効果素子から遠ざかる方向に凸となるように湾曲した仮想の曲線に沿って延在し、
    前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子の各々は、積層された複数の層からなり、
    前記少なくとも1つの導体部分の各々は、その一部が、前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子のうち、その導体部分に対応する磁気抵抗効果素子を構成する各層の面に平行になるように延在していることを特徴とする磁気センサ。
  10. 外部磁界に応じて抵抗値が変化する少なくとも1つの磁気抵抗効果素子と、
    前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子に印加するための磁界であるコイル磁界を発生するコイルと、
    前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子を支持する支持部材とを備え、
    前記支持部材は、前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子に対向する上面と、前記上面とは反対側に位置する下面とを有し、
    前記コイルは、少なくとも1つの導体部分を含み、
    前記少なくとも1つの導体部分は、前記支持部材との間に前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子を挟む位置に配置され、
    前記コイル磁界は、前記少なくとも1つの導体部分の各々から発生される部分磁界を含み、
    前記少なくとも1つの導体部分の各々は、その導体部分から発生される前記部分磁界が、前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子のうち、その導体部分に対応する磁気抵抗効果素子に印加される位置にあると共に、前記対応する磁気抵抗効果素子から遠ざかる方向に凸となるように湾曲した仮想の曲線に沿って延在し、
    前記コイルは、更に、少なくとも1つの第2の導体部分を含み、
    前記少なくとも1つの第2の導体部分は、前記少なくとも1つの導体部分とは異なる前記コイルの一部であり、
    前記コイル磁界は、更に、前記少なくとも1つの第2の導体部分の各々から発生される第2の部分磁界を含み、
    前記少なくとも1つの第2の導体部分は、前記支持部材の前記下面側に配置され、
    前記少なくとも1つの第2の導体部分の各々は、その第2の導体部分から発生される前記第2の部分磁界が、前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子のうち、その第2の導体部分に対応する磁気抵抗効果素子に印加される位置にあることを特徴とする磁気センサ。
  11. 前記少なくとも1つの第2の導体部分は、前記少なくとも1つの導体部分とは形状が対称ではないことを特徴とする請求項10記載の磁気センサ。
  12. 前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子の各々は、積層された複数の層からなり、
    前記少なくとも1つの導体部分の各々は、その一部が、前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子のうち、その導体部分に対応する磁気抵抗効果素子を構成する各層の面に平行になるように延在し、
    前記少なくとも1つの第2の導体部分の各々は、前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子のうち、その第2の導体部分に対応する磁気抵抗効果素子を構成する各層の面に非平行になるように延在していることを特徴とする請求項10または11記載の磁気センサ。
  13. 前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子の各々は、積層された複数の層からなり、
    前記少なくとも1つの導体部分の各々は、前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子のうち、その導体部分に対応する磁気抵抗効果素子を構成する各層の面に非平行になるように延在し、
    前記少なくとも1つの第2の導体部分の各々は、その一部が、前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子のうち、その第2の導体部分に対応する磁気抵抗効果素子を構成する各層の面に平行になるように延在していることを特徴とする請求項10または11記載の磁気センサ。
  14. 更に、前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子および前記支持部材の前記上面を覆う絶縁層を備え、
    前記少なくとも1つの導体部分は、前記絶縁層の上に配置されていることを特徴とする請求項9ないし13のいずれかに記載の磁気センサ。
  15. 前記少なくとも1つの磁気抵抗効果素子の各々は、方向が固定された第1の磁化を有する磁化固定層と、前記外部磁界に応じて方向が変化可能な第2の磁化を有する自由層とを含み、
    前記コイル磁界は、前記自由層の前記第2の磁化の方向を所定の方向に向かせるためのものであることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の磁気センサ。
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