JP7025142B2 - 車載電気システム - Google Patents
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Description
例えば、下記特許文献1には、内燃機関の駆動軸に機械的に連結され、内燃機関をトルクアシストするために作動する電動機と、トルクアシスト実行中に電動機に電力を供給する第1バッテリと、トルクアシスト実行中に電動機以外の電気負荷に電力を供給する第2バッテリと、トルクアシスト非実行時には第1バッテリと第2バッテリを並列接続し、トルクアシスト実行時には並列接続を解除するリレーと、を備えたトルクアシスト制御装置が開示されている。
大電流が流れている状態でリレーがオフされると、リレーが溶着して破損する虞がある。
図1は、本発明に係る第一実施形態としての車載電気システム1の構成例を示した回路ブロック図である。
本実施形態の車載電気システム1は、車輪の駆動源としてエンジンを備えた車両に備えられている。本例では、該車両は、車速条件を含む所定条件の成立に応じてエンジン停止操作に依らずエンジン停止させるアイドリングストップ機能を有する車両とされている。
図示のように第一バッテリBthと第二バッテリBtiはリレーRLを介して並列接続される。補機類2は、リレーRLを介さずに第一バッテリBthと並列接続され、特定負荷4はリレーRLを介さずに第二バッテリBtiと並列接続されている。
第一バッテリBth、第二バッテリBtiとしては例えばニッケル水素電池、リチウムイオン電池等を用いることができ、本例において定格出力電圧は例えば12V程度である。
なお、第一バッテリBth、第二バッテリBtiの少なくとも一方に鉛蓄電池を用いることも可能である。
本例では、特定負荷4は、車室の温度調整を行う車室温調装置とされている。
さらに、ISG3は、モータとして機能させることでエンジンのトルクアシストを行うことができる。
走行制御部5、負荷制御部6、リレー制御部7の相互のデータ通信は、例えばCAN(Controller Area Network )等の所定の車内LAN(Local Area Network)規格に従った形式で行われる。
具体的に、走行制御部5は、アイドリングストップ機能に伴うエンジン再始動時においてISG駆動部8によりISG3をスタータモータとして機能させる。また、走行制御部5は、トルクアシストに係る処理として、不図示のアクセルペダル操作等に基づいてISG3の要求駆動力を計算し、該要求駆動力に応じた駆動力をISG3が発現するように、ISG駆動部8に該要求駆動力に応じた駆動信号を出力させる。
本例では、特定負荷4としての車室温調装置について、例えば操作入力や不図示のセンサ(例えば外気温センサや車室内温度を検出する内気温センサ)の検出信号等に基づく運転制御を行う。
具体的に、本実施形態のリレー制御部7は、図中に電流検出部7a、オフ制御部7b、閾値調整部7c、電力調整指示部7dとして示す各種の機能を有する。
電流検出部7aは、リレーRLに流れる電流の電流値を検出する。ここで以下、リレーRLに流れる電流については「リレー電流Ir」と表記することもある。
本例における電流検出部7aは、リレーRLと第一バッテリBthとの接続点電位と、リレーRLと第二バッテリBtiとの接続点電位との電位差をリレー電流Irの電流値として検出する。
なお、電流検出部7aについては、上記の両電位をデジタルサンプリングするA/D変換器と差分検出回路とで構成する(つまりハードウェアで構成)することができる。或いは、上記両電位の差分値計算についてはソフトウェア処理で実現してもよい。
ここで、消費電力相関情報としては、負荷制御部6が特定負荷4の消費電力を算出している場合には該消費電力を表す情報を用いればよい。或いは、特に本例のように特定負荷4が車室温調装置とされる場合には、出力風量の大きさを表す情報を消費電力相関情報として用いることもできる。消費電力相関情報としては、消費電力の大きさに相関した情報であればよく、消費電力そのものを表す情報に限定されるものではない。
ISG3を用いたエンジントルクアシスト時など高負荷の状況となる際にリレーRLをオフすると、大電流が流れている状態でリレーRLがオフされ、リレーRLが溶着して破損する虞がある。この点を考慮すると、リレーRLをオフさせる際に用いる閾値THrとしては、十分なマージンをとって低めの値に設定することが考えられる。
しかしながら、閾値THrを低めに設定した場合には、リレーRLが頻繁にオフされ、リレーRLの寿命低下を招く虞がある。
先ずは、図2Aを参照し、閾値THrの最小値の定め方について説明しておく。閾値THrの最小値とは、閾値調整部7cが調整可能な閾値THrの最小値と換言できるものである。
図2Aでは、特定負荷4としての車室温調装置はオフ状態とされ、その消費電力が略ゼロの状態(略電力非消費状態)であるものとしている。
すなわち、閾値THrの最小値は、オフ所要時間内においてISG3の要求駆動力が最大傾斜を維持した場合であっても、リレー電流Irの電流値が最大保証電流値Lmiを超えない値として設定されている。
これにより、特定負荷4がオフ状態とされていて、以下で詳述する特定負荷4の消費電力制限によりリレー電流Irの電流値を低下させることが不能な場合であっても、リレー電流Irの電流値が最大保証電流値Lmiを超える前にリレーRLがオフ状態に移行することを保証できる。すなわち、特定負荷4の消費電力制限よるリレー電流Irの低減が不能な状況下においても、最大保証電流値Lmiを超える大電流が流れている状態でリレーRLがオフされることの防止を図ることができる。
特定負荷4の消費電力が大きい場合には、閾値調整部7cにより、閾値THrが図2Aに示す最小値よりも大きな値に調整される。図2Bでは、特定負荷4の消費電力が相当に大きく、閾値THrが最大保証電流値Lmiを超える値に調整されている例を示している。
本実施形態では、図2Bに示すような特定負荷4の消費電力調整によるリレー電流Irの低減により、閾値THrを図2Aに示す最小値よりも大きな値に設定可能とされている。このように閾値THrを大きくすることが可能な分、リレーRLがオフされる頻度を低減することができ、これにより、リレーRLの長寿命化を図ることができる。
なお、図3に示す各処理は、リレー制御部7のCPUが例えば上述したROM等の所定の記憶装置に記憶されたプログラムに従って実行する。
図3Aにおいて、リレー制御部7はステップS101の電流値取得処理として、電流検出部7aが検出したリレー電流Irの電流値を取得し、ステップS102で該取得した電流値が閾値THr以上か否かを判定する。
電流値が閾値THr以上でなければ、リレー制御部7は図3Aに示す処理を終え、電流値が閾値THr以上であればステップS103でリレーオフ制御を行い、図3Aに示す処理を終える。
リレー制御部7はステップS201で、負荷制御部6から消費電力相関情報を取得する処理を行い、ステップS202で消費電力に応じた閾値THrに更新する処理を行う。すなわち、閾値THrの候補値として、消費電力相関情報から求まる特定負荷4の消費電力の大きさに応じた値を求め、該候補値によって現在の閾値THrを更新する。このとき、リレー制御部7は、例えば特定負荷4の消費電力と閾値THrとの対応関係を示す関数やテーブル情報に基づいて上記の候補値を求める。これら関数やテーブルは、本実施形態では、特定負荷4の消費電力が小さい場合よりも大きい場合に大きな候補値が求まるように設定されている。すなわち、閾値THrは、該消費電力が小さい場合よりも大きい場合に大きな値に更新される。
リレー制御部7はステップS202の更新処理を行ったことに応じて図3Bに示す処理を終える。
図3Cにおいてリレー制御部7は、ステップS301でリレーオフ制御が開始されるまで待機し、リレーオフ制御が開始された場合は、ステップS302でタイムカウントを開始した上で、ステップS303で電力調整指示処理を行う。すなわち、負荷制御部6に対して特定負荷4の消費電力を下げるように指示を行う。
これにより、特定負荷4の動作状態を、ステップS303の調整指示実行前の状態に復帰させることができる。
図4は、第二実施形態としての車載電気システム1Aの構成例を示した回路ブロック図である。
なお以下の説明において、既に説明済みとなった部分と同様となる部分については同一符号を付して説明を省略する。
第二実施形態の車載電気システム1Aにおいては、補機類2の制御を行う補機類制御部10が設けられ、リレー制御部7が補機類制御部10に補機類2の消費電力を上げる指示を行う。本例では、補機類制御部10は、ROM、RAM、CPUを有するマイクロコンピュータを備えて構成され、バス9を介して少なくともリレー制御部7との間で相互にデータ通信を行うことが可能とされている。
閾値調整部7cAは、補機類制御部10から取得した消費電力相関情報に基づいて、補機類2の消費電力が大きい場合よりも小さい場合に閾値THrを大きくするように、閾値THrの調整を行う。
また、電力調整指示部7dAは、オフ制御部7bがリレーオフ制御を開始したことを契機に、補機類2の消費電力を上げるように補機類制御部10に指示を行う。
また、図3Cの処理では、ステップS303、S306での指示対象は補機類制御部10とされ、ステップS303の処理では補機類2の消費電力を上げる指示を行う。
この場合、閾値THrは、特定負荷4の消費電力が小さく補機類2の消費電力が大きい場合よりも、特定負荷4の消費電力が大きく補機類2の消費電力が小さい場合に大きな値とするように調整すればよい。
図5は、第三実施形態としての車載電気システム1Bの構成例を示した回路ブロック図である。
第一実施形態の車載電気システム1との差異点は、リレー制御部7に代えてリレー制御部7Bが設けられた点である。
リレー制御部7Bは、電流検出部7a、閾値調整部7c、及び電力調整指示部7dが省略されると共に、オフ制御部7bに代えてオフ制御部7bBが設けられた点がリレー制御部7と異なる。
この点に鑑み第三実施形態では、オフ制御部7bBが、ISG3の要求駆動力の大きさに基づきリレーオフ制御を行う。
図6に示す処理は、リレー制御部7BにおけるCPUがROM等の所定の記憶装置に記憶されたプログラムに従って実行するものであり、所定の処理周期により繰り返し行われる。
従って、大電流が流れている状態でリレーRLがオフされてしまうことの防止を図ることができる。
上記で説明したように実施形態の車載電気システム(同1又は1A)は、リレー(RL)と、リレーを介して並列接続される第一バッテリ(Bth)と第二バッテリ(Bti)と、リレーを介さずに第一バッテリと並列接続された第一負荷(補機類2)と、リレーを介さずに第二バッテリと並列接続されたモータ機能付発電機(ISG3)と、リレーに流れる電流の電流値が閾値以上となったことに応じてリレーをオフ状態に切り替えるリレーオフ制御を行うと共に、リレーオフ制御の開始からリレーがオフとなるまでのオフ所要時間内に電流値を下げる制御を行う制御部(リレー制御部7又は7A)と、を備えている。
従って、上記した車載電気システムによれば、モータ機能付発電機による第一バッテリの充電を可能とし、第一バッテリと第二バッテリの双方をモータ機能付発電機の電源として利用可能とし、さらに第一バッテリに接続された第一負荷の電圧保証を可能としながらリレーの破損防止を図ることができる。
リレーをオフする閾値として高い閾値を設定可能とされることで、リレーがオン/オフ頻度の低減を図ることができる。従って、上記構成によれば、リレーの長寿命化を図りつつ、大電流が流れている状態でリレーがオフされることに伴うリレーの破損防止を図ることができる。
従って、閾値の上限値を高めることができ、リレーのオフ頻度の低減、つまりはリレーの長寿命化を図ることができる。
従って、リレーがオフされる頻度の低減によりリレーの長寿命化を図ることができると共に、大電流が流れている状態でリレーがオフされることに伴うリレーの破損防止を図ることができる。
従って、負荷の消費電力調整によってリレーオフ制御開始後の電流値を下げることが不能な状況であっても、大電流が流れている状態でリレーがオフされることに伴うリレーの破損防止を図ることができる。
従って、リレーがオフの状態においてもモータ機能付発電機による回生電力や第二バッテリの充電電力を第一バッテリ側に供給することができ、第一バッテリの非充電時間を短くでき、第一負荷の電圧保証効果を高めることができる。
従って、上記別の車載電気システムによっても、モータ機能付発電機による第一バッテリの充電を可能とし、第一バッテリと第二バッテリの双方をモータ機能付発電機の電源として利用可能とし、さらに第一バッテリに接続された第一負荷の電圧保証を可能としながらリレーの破損防止を図ることができる。
例えば、上記では、本発明がアイドリングストップ機能を有する車両に適用される例を挙げたが、アイドリングストップ機能を有さない車両にも本発明は好適に適用できる。
Claims (7)
- リレーと、
前記リレーを介して並列接続される第一バッテリと第二バッテリと、
前記リレーを介さずに前記第一バッテリと並列接続された第一負荷と、
前記リレーを介さずに前記第二バッテリと並列接続されたモータ機能付発電機と、
前記リレーに流れる電流の電流値が閾値以上となったことに応じて前記リレーをオフ状態に切り替えるリレーオフ制御を行うと共に、前記リレーオフ制御の開始から前記リレーがオフとなるまでのオフ所要時間内に前記電流値を下げる制御を行う制御部と、を備える
車載電気システム。 - 前記リレーを介さずに前記第二バッテリと並列接続された第二負荷を備え、
前記制御部は、
前記第二負荷の消費電力が小さい場合より大きい場合に前記閾値を大きくし、
前記リレーオフ制御を開始したことを契機に、前記第二負荷の消費電力を下げる制御を行う
請求項1に記載の車載電気システム。 - 前記第二負荷が車室温調装置とされた
請求項2に記載の車載電気システム。 - 前記制御部は、
前記第一負荷の消費電力が大きい場合より小さい場合に前記閾値を大きくし、
前記リレーオフ制御を開始したことを契機に、前記第一負荷の消費電力を上げる制御を行う
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の車載電気システム。 - 前記リレーに流すことが許容される電流の上限値を最大保証電流値としたときに、
前記閾値の最小値は、
前記オフ所要時間内において前記モータ機能付発電機の要求駆動力が最大傾斜を維持した場合において、前記電流値が前記最大保証電流値を超えない値に設定された
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の車載電気システム。 - 前記リレーに並列接続され、前記第二バッテリ側から前記第一バッテリ側に電流を流すダイオードを備えた
請求項1乃至請求項5の何れかに記載の車載電気システム。 - リレーと、
前記リレーを介して並列接続される第一バッテリと第二バッテリと、
前記リレーを介さずに前記第一バッテリと並列接続された第一負荷と、
前記リレーを介さずに前記第二バッテリと並列接続されたモータ機能付発電機と、
前記モータ機能付発電機の要求駆動力を示す情報を取得し、前記要求駆動力が所定の閾値以上であれば前記リレーをオフ状態に切り替えるリレーオフ制御を行う制御部と、を備え、
前記閾値は、前記リレーに流れる電流が前記リレーの最大保証電流値に到達すると予測される場合に前記リレーオフ制御が行われるよう設定された
車載電気システム。
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