JP7022275B2 - 水力発電システム - Google Patents

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Description

本発明は、水力発電システムに関するものである。
水路(例えば管路)を流れる流体(例えば水)によって発電を行う水力発電システムがある。例えば特許文献1に開示の水力発電システムは、管路に水車(流体機械)が接続される。流体によって水車が回転駆動されると、水車に接続される発電機が駆動される。発電機の出力電力は例えば逆潮流によって電力系統に供給される。
特開2014-214710号公報
ところで、水力発電システムでは、所定期間(例えば1日)の積算流量が、所定の目標値となるように制御することが求められる場合がある。そのような場合には、一般的には、積算流量を満足できるように設置条件に応じて水車などを適宜選択することになる。
しかしながら、水力発電システムの設置場所は多岐にわたり、設置場所の条件(例えば流体の総落差)等に応じて、水車等がオーダーメードにならざるを得ず高価になるし、納期も長くなりがちである。
本発明は前記の問題に着目してなされたものであり、所定期間の積算流量を制御する水力発電システムの汎用性の向上を図ることを目的としている。
前記の課題を解決するため、第1の態様は、流体が流れる流路(1)に配置される水車(60)と、
前記水車(60)によって駆動される発電機(50)と、
前記水車(60)に並列に接続された流路である迂回路(13)と、
前記迂回路(13)に前記流体を流さない状態で前記水車(60)に前記流体を供給して前記発電機(50)を駆動させる第1制御モード、前記迂回路(13)に前記流体を流しつつ前記水車(60)に前記流体を供給して前記発電機(50)を駆動させる第2制御モード、前記水車(60)に前記流体を供給せずに前記迂回路(13)に前記流体を流す第3制御モード、及び、前記水車(60)に前記流体を供給せずに前記迂回路(13)にも前記流体を流さない第4制御モードのうちの少なくとも何れか2つの制御モードを切り換えて、所定期間(T)における前記流体の積算流量(Qs)を目標値(X)に制御する制御部(20)と、
を備えたことを特徴とする水力発電システムである。
この構成では、制御モードとして第1制御モード~第4制御モードを備え、流体の積算流量(Qs)が目標値(X)に制御される。
また、第2の態様は、第1の態様において、
前記制御部(20)は、前記第1制御モード及び前記第2制御モードの少なくとも一方において、前記発電機(50)の発電電力(P)が最大となるように制御することを特徴とする水力発電システムである。
また、第3の態様は、第1又は第2の態様において、
前記制御部(20)は、前記所定期間(T)における発電電力量(Psum)が最大となるように、前記所定期間(T)内における前記第1制御モードによる運転時間(t1)と前記第2制御モードによる運転時間(t2)とを設定することを特徴とする水力発電システムである。
また、第4の態様は、第1から第3の態様の何れかにおいて、
前記制御部(20)は、前記第1制御モードと、前記第2制御モードの2つの制御モードを切り換えて、前記所定期間(T)における前記流体の積算流量(Qs)を前記目標値(X)に制御することを特徴とする水力発電システムである。
また、第5の態様は、第1から第3の態様の何れかにおいて、
前記制御部(20)は、前記第1制御モードと、前記第2制御モードと、前記第3制御モードの3つの制御モードを切り換えて、前記所定期間(T)における前記流体の積算流量(Qs)を前記目標値(X)に制御することを特徴とする水力発電システムである。
この構成では、第3制御モードにおいて、例えば、発電機(50)や水車(60)のメンテナンスを行うことができる。
また、第6の態様は、第1から第3の態様の何れかにおいて、
前記制御部(20)は、前記第1制御モードと、前記第2制御モードと、前記第4制御モードの3つの制御モードを切り換えて、前記所定期間(T)における前記流体の積算流量(Qs)を前記目標値(X)に制御することを特徴とする水力発電システムである。
この構成では、第4制御モードにおいて、例えば、水力発電システムよりも下流の設備(例えば後述の受水槽(3))のメンテナンスを行うことができる。
また、第7の態様は、第1から第3の態様の何れかにおいて、
前記制御部(20)は、前記第1制御モードと、前記第2制御モードと、前記第3制御モードと、前記第4制御モードの4つの制御モードを切り換えて、前記所定期間(T)における前記流体の積算流量(Qs)を前記目標値(X)に制御することを特徴とする水力発電システムである。
この構成では、第3制御モードや第4制御モードにおいて、例えば、発電機(50)や水車(60)のメンテナンス、乃至は水力発電システム(10)よりも下流の設備のメンテナンスを行うことができる。
また、第8の態様は、第1から第3の態様の何れかにおいて、
前記制御部(20)は、前記第1制御モード、前記第2制御モード、前記第3制御モード、及び前記第4制御モードのうちから、少なくとも2つの制御モードを選択できるよう構成され、選択した制御モードのみを切り換えて、前記所定期間(T)における前記流体の積算流量(Qs)を前記目標値(X)に制御することを特徴とする水力発電システムである。
この構成では、例えば、メンテナンス時と通常時とで、使用する制御モードを選択できる。
また、第9の態様は、第1から第8の態様の何れかにおいて、
前記流路(1)に前記水車(60)と直列に配置される第1弁(15)と、
前記迂回路(13)に配置される第2弁(16)と、
を備え、
前記第1弁(15)は、開度が全閉以外の場合に前記水車(60)に前記流体を供給し、開度が全閉の場合に前記水車(60)に前記流体を供給せず、
前記第2弁(16)は、開度が全閉以外の場合に前記流体を前記迂回路(13)に流し、開度が全閉の場合に前記迂回路(13)に前記流体を流さないことを特徴とする水力発電システムである。
この構成では、第1弁(15)及び第2弁(16)が制御モードの切り換えに利用される。
第1の態様によれば、所定期間の積算流量を制御する水力発電システムの汎用性の向上を図ることが可能になる。
また、第2の態様によれば、発電電力を増加させることが可能になる。
また、第3の態様によれば、前記所定期間における発電電力量が最大化される。
また、第4の態様によれば、前記所定期間における積算流量を確保しつつ、発電電力を大きくできる。
また、第5の態様~第7の態様によれば、例えば、水力発電システムのメンテナンスを実施しつつ、前記所定期間における積算流量を確保できる。
また、第8の態様によれば、例えば、メンテナンス時と通常時のそれぞれにおいて、最適な制御モードで運転できる。
図1は、実施形態1の水力発電システムを含む管路の全体概略構成を示す。 図2は、水力発電システムの電力系統図である。 図3は、水力発電システムの特性マップの一例を示す。 図4は、第2制御モードにおける運転点を例示する。 図5は、第2制御モードにおける総流量と管理期間における発電電力量との関係を例示する。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1の水力発電システム(10)を含む管路(1)の全体概略構成を示す。この管路(1)は、落差を有して流体が流れるものであり、本発明の流路の一例である。本実施形態では、管路(1)は、上水道(4)の一部である。この上水道(4)には、貯留槽(2)と受水槽(3)とが設けられており、本実施形態の管路(1)は、貯留槽(2)と、該貯留槽(2)の下流に設けられた受水槽(3)とを繋ぐように配置されている。
〈水力発電システム(10)〉
図1に示すように、水力発電システム(10)は、水車(60)と発電機(50)とを備えている。また、図2は、水力発電システム(10)の電力系統図である。水力発電システム(10)は、発電機コントローラ(20)、及び系統連系インバータ(30)を備えている。水力発電システム(10)では、発電した電力を電力系統に供給している。この例では、電力系統は、交流電源(この例では商用電源(5))であり、水力発電システム(10)では、商用電源(5)への電力供給(いわゆる逆潮流)によって、いわゆる売電を行っている。
水車(60)は、管路(1)の途中に配置されている。この例では、水車(60)は、羽根車、及びケーシングを備えている(何れも図示は省略)。羽根車には、渦巻きポンプに備えるインペラが流用されている。この羽根車の中心部には、回転軸(19)が固定されている。水車(60)は、ケーシングに形成された流体流入口(図示を省略)からの水流によりインペラが圧力を受けて回転して、回転軸(19)を回転させるようになっている。なお、水車(60)に流入した流体は、ケーシングに形成された流体排出口(図示を省略)から排出される。
発電機(50)は、水車(60)の回転軸(19)に連結されて回転駆動され、発電を行う。この例では、発電機(50)は、永久磁石埋込型のロータと、コイルを有したステータとを備えている(何れも図示は省略)。
管路(1)には、流入管(11)、流出管(14)、第1分岐管(12)、及び第2分岐管(13)が接続されている。本実施形態の管路(1)は、金属管(例えばダクタイル鋳鉄管)によって構成されている。流入管(11)の流入端には貯留槽(2)が接続されている。流出管(14)の流出端には受水槽(3)が接続されている。流入管(11)と流出管(14)との間には、第1分岐管(12)及び第2分岐管(13)が互いに並列に接続されている。第1分岐管(12)は、水車(60)を駆動する水が流れる水車側の流路を構成する。第2分岐管(13)は、水車(60)に並列に接続された流路である。第2分岐管(13)は、水車(60)をバイパスする迂回路を構成する。
第1分岐管(12)には、上流から下流に向かって順に、第1流量計(17)、第1電動弁(15)、及び水車(60)(詳しくは水車(60)の流体流入口)が接続されている。水車(60)の流体排出口には、流出管(14)が接続されている。第2分岐管(13)には、上流から下流に向かって順に、第2流量計(18)、第2電動弁(16)が接続されている。
第1流量計(17)及び第2流量計(18)は、電気によって作動するように構成されている。第1流量計(17)は、水車(60)を流れる水の流量を検出し、検出信号を出力する。第2流量計(18)は、第2分岐管(13)を流れる水の流量を検出し、検出信号を出力する。なお、第1流量計(17)の検出値と、第2流量計(18)の検出値との和が、管路(1)から流出する前記流体の総流量(QT)である。
第1電動弁(15)及び第2電動弁(16)は、電動モータによって弁体を駆動することで流体の流量を制御する。第1電動弁(15)は、例えば、水車(60)のメンテナンス等において閉状態となり、停止状態の水車(60)での水の通過を禁止する。第1電動弁(15)は、水力発電システム(10)の運転中において、所定開度(例えば固定値)で開放される。つまり、第1電動弁(15)は、開度が全閉以外の場合に水車(60)に流体(例えば水)を供給し、開度が全閉の場合に水車(60)に流体を供給しないように構成されている。すなわち、第1電動弁(15)は、本発明の第1弁の一例である。
第2電動弁(16)は、開度が全閉以外の場合に流体を第2分岐管(13)に流し、開度が全閉の場合に第2分岐管(13)に流体を流さないように構成されている。すなわち、第2電動弁(16)は、本発明の第2弁の一例である。第2電動弁(16)は、第2分岐管(13)を流れる水の流量を制御する。なお、第1電動弁(15)や第2電動弁(16)には、その特性を示す指標として、弁容量の可変範囲(いわゆるレンジアビリティ)があり、また、最小調整可能流量(安定な流れの状態を維持することができる最小流量)がある。
この水力発電システム(10)を設置した管路(1)では、所定の期間(管理期間(T)と命名する)あたりの、水力発電システム(10)を流れる流体の積算流量(Qs)を、所定の目標値(X)(以下では契約水量(X)とも呼ぶ)に制御することが求められているものとする。すなわち、水力発電システム(10)では、管理期間(T)において、水車(60)の流量(Q1)(瞬時値)の積算値と、第2分岐管(13)の流量(Q2)(瞬時値)の積算値との和が契約水量(X)となるように制御することが求められている。この例では、管理期間(T)=1日、すなわち管理期間(T)=86,400秒であり、X=10,000m/dayであるものとする。なお、積算流量(Qs)の目標値(X)は、所定の下限値として与えられるものでもよいし、所定の上限値として与えられるものでもよい。
発電機コントローラ(20)は、本発明の制御部の一例であり、水車(60)の流量等を制御する。前記制御を実現するため、発電機コントローラ(20)は、AC/DCコンバータ部(21)、流量検出部(23)、流量指令決定部(24)、及び流量制御部(25)を備えている。
AC/DCコンバータ部(21)は、複数のスイッチング素子を備え、発電機(50)によって発電された電力(交流電力)をスイッチングして直流電力に変換する。該直流電力は、平滑コンデンサ(図示を省略)によって平滑化され、系統連系インバータ(30)に供給される。
流量指令決定部(24)は、マイクロコンピュータと、それを動作させるためのプログラムが格納されたメモリディバイスとを用いて構成されている。流量指令決定部(24)は、水車(60)における流体の流量(Q1)を指示する第1流量指令値(Q1*)と、第2分岐管(13)における流体の流量(Q2)を指示する第2流量指令値(Q2*)とを生成する。第1流量指令値(Q1*)等の生成については後に詳述する。
流量制御部(25)は、マイクロコンピュータと、それを動作させるためのプログラムが格納されたメモリディバイスとを用いて構成されている。このマイクロコンピュータやメモリディバイスは、流量指令決定部(24)を構成するものと共用してもよいし、別個に設けてもよい。この流量制御部(25)は、AC/DCコンバータ部(21)におけるスイッチングを制御することによって、発電機(50)の発電電力を制御する。具体的には、流量制御部(25)は、第1流量指令値(Q1*)と現在の流量(Q1)(例えば第1流量計(17)の検出値)との差に応じて、フィードバック制御を行うことによって、水車(60)の流量を制御するとともに、発電機(50)の発電電力(出力電圧)を制御している。
また、流量制御部(25)は、第2分岐管(13)の流量(Q2)の制御も行う。この例では、流量制御部(25)は、流量指令決定部(24)から与えられた第2流量指令値(Q2*)に基づいて、第2分岐管(13)の流量を制御する。より詳しくは、流量制御部(25)は、第2流量指令値(Q2*)と現在の流量(Q2)(例えば第2流量計(18)の検出値)との差に応じて、フィードバック制御を行うことによって、第2電動弁(16)の開度を制御する。なお、第2流量指令値(Q2*)がゼロの場合には、流量制御部(25)は、第2電動弁(16)を全閉に制御する。
系統連系インバータ(30)は、インバータ部(31)を備えている。インバータ部(31)は、複数のスイッチング素子を備え、発電機コントローラ(20)からの直流電力を受けて、該直流電力をスイッチングすることによって交流電力に変換する。インバータ部(31)が生成した交流電力は、電力系統(商用電源(5))に供給(逆潮流)される。なお、インバータ部(31)は、前記スイッチングを制御することによって、電力系統(商用電源(5))に逆潮流させる電力(電圧)を制御する。
〈水力発電システムにおける制御〉
水力発電システム(10)では、運転時に以下に説明する2つの制御モード(それぞれ第1制御モード及び第2制御モードと命名する)の切り換えが行われる。第1流量指令値(Q1*)や第2流量指令値(Q2*)の決め方も制御モードによって異なってくる。これらの制御モードの切り換えや、各制御モードにおける第1流量指令値(Q1*)、第2流量指令値(Q2*)の生成は、主に流量指令決定部(24)が行う。
-第1制御モード-
まず、第1制御モードは、第2分岐管(13)に流体を流さない状態で水車(60)に流体を供給して発電機(50)を駆動させる制御モードである。第1制御モードでは、第1電動弁(15)の開度が固定値(この例では全開)に制御され、第2電動弁(16)は全閉に制御される。すなわち、第1制御モードでは第2分岐管(13)の流量(Q2)=0であり、流量指令決定部(24)は、第2流量指令値(Q2*)としてゼロを出力する。また、第1制御モードでは、発電機(50)の発電電力(P)が最大となるように水車(60)の流量が制御される。具体的には、流量指令決定部(24)は、予め前記プログラム内に定義した、関数、或いは後述の特性マップ(M)を用いる等して発電電力(P)が最大となる運転点を求め、その運転点に対応した第1流量指令値(Q1*)を生成する。
図3に水力発電システム(10)の特性マップ(M)の一例を示す。本実施形態では、流量指令決定部(24)のメモリディバイスに特性マップ(M)が記憶されている。この特性マップ(M)は、縦軸を管路(1)の有効落差(H)、横軸を管路(1)から流出する流量(すなわち総流量(QT))としたQ-Hマップ上に、発電機(50)において検出可能で、且つ水車(60)における流量(Q1)と有効落差(H)とに相関する特性を記録したものである。この例では、流量(Q1)と有効落差(H)とに相関する特性は、発電機(50)のトルク値(T)、回転速度(N)、発電電力(P)がある。より具体的に本実施形態の特性マップ(M)は、複数の等トルク曲線と、複数の等回転速度曲線をQ-Hマップ上に記録したものであり、テーブル(数表)や、プログラム内の数式(関数)という形で、流量指令決定部(24)を構成するメモリディバイスに格納されている。
この特性マップ(M)において、発電機(50)に負荷をかけずトルク零値(T=0)とした場合の無拘束曲線と回転速度零値(N=0)の等回転速度曲線(水車(60)の回転数が極めて小さくなる、あるいはゼロとなることに起因して、発電機(50)の制御(トルク値や回転数の制御)により、水車(60)の流量を調節することができなくなる運転点の境界を動作限界曲線と命名する)との間の領域は、水車(60)が水流により回転する水車領域(運転可能領域)であり、発電機(50)は、この水車領域において、水車(60)により回転駆動されて運転されるのを基本とする。前記無拘束曲線よりも左側の領域は、水車ブレーキ領域(力行領域)である。
前記水車領域において、複数の等トルク曲線は前記無拘束曲線(T=0)に沿い、マップ上、流量(Q1)の増大に応じてトルク値も増大する。また、複数の等回転速度曲線は回転速度零値(N=0)の等回転速度曲線に沿い、有効落差(H)が大きくなるほど回転速度も上昇する。更に、破線で示した等発電電力曲線は下に凸な曲線であって、有効落差(H)及び流量(Q1)の増大に応じて発電電力も増大する。この複数の等発電電力曲線の頂点を結ぶ曲線(E)は、発電機(50)が、最大発電電力を得る最大発電電力曲線(E)である。このQ-Hマップ上に発電機(50)のトルク値(T)、回転速度(N)、発電電力(P)を記録した特性マップ(M)は、水力発電システム(10)が接続される管路(1)とは無関係であり、水力発電システム(10)に固有の特性マップである。
そして、特性マップ(M)に、実際の運転で測定した管路(1)のシステムロスカーブ(S)を記録する。このシステムロスカーブ(S)もテーブル(数表)や、プログラム内の数式(関数)という形で、流量指令決定部(24)を構成するメモリディバイスに格納する。
システムロスカーブ(S)は、図1に示した管路(1)に固有の流動抵抗特性線であって、総流量(QT)=0のときの有効落差(H)が総落差(Ho)であり、総流量(QT)の増大に応じて有効落差(H)が二次曲線的に減少する特性を持ち、その曲率は図1の管路(1)固有の値を持つ。水力発電システム(10)を含む管路(1)における総流量(QT)とその際の有効落差(H)とは、システムロスカーブ(S)上の点に対応する。例えば、第2電動弁(16)を全閉状態にして、水車(60)にのみ水を流したとすると、水車(60)における流量が、水力発電システム(10)を含む管路(1)の総流量(QT)であり、その際の水車(60)の流量(Q1)と有効落差(H)に対応する点がシステムロスカーブ(S)上にある。換言すると、水車(60)の運転点は、システムロスカーブ(S)上にある。
第1制御モードでは、水車(60)の運転点はシステムロスカーブ(S)上にある。すなわち、発電機(50)の発電電力(P)を最大とするには、システムロスカーブ(S)と最大発電電力曲線(E)との交点(R0)に、水車(60)の運転点を定めればよい。その運転点に対応した流量は、特性マップ(M)から求めることができるので、流量指令決定部(24)は、特性マップ(M)から求めた流量を第1流量指令値(Q1*)とすればよい。図3の例では、流量指令決定部(24)は、第1流量指令値(Q1*)=QTmaxとすることになる。なお、第1制御モードにおける水車(60)の運転点の選択は例示であり、発電電力(P)が最大となる交点(R0)以外の、システムロスカーブ(S)上の点を運転点として選択してもよい。
-第2制御モード-
第2制御モードは、第2分岐管(13)に流体を流しつつ水車(60)にも流体を供給して発電機(50)を駆動させる制御モードである。第2制御モードでは、第1電動弁(15)の開度が固定値(この例では全開)に制御されるとともに、第2電動弁(16)の開度が、第2流量指令値(Q2*)に応じて適宜制御される。第2流量指令値(Q2*)の設定については後述する。
-制御モードの切り換え-
流量指令決定部(24)は、管理期間(T)内における、第1制御モードによる運転時間(t1)と第2制御モードによる運転時間(t2)の振り分けを決め、その振り分けに応じてこれらの制御モードを切り換えている。その制御モード切換を行うため、流量指令決定部(24)は、まず、次の式(1)、式(2)を用いて第1制御モードによる運転時間(t1)と第2制御モードによる運転時間(t2)とを求めている。
X=Q’×t1+Q’’×t2 ・・・・式(1)
t2=T-t1 ・・・・式(2)
ただし、式(1)等において、Xは契約水量、Q’は第1制御モードで運転した場合における総流量(瞬時値)、Q’’は第2制御モードで運転した場合における総流量(瞬時値)、Tは管理期間、t1は第1制御モードでの運転時間である。また、t2は第2制御モードでの運転時間である。t1とt2の振り分けを決める際に、流量指令決定部(24)は、第2制御モードにおける第1流量指令値(Q1*)や第2流量指令値(Q2*)も決めている。
具体的には、流量指令決定部(24)は、まず、第2制御モードにおける第2流量指令値(Q2*)を決める。ここでは、例えば、第2電動弁(16)の最小調整可能流量を第2流量指令値(Q2*)とする。勿論、この第2流量指令値(Q2*)の値は、例示であり、例えば契約水量(X)に応じて、前記最小調整可能流量よりも大きな値に第2流量指令値(Q2*)を設定することも可能である。
次に、本実施形態では、流量指令決定部(24)は、第2制御モードにおける発電電力量(Psum)が最大となるように、第2制御モードにおける総流量(QT)=Q’’を定める。ここで、発電電力量(Psum)とは、電力(瞬時値)を積分したもの(積算値)であり、本実施形態では、管理期間(T)の電力の積算値である。
水車(60)と第2分岐管(13)の両方に流体(水)を流したとすれば、水車(60)における流量(Q1)と第2分岐管(13)における流量(Q2)との合計値が、水力発電システム(10)を含む管路(1)の総流量(QT)であり、総流量(QT)とその際の有効落差(H)がシステムロスカーブ(S)上の点(全体の運転点(R1)と呼ぶ)に対応し、水車(60)の運転点はシステムロスカーブ(S)上にはない。図4に、第2制御モードにおける、全体の運転点(R1)を例示する。図4に示すように、第2制御モードでは、水車(60)の運転点は、全体の運転点(R1)を通り横軸に平行な線(図4の点線)上にある。
例えば、第2制御モードにおける発電電力量(Psum)を最大化したい場合には、図4に示すように、水車(60)の運転点を、全体の運転点(R1)を通り横軸に平行な線と、最大発電電力曲線(E)との交点(R2)上にすればよい。流量指令決定部(24)には特性マップ(M)が格納されているので、流量指令決定部(24)は、交点(R2)を求めることができる。この交点(R2)に対応する特性マップ(M)上の流量が第1流量指令値(Q1*)となる。図5は、第2制御モードにおける総流量(QT)=Q’’と管理期間(T)における発電電力量(Psum)との関係を例示する。図5では、横軸が総流量(QT)=Q’’であり、縦軸が管理期間(T)における発電電力量(Psum)である。なお、図5は、契約水量(X)が与えられ、且つ第2電動弁(16)における流量が最小調整可能流量以上となるように該第2電動弁(16)の開度を調整した場合を例示している。
図5に示したグラフでは、点(A)は、管理期間(T)の積算流量(Qs)が契約水量(X)となるように、第2制御モードのみで運転が行われた場合における、総流量(QT)=Q’’(瞬時値)及び発電電力量(Psum)を示している。このグラフから分かるように点(A)の状態から、総流量(Q’’)を増やして行くと、発電電力量(Psum)が徐々に増加し、点(B)を境に、発電電力量(Psum)は減少傾向となっている。つまり、点(B)において発電電力量(Psum)が最大値(Pmax)となっている。すなわち、図5に示すように、第2制御モードによる運転時には、総流量(Q’’)を適宜調整することによって、発電電力量(Psum)を調整することができる。例えば、第2制御モード時の発電電力量(Psum)を最大化する場合には、流量指令決定部(24)は、発電電力量(Psum)の最大値(Pmax)に対応した流量であるQmを第2制御モードにおける総流量(Q’’)として定めることになる。なお、必ずしも、第2制御モードにおける発電電力量(Psum)として最大値を目標値とする必要はない。図5に示すように、第2制御モードにおける総流量(QT)=Q’’を適宜設定することで、発電電力量(Psum)を調整できる。例えば、逆潮流可能な電力に制限がある場合等には、当該制限に合わせて総流量(QT)=Q’’を設定することが考えられる。
第1制御モードにおいて発電電力(P)が最大となる運転点に対応した流量はQ’であるので、第2制御モードにおける総流量(QT)=Q’’が定まると、式(1)と式(2)を用いて第1制御モードによる運転時間(t1)と第2制御モードによる運転時間(t2)を決定できる。また、既述の通り、特性マップ(M)を用いることによって、第2制御モードにおける水車(60)の運転点も決定できる。水車(60)の運転点が定まると、第1流量指令値(Q1*)を決定できる。
そして、前記のようにして各制御モードの運転時間(t1,t2)や、各制御モードにおける第1及び第2流量指令値(Q1*,Q2*)が定まると、流量指令決定部(24)は、運転時間をセットしたタイマー(例えば前記マイクロコンピュータが備えるタイマー)を起動し、タイマーのカウント値に応じて第1制御モードと第2制御モードとを切り換える。これにより、水力発電システム(10)では、管理期間(T)における契約水量(X)を満足しつつ、発電が行われる。
〈本実施形態における効果〉
以上のように、本実施形態の水力発電システム(10)では、第1制御モードと第2制御モードを切り換えて運転できる。そのため、水車(60)にのみ流体を流したのでは契約水量(X)を満足できないような場合であっても、第2制御モードによる運転を適宜実行することで契約水量(X)を満足できる。したがって、従来のように、設置場所の条件(例えば流体の総落差)等に応じて、水車(60)をオーダーメードする必要がない。すなわち、本実施形態によれば、所定期間(管理期間(T))の積算流量(Qs)を制御する水力発電システムの汎用性の向上を図ることが可能になる。
また、水力発電システム(10)の設置後に契約水量(X)が変更された場合にも、その契約水量(X)を満足することが可能になる。
また、第1制御モードの運転時間(t1)と第2制御モードの運転時間(t2)との振り分けを適宜調整することで、発電電力量(Psum)の調整が可能になる。例えば、管理期間(T)における契約水量(X)を満足した上で、発電電力量(Psum)を最大化することが可能になる。
《発明の実施形態2》
水力発電システム(10)では、実施形態1で説明した第1制御モード、第2制御モードに加えて、更に、以下に説明する2つの制御モード(それぞれ第3制御モード、第4制御モードと命名する)を、適宜、採用してもよい。
〈第3制御モード〉
第3制御モードは、水車(60)に流体(例えば水)を流さない状態で、第2分岐管(13)(迂回路)に流体を流す制御モードである。この第3制御モードが実施されると、水車(60)に流体が供給されない。そのため、第3制御モードは、例えば、水力発電システム(10)のメンテナンス等で第1分岐管(12)に流体を流せない場合に実施される。なお、水力発電システム(10)におけるメンテナンスの対象としては、例えば、発電機(50)や水車(60)を挙げることができる。
第3制御モードは、例えば、ユーザの指示やソフトウエアの設定に応じて実施される。第3制御モードでは、第1電動弁(15)が全閉状態に制御されるとともに、第2電動弁(16)の開度が、適宜、設定される。より具体的に、第3制御モードでは、発電機コントローラ(20)において、流量指令決定部(24)が、例えば、水道事業者が水運用として必要となる流量に基づいて第2流量指令値(Q2*)を生成するとともに、水車(60)における流量(Q1)がゼロであることを示す第1流量指令値(Q1*)を生成する。第1及び第2流量指令値(Q1*,Q2*)が生成されると、発電機コントローラ(20)では、流量制御部(25)が、第1及び第2流量指令値(Q1*,Q2*)に基づいて、第1電動弁(15)を全閉とするとともに、第2電動弁(16)を、第2流量指令値(Q2*)に応じた開度に制御する。
〈第4制御モード〉
第4制御モードは、水車(60)に流体を流さない状態かつ第2分岐管(13)(迂回路)にも流体を流さない制御モードである。水力発電システム(10)において第4制御モードが実施されると、水力発電システム(10)よりも下流には流体が供給されない。そのため、第4制御モードの実施中は、水力発電システム(10)よりも下流の設備のメンテナンスが可能になる。水力発電システム(10)よりも下流の設備としては、一例として、水力発電システム(10)の下流側にある受水槽(3)を挙げることができる。勿論、第4制御モードにおいて、水力発電システム(10)のメンテナンスを行うことも可能である。
第4制御モードは、例えば、ユーザの指示やソフトウエアの設定に応じて実施される。第4制御モードでは、第1電動弁(15)及び第2電動弁(16)が全閉状態に制御される。より具体的に、第4制御モードでは、発電機コントローラ(20)において、流量指令決定部(24)が、水車(60)における流量(Q1)と第2分岐管(13)における流量(Q2)がゼロであることを示す第1及び第2流量指令値(Q1*,Q2*)を生成する。第1及び第2流量指令値(Q1*,Q2*)が生成されると、発電機コントローラ(20)では、流量制御部(25)が、第1及び第2流量指令値(Q1*,Q2*)に基づいて、第1電動弁(15)及び第2電動弁(16)を全閉とする。
なお、第1制御モード、第2制御モード、第3制御モード、及び第4制御モードの4つの制御モードは、ユーザが発電機コントローラ(20)に指示を出すことによって個別に切り換えてもよいし、発電機コントローラ(20)に組み込まれたソフトウエアによって、メンテナンスのスケジュールなどに応じて、自動的に切り換えてもよい。以下では、第1制御モード~第4制御モードの適用事例を説明する。
〈適用例1〉
適用例1は、第1制御モード、第2制御モード、及び第3制御モードの3つの制御モードを用いる。すなわち、発電機コントローラ(20)においてこれらの3つの制御モードを実装する(具体的には、例えば、流量指令決定部(24)にソフトウエアとして組み込む)。この適用例では、発電機コントローラ(20)は、第1制御モード、第2制御モード、及び第3制御モードの3つの制御モードを、ユーザの指示やソフトウエアの設定に応じて切り換えて実施する。
第3制御モードは、既述の通り、例えば、水力発電システム(10)のメンテナンスを行う際に実施される。また、この適用例でも、第1制御モードと第2制御モードとが、適宜、発電機コントローラ(20)において実施されることで、実施形態1と同様に、所定期間(T)(管理期間(T))における流体の積算流量(Qs)が目標値(X)に制御される。この場合、第1制御モードと第2制御モードの実施による積算流量の目標値は、例えば契約水量(X)から、管理期間(T)における第3制御モードの実施による積算流量を差し引いた値となる。
この積算流量の目標値を満足するように、発電機コントローラ(20)は、管理期間(T)における、第1制御モードによる運転時間(t1)と第2制御モードによる運転時間(t2)の振り分けを実施形態1と同様にして決める。この振り分けは、管理期間(T)中で第1制御モードと第2制御モードに割り当て可能な期間について行われる。ここで、「管理期間(T)中で第1制御モードと第2制御モードに割り当て可能な期間」は、管理期間(T)から、当該管理期間(T)において第3制御モードが実施される期間を差し引いた期間である。以上のような制御によって、この適用例では、水力発電システム(10)のメンテナンスを実施しつつ、所定期間(管理期間(T))における所望の積算流量(Qs)を確保できる。
〈適用例2〉
適用例2は、第1制御モード、第2制御モード、及び第4制御モードの3つの制御モードを用いる。すなわち、発電機コントローラ(20)においてこれらの3つの制御モードを実装する。この適用例では、発電機コントローラ(20)は、第1制御モード、第2制御モード、及び第4制御モードの3つの制御モードを、ユーザの指示やソフトウエアの設定に応じて切り換えて実施する。
第4制御モードは、既述の通り、例えば、水力発電システム(10)よりも下流の設備のメンテナンスを行う際に実施される。また、この適用例でも、第1制御モードと第2制御モードとが、適宜、実施形態1と同様に、発電機コントローラ(20)において実施されることで、所定期間(T)(管理期間(T))における流体の積算流量(Qs)が目標値(X)に制御される。この場合、発電機コントローラ(20)は、管理期間(T)における、第1制御モードによる運転時間(t1)と第2制御モードによる運転時間(t2)の振り分けを実施形態1と同様にして決める。
この振り分けは、管理期間(T)中で第1制御モードと第2制御モードに割り当て可能な期間について行われる。なお、ここでは、「管理期間(T)中で第1制御モードと第2制御モードに割り当て可能な期間」は、管理期間(T)から、当該管理期間(T)において第4制御モードが実施される期間を差し引いた期間である。以上のような制御によって、この適用例でも、水力発電システム(10)よりも下流の設備のメンテナンスを実施しつつ、所定期間(管理期間(T))における所望の積算流量(Qs)を確保できる。
〈適用例3〉
適用例3では、第1制御モード、第2制御モード、第3制御モード、及び第4制御モードの4つの制御モードを用いる。この適用例では、発電機コントローラ(20)においてこれらの4つの制御モードを実装し、第1制御モード~第4制御モードの4つの制御モードをユーザの指示やソフトウエアの設定に応じて切り換えて実施する。例えば、水力発電システム(10)において、発電機コントローラ(20)によって第3制御モードが実施された場合には、発電機(50)や水車(60)のメンテナンスを行うことができる。また、発電機コントローラ(20)によって第4制御モードが実施された場合には、水力発電システム(10)よりも下流の設備(例えば受水槽(3))のメンテナンスを行うことができる。
そして、第1制御モードと第2制御モードとが、適宜、実施形態1と同様に、発電機コントローラ(20)において実施されることで、所定期間(T)(管理期間(T))における流体の積算流量(Qs)が目標値(X)に制御される。この場合、第1制御モードの実施と第2制御モードの実施による積算流量の目標値は、例えば契約水量(X)から、第3制御モードの実施による積算流量を差し引いた値となる。
この積算流量の目標値を満足するように、発電機コントローラ(20)は、管理期間(T)における、第1制御モードによる運転時間(t1)と第2制御モードによる運転時間(t2)の振り分けを実施形態1と同様にして決める。この振り分けは、管理期間(T)中で第1制御モードと第2制御モードに割り当て可能な期間について行われる。ここでは、「管理期間(T)中で第1制御モードと第2制御モードに割り当て可能な期間」は、当該管理期間(T)から、第3制御モードが実施される期間及び第4制御モードが実施される期間を差し引いた期間である。以上のような制御によって、この適用例でも、水力発電システム(10)のメンテナンスや、水力発電システム(10)よりも下流の設備のメンテナンスを実施しつつ、所定期間(管理期間(T))における所望の積算流量(Qs)を確保できる。
〈適用例4〉
適用例4では、第1制御モード、第2制御モード、第3制御モード、及び第4制御モードの4つの制御モードを発電機コントローラ(20)において実装する。この適用例では、発電機コントローラ(20)は、第1制御モード、第2制御モード、第3制御モード、及び第4制御モードのうちから、少なくとも2つの制御モードを選択できるよう構成されている。ここでの「選択」は、実装されている所定の制御モードを実施可能な状態とすることを意味している。また、「選択」は、ユーザの指示に応じて行われたり、ソフトウエアの設定に応じて行われたりする。そして、発電機コントローラ(20)は、ユーザの指示やソフトウエアの設定に応じて、選択した制御モードのみを切り換えて実施するように構成されている。
例えば、水力発電システム(10)のメンテナンスが行われない期間、及び水力発電システム(10)よりも下流の設備のメンテナンスが行われない期間が予め分かっている場合には、当該期間は、発電機コントローラ(20)では、第1制御モード、及び第2制御モードが選択され、これらが、適宜、実施形態1と同様にして実施される。この場合も、発電機コントローラ(20)は、管理期間(T)における、第1制御モードによる運転時間(t1)と第2制御モードによる運転時間(t2)の振り分けを実施形態1と同様にして決める。それによって、所定期間(T)(管理期間(T))における流体の積算流量(Qs)が目標値(X)に制御される。すなわち、この適用例でも、所定期間(管理期間(T))における積算流量(Qs)を確保しつつ、発電電力(P)を大きくできる。
また、例えば、水力発電システム(10)よりも下流の設備のメンテナンスが行われない期間が予め分かっている場合には、当該期間は、発電機コントローラ(20)では、第1制御モード、第2制御モード、及び第3制御モードが選択され、これらが、適宜、実施される(適用例1を参照)。それにより、所定期間(管理期間(T))における積算流量(Qs)を確保しつつ、発電電力(P)を大きくすることが可能になるし、水力発電システム(10)のメンテナンスも可能になる。
また、水力発電システム(10)が設置されたシステム(例えば上水道(4)のシステム)において、水力発電システム(10)のメンテナンスや水力発電システム(10)よりも下流の設備のメンテナンスが定期的に行われる場合には、発電機コントローラ(20)では、第1制御モード、第2制御モード、第3制御モード、及び第4制御モードの4つの制御モードの全てが選択され、第3制御モードや第4制御モードが、メンテナンスの実施期間に合わせ、例えば、発電機コントローラ(20)に組み込まれたソフトウエアによって定期的に実施される。
《その他の実施形態》
なお、管理期間(T)は例示であり、例示した1日には限定されず、例えば、8時間など、1日より短い期間でも良く、また、例えば、1か月など、1日より長い期間でも良い。同様に契約水量(X)の値も例示であり、例示した値には限定されない。
また、水力発電システム(10)は、閉流路の一例である管路(1)に限らず、開流路や、閉流路(例えば管路)と開流路とが混在する流路にも設置できる。一例として、農業用水路に水力発電システム(10)を設置することが考えられる。
また、水車(60)に供給する流体は水には限定されない。例えば、ビルなどの空気調和装置に用いられるブラインを流体として利用することも考えられる。
また、水力発電システム(10)の設置場所は上水道(4)には限定されない。
また、第1制御モードや第2制御モードにおける第1電動弁(15)の開度は例示であり、必ずしも、実施形態1のように全開とする必要はない。
本発明は、水力発電システムとして有用である。
1 管路(流路)
10 水力発電システム
13 第2分岐管(迂回路)
15 第1電動弁(第1弁)
16 第2電動弁(第2弁)
20 発電機コントローラ(制御部)
50 発電機
60 水車

Claims (8)

  1. 流体が流れる流路(1)に配置される水車(60)と、
    前記水車(60)によって駆動される発電機(50)と、
    前記水車(60)に並列に接続された流路である迂回路(13)と、
    前記迂回路(13)に前記流体を流さない状態で前記水車(60)に前記流体を供給して前記発電機(50)を駆動させる第1制御モード、前記迂回路(13)に前記流体を流しつつ前記水車(60)に前記流体を供給して前記発電機(50)を駆動させる第2制御モード、前記水車(60)に前記流体を供給せずに前記迂回路(13)に前記流体を流す第3制御モード、及び、前記水車(60)に前記流体を供給せずに前記迂回路(13)にも前記流体を流さない第4制御モードのうちの少なくとも何れか2つの制御モードを切り換えて、所定期間(T)における前記流体の積算流量(Qs)を目標値(X)に制御する制御部(20)と、
    を備え
    前記制御部(20)は、前記第1制御モード及び前記第2制御モードの少なくとも一方において、前記発電機(50)の発電電力(P)が最大となるように制御することを特徴とする水力発電システム。
  2. 請求項1において、
    前記制御部(20)は、前記所定期間(T)における発電電力量(Psum)が最大となるように、前記所定期間(T)内における前記第1制御モードによる運転時間(t1)と前記第2制御モードによる運転時間(t2)とを設定することを特徴とする水力発電システム。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記制御部(20)は、前記第1制御モードと、前記第2制御モードの2つの制御モードを切り換えて、前記所定期間(T)における前記流体の積算流量(Qs)を前記目標値(X)に制御することを特徴とする水力発電システム。
  4. 請求項1または請求項2において、
    前記制御部(20)は、前記第1制御モードと、前記第2制御モードと、前記第3制御モードの3つの制御モードを切り換えて、前記所定期間(T)における前記流体の積算流量(Qs)を前記目標値(X)に制御することを特徴とする水力発電システム。
  5. 請求項1または請求項2において、
    前記制御部(20)は、前記第1制御モードと、前記第2制御モードと、前記第4制御モードの3つの制御モードを切り換えて、前記所定期間(T)における前記流体の積算流量(Qs)を前記目標値(X)に制御することを特徴とする水力発電システム。
  6. 請求項1または請求項2において、
    前記制御部(20)は、前記第1制御モードと、前記第2制御モードと、前記第3制御モードと、前記第4制御モードの4つの制御モードを切り換えて、前記所定期間(T)における前記流体の積算流量(Qs)を前記目標値(X)に制御することを特徴とする水力発電システム。
  7. 請求項1または請求項2において、
    前記制御部(20)は、前記第1制御モード、前記第2制御モード、前記第3制御モード、及び前記第4制御モードのうちから、少なくとも2つの制御モードを選択できるよう構成され、選択した制御モードのみを切り換えて、前記所定期間(T)における前記流体の積算流量(Qs)を前記目標値(X)に制御することを特徴とする水力発電システム。
  8. 請求項1から請求項の何れかにおいて、
    前記流路(1)に前記水車(60)と直列に配置される第1弁(15)と、
    前記迂回路(13)に配置される第2弁(16)と、
    を備え、
    前記第1弁(15)は、開度が全閉以外の場合に前記水車(60)に前記流体を供給し、開度が全閉の場合に前記水車(60)に前記流体を供給せず、
    前記第2弁(16)は、開度が全閉以外の場合に前記流体を前記迂回路(13)に流し、開度が全閉の場合に前記迂回路(13)に前記流体を流さないことを特徴とする水力発電システム。
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