JP7018207B2 - 連結構造 - Google Patents

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Description

本発明は、木造建築などにおいて、隣接する床材と壁材との横ずれを規制する連結構造に関する。
従来、木造建築の大規模化は難しかったが、近年は集成材の製造技術の向上により、大断面の木材が安定して入手できるようになり、住宅よりも規模の大きい集合住宅や公共施設などの木造化も無理なく実現可能になりつつある。集成材には様々な種類が存在するが、その一つとしてCLTが挙げられる。CLTは直交集成板とも呼ばれ、ラミナと称される板材を積層したもので、層の上下で木目方向を直交させることで強度の方向性が打ち消され、しかも相応の厚さを有することから、CLT同士を連結するだけで建築物の骨格を構築することもできる。
木造建築の骨格にCLTを用いるための技術開発は、以前から進められており、その例として後記の特許文献が挙げられる。そのうち特許文献1では、隣接する集成材をH鋼材で連結した床構造が開示されており、この集成材にはCLTを用いることが想定されている。H鋼材は、隣接する集成材の間に配置し、また集成材の側面には、全長に亘って上下一対のスリットを加工してあり、H鋼材のフランジを対向するスリットに差し込む。このように集成材をH鋼材で連結することで、軽量でありながら、強度を持たせた床構造が実現する。
次の特許文献2では、床板と壁材など、木質系板材同士を一体化するための連結構造が開示されている。この連結構造では、床板に相当する一方材と、壁材に相当する他方材と、の境界にプレートと金物を配置しており、一方材の表面には凹部を加工し、そこにプレートを埋め込むほか、他方材の端面にはコの字形の金物を埋め込む。そしてプレートと金物をボルトで一体化するほか、金物から突出するホゾをプレートのホゾ溝に嵌め込み、水平方向の荷重を伝達している。この金物については既存の物を流用可能で、コストダウンを実現できるほか、引張荷重とせん断荷重を一括して受け止め可能で、強度の面でも優れている。
特開2017-025524号公報 特開2018-194126号公報
床材や壁材としてCLTなどの板材を用い、これらを組み合わせて建築物の骨格を構築する場合、隣接する板材同士を強固に連結し、自重や外力に対抗する必要がある。この板材同士の連結には、前記の特許文献のように各種金物を用いることが多く、その組み込みのため、製材段階で板材に溝や穴などの加工を行うことになるが、その際、金物の形状や配置によっては、作業の途中で板材の上下面を反転させる必要がある。しかし建築物の骨格を構成する重厚な板材は、この反転させる作業が大掛かりになり、手間や時間の増大が避けられない。
また建築物の骨格を構成する板材同士を連結する場合、板材同士の境界を跨ぐように各種金物を組み込むことになる。そのため、隣接する板材同士で荷重が伝達していく際は、各種金物の周辺に荷重が集中することになるが、これが過大になると板材が破損する恐れがある。特にホゾパイプなどの棒状の金物は、その形状から、荷重の集中を招きやすい。
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、製材の途中で板材を反転させることなく全ての加工を実施できるほか、荷重の集中を抑制可能な連結構造の提供を目的としている。
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、隣接する床材と壁材との連結構造であって、該床材の上面または下面に該壁材の端面が接触しており、床側金具と壁側金具と釘類と固定ピンを用い、前記床側金具は、前記床材の上面を削った上段部に嵌まり込む上面板と、該床材の上下面を貫く逃げ穴に埋め込む直立部と、からなり、該直立部は該上面板の下面から突出するように配置してあり、該直立部の内部には、上下方向に伸びて該上面板を貫く接合穴を設けてあり、前記壁側金具は、前記壁材から突出する接合軸を有し、前記床側金具は、前記上面板から前記床材に向けて差し込む前記釘類で固定され、前記壁側金具は、前記壁材の側面から打ち込む前記固定ピンで固定され、前記接合軸が前記接合穴に嵌まり込むことで、前記床材と前記壁材との間でせん断荷重が伝達可能になることを特徴とする連結構造である。
本発明による連結構造は、床材や壁材としてCLTなどの板材を用いており、隣接する板材同士の横ずれを規制するためのもので、施工に先立つ製材段階において、作業を簡素化できるといった特徴を有する。また本発明では、床材と壁材を連結することを想定しており、床材の上面や下面に壁材の端面が接触し、この接触面で双方の横ずれを規制するが、これらの配置については、二枚の壁材で床材の上下両面を挟み込む場合もあれば、床材の一方の面だけに壁材が接触する場合もある。当然ながら、床材は水平方向に敷設され、壁材は垂直方向に敷設されるほか、前記の「横ずれ」とは、床材の表裏面に沿って一方だけが変位することを指す。なお諸事情により、床材や壁材が水平や垂直ではなく傾きを有することもある。そして本発明は、床側金具と壁側金具と釘類と固定ピンの四要素を用いている。
床側金具は、床材に取り付ける金具で、上面板と直立部を溶接などで一体化した構造で、床材の上面側に配置する。そして上面板は、金属板を矩形や円形などに切り抜いたもので、床材の上面に埋め込む。そのため床材には、あらかじめ盆地状の上段部を加工しておくが、上面板が床材から突出しないよう、所定の深さを確保する。また直立部は円筒状で、上面板の下面から突出するように配置する。さらに直立部の内部には、接合穴を設けてある。接合穴は床材の厚さ方向に伸びており、しかも上面板も貫いており、その両端が外部に開放している。
床材には、先の上段部のほか、直立部を埋め込むため、逃げ穴を加工する。逃げ穴は、上段部の底面から床材の下面に到達する穴で、床材の上面側から加工することができる。このように上段部と逃げ穴を加工した後、そこに床側金具を埋め込み、上面板から床材に向けて釘類を差し込むと、床側金具が床材に固定される。なお釘類は、荷重条件が緩い場合、一枚の上面板に一本でも構わないが、複数本を上面板の全域に分散配置し、荷重の集中を避けることもある。
壁側金具は、壁材に取り付ける金具で、接合軸と称する棒状の部位を有する。仮に床材の下面に壁材が接触するならば、壁側金具は、壁材の上端面に取り付けるが、これとは逆に、床材の上面に壁材が接触するならば、壁側金具は、壁材の下端面に取り付ける。そして壁側金具の取り付けを終えると、壁材の端面から接合軸が直交方向に突出する。なお壁側金具の具体例は様々だが、単純な丸棒状でも構わない。その場合、壁材の端面に加工した穴に埋め込むことになり、端面から突出する範囲が接合軸になる。
壁側金具は、壁材の側面から打ち込む固定ピンで固定する。そのため壁側金具には、固定ピンを通すためのピン穴を設けてあり、壁材についても、所定の位置に固定穴を加工しておく。当然ながら固定穴とピン穴は、同心に揃うように配置するほか、打ち込まれた固定ピンは摩擦で保持され、固定穴から自然に離脱することはない。なお固定ピンについても、荷重条件が緩い場合、一個の壁側金具に一本でも構わないが、通常は荷重の集中を避けるため、複数本を分散配置する。
床側金具を床材に固定し、壁側金具を壁材に固定した後、床材と壁材を接近させ、壁材側の接合軸を床材側の接合穴に嵌め込むと、床材と壁材との横ずれが規制され、床材と壁材との間でせん断荷重が伝達可能になる。なお床材と壁材との接触面は、細長く帯状に伸びるため、必要に応じて複数組の床側金具と壁側金具を隣接して配置する。そのほか接合軸と接合穴は、一組の床側金具と壁側金具に対して一組とすることもあるが、一組の床側金具と壁側金具に対して複数組とすることもある。
このように本発明では、床材と壁材との連結構造として床側金具と壁側金具などを用いることで、床側金具の接合穴と壁側金具の接合軸との嵌め込みによってせん断荷重を伝達することができる。そのため床材については、上段部と逃げ穴を加工するだけで床側金具を取り付け可能で、壁材についても、溝などを加工するだけで壁側金具を取り付け可能である。
請求項2記載の発明は、壁側金具の具体例を示すもので、壁側金具は、壁材の上端面または下端面から上下方向に伸びる縦溝に埋め込む埋没板と、該壁材から突出する接合軸と、からなり、該接合軸は該埋没板の外縁部から突出するように配置してあり、固定ピンは、該壁材の側面から該埋没板に向けて打ち込むことを特徴とする。
ここでの壁側金具は、埋没板と接合軸を一体化した構造で、そのうち埋没板は、単純な板で、その表面には固定ピンを通すためのピン穴を設けてあり、壁材の端面の中央付近に加工した縦溝に埋め込む。縦溝は、埋没板の全体を緩みなく収容可能な大きさとする。また接合軸は、埋没板の外縁部から突出するように配置してあり、埋没軸を縦溝に埋め込んだ際、壁材の端面から直交方向に突出する。埋没板は平面状で、その大きさに制約が少ないため、埋没板の面積を増大させ、複数本の固定ピンを分散配置することで、壁材に作用する荷重の集中を抑制できる。
請求項1記載の発明のように、床材と壁材との連結構造として床側金具と壁側金具などを用いることで、床側金具の接合穴と壁側金具の接合軸との嵌め込みによってせん断荷重を伝達することができる。そのため床材については、上段部と逃げ穴を加工するだけで床側金具を取り付け可能で、壁材についても、溝などを加工するだけで壁側金具を取り付け可能である。そして床材と壁材のいずれも、製材段階で床側金具や壁側金具を埋め込むための加工を行う際、その上下面を反転させる作業は不要であり、手間や時間の増大を回避できる。
請求項2記載の発明のように、壁側金具を埋没板と接合軸で構成することで、埋没板の面積を増大させることが容易で、壁側金具を固定する固定ピンについても、複数本を分散配置することが容易である。なお床側金具を固定する釘類についても、同様に複数本を分散配置することができる。そのため、床材と壁材との連結構造に過大な荷重が作用した際も、これが複数本の釘類や固定ピンに分散して伝達されるため、床側金具や壁側金具の周辺での荷重の集中を抑制でき、床材や壁材の破損を回避できる。
本発明による連結構造の構成例を示す斜視図で、水平に敷設される床材と直立する壁材との横ずれを規制する。 図1の後、床側金具を床材に取り付け、壁側金具を壁材に取り付けた状態を示す斜視図である。 図2の床材と壁材を接触させた状態を示す斜視図で、接合軸が接合穴に嵌まり込んでいる。なお床側金具と床材は縦断面を描いてあり、また図の下方には、床側金具と壁側金具だけを抜き出した状態を描いてある。 図1とは異なる構成例を示す斜視図で、床材の上下に壁材が配置され、壁材で床材を挟み込む。 図4の後の状態を示す斜視図で、上下の壁材が床材に接触している。 本発明による連結構造を利用し、実際に床材と壁材を一体化する場合を示す斜視図で、床側金具などと併せ、寄せ金具を用いている。 図4と同様、床材の上下に壁材が配置され、上下の壁材で床材を挟み込んでいるほか、寄せ金具で上下の壁材を引き寄せた形態を示す斜視図である。 床側金具や壁側金具の形状例を示す斜視図で、図の左上には、接合軸と接合穴を複数組としたものを描いてあり、図の右下には、上面板を円形とした床側金具を描いてある。 壁側金具を丸棒状とした場合を示す斜視図である。
図1は、本発明による連結構造の構成例を示し、水平に敷設される床材51と直立する壁材61との横ずれを規制する。この図の床材51と壁材61は、いずれも木造建築物の骨格を構成するもので、CLTなど、相応の厚さを有する板状の集成材を用いており、木造建築物の自重のほか、風や地震などによる外力を受け止め、建築物の健全性を維持する。またここでは、壁材61の上端面で床材51を支持することを想定しており、床材51の下面が壁材61の上端面に載る。そして双方の横ずれを規制する連結構造は、床側金具11と壁側金具21と釘類38と固定ピン39の四要素を用いている。
床側金具11は、上面板14と縦板15と直立部16を一体化した形状で、そのうち上面板14は長方形状の板である。また縦板15は、上面板14の下面中央に沿って伸びる板で、床側金具11を側面から見ると、上面板14と縦板15が丁字状に配置されている。そして上面板14の下面中心には、円柱状の直立部16が突出している。直立部16は、上面板14に対して直交するように伸びている。なお直立部16と縦板15は、同一線上に並んでおり、縦板15は直立部16で分断されている。そのほか直立部16の内部は、円断面の中空になっており、この箇所を接合穴17と称している。接合穴17は上面板14にも到達しており、その上下両端とも外部に開放しており、有底ではない。
床側金具11は、床材51に埋め込むように取り付ける。そのため床材51の上面には、所定の深さまで盆地状に削り込んだ上段部54を設けてある。さらに上段部54の底面の中央には、縦板15を埋め込むため、上下溝55を加工してある。また上下溝55の中央には、直立部16を埋め込むため、円断面の逃げ穴57を加工してあるが、上下溝55と逃げ穴57のいずれも、床材51の下面に到達している。そして床側金具11を床材51に埋め込んだ後、釘類38を差し込み、床側金具11を固定する。そのため上面板14には、釘類38を差し込むための釘穴18のほか、釘類38の頭部を埋め込むためのザグリ19を設けてある。なお図中の釘穴18とザグリ19は計八組で、上面板14の全域に分散配置してある。
壁側金具21は、埋没板25と接合軸27を一体化した形状で、そのうち埋没板25は長方形状の板で、壁材61の上端面の中央に加工した縦溝65に埋め込まれる。また接合軸27は、埋没板25の上端面中央から直立する丸棒状だが、埋没板25と強固に一体化させるため、その根元は埋没板25に差し込んである。そのため縦溝65の入り口中央には、円断面の逃げ溝67を加工してあり、そこに接合軸27の根元が収容される。このように埋没板25は、その全体が縦溝65に埋め込まれ、壁材61からは接合軸27だけが外部に突出する。
縦溝65に埋め込まれた埋没板25は、固定ピン39によって壁材61に固定される。そのため埋没板25には、固定ピン39を通すためのピン穴29を設けてあり、また壁材61の側面には、固定ピン39を打ち込むための固定穴69を加工してある。固定穴69は、縦溝65と交差して反対面に到達しており、打ち込まれた固定ピン39は、摩擦で不動状態を維持する。当然ながら固定穴69とピン穴29は、壁側金具21を所定の位置に埋め込んだ際、同心に揃うように配置する。さらに固定穴69とピン穴29は、荷重の集中を避けるため、複数組を分散配置してある。
この図のように床材51には、上段部54と上下溝55と逃げ穴57を加工する必要があるが、これらは全て、ドリルなどの工具を床材51の上面から接触させることで形成可能で、床材51の下面からは何らの加工も行う必要がない。そのため製材段階では、床材51を加工機械のベッドなどに固定し、その上方から所定の工具を接触させるだけで全ての加工を完了させることができ、途中で床材51を反転させるなど、手間の掛かる作業は不要である。
図2は、図1の後、床側金具11を床材51に取り付け、壁側金具21を壁材61に取り付けた状態を示す。床側金具11の上面板14を床材51の上段部54に埋め込むと、併せて縦板15が上下溝55に入り込むほか、直立部16が逃げ穴57に入り込み、その後、床側金具11を固定するため、個々の釘穴18に釘類38を差し込んでいく。なお、釘類38の頭部はザグリ19に収容されるほか、上面板14は上段部54に完全に埋め込まれ、床側金具11や釘類38が床材51の上面から突出することはない。また接合穴17は、床材51の上面と下面を結ぶように貫いている。
壁側金具21の埋没板25は、壁材61の縦溝65に入り込み、そのピン穴29を壁材61の固定穴69と同心に揃えた後、固定穴69からピン穴29に向けて固定ピン39を打ち込み、壁側金具21を壁材61に固定する。この状態では、埋没板25の全体が縦溝65に入り込み、接合軸27だけが外部に突出する。このように床側金具11と壁側金具21を取り付けた後、床材51と壁材61を接近させ、接合軸27を接合穴17に嵌め込む。なお床側金具11や壁側金具21は、製材段階で取り付け可能で、現地での作業を削減することができる。
図3は、図2の床材51と壁材61を接触させた状態を示し、接合軸27が接合穴17に嵌まり込んでいる。なお内部構造を示すため、床側金具11と床材51は縦断面を描いてあり、また図の下方には、床側金具11と壁側金具21だけを抜き出した状態を描いてある。接合軸27が接合穴17に嵌まり込むことで、床材51と壁材61との横ずれが規制されるほか、床材51と壁材61との間に作用する水平方向の荷重(せん断荷重)が円滑に伝達される。このせん断荷重において、固定ピン39の軸線方向に作用するものは、縦板15や埋没板25の表面を介して床材51や壁材61に伝達される。そのため、縦板15や埋没板25の面積を増大させることで荷重の集中を避けることができる。
対して、固定ピン39の軸線方向に対して直交方向に作用するせん断荷重は、釘類38や固定ピン39を介して床材51や壁材61に伝達される。そのため、釘類38や固定ピン39の本数を増やすことで荷重の集中を避けることができる。このように本発明では、床材51と壁材61との間に作用するせん断荷重を円滑に伝達可能で、床材51や壁材61の狭い範囲に荷重が集中することを抑制でき、その破損を回避できる。
そのほか、各図とは逆に床側金具11に接合軸27を設け、壁側金具21に接合穴17を設けた場合でも、同様にせん断荷重を伝達することができる。ただし壁側金具21は、壁材61の端面に取り付けるため、その水平面上の大きさは極力抑制すべきであり、接合穴17よりも接合軸27を設けることが望ましい。対して床材51は、水平面に展開するため、水平面上の大きさについての自由度が高いため、床側金具11については、接合軸27よりも接合穴17を設けることが望ましい。
図4は、図1とは異なる構成例を示し、床材51の上下に壁材61、62が配置され、上下の壁材61、62で床材51を挟み込む。ここでは、床材51の上方に配置される壁材62についても、壁側金具21を取り付ける必要があり、この壁材62の下端面の中央には縦溝65を加工してあり、そこに壁側金具21の埋没板25を埋め込む。当然ながらこの壁側金具21は上下反転させてあり、壁材62の下端面から接合軸27が突出する。そのほか、床材51に床側金具11を取り付ける点や、下方の壁材61に壁側金具21を取り付ける点は、図2と同じである。ただしこの図では、接合穴17の上下両側から接合軸27が嵌め込まれるため、個々の接合軸27の延長を抑制してある。
図5は、図4の後の状態を示し、上下の壁材61、62が床材51に接触している。なお内部構造を示すため、一部は縦断面を描いてある。ここでは、床側金具11の上下両側に壁側金具21が接触しているほか、床側金具11の接合穴17には、上下両側から接合軸27が嵌め込まれている。そのため連結構造に作用するせん断荷重は、必ず隣接する床材51や壁材61、62に伝達される。
図6は、本発明による連結構造を利用し、実際に床材51と壁材61を一体化する場合を示しており、床側金具11などと併せ、寄せ金具71を用いている。寄せ金具71は、床材51と壁材61を引き寄せ、引張荷重を受け止める役割を担うもので、床側金具11や壁側金具21を挟み込むように左右両側に配置してある。また寄せ金具71は、壁側金具21の埋没板25と同様、平面状だが、その上部中央にはメネジ73を形成してある。そして寄せ金具71は、壁材61の上端面に加工したスリット68に差し込み、固定ピン39で固定する。さらに寄せ金具71に床材51を引き寄せるため、全ネジボルト74を用いている。全ネジボルト74は、床材51に加工した通し穴58に差し込み、その下端部はメネジ73に螺合させるが、上端部は通し穴58から突出させ、そこにワッシャ75を組み込み、併せてナット76を螺合させる。
施工時は、まず寄せ金具71を壁材61に埋め込み、これを固定ピン39で壁材61に固定し、次に全ネジボルト74の下端部を寄せ金具71のメネジ73に螺合させ、双方を強固に締め付けて一体化させる。その後、全ネジボルト74を通し穴58に差し込み、その上端部に螺合させたナット76を締め付けると、床材51が壁材61に密着する。併せて、壁材61側の接合軸27が床材51側の接合穴17に嵌まり込み、せん断荷重が伝達できるようになる。なお寄せ金具71と全ネジボルト74は、単純に床材51と壁材61を引き寄せるだけで、その構成上、せん断荷重の伝達には適さない。このように本発明では、床材51と壁材61を引き寄せる手段を別途に組み込む必要があるが、この手段は、あらゆる従来技術を用いることができる。
図7は、図4と同様、床材51の上下に壁材61、62が配置され、上下の壁材61、62で床材51を挟み込んでいるほか、寄せ金具71で上下の壁材61、62を引き寄せた形態を示す。この図の寄せ金具71は図6と同じものだが、下方の壁材61の上端面のほか、上方の壁材62の下端面の両方に埋め込んであり、対向する寄せ金具71を全ネジボルト74で引き寄せており、上下の壁材61、62は、床材51に密着している。また床側金具11の上下には壁側金具21が接触しており、個々の壁側金具21の接合軸27が接合穴17に嵌め込まれており、床材51と壁材61、62との横ずれを規制している。
床側金具11と壁側金具21のいずれも、上下の壁材61、62を引き離す引張荷重については、何らの機能も発揮することはなく、この荷重は、寄せ金具71と全ネジボルト74だけで伝達される。そのため過大な引張荷重が作用した場合、全ネジボルト74の弾塑性変形でその衝撃が緩和され、壁材61、62などの破損を防ぐが、この際も、床側金具11と壁側金具21については、単に接合穴17の中で接合軸27が変位するだけである。このように本発明では、床側金具11と壁側金具21によって床材51や壁材61、62の横ずれだけを規制しており、上下方向への変位は許容されるため、全ネジボルト74などの弾塑性変形が誘発され、連結構造に粘り強さを確保することができる。
そのほか床側金具11と壁側金具21は、接合軸27が接合穴17に嵌まり込んでいるだけで、床材51と壁材61、62との引き寄せには関与していない。そのため図7のような連結構造を解体する場合、上下に対向する寄せ金具71のうち、いずれか一方に打ち込まれた固定ピン39を抜き取るだけで壁材61、62を引き離すことができ、床側金具11や壁側金具21はそのまま放置できるため作業が簡素化され、移築や再利用にも適している。
図8は、床側金具12、13や壁側金具22の形状例を示し、図の左上には、接合軸27と接合穴17を複数組としたものを描いてあり、図の右下には、上面板14を円形とした床側金具13を描いてある。図の左上のように、一個の床側金具12に複数の接合穴17を設けるほか、一個の壁側金具22に複数の接合軸27を設けることで、床側金具12と壁側金具22との回転を防止できるほか、せん断荷重の分散が促進され、床側金具12や壁側金具22などの負担が軽減される。
図の右下に描いた床側金具13は、その上面板14を円形としてあるほか、上面板14の中心に直立部16を取り付けただけの単純な構成となっており、縦板15を省略している。そのため床材51については、上段部54と逃げ穴57だけが必要になるが、これらはいずれも単純な円形であり、汎用の工具を接触させるだけで加工が完了し、時間や手間を削減できる。なお縦板15を省略している分、せん断荷重の分散が難しくなるが、上面板14や直立部16の直径を増大させることで、これに対応できる。そして床側金具13と対になる壁側金具21は、図1などと同じものである。
図9は、壁側金具23を丸棒状とした場合を示す。荷重条件が緩い場合、これまでの各図のような埋没板25を省略し、壁側金具23を単純な丸棒状とすることもできる。この壁側金具23の下部は、壁材61に加工した円断面の逃げ溝67に埋め込むほか、その側周面には、固定ピン39を通すためのピン穴29を設けてある。そして壁側金具23の下部を逃げ溝67に埋め込み、固定穴69とピン穴29を同心に揃えた後、固定ピン39を打ち込むことで壁側金具23が固定され、逃げ溝67から突出する範囲が接合軸27として機能する。
図9の床材51や床側金具11は、図1などと同じで、床側金具11は釘類38で床材51に固定されており、その接合穴17は、床材51の上下面を結ぶように開放している。また接合穴17には、壁材61から突出する接合軸27が嵌め込まれ、床材51と壁材61との横ずれが規制される。なお図では、固定ピン39を上下に二本用いているが、荷重条件に問題がなければ、固定穴69とピン穴29を一組に絞り込み、一本の固定ピン39だけで壁側金具23を固定することもできる。
11 床側金具
12 床側金具(接合穴が複数)
13 床側金具(上面板が円形)
14 上面板
15 縦板
16 直立部
17 接合穴
18 釘穴
19 ザグリ
21 壁側金具
22 壁側金具(接合軸が複数)
23 壁側金具(丸棒状)
25 埋没板
27 接合軸
29 ピン穴
38 釘類
39 固定ピン
51 床材
54 上段部
55 上下溝
57 逃げ穴
58 通し穴
61 壁材(床材の下方に配置)
62 壁材(床材の上方に配置)
65 縦溝
67 逃げ溝
68 スリット
69 固定穴
71 寄せ金具
73 メネジ
74 全ネジボルト
75 ワッシャ
76 ナット

Claims (2)

  1. 隣接する床材(51)と壁材(61または62)との連結構造であって、該床材(51)の上面または下面に該壁材(61または62)の端面が接触しており、
    床側金具(11乃至13)と壁側金具(21乃至23)と釘類(38)と固定ピン(39)を用い、
    前記床側金具(11乃至13)は、前記床材(51)の上面を削った上段部(54)に嵌まり込む上面板(14)と、該床材(51)の上下面を貫く逃げ穴(57)に埋め込む直立部(16)と、からなり、該直立部(16)は該上面板(14)の下面から突出するように配置してあり、該直立部(16)の内部には、上下方向に伸びて該上面板(14)を貫く接合穴(17)を設けてあり、
    前記壁側金具(21乃至23)は、前記壁材(61または62)から突出する接合軸(27)を有し、
    前記床側金具(11乃至13)は、前記上面板(14)から前記床材(51)に向けて差し込む前記釘類(38)で固定され、
    前記壁側金具(21乃至23)は、前記壁材(61または62)の側面から打ち込む前記固定ピン(39)で固定され、
    前記接合軸(27)が前記接合穴(17)に嵌まり込むことで、前記床材(51)と前記壁材(61または62)との間でせん断荷重が伝達可能になることを特徴とする連結構造。
  2. 前記壁側金具(21または22)は、前記壁材(61または62)の上端面または下端面から上下方向に伸びる縦溝(65)に埋め込む埋没板(25)と、該壁材(61または62)から突出する前記接合軸(27)と、からなり、該接合軸(27)は該埋没板(25)の外縁部から突出するように配置してあり、前記固定ピン(39)は、該壁材(61または62)の側面から該埋没板(25)に向けて打ち込むことを特徴とする請求項1記載の連結構造。
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