JP7018073B2 - 飲料 - Google Patents
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Description
しかしながら、飲料中のカンファーの含有量が増すと苦味や薬品様の香りが際立ってしまうという問題がある(特開2005-143461号(特許文献1))。
[1]
カンファーおよびリナロールを含む飲料であって、
カンファー濃度が1~155質量ppbであり、
リナロール濃度が220質量ppb以上である、飲料。
[2]
カンファーおよびリナロールを含む飲料であって、
カンファー濃度が1~150質量以上であり、
リナロール濃度が220~2000質量ppbである、飲料。
[3]
リナロール濃度が220~1500質量ppbである、[1]または[2]に記載の飲料。
[4]
リナロール濃度が230~1200質量ppbである、[1]または[2]に記載の飲料。
[5]
カンファー濃度が0.5~155質量ppbである、[1]~[4]のいずれかに記載の飲料。
[6]
カンファー濃度が15~145質量ppbである、[1]~[4]のいずれかに記載の飲料。
[7]
カンファー濃度が40~140質量ppbである、[1]~[4]のいずれかに記載の飲料。
[8]
麦芽飲料である、[1]~[7]のいずれかに記載の飲料。
[9]
麦芽発酵飲料である、[1]~[7]のいずれかに記載の飲料。
[10]
ビールテイスト飲料である、[1]~[9]のいずれかに記載の飲料。
[11]
[1]~[10]のいずれかに記載の飲料が容器詰めされた、容器詰飲料。
本発明の飲料は、カンファーおよびリナロールを含む飲料であって、カンファー濃度が1~155質量ppbであり、リナロール濃度が220質量ppb以上である、飲料である。
本発明の飲料は、得られる飲料がカンファーおよびリナロールを含めばその原材料は特に限定されない。したがって、主な原材料としてカンファー、リナロールまたはその両者を十分に含まない場合、これらを添加するなどによって、本発明の飲料を製造できる。
本発明のビールテイスト飲料の製造には、原材料として、麦を用いることが好ましく、麦芽を用いることがさらに好ましく、大麦および小麦の麦芽を用いることが特に好ましい。
コリアンダーとは、セリ目セリ科コエンドロ属コエンドロ種に属する植物の一種である。和名でコエンドロともカメムシソウともいわれる。葉(リーフ)と種子(シード、植物学上は果実)のいずれもが利用されるが、本発明では、コリアンダーシードを原材料に用いることが好ましい。コリアンダーシードは、一般に市販されているものを用いてもよい。乾燥した果実(ホール)をそのまま用いてもよいし、成分抽出が容易となるように粉砕処理されたパウダー状のものを用いてもよい。抽出時間の短縮という観点からは、パウダー状のものが好ましい。本明細書では、いずれの状態のものもコリアンダーシードと呼ぶ。
コリアンダーシード抽出物は、コリアンダーシードを、水やアルコールなどの溶媒またはこれらを混合した溶液にて抽出し、必要に応じて濃縮したものである。例えば抽出に用いるアルコールは、通常酒類に用いられるものが好ましい。配合後に設計品質を変化させないという目的から、抽出に用いるアルコールは、ほとんど無味無臭である連続式蒸留機を使用して得られる蒸留酒類が好ましい。連続式蒸留機を使用して得られる蒸留酒類としては、ウォッカや原料用アルコールなどのスピリッツ類、連続式蒸留焼酎(いわゆる甲類焼酎)が挙げられる。コリアンダーシード抽出物の製造方法は例えば特開2012-105572号に記載された公知の方法が用いられる。
本発明では、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、様々な添加物を添加してもよい。例えば、リナロールやカンファー等の香料、着色料、泡形成剤、発酵促進剤、甘味料、苦味料、酵母エキス、ペプチド含有物などのタンパク質系物質、アミノ酸などの調味料、アスコルビン酸などの酸化防止剤、各種酸味料などを本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて添加することができる。着色料は、飲料にビール様の色を与えるために使用するものであり、カラメル色素などを用いることができる。泡形成剤は、飲料にビール様の泡を形成させるため、あるいは飲料の泡を保持させるために使用するものであり、大豆サポニン、キラヤサポニンなどの植物抽出サポニン系物質、コーン、大豆などの植物タンパク、およびペプチド含有物、ウシ血清アルブミンなどのタンパク質系物質、酵母エキスなどを適宜使用することができる。香料は、ビール様の風味付けのために用いるものであり、ビール風味を有する香料を適量使用することができる。発酵促進剤は、酵母による発酵を促進させるために使用するものであり、例えば、酵母エキス、米や麦などの糠成分、ビタミン、ミネラル剤などを単独または組み合わせて使用することができる。甘味料は、天然甘味料および合成甘味料のいずれの高甘味度甘味料も使用することができ、ショ糖誘導体、例えばスクラロースなど;合成甘味料、例えばアセスルファムK、サッカリンなどが挙げられ、これらは単独または2種以上組み合せて用いることができる。苦味料は、飲料に配合することによって味覚に苦味を知覚せしめる植物体あるいは植物抽出物であればよい。苦味料としては、姫茴香、杜松実、セージ、迷迭香、マンネンタケ、月桂樹、迷迭香、マンネンタケ、クワシン、ナリンギン、柑橘抽出物、ニガキ抽出物、コーヒー抽出物、茶抽出物、ゴーヤ抽出物、ハス胚芽抽出物、キダチアロエ抽出物、ニガヨモギ抽出物、ローレル抽出物などを用いることができる。
本発明においては、飲料に含まれるカンファーおよびリナロールの濃度の調整のために、これらを添加することが好ましい。
本発明の飲料は炭酸ガスを含んでもよく、その炭酸ガスは、原材料に含まれる炭酸ガスを利用してもよく、また、炭酸水との混和または炭酸ガスの添加などで溶解させてもよい。
本発明のビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスは、原材料に発酵液を用いた場合、発酵工程で炭酸ガスが発生するため、当該炭酸ガスをそのまま用いることができる。また、原材料に非発酵液を用いた場合、発酵工程で発生する炭酸ガスを利用できないため、非発酵液と炭酸水との混和、または非発酵液に炭酸ガスの添加によって、ビールテイスト飲料に炭酸ガスを溶解させることができる。
本発明の飲料の製造方法は、特に限定されないが、カンファーの含有量の多いまたは少ない原材料を選択し、これらの原材料の使用量を増減させることによって、カンファー濃度を調整することができる。カンファーの含有量が多い原材料として、コリアンダーシード、クスノキ等が挙げられる。同様に、リナロールの含有量の多いまたは少ない原材料を選択し、これらの原材料の使用量を増減させることによって、リナロール濃度を調整することができる。リナロールの含有量が多い原材料として、ホップ、コリアンダー、コリアンダーシード等が挙げられる。さらに、本発明の製造方法において、ビールテイスト飲料の製造途中で希釈、濾過、フィルタリング等を行うことによって、カンファー濃度やリナロール濃度を調整してもよい。
原材料自体にカンファーおよびリナロールが含まれている場合、原材料由来のカンファーおよびリナロールの含有量と添加するカンファーおよびリナロールの含有量の合計が、所定の含有量になるようにカンファーおよびリナロールを添加する。
(1) 発酵液の製造
本発明のビールテイスト飲料の製造方法に用いられる発酵液は、例えば、仕込み工程、発酵工程、貯酒工程、ろ過工程、および容器詰工程などの当業者に周知のビールテイスト飲料の製造工程によって得られる。
具体的には、原料を仕込釜または仕込槽に投入し、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行わせ、ろ過して煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパクなどの固形分を取り除く。その後、さらに酵母を添加して発酵させ、ろ過機などで酵母を取り除き、必要に応じて水、醸造用アルコールや添加剤などを加え、発酵液を得る。
本発明のビールテイスト飲料の製造方法に用いられる非発酵液の製造工程は、発酵工程を含まず、麦、麦芽エキス、大豆ペプチド、ホップなどと水を含む麦汁などの原液に、炭酸水または炭酸ガスと、アルコールとを混和する混和工程によって得られる。非発酵液は混和工程の他に、さらに、仕込み工程、貯酒工程、および容器詰工程などの当業者に周知のビールテイスト飲料の製造工程を含んでもよい。
本発明の飲料におけるカンファー含有量およびリナロール含有量を所定の範囲内に調整するために、飲料やその原飲料等にカンファー、リナロール、または、カンファーとリナロールが添加されてもよい。カンファーおよびリナロールの添加のタイミングは特に限定されず、発酵液または非発酵液の製造前、製造途中または製造後であってもよい。また、カンファーおよびリナロールの添加は複数回に分けられてもよい。添加されるカンファーおよびリナロールは、これらを含む組成物であっても、単離生成された化合物であってもよく、これらは天然物由来であっても人工的な合成物であってもよい。
本発明の飲料は、容器に充填・密閉して、容器詰めとすることができる。いずれの形態・材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、ビン、缶、樽、またはペットボトルが挙げられる。
カンファーおよびリナロール濃度は、J. Agric. Food Chem., 2013, 61 (47), pp 11303-1131(Characterization of the Key Aroma Compounds in Two Bavarian Wheat Beers by Means of the Sensomics Approach)に記載のガスクロマトグラフ質量分析装置(GC-MS)を用いて測定した。
市販されているビール製品をベース飲料とし、このベース飲料にカンファー(ナカライテスク社製07045-04)およびリナロールを添加して、表1に記載のカンファー濃度およびリナロール濃度を有するビールテイスト飲料を調製した。添加したリナロールとして、R体とS体の混合物を用いた。
実施例1~22と同様に、前記ベース飲料にカンファーおよびリナロールを添加して、表1に記載のカンファー濃度およびリナロール濃度を有するビールテイスト飲料を調製した。
1:弱い
2:やや弱い
3:普通
4:やや強い
5:強い
また、ビールテイスト飲料としての総合評価について、1~5(1刻み)で評価した。
1:不可
2:可
3:良
4:優良
5:非常に優良
で評価した。総合評価については2.8以上を香味として優れていると判断できる合格ラインとした。
これらの結果は表1のとおりであった。
Claims (10)
- カンファーおよびリナロールを含む飲料であって、
カンファー濃度が0.5~155質量ppbであり、
リナロール濃度が220質量ppb以上であり、
ビールテイスト飲料である、飲料(ただし、コリアンダーシードをアルコール水溶液に浸漬して得られるコリアンダー抽出物を混合して得られるビールテイスト発酵飲料を除く)。 - リナロール濃度が220~2000質量ppbである、請求項1に記載の飲料。
- リナロール濃度が220~1500質量ppbである、請求項1に記載の飲料。
- リナロール濃度が230~1200質量ppbである、請求項1に記載の飲料。
- カンファー濃度が1~150質量ppbである、請求項1~4のいずれかに記載の飲料。
- カンファー濃度が15~145質量ppbである、請求項1~4のいずれかに記載の飲料。
- カンファー濃度が40~140質量ppbである、請求項1~4のいずれかに記載の飲料。
- 麦芽ビールテイスト飲料である、請求項1~7のいずれかに記載の飲料。
- 麦芽発酵ビールテイスト飲料である、請求項1~7のいずれかに記載の飲料。
- 請求項1~9のいずれかに記載の飲料が容器詰めされた、容器詰飲料。
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