JP7017479B2 - エンジン - Google Patents
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Description
特許文献1のエンジンでは、触媒が燃焼室から遠い位置にあり、燃焼室から流出した排気の温度が触媒に到達するまでに低下し、触媒が活性化しにくい。
また、触媒と排気絞装置の間に配置された排気温度センサと、排気温度センサと排気絞装置を連携させる制御装置を備え、制御装置は、排気温度センサで検出された排気の温度に基づいて、排気絞装置の開度を調節するように構成されている。
触媒は、その中心軸線と平行な向きに見て、円形に形成されていることが望ましい。
触媒が燃焼室から近い排気ポート内に配置され、燃焼室から流出した排気の温度が触媒に到達するまでに低下しにくく、触媒の活性化が促進される。
また、薄型の触媒は体積が小さく、昇温による触媒の活性化が促進される。
また、薄型の触媒は、通路断面積の狭い排気ポート内に配置されているにも拘わらず、排気の通過抵抗が小さく、背圧の上昇が抑制される。
排気絞装置の絞りによる背圧の上昇で、排気の温度が上昇し、触媒の温度が上昇し、触媒の排気入口に付着する未燃付着物の焼却や触媒の活性化が促進される。
排気絞装置とEGRクーラがそれぞれ個別に接続された一対のバイパス水路の各水路抵抗は小さく、排気絞装置へのバイパス冷却水の供給量が多く、排気絞装置の温度が下がり、排気絞装置の熱劣化が抑制される。
一対のバイパス水路の各水路抵抗は小さく、EGRクーラへのバイパス冷却水の供給量が多くなり、EGRガスの温度が下がり、EGRガスの密度が高まり、EGR率が高まる。
また、排気絞装置の上流側の排気の温度を直接に検出する排気温度センサにより、排気絞装置の上流側の排気の温度の上昇を速やかに検出することができ、排気絞装置の開度の制御遅れが起こりにくく、排気の温度が上がり過ぎず、排気絞装置の熱劣化が抑制される。
各実施形態では、いずれも立形の水冷直列多気筒ディーゼルエンジンが用いられている。
図1に示すように、このエンジンは、シリンダブロック(20a)と、シリンダブロック(20a)の上部に取り付けられたシリンダヘッド(20b)を備えている。クランク軸(14)の架設方向を前後方向、その一方を前、他方を後として、シリンダブロック(20a)の前部に、冷却水ポンプ(25)と調時伝動ケース(15)が組み付けられている。冷却水ポンプ(25)のポンプ入力軸には、エンジン冷却ファン(16)が取り付けられ、冷却水ポンプ(25)とエンジン冷却ファン(16)はファンベルト(17)を介してクランク軸(14)で駆動される。エンジン冷却ファン(16)の前方には、ラジエータ(26)が配置されている。シリンダブロック(20a)の後部には、クランク軸(14)の後端部に取り付けられたフライホイール(14a)が配置されている。
制御装置(10)には、エンジンECUが用いられている。ECUは、電子制御ユニットの略称であり、マイコンである。
このため、触媒(4)が燃焼室から近い排気ポート(5a)~(5d)内に配置され、燃焼室から流出した排気(5)の温度が触媒(4)に到達するまでに低下しにくく、触媒(4)の活性化が促進される。
また、薄型の触媒(4)は体積が小さく、昇温による触媒(4)の活性化が促進される。
また、薄型の触媒(4)は、通路断面積の狭い排気ポート(5a)~(5d)内に配置されているにも拘わらず、排気(5)の通過抵抗が小さく、背圧の上昇が抑制される。
触媒(4)にはDOCが用いられている。DOCはディーゼル酸化触媒の略称である。DOCは、内部に軸長方向に沿う多数のセルが貫通状に並設されたフロースルーハニカム型のものである。DOCには、セル内に酸化触媒成分が担持されている。DOCでは、排気(5)中のHC(炭化水素)やCO(一酸化炭素)が酸化され、H2O(水)やCO2となる。また、DOCでは、排気(5)中に供給された未燃燃料が触媒燃焼され、排気(5)の温度が上がり、下流に配置されたDPF(12)の再生が図られる。DPF(12)に代えて、触媒下流側触媒(13)が用いられる場合には、その温度が上がり、活性化が図られる。
DPF(12)は、内部に軸長方向に沿う多数のセルが並設され、隣り合うセルの排気入口(12a)と排気出口(12b)が交互に目封じされたウォールフローハニカム型のものである。
SCR触媒は、選択触媒還元(Selective Catalytic Reduction)型の触媒の略称で、内部に軸長方向に沿う多数のセルが貫通状に並設されたフロースルーハニカム型のものが用いられ、その排気上流側には尿素水インジェクタが配置され、尿素水を排気中に噴射することにより高温下でアンモニアガスを得、このアンモニアによりNOx(窒素酸化物)を還元し、N2(窒素ガス)とH2O(水蒸気)を得る。
NOX吸蔵還元触媒は、排気中のNOXを一時的に吸蔵し、後に還元(N2化)する触媒である。
触媒(4)は、その中心軸線(4c)に対して点対称の円形に形成されているため、触媒(4)の触媒成分の劣化に偏りが生じにくい。
中心貫通孔(4d)によって触媒(4)の体積が小さくなり、昇温による触媒(4)の活性化が促進される。
また、中心貫通孔(4d)を有する触媒(4)は、通路断面積の狭い排気ポート(5a)~(5d)内に配置されているにも拘わらず、排気(5)の通過抵抗が中心貫通孔(4d)で低減され、背圧の上昇が抑制される。
図2(B)に示す基本例では、各排気ポート(5a)~(5d)の排気出口にそれぞれ単一の触媒(4)を配置したのに対し、図2(D)に示す変形例では、各排気ポート(5a)~(5d)の排気(5)の通過方向にそれぞれ一対の触媒(4)を直列配置したが、3個以上の触媒(4)を直列配置してもよい。この変形例では、触媒(4)が中心貫通孔(4d)を備えたものであってもよい。
このため、排気絞装置(8)の絞りによる背圧の上昇で、排気(5)の温度が上昇し、触媒(4)の温度が上昇し、触媒(4)の排気入口(4a)に付着する未燃付着物の焼却や触媒(4)の活性化が促進される。
この場合、このエンジンは、次の利点を備えている。
排気絞装置(8)の上流側の排気(5)の温度を直接に検出する排気温度センサ(9)により、排気絞装置(8)の上流側の排気(5)の温度の上昇を速やかに検出することができ、排気絞装置(8)の開度の制御遅れが起こりにくく、排気(5)の温度が上がり過ぎず、排気絞装置(8)の熱劣化が抑制される。
この場合、排気絞装置(8)の排気下流側直近位置の排気(5)の温度を検出する排気温度センサ(9)により、排気絞装置(8)の上流側の排気(5)の温度の上昇を速やかに検出することができ、排気絞装置(8)の開度の制御遅れが起こりにくく、排気(5)の温度が上がり過ぎず、排気絞装置(8)の熱劣化が抑制される。
排気絞装置(8)から排気温度センサ(9)までの離間距離は、排気絞装置(8)から絞下流側触媒(11)までの離間距離よりも十分に短く、前者は後者の2分の1未満とするのが望ましく、後者の3分の1未満とするのがより望ましい。
このため、排気絞装置(8)の制御に用いる排気温度センサ(9)が絞下流側触媒(11)を用いた排気処理の制御にも兼用され、排気温度センサの数が少なくなる。
このため、絞下流側触媒(11)の下流側にDPF(12)を配置した場合には、排気昇温処理でDPF(12)の再生が可能となる。
DPF(12)に代えて、絞下流側触媒(11)の下流側に触媒下流側触媒(13)を配置した場合には、排気昇温処理で触媒下流側触媒(13)の活性化が可能となる。
DPF(12)に代えて触媒下流側触媒(13)を用いる場合には、絞下流側触媒(11)の排気下流側に触媒下流側触媒(13)を配置する。
この絞下流側触媒(11)には絞上流側の触媒(4)と同様の触媒を用いることができる。この絞下流側触媒(11)には、絞上流側の触媒(4)と同じDOCを用いるのが望ましい。
触媒下流側触媒(13)には、DOCに代えてSCR触媒やNOX吸蔵還元触媒等を用いることができる。
絞下流側触媒(11)にSCR触媒を用いた場合には、触媒下流側触媒(13)にDOCを用い、SCR触媒をスルーしたアンモニアを浄化するのが望ましい。
図3に示すように、エンジン本体(20)を水冷するメイン水路(21)と、メイン水路(21)から分岐されたバイパス水路(22)を備え、バイパス水路(22)に排気絞装置(8)が接続されている。
このエンジンは、次の利点を備えている。
排気(5)で加熱される排気絞装置(8)が水冷され、排気絞装置(8)の温度が下がり、排気絞装置(8)の熱劣化が抑制される。
このエンジンは、次の利点を備えている。
排気絞装置(8)とEGRクーラ(23)がそれぞれ個別に接続された一対のバイパス水路(22)(24)の各水路抵抗は小さく、排気絞装置(8)へのバイパス冷却水(22a)の供給量が多く、排気絞装置(8)の温度が下がり、排気絞装置(8)の熱劣化が抑制される。
一対のバイパス水路(22)(24)の各水路抵抗は小さく、EGRクーラ(23)へのバイパス冷却水(24a)の供給量が多くなり、EGRガス(23a)の温度が下がり、EGRガス(23a)の密度が高まり、EGR率が高まる。
EGRクーラ(23)が接続されたバイパス水路(24)は、シリンダブロック(20a)の水ジャケット(20d)から分岐されている。
このエンジンは、次の利点を備えている。
シリンダヘッド(20b)で高温になる前の比較的低温のメイン冷却水(21a)から分流したバイパス冷却水(24a)がEGRクーラ(23)に供給され、EGRクーラ(23)の冷却性能が高まる。
このエンジンは、次の利点を備えている。
シリンダブロック(20a)とシリンダヘッド(20b)の熱を吸収した適温のバイパス冷却水(22a)が高温の排気絞装置(8)に供給され、排気絞装置(8)の過冷却による作動不良が抑制される。
このため、メイン冷却水出口(20c)に至る前の比較的低温のメイン冷却水(21a)から分流されたバイパス冷却水(22a)が排気絞装置(8)に供給され、排気絞装置(8)の冷却性能が高まる。
このエンジンは、次の利点を備えている。
EGRクーラ(23)と排気絞装置(8)の接続されていないバイパス水路(28)の水路抵抗は小さく、EGR弁装置(27)へのバイパス冷却水(28a)の供給量が多くなり、EGR弁装置(27)の温度が下がり、EGR弁装置(27)の熱劣化が抑制される。
このため、シリンダヘッド(20b)で高温になる前の比較的低温のメイン冷却水(21a)から分流したバイパス冷却水(28a)がEGR弁装置(27)に供給され、EGR弁装置(27)の冷却性能を高まる。
このエンジンでは、制御装置(10)で次の制御がなされる。
図4に示す目詰まり解消モードは、触媒(4)の排気入口(4a)が未燃付着物で目詰まりしていると判定された場合に、実施される。
図5に示すDPF再生モードは、DPF(12)にPMが堆積し、DPF再生要求があった場合に、実施される。
目詰まり解消モードの実施中に、DPF再生要求があった場合には、目詰まり解消モードで触媒(4)の排気入口(4a)の目詰まりが解消された後に、DPF再生モードが実施される。
DPF再生モードの実施中に、触媒(4)の目詰まり判定が肯定された場合には、目詰まり解消モードで触媒(4)の排気入口(4a)の目詰まりが解消された後に、DPF再生モードが再開される。
触媒(4)の排気出口(4b)の排気温度センサ(9)で検出された排気(5)の温度が所定の低温状態を継続して維持した時間の累積が所定時間に到達していない場合には、目詰まりはないものと推定され、ステップ(S1)での判定が否定され、上記時間の累積が所定時間に到達した場合には、目詰まりしたものと推定され、ステップ(S1)での判定が肯定される。触媒(4)の排気入口(4a)と排気出口(4b)の差圧を検出し、差圧が所定圧以上である場合には、目詰まりの判定が肯定され、差圧が所定圧未満である場合には、目詰まりの判定が否定されるようにしてもよい。
ステップ(S1)での判定が肯定されると、ステップ(S2-1)に移行する。
ステップ(S3)で、前記排気温度センサ(9)で検出された排気(5)の温度が未燃付着物の焼却温度に維持された時間の累積が所定時間に到達した場合には、目詰まりが解消したものと推定され、ステップ(S3)での判定が肯定され、上記時間の累積が所定時間に到達していない場合には、目詰まりが解消していないものと推定され、ステップ(S3)での判定が否定される。触媒(4)の排気入口(4a)と排気出口(4b)の差圧を検出し、差圧が所定圧未満である場合には、ステップ(S3)での判定が肯定され、差圧が所定圧以上である場合には、ステップ(S3)での判定が否定されるようにしてもよい。
ステップ(S4)では、排気絞装置(8)の開度が全開にされ、ステップ(S1)に戻る。
DPF再生要求は、DPF(12)に堆積したPMの堆積推定値が所定値に到達した場合に制御装置(10)によりなされる。
PMの堆積推定値は、DPF(12)の排気入口(12a)と排気出口(12b)の差圧を検出し、差圧が所定圧以上である場合には、DPF再生が要求され、差圧が所定圧未満である場合には、DPF再生は要求されない。
図5に示すステップ(S6-1)では、前記排気温度センサ(9)で検出される排気(5)の温度が触媒活性化温度領域か否か判定され、ステップ(S6-1)での判定が肯定されると、ステップ(S7)に移行する。ステップ(S6-1)での判定が否定されると、ステップ(S6-2)で排気絞装置(8)の開度が調節され、ステップ(S6-1)に戻る。
排気(5)の温度が目標排気温度である触媒活性化温度領域に至った後は、制御装置(10)で、前記排気温度センサ(9)で検出される排気(5)の目標排気温度がDPF(12)の再生温度に適合するDPF再生温度領域に設定される。DPF再生温度領域は、触媒活性化温度領域よりも高く、例えば500°C~550°Cに設定される。
これにより、DPF(12)の排気入口(12a)の温度は、DPF(12)の再生に適した600°C~650°Cに調節される。
ポスト噴射とは、燃焼サイクル中、燃料噴射弁(35)からメイン噴射後、膨張行程または排気行程で燃焼室(36)に行われる燃料噴射である。
ポスト噴射によって排気(5)中に供給された未燃燃料は、触媒(4)と絞下流側触媒(11)で触媒燃焼され、排気(5)の温度が上がり、DPF(12)に堆積したPMが焼却除去され、DPF(12)が再生される。
燃料噴射弁(35)から噴射されるポスト噴射の噴射タイミングと噴射量は、エアフローセンサケース(32)で検出された吸気量と、触媒(4)と排気絞装置(8)の間の背圧センサ(40)及び排気温度センサ(9)で検出された背圧及び排気(5)の温度と、DPF(12)の排気入口(12a)の排気温度センサ(38)で検出された排気(5)の温度等に基づいて、制御装置(10)で設定され、制御される。
排気(5)への未燃燃料の供給は、ポスト噴射の他、排気導出経路(2)中に燃料噴射ノズルで燃料を噴射する排気管噴射によって行うこともできる。
ステップ(S9)では、DPF(12)の排気入口(12a)の排気温度センサ(38)で検出した排気(5)の温度がDPF再生温度領域か否かが判定され、ステップ(S9)での判定が否定されると、ステップ(S10)に移行し、ステップ(S9)での判定が肯定されると、ステップ(S7)に戻る。
DPF(12)の排気入口(12a)の排気温度センサ(38)で検出した排気(5)の温度がDPF再生温度領域に維持された時間の累積が所定時間に到達した場合、ステップ(S10)での判定が肯定され、到達していない場合、ステップ(S10)での判定が否定される。このDPF再生温度領域は、例えば600°C~650°Cに設定する。差圧センサ(37)でDPF(12)の排気入口(12a)と排気出口(12b)の差圧を検出し、差圧が所定圧未満である場合には、ステップ(S10)での判定が肯定され、差圧が所定圧以上である場合には、ステップ(S10)での判定が否定されるようにしてもよい。DPF(12)の排気出口(12b)側の排気温度センサ(39)で検出した排気(5)の温度が所定の上限温度を超える異常温度に到達した場合には、DPF再生を緊急停止させる。上限温度は、例えば700°Cに設定する。
図1(B)に示すように、DPF(12)の排気上流側に配置された触媒(4)と排気温度センサ(9)と排気絞装置(8)と、排気温度センサ(9)と排気絞装置(8)を連携させた制御装置(10)を備えている。
図1(B)、図5に示すように、制御装置(10)の制御で、触媒活性化処理と、その後のDPF再生処理がなされ、触媒活性化処理では、触媒(4)の排気出口(4b)での排気(5)の目標温度が第1の温度領域(E1)に設定されて、排気絞装置(8)の開度が制御され、DPF再生処理では、前記目標温度が第2の温度領域(E2)に設定されるとともに、DPF(12)の排気入口(12a)の排気(5)の目標温度が第3の温度領域(E3)に設定されて、排気絞装置(8)の開度が制御されるとともに、排気(5)中に未燃燃料が供給されるように構成されている。
図5に示すように、第1の温度領域(E1)よりも第2の温度領域(E2)が高く、第2の温度領域(E2)よりも第3の温度領域(E3)が高く、第1の温度領域(E1)と第2の温度領域(E2)の温度差(T12)が第2の温度領域(E2)と第3の温度領域(E3)の温度差(T23)よりも大きくなるように設定されている。
触媒活性化処理からDPF再生処理移行時に、未燃燃料の触媒燃焼で排気(5)が昇温しても、高い第2の温度領域(E2)を目標温度とするDPF再生処理では排気絞装置(8)の開きが緩やかになり、排気絞装置(8)の急激な開きに伴う不慮の事態、すなわち、背圧の急低下で、排気(5)の温度が急低下し、ポスト噴射等による未燃燃料の供給が停止され、DPF再生が停滞するという不慮の事態が起こりにくく、DPF再生が促進される。
図5に示すように、温度差(T12)(T23)の比率は、最大300:50、最小200:150、すなわち最大6:1、最小1.3:1となる。
温度差(T12)(T23)の比率が6:1を超えて温度差(T12)が大きくなると、触媒燃焼の第2の温度領域(E2)が高くなり過ぎ、排気絞装置(8)が熱劣化しやすく、1.3:1未満を下回って温度差(T12)が小さくなると、触媒燃焼の第2の温度領域(E2)が低くなり過ぎ、DPF再生処理での排気絞装置(8)の開きが急激になり、排気絞装置(8)の急激な開きに伴う不慮の事態、すなわち、背圧の急低下で、排気(5)の温度が急低下し、ポスト噴射等による未燃燃料の供給が停止され、DPF再生が停滞するという不慮の事態が起こりやすく、DPF再生が停滞する。
ポスト噴射は、排気(5)の温度が触媒活性化温度領域を下回ると、停止される。
このため、目詰まり解消処理により、触媒(4)の排気入口(4a)を目詰まりさせる未燃付着物が焼却され、触媒(4)の排気入口(4a)の目詰まりが抑制される。
第2実施形態のエンジンは、次の点が第1実施形態と異なる。
図6に示すように、バイパス水路(22)に排気絞装置(8)とEGR弁装置(27)が直列に接続されている。
このエンジンでは、次の利点がある。
バイパス通路(22)の共用で、バイパス水路の数が少なくなる。
また、排気絞装置(8)とEGR弁装置(27)が接続されたバイパス水路(22)にはEGRクーラ(23)が接続されていないため、排気絞装置(8)とEGR弁装置(27)の水路抵抗でEGRクーラ(23)へのバイパス冷却水(24a)の供給量が少なくなるおそれはなく、EGRクーラ(23)の冷却効率が高く維持され、EGR率が低下しない。
このエンジンでは、EGR弁装置(27)の熱を吸収した適温のバイパス冷却水(22a)が高温の排気絞装置(8)に供給され、排気絞装置(8)の過冷却による作動不良が抑制される。
このエンジンでは、EGR弁装置(27)にはEGRクーラ(23)で冷却された比較的低温のEGRガス(23a)が供給されるため、EGR弁装置(27)の熱負荷は小さく、図6に示すように、排気絞装置(8)の水路抵抗でバイパス冷却水(22a)の供給量が減少した場合であっても、EGR弁装置(27)の冷却に支障はなく、EGR弁装置(27)の熱劣化は抑制される。
前記バイパス通路(22)は、シリンダブロック(20a)の水ジャケット(20d)から導出されている。
このエンジンでは、次の利点がある。
シリンダヘッド(20b)で高温になる前の比較的低温のメイン冷却水(21a)から分流したバイパス冷却水(22a)がEGR弁装置(27)と排気絞装置(8)に供給され、EGR弁装置(27)と排気絞装置(8)の冷却性能が高まる。
このエンジンでは、次の利点がある。
シリンダヘッド(20b)で高温になる前の比較的低温のメイン冷却水(21a)から分流したバイパス冷却水(22a)が排気絞装置(8)に供給され、排気絞装置(8)の冷却性能が高まる。
このエンジンでは、次の利点がある。
シリンダヘッド(20b)で高温になる前の比較的低温のメイン冷却水(21a)から分流したバイパス冷却水(22a)がEGR弁装置(27)に供給され、EGR弁装置(27)の冷却性能が高まる。
他の構成や機能については、第1実施形態のエンジンと同じであり、図5中、第1実施形態と同一の要素には、図2等と同一の符号を付しておく。
Claims (5)
- 排気ポート(5a)~(5d)と、排気ポート(5a)~(5d)内に配置された触媒(4)を備え、触媒(4)は、その中心軸線(4c)方向の厚さ寸法が径方向の寸法よりも短い薄型に形成され、
触媒(4)の排気下流に設けられた排気絞装置(8)を備え、
EGRクーラ(23)と、エンジン本体(20)を水冷するメイン水路(21)からそれぞれ個別に分岐された一対のバイパス水路(22)(24)を備え、排気絞装置(8)とEGRクーラ(23)は、一対のバイパス水路(22)(24)にそれぞれ個別に接続され、
触媒(4)と排気絞装置(8)の間に配置された排気温度センサ(9)と、排気温度センサ(9)と排気絞装置(8)を連携させる制御装置(10)を備え、制御装置(10)は、排気温度センサ(9)で検出された排気(5)の温度に基づいて、排気絞装置(8)の開度を調節するように構成されている、ことを特徴とするエンジン。 - 請求項1に記載されたエンジンにおいて、
触媒(4)は、その中心軸線(4c)と平行な向きに見て、円形に形成されている、ことを特徴とするエンジン。 - 請求項1または請求項2に記載されたエンジンにおいて、
触媒(4)は、中心貫通孔(4d)を有し、中心軸線(4c)と平行な向きに見て、環状に形成されている、ことを特徴とするエンジン。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載されたエンジンにおいて、
排気絞装置(8)の下流に配置された絞下流側触媒(11)を備え、制御装置(10)は、前記排気温度センサ(9)で検出された排気(5)の温度に基づいて、排気絞装置(8)の絞下流側触媒(11)の排気入口(11a)側の排気(5)の温度を推定し、この排気(5)の温度の推定に基づいて、絞下流側触媒(11)を用いた排気処理の制御を行うように構成されている、ことを特徴とするエンジン。 - 請求項4に記載されたエンジンにおいて、
絞下流側触媒(11)を用いた排気処理は、排気(5)中に供給した未燃燃料を絞下流側触媒(11)で触媒燃焼させる排気昇温処理を伴う、ことを特徴とするエンジン。
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