JP7016587B2 - 鉄筋支持金具 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばトンネル、立坑等の鉄筋コンクリートと防水シートが設けられる地下構造物の補強鉄筋を支持する鉄筋支持金具に係り、敷設される防水シートに孔を開けずにコンクリート用鉄筋を支持する鉄筋支持金具に関する。
山岳トンネルでは、掘削した地山の坑壁201に所定間隔で鋼製の支保工202を建て込むと共に、吹付コンクリート203を吹き付け、これらの内側に防水シート204を敷設し、更にその内側に鉄筋支持金具205を用いて補強鉄筋206を格子状に組み込み、移動型枠を配置して覆工コンクリート207を打設することが行なわれている(図8参照)。
鉄筋支持金具205は、支保工202に対応する位置で防水シート204に穴を開け、穴部分で支保工202に溶接して固定されるのが通常であるが、防水シート204に穴を開けると穴部分から漏水が生ずるため、特許文献1、2のように、防水シート204に穴を形成せずに防水シートを挟み込んで鉄筋支持金具を取り付ける鉄筋支持金具も提案されている。
特許文献1の鉄筋支持金具は、垂直の基板の両側端を折り返して互いに内方を向く係止部が形成されているベース金具を支保工に固定し、防水シートをベース金具の溝内に入り込ませるようにして吊り鉄筋を支持する蝶番状係止部材をベース金具の溝内で展開し、蝶番状係止部材とベース金具との間に防水シートを挟み込んで固定すると共に、フック状の保持具で防水シートをベース金具に押し付け、防水シート内面に鉄筋支持金具を取付けるようになっている。
また、特許文献2の鉄筋支持金具は、係止板を有する溝状で支保工に取り付けられる受け部材と、受け部材の溝内に入り込む防水シートを押さえる押え板と、押え板に対して回転可能に軸支されているストッパ板と、ストッパ板の表面側に溶接固着されている接続部材のねじ筒を備え、受け部材の溝内でストッパ板を回転してストッパ板を係止板に係合することにより、押え板で防水シートを固定し、防水シート内面に鉄筋支持金具を取付けるようになっている。
特開2012-41726号 特許第4476113号公報
ところで、特許文献1の鉄筋支持金具は、蝶番状係止部材をベース金具の溝内で展開する際に、防水シートを左右に強く引っ張ることとなるため、防水シートが傷付いてしまい、防水シートが破損し易いという問題がある。即ち、防水シートが薄い場合には、左右への強い引張力によって防水シートが破損して防水性が損なわれ、防水シートが厚い場合には、防水シートの可撓性、柔軟性が低いため蝶番状係止部材をかなり大きな力で押し開く必要があり、この大きな力の押し開きで防水シートが破損してしまう。特に、近年では、防水シートの裏面排水性や緩衝性能の向上のために防水層の裏面に不織布や立体網状体を積層した防水シートが用いられることがあり、この防水シートは従来の防水シートよりも厚みがあるため変形しにくく引っ張られると傷つき易いが、斯様な防水シートを蝶番状係止部材で強い力で引っ張ると防水シートが破損する可能性がかなり高くなる。
これに対して、特許文献2の鉄筋支持金具は、受け部材の溝内でストッパ板を回転して係止板に係合することで防水シートを固定して、防水シート内面に鉄筋支持金具を取付けることができ、蝶番状係止部材を展開する場合のように防水シートを左右に強い力で引っ張らずに固定することが可能であることから、防水シートの破損をある程度防止することができる。しかしながら、この鉄筋支持金具では、ストッパ板の回転動作時に押え板を介して防水シートに力を逃がすことができない状態で引張力がかかるため、防水シートの破損防止の確実性に劣るという課題がある。
本発明は上記課題に鑑み提案するものであり、補強鉄筋を支持する鉄筋支持金具において、防水シートに穴を開けずに防水シートを挟み込んだ状態で鉄筋支持金具を取付けることができると共に、防水シートの破損を確実に防止することができる鉄筋支持金具を提供することを目的とする。
本発明の鉄筋支持金具は、断面視略C字形で溝を有し、対向するように突出する引掛片が設けられていると共に、支保工に取り付けられるグリップと、前記溝内に入り込む防水シートを前記溝内で押さえるシートプレートと、縦横の長さが異なるように形成され、前記シートプレートに対して回転可能に軸支されている回転板と、前記回転板と一体的に回転するように設けられ、補強鉄筋が取り付けられる鉄筋取付部を備え、前記溝内で前記回転板の長手方向を前記グリップの前記引掛片の対向方向に合わせるように回転して前記回転板を前記引掛片に引っ掛けることにより、前記シートプレートで前記防水シートを挟持可能であると共に、前記回転板の回転軸が、前記回転板の長手方向の中心位置から偏芯していることを特徴とする。
これによれば、シートプレートで防水シートを押さえて防水シートを挟み込んだ状態で鉄筋取付金具を固定することができるので、穴を開けずに防水シート内面に鉄筋支持金具を取付け固定することができる。更に、回転板の長手方向において、偏芯した回転軸から先端までの距離が長い方の回転板の領域ではシートプレートを介して防水シートを強い力で押す一方で、偏芯した回転軸から先端までの距離が短い方の回転板の領域ではシートプレートを介して防水シートを前述の長い方の領域よりも弱い力で押すこととなり、この短い方の回転板の領域側では防水シートに加わる力を逃がすことが可能となる。この結果、回転板を回転させる動作時に、偏芯した回転軸から先端までの距離が長い方の領域側の防水シートが先に溝内に引き込まれて後に距離が短い方の領域側の防水シートが引き込まれることとなり、交互に引き込まれる為に左右(引掛片の対向する方向)に引っ張られない。即ち、回転板の長手方向において偏芯していない回転軸から長手方向の両側の先端までの距離が均等な回転板の場合には、回転軸から長手方向の先端のまでの領域の各々において均等に力が加わって防水シートに引張力が加わるが、これに比べて前述の長手方向に回転軸が偏芯している回転板の場合には防水シートの左右が順番に溝内に引き込まれることによって、防水シートに局所的に加わる強い引張力を逃がすことができる。従って、回転板の回転動作に起因して防水シートが破損することを確実に防止することができる。また、簡単な回転板の回転動作で防水シートを挟み込んだ状態で鉄筋取付部を固定できることから、防水シートの破損を確実に防止し、防水性を損なうことなく防水シート内面にコンクリート用鉄筋を取付けすることができる。
本発明の鉄筋支持金具は、前記回転板の長手方向を前記グリップの前記引掛片の対向方向に合わせるように配置した状態で前記回転板の回転を規制し且つ前記回転板が当接して乗り上げ可能な突起が、前記シートプレートに形成されていることを特徴とする。
これによれば、防水シートを挟み込んだ状態での回転板の配置状態を突起による回転板の回転規制で維持し、防水シートの挟持状態をより安定させることができる。また、突起を回転板が当接して乗り上げ可能とすることにより、回転板の適度な回転動作を確保することができる。
本発明の鉄筋支持金具は、前記グリップの前記引掛片の先端縁の少なくとも防水シートが当たる部分を覆うように樹脂カバーが設けられていることを特徴とする。
これによれば、グリップの引掛片の先端縁の所要箇所を樹脂カバーで覆うことにより、グリップの溝内に入り込ませる防水シートが引掛片の先端で傷つき、破損することを確実に防止することができる。
本発明の鉄筋支持金具によれば、防水シートに穴を開けずにコンクリート用鉄筋を支持することができると共に、防水シートの破損を確実に防止することができる。
(a)は本発明による実施形態の鉄筋支持金具の斜視図、(b)は同図(a)の鉄筋支持金具に補強鉄筋を取り付けた状態の斜視図。 実施形態の鉄筋支持金具の分解斜視図。 (a)は実施形態の鉄筋支持金具におけるシートプレート、回転板及び鉄筋取付部の左側面図、(b)はその縦断面図、(c)はその正面図。 (a)は実施形態の鉄筋支持金具におけるグリップの平面図、(b)はその正面図。 (a)は実施形態の鉄筋支持金具でグリップが支保工に取り付けられている状態の正面図、(b)は同図(a)の状態から回転板を回転して防水シート挟持対応状態とした正面図。 (a)は実施形態の鉄筋支持金具のグリップが支保工に取り付けられ、取付前の防水シート、シートプレート、回転板及び鉄筋取付部が配置された状態の一部断面説明図、(b)は実施形態の鉄筋支持金具で防水シートを挟み込んで鉄筋支持金具を取り付けた状態の一部断面説明図。 (a)は実施形態の鉄筋支持金具における回転板の回転動作途中の状態を示す正面説明図、(b)は同図(a)の状態における防水シートの引き込みを説明する端面説明図、(c)は実施形態の鉄筋支持金具における回転板の回転動作の完了間際の状態を示す正面説明図、(d)は同図(c)の状態における防水シートの引き込みを説明する端面説明図。 従来の鉄筋支持金具が設けられる施行中のトンネルの斜視説明図。
〔実施形態の鉄筋支持金具〕
本発明による実施形態の鉄筋支持金具1は、図1~図6に示すように、断面視略C字形のグリップ2と、防水シート10を押さえる蝶々形のシートプレート3と、シートプレート3に回転可能に軸支されている回転板4と、回転板4と一体的に回転するように設けられている鉄筋取付部5を備える。シートプレート3と回転板4と鉄筋取付部5は一体的に結合された構造になっており、この一体的な構造体が後述するグリップ2の溝24に入れるように設けられる。
グリップ2は、略矩形の基板21と、基板21の両側の端部から同じ向きに立ち上がる側壁22・22と、側壁22の先端から対向するように内方に突出する引掛片23・23を有し、基板21、側壁22、引掛片23は鋼板を折り曲げて一体形成されている。基板21、一対の側壁22・22、一対の引掛片23・23で形成されるグリップ2は断面視略C字形を成し、内側に溝24が設けられる。
引掛片23は、平面視略台形に形成され、その中央周辺が両端部周辺よりも幅広に形成されている。引掛片23の中央周辺で幅広の領域に対応する先端縁231は防水シート破損防止用の樹脂カバー25で覆われている。樹脂カバー25は断面視略鉤状であり、引掛片23の先端縁231に嵌合して取り付けられている。尚、防水シート破損防止用の樹脂カバーは、引掛片の先端縁の少なくとも防水シートが当たる部分を覆うように設ければよく、例えば本実施形態の引掛片23の中央周辺で幅広の領域に対応する先端縁231と、両端部周辺で端部に向かって漸次幅狭となる領域に対応する先端縁232の全体を覆うように設けてもよい。また、引掛片の形状は本実施形態の形状以外に平面視略矩形など適宜形状とすることが可能であり、この際にも樹脂カバーは引掛片の形状に合わせて引掛片の先端縁の少なくとも防水シートが当たる部分を覆うようにして、引掛片の先端縁の一部或いは全部を覆うように設ければよい。
グリップ2は、図5及び図6に示すように、基板21を吹付コンクリート101から露出させた鋼製の支保工102に沿わせるように配置され、溶接等で固定して支保工102に取り付けられる。即ち、引掛片23が例えばトンネル空間の内側、地下放水路等の立坑の内側を向くようにして、グリップ2は支保工102に固定される。
シートプレート3は、鋼製で平板状に形成され、正面視では矩形部31の両側に外側に漸次幅が拡がるように形成された台形部32が設けられた形状になっている。矩形部31と台形部32の境界近傍には、一方の側縁33から途中まで切込み34が形成され、切込み34の台形部32側を若干切起こして突起35が形成されている。本実施形態では、同じ側の側縁33に2カ所の切込み34、34が形成され、同じ側の側縁33の近傍に2カ所の突起35、35が形成されている。
回転板4は、鋼製で平板状に形成されている。また、回転板4は、正面視で略レーストラック形状で縦横の長さが異なるように形成され、長手方向の両縁が弧状部41になっていると共に、短手方向の両縁が直線部42になっている。弧状部41から直線部42に至る一方の境目は角張った角部43になっていると共に、その他方の境目は緩やかに弧状部41から直線部42に漸次移行するようになっている。
回転板4の一面側には鉄筋取付部5に相当する長ナットが溶接部6で溶接されて固定され、回転板4と一体的に回転するようになっている。鉄筋取付部5は吊り鉄筋等の補強鉄筋103を固定して取り付け可能になっており、例えば長ナットの雌ねじに吊り鉄筋等の補強鉄筋の端部に形成された雄ねじを螺合する等により、鉄筋取付部5に補強鉄筋が取り付けられる。また、鉄筋取付部5は工具で把持して回転板4を回転させる部分としても機能し、例えば六角の長ナットをスパナ等の工具で把持して回転し、回転板4を回転させることが可能である。
回転板4の他面側にはシートプレート3が配置されて回転板4にピン7でピン結合されており、このピン結合によって回転板4はシートプレート3に回転可能に軸支されている。この回転板4のピン結合による回転軸は、回転板4の長手方向の中心位置から偏芯しており、回転軸から長手方向の一方の先端までの距離L1が回転軸から長手方向の他方の先端までの距離L2よりも長くなっている。即ち、回転軸から長手方向の先端までの長い距離L1側の領域αと、回転軸から長手方向の先端までの短い距離L2側の領域βが設けられる。
また、回転板4がシートプレート3に回転可能に軸支された状態では、シートプレート3に形成された突起35は回転板4のシートプレート3に対する回転を規制可能であると共に、回転板4が当接して乗り上げ可能な状態となり、突起35により、回転板4のシートプレート3に対する回転に摩擦抵抗を加えて回転動作をある程度拘束するようになっている。
本実施形態の鉄筋支持金具1で防水シート10を挟み込んで鉄筋支持金具を固定する際には、吹付コンクリート101から露出させた支保工102にグリップ2の基板21を当接して、グリップ2を支保工102に溶接等で固定して取り付ける(図5、図6参照)。この支保工102がトンネル支保工である場合には、型鋼をトンネル内周面形状に沿ったR形状にして構成され、掘進1mごと程度に建て込まれる。この場合、支保工102を建て込んでからトンネル掘削坑壁に吹付コンクリート101が吹き付けられるが、支保工102が吹付コンクリート101に埋まってしまっている箇所では、吹付コンクリート101を少々斫ってグリップ取付位置の支保工102を露出させ、グリップ2を取り付ける。
その後、敷設する防水シート10を展張してグリップ2の引掛片23・23を覆うように敷設し(図6(a)参照)、その外側から一体となったシートプレート3、回転板4及び鉄筋取付部5を溝24内に押し込んで、グリップ2の溝24内に防水シート10を入り込ませ、グリップ2とシートプレート3で防水シート10を挟持するように配置する。この配置状態では、シートプレート3と回転板4がグリップ2の溝24内に配置され、鉄筋取付部5がグリップ2の引掛片23・23の間から外側に突出するように設けられると共に、シートプレート3の台形部32・32がグリップ2の溝24の延びる方向に配置され、回転板4の長手方向が溝24の延びる方向に略倣うように配置される(図1(a)、図5(a)参照)。
そして、グリップ2の溝24内において回転軸が偏芯した回転板4を約90度程度回転し、回転板4の長手方向をグリップ2の引掛片23・23の対向方向に合わせるように配置して、回転板4の外側面が引掛片23の内面に当接するように回転板4を引掛片23に引っ掛ける。この回転板4の回転動作では、回転板4が当接する少なくとも一個の突起35から摩擦抵抗を受けながら回動することになるが、回転板4の角部43は突起35に接触させずに、回転板4の緩やかに弧状部41から直線部42に漸次移行する方の部分を突起35に乗り上げるようにして回転すると、回転板4をよりスムーズに回転させることが可能である(図5(a)の太線矢印参照)。
回転板4の長手方向がグリップ2の引掛片23・23の対向方向に合わせるように配置されて回転板4が引掛片23に引っ掛かった状態では、回転板4或いはその領域α、βによってシートプレート3がグリップ2の基板21側に付勢され、シートプレート3によって防水シート10が溝24内で基板21の方に押さえられ、防水シート10を挟み込んだ状態で回転板4及び回転板4と一体をなす鉄筋取付部5が防水シート10内面に固定される。また、この配置によって回転板4が引掛片23に引っ掛かった状態では、回転板4が回転動作の途中で乗り上げた突起35を乗り越えた後の状態になっており、突起35・35は回転板4の短手方向の両側に配置され、ストッパーとして回転板4が回転しないように規制する(図1(b)、図5(b)、図6(b)参照)。
その後、トンネル等の地下構造物を構築する場合には、長ナットの雌ねじに吊り鉄筋等の補強鉄筋の端部に形成された雄ねじを螺合する等により、回転板4に設けられた鉄筋取付部5に補強鉄筋103を固定して取り付け、補強鉄筋103に結束又は適切な治具等により覆工コンクリート用補強鉄筋104を取り付ける(図1(b)参照)。更に、移動式型枠を覆工コンクリート打設位置に配置して覆工コンクリートを打設する(図8参照)。尚、山岳トンネルでは通常は掘削長10.5mずつ覆工コンクリートを打設する。
本実施形態の鉄筋支持金具1によれば、シートプレート3で防水シート10を押さえて防水シート10を挟み込んだ状態で鉄筋支持金具1を取付けることができるので、穴を開けずに防水シート10内面に鉄筋支持金具1を取付け固定することができる。また、蝶番状係止部材を展開する場合等のように防水シート10を左右に強い力で引っ張らずに固定することができることから、防水シート10の破損を防止することができ、防水シート10による防水性を確実に得ることができる。また、簡単な回転板4の回転動作で防水シート10を挟持できることから、防水シート10の破損を確実に防止し、防水性を損なうことなく防水シート内面にコンクリート用鉄筋を取付けすることができる。
また、回転板4の回転軸を回転板4の長手方向の中心位置から偏芯させることにより、回転板4の長手方向において、偏芯した回転軸から先端までの距離が長い方の回転板4の領域αではシートプレート3を介して防水シート10を強い力で押す一方で、偏芯した回転軸から先端までの距離が短い方の回転板4の領域βではシートプレート3を介して防水シート10を領域αよりも弱い力で押すこととなり、この短い方の回転板の領域β側では防水シート10に加わる力を逃がすことが可能となる。この結果、回転板4を回転させる動作時に、偏芯した回転軸から先端までの距離が長い方の領域α側の防水シート10の領域が引張方向T1、巻込方向R1のように先に溝24内に引き込まれ、後に距離が短い方の領域β側の防水シート10の領域が引張方向T2、巻込方向R2のように引き込まれることとなり(図7参照)、交互に引き込まれる為に防水シート10が左右(引掛片23・23の対向する方向)に引っ張られない。即ち、回転板の長手方向において偏芯していない回転軸から長手方向の両側の先端までの距離が均等な回転板の場合には、回転軸から長手方向の先端のまでの領域の各々において均等に力が加わって防水シートに引張力が加わるが、これに比べて長手方向に回転軸が偏芯している回転板4の場合には防水シート10の左右が順番に溝24内に引き込まれることによって、防水シート10に局所的に加わる強い引張力を逃がすことができる。従って、回転板の回転動作に起因して防水シート10が破損することを確実に防止することができる。
尚、初期状態においてシートプレート3を溝24のほぼ中央に配置した場合には、溝24内で回転板4を回転して引掛片23・23に引っ掛けた状態にするまでの工程において、回転板4の回転軸が偏芯していることにより、シートプレート3が僅かに領域βが引っかかる引掛片23側に横移動することになる。このシートプレート3の僅かな横移動は、先に領域αが引っかかる引掛片23側の溝24内に若干皺寄せされた状態で引き込まれた防水シート10を皺伸ばし状態とし、結果として、防水シート10はより左右均等にグリップ2とシートプレート3により挟み込まれた状態となる。従って、回転板4の回転動作のみならずシートプレート3及び防水シート10自体も僅かにグリップ2に対して横移動して、防水シート10にかかる引張力が緩衝され、破損が防止される。
また、回転板4の回転を規制し且つ回転板4が当接して乗り上げ可能な突起35により、防水シート10を挟み込んだ状態での回転板4の配置状態を突起35による回転板4の回転規制で維持し、防水シート10の挟持状態をより安定させることができると共に、回転板4の適度な回転動作を確保することができる。
また、グリップ2の引掛片23の防水シート10が当たる先端縁231を樹脂カバー25で覆うことにより、グリップ2の溝24内に入り込ませる防水シート10が引掛片23の先端で傷つき、破損することを確実に防止することができる。
〔本明細書開示発明の包含範囲〕
本明細書開示の発明は、発明として列記した各発明、実施形態の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な内容を本明細書開示の他の内容に変更して特定したもの、或いはこれらの内容に本明細書開示の他の内容を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な内容を部分的な作用効果が得られる限度で削除して上位概念化して特定したものを包含する。そして、本明細書開示の発明には下記変形例や追記した内容も含まれる。
例えば本発明におけるグリップ、シートプレート、回転板、鉄筋取付部の形状、構成や、回転板4の偏芯する回転軸の構成は、上記実施形態のグリップ2、シートプレート3、回転板4、鉄筋取付部5、ピン結合による回転軸に限定されず、本発明の趣旨の範囲内で適宜である。
また、本発明の鉄筋支持金具が取り付けられる防水シートの構成は適宜であり、例えば上記実施形態の防水シート10は、排水層に相当する立体網状体、緩衝層に相当する不織布、防水層の積層シート等とすることが可能である。尚、この積層シートを防水シート10とする場合、求められる防水性能に応じて、排水層の厚み2~3mm程度、緩衝層の厚み2~3mm程度、防水層の厚み0.8~2mm程度とすると良好である。
本発明は、例えばトンネル、立坑、地下空間等の鉄筋コンクリートと防水シートが設けられる地下構造物で補強鉄筋を支持する際に利用することができる。
1…鉄筋支持金具 2…グリップ 21…基板 22…側壁 23…引掛片 231、232…先端縁 24…溝 25…樹脂カバー 3…シートプレート 31…矩形部 32…台形部 33…側縁 34…切込み 35…突起 4…回転板 41…弧状部 42…直線部 43…角部 5…鉄筋取付部 6…溶接部 7…ピン 10…防水シート 101…吹付コンクリート 102…支保工 103…補強鉄筋 104…覆工コンクリート用補強鉄筋 L1…回転軸から回転板の長手方向の一方の先端までの距離 L2…回転軸から回転板の長手方向の他方の先端までの距離 α、β…領域 201…坑壁 202…支保工 203…吹付コンクリート 204…防水シート 205…鉄筋支持金具 206…補強鉄筋 207…覆工コンクリート T1、T2…引張方向 R1、R2…巻込方向

Claims (3)

  1. 断面視略C字形で溝を有し、対向するように突出する引掛片が設けられていると共に、支保工に取り付けられるグリップと、
    前記溝内に入り込む防水シートを前記溝内で押さえるシートプレートと、
    縦横の長さが異なるように形成され、前記シートプレートに対して回転可能に軸支されている回転板と、
    前記回転板と一体的に回転するように設けられ、補強鉄筋が取り付けられる鉄筋取付部を備え、
    前記溝内で前記回転板の長手方向を前記グリップの前記引掛片の対向方向に合わせるように回転して前記回転板を前記引掛片に引っ掛けることにより、前記シートプレートで前記防水シートを挟持可能であると共に、
    前記回転板の回転軸が、前記回転板の長手方向の中心位置から偏芯していることを特徴とする鉄筋支持金具。
  2. 前記回転板の長手方向を前記グリップの前記引掛片の対向方向に合わせるように配置した状態で前記回転板の回転を規制し且つ前記回転板が当接して乗り上げ可能な突起が、前記シートプレートに形成されていることを特徴とする請求項1記載の鉄筋支持金具。
  3. 前記グリップの前記引掛片の先端縁の少なくとも防水シートが当たる部分を覆うように樹脂カバーが設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の鉄筋支持金具。
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