JP7015698B2 - 男性用吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、特に男性の軽失禁用に適した男性用吸収性物品に係り、詳しくは下着に沿って伸縮し、男性器にフィットしやすくした男性用吸収性物品に関する。
従来より、残尿などの軽い尿漏れ(5~15cc程度)を吸収する男性用吸収性物品が知られている。例えば、下記特許文献1には、第1の方向に延びる折り目で、表面シートを内側にして折り返されており、吸収体の外側面には、前記第1の方向の両端部に、前記折り目と交差して延びる弾性部材が取り付けられた男性用失禁パッドが開示されている。
また、下記特許文献2には、バリアカフシートに設けられたカフ弾性要素の収縮作用によって着用者の身体側へ離間し、尿の横漏れを防止するための一対のバリアカフ(立体カフ)が形成された男性用吸収パッドが開示されている。
特開2016-116722号公報 特許第5514359号公報
上記特許文献1には、男性用失禁パッドを展開した状態で、前記弾性部材の収縮力によって吸収体の周縁の長さが縮まり、男性用失禁パッドを外側にふくらんだ形状に形成しやすくなることにより、男性用失禁パッドを男性器に好適に宛がうことができるようになるなどの効果が記載されているが、下着の伸縮に合わせて伸縮できる構造とはなっていないため、陰茎や陰嚢などの身体の突出した部分によって下着は伸びてもパッドが追従せず、男性器にフィットしにくいという問題があった。
また、上記特許文献2記載の男性用吸収パッドでは、一対のバリアカフによって形成された空間内に男性器を収容しているが、立体のバリアカフなどのように厚い部材が存在すると、装着時に違和感を感じやすかった。また、立体のバリアカフの伸縮力によって、男性器と男性用吸収パッド本体との間に空間が生じやすくなる場合があり、その際には男性器との密着性が低下して伝い漏れを生じるおそれがあった。
そこで本発明の主たる課題は、男性器に対するフィット性を向上し、体液の伝い漏れを防止するとともに、装着時の違和感を軽減した男性用吸収性物品を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、吸収体を備えた男性用吸収性物品において、
前記吸収体より幅方向外側に、少なくとも幅方向に伸縮可能な伸縮性領域が形成され、前記伸縮性領域より幅方向外側の男性用吸収性物品の非肌側面に、下着との固定を図るズレ止め層が設けられていることを特徴とする男性用吸収性物品が提供される。
上記請求項1記載の発明では、前記吸収体より幅方向外側に、少なくとも幅方向に伸縮可能な伸縮性領域が形成され、この伸縮性領域より幅方向外側に下着との固定を図るズレ止め層が設けられているため、かかる男性用吸収性物品を下着に装着した際、突出した陰茎や陰嚢によって下着が伸びるのに合わせて、前記伸縮性領域が伸張して男性用吸収性物品も一緒に伸びるので、前記吸収体が陰茎に密着した状態が維持できるようになる。このため、体液の伝い漏れが防止できるとともに、前記伸縮性領域の伸縮力によって吸収体が直接陰茎に密着するので、通常の下着と変わらない良好な装着感が得られるようになる。
請求項2に係る本発明として、前記伸縮性領域は、前記吸収体の全周に亘って形成されている請求項1記載の男性用吸収性物品が提供される。
上記請求項2記載の発明では、前記伸縮性領域を吸収体の周囲に全周に亘って形成することにより、吸収体の両側部の伸縮力に加えて、吸収体の上下部においても伸縮力が発生するため、吸収体が陰茎を包み込むようにフィットしやすくなる。
請求項3に係る本発明として、前記伸縮性領域は、素材自体が伸縮性を有する伸縮性シートにより形成されるか、幅方向に沿うとともに、これと直交する方向に間隔を空けて、複数の糸状弾性伸縮部材が配設されることにより形成されている請求項1、2いずれかに記載の男性用吸収性物品が提供される。
上記請求項3記載の発明では、前記伸縮性領域を形成する手段として、素材自体が伸縮性を有する伸縮性シートにより形成するか、複数の糸状弾性伸縮部材を配設している。連続的な伸縮性を付与する場合は、前記伸縮性シートを用いるのが好ましい。
請求項4に係る本発明として、前記伸縮性領域は、前記吸収体の全周に亘って形成され、前記吸収体と幅方向に重なる領域の伸縮力が、前記吸収体と幅方向に重ならない領域の伸縮力より大きく設定されている請求項1~3いずれかに記載の男性用吸収性物品が提供される。
上記請求項4記載の発明では、前記伸縮性領域を吸収体の周囲に全周に亘って形成した場合において、前記吸収体と幅方向に重なる領域の伸縮力を、前記吸収体と幅方向に重ならない領域の伸縮力より大きく設定することにより、吸収体と幅方向に重なる部分がより大きく収縮し、吸収体が男性器に密着しやすくなるとともに、男性用吸収性物品の肌側に、吸収体が非肌側に膨出したポケット状の空間が形成され、この膨出した吸収体が突出した陰茎部分にフィットしやすくなる。
請求項5に係る本発明として、前記伸縮性領域は、肌側の上層シートと非肌側の下層シートとの間に複数の糸状弾性伸縮部材が配設されることにより形成され、前記上層シートと下層シートとが別々のシートによって構成され、前記上層シートと下層シートのうち一方側のシートが他方側のシートの上下方向両端部を巻き込むようにして、他方側のシートの外側に延在している請求項1~4いずれかに記載の男性用吸収性物品が提供される。
上記請求項5記載の発明では、前記伸縮性領域を上層シートと下層シートとの間に複数の糸状弾性伸縮部材を配設し、前記上層シートと下層シートとを別々のシートによって構成した場合において、前記上層シートと下層シートのうち一方側のシートを他方側のシートの上下方向両端部を巻き込むようにして、他方側のシートの外側に延在させているため、上層シート及び下層シートの端縁が肌面に接触せず、他方側のシートの側縁が一方側のシートの折り返し部分によって覆われるようになる。このため、装着時の違和感が軽減できる。
請求項6に係る本発明として、前記伸縮性領域は、男性用吸収性物品の幅方向及びこれと直交する方向に伸縮可能に形成されている請求項1~5いずれかに記載の男性用吸収性物品が提供される。
上記請求項6記載の発明では、例えば前記伸縮性領域を糸状弾性伸縮部材により形成した場合、前記糸状弾性伸縮部材を幅方向に沿って配置するのに加えて、これと直交する方向にも配置することにより、幅方向及びこれと直交する方向に伸縮可能に形成している。これによって、吸収体が陰茎部分に、より確実にフィットするようになる。
請求項7に係る本発明として、前記吸収体の幅方向中央部に、前記ズレ止め層が設けられている請求項1~6いずれかに記載の男性用吸収性物品が提供される。
上記請求項7記載の発明では、前記伸縮性領域より幅方向外側に設けられたズレ止め層に加えて、吸収体の幅方向中央部にズレ止め層を設けている。前記吸収体の幅方向中央部にズレ止め層を設けることにより、吸収体のズレが防止でき、吸収体が陰茎にフィットした状態が確実に維持できるようになる。
以上詳説のとおり本発明によれば、男性器に対するフィット性が向上し、体液の伝い漏れが防止できるとともに、装着時の違和感が軽減できるようになる。
本発明に係る男性用吸収性物品1の一部破断展開図である。 図1のII-II線矢視図である。 変形例に係る男性用吸収性物品1の平面図である。 変形例に係る男性用吸収性物品1の平面図である。 上層シート10と下層シート11の第1の配置形態を示す、図4のV-V線矢視図である。 (A)は上層シート10と下層シート11の第2の配置形態、(B)はその変形例を示す、図4のVI-VI線矢視図である。 上層シート10と下層シート11の第3の配置形態を示す、図4のVI-VI線矢視図である。 変形例に係る男性用吸収性物品1の平面図である。 変形例に係る男性用吸収性物品1の裏面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
<男性用吸収性物品1の基本構造>
本発明に係る男性用吸収性物品1は、図1及び図2に示されるように、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシートなどからなる防漏シート2と、尿などの体液を速やかに透過させる透液性表面シート3と、これら両シート2,3間に介在された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体4と、男性用吸収性物品1の最外面(非肌側面)を覆い、所定の領域に伸縮性が付与された伸縮性シート5とから構成されている。また、前記吸収体4の周囲において、前記防漏シート2と透液性表面シート3との外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール、超音波シール等の接合手段によって接合され、外周に吸収体4の存在しない前記防漏シート2と透液性表面シート3とが接合されたフラップ部Fが形成されている。また図示しないが、前記吸収体4の形状保持および拡散性向上のために前記吸収体4の少なくとも肌側面及び非肌側面がクレープ紙又は不織布などからなる被包シートで覆われるようにしてもよい。
以下、さらに前記男性用吸収性物品1の構造について詳述すると、
前記防漏シート2は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂シートなどの少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、この他にポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布や、さらには防水フィルムを介在して実質的に不透液性を確保した上で不織布シート(この場合には防水フィルムと不織布とで防漏シートを構成する。)などを用いることができる。近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。
次いで、前記透液性表面シート3は、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、スパンボンド法はドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法及びエアスルー法は嵩高で圧縮復元性が高い点で優れている。不織布の繊維は、長繊維または短繊維のいずれでもよいが、好ましくはタオル地の風合いを出すため短繊維を使用するのがよい。また、エンボス処理を容易とするために、比較的低融点のポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系繊維のものを用いるのがよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイド-バイ-サイド型繊維、分割型繊維等の複合繊維を好適に用いることもできる。
前記防漏シート2と透液性表面シート3との間に介在される吸収体4は、たとえばパルプ中に高吸水性樹脂を混入したもの、或いはパルプ中に化学繊維を混入させるとともに、高吸水性樹脂を混入したものが使用される。前記吸収体4は、図示しないが、形状保持、および体液を速やかに拡散させるとともに、一旦吸収した体液の逆戻りを防止するために被包シートによって覆われるのが望ましい。前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶融パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。また、前記吸収体4として、嵩を小さくできるエアレイド吸収体や、2層の不織布層間に高吸水性樹脂を配置してなるポリマーシートを用いてもよい。吸収体4が前記ポリマーシートからなる場合、ポリマーシートの肌側シートが肌当接面層を形成する場合、前記透液性表面シート3は設けなくてもよい。
また、前記吸収体4には合成繊維を混合しても良い。前記合成繊維は、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロンなどのポリアミド系、及びこれらの共重合体などを使用することができるし、これら2種を混合したものであってもよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイド-バイ-サイド型繊維、分割型繊維などの複合繊維も用いることができる。前記合成繊維は、体液に対する親和性を有するように、疎水性繊維の場合には親水化剤によって表面処理したものを用いるのが望ましい。
前記高吸水性樹脂としては、たとえばポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリル酸塩、アクリル酸エステル-酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体架橋物、ポリスルホン酸塩架橋物や、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミドなどの水膨潤性ポリマーを部分架橋したもの等が挙げられる。これらの内、吸水量、吸水速度に優れるアクリル酸またはアクリル酸塩系のものが好適である。前記吸水性能を有する高吸水性樹脂は製造プロセスにおいて、架橋密度および架橋密度勾配を調整することにより吸水力と吸水速度の調整が可能である。
前記吸収体4を覆う被包シートを設ける場合には、結果的に透液性表面シート3と吸収体4との間に被包シートが介在することになる。前記被包シートがクレープ紙からなる場合には、吸収性に優れる前記被包シートによって尿を速やかに拡散させるとともに、これら尿の逆戻りを防止するようになる。
前記吸収体4及び被包シートのいずれか一方又は両方は、白色以外の色、好ましくは黒色や灰色など、比較的暗い、明度が小さな色を有しているのが好ましい。本発明は男性用吸収性物品に関するものなので、比較的暗い色を用いることにより男性用として落ち着いた印象を与えるとともに、暗い色の下着に装着したときに目立ちにくくなり、かつ排尿の跡も目立ちにくくなる。着色方法は特に限定されず、適宜の染色方法、或いは着色原料を用いることができる。また、吸収体4及び被包シートのいずれか一方又は両方に活性炭を含有することにより、着色を施してもよい。これにより、活性炭による消臭効果も付加できるようになる。
<伸縮性領域>
前記伸縮性シート5は、防漏シート2と透液性表面シート3との間に吸収体4が介在した積層体よりも少なくとも幅方向に大きな平面形状で形成され、前記積層体より幅方向の外側に延在した部分が、少なくとも幅方向に伸縮可能な伸縮性領域6となっている。この伸縮性領域6は、男性用吸収性物品1の装着時に、突出した陰茎や陰嚢などの男性器によって下着が伸びるのに合わせて伸張し、吸収体4が陰茎に密着した状態を維持するために設けられるものである。
前記伸縮性領域6は、図1において斜線が施された領域であって、吸収体4の幅方向両端部及び上下方向両端部のそれぞれの領域を含む吸収体4の周囲に全周に亘って形成されている。すなわち、吸収体4の周囲を取り囲むように伸縮性領域6が形成され、吸収体4が伸縮性領域6の中央部に島状に配置されるようになっている。
一方、前記吸収体4と厚み方向に重なる部分には、伸縮性を付与しないのが好ましい。前記吸収体4と重なる部分に伸縮性を付与すると、吸収体4が縮こまって陰茎に対するフィット性が逆に低下するおそれがある。このように吸収体4と重なる部分に伸縮性を付与しないようにするには、伸縮性を有する部材を配置しないか、伸縮性を有する部材を切断することにより伸縮性を非活性化するか、伸縮性を有する部材を超音波や熱圧着することにより伸縮性を非活性化する非伸縮か手段を用いることにより成すことができる。前記「伸縮性を付与しない」とは、吸収体4と厚み方向に重なる領域に前述の非伸縮化手段を施すことにより、伸縮力をなくした部分のことである。この「伸縮力をなくした」とは、前記非伸縮化手段によって伸縮性領域の伸縮力が全く作用しなくなった状態、又は前記伸縮性領域6と比較して極端に小さな伸縮力しか作用しなくなった状態のことをいう。具体的には、前記伸縮性を付与しない領域の伸び率は、前記伸縮性領域6の伸び率に対して、1/10以下、特に1/20以下であるのが好ましい。
前記伸縮性領域6は、図3に示されるように、吸収体4の幅方向両端部のみとし、上下方向両端部には設けないようにしてもよい。すなわち、吸収体4が伸縮性シート5の上下方向のほぼ全長に亘って配置されるようにしてもよい。突出する陰茎や陰嚢による下着の伸びは、吸収体4の幅方向両端部に設けられた伸縮性領域6、6の伸縮力によって充分カバーでき、図1に示される形態において吸収体4の上下方向両端部に設けられた伸縮性領域6、6は、吸収体4の上下方向両端部をより確実にフィットさせるための付加的な構成であるので、この領域がなくてもフィット性が著しく低下することがない。このように吸収体4の幅方向両端部にのみ伸縮性領域6を設けることにより、吸収体4の面積を大きくできるため体液の吸収面積を大きくとることができるとともに、外装シート5や伸縮性領域6の面積を小さくできるため、資材コストの低減化が図れるようになる。
一方、前記伸縮性シート5の周縁部は、全周に亘って伸縮性を付与しないのが望ましい。幅方向両端部は、後述するように、非肌側面にズレ止め層7が配置されるため、ズレ止め層7が下着に固定しやすいように伸縮性を付与しないのがよい。また、上下方向両端部は、下着に装着しやすくするとともに、装着時に吸収体4を安定させることなどを目的として、伸縮性を付与しないのがよい。この伸縮性を付与しない領域には、前述の非伸縮化手段を用いるのが好ましい。
前記伸縮性領域6を形成するには、以下に示すいずれかの手段を用いることが可能である。第1の手段では、図1及び図2に示されるように、素材自体が伸縮性を有する伸縮性シート5により前記伸縮性領域6を形成している。このような素材自体が伸縮性を有するシート材としては、例えば、伸縮性のフィルム、不織布、ウレタンフォームなどをシート状に加工したものを用いることができる。前記伸縮性シート5の伸縮方向は、主として男性用吸収性物品1の幅方向に伸縮自在である一方、上下方向にほとんど伸縮しないものを用いることが好ましいが、幅方向及び上下方向の両方向に伸縮自在であるものを用いてもよい。
前記伸縮性シート5は、JIS L1096の伸縮織物及び編物の伸縮性に関する伸び率のB法(織物の定荷重法)による伸び率が20%~40%のものを使用するのが好ましい。下着の伸び率は種類によって様々であるが、一般的に約20%~40%の伸び率のものが多いため、この一般的な下着の伸び率とほぼ同等の伸び率のものを用いることにより、下着と同じように伸縮してフィット性が向上するとともに、ズレが軽減できるようになる。
前記伸縮性領域6を形成する第2の手段としては、図4及び図5に示されるように、肌側の上層シート10と非肌側の下層シート11との間に、男性用吸収性物品1の幅方向に沿うとともに、これと直交する上下方向に間隔を空けて、複数の糸状弾性伸縮部材9、9…を配設したものである。
具体的な前記第2の手段に係る伸縮性領域6の製造方法について説明すると、図4及び図5に示されるように、上層シート10と下層シート11との間に上下方向に間隔を空けて幅方向に沿って前記糸状弾性伸縮部材9、9…を配置する。これら糸状弾性伸縮部材9…のうち、前記吸収体4と厚み方向に重なる部分の糸状弾性伸縮部材9…の伸縮性を前述の非活性化手段を用いて非活性化することにより、伸縮性が活性化された状態のままの糸状弾性伸縮部材が吸収体4の周囲に配置された伸縮性領域6を得ることができる。また、伸縮性シート5の周縁部に全周に亘って設けられる伸縮性を付与しない領域は、糸状弾性伸縮部材9を配置しないか、上層シート10及び下層シート11に接着させないことによって形成することができる。ここで、糸状弾性伸縮部材9が「伸縮性を非活性化される」とは、後述の不連続化手段によって糸状弾性伸縮部材9を所定の間隔で細かく切断したり、糸状弾性伸縮部材を所定の区間に亘って連続して上層シート10及び下層シート11に接着したりすることにより、糸状弾性伸縮部材9の伸縮力が機能しない状態又は機能を大幅に低下させた状態にすることである。糸状弾性伸縮部材9を細かく切断するには、例えば、糸状弾性伸縮部材9を1~10mmの間隔で、好ましくは1~5mmの間隔で、所定のカットパターンによって切断するようにする。
前記糸状弾性伸縮部材9…を切断し不連続化するには、上層シート10及び下層シート11の間に糸状弾性伸縮部材9…を配置したシートを製造した後、表面に凸部が形成されこの凸部にカッターを複数個配列したカッターロールと、このカッターロールと対向する対向ロールとの間に前記シートを通過させ、このシートの所定部位の糸状弾性伸縮部材9を前記カッターロールの凸部および対向ロール間での加圧および加熱の内の少なくとも一方により切断するものである。対向ロールは、両ロールの回転によってカッター部が下がり、カッターロールのカッター部のみと当接するように、カッターロールと離間させておくと良い。
前記糸状弾性伸縮部材9は、上層シート10及び下層シート11に対し、連続的に接着させてもよいし、間欠的に接着させてもよい。糸状弾性伸縮部材9に沿ってほぼ等間隔に接着剤を塗布して間欠的に接着した場合には、上層シート10及び下層シート11は、前記糸状弾性伸縮部材9が接着した部分が窪み、接着しない部分が突出するプリーツ状に形成されるため、見栄えが良好になるので好ましい。
図4に示されるように、前記伸縮性領域6が吸収体4の周囲に全周に亘って形成される場合において、前記吸収体4と幅方向に重なる領域(図中のA領域)の伸縮力が、前記吸収体4と幅方向に重ならない領域(図中のB領域)の伸縮力より大きくなるように設定するのが好ましい。前記A領域の伸縮力とB領域の伸縮力との比としては、A領域の伸縮力:B領域の伸縮力=1.5~10:1程度とするのが好ましい。A領域及びB領域で伸縮力を変化させるには、図4に示される伸縮性領域6が糸状弾性伸縮部材9からなる形態において、糸状弾性伸縮部材9の伸長率をA領域で大きくB領域で小さくするか、A領域とB領域とで伸縮力が異なる別体の糸状弾性伸縮部材9を配設することにより成すことができる。
前記A領域の伸縮力を、B領域の伸縮力より大きく設定することにより、吸収体4と幅方向に重なる領域がより大きく収縮し、吸収体4が陰茎に密着しやすくなるとともに、男性用吸収性物品1の肌側に、吸収体4が非肌側に膨出したポケット状の空間が形成されやすくなり、この空間に突出した陰茎が収容されるため、吸収体4と陰茎との密着性がより向上するようになる。
図4に示されるように、前記伸縮性領域6が肌側の上層シート10と非肌側の下層シート11との間に複数の糸状弾性伸縮部材9…が配設されることにより形成される場合において、前記上層シート10と下層シート11の配置形態は、以下のいずれかとするのが好ましい。第1の形態としては、図5に示されるように、上層シート10と下層シート11とが別々のシートによって構成され、それぞれほぼ同じ平面形状の上層シート10と下層シート11とを端縁をそろえて積層したものである。この第1の形態では、上層シート10と下層シート11として、同じ平面形状のものを用いることができるため、製造が簡略化できるとともに、資材コストが低減できる。
次いで、上層シート10と下層シート11の第2の配置形態は、図6(A)に示されるように、上層シート10と下層シート11とを別々のシートによって構成し、前記上層シート10の上下方向両端部が前記下層シート11の端縁を巻き込むようにして、下層シート11の非肌側に延在させたものである。これによって、上層シート10と下層シート11の端縁が肌面に接触せず、下層シート11の端縁が非肌側に延在する上層シート10の折り返し部分によって覆われるようになる。このため、シートの端縁が肌面に接触せず、装着時の違和感が軽減できるようになる。
この変形例として、図6(B)に示されるように、前記下層シート11の上下方向両端部が前記上層シート10の端縁を巻き込むようにして、上層シート10の肌側に延在するようにしてもよい。下層シート11を肌側に折り返した場合は、図示例のように防漏シート2と透液性表面シート3との間に吸収体4が介在した積層体と上層シート10との間に配置してもよいし、図示しないが、前記積層体の肌側(透液性表面シート3の肌側)を覆うように配置してもよい。後者の方が吸収体4の上下方向端縁からの漏れがより確実に防止できる点で好ましい形態である。
また、上層シート10と下層シート11の第3の配置形態としては、図7に示されるように、上層シート10と下層シート11とを一体のシートで構成し、男性用吸収性物品1の上端又は下端で折り返すことにより構成したものである。本形態では、上層シート10と下層シート11を一体のシートで構成できるため、製造が簡略化できるとともに、資材コストが低減できる。
前記伸縮性領域6は、男性用吸収性物品1の幅方向にのみ伸縮可能に形成してもよいし、男性用吸収性物品1の幅方向及びこれと直交する上下方向の両方に伸縮可能に形成してもよい。前者の幅方向にのみ伸縮可能に形成するには、図1に示される伸縮性領域6が伸縮性シート5自体の伸縮性からなる形態では、一方向のみに伸縮性を有する伸縮性シート5を用いることにより成すことができ、図4に示される伸縮性領域6が糸状弾性伸縮部材9からなる形態では、男性用吸収性物品1の幅方向に沿って糸状弾性伸縮部材9を配設することにより成すことができる。一方、後者の男性用吸収性物品1の幅方向及び上下方向に伸縮可能に形成するには、図1に示される伸縮性シート5自体の伸縮性からなる形態では、直交する二方向に伸縮性を有する伸縮性シート5を用いることにより成すことができ、図4に示される糸状弾性伸縮部材9を配設する形態では、図8に示されるように、男性用吸収性物品1の幅方向に沿うとともに上下方向に間隔を空けて複数の糸状弾性伸縮部材9…を配設し、かつ男性用吸収性物品1の上下方向に沿うとともに幅方向に間隔を空けて複数の糸状弾性伸縮部材9…を配設することにより成すことができる。このように、男性用吸収性物品1の幅方向及び上下方向に伸縮性を有することにより、吸収体4が陰茎部分により確実にフィットし、体液の漏れがより確実に防止できるようになる。
<ズレ止め層>
前記伸縮性シート5の非使用面側(非肌面側)には所定の領域にズレ止め層7が配置され、身体への装着時に男性用吸収性物品1を下着等に固定するようになっている。前記ズレ止め層7としては、機械接合式のフック材を用いてもよいし、粘着剤を用いてもよい。
前記ズレ止め層7は、図1及び図2に示されるように、前記伸縮性領域6より幅方向外側の両側位置にそれぞれ、男性用吸収性物品1の上下方向に沿って、上下方向のほぼ全長に亘って連続する帯状に一条ずつ設けられている。すなわち、前記ズレ止め層7は、伸縮性領域6と男性用吸収性物品1の厚み方向に重ならない領域であって、伸縮性領域6より男性用吸収性物品1の幅方向外側に設けられている。これにより、男性用吸収性物品1の幅方向両端が下着からズレずに、男性器による下着の伸びに合わせて、男性用吸収性物品1の伸縮性領域6が伸びるようになっている。また、前記ズレ止め層7は、男性用吸収性物品1の上下方向のほぼ全長に亘って、詳細には少なくとも伸縮性領域6が配設された上下方向範囲に亘って設けられているため、前記ズレ止め層7によって下着に固定された部分を起点として、伸縮性領域6が伸縮可能となっている。
前記ズレ止め層7は、図1に示されるように、少なくとも男性用吸収性物品1の幅方向両端部に設けられていればよいが、これに加えて、図9に示されるように、吸収体4の幅方向中央部に、上下方向に沿って、一条のズレ止め層12を設けてもよい。前記ズレ止め層12は、吸収体4と男性用吸収性物品1の厚み方向に重なる領域に設けられ、伸縮性領域6と厚み方向に重なる領域には設けられていない。この吸収体4の幅方向中央部に設けられたズレ止め層12は、伸縮性領域6の伸縮を妨げない領域に設けられており、吸収体4が幅方向中央に位置する状態が維持できるようにしている。このため、吸収体4が陰茎に密着した状態がより確実に維持できるようになる。
以上の構成からなる本男性用吸収性物品1では、前記吸収体4より幅方向外側に、少なくとも幅方向に伸縮可能な伸縮性領域6が形成され、この伸縮性領域6より幅方向外側に下着との固定を図るズレ止め層7が設けられているため、かかる男性用吸収性物品1を下着に装着した際、突出した陰茎や陰嚢によって下着が伸びるのに合わせて、前記伸縮性領域6が伸張することにより、男性用吸収性物品1も一緒に伸びるので、前記吸収体4が陰茎に密着した状態が維持できるようになる。このため、体液の伝い漏れが防止できるとともに、伸縮性領域6の伸縮力によって吸収体4が直接陰茎に密着するので、通常の下着と変わらない良好な装着感が得られるようになる。
1…男性用吸収性物品、2…防漏シート、3…透液性表面シート、4…吸収体、5…伸縮性シート、6…伸縮性領域、7…ズレ止め層、9…糸状弾性伸縮部材、10…上層シート、11…下層シート

Claims (7)

  1. 吸収体を備えた男性用吸収性物品において、
    前記吸収体より幅方向外側に、少なくとも幅方向に伸縮可能な伸縮性領域が形成され、前記伸縮性領域より幅方向外側の男性用吸収性物品の非肌側面に、下着との固定を図るズレ止め層が設けられていることを特徴とする男性用吸収性物品。
  2. 前記伸縮性領域は、前記吸収体の全周に亘って形成されている請求項1記載の男性用吸収性物品。
  3. 前記伸縮性領域は、素材自体が伸縮性を有する伸縮性シートにより形成されるか、幅方向に沿うとともに、これと直交する方向に間隔を空けて、複数の糸状弾性伸縮部材が配設されることにより形成されている請求項1、2いずれかに記載の男性用吸収性物品。
  4. 前記伸縮性領域は、前記吸収体の全周に亘って形成され、前記吸収体と幅方向に重なる領域の伸縮力が、前記吸収体と幅方向に重ならない領域の伸縮力より大きく設定されている請求項1~3いずれかに記載の男性用吸収性物品。
  5. 前記伸縮性領域は、肌側の上層シートと非肌側の下層シートとの間に複数の糸状弾性伸縮部材が配設されることにより形成され、前記上層シートと下層シートとが別々のシートによって構成され、前記上層シートと下層シートのうち一方側のシートが他方側のシートの上下方向両端部を巻き込むようにして、他方側のシートの外側に延在している請求項1~4いずれかに記載の男性用吸収性物品。
  6. 前記伸縮性領域は、男性用吸収性物品の幅方向及びこれと直交する方向に伸縮可能に形成されている請求項1~5いずれかに記載の男性用吸収性物品。
  7. 前記吸収体の幅方向中央部に、前記ズレ止め層が設けられている請求項1~6いずれかに記載の男性用吸収性物品。
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