JP7013819B2 - 光ファイバ用樹脂塗布装置および光ファイバの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバ用樹脂塗布装置および光ファイバの製造方法に関する。
例えば、特許文献1には、線引きされたガラスファイバの線速の変化に応じて、ダイス温度を変化させる光ファイバ用樹脂塗布装置が記載されている。特許文献2、3、4には、線引きされたガラスファイバの外側に、二つの被覆樹脂を一括して塗布する光ファイバの製造方法が記載されている。
実開平2-051218号公報 特開2009-227522号公報 特開昭62-153149号公報 特開平9-165233号公報
特許文献2、3、4のように、一括して塗布される二つの被覆樹脂は、その粘度に対する温度特性が異なる場合がある。特に、第一樹脂(プライマリ樹脂)と第二樹脂(セカンダリ樹脂)とで、同じ温度における粘度の違いが大きい場合は、光ファイバの被覆に偏肉が生じたり、被覆の外径(例えば、第一樹脂による被覆の外径)が設計上の狙いの値からずれてしまうおそれがある。
本発明は、光ファイバの被覆に対して、偏肉の発生、設計上の狙いの外径値からのずれを抑制することができる光ファイバ用樹脂塗布装置および光ファイバの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る光ファイバ用樹脂塗布装置は、
線引きされたガラスファイバの外側に第一樹脂を塗布する第一塗布部と、前記第一樹脂の外側に第二樹脂を塗布する第二塗布部と、が一体的に組みつけられ、前記第一樹脂と前記第二樹脂とを一括して塗布する光ファイバ用樹脂塗布装置であって、
前記第一塗布部の周囲に設けられており、循環する流体の温度を制御することで前記第一塗布部に供給された前記第一樹脂の温度を調整する第一流体循環部と、
前記第二塗布部の周囲に設けられており、循環する流体の温度を制御することで前記第二塗布部に供給された前記第二樹脂の温度を調整する第二流体循環部と、
を備え、前記第一流体循環部と前記第二流体循環部とがそれぞれ独立して温度制御可能に設けられている。
また、本発明の一態様に係る光ファイバの製造方法は、
線引きされたガラスファイバの外側に第一樹脂を塗布する第一塗布部と、前記第一樹脂の外側に第二樹脂を塗布する第二塗布部と、が一体的に組みつけられた光ファイバ用樹脂塗布装置に、前記第一樹脂と前記第二樹脂とを供給して、前記ガラスファイバに前記第一樹脂と前記第二樹脂とを一括して塗布して光ファイバとする樹脂塗布工程を含む、光ファイバの製造方法であって、
前記樹脂塗布工程は、
前記光ファイバ用樹脂塗布装置内で、前記第一樹脂と前記第二樹脂とを別々に温度調整することにより、前記第一樹脂と前記第二樹脂との粘度差を0.5Pa・s以下にして、前記ガラスファイバに前記第一樹脂と前記第二樹脂とを一括して塗布する。
上記発明に係る光ファイバ用樹脂塗布装置および光ファイバの製造方法によれば、光ファイバの被覆に対して、偏肉の発生、設計上の狙いの外径値からのずれを抑制することができる。
光ファイバの製造装置の一例である線引き装置の概略構成図である。 本発明の第一実施形態に係る光ファイバ用樹脂塗布装置の断面図である。 本発明の第一実施形態で使用される第一樹脂および第二樹脂の粘度に対する温度特性の一例を示すグラフである。 本発明の第二実施形態に係る光ファイバ用樹脂塗布装置の断面図である。 本発明の第三実施形態に係る光ファイバ用樹脂塗布装置の断面図である。
(本発明の実施形態の説明)
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一態様に係る光ファイバ用樹脂塗布装置は、
(1)線引きされたガラスファイバの外側に第一樹脂を塗布する第一塗布部と、前記第一樹脂の外側に第二樹脂を塗布する第二塗布部と、が一体的に組みつけられ、前記第一樹脂と前記第二樹脂とを一括して塗布する光ファイバ用樹脂塗布装置であって、
前記第一塗布部の周囲に設けられており、循環する流体の温度を制御することで前記第一塗布部に供給された前記第一樹脂の温度を調整する第一流体循環部と、
前記第二塗布部の周囲に設けられており、循環する流体の温度を制御することで前記第二塗布部に供給された前記第二樹脂の温度を調整する第二流体循環部と、
を備え、前記第一流体循環部と前記第二流体循環部とがそれぞれ独立して温度制御可能に設けられている。
上記構成によれば、第一樹脂と第二樹脂の温度調整を別々にすることができる。例えば、粘度に対する温度特性が、第一樹脂と第二樹脂とで異なる場合であっても、ガラスファイバの外側に一括して塗布する際に、第一樹脂と第二樹脂の粘度をほぼ同じにすることができる。よって、光ファイバの被覆に対して、偏肉の発生、設計上の狙いの外径値からのずれを抑制することができる。
(2)前記光ファイバ用樹脂塗布装置は、前記第一塗布部と前記第二塗布部とを収納するダイスホルダを備え、
前記第一流体循環部と前記第二流体循環部とが、前記ダイスホルダの外側に設けられている。
第一流体循環部および第二流体循環部がダイスホルダの外側に設けられているので、ダイスホルダ内の各部材を従来と同じ作業で組み立てることができる。
(3)前記光ファイバ用樹脂塗布装置は、前記第一塗布部と前記第二塗布部とを収納するダイスホルダを備え、
前記第一流体循環部と前記第二流体循環部とが、前記ダイスホルダの内側に設けられている。
第一樹脂の塗布位置に対して、第一流体循環部が近い位置に配置でき、また、第二樹脂の塗布位置に対して、第二流体循環部が近い位置に配置できる。第一樹脂の温度および第二樹脂の温度をそれぞれさらに効率よく調整することができる。
(4)前記光ファイバ用樹脂塗布装置は、前記第一塗布部と前記第二塗布部とを収納するダイスホルダを備え、
前記第一流体循環部と前記第二流体循環部とが、前記ダイスホルダの側壁内に設けられている。
第一流体循環部をダイスホルダの側壁内の第一樹脂が通る貫通孔の周囲に設けることができ、第二流体循環部をダイスホルダの側壁内の第二樹脂が通る貫通孔の周囲に設けることができる。第一樹脂の温度および第二樹脂の温度をそれぞれさらに効率よく調整することができる。
(5)前記第一流体循環部と前記第二流体循環部との間に断熱層を備えてもよい。
上記構成によれば、断熱層により、第一流体循環部と第二流体循環部との間の熱交換を抑制できるので、より独立性の高い温度制御が可能となる。
(6)前記断熱層は、ガラス板またはセラミックス板の層であってもよい。
上記構成によれば、断熱層をガラス板またはセラミックス板の層とすることで、断熱効果を確保できると共に高い寸法精度で加工することができる。また、第一塗布部内および第二塗布部内への粉塵、不純物の混入を防ぐこともできる。
また、本発明の一態様に係る光ファイバの製造方法は、
(7)線引きされたガラスファイバの外側に第一樹脂を塗布する第一塗布部と、前記第一樹脂の外側に第二樹脂を塗布する第二塗布部と、が一体的に組みつけられた光ファイバ用樹脂塗布装置に、前記第一樹脂と前記第二樹脂とを供給して、前記ガラスファイバに前記第一樹脂と前記第二樹脂とを一括して塗布して光ファイバとする樹脂塗布工程を含む、光ファイバの製造方法であって、
前記樹脂塗布工程は、
前記光ファイバ用樹脂塗布装置内で、前記第一樹脂と前記第二樹脂とを別々に温度調整することにより、前記第一樹脂と前記第二樹脂との粘度差を0.5Pa・s以下にして、前記ガラスファイバに前記第一樹脂と前記第二樹脂とを一括して塗布する。
上記方法によれば、樹脂塗布工程において、第一樹脂と第二樹脂の温度調整を別々にすることができる。例えば、粘度に対する温度特性が、第一樹脂と第二樹脂とで異なる場合であっても、ガラスファイバの外側に一括して塗布する際に、第一樹脂と第二樹脂の粘度をほぼ同じにすることができる。よって、本製造方法によって製造された、光ファイバの被覆に対して、偏肉の発生、設計上の狙いの外径値からのずれを抑制することができる。
(本発明の実施形態の詳細)
本発明の実施形態に係る光ファイバ用樹脂塗布装置および光ファイバの製造方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。
なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
最初に、図1を参照して、本発明の光ファイバ用樹脂塗布装置を備えた光ファイバの製造装置の一例を説明する。
図1に示すように、光ファイバの製造装置100では、先ず、光ファイバ用母材1が線引炉2で加熱されることにより、光ファイバ用母材1の下端部が溶融されて線引される。線引されることによって形成されたガラスファイバG1は、ガラスファイバG1の走行方向(図1中の矢印Aの方向)において線引炉2の下流に設けられた光ファイバ用樹脂塗布装置3を通過する。
光ファイバ用樹脂塗布装置3(3A、3B、3C)には、ガラスファイバG1に塗布される樹脂を供給する樹脂供給装置10が接続されている。また、光ファイバ用樹脂塗布装置3には、樹脂の温度を調整するための流体を循環させる流体循環装置20が接続されている。ガラスファイバG1が光ファイバ用樹脂塗布装置3を通過することにより、ガラスファイバG1の外周には複数層(本例では二層)の樹脂が塗布される。
樹脂が塗布されたガラスファイバG1は、光ファイバ用樹脂塗布装置3の下流に設けられている樹脂硬化装置4(例えば、紫外線照射装置等)を通過することにより、樹脂が硬化され光ファイバG2となる。光ファイバG2は、ガイドローラ5および引取り部6を経由して巻取りドラム7に巻き取られる。
次に、図2~図5を参照して、本発明に係る光ファイバ用樹脂塗布装置の実施形態を説明する。
(第一実施形態)
図2は、本発明の第一実施形態に係る光ファイバ用樹脂塗布装置の断面図である。図2に示すように、光ファイバ用樹脂塗布装置3Aは、ガラスファイバG1の外周に第一樹脂Bを塗布する第一ダイス(第一塗布部)31と、第一樹脂Bの外周に第二樹脂Cを塗布する第二ダイス(第二塗布部)32と、を備えている。また、光ファイバ用樹脂塗布装置3Aは、第一樹脂Bの温度を調整する第一流体循環部41と、第二樹脂Cの温度を調整する第二流体循環部42と、を備えている。光ファイバ用樹脂塗布装置3Aは、ガラスファイバG1の周囲に第一樹脂Bと第二樹脂Cとを一括して塗布する装置である。
第一ダイス31は、円筒状に形成されており、その中央部にはガラスファイバG1および第一樹脂Bを通過させるための第一ダイ孔31aが設けられている。第一ダイ孔31aは、例えば、上流側の部分がテーパ状に形成され、下流側の部分が同径状に形成されている。
第二ダイス32は、円筒状に形成されており、その中央部には第一樹脂Bが塗布されたガラスファイバG1および第二樹脂Cを通過させるための第二ダイ孔32aが設けられている。第二ダイ孔32aは、例えば、上流側の部分がテーパ状に形成され、下流側の部分が同径状に形成されている。第二ダイス32は、第一ダイス31の下流側に配置されている。第二ダイス32の上部には、第二樹脂Cを流す流路の一部を形成する凹部32bが形成されている。凹部32bは、第二ダイ孔32aに連続するように形成されている。
第一ダイス31の上流側には、ガラスファイバG1を第一ダイス31に導くニップル33が設けられている。ニップル33は、円筒状に形成されており、その中央部にはガラスファイバG1を通過させるテーパ状の通し孔33aが設けられている。また、ニップル33の下部には、第一樹脂Bを流す流路の一部を形成する凹部33bが形成されている。凹部33bは、通し孔33aに連続するように形成されている。
ニップル33、第一ダイス31および第二ダイス32の外周には、円筒状のダイスホルダ34が設けられている。ニップル33、第一ダイス31および第二ダイス32は、それぞれの外周面がダイスホルダ34の内周面に隙間なく嵌合された状態でダイスホルダ34内に収納されている。この収納された状態において、ニップル33の凹部33bと第一ダイス31の上面との間に形成される隙間が第一樹脂Bを流す第一樹脂流路35として機能するように構成されている。また、第一ダイス31の下面と第二ダイス32の凹部32bとの間に形成される隙間が第二樹脂Cを流す第二樹脂流路36として機能するように構成されている。ダイスホルダ34の側壁部には、第一樹脂流路35に連通する貫通孔37と、第二樹脂流路36に連通する貫通孔38とが形成されている。
貫通孔37には、第一樹脂Bを供給するための第一樹脂供給管39の先端側が接続されている。この第一樹脂供給管39の基端側は、樹脂供給装置10(図1参照)の第一樹脂供給源に接続されている。また、貫通孔38には、第二樹脂Cを供給するための第二樹脂供給管40の先端側が接続されている。この第二樹脂供給管40の基端側は、樹脂供給装置10の第二樹脂供給源に接続されている。
第一流体循環部41および第二流体循環部42は、円筒状に形成されており、それぞれがダイスホルダ34の外側に配置されている。第一流体循環部41は、第一ダイス31および第一樹脂供給管39の周囲を覆うように設けられている。第二流体循環部42は、第二ダイス32および第二樹脂供給管40の周囲を覆うように設けられている。第一流体循環部41および第二流体循環部42は、循環部ホルダ43によって周囲が支持されている。
第一流体循環部41には、第一流体が供給される第一流体供給管41aと第一流体が排出される第一流体排出管41bとが接続されている。また、第二流体循環部42には、第二流体が供給される第二流体供給管42aと第二流体が排出される第二流体排出管42bとが接続されている。第一流体供給管41aの基端部は、流体循環装置20(図1参照)の第一流体供給源に接続されている。第二流体供給管42aの基端部は、流体循環装置20の第二流体供給源に接続されている。
第一流体循環部41には、第一流体供給源から供給される第一流体が第一流体供給管41aと第一流体排出管41bとを介して循環される。第二流体循環部42には、第二流体供給源から供給される第二流体が第二流体供給管42aと第二流体排出管42bとを介して循環される。第一流体供給源は、図示を省略する温度制御部によって所定温度に調整された第一流体を第一流体循環部41に供給する。第二流体供給源は、図示を省略する温度制御部によって所定温度に調整された第二流体を第二流体循環部42に供給する。
第一樹脂供給管39から第一樹脂流路35へ供給される第一樹脂Bは、第一流体循環部41に循環される第一流体との間の熱交換によって所定温度に温度調整される。また、第二樹脂供給管40から第二樹脂流路36へ供給される第二樹脂Cは、第二流体循環部42に循環される第二流体との間の熱交換によって所定温度に温度調整される。
第一流体循環部41と第二流体循環部42との間には、第一流体による第一樹脂Bの温度調節と第二流体による第二樹脂Cの温度調節とをそれぞれ独立させるための断熱層44が配置されている。断熱層44は、例えば、ガラス板またはセラミックス板によって形成されている。
次に、本発明の実施形態に係る光ファイバの製造方法について説明する。
本実施形態の光ファイバの製造方法は、線引きされたガラスファイバG1の外側に第一樹脂Bを塗布する第一ダイス31と、第一樹脂Bの外側に第二樹脂Cを塗布する第二ダイス32と、が一体的に組みつけられた光ファイバ用樹脂塗布装置3Aに、第一樹脂Bと第二樹脂Cとを供給して、ガラスファイバG1に第一樹脂Bと第二樹脂Cとを一括して塗布する樹脂塗布工程を有する。そして、この樹脂塗布工程において、以下のような処理を行う。
(樹脂塗布工程)
ガラスファイバG1に塗布される樹脂は、粘度に対する温度特性が樹脂の種類によって大きく異なる。図3は、本実施形態で使用される第一樹脂および第二樹脂の粘度に対する温度特性の一例を示すグラフである。図3に示されるように、第一樹脂Bも第二樹脂Cも樹脂温度が高くなるとその粘度が下がる特性を有している。このため、樹脂が塗布された光ファイバG2の被覆径は、樹脂温度が高くなるほど粘度が下がり細くなる。また、樹脂温度の変動によって被覆に偏肉が生じる場合もある。
ここで、光ファイバG2の被覆径の変化と偏肉の発生を小さくするために、例えば、従来のように、ダイスホルダの周囲に単一の流体を循環させて第一樹脂Bおよび第二樹脂Cの温度を制御する方法が考えられる。しかしながら、この単一の流体を循環させる方法では、第一樹脂Bと第二樹脂Cとが均一の温度に制御される。ところが、図3のグラフに示されるように、第一樹脂Bと第二樹脂Cとは同じ樹脂温度における粘度が大きく異なっており、樹脂の温度が同じ場合には第一樹脂Bの粘度の方が第二樹脂Cの粘度よりも高くなる。このため、ガラスファイバG1に一括して二つの樹脂(第一樹脂Bと第二樹脂C)を塗布した場合、制御される同じ樹脂温度に対して第一樹脂Bと第二樹脂Cとでそれぞれ異なって被覆径が変化したり偏肉が生じたりする。したがって、被覆径の変化および偏肉の発生を小さくすることが難しい。
そこで、発明者は、被覆径の変化と偏肉の発生を小さくできる最適な粘度に第一樹脂Bと第二樹脂Cをそれぞれ調整することが必要であると考えた。この考察に基づき、発明者は、第一樹脂Bの温度と第二樹脂Cの温度とをそれぞれ個別に調整しようと考え、以下のような工程で樹脂を塗布することにした。
先ず、第一流体循環部41を循環する第一流体の温度を制御することにより、第一ダイス31に供給された第一樹脂Bの温度を目標温度に調整する。第一ダイス31に供給された第一樹脂Bの温度とは、ガラスファイバG1に第一樹脂Bが塗布される際の樹脂温度を意味する。実際には、上記したように、第一樹脂供給管39から第一樹脂流路35へ供給される第一樹脂Bの温度を第一流体循環部41により所定温度に調整することで、第一ダイス31に供給された第一樹脂Bの温度が目標温度に調整されている。所定温度は、第一樹脂Bが流れる第一樹脂流路35の長さ、ガラスファイバG1の温度、線速等を考慮して設定される。第一流体の温度は、第一樹脂供給管39から第一樹脂流路35へ供給される第一樹脂Bの温度が所定温度になるような温度に制御される。
また、第二流体循環部42に循環させる第二流体の温度を制御することにより、第二ダイス32に供給された第二樹脂Cの温度を調整する。第二ダイス32に供給された第二樹脂Cの温度とは、ガラスファイバG1の外周に塗布された第一樹脂Bの外周に第二樹脂Cが塗布される際の樹脂温度を意味する。実際には、上記したように、第二樹脂供給管40から第二樹脂流路36へ供給される第二樹脂Cの温度を第二流体循環部42により所定温度に調整することで、第二ダイス32に供給された第二樹脂Cの温度が目標温度に調整されている。所定温度は、第二樹脂Cが流れる第二樹脂流路36の長さ、ガラスファイバG1の温度、線速等を考慮して設定される。第二流体の温度は、第二樹脂供給管40から第二樹脂流路36へ供給される第二樹脂Cの温度が所定温度になるような温度に制御される。
このように、第一樹脂Bの温度と第二樹脂Cの温度とを別々に温度調整して、樹脂温度をそれぞれの目標温度に調整することにより、ガラスファイバG1に塗布する際の第一樹脂Bと第二樹脂Cとの粘度差を0.5Pa・s以下にする。そして、粘度差を0.5Pa・s以下にした第一樹脂Bと第二樹脂CとをガラスファイバG1に一括して塗布する。
上記のような光ファイバ用樹脂塗布装置3Aおよび光ファイバの製造方法によれば、第一樹脂Bの温度調整を行う第一流体循環部41と、第二樹脂Cの温度調節を行う第二流体循環部42とを用いて、第一樹脂Bと第二樹脂Cの温度調整を別々に行うことができる。このため、例えば、粘度に対する温度特性が、第一樹脂Bと第二樹脂Cとで大きく異なる場合であっても、樹脂温度をそれぞれに調整することで、ガラスファイバG1の外側に一括して塗布する際に、第一樹脂Bと第二樹脂Cの粘度差を小さくすることができる。これにより、光ファイバG2の被覆において、偏肉の発生、設計上の狙いの外径値からのずれを抑制することができる。
また、光ファイバ用樹脂塗布装置3Aによれば、第一流体循環部41と第二流体循環部42との間に断熱層44が設けられている。このため、第一流体循環部41と第二流体循環部42との間の熱交換を抑制することができ、ガラスファイバG1に一括して第一樹脂Bと第二樹脂Cを塗布する際に、より独立性の高い温度制御が可能になる。
また、断熱層44をガラス板またはセラミックス板で構成することにより、断熱効果を確保できると共に高い寸法精度で断熱層44を加工することができる。また、ガラス板またはセラミックス板は発塵しにくい材料であるため第一樹脂Bが供給される第一樹脂流路35内および第二樹脂Cが供給される第二樹脂流路36内への粉塵、不純物の混入を防ぐことができる。
また、第一流体循環部41および第二流体循環部42がダイスホルダ34の外側に設けられているので、ダイスホルダ34内の各部材を従来と同じ作業で組み立てることができる。
(第二実施形態)
図4を参照して、本発明の第二実施形態に係る光ファイバ用樹脂塗布装置3Bについて説明する。なお、上記第一実施形態に係る光ファイバ用樹脂塗布装置3Aと同様の構成については同じ符号を付しその説明については適宜省略する。
図4に示すように、光ファイバ用樹脂塗布装置3Bは、第一流体循環部41および第二流体循環部42がダイスホルダ34の内側に設けられている点で、ダイスホルダ34の外側に設けられている第一実施形態の光ファイバ用樹脂塗布装置3Aと相違する。
光ファイバ用樹脂塗布装置3Bにおいて、第一流体循環部41は、第一樹脂流路35および第一ダイス31の周囲に配置されている。また、第二流体循環部42は、第二樹脂流路36および第二ダイス32の周囲に配置されている。
このように、光ファイバ用樹脂塗布装置3Bによれば、第一樹脂Bの塗布位置に対して、第一流体循環部41が近い位置に配置されている。また、第二樹脂Cの塗布位置に対して、第二流体循環部42が近い位置に配置されている。このため、第一樹脂Bの温度および第二樹脂Cの温度をそれぞれ効率よく調整することができる。その他、上記第一実施形態の光ファイバ用樹脂塗布装置3Aと同様の効果を奏する。
(第三実施形態)
図5を参照して、本発明の第三実施形態に係る光ファイバ用樹脂塗布装置3Cについて説明する。なお、上記第一実施形態に係る光ファイバ用樹脂塗布装置3Aと同様の構成については同じ符号を付しその説明については適宜省略する。
図5に示すように、光ファイバ用樹脂塗布装置3Cは、ダイスホルダ34の側壁を厚くして、その側壁内にも第一流体循環部41および第二流体循環部42が設けられている点で、ダイスホルダ34の外側のみに設けられている第一実施形態の光ファイバ用樹脂塗布装置3Aと相違する。
このように、光ファイバ用樹脂塗布装置3Cによれば、第一流体循環部41が第一ダイス31、第一樹脂供給管39および貫通孔37の周囲に設けられ、第二流体循環部42が第二ダイス32、第二樹脂供給管40および貫通孔38の周囲に設けられる。このため、第一樹脂Bの温度および第二樹脂Cの温度をそれぞれ効率よく調整することができる。また、第一流体循環部41および第二流体循環部42がダイスホルダ34内には設けられていないので、ダイスホルダ34内の各部材を従来と同じ作業で組み立てることができる。その他、上記第一実施形態の光ファイバ用樹脂塗布装置3Aと同様の効果を奏する。
(実施例)
上記実施形態に係る光ファイバ用樹脂塗布装置3A~3Cを用いて上記実施形態に係る製造方法により、ガラスファイバG1に第一樹脂Bと第二樹脂Cとが塗布された光ファイバG2を作製した。作製された光ファイバG2の偏肉不良廃却率を算出した。なお、偏肉不良廃却率は、(偏肉調整または偏肉不良で廃却したファイバ長)/(線引投入長)×100[%]と定義した。
算出の結果、光ファイバG2の平均偏肉不良廃却率=0.27%であった。
一方、従来のように、ダイスホルダの周囲に単一の流体を循環させて第一樹脂Bおよび第二樹脂Cの温度を制御する方法で作製した光ファイバの偏肉不良廃却率=0.48%であった。
このように、実施形態に係る光ファイバ用樹脂塗布装置3A~3Cおよび製造方法を用いて光ファイバG2を製造することにより、偏肉不良廃却率を大幅に低下させることができた。
以上、本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。また、上記説明した構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等に変更することができる。
3(3A、3B、3C):光ファイバ用樹脂塗布装置
10:樹脂供給装置
20:流体循環装置
31:第一ダイス(第一塗布部)
32:第二ダイス(第二塗布部)
33:ニップル
34:ダイスホルダ
35:第一樹脂流路
36:第二樹脂流路
39:第一樹脂供給管
40:第二樹脂供給管
41:第一流体循環部
42:第二流体循環部
43:循環部ホルダ
44:断熱層
100:光ファイバの製造装置
G1:ガラスファイバ
G2:光ファイバ

Claims (6)

  1. 線引きされたガラスファイバの外側に第一樹脂を塗布する第一塗布部と、前記第一樹脂の外側に第二樹脂を塗布する第二塗布部と、が一体的に組みつけられ、前記第一樹脂と前記第二樹脂とを一括して塗布する光ファイバ用樹脂塗布装置であって、
    前記第一樹脂を前記第一塗布部に供給する第一樹脂供給管と、
    前記第二樹脂を前記第二塗布部に供給する第二樹脂供給管と、
    前記第一塗布部および前記第一樹脂供給管の周囲に設けられており、循環する流体の温度を制御することで前記第一塗布部に供給された前記第一樹脂の温度を調整する第一流体循環部と、
    前記第二塗布部および前記第二樹脂供給管の周囲に設けられており、循環する流体の温度を制御することで前記第二塗布部に供給された前記第二樹脂の温度を調整する第二流体循環部と、
    を備え、前記第一流体循環部と前記第二流体循環部とがそれぞれ独立して温度制御可能に設けられている、光ファイバ用樹脂塗布装置。
  2. 前記光ファイバ用樹脂塗布装置は、前記第一塗布部と前記第二塗布部とを収納するダイスホルダを備え、
    前記第一流体循環部と前記第二流体循環部とが、前記ダイスホルダの外側に設けられている、請求項1に記載の光ファイバ用樹脂塗布装置。
  3. 前記光ファイバ用樹脂塗布装置は、前記第一塗布部と前記第二塗布部とを収納するダイスホルダを備え、
    前記第一流体循環部と前記第二流体循環部とが、前記ダイスホルダの側壁内に設けられている、請求項1または請求項2に記載の光ファイバ用樹脂塗布装置。
  4. 前記第一流体循環部と前記第二流体循環部との間に断熱層を備えた、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の光ファイバ用樹脂塗布装置。
  5. 前記断熱層は、ガラス板またはセラミックス板の層である、請求項に記載の光ファイバ用樹脂塗布装置。
  6. 線引きされたガラスファイバの外側に第一樹脂を塗布する第一塗布部と、前記第一樹脂の外側に第二樹脂を塗布する第二塗布部と、が一体的に組みつけられた光ファイバ用樹脂塗布装置に、前記第一樹脂と前記第二樹脂とを供給して、前記ガラスファイバに前記第一樹脂と前記第二樹脂とを一括して塗布して光ファイバとする樹脂塗布工程を含む、光ファイバの製造方法であって、
    前記光ファイバ用樹脂塗布装置は、
    前記第一樹脂を前記第一塗布部に供給する第一樹脂供給管と、
    前記第二樹脂を前記第二塗布部に供給する第二樹脂供給管と、
    前記第一塗布部および前記第一樹脂供給管の周囲に設けられており、循環する流体の温度を制御することで前記第一塗布部に供給された前記第一樹脂の温度を調整する第一流体循環部と、
    前記第二塗布部および前記第二樹脂供給管の周囲に設けられており、循環する流体の温度を制御することで前記第二塗布部に供給された前記第二樹脂の温度を調整する第二流体循環部と、
    を備え、
    前記樹脂塗布工程は、
    前記光ファイバ用樹脂塗布装置内で、前記第一樹脂と前記第二樹脂とを別々に温度調整することにより、前記第一樹脂と前記第二樹脂との粘度差を0.5Pa・s以下にして、前記ガラスファイバに前記第一樹脂と前記第二樹脂とを一括して塗布する、光ファイバの製造方法。
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