JP7011791B2 - 発芽誘導方法および殺菌方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特に、食品等に含まれる芽胞を有する芽胞形成菌の発芽誘導方法および、当該発芽誘導方法を用いた殺菌方法に関するものである。
従来から、食品や器具等の物体が有する細菌、飲料中に含まれる細菌を不活化する方法が知られている。
例えば、オゾンを用いた粉体の殺菌処理方法が知られている。この殺菌方法によれば、非加熱状態で殺菌できるために、殺菌対象物の劣化を抑制することができる。
しかしながら、このような殺菌方法においては、殺菌の再現性が取れないことがある。即ち、殺菌対象物を同程度オゾンに暴露したとしても、殺菌の程度が処理ごとに異なってしまうという事態が発生する。
この殺菌の再現性が取れない現象について発明者が鋭意検討したところ、
(1)殺菌対象物が有する細菌が芽胞を形成する。
(2)その芽胞の形成状態が処理のタイミングにより異なる。
ことに起因していることを突き止めた。
上記のような問題を解消するために、芽胞を一旦発芽(=発芽誘導)させた後に殺菌処理することが考えられる。例えば、特開2002-153247号公報(特許文献1)には、発芽誘導物質(L-アラニン)の水溶液を殺菌対象に噴霧し、その後オゾンや紫外線で殺菌処理することが記載されている。
また、特開2015-199723号公報(特許文献2)には、芽胞形成菌とジピコリン酸又はその塩とをpH6以下の条件下で接触させることで、芽胞を一旦発芽させる方法が記載されている。
更には、特開平3-038857号公報(特許文献3)には、水分リッチな状態で、菌数の生育に適した温度(20℃~40℃)で数時間保持する方法が開示されている。
ところで、このような公知の発芽誘導方法では、化学物質(栄養物質)を使用したり、あるいは、長時間の処理が必要になったりするため、例えば食品の発芽誘導方法としては、不向きであり実用上好ましいものとはいえない。
特開2002-153247号公報 特開2015-199723号公報 特開平3-038857号公報
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて、食品等の被処理物が有する芽胞形成菌を殺菌するにあたり、芽胞形成菌を発芽誘導させる方法において、化学物質を利用することなく、かつ、短時間で発芽させることができる発芽誘導方法およびこの発芽誘導方法を用いた殺菌方法を提供せんとするものである。
上記課題を解決するために、この発明に係わる発芽誘導方法は、被処理物が有する芽胞形成菌に対して、波長700nm~1050nmにピーク波長を有する光を照射する工程を有することを特徴とする。
また、前記光は750nm~970nmにピーク波長を有するものであることを特徴とする。
また、前記光の照射量が1.7J/cm~201.2J/cmであることを特徴とする。
また、前記光の照射量が3.4J/cm~134.2J/cmであることを特徴とする。
また、前記被処理物が固形物であり、当該被処理物における水分活性が0.7以上の状態で、前記芽胞形成菌に前記光を照射することを特徴とする。
また、前記光の照射中における前記被処理物の温度が、5℃~50℃であることを特徴とする。
また、前記被処理物の殺菌方法において、前記発芽誘導方法からなる第一工程と、前記被処理物を殺菌処理する第二工程とを有することを特徴とする。
この発明にかかる発芽誘導方法によれば、食品等の被処理物が有する芽胞形成菌を殺菌するにあたり、化学物質(栄養物質)を使用することなく芽胞形成菌を短時間で発芽誘導できるので、殺菌処理後に化学物質が残存することがなく、不活化しきれなかった菌が、保管中に増殖するリスクを低減できる。
そして、食品等が有する細菌が発芽した状態で殺菌処理されるので、殺菌処理後の細菌の不活化の程度におけるバラツキが低減する。
本発明の発芽誘導方法と、殺菌方法のフロー図。 本発明の他の実施例のフロー図。 照射光の波長による殺菌率を示す表1。 実施例1における照射光の分光スペクトルを示す図。 実施例2における照射光の分光スペクトルを示す図。 実施例3における照射光の分光スペクトルを示す図。 実施例4、31~39における照射光の分光スペクトルを示す図。 実施例5における照射光の分光スペクトルを示す図。 実施例6における照射光の分光スペクトルを示す図。 実施例7における照射光の分光スペクトルを示す図。 照射光の照射量による殺菌率を示す表2。 水分活性による殺菌率を示す表3。 温度による殺菌率を示す表4。 照度を変え、かつ照射量を一定としたときの殺菌率を示す表5。
本発明の発芽誘導方法を用いた殺菌方法のフロー図の一例が図1に示されている。この実施例では、殺菌対象である被処理物は、食品、例えば、ブラックペッパーなどの固形物である。
被処理物の表面には芽胞形成菌が付着しており、この芽胞形成菌を発芽させて後続のオゾンによる殺菌を効果的なものとするものである。
そのプロセスが図1に示されている。
<水分賦活工程>
殺菌対象である食品(ブラックペッパー)を純水に浸漬する工程である。この工程は芽胞を発芽させる際に必要となる水分活性を付与するために行われる。この工程は、水分活性が一定以上ある状態でないと、次工程で近赤外光を照射しても十分に発芽しない、という知見に基づく処理である。
ここで、水分活性とは、被処理物である食品中の自由水の割合を示す数値で、食品の保存性の指標とされる。この水分活性は、アズワン社の水分活性測定器(SP-W)を使用して測定した。
また、水分賦活処理としては、上記純水への浸漬以外に、加湿空気の噴霧、ミストエアロゾルの噴霧、水の噴霧などの手段が採用できる。
<発芽誘導工程>
殺菌対象である食品に近赤外光を照射して、食品に付着した芽胞形成菌を発芽させる工程である。
照射近赤外光の波長としては、700nm~1050nmのものが利用できる。本実施形態においては、波長850nmにピーク波長を有する近赤外光を発するLEDを光源としている。なお、光源としては、LED以外にハロゲンランプなどを用いることもできる。
ただし、近赤外光を照射しているとき、被処理物の温度が5℃~50℃の範囲にあることが好ましい。この範囲外であるとき、芽胞の発芽効率が低下する惧れがある。近赤外光を照射しているときに上記の温度範囲となるようにする方法としては、被処理物に照射される光に被処理物が吸収する波長の光が含まれないようにする方法や、光源を間欠的に点灯させて被処理物の温度上昇を防ぐ方法が採用され得る。光源としてLEDを用いる構成は、被処理物に照射される光に被処理物が吸収する波長の光が含まれない状態とすることが容易であるため好ましい。
また、この近赤外光を放射する光源としては、波長400nm以下の光(紫外光)を放射しないものであることが好ましい。この範囲の紫外光を放射するものでは、近赤外光と紫外光が同時に照射されてしまい、芽胞の発芽効率が低下してしまう惧れがある。
更には、被処理物への近赤外光の照射量は、1.7J/cm~134.2J/cmの範囲であることが好ましく、より好適には、3.43J/cm~134.2J/cmの範囲であることが更に好ましく、これより少なすぎたり多すぎたりすると発芽が効果的に行われない。
<殺菌工程>
殺菌対象である食品に殺菌処理を施す工程であって、本実施形態では、前記発芽誘導工程で発芽した芽胞形成菌を有する被処理物をオゾンに曝すことによって殺菌処理するオゾン殺菌処理を採用している。
殺菌手段としては、殺菌対象の食品の劣化を抑制する観点から、殺菌対象の温度が上がらないものが好ましく、上記オゾン殺菌や、紫外線照射による殺菌などが挙げられる。
上記実施例は、殺菌対象が例えば、ブラックペッパーなどの固形物であるが、本発明の発芽誘導方法は液体にも適用できる。例えば、オレンジジュースなどの果汁飲料にも適用できる。
図2には、殺菌対象が液体の場合の発芽誘導方法と殺菌方法のフローが示されている。
<発芽誘導工程>
殺菌対象である果汁飲料などの液体状食品に近赤外光を照射して、液体中に含まれる芽胞形成菌を発芽させる工程であって、本実施形態では液体に近赤外光を照射する。この時の近赤外光の詳細は図1における近赤外光と同様である。
<殺菌工程>
殺菌対象である液体状食品に殺菌処理を施す工程であって、本実施形態では、前記発芽誘導工程で発芽した芽胞形成菌に紫外光(UV)を照射して殺菌する方法を採用している。殺菌対象が果汁飲料などのように風味が重要なものである場合には、波長280nm~300nmの紫外光(UV)が好適に利用される。この紫外光殺菌により、風味の劣化を招くことなく殺菌処理を効果的に行うことができる。
このような紫外光光源としては、発光ガスとしてXeBrが封入されたエキシマランプなどが利用でき、本実施形態では、ピーク波長283nmの紫外光を放射するXeBrエキシマランプを使用している。
次に、各種条件をパラメータとして実験を行った。
まず、殺菌対象サンプルとして未殺菌状態の黒コショウ(ブラックペッパー)(産地:マレーシア)を用意した。なお、以下の実験で使用する黒コショウは、その表面に汚れや微粒子などが付着していない状態であることが確認されたものを使用した。
1.サンプルを純水に10分間浸漬した(水分賦活工程)。
2.1を真空乾燥装置(DP200、ヤマト科学社製)に入れ、25℃、0.1kPaの条件で乾燥させた(時間を調整することでサンプルの水分活性を調整した)。
3.2のサンプルに対してLEDからの近赤外光を照射した(発芽誘導工程)。
具体的には、2のサンプルを殺菌ガラスシャーレ(直径35mm)に1g入れ、このシャーレを振動器に載せて振動させた状態で、照射装置からの光を照射した。なお、シャーレ内に照射される光の照度が照射面内において一定となるように、サンプルに対して近赤外光を照射した。
ここで、本発明における「照度」とは、被処理物に対して照射される光のうち、波長が300nm~1200nmの範囲にある光の、単位面積あたり強度のことをいう。
4.3のサンプルを、オゾン条件170ppm一定で6時間、オゾン処理した(殺菌工程)。具体的には、2のサンプルを滅菌ガラスシャーレ(直径35mm)に1g入れ、このシャーレを振動器に載せて振動させた状態で、170ppmのオゾンに6時間曝露した。
5.4のサンプルを滅菌水100mLに浸漬して、サンプルに付着している菌を滅菌水に移した。
6.5の菌抽出液1mLをとり、このうち0.1mLを寒天培地に塗布した。
7.6の寒天培地を37℃で24時間培養した。
8.7の寒天培地に発生しているコロニーの数を数えた。
以上の実験を、以下のパラメータごとに行った。
<近赤外光の波長をパラメータとしたときの実験>
1.近赤外光の照射条件
・光源:LED
・照度:55.9mW/cm
・照射時間:600秒
2.その他の光照射時の条件
・水分活性:0.9
・環境温度:24.5℃
・サンプル温度:30.0℃
3.オゾン殺菌条件
・オゾン濃度:170ppm
・処理時間:6時間
その結果が図3の表1に示されている。表中の各項目は以下のとおりである。
・ピーク波長:LEDが放射する光のピーク波長
・オゾン処理後菌数CFU/g:サンプル(黒コショウ)1g中に存在する菌の数で、少ないほど良好。
・殺菌率:オゾン処理後の菌数がオゾン処理前と比較してどの程度減ったかを示す数値。
log(オゾン処理後菌数/オゾン処理前菌数)で計算する。処理前の菌数より処理後の菌数が小さくなればマイナスの値をとり、処理前の菌数より処理後の菌数が大きくなればプラスの値をとる。値が小さいほど良好。
また、実施例1~7における照射光の分光スペクトルをそれぞれ図4~10に示す。(実施例4における照射光の分光スペクトルは図7において実線で示されている。)
表1に示すように、光照射しない比較例1と比較して、近赤外光を照射する実施例1~7はいずれも殺菌の程度が大きいことが分かる。つまり、この実験で用いたピーク波長700nm~1050nmの近赤外光照射処理は、いずれも芽胞の発芽を誘導しており、その後の殺菌処理を効果的にしていることが分かる。
とりわけ、実施例1、7に比較して、実施例2~6はいずれも殺菌の程度がさらに大きく、このことから、特に、ピーク波長700nm~970nmの光源を用いることにより、芽胞の発芽をより効率よく誘導できることが分かる。
次に、近赤外光の照射量をパラメータとした実験を行った。
<近赤外光の照射量(照射時間)をパラメータとしたときの実験>
1.近赤外光の照射条件
・光源:LED
・ピーク波長:850nm(分光スペクトルは図7において実線で示したものと同じ)
・照度:55.9mW/cm
2.その他の光照射時の条件
・水分活性:0.9
・環境温度:24.1℃
・サンプル温度:30.0℃
3.オゾン殺菌条件
・オゾン濃度:170ppm
・処理時間:6時間
その結果が図11の表2に示されている。
比較例1と比較して、実施例8~16は、いずれも殺菌の程度が大きく、照射量0.6J/cm~201.2J/cmの近赤外光は、いずれも芽胞の発芽を誘導しており、その後の殺菌処理を効果的にしていることが分かる。
また、実施例8と比較して、実施例9~16はいずれも殺菌の程度がさらに大きく、このことから、特に、近赤外光の照射量を1.7J/cm~201.2J/cmとすることにより、芽胞の発芽を効率良く誘導できることが分かる。
さらに、実施例8、9、16と比較して、実施例10~15はいずれも殺菌の程度がさらに大きく、このことから、特に、近赤外光の照射量を3.4J/cm~134.2J/cmとすることにより、芽胞の発芽を効率良く誘導できることが分かる。
なお、後述する実験の結果により、照度を変えた場合においても、照射量が同じであれば同様の効率で発芽を誘導できることが分かる。
次に、水分活性をパラメータとした実験を行った。
<水分活性をパラメータとしたときの実験>
1.近赤外光の照射条件
・光源:LED
・ピーク波長:850nm(分光スペクトルは図7において実線で示したものと同じ)
・照度:55.9mW/cm
・照射時間:600秒
2.その他の光照射時の条件
・環境温度:24.3℃
・サンプル温度:30.0℃
3.オゾン殺菌条件
・オゾン濃度:170ppm
・処理時間:6時間
その結果が図12の表3に示されている。
比較例1と比較して、実施例17~23は、いずれも殺菌の程度が大きく、水分活性0.4~1.0のサンプル対する近赤外光照射はいずれも芽胞の発芽を誘導しており、その後の殺菌処理を効果的にしていることが分かる。
とりわけ、実施例17~19と比較して、実施例20~23はいずれも殺菌の程度がさらに大きく、このことから、特に、サンプルの水分活性を0.7~1.0とすることにより、芽胞の発芽を効率良く誘導できることが分かる。
次に、サンプル温度をパラメータとした実験を行った。
<近赤外光照射時のサンプル温度をパラメータとした実験>
1.近赤外光の照射条件
・光源:LED
・ピーク波長:850nm(分光スペクトルは図7において実線で示したものと同じ)
・照度:55.9mW/cm
・照射時間:600秒
2.その他の光照射時の条件
・水分活性:0.9
・環境温度:24.5℃
3.オゾン殺菌条件
・オゾン濃度:170ppm
・処理時間:6時間
その結果が図13の表4に示されている。なお、近赤外光照射時のサンプル温度は、サンプルを収納した筐体を加熱することで当該温度となるように調整した。近赤外光照射では、サンプルが上記波長の光を殆ど吸収しないので、温度が殆ど上昇しないためである。
比較例1と比較して、実施例24~30は、いずれも殺菌の程度が大きく、温度5℃~55℃のサンプルに対する近赤外光照射はいずれも芽胞の発芽を誘導しており、その後の殺菌処理を効果的にしていることが分かる。
とりわけ、実施例30と比較して、実施例24~29はいずれも殺菌の程度がさらに大きく、このことから、特に、近赤外光照射時のサンプルの温度を5℃~50℃とすることにより、芽胞の発芽を効率良く誘導できることが分かる。
また、近赤外光照射時のサンプルの温度が50℃以下であることが確認されているので、従来公知の殺菌方法、特に、ハロゲンヒータやキセノンランプを点灯照射する殺菌方法とは異なる作用であることが分かる。
次に、照射量が同じ、且つ照度が異なる照射条件である場合に、殺菌率の差が生じるか確認するための実験を行った。
1.近赤外光の照射条件
・光源:LED
・ピーク波長:850nm
2.その他の光照射時の条件
・水分活性:0.9
・環境温度:24.5℃
3.オゾン殺菌条件
・オゾン濃度:170ppm
・処理時間:6時間
その結果が図14の表5に示されている。なお、実施例31、34、37の分光スペクトルは図7において実線で、実施例32、35、38の分光スペクトルは図7において点線で、実施例33、36、39の分光スペクトルは図7において破線で示されている。
実施例31~33、実施例34~36、実施例37~39の各群において、殺菌率が同一群内で同じであることが分かる。つまり、照度を変えた場合においても、照射量が同じであれば同様の効率で発芽を誘導できることが分かる。
以上説明したように、本発明に係る発芽誘導方法によれば、被処理物が有する芽胞形成菌に対して、波長700nm~1050nmにピーク波長を有する近赤外光を照射する工程を有することにより、化学物質(栄養物質)を使用することなく短時間で芽胞形成菌を発芽誘導できるので、殺菌処理後に化学物質が残存することがなく、不活化しきれなかった菌が、保管中に増殖するリスクを低減できる。
また、食品等が有する細菌が発芽した状態で効果的に殺菌処理されるので、殺菌処理後の細菌の不活化の程度におけるバラツキが低減する。


Claims (6)

  1. 固形物からなる被処理物が有する芽胞形成菌に対して、当該被処理物における水分活性が0.7以上の状態で、波長700nm~1050nmにピーク波長を有する光を照射する工程を有することを特徴とする芽胞形成菌の発芽誘導方法。
  2. 前記光は750nm~970nmにピーク波長を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の芽胞形成菌の発芽誘導方法。
  3. 前記光の照射量が1.7J/cm~201.2J/cmであることを特徴とする請求項1に記載の発芽誘導方法。
  4. 前記光の照射量が3.4J/cm~134.2J/cmであることを特徴とする請求項1に記載の発芽誘導方法。
  5. 前記光の照射中における前記被処理物の温度が、5℃~50℃であることを特徴とする請求項1に記載の発芽誘導方法。
  6. 請求項1に記載の発芽誘導方法からなる第一工程と、前記被処理物を殺菌処理する第二工程とを有する、殺菌方法。
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