JP7009058B2 - 光走査装置及びそれを備える画像形成装置 - Google Patents

光走査装置及びそれを備える画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は光走査装置に関し、例えばレーザビームプリンタやマルチファンクションプリンタ等の画像形成装置に好適なものである。
従来、画像形成装置に用いられる光走査装置として、光源から出射した光束を偏向器により偏向し、偏向された光束を結像光学系によって被走査面に導光することにより、被走査面を主走査方向に走査するものが知られている。また、光走査装置による走査方式として、被走査面の印字領域(有効領域)を主走査方向において2つに分割し、それぞれの領域を2本の光束により分担して走査する方式(カスケード走査方式)が知られている。
特許文献1には、共通の被走査面における2つの印字領域の夫々を、並列して配置された2つの光走査装置により分担して走査する画像形成装置が記載されている。この構成によれば、印字領域の全域を1つの光走査装置により同じ走査画角で走査する構成と比較して、偏向器から被走査面までの光路長を短くすることができるため、画像形成装置の小型化に寄与することができる。
特開2001-281580号公報
しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置においては、2つの光走査装置が設けられているため、部品点数が多く、装置全体の小型化が十分ではない。
本発明の目的は、小型かつ簡素な光走査装置及びそれを備える画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するための、本発明の一側面としての光走査装置は、共通の光源から出射する第1及び第2の光束を互いに分離する分離素子と、前記第1及び第2の光束を偏向して共通の被走査面の有効領域を主走査方向に走査する偏向器と、該偏向器により偏向された前記第1及び第2の光束の夫々を、前記有効領域の主走査方向において互いに異なる第1及び第2の領域に導光する第1及び第2の結像光学系とを備え、前記第1及び第2の光束の夫々は、前記偏向器の回転軸に垂直かつ前記偏向器の偏向面を通る平面に対して互いに同じ側から、前記偏向器における互いに異なる偏向面に入射しており、前記偏向器は、前記第1及び第2の領域を互いに異なるタイミングで走査することを特徴とする。
本発明によれば、小型かつ簡素な光走査装置及びそれを備える画像形成装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る光走査装置の要部概略図。 偏向器により第1の光束が偏向される様子を示す図。 偏向器により第2の光束が偏向される様子を示す図。 本発明の実施例1に係る光走査装置の要部概略図。 実施例1に係る光走査装置の部分拡大図。 本発明の実施例2に係る光走査装置の要部概略図。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の要部概略図。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面は、便宜的に実際とは異なる縮尺で描かれている場合がある。また、各図面において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明を省略する。
なお、以下の説明において、主走査方向とは、偏向器の回転軸と光学系の光軸方向とに垂直な方向であり、副走査方向とは、偏向器の回転軸に平行な方向である。また、主走査断面とは、光軸方向及び主走査方向に平行な断面(副走査方向に垂直な断面)であり、副走査断面とは、光軸方向及び副走査方向に平行な断面(主走査方向に垂直な断面)である。すなわち、これらの各方向及び各断面は、光学系毎に異なる場合がある。
図1は、本発明の実施形態に係る光走査装置100の要部概略図である。光走査装置100は、分離素子41、偏向器5、及び結像光学系6を備え、被走査面7の有効領域を主走査方向に走査する装置である。図1では、被走査面7の有効領域の主走査方向における中心(中心像高)712と偏向器5の回転軸51とを通るx軸と、x軸と直交し偏向器5の偏向点(反射点)を通るy軸と、x軸及びy軸と直交するz軸と、によって絶対座標系xyzを定めている。なお、y軸を定める偏向点は、第1の光束が後述する印字位置711に向かうときの偏向点である。また、図1では、第1及び第2の光束が被走査面7における各像高に異なるタイミングで入射するときの様子を、便宜的に1つの図で示している。
分離素子41は、共通の光源1から出射する第1及び第2の光束を互いに分離するための光学素子である。図1に示すように、共通の光源から出射した光束のうち、第1の光束は分離素子41に入射し、第2の光束は分離素子41を介さずに反射素子8に入射する。分離素子41は、主走査断面内(xy断面内)において第1の光束の進行方向を変えることで、第1及び第2の光束の光路を分離することができる。
分離素子41により分離された第1及び第2の光束は、回転軸51を含み主走査方向に垂直な基準面9(x軸を含みy軸に垂直な面)に対して互いに異なる側から、偏向器5における互いに異なる偏向面に入射する。具体的には、第1の光束はy軸方向におけるプラス側から偏向器5における第1の偏向面に入射し、第2の光束はy軸方向におけるマイナス側から偏向器5における第3の偏向面に入射している。すなわち、プラス側は第1の光束の側に対応し、マイナス側は第2の光束の側に対応する。
結像光学系6は、基準面9に対して互いに異なる側に配置される第1の結像光学系61及び第2の結像光学系62を有している。第1及び第2の結像光学系61,62の夫々は、偏向器5により偏向された第1及び第2の光束の夫々を、有効領域の主走査方向において互いに異なる第1の領域71及び第2の領域72に導光する。本実施形態に係る第1及び第2の結像光学系61,62の夫々は、単一の結像素子(第1及び第2の結像素子)から成るが、必要に応じて複数の結像素子で構成してもよい。
第1の領域71は、有効領域における基準面9に対して第1の光束が偏向器5に入射する側の領域、すなわちy軸方向におけるプラス側の最軸外像高710から中心像高712までの印字領域である。また、第2の領域72は、有効領域における基準面9に対して第2の光束が偏向器5に入射する側の領域、すなわち中心像高712からy軸方向におけるマイナス側の最軸外像高714までの印字領域である。
図1に示すように、第1の領域71を、第1の結像光学系61の第1の光軸610と被走査面7との交点711に対して2つに分けた場合、最軸外側領域71Eの方が中心側領域71Cよりも長くなる。同様に、第2の領域72を、第2の結像光学系62の第2の光軸620と被走査面7との交点713に対して2つに分けた場合、最軸外側領域72Eの方が中心側領域72Cよりも長くなる。
そして、本実施形態に係る偏向器5は、第1及び第2の領域71,72の夫々を互いに異なるタイミングで走査している。具体的に、偏向器5は、第1及び第3の偏向面によって第1及び第2の光束の夫々を互いに異なるタイミングで偏向することで、第1及び第2の領域71,72の夫々を時分割走査している。この構成によれば、複数の光源を用いなくても、第1及び第2の領域71,72の夫々を独立して走査することができ、各領域に互いに異なる画像を形成することが可能になる。
このように、本実施形態に係る光走査装置100は、第1及び第2の光束によって共通の被走査面7の主走査方向において互いに異なる印字領域を走査するカスケード走査方式を採用している。このとき、光走査装置100は、共通の光源1から出射した第1及び第2の光束を共通の偏向器5によって走査する構成を採っているため、上述した特許文献1に記載の構成よりも部品点数を少なくして装置全体の小型化を実現することができる。
なお、ここでの「互いに異なる印字領域」とは、「少なくとも一部が互いに異なる印字領域」のことを示している。すなわち、第1及び第2の領域71,72は、図1に示すように完全に分離していなくてもよい。例えば、各部材の組み立て公差などを考慮して、第1及び第2の領域71,72の夫々が中心像高712を越えて、互いの一部が重複するように構成してもよい。
次に、偏向器5によって第1及び第2の光束が偏向される様子について説明する。
図2及び図3は、偏向器5が回転軸51を中心として回転したときの状態と、各状態において偏向器5に入射する第1及び第2の光束の主光線LD1及び主光線LD2が偏向される様子と、を示す主走査断面図である。図2及び図3において、基準線Lpは、回転軸51を通りx軸に垂直(y軸に平行)な直線を示している。また、補助線x1~x4の夫々は、図1で示した基準面9に平行な直線(x軸に平行な直線)であり、以下で説明するx軸及び補助線x1~x4となす角度の夫々は、主走査断面内において基準面9となす角度に相当する。
なお、図2及び図3において、第1及び第2の光束のマージナル光線は省略されている。また、図2及び図3では、主光線LD1及び主光線LD2の夫々が、回転軸51に垂直な平面(xy平面)に対して平行な方向から偏向器5に入射(偏向面内入射)する場合を想定している。ただし、必要に応じて、主光線LD1及び主光線LD2が、xy平面に対して斜め方向から偏向器5に入射(斜入射)するように構成してもよい。この場合、図2及び図3は、主光線LD1及び主光線LD2をxy平面に投影したものを示すことになる。
図2Aにおいて、第1の偏向面52の法線L1vとx軸とのなす角度がθ1であるときに、第1の偏向面52で偏向された主光線LD1を光線Lθ1とし、主光線LD1と光線Lθ1との交点を通る補助線x2と光線Lθ1とのなす角度をω1としている。また、偏向器5の外接円501と主光線LD1との交点(外接円501上における主光線LD1の入射位置)をP1iとし、交点P1iと外接円501の中心(回転軸51)とを結ぶ直線L1iとx軸とのなす角度をρ1としている。さらに、交点P1iを通る補助線x1と主光線LD1とのなす角度をα1としている。
なお、偏向器5における偏向面の数をNとするとき、回転軸51と第1の偏向面52の両端部とを結ぶ2つの直線の互いになす角度は2×ω0=360°/Nで表される。この角度2×ω0は、第1の偏向面52で走査することができる範囲に対応する回転角度(走査画角の半値)を示しており、図2においてはN=4であるため2×ω0=90°となる。なお、ω0=180°/N=45°である。
図2Bにおいて、光線L10,L1+,L1-の夫々は、偏向器5が第1の状態500(実線),第2の状態500+(二点鎖線),第3の状態500-(破線)の夫々である場合に偏向された主光線LD1を示している。光線L10は、x軸に平行な方向に進んで図1で示した第1の領域71における印字位置711(第1の光軸610との交点)に向かい、光線L1+及び光線L1-の夫々は、プラス側の最軸外像高710及び中心像高712に向う。また、光線L1+と光線L10とのなす角度(光線L1+の画角)をω1max、光線L1-と光線L10とのなす角度(光線L1-の画角)をω1min、としている。
偏向器5が反時計回りに回転して、第3の状態500-、第1の状態500、第2の状態500+の順に変化した場合、偏向器5により偏向された主光線LD1は、光線L1-、L10、L1+の順に変化する。つまり、主光線LD1は、被走査面7を中心像高712、印字位置711、プラス側の最軸外像高710、の順に走査する。なお、偏向器5が時計回りに回転した場合は、上記順番は逆になる。
図3Aにおいて、第Jの偏向面53の法線LJvとx軸とのなす角度がθ2であるときに、第Jの偏向面53で偏向された主光線LD2を光線Lθ2とし、主光線LD2と光線Lθ2との交点を通る補助線x4と光線Lθ2とのなす角度をω2としている。また、偏向器5の外接円501と主光線LD2との交点を主光線LD2の入射位置P2iとし、入射位置P2iと外接円501の中心とを結ぶ直線L2iとx軸とのなす角度をρ2としている。さらに、入射位置P2iを通る補助線x3と主光線LD2とのなす角度をα2としている。
なお、主光線LD2が入射する第Jの偏向面53は、第1の偏向面52を1番目としたときに、第1の偏向面52から時計回りに数えてJ番目の偏向面である。ただし、Jは2≦J≦Nを満たす整数であり、図3においてはJ=3である。また、第Jの偏向面53の走査画角の半値は、第1の偏向面52と同様に、2×ω0=90°である。
図3Bにおいて、光線L20,L2+,L2-の夫々は、偏向器5が第1の状態510(実線),第2の状態510+(破線),第3の状態510-(二点鎖線)の夫々である場合に偏向された主光線LD2を示している。光線L20は、x軸に平行な方向に進んで図1で示した第2の領域72における印字位置713(第2の光軸620との交点)に向かい、光線L2+及び光線L2-の夫々は、中心像高712及びマイナス側の最軸外像高714に向う。また、光線L2+と光線L20とのなす角度(光線L2+の画角)をω2max、光線L2-と光線L20とのなす角度(光線L2-の画角)をω2min、としている。
偏向器5が反時計回りに回転して、第3の状態510-、第1の状態510、第2の状態510+の順に変化した場合、偏向器5により偏向された主光線LD2は、光線L2-、L20、L2+の順に変化する。つまり、主光線LD2は、被走査面7をマイナス側の最軸外像高714、印字位置713、中心像高712、の順に走査する。なお、偏向器5が時計回りに回転した場合は、上記順番は逆になる。
なお、図3Aに示すように、主光線LD2が第Jの偏向面53にて偏向され、光線Lθ2として被走査面7に入射するタイミングにおいて、主光線LD1は第1の偏向面52により偏向されて光線Lbackとなり、被走査面7から離れる方向に向かう。すなわち、主光線LD2が被走査面7を走査するタイミングには、主光線LD1は被走査面7を走査せず、主光線LD1が被走査面7を走査するタイミングには、主光線LD2は被走査面7を走査しないことになる。このように、偏向器5は、第1及び第2の光束の夫々が互いに異なるタイミングで被走査面7を走査するように構成されている。
ここで、第1及び第2の光束の夫々が、互いに異なるタイミングで被走査面7を走査するための条件について説明する。以下の説明では、第1及び第2の光束(主光線LD1及び主光線LD2)が、偏向器5の回転軸51に垂直な平面に投影されたとき、基準面9に対して互いに対称な方向から偏向器5に入射する構成を考える。すなわち、主光線LD1及び主光線LD2の各角度が基準面9に対して互いに線対称となり、α1=-α2、ρ1=-ρ2、ω1max=-ω2min、ω1min=-ω2maxである場合を考える。また、偏向器5は、反時計回りに回転し、被走査面7をy方向におけるプラス側に走査するものとする。
(第1の条件)
第1の条件は、第1の偏向面52により偏向された主光線LD1がω1minからω1maxまでの範囲を走査でき、第Jの偏向面53により偏向された主光線LD2がω2minからω2maxまでの範囲を走査できることである。なお、ω1minからω1maxまでの範囲は第1の領域71に対応し、ω2minからω2maxまでの範囲は第2の領域72に対応する。
まず、第1の偏向面52の法線角度θ1と、偏向器5の外接円501上における主光線LD1の入射位置P1iに対応する角度ρ1との関係を考えると、第1の条件を満足するためには以下の条件式(1)を満たす必要がある。
θ1-ω0<ρ1<θ1+ω0⇔
ρ1-ω0<θ1<ρ1+ω0・・・(1)
ここで、主光線LD1が偏向器5に入射するときの角度α1と、主光線LD1が偏向器5により偏向された後の角度ω1とは、以下の関係を満たす。
α1-θ1=θ1-ω1⇔
ω1=2θ1-α1⇔
θ1=(ω1+α1)/2
よって、条件式(1)は以下の条件式(2)に変形できる。
ρ1-ω0<(ω1+α1)/2<ρ1+ω0⇔
(ρ1-ω0)×2-α1<ω1<(ρ1+ω0)×2-α1・・・(2)
条件式(2)は、以下の条件式(3)及び(4)に分割できる。
α1>(ρ1-ω0)×2-ω1・・・(3)
α1<(ρ1+ω0)×2-ω1・・・(4)
そして、角度ω1が以下の条件式(5)を満たすことを考慮すると、条件式(3)及び(4)は以下の条件式(6)及び(7)に変形できる。
ω1min<ω1<ω1max・・・(5)
α1>(ρ1-ω0)×2-ω1min・・・(6)
α1<(ρ1+ω0)×2-ω1max・・・(7)
さらに、角度α1は以下の条件式(8)を満たす必要がある。
α1>ω1max・・・(8)
上記の条件式(6)~(8)は、第1の偏向面52により偏向される主光線LD1が、ω1minからω1maxまでの範囲(第1の領域71)を走査するための、角度ρ1及びα1の条件を示している。
また、第1の偏向面52で偏向される主光線LD1による走査が終わってから、次の偏向面で偏向される主光線LD1による走査が開始するまでに、第Jの偏向面53で偏向される主光線LD2による中心像高712の走査が終了している必要がある。言い換えると、主光線LD1が第1の偏向面52に入射しなくなり、隣接する次の偏向面に入射し始めるとき、すなわちθ1=ρ1+ω0となったときに、以下の条件式(9)を満たすことが必要になる。
ω2>ω2max
2×θ2-α2>ω2max・・・(9)
条件式(9)は、第Jの偏向面53で偏向される主光線LD2が、走査方向において中心像高712よりもプラス側を走査していること、すなわち中心像高712の走査を終えていることを示している。ここで、第Jの偏向面53の法線角度はθ2=θ1-360°/N×(J-1)であることを考慮し、θ1=ρ1+ω0、α1=-α2、ω1min=-ω2max、の夫々を条件式(9)に代入して以下のように変形すると、条件式(10)が導出される。
2×(θ1-360°/N×(J-1))-(-α1)>ω2max
2×(ρ1+ω0-360°/N×(J-1))+α1>-ω1min
α1>-2×(ρ1+ω0-360°/N×(J-1))-ω1min
α1>-2×(ρ1+ω0)+2×360°/N×(J-1)-ω1min・・・(10)
さらに、第Jの偏向面53で偏向される主光線LD2によるマイナス側の最軸外像高714の走査が開始するまでに、第1の偏向面52で偏向される主光線LD1によるプラス側の最軸外像高710の走査が終了している必要がある。言い換えると、第1の偏向面52に主光線LD1が入射し始め、第1の偏向面52による主光線LD1の偏向が開始するとき、すなわちθ1=ρ1-ω0となったときに、以下の条件式(11)を満たすことが必要になる。
ω2<ω2min
2×θ2-α2<ω2min・・・(11)
条件式(11)は、第Jの偏向面53で偏向される主光線LD2が、走査方向において最軸外像高714よりもマイナス側を走査していること、すなわち最軸外像高714の走査を開始する前であることを示している。条件式(9)と同様に、条件式(11)に各値を代入して以下のように変形すると、条件式(12)が導出される。
2×(θ1-360°/N×(J-1))-(-α1)<ω2min
2×(ρ1-ω0-360°/N×(J-1))+α1<-ω1max
α1<-2×(ρ1-ω0-360°/N×(J-1))-ω1max
α1<-2×(ρ1-ω0)+2×360°/N×(J-1)-ω1max・・・(12)
以上より、第1の条件を満足するためには、上記の条件式(6)、(7)、(8)、(10)、及び(12)を満たせばよい。
(第2条件)
第2の条件は、第1の偏向面52により偏向された主光線LD1がω1minからω1maxまでの範囲を走査している最中に、第Jの偏向面53により偏向された主光線LD2がω2minからω2maxまでの範囲を走査していないことである。言い換えると、第Jの偏向面53により偏向された主光線LD2がω2minからω2maxまでの範囲を走査している最中に、第1の偏向面52により偏向された主光線LD1がω1minからω1maxまでの範囲を走査していないことである。これらは、時分割走査を実現するための条件を示している。
まず、第1の偏向面52で偏向される主光線LD1がプラス側の最軸外像高710を走査するタイミングに、第Jの偏向面53で偏向される主光線LD2がマイナス側の最軸外像高714よりも外側を走査していることが必要になる。すなわち、第1の偏向面52の法線角度がθ1max=(ω1max+α1)/2となったとき、上記の条件式(11)を満たすことが必要になる。よって、条件式(11)に各値を代入して以下のように変形すると、条件式(13)が導出される。
2×θ1max-2×360°/N×(J-1)-(-α1)<ω2min
(ω1max+α1)-2×360°/N×(J-1)+α1<-ω1max
α1<-ω1max+360°/N×(J-1)・・・(13)
また、第Jの偏向面53で偏向される主光線LD2によるマイナス側の最軸外像高714の走査が開始するタイミングに、第1の偏向面52で偏向される主光線LD1がプラス側の最軸外像高710よりも外側を走査していることが必要になる。この条件は、上述したように、主光線LD1及び主光線LD2が基準面9に対して対称な方向から偏向器5に入射する場合、条件式(13)と同じになる。
以上より、第2の条件を満足するためには、上記の条件式(13)を満たせばよい。
なお、設計の制約などにより、条件式(13)を満たすように構成することができない場合は、第1の光束が第2の領域72に入射すること、及び第2の光束が第1の領域71に入射することを抑制するための遮光部材を設ければよい。具体的には、第1の偏向面52から第2の領域72へ向かう第1の光束を遮光し、かつ第Jの偏向面53から第1の領域71へ向かう第2の光束を遮光することができる遮光部材を設ければよい。これにより、条件式(13)を満たさない場合にも、第1及び第2の光束が被走査面7に同時に到達することを抑制することが可能になる。
遮光部材の位置や形状については、不要な光束を遮光することができる構成であれば、特に限定されるものではない。例えば、基準面9に平行な遮光面を有する遮光部材を偏向器5と被走査面7との間に設ける場合、被走査面7の近傍における基準面9と重なる位置や、中心像高に向かう光束の各結像光学系における出射位置の近傍などに配置すればよい。
(第3条件)
第3の条件は、第1の偏向面52により偏向された主光線LD1がω1minからω1maxまでの範囲を走査している最中に、主光線LD2が第Jの偏向面53により反射されて光路を逆行しないことである。言い換えると、第Jの偏向面53により偏向された主光線LD2がω2minからω2maxまでの範囲を走査している最中に、主光線LD1が第1の偏向面52により反射されて光路を逆行しないことである。
主光線LD1及び主光線LD2の夫々が、xy平面に平行な方向から偏向器5に入射する場合、各主光線の入射方向が各偏向面に垂直になる(正対する)タイミングに光源1が発光すると、各主光線が光路に沿って逆行し光源1に戻ってしまう。このように、光源1に入射する光(戻り光)が生じると、光源1の発光動作が不安定になり、発光量が安定しなくなるということが知られている。この課題は、光源1が半導体レーザである場合に顕著になる。このため、各主光線と各偏向面とが正対するタイミングには発光しないように光源1を制御する必要がある。
そこで、主光線LD1によるω1minからω1maxまでの範囲の走査中に、主光線LD2と第Jの偏向面53とが正対しないための条件について説明する。上述したように、第1の偏向面52の法線角度はθ1=(ω1+α1)/2であるため、上記の条件式(5)は以下の条件式(14)に変形できる。
(ω1min+α1)/2<θ1<(ω1max+α1)/2・・・(14)
また、θ2=θ1-360°/N×(J-1)、すなわちθ1=θ2+360°/N×(J+1)であり、α2=-α1であることを考慮すると、条件式(14)は以下の条件式(15)及び(16)に分割できる。
(ω1min+α1)/2<θ2+360°/N×(J-1)<(ω1max+α1)/2⇔
θ2>(ω1min+α1)/2-360°/N×(J-1)・・・(15)
θ2<(ω1max+α1)/2-360°/N×(J-1)・・・(16)
すなわち、条件式(15)及び(16)を満たす場合に、主光線LD1によるω1minからω1maxまでの範囲の走査が行われることになる。ここで、主光線LD2と第Jの偏向面53とが正対しないための条件はθ2≠α2=-α1であるため、α2が条件式(15)及び(16)を満たさないように構成すればよい。すなわち、第3の条件を満足するためには、以下の条件式(17)又は(18)の何れかを満たせばよい。
α2=-α1<(ω1min+α1)/2-360°/N×(J-1)⇔
α1>(2×360°/N×(J-1)-ω1min)/3・・・(17)
α2=-α1>(ω1max+α1)/2-360°/N×(J-1)⇔
α1<(2×360°/N×(J-1)-ω1max)/3・・・(18)
なお、条件式(17)及び(18)を満たさない場合は、副走査断面内において主光線LD1及び主光線LD2の夫々が偏向器5に斜入射する構成(副走査斜入射系)を採ればよい。これにより、各主光線と各偏向面とが正対するタイミングに光源1を発光させた場合にも、光源1に入射する戻り光を低減することができる。このとき、主光線LD1及び主光線LD2の各偏向面に対する入射角(xy平面に対する角度)をβ1及びβ2とすると、β1及びβ2の値を十分に大きくすることで、戻り光を発生させなくすることも可能である。
このとき、主光線LD1及び主光線LD2の夫々を、回転軸51に垂直な平面に対して互いに同じ側から偏向器5に入射させることが望ましい。この構成により、各光束を偏向器5に斜入射させることにより生じる、被走査面7における副走査方向の印字位置(印字高さ)のずれを低減することができる。印字高さのずれを大幅に低減するためには、主光線LD1及び主光線LD2の入射角をβ1=β2となるように設定することがより好ましい。
一方、主光線LD1及び主光線LD2の夫々を、回転軸51に垂直な平面に対して互いに異なる側から偏向器5に入射させる構成を採った場合、印字高さのずれが大きくなってしまう。この場合は、主光線LD1及び主光線LD2による印字のタイミングをずらすことにより、印字高さのずれを補正することができる。
以上、本実施形態に係る光走査装置100は、カスケード走査方式を採用しつつ、装置全体の小型化及び簡素化を実現している。
次に、本実施形態に係る光走査装置100の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
以下、本発明の実施例1に係る光走査装置110について説明する。本実施例に係る光走査装置110において、上述した実施形態に係る光走査装置100と同等の構成については説明を省略する。
本実施例に係る光走査装置110は、第1及び第2の結像光学系61,62の夫々を構成する結像素子(結像レンズ)が、互いに一体的に形成されているという点で、上述した実施形態に係る光走査装置100とは異なる。具体的に、第1及び第2の結像光学系61,62は、互いに一体的に形成された第1及び第2の結像素子から成る。なお、第1及び第2の結像素子の夫々は、基準面9に対して互いに対称な光学面を含んでいる。
図4は本実施例に係る光走査装置110の要部概略図であり、図5は図4の一部を拡大したものである。光走査装置110は、光源1、カップリングレンズ(コリメータレンズ)2、絞り3、分離素子(光路分離素子)41、シリンダレンズ(シリンドリカルレンズ)42、反射素子(折り返しミラー)8、偏向器5、及び結像光学系6を備えている。なお、本実施例において、第1の光束が印字位置711に向かうときの偏向器5における偏向点は、回転軸51からx軸方向に2.359mm離れている。
本実施例において、光源1から出射した光束は、カップリングレンズ2により収束度が変えられて平行光束に変換された後、絞り3により規制されることで光束幅が決定される。絞り3には2つの開口が設けられているため、共通の光源1から出射した光束に2つの開口を通過させることで、第1及び第2の光束を生成することができる。絞り3を通過した後、第1の光束は分離素子41に入射し、第2の光束は分離素子41を介さずに反射素子8に入射する。分離素子41は、主走査断面内においては第1の光束の進行方向を変えるプリズムの役割を果たしており、これにより第1及び第2の光束の光路を分離することができる。
分離素子41により偏向された第1の光束はそのまま偏向器5に入射し、反射素子8により反射された第2の光束はシリンダレンズ42を介して偏向器5に入射する。分離素子41の出射面及びシリンダレンズ42の入射面は、副走査断面内において屈折力(曲率)を有するシリンドリカル面である。この各シリンドリカル面によって、第1及び第2の光束が副走査断面内で集光されることで、偏向器5の基準面9に対して両側の偏向面の夫々の近傍に線像が形成される。
このように、本実施例では、1つの光源から出射した光束より第1及び第2の光束を生成する構成を採っており、光源1、カップリングレンズ2、及び絞り3を第1及び第2の光束で共用しているため、各部材を複数設ける必要がない。これにより、部品点数を少なくして、装置全体の小型化を実現することができる。
なお、分離素子41により第1及び第2の光束を分離することができるのであれば、必要に応じて第2の光束が分離素子41を通過するように構成してもよい。その際、シリンダレンズ42の代わりに、分離素子41によって第2の光束を副走査断面内で集光させるようにしてもよい。また、分離素子41をハーフミラーなどで構成し、分離された第1及び第2の光束の光路の夫々にシリンダレンズを設けてもよい。このとき、分離素子41によって第1及び第2の光束を生成することができるため、絞り3の代わりに、第1及び第2の光束の光路の夫々に1つの開口が設けられた絞りを配置してもよい。
本実施例に係る偏向器5は、4つの偏向面を有する回転多面鏡(ポリゴンミラー)であり、不図示の駆動部(モータ)の駆動力により一定速度で回転しながら第1及び第2の光束を偏向することで、被走査面7の有効領域を主走査方向に走査する。なお、偏向器5としては、5つ以上の偏向面を有する回転多面鏡を採用してもよい。
偏向器5により偏向された第1及び第2の光束の夫々は、結像光学系6が有する第1及び第2の結像光学系61,62によって、被走査面7の有効領域における第1及び第2の領域71,72に導光される。本実施例に係る第1及び第2の結像光学系61,62は、上述した実施形態とは異なり、互いに一体的に形成された複合素子(複合レンズ)である。よって、本実施例では、第1及び第2の結像光学系61,62をプラスチックモールドレンズとして一体成形することができるため、上述した実施形態と比較して部品点数を削減し、装置全体の製造及び組み立ての工数を低減することが可能になる。
本実施例に係る光走査装置110の設計例を表1乃至5に示す。ただし、各表においては、光源1から第1の領域71までの光路中の各光学部材を第1光学系とし、光源1から第2の領域72までの光路中の各光学部材を第2光学系としている。また、表2,4における角度α1,α2の夫々は、偏向器5に入射するときの第1及び第2の光束とx軸とのなす角度を示している。
Figure 0007009058000001
Figure 0007009058000002
Figure 0007009058000003
Figure 0007009058000004
Figure 0007009058000005
次に、本実施例に係る各光学面(レンズ面)の面形状について説明する。
本実施例に係るカップリングレンズ2、分離素子41、シリンダレンズ42、第1の結像光学系61、及び第2の結像光学系62の夫々の入射面及び出射面の面頂点を含む主走査断面内での形状(母線形状)は、以下の式で表される。ここでは、各光学面の面頂点と各光軸との交点を原点とし、光軸方向の軸をX軸、主走査断面内においてX軸と直交する軸をY軸、X軸及びY軸に直交する軸をZ軸、としたローカル座標系XYZを定めている。
Figure 0007009058000006
但し、Rは光軸上における主走査断面内での曲率半径(母線曲率半径)であり、k,B,B,B,B,B10,B12,B14,B16は主走査断面内での非球面係数である。なお、非球面係数B~B16は、各光軸(X軸)の両側で(Y軸方向におけるプラス側とマイナス側とで)互いに数値を異ならせてもよい。これにより、母線形状を光軸に対して主走査方向に非対称な形状とすることができる。本実施例に係る第1及び第2の結像光学系61,62の各光学面の主走査断面内での形状は、表3,5に示す通り12次までの項を含む非球面形状となっている。
表3おける各係数について、添え字uはY軸方向におけるプラス側(光源1と同じ側)を示し、添字lはY軸方向におけるマイナス側(光源1とは反対側)を示している。添え字u及びlが付いていない係数は、両側で共通の係数である。
また、本実施例に係る第1及び第2の結像光学系61,62の入射面及び出射面の、主走査方向の各位置における副走査断面内での形状(子線形状)は、以下の式で表される。なお、子線形状は、主走査方向における各位置(各像高)での母線上の面法線を含む主走査断面に垂直な断面内での面形状と言い換えることができる。
Figure 0007009058000007
なお、mi_jは副走査断面内での非球面係数である。また、r´は、主走査方向において光軸からYだけ離れた位置における副走査断面内での曲率半径(子線曲率半径)を示しており、以下の式で表される。
Figure 0007009058000008
但し、rは光軸上での子線曲率半径であり、E,E,E,E,E10,E12,E14,E16は子線変化係数である。子線変化係数E~E16をY軸方向におけるプラス側とマイナス側とで互いに異なる数値とすることで、子線形状の非球面量を主走査方向において非対称に設定することができる。なお、上記式は偶数項のみを含んでいるが、必要に応じて奇数項を加えてもよい。
また、子線形状Sの式におけるZの1次の項は、副走査断面内でのレンズ面のチルト量(子線チルト量)に寄与する項である。よって、Y軸方向におけるプラス側での非球面係数m0_1u~m16_1uとマイナス側での非球面係数m0_1l~m16_1lとを互いに異なる数値とすることで、子線チルト量を主走査方向において非対称に変化させることができる。
本実施例に係る第1及び第2の結像光学系61,62は、主走査断面内において、偏向器5により偏向された光束が被走査面7を非等速で走査するように、すなわちfθ特性(等速特性)を満たさないように構成されている。各結像光学系にfθ特性を持たせるためには、主走査断面内での光学面の形状を、軸上像高と軸外像高とで大きく異ならせる必要がある。ここで、各結像光学系を偏向器5に近づけ過ぎると、主走査断面内における光学面の形状変化が急峻になり、コマ収差が増大してしまう。よって、各結像光学系の光学性能とfθ特性とを両立するためには、各結像光学系を偏向器5からある程度離して配置する必要がある。
これに対して、本実施例では、被走査面7において光束が等速性を満たさないような走査特性を第1及び第2の結像光学系61,62に持たせている。これにより、各結像光学系の光学性能を保ちつつ、各結像光学系をより偏向器5に近接して配置することを可能にし、各結像光学系及び装置全体の更なる小径化を実現している。また、この構成により、各結像光学系の設計自由度を高めることができるという効果も得られる。
本実施例に係る各結像光学系の走査特性は、偏向器5による走査角度(偏向角度)をθ、走査角度θで偏向された光束の被走査面7での主走査方向の集光位置(像高)をY[mm]、軸上像高での結像係数をK[mm]、とするとき以下の式(19)で表される。
Y=K×θ+P×θ・・・(19)
集光位置Yは、絶対座標系xyzにおける位置ではなく、ローカル座標系XYZでの位置を示している。すなわち、第1の光束の集光位置Yは、第1の結像光学系61の光軸610と被走査面7との交点711からの距離を示し、第2の光束の集光位置Yは、第2の結像光学系の光軸620と被走査面7との交点713からの距離を示す。
また、結像係数Kは、各結像光学系に平行光束が入射する場合の走査特性であるfθ特性:Y=fθにおけるfに相当する係数(Kθ係数)であり、fθ特性を平行光束以外の光束に対して拡張するための係数である。すなわち、結像係数Kは、各結像光学系に平行光束を含むあらゆる収束度を持つ光束が入射する場合に、集光位置Yと走査角度θとを比例関係にするための係数である。本実施例においては、各結像光学系に平行光束が入射しているため、結像係数Kは各結像光学系の光軸上での焦点距離に等しくなる。
なお、式(19)におけるPは、本実施例に係る第1及び第2の結像光学系61,62の走査特性を決定するための係数(走査特性係数)である。表1に示す通り、本実施例においてはP=9である。例えば、P=0のときは、式(19)はY=Kθとなりfθ特性に相当するが、P≠0のときは、式(19)は集光位置Yと走査角度θとが比例関係にならない走査特性となる。
ここで、式(19)を走査角度θで微分すると、以下の式(20)に示すように、被走査面7での光束の走査角度θに対する走査速度が得られる。
dY/dθ=K+3P×θ・・・(20)
さらに、式(20)を軸上像高における速度dY(0)/dθ=Kで除すると、以下の式(21)に示すようになる。
(dY/dθ)/K=1+3P×θ/K・・・(21)
式(21)は、軸上像高に対する各軸外像高での等速性のずれ量、すなわち軸上像高での部分倍率に対する軸外像高での部分倍率のずれ量(部分倍率ずれ)を表している。本実施例に係る光走査装置110は部分倍率を有するため、P≠0の場合は、軸上像高と軸外像高とで光束の走査速度が異なることになる。つまり、軸外像高における走査位置(単位時間あたりの走査距離)は部分倍率ずれに応じて間延びしてしまうため、この部分倍率ずれを考慮せずに被走査面7を光走査した場合は、被走査面7に形成される像の劣化(印字性能の劣化)を招いてしまう。
そこで、本実施例においては、不図示の制御部により、P≠0の場合に部分倍率ずれに応じて光源1の発光の制御、具体的には光源1の変調タイミング(発光タイミング)及び変調時間(発光時間)の制御を行っている。これにより、被走査面7における走査位置及び走査時間を電気的に補正することができるため、部分倍率ずれ及び像の劣化を補正し、fθ特性を満たす場合と同様に良好な印字性能を得ることが可能になる。
以下の表6に、本実施例に係る光走査装置110が、上記の各条件式を満たしているかどうかの判定結果を示す。光走査装置110は、上述した第1の条件及び第2の条件に関する各条件式を全て満たしている。また、光走査装置110は、副走査斜入射系ではないが、条件式(17)を満たしているため第3の条件を満足している。
Figure 0007009058000009
以上、本実施例に係る光走査装置110は、各光学部材の夫々を単一化した構成を採ることで、従来の構成と比較して部品点数を削減し、装置全体の更なる小型化及び簡素化を実現することができる。
[実施例2]
以下、本発明の実施例2に係る光走査装置120について説明する。本実施例に係る光走査装置120において、上述した実施例1に係る光走査装置110と同等の構成については説明を省略する。
図6は本実施例に係る光走査装置120の要部概略図である。本実施例に係る光走査装置120は、第1及び第2の結像光学系61,62の夫々が複数の結像素子から成るという点で、実施例1に係る光走査装置110とは異なる。また、光走査装置120の各設計値も光走査装置110とは異なり、光走査装置120の走査画角は光走査装置110の走査画角よりも大きくなっている。
本実施例に係る光走査装置120の設計例を表7乃至11に示す。
Figure 0007009058000010
Figure 0007009058000011
Figure 0007009058000012
Figure 0007009058000013
Figure 0007009058000014
本実施例に係る光走査装置120は、実施例1に係る光走査装置110よりも走査画角が大きい構成を採っているため、光軸方向における光路長をより短縮して小型化を実現することができる。
以下の表12に、本実施例に係る光走査装置120が、上記の各条件式を満たしているかどうかの判定結果を示す。光走査装置120は、上述した第1の条件及び第2の条件に関する各条件式を全て満たしている。また、光走査装置120は、条件式(17)及び(18)を何れも満たしていないが、表7及び9に示す通り副走査斜入射系(β1≠0、β2≠0)であるため第3の条件を満足している。
Figure 0007009058000015
[画像形成装置]
図7は、本発明の実施形態に係る画像形成装置104の要部概略図(副走査断面図)である。画像形成装置104は、上述した実施形態に係る光走査装置(光走査ユニット)100を備えている。
図7に示すように、画像形成装置104には、パーソナルコンピュータ等の外部機器117から出力されたコードデータDcが入力される。このコードデータDcは、装置内のプリンタコントローラ111によって、画像データ(ドットデータ)Diに変換され、光走査ユニット100に入力される。そして、この光走査ユニット100からは、画像信号Diに応じて変調された光束103が出射され、この光束103によって感光ドラム101の感光面(被走査面)が主走査方向に走査される。なお、プリンタコントローラ111は、前述したデータの変換だけでなく、後述するモータ105などの画像形成装置内の各部の制御を行う。
静電潜像担持体(感光体)としての感光ドラム101は、モータ105によって時計廻りに回転させられる。そして、この回転に伴って、感光ドラム101の感光面が光束103に対して副走査方向に移動する。感光ドラム101の上方には、感光面を一様に帯電させる帯電ローラ102が感光面に当接するように設けられている。そして、帯電ローラ102によって帯電した感光面上に、光走査ユニット100からの光束103が照射されるように構成されている。
上述したように、光束103は画像信号Diに基づいて変調されており、この光束103を照射することによって感光面上に静電潜像が形成される。この静電潜像は、光束103の照射位置よりもさらに感光ドラム101の回転方向の下流側で感光面に当接するように配設された現像器107によって、トナー像として現像される。
現像器107によって現像されたトナー像は、感光ドラム101の下方で、感光ドラム101と対向するように配設された転写ローラ(転写器)108によって、被転写材としての用紙112上に転写される。用紙112は感光ドラム101の前方(図7において右側)の用紙カセット109内に収納されているが、手差しでも給紙が可能である。用紙カセット109端部には、給紙ローラ106が配設されており、これにより用紙カセット109内の用紙112が搬送路へ送り込まれる。
未定着トナー像が転写された用紙112は、さらに感光ドラム101後方(図7において左側)の定着器へと搬送される。定着器は、内部に定着ヒータ(不図示)を有する定着ローラ113と、この定着ローラ113に圧接するように配設された加圧ローラ114とで構成されている。この定着器は、転写ローラ108から搬送されてきた用紙112を定着ローラ113と加圧ローラ114との圧接部にて加圧しながら加熱することにより、用紙112上の未定着トナー像を定着させる。さらに、定着ローラ113の後方には排紙ローラ115が配設されており、トナー像が定着された用紙112は画像形成装置104の外に排出される。
なお、光走査ユニット100、感光ドラム101、及び現像器107の夫々を複数設けることにより、画像形成装置104をカラー画像形成装置としてもよい。例えば、上述した実施例1又は2に係る光走査装置を4つ設けることにより、並行して4つの感光ドラムに画像情報を記録するカラー画像形成装置を実現することができる。また、例えばCCDセンサやCMOSセンサ等のラインセンサを備えたカラー画像読取装置を、外部機器117として画像形成装置104に接続することにより、カラーデジタル複写機を構成してもよい。
[変形例]
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
例えば、各結像光学系を構成する結像素子の数は、上述した各実施例におけるものに限らず、適宜選択し得るものである。また、各実施例においては、光源が1つの発光点のみを有するシングルビームレーザであるとして説明したが、光源として複数の発光点を有するモノリシックマルチビームレーザを採用してもよい。なお、各実施例では、簡単のために、光源の発光タイミングを同期検知する同期検知系についての説明は省略したが、既知の同期検知系を設けることで光源の発光タイミングを制御するように構成してもよい。
1 光源
5 偏向器
7 被走査面
41 分離素子
61 第1の結像光学系
62 第2の結像光学系
71 第1の領域
72 第2の領域

Claims (13)

  1. 共通の光源から出射する第1及び第2の光束を互いに分離する分離素子と、
    前記第1及び第2の光束を偏向して共通の被走査面の有効領域を主走査方向に走査する偏向器と、
    該偏向器により偏向された前記第1及び第2の光束の夫々を、前記有効領域の主走査方向において互いに異なる第1及び第2の領域に導光する第1及び第2の結像光学系とを備え、
    前記第1及び第2の光束の夫々は、前記偏向器の回転軸に垂直かつ前記偏向器の偏向面を通る平面に対して互いに同じ側から、前記偏向器における互いに異なる偏向面に入射しており、
    前記偏向器は、前記第1及び第2の領域を互いに異なるタイミングで走査することを特徴とする光走査装置。
  2. 前記有効領域において、前記偏向器の回転軸を含み主走査方向に垂直な基準面に対して、前記第1の領域は前記第1の光束が前記偏向器に入射する側の領域であり、前記第2の領域は前記第2の光束が前記偏向器に入射する側の領域であることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記第1及び第2の光束は、前記第1及び第2の領域を互いに同じ方向に走査することを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
  4. 前記偏向器の回転軸に垂直な平面に投影された前記第1及び第2の光束は、前記回転軸を含み主走査方向に垂直な基準面に対して、互いに対称な方向から前記偏向器に入射することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の光走査装置。
  5. 主走査断面内において、前記偏向器に入射するときの前記第1の光束の主光線と前記基準面とのなす角度をα1、前記偏向器の外接円と前記主光線との交点をP1i、該交点P1iと前記外接円の中心とを結ぶ直線と前記基準面とのなす角度をρ1、前記有効領域における前記第1の光束の側の最軸外像高に入射するときの前記主光線と前記基準面とのなす角度をω1max、前記有効領域における中心像高に入射するときの前記主光線と前記基準面とのなす角度をω1minとし、前記偏向器における偏向面の数をN、ω0=180°/N、2≦J≦Nを満たす整数をJとするとき、
    α1>(ρ1-ω0)×2-ω1min
    α1<(ρ1+ω0)×2-ω1max
    α1>ω1max
    α1>-2×(ρ1+ω0)+2×360°/N×(J-1)-ω1min
    α1<-2×(ρ1-ω0)+2×360°/N×(J-1)-ω1max
    なる条件を満たすことを特徴とする請求項4に記載の光走査装置。
  6. 主走査断面内において、前記偏向器に入射するときの前記第1の光束の主光線と前記基準面とのなす角度をα1、前記有効領域における前記第1の光束の側の最軸外像高に入射するときの前記主光線と前記基準面とのなす角度をω1maxとし、前記偏向器における偏向面の数をN、2≦J≦Nを満たす整数をJとするとき、
    α1<-ω1max+360°/N×(J-1)
    なる条件を満たすことを特徴とする請求項4又は5に記載の光走査装置。
  7. 前記第2の領域へ向かう前記第1の光束を遮光し、前記第1の領域へ向かう前記第2の光束を遮光する遮光部材を備えることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の光走査装置。
  8. 前記第1及び第2の結像光学系は、互いに一体的に形成された第1及び第2の結像素子を有することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の光走査装置。
  9. 前記分離素子は、前記第1の光束を副走査断面内において集光する光学面を含むことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の光走査装置。
  10. 前記分離素子を介さずに入射する前記第2の光束を反射して前記偏向器に導光する反射素子を備えることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の光走査装置。
  11. 前記第1の領域における軸上像高と軸外像高とで光束の走査速度が異なり、かつ前記第2の領域における軸上像高と軸外像高とで光束の走査速度が異なることを特徴とする請求項1乃至1の何れか一項に記載の光走査装置。
  12. 請求項1乃至1の何れか一項に記載の光走査装置と、該光走査装置により被走査面に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像された前記トナー像を被転写材に転写する転写器と、転写された前記トナー像を前記被転写材に定着させる定着器とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項1乃至1の何れか一項に記載の光走査装置と、外部機器から出力されたコードデータを画像信号に変換して前記光走査装置に入力するプリンタコントローラとを備えることを特徴とする画像形成装置。
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