JP7007674B2 - 鉄筋コンクリート床版の補強構造及び補強方法 - Google Patents

鉄筋コンクリート床版の補強構造及び補強方法 Download PDF

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Description

本発明は、鉄筋コンクリート床版の疲労耐久性を向上させるための鉄筋コンクリート床版の補強構造及びその補強方法に関する。
従来から、繰り返し動的荷重が載荷される場所に用いられ、脆性破壊的な剥離状せん断力に対して優れた耐久性を示すものとして、特許文献1に開示されるRC構造物が提案されている。また、電気化学的防食手段を用いて鉄筋防食を図り、且つその防食手段の取替更新を簡単に行って鉄筋腐食の促進を半永久的に防止するものとして、特許文献2に開示される鉄筋防食法が提案されている。
特許文献1に開示されるRC構造物は、裏面両端が支持されて、表面側から動的荷重が繰り返し載荷される場所に用いられるものであり、裏面側を支持する支点から表面側の荷重位置に向けて斜め上方向に剥離状せん断力が加えられるせん断領域を有して、あらかじめスパン方向に鉄筋が埋設されるものである。
特許文献2に開示される鉄筋防食法は、既設のコンクリートの欠陥部のコンクリートを取り除いて形成された鉄筋露出凹部で、露出する鉄筋に導電線の一端を接続するとともに、導電線の他端が防食用具の設置空間に引き出されるように鉄筋露出凹部に修復材料を装填して、防食用具の設置空間内に防食用具を取替可能に据え付けるものである。
特開2005-97939号公報 特開2003-129671号公報
しかし、特許文献1に開示されたRC構造物は、せん断耐力を向上させる目的でFRP端部にアンカーボルトが挿入されるものであるが、アンカーボルト自体が腐食するおそれがあるという問題点があった。また、特許文献1に開示されたRC構造物は、FRPとアンカーボルト等との接着によって曲げ耐力の向上を図るものであるため、接着箇所において付着力が不十分なものとなることで、曲げ耐力が十分に向上しないものとなるという問題点があった。
さらに、特許文献2に開示された鉄筋防食法は、各々の防食用具が、既設のコンクリートや修復材料の内部に設けられて、既設のコンクリートや修復材料が、薄板状に層状破壊するものとなるため、複数の防食用具を離散的に設置してもせん断耐力が低下するおそれがあるだけでなく、層状破壊した薄板状の既設のコンクリートや修復材料の補強を別途検討しなければならないという問題点があった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、鉄筋コンクリート床版の疲労耐久性を向上させることのできる鉄筋コンクリート床版の補強構造及びその補強工法を提供することにある。
第1発明に係る鉄筋コンクリート床版の補強構造は、繰り返し動的荷重として表面から輪荷重が作用する鉄筋コンクリート床版の層状破壊に対する疲労耐久性を向上させるための鉄筋コンクリート床版の補強構造であって、前記鉄筋コンクリート床版は、平板状に形成されたコンクリートと、前記コンクリート内部で、前記コンクリートの面内方向に延びて設けられた鉄筋と、前記鉄筋及び前記表面と略直交する方向で、前記コンクリートの面外方向に延びて裏面から先端部が突出して設けられた棒部材と、を備え、前記棒部材は、前記鉄筋を卑の電位に電子分極させる陽極材として鉄よりイオン化傾向が大きい金属材料からなり、前記コンクリートの面内方向に突出する複数の節部を有するとともに、前記鉄筋コンクリート床版の裏面から突出した前記先端部で前記鉄筋コンクリート床版の外部の裏面側で外部電源のプラス極と電気的に接続可能とされ、前記鉄筋コンクリート床版には、外部から面内方向で離散的に前記鉄筋に達する孔が削孔され、前記孔を介して前記鉄筋が前記外部電源のマイナス極と電気的に接続可能とされていることを特徴とする。
発明に係る鉄筋コンクリートの補強方法は、り返し動的荷重として表面から輪荷重が作用する鉄筋コンクリート床版の層状破壊に対する疲労耐久性を向上させるための鉄筋コンクリート床版の補強方法であって、前記鉄筋コンクリート床版は、平板状に形成されたコンクリートと、前記コンクリート内部で、前記コンクリートの面内方向に延びて設けられた鉄筋と、前記鉄筋及び前記表面と略直交する方向で、前記コンクリートの面外方向に延びて裏面から先端部が突出して設けられた棒部材と、を備え、前記棒部材は、前記鉄筋を卑の電位に電子分極させる陽極材として鉄よりイオン化傾向が大きい金属材料からなり、前記コンクリートの面内方向に突出する複数の節部を有し、前記コンクリートにコア部を設けて、前記コア部に前記棒材を挿入して充填材を充填して前記コンクリートの裏面から先端部が突出した状態で前記棒材を前記コンクリートに設置する挿入工程を行うとともに、前記鉄筋コンクリート床版の外部の裏面側で前記棒材の前記先端部に外部電源のプラス極と電気的に接続し、前記鉄筋コンクリート床版には、外部から面内方向で離散的に前記鉄筋に達する孔を削孔して、前記孔を介して前記鉄筋が前記外部電源のマイナス極と電気的に接続し、前記鉄筋を、卑の電位に電子分極させて防食する防食工程を、車両が通過しない前記鉄筋コンクリート床版の裏面側の空間で実行可能に前記棒材で前記鉄筋コンクリート床版を補強することを特徴とする。
第1発明及び第2発明によれば、コンクリートの内部で、輪荷重が載荷される表面と略直交する方向に延びて設けられることで、繰り返し動的荷重が載荷される場所に用いられる鉄筋コンクリート床版の層状破壊に対する疲労耐久性を向上させることが可能となる。
本発明を適用した鉄筋コンクリートの補強構造が導入される鉄筋コンクリート床版を示す斜視図である。 本発明を適用した鉄筋コンクリートの補強構造が導入されるボックスカルバートや地下トンネルを示す斜視図である。 本発明を適用した鉄筋コンクリート床版の補強構造が導入されるコンクリートを示す正面図である。 本発明を適用した鉄筋コンクリート床版の補強構造が導入されるコンクリートを示す平面図である。 本発明を適用した鉄筋コンクリートの補強構造を示す拡大正面図である。 本発明を適用した鉄筋コンクリートの補強工法の挿入工程を示す拡大正面図である。 本発明を適用した鉄筋コンクリートの補強工法の防食工程を示す拡大正面図である。 本発明を適用した鉄筋コンクリートの補強構造で層状破壊後のコンクリートに棒部材が設けられた状態を示す拡大正面図である。 本発明を適用した鉄筋コンクリートの補強構造で鉄筋コンクリート床版を対象とした輪荷重によるコンクリートの疲労耐久性とたわみとの関係を示すグラフである。
以下、本発明を適用した鉄筋コンクリート床版の補強構造1を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した鉄筋コンクリート床版の補強構造1は、図1に示すように、主に、道路橋等で通行車両等の輪荷重が作用する鉄筋コンクリート床版55等のコンクリート5に導入される。また、本発明を適用した鉄筋コンクリートの補強構造1は、図2に示すように、地下水路等で自重等による持続荷重、又は、地震力による衝撃荷重等が作用するボックスカルバート50や地下トンネル50の頂板51、側壁板52等のコンクリート5に導入されてもよい。
コンクリート5は、図1に示すように、鉄筋コンクリート床版55として用いられて、又は、図2に示すように、ボックスカルバート50、地下トンネル50の頂板51、側壁板52として用いられる。コンクリート5は、図1、図2に示すように、面内方向Xに延びて略平板状に形成されて、例えば、面外方向Yに10cm~40cm程度の板厚となり、コンクリート5の内部で面内方向Xに延びて配設される複数の鉄筋6を有する。
ここで、鉄筋コンクリート床版55、ボックスカルバート50又は地下トンネル50の頂板51、側壁板52は、道路橋や地下水路等が海洋沿岸域等に設けられることで、コンクリート5に塩害の発生が懸念されるものとなり、コンクリート5の内部に配設された鉄筋6が腐食するような環境下に置かれるものとなる。本発明を適用した鉄筋コンクリートの補強構造1は、コンクリート5の内部に配設される複数の鉄筋6が塩害により腐食するおそれがある場合であっても、鉄筋6の腐食によるコンクリート5の損壊を抑制するために導入される。
本発明を適用した鉄筋コンクリート床版の補強構造1は、図3、図4に示すように、略平板状に形成されたコンクリート5に設けられる略円形状等のコア部2と、コア部2に挿入されてコンクリート5の内部に設けられるチタン等の棒部材3とを備える。本発明を適用した鉄筋コンクリート床版の補強構造1は、主に、既設のコンクリート5にコア部2が形成されるものであるが、これに限らず、新設のコンクリート5にコア部2が形成されてもよい。
コア部2は、図3に示すように、ドリル等のコンクリート削孔用器具等が用いられることで、コンクリート5の表面5aから裏面5bまで、コンクリート5の面外方向Yに貫通するように、断面略円形状等に削孔されて複数形成される。コア部2は、コンクリート5を面外方向Yに貫通して設けられるものに限らず、コンクリート5の表面5a又は裏面5bから面外方向Yに貫通することなく設けられてもよい。各々のコア部2は、コンクリート5の内部に配設された鉄筋6と干渉しないように形成されるものであり、図4に示すように、面内方向Xに隣り合ったコア部2との間で、互いに所定のピッチDを空けて形成されるものとなる。
棒部材3は、図3に示すように、コンクリート5に形成された複数のコア部2の各々に1箇ずつ挿入されることで、コンクリート5の内部で面外方向Yに延びて複数設けられる。各々の棒部材3は、図4に示すように、コンクリート5の内部に配設された鉄筋6と干渉しないように設けられるものであり、面内方向Xに隣り合った棒部材3との間で、互いに所定のピッチDを空けて設けられるものとなる。
棒部材3は、コンクリート5の内部に配設された鉄筋6が腐食するような環境下で、コンクリート5の内部で面内方向Xに延びて配設される鉄筋6と略直交する方向で、図3に示すように、コンクリート5の面外方向Yに延びて設けられる。棒部材3は、コンクリート5の内部に配設された鉄筋6を、卑の電位に電子分極させる陽極材として設けられるものであり、例えば、アルミニウム、チタン、亜鉛等を材質として、鉄を材質とする鉄筋6よりイオン化傾向が大きい金属材料が用いられる。
棒部材3は、図5に示すように、コンクリート5の面外方向Yに延びるように略棒状に形成されて、コンクリート5の裏面5b側に配置される先端部3aと、コンクリート5の表面5a側に配置される基端部3bとを有する。棒部材3は、先端部3aから基端部3bまでの外面において、コンクリート5の面外方向Yに所定の間隔を空けて、コンクリート5の面内方向Xに突出する複数の節部30が形成されて、コア部2の内面との間に充填材4が充填される。
棒部材3は、コンクリート5の裏面5b側に配置される先端部3aに、棒部材3の金属材料と電気的に接続させた配線7が設けられる。棒部材3は、コンクリート5の裏面5b側から、コンクリート5の外部に先端部3aを露出又は突出等させることで、先端部3aに接続された配線7がコンクリート5の外部に設けられる。棒部材3は、コンクリート5の外部において、面内方向Xに隣り合った棒部材3と互いの配線7を連結させるものとなる。
棒部材3は、コンクリート5の外部において、面内方向Xに隣り合った棒部材3の配線7を連結させるとともに、コンクリート5の外部から、コンクリート5の内部の鉄筋6に、配線7が接続される。棒部材3は、コンクリート5の内部の表面5a側及び裏面5b側で、面外方向Yの2段に亘って設けられた各々の鉄筋6に、コンクリート5の外部から配線7が接続されて、必要に応じて、配線7の途中の区間に直流電源装置等の外部電源8が設けられる。
配線7は、外部電源8のプラス極が棒部材3の先端部3aに接続されるとともに、外部電源8のマイナス極が鉄筋6に接続箇所70で接続される。配線7は、コンクリート5を内部まで部分的に削孔等することで、コンクリート5の外部から、鉄筋6の接続箇所70まで連続するように設けられる。配線7は、複数の棒部材3に対して1箇の接続箇所70が設けられるものとなるように、各々の鉄筋6に対して面内方向Xで離散的に接続箇所70が設けられる。
充填材4は、所定の時間を経過することで硬化する経時硬化性材料が用いられるものであり、例えば、コンクリート、モルタル、又は、樹脂材等が用いられる。充填材4は、棒部材3をコア部2に挿入させた状態で、コンクリート5の表面5a側又は裏面5b側から、コア部2の内部に充填されて、コア部2の内部に充填されてから所定の時間を経過することで、コア部2の内部で硬化するものとなる。
本発明を適用した鉄筋コンクリートの補強工法は、図6、図7に示すように、鉄筋6の腐食によるコンクリート5の損壊を抑制するために用いられるものであり、コア部2に棒部材3を挿入する挿入工程と、コンクリート5の内部に配設された鉄筋6を卑の電位に電子分極させるものとする防食工程とを備える。
挿入工程では、図6に示すように、最初に、コンクリート5の表面5a又は裏面5bから、ドリル等のコンクリート削孔用器具等で削孔することで、略平板状に形成されたコンクリート5に、コンクリート5に断面略円形状等のコア部2を設ける。
挿入工程では、次に、コンクリート5に設けたコア部2に、コンクリート5の表面5a又は裏面5bから、アルミニウム、チタン、亜鉛等の棒部材3を挿入して、コンクリート5の裏面5b側で、コンクリート5の外部に棒部材3の先端部3aを露出又は突出等させる。挿入工程では、コンクリート5の外部に棒部材3の先端部3aを露出又は突出等させなくてもよい。
防食工程では、図7に示すように、コンクリート5の内部で面内方向Xに延びて配設される鉄筋6と略直交する方向で、コンクリート5の面外方向Yに延びるようにして、コンクリート5の内部でコア部2に挿入された棒部材3を設けるものとなる。
防食工程では、次に、充填材4をコア部2の内部に充填して硬化させるとともに、棒部材3の先端部3aに接続された配線7をコンクリート5の外部に設けて、コンクリート5の外部において、面内方向Xに隣り合った棒部材3と互いの配線7を連結させる。なお、防食工程では、コンクリート5の外部に棒部材3の先端部3aを露出又は突出等させない場合に、棒部材3の先端部3aに接続された配線7がコンクリート5の内部に埋め込まれるものとなる。
防食工程では、最後に、コンクリート5を内部まで部分的に削孔等して、コンクリート5の外部から、鉄筋6への接続箇所70まで配線7が連続するように設けられて、鉄筋6と棒部材3との電位差を利用して鉄筋6に防食電流を流すことで、流電陽極方式により、コンクリート5の内部に配設された鉄筋6を、卑の電位に電子分極させるものとなる。
防食工程では、これに限らず、図5に示すように、配線7の途中の区間に直流電源装置等の外部電源8が設けられて、外部電源8のプラス極を棒部材3の先端部3aに接続するとともに、外部電源8のマイナス極を鉄筋6に接続することで、外部電源方式により、コンクリート5の内部に配設された鉄筋6を、卑の電位に電子分極させるものとされてもよい。
本発明を適用した鉄筋コンクリート床版の補強工法は、既設又は新設のコンクリート5に用いることで、本発明を適用した鉄筋コンクリート床版の補強構造1が、既設又は新設のコンクリート5を補強するために導入されるものとなる。
ここで、コンクリート5は、輪荷重、持続荷重又は衝撃荷重等の外力の作用による押し抜きせん断破壊や、遅れせん断破壊、地震力の作用によるせん断破壊が生じるおそれがある。また、コンクリート5は、図8に示すように、コンクリート5の内部に配設される複数の鉄筋6が塩害により腐食することで、面内方向Xに延びる鉄筋6に沿った破断面Sが、コンクリート5の表面5a側又は裏面5b側に形成されて、コンクリート5が層状に損壊するおそれがある。
図9は、鉄筋コンクリート床版55を対象とした場合において、輪荷重によるコンクリート5の疲労耐久性と、コンクリート5のたわみとの関係を示すものである。このとき、図9の実線は、コンクリート5が層状に損壊する前の段階で、層状破壊前の鉄筋コンクリート床版55の疲労耐久性を示すものであり、また、図9の破線は、コンクリート5が層状に損壊した後の段階で、層状破壊後の鉄筋コンクリート床版55の疲労耐久性を示すものである。鉄筋コンクリート床版55は、コンクリート5が層状に損壊する前後で、層状破壊後の疲労耐久性が、層状破壊前の疲労耐久性の1/8~1/10程度に低下するものとなる。
これに対して、本発明を適用した鉄筋コンクリート床版の補強構造1は、図9の一点鎖線に示すように、複数の棒部材3のピッチDを300mmとしたときに、鉄筋コンクリート床版55の疲労耐久性が、層状破壊前の疲労耐久性の1/3程度となるとともに、図9の二点鎖線に示すように、複数の棒部材3のピッチDを150mmとしたときに、鉄筋コンクリート床版55の疲労耐久性が、層状破壊前の疲労耐久性の2/3程度となる。
鉄筋コンクリート床版55は、コンクリート5の内部において棒部材3が設けられない場合に、層状破壊後の疲労耐久性が、層状破壊前の疲労耐久性の1/8~1/10程度に低下するものとなるのに対して、コンクリート5の内部において棒部材3が面外方向Yに延びて設けられる場合に、層状破壊前の疲労耐久性の1/3~2/3程度に低下するものとなり、棒部材3がコンクリート5の内部で面外方向Yに延びて設けられることで、コンクリート5のたわみの進行が全体的に遅くなって、層状破壊後の疲労耐久性を、2.7倍~6.7倍程度まで向上させたものとなる。
本発明を適用した鉄筋コンクリートの補強構造1は、図5、図7に示すように、コア部2に棒部材3が挿入されて、コンクリート5の内部に棒部材3が設けられることで、コンクリート5の内部に配設された鉄筋6を、卑の電位に電子分極させるものとなる。このとき、本発明を適用した鉄筋コンクリートの補強構造1は、コンクリート5の内部に配設された鉄筋6の電極反応の進行を抑制して、鉄筋6の腐食速度を大幅に低減させることができるものとなる。
これにより、本発明を適用した鉄筋コンクリート床版の補強構造1は、コンクリート5の内部において棒部材3が面外方向Yに延びて設けられることで、コンクリート5の層状破壊後の疲労耐久性を向上させることが可能となり、また、コンクリート5の層状破壊後の疲労耐久性を向上させるための棒部材3を陽極材としてそのまま利用して、コンクリート5の内部に配設された鉄筋6の腐食速度を大幅に低減させて、鉄筋6の腐食の進行を抑制することで、コンクリート5の層状破壊後の疲労耐久性を向上させた状態を長期間維持させることが可能となる。
本発明を適用した鉄筋コンクリートの補強構造1は、図8に示すように、特に、棒部材3の先端部3aに接続された配線7が、コンクリート5の外部で連結されて、鉄筋6への接続箇所70を1箇所に設けることで足りるものとなって、コンクリート5の内部で多数箇所に棒部材3の配線7が設けられないものとなり、コンクリート5の内部の配線7によりコンクリート5のせん断耐力が低下することを回避することが可能となる。
本発明を適用した鉄筋コンクリート床版の補強構造1は、コンクリート5を削孔して形成されたコア部2にモルタル等の充填材4が充填されるだけでなく、コンクリート5が層状に損壊することで形成された破断面Sがモルタル等の充填材4で補修されることで、コア部2の充填材4による充填部41と、破断面Sの充填材4による補修部40とが設けられるとともに、コア部2の充填部41と、破断面Sの補修部40とに亘って、棒部材3が架設して設けられる。
本発明を適用した鉄筋コンクリート床版の補強構造1は、特に、コンクリート5の内部において棒部材3が面外方向Yに延びて設けられるとともに、コンクリート5の面内方向Xに突出する複数の節部30が、棒部材3の先端部3aから基端部3bまでの外面でコンクリート5の面外方向Yに所定の間隔を空けて形成されることで、コア部2の充填部41と、破断面Sの補修部40とが、棒部材3により面外方向Yで強固に連結されるものとなる。これにより、本発明を適用した鉄筋コンクリート床版の補強構造1は、コア部2の充填部41と、破断面Sの補修部40とが、棒部材3により面外方向Yで強固に連結されて、破断面Sの補修部40が剥離することを防止することで、コンクリート5が補修された状態を長期間維持させることが可能となる。
一般的に、コンクリート5の表面5a側においては、車両等が随時通過することで補修作業等の空間を確保することが困難であるものの、コンクリート5の裏面5b側においては、車両等が通過しないため、補修作業等の空間を確保することが比較的容易なものとなる。
このとき、本発明を適用した鉄筋コンクリート床版の補強工法は、コンクリート5の面外方向Yに棒部材3を設けるため、コンクリート5の補修作業等のときに、コンクリート5の裏面5b側から、棒部材3をコア部2に挿入することができるとともに、コンクリート5の裏面5b側の外部において、棒部材3の先端部3aに接続された配線7を連結させることができるものとなる。これにより、本発明を適用した鉄筋コンクリートの補強工法は、コンクリート5の裏面5b側で、挿入工程や防食工程を実施することができるものとなり、車両等の交通規制を極力回避して、コンクリート5の補修作業等を容易に施工することが可能となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
1 :鉄筋コンクリート床版の補強構造
2 :コア部
3 :棒部材
3a :先端部
3b :基端部
30 :節部
4 :充填材
40 :補修部
41 :充填部
5 :コンクリート
5a :表面
5b :裏面
50 :ボックスカルバート、地下トンネル
51 :頂板
52 :側壁板
55 :鉄筋コンクリート床版
6 :鉄筋
7 :配線
70 :接続箇所
8 :外部電源
X :面内方向
Y :面外方向

Claims (2)

  1. 繰り返し動的荷重として表面から輪荷重が作用する鉄筋コンクリート床版の層状破壊に対する疲労耐久性を向上させるための鉄筋コンクリート床版の補強構造であって、
    前記鉄筋コンクリート床版は、平板状に形成されたコンクリートと、
    前記コンクリート内部で、前記コンクリートの面内方向に延びて設けられた鉄筋と、
    前記鉄筋及び前記表面と略直交する方向で、前記コンクリートの面外方向に延びて裏面から先端部が突出して設けられた棒部材と、
    を備え、
    前記棒部材は、前記鉄筋を卑の電位に電子分極させる陽極材として鉄よりイオン化傾向が大きい金属材料からなり、前記コンクリートの面内方向に突出する複数の節部を有するとともに、前記鉄筋コンクリート床版の裏面から突出した前記先端部で前記鉄筋コンクリート床版の外部の裏面側で外部電源のプラス極と電気的に接続可能とされ、
    前記鉄筋コンクリート床版には、外部から面内方向で離散的に前記鉄筋に達する孔が削孔され、前記孔を介して前記鉄筋が前記外部電源のマイナス極と電気的に接続可能とされていること
    を特徴とする鉄筋コンクリート床版の補強構造。
  2. 繰り返し動的荷重として表面から輪荷重が作用する鉄筋コンクリート床版の層状破壊に対する疲労耐久性を向上させるための鉄筋コンクリート床版の補強方法であって、
    前記鉄筋コンクリート床版は、平板状に形成されたコンクリートと、
    前記コンクリート内部で、前記コンクリートの面内方向に延びて設けられた鉄筋と、
    前記鉄筋及び前記表面と略直交する方向で、前記コンクリートの面外方向に延びて裏面から先端部が突出して設けられた棒部材と、
    を備え、
    前記棒部材は、前記鉄筋を卑の電位に電子分極させる陽極材として鉄よりイオン化傾向が大きい金属材料からなり、前記コンクリートの面内方向に突出する複数の節部を有し、
    前記コンクリートにコア部を設けて、前記コア部に前記棒材を挿入して充填材を充填して前記コンクリートの裏面から先端部が突出した状態で前記棒材を前記コンクリートに設置する挿入工程を行うとともに、前記鉄筋コンクリート床版の外部の裏面側で前記棒材の前記先端部に外部電源のプラス極と電気的に接続し、
    前記鉄筋コンクリート床版には、外部から面内方向で離散的に前記鉄筋に達する孔を削孔して、前記孔を介して前記鉄筋が前記外部電源のマイナス極と電気的に接続し、前記鉄筋を、卑の電位に電子分極させて防食する防食工程を、車両が通過しない前記鉄筋コンクリート床版の裏面側の空間で実行可能に前記棒材で前記鉄筋コンクリート床版を補強すること
    を特徴とする鉄筋コンクリート床版の補強方法。
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