JP7007582B2 - テンショナ - Google Patents

Description

本発明は、走行するチェーンやベルト等に適正張力を付与するテンショナに関する。

従来、チェーン等の張力を適正に保持するためにテンショナを用いることが慣用されており、例えば、エンジンルーム内のクランク軸とカム軸の夫々に設けたスプロケット間に無端懸回したローラチェーン等の伝動チェーンをテンショナレバーによって摺動案内を行なうチェーンガイド機構において、チェーン等の張力を適正に保持するために、テンショナによってテンショナレバーを付勢するものが公知である。

このようなチェーンガイド機構に用いられる公知のテンショナとして、図１２に示すように、後方側に開口したプランジャ穴５２２を有するプランジャ５２０と、プランジャ５２０を収容する前方側に開口したプランジャ収容穴５３１を有するハウジング５３０と、圧油室５１１内のオイル圧が高まった時に圧油室５１１のオイルをプランジャ５２０外にリリーフするリリーフ機構５５０と、プランジャ５２０およびプランジャ収容穴５３１の間に形成される圧油室５１１に伸縮自在に収納されてプランジャ５２０を前方側に向けて付勢するメインスプリング５６０とを備えたテンショナ５１０が知られている（例えば特許文献１を参照）。

この特許文献１に記載のテンショナ５１０では、プランジャ５２０の底部に、圧油室５１１に連通する圧力通路５２４と、圧力通路５２４とプランジャ５２０の外部とを連通する流出口５２３と、圧力通路５２４の前方側に形成されたばね収容室５２５とが形成され、また、リリーフ機構５５０が、圧力通路５２４に摺動自在に嵌挿される弁体５５１と、ばね収容室５２５内に配置されて弁体５５１を圧油室５１１側に向けて付勢するリリーフスプリング５５２とから構成されている。
そして、このテンショナ５１０では、圧油室５１１内のオイル圧が高まった際に、リリーフスプリング５５２の付勢力に抗して弁体５５１が前方側に向けて移動し、圧力通路５２４が流出口５２３と連通して、流出口５２３からオイルがリリーフされる。
このようなテンショナ５１０では、プランジャ５２０の構造が複雑となり、加工精度が要求され、組み立ても複雑となるという問題があった。

そこで、リリーフバルブをユニット化してプランジャ内に挿入するようにし、プランジャにはリリーフされたオイルを外部に排出する外部リリーフ孔を設けることで、プランジャの構造を簡素化し、組み立てを容易としたものが公知である（例えば特許文献２等参照。）。
この特許文献２に記載のテンショナ６１０では、図１３（特許文献２のＦＩＧ．１の一部）に示すように、プランジャ６２０（１６）の前方側にリリーフバルブユニット６５１（４８）が挿入されており、リリーフバルブユニット６５１（４８）のキャップ部材６５６に設けられたオイルリーク部６７１と、プランジャ６２０（１６）の前方側に開口した外部リリーフ孔６２３（１６ｂ）が直接接続されて、リリーフされたオイルがプランジャ６２０（１６）前方から外部に排出されるように構成されている。

特開２００１－１２５６９号公報 国際特許公開２０１６／１０９１６５号公報

ところが、特許文献２に記載のテンショナ６１０では、組み立て時にプランジャ６２０（１６）の前方側にリリーフバルブユニット６５１（４８）を圧入して固定する場合、圧入規格を満足するために、プランジャ６２０（１６）の内径とキャップ部材６５６の外径に高い加工精度が必要となる。
また、リリーフバルブユニット６５１（４８）を円滑に挿入し、プランジャ６２０（１６）内の先端部で圧入するため、圧入部分より後方の内径を大きくする必要があり、内径を２段階で加工しなければならず、加工工数も増加する。
また、リリーフバルブユニット６５１（４８）を圧入した際、圧入部のプランジャ６２０（１６）の外径が膨らんでしまうため、組み立て後に外径研磨を行なう必要があるとともに、プランジャ６２０（１６）の側壁の厚さを薄くすることが困難であった。

そこで、本発明は、これらの問題点を解決するものであり、構造が簡単で、組み立てが容易であり、かつ、リリーフバルブユニットの圧入時のプランジャの変形を抑制し、組み立て後に外径研磨を行なう必要がなく、プランジャの側壁の厚さを薄くすることが可能なテンショナを提供することを目的とするものである。

本発明は、後方側に開口したプランジャ穴を有するプランジャと、前記プランジャを収容する前方側に開口したプランジャ収容穴を有するハウジングと、前記プランジャを前方側に向けて付勢するメイン付勢手段と、前記圧油室内のオイル圧が高まった時に前記圧油室内のオイルを前記プランジャ外にリリーフするリリーフ機構とを備えたテンショナであって、前記リリーフ機構は、前記プランジャ穴の前方側に挿入されるリリーフバルブユニットと、前記プランジャ穴の前記リリーフバルブユニットのリリーフ側空間と前記プランジャの外部を連通させる外部リリーフ孔とを備え、前記リリーフ機構は、前記リリーフバルブユニットの外周と前記プランジャ穴の内周の間に位置して前記リリーフバルブユニットを前記プランジャ穴の前方側に固定する樹脂製の固定部材を有し、前記固定部材が、前記リリーフバルブユニットとは独立した部材で構成され、前記圧油室と前記リリーフバルブユニットのリリーフ側空間との間でオイルの通過を許容するリリーフ部を有することにより、前記課題を解決するものである。

本請求項１に係る発明によれば、圧油室内のオイル圧が上昇した時に、オイル圧によってバルブ部材を圧油室側から離間する方向に移動させ、バルブ部材と区画部との間を通して、圧油室からリリーフ空間に向けてオイルをリリーフできるばかりでなく、以下に記載の効果を奏する。
すなわち、本請求項１に係る発明では、リリーフ機構は、リリーフバルブユニットの外周とプランジャ穴の内周の間に位置してリリーフバルブユニットをプランジャ穴の前方側に固定する樹脂製の固定部材を有することにより、リリーフバルブユニットを圧入することなく、樹脂製の固定部材のみを圧入すればよく、組み立て時に簡単に挿入することができるとともに、リリーフバルブユニットの外周、および、プランジャ穴の内周に高い加工精度を必要とせず、加工工数を削減することができる。
また、プランジャの変形が防止され、プランジャを薄くすることができ軽量化を図ることができるとともに、組み立て後に外径研磨を行なうことなくプランジャの形状精度を確保することが可能となる。
さらに、圧油室とリリーフバルブユニットのリリーフ側空間との間でオイルの通過を許容するリリーフ部を有することにより、リリーフバルブ以外にオリフィス状のオイルリリーフ経路を設けることができる。

本請求項２に係る構成によれば、固定部材が、リリーフバルブユニットに外嵌し、プランジャ穴に圧入可能な環状に形成されていることにより、リリーフバルブユニットをプランジャ穴内の中心に、確実に固定することが可能となるとともに、リリーフバルブユニット外周からのオイルのリークを確実にコントロールすることが可能となる。
本請求項３に係る構成によれば、固定部材が、リリーフバルブユニットを保持する保持部と、メイン付勢手段の端部を受けるバネ座部と、メイン付勢手段の内部まで延びる延長バー部とを有することにより、延長バー部によって圧油室内の容積が減少し、オイル供給開始時に圧油室にオイルがない状態でも、速やかに圧油室にオイルを充填できる。

本請求項４に係る構成によれば、リリーフ部が、プランジャ穴の内周と当接する面に設けられたリーク溝であることにより、固定部材の外面に単純な構造の溝を設けるだけで、オリフィス状のオイルリリーフ経路を設けることができる。
本請求項５に係る構成によれば、リリーフバルブユニットは、シート部材と、シート部材の内部に収容されるバルブボールと、バルブボールを付勢するスプリングと、スプリングを保持するとともにバルブボールの移動範囲を規制するストッパ部材と、シート部材に嵌合してシート部材内部にストッパ部材を保持するキャップ部材とを有し、キャップ部材が、リリーフされたオイルをリリーフ側空間に排出するオイルリーク部を有することにより、オイルリーク部はプランジャの外部リリーフ孔に繋がる空間と連通していればよく中心軸上に設ける必要がない。
このことで、リリーフしたオイルを中心に向かわせるためのオイル経路を確保する必要がなく、ストッパ部材の構造を単純化でき、構造が簡単で、組み立ても容易となり、かつ、流路抵抗も少なくリーク時の圧力開放を円滑に行なうことができる。
本請求項６に係る構成によれば、リリーフバルブユニットの少なくとも一部が、樹脂材料からなることにより、形状の自由度が向上するとともに、軽量化され、リリーフバルブユニットの組み立てがさらに容易となるとともに、最適なオイル経路に設計することができ、さらに流路抵抗も少なくリーク時の圧力開放を円滑に行なうことができる。

本発明の第１実施形態に係るテンショナの断面図。 本発明の第１実施形態に係るテンショナのプランジャの断面図。 図２の固定部材の斜視図。 図２の固定部材の別角度の斜視図。 本発明の第１実施形態に係るテンショナの固定部材の変形例の斜視図。 図５の固定部材の別角度の斜視図。 本発明の第１実施形態に係るテンショナの固定部材の他の変形例の斜視図。 図７の固定部材の別角度の斜視図。 本発明の第２実施形態に係るテンショナのプランジャの断面図。 図９の固定部材の斜視図。 図９の固定部材の断面図。 従来のテンショナを示す断面図。 従来の他のテンショナを示す断面図。 テンショナを組み込んだタイミングシステムを示す説明図。

以下に、本発明の第１実施形態に係るテンショナについて、図面に基づいて説明する。
まず、テンショナ１１０は、自動車エンジンのタイミングシステム等に用いられるチェーン伝動装置に組み込まれるものであり、図１４に示すように、エンジンブロック（図示しない）に取り付けられ、複数のスプロケットＳ１～Ｓ３に掛け回された伝動チェーンＣＨの弛み側にテンショナレバーＧを介して適正な張力を付与し、走行時に生じる振動を抑止するものである。
テンショナ１１０は、図１に示すように、後方側に開口したプランジャ穴１２２を有するプランジャ１２０と、プランジャ１２０を収容する前方側に開口したプランジャ収容穴１３１を有するハウジング１３０と、ハウジング１３０の底部側に配置されるチェックバルブ１４０と、圧油室１１１内のオイル圧が高まった時に圧油室１１１内のオイルをプランジャ１２０外にリリーフするリリーフ機構１５０と、プランジャ１２０およびプランジャ収容穴１３１の間に形成される圧油室１１１に伸縮自在に収納されてプランジャ１２０を前方側に向けて付勢するメインスプリング（メイン付勢手段）１６０とを備えている。

チェックバルブ１４０は、オイル供給孔１３３を通じて外部から圧油室１１１へのオイルの流入を許容するとともに、オイル供給孔１３３からのオイルの流出を防止するもので、プランジャ収容穴１３１の底部に密着して配置されたボールシート１４１と、ボールシート１４１に密着可能に着座する球状のチェックボール１４２と、チェックボール１４２の前方に配置されチェックボール１４２の移動を規制するリテーナ１４３とから構成されている。
なお、チェックボール１４２をボールシート１４１側に向けて付勢するボールスプリングをチェックボール１４２とリテーナ１４３との間に配置してもよい。
なお、ハウジング１３０は簡略的に図示し、プランジャ１２０の外周に設けられたラチェット歯に係合するラチェット爪等の詳細な構成は割愛した。

第１実施形態に係るテンショナ１１０のプランジャ１２０は、図２に示すように、リリーフ機構１５０として、プランジャ穴１２２の前方側に挿入されるリリーフバルブユニット１５１と、リリーフバルブユニット１５１のリリーフ側空間１２６とプランジャ１２０の外部を連通させる外部リリーフ孔１２３とを備えている。
外部リリーフ孔１２３は、プランジャ１２０の径方向の外周面側に開口している
リリーフバルブユニット１５１は、シート部材１５２と、シート部材１５２の内部に収容されるバルブボール１５３と、バルブボール１５３を付勢するスプリング１５４と、スプリング１５４を保持するとともにバルブボール１５３の移動範囲を規制するストッパ部材１５５と、シート部材１５２に嵌合してシート部材１５２内部にストッパ部材１５５を保持するキャップ部材１５６とを有している。
キャップ部材１５６は、リリーフされたオイルをリリーフ側空間１２６に排出する開口を有している。

リリーフバルブユニット１５１の外周とプランジャ穴１２２の内周の間には、リリーフバルブユニット１５１をプランジャ穴１２２の前方側に固定する樹脂製の固定部材１８０が配置されている。
固定部材１８０は、図３や図４に示すように、環状に形成され、リリーフバルブユニット１５１に外嵌し、弾性穴１８３により圧入時に変形可能な外方密着部１８１がプランジャ穴１２２に密着することで、リリーフバルブユニット１５１をプランジャ穴１２２の前方側に固定するように配置されている。
固定部材１８０の後方側は、組み立て後にメイン付勢手段であるスプリング１６０のバネ座部１８２として機能するように形成されている。
さらに、本実施形態では、固定部材１８０の外周側には複数のリーク溝１８４が形成されており、プランジャ穴１２２の内周との間にオリフィス効果で圧油室１１１内のオイル圧を開放可能なリーク経路を形成するように構成されている。

本実施形態のテンショナ１１０の組み立て時には、シート部材１５２にバルブボール１５３、スプリング１５４およびストッパ部材１５５をセットし、キャップ部材１５６をシート部材１５２に嵌合することで、リリーフバルブユニット１５１を一体化してハンドリングすることが可能となる。
リリーフバルブユニット１５１をプランジャ１２０内部に収容する際には、固定部材１８０をリリーフバルブユニット１５１に外嵌して挿入することで、リリーフバルブユニット１５１自体はプランジャ穴１２２の内周に圧入されず、固定部材１８０の外方密着部１８１のみが変形して、前方側までに挿入されて固定される。
このことで、軽い力でリリーフバルブユニット１５１をプランジャ１２０内部に収容でき、抜け落ちることがない。
また、固定部材１８０が樹脂製であり、かつ、弾性穴１８３を有していることで、圧入力によるプランジャ穴１２２の内壁に対する押圧力を小さくでき、プランジャ１２０を薄くすることが可能となり、軽量化を図ることができる。

本実施形態のテンショナ１１０の使用時で、圧油室１１１の圧力が所定上に高くなった際には、バルブボール１５３がスプリング１５４の押圧力に抗してシート部材１５２から離れて、リリーフバルブユニット１５１内のストッパ部材１５５の外周空間、キャップ部材１５６の開口、プランジャ穴１２２内のリリーフ側空間１２６、プランジャ１２０の外部リリーフ孔１２３を介して、圧力が外部に解放される。

また、本実施形態では、固定部材１８０の外周側に複数のリーク溝１８４が形成されており、リリーフバルブユニット１５１が作動する圧力以下での、リリーフバルブユニット１５１外周からのオイルのリークを、リーク溝１８４の形状でコントロールすることが可能となる。
例えば、図５や図６に示すように、固定部材１８０ｂにおけるリーク溝１８４ｂを螺旋方向に設けることで、リーク経路が長くなり、リリーフバルブユニット１５１外周からのオイルのリーク量を少量とすることも可能である。
また、リーク溝を省略することで、リリーフバルブユニット１５１外周からのオイルのリークをほぼゼロとしてもよく、逆に、広幅のリーク溝を設けたり、リーク溝を多く設けてリリーフバルブユニット１５１外周からのオイルのリーク量をさらに大きくすることも可能である。
これらのリーク量の設定は、樹脂製の固定部材１８０の形状を変更するだけで容易に行なうことが可能である。
また、図７や図８に示すように、固定部材１８０ｃを、外方密着部１８１ｃを外方に膨らませた形状とすることで、弾性穴１８３ｃのサイズや形状の自由度が大きくなり、撓み量を幅広く調整できる。
このことで、リーク溝１８４ｃのリーク量の設定の自由度も大きくなり、より細かく圧出入力を調整できる。

次に、本発明の第２実施形態に係るテンショナについて、図面に基づいて説明する。
なお、第１実施形態と同様の部分は省略する。
第２実施形態に係るテンショナのプランジャ１２０ｄは、図９、図１０、図１１に示すように、樹脂製の固定部材１８０ｄは、リリーフバルブユニット１５１を保持する保持部１８８ｄと、メイン付勢手段であるスプリング１６０の端部を受けるバネ座部１８２ｄと、スプリング１６０の内部まで延びる延長バー部１８５ｄとを備えている。
延長バー部１８５ｄには、保持されるリリーフバルブユニット１５１までオイルを誘導するオイル通路１８６ｄが設けられている。

本実施形態では、延長バー部１８５ｄによって圧油室内の容積が減少し、オイル供給開始時に圧油室にオイルがない状態でも、速やかに圧油室にオイルを充填できる。
なお、外方密着部１８１ｄに設けられるリーク溝１８４ｄは、第１実施形態と同様にリーク量の設計に応じて任意に設計変更可能である。

以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
例えば、上述した実施形態では、テンショナ１１０が自動車エンジン用のタイミングシステムに組み込まれるものとして説明したが、テンショナ１１０の具体的用途はこれに限定されない。
また、上述した実施形態では、テンショナ１１０がテンショナレバーＧを介して伝動チェーンＣＨに張力を付与するものとして説明したが、プランジャ１２０の先端で直接的に伝動チェーンＣＨの摺動案内を行い、伝動チェーンＣＨに張力を付与するようにしてもよい。

さらに、伝動チェーンＣＨによる伝動機構に限らず、ベルト、ロープ等の類似の伝動機構に適用されてもよく、長尺物に張力を付与することが求められる用途であれば、種々の産業分野において利用可能である。
また、上述した実施形態では、プランジャ１２０を収容するハウジング１３０が、エンジンブロック等に取り付けられる所謂テンショナボディであるものとして説明したが、ハウジング１３０の具体的態様は、上記に限定されず、テンショナボディに形成されたボディ穴内に挿入される円筒状の所謂スリーブであってもよい。

１１０ ５１０、６１０ ・・・ テンショナ
１１１ ５１１ ・・・ 圧油室
１２０、５２０、６２０ ・・・ プランジャ
１２２、５２２、６２２ ・・・ プランジャ穴
１２３、 ６２３ ・・・ 外部リリーフ孔
５２３ ・・・ 流出口
５２４ ・・・ 圧力通路
５２５ ・・・ ばね収容室
１２６ ・・・ リリーフ側空間
１３０、５３０、６３０ ・・・ ハウジング
１３１、５３１、６３１ ・・・ プランジャ収容穴
１３３ ・・・ オイル供給孔
１４０ ・・・ チェックバルブ
１４１ ・・・ ボールシート
１４２ ・・・ チェックボール
１４３ ・・・ リテーナ
１５０、５５０ ・・・ リリーフ機構
１５１、 ６５１ ・・・ リリーフバルブユニット
１５２、 ６５２ ・・・ シート部材
１５３、 ６５３ ・・・ バルブボール
１５４、 ・・・ スプリング（バルブ用付勢手段）
１５５、 ６５５ ・・・ ストッパ部材
１５６、 ６５６ ・・・ キャップ部材
５５１ ・・・ 弁体
５５２ ・・・ リリーフスプリング
１６０、５６０、６６０ ・・・ スプリング（メイン付勢手段）
１８０ ・・・ 固定部材
１８１ ・・・ 外方密着部
１８２ ・・・ バネ座部
１８３ ・・・ 弾性穴
１８４ ・・・ リーク溝
１８５ ・・・ 延長バー部
１８６ ・・・ オイル通路
１８８ ・・・ 保持部
Ｓ１～Ｓ３ ・・・ スプロケット
ＣＨ ・・・ 伝動チェーン
Ｇ ・・・ テンショナレバー

Claims (6)

1. 後方側に開口したプランジャ穴を有するプランジャと、前記プランジャを収容する前方側に開口したプランジャ収容穴を有するハウジングと、前記プランジャを前方側に向けて付勢するメイン付勢手段と、前記圧油室内のオイル圧が高まった時に前記圧油室内のオイルを前記プランジャ外にリリーフするリリーフ機構とを備えたテンショナであって、
   前記リリーフ機構は、前記プランジャ穴の前方側に挿入されるリリーフバルブユニットと、前記プランジャ穴の、前記リリーフバルブユニットのリリーフ側空間と前記プランジャの外部を連通させる外部リリーフ孔とを備え、
   前記リリーフ機構は、前記リリーフバルブユニットの外周と前記プランジャ穴の内周の間に位置して前記リリーフバルブユニットを前記プランジャ穴の前方側に固定する樹脂製の固定部材を有し、
   前記固定部材が、前記リリーフバルブユニットとは独立した部材で構成され、前記圧油室と前記リリーフバルブユニットのリリーフ側空間との間でオイルの通過を許容するリリーフ部を有することを特徴とするテンショナ。
2. 前記固定部材が、前記リリーフバルブユニットに外嵌し、前記プランジャ穴に圧入可能な環状に形成されていることを特徴とする請求項１に記載のテンショナ。
3. 前記固定部材が、前記リリーフバルブユニットを保持する保持部と、前記メイン付勢手段の端部を受けるバネ座部と、前記メイン付勢手段の内部まで延びる延長バー部とを有することを特徴とする請求項１に記載のテンショナ。
4. 前記リリーフ部が、前記プランジャ穴の内周と当接する面に設けられたリーク溝であることを特徴とする請求項３に記載のテンショナ。
5. 前記リリーフバルブユニットは、シート部材と、前記シート部材の内部に収容されるバルブボールと、前記バルブボールを付勢するスプリングと、前記スプリングを保持するとともに前記バルブボールの移動範囲を規制するストッパ部材と、前記シート部材に嵌合してシート部材内部に前記ストッパ部材を保持するキャップ部材とを有し、
   前記キャップ部材が、リリーフされたオイルを前記リリーフ側空間に排出するオイルリーク部を有することを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれかに記載のテンショナ。
6. 前記リリーフバルブユニットの少なくとも一部が、樹脂材料からなることを特徴とする請求項１乃至請求項５のいずれかに記載のテンショナ。

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