JP7007261B2 - アルブミン変異体及びコンジュゲート - Google Patents

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Description

本願はコンピューター読み取り可能な形式の配列表を含む。斯かるコンピューター読み取り可能な形式は援用により本明細書に組み込まれる。
本発明は、コンジュゲーション可能なアルブミン及びアルブミン関連ポリペプチド、それらと少なくとも1つの(例えば数個の)部分とのコンジュゲート、並びにそれらをコードするポリヌクレオチドに関する。
血清アルブミンは、生体活性分子に貴重な足場材料を提供する。この足場材料に生体活性分子は遺伝子融合または化学融合のいずれかにより融合されて融合分子の特性が向上することがある(Leger, R. et al. (2004), Bioorg Med Chem Lett 14(17): 4395-8; Thibaudeau, K., et al. (2005). Bioconjug Chem 16(4): 1000-8; Balan, V. et al. (2006), Antivir Ther 11(1): 35-45;欧州特許公開第0413622号;国際公開第90/13653号;欧州特許公開第1681304号;国際公開第1997/024445号)。アルブミンは約19日と血漿半減期が長く、この特性のため、薬物送達に用いることが提案されている。
ヒト血清アルブミン(human serum albumin:HSA)のポリペプチド分子鎖は35個のシステイン残基を有する。これらのシステイン残基は、17個のジスルフィド結合を形成し、成熟タンパク質(配列番号2)の34位に不対(遊離)システインを1個有する。システイン-34は分子をアルブミンに結合(conjugation)させるのに用いられており(Leger et al. (2004) Bioorg Med Chem Lett 14(17): 4395-8; Thibaudeau et al. (2005), Bioconjug Chem 16(4): 1000-8)、結合のための精密でよく定義された部位を提供する。しかしながら、システイン-34での結合は、単一部分の接合に1つの部位のみが提供されるので、結合部分の選択がない。また、単一結合部分の提供とは、1つの部分のみが各アルブミン分子に結合することができることを意味する。国際公開第2009/126920号及び国際公開第2010/059315号には、1つ以上(例えば数個の)の選択されたアルブミンの表面に露出したトレオニンまたはセリン残基をシステインで置換することが提案されている。しかしながら、このような変異体の実際の生成物は開示されていない。国際公開第2010/092135号には、3個以上(数個)のコンジュゲーション可能なシステイン残基(システイン-34及び少なくともさらに2個のシステイン残基)を含むアルブミン変異体、システイン-34が他のアミノ酸で置換されており、少なくともさらに3個の遊離システインを有する変異体が開示されている。
医薬品又はその前駆体は、一般に、均質な種として調製されて、品質制御を可能にする。HSAでは、34位の遊離システインは、9.5Åの深さを有する疎水性の間隙内に位置しており(Cornell CN, Chang R, Kaplan LJ. 1981. Arch. Biochem. Biophys. 209(1):1-6)、HSAのホモ二量化に関連するとは考えられていない。しかしながら、ポリペプチドの表面に露出したシステイン残基は、天然に生じる免疫グロブリンの重鎖と軽鎖との間の分子間ジスルフィド架橋のように安定した分子間ジスルフィド架橋を形成してもよい。望ましいのは、二量体または多量体を形成する傾向が低いシステイン残基を導入したアルブミン変異体を提供することである。
国際公開第2000/69902号には、薬学的に有益な化合物をHSAのシステイン-34に結合することが開示されている。また、このコンジュゲート(conjugate)はアルブミンの長い血漿半減期を維持していることが分かった。得られたコンジュゲートの血漿半減期は、一般に、有益な治療化合物のみの血漿半減期よりも相当長いものであった。さらに、アルブミンは、治療に有益なペプチドと遺伝子融合しており(国際公開第2001/79271号及び国際公開第2003/59934号)、典型的な結果として、この遺伝子融合は治療に有益なペプチドの活性及び治療に有益なペプチドのみの血漿半減期よりも相当長い血漿半減期を有していた。
アルブミンは、生体内でその受容体、新生児Fc受容体(FcRn)「ブランベル」(Brambell)に結合する。この相互作用は、アルブミンの血漿半減期に重要であることが知られている。FcRnは、多くの種類の細胞及び組織で発現する膜結合タンパク質である。FcRnは、アルブミンを細胞内分解から保護することが分かっている(Roopenian D. C. and Akilesh, S. (2007), Nat. Rev. Immunol 7, 715-725.)。FcRnは、ヒトなどの哺乳類の血漿中のIgG及びアルブミンを高い濃度で維持することに関与する二官能分子である。データによれば、IgG及びアルブミンはFcRnの異なる部位に非共同的に結合する(Andersen et al. (2006), Eur. J. Immunol 36, 3044-3051; Chaudhury et al. (2006), Biochemistry 45, 4983-4990)。Andersen et al. (2010), Journal of Biological Chemistry 285(7): 4826-36には、ヒトFcRn及びマウスFcRnのマウスアルブミン及びヒトアルブミンに対する親和性(すべての可能な組み合わせ)が記載されている。これらの種に由来するアルブミンの生理的pHでのこれらの受容体と結合は、いずれも観察されなかった。酸性のpHでは、結合親和性が100倍異なることが観察された。
アルブミンの主要FcRn受容体結合部分は、ドメインIII(DIII, 381-585)、(Andersen et al. (2010), Clinical Biochemistry 43, 367-372)内に位置する。主要アミノ酸残基の多くは、とりわけヒトアルブミンのヒスチジンH464、H510、及びH536ならびリシンK500の結合において重要であることが示された (Andersen et al. (2010), Nat. Commun. 3:610. DOI:10.1038/ncomms1607)。一般に、FcRnに対するアルブミンの親和性が高い程、その血漿半減期は長くなる。国際公開第2011/124718号には、FcRnに対する結合親和性が調節された変異体アルブミンの種類が開示されている。これらの変異体は、アルブミンの他のドメインを1つ以上(例えば数個)有するアルブミンのドメインIIIを含み、必要であれば1つ以上(例えば数個)の点変異を含む。国際公開第2012/059486号には、ドメインIIIのC-端末部分が、異なる動物種のアルブミンの対応する部分と交換されているアルブミンの変異体が開示されている。国際公開第2013/075066号、国際公開第2011/103076号、国際公開第2012/112188号、国際公開第2011/051489号、及び国際公開第2014/072481号には、アルブミンのFcRnに対する結合親和性を変化させるドメインIII内の点変異、又はそのような点変異の組み合わせが開示されている。
また、近年、ドメインI又はドメインIIに位置するアルブミンの様々なアミノ酸残基は、アルブミンのFcRnとの相互作用に影響を及ぼすことが分かった。国際公開第2013/135896号には、ドメインIに1つ以上(例えば数個)の変化及びドメインIIIに1つ以上(例えば数個)の変化を有するアルブミン変異体が開示されている。国際公開第2015/036579号には、ドメインIIに1つ以上(例えば数個)の変化を有するアルブミン変異体が開示されている。
本明細書において、一見して先に公開された文書のリスト又は議論は、必ずしもその文書が最先端技術の一部、或いは一般的な知識であると認識として解釈されるものではない。
導入された遊離システイン残基自体はアルブミンのFcRn結合に大きな影響を及ぼさないこと、或いは遊離システインと相手分子との結合がFcRn結合の立体障害にならないように配置された1つ以上(例えば数個)の導入されたシステイン残基を有するアルブミン変異体を提供することが望ましい。このようなことを考慮すると、単一のアルブミン変異体に2個以上の遊離システインの組み合わせを導入する際に予測できない効果の危険性を低減することができる。このような変異体ポリペプチドをさらに変性して、このポリペプチド又はそのコンジュゲートの血漿半減期を特定の用途に合わせるようにアルブミンのFcRnに対する結合親和性に影響を及ぼすことが知られている変化を含めてもよい。
本発明者等は、FcRnに結合するヒト血清アルブミン(human serum albumin:HSA)の3次元構造分析に基づき、1又は2以上の(例えば数個の)コンジュゲーション可能なシステイン残基を有するアルブミンの変異ポリペプチド(ムテイン)を設計した。本明細書において「チオアルブミン」(thio-albumin)という語は、1又は2以上の(例えば数個の)対を形成していないシステイン残基を含むアルブミン変異体、特に anin whichof the 斯かる対を形成していないシステイン残基のうち1又は2以上(例えば数個)がアルブミンの天然変異体には生じ得ないようなシステイン残基であるアルブミン変異体を意味する。即ち、チオアルブミンは、「コンジュゲーション可能なアルブミン」(conjugation-competent albumin)である。チオアルブミンは「アルブミンのシステイン変異体」という場合もある。より具体的に、本発明は、ヒトアルブミン、特に配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列の残基1~585、又はその断片と少なくとも60%同一のアミノ酸配列を含む、コンジュゲーション可能なポリペプチドであって、ここで配列番号2のK93、E294、A226、E230、I271、E358、L24、F49、V54、D56、L66、A92、Q94、E97、H128、F156、E227、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、L275、E277、L284、E311、K317、A322、E333、D340、E354、K359、A362、E382、及びL398から選択される位置に等しい少なくとも1つの位置が、コンジュゲーション可能なシステイン残基を含み;ここで好ましくは、前記のコンジュゲーション可能なポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向が、配列番号2のポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向の、少なくとも70%である、コンジュゲーション可能なポリペプチドに関する。
より好ましくは、前記ポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向が、配列番号2のポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向の少なくとも75%であると共に、K93、E294、A226、E230、I271、E358、L24、F49、V54、D56、A92、Q94、E97、H128、F156、E227、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、L275、L284、K317、A322、E333、D340、E354、K359、A362、E382、及びL398から選択される位置に等しい少なくとも1つの位置が、コンジュゲーション可能なシステイン残基を含む。
また、本発明は、前記定義のアミノ酸配列を含むと共に、配列番号2と比較して少なくとも1つの(例えば数個の)更なる修飾、例えば、前記ポリペプチドに少なくとも1つの(例えば数個の)更なるコンジュゲーション可能なシステインを付与する、又は前記ポリペプチドのFcRnに対する結合親和性を改変する、又は前記ポリペプチドの血漿中半減期を変更する更なる修飾を含む、コンジュゲーション可能なポリペプチドにも関する。また、本発明は、前記変異体をコードする単離されたポリヌクレオチド;前記ポリヌクレオチドを含む核酸コンストラクト、ベクター、及び宿主細胞;並びに、前記変異体を製造する方法にも関する。
また、本発明は、本発明に係る変異体アルブミン又はその断片と、有益な治療部分とを含むコンジュゲート又はアソシエイト、或いは、本発明の変異体アルブミン又はその断片と、融合パートナーポリペプチドとを含む融合ポリペプチドにも関する。
更に、本発明は、本発明に係る変異体アルブミン若しくはその断片、本発明に係る変異体アルブミン若しくはその断片を含む融合ポリペプチド、又は本発明に係る変異体アルブミン若しくはその断片を含むコンジュゲート若しくはアソシエイトを含む組成物にも関する。斯かる組成物として好ましくは医薬組成物である。
更に、本発明は、前記の変異体アルブミン若しくはその断片、前記の変異体アルブミン若しくはその断片を含む融合ポリペプチド、又は前記の変異体アルブミン若しくはその断片を含むコンジュゲート若しくはアソシエイトを含む医薬組成物にも関する。
また、本発明は、前記の変異体、断片、融合ポリペプチド、コンジュゲート、アソシエイト、ナノ粒子、及びマイクロ粒子の使用にも関する。
また、本発明は、前記の変異体アルブミン若しくはその断片、前記の変異体アルブミン若しくはその断片を含む融合ポリペプチド、又は前記の変異体アルブミン若しくはその断片を含むコンジュゲート若しくはアソシエイトを調製するための方法にも関する。
図1は以下の複数のアミノ酸配列を並べたものである。(i)完全な長さの成熟HSA(Hu_1_2_3)、(ii)HSAのドメインI及びドメインIIIを含むアルブミン変異体(Hu_1_3)、(iii)HSAのドメインII及びドメインIIIを含むアルブミン変異体(Hu_2_3)、(iv)完全な長さのアカゲザル(Macaca mulatta)アルブミン(Mac_mul)、(v)完全な長さのラット(Rattus norvegicus)アルブミン、及び(vi)完全な長さのマウス(Mus musculus)アルブミン。500位、550位、及び573位(完全な長さのHSAに対する)が矢印で示されている。 同上。
図2は、ヒト、ヒツジ、マウス、ウサギ、及びヤギ由来の成熟アルブミンのアミノ酸配列、及びチンパンジー(「Chimp」)、マカク、ハムスター、モルモット、ラット、ウシ、ウマ、ロバ、イヌ、ニワトリ、及びブタ由来の未成熟アルブミンのアミノ酸配列を複数並べたものである。成熟ヒトアルブミンについては、ドメイン1、2、及び3(Dockal et al (The Journal of Biological Chemistry, 1999, Vol. 274(41): 29303-29310)で定義された)の開始アミノ酸及び終止アミノ酸が示されている。 同上。 同上。 同上。
図3は、20種のアミノ酸の種類及び関係を示すベン図である。
図4Aは、遊離チオール基を含むタンパク質をマレイミド-PEG2-ビオチンでビオチン化する反応スキームであり、図4Bは、スキームAで形成されたコンジュゲートで起こりうる逆マイケル(retro-Michael)反応及びコハク酸イミド加水分解反応を概略的に示したものである。 図4Aでは、マレイミドは、チオール基と付加物を形成し、従って、コハク酸イミド部位はチオエーテル結合で形成される。 図4Bは付加物の形成を示す。この付加物は、逆マイケル経路によりマレイミド及び遊離チオールに戻ってもよい。或いは、コハク酸イミド部位は、pH9での加水分解により安定化されて開環し、コハク酸としてもよい。このコンジュゲートのチオエーテル結合は保持され、コハク酸部位は、存在してもよい他のチオール化合物に対して非反応性である。加水分解される際、遊離マレイミドもまた、チオールに非反応性になる。
図5は、マレイミド-PEG2-ビオチンと結合した精製した変異体(A:C34A+I271C変異体;B:C34A+K93C変異体)のMSスペクトルである。A:コンジュゲートのピークは66924.1である。小さいピークは、非コンジュゲート(unconjugated)タンパク質である。この相対的なピークの高さは、結合割合が72%であることを示している。+MS, 7.7-9.2min、ベースライン減算(0.50)、ピーク分離(デコンボリューション)(MaxEnt)、平滑化(0.00,1,GA)。B:コンジュゲートのピークは66908.3である。遊離比率がなく、これは100%結合していることを示す。+MS, 7.6-9.4min、ベースライン減算(0.50)、ピーク分離(MaxEnt)、平滑化(0.00,1,GA)。
図6は、マレイミド-PEG2-ビオチンに結合させ、制御した加水分解を行った精製アルブミン(A:野生型;B:C34A+E294C変異体)のMSスペクトルである。Aでは、アルブミンの53%は、66978.4にピークを有するチオール安定性コンジュゲートとして存在し、47%は、逆マイケル脱結合(deconjugation)を受けて遊離アルブミンとして存在する。+MS, 7.0-9.6min, ベースライン減算(0.50)、ピーク分離(MaxEnt)、平滑化(0.00,1,GA)。Bでは、100%のC34A+E294C変異体が66925.7にピークを有するチオール安定性コンジュゲートとして存在する。+MS, 7.6-9.5min, ベースライン減算(0.50)、ピーク分離(MaxEnt)、平滑化(0.00,1,GA)。
図7は、マレイミド-PEG2-ビオチンと結合させ、制御した加水分解を行った(B及びC)精製アルブミン変異体(A:K93C+E294C;B:K93C+E294C;C:C34A+K93C+E294C)のMSスペクトルである。Aでは、K93C+E294Cの単一ピーク(67967.7)は、3個の遊離チオールのそれぞれに100%結合していることを示す。+MS, 1.6-2.6min, ベースライン減算(0.40)、ピーク分離(MaxEnt)、平滑化(0.00,1,GA)。Bでは、K93C+E294Cの三重コンジュゲートの20%は、加水分解後にチオール安定性になる。67476.2の主ピークは、2つのチオール安定性コンジュゲート結合を示しており、逆マイケル脱結合で1つのマレイミド-PEG2-ビオチンが脱離している。+MS, 1.8-2.9min, ベースライン減算(0.40)、ピーク分離(MaxEnt)、平滑化(0.00,1,GA)。Cでは、主要な種は67443.1にピークを有するC34A+K93C+E294Cの二重コンジュゲートであり、その他の種は66894.6にピークを有する単一コンジュゲートである。+MS, 1.7-2.8min, ベースライン減算(0.40)、ピーク分離(MaxEnt)、平滑化(0.00,1,GA)。
図8は、精製アルブミン変異体K93C+E294C+K573P(天然Cys34を含む)のMSスペクトルである。A:3個の遊離チオールのそれぞれに100%結合していることを示している。+MS, 7.3-9.7min, ベースライン減算(0.50)、ピーク分離(MaxEnt)、平滑化(0.00,1,GA)。Bでは、K93C+E294C+K573P(天然Cys34を含む)の三重コンジュゲートの23%は、加水分解後にチオール安定性になる。67447.3にある主ピークは、2個のチオール安定性コンジュゲート結合を示しており、逆マイケル脱結合により1個のマレイミド-PEG2-ビオチンが脱離している。+MS, 7.4-9.5min, ベースライン減算(0.50)、ピーク分離(MaxEnt)、平滑化(0.00,1,GA)。
図9において、Aは、Alexa Fluor(登録商標)488-PEG4-Lys(モノブロモマレイミド)-NH色素の概略を示している。Alexa Fluor(登録商標)488-PEG4-Lys(モノブロモマレイミド)-NH色素に結合させた精製アルブミン変異体(B:K573P;C:K93C+E294C+K573P)のMSスペクトルが示されている。Bでは、K573Pの67468.5にある単一ピークは、Cys34にある1個の遊離チオールに100%結合していることを示している。+MS, 7.6-9.7min, ベースライン減算(0.50)、ピーク分離(MaxEnt)、平滑化(0.00,1,GA)。Cでは、69535.8にピークがある主要な種はK93C+E294C+K573P(天然Cys34を含む)の三重コンジュゲートである。短いピークは、二重コンジュゲートのものである。ピークの相対的な高さは、それぞれ三重コンジュゲートが58%、二重コンジュゲートが42%であることを示している。+MS, 7.6-9.3min, ベースライン減算(0.50)、ピーク分離(MaxEnt)、平滑化(0.00,1,GA)。
図10では、Aは、5-カルボキシフルオレセイン-PEG4-Lys(モノブロモマレイミド)-NH色素の概略を示している。5-カルボキシフルオレセイン-PEG4-Lys(モノブロモマレイミド)-NH色素に結合させた精製アルブミン変異体(B:K573P;C:C34A+K93C+E294C+K573P)のMSスペクトルが示されている。Bでは、K573Pの単一ピーク(67310.6)は、Cys34にある1個の遊離チオールに100%結合していることを示している。+MS, 7.2-9.3min, ベースライン減算(0.50)、ピーク分離(MaxEnt)、平滑化(0.00,1,GA)。Cでは、68129.7にピークがある主要な種は、C34A+K93C+E294C+K573Pの二重コンジュゲートである。短いピークは、単一のコンジュゲートされたタンパク質を示すものである。ピークの相対的な高さは、それぞれ、二重コンジュゲートが91%、単一のコンジュゲートされたタンパク質が9%であることを示している。+MS, 7.3-9.3min, ベースライン減算(0.50)、ピーク分離(MaxEnt)、平滑化(0.00,1,GA)。
図11において、Aは、モノブロモマレイミド-パクリタキセルの概略を示している。モノブロモマレイミド-パクリタキセルに結合させた精製アルブミン変異体(B:K573P;C:K93C+E294C+K573P)のMSスペクトルが示されている。Bでは、K573Pのピーク(67412.2)は、Cys34にある1個の遊離チオールへの結合を示している。短いピークは、非コンジュゲートタンパク質のものである。ピークの相対的な高さは、それぞれ、単一コンジュゲートが77%、非コンジュゲートタンパク質が23%であることを示している。+MS, 7.1-8.9min, ベースライン減算(0.50)、ピーク分離(MaxEnt)、平滑化(0.00,1,GA)。Cでは、68364.2にピークがある主要な種は、K93C+E294C+K573Pの二重コンジュゲートである。短いピークは、三重コンジュゲートタンパク質のものである。ピークの相対的な高さは、それぞれ、二重コンジュゲートタンパク質が60%、三重コンジュゲートタンパク質が30%であることを示している。+MS, 7.2-9.0min, ベースライン減算(0.50)、ピーク分離(MaxEnt)、平滑化(0.00,1,GA)。
図12において、Aは、モノブロモマレイミド-PEG2-エキセナチドペプチドを示す。モノブロモマレイミド-PEG2-エキセナチドペプチドに結合させた精製アルブミン変異体(B:K573P;C:C34A+K93C+E294C+K573P)のMSスペクトルが示されている。Bでは、K573Pのピーク(71018.7)は、Cys34にある1個の遊離チオールへの結合を示している。66409.2にある主ピークは、非コンジュゲートタンパク質のものである。ピークの相対的な高さは、それぞれ、単一コンジュゲートが33%、非コンジュゲートタンパク質が67%であることを示している。+MS, 7.2-8.8min, ベースライン減算(0.50)、ピーク分離(MaxEnt)、平滑化(0.00,1,GA)。Cでは、C34A+K93C+E294C+K573Pの二重コンジュゲートは75557.3にピークを有する。70941.7にある主ピークは、一項コンジュゲートのものである。66322.4にある最も短いピークは、非コンジュゲートタンパク質のものである。ピークの相対的な高さは、それぞれ、二重コンジュゲートが33%、単一コンジュゲートが45%、非コンジュゲートタンパク質が22%であることを示している。+MS, 7.2-9.2min, ベースライン減算(0.50)、ピーク分離(MaxEnt)、平滑化(0.00,1,GA)。
図13において、Aは、マレイミド-プロピル-FLAGペプチドの概要を示す。マレイミド-プロピル-FLAGペプチドに結合させた精製アルブミン変異体(B:K573P;C:K93C+E294C+K573P)のMSスペクトルが示されている。Bでは、K573Pのピーク(67573.4)は、Cys34にある1個の遊離チオールへの結合を示している。主ピークは、非コンジュゲートタンパク質のものである。ピークの相対的な高さは、それぞれ、一重コンジュゲートが29%、非コンジュゲートタンパク質が71%であることを示している。+MS, 7.3-8.7min, ベースライン減算(0.50)、ピーク分離(MaxEnt)、平滑化(0.00,1,GA)。Cでは、K93C+E294C+K573P(天然Cys34を含む)の三重コンジュゲートは69850.5にピークを有する。68685.5にある主ピークは、二重コンジュゲートのものである。67520.3にあるピークは、単一コンジュゲートのものである。66350.2にある最も短いピークは、非コンジュゲートタンパク質のものである。ピークの相対的な高さは、それぞれ、三重コンジュゲートが29%、二重コンジュゲートが50%、単一コンジュゲートが20%、非コンジュゲートタンパク質が2%であることを示している。+MS, 7.2-8.8min, ベースライン減算(0.50)、ピーク分離(MaxEnt)、平滑化(0.00,1,GA)。
定義
変異体:「変異体」(variants)という語は、親アルブミンから、1又は2以上の(例えば数個の)位置における1又は2以上の(例えば数個の)改変、即ち置換、挿入、及び/又は、欠失により誘導されるポリペプチドを意味する。置換(substitution)とは、ある位置を占めるアミノ酸を、異なるアミノ酸に交換することを意味する。欠失(deletion)とは、ある位置を占めるアミノ酸を除去することを意味する。挿入(insertion)とは、ある位置を占めるアミノ酸に直接隣接する位置に、1又はそれ以上の(例えば数個の)、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の、好ましくは1~3のアミノ酸を付加することを意味する。挿入に関して、「直接隣接する」(immediately adjacent)とは、ある位置を占めるアミノ酸(「指名されたアミノ酸」(named amino acid))のN側(「上流」(upstream))又はC側(「下流」(downstream))の何れであってもよい。従って、「X」と指名/番号付けされたアミノ酸の場合、挿入は位置「X+1」(「下流」)であってもよく、位置「X-1」(「上流」)であってもよい。
ミュータント:「ミュータント」(mutant)という語は、変異体をコードするポリヌクレオチドを意味する。
野生型アルブミン:「野生型」(wild type:WT)アルブミンとは、動物又はヒトの天然アミノ酸配列と同じアミノ酸配列を有するアルブミンを意味する。
親アルブミン:「親」(parent)又は「親アルブミン」(parent albumin)とは、本発明のアルブミン変異体を作製するために人為的な改変を加える対象となるアルブミンを意味する。親は天然(野生型)ポリペプチドでもそのアレルでもよく、更にはその変異体でもよい。
アルブミン:アルブミンは哺乳類の血漿に最も豊富に存在するタンパク質であり、多数の哺乳類のアルブミンが生化学的手法及び/又は配列情報により特性解析されている。幾つかのアルブミン、例えばHSA等は、結晶学的にも特性解析されており、その構造が決定されている(HSA: He XM, Carter DC (July 1992), "Atomic structure and chemistry of human serum albumin", Nature 358 (6383): 209-15; horse albumin: Ho, J.X. et al. (2001). X-ray and primary structure of horse serum albumin (Equus caballus) at 0.27-nm resolution. Eur J Biochem. 215(1):205-12)。本発明はあらゆるアルブミン及びその構造に関する。
「アルブミン」(albumin)という語は、HSA又はHSAドメインと同一及び/又はきわめて類似の三次元(三次)構造を有するタンパク質であって、HSA又はその関連ドメインと類似した特性を有するタンパク質を意味する。類似の三次元構造とは、例えば本明細書に記載の種に由来するアルブミンの構造である。アルブミンの主要な特性の例としては、i)血漿体積制御能(膠質浸透活性)、ii)約19日±5日という長い血漿中半減期、iii)FcRnへの結合、iv)リガンドとの結合、例えばビリルビン、脂肪酸、ヘミン、及びチロキシン等の例えば酸性親油性化合物等の内因性分子との結合(Kragh-Hansen et al., 2002, Biol. Pharm. Bull. 25, 695の表1も参照。本文献は引用により本明細書に組み込まれる。)、v)酸性又は電気陰性特性を有する小型有機化合物との結合、例えば例えばワルファリン、ジアゼパム、イブプロフェン、及びパクリタキセル等の薬物との結合(Kragh-Hansen et al., 2002, Biol. Pharm. Bull. 25, 695の表1も参照。本文献は引用により本明細書に組み込まれる。)、vi)gp60、別名アルボンジン(albondin)との結合等が挙げられる。あるタンパク質又は断片をアルブミンと特定するのに、これらの特性の全てが満たされる必要は無い。ある断片が、例えば特定のリガンド又は有機化合物との結合に関与するドメインを含まない場合には、斯かる断片の変異体もこれらの特性を有さないと予想される。
アルブミンは概して約20日又はそれ以上という長い血漿中半減期を有する。例えば、HSAの血漿中半減期は19日である。HSAの長い血漿中半減期は、その受容体FcRnとの相互作用により媒介されることが知られているが、斯かるHSAの長い半減期の背後にある機序を正確に理解又は知得することは、本発明にとって重要ではない。
本発明に係るアルブミン変異体を作製するための出発物質たる親「骨格」(backbones)のアルブミンタンパク質としては、HSA(例えばAAA98797又はP02768-1、配列番号2(成熟)、配列番号3(未成熟))、霊長類血清アルブミン、(例えばチンパンジー血清アルブミン(例えば予測配列XP_517233.2、配列番号4)、ゴリラ血清アルブミン又はマカクザル血清アルブミン(例えばNP_001182578、配列番号5)、齧歯類血清アルブミン(例えばハムスター血清アルブミン(例えばA6YF56、配列番号6)、モルモット血清アルブミン(例えばQ6WDN9-1、配列番号7)、マウス血清アルブミン(例えばAAH49971又はP07724-1バージョン3、配列番号8)及びラット血清アルブミン(例えばAAH85359又はP02770-1バージョン2、配列番号9)、ウシ血清アルブミン(例えば乳牛血清アルブミンP02769-1、配列番号10)、ウマ血清アルブミン例えばウマ血清アルブミン(例えばP35747-1、配列番号11)又はロバ血清アルブミン(例えばQ5XLE4-1、配列番号12)、ウサギ血清アルブミン(例えばP49065-1バージョン2、配列番号13)、ヤギ血清アルブミン(例えばACF10391、配列番号14)、ヒツジ血清アルブミン(例えばP14639-1、配列番号15)、イヌ血清アルブミン(例えばP49822-1、配列番号16)、ニワトリ血清アルブミン(例えばP19121-1バージョン2、配列番号17)及びブタ血清アルブミン(例えばP08835-1バージョン2、配列番号18)、又は斯かるアルブミンに対して少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.2、99.4、99.6、又は少なくとも99.8%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドが挙げられる。本発明の範囲に含まれるアルブミン他の例としては、オボアルブミン(例えばP01012.pro:ニワトリオボアルブミン;O73860.pro:シチメンチョウオボアルブミン)が挙げられる。成熟アルブミン配列は、未成熟アルブミン配列を元に、当業者に公知の技術、例えば(成熟及び未成熟領域が既知の)HSAとのアラインメントを用いて特定することが可能である。例えば、未成熟HSAは609アミノ酸長を有し、うちアミノ酸1~19がシグナル配列(別名リーダー配列又はプレ配列)、アミノ酸20~24がプロ配列、アミノ酸25~609が成熟タンパク質である。図2に示すアラインメントによれば、当業者であれば数種の動物アルブミンの成熟配列を予測することが可能である(「D1 Start」参照)。
配列番号2に示すHSA、又はその任意の天然アレルは、本発明に係る好ましい親アルブミンである。HSAは585アミノ酸残基からなるタンパク質であり、その分子量は67kDaである。自然形態ではグリコシル化されていない。当業者であれば理解するように、HSAと実質的に同一の特性を有するが、配列番号2と比較して1又は2以上の(例えば数個の)アミノ酸の変更を伴う天然アレルが存在する可能性もあり、斯かる天然アレルを本発明に係る親アルブミンとして使用することも、本発明者等が想定するところである。
本発明に係る親アルブミン、その断片、又はコンジュゲーション可能なアルブミン変異体、又はアルブミン又はその断片を含む融合ポリペプチド又はコンジュゲートのアルブミン部分は、配列番号2に示すHSAの配列に対して、少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも86%、好ましくは少なくとも87%、好ましくは少なくとも88%、好ましくは少なくとも89%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも91%、好ましくは少なくとも92%、好ましくは少なくとも93%、好ましくは少なくとも94%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも97%、より好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、又は少なくとも99.8%、又は100%の配列同一性を有することが好ましい。親アルブミンは、アルブミンの主要な特性の少なくとも1つ、又は、アルブミン、例えばHSAと類似の三次構造を維持していることが好ましい。配列同一性は配列番号2の全長に亘っていてもよく、又は、例えば配列番号2の1又は2以上の(例えば数個の)ドメイン等の断片等を含む、又は当該断片からなる分子に亘って、例えばドメインIII(例えば配列番号19)を含む、又は当該ドメインからなる分子、ドメインII及びドメインIII(例えば配列番号20)を含む、又は当該ドメインからなる分子、ドメインI及びドメインIII(例えば配列番号21)を含む、又は当該ドメインからなる分子、2コピーのドメインIII(例えば配列番号22)を含む、又は当該ドメインからなる分子、3コピーのドメインIII(例えば配列番号23)を含む、又は当該ドメインからなる分子、或いは、ドメインI及び2コピーのドメインIII(例えば配列番号24)を含む、又は当該ドメインからなる分子に亘っていてもよい。
本発明に係る親アルブミン、その断片、又はコンジュゲーション可能なアルブミン変異体、又はアルブミン又はその断片を含む融合ポリペプチド又はコンジュゲートのアルブミン部分は、折り畳まれた場合、配列番号2のポリペプチドの天然の17個のジスルフィド結合のうち数個を有していてもよく、例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、及び適切には17個全てを有していてもよい。
当該親は、配列番号3のアミノ酸配列(HSAの未成熟配列)又は配列番号2のアミノ酸配列(HSAの成熟配列)を含み、又は当該配列からなることが好ましい。
他の態様によれば、当該親は、成熟配列番号2のポリペプチドのアレル変異体である。
当該親アルブミンは、極めて低いストリンジェント条件、低いストリンジェント条件、中程度のストリンジェント条件、中度~高度のストリンジェント条件、高いストリンジェント条件、又は極めて高度のストリンジェント条件で、(i)配列番号2の配列をコードする成熟ポリペプチド、又は(ii)(i)の全長相補鎖とハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされていてもよい(J. Sambrook, E.F. Fritsch, and T. Maniatis, 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2d edition, Cold Spring Harbor, New York)。
配列番号1又はそのサブ配列、並びに配列番号2又は配列番号3のアミノ酸配列のポリヌクレオチド又はその断片を用い、本技術分野で周知の方法に従って、異なる属又は種の株から親をコードするDNAを同定及びクローン化するための核酸プローブを設計してもよい。特に、斯かるプローブを用いて、所望の属又は種のゲノム又はcDNAとのハイブリダイゼーションを行い、続いて標準的なサザンブロッティング法を行うことにより、その中の対応する遺伝子を同定及び単離してもよい。斯かるプローブは全長配列よりも顕著に短くてもよいが、少なくとも14、例えば少なくとも25、少なくとも35、又は少なくとも70ヌクレオチドの長さを有するべきである。斯かる核酸プローブは、少なくとも100ヌクレオチド長、例えば少なくとも200ヌクレオチド、少なくとも300ヌクレオチド、少なくとも400ヌクレオチド、少なくとも500ヌクレオチド、少なくとも600ヌクレオチド、少なくとも700ヌクレオチド、少なくとも800ヌクレオチド、又は少なくとも900ヌクレオチド長であることが好ましい。DNA及びRNAプローブの何れを用いることもできる。典型的には、プローブは対応する遺伝子を検出するために、(例えば32P、H、35S、ビオチン、又はアビジン等により)標識される。斯かるプローブも本発明に包含される。
斯かる他の生物から調製されたゲノムDNA又はcDNAライブラリーのスクリーニングにより、上述のプローブにハイブリダイズすると共に親をコードするDNAを得ることもできる。斯かる他の生物由来のゲノム又は他のDNAの分離は、アガロース又はポリアクリルアミドゲル電気泳動によってもよく、又は他の分離技術によってもよい。ライブラリー由来のDNA又は分離されたDNAを、ニトロセルロース又は他の適切な担体材料に移送し、又は当該材料に不動化してもよい。配列番号1又はそのサブ配列と相同のクローン又はDNAを同定するために、斯かる担体材料をサザンブロットに用いてもよい。
本発明の目的によれば、ハイブリダイゼーションは、斯かるポリヌクレオチドが、配列番号1に示すポリヌクレオチド、その相補鎖、又はそのサブ配列に対応する標識されたヌクレオチドプローブに対して、低度~極めて高度のストリンジェント条件下でハイブリダイズすることを示す。プローブがハイブリダイズする分子は、例えばX線フィルムや、本技術分野で公知の他の検出手段等を用いて検出することができる。
核酸プローブは、配列番号1の配列、即ち配列番号1のヌクレオチド1~1785をコードする成熟ポリペプチドを含んでいてもよく、又は当該ポリペプチドからなっていてもよい。核酸プローブは、配列番号25のポリヌクレオチド(HSAをコードするヌクレオチド配列、当該ヌクレオチド配列は制限酵素部位を導入するべく改変されていてもよい)又はその断片を含んでいてもよく、又は当該ポリペプチドからなっていてもよい。
少なくとも100ヌクレオチド長という長いプローブの場合、極めて低度~極めて高度のストリンジェント条件は、最適には、42℃で5×SSPE、0.3%のSDS、200μg/mLの剪断変性サケ***DNA中で、且つ、極めて低度及び低度のストリンジェンシーの場合は25%のホルムアミド、培地及び中度~高度のストリンジェンシーの場合は35%のホルムアミド、高度及び極めて高度のストリンジェンシーの場合は50%のホルムアミド中での、標準的なサザンブロッティング法に従った12~24時間のプレハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼーションとして定義される。その後、最終的には担体材料を2×SSC、0.2%のSDS中で、45℃(極めて低度のストリンジェンシー)、50℃(低度のストリンジェンシー)、55℃(中度のストリンジェンシー)、60℃(中度~高度のストリンジェンシー)、65℃(高度のストリンジェンシー)、又は70℃(極めて高度のストリンジェンシー)で、15分間ずつ三回洗浄する。
約15ヌクレオチド~約70ヌクレオチド長という短いプローブの場合、ストリンジェント条件は、最適にはBolton及びMcCarthy(1962, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 48: 1390)の計算法により算出されるTよりも約5℃~約10℃低い温度で、1mL当たり0.9MのNaCl、0.09M トリスHCl pH7.6、6mM EDTA、0.5% NP-40、1×デンハルト溶液、1mM ピロリン酸ナトリウム、1mM リン酸二水素ナトリウム、0.1mM ATP、及び0.2mgの酵母RNA中で、標準的なサザンブロッティング法に従った12~24時間のプレハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼーションとして定義される。その後、最終的には担体材料を6×SCC及び0.1%のSDSで15分間一回、次いで6×SSCを用いて、算出されるTよりも5℃~10℃低い温度で15分間ずつ二回洗浄する。
親又はコンジュゲーション可能なアルブミンは、配列番号1の配列をコードする成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%、例えば少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有し、アルブミンとして機能し得るポリペプチドをコードするポリヌクレオチドによりコードされていてもよい。ある態様では、親は、配列番号1を含む、又は配列番号1からなるポリヌクレオチドによりコードされる。
三次元(3D)モデル
本明細書ではHSAの結晶構造として、RCSBタンパク質データバンク(protein databank:PDB、http://www.rcsb.org/pdb/より参照可能)に登録されているPDB識別番号1AO6又は1ao6を参照する(Sugio, S., A. Kashima, et al. (1999), Protein Eng 12(6): 439-46)。成熟HSA配列(配列番号2)と比較して、1AO6構造は配列番号2の残基S5から開始する(即ち、最初の4アミノ酸は当該構造には存在しない)と共に、配列番号2のA582で終了する(即ち、最後の3アミノ酸は当該構造には存在しない)。本明細書において、コンジュゲーション可能なシステインを生成するために改変すべき位置の記載に使用するアミノ酸位置は、1ao6ではなく配列番号2上の位置を指すものとする。当業者であれば、更なるアルブミンの構造が利用可能である。例えば、ヒトアルブミンの三次構造の原子座標は、GenBank DNAデータベースで公開されており、www.ncbi.nlm.nih.govにて閲覧可能である。構造の閲覧には、適切なソフトウェア、例えばRasM.1 Chimeを利用できる(Sayle, TIBS 20, 374, 1995)。利用可能なアルブミンの座標としては、以下が挙げられる。
1AO6、1BM0(Sugio et al. (1999), Protein Eng 12(6): 439-46)。これはリクエストの多い上位17種のタンパク質に含まれる。
1UOR、He & Carter (1992), Nature 358(6383): 209-15
1bj5及び1bke、Curry et al. (1998), Nat Struct Biol 5(9): 827-35
1e7a、1e7b、及び1e7c、Bhattacharya et al. (2000), J Biol Chem 275(49): 38731 8
1e7e、1e7f、1e7g、1e7h、及び1e7i、Bhattacharya et al. (2000), J Mol Biol 303(5): 721-32
1GNJ、Petitpas et al. (2001), J Mol Biol 314(5): 955-60
1HA2及び1H9Z、Petitpas et al. (2001), J Biol Chem 276(25): 22804-9.
4K71、Schmidt et al. (2013),. Structure 21:1966-1978
4N0F及び4N0U、Oganesyan et al. (2014), J Biol Chem 289(11):7812-24.
アルブミン部分:本発明に係るアルブミン変異体又はその断片を含む融合ポリペプチド、コンジュゲート、アソシエイト、ナノ粒子、又は組成物のアルブミン部分は、「アルブミン部分」(albumin moiety)又は「アルブミン要素」(albumin component)と呼ばれる場合がある。本発明に係るポリペプチドは、アルブミン部分を含むものでもよく、アルブミン部分からなるものでもよい。
単離された変異体:「単離された変異体」(isolated variant)という語は、天然には存在しない形態又は環境にある変異体を意味する。単離された変異体の非限定的な例としては、(1)任意の非天然変異体;(2)天然で連結されている天然成分のうち1又は2以上(例えば数個)又は全てが少なくとも部分的に除去されてなる任意の変異体;(3)元のポリペプチドから人為的に改変されてなる任意の変異体(例えば天然で見いだされる元のポリペプチドから改変されたポリペプチド);又は(4)天然で連結されている他の要素に対する当該変異体の量が増加されてなる任意の変異体(例えば前記物質をコードする遺伝子の多数コピーの使用や、前記物質をコードする遺伝子に天然で連結されているプロモータよりも強力なプロモータの使用等)。単離された変異体は、発酵ブロス試料中に存在するものでもよい。単離された変異体は組換体でも合成体でもよい。
実質的に純粋な変異体:「実質的に純粋な変異体」(substantially pure variant)という語は、天然又は組換により連結された他のポリペプチド物質を、重量比で最高10%、最高8%、最高6%、最高5%、最高4%、最高3%、最高2%、最高1%、及び最高0.5%しか含有しない調製物を意味する。斯かる変異体は、調製物中に存在する総ポリペプチド物質に対する重量比で、少なくとも92%の純度、例えば少なくとも94%の純度、少なくとも95%の純度、少なくとも96%の純度、少なくとも97%の純度、少なくとも98%の純度、少なくとも99%、少なくとも99.5%の純度、及び100%の純度を有することが好ましい。純度は例えばSDS-PAGE又はGP-HPLCにより決定される。本発明の変異体は実質的に純粋な形態であることが好ましい。これは例えば、変異体を周知の組換法及び精製法で調製することにより達成することができる。
成熟ポリペプチド:「成熟ポリペプチド」(mature polypeptide)という語は、翻訳及びN末端プロセシング、C末端切断、グリコシル化、リン酸化等の翻訳後修飾を経たポリペプチドの最終形態を意味する。成熟ポリペプチドは配列番号2のアミノ酸1~585であってもよく、例えば本発明に係る改変及び/又は任意の翻訳後修飾を含んでいてもよい。
成熟ポリペプチドコーディング配列:「成熟ポリペプチドコーディング配列」(mature polypeptide coding sequence)とは、成熟アルブミンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを意味する。成熟ポリペプチドコーディング配列は配列番号1のヌクレオチド1~1758であってもよく、例えば本発明に係る変異体をコードするのに必要な改変を含んでいてもよい。
配列同一性:2つのアミノ酸配列又は2つのヌクレオチド配列の間の類縁性を「配列同一性」(sequence identity)というパラメーターで表す。
本発明の目的において、2つのアミノ酸配列の間の配列同一性は、EMBOSSパッケージ(EMBOSS: The European Molecular Biology Open Software Suite, Rice et al., 2000, Trends Genet. 16: 276-277)の好ましくはバージョン3.0.0以降、より好ましくはバージョン5.0.0以降のNeedleプログラムにより実行される、Needleman-Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch, 1970, J. Mol. Biol. 48: 443-453)を用いて決定される。使用されるパラメーターは、ギャップ開放ペナルティ(gap open penalty)が10、ギャップ伸長ペナルティ(gap extension penalty)が0.5、EBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。(-nobriefオプションを用いて得られる)「最長同一性」(longest identity)と付されたNeedleの出力を%同一性として使用する。これは以下の式で算出される。
(同一残基数×100)/(アラインメント長-アラインメント中のギャップ総数)
本発明の目的において、2つのデオキシリボヌクレオチド配列の間の配列同一性は、EMBOSSパッケージ(EMBOSS: The European Molecular Biology Open Software Suite, Rice et al., 2000, 同上)の好ましくはバージョン3.0.0以降、より好ましくはバージョン5.0.0以降のNeedleプログラムにより実行される、Needleman-Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch, 1970, 同上)を用いて決定される。使用されるパラメーターは、ギャップ開放ペナルティ(gap open penalty)が10、ギャップ伸長ペナルティ(gap extension penalty)が0.5、EDNAFULL(NCBI NUC4.4のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。T(-nobriefオプションを用いて得られる)「最長同一性」(longest identity)と付されたNeedleの出力を%同一性として使用する。これは以下の式で算出される。
(同一オキシリボヌクレオチド数×100)/(アラインメント長-アラインメント中のギャップ総数)
断片:本明細書で使用する場合、「断片」(fragment)という語は、全長アルブミン又はその変異体の任意の断片であって、少なくとも1つの(例えば数個の)基本特性、例えば結合活性(例えばビリルビンへの結合等、活性の種類及び比活性)、オスモル濃度(膠質浸透圧、コロイド浸透圧)、所定のpH範囲における挙動(pH安定性)等が実質的に変化していないものをいう。ここで「実質的に」(significantly)とは、当初のタンパク質の特性と比較して、斯かる変異体の特性が異なるものの、明確に異なるとまでは言えないと、当業者であれば判断する程度をいう。断片はHSA由来の中断のない一つの配列からなっていてもよいが、HSA由来の2又はそれ以上の(例えば数個の)配列を含んでいてもよい。本発明に係る断片のサイズは、約20アミノ酸残基超、好ましくは30アミノ酸残基超、より好ましくは40アミノ酸残基超、より好ましくは50アミノ酸残基超、より好ましくは75アミノ酸残基超、より好ましくは100アミノ酸残基超、より好ましくは200アミノ酸残基超、より好ましくは300アミノ酸残基超、より一層好ましくは400アミノ酸残基超、最も好ましくは500アミノ酸残基超である。断片は、アルブミン又はアルブミンのドメインの少なくとも50、60、70、75、80、85、90、95、96、97、98、又は99%の配列を含み、又は当該配列からなっていてもよい。本発明の好ましいアルブミンドメインは、配列番号2のアミノ酸残基1~194±1~15アミノ酸からなるHSAドメインIに対して、少なくとも70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、99.5%、又は100%の同一性を有するドメイン;配列番号2のアミノ酸残基192~387±1~15アミノ酸からなるHSAドメインIIに対して、少なくとも70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、99.5%又は100%の同一性を有するドメイン;及び、配列番号2のアミノ酸残基381~585±1~15アミノ酸からなるHSAドメインIIIに対して、少なくとも70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、99.5%又は100%の同一性を有するドメインが挙げられる。
ドメインI、II及びIIIは、例えばHSA(配列番号2)を参照して定義することができる。例えば、HSAドメインIは、配列番号2のアミノ酸1~194(±1~15アミノ酸)を含み、或いはこれらのアミノ酸からなり、HSAドメインIIは、配列番号2のアミノ酸192(±1~15アミノ酸)~387(±1~15アミノ酸)を含み、或いはこれらのアミノ酸からなり、ドメインIIIは、配列番号2のアミノ酸残基381(±1~15アミノ酸)~585(±1~15アミノ酸)を含み、或いはこれらのアミノ酸からなる。ここで「±1~15アミノ酸」とは、指定されるアミノ酸位置のC末端及び/又はN末端側に、残基数が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15アミノ酸分ずれていてもよいことを意味する。ドメインI、II及びIIIの例は、Dockal等(The Journal of Biological Chemistry, 1999, Vol. 274(41): 29303-29310)及びKjeldsen等(Protein Expression and Purification, 1998, Vol 13: 163-169)に記載されている。これらを以下の表に示す。
Figure 0007007261000001
断片は、ここに記載のアルブミンの1又は2以上の(例えば数個の)ドメイン、例えばDI+DII、DI+DIII、DII+DIII、DIII+DIII、DI+DIII+DIII、DIII+DIII+DIIIを含み、又はこれらのドメインからなっていてもよく、或いは斯かるドメイン又は複数のドメインの組合せの断片を含み、又はこれらのドメインからなっていてもよい。
当業者であれば、非ヒトアルブミンのドメインI、II及びIIIを、HSAとのアミノ酸配列アラインメントにより、例えばEMBOSSパッケージ(EMBOSS: The European Molecular Biology Open Software Suite, Rice et al., 2000, Trends Genet. 16: 276-277)の好ましくはバージョン3.0.0以降、より好ましくはバージョン5.0.0以降のNeedleプログラムにより実行される、Needleman-Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch, 1970, J. Mol. Biol. 48: 443-453)を用いて決定することができる。使用するオプショナルパラメーターは、ギャップ開放ペナルティ(gap open penalty)が10、ギャップ伸長ペナルティ(gap extension penalty)が0.5、EBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。他の適切なソフトウェアとしては、MUSCLE(Multiple sequence comparison by log-expectation, Robert C. Edgar, Version 3.6, http://www.drive5.com/muscle; Edgar (2004) Nucleic Acids Research 32(5), 1792-97 and Edgar (2004) BMC Bioinformatics, 5(1):113)が挙げられる。これはユーザーガイド(バージョン3.6、2005年9月)に記載のデフォルト設定で使用してもよい。MUSCLE3.6よりも後のバージョンも、本発明の任意の側面に使用できる。適切なアラインメントの例を図1及び2に示す。
ドメインは、HSA(配列番号2)のドメインI、II又はIIIに対して、少なくとも70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、99.5%の同一性又は100%の同一性を有することが好ましい。
更に、上記の何れかを含む単一又は多重の異種融合体;或いは、アルブミンに対する単一又は多重の異種融合体、又はこれらの任意の変異体又は断片を使用してもよい。斯かる融合体としては、国際公開第2001/079271号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載のアルブミンN末端融合体、アルブミンC末端融合体、及び、アルブミンN末端及びC末端共融合体が挙げられる。
等価のアミノ酸位置:本明細書を通じて、アミノ酸位置は全長成熟HSA(即ちリーダー配列を含まない、配列番号2)を基準に定める。しかし、当業者であれば理解するように、本発明は、非ヒトアルブミン(例えば本明細書に記載のもの)の変異体、及び/又は、ヒト又は非ヒトアルブミンの断片にも関する。明確化のため、HSA(配列番号2)以外のアルブミンについては、等価の残基に変異が存在することが好ましい。HSAの断片、動物アルブミン、及びそれらの断片、融合体、及び他の誘導体又は変異体における等価の位置は、アミノ酸配列の一対(例えばClustalW)又は多重(例えばMUSCLE)アラインメントを用いて特定できる。例えば、図1に示すように、全長HSAの500、550及び573に等しい位置を、HSAの断片及び他の種のアルブミンにおいて特定するのは容易である。位置500、550及び573を矢印で示す。更なる詳細を以下の表2に示す。
Figure 0007007261000002
図1はMUSCLEにより、ClustalW 1.81フォーマットの出力を含むデフォルトパラメーターを用いて生成した。原出力データをBoxShade 3.21(http://www.ch.embnet.org/software/BOX_form.htmlにてアクセス可能)を用いてシェードし、出力フォーマット(Output Format):RTF_new;フォントサイズ:10;コンセンサスライン(Consensus Line):コンセンサスラインなし(no consensus line);配列の割合(fraction of sequences)(シェーディングのためには一致させる必要あり):0.5;入力配列フォーマット(Input sequence format):ALNを用いた。従って、本明細書を通じて、HSAにより定義されるアミノ酸位置は、HSAの断片、誘導体、又は変異体及び融合体、他の種のアルブミン及びその断片及び融合体における等価の位置にも適用される。斯かる等価の位置は、(i)その天然タンパク質とは異なる残基数、及び/又は、(ii)その天然タンパク質とは異なる天然アミノ酸を有する場合がある。同様に、図2に示すように、アルブミンの断片(例えばドメイン)における等価の位置は、配列番号2(HSA)を基準として特定することができる。
保存的置換:本明細書で使用する場合、「保存的」(conservative)アミノ酸置換という語は、同一の群内での置換であって、通常はタンパク質の機能に影響を及ぼさない置換をいう。「保存的置換」(conservative substitution)という語は、例えばGly、Ala;Val、Ile、Leu;Asp、Glu;Asn、Gln;Ser、Thr;Lys、Arg;及びPhe、Tyr等の組合せを意図している。斯かる変異体は、本技術分野で周知の技術により、例えば米国特許第4,302,386号(1981年11月24日、Stevens:本公報は参照により本明細書に組み込まれる)に開示の部位特異的突然変異生成法等により作製することができる。
一態様によれば、図3のベン図を用いて、保存的アミノ酸置換を決定することができる。図3を用いることにより、保存変異スコア(conservation mutation score:0~5の間の値)を算出できる。スコア0は保存性が最も高く、例えばシステインの場合、システイン残基を他のシステイン残基で置換する場合のみが該当する。他の任意のアミノ酸からシステインへの置換(又はシステインから他の任意のアミノ酸への置換)の場合、スコアは1、2、3、4、又は5の何れかとなる。スコア1はスコア2、3、4又は5よりも保存性の高い置換である。スコア5はシステインと置換アミノ酸との間の保存性が最も低いことを意味する。0~5のスコアは、図3においてシステインから対象のアミノ酸へと移動する際に横断する境界(即ち線)の数から求められる。即ち、システイン同士の場合、何れの境界も横断しないので、スコアは0となる。同様に、アスパラギン酸(D)に移動する際には3つの境界を横断するので、そのスコアは3となる。20種の異なるアミノ酸の保存変異スコアは(図3によれば)以下のように定義される(アミノ酸は一文字コードで表す):A=1、C=0、D=3、E=4、F=4、G=2、H=5、I=4、K=4、L=4、M=3、N=2、P=3、Q=3、R=5、S=1、T=1、V=3、W=3、Y=3。
以上の代わりに、或いは以上に加えて、「保存的」アミノ酸置換とは、同一の群内で行われる置換、例えば塩基性アミノ酸(例えばアルギニン、リシン、ヒスチジン)、酸性アミノ酸(例えばグルタミン酸及びアスパラギン酸)、極性アミノ酸(例えばグルタミン及びアスパラギン)、疎水性アミノ酸(例えばロイシン、イソロイシン、バリン)、芳香族アミノ酸(例えばフェニルアラニン、トリプトファン、チロシン)及び小型アミノ酸(例えばグリシン、アラニン、セリン、トレオニン、メチオニン)という群内での置換を意味する。
例えば、配列番号2のアラニン-2の保存的置換としては、グリシン又はセリンでの置換が挙げられる。非保存的置換には、ある群のアミノ酸を他の群のアミノ酸で置換することが挙げられる。例えば、非保存的置換の例としては、極性アミノ酸の疎水性アミノ酸による置換が挙げられる。
変異体の指定の取り決め
本発明の目的においては、配列番号2に開示される成熟ポリペプチドを用いて、他のアルブミンにおける対応するアミノ酸残基を決定する。他のアルブミンのアミノ酸配列を配列番号2に開示される成熟ポリペプチドとアラインし、そのアラインメントに基づいて、配列番号2に開示される成熟ポリペプチドにおけるアミノ酸残基に対応するアミノ酸位置の番号を、EMBOSSパッケージ(EMBOSS: The European Molecular Biology Open Software Suite, Rice et al., 2000, 同上)の好ましくはバージョン3.0.0以降、より好ましくはバージョン5.0.0以降のNeedleプログラムにより実行される、Needleman-Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch, 1970, 同上)を用いて決定する。使用されるパラメーターは、ギャップ開放ペナルティ(gap open penalty)が10、ギャップ伸長ペナルティ(gap extension penalty)が0.5、EBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。
他のアルブミンにおける対応するアミノ酸残基の番号は、幾つかのコンピュータープログラムを用いて、複数のポリペプチド配列のアラインメントを行うことにより、決定または確認することが可能である。斯かるコンピュータープログラムとしては、これらに限定されるものではないが、MUSCLE(multiple sequence comparison by log-expectation;バージョン3.5以降;Edgar, 2004, Nucleic Acids Research 32: 1792-1797)、MAFFT (バージョン6.857以降;Katoh and Kuma, 2002, Nucleic Acids Research 30: 3059-3066; Katoh et al., 2005, Nucleic Acids Research 33: 511-518; Katoh and Toh, 2007, Bioinformatics 23: 372-374; Katoh et al., 2009, Methods in Molecular Biology 537: 39-64; Katoh and Toh, 2010, Bioinformatics 26: 1899-1900)、及びClustalWを用いるEMBOSS EMMA(1.83以降;Thompson et al., 1994, Nucleic Acids Research 22: 4673-4680)を、それぞれのデフォルトパラメーターで実施することが挙げられる。
配列番号2の成熟ポリペプチドから分岐した他のポリペプチド(又はタンパク質)について、従来の配列に基づく比較ではそれらの類縁性を検出できない場合は(Lindahl and Elofsson, 2000, J. Mol. Biol. 295: 613-615)、他の一対配列比較アルゴリズムを用いることができる。ポリペプチドファミリーの確率的表現(プロファイル)を利用してデータベースの検索を行う検索プログラムを用いれば、配列に基づく検索でもより高い感度が達成できる。例えばPSI-BLASTプログラムでは、反復データベース検索プロセスを通じてプロファイルを生成し、遠縁のホモログを検出することができる(Altschul et al., 1997, Nucleic Acids Res. 25: 3389-3402)。ポリペプチドのファミリー又はスーパーファミリーがタンパク質構造データベース内に1又は2以上の(例えば数個の)表現を有する場合は、更に高い感度が達成できる。GenTHREADER(Jones, 1999, J. Mol. Biol. 287: 797-815; McGuffin and Jones, 2003, Bioinformatics 19: 874-881)等のプログラムは、種々の情報源(PSI-BLAST、二次構造予測、構造アラインメントプロファイル、及び溶媒和ポテンシャル)からの情報を入力として利用するニューラルネットワークによって、照会される配列の折り畳み構造を予測する。同様に、Gough et al., 2000, J. Mol. Biol. 313: 903-919の方法を用いれば、構造未知の配列をSCOPデータベース内に存在するスーパーファミリーモデルとアラインすることができる。こうして得られたアラインメントを用いて、当該ポリペプチドのホモログモデルを生成することができる。斯かるモデルの精度は、そうした目的のために開発された種々のツールを用いて検証することができる。
構造既知のタンパク質の場合、構造アラインメントの検索及び生成のために、幾つかのツールやリソースを利用できる。例えばSCOPスーパーファミリーのタンパク質は構造的にアラインされており、斯かるアラインメントはアクセス及びダウンロード可能である。2種以上の(例えば数種の)タンパク質構造のアラインメントは、種々のアルゴリズムを用いて行うことができる。斯かるアルゴリズムの例としては、距離アラインメントマトリックス(distance alignment matrix)(Holm and Sander, 1998, Proteins 33: 88-96)又は組合伸長(combinatorial extension)(Shindyalov and Bourne, 1998, Protein Enginee環 11: 739-747)が挙げられる。これらのアルゴリズムを実行することで、更に構造データベース内の所望の構造を照合し、構造ホモログの候補を検索する事も可能である(例えばHolm and Park, 2000, Bioinformatics 16: 566-567)。
本発明のアルブミン変異体を記述するに際して、参照を容易にするために、以下に説明する命名法を採用するものとする。IUPACで認められている1文字又は3文字のアミノ酸の略称を用いる。「点変異」(point mutation)及び/又は「改変」(alteration)という語は、欠失、挿入、及び置換を含むものとする。
置換:アミノ酸の置換は、元のアミノ酸、位置、置換後のアミノ酸、という順序で記載する。従って、位置226のトレオニンのアラニンによる置換は、「Thr326Ala」又は「T326A」と表される。多重変異(又は多重改変)は加算記号(「+」)で区切って示す。例えば「Gly205Arg+Ser411Phe」又は「G205R+S411F」は、位置205のグリシン(G)及び位置411のセリン(S)の、それぞれアルギニン(R)及びフェニルアラニン(F)による多重置換を表す。また、例えば「E492T/N503D」のように、スラッシュ(「/」)も同じ意味で用いる。これは加算記号(「+」)と相互交換可能である。
欠失:アミノ酸の欠失は、元のアミノ酸、位置、*、という順序で記載する。従って、従って、位置195のグリシンの欠失は、「Gly195*」又は「G195*」と表される。多重欠失は加算記号(「+」)で区切って、例えば「Gly195*+Ser411*」又は「G195*+S411*」のように示す。
挿入:上述のように、挿入は、ある位置を占めるアミノ酸(「指名された(又は元の)アミノ酸」、「X」)のN側(「上流」、「X-1」)でもC側(「下流」、「X+1」)でもよい。
元のアミノ酸(「X」)のC側(「下流」、「X+1」)にアミノ酸が挿入される場合、元のアミノ酸、位置、元のアミノ酸、挿入されるアミノ酸、という順序で記載する。従って、位置195のグリシンの後へのリシンの挿入は、「Gly195GlyLys」又は「G195GK」と表される。複数アミノ酸の多重挿入は、[元のアミノ酸、位置、元のアミノ酸、挿入されるアミノ酸#1、挿入されるアミノ酸#2;等]という順序で示される。例えば、位置195のグリシンの後へのリシン及びアラニンの挿入は、「Gly195GlyLysAla」又は「G195GKA」と表される。このような場合、挿入される(1又は2以上の)アミノ酸残基は、挿入される(1又は2以上の)アミノ酸残基に先立つアミノ酸残基の位置番号に対して下付文字を付して表す。よって、上の例では、以下の順序となる。
Figure 0007007261000003
元のアミノ酸(X)のN側(「上流」、「X-1」)にアミノ酸が挿入される場合、元のアミノ酸、位置、挿入されるアミノ酸、元のアミノ酸、という順序で記載する。従って、位置195のグリシン(G)の前へのリシン(K)の挿入は、「Gly195LysGly」又は「G195KG」と表される。複数アミノ酸の多重挿入は、[元のアミノ酸、位置、挿入されるアミノ酸#1、挿入されるアミノ酸#2;等、元のアミノ酸]という順序で示される。例えば、位置195のグリシンの前へのリシン(K)及びアラニン(A)の挿入は、「Gly195LysAlaGly」又は「G195KAG」と表される。このような場合、挿入される(1又は2以上の)アミノ酸残基は、挿入される(1又は2以上の)アミノ酸残基に先立つアミノ酸残基の位置番号に対して、下付文字及びダッシュ(’)を付して示す。よって、上の例では、以下の順序となる。
Figure 0007007261000004
多重改変:複数の改変を含む変異体は、加算記号(「+」)で区切って示す。例えば「Arg170Tyr+Gly195Glu」又は「R170Y+G195E」は、位置170のアルギニン及び位置195のグリシンの、それぞれチロシン及びグルタミン酸による置換を示す。
異なる改変:単一の位置に複数の異なる改変を導入できる場合、斯かる複数の異なる改変をコンマで区切って示す。例えば「Arg170Tyr,Glu」は、位置170のアルギニンがチロシン又はグルタミン酸で置換されることを示す。即ち、「Tyr167Gly,Ala+Arg170Gly,Ala」は、以下の変異体を示す。「Tyr167Gly+Arg170Gly」、「Tyr167Gly+Arg170Ala」、「Tyr167Ala+Arg170Gly」、及び「Tyr167Ala+Arg170Ala」。
コンジュゲーション能力:コンジュゲーション可能なシステインとは、コンジュゲーションパートナーとの間に、特にアルブミンではないコンジュゲーションパートナーとの間に、分子内結合を形成しうるシステイン残基である。コンジュゲーション可能なポリペプチド、即ちチオアルブミンは、コンジュゲーション可能なシステイン残基を介して、コンジュゲーションパートナーと分子内結合を形成しうる。チオアルブミンは、高レベルのコンジュゲーション能力を有していてもいなくてもよい。例えば、コンジュゲーション可能なシステインを1つのみ、Cys-34として有する配列番号2のアルブミンのコンジュゲーション能力と比較して、少なくとも50、60、70、80、90、95、96、97、98、99又は100%のコンジュゲーション能力を有していてもよい。コンジュゲーション能力は、所望の任意のコンジュゲーション可能な分子(コンジュゲーションパートナー)、例えば生物活性分子や蛍光色素との比較において決定することができる。その決定は、例えば質量スペクトル分析(mass spectrometry:MS)や、生物活性化合物の活性、例えばその蛍光等を定量化することにより行うことができる。アルブミンとビオチン又はHRPとのコンジュゲーション能力は、結果として生じるコンジュゲートの質量、及び/又は、コンジュゲートされた化合物の酵素活性をアッセイすることにより、決定することができる。蛍光標識及び細胞内取り込みによる決定法が、McGraw et al., (1987), The Journal of Cell Biology, 105, 207-214;及びPresley et al., (1993), The Journal of Cell Biology, 122, 1231-1241に記載されている。高いコンジュゲーション能力を有するチオアルブミンの利点は、チオアルブミンに対する分子の効率的なコンジュゲーションを可能にする、という点にある。コンジュゲーション能力は経時的に計測してもよい。好ましいチオアルブミンとしては、(a)最大のコンジュゲーションを即時に達成するものや、(b)徐々に達成するものが挙げられる。特定のシステインのコンジュゲーション能力は、当業者に既知の方法により決定することができる。例えば、コンジュゲーション後にタンパク質を溶解し、ペプチドマッピングを実施して、特定のシステインにおけるコンジュゲーションの程度を決定すればよい。
生物活性剤又は生物活性化合物は、生存する生物、系、又は細胞と相互作用する能力を有する剤又は化合物である。例えば、生物学的剤又は化合物でもよく、化学的剤又は化合物でもよい。
リガンド結合:アルブミンのリガンド結合特性としては、陰イオン及び中性リガンド、例えば長鎖脂肪酸、ビリルビン、及び他の雑多なリガンドへの結合が含まれる。長鎖脂肪酸、オレイン酸(C18:1)、パルミチン酸(C16:0)、リノレイン酸(C18:2)、ステアリン酸(C18:0)、アラキドン酸(C20:4)、及びパルミトレイン酸(C16:1)が、HSAに結合することが知られている。HSA及びチオアルブミンのリガンド結合試験は、本目的への適格性を満たした等温滴定熱量測定法を用いて実施することができる。試料の前処理として、脱脂(Sogami, M. and J. F. Foster (1968). Biochemistry 7(6): 2172-82;本文献は参照により本明細書に組み込まれる)及チオールブロッキング(Sogami, M., H. A. Petersen, et al. (1969). Biochemistry 8(1): 49-58;本文献は参照により本明細書に組み込まれる)、並びにその後のゲル浸透クロマトグラフィーを実施することもできる。チオアルブミン及びHSAと、例えばオクタン酸等との結合曲線を生成して比較し、機能的類似性を構築してもよい。コンジュゲートされたチオアルブミン及び/又はコンジュゲートされていないチオアルブミンの、ビリルビン及び/又は脂肪酸に対して、モル対モルの条件下で、HSAの受容体結合活性の少なくとも5%、10%、15%、20%、30%、40%又は50%、60%、70%、少なくとも80%、90%、95%、100%、105%又はそれ以上の受容体結合活性を有する。
FcRn及びshFcRn:「FcRn」という語は、新生児Fc受容体(neonatal Fc receptor:FcRn)、特にヒト新生児Fc受容体を意味する。shFcRnはFcRnの可溶性組換携帯である。shFcRnは配列番号26(主要組織適合性複合体クラスI様Fc受容体(major histocompatibility complex class I-like Fc receptor:FCGRT)の切断型重鎖)及び配列番号27(β-2-ミクログロブリン)のヘテロ二量体。即ち、配列番号26及び27が一緒になってhFcRnを形成する。
コンジュゲート化及び/又は非コンジュゲート化チオアルブミンは、FcRnに対する結合親和性が改変されていてもいなくてもよい。
チオアルブミン又はそのコンジュゲートのFcRnへの結合性は、親アルブミン又はそのコンジュゲートのFcRnへの結合性と比較して、より強くてもより弱くてもよい(が、強い方が好ましい)。
チオアルブミン又はそのコンジュゲートのFcRn(例えばshFcRn)に対するKDは、HSA又はそのコンジュゲートの対応するKDよりも低くてもよい。中でも、チオアルブミン又はコンジュゲートのKDは、HSAのFcRnに対するKDと比べて0.9×KD未満、より好ましくはHSAのFcRnに対するKDと比べて0.5×KD未満、より好ましくはHSAのFcRnに対するKDと比べて0.1×KD未満、より一層好ましくはHSAのFcRnに対するKDと比べて0.05×KD未満、より一層好ましくはHSAのFcRnに対するKDと比べて0.02×KD未満、より一層好ましくはHSAのFcRnに対するKDと比べて0.01×KD未満、最も好ましくはHSAのFcRnに対するKDと比べて0.001×KD未満であることが好ましい(ここで×は倍数を表す。)。
チオアルブミンを含むコンジュゲートの場合、斯かるコンジュゲートのKDは、HSAを含む対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて0.9×KD未満、より好ましくは対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて0.5×KD未満、より好ましくは対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて0.1×KD未満、より一層好ましくは対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて0.05×KD未満、より一層好ましくは対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて0.02×KD未満、より一層好ましくは対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて0.01×KD未満、最も好ましくは対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて0.001×KD未満であることが好ましい(ここで×は倍数を表す。)。ここで「対応するコンジュゲート」(corresponding conjugate)とは、チオアルブミン(即ちアルブミン変異体)の代わりにHSA(例えば配列番号2)を含むコンジュゲートを意味する。
チオアルブミン又はそのコンジュゲートのFcRnに対するKDは、対応するHSA又はそのコンジュゲートのFcRnに対するKDよりも高くてもよい。中でも、チオアルブミン又はコンジュゲートのKDは、HSAのFcRnに対するKDと比べて2×KD超、より好ましくはHSAのFcRnに対するKDと比べて5×KD超、より好ましくはHSAのFcRnに対するKDと比べて10×KD超、より一層好ましくはHSAのFcRnに対するKDと比べて25×KD超、最も好ましくはHSAのFcRnに対するKDと比べて50×KD超であることが好ましい。チオアルブミン又はコンジュゲートはFcRnに対して全く結合しなくともよい。
チオアルブミンを含むコンジュゲートの場合、斯かるコンジュゲートのKDは、HSAを含む対応するコンジュゲートのKDに対して、対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて2×KD超、より好ましくは対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて5×KD超、より好ましくは対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて10×KD超、より一層好ましくは対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて25×KD超、最も好ましくは対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて50×KD超であることが好ましい。ここで「対応するコンジュゲート」(corresponding conjugate)とは、チオアルブミン(即ちアルブミン変異体)の代わりにHSA(例えば配列番号2)を含むコンジュゲートを意味する。
KDを決定及び/又は比較する場合、以下のパラメーターのうち1又は2以上(例えば数個)(そして好ましくは全て)を使用してもよい。
機器:Biacore 3000 instrument(GE Healthcare)。
フローセル:CM5センサーチップ。
FcRn:ヒトFcRn、好ましくは可溶性ヒトFcRn。任意によりβ-2-ミクログロブリンのC末端にタグが、例えばグルタチオンSトランスフェラーゼ(Glutathione S Transferase:GST)又はヒスチジン(His)、最も好ましくはHis、例えば6ヒスチジン残基が結合されていてもよい。
FcRnの量:1200~2500RU。
カップリング化学: アミンカップリング化学(例えば使用機器のメーカーが提供するプロトコールに記載の通り)。
カップリング法:カップリングは、例えば10mM酢酸ナトリウム中20μg/mLのタンパク質溶液(pH5.0)(GE Healthcare)を注入して実施することができる。ランニングバッファー及び希釈バッファーとしては、例えばpH5.5のリン酸緩衝剤(67mMリン酸緩衝剤、0.15MのNaCl、0.005% Tween 20)を使用できる。表面の再生は、例えばpH7.4のHBS-EP緩衝剤(0.01M HEPES、0.15M NaCl、3mM EDTA、0.005% 界面活性剤P20)(Biacore AB)を注入して実施することができる。
試験分子(例えばHSA又は変異体)の注入量:20~0.032μM。
注入流量:定速、例えば30μL/mL。
注入温度:25℃。
データ評価用ソフトウェア:BIAevaluation 4.1ソフトウェア(BIAcore AB)。
血漿中半減期:血漿中半減期は、インビボで適切な個人について決定するのが理想的である。しかし、動物やヒトの実験は時間及び費用を要する上に、必然的に倫理的な問題を伴うことから、インビトロアッセイにより血漿中半減期が延長されるか短縮されるかを決定することが望ましい。アルブミンのその受容体(FcRn)への結合性は血漿中半減期にとって重要であり、受容体結合と血漿中半減期との相関性は、アルブミンのその受容体への親和性が高いほど、血漿中半減期が長くなることが知られている。従って、本発明では、アルブミンのFcRnに対する親和性が高ければ、血漿中半減期が延長されたことを示す指標として扱い、アルブミンのその受容体に対する親和性が低ければ、血漿中半減期が短縮されたことを示す指標として扱うものとする。
アルブミンのその受容体FcRnに対する結合は、親和性という語と、「より強い」(stronger)又は「より弱い」(weaker)という表現を用いて記載することができる。即ち、ある分子がHSAと比較してより高いFcRnへの親和性を有する場合、当該分子はHSAよりもFcRnに対してより強く結合するものと解され、ある分子がHSAと比較してより低いFcRnへの親和性を有する場合、当該分子はHSAよりもFcRnに対してより弱く結合するものと解される。「結合親和性」(binding affinity)という語の代わりに「結合係数」(binding coefficient)という語を使用してもよい。
「より長い血漿中半減期」又は「より短い血漿中半減期」、及び同様の表現は、対応する親又は参照又は対応アルブミン分子を基準としたものと解される。即ち、本発明の変異体アルブミンについて、より長い血漿中半減期という場合には、そこに記載の(1又は2以上の)改変を除いては同一の配列を有する対応アルブミンと比較して、当該変異体がより長い血漿中半減期を有するという意味である。
参照:参照(reference)とは、あるアルブミン変異体、融合、コンジュゲート、組成物、アソシエイト、ナノ粒子又はマイクロ粒子の比較対象となるアルブミン、融合、コンジュゲート、組成物、アソシエイト、ナノ粒子又はマイクロ粒子である。斯かる参照は、全長アルブミン(例えばHSA又はその天然アレル)又はその断片を含んでいてもよく、或いは全長アルブミン又はその断片からなるものでもよい。また、参照は、アルブミン変異体、融合、コンジュゲート、組成物、アソシエイト又はナノ粒子の比較対象となる「対応の」(corresponding)アルブミン、融合、コンジュゲート、組成物、アソシエイト又はナノ粒子のことを指す場合もある。参照は、HSA(配列番号2)又はその断片、融合、コンジュゲート、アソシエイト、ナノ粒子又はマイクロ粒子を含んでいてもよく、或いはこれらからなるものでもよい。斯かる参照は、そのアルブミン部分を除いては、本発明に係る(「試験対象の」(being studied))ポリペプチド、融合ポリペプチド、コンジュゲート、組成物、アソシエイト、ナノ粒子又はマイクロ粒子と同一である。参照のアルブミン部分は、アルブミン(例えばHSA、配列番号2)又はその断片を含み、或いは当該アルブミン又はその断片からなることが好ましい。参照のアルブミン部分のアミノ酸配列の長さは、本発明に係る(「試験対象の」(being studied))ポリペプチド、融合ポリペプチド、コンジュゲート、組成物、アソシエイト、ナノ粒子又はマイクロ粒子のアルブミン部分のアミノ酸配列の長さと比較して、より長くてもより短くてもよいが、同程度(±1~15アミノ酸)であることが好ましい。
アレル変異体:「アレル変異体」(allelic variant)という語は、同一の染色体座を示す遺伝子の2又はそれ以上の(数種の)多型の各々を意味する。アレル多様性は変異により天然に生じ、集団内において多型を生じる場合がある。遺伝子変異にはサイレント変異の場合(コードされるポリペプチドが変化しない場合)もあれば、コードするポリペプチドのアミノ酸配列に改変が生じる場合もある。ポリペプチドのアレル変異体とは、ある遺伝子のアレル変異体によりコードされるポリペプチドを意味する。HSA(配列番号2)の多型については、Minchiotti et al. (2008). Hum Mutat 29(8): 1007-16及びhttp://www.uniprot.org/uniprot/P02768において議論されている。
コーディング配列:「コーディング配列」(coding sequence)という語は、その翻訳されたポリペプチド産物のアミノ酸配列を直接指定するポリヌクレオチドを意味する。コーディング配列の境界は概ねオープンリーディングフレーム(open reading frame)により規定される。オープンリーディングフレームは通常ATG開始コドン、或いはGTGやTTG等の他の開始コドンから開始し、停止コドン、例えばTAA、TAG、及びTGAにより終止する。コーディング配列は、DNA、cDNA、合成、又は組換ポリヌクレオチドの何れであってもよい。
cDNA:「cDNA」という語は、真核細胞から得られるスプライスされた成熟mRNA分子から逆転写して調製されるDNA分子を意味する。cDNAは、対応するゲノムDNAに存在するイントロン配列を有さない。当初の一次RNA転写物がmRNAの前駆体となり、これがスプライシングを含む一連の処理工程を受ける結果、スプライスされた成熟mRNAが生成される。
核酸コンストラクト:「核酸コンストラクト」(nucleic acid construct)という語は、天然遺伝子から単離されてなる、或いは天然では存在し得ない核酸のセグメントを含むように改変されてなる、或いは合成されてなる、一本鎖又は二本鎖の核酸分子を意味する。核酸コンストラクトが本発明のコーディング配列を発現させるのに必要な調節配列を含む場合、「核酸コンストラクト」は「発現カセット」(expression cassette)と同義である。
調節配列:「調節配列」(control sequence)という語は、本発明の変異体をコードするポリヌクレオチドを発現させるのに必要なあらゆる核酸配列を意味する。各調節配列は、当該変異体をコードするポリヌクレオチドに対して天然(即ち同一遺伝子由来)でも外来(即ち異なる遺伝子由来)でもよい。また、調節配列相互間が互いに天然でも外来でもよい。斯かる調節配列としては、これらに限定されるものではないが、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモータ、シグナルペプチド配列、及び転写ターミネータが挙げられる。少なくとも、調節配列はプロモータ並びに転写及び翻訳停止シグナルを含む。変異体をコードするポリヌクレオチドのコーディング領域と調節配列との連結を容易にする特定の制限部位を導入する目的で、調節配列にリンカーを付与してもよい。
作動式に連結された:「作動式に連結された」(operably linked)という語は、調節配列によってポリヌクレオチドのコーディング配列の発現が誘導されるように、調節配列がコーディング配列に対して適切な位置になるよう配置されてなる構成を意味する。
発現:「発現」(expression)という語は、変異体の産生に関与する任意の工程を含み、これらに限定されるものではないが、転写、転写後修飾、翻訳、翻訳後修飾、及び分泌を含む。チオアルブミンは、例えば酵母(例えばサッカロミセス属(Saccharomyces)、例えばS.セレビシエ(S. cerevisiae)等、又はアスペルギルス属(Aspergillus)等)等の適切な発現系において、非修飾アルブミン(例えば配列番号2)の発現レベルに対して少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90又は100%のレベルで発現されてもよく、されなくてもよい。相対的な発現レベルは、例えばタンパク質の発現後にSDS-PAGE、GP-HPLC又はウエスタンブロッティングで定量化することにより、決定することができる。
発現ベクター:「発現ベクター」(expression vector)という語は、変異体をコードするポリヌクレオチドを含み、その発現のための調節配列と作動式に連結されてなる、直鎖又は環状のDNA分子を意味する。
宿主細胞:「宿主細胞」(host cell)という語は、本発明のポリヌクレオチドを含む核酸コンストラクト又は発現ベクターにより形質転換(transformation)、トランスフェクション、トランスダクション等することが可能な任意の細胞型を意味する。「宿主細胞」という語には、複製時に生じた変異ゆえに親細胞とは異なるものとなった、親細胞の任意の子孫も含むものとする。
コンジュゲーション可能なポリペプチドI
本発明の第一の側面は、ヒトアルブミン、特に配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列の残基1~585、又はその断片と少なくとも60%同一のアミノ酸配列を含む、コンジュゲーション可能なポリペプチドであって;
配列番号2のK93、E294、A226、E230、I271、E358、L24、F49、V54、D56、L66、A92、Q94、E97、H128、F156、E227、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、L275、E277、L284、E311、K317、A322、E333、D340、E354、K359、A362、E382、及びL398から選択される位置に等しい少なくとも1つの(例えば数個の)位置に、コンジュゲーション可能なシステイン残基を含み;
好ましくは、前記コンジュゲーション可能なポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向は、親ポリペプチド(例えば配列番号2のポリペプチド)が溶液中で単量体として存在する傾向の少なくとも70%であり、より好ましくは、配列番号2のポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向少なくとも75、80、85、90、95、96、97、98、少なくとも99又は100%である、コンジュゲーション可能なポリペプチドに関する。親ポリペプチドは、本明細書に記載の1又は2以上のコンジュゲーション可能なCys残基を含まないことが好ましい。親ポリペプチドは、本発明に記載の1又は2以上の変異を含まないことが好ましい。即ち、親ポリペプチドは、コンジュゲーション可能なポリペプチドに導入された1又は2以上のシステイン残基、及び存在する場合には、コンジュゲーション可能なポリペプチドに導入された1又は2以上の他の変異を除いては、コンジュゲーション可能なポリペプチドと同一であることが好ましい。
前記少なくとも1つの(例えば数個の)位置は、K93、E294、A226、E230、I271、及びE358、特にK93、E294、A226、E230、及びI271から選択されるのが適切である。
前記コンジュゲーション可能なポリペプチドは、配列番号2に対して少なくとも70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、99.2、99.4、99.6、99.8%の配列同一性を有することが好ましい。例えば、前記コンジュゲーション可能なポリペプチドは、導入された1又は2以上のCys残基の他に、配列番号2と比較して、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10(例えば数個の)他の変異を有していてもよい。或いは、前記コンジュゲーション可能なポリペプチドは、導入された1又は2以上のCys残基に加えて、配列番号2に対する他の変異が0であってもよい。
前記コンジュゲーション可能なポリペプチドは、その溶液中で単量体として存在する傾向が、配列番号2のポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向の少なくとも75%であると共に、K93、E294、A226、E230、I271、E358、L24、F49、V54、D56、A92、Q94、E97、H128、F156、E227、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、L275、L284、K317、A322、E333、D340、E354、K359、A362、E382、及びL398から選択される位置に等しい少なくとも1つの位置に、コンジュゲーション可能なシステイン残基を含むことが好ましい。
前記ポリペプチドは組換ポリペプチドであることが好ましい。前記ポリペプチドは、単離及び/又は精製されたポリペプチドであることが好ましい。前記ポリペプチドは、合成されたものであり、及び/又は、天然では生じないものであることが好ましい。
上記の位置におけるコンジュゲーション可能なシステインは、アルブミンに対して以下の手法により形成されたものであってもよく、そうでなくてもよい。例えば、システインを単独で、或いは1又は2以上の(例えば数個の)更なる残基と共に、アルブミン配列の既存のアミノ酸残基を除去することなく挿入することにより形成されたものでもよい。或いは、1又は2以上の(例えば数個の)隣接するアミノ酸を、少なくとも1つの(例えば数個の)システインを含む、より数の多い残基で置換することにより、ポリペプチドの全長を増加させたものであってもよい。例えば、本明細書において特定したアルブミン残基に直接隣接する位置に、システイン残基を導入してもよい。システイン残基は単一のシステイン残基として導入してもよく、ポリペプチドの一部として導入してもよい。ポリペプチドは例えば2~50アミノ酸長、好ましくは2、10、20、30、又は40アミノ酸長から、10、20、30、40又は50アミノ酸長であってもよい。
適切には、前記ポリペプチドが、
a)配列番号2の残基K93、E294、A226、E230、I271、E358、L24、F49、V54、D56、L66、A92、Q94、E97、H128、F156、E227、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、L275、E277、L284、E311、K317、A322、E333、D340、E354、K359、A362、E382、及びL398、特にK93、E294、A226、E230、及びI271の何れかに等しい位置に対応する位置における、システイン以外のアミノ酸からシステインへの置換;及び/又は、
b)配列番号2の残基K93、E294、A226、E230、I271、E358、L24、F49、V54、D56、L66、A92、Q94、E97、H128、F156、E227、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、L275、E277、L284、E311、K317、A322、E333、D340、E354、K359、A362、E382、及びL398、特にK93、E294、A226、E230、及びI271の何れかに等しい位置に対応するアミノ酸のN又はC側に隣接する位置への、システインの挿入
のうち1又は2以上(例えば数個)を含む。
中でも置換が好ましく、以下の選択される位置の開示は、具体的に制限なく置換を含むものとして解すべきである。
適切には、配列番号2のK93、E294、A226、E230、I271、E358、L24、F49、V54、D56、L66、A92、Q94、E97、H128、F156、E227、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、L275、E277、L284、E311、K317、A322、E333、D340、E354、K359、A362、E382、及びL398、特にK93、E294、A226、E230、及びI271から選択される位置に等しい2、3、4、5又はそれ以上の(例えば数個の)位置に、コンジュゲーション可能なシステイン残基を含む。適切には、前記2、3、4、5又はそれ以上の(例えば数個の)位置は、K93、E294、A226、E230、I271、及びE358から、特にK93、E294、A226、E230及びI271から選択される。
配列番号1の位置E294に等しい位置にCysを含むポリペプチドの場合、斯かるポリペプチドは更に、K93、A226、E230、I271、E358、L24、F49、V54、D56、L66、A92、Q94、E97、H128、F156、E227、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、L275、E277、L284、E311、K317、A322、E333、D340、E354、K359、A362、又はE382のうち1又は2以上に等しい位置にもCysを含むことが好ましい。
本発明者等は、K93、E294、A226、E230、I271、E358、L24、F49、V54、D56、L66、A92、Q94、E97、H128、F156、E227、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、L275、E277、L284、E311、K317、A322、E333、D340、E354、K359、A362、及びE382から選択される位置においてシステインが置換されたHSAの変異体について、その溶液中で単量体として存在する傾向が、HSA配列番号2のポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向の少なくとも70%であるという、有益な特性を有することを見出した。従って、選択される位置の何れか1つにシステインを導入することで、当該変異体が溶液中で二量体又はより高次の多量体を形成する傾向が低減される。この有益な作用は、選択された位置のうち2以上の位置にシステインが存在する変異体にも認められる。理論に束縛されることを意図するものではないが、本発明者等の推測によれば、本発明のポリペプチドが単量体化傾向を有するのは、システイン置換部位の周辺におけるポリペプチド鎖の柔軟性、システイン置換部位の表面への暴露によるものと考えられる。これは、本発明者等がタンパク質構造生物学における長年の経験に基づく創作能力を発揮し、システインで置換すべきHSA内の位置を吟味して選択したことを反映している。
アルブミン又はその変異体が二量体又はより高次の多量体ではなく、単量体として存在する傾向は、類似の条件の下、アルブミン又は変異体の溶液中における単量体、二量体及びより高次の多量体の定量値に基づいて決定することができる。
斯かる計測を行うのに適した技法としては、実施例に記載のゲル浸透高圧液体クロマトグラフィーが挙げられる。その結果は通常は「%単量体」として表され、その値は以下により算出される。
単量体アルブミンの質量×100/(単量体アルブミンの質量+二量体アルブミンの質量+より高次の多量体の質量)
或いは、溶液中で非単量体、即ち、二量体及び/又はより高次の多量体を形成する傾向として表してもよい。「%非単量体」は100%から%単量体を減算して算出される。
試料の試験は、振盪フラスコ又は10Lバイオリアクターでの産生に続く精製直後(例えば精製後24時間以内)に実施してもよく、或いは例えば2~8℃、例えば5℃において、最長1週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、又は6ヶ月、又はこれらを含む期間に亘って保存した後に実施してもよい。試料の試験、及び任意によりその保存は、例えば1又は2以上の(例えば数種の)塩を含むpH約7.0±0.5の溶液中で行うことができる。斯かる溶液は、例えば50mM酢酸アンモニウム及び10mMオクタン酸ナトリウムを含む緩衝剤を含み、そのpHは例えば7.0であってもよく、そのポリペプチド濃度は好ましくは約0.2~約2.5mg/mLであってもよい。前記溶液は、例えば25mMリン酸ナトリウム及び215mM塩化ナトリウムを含む緩衝剤を含み、そのpHは例えば6.5であってもよく、そのポリペプチド濃度は好ましくは約5~約50mg/mLであってもよい。
所与のアルブミンの%単量体は、アルブミンの純度及び濃度に応じて変わる場合がある。振盪フラスコ培養により製造されたアルブミンは、通常は単回のAlbuPure(登録商標)(Prometic Life Sciences Inc.又はAlbumedix Ltd(旧名称Novozymes Biopharma UK Ltd))を用いたクロマトグラフィー工程により精製され、通常は濃度が約0.2~2.0mg/mL、より好ましくは1±0.5mg/mLであり、SDS還元PAGEによるタンパク質純度は>95%である。AlbuPure(登録商標)はアルブミン融合タンパク質の精製用に設計された高性能親和性捕捉吸着剤であり、塩基性マトリックスに結合された合成トリアジンリガンドを含む。これらの条件下におけるHSAの%単量体は約87%であり、2~8℃、例えば5℃で6ヶ月間の保存後には約89%まで上昇した。10Lバイオリアクター培養により製造されたアルブミンは、通常はAlbuPure(登録商標)クロマトグラフィー工程の後、イオン交換クロマトグラフィーにより精製され、次いで限外濾過された後、50mg/mLの濃度に調製されるところ、SDS還元PAGEによるそのタンパク質純度は>99%となる。これらの条件下におけるHSAの%単量体は約94%であり、2~8℃で2ヶ月の保存及び2~8℃で6ヶ月の保存後も安定であった。従って、上述の典型的な振盪フラスコ産生及び精製の後に試験した場合、溶液中で単量体として存在する傾向がHSAの少なくとも70%である変異体は、精製直後の試料又は最長2ヶ月若しくは最長6ヶ月保存後の試料の何れについても、少なくとも60%単量体、好ましくは少なくとも69%単量体(40%非単量体未満、好ましくは31%非単量体未満)であると考えられる。溶液中で単量体として存在する傾向がHSAの少なくとも80%である変異体の場合、%単量体は少なくとも70%、好ましくは少なくとも79%単量体であり、%非単量体は 30%未満、好ましくは21%未満である。一方、上述のような典型的な10Lバイオリアクター産生及び精製の後に試験した場合、溶液中で単量体として存在する傾向がHSAの少なくとも70%である変異体は、精製直後の試料又は最長2ヶ月保存後の試料の何れについても、少なくとも65%単量体、好ましくは少なくとも69%単量体であると考えられる。溶液中で単量体として存在する傾向がHSAの少なくとも80%である変異体の場合、%単量体は少なくとも75%、好ましくは少なくとも79%である。斯かる傾向は0日目に、例えば変異体が製造されたその日に測定することが好ましい。しかし、その後に、例えば1、2、3、4、5、6、7日、又は2、3、4、5、6、7週間、或いは1又は2ヶ月間、例えば2~8℃、例えば5℃で保存した後に測定してもよい。また、最長7週間又は2ヶ月間の保存の間、%単量体が安定である、即ち、精製直後の試験と、例えば2~8℃、例えば5℃で2ヶ月間保存した後の試験との間で、%単量体が10%ポイント超、9、8、7、6、5、4、3、2又は1%ポイント超の減少を生じないことが適切である。中でも、精製直後の試験と、例えば2~8℃、例えば5℃で7ヶ月間保存した後の試験との間で、%単量体が5%ポイント超の減少を生じないことが好ましい。
本発明の変異体が溶液中で単量体として存在する傾向は、配列番号2のポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向の、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも100%であってもよく、それ以外の値であってもよい。この傾向は精製直後に試験してもよく、例えば2~8℃、例えば5℃で最長6ヶ月間の保存後に試験してもよい。
前記ポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向は、例えば、2~8℃、例えば5℃の温度で少なくとも7週間の保存後、2~8℃、例えば5℃の温度で少なくとも8週間の保存後、2~8℃、例えば5℃の温度で少なくとも3ヶ月の保存後、2~8℃、例えば5℃の温度で少なくとも4ヶ月の保存後、2~8℃、例えば5℃の温度で少なくとも6ヶ月の保存後、又は約40℃の温度で少なくとも3ヶ月の保存の後に測定することができる。中でも、前記ポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向は、2~8℃、例えば5℃の温度で少なくとも3ヶ月の保存後に測定することが最も好ましい。
前記ポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向は、例えばポリペプチド濃度0.2~50mg/mL、例えば約5mg/mLで測定することができる。
前記ポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向は、そのpHが例えば約6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、又は7.4から、約6.1、6.2、6.3、6.4、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4又は7.5まで、好ましくはpH約7で測定することができる。
前記ポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向は、例えば50mM酢酸アンモニウム及び10mMオクタン酸ナトリウムを含むpH7.0の緩衝剤中で、好ましくはポリペプチド濃度約0.5~約5mg/mLで測定することができる。
前記ポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向は、例えば25mMリン酸ナトリウム及び215mM塩化ナトリウムを含むpH6.5の緩衝剤中で、好ましくはポリペプチド濃度約5~約50mg/mLで測定することができる。
前記コンジュゲーション可能なポリペプチドは、その保存に先立ち、例えばトリアジン(例えばAlbuPure(登録商標))クロマトグラフィーマトリックス又はDE-FFクロマトグラフィーマトリックス、より好ましくはトリアジン(例えばAlbuPure(登録商標))クロマトグラフィーマトリックス及びその後のDE-FFクロマトグラフィーマトリックスによって精製されてもよい。適切な方法は実施例10に記載されている。
ポリペプチド試料保存庫は据置型(static)でもよい。ポリペプチド試料保存庫は鉛直型(vertical)でもよい。
上述のコンジュゲーション可能なシステインを2以上有する変異体は、斯かるシステインの数が1つ少ない点を除けば同一である変異体と比較して、その単量体として存在する傾向が低下していてもよい。例えば、置換E294C+K93Cを有する変異体アルブミンは、何れか一方の置換のみを有する変異体アルブミンと比較して、その単量体として存在する傾向が低い。中でも、配列番号2のK93、E294、A226、E230、I271、E358、L24、F49、V54、D56、L66、A92、Q94、E97、H128、F156、E227、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、L275、E277、L284、E311、K317、A322、E333、D340、E354、K359、A362、E382、及びL398、特にK93、E294、A226、E230、及びI271から選択される2つの位置にコンジュゲーション可能なシステイン残基を含む変異体は、それら2つの位置のうち何れか一方の置換のみを有する他は同一である変異体アルブミンと比較して、その単量体として存在する傾向が少なくとも75%であることが適切である。
中でも、配列番号2のK93、E294、A226、E230、I271、E358、特にK93、E294、A226、E230、及びI271から選択される2つの位置にコンジュゲーション可能なシステイン残基を含む変異体は、それら2つの位置のうち何れか一方の置換のみを有する他は同一である変異体アルブミンと比較して、その単量体として存在する傾向が少なくとも75%であることが適切である。
単量体である傾向は高い方が好ましい。例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも100%であることが好ましい。例えば、置換E294C+K93Cを含むHSAが溶液中で単量体として存在する傾向は、置換K93Cを含むHSAが溶液中で単量体として存在する傾向の少なくとも90%であり、或いは、置換E294Cを含むHSAが溶液中で単量体として存在する傾向の少なくとも85%である。これらの結果は何れも実施例において、10Lバイオリアクター調製物から精製された物質について、精製直後の試験、或いは2~8℃、例えば5℃で7週間又は2ヶ月間の保存後の試験で立証されている。また、同一の試料は6ヶ月間の保存後にも安定である。2以上のコンジュゲーション可能なシステインを有するアルブミン変異体は、既に少なくとも1つの(例えば数個の)コンジュゲーション可能なシステイン残基を有する変異体に対して、更なるコンジュゲーション可能なシステイン残基を導入することにより調製することができる。更なるコンジュゲーション可能なシステイン残基を含む変異体が溶液中で単量体として存在する傾向は、当該更なるコンジュゲーション可能なシステイン残基を欠く参照アルブミンが溶液中で単量体として存在する傾向と比較して、少なくとも75%であることが好ましい。
適切な変異体としては、配列番号2のK93、E294、A226、E230、I271及びE358から選択される1又は2又はそれ以上の(例えば数個の)位置に、コンジュゲーション可能なシステイン残基を含むものが挙げられる。複数位置の適切な組合せとしては、配列番号2の(i)K93+E294、A226、E230、I271、又はE358;(ii)E294+K93、A226、E230、I271、又はE358;(iii)A226+K93、E294、E230、I271、又はE358;(iv)E230+K93、E294、A226、I271、又はE358;(v)I271+K93、E294、A226、E230、又はE358;(vi)K93+E294+A226、E230、I271、又はE358が挙げられる。適切な変異体としては、配列番号2のL24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、D237、E230、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、L398から選択される1又は2又はそれ以上の(例えば数個の)位置に、コンジュゲーション可能なシステイン残基を含むものが挙げられる。複数位置の適切な組合せとしては、(1)L24+F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(2)F49+L24、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(3)V54+L24、F49、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(4)D56+L24、F49、V54、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(5)L66+L24、F49、V54、D56、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(6)A92+L24、F49、V54、D56、L66、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(7)Q94+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(8)E97+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(9)H128+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(10)F156+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(11)E227+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(12)D237+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E230、E227、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(13)K240+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E230、E227、D237、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(14)D259+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E230、E227、D237、K240、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(15)K262+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E230、E227、D237、K240、D259、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(16)N267+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E230、E227、D237、K240、D259、K262、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(17)Q268+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(18)L275+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(19)E277+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(20)L284+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(21)E311+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(22)K317+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(23)A322+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(24)E333+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、D340、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(25)D340+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、E227、D237、E230、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、E354、E358、K359、A362、E382、又はL398;(26)E354+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、
E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E358、K359、A362、E382、又はL398;(27)K359+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、A362、E382、又はL398;(28)A362+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、E382、又はL398;(29)E382+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、又はL398;(30)L398+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、又はE382;(31)K93+L24、F49、V54、D56、L66、A92、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382又はL398;(32)E294+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382又はL398;(33)A226+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382又はL398;(34)E230+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382又はL398;(35)I271+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、E358、K359、A362、E382又はL398;及び(36)E358+L24、F49、V54、D56、L66、A92、K93、Q94、E97、H128、F156、A226、E227、E230、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、I271、L275、E277、L284、E294、E311、K317、A322、E333、D340、E354、K359、A362、E382又はL398が挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のK93に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE294に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のA226に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE230に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のI271に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE358に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
特に好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のK93に等しい位置及び配列番号2のE294に等しい位置にそれぞれシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のL24に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のF49に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のV54に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のD56に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のL66に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のA92に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のQ94に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE97に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のH128に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のF156に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE227に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のD237に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のK240に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のD259に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のK262に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のN267に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のQ268に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のL275に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE277に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のL284に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE311に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のK317に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のA322に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE333に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のD340に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE354に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のK359に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のA362に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE382に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のL398に等しい位置にシステインを有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、にシステインを配列番号2のK93に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
特に好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE294に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のA226に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE230に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のI271に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE358に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のK93に等しい位置にシステインを、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のE294に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のL24に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のF49に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のV54に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のD56に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のL66に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のA92に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のQ94に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE97に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のH128に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のF156に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE227に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のD237に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のK240に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のD259に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のK262に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のN267に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のQ268に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のL275に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE277に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のL284に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE311に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のK317に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のA322に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE333に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のD340に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE354に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のK359に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のA362に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE382に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のL398に等しい位置にシステインを、及び、配列番号2のC34に等しい位置にシステインを、それぞれ有するポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のK93に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
特に好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE294に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のA226に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE230に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のI271に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE358に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のK93に等しい位置にシステインを有し、配列番号2のE294に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のL24に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のF49に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のV54に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のD56に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のL66に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のA92に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のQ94に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE97に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のH128に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のF156に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE227に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のD237に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のK240に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のD259に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のK262に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のN267に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のQ268に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のL275に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE277に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のL284に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE311に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のK317に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のA322に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE333に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のD340に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE354に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のK359に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のA362に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のE382に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
好ましいポリペプチドとしては、配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有すると共に、配列番号2のL398に等しい位置にシステインを有し、且つ、配列番号2のC34に等しい位置にはシステインを有さないポリペプチドが挙げられる。
配列番号2のC34に等しい位置に「システインを有さない」態様は、例えばC34をあるアミノ酸、例えば天然のアミノ酸、例えばA、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、又はYに置換することで得ることができる。斯かる置換はC34Xと記載することができる。置換C34Aが好ましい。配列番号2のC34に等しい位置に「システインを有さない」態様は、例えばこの位置のシステインを欠失させることによっても得ることができる。
チオアルブミンは、1又は2以上の(例えば数個の)天然遊離チオール基、例えばHSA(配列番号2)のシステイン-34がシステイン以外のアミノ酸に改変されたポリペプチドを含んでいてもよく、いなくてもよい。例えば、システインは、比較的高い保存スコア(例えば図3に基づく計算で1、2又は3)を有するアミノ酸により、例えばアラニン又はセリンにより置換されてもよく、いなくてもよい。チオアルブミンは、1又は2以上の(例えば数個の)天然遊離チオール基、例えばHSA(配列番号2)のシステイン-34が存在するポリペプチドを含んでいてもよく、いなくてもよい。即ち、上記態様の何れかのコンジュゲーション可能なポリペプチドは、配列番号2の位置34に等しい位置に、コンジュゲーション可能なシステインを含んでいてもよい。或いは、配列番号2の位置34に等しい位置に、コンジュゲーション可能なシステインを含んでいなくてもよい。
2又はそれ以上の(数個の)コンジュゲーション可能なシステイン残基を含むポリペプチドの場合、斯かるポリペプチドが折り畳まれた際に、当該2以上のコンジュゲーション可能なシステイン残基が折り畳まれたタンパク質の表面に比較的均等に分布されていてもよく、いなくてもよい。ここで「折り畳まれた」(folded)という語には、例えばポリペプチド/タンパク質がその天然の立体配置へと、例えば最も熱力学的に安定な折り畳み立体配置へと折り畳まれることを含む。比較的均等に分布することの利点としては、2又はそれ以上の(数個の)部分をチオアルブミンにコンジュゲートする際に、斯かる2又はそれ以上の(数個の)コンジュゲートされる部分の間の立体障害を最小化し、又は立体障害をなくすことができるという点が挙げられる。これにより、チオアルブミンにコンジュゲートされる隣接部分(コンジュゲーションパートナー)間の立体障害等の問題による活性損失の可能性を最小化し、又は斯かる可能性をなくすことができるという利点がある。斯かる部分、例えば生物活性分子は、比較的嵩高い場合がある。
2又はそれ以上の(数個の)コンジュゲーション可能なシステインは、チオアルブミン分子の表面に、互いに可能な限り、例えば幾何学的に可能な限り、離れて分布することが好ましい。2又はそれ以上の(数個の)コンジュゲーション可能なシステイン間の距離は、少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、又は80Åであることが好ましい。各コンジュゲーション可能なシステインは、分子内の他の1つ又は数個の、或いは他の全てのコンジュゲーション可能なシステインから、少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、又は80Åは離れていることが好ましい。2つのコンジュゲーション可能なシステイン間の距離は、例えばアルブミンのモデルに示されるような、折り畳まれたアルブミン分子の最長軸の少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は95%、及び最も好ましくは100%の距離であることが好ましい。例えば、タンパク質構造1AO6に示す配列番号2の最長軸は約85Åである。従って、2又はそれ以上の(数個の)システイン残基は、少なくとも65、70、75、又は最も好ましくは80Å離れていることが好ましい。特に、各コンジュゲーション可能なシステイン残基は、折り畳まれたアルブミン分子の最長軸の長さの少なくとも80、90、又は95%、及び最も好ましくは100%の距離にあることが最も好ましい。
コンジュゲーション可能なシステインの側鎖は、相互に離れた向きに配位され、及び/又は、システインにコンジュゲートされた部分がアルブミン構造の中心から離れる向きとなるように配位されることが好ましい。これにより、コンジュゲートされた部分の間、及び/又は、アルブミン部分自体の間の相互作用を防止できるという利点がある。
アミノ酸配列を基に、例えばYasara(Krieger and Vriend, 2014, Bioinformatics 30(20) 2981-2982;及びhttp://www.yasara.org/に記載)等のソフトウェアを用いれば、候補アミノ酸残基を視覚的に検証することができる。
前記ポリペプチドは、配列番号2の残基K93又はE294に等しい位置に対応する位置の一方又は両方に、システイン以外のアミノ酸からシステインへの置換を含むことが適切である。WT HSA(配列番号2)において、C34とK93との間のCα-Cα距離は20.3Åであり、C34とE294との間のCα-Cα距離は39.9Åであり、K93とE294との間のCα-Cα距離は45.9Åである。
マレイミドコンジュゲーションは、コンジュゲーションパートナーをアルブミンにコンジュゲートする簡便な手段である。マレイミド-ポリエチレングリコール2-ビオチンとコンジュゲートを形成する能力は、マレイミド基を含む他のコンジュゲーションパートナーとコンジュゲートを形成する能力の指標になると考えられる。逆に、あるコンジュゲーション可能なポリペプチドが、マレイミド-ポリエチレングリコール2-ビオチンとコンジュゲートを形成する効率が低く、或いはコンジュゲートしない場合、そのポリペプチドが異なる化学基とコンジュゲートする能力に乏しいか、或いはコンジュゲートできないことの指標となる。マレイミドとのコンジュゲートによるチオエーテル結合は、制御下の加水分解に対する安定化の能力を有していてもよく、いなくてもよいが、コンジュゲートが保存又は使用時に反応性マレイミドコンジュゲーションパートナーを放出しないように、安定なコンジュゲートを形成することが好ましい。放出されたコンジュゲーションパートナーは、インビボで遭遇するチオール系の反応性種と、不所望のコンジュゲートを形成する可能性がある。
実施例に示すように、システイン34に単一の遊離チオールを有する天然HSAが形成するコンジュゲートのうち、マレイミドコンジュゲーション及び制御下の加水分解に対して安定なコンジュゲートは約50%である。これに対して、本発明のポリペプチドは、安定なコンジュゲートをより高い効率で形成することができる。特に、配列番号2のK93、E294、及びE358に等しい位置から選択される位置に遊離チオール基を含むアルブミンは、実施例に示すように、安定なマレイミドコンジュゲートを高い効率で形成する。2又はそれ以上の(数個の)斯かるチオールを含むアルブミンも、安定なマレイミドコンジュゲートを形成することができる。
本発明のコンジュゲーション可能なポリペプチドは、マレイミド-ポリエチレングリコール2-ビオチンとコンジュゲート(マレイミド-PEG2-ビオチン)を、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%のコンジュゲーション効率で形成する能力を有していてもよく、いなくてもよい。斯かるコンジュゲートの少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%は、制御下の加水分解に対して安定であってもよく、なくてもよい。図4には、タンパク質の遊離チオールへのマレイミド-PEG2-ビオチンのコンジュゲーションと、形成されたコンジュゲートに生じうる反応を示す。
コンジュゲーション効率の具体的な%は、アルブミン中の斯かる具体的な%の遊離チオール基が、適切な反応条件下でマレイミド部分と付加物を形成することを意味する。マレイミド基はpH範囲6.5~7.5でチオールと反応し、チオエーテル結合を形成する一方で、このpHではアミンとの公差反応性はほとんど有さない。この反応には、20mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、pH7.2という条件を使用するのが公的である。タンパク質の濃度は1~10mg/mLの範囲内とするのが理想的である。タンパク質濃度がこれよりも低いと、許容レベルの修飾を得るために、モル過剰の試薬を用いる必要が生じる場合がある(Hermanson, Greg T. (2008), Bioconjugate Techniques. Second Edition, Academic Press, San Diego, CA)。付加物の形成により、実施例に示すように、質量スペクトル分析にとって測定可能な質量増加が生じる。%コンジュゲーション効率は、アルブミンの全ての遊離チオールを基準とすると都合がよい。アルブミンが斯かる遊離チオールを2以上有する場合、各遊離チオールの%コンジュゲーション効率が異なる場合があるところ、当該効率は各遊離チオール個別について表してもよく、全ての遊離チオールについて纏めて表してもよい。即ち、あるアルブミンが2つの遊離チオールを有し、一方が50%のコンジュゲーション効率を有し、他方が100%のコンジュゲーション効率を有する場合、アルブミン全体のコンジュゲーション効率はこれら2つのコンジュゲーション効率の平均、すなわちこの場合は75%となる。
制御下の加水分解に対する安定性の具体的な%は、図4に示すように、開環安定化を受けるチオール-マレイミド付加物の具体的な%、即ち、コンジュゲートのチオエーテル結合が維持されつつ、スクシンイミド環部分がコハク酸部分へと加水分解される%を表す。%安定性は各遊離チオール又はアルブミンについて個別に表してもよく、全ての遊離チオールについて纏めて表してもよい。制御下での加水分解は、例えばアルカリ性pH及び環境温度を超える温度で実施してもよい。適切には、付加物をpH9.0及び37℃で少なくとも18時間、好ましくは24時間、緩衝塩溶液中で、例えばリン酸緩衝食塩水中でインキュベートする。実施例に示すように、HOを添加してスクシンイミド部分をコハク酸部分に加水分解することで、質量スペクトル分析等により測定可能なコンジュゲートの質量増加を生じるという効果がある。コンジュゲーション効率が未完了の場合、%安定性の決定に際して考慮する必要がある。例えば、1つの遊離チオールを有するアルブミンの50%がコンジュゲートを形成し、40%が制御下の加水分解後にコンジュゲートされる場合、その安定性は80%となる。これらの環境では、当初は50%のアルブミンがコンジュゲートされておらず、惹いては遊離アルブミンの質量の指標となる。制御下の加水分解では質量は変化しない。当初コンジュゲートされていた50%のアルブミンのうちの一部、即ち総アルブミンの40%が、HOの添加によって質量が18Daに増加する。残るコンジュゲートされていたアルブミン、即ち総アルブミンの10%は、加水分解を受けることなく、惹いては質量が変化しない。これらのアルブミンは依然としてコンジュゲートされているものの、図4に示すように逆マイケル経路により脱コンジュゲーションを受ける可能性があるため、保存又は使用時に不安定となりうる。これとは逆に、安定的に加水分解されたコンジュゲートは、保存又は使用時に安定である(Fontaine, S. et al, Bioconjugate Chem. 2015, 26, 145-152)。
本発明のポリペプチドのコンジュゲーション効率は、例えば少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は実質的に100%であるのが適切である。本発明のポリペプチドの個々の遊離チオールのコンジュゲーション効率は、例えば少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は実質的に100%であることが適切である。制御下の加水分解に対するポリペプチドコンジュゲートの適切な安定性は、例えば少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は実質的に100%である。
実施例に示すように、システイン34に単一の遊離チオールを有する天然HSAは、約90%超がコンジュゲートを形成する。配列番号2のK93、E294、E358、L24、V54、H128、E227、K240、K262、Q268、E277、K317、A322、K359、及びA362に等しい位置から選択される位置に遊離チオール基を含むアルブミンは、約90%を超える効率でマレイミドコンジュゲートを形成し、L24、V54、H128、E227、K240、K262、K359、及びA362に等しい位置から選択される位置に遊離チオール基を含むアルブミンは、約95%を超える効率でマレイミドコンジュゲートを形成する。
特定のポリペプチドコンジュゲートのチオール-エーテルコンジュゲート結合の制御下の加水分解に対する適切な安定性は、例えば少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は実質的に100%である。
当該ポリペプチドは、例えば生物活性化合物や放射性医薬又は画像化剤等のコンジュゲーションパートナーが結合しうる更なるリンカーを、更に含んでいてもよく、いなくてもよい。例えば、リンカーは一次アミン、例えばリシンを含んでいてもよい。
コンジュゲーション可能なポリペプチドは、特にヒトにおいて、許容可能な免疫原性を有することが好ましい。斯かるコンジュゲーション可能なポリペプチドの免疫原性は、親アルブミン、例えばWT HSA(配列番号2)の免疫原性と同程度であるか、或いはより低いことがより好ましい。従って、(1又は2以上の)コンジュゲーション可能なシステイン残基を提供するために加えられる(1又は2以上の)改変は、前記ポリペプチドの免疫原性を、親アルブミン、例えばWT HSAの免疫原性と比較して、悪化させないことが好ましい。
好ましくは、(1又は2以上の)コンジュゲーション可能なシステイン残基を提供するために加えられる(1又は2以上の)改変は、ヒトにおける前記ポリペプチドの免疫原性を、例えば野生型HSA(配列番号2)の免疫原性と比較して悪化させないことが好ましい。
前記ポリペプチドの免疫原性は、T細胞エピトープ及び/又はB細胞エピトープをスクリーニングすることにより決定又は予測できる。スクリーニングはインシリコでも、インビトロでも、エクスビボでもよい。例えば、前記ポリペプチドの免疫原性は、エクスビボT細胞活性化アッセイにより決定又は予測できる。T細胞活性化アッセイは、例えば増殖アッセイ、例えば[3H]-チミジン摂取を用いてT細胞応答を測定することを含んでいてもよい。前記ポリペプチドは、T細胞増殖アッセイにおいて10%未満の反応性、好ましくは8、6、4、又は2%未満の反応性、最も好ましくは0%の反応性を有することが好ましい。「反応性」(reactivity)とは陽性応答が観察されることを意味する。従って、10%の反応性とは、ドナー試料の10%に陽性応答が観察されることを意味する。
T細胞活性化アッセイは、サイトカイン分泌アッセイ、例えばIL-2 ELISpotを用いてT細胞応答を測定することを含んでいてもよい。前記ポリペプチドは、サイトカイン分泌アッセイにおいて10%未満の反応性、好ましくは8、6、4、又は2%未満の反応性、最も好ましくは0%の反応性を有することが好ましい。「反応性」(reactivity)とは陽性応答が観察されることを意味する。従って、10%の反応性とは、ドナー試料の10%に陽性応答が観察されることを意味する。
より好ましくは、コンジュゲーション可能なポリペプチドは、T細胞増殖アッセイ及びサイトカイン分泌アッセイ、例えばEpiScreen(登録商標)アッセイ(Abzena, Cambridge, UK)において、10%未満の反応性を有する。
T細胞アッセイはCD4+ T細胞を含んでいてもよい。
T細胞アッセイでは、(HLAアロタイプに基づき)欧州及び北米民族を代表する50名の健常ドナーのコホートに由来する末梢血単核細胞を使用してもよい。
前記ポリペプチドは、ヒトにおいて有害な抗体応答、例えば特異的抗体応答を刺激しないことが好ましい。
コンジュゲーション可能なポリペプチドを含むコンジュゲートの場合、斯かるコンジュゲートの免疫原性は、 前記コンジュゲーション可能なポリペプチドの代わりに親アルブミン、例えばWT HSA(配列番号2)を含む対応するコンジュゲートの免疫原性と比較して、同程度であるかより低いことが好ましい。従って、コンジュゲーション可能なポリペプチドについて説明した特性は、コンジュゲーション可能なポリペプチドを含むコンジュゲートにも当てはまる。しかし、「対照」(control)は親アルブミン、例えばWT HSAでもよく、親アルブミン、例えばWT HSAを含む対応するコンジュゲートであってもよい。
コンジュゲーション可能なポリペプチドII
本発明の第二の側面は、本発明の第一の側面に係るアミノ酸配列を含むコンジュゲーション可能なポリペプチドであって、更に、例えば前記ポリペプチドに少なくとも1つの(例えば数個の)更なるコンジュゲーション可能なシステインを付与する更なる修飾、又は前記ポリペプチドのFcRnに対する結合親和性を改変する、又は前記ポリペプチドの血漿中半減期を変更する、配列番号2と比較して少なくとも1つの(例えば数個の)更なる修飾を含む、コンジュゲーション可能なポリペプチドを提供する。
本発明の第二の側面によれば、本発明の第一の側面に関して定義したような好ましいコンジュゲーション可能なシステインを、アルブミン骨格における他の修飾と組合せ、具体的な用途に合わせてアルブミンを更に調整することが可能となる。
更なるコンジュゲーション可能なシステイン
少なくとも1つの(例えば数個の)更なる修飾は、ポリペプチドに対して少なくとも1つの(例えば数個の)更なるコンジュゲーション可能なシステインを付与するものであってもよく、なくてもよい。当該ポリペプチドは、合計2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20のコンジュゲーション可能なシステイン残基を有していてもよく、いなくてもよい。前記ポリペプチドは、本発明の第一の側面に関して定義したような少なくとも1つの(例えば数個の)更なるコンジュゲーション可能なシステインを含んでいてもよく、いなくてもよい。
前記ポリペプチドは、配列番号2のK93、E294、A226、E230、I271、E358、L24、F49、V54、D56、L66、A92、Q94、E97、H128、F156、E227、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、L275、E277、L284、E311、K317、A322、E333、D340、E354、K359、A362、E382、及びL398、特にK93、E294、A226、E230、及びI271から選択される位置に等しい少なくとも1つの位置に対応する位置の他に、少なくとも1つの(例えば数個の)更なるコンジュゲーション可能なシステインを含んでいてもよく、いなくてもよい。適切なコンジュゲーション可能なシステインは、国際公開第2010/092135号に開示される(引用により本明細書に組み込まれる、特に図5及び6)。配列番号2のD1、A2、H3、S5、A55、S58、C75、T76、T79、E82、T83、E86、C91、D121、V122、C124、T125、D129、C169、C177、A229、T236、E266、D269、S270、S273、S304、K313、D314、C316、N318、A320、C361、A364、C369、A371、N386、Q390、Q397、S435、T478、T496、A504、E505、T506、T508、D549、C558、D562、C567、A581、L585、及びA578から選択される位置に等しい少なくとも1つの(例えば数個の)位置に、コンジュゲーション可能なシステインを含むことが適切である。前記ポリペプチドは、(a)配列番号2の残基D1、A2、H3、S5、A55、S58、C75、T76、T79、E82、T83、E86、C91、D121、V122、C124、T125、D129、C169、C177、A229、T236、E266、D269、S270、S273、S304、K313、D314、C316、N318、A320、C361、A364、C369、A371、N386、Q390、Q397、S435、T478、T496、A504、E505、T506、T508、D549、C558、D562、C567、A581、L585、及びA578の何れかに等しい位置に対応する位置における、システイン以外のアミノ酸からシステインへの置換;(b)配列番号2の残基D1、A2、H3、S5、A55、S58、C75、T76、T79、E82、T83、E86、C91、D121、V122、C124、T125、D129、C169、C177、A229、T236、E266、D269、S270、S273、S304、K313、D314、C316、N318、A320、C361、A364、C369、A371、N386、Q390、Q397、S435、T478、T496、A504、E505、T506、T508、D549、C558、D562、C567、A581、L585、及びA578の何れかに等しい位置に対応するアミノ酸のN又はC側に隣接する位置への、C369、C361、C91、C177、C567、C316、C75、C169、C124、及びC558にコンジュゲーション可能なシステインを生ずるようなシステインの挿入;並びに(c)アルブミン配列のN末端残基のN側又はアルブミン配列のC末端残基のC側へのシステインの付加、のうち1又は2以上(例えば数個)を有することが適切である。組合せの例としては、(a)A2+L585、(b)A2+A364+D562+L585C、(c)A2及びアルブミンのC末端のC側に隣接する位置 (d)T79+A364;(e)A364+D1;(f)T79+D562+A364;(g)D562+A364+D1;(h)T79+D562+A364+A504;(i)T79+D562+A364+L585;(j)T79+D562+A364+D1;(k)T79+D562+A364+L585+D1;(l)E86+D562+A364+A504+A2;(m)S270+A581;(n)S270+D129;(o)S270+A581+E82;(p)S270+A581+D129;(q)S270+A581+E82+D129;(r)S270+A581+E82+D129+Q397;(s)C369+C177;(t)A364+A581;(u)T79+A364+A581;(v)A364+A581+D129;(w)A364+C177;(x)D562+C369;(y)D129+C369;(z)A581+C369;又は(aa)D562+D129+C369の位置における、コンジュゲーション可能なシステインが挙げられる。
国際公開第2009/126920号又は国際公開第2010/059315号(参照により本明細書に組み込まれる)に開示のような、更なる適切なシステイン残基を導入してもよい。具体的に、配列番号2のS58、T76、T79、T83、T125、T236、S270、S273、S304、S435、T478、T496、T506及びT508に対応する1又は2以上の(例えば数個の)位置において、1又は2以上の(例えば数個の)表面暴露アミノ酸残基がシステイン残基に置換されていてもよい。
本発明の第一の側面との関係で留意すべきは、アルブミン変異体内のコンジュゲーション可能なシステイン残基の数を増加させることにより、溶液中で単量体として存在する傾向が低下する可能性があるという点である。本発明の第二の側面のコンジュゲーション可能なポリペプチドは、その溶液中で単量体として存在する傾向が、配列番号2のポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向の少なくとも70%であることが好ましく、任意により少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも100%であることが好ましい。この好適な態様は、第二の側面に関して定義されるように、前記ポリペプチドが更なるコンジュゲーション可能なシステインを含むか否かによらず適用される。それにもかかわらず、溶液中で単量体として存在する傾向がより低い場合でも、有用なコンジュゲーション可能なポリペプチドが提供される場合がある。本発明の第一の側面に関して定義されるようなコンジュゲーション可能なシステイン残基は、それら自体は非単量体の形成への寄与が比較的少ないものの、これらのうち1又は2以上(例えば数個)を、他の1又は2以上の(例えば数個の)コンジュゲーション可能なシステイン残基と組み合わせることで、従来技術から選択される同数のコンジュゲーション可能なシステイン残基を有する変異体と比較して、単量体%が増加した変異体が得られると期待される。
改変されたFcRnへの結合、及び/又は、改変された血漿中半減期を有するアルブミン変異体
少なくとも1つの(例えば数個の)更なる修飾は、アルブミン変異体のFcRnに対する結合親和性、及び/又は、血漿中半減期を変更するものであってもよく、なくてもよい。アルブミン変異体は、配列番号2に対して少なくとも70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、99.2、99.4、99.6、99.8%の配列同一性を有することが好ましい。例えば、前記のアルブミン変異体は、導入された1又は2以上のCys残基に加えて、配列番号2と比較して少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10(例えば数個の)他の変異を有していてもよい。或いは、前記のアルブミン変異体は、導入された1又は2以上のCys残基に加えて、配列番号2と比較して他の変異を有さなくともよい。
チオアルブミン又はコンジュゲートは、親アルブミン又はそのコンジュゲートと比較して、より長い又はより短い血漿中半減期、好ましくはより長い血漿中半減期を有していてもよく、より強い又はより弱いFcRnへの結合性、好ましくはより強いFcRnへの結合性を有していてもよい。前記チオアルブミン又はコンジュゲートは、HSA又はその対応するコンジュゲートと比較して、より長い血漿中半減期を有していることが好ましい。
或いは、このことは、チオアルブミン又はコンジュゲートのFcRn(例えばshFcRn)に対するKDが、HSA又はそのコンジュゲートの対応するKDと比較して、より低いと言い換えることもできる。チオアルブミン又はコンジュゲートのKDは、HSAのFcRnに対するKDと比べて0.9×KD未満、より好ましくはHSAのFcRnに対するKDと比べて0.5×KD未満、より好ましくはHSAのFcRnに対するKDと比べて0.1×KD未満、より一層好ましくはHSAのFcRnに対するKDと比べて0.05×KD未満、より一層好ましくはHSAのFcRnに対するKDと比べて0.02×KD未満、より一層好ましくはHSAのFcRnに対するKDと比べて0.01×KD未満、最も好ましくはHSAのFcRnに対するKDと比べて0.001×KD未満であることが好ましい(ここで×は倍数を意味する)。
チオアルブミンを含むコンジュゲートの場合、斯かるコンジュゲートのFcRnに対するKDは、HSAを含む対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて0.9×KD未満、より好ましくは対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて0.5×KD未満、より好ましくは対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて0.1×KD未満、より一層好ましくは対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて0.05×KD未満、より一層好ましくは対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて0.02×KD未満、より一層好ましくは対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて0.01×KD未満、最も好ましくは対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて0.001×KD未満であることが好ましい(ここで×は倍数を意味する)。ここで「対応するコンジュゲート」とは、チオアルブミン(即ちアルブミン変異体)の代わりにHSA(例えば配列番号2)を含むコンジュゲートを意味する。
或いは、チオアルブミン又はコンジュゲートの血漿中半減期は、HSA又はそのコンジュゲートの血漿中半減期と比べて、より短くてもよい。このことは、チオアルブミン又はコンジュゲートのFcRnに対するKDが、HSA又はそのコンジュゲートのFcRnに対する対応するKDと比べて、より高いと言い換えることもできる。好ましくは、チオアルブミン又はコンジュゲートのKDは、HSAのFcRnに対するKDと比べて2×KD超、より好ましくはHSAのFcRnに対するKDと比べて5×KD超、より好ましくはHSAのFcRnに対するKDと比べて10×KD超、より一層好ましくはHSAのFcRnに対するKDと比べて25×KD超、最も好ましくはHSAのFcRnに対するKDと比べて50×KD超であることが好ましい。チオアルブミン又はコンジュゲートは、FcRnに対して全く結合しなくてもよい。
チオアルブミンを含むコンジュゲートの場合、斯かるコンジュゲートのKDは、HSAを含む対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて2×KD超、より好ましくは対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて5×KD超、より好ましくは対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて10×KD超、より一層好ましくは対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて25×KD超、最も好ましくは対応するコンジュゲートのFcRnに対するKDと比べて50×KD超であることが好ましい。ここで「対応するコンジュゲート」とは、チオアルブミン(即ちアルブミン変異体)の代わりにHSA(例えば配列番号2)を含むコンジュゲートを意味する。
チオアルブミン又はコンジュゲート、或いはそのアソシエイト、ナノ粒子、マイクロ粒子又はリポソームに由来する産物の半減期は、ユーザーの要請を満たすような結合親和性又は半減期を満たすように調整されていてもよい。
KDを決定又は比較する際には、以下のパラメーターのうち1又は2以上(例えば数個)(好ましくは全て)を用いることができる。
機器:Biacore 3000 instrument (GE Healthcare)
フローセル:CM5センサーチップ
FcRn: ヒトFcRn、好ましくは可溶性ヒトFcRn。任意によりβ-2-ミクログロブリンのC末端にタグが、例えばグルタチオンSトランスフェラーゼ(Glutathione S Transferase:GST)又はヒスチジン(His)、最も好ましくはHis、例えば6ヒスチジン残基が結合されていてもよい。
FcRnの量:1200~2500RU。
カップリング化学: アミンカップリング化学(例えば使用機器のメーカーが提供するプロトコールに記載の通り)。
カップリング法:カップリングは、例えば10mM酢酸ナトリウム中20μg/mLのタンパク質溶液(pH5.0)(GE Healthcare)を注入して実施することができる。ランニングバッファー及び希釈バッファーとしては、例えばpH5.5のリン酸緩衝剤(67mMリン酸緩衝剤、0.15MのNaCl、0.005% Tween 20)を使用できる。表面の再生は、例えばpH7.4のHBS-EP緩衝剤(0.01M HEPES、0.15MのNaCl、3mM EDTA、0.005% 界面活性剤P20)(Biacore AB)を注入して実施することができる。
試験分子(例えばHSA又は変異体)の注入量:20~0.032μM。
注入流量:定速、例えば30μL/mL。
注入温度:25℃。
データ評価用ソフトウェア:BIAevaluation 4.1ソフトウェア(BIAcore AB)。
アルブミンのドメインIIIは、FcRnへの関与が最も強い。国際公開第2011/124718号(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるように、コンジュゲーション可能なポリペプチドは、アルブミンドメインIII又はその変異体と、少なくとも1つの(例えば数個の)更なるアルブミンドメイン又はその断片、例えば第二のアルブミンドメインIII又はその変異体とを含み、或いはこれらからなるものであってもよく、なくてもよい。適切には、国際公開第2011/051489号(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるように、前記ポリペプチドが、少なくとも1つの(例えば数個の)アルブミンドメインIII又は変異体又はその断片を含むか、或いはこれらからなり、当該少なくとも1つの(例えば数個の)アルブミンドメインIIIが、配列番号2の573、500、550、417、440、464、490、492、493、494、495、496、499、501、503、504、505、506、510、535、536、537、538、540、541、542、574、575、577、578、579、580、581、582、及び584から選択される位置に対応する位置に、1又は2以上の(例えば数個の)置換を有することが適切である。適切な置換としては、配列番号2のK573Y、W、P、H、F、V、I、T、N、S、G、M、C、A、E、Q、R、L、D、K500E、G、D、A、S、C、P、H、F、N、W、T、M、Y、V、Q、L、I、R、Q417A、H440A、H464Q、E492G、D494N,Q,A、E495Q,A、T496A、D494E+Q417H、D494N+T496A、E492G+V493P、P499A、E501A,Q、N503H,K、H510Q、H535Q、K536A、P537A、K538A、K541G,D、D550E,N、E492G+K573P,A、又はE492G/N503H/K573Pから選択される位置に対応する位置における1又は2以上の(例えば数個の)置換が挙げられる。
別の態様として、前記ポリペプチドは、国際公開第2014/072481号(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるように、配列番号2の位置(a)492及び580;(b)492及び574;(c)492及び550;(d)550及び573;(e)550及び574;(f)550及び580に対応する位置から選択される2又はそれ以上の(数個の)位置に、改変を有していてもよい。
別の態様として、国際公開第2012/059486号(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるように、前記コンジュゲーション可能なポリペプチドは、(i)ヒトアルブミン変異体である第一のアルブミンを含むN末端領域を含み、ここで前記第一のアルブミンのN末端は、前記ヒトアルブミン変異体のC末端の2~30アミノ酸を除く全アミノ酸を含むと共に、前記コンジュゲーション可能なポリペプチドは更に、(ii)マカクザルアルブミン、マウスアルブミン、ウサギアルブミン、ヒツジアルブミン、ヒトアルブミン、ヤギアルブミン、チンパンジーアルブミン、ハムスターアルブミン、モルモットアルブミン、ラットアルブミン、ウシアルブミン、ウマアルブミン、ロバアルブミン、イヌアルブミン、ニワトリアルブミン、又はブタアルブミン、又はその変異体から選択される、第二のアルブミンのC末端領域を含み、ここで前記第二のアルブミン又はアルブミン変異体のC末端は、前記第二のアルブミン又はアルブミン変異体のC末端の2~30アミノ酸を含み、ここで前記ポリペプチドは、(i)前記ヒトアルブミン変異体と比較して改変された血漿中半減期、及び/又は、(ii)前記ヒトアルブミン変異体と比較して改変されたFcRnへの結合親和性を有していてもよい。
別の態様として、国際公開第2013/135896号(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるように、前記ポリペプチドは、配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列内に、1又は2以上の(例えば数個の)改変のドメインIを有すると共に、配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列内に、1又は2以上の(例えば数個の)改変のドメインIIIを有し、ここで前記1又は2以上の(例えば数個の)改変によって、前記ポリペプチドは改変されたFcRnに対する結合親和性を有していてもよい。適切には、前記のドメインIにおける改変は、配列番号2の位置78~120の何れかに対応する位置、例えば位置78~88及び/又は105~120の何れかから選択され、前記のドメインIIIにおける改変は、配列番号2の位置425、505、510、512、524、527、531、534、569、573、575の何れかに対応する位置から選択される。中でも、前記の配列番号2の位置78~120又は425、505、510、512、524、527、531、534、569、573、及び/又は575の何れかに対応する位置の改変が、置換であり、前記改変が、任意により、(i)83N、K又はS;(ii)111D、G、H、R、Q又はE;又は(iii)573P、Y、W、H、F、T、I又はVから選択される置換であることが適切である。
別の態様として、国際公開第2015/036579号(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるように、前記ポリペプチドが、配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列のドメインII内に、配列番号2の位置349、342、381、345、384、198、206、340、341、343、344、352、382、348、及び/又は、383に対応する位置からなる群より選択される位置に、1又は2以上の(例えば数個の)改変を含み、ここで前記1又は2以上の(例えば数個の)改変が、前記コンジュゲーション可能なポリペプチドに、(i)改変された血漿中半減期、及び/又は、(ii)改変されたFcRnに対する結合親和性を付与してもよい。中でも、前記の位置349、342、381、345、384、198、206、340、341、343、344、352、382、348、及び/又は、383に対応する位置における改変が、置換であり、前記改変が、任意により、(i)349F、W、Y、H、P、K又はQ、好ましくはF;(ii)342Y、W、F、H、T、N、Q、A、C、I、L、P、V、好ましくはY;(iii)381G又はA、好ましくはG;又は(iv)345E、H、I又はQから選択される置換であることが適切である。
別の態様として、前記ポリペプチドは、配列番号2のV418、T420、V424、E505及びV547に対応する1又は2以上の(例えば数個の)位置に変異、例えば置換を含む、アルブミン又はその断片の変異ドメインIIIを含んでいてもよい。これらの変異は、国際公開第2013/075066号(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている。置換の位置は、V418、T420、V424、E505及びV547に対応する位置のうち、1つでも、2つでも、又はそれ以上(数個、例えば2、3、4、又は5)でもよい。例えば、V418M、T420A、V424I、E505(R/K/G)及びV547Aから選択される1又は2以上の(例えば数個の)置換であってもよい。特定の態様によれば、前記アルブミンは、置換V418M、T420A及びE505R;又は、V418M、T420A、E505G及びV547Aを含む。前記アルブミンは、1又は2以上の(例えば数個の)更なる置換を、N429、M446、A449、T467、及びA552から選択される位置;例えばN429D、M446V、A449V、T467M、及びA552Tから選択される位置に含んでいてもよい。
別の態様として、前記変異体は、国際公開第2011/103076号(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるような、ポリペプチドのFcRn親和性及び血清半減期のうち一方又は両方を増加させる、1~18のアミノ酸置換を含むアルブミンの変異ドメインIII又はその断片を含んでいてもよい。置換の位置は、例えば配列番号2の位置381、383、391、401、402、407、411、413、414、415、416、424、426、434、442、445、447、450、454、455、456、457、459、463、495、506、508、509、511、512、515、516、517、519、521、523、524、525、526、527、531、535、538、539、541、557、561、566又は569に対応する位置のうち1又は2以上(例えば数個)であってもよい。適切な置換は、例えばV381N、V381Q、E383A、E383G、E383I、E383L、E383V、N391A、N391G、N391I、N391L、N391V、Y401D、Y401E、K402A、K402G、K402I、K402L、K402V、L407F、L407N、L407Q、L407W、L407Y、Y411Q、Y411N、K413C、K413S、K413T、K414S、K414T、V415C、V415S、V415T、Q416H、Q416P、V424A、V424G、V424I、V424L、V424N、V424Q、V426D、V426E、V426H、V426P、G434C、G434S、G434T、E442K、E442R、R445F、R445W、R445Y、P447S、P447T、E450D、E450E、S454C、S454M、S454T、V455N、V455Q、V456N、V456Q、L457F、L457W、L457Y、Q459K、Q459R、L463N、L463Q、E495D、T506F、T506W、T506Y、T508K、T508R、T508S、F509C、F509I、F509L、F509M、F509V、F509W、F509Y、A511F、A511W、A511Y、D512F、D512W、D512Y、T515C、T515H、T515N、T515P、T515Q、T515S、L516F、L516S、L516T、L516W、L516Y、S517C、S517F、S517M、S517T、S517W、S517Y、K519A、K519G、K519I、K519L、K519V、R521F、R521W、R521Y、I523A、I523D、I523E、I523F、I523G、I523K、I523L、I523N、I523Q、I523R、I523V、I523W、I523Y、K524A、K524G、K524I、K524L、K524V、K525A、K525G、K525I、K525L、K525V、Q526C、Q526M、Q526S、Q526T、Q526Y、T527F、T527W、T527Y、E531A、E531G、E531I、E531L、E531V、H535D、H535E、H535P、K538F、K538W、K538Y、A539I、A539L、A539V、K541F、K541W、K541Y、K557A、K557G、K557I、K557L、K557V、A561F、A561W、A561Y、T566F、T566W、T566Y、A569H、及びA569Pから選択される。例えば、L407N、L407Y、V415T、V424I、V424Q、V426E、V426H、P447S、V455N、V456N、L463N、E495D、T506Y、T508R、F509M、F509W、A511F、D512Y、T515Q、L516T、L516W、S517W、R521W、I523D、I523E、I523G、I523K、I523R、K524L、Q526M、T527Y、H535P及びK557Gから選択される。
前記変異体は、国際公開第2012/112188号(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるように、配列番号2の以下の位置に対応する位置にアミノ酸置換を含む、アルブミンの変異ドメインIII又はその断片を含んでいてもよい。(a)残基383及び413;(b)残基401及び523;(c)残基407及び447;(d)残基407及び447及び539;(e)残基407及び509;(f)残基407及び526;(g)残基411及び535;(h)残基414及び456;(i)残基415及び569;(j)残基426及び526;(k)残基442及び450及び459;(l)残基463及び508;(m)残基508及び519及び525;(n)残基509及び527;(o)残基523及び538;(p)残基526及び557;(q)残基541及び561;(r)残基463及び523;(s)残基508及び523;(t)残基508及び524;(u)残基463、508及び523;(v)残基463、508及び524;(w)残基508、523及び524;(x)残基463、508、523及び524;(y)残基463及び524;(z)残基523及び524;及び(aa)残基463、523、及び524。ここで、当該置換によって、ポリペプチドのFcRn親和性及び血清半減期の一方又は両方が増加させる。適切な置換は、例えば(a)L463C、F、G、H、I、N、S又はQ;(b)T508C、E、I、K、R又はS;(c)I523A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W又はY;(d)K524A、F、G、H、I、L、M、Q、T又はV;(e)L463F又はN;(f)T508R又はS;(g)I523D、E、F、G、K又はR;及び(h)K524Lから選択される。
前記変異体アルブミンは、配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列内における、配列番号2の位置V418、T420、V424、E505、V547、K573に対応する位置からなる群より選択される位置に、1又は2以上の(例えば数個の)改変を有していてもよい。ここで、当該1又は2以上の(数個の)改変により、前記コンジュゲーション可能なポリペプチドは、(i)改変された血漿中半減期、及び/又は、(ii)改変されたFcRnに対する結合親和性を有する。
前記変異体アルブミンは、配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列内に、以下に対応する位置からなる群より選択される1又は2以上の(例えば数個の)改変を含んでいてもよい。即ち、配列番号2の位置V381、好ましくはV381N又はQ;E383、好ましくはE383A、G、I、L、又はV;N391、好ましくはN391A、G、I、L又はV;Y401 好ましくはY401D又はE;K402、好ましくはK402A、G、I、L、又はV;L407、好ましくはL407F、N、Q、W、又はY;Y411、好ましくはY411Q、又はN;K413、好ましくはK413C、S、又はT;K414、好ましくはK414S又はT;V415C、好ましくはV415C、S、又はT;Q416、好ましくはQ416H又はP;V424、好ましくはV424A、G、I、L、N、又はQ;V426D、好ましくはV426D、E、H、又はP;G434、好ましくはG434C、S、又はT;E442、好ましくはE442K又はR;R445、好ましくはR445F、W又はY;P447、好ましくはP447S又はT;E450、好ましくはE450D又はE;S454、好ましくはS454C、M又はT;V455、好ましくはV455N又はQ;V456、好ましくはV456N又はQ;L457、好ましくはL457F、W又はY;Q459、好ましくはQ459K又はR;L463、好ましくはL463N又はQ;E495、好ましくはE495D;T506、好ましくはT506F、W又はY;T508、好ましくはT508K、R、又はS;F509、好ましくはF509C、I、L、M、V、W又はY;A511、好ましくはA511F、W、又はY;D512、好ましくはD512F、W又はY;T515、好ましくはT515C、H、N、P、Q又はS;L516、好ましくはL516F、S、T、W又はY;S517、好ましくはS517C、F、M、T、W又はY;K519、好ましくはK519A、G、I、L、又はV;R521、好ましくはR521F、W又はY;I523、好ましくはI523A、D、E、F、G、K、L、N、Q、R、V、W又はY;K524、好ましくはK524A、G、I、L又はV;K525、好ましくはK525A、G、I、L又はV;Q526、好ましくはQ526C、M、S、T又はY;T527、好ましくはT527F、W又はY;E531、好ましくはE531A、G、I、L又はV;H535、好ましくはH535D、E又はP;K538、好ましくはK538F、W又はY;A539、好ましくはA539I、L又はV;K541、好ましくは、K541F、W又はY;K557、好ましくはK557A、G、I、L又はV;A561、好ましくはA561F、W又はY;T566、好ましくはT566F、W又はY;A569、好ましくはA569H又はP。ここで、前記1又は2以上の(例えば数個の)改変が、前記コンジュゲーション可能なポリペプチドに、(i)改変された血漿中半減期、及び/又は、(ii)改変されたFcRnに対する結合親和性を付与する。
前記変異体アルブミンは、配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列内において、以下に対応する位置からなる群より選択される1又は2以上の(例えば数個の)改変を含んでいてもよい。即ち、配列番号2の位置V547、好ましくはV457A;K573、好ましくはK573P又はY;I523、好ましくはI523A又はG、T527、好ましくはT527M、K500、好ましくはK500A;又はE505、好ましくはE505Q。ここで前記1又は2以上の(例えば数個の)改変が、前記コンジュゲーション可能なポリペプチドに、(i)改変された血漿中半減期、及び/又は、(ii)改変されたFcRnに対する結合親和性を付与する。
前記変異体アルブミンは、配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列内に、以下に対応する位置からなる群より選択される1又は2以上の(例えば数個の)改変を含んでいてもよい。即ち、配列番号2の位置573、523、527又は505、好ましくはK573Y;I523G;I523A;T527M;E505Q;又はK573P、例えばK573Y及びI523G;K573Y、I523G及びT527M;K573Y、E505Q及びT527M;K573Y及びT527M;K573P及びI523G;K573P、I523G及びT527M;K573P、E505Q及びT527M;K573P及びT527M;V547A;V547A及びK573P;V547A、E505Q、K573P及びT527M;又はK500A及びH510Q。
他の変形例
本発明の第二の側面は他の変形例を包含する。例えば、斯かるポリペプチドは、グリコシル化を低下させる少なくとも1つの(例えば数個の)変異を含んでいてもよく、いなくてもよい。
融合ポリペプチド
本発明の第三の側面は、本発明の第一又は第二何れかの側面のコンジュゲーション可能なポリペプチドを含む、融合ポリペプチドを提供する。
本発明のポリペプチドは、非アルブミンポリペプチド融合パートナーと融合してもよい。斯かる融合パートナーは、原則として如何なるポリペプチドであってもよいが、概して生物活性、治療、予防 (ワクチンを含む)、診断、画像化、又は他の有益な特性を有するポリペプチドであることが好ましい。斯かる特性を「医薬的に有益な特性」(pharmaceutically beneficial properties)という場合がある。アルブミン又はその断片を含む融合ポリペプチドは本技術分野で公知である。斯かるアルブミン又はその断片と融合パートナーポリペプチドとを含む融合ポリペプチドは、融合されていない状態の融合パートナーポリペプチド単独の場合と比較して、血漿中半減期が延長されることが分かった。
1又は2以上の(例えば数個の)生物活性、治療、予防(ワクチンを含む)、診断、画像化、又は他の有益なポリペプチドは、アルブミンのN末端やC末端に融合してもよく、アルブミン構造のループ内に挿入してもよく、或いはこれらの任意の組合せとしてもよい。また、融合ポリペプチドの種々の要素を隔離するリンカー配列を含んでもよく、含まなくてもよい。非限定的な例として、融合体としては、N’-パートナー-アルブミン-C’、N’-アルブミン-パートナー-C’、N’-アルブミン-パートナー-アルブミン-C’、N’-パートナー-アルブミン-パートナー-C’が挙げられる。ここで「パートナー」とは融合パートナーを意味する。
アルブミン又はその断片の融合体に関する教示は本技術分野で公知であり、当業者には明らかなように、斯かる教示を本発明にも適用できる。国際公開第2001/79271A号(特に9頁及び/又は表1)、国際公開第2003/59934号(特に表1)、国際公開第03/060071号(特に表1)、及び国際公開第01/079480号(特に表1)(各々それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)にも、アルブミン又はその断片に融合可能な、生物活性、治療、予防 (ワクチンを含む)、診断、画像化、又は他の有益なポリペプチドが挙げられており、これらの例も本発明に適用できる。
遺伝子的又は化学的に融合されたアルブミンを使用する利点としては、融合に寄与する分子の何れか又は全てが、融合されていない分子と比較して改善された特性を有しうるという点が挙げられる(Balan et al. (2006), Antivir Ther 11(1): 35-45)。また、アルブミン及びアルブミン粒子は、薬物及びプロドラッグを担持してその作用部位に送達する上でも重要な役割を有する(Kratz, F. (2008), Journal of Controlled Release, 132 (3), p.171-183)。融合及び粒子化技術によって、例えば半減期の延長等の薬物動態特性が改善され、結果として用量の改善に繋がる場合もあり、また、生物学的利用能の改善や、融合されたコンジュゲーションパートナー、例えば生物活性分子、放射性医薬又は画像化剤等を、不活性化から保護することも可能となる。
ポリペプチドを、1又は2以上の(例えば数個の)精製タグ、例えば(Ala-Trp-Trp-Pro)、アビジン/ストレプトアビジン/ストレプ-タグ、FLAG(登録商標)ペプチド(DYKDDDDK)、His-タグ等に融合してもよい。
本発明の第三の側面の更なる好適な特徴としては、本発明の第一及び第二の側面の好適な特徴が挙げられる。当業者であれば理解するように、本発明の任意の側面を、本発明の1又は2以上の他の側面と組み合わせてもよく、及び/又は、本発明の側面の1又は2以上の(例えば数個の)好適な特徴と組み合わせてもよく、及び/又は、本明細書に記載の他の開示と組み合わせてもよい。
ポリヌクレオチド
本発明の第四の側面は、本発明の第一、第二、又は第三の側面に係るポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。
斯かるポリヌクレオチドは、単離されたポリヌクレオチドであってもよい。斯かるポリヌクレオチドは、ベクター(例えばプラスミド)及び/又は宿主細胞に含まれていてもよい。
斯かるポリヌクレオチドは、その発現元となる宿主に対してコドン最適化されていてもよく、いなくてもよい。配列番号1はHSA(配列番号2)の通常のコーディング配列を示す。配列番号28はS.セレビシエ(S. cerevisiae)からの発現用にコドン最適化されたHSA(配列番号1)のコーディング配列を示す。配列番号1又は配列番号28は、本発明に係るポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供するべく、変異形成されていてもよい。斯かるポリヌクレオチドは合成及び/又は組換によることが好ましい。斯かるポリヌクレオチドは単離されたポリヌクレオチドであることが好ましい。斯かるポリヌクレオチドはリーダー配列を有するHSAであっても、リーダー配列を有さないHSAであってもよい。例えば、斯かるポリヌクレオチドはHSAと、HSAの天然のリーダー配列(配列番号3のアミノ酸1~24)とをコードしていてもよく、HSAと融合リーダー配列(配列番号29のアミノ酸1~24)とをコードしていてもよい。
斯かるポリペプチドは、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと、斯かるコーディング配列に作動式に連結された1又は2以上の(例えば数個の)調節配列とを含む核酸コンストラクトとして提供されてもよい。この場合、斯かる調節配列は、適切な宿主細胞内で、その調節配列に適合した条件下で、発現を誘導することが好ましい。
ポリヌクレオチドは、変異体の発現を提供するべく、種々の手法で改変されていてもよい。ポリヌクレオチドを挿入する発現ベクターによっては、ベクターへの挿入前にポリヌクレオチドの改変を行うことが望ましく、或いはそれが必須の場合もある。組換DNA法を利用したポリヌクレオチドの改変技術は本技術分野で周知である。
調節配列としては、プロモータ配列が挙げられる。プロモータ配列は、ポリヌクレオチドの発現のために宿主細胞により認識される。プロモータ配列は、変異体の発現を媒介する転写調節配列を含む。プロモータは、宿主細胞内で転写活性を示す核酸配列であれば、ミュータント、切断型、ハイブリッドプロモータ等を含むいかなるプロモータでもよく、また、コーディング宿主細胞に対して同種又は異種の細胞外又は細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得ることができる。
酵母宿主の場合、有用なプロモータとしては、サッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)エノラーゼ(ENO-1)、サッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)プロテアーゼA(PRA1)、サッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)プロテアーゼB(PRB1)、サッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)翻訳伸長因子(translation elongation factor:TEF1)、サッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)翻訳伸長因子(translation elongation factor:TEF2)、サッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)ガラクトキナーゼ(GAL1)、サッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)アルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(alcohol dehydrogenase/glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase:ADH1、ADH2/GAP)、サッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)トリオースリン酸イソメラーゼ(triose phosphate isomerase:TPI)、サッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)メタロチオネイン(CUP1)、及びサッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)3-ホスホグリセリン酸キナーゼの各遺伝子から得ることができる。酵母宿主細胞のための他の有用なプロモータは、Romanos et al., 1992, Yeast 8: 423-488に記載されている。
イネ及び哺乳類細胞、例えばCHO又はHEK等での使用に有用なプロモータは、当業者には周知である。イネ宿主の場合、有用なプロモータは、例えばカリフラワーモザイクウイルス35S RNA遺伝子(cauliflower mosaic virus:CaMV35S)、トウモロコシ・アルコールデヒドロゲナーゼ(alcohol dehydrogenase:Adh1)及びα-Amy3から得ることができる。
CHO又はHEK等の哺乳類宿主細胞の場合、有用なプロモータは、例えばサイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV)及びCAGハイブリッドプロモータ(CMV 初期エンハンサ要素及びニワトリβ-アクチンプロモータのハイブリッド)、サル空胞ウイルス40(Simian vacuolating virus:SV40)から得ることができる。
調節配列としては、適切な転写ターミネータ配列も挙げられる。これを認識すると、宿主細胞は転写を終了する。ターミネータ配列は、変異体をコードするポリヌクレオチドの3’-末端に作動式に連結される。宿主細胞において機能しうる任意のターミネータを使用することができる。
酵母宿主細胞において好ましいターミネータは、サッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)エノラーゼ、サッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)シトクロムC(cytochrome C:CYC1)、サッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)アルコールデヒドロゲナーゼ(alcohol dehydrogenase:ADH1)、及びサッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼの各遺伝子から得ることができる。酵母宿主細胞のための他の有用なターミネータは、Romanos et al., 1992(同上)に記載されている。
イネ及び哺乳類細胞、例えばCHO又はHEK等での使用に有用なターミネータは、当業者には周知である。例えば、イネ宿主の場合、好ましいターミネータは、例えばアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)ノパリンシンターゼ(nopaline synthase:Nos)及びカリフラワーモザイクウイルス35S RNA遺伝子(CaMV35S)から得ることができる。
調節配列としては、適切なリーダー配列も挙げられる。リーダー配列は、mRNAの非翻訳領域であるが、宿主細胞による翻訳に重要な役割を果たす。リーダー配列は、変異体をコードするポリヌクレオチドの5’-末端に作動式に連結される。宿主細胞で機能しうる任意のリーダー配列を使用できる。
酵母宿主細胞に適したリーダー配列は、例えばサッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)エノラーゼ(ENO-1)、サッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)3-ホスホグリセリン酸キナーゼ、サッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)α-因子、及びサッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)アルコール デヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド-3-リン酸 デヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)から得ることができる。
調節配列としては、ポリアデニル化配列も挙げられる。ポリアデニル化配列は、変異体コーディング配列の3’-末端に作動式に連結され、これが転写されると宿主細胞によって転写mRNAにポリアデノシン残基を付加するシグナルとして認識される。宿主細胞で機能しうる任意のポリアデニル化配列を使用できる。
酵母宿主細胞に有用なポリアデニル化配列は、Guo and Sherman, 1995, Mol. Cellular Biol. 15: 5983-5990に記載されている。
調節配列としては、シグナルペプチドコーディング領域も挙げられる。これは、変異体のN末端に連結されるシグナルペプチドをコードし、変異体を細胞の分泌経路に誘導するものである。ポリヌクレオチドのコーディング配列の5’末端は、天然の状態において変異体をコードするコーディング領域のセグメントに翻訳リーディングフレーム内で連結されたシグナルペプチドコーディング領域を内在していてもよい。或いは、コーディング配列の5’末端は、コーディング配列に対して外来のシグナルペプチドコーディング領域を含んでいてもよい。コーディング配列が天然状態ではシグナルペプチドコーディング領域を有していない場合には、外来のシグナルペプチドコーディング領域が必要となる場合がある。或いは、変異体の分泌を促進するために、天然のシグナルペプチドコーディング領域を、そのまま外来のシグナルペプチドコーディング領域で置換してもよい。しかし、発現された変異体を宿主細胞の分泌経路に誘導する任意のシグナルペプチドコーディング領域を使用することができる。
酵母宿主細胞に有用なシグナルペプチドは、例えばサッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)α-因子及びサッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)インベルターゼの遺伝子から得ることができる。他の有用な シグナルペプチドコーディング配列は、上述のRomanos et al., 1992に記載されている。イネ及び哺乳類細胞、例えばCHO又はHEK等での使用に有用なシグナルペプチドは、当業者には周知である。
変異体のN末端にシグナルペプチド及びプロペプチド領域の双方が存在する場合、変異体のN末端側にプロペプチド領域が配置され、プロペプチド領域のN末端側にシグナルペプチド領域が配置される。
プラスミド
本発明の第五の側面は、本発明の第四の側面のポリヌクレオチドを含むプラスミドを提供する。プラスミドとしては、例えば2ミクロン系プラスミド、例えば国際公開第2005/061719号、国際公開第2005/061718号及び国際公開第2006/067511号(何れも参照により本明細書に組み込まれる)に記載のものが挙げられる。プラスミドは、例えばシャペロンの過発現、特にPDIの発現を通じて、そのシャペロン活性が強化されていることが好ましい。好ましいヘルパータンパク質としては、PDI1、AHA1、ATP11、CCT2、CCT3、CCT4、CCT5、CCT6、CCT7、CCT8、CNS1、CPR3、CPR6、DER1、DER3、DOA4、ERO1、EUG1、ERV2、EPS1、FKB2、FMO1、HCH1、HRD3、HSP10、HSP12、HSP104、HSP26、HSP30、HSP42、HSP60、HSP78、HSP82、KAR2、JEM1、MDJ1、MDJ2、MPD1、MPD2、PDI1、PFD1、ABC1、APJ1、ATP11、ATP12、BTT1、CDC37、CPR7、HSC82、KAR2、LHS1、MGE1、MRS11、NOB1、ECM10、SCJ1、SSA1、SSA2、SSA3、SSA4、SSB1、SSB2、SSC1、SSE2、SIL1、SLS1、ORM1、ORM2、PER1、PTC2、PSE1、UBC7、UBI4及びHAC1、又は切断型イントロン欠失HAC1が挙げられる(Valkonen et al. 2003, Applied Environ. Micro., 69, 2065)。斯かるヘルパータンパク質は、国際公開第2005/061718号、国際公開第2006/067511号及び国際公開第2006/136831号(何れも参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている。
宿主細胞
本発明の第六の側面は、本発明の第四の側面に係るポリヌクレオチド、及び/又は、本発明の第五の側面のプラスミドを含む発現系、例えば宿主細胞を提供する。斯かる宿主細胞は、哺乳類細胞、例えばヒト又はウシ細胞等、又は真菌細胞、例えば酵母細胞等であることが好ましい。或いは、斯かる宿主細胞は、細菌細胞、例えばバシルス(Bacillus)又は大腸菌(Escherichia coli)等、又はウイルス細胞、例えばバキュロウイルス(Baculovirus)等、又は植物細胞、例えばイネ、例えばオリザ・サティバ(Oryza sativa)等であってもよい。中でも、斯かる細胞としては、酵母細胞、例えばサッカロミセス(Saccharomyces)(例えばS.セレビシエ(S. cerevisiae))、ピチア(Pichia)、又はアスペルギルス(Aspergillus)細胞であることが最も好ましい。
コンジュゲート
本発明の第七の側面は、コンジュゲーションパートナー、例えば生物活性化合物、放射性医薬又は画像化剤等と、本発明の第一、第二、又は第三の側面に係るポリペプチドとを含むコンジュゲートを提供する。ここで、コンジュゲーションパートナーは、前記ポリペプチドのコンジュゲーション可能なシステイン残基を介して、前記ポリペプチドに連結されてなる。斯かるコンジュゲーションパートナーとしては、生物活性、治療、診断又は画像化化合物、例えば本明細書に記載の化合物等が挙げられる。斯かるコンジュゲートは、2又はそれ以上の(数個の、例えば2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の)コンジュゲーションパートナーを有していてもよく、これらのコンジュゲーションパートナーは、互いに異なっていても、及び/又は、同じ化合物の複数コピーであってもよい。各コンジュゲーションパートナーは、前記ポリペプチドのコンジュゲーション可能なシステイン残基を介して、前記ポリペプチドに連結されることが好ましい。しかし、コンジュゲーションパートナーは、他の手段により、例えば遺伝子的な融合や、非システインアミノ酸、例えばリシン等への共有結合により連結されてもよい。
関連する側面は、本発明に係るポリペプチドのチオアルブミン-コンジュゲートの産生のための使用を提供する。
コンジュゲーションパートナー
「コンジュゲーションパートナー」(conjugation partner)という語には、生物活性剤、画像化剤、診断薬、造影剤、放射性医薬、及び治療用化合物、例えば化学治療薬及び放射性医薬等が含まれる。本発明のチオアルブミンは、1又は2以上の(例えば数個の)コンジュゲーションパートナーとコンジュゲートされていてもよい。
画像形成剤、診断用化合物、造影剤、及び治療用化合物
診断薬、画像形成剤、及び生理的「造影」剤の使用は当技術分野で周知である。診断薬は、診断試験の一部として(すなわち、試験結果を評価するのに必要な装置及び手順と共に)用いられる任意の医薬製品である。診断薬は、生体内、生体外、または試験器具内で用いられてもよい。
ジストロフィー筋の損傷した筋肉繊維に蓄積するアルブミンの能力はよく説明されている。例えば、ガドリニウム-DTPA-アルブミンコンジュゲートを、例えば、磁気共鳴画像形成(MRI)によりジストロフィー筋を視覚化及び監視するための診断及び治療を組み合わせた手段として、またジストロフィー筋に対して有効に標的するためのアルブミンに結合した推定治療薬を送達するために用いてもよい。(Amthor et al. (2004), Neuromuscular Disorders 14912: 791-796)。悪性腫瘍は、アルブミンの取り込み及び代謝の増加を示すことが多い。ガドリニウム-アルブミンコンジュゲートはまた、悪性腫瘍の画像形成を向上させるため、さらに薬物コンジュゲートアルブミンでの治療に高感度な腫瘍をMRIで決定するために用いることが記載されている(Kiessling et al. (2002), Investigative Radiology 37(4): 93-198)。
現在の画像形成剤は、迅速に分解するものが多いが、持続性の長いものは毒性であることが多い。アルブミンコンジュゲートの使用は、特に画像形成剤の半減期を増加させるのに有益な場合があり、従って、画像形成が可能な期間を延ばす場合がある。国際公開第2005/082423号(参照により本明細書に組み込む)には、画像形成のための蛍光物質に結合させた血清アルブミンの使用が記載されている。
本発明のチオアルブミンは、生体活性化合物、画像形成剤、診断薬、治療用化合物、及び造影剤から選択される2つ以上(数個)の分子に結合させてもよい。
腫瘍(及び筋肉変性)は、アルブミンの取り込みの増加を示す(EPR:増強された透過および保持)。画像形成を向上させるため、また、腫瘍(或いは他の組織及び器官)がアルブミンコンジュゲート薬物に好適であるか否かを評価するためにアルブミンコンジュゲートを用いてもよい。
生体活性化合物
生体活性化合物は治療用または診断用化合物であってもよい。治療用化合物は、癌の化学療法に用いるための化学療法薬物であってもよい。治療用化合物は、細胞増殖阻害性または細胞毒性であってもよく、腫瘍阻害剤であってもよい。
生体活性化合物は、例えば、遊離チオール基を有するシステイン残基を含むポリペプチドなど、既に遊離チオール基を含んでいてもよい。或いは、生体活性化合物は、遊離チオール基を含むように変性されていてもよい。従って、ポリペプチドのアミノ酸配列を、遊離チオール基を有するシステイン残基を含むように変化させてもよく、或いは遊離チオール基を含むように生体活性化合物を化学的に誘導体化してもよい。
生体活性化合物は、ポリペプチド(タンパク質)、特に組み換えタンパク質医薬品であってもよい。生体活性化合物は、癌及びその他の関連する病気を治療するのに用いられる化学療法薬物または放射線治療薬物であってもよい。
本発明の遊離チオールを含むアルブミン変異タンパク質(チオアルブミン)は、本発明のアルブミン変異タンパク質が2個以上の遊離チオールを含む場合、当業者に周知の方法により、1個以上の遊離チオール基を介して少なくとも1種(例えば数種)の生体活性化合物に結合させてもよい。生体活性化合物としては、これらに限定されないが、以下のものが挙げられる。ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質(天然の、組み換え、或いは合成のいずれか)(Debinski, (2002) Cancer Investigation 20, 801-809, O'Keefe and Draper et al., (1985) JBC 260, 932-937, Xia et al., (2000) J. Pharmacology Experimental Therapeutics 295, 594-600, Kavimandan et al., (2006), Bioconjugate Chem. 17, 1376-1384, Humphries, et al., (1994) J. Tissue Culture Methods 16, 239-242, Wenning et al., (1998) Biotech. Bioeng. 57, 484-496, Yazdi and Murphy, (1994), Cancer Research 54, 6387-6394, Weaver and Laske (2003) J. Neuro-Oncology 65, 3-13, Widera et al., (2003) Pharmaceutical Research 20, 1231-1238, Daniels, T.R. et al. (2006) Clinical Immunology 121, 159-176、及びこれらに引用されている参考文献);治療用及び診断用薬物または化合物(Mishra et al., (2006) J. 薬物 Targeting 14, 45-53, Lim and Shen, (2004) Pharmaceutical Research 21, 1985-1992, Fritzer et al., (1996) Biochemical Pharmacology 51, 489-493, Lubgan and Jozwiak (2002) Cell. Mol. Biol. Lett. 7, 98, Daniels, T.R. et al. (2006) Clinical Immunology 121, 159-176、及びこれらに引用されている参考文献);高分子錯体(リポソーム、ウイルス、及びナノ粒子を含むがこれらに限定されない)(Mishra et al., (2006) J. 薬物 Targeting 14, 45-53, Daniels, T.R. et al. (2006) Clinical Immunology 121, 159-176 、及びこれらに引用されている参考文献);核酸及び放射性核種(DNA、RNA(siRNAを含む)を含む)、及びこれらの類縁体(Lee et al., (2005), Arch. Pharm. Res. 28, 722-729, Huang et al., (2007) FASEB J. 21, 1117-1125, Daniels, T.R. et al. (2006) Clinical Immunology 121, 159-176 、及びこれらに引用されている参考文献)、及び装置(Humphries, et al., (1994) J. Tissue Culture Methods 16, 239-242 、及びこれらに引用されている参考文献)。また、実体そのものを当業界に周知の方法で変性してもよい。
治療用化合物
治療用化合物としては、例えば、以下のものが挙げられる。4-1BBリガンド、5-ヘリックス、ヒトC-Cケモカイン、ヒトL105ケモカイン、ヒトL105ケモカインであるhuL105_3、γ-インターフェロンによって誘導されたモノカイン(MIG)、部分CXCR4Bタンパク質、血小板塩基性タンパク質(PBP)、α1-抗トリプシン、ACRP-30ホモログ、補体成分C1q C、アデノイド発現ケモカイン(ADEC)、酸性線維芽細胞成長因子(acidic fibroblast growth factor:aFGF)、線維芽細胞成長因子1(fibroblast growth factor:FGF-1)、アンジオポエイチン成長因子(angiopoeitin growth factor:AGF)、AGFタンパク質、アルブミン、エトポシド、アンジオスタチン、炭疽菌ワクチン、コラプシン特異抗体、アンチスタシン、抗TGFβ族抗体、抗トロンビンIII、APM-1、ACRP-30、ファモキシン、アポリポタンパク質種、アリールスルファターゼB、b57タンパク質、BCMA、β-トロンボグロブリンタンパク質(β-TG)、bFGF、FGF2、血液凝固因子、骨形態形成タンパク質(bone morphogenetic protein:BMP)プロセシング酵素フーリン(Furin)、BMP-10、BMP-12、BMP-15、BMP-17、BMP-18、BMP-2B、BMP-4、BMP-5、BMP-6、BMP-9、骨形態形成タンパク質-2、カルシトニン、カルパイン-10a、カルパイン-10b、カルパイン-10c、ガンワクチン、カルボキシペプチダーゼ、C-Cケモカイン、MCP2、CCR5変異体、CCR7、CCR7、CD11aモノクローナル抗体(monoclonal antibody: Mab)、CD137、4-1BB受容体タンパク質、CD20Mab、CD27、CD27L、CD30、CD30リガンド、CD33免疫毒素、CD40、CD40L、CD52Mab、ケルベロス(Cerebus)タンパク質、ケモカインエオタキシン、ケモカインhIL-8、ケモカインhMCP1、ケモカインhMCP1a、ケモカインhMCP1b、ケモカインhMCP2、ケモカインhMCP3、ケモカインhSDF1b、ケモカインMCP-4、ケモカインTECK及びTECK変異体、ケモカイン様タンパク質IL-8M1全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質IL-8M10全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質IL-8M3、ケモカイン様タンパク質IL-8M8全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質IL-8M9全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質PF4-414全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質PF4-426全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質PF4-M2全長及び成熟体、コレラワクチン、コンドロモジュリン様タンパク質、c-kitリガンド、SCF、マスト細胞増殖因子、MGF、線維肉腫由来幹細胞因子、CNTF及びその断片(例えば、CNTFAx15`(Axokine(商標)))、凝固因子(前駆体及び活性体)、コラーゲン、補体C5Mab、結合組織活性化タンパク質-III、CTAA16.88Mab、CTAP-III、CTLA4-Ig、CTLA-8、CXCR3、CXCケモカイン受容体3、シアノビリン-N、ダルベポエチン(エクソダス(exodus)、huL105_7ともいう)、DIL-40、デオキシリボヌクレアーゼ、エクトジスプラシンA受容体(ectodysplastin A receptor:EDAR)、上皮成長因子(epidermal growth factor receptor:EGF)受容体Mab、ENA-78、エンドスタチン、エオタキシン、上皮好中球活性化タンパク質-78、エリトロポエチン(EPO)受容体、EPOR、エリトロポエチン(EPO)及びEPO模倣物、ユートロピン(Eutropin)、エクソダス(Exodus)タンパク質、第IX因子、第VII因子、第VIII因子、第X因子、及び第XIII因子、FASリガンド阻害タンパク質(DcR3)、FasL、FGF、FGF-12、線維芽細胞増殖因子相同因子(FGF)-1、FGF-15、FGF-16、FGF-18、FGF-3、INT-2、FGF-4、ゲロニン、HST-1、HBGF-4、FGF-5、FGF-6、ヘパリン結合性分泌形質転換因子-2、FGF-8、FGF-9、グリア活性化因子、フィブリノゲン、flt-1、flt-3リガンド、卵胞刺激ホルモンαサブユニット、卵胞刺激ホルモンβサブユニット、フォリトロピン、フラクタルカイン、断片筋原線維タンパク質トロポニンI, 卵胞刺激ホルモン(follicle stimulating hormone:FSH)、ガラクトシダーゼ、ガレクチン-4、顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte-colony stimulating factor:G-CSF)、GDF-1、遺伝子治療、グリオーマ由来増殖因子、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド、グルコセレブロシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシダーゼ、グリコデリン-A、プロゲステロン関連子宮内膜タンパク質、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(granulocyte/macrophage-colony stimulating factor:GM-CSF)、ゴナドトロピン、顆粒球走化性タンパク質-2(granulocyte chemotactic protein-2:GCP-2)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子, 成長ホルモン、増殖関連オンコジーン-α(Growth related oncogene-α:GRO-α)、増殖関連オンコジーン-β(GRO-β)、増殖関連オンコジーン-γ(GRO-γ)、ヒトアポリポタンパク質(human apolipoprotein-4:hAPO-4)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー、メンバー19(tumor necrosis factor receptor スーパーファミリー, member 19:TROY)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(human chronionic gonadotropin:hCG)、B型肝炎表面抗原、B型肝炎ワクチン、HER2受容体Mab、ヒルジン、HIV gp120、HIV gp41、HIV阻害ペプチド、HIV阻害ペプチド、HIV阻害ペプチド、HIVプロテアーゼ阻害ペプチド、HIV-1プロテアーゼ阻害剤、HPVワクチン、ヒト6CKineタンパク質、ヒトAct-2タンパク質、ヒト脂質生成阻害因子、ヒトB細胞刺激因子-2受容体、ヒトβ-ケモカインH1305(MCP-2)、ヒトC-CケモカインDGWCC、ヒトCCケモカインELCタンパク質、ヒトCC型ケモカインインターロイキンC、ヒトCCC3タンパク質、ヒトCCF18ケモカイン、ヒトCC型ケモカインタンパク質である二次リンパケモカイン(secondary lymphoid chemokine:SLC)、ヒトケモカインβ-8短小型、ヒトケモカインC10、ヒトケモカインCC-2、ヒトケモカインCC-3、ヒトケモカインCCR-2、ヒトケモカインCkβ-7、ヒトケモカインENA-78、ヒトケモカインエオタキシン、ヒトケモカインGROα、ヒトケモカインGROα、ヒトケモカインGROβ、ヒトケモカインHCC-1、ヒトケモカインHCC-1、ヒトケモカインI-309、ヒトケモカインIP-10、ヒトケモカインL105_3、ヒトケモカインL105_7、ヒトケモカインMIG、ヒトケモカインMIG-βタンパク質、ヒトケモカインMIP-1α、ヒトケモカインMIP1β、ヒトケモカインMIP-3α、ヒトケモカインMIP-3β、ヒトケモカインPF4、ヒトケモカインタンパク質331D5、ヒトケモカインタンパク質61164、ヒトケモカイン受容体CXCR3、ヒトケモカインSDF1α、ヒトケモカインSDF1β、ヒトケモカインZSIG-35、ヒトChr19Kineタンパク質、ヒトCKβ-9、ヒトCX3C 111アミノ酸ケモカイン、ヒトDNAXインターロイキン-40、ヒトDVic-1 C-Cケモカイン、ヒトEDIRF Iタンパク質配列、ヒトEDIRF IIタンパク質配列、好酸球CC型ケモカインエオタキシン、ヒト好酸球発現ケモカイン(eosinophil-expressed chemokine:EEC)、ヒト速収縮骨格筋トロポニンC、ヒト速収縮骨格筋トロポニンI、ヒト速収縮骨格筋トロポニンサブユニットC、ヒト速収縮骨格筋トロポニンサブユニットIタンパク質、ヒト速収縮骨格筋トロポニンサブユニットT、ヒト速収縮骨格筋トロポニンT、ヒト胎児脾臓発現ケモカイン、FSEC、ヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(granulocyte/macrophage-colony stimulating factor:GM-CSF)受容体、ヒトgro-αケモカイン、ヒトgro-βケモカイン、ヒトgro-γケモカイン、ヒトIL-16タンパク質、ヒトIL-1RD10タンパク質配列、ヒトIL-1RD9、ヒトIL-5受容体α鎖、ヒトIL-6受容体、ヒトIL-8受容体タンパク質hIL8RA、ヒトIL-8受容体タンパク質hIL8RB、ヒトIL-9受容体タンパク質、ヒトIL-9受容体タンパク質変異体#3、ヒトIL-9受容体タンパク質変異体断片、ヒトIL-9受容体タンパク質変異体断片#3、ヒトインターロイキン1δ、ヒトインターロイキン10、ヒトインターロイキン18、ヒトインターロイキン18誘導体、ヒトインターロイキン-1β前駆体、ヒトインターロイキン-1β前駆体、ヒトインターロイキン-1受容体補助タンパク質、ヒトインターロイキン-1受容体拮抗薬β、ヒトインターロイキン-1タイプ3受容体、ヒトインターロイキン-10(前駆体)、ヒトインターロイキン-11受容体、ヒトインターロイキン-12 40kDサブユニット、ヒトインターロイキン-12 β-1受容体、ヒトインターロイキン-12 β-2受容体、ヒトインターロイキン-12 p35タンパク質、ヒトインターロイキン-12 p40タンパク質、ヒトインターロイキン-12受容体、ヒトインターロイキン-13α受容体、ヒトインターロイキン-13β受容体、ヒトインターロイキン-15、クローンP1由来ヒトインターロイキン-15受容体、ヒトインターロイキン-17受容体、ヒトインターロイキン-18タンパク質(IL-18)、ヒトインターロイキン-3、ヒトインターロイキン-3受容体、ヒトインターロイキン-3変異体、ヒトインターロイキン-4受容体、ヒトインターロイキン-5、ヒトインターロイキン-6、ヒトインターロイキン-7、ヒトインターロイキン-7、ヒトインターロイキン-8(IL-8)、ヒト細胞内IL-1受容体拮抗薬、ヒトIP-10及びHIV-1 gp120超可変領域融合タンパク質、ヒトIP-10及びヒトMuc-1コアエピトープ(VNT)融合タンパク質、ヒト肝臓及び活性化調節ケモカイン(liver and activation regulated chemokine:LARC)、ヒトLkn-1全長及び成熟体タンパク質、ヒト***関連ケモカイン(mammary associated chemokine:MACK)タンパク質全長及び成熟体、ヒト成熟ケモカインCkβ-7、ヒト成熟gro-α、ヒト成熟gro-γポリペプチド(敗血症治療用)、ヒトMCP-3及びヒトMuc-1コアエピトープ(VNT)融合タンパク質、ヒトMI10タンパク質、ヒトMI1Aタンパク質、ヒト単球走化性因子hMCP-1、ヒト単球走化性因子hMCP-3、ヒト単球走化性前駆タンパク質(monocyte chemotactic proprotein:MCPP)配列、ヒトニューロタクチン(neurotactin)ケモカイン様ドメイン、ヒト非ELR CXCケモカインH174、ヒト非ELR CXCケモカインIP10、ヒト非ELR CXCケモカインMig、ヒトPAI-1変異体、IL-16活性を有するヒトタンパク質、IL-16活性を有するヒトタンパク質、ヒト二次リンパケモカイン(secondary lymphoid chemokine:SLC)、ヒトSISDタンパク質、ヒトSTCP-1、ヒト間質細胞由来ケモカイン、SDF-1、ヒトT細胞混合リンパ球反応性発現型ケモカイン(T cell mixed lymphocyte reaction expressed chemokine:TMEC)、ヒト胸腺及び活性化調節サイトカイン(thymus and activation regulated cytokine:TARC)、ヒト胸腺発現型、ヒト腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor:TNF)-α、ヒトTNF-β(LT-α)、ヒトタイプCCケモカインエオタキシン3タンパク質配列、ヒトタイプIIインターロイキン-1受容体、ヒト野生型インターロイキン-4(hIL-4)タンパク質、ヒトZCHEMO-8タンパク質、ヒト化抗血管上皮成長因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)抗体及びその断
片、ヒト化抗血管上皮成長因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)抗体及びその断片、ヒアルロニダーゼ、インターロイキン1β転換酵素(interleukin-1 beta converting enzyme:ICE)10kDサブユニット、ICE20kDサブユニット、ICE22kDサブユニット、イズロン酸-2-スルファターゼ、イズロニダーゼ、IL-1α、IL-1β、IL-1阻害剤(IL-1i)、IL-1成熟体、IL-10受容体、IL-11、IL-11、IL-12 p40サブユニット、IL-13、IL-14、IL-15、IL-15受容体、IL-17、IL-17受容体、IL-19、IL-1i断片、IL1-受容体拮抗薬、IL-21(TIF)、IL-3含有融合タンパク質、IL-3変異体タンパク質、IL-3変異体、IL-4、IL-4変異タンパク質、IL-4変異タンパク質Y124G、IL-4変異タンパク質Y124X、IL-5、IL-5変異タンパク質、Il-5受容体、IL-6、Il-6受容体、IL-7受容体クローン、IL-8受容体、IL-9成熟タンパク質変異体(Met117バージョン)、免疫グロブリンもしくは免疫グロブリン系分子またはそのいずれかの断片(例えば、Small Modular ImmunoPharmaceutical(商標)(「SMIP」)、dAb、Fab’断片、F(ab’)2、scAb、scFv、またはscFv断片)、プラスミノーゲンを含むがこれに限定されない、インフルエンザワクチン、インヒビンα、インヒビンβ、インスリン、インスリン様成長因子、インテグリンMab、インタ-αトリプシン阻害剤、インタ-αトリプシン阻害剤、インターフェロンγ誘導性タンパク質(IP-10)、インターフェロン(例えば、インターフェロンα種及び亜種、インターフェロンβ種及び亜種、インターフェロンγ種及び亜種)、インターロイキン6、インターロイキン8(IL-8)受容体、インターロイキン8受容体B、インターロイキン-1α、インターロイキン-2受容体関連タンパク質p43、インターロイキン-3、インターロイキン-4変異タンパク質、インターロイキン-8(IL-8)タンパク質、インターロイキン-9、インターロイキン-9(IL-9)成熟タンパク質(Thr117バージョン)、インターロイキン(例えば、IL10、IL11、及びIL2)、日本脳炎ワクチン、カリクレイン阻害剤、ケラチノサイト増殖因子、クニッツ(Kunitz)ドメインタンパク質(例えば、アプロチニン、アミロイド前駆体タンパク質、国際公開第03/066824号に記載のもの、アルブミン融合の有無によらず)、LACI、ラクトフェリン、潜在型TGF-β結合タンパク質II、レプチン、肝臓発現型ケモカイン-1(LVEC-1)、肝臓発現型ケモカイン-2(LVEC-2)、LT-α、LT-β、黄体化ホルモン、ライム病(Lyme)ワクチン、リンホタクチン、マクロファージ由来ケモカインアナログMDC(n+1)、マクロファージ由来ケモカインアナログMDC-eyfy、マクロファージ由来ケモカインアナログMDC-yl、マクロファージ由来ケモカイン(MDC)、マスピン、プロテアーゼ阻害剤5、MCP-1受容体、MCP-1a、MCP-1b、MCP-3、MCP-4受容体、M-CSF、メラノーマ阻害タンパク質、膜結合タンパク質、Met117ヒトインターロイキン9、MIP-3α、MIP-3β、MIP-γ、MIRAP、修飾型ランテス(Modified Rantes)、モノクローナル抗体、MP52、ミュータントインターロイキン6 S176R、筋原線維収縮性タンパク質トロポニンI、ナトリウム利尿ペプチド、神経増殖因子-β、神経増殖因子-β2、ニューロピリン(Neuropilin)-1、ニューロピリン-2、ニューロタクチン(Neurotアクチン)、ニューロトロフィン(Neurotrophin)-3、ニューロトロフィン-4、ニューロトロフィン-4a、ニューロトロフィン-4b、ニューロトロフィン-4c、ニューロトロフィン-4d、好中球活性化ペプチド-2(NAP-2)、NOGO-66受容体、NOGO-A、NOGO-B、NOGO-C、新規β-ケモカインであるPTEC、N-末端変性ケモカインGroHEK/hSDF-1α、N-末端変性ケモカインGroHEK/hSDF-1β、N-末端変性ケモカインmet-hSDF-1α、N-末端変性ケモカインmet-hSDF-1β、OPGL、骨原性タンパク質-1(OP-1)、BMP-7、骨原性タンパク質-2、OX40、ACT-4、OX40L、オキシトシン(ニューロフィジンI)、副甲状腺ホルモン、パッチ型、パッチ型-2、PDGF-D、百日咳トキソイド、下垂体発現型ケモカイン(Pituitary expressed chemokine:PGEC)、胎盤増殖因子、胎盤増殖因子-2、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤-1(PAI-1)、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤-2(PAI-2)、血小板由来増殖因子、血小板由来増殖因子Bv-sis、血小板由来増殖因子前駆体A、血小板由来増殖因子前駆体B、血小板Mab、血小板由来内皮細胞増殖因子(PD-ECGF)、血小板由来増殖因子A鎖、血小板由来増殖因子B鎖、敗血症治療用ポリペプチド、プレプロアポリポタンパク質「ミラノ」変異体、プレプロアポリポタンパク質「パリ」変異体、プレトロンビン、霊長類CCケモカイン「ILINCK」、霊長類CXCケモカイン「IBICK」、プロインスリン、プロラクチン、プロラクチン2、プロサプチド、プロテアーゼ阻害ペプチド、タンパク質C、タンパク質S、プロトロンビン、プロウロキナーゼ、RANTES、RANTES8-68、RANTES9-68、RANTESペプチド、RANTES受容体、組換えインターロイキン-16、レジスチン(Resistin)、レストリクトシン、レトロウイルスプロテアーゼ阻害剤、リシン(ricin)、ロタウイルスワクチン、RSV Mab、サポリン、サルシン、分泌及び膜貫通ポリペプチド、血清コリンエストラーゼ、血清タンパク質(例えば、血液凝固因子)、溶解性BMP受容体キナーゼタンパク質-3、溶解性VEGF受容体、幹細胞阻害因子、ブドウ球菌ワクチン、間質由来因子-1α、間質由来因子-1β、サブスタンスP(タキキニン)、T1249ペプチド、T20ペプチド、T4エンドヌクレアーゼ、TACI、胸腺及び活性化調節ケモカイン(Thymus and activation regulated chemokine:Tarc)、TGF-β1、TGF-β2、Thr117ヒトインターロイキン9、トロンビン、トロンボポエチン、トロンボポエチン誘導体1、トロンボポエチン誘導体2、トロンボポエチン誘導体3、トロンボポエチン誘導体4、トロンボポエチン誘導体5、トロンボポエチン誘導体6、トロンボポエチン誘導体7、胸腺発現型ケモカイン(Thymus expressed chemokine:TECK)、甲状腺刺激ホルモン、ダニ抗凝固ペプチド、Tim-1タンパク質、TNF-α前駆体、TNF-R、TNF-RII、TNF p75受容体、デス(Death)受容体、組織プラスミノーゲン活性化因子(tissue prasminogen activator:tPA)、トランスフェリン、形質転換増殖因子β,トロポニンペプチド、切断型単球走化性タンパク質2(6-76)、切断型RANTESタンパク質(3-68)、腫瘍壊死因子、尿酸オキシダーゼ、ウロキナーゼ、バソプレッシン(ニューロフィジンII)、血管内皮成長因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)R-3、flt-4、VEGF受容体、KDR、flk-1、VEGF-110、VEGF-121、VEGF-138、VEGF-145、VEGF-162、VEGF-165、VEGF-182、VEGF-189、VEGF-206、VEGF-D、VEGF-E、VEGF-X、フォン・ヴィルブラント因子、野生型単球走化性タンパク質2、ZTGF-β9。
化学療法薬物
化学療法薬物としては、例えば、以下のものが挙げられる。13-シス-レチノイン酸、2-CdA、2-クロロデオキシアデノシン、5-アザシチジン、5-フルオロウラシル、5-FU、6-メルカプトプリン、6-MP、6-TG、6-チオグアニン、アブラキサン(Abraxane)、Accutane(登録商標)、アクチノマイシン-D、Adriamycin(登録商標)、Adrucil(登録商標)、Agrylin(登録商標)、Ala-Cort(登録商標)、アルデスロイキン(Aldesleukin)、アレムツズマブ(Alemtuzumab)、ALIMTA、アリトレチノイン(Alitretinoin)、Alkaban-AQ(登録商標)、Alkeran(登録商標)、すべてのトランスレチノイン酸、αインターフェロン、アルトレタミン(Altretamine)、アメトプテリン(Amethopterin)、アミホスチン(Amifostine)、アミノグルテチミド、アナグレリド、Anandron(登録商標)、アナストロゾール、アラビノシルシトシン、シタラビン(Ara-C)、Aranesp(登録商標)、Aredia(登録商標)、Arimidex(登録商標)、Aromasin(登録商標)、Arranon(登録商標)、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、ATRA、Avastin(登録商標)、アザシチジン、BCG、BCNU、ベバシズマブ(Bevacizumab)、ベキサロテン、BEXXAR(登録商標)、ビカルタミド(Bicalutamide)、BiCNU、Blenoxane(登録商標)、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブスルファン、Busulfex(登録商標)、C225、ロイコボリンカルシウム、Campath(登録商標)、Camptosar(登録商標)、カンプトテシン-11、カペシタビン、Carac(商標)、カルボプラチン、カルムスチン、カルムスチン・ウェファー、Casodex(登録商標)、CC-5013、CCNU、CDDP、CeeNU、Cerubidine(登録商標)、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、シトロボラム因子、クラドリビン、コルチゾン、Cosmegen(登録商標)、CPT-11、シクロホスファミド、Cytadren(登録商標)、シタラビン、シタラビンリポソーム(Cytarabine Liposomal)、Cytosar-U(登録商標)、Cytoxan(登録商標)、ダカルバジン、Dacogen(登録商標)、ダクチノマイシン、ダルベポエチンα、ダサチニブ、ダウノマイシン、ダウノルビシン、塩酸ダウノルビシン、ダウノルビシンリポソーム(Daunorubicin Liposomal)、DaunoXome(登録商標)、Decadron、デシタビン、Delta-Cortef(登録商標)、Deltasone(登録商標)、デニロイキンジフチトクス、DepoCyt(商標)、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、Dexasone、デキスラゾキサン、DHAD、DIC、Diodex、ドセタキセル、Doxil(登録商標)、ドキソルビシン(Doxorubicin)、ドキソルビシンリポソーム(Doxorubicin liposomal)、Droxia、DTIC、DTIC-Dome(登録商標)、Duralone(登録商標)、Efudex(登録商標)、Eligard(商標)、Ellence(商標)、Eloxatin(商標)、Elspar(登録商標)、Emcyt(登録商標)、エピルビシン、エポエチンα、Erbitux(商標)、エルロチニブ、エルウィニアL-アスパラギナーゼ、エストラムスチン、Ethyol、Etopophos(登録商標)、エトポシド、リン酸エトポシド、Eulexin(登録商標)、Evista(登録商標)、エキセメスタン、Fareston(登録商標)、Faslodex(登録商標)、Femara(登録商標)、フィルグラスチム、フロクスウリジン(Floxuridine)、Fludara(登録商標)、フルダラビン、Fluoroplex(登録商標)、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルタミド、フォリン酸、FUDR(登録商標)、フルベストラント、顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte-colony stimulating factor:G-CSF)、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブオゾガマイシン、Gemzar(登録商標)、Gleevec(商標)、Gliadel(登録商標)ウェファー、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(granulocyte/macrophage-colony stimulating factor:GM-CSF)、ゴセレリン、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、Halotestin(登録商標)、Herceptin(登録商標)、Hexadrol、Hexalen(登録商標)、ヘキサメチルメラミン、HMM、Hycamtin(登録商標)、Hydrea(登録商標)、Hydrocort Acetate(登録商標)、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンリン酸ナトリウム、ヒドロコルチゾンコハク酸ナトリウム、ハイドロコートンリン酸塩、ヒドロキシウレア、イブリツモマブ、イブリツモマブチウキセタン、Idamycin(登録商標)、イダルビシン、Ifex(登録商標)、IFN-α、イホスファミド、IL-11、IL-2、メシル酸イマチニブ、イミダゾールカルボキサミド、インターフェロンα、インターフェロンα-2b(PEGコンジュゲート)、インターロイキン-2、インターロイキン-11、イントロン A(登録商標)(インターフェロンα-2b)、Iressa(登録商標)、イリノテカン、イソトレチノイン、Kidrolase(登録商標)、Lanacort(登録商標)、ラパチニブ、L-アスパラギナーゼ、LCR、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、Leukeran、Leukine(商標)、ロイプロリド、ロイロクリスチン(Leurocristine)、Leustatin(商標)、リポソームシタラビン(Ara-C)、Liquid Pred(登録商標)、ロムスチン、L-PAM、L-サルコリシン、Lupron(登録商標)、Lupron Depot(登録商標)、Matulane(登録商標)、Maxidex、メクロレタミン、塩酸メクロレタミン、Medralone(登録商標)、Medrol(登録商標)、Megace(登録商標)、メゲストロール、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、Mesnex(商標)、メトトレキサート、メトトレキサートナトリウム、メチルプレドニゾロン、Meticorten(登録商標)、マイトマイシン、マイトマイシン-C、ミトキサントロン、M-Prednisol(登録商標)、MTC、MTX、Mustargen(登録商標)、ムスチン、Mutamycin(登録商標)、Myleran(登録商標)、Mylocel(商標)、Mylotarg(登録商標)、Navelbine(登録商標)、ネララビン、Neosar(登録商標)、Neulasta(商標)、Neumega(登録商標)、Neupogen(登録商標)、Nexavar(登録商標)、Nilandron(登録商標)、ニルタミド、Nipent(登録商標)、ナイトロジェンマスタード、Novaldex(登録商標)、Novantrone(登録商標)、オクトレオチド、酢酸オクトレオチド、Oncospar(登録商標)、Oncovin(登録商標)、Ontak(登録商標)、Onxal(商標)、オプレルベキン(Oprevelkin)、Orapred(登録商標)、Orasone(登録商標)、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリタキセルタンパク質結合、パミドロネート、パニツムマブ、Panretin(登録商標)、Paraplatin(登録商標)、Pediapred(登録商標)、PEGインターフェロン、ペグアスパラガーゼ、ペグフィルグラスチム、PEG-イントロン(商標)、PEG-L-アスパラギナーゼ、ペメトレキセド、ペントスタチン、フェニルアラニンマスタード、Platinol(登録商標)、Platinol-AQ(登録商標)、プレドニゾロン、プレドニゾン、Prelone(登録商標)、プロカルバジン、PROCRIT(登録商標)、Proleukin(登録商標)、カルムスチンインプラントと共にプロリフェプロスパン20、Purinethol(登録商標)、ラロキシフェン、Revlimid(登録商標)、Rheumatrex(登録商標)、Rituxan(登録商標)、リツキシマブ、Roferon-A(登録商標)(インターフェロンα-2a)、Rubex(登録商標)、塩酸ルビドマイシン、Sandostatin(登録商標)、Sandostatin LAR(登録商標)、サルグラモスチム、Solu-Cortef(登録商標)、Solu-Medrol(登録商標)、ソラフェニブ、SPRYCEL(商標)、STI-571、ストレプトゾシン、SU11248、スニチニブ、Sutent(登録商標)、タモキシフェン、Tarceva(登録商標)、Targretin(登録商標)、タキソール(登録商標)、Taxotere(登録商標)、Temodar(登録商標)、テモゾロミド、テニポシド、TESPA、サリドマイド、Thalomid(登録商標)、TheraCys(登録商標)、チオグアニン、Thioguanine Tabloid(登録商標)、チオホスホアミド、Thioplex(登録商標)、チオテパ、TICE(登録商標)、Toposar(登録商標)、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、Trexall(商標)、Trisenox(登録商標)、TSPA、TYKERB(登録商標)、VCR、Vectibix(商標)、Velban(登録商標)、Velcade(登録商標)、VePesid(登録商標)、Vesanoid(登録商標)、Viadur(商標)、Vidaza(登録商標)、ビンブラスチン、硫酸ビンブラスチン、Vincasar Pfs(登録商標)、ビンクリスチン、ビノレルビン、酒石酸ビノレルビン、VLB、VM-26、ボリノスタット、VP-16、Vumon(登録商標)、Xeloda(登録商標)、Zanosar(登録商標)、Zevalin(商標)、Zinecard(登録商標)、Zoladex(登録商標)、ゾレドロン酸、Zolinza、Zometa(登録商標)
放射性医薬品
放射性医薬品としては、例えば、炭素11、炭素14、クロム51、コバルト57、コバルト58、エルビウム169、フッ素18、ガリウム67、金198、インジウム111、インジウム113m、ヨウ素123、ヨウ素125、ヨウ素131、鉄59、クリプトン81m、窒素13、酸素15、リン32、レニウム186、ルビジウム82、サマリウム153、セレン75、ストロンチウム89、テクネチウム99m、タリウム201、トリチウム、キセノン127、キセノン133、イットリウム90などが挙げられる。
画像形成剤
画像形成剤としては、例えば、ガドリニウム、マグネタイト、マンガン、テクネチウム、I125、I131、P32、TI201、イオパミドール、PET-FDGが挙げられる。
ポリヌクレオチドの調製
本発明の第八の側面は、ポリヌクレオチドを製造する方法であって、
(a)親アルブミン又はその断片をコードする核酸分子を提供し、
(b)前記核酸分子の核酸配列を、ヒトアルブミン、特に配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列の残基1~585、又はその断片と少なくとも60%同一であると共に、配列番号2のK93、E294、A226、E230、I271、E358、L24、F49、V54、D56、L66、A92、Q94、E97、H128、F156、E227、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、L275、E277、L284、E311、K317、A322、E333、D340、E354、K359、A362、E382、及びL398、特にK93、E294、A226、E230、及びI271から選択される位置に等しい少なくとも1つの(例えば数個の)位置に、コンジュゲーション可能なシステイン残基を含む、コンジュゲーション可能なポリペプチドをコードするように改変する
ことを含む、方法を提供する。
適切には、核酸配列の改変は、工程(b)において提供される少なくとも1つの(例えば数個の)コンジュゲーション可能なシステインが、コードされるポリペプチド内に導入されるように、改変を導入することを含む。好ましい改変は、本発明の第一及び第二の側面に関して説明したとおりである。
親アルブミンは、
(a)配列番号2の成熟ポリペプチドに対して少なくとも70%配列同一性を有するポリペプチド;
(b)低ストリンジェント条件の下で、(i)配列番号2の配列をコードする成熟ポリペプチド、又は、(ii)(i)の全長相補体とハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;
(c)配列番号2の配列をコードする成熟ポリペプチドに対して少なくとも60%の同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;及び/又は
(d)配列番号2の成熟ポリペプチドの断片
を含み、或いはこれらからなることが好ましい。
親アルブミンは、配列番号2のHSAポリペプチド配列又はその変異体又はその断片を含み、或いはこれらからなることが適切である。
変異ポリヌクレオチドは、当業者であれば、本技術分野で公知の任意の突然変異生成法、例えば部位特異的突然変異生成、合成遺伝子構築、半合成遺伝子構築、ランダム突然変異生成、シャッフリング等を用いて調製することができる。
部位特異的突然変異生成は、親をコードするポリヌクレオチド内の1又は2以上の(例えば数個の)所定の部位に、1又は2以上の(例えば数個の)変異(改変)を生成する技術である。部位特異的突然変異生成は、インビトロにて、所望の変異を含むオリゴヌクレオチドプライマーを用いてPCRを実施することにより達成できる。また、部位特異的突然変異生成は、インビトロにおいて、カセット突然変異生成により達成できる。この場合、親をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミド内のある位置を制限酵素で切断し、 その後にポリヌクレオチド内に変異を含むオリゴヌクレオチドを連結する。通常は、プラスミド及びオリゴヌクレオチドを消化する制限酵素として同じ酵素を用いることで、プラスミド及び挿入物を相互に連結することが可能となる。例えば、Scherer and Davis, 1979, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 76: 4949-4955;及びBarton et al., 1990, Nucleic Acids Res. 18: 7349-4966等を参照のこと。
部位特異的突然変異生成は、インビボにおいても、本技術分野で公知の方法により達成できる。例えば、米国特許出願公開第2004/0171154号;Storici et al., 2001, Nature Biotechnol. 19: 773-776;Kren et al., 1998, Nat. Med. 4: 285-290;及びCalissano and Macino, 1996, Fungal Genet. Newslett. 43: 15-16が挙げられる。
本発明では任意の部位特異的突然変異生成法を使用できる。変異体を調製するのに使用可能なキットは多数市販されている。
合成遺伝子構築は、所望のポリペプチドをコードするよう設計されたポリヌクレオチド分子のインビトロ合成を伴う。遺伝子合成は、数々の技術、例えばTian等(2004, Nature 432: 1050-1054)に記載の多重化マイクロチップ系技術や類似の技術を用いて実施できる。この場合、光プログラム可能なマイクロ流体チップ上でオリゴヌクレオチドの合成及び組み立てを行う。
単一又は複数のアミノ酸置換、欠失、及び/又は、挿入の作製及び試験は、既知の方法により突然変異生成、組換え、及び/又は、シャッフリングを行った後、それに伴うスクリーニング法を実施することで達成できる。例としては、Reidhaar-Olson and Sauer, 1988, Science 241: 53-57;Bowie and Sauer, 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 2152-2156;国際公開第95/17413号;又は国際公開第95/22625号等に開示の方法が挙げられる。利用可能な他の方法としては、変異性(error-prone)PCR、ファージディスプレイ(例えばLowman et al., 1991, Biochemistry 30: 10832-10837;米国特許第5,223,409号;国際公開第92/06204号等)、及び領域特異的突然変異生成(Derbyshire et al., 1986, Gene 46: 145;Ner et al., 1988, DNA 7: 127)等が挙げられる。
突然変異生成/シャッフリング法を、ハイスループット自動化スクリーニング法と組み合わせて、宿主細胞により発現されるクローン化突然変異形成ポリペプチドを検出してもよい(Ness et al., 1999, Nature Biotechnology 17: 893-896)。活性ポリペプチドをコードする突然変異形成DNA分子の宿主細胞からの回収及び即時の配列決定は、本分野の標準的な方法で実施することができる。これらの方法により、ポリペプチド中の個々のアミノ酸残基の重要性を、即時に決定することが可能となる。
半合成遺伝子構築は、合成遺伝子構築、及び/又は、部位特異的突然変異生成、及び/又は、ランダム突然変異生成、及び/又は、シャッフリングの側面を組み合わせることにより実施することができる。半合成構築の典型的な例は、合成されたポリヌクレオチド断片を用いたプロセスと、PCR技術とを組み合わせたプロセスである。即ち、遺伝子の所定の領域はデノボで構成し、他の領域は部位特異的突然変異生成プライマーを用いて増幅し、更に他の領域は変異性(error-prone)PCR又は非変異性(non-error-prone)PCR増幅による。その後、ポリヌクレオチドのサブ配列をシャッフルしてもよい。
ポリペプチドを製造する方法
本発明の第九の側面は、本発明のポリペプチドを製造する方法であって、
(a)前記ポリペプチドの発現を許容する条件下で、本発明に係る宿主細胞を培養し、
(b)得られたポリペプチドを、前記宿主細胞、及び/又は、宿主細胞の成長培地から回収する
ことを含む、方法を提供する。
斯かる方法は、更に、
得られたポリペプチドの受容体結合能力、及び/又は、コンジュゲーション能力、及び/又は、溶液中で単量体として存在する傾向を決定すること、及び、
任意により、受容体結合能力、及び/又は、コンジュゲーション能力、及び/又は、所定の範囲の%単量体傾向を有するポリペプチド又は有さないポリペプチドを選択すること
を含んでいてもよく、いなくてもよい。
本発明の変異体は、当業者に周知の技術を用いて調製可能である。簡便な方法としては、親アルブミン又はその断片をコードする核酸分子をクローン化し、本発明の第八の側面の方法に係る核酸分子の配列を修正し、修正された核酸分子が適切な制御性遺伝子要素、例えばプロモータ、ターミネータ、活性化部位、リボゾーム結合部位等と作動式に連結された適切な遺伝子コンストラクトを調製し、斯かる遺伝子コンストラクトを適切な宿主生物内に導入し、形質転換された宿主生物を、変異体の発現を生じさせるような条件下で培養し、変異体を回収するという方法が挙げられる。これらの技術は何れも本技術分野で公知であり、平均的な研究者の技能であれば、本発明に係る具体的な変異体を調製するべく、適切な方法を設計することが可能である。
形質転換された宿主生物の培養中に、変異ポリペプチドが成長培地に分泌されるように、本発明の変異ポリペプチドにシグナル配列を連結してもよい。一般に、変異ポリペプチドが成長培地に分泌されると、回収及び精製が容易になるので有利である。また、本発明の第三の側面との関係で説明したように、ポリペプチドを融合ポリペプチドとして。国際公開第2009/019314号(参照により組み込まれる)には、変異ポリペプチドを調製するための技術が開示されており、これらの技術を本発明に適用することも可能である。
アルブミンの組換タンパク質としての発現は、広範な宿主において首尾よく達成されてきた。例としては、真菌(限定されるものではないが、例としてアスペルギウス(Aspergillus)(国際公開第2006/066595号)、クルイベロミセス(Kluyveromyces)(Fleer 1991, Bio/technology 9, 968-975)、ピチア(Pichia)(Kobayashi 1998 Therapeutic Apheresis 2, 257-262)及びサッカロミセス(Saccharomyces)(Sleep 1990, Bio/technology 8, 42-46)等)、細菌(Pandjaitab 2000, J. Allergy Clin. Immunol. 105, 279-285)、動物(Barash 1993, Transgenic Research 2, 266-276)、及び植物(限定されるものではないが、例としてジャガイモ及びタバコ(Sijmons 1990, Bio/technology 8, 217 and Farran 2002, Transgenic Research 11, 337-346)及びイネ、例えばオリザ・サティバ(Oryza sativa)等)、並びに哺乳類細胞、例えばCHO及びHEK等が挙げられる。本発明の変異ポリペプチドは、適切な宿主細胞において組換産生されることが好ましい。原則として、ポリペプチドを適切な量で生産する能力を有する任意の宿主細胞を使用することができ、平均的な研究者の技能であれば、本発明に適した宿主細胞を選択可能である。好ましい宿主生物としては、酵母が挙げられる。中でもサッカロミセス属(Saccharomycacae)から選択されるものが好ましく、より好ましくはサッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)である。
本発明の変異ポリペプチドの成長培地からの分離及び回収には、既知の分離技術、例えば濾過、遠心分離、クロマトグラフィー、及び親和性分離技術等を組み合わせてもちいることができる。平均的な研究者の技能であれば、斯かる既知の分離工程を適宜組み合わせて、本発明の変異体を精製することができる。本発明の変異体に適用可能な精製技術の例としては、国際公開第00/44772号に開示のものを挙げることができる。
本発明の方法において、宿主細胞は、シャペロン活性が強化されたものであってもよく、なくてもよい。従って、本発明は、本発明のポリペプチド(又はタンパク質)を製造する方法であって、(a)上述の所望のタンパク質産物をコードするポリヌクレオチドを含む本発明の宿主細胞を提供し、(b)斯かる宿主細胞を生育させ(例えば宿主細胞を培地中で培養し)、これにより所望のタンパク質産物を含む細胞培養物又は組換生物を生産することを含む方法を提供する。ここで、所望のタンパク質産物の発現レベルは、1又は2以上の(例えば数個の)ヘルパータンパク質を過剰発現するように遺伝子改変されていない他は同一の宿主細胞を、同一条件下で生育させる(例えば培養する)ことにより得られる、所望のタンパク質産物の産生レベルよりも。
宿主細胞を生育させる工程は、多細胞生物由来の宿主細胞を多細胞組換生物(例えば植物又は動物等)へと再成長させること、及び任意により、そこから1又は2以上の世代(例えば数世代)の子孫を産生することを含んでいてもよく、いなくてもよい。
チオアルブミンは、適切な発現系、例えば酵母(例えばサッカロミセス(Saccharomyces)、例えばS.セレビシエ(S. cerevisiae)等、又はアスペルギルス(Aspergillus)等)による非修飾アルブミン(例えば配列番号2)の発現レベルに対して、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90又は100%のレベルで発現される能力を有していてもよく、いなくてもよい。相対的な発現レベルは、例えばタンパク質の発現後に、SDS-PAGE、HPLC又はウエスタンブロッティングにて定量化することにより決定することができる。相対的な発現レベルの決定は、少なくとも10リットルのスケールで行ってもよい。
斯かる方法は更に、培養された宿主細胞、組換生物又は培地から、こうして発現された所望のタンパク質産物を精製する工程を含んでいてもよく、いなくてもよい。
斯かる産生方法は、本発明のポリペプチドに対してコンジュゲーションパートナーを、前記ポリペプチドのコンジュゲーション可能なシステイン残基を介して連結することを含んでいてもよい。適切なコンジュゲーション法及びコンジュゲーションパートナーは、本明細書に記載したとおりである。
チオアルブミン又はチオアルブミンと他の1又は2以上のタンパク質との融合体を、N結合グリコシル化が低下した変異体として発現させることも可能である。即ち、HSAの場合、例えば遺伝子コーディング配列の破壊等により、タンパク質のO-グリコシル化に関与する1又は2以上の(例えば数個の)タンパク質マンノシルトランスフェラーゼが欠損された酵母を用いることが、特に有利である場合がある。組換発現されたタンパク質は、宿主細胞による不所望の翻訳後修飾を受ける場合がある。マンノシル化アルブミンはレクチンコンカナバリンAに結合しうる。1又は2以上の(例えば数個の)PMT遺伝子が欠損された酵母株を用いることにより、酵母により産生されるマンノシル化アルブミンの量を低減することが可能となる(国際公開第94/04687号)。これを達成する最も簡便な手法は、ゲノムに欠損を加えることにより、Pmtタンパク質の発現レベルが低減した酵母を用いることである。例えば、コーディング配列又は調節領域内に(或いは何れかのPMT遺伝子の発現を調節する他の遺伝子内に)、Pmtタンパク質の産生が殆ど又は全く生じなくなるような欠失、挿入又は転位を有していてもよく、いなくてもよい。或いは、酵母が抗Pmt剤、例えば抗Pmt抗体を産生するように、酵母を形質転換してもよい。或いは、何れかのPMT遺伝子の活性を阻害する化合物の存在下で、酵母を培養してもよい(Duffy et al, “Inhibition of protein mannosyltransferase 1 (PMT1) activity in the pathogenic yeast Candida albicans”, International Conference on Molecular Mechanisms of Fungal Cell Wall Biogenesis, 26-31 August 2001, Monte Verita, Switzerland, Poster Abstract P38)。S.セレビシエ(S. cerevisiae)以外の酵母、例えばピチア・パストリス(Pichia pastoris)又はクルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)等を用いる場合には、S.セレビシエ(S. cerevisiae)のPMT遺伝子に相当する1又は2以上の(例えば数個の)遺伝子を破壊することが有益である。S.セレビシエ(S. cerevisiae)から単離されたPMT1(又は他のPMT遺伝子)の配列を用いて、他の真菌種における類似の酵素活性をコードする遺伝子を特定し、これを破壊してもよい。クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)のPMT1ホモログのクローニングは、国際公開第94/04687号に記載されている。
本発明の変異ポリペプチドは、治療上有益な化合物(予防上有益な化合物、例えばワクチン等を含む)を、これを必要とする動物又はヒトの個体に送達するために使用してもよい。斯かる治療上有益な化合物としては、これらに限定されるものではないが、診断に用いられる標識及び容易に検出可能な化合物、例えば種々の画像化技術;医薬活性化合物、例えば薬物、又は特異的結合部分、例えば抗体等が挙げられる。本発明の変異体は、更に2又はそれ以上の(数個の)異なる治療上有益な化合物、例えば抗体及び薬物を連結することにより、これを例えば所望の標的に特異的に結合させ、高濃度の連結された薬物を特定の標的に高濃度で送達することも可能である。
斯かる方法は更に、宿主細胞及び/又は宿主細胞成長培地から回収したポリペプチドを精製する工程を含んでいてもよい。斯かる精製工程は、任意により細胞固定化、細胞分離、及び/又は、細胞破壊を含んでいてもよいが、細胞固定化、分離、及び/又は破壊の工程とは異なる少なくとも1つの(例えば数個の)他の精製工程を常に含むことになる。
本発明のチオアルブミンの培地からの精製には、斯かるタンパク質を精製するのに有用であることが知られている任意の技術を使用することができる。同様に、細胞分離技術、例えば遠心分離、濾過(例えばクロスフロー濾過、膨張層クロマトグラフィー等)も、本技術分野では周知である。同様に、細胞破壊の方法として、例えばビーズミル処理、超音波処理、酵素暴露等も、本技術分野では周知である。
「少なくとも1つの(例えば数個の)他の精製工程」(at least one (e.g. several) other purification step)としては、タンパク質の精製に適した本技術分野で公知の任意の他の工程が挙げられる。例えば、組換発現されたアルブミンの回収のための精製技術としては、国際公開第92/04367号に開示の、マトリックス由来色素の除去;欧州特許第464590号の、酵母由来色材の除去;欧州特許第319067号の、アルカリ沈殿及びそれに続くアルブミンの親油性相への適用;並びに、国際公開第96/37515号、米国特許第5 728 553号、及び国際公開第00/44772号に記載の、完全精製プロセスが挙げられる(これらは何れも参照により本明細書に組み込まれる)。適切な方法としては、硫酸ナトリウム又はエタノール沈殿、酸又は溶媒抽出、陰イオン又は陽イオン交換クロマトグラフィー、リン酸セルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、レクチンクロマトグラフィー、濃度、希釈、pH調節、透析濾過、限外濾過、高性能液体クロマトグラフィー(「HPLC」)、逆相HPLC、伝導度調節等が挙げられる。
斯かるポリペプチドは、例えば商業的又は工業的に許容されるレベルの純度まで精製してもよい。商業的又は工業的に許容されるレベルの純度としては、他の物質(例えば1又は2以上の(例えば数個の)混入物質)のレベルが50%未満、40%、30%、20%、10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.01%、0.001%、0.0001%、0.00001%、又は0.000001%、最も好ましくは0%である、チオアルブミン及び/又はチオアルブミン-コンジュゲートを提供することが含まれる。
商業的又は工業的に許容されるレベルの純度は、比較的粗雑な精製法により、所望のタンパク質産物をその意図される目的に適した形態へと変化することで達成してもよい。商業的又は工業的に許容されるレベルの純度まで生成されたタンパク質調製物は、所望のタンパク質産物に加えて、例えば細胞培養要素、例えば宿主細胞又はその残屑を含む可能性がある。或いは、高分子量の要素(例えば宿主細胞又はその残屑)を(例えば濾過又は遠心分離等により)除去することにより、所望のタンパク質産物と、任意により、細胞培養プロセスに由来する機能的に許容可能なレベルの低分子量の混入物質とを含む組成物を取得してもよく、しなくてもよい。
斯かるタンパク質は、医薬的に許容可能なレベルの純度まで精製されていてもよく、いなくてもよい。タンパク質が医薬的に許容可能なレベルの純度を有するとは、そのタンパク質が実質的に発熱物質を含まず、その所望の目的に使用することができ、惹いてはタンパク質の活性と関連しない医薬作用を生じることなく、医薬的に有効な量で投与することが可能であることをいう。
斯かるチオアルブミン及び/又はチオアルブミン-コンジュゲートは、少なくとも10-4g・L-1、10-3g・L-1、0.01g・L-1、0.02g・L-1、0.03g・L-1、0.04g・L-1、0.05g・L-1、0.06g・L-1,0.07g・L-1、0.08g・L-1、0.09g・L-1、0.1g・L-1、0.2g・L-1、0.3g・L-1、0.4g・L-1、0.5g・L-1、0.6g・L-1、0.7g・L-1、0.8g・L-1、0.9g・L-1、1g・L-1、2g・L-1、3g・L-1、4g・L-1、5g・L-1、6g・L-1、7g・L-1、8g・L-1、9g・L-1、10g・L-1、15g・L-1、20g・L-1、25g・L-1、30g・L-1、40g・L-1、50g・L-1、60g・L-1、70g・L-1、80g・L-1、90g・L-1、100g・L-1、150g・L-1、200g・L-1、250g・L-1、300g・L-1、350g・L-1、400g・L-1、500g・L-1、600g・L-1、700g・L-1、800g・L-1、900g・L-1、1000g・L-1の濃度で提供される。
本発明の方法は更に、精製された所望のタンパク質産物を、担体又は希釈剤と共に製剤化する工程、及び任意により、こうして製剤化されたタンパク質を、単位投与形態で提供する工程とを含んでいてもよい。
本発明の製法により得られた治療上有用なタンパク質を単独で投与することも可能ではあるが、1又は2以上の(例えば数個の)許容可能な担体又は希釈剤と共に、医薬製剤として提供することが好ましい。斯かる1又は2以上の担体又は希釈剤は、前記の所望のタンパク質と適合性を有するという意味で「許容可能」である。典型的には、斯かる担体又は希釈剤は水又は食塩水であり、これらは無菌且つ発熱物質不含有である。或いは、本発明の方法は更に、こうして精製された所望のタンパク質産物を凍結乾燥する工程をさらに含んでいてもよく、いなくてもよい。
チオアルブミンの製剤化は、“Protein Formulation and Delivery”, E. J. McNally (Ed.), published by Marcel Dekker Inc. New York 2000 and “Rational Design of Stable Protein Formulations - Theory and Practice”;J. F. Carpenter and M. C. Manning (Ed.) Pharmaceutical Biotechnology Vol 13. Kluwer Academic/Plenum Publishers, New York 2002, Yazdi and Murphy, (1994), Cancer Research 54, 6387-6394, Widera et al., (2003) Pharmaceutical Research 20, 1231-1238;Lee et al., (2005), Arch. Pharm. Res. 28, 722-729に記載の方策により行うことができる。製剤法の例は以下のとおりである。
方法その1:本発明の遊離チオール含有アルブミンムテイン又はコンジュゲートを精製した後、0.01M~0.25MのNaClを含む0.01M~0.1M リン酸緩衝化食塩水(pH7.0~8.0)中、4℃、-20℃又は-80℃で保存できる。
方法その2:本発明の遊離チオール含有アルブミンムテイン又はコンジュゲートを精製した後、0.01M~0.25MのNaCl及び10~20mg/Lのポリソルベート80を含む0.01M~0.1M リン酸緩衝化食塩水(pH7.0~8.0)中、4℃、-20℃又は-80℃で保存できる。
方法その3:本発明の遊離チオール含有アルブミンムテイン又はコンジュゲートを精製した後、0.01M~0.25MのNaCl(pH7.0~8.0)中、4℃、-20℃又は-80℃で保存できる。
方法その4:本発明の遊離チオール含有アルブミンムテイン又はコンジュゲートを精製した後、10~20mg/Lのポリソルベート80を含む0.01M~0.25MのNaCl(pH7.0~8.0)中、4℃、-20℃又は-80℃で保存できる。
凍結乾燥製剤
方法その5:本発明の遊離チオール含有アルブミンムテイン又はコンジュゲートを精製した後、水に対して透析し、凍結乾燥し、4℃、-20℃又は-80℃で保存できる。
方法その6:本発明の遊離チオール含有アルブミンムテイン又はコンジュゲートを精製した後、0.01M~0.25MのNaCl(pH7.0~8.0)に対して透析し、凍結乾燥し、4℃、-20℃又は-80℃で保存できる。
コンジュゲーション方法
本発明の第十の側面は、本発明の第七の側面のコンジュゲートを製造する方法であって、本発明の第一、第二、又は第三の側面のポリペプチド、或いは本発明の第九の側面の方法により製造されたポリペプチドを、生物活性化合物に対して、前記ポリペプチドのコンジュゲーション可能なシステイン残基を介して連結する方法を提供する。連結はリンカーを介して行われる。
本発明のアルブミンムテイン(チオアルブミン)は、 can be 共有結合ly linked to 1又は2以上の(例えば数個の)コンジュゲーションパートナー、例えば生物活性化合物に対して、本技術分野で公知の方法(例えばPierce, Thermo Fisher Scientific, Rockford, IL, USAにより提供されるもの;https://tools.lifetechnologies.com/content/sfs/brochures/1602163-Crosslinking-Reagents-Handbook.pdf)により、共有結合させることができる。斯かる方法には、これらに限定されるものではないが、コンジュゲーションパートナーの内部又は外部にチオール反応性基を導入又は遺伝子組換形成すること、例えばコンジュゲーションパートナーに存在する他の遊離チオールを導入又は遺伝子組換形成すること;又は、コンジュゲーションパートナーにピリジルジスルフィド基を導入又は遺伝子組換形成すること;又は、生物活性化合物にハロアセチル基を導入又は遺伝子組換形成すること、又は、コンジュゲーションパートナーにマレイミド基を導入又は遺伝子組換形成すること、又は、コンジュゲーションパートナーにチオスルフォネート基を導入又は遺伝子組換形成すること、又は、コンジュゲーションパートナーにビニルスルホン基を導入又は遺伝子組換形成すること等が挙げられる。例えば、これらに限定されるものではないが、N-エチルマレイミド(NEM、Pierce)、2-アミノ-2’-アミノエタンチオールスルフォネート(Pierce)、N-β-マレイミドプロピオン酸(BMPA、Pierce)、メチルメタンチオスルフォネート(MMTS、Pierce)、フルオレセイン-5-マレイミド(Pierce)、5-ヨードアセトアミド-フルオレセイン(5-IAF、Pierce)、又はN-[6-7-アミノ-4-メチルクマリン-3-アセトアミド)ヘキシル]-3’-[2’-ピリジルジチオ]プロピオンアミド(AMCA-HPDP、Pierce)が挙げられる。
コンジュゲーションパートナーが少なくとも1つの(例えば数個の)チオール基を含む場合、コンジュゲーションパートナーを本発明のアルブミンムテインに対して、当分野で公知の方法により架橋してもよい。斯かる方法としては、例えば、これらに限定されるものではないが、酸化又は架橋試薬の使用が挙げられる。架橋試薬の例としては、これらに限定されるものではないが、1,4-ビス-マレイミジブタン(BMB、Pierce);1,4-ビス-マレイミジル-2,3-ジヒドロキシブタン(BMDB、Pierce);ビス-マレイミドヘキサン(BMH、Pierce)、ビス-マレイミドエタン(BMOE、Pierce);1,8-ビス-マレイミドトリエチレングリコール(BM[PEO]3、Pierce);1,11-ビス-マレイミドテトラエチレングリコール(BM[PEO]4、Pierce);1,4-ジ-[3’-(2’-ピリジルジチオ)-プロピオンアミド]ブタン(DPDPB、Pierce);ジチオ-ビス-マレイミドエタン(D(登録商標)E、Pierce);1,6-ヘキサン-ビス-ビニルスルホン(HBVS、Pierce)、及びトリス-[2-マレイミドエチル]アミン((登録商標)EA、Pierce)が挙げられる。
コンジュゲーションパートナーがチオール反応性基を含まない場合、本分野で公知の方法に従って、化学的修飾又は遺伝子組換により斯かる1又は2以上の(例えば数個の)基を導入してもよい(Chapman, A.P. (2002) Adv. Drug Deliv. Rev., 54 531-545: Humphreys, D.P. et al. Protein Engineering, Design & Selection vol. 20 no. 5 pp. 227-234, 2007)。これら2つの参考文献は抗体又は抗体断片内に組換え形成された遊離チオールにPEGを架橋するための方法論を記載するものであるが、斯かる技術は本発明のアルブミンムテイン内に組換え形成された遊離チオールにコンジュゲーションパートナーを架橋する際にも利用することができる。或いは、例えば国際公開第2000/69902号に記載の、ConjuChem Inc.が開発したドラッグアフィニティーコンプレックス(drug affinity complex:DAC(登録商標))技術(Montreal, Quebec, Canada, H2×3Y8)も利用することができる。DAC(登録商標)コンストラクトは各々、3つの部分を有する。即ち、1)薬物要素(生物学的活性に関与する部分);2)薬物要素に連結されるリンカー;及び3)リンカーの反対側の端部にある反応性化学基、通常はチオール選択的な弱求電子剤、最も有用な態様ではマレイミド、である。他の適用可能なコンジュゲーション法は、国際公開第2007/071068号に記載されている。これらの文献は参照により本明細書に組み込まれる。
コンジュゲーションパートナーがチオール反応性基を含まないものの、1又は2以上の(例えば数個の)アミノ基を含む場合、本分野で公知の方法に従って、化学的修飾により1又は2以上の(例えば数個の)チオール反応性基を導入してもよい。斯かる手法の例としては、架橋試薬の使用が挙げられる。斯かる試薬としては、例えば、これらに限定されるものではないが、N-5-アジド-2-ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド(AMAS、Pierce)、N-[β-マレイミドプロピルオキシ]スクシンイミドエステル(BMPS、Pierce)、N-η-マレイミドカプロン酸(EMCA、Pierce)、N-[η-マレイミドカプロイルオキシ]スクシンイミドエステル(EMCS、Pierce)、N-[η-マレイミドカプロイルオキシ]スルホスクシンイミドエステル(スルホ-EMCS、Pierce)、N-[γ-マレイミドブチリルオキシ]スクシンイミドエステル(GMBS、Pierce)、N-[γ-マレイミドブチリルオキシ]スルホスクシンイミドエステル(スルホ-GMBS、Pierce)、N-κ-マレイミドウンデカン酸(KMUA、Pierce)、N-[κ-マレイミドウンデカノイルオキシ]スルホスクシンイミドエステル(スルホ-KMUS、Pierce)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミド(MBS、Pierce)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル(スルホ-MBS、Pierce)、N-スクシンイミジルS-アセチルチオ-酢酸塩(SATA、Pierce)、N-スクシンイミジルS-アセチルチオプロピオネート(SATP、Pierce)、スクシンイミジル3-[ブロモアセトアミド]プロピオネート(SBAP、Pierce)、N-スクシンイミジルヨード酢酸塩(SIA、Pierce)、N-スクシンイミジル[4-ヨードアセチル]アミノベンゾエート(SIAB、Pierce)、スルホスクシンイミジル[4-ヨードアセチル]アミノベンゾエート(スルホ-SIAB、Pierce)、スクシンイミジル[4-[N-マレイミドメチル]シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC、Pierce)、スルホスクシンイミジル[4-[N-マレイミドメチル]シクロヘキサン-1-カルボキシレート(スルホ-SMCC、Pierce)、スクシンイミジル-[4-[N-マレイミドメチル]シクロヘキサン-1-カルボキシ-[6-アミドカプロエート(LC-SMCC、Pierce)、4-スクシンイミジルオキシカルボニル-メチル-α[2-ピリジルジチオ]トルエン(SMPT、Pierce)、スルホスクシンイミジル6-[α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルアミド]ヘキサノエート(スルホ-LC-SMPT、Pierce)、スクシンイミジル4-[p-マレイミドフェニル]-ブチレート(SMPB、Pierce)、スルホスクシンイミジル4-[p-マレイミドフェニル]-ブチレート(スルホ-SMPB、Pierce)、スクシンイミジル-6-[(β-マレイミドプロピオンアミド)ヘキサノエート](SMPH、Pierce)、N-スクシンイミジル3-[2-ピリジルジチオ]プロピオネート(SPDP、Pierce)、スクシンイミジル[3-(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド]ヘキサノエート(LC-SPDP、Pierce)、スルホスクシンイミジル[3’-(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド]ヘキサノエート(スルホ-LC-SPDP、Pierce)及びN-スクシンイミジル-[4-ビニルスルホニル]ベンゾエート(SVSB、Pierce)等が挙げられる。Kavimandan et al., (2006), Bioconjugate Chem. 17, 1376-1384に記載のように、特定のアミン残基をブロックするのが好ましい場合もある。
適切なリンカーとしては、ブロモマレイミドリンカー、例えばモノブロモマレイミドリンカーが挙げられる。モノブロモマレイミドは、安定なコンジュゲートを構築可能な次世代のマレイミドであって、Smith et al Organic & Biomolecular Chemistry, (2015), 13, pages 7946-7949に記載されている。好ましいモノブロモマレイミドリンカーとしては、国際公開第2011/018611号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載のものが挙げられる。
コンジュゲーションパートナーがチオール反応性基を含まないものの、1又は2以上の(例えば数個の)カルボニル(酸化炭水化物)基を有する場合、本分野で公知の方法に従って、化学的修飾により1又は2以上の(例えば数個の)チオール反応性基を導入してもよい。斯かる手法の例としては、架橋試薬の使用が挙げられる。斯かる試薬としては、例えば、これらに限定されるものではないが、(N-β-マレイミドプロピオン酸ヒドラジド(BMPH、Pierce)N-[η-マレイミドカプロン酸]ヒドラジド(EMCH、Pierce)、4-[N-マレイミドメチル]シクロヘキサン-1カルボキシルヒドラジド・HCl・1/2ジオキサン(MMCCH、Pierce)、3-マレイミドフェニルボロン酸(MPBH、Pierce)、N-[κ-マレイミドウンデカン酸]ヒドラジド(KMUH、Pierce)及び3-[2-ピリジルジチオ]プロピオニルヒドラジド(PDPH、Pierce)等が挙げられる。
コンジュゲーションパートナーがチオール反応性基を含まないものの、1又は2以上の(例えば数個の)ヒドロキシル基を有する場合、本分野で公知の方法に従って、化学的修飾により1又は2以上の(例えば数個の)チオール反応性基を導入してもよい。斯かる手法の例としては、架橋試薬の使用が挙げられる。斯かる試薬としては、例えば、これらに限定されるものではないが、N-[p-マレイミドフェニル]イソシアネート(PMPI、Pierce)が挙げられる。
アソシエイト
本発明の第十一の側面は、本発明の第七の側面のコンジュゲートと、生物活性、治療、予防、診断、画像化、又は他の有用な部分トを含むアソシエイトを提供する。
コンジュゲートを更に「アソシエイト」の形態にして用いてもよい。ここで「アソシエイト」(associates)という語は、アルブミンの変異体又はその断片のコンジュゲートと、当該コンジュゲートに非共有結合で結合又は連結された他の化合物とを含む化学物質を意味する意図である。斯かるアソシエイトの例としては、変異体アルブミンコンジュゲートと、アルブミンに疎水性相互作用で連結された脂質とからなるアソシエイトが挙げられる。斯かるアソシエイトは本技術分野では公知であり、周知の技術を用いて調製することができる。本発明に係るアソシエイトの好ましい例としては、変異体アルブミンコンジュゲートと、タキサン、タキソール、又はタキソール誘導体(例えばパクリタキセル)トを含むアソシエイトが挙げられる。アソシエイトの更なる例は、生物活性、治療、予防(ワクチンを含む)、診断、画像化、又は他の有用な部分を含む。
アソシエイトの調製方法は当業者には周知である。例えば、Hussain, R. and Siligardi, G. (2006), International Journal of Peptide Research and Therapeutics, Vol. 12, NO: 3, pp. 311-315に記載の、HSAと脂質化合物との(連結による)製剤化が挙げられる。
ナノ粒子、マイクロ粒子又はリポソーム
本発明の第十二の側面は、本発明の第一、第二、又は第三の側面のポリペプチド、又は、本発明の第七の側面のコンジュゲート、又は、本発明の第十一の側面のアソシエイトを含む、ナノ粒子、マイクロ粒子、又はリポソームを提供する。
アルブミン及びアルブミン粒子は、薬物及びプロドラッグを担持して、その作用部位へと送達する上で重要な役割を有する(Kratz (2008), Journal of Controlled Release, 132 (3), p.171-183)。融合及び粒子化技術によって、薬物動態特性が改善され、例えば血漿中半減期が延長されることで、用量用法を改善することができる。また、生物学的利用能を向上させると共に、融合された生物活性分子を不活性化から保護することも可能となる。
分子をナノ粒子又はマイクロ粒子に組み込む技術は、本技術分野では公知である。本発明に係る変異体アルブミンコンジュゲート又はそのアソシエイトに適用可能な、ナノ粒子又はマイクロ粒子を調製するための好ましい方法は、国際公開第2004/071536号又は国際公開第2008/007146号、或いはOner及びGroves(Pharmaceutical Research, Vol 10(9), 1993, pages 1387 to 1388)に記載されている。これらは参照により本明細書に組み込まれる。ナノ粒子の平均直径は、5~1000nmの範囲が好ましく、より好ましくは5、10、20、30、40、50、80、100、130、150、200、300、400、500、600、700、800、900、又は999nmから、5、10、20、30、40、50、80、100、130、150、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000nmまでの範囲である。直径200nm未満のマイクロ粒子、とりわけ130nm未満のマイクロ粒子は、0.2μm(ミクロン)フィルターで濾過することにより滅菌できるという利点がある。マイクロ粒子の平均直径は、1000nm(1μm(ミクロン))~100μm(ミクロン)の範囲が好ましく、より好ましくは1、2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100μm(ミクロン)から、1、2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100μm(ミクロン)までの範囲である。
本発明のチオアルブミン(及び/又はそのコンジュゲートされた形態)は、ナノ粒子の産生に使用してもよく、及び/又は、ナノ粒子又はリポソーム内に包有させてもよい。
本発明のチオアルブミンは、ナノ粒子及び/又はリポソームと共に用いてもよく、及び/又は、ナノ粒子及び/又はリポソームに入れて用いてもよく、及び/又は、、ナノ粒子及び/又はリポソームとして用いてもよい。従来のコンジュゲーション方策の課題として、例えば生物活性剤・標的化リガンドのコンジュゲートのように、コンジュゲーションパートナーの薬理学的活性及び免疫活性の双方を維持することが挙げられる。タンパク質へのコンジュゲーションが可能なタンパク質標的化リガンド又は生物活性部分(コンジュゲーションパートナー)の数には上限値が存在する場合が多く、斯かる上限値を超えると標的化リガンドがその生物活性を維持できなくなる。本発明のアルブミンにコンジュゲートすることによって、コンジュゲーションパートナーの生物活性が低下しないことが好ましい。
生物活性化合物を捕捉するのにリポソーム及びナノ粒子を利用できる。これらは、例えば生物活性化合物等の薬物の送達性又は標的細胞による摂取を促進し、及び/又は、遊離した生物活性剤が非標的器官に及ぼす毒性を低減する機序を提供し、その結果として、治療指数の上昇、及び/又は、副作用の低減が可能となる。更に、一部の生物活性化合物(例えばタキサン等)を送達するのに必要な溶媒系製剤の多くは、毒性を伴うことから、患者に投与可能な最大用量は制限されてしまう。斯かる生物活性化合物にとっても、リポソーム及びナノ粒子による送達は利点を有する。溶媒系製剤に伴う毒性の一部を回避しつつ、生物活性化合物の投与量を増量することが可能となるからである(Hawkins et al (2008), Advanced Drug Delivery Reviews, 60, 8, p876-885)。
標的化リガンドをリポソーム及びナノ粒子に結合する方法は、本技術分野では公知であり(Nobs et al (2004), Journal of Pharmaceutical Sciences Vol 93 p1980-1992で総説されている)、本発明においても使用することができる。結合の手法は非共有結合でも共有結合でもよいが、共有結合は非共有結合よりも安定であることから、共有反応が好ましいと考えられる。タンパク質、ペプチド、又は薬物をリポソーム表面に共有結合又は非共有結合するための脂質は市販されている(例えばAvanti Polar Lipids Inc Alabaster, Alabama, USA)。主に3種類の官能性が挙げられる。即ち、ジスルフィド又はチオエーテル形成、アミド結合形成、又はビオチン/ストレプトアビジン結合によるコンジュゲーションである。本発明ではこれらの何れを使用することも可能である。
リポソームの表面にチオエーテル結合を介してリガンドを共有カップリングする方法は多数報告されているが、最も一般的なのは、マレイミドとチオール基との極めて効率的な反応を利用する方法である。本発明において、或いは本発明と共に使用できる、リポソームに一般的に付加される官能化された脂質アンカーの例としては、これらに限定されるものではないが、マレイミドを含有する基、例えばN-[4-(p-マレイミドフェニル)ブチルアミド]-PE(N-MPB]-PE)又はN-[4-(p-マレイミドメチル)シクロヘキサン-カルボキシアミド)(MCC-PE)が挙げられる。これらは安定なチオエーテル結合を介して、標的化部分の簡便な共有カップリングを可能とする(Martin & Papahadjopoulos (1982), J. Biol. Chem. 257, 286-288)。
方法その7:本発明の遊離チオール含有アルブミンムテイン又はコンジュゲートを精製した後、ナノ粒子を調製するための既知の手法、例えば国際公開第2004/071536A1号及び国際公開第2008/007146A1号に記載の手法(何れも参照により本明細書に組み込まれる)に従って、ナノ粒子に製剤化することができる。
同様に、ナノ粒子を形成するための材料、例えば、これらに限定されるものではないが、ポリ(乳酸)(PLA)、乳酸グリコール酸共重合体(PLGA)、及びCOOH-PLA等は市販されており、ナノ粒子形成に関する既知の文献に従って、マレイミド又は他の既知の化学基で官能化することができる。これらの何れも、本発明において、或いは本発明と共に使用できる。
リガンドをリポソームに共有カップリングするための他の簡便な方法としては、2つのチオールをコンジュゲートしてジスルフィドを形成することが挙げられる。しかし、血清中の還元条件下では、1つの遊離チオール基を伴うより安定なコンジュゲーション化学が好ましい。(PDP-PE)等の化学基によれば、ジスルフィド結合による共有カップリングが可能となる。遊離チオール基又は官能化リンカーに対するリガンドを修飾を用いてもよい。本発明のチオアルブミンの利点の一つは、リガンドの修飾が不要であるという点にあるが、任意により本発明でもリガンド修飾を用いてもよい。
タンパク質内にチオール基が存在せず、或いはチオール基の数が十分ではなく、或いはチオール基の位置が適切でない場合も多い。即ち、1又は2以上のリガンドをリポソームにチオエーテル又はジスルフィド結合を介して共有カップリングする際に、殆どの場合はヘテロ二官能性架橋剤の使用が必要となる(コンジュゲーションに関して本明細書に記載した)。ヘテロ二官能性架橋剤の中には脱保護工程を要するものがあるが(例えばSPDP及びSATA等)、本発明のチオアルブミンによれば斯かる追加の処理が不要となる。
或いは、本分野で公知の他の化学基により、チオアルブミンをリポソーム又はナノ粒子にコンジュゲートすることもできる。例えば、官能化脂質アンカーを、リガンドの一次アミンと反応するアミン又はカルボキシル官能基(例えばDSPE-PEG-COOH等)の何れかと共に用いて、チオアルブミンをアミド結合で結合することもできる。一次アミンとリポソーム表面との直接架橋を用いてもよい。続いて、チオアルブミンの1又は2以上の(例えば数個の)遊離チオール基を、他のコンジュゲーションパートナーとのコンジュゲーションに用いることができる。
コンジュゲーション後にコンジュゲーションパートナー(例えば生物活性分子)の活性(例えば生物活性)が低下する場合がある。本発明に記載のチオアルブミンによれば、チオアルブミンに対するコンジュゲーションパートナーの位置及び/又は配向を調整し、コンジュゲーションパートナーの非コンジュゲート時の活性の少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90又は100%を維持するようにしたコンジュゲート、ナノ粒子及び/又はリポソームを提供することで、この課題を解決することが可能となる。
ナノ粒子は、例えば、血管新生用途、抗血管新生用途、及びステント等の医療デバイスの被覆に使用できる。ナノ粒子は非密着結合等の標的化に有効であり、惹いては癌性腫瘍等の腫瘍の標的化に有用である。また、ナノ粒子は特に食細胞による呑食及び抗原提示の対象となりやすいことから、抗原を標的化して免疫応答を誘発するのにも有用である。本発明は、本発明に係るチオアルブミンのみからなるナノ粒子を提供する。ここで、本発明に係るチオアルブミンは、別の部分(コンジュゲーションパートナー)にコンジュゲートされていてもよく、いなくてもよい。また、本発明は、本発明に係るチオアルブミンと、1又は2以上の(例えば数個の)他のナノ粒子の成分とを含む、ナノ粒子を提供する。ここで、本発明に係るチオアルブミンは、別の部分(コンジュゲーションパートナー)にコンジュゲートされていてもよく、いなくてもよい。また、1又は2以上の(例えば数個の)他のナノ粒子の成分は、アルブミンと関連していても、いなくてもよい。好ましい態様によれば、本発明に係るチオアルブミンは、ポリペプチドの表面に位置するコンジュゲーション可能なシステイン残基を、少なくとも2つ含む。斯かるチオアルブミンは、ナノ粒子の調製に使用してもよく、ここで1又は2以上の(例えば数個の)コンジュゲーション可能なシステイン残基を、ナノ粒子の形成に使用してもよく、1又は2以上の(例えば数個の)コンジュゲーション可能な残基を、生物活性分子等のコンジュゲーションパートナーへの連結に使用してもよい。
組成物
本発明の第十三の側面は、本発明に係るポリペプチド、融合ポリペプチド、コンジュゲート、アソシエイト、ナノ粒子、マイクロ粒子又はリポソームと、少なくとも1つの(例えば数個の)医薬的に許容可能な担体及び/又は希釈剤とを含む組成物を提供する。
本明細書では、対応する製品との関係で、種々の製剤を記載している。
本発明の関連する側面は、医薬成分及び/又は医薬製品を作製する方法であって、本発明に係るチオアルブミンを作製し、任意により更なる分子をチオアルブミンにコンジュゲートし、任意により得られたコンジュゲートを医薬的に許容可能な希釈剤及び/又は担体と製剤化し、更に任意により得られた製品を単位投与形態にすることを含む方法を提供する。
医療用途
本発明の第十四の側面は、本発明に係る、及び/又は、本発明に係る方法により製造された、ポリペプチド、融合ポリペプチド、コンジュゲート、又はアソシエイト、ナノ粒子、マイクロ粒子又はリポソームの、疾患の処置、病気の処置及び/又は診断への使用を提供する。
本明細書では、対応する製品との関係で、種々の医療用途を記載している。
更に、一部の態様では、斯かるチオアルブミン又はコンジュゲートが、親又は参照アルブミン又はコンジュゲートと比較されて、FcRnに対する結合親和性及び/又は血漿中半減期が改変されてなる。これにより、本発明に係るコンジュゲート、アソシエイト、ナノ粒子、マイクロ粒子又はリポソームのFcRnに対する結合親和性及び/又は血漿中半減期を、具体的な治療目的に応じて選択できるという利点が提供される。半減期が延長されると、参照分子又は組成物を使用する場合と比較して、投与の頻度又は用量を低減できる(惹いては副作用を低減できる)という利点がある。或いは、血漿中半減期を参照分子又は組成物よりも短くすると、参照分子又は組成物を使用する場合と比較して、より高い用量で投与できるという利点があり、更には参照分子又は組成物と比較して、投与した化合物が受容者からより迅速に排出されるという利点がある。
例えば、動物又はヒトの画像化目的で使用されるコンジュゲート、アソシエイト又は融合ポリペプチドにおいて、画像化部分の半減期は非常に短いのに対し、HSAを含むコンジュゲート又は融合ポリペプチドは画像化目的に必要とされるよりも遥かに長い血漿中半減期を有する場合、親又は参照アルブミン又はその断片よりも血漿中半減期が短い本発明の変異体アルブミン又はその断片を用いることで、画像化目的には十分長いが、投与対象患者から排出される上では十分に短い血漿中半減期を有するコンジュゲート又は融合ポリペプチドを提供することが可能となる。
他の例として、特定の症状を治療又は軽減するのに有効な治療用化合物を含むコンジュゲート、アソシエイト又は融合ポリペプチドを、斯かる処置を必要とする患者に投与する場合、親又は参照アルブミン又はその断片よりも血漿中半減期が長い変異体アルブミン又はその断片を用いて、血漿中半減期が延長されたアソシエイト又はコンジュゲート又は融合ポリペプチドを調製すれば、斯かる本発明のポリペプチドのアソシエイト又はコンジュゲート又は融合体は、親又は参照アルブミン又はそのアソシエイト又はその断片を使用する場合と比較して、必要となる投与の頻度がより少なく、又は必要となる用量がより低くなるため、ひいては副作用を低減することができるという利点が得られる。例えば、本発明は、個体の増殖性疾患を治療する方法であって、本発明に係るアソシエイトの有効量を当該個人に投与することを含み、ここで当該アソシエイトは、タキサン、タキソール、又はタキソール誘導体(例えばパクリタキセル等)を含む、方法を提供する。
半減期を延長するための使用
本発明の第十五の側面は、本発明のこれまでの任意の側面で定義されたポリペプチドを、分子の半減期、例えば生物活性剤、画像化剤、診断薬、造影剤、又は治療用化合物、例えば化学治療薬又は放射性医薬等の半減期の延長に使用することを提供する。好ましくは、当該分子単独の場合の半減期と比較して、半減期が少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90又は少なくとも100%延長される。中でも、当該分子単独の場合の半減期と比較して、半減期が少なくとも少なくとも2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22時間、又は少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は少なくとも14日間延長されることが好ましい。
例えば、分子の半減期の延長は、当該分子を本発明のこれまでの任意の側面により規定されたポリペプチドに対して、例えばコンジュゲーション可能なシステイン残基を介して結合させ、当該分子を当該ポリペプチドに対して遺伝子組換えにより融合し、当該分子をポリペプチドと連結させ、及び/又は、本発明のこれまでの任意の側面に係る粒子に内包させることにより達成される。
本発明の態様
以下の連番を付したパラグラフを参照しながら本発明を更に説明する。
1.ヒトアルブミン、特に配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列の残基1~585、又はその断片と、少なくとも70%同一なアミノ酸配列を含む、コンジュゲーション可能なポリペプチドであって;
配列番号2のK93、E294、A226、E230、I271、E358、L24、F49、V54、D56、L66、A92、Q94、E97、H128、F156、E227、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、L275、E277、L284、E311、K317、A322、E333、D340、E354、K359、A362、E382、及びL398、特にK93、E294、A226、E230、及びI271から選択される位置に等しい少なくとも1つの(例えば数個の)位置に、コンジュゲーション可能なシステイン残基を含み、
好ましくは、コンジュゲーション可能なポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向が、配列番号2のポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向の、少なくとも70%である、コンジュゲーション可能なポリペプチド。
2.前記ポリペプチドが、
配列番号2の残基K93、E294、A226、E230、I271、E358、L24、F49、V54、D56、L66、A92、Q94、E97、H128、F156、E227、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、L275、E277、L284、E311、K317、A322、E333、D340、E354、K359、A362、E382、及びL398、特にK93、E294、A226、E230、及びI271の何れかに等しい位置に対応する位置における、システイン以外のアミノ酸からシステインへの置換;及び/又は
配列番号2の残基K93、E294、A226、E230、I271、E358、L24、F49、V54、D56、L66、A92、Q94、E97、H128、F156、E227、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、L275、E277、L284、E311、K317、A322、E333、D340、E354、K359、A362、E382、及びL398、特にK93、E294、A226、E230、及びI271の何れかに等しい位置に対応するアミノ酸のN又はC側に隣接する位置における、システインの挿入
のうち1又は2以上(例えば数個)を含む、パラグラフ1のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
3.配列番号2のK93、E294、A226、E230、I271、E358、L24、F49、V54、D56、L66、A92、Q94、E97、H128、F156、E227、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、L275、E277、L284、E311、K317、A322、E333、D340、E354、K359、A362、E382、及びL398、特にK93、E294、A226、E230、及びI271から選択される位置に等しい2、3、4、5又はそれ以上の(例えば数個の)位置に、コンジュゲーション可能なシステイン残基を含む、パラグラフ1又は2のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
4.前記ポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向が、配列番号2のポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向の、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも100%である、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
5.前記ポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向が、2~8℃、例えば5℃の温度で少なくとも7週間の保存、2~8℃、例えば5℃の温度で少なくとも8週間の保存、2~8℃、例えば5℃の温度で少なくとも3ヶ月の保存、2~8℃、例えば5℃の温度で少なくとも4ヶ月、2~8℃、例えば5℃の温度で少なくとも6ヶ月の保存、又は約40℃の温度で少なくとも3ヶ月の保存の後に測定される、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
6.前記ポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向が、2~8℃、例えば5℃の温度で少なくとも3ヶ月の保存後に測定される、パラグラフ5のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
7.保存に先立ち、前記ポリペプチドがトリアジン(例えばAlbuPure(登録商標))クロマトグラフィーマトリックス又はDE-FFクロマトグラフィーマトリックスを用いて精製されてなる、パラグラフ5又は6のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
8.保存に先立ち、前記ポリペプチドがトリアジン(例えばAlbuPure(登録商標))クロマトグラフィーマトリックスを用いて、続いてDE-FFクロマトグラフィーマトリックスを用いて精製されてなる、パラグラフ5、6又は7の何れかのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
9.保存に先立ち、前記ポリペプチドが、トリアジン(例えばAlbuPure(登録商標))クロマトグラフィーマトリックス、それに続くDE-FFクロマトグラフィーマトリックス、更にその後のサイズ排除(例えばサイズ排除限界(Mr)約5×10~2.5×10の、例えばSephacryl S-200 HR)クロマトグラフィーを用いて精製される、パラグラフ5~8の何れかのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
10.前記保存が、0.5~50mg/mLのポリペプチド濃度を用いる、パラグラフ5~9の何れかのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
11.前記保存が、約5mg/mLのポリペプチド濃度を用いる、パラグラフ5~10の何れかのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
12.前記保存が、約6.0~約7.5のpHで行われる、パラグラフ5~11の何れかのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
13.前記保存が、約7のpHで行われる、パラグラフ5~12の何れかのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
14.前記保存が、50mM 酢酸アンモニウム及び10mM オクタン酸ナトリウムを含む、pH7.0の、好ましくはポリペプチド濃度約0.2~約2.5mg/mLの緩衝剤を用いて行われる、パラグラフ5~13の何れかのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
15.前記保存が、25mMのリン酸ナトリウム及び215mMの塩化ナトリウムを含む、pH6.5の、好ましくはポリペプチド濃度約5~約50mg/mLの緩衝剤を用いて行われる、パラグラフ5~14の何れかのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
16.配列番号2のK93、E294、A226、E230、I271、E358、L24、F49、V54、D56、A92、Q94、E97、H128、F156、E227、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、L275、L284、K317、A322、E333、D340、E354、K359、A362、E382、及びL398、特にK93、E294、A226、E230、及びI271から選択される位置に等しい少なくとも1つの(例えば数個の)位置に、コンジュゲーション可能なシステイン残基を含むとともに、その溶液中で単量体として存在する傾向が、配列番号2のポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向の少なくとも75%である、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
17.前記アミノ酸配列が、ヒトアルブミン、特に配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列の残基1~585、又はその断片と少なくとも95%同一であると共に、及び前記コンジュゲーション可能なポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向が、配列番号2のポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向の少なくとも80%である、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
18.配列番号2の位置34に等しい位置に、コンジュゲーション可能なシステインが存在する、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
19.配列番号2の位置34に等しい位置に、コンジュゲーション可能なシステインが存在しない、パラグラフ1~18の何れかのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
20.前記ポリペプチドが、2又はそれ以上の(数個の)コンジュゲーション可能なシステイン残基を含むと共に、斯かるポリペプチドが折り畳まれた場合に、少なくとも1組のコンジュゲーション可能なシステイン残基の間に、少なくとも5Åの距離が存在する、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
21.前記ポリペプチドが、配列番号2の残基K93又はE294に等しい位置に対応する位置の一方又は両方に、システイン以外のアミノ酸からシステインへの置換を含む、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
22.少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%のコンジュゲーション効率で、マレイミド-ポリエチレングリコール2-ビオチンとコンジュゲートを形成しうると共に、適切には前記コンジュゲートが、制御下の加水分解に対して90%、好ましくは少なくとも95%安定である、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
23.マレイミド-ポリエチレングリコール2-ビオチンとコンジュゲートを形成する能力が、リン酸緩衝化食塩水緩衝剤中、pH7.4で、環境温度で一晩インキュベートすることにより測定される、パラグラフ22のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
24.前記安定性が、緩衝化塩溶液、例えばリン酸緩衝化食塩水中、pH9.0及び37℃で少なくとも18時間、好ましくは24時間インキュベートすることにより測定される、パラグラフ22又は23のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
25.ヒトアルブミン(配列番号2)に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含む、コンジュゲーション可能なポリペプチド、又はその断片であって、
配列番号2のK93、E294、A226、E230、I271、E358、L24、F49、V54、D56、L66、A92、Q94、E97、H128、F156、E227、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、L275、E277、L284、E311、K317、A322、E333、D340、E354、K359、A362、E382、及びL398、特にK93、E294、A226、E230、及びI271から選択される位置に等しい少なくとも1つの(例えば数個の)位置に、コンジュゲーション可能なシステイン残基を含むと共に、
前記ポリペプチドのFcRnに対する結合親和性を改変する、又は前記ポリペプチドの血漿中半減期を変更する、少なくとも1つの(例えば数個の)更なるコンジュゲーション可能なシステイン、又は少なくとも1つの(例えば数個の)修飾を含む、コンジュゲーション可能なポリペプチド、又はその断片。
26.前記少なくとも1つの(例えば数個の)更なる修飾が、パラグラフ1、2、3又は21の何れかに規定される少なくとも1つの(例えば数個の)更なるコンジュゲーション可能なシステインを含む、パラグラフ25のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
27.配列番号2のD1、A2、H3、S5、A55、S58、C75、T76、T79、E82、T83、E86、C91、D121、V122、C124、T125、D129、C169、C177、A229、T236、E266、D269、S270、S273、S304、K313、D314、C316、N318、A320、C361、A364、C369、A371、N386、Q390、Q397、S435、T478、T496、A504、E505、T506、T508、D549、C558、D562、C567、A581、L585、及びA578から選択される位置に等しい少なくとも1つの(例えば数個の)位置に、コンジュゲーション可能なシステインを含む、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
28.前記ポリペプチドが、
配列番号2の残基D1、A2、H3、S5、A55、S58、C75、T76、T79、E82、T83、E86、C91、D121、V122、C124、T125、D129、C169、C177、A229、T236、E266、D269、S270、S273、S304、K313、D314、C316、N318、A320、C361、A364、C369、A371、N386、Q390、Q397、S435、T478、T496、A504、E505、T506、T508、D549、C558、D562、C567、A581、L585、及びA578の何れかに等しい位置に対応する位置における、システイン以外のアミノ酸からシステインへの置換;及び/又は
配列番号2の残基D1、A2、H3、S5、A55、S58、C75、T76、T79、E82、T83、E86、C91、D121、V122、C124、T125、D129、C169、C177、A229、T236、E266、D269、S270、S273、S304、K313、D314、C316、N318、A320、C361、A364、C369、A371、N386、Q390、Q397、S435、T478、T496、A504、E505、T506、T508、D549、C558、D562、C567、A581、L585、及びA578の何れかに等しい位置に対応するアミノ酸のN又はC側に隣接する位置における、システインの挿入;及び/又は
配列番号2のC369、C361、C91、C177、C567、C316、C75、C169、C124、及びC558の何れかに、コンジュゲーション可能なシステインを生成するような、C360、C316、C75、C168、C558、C361、C91、C124、C169、及びC567に対応する位置における、システインの欠失又は置換;及び/又は
アルブミン配列のN末端残基のN側又はアルブミン配列のC末端残基のC側へのシステインの付加
のうち1又は2以上(例えば数個)を含む、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
29.前記ポリペプチドが、(a)A2+L585、(b)A2+A364+D562+L585C、(c)A2及びアルブミンのC末端のC側に隣接する位置 (d)T79+A364;(e)A364+D1;(f)T79+D562+A364;(g)D562+A364+D1;(h)T79+D562+A364+A504;(i)T79+D562+A364+L585;(j)T79+D562+A364+D1;(k)T79+D562+A364+L585+D1;(l)E86+D562+A364+A504+A2;(m)S270+A581;(n)S270+D129;(o)S270+A581+E82;(p)S270+A581+D129;(q)S270+A581+E82+D129;(r)S270+A581+E82+D129+Q397;(s)C369+C177;(t)A364+A581;(u)T79+A364+A581;(v)A364+A581+D129;(w)A364+C177;(x)D562+C369;(y)D129+C369;(z)A581+C369;又は(aa)D562+D129+C369の何れかの位置に、コンジュゲーション可能なシステインを含む、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
30.アルブミンドメインIII又はその変異体と、少なくとも1つの(例えば数個の)更なるアルブミンドメイン又はその断片、例えば第二のアルブミンドメインIII又はその変異体とを含み、又はこれらからなる、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
31.少なくとも1つの(例えば数個の)アルブミンドメインIII又は変異体又はその断片を含み、又はこれらからなると共に、少なくとも1つの(例えば数個の)アルブミンドメインIIIが、配列番号2の573、500、550、417、440、464、490、492、493、494、495、496、499、501、503、504、505、506、510、535、536、537、538、540、541、542、574、575、577、578、579、580、581、582、及び584から選択される位置に対応する位置に、1又は2以上の(例えば数個の)置換を含む、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
32.前記配列番号2の位置に対応する位置に存在する1又は2以上の(例えば数個の)置換が、K573Y、W、P、H、F、V、I、T、N、S、G、M、C、A、E、Q、R、L、D、K500E、G、D、A、S、C、P、H、F、N、W、T、M、Y、V、Q、L、I、R、Q417A、H440A、H464Q、E492G、D494N,Q,A、E495Q,A、T496A、D494E+Q417H、D494N+T496A、E492G+V493P、P499A、E501A,Q、N503H,K、H510Q、H535Q、K536A、P537A、K538A、K541G,D、D550E,N、E492G+K573P,A、又はE492G/N503H/K573Pから選択される、パラグラフ31のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
33.前記ポリペプチドが、配列番号2の位置(a)492及び580;(b)492及び574;(c)492及び550;(d)550及び573;(e)550及び574;(f)550及び580に対応する位置から選択される2又はそれ以上の(例えば数個の)位置に改変を含む、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
34.前記ポリペプチドが、
(i)前記ヒトアルブミン変異体のC末端の2~30アミノ酸を除く全アミノ酸を含む、ヒトアルブミン変異体である第一のアルブミンを含むN末端領域;及び、
(ii)マカクザルアルブミン、マウスアルブミン、ウサギアルブミン、ヒツジアルブミン、ヒトアルブミン、ヤギアルブミン、チンパンジーアルブミン、ハムスターアルブミン、モルモットアルブミン、ラットアルブミン、ウシアルブミン、ウマアルブミン、ロバアルブミン、イヌアルブミン、ニワトリアルブミン、又はブタアルブミン、又はその変異体から選択される、第二のアルブミンのC末端領域を含み、
ここで、前記第二のアルブミン又はアルブミン変異体が、そのC末端に、前記第二のアルブミン又はアルブミン変異体のC末端の2~30アミノ酸を含み、
ここで、前記ポリペプチドが、(i)前記ヒトアルブミン変異体と比較して改変された血漿中半減期、及び/又は、(ii)前記ヒトアルブミン変異体と比較して改変されたFcRnへの結合親和性を含む、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
35.前記ポリペプチドが、配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列内に、1又は2以上の(例えば数個の)改変のドメインIを含むと共に、及び配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列内に、1又は2以上の(例えば数個の)改変のドメインIIIを含み、ここで1又は2以上の(例えば数個の)改変によって、前記ポリペプチドのFcRnに対する結合親和性が改変されてなる、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
36.前記のドメインIにおける改変が、配列番号2の位置78~120の何れか、例えば位置78~88及び/又は105~120の何れかに対応する位置から選択されると共に、前記のドメインIIIにおける改変が、配列番号2の位置425、505、510、512、524、527、531、534、569、573、又は575の何れかに対応する位置から選択される、パラグラフ35のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
37.前記位置に対応する位置における改変が、配列番号2の78~120又は425、505、510、512、524、527、531、534、569、573、及び/又は、575から選択される置換であると共に、前記改変が、任意により、(i)83N、K又はS;(ii)111D、G、H、R、Q又はE;又は(iii)573P、Y、W、H、F、T、I又はVから選択される置換である、パラグラフ36のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
38.前記ポリペプチドが、配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列内で、配列番号2の位置349、342、381、345、384、198、206、340、341、343、344、352、382、348、及び/又は、383からなる群より選択される位置に対応する位置に、1又は2以上の(例えば数個の)改変のドメインIIを含み、ここで前記1又は2以上の(例えば数個の)改変が、前記コンジュゲーション可能なポリペプチドに、(i)改変された血漿中半減期、及び/又は、(ii)改変されたFcRnに対する結合親和性を付与する、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
39.前記の位置349、342、381、345、384、198、206、340、341、343、344、352、382、348、及び/又は、383に対応する位置における改変が、置換であり、前記改変が、任意により、(i)349F、W、Y、H、P、K又はQ、好ましくはF;(ii)342Y、W、F、H、T、N、Q、A、C、I、L、P、V、好ましくはY;(iii)381G又はA、好ましくはG;又は(iv)345E、H、I又はQから選択される置換である、パラグラフ38のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
40.配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列内に、配列番号2の位置V418、T420、V424、E505、V547、K573に対応する位置からなる群より選択される、1又は2以上の(例えば数個の)改変を含むと共に、前記1又は2以上の(例えば数個の)改変が、前記コンジュゲーション可能なポリペプチドに、(i)改変された血漿中半減期、及び/又は、(ii)改変されたFcRnに対する結合親和性を付与する、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
41.前記ポリペプチドが、配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列内に、配列番号2の位置V381、好ましくはV381N又はQ;E383、好ましくはE383A、G、I、L、又はV;N391、好ましくはN391A、G、I、L又はV;Y401 好ましくはY401D又はE;K402、好ましくはK402A、G、I、L、又はV;L407、好ましくはL407F、N、Q、W、又はY;Y411、好ましくはY411Q、又はN;K413、好ましくはK413C、S、又はT;K414、好ましくはK414S又はT;V415C、好ましくはV415C、S、又はT;Q416、好ましくはQ416H又はP;V424、好ましくはV424A、G、I、L、N、又はQ;V426D、好ましくはV426D、E、H、又はP;G434、好ましくはG434C、S、又はT;E442、好ましくはE442K又はR;R445、好ましくはR445F、W又はY;P447、好ましくはP447S又はT;E450、好ましくはE450D又はE;S454、好ましくはS454C、M又はT;V455、好ましくはV455N又はQ;V456、好ましくはV456N又はQ;L457、好ましくはL457F、W又はY;Q459、好ましくはQ459K又はR;L463、好ましくはL463N又はQ;E495、好ましくはE495D;T506、好ましくはT506F、W又はY;T508、好ましくはT508K、R、又はS;F509、好ましくはF509C、I、L、M、V、W又はY;A511、好ましくはA511F、W、又はY;D512、好ましくはD512F、W又はY;T515、好ましくはT515C、H、N、P、Q又はS;L516、好ましくはL516F、S、T、W又はY;S517、好ましくはS517C、F、M、T、W又はY;K519、好ましくはK519A、G、I、L、又はV;R521、好ましくはR521F、W又はY;I523、好ましくはI523A、D、E、F、G、K、L、N、Q、R、V、W又はY;K524、好ましくはK524A、G、I、L又はV;K525、好ましくはK525A、G、I、L又はV;Q526、好ましくはQ526C、M、S、T又はY;T527、好ましくはT527F、W又はY;E531、好ましくはE531A、G、I、L又はV;H535、好ましくはH535D、E又はP;K538、好ましくはK538F、W又はY;A539、好ましくはA539I、L又はV;K541、好ましくは、K541F、W又はY;K557、好ましくはK557A、G、I、L又はV;A561、好ましくはA561F、W又はY;T566、好ましくはT566F、W又はY;A569、好ましくはA569H又はPに対応する位置からなる群より選択される1又は2以上の(例えば数個の)改変を含むと共に、前記1又は2以上の(例えば数個の)改変が、前記コンジュゲーション可能なポリペプチドに、(i)改変された血漿中半減期、及び/又は、(ii)改変されたFcRnに対する結合親和性を付与する、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
42.前記ポリペプチドが、配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列内に、配列番号2の位置V547、好ましくはV457A;K573、好ましくはK573P又はY;I523、好ましくはI523A又はG、T527、好ましくはT527M、K500、好ましくはK500A;又はE505、好ましくはE505Qに対応する位置からなる群より選択される1又は2以上の(例えば数個の)改変を含むと共に、前記1又は2以上の(例えば数個の)改変が、前記コンジュゲーション可能なポリペプチドに、(i)改変された血漿中半減期、及び/又は、(ii)改変されたFcRnに対する結合親和性を付与する、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
43.前記ポリペプチドが、配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列内に、配列番号2の位置573、523、527又は505、好ましくはK573Y;I523G;I523A;T527M;E505Q;又はK573Pに対応する位置からなる群より選択される1又は2以上の(例えば数個の)改変を含む、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
44.前記ポリペプチドが、配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列内に、位置K573Y及びI523G;K573Y、I523G及びT527M;K573Y、E505Q及びT527M;K573Y及びT527M;K573P及びI523G;K573P、I523G及びT527M;K573P、E505Q及びT527M;K573P及びT527M;V547A;V547A及びK573P;V547A、E505Q、K573P及びT527M;又はK500A及びH510Qに対応する位置からなる群より選択される1又は2以上の(例えば数個の)改変を含む、パラグラフ43のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
45.前記コンジュゲーション可能なポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向が、配列番号2のポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向の、少なくとも70%、任意により少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも100%である、パラグラフ25~44の何れかのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
46.前記ポリペプチドが、配列番号2に対して少なくとも70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、99.2、99.4、99.6、99.8%の配列同一性を有する、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
47.斯かるポリペプチドが折り畳まれた場合に、配列番号2のポリペプチドの天然のジスルフィド結合のうち、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、好ましくは17個全てが存在する、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
48.前記ポリペプチドが更に、生物活性化合物、放射性医薬又は画像化剤が結合可能な、更なるリンカーを含む、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
49.(1又は2以上の)コンジュゲーション可能なシステイン残基を形成する前記(1又は2以上の)改変によって得られるポリペプチドが、ヒトにおいて許容可能な免疫原性、好ましくは野生型HSA(配列番号2)と同等またはそれ未満の免疫原性を有する、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
50.(1又は2以上の)コンジュゲーション可能なシステイン残基を形成する前記(1又は2以上の)改変が、野生型HSA(配列番号2)の免疫原性と比較して、ヒトにおける前記ポリペプチドの免疫原性に悪影響を及ぼさない、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
51.前記ポリペプチドの免疫原性が、T細胞エピトープ及び/又はB細胞エピトープのスクリーニングにより決定される、パラグラフ49又は50のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
52.前記ポリペプチドの免疫原性が、エクスビボT細胞活性化アッセイにより決定又は予測される、パラグラフ50~51の何れかのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
53.前記T細胞活性化アッセイが、増殖アッセイ、例えば[3H]-チミジン摂取を用いて、T細胞応答を測定することを含む、パラグラフ52のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
54.前記ポリペプチドが、T細胞増殖アッセイにおいて、10%未満の反応性、好ましくは8、6、4、又は2%未満の反応性、最も好ましくは0%の反応性を有する、パラグラフ52又は53のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
55.前記T細胞活性化アッセイが、サイトカイン分泌アッセイ、例えばIL-2 ELISpotを用いて、T細胞応答を測定することを含む、パラグラフ52~54の何れかのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
56.前記ポリペプチドが、サイトカイン分泌アッセイにおいて、10%未満の反応性、好ましくは8、6、4、又は2%未満の反応性、最も好ましくは0%の反応性を有する、パラグラフ55のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
57.前記ポリペプチドが、T細胞増殖アッセイ及びサイトカイン分泌アッセイにおいて、10%未満の反応性を有する、パラグラフ49~56の何れかのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
58.前記ポリペプチドが、ヒトにおいて有害な抗体応答を刺激しない、前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチド。
59.前記何れかのパラグラフのコンジュゲーション可能なポリペプチドと、融合パートナーポリペプチドとを含む融合ポリペプチド。
60.パラグラフ1~59の何れかのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
61.パラグラフ60のポリヌクレオチドを含むプラスミド。
62.パラグラフ60のポリヌクレオチド及び/又はパラグラフ61のプラスミドを含む宿主細胞。
63.酵母細胞、特にサッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)細胞である、パラグラフ62の宿主細胞
64.生物活性化合物、放射性医薬又は画像化剤と、パラグラフ1~59の何れかに係るポリペプチドとを含むコンジュゲートであって、前記の生物活性化合物、放射性医薬又は画像化剤が、前記ポリペプチドのコンジュゲーション可能なシステイン残基を介して、前記ポリペプチドに連結されてなるコンジュゲート。
65.1又は2以上の(例えば数個の)更なる生物活性化合物、放射性医薬、又は画像化剤を含むと共に、生物活性化合物、放射性医薬又は画像化剤の各々が、前記ポリペプチドのコンジュゲーション可能なシステイン残基を介して、前記ポリペプチドに連結されてなる、パラグラフ64のコンジュゲート。
66.パラグラフ60のポリヌクレオチドを製造する方法であって、
(a)親アルブミン又はその断片をコードする核酸分子を提供し
(b)ヒトアルブミンと少なくとも70%同一なコンジュゲーション可能なポリペプチド、特に配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列の残基1~585、又はその断片であって、配列番号2のK93、E294、A226、E230、I271、E358、L24、F49、V54、D56、L66、A92、Q94、E97、H128、F156、E227、D237、K240、D259、K262、N267、Q268、L275、E277、L284、E311、K317、A322、E333、D340、E354、K359、A362、E382、及びL398、特にK93、E294、A226、E230、及びI271から選択される位置に等しい少なくとも1つの位置に、コンジュゲーション可能なシステイン残基を含むポリペプチドをコードするように、前記核酸分子の核酸配列を修正する
ことを含む方法。
67.パラグラフ1~59の何れかのポリペプチドを製造する方法であって、
(a)パラグラフ62又は63の宿主細胞を前記ポリペプチドの発現を許容する条件下で培養し、
(b)得られたポリペプチドを、前記宿主細胞、及び/又は、宿主細胞の成長培地から回収する
ことを含む方法。
68.宿主細胞のシャペロン活性が増強されてなる、パラグラフ67の方法。
69.工程(b)で得られたポリペプチドを精製することを更に含む、パラグラフ67又は68の方法
70.パラグラフ64又は65のコンジュゲートを製造する方法であって、パラグラフ1~59の何れかのポリペプチド、又はパラグラフ67~69の何れかの方法により製造されるポリペプチドを、前記ポリペプチドのコンジュゲーション可能なシステイン残基を介して、生物活性化合物、放射性医薬、又は画像化剤に連結することを含む方法。
71.パラグラフ64又は65のコンジュゲートと、生物活性、治療、予防、診断、画像化、又は他の有用な部分とを含むアソシエイト
72.パラグラフ1~59の何れかのポリペプチド、パラグラフ64又は65のコンジュゲート、又は、パラグラフ71のアソシエイトを含む、ナノ粒子又はマイクロ粒子又はリポソーム。
72.パラグラフ64又は65のコンジュゲート、パラグラフ71のアソシエイト、又はパラグラフ72のナノ粒子又はマイクロ粒子又はリポソームと、少なくとも1つの(例えば数個の)医薬的に許容可能な担体又は希釈剤とを含む組成物。
73.前記の生物活性分子、放射性医薬又は画像化剤が、本明細書に記載のものから選択される、パラグラフ64又は65のコンジュゲート、パラグラフ71のアソシエイト、パラグラフ72のナノ粒子又はマイクロ粒子又はリポソーム、又はパラグラフ73の組成物。
74.疾患の処置、病気の処置、及び/又は、診断のための、パラグラフ64、65又は74のコンジュゲート、又はパラグラフ71のアソシエイト、パラグラフ72のナノ粒子又はマイクロ粒子又はリポソーム。
75.パラグラフ1~59のいずれかに規定されるポリペプチドの、生物活性分子、放射性医薬又は画像化剤の半減期を延長するための使用。
76.本発明は更に以下の実施例に記載されるが、これらは本発明の範囲を限定するものと解すべきではない。
実施例1:変異体の調製
特異的HSA変異体発現プラスミドの調製
実施例全体にわたり、Sambrook, J. and D.W. Russell, 2001 (Molecular Cloning: a laboratory manual, 3rd ed. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y)に記載された一般の分子生物学技術を用いるいくつかの技術を用いて、HSA変異体を発現させるための方法を行った。
方法1
変異原性フォーワードプライマー及び非変異原性リバースプライマーを用いて単一のアミノ酸変異(K93C、A226C、E230C、I271C、E294C、及びE358C)をpDB5155プラスミド(変異C34A HSAをコードする、配列番号30)に導入した(表3)。プラスミドpDB5102に基づいてC34A変異体をコードするpDB5155を変異原性フォーワードプライマー及び非変異原性リバースプライマーを用いて調製した(表3)。pDB5102はWO2015/036579に記載されている。メチル化された鋳型DNAを以下のように調製した。約1.7μgのプラスミドDNAを、5μLの10×緩衝液(50mMのTris-HCl、mMのβ-メルカプトエタノール、10mMのEDTA、pH:7.5、25℃、New England Biolabs)、1μLのdamメチルトランスフェラーゼ(New England Biolabs)、12.5μLのs-アデノシルメチオニン(New England Biolabs、最終濃度:80μM)、及び水と最終体積が50μlになるように混合して、37℃で1.5時間インキュベートした。次いで、QIAquick PCR精製キット(Qiagen)を用いて反応混合物を製造者の指示に従って精製した。鋳型としてdam-メチル化pDB5102、及びQ5DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)を用いたPCR反応に適切なプライマーを用いた(表4及び表5に記載)。プラスミドの増幅は、5μlのPCR生成物を1%TBEアガロースゲルで分析して確認した。残りのPCR生成物に5μlの緩衝液4(50mMの酢酸カリウム、20mMのTris-アセタート、10mMの酢酸マグネシウム、1mMのDTT、pH:7.9、25℃、New England Biolabs)及び1μlのDpnI酵素を補充して、37℃で2時間インキュベートした。次いで、QIAquick PCR精製キット(Qiagen)を用いて反応混合物を製造者の指示に従って精製した。1μlの精製プラスミドを大腸菌10-β細胞(New England Biolabs)に形質転換して、50μg/mLのアンピシリンを補充したLBプレート(5g/Lの酵母菌抽出物、10g/Lのカゼイン由来ペプトン、10g/LのNaCl、12g/Lの寒天(Millers LB agar, Merck Millipore))に播種した。Qiagen Plasmid Plus Kit(Qiagen、製造者の指示に従って)を用いてプラスミドを単離して、配列決定を行ってHSA配列内の所望の変異の存在及びプラスミドpDB5155を確認した。
メチル化pDB5155鋳型DNAを以下のように調製した。約3.0μgのプラスミドDNAと、5μLの10×緩衝液(50mMのTris-HCl、mMのβ-メルカプトエタノール、10mMのEDTA、pH:7.5、25℃、New England Biolabs)、1μLのdamメチルトランスフェラーゼ(New England Biolabs)、12.5μLのs-アデノシルメチオニン(80μM)(New England Biolabs、最終濃度:80μM)、及び水を最終体積が50μlになるように混合して、37℃で2時間インキュベートした。次いで、QIAquick PCR精製キット(Qiagen)を用いて反応混合物を製造者の指示に従って精製した。
鋳型としてdam-メチル化pDB5155、及びQ5DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)を用いたPCR反応で適切なプライマーを用いた(表4及び表5に記載)。
Figure 0007007261000005
Figure 0007007261000006
Figure 0007007261000007
Figure 0007007261000008
Figure 0007007261000009
Figure 0007007261000010
プラスミドの増幅は、1%TBEアガロースゲルで5μlのPCR生成物を分析して確認した。残りのPCR生成物に4μlの緩衝液4(50mMの酢酸カリウム、20mMのTris-アセタート、10mMの酢酸マグネシウム、1mMのDTT、pH:7.9、25℃、New England Biolabs)及び1μlのDpnI酵素を補充して、37℃で1時間インキュベートした。次いで、QIAquick 96 PCR精製キット(Qiagen)を用いて、反応混合物を製造者の指示に従って精製した。2μlの精製プラスミドをコンピテント(形質転換受容性のある)大腸菌DH5-α細胞に形質転換して、96深型ウェルブロックにて50μg/mLのアンピシリンを補充した1.2mLのLB培地(1%(w/v)バクテリアトリプトン、0.5%(w/v)酵母菌抽出物、0.5%(w/v)NaCl)中で培養して、DNA主鎖の切れ目を修復した。QiaPrep 96 turbo miniprepキット(Qiagen、製造者の指示に従って)を用いてプラスミドを単離した。表6にチオアルブミン構築物の詳細を示す。
以下の点を除いて、WO2015/036579(引用により本明細書に組み込む)の方法4に記載されたように、出芽酵母菌(S. cerevisiae)に形質転換するためにプラスミドDNAを調製した。ギャップ付きベクター断片として、BamHI部分に2個の塩基GCを加えてNotI制限部位GCGGCCGC(追加した塩基を下線で表す)とした9721bpのpDB3936由来断片の代わりに、9723bpのpDB4164由来Acc65I-BamHI断片を用いた。pDB3936はWO2011/124718(参照により本明細書に組み込む)に記載されている。また、pDB3936と異なり、pDB4164は、Acc65I部分とBamHI部分の間に、Acc65I及びBamHIの消化によって実行され、ギャップ修復形質転換には用いられなかったアプラマイシン耐性選択可能マーカーを含む1368bpの配列を含む。構築物の宿主株は、出芽酵母菌BXP10 cir0であった(WO2015/036759、参照により本明細書に組み込む)。この形質転換した細胞を選択寒天プレート(BMMD+CSM-LeuまたはBMMD)に単一コロニーとして培養し、そこから単離したコロニーのパッチを冷凍保存する酵母菌保存液及び分析用試料の調製のためにまた選択寒天プレートに載せた(patched out)。冷凍保存液は、BMMD+CSM-Leuを48時間振とうしたフラスコ培地5mLを同体積の40%[w/v]トレハロースと混合して調製し、1mLずつクライオバイアルに移して-80℃で保存した。48ウェルマイクロタイタープレートウェルに入れた0.5mLのBMMDをパッチプレートから取った酵母菌と共に接種して、WO2015/036579、方法4(参照により本明細書に組み込む)に記載されているように振とうしながら30℃で4日間培養した。振とうしたフラスコ培地をトレハロース保存液から接種した。WO2012/150319(参照により本明細書に組み込む)に記載されているように、振とうしたフラスコからこれら変異体を精製した。
L24C、F49C、V54C、D56C、L66C、A92C、Q94C、E97C、H128C、F156C、E227C、D237C、K240C、D259C、K262C、N267C、Q268C、L275C、E277C、L284C、E311C、K317C、A322C、E333C、D340C、E354C、K359C、A362C、E382C、及びL398C(全てC34A由来)の発現プラスミドは、上記の方法とはわずかに異なる方法で調製した。
変異原性フォーワードプライマー及び非変異原性リバースプライマーを用いて単一のアミノ酸変異をpDB5155プラスミド(変異C34A HSAをコードする、配列番号30)に導入した(表3)。
メチル化鋳型DNAを以下のように調製した。約2.5μgのプラスミドDNAを、5μLの10×緩衝液(50mMのTris-HCl、mMのβ-メルカプトエタノール、10mMのEDTA、pH:7.5、25℃、New England Biolabs)、1μLのdamメチルトランスフェラーゼ(New England Biolabs)、12.5μLのs-アデノシルメチオニン(80μM)(New England Biolabs、最終濃度:80μM)、及び水と最終体積が50μlになるように混合して、37℃で1時間インキュベートした。次いで、QIAquick PCR精製キット(Qiagen)を用いて、反応混合物を製造者の指示に従って精製した。
鋳型としてdam-メチル化pDB5155及びQ5DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)を用いるPCR反応において、適切なプライマーを用いた(上記の表4及び表5に記載)。
プラスミドの増幅は、1%TBEアガロースゲルで5μlのPCR生成物を分析して確認した。残りのPCR生成物に、4μlの緩衝液4(50mMの酢酸カリウム、20mMのTris-アセタート、10mMの酢酸マグネシウム、1mMのDTT、pH:7.9、25℃、New England Biolabs)及び1μlのDpnI酵素を補充して、37℃で1時間インキュベートした。次いで、QIAquick 96 PCR精製キット(Qiagen)を用いて、反応混合物を製造者の指示に従って精製した。1μlの精製プラスミドをコンピテント大腸菌DH5-α細胞に形質転換して、96深型ウェルブロックにて、50μg/mLのアンピシリンを補充した1.2mLのLB培地(1%(w/v)バクテリアトリプトン、0.5%(w/v)酵母菌抽出物、0.5%(w/v)NaCl)で培養してDNA主鎖の切れ目を修復した。QiaPrep 96 turbo miniprepキット(Qiagen、製造者の指示に従って)を用いてプラスミドを単離した。表6にチオアルブミン構築物の詳細を示す。
WO2015/036579の方法4(参照により本明細書に組み込む)に記載されているように、プラスミドDNAを出芽酵母菌に形質転換するために調製した。この構築物の宿主株は、出芽酵母菌DYB7であった(Payne et al. (2008) Applied and Environmental Microbiology Vol 74(24):7759-7766)。WO2015/036579に記載の方法から分かれた酵母菌マイクロタイタープレート培養を行った。この培養では、同じ試料を2つ用意して形質転換を行い、最初の培養を2日間行った。50μlの40%(w/v)トレハロースを含む新しいマイクロタイタープレートに50μlの培地を移して、2日間培養して保存液を調製した。この2日間培養した培地(50μl)を450μLのBMMD+CSM-leuを含む新しいマイクロタイタープレートに加えて、さらに4日間、(200rpm、Eppendorf Innova 44インキュベーション振とう器内の、湿度100%の密封容器内で2.5cmの軌道で)振とうしながら30℃でインキュベートした。3000rpmで5分間遠心分離を行って培地の上澄みを採取し、375μlの上澄みを新しい48ウェルマイクロタイタープレートに移した。
発現プラスミド及び酵母菌保存液の調製
WO2011/051489及びWO2012/150319 (参照により本明細書に組み込む)に記載されているように、同体積の培地及びトレハロースを用いて48時間保存法により発現プラスミドの調製及び出芽酵母菌の形質転換を行った。この構築物の宿主株は、出芽酵母菌BXP10 Cir0(WO2015/036759、参照により本明細書に組み込む)であった。特に断りがなければ、WO2012/150319に記載されているように、振とうしたフラスコから変異体を精製した。
得られたアルブミン変異体を表6にまとめて示す。
Figure 0007007261000011
実施例2 DTNBインキュベートしたチオアルブミン変異体のチオールの決定
マイクロタイタープレート(MTP)培地を用いて、チオールアルブミン変異体の遊離チオール含有量を小規模で決定した。試験チオールアルブミン変異体はC34Aの置換を含んでおり、当然、天然アルブミンのチオール基を含んでいなかった。従って、これらのアルブミン変異体はそれぞれ、遊離チオールを1個のみ有すると予測された。
タンパク質の遊離チオールの数は、エルマン試薬を用いて分光光度分析で決定してもよい。エルマン試薬(5’5’-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸)(DTNB))は芳香族ジスルフィドで、チオール基と反応して、タンパク質のジスルフィド混合物と(タンパク質スルフヒドリル基1モルあたり)1モルの5-チオ2-ニトロ安息香酸(TNB)を形成する。またこの反応では、溶液に放出された遊離TNBにより溶液が黄色になる。あるいは、DTNB試薬で処理したタンパク質試料の質量分光分析によりタンパク質の遊離チオールの数を決定してもよい。5-チオ2-ニトロ安息香酸(TNB)は、199Daの分子量を有しており、従って、質量が197Da(TNBから試験タンパク質の遊離チオール基とのジスルフィド結合の形成時にHが失われる)から増加することから、そのタンパク質試料に1個の遊離チオール基が存在することが分かる。
4μlの緩衝液2(4mg/mLのDTNB、500mMのリン酸ナトリウム、pH:7.0)を、96ウェルMTP形式の試験タンパク質培養試料(200μL)に加えた。調製液を周囲温度(20±5℃)で25分間インキュベートして、TNBで標識した。タンパク質の完全な質量を超高速液体クロマトグラフ質量分析(UPLC-MS)で決定した。Waters Acquityを用いて、BEH 50 × 2.1 mm ACQUITY BEH 1.7 μm 300Å C4 column及び緩衝液A(0.1%ギ酸)及び緩衝液B(100%アセトニトリル、0.1%ギ酸)の5分の分析溶離勾配で10μLの試料のUPLC分離を行った。溶出したタンパク質を直接、エレクトロスプレーイオン化(ESI)源を介してBruker MicrOTOF II質量分析計に導入した。すべての機器制御及び試料テーブルをBioPharma Compass(商標)を用いて制御した。データ分析では、2.9~3.0分間、すべてのデータのタンパク質ピークの立ち上がりを手動で処理した。この処理は、0.0765Daでのガウス平坦化アルゴリズム集合を用いたスペクトルの平坦化及び平坦性を0.8に設定したベースライン補正を含んでいた。最大エントロピーアルゴリズムを用いてピーク分離した完全な質量スペクトルを得た。すべての方法及びパラメータをBioPharma Compass(商標)内で設定した。
上記のチオアルブミン試料のチオール分析の結果を表7にまとめて示す。DTNBインキュベーション時の質量197Daの増加は、試料中のタンパク質に1つの遊離チオール基が存在することを示すと予測される。MSによって実際に測定された197±15Daの質量の増加は、正確な質量を示していると解釈した。すべての変異体は、TNB分子に結合していた。
Figure 0007007261000012
実施例3 チオアルブミン変異体の凝集スクリーニング
溶液中に単量体として残留する傾向について変異体を調べた。各変異体は、単一の遊離チオール基を有する。従って、これらの変異体を、同様に単一の遊離チオール基を有する野生型HSAを比較して調べた。
以下の変更点を除いて、WO2012/150319(参照により本明細書に組み込む)に記載されているように、出芽酵母のフラスコ培地を振とうし、精製した。BMMS培地(10mL)を出芽酵母と共に接種して、200rpmで軌道振とうしながら30℃で2日間培養した。各種培養の一部(5mL)を用いて、2×200mLのBMMS培地を接種して、200rpmで軌道振とうしながら30℃で5日間培養した。0.2μmの真空濾過膜(Nalgene Sterile Top Filter)で濾過して、細胞を採取し、精製のため上澄みを保持した。
単一工程のクロマトグラフ法の手順を用いて、チオアルブミン変異体から精製した材料を調製した。精製工程では、AlbuPure(登録商標)マトリックス(ProMetic BioSciences Ltd, Cambridge UK、またはAlbumedix Ltd(旧名Novozymes Biopharma UK Ltd))を充填したカラム(床容積:約2mL)を用いた。これを50mMの酢酸ナトリウム(pH:5.3)で平衡化して、マトリックス1mLあたり約20mgのタンパク質に対して無溶媒の振とうフラスコ培地の上澄みを約5.5~6.5のpHで充填した。カラムを、それぞれ、50mMの酢酸ナトリウム(pH:5.3)及び50mMの酢酸アンモニウム(pH:8.0)からなる溶液約10カラム体積で洗浄した。50mMの酢酸アンモニウム、10mMのオクタン酸塩(pH:7.0)の溶液約10カラム体積を用いて結合タンパク質を溶出した。AKTA Explorer system(GE Healthcare)を用いて、全体の流量を240cm/hとした。溶出液試料の体積は約20mLであった。溶出液試料の単量体濃度(%)をゲル透過高速液体クロマトグラフ法(GP-HPLC)により決定した。LC2010高速液体クロマトグラフシステム(島津)を用いて、島津VP7.3クライアントサーバーソフトウェアの制御下でUV検出によりタンパク質の濃度を求めた。25μLを、6.0mm(内径)×40mm(長さ)のTSK SWガードカラム(Tosoh Bioscience)を備えた7.8mm(内径)×300mm(長さ)のTSK G3000SWXLカラム(Tosoh Bioscience)に注入した。1mL/分、運転時間15分間で、25mMのリン酸ナトリウム、100mMの硫酸ナトリウム、0.05%(w/v)アジ化ナトリウム(pH:7.0)を用いて試料をクロマトグラフ測定にかけた。試料を280nmのUVで検出して、既知の濃度(10mg/mL)を有する標準組み換えヒトアルブミンに対するピーク面積により定量化した。
試料を再分析して、2~8℃で7週間保存した後の単量体の百分率の変化、及び2~8℃で6ヶ月保存した後の単量体の百分率の変化を決定した。単量体の百分率(丸括弧内)は、各試料について、同じ保存条件下で野生型の対照に対する値として求めた。これらの結果を表8Aにまとめて示す。溶出液の最終濃度は0.6~1.2mg/mLの範囲であり、精製後に回収されたタンパク質は12~24mgであった。T=0の場合、すべての変異体の単量体の百分率は、単量体の百分率が87%である野生型対照と同じかそれ以上であった。これらの変異体は、単量体タンパク質の百分率を2~8℃で7週間に渡って保存する間、維持していた。少なくとも4種の変異体については、2~8℃で6ヶ月保存している間に凝集傾向を示す大きな証拠は観察されなかった。
Figure 0007007261000013
さらに、上の実施例3に記載した方法あるいはAgilent 1260イソクラティック(定組成)超高速液体クロマトグラフ(UHPLC)装置を用いて、変異体を分析した。UHPLC法の場合、実施例3に記載した移動相を用いて、0.5mL/分、運転時間5分間で4μLを4.6mm(内径)×150mm(長さ)のBEH 200Å 1.7 μm column (Waters)に注入した。試料を280nmのUVで検出して、既知の濃度(10mg/mL)を有する標準組み換えヒトアルブミンに対するピーク高さにより定量化した。
これらの試料を、2~8℃で8週間保存後、及び2~8℃で4ヶ月保存後に再分析して、単量体の百分率の変化を求めた。単量体の百分率(丸括弧内)は、各試料について、同じ保存条件下の野生型の対照に対する値として求めた。これらの結果を表8Bにまとめて示す。溶出液の最終濃度は、0.1~1.0mg/mLの範囲であり、精製に回収されたタンパク質は2~20mgであった。T=0の場合、大部分の変異体の単量体百分率は、単量体百分率が86%である野生型の対照の単量体百分率と同じかそれ以上であった。これらの変異体は、2~8℃で8週間に渡って保存する間、単量体タンパク質を維持していた。また、2~8℃で4ヶ月保存する間に凝集傾向を示す大きな証拠は観察されなかった。しかしながら、変異体C34A+L66C、C34A+E277C、及びC34A+E311CはT=0で単量体の百分率が比較的低く、その結果、凝集体を形成する傾向を有することが分かった。
Figure 0007007261000014
Figure 0007007261000015
実施例4 結合効率及びチオアルブミン変異体の制御された加水分解
タンパク質に対して3.2倍のモル過剰のマレイミド-PEG2-ビオチンを用いて、実施例3のチオアルブミン変異体をビオチン(Thermo Scientific, EZ-Link Maleimide-PEG2-Biotin)に結合させた。図4に反応スキームを示す。チオアルブミンAlbuPure(登録商標)溶出液をリン酸緩衝生理食塩水(PBS緩衝液、pH:7.4)で希釈して、0.3mg/mL(45.15nmol)の溶液を10mL得た。これを以下の表9Aに示すように結合させた。
チオアルブミン変異体C34A+A226CのMSスペクトルから、一晩インキュベーションした後、マレイミド-PEG2-ビオチンとの結合が起きなかったことが示された。これらの結果を表9Aにまとめて示す。チオアルブミン変異体C34A+E230C及びC34A+I271CのMSスペクトルから、一晩インキュベーションした後、結合が起きたことが示され、コンジュゲート種及び非コンジュゲート種のピークの相対的な高さを比べると、それぞれ、約72%または72%モノコンジュゲート(すなわち、同濃度のモノコンジュゲート)を得た。C34A+I271CのMSスペクトルを図5Aに示す。チオアルブミン変異体C34A+K93CのMSスペクトルを図5Bに示す。図5Bは、66908Daに単一の種を示しており、チオアルブミン変異体の正しい分子量及び単一のマレイミド-PEG2-ビオチン(+525Da)の付加を示している。このことから、この変異体は、結合に利用可能な単一の遊離チオールを有することが確認された。チオアルブミン変異体C34A+E294C及びC34A+E358Cについても同等の結果が得られた。
Figure 0007007261000016
さらに、変異体を分析し、その結果を表9Bに示す。試料C34A+L66C及びC34A+Q94Cのタンパク質濃度は低く、従って、0.15mg/mL(22.58nmol)溶液を10mL用いた。予め重量を量った2mgのEZ-Link微細管2本のそれぞれに5×200μLのPBS緩衝液(pH:7.4)を加えて、2mg/mLビオチンの保存液を調製した。冷凍乾燥生成物の回収を最大にするためにバイアルを洗浄した。1mLを2体積、蓋付きの7mLの容器に入れた。ビオチン保存液から38μL(144.5nmol)を10mLのアルブミン試料に加えて、アルブミンに対して約3.2倍のモル過剰のビオチンを供給した。しかしながら、C34A+L66C及びC34A+Q94C試料には、19μLのみビオチンを加えて、タンパク質に対して3.2倍過剰のマレイミド-PEG2-ビオチンを維持した。試料を穏やかに混合して、周囲温度で一晩インキュベートした。インキュベーション後、15分の分析溶離勾配及び約7分と10分の間のタンパク質のピークの処理データを用いたこと以外は、試料を質量分析にかけて実施例2に記載した方法に従って結合後の完全なタンパク質の質量を決定した。MSスペクトルの結果を表9Bにまとめて示す。この表から、チオアルブミン変異体C34A+L66C、C34A+A92C、C34A+Q94C、C34A+D259C、C34A+L275C、及びC34A+L284Cは一晩インキュベーションした後にマレイミド-PEG2-ビオチンと結合しなかったことが分かった。WT対照、及びチオアルブミン変異体C34A+L24C、C34A+V54C、C34A+H128C、C34A+E227C、C34A+K240C、C34A+K262C、C34A+Q268C、C34A+E277C、C34A+K317C、C34A+A322C、C34A+K359C、及びC34A+A362CのMSスペクトルから、マレイミド-PEG2-ビオチンとの結合が90%以上であることが分かった。
Figure 0007007261000017
マレイミドコンジュゲート結合の安定性は、強固ではない。コハク酸イミドは、逆マイケル経路を介してマレイミド及び遊離チオールに戻ることができる(図4)。従って、非常に望ましくないが、放出されたマレイミドは、他のチオール反応性種と反応する場合があり、また、生体内で他の化合物と反応する場合がある。逆マイケル反応性を回避するため、コハク酸イミドは、コハク酸に加水分解されてもよく、これにより効果的にHO(+18Da)を取り込んで、コンジュゲートをロックし、チオール安定性となる。加水分解によるチオール安定性の特性は望ましい。というのも、生体内の様々な環境で望ましくないチオール転換が起こらないことを確実にすると思われるからである。従って、pH及び温度を上げて、コハク酸イミドの制御された加水分解を行った。結合後、試料をVivaspin 20遠心濃縮器(Sartorius)に移して、PBS緩衝液(pH:7.4)で平衡化した。試料を4,500xgで15分間遠心分離し、体積を約200μLまで減らした。透析濾過カップをVivaspin 20の容器に取り付けて、次いで15mLのPBS緩衝液(pH:9.0)を充填した。試料を4,500xgで15分間、2回目の遠心分離にかけた。さらに15mLのPBS緩衝液(pH:9.0)を加えて、試料を3回目の遠心分離にかけて、確実にすべての遊離マレイミド-PEG2-ビオチンが溶液から除去されるようにした。残りの保持液を除去して、PBS緩衝液(pH:9.0)で最終体積を10mL(すなわち、損失がないと仮定して、0.3mg/mLの濃度)にした。制御された加水分解が起こるように、試料を37℃で少なくとも24時間インキュベートして、チオエーテルコンジュゲートの結合の安定性を決定した。結果を表10にまとめて示す。
加水分解されたチオール安定性の野生型対照コンジュゲートの収率は53%であり、これは加水分解時の競合する逆マイケル脱結合によるものと思われる(図6A)。また、コンジュゲート質量の平均シフトは+14Daであることが観察された。これは、部分的に加水分解が起こったことを示している。最も高い結合効率を有するチオアルブミン変異体は、制御された加水分解時のコンジュゲート安定性が向上していたことが明らかである。具体的には、この反応は、逆マイケル脱結合経路よりもコハク酸イミドの加水分解が優先する。C34A+E294Cの例が図6Bに示されているが、pH9.0、37℃でのインキュベーション後にコンジュゲートの損失がないことが示されている。チオアルブミン変異体C34A+K93C、C34A+E294C、及びC34A+E358Cについて、同等の結果が得られており、制御された加水分解時に大きな損失が見られなかった。
Figure 0007007261000018
合わせた凝集の結果及び結合の結果を共に表11にまとめて示す。変異体C34A+K93C及びC34A+E294Cは、野生型アルブミンに比べて凝集図が向上しており、マレイミド-PEG2-ビオチンとの結合割合が高かった。また、pH9.0、37℃での制御された加水分解後のコンジュゲートの損失が最少であった。これらの変異体をさらなる評価のために選択した。
Figure 0007007261000019
実施例5:組み合わせ変異体
方法2
組み合わせ変異体(表12)を作製して、突然変異K93C及びE294Cの両方をHSA C34A突然変異と結合させたもの、及び結合させなかったものを作製した。つまり、個別の突然変異を含むプラスミドを調製して、制限酵素消化及びライゲーションにより突然変異を結合させた。
突然変異K93CまたはE294Cに対応する方法1で作製した精製済みプラスミド(1μl)を大腸菌NEB5-α(New England Biolabs)に形質転換し、50μg/mLのアンピシリンを補充したLBプレート(上述の通り)に播種した。Qiagen Plasmid Plus Kit(Qiagen、製造者の指示に従って)を用いて、プラスミドを単離して、配列を決定し、HSA配列内に所望の突然変異が存在することを確認した。これらのプラスミドをpDB5623(C34A+K93C)及びpDB5624(C34A+E294C)と名付けた。
NheI制限部位及びSphI制限部位を用いてプラスミドpDB5624から断片を取り出し、QIAquick Gel Extraction Kit(Qiagen)で精製した。この断片を、同じ酵素で消化したpDB5623にライゲートして構築物pDB5625を作製した。SacII制限酵素及びPstI制限酵素でpDB5102を消化して作製した断片をpDB5623及びpDB5624に挿入して、pDB5626及びpDB5627を構築した。pDB5102は、WO2015/036579(参照により本明細書に組み込む)に記載されている。ライゲートしたプラスミドをすべて、大腸菌NEB5-αに形質転換して、50μg/mLのアンピシリンを補充したLBプレート(上述の通り)に播種した。Qiagen Plasmid Plus Kit(Qiagen、製造者の指示に従って)を用いてプラスミドを単離して、配列を決定し、HSA配列内に所望の突然変異が存在することを確認した。
pDB5628を作製するため、SacII制限部位及びPstI制限部位を用いてプラスミドpDB5102から断片を取り出し、QIAquick Gel Extraction Kit(Qiagen)を用いて精製した。この断片を、同じ酵素で消化したpDB5625にライゲートした。ライゲートしたプラスミドをすべて、大腸菌NEB5-αに形質転換して、50μg/mLのアンピシリンを補充したLBプレートに播種した。Qiagen Plasmid Plus Kit(Qiagen、製造者の指示に従って)を用いてプラスミドを単離して、配列を決定しHSA配列内に所望の突然変異が存在することを確認した。
Figure 0007007261000020
発現プラスミド及び酵母菌保存液の作製
WO2012/150319に記載されたように、48時間保存法(参照により本明細書に組み込む)により発現プラスミドの調製及び出芽酵母の形質転換を行った。構築物の宿主株は、出芽酵母BXP 10 Cir0(WO2015/036579、参照により本明細書に組み込む)であった。特に断りがなければ、WO2012/150319(参照により本明細書に組み込む)に記載されたように振とうフラスコからの変異体を精製した。
実施例6 チオアルブミン変異体の作製、精製、及び結合
100mLのBMMS増殖培地(1.7g/Lの酵母菌用窒素基材(アミノ酸または(NHSOを含まない)、Difco;6.09g/Lのクエン酸一水和物;25.27g/LのNaHPO・2HO;5.0g/Lの(NH4)SO;pH:6.5±0.2;スクロース、20g/Lまで添加)を含む個別の振とうフラスコに冷凍保存した酵母菌保存液をそれぞれ1mL播種した。振とうフラスコ内の細胞濃度が0.8~1.2mg/mLになったら、細胞を振とうフラスコから発酵槽(作業容積:10L、Sartorius Biostat C 10-3発酵槽)に移して、発酵槽で細胞播種濃度を10mg/L以上(10mg/L以上)にした。
高細胞密度(HCD)流加培養発酵で酵母菌株のそれぞれを純粋培養してチオアルブミン変異体を作製した。この発酵の目的は、制御された供給速度での追加によりエタノール及び酢酸塩などの副生成物の形成を回避することで、最大バイオマス及び生産性を達成することであった。さらに、発酵法の詳細はWO96/37515(参照により本明細書に組み込む)に記載されている。温度を30℃、pHを6.2にそれぞれ制御した。Sorvall RC 3C遠心分離器(DuPont)を用いた遠心分離により、培地の上澄みを採取して、材料をすぐに精製し、残りの材料を冷凍(-20℃)して、次の精製のために解凍する前に保存した。実施例3に記載されたように、LC2010 HPLCシステム(島津)を用いたGP-HPLCにより、島津VP7.3クライアントサーバーソフトウェアの制御下でUV検出による最終生成物濃度を決定した。表13は、各チオアルブミン変異体の収率(mg/mL(培地上澄み))を示している。すべての場合で1mg/mL(培地上澄み)超という高い生成物の滴定濃度が観察されたことが示されている。
Figure 0007007261000021
二段階クロマトグラフ工程により規模を拡大して変異体を精製した。それぞれ、約4カラム体積の50mM酢酸ナトリウム(pH:5.3)、10カラム体積の50mMリン酸ナトリウム(pH:8.0)、及び10カラム体積の50mM酢酸アンモニウム(pH:8.0)でカラムを洗浄したことを除き、実施例3で記載したように、AlbuPure(登録商標)クロマトグラフ法を用いて第一精製工程を行った。1~3カラム体積の50mM酢酸アンモニウム、10mMオクタン酸ナトリウム(pH:7.0)を用いて結合タンパク質を溶出した。次いで、Evans et al. (2010), Protein Expression and Purification Volume 73, Issue 2, Pages 113-124に記載されているように陰イオン交換クロマトグラフ法(DE-FF)によるイオン交換クロマトグラフ法を用いてAlbuPure(登録商標)溶出液をさらに精製した。精製後、DE-FF溶出液試料を濃縮して、10,000分子量カットオフVivacell 100遠心濃縮器(Sartorius)を用いて限外ろ過/透析濾過により緩衝液を交換した。透析濾過の前に試料を2,000xg、30分間(複数回)遠心分離にかけて、10体積の25mMリン酸ナトリウム、215mM塩化ナトリウム(pH:6.5)に対して10mL以下まで体積を減らした。透析濾過後、試料濃度は、124~177mg/mLの範囲であった。これらの試料を希釈して、25mMリン酸ナトリウム、215mM塩化ナトリウム(pH:6.5)中で最終配合物濃度を50mg/mLとした。
遊離チオール含有量(遊離チオール数)に対して3.2倍のモル過剰のビオチンを用いたことを除き、実施例4に記載されたように、チオアルブミン変異体をマレイミド-PEG2-ビオチンと結合させた。変異体によっては結合に利用可能な遊離チオール部分を複数有するので、表14に突然変異あたりのすべてのビオチン結合に対する予測分子量をまとめて示す。2個または3個のチオール基を有する変異体は、それぞれ、2×525Da及び3×525Da(質量が)増加した。各ピーク種のピークの相対的な高さを用いて、標的コンジュゲートの百分率、すなわち、単一のビオチン標識チオアルブミン変異体、二重ビオチン標識チオアルブミン変異体、三重ビオチン標識チオアルブミン変異体の正しい百分率を算出した。K93C+E294C変異体は合計3個の遊離チオール残基を有していた。この変異体のMSスペクトルを図7Aに示す。MSスペクトルの単一のピーク種から明らかであるように、この変異体は、1モルのタンパク質あたり3モルのマレイミド-PEG2-ビオチンを有していた。このことは、質量が1575Da(3×525Da)増加して67968Daとなったことによって示されている(表15)。これらの試料を、制御された加水分解が起こるように37℃、pH9で少なくとも24時間インキュベートして、実施例4に記載されたようにチオエーテルコンジュゲート結合の安定性を決定した。これらの結果を表15にまとめて示す。加水分解されたチオール安定性のK93C+E294Cコンジュゲートの収率は、三重コンジュゲートが20%であった。これは、加水分解時におけるC34コンジュゲートの競合する逆マイケル脱結合のためである(図7B)。ここで主な種は、加水分解が二重コンジュゲート種に起こったことを示す67476Daの質量を有する加水分解されたチオール安定性の二重コンジュゲートであった。C34位にシステインを含む変異体は、C34A突然変異を有する変異体と比べて、加水分解時の脱結合(deconjugation)が有意であったことが明らかになった。二重チオール変異体C34A+K93C+E294Cでは、二重にコンジュゲートしたものが加水分解前は62%、加水分解後は56%であった。66443Daの質量を有するこのピーク種の観察から、C34にシステインを含むK93C+E294Cコンジュゲート(図7B)に比べて、加水分解が起こったがコンジュゲートの損失は最少であったこと確認された(図7C)。特筆すべきは、マレイミドリンカーを用いた場合、K93C変異体及びE294C変異体のコンジュゲート安定性が向上していたことである。
Figure 0007007261000022
Figure 0007007261000023
実施例3に記載された方法を用いて、調製した試料についてGPHPLCにより2~8℃で6ヶ月間の安定性評価を行った。単量体の百分率(丸括弧内)は、各試料について、同じ保存条件下の野生型の対照に対する値として決定した。単量体の百分率の結果を表16にまとめて示す。この表から、アルブミン変異体を50mg/mLで調製して、2~8℃で6ヶ月間保存した場合に凝集濃度は容認可能な範囲内であることが分かった。
Figure 0007007261000024
実施例7:改変FcRn結合を有する組み合わせ変異体
WO2011/051489(参照により本明細書に組み込む)に記載されているように、K573P置換を有するHSAは、野生型HSAよりもFcRnに高い親和性を有する。構築物を作製して、表12に示す変異体の突然変異をプラスミドpDB4673由来のHSA K573P突然変異と結合させた。
方法3
PstI制限部位及びXhoI制限部位を用いてプラスミドpDB5623、5624、5625、5626、5627、及び5628から断片を切り取り、QIAquick Gel Extraction Kit(Qiagen)を用いて精製した。この断片を同じ酵素で消化したpDB4673にライゲートして、構築物pDB5704、5707、5710、5713、5716、及び5719を作製した(表17)。ライゲートしたプラスミドをすべて大腸菌NEB5-α(New England Biolabs)に形質転換して、50μg/mLのアンピシリンを補充したLBプレートに播種した。Qiagen Plasmid Plus Kit(Qiagen、製造者の指示に従って)を用いてプラスミドを単離して、配列を決定し、HSA配列内に所望の突然変異が存在することを確認した。
Figure 0007007261000025
発現プラスミド及び酵母菌保存液の作製
WO2012/150319に記載されたように48時間保存法(参照により本明細書に組み込む)によって発現プラスミドを調製して出芽酵母に形質転換した。構築物の宿主株は、出芽酵母BXP10 Cir0(WO2015/036579、参照により本明細書に組み込む)であった。特に断りがなければ、WO2012/150319(参照により本明細書に組み込む)に記載されているように振とうフラスコから変異体を精製した。
実施例8 改変FcRn結合を有する組み合わせ変異体の凝集スクリーニング
実施例3に記載したように、出芽酵母を振とうフラスコで培養して精製した。単一工程AlbuPureクロマトグラフ法の手順を用いて、実施例3に記載したように6種の変異体から精製された材料を調製した。精製後、実施例4に記載したように、Vivaspin遠心分離濃縮器を用いて20mLの溶出液を200μL未満に濃縮した。濃縮後、10mLの25mMリン酸ナトリウム、215mM塩化ナトリウム(pH:6.5)を加えて試料の緩衝液を交換し、上述のように試料を遠心分離にかけた。回収した最終体積は、75μL~200μLであった。実施例3に記載したように、溶出液試料の単量体濃度及び百分率をゲル透過高速液体クロマトグラフ法(GP-HPLC)で決定した。結果を表18にまとめて示す。生成物の最終濃度は47~154mg/mLの範囲であった。実施例4の典型的な野生型アルブミン対照は、単量体の百分率が1.1mg/mLで87%であった(表8A)。分析したすべての変異体で、タンパク質濃度が有意に高い場合でも単量体の百分率は87%以上であった。これは、すべての変異体において凝集傾向が最少であったことを示している。
Figure 0007007261000026
実施例9 改変FcRn結合を有する組み合わせ変異体の結合効率及び制御された加水分解
実施例6で記載したように、チオアルブミン組み合わせ変異体(表17)を3.2倍の過剰なマレイミド-PEG2-ビオチンと結合させた。変異体によっては結合に利用可能な遊離チオール部分を複数有するので、突然変異あたりのすべてのビオチン結合の予測分子量を表19にまとめて示す。
Figure 0007007261000027
2個または3個のチオール基を有する変異体の分子量は、それぞれ、2×525Da及び3×525Da増加した。各ピーク種のピークの相対的な高さを用いて、標的コンジュゲートの百分率、すなわち、単一ビオチン標識チオアルブミン変異体、二重ビオチン標識チオアルブミン変異体、または三重ビオチン標識チオアルブミン変異体の百分率を算出した。K93C+E294C+K573P変異体は合計3個の遊離チオール残基(3つ目のチオールは天然Cys34によって提供される)を有していた。この変異体のMSスペクトルを図8Aに示す。MSスペクトルの単一ピーク種から明らかであるように、この変異体は1モルのタンパク質あたり3モルのマレイミド-PEG2-ビオチンと結合していた。このことは、質量が1575Da(3×525Da)増加して、67940.8Daとなったことから分かる。制御された加水分解を起こすように37℃、pH9で少なくとも18時間、試料をインキュベートして、実施例4に記載したようにチオエーテルコンジュゲート結合の安定性を決定した。結果を表20にまとめて示す。
加水分解したチオール安定性のK93C+E294C+K573Pコンジュゲートの収率は、三重コンジュゲートが23%であった。これは、加水分解時のC34コンジュゲートの競合する逆マイケル脱結合のためである(図8B)。ここで主な種は、この二重コンジュゲート種に加水分解が起こったことを示す67447.3Daの質量を有する加水分解されたチオール安定性の二重コンジュゲートであった。C34位にシステインを含む変異体は、C34A突然変異を有する変異体に比べて、加水分解時の脱結合をより顕著に被ることが明らかになった。
Figure 0007007261000028
実施例10 マレイミド-PEG2-ビオチンとの結合前及び結合後の改変FcRn結合を有する組み合わせ変異体の表面プラズモン共鳴(SPR)分析
実施例6に従って、表12及び表17に詳述したチオアルブミン組み合わせ変異体を流加培養発酵により作製して、精製した。精製後、試料を濃縮して、最終調製の前に10,000分子量カットオフCentramate Tangential Flow Filtration Membrane cassettes(PALL)を用いて緩衝液(25mMリン酸ナトリウム、215mM塩化ナトリウム、pH:6.5)中20mg/mLで少なくとも7連続体積の25mMリン酸ナトリウム、215mM塩化ナトリウム(pH:6.5)に対して緩衝液を交換した。その後、サイズ排除クロマトグラフの工程(Sephacryl(登録商標)S200、GE Healthcare)を行った。各試料について、25mLを2つのVivaspin 20遠心分離濃縮器で等しくなるように分けて、4,500xgで20分間、2回遠心分離を行い、合計体積を5mLまで減らした。濃縮された材料を483mLのS200カラムに充填して、単量体ピークを集めて、SPRによるFcRn結合分析のために98%超の単量体タンパク質を生成した。精製後、溶出液を5mg/mL(±5%)に希釈した。各変異体のヒトFcRn受容体に対する結合親和性をマレイミド-PEG2-ビオチンとの結合前及び結合後に決定した。実施例6に記載したように、変異体を3.2倍の過剰なマレイミド-PEG2-ビオチンに結合させた。15分の分析溶離勾配及び約7~10分のタンパク質ピークの処理データを用いたことを除き、実施例2に記載したようにMSによって結合の百分率を決定した。結果を表21に示す。この表から、すべての試料はチオール数によって結合の程度が異なっていたことが分かる。
Figure 0007007261000029
Biacore 3000装置(GE Healthcare)を用いてSPRを行った。製造者(GE Healthcare)によって提供される試験規約に記載されているように、アミンカップリング化学を用いてCM5センサーチップのフローセルを可溶性ヒトFcRn(1200-1600RU)と結合させた。結合は、10mMの酢酸ナトリウム(pH:4.5)に5μg/mLのタンパク質を注入して行った(GE Healthcare)。リン酸塩緩衝液(67mMのリン酸塩緩衝液、0.15MのNaCl、0.005%のTween20)(pH:5.5)を測定用緩衝液及び希釈用緩衝液として用いた。HBS-EP緩衝液(0.01MのHEPES、0.15MのNaCl、3mMのEDTA、0.005%界面活性剤P20)(pH:7.4)(GE Healthcare)を注入して表面の再生を行った。固定後、チップを静置して、一定の流量(5μL/分)の測定用緩衝液で安定化した。測定用緩衝液を3回注入して、その後再生用緩衝液を3回注入して、チップ表面を調整した。これらの表面を、天然配列HSA対照による活性について調べた。結合動力学を決定するため、25℃、一定の流量(30μL/分)でアルブミン変異体の連続希釈液(10-0μM)を固定化された受容体に注いだ。すべての分析で、データをゼロ調整して、基準細胞を減じた。BIAevaluation 4.1ソフトウェア(BIAcore AB)を用いてデータを評価した。結合前及び結合後の結果を表22及び表23にそれぞれ示す。
ヒトFcRnについて選別したチオアルブミン変異体は、可逆性でpHに依存する形で受容体に結合していた。
野生型由来のチオアルブミン変異体(すなわち 、アミノ酸の改変のみが、導入によってコンジュゲーション可能なシステイン残基数に影響を及ぼす改変である)は、野生型の対照(配列番号2)に比べて、結合前及び結合後ともFcRnへの結合親和性が同程度の倍数だけ増加していた。K573P突然変異(FcRnへのアルブミン変異体の親和性を増加させる)をも含むチオアルブミン変異体は、K573P対照(配列番号145)に比べて、結合前及び結合後でFcRn親和性の増加を維持していた。これは、コンジュゲーション可能なシステイン残基及び結合相手を変化させてもFcRnへのアルブミン変異体の結合親和性に及ぼす観察されるような影響はなかったことを示している。
Figure 0007007261000030
Figure 0007007261000031
実施例11 改変FcRn結合を有する組み合わせ変異体の凝集分析
実施例10で5mg/mLで調製したチオアルブミン組み合わせ変異体が溶液中に単量体として残る傾向を分析した。実施例10に記載した通り、また対照として含めた通り、WT HSA、変異体K573P、及び変異体C34A+L302Cを調製した。実施例2の方法と同様に、各変異体の遊離チオール含有量をT=0で決定し、その後、5℃で3ヶ月間保存して、DTNB試薬で処理したタンパク質試料を質量分光分析にかけた。この例では、各変異体試料(80μL)を920μLの緩衝液1(100mMのTris-HCl、10mMのEDTA、pH:8.0)で希釈した。各変異体試料に、50μLの緩衝液2(4mg/mLのDTNB、500mMのリン酸ナトリウム、pH:7.0)を加えた。この調製液を少なくとも25分間周囲温度(20±5℃)でインキュベートして、TNBで標識した。インキュベーション後、15分の分析溶離勾配及びタンパク質ピークの約7~10分の処理データを用いたことを除き、実施例2に記載した方法により試料を質量分析にかけて、結合後のタンパク質の完全な質量を決定した。結果をまとめて表24A及び表24Bに示す。DTNBインキュベーション時に質量が197Da増加したが、これは試料中のタンパク質に遊離チオール基が1個存在することを示す。394Da及び591Daの増加は、それぞれ、2個及び3個の遊離チオール基を示している。すべての試料は、安定性試験の開始時に高濃度の遊離チオールを含んでおり、5℃で3ヶ月間保存後も大部分は高い遊離チオール濃度を維持していた。
Figure 0007007261000032
Figure 0007007261000033
試料を5℃及び40℃で3ヶ月間保存し、実施例3で記載したようにGPHPLCにより様々な時点で凝集図を決定した。単量体の百分率(丸括弧内)は、各試料について、同じ保存条件下の野生型の対照に対する値として決定した。5℃及び40℃の結果をそれぞれ、表25及び表26に示す。すべての変異体は、T=0で98%超の単量体を有していた。チオアルブミン変異体の大部分は、5℃で3ヶ月保存した後に97%以上の単量体タンパク質の百分率を維持していた。分析した他の変異体に対して、変異体C34A+L302Cはより凝集しやすい傾向を示した。また、大部分のチオアルブミン変異体は、2個または3個のチオール残基を含む場合でも、40℃で3ヶ月間保存した後に80%以上の単量体タンパク質の百分率を維持していたことが明らかになった。しかしながら、変異体C34A+L302Cは、40℃で3ヶ月保存後に単量体百分率が73.2%となり、凝集しやすい傾向を示した。
Figure 0007007261000034
Figure 0007007261000035
実施例12 改変FcRn結合を有する組み合わせ変異体の蛍光プローブとの結合
実施例10で5mg/mLで調製し、2~8℃で6週間保存したチオアルブミン組み合わせ変異体を3倍過剰のAlexa Fluor(登録商標)488-PEG4-Lys(モノブロモマレイミド)-NH色素(図9A)又は5-カルボキシフルオレセイン-PEG4-Lys(モノブロモマレイミド)-NH色素(図10A)(Almac Group Ltd.、英国、カスタム合成)を用いて結合させた。変異体をPBS緩衝液(pH:7.4)で希釈して、1mLの溶液(1mg/mL、15.05nmol)を得た。1.6mgの材料を1.6mLのPBS緩衝液(pH:7.4)で戻してAlexa Fluor(登録商標)488-PEG4-Lys(モノブロモマレイミド)-NH色素の1mg/mL保存液を調製した。このAlexa Fluor(登録商標)488-PEG4-Lys(モノブロモマレイミド)-NH色素保存液から、51.5μL(45.15nmol)を単一のチオール変異体に加え、103μL(90.3nmol)色素保存液を二重チオール変異体に加え、154.5μL(135.3nmol)色素保存液を三重チオール変異体に加えて、遊離チオール数に対して3倍過剰のAlexa Fluor(登録商標)488-PEG4-Lys(モノブロモマレイミド)-NH色素を供給した。1.7mgの材料を1.7mLのジメチルスルホキシド(DMSO)及び1.7mLのPBS緩衝液(pH:7.4)で戻して、5-カルボキシフルオレセイン-PEG4-Lys(モノブロモマレイミド)-NH色素の0.5mg/mL保存液を調製した。5-カルボキシフルオレセイン-PEG4-Lys(モノブロモマレイミド)-NH色素保存液から、44.3μL(45.15nmol)を単一のチオール変異体に加え、88.6μL(90.3nmol)の色素保存液を二重チオール変異体に加え、132.9μL(135.3nmol)の色素保存液を三重チオール変異体に加えて、遊離チオール数に対して3倍過剰の5-カルボキシフルオレセイン-PEG4-Lys(モノブロモマレイミド)-NH色素を供給した。試料を穏やかに混ぜて、暗所の周囲温度で一晩インキュベートした。インキュベーション後に、15分の分析溶離勾配及びタンパク質ピークの約7~10分の処理データを用いたことを除き、実施例2に記載したMS法により試料を質量分析により分析して、結合後のタンパク質の完全な質量を決定した。結果を表27及び表28にまとめて示す。
図9Bに示す改変FcRn結合変異体K573PのMSスペクトルは、67468.5Daにある単一種を示しており、K573P変異体にAlexa Fluor(登録商標)488-PEG4-Lys(モノブロモマレイミド)-NH色素(+1058Da)を1個付加したものの正しい分子量を示している。このことから、この変異体は、結合に利用可能なCys34に位置する遊離チオールを1個有していることが確認された。図9Cに示すチオアルブミン変異体K93C+E294C+K573Pは、結合種のピークの相対的な高さを比較すると、一晩インキュベーションした後に結合が起こり、約42%のジコンジュゲート種及び58%のトリコンジュゲート種がそれぞれ得られたことを示している。主ピーク種は約3174Da(3×1058Da)増加して、69536Daとなったことが明らかになった。このことは、この変異体が結合に利用可能な遊離チオールを3個有していたことを示す。
図10Bに示される改変FcRn結合変異体K573PのMSスペクトルは、67310.6Daにある単一種を示しており、K573P変異体に単一の5-カルボキシフルオレセイン-PEG4-Lys(モノブロモマレイミド)-NH色素(+901Da)が付加したものの正しい分子量を示している。図10Cに示すチオアルブミン変異体C34A+K93C+E294C+K573Pは、結合種のピークの相対的な高さを比べると、一晩インキュベーションした後に結合が起こり、約9%のモノコンジュゲート種及び91%のジコンジュゲート種が得られたことを示している。主ピーク種は約1802Da(2×901Da)増加して68129.7Daとなったことが明らかになった。これは、この変異体が結合に利用可能な遊離チオールを2個有していたことを示す。
Figure 0007007261000036
Figure 0007007261000037
実施例13 改変FcRn結合を有する組み合わせ変異体のパクリタキセルとの結合
実施例10で5mg/mLで調製して、2~8℃で3ヶ月間保存したチオアルブミン組み合わせ変異体を、図11Aに示すようにモノブロモマレイミド部位で活性化したエステル基を介して1.5倍過剰のパクリタキセルを用いて結合させ、分子モノブロモマレイミド-パクリタキセル(Almac Group Ltd.、英国、カスタム合成)を得た。変異体をPBS緩衝液(pH:7.4)で希釈して、1mLの溶液(1mg/mL(15.05nmol)を得た。6.6mgの材料を3.3mLのDMSOで戻してモノブロモマレイミド-パクリタキセルの2mg/mL保存液を調製した。モノブロモマレイミド-パクリタキセル保存液から、12.24μL(22.58nmol)を単一のチオール変異体に加え、24.47μL(45.15nmol)の保存液を二重チオール変異体に加え、36.71μL(67.73nmol)の保存液を三重チオール変異体に加えて、遊離チオール数に対して3倍過剰のモノブロモマレイミド-パクリタキセルを供給した。試料を穏やかに混ぜて、周囲温度で一晩インキュベートした。インキュベーション後、試料を質量分析にかけて、15分の分析溶離勾配及びタンパク質ピークの約7~10分の処理データを用いたことを除き、実施例2に記載したMS法により結合後のタンパク質の完全な質量を決定した。結果を表29にまとめて示す。
図11Bに示す改変FcRn結合変異体K573PのMSスペクトルは、タンパク質種のピークの相対的な高さを比較すると、一晩インキュベーションした後に結合が起こり、約77%のモノコンジュゲート種と23%の非コンジュゲート種がそれぞれ得られたことを示している。67412.2Daにある主ピーク種は約1004Da増加したことが明らかになった。これはモノブロモマレイミド-パクリタキセルの単一の付加によるものである。図11Cに示すチオアルブミン変異体K93C+E294C+K573PのMSスペクトルは、結合種のピークの相対的な高さを比較すると、一晩インキュベーションした後に結合が起こり、約6%のモノコンジュゲート種、約60%のジコンジュゲート種、及び30%のトリコンジュゲート種がそれぞれ得られたことを示している。主ピーク種は約2008Da(2×1004Da)増加して、68364.2Daになったことが明らかになった。また69383.7Daの種は、3012Daの三重付加を示している。
Figure 0007007261000038
実施例14 改変FcRn結合を有する組み合わせ変異体のエキセナチドペプチドとの結合
実施例10で5mg/mLで調製して2~8℃で3ヶ月間保存した組み合わせ変異体を、図12Aに示す1.5倍過剰のモノブロモマレイミド-PEG2-エキセナチドペプチド(Almac Group Ltd.、英国、カスタム合成)を用いて結合させた。変異体をPBS緩衝液(pH:7.4)で希釈して、1mLの溶液(1mg/mL、15.05nmol)を得た。5mgの材料を1mLのPBS緩衝液(pH:7.4)で戻してモノブロモマレイミド-PEG2-エキセナチドペプチドの5mg/mL保存液を調製した。モノブロモマレイミド-PEG2-エキセナチドペプチド保存液から、21.17μL(22.58nmol)を単一のチオール変異体に加え、42.35μL(45.15nmol)のペプチド保存液を二重チオール変異体に加え、63.52μL(67.73nmol)のペプチド保存液を三重チオール変異体に加えて、遊離チオール数に対して3倍過剰のモノブロモマレイミド-PEG2-エキセナチドペプチドを供給した。試料を穏やかに混ぜて、周囲温度で一晩インキュベートした。インキュベーション後、試料を質量分析にかけて、15分の分析溶離勾配及びタンパク質ピークの約7~10分の処理データを用いたことを除き、実施例2に記載したMS法により結合後のタンパク質の完全な質量を決定した。結果を表30にまとめて示す。
図12Bに示す改変FcRn結合変異体K573PのMSスペクトルは、一晩インキュベーションした後に結合が起こり、タンパク質種のピークの相対的な高さを比べて、約33%のモノコンジュゲート種及び67%の非コンジュゲート種がそれぞれ得られたことを示している。66409.2Daにある主ピーク種は非コンジュゲートK573P変異体であることが明らかになった。第二の種は、モノブロモマレイミド-PEG2-エキセナチドペプチドの単一の付加により約4609Da増加した。図12Cに示すチオアルブミン変異体C34A+K93C+E294C+K573Pは、一晩インキュベーションした後に結合が起り、タンパク質種のピークの相対的な高さを比べて約33%のジコンジュゲート種、約45%のモノコンジュゲート種、及び約22%の非コンジュゲート種がそれぞれ得られたことを示している。主ピーク種は約4609Da増加して70941.7Daになったことが明らかになった。また、75557.3Daの種は、モノブロモマレイミド-PEG2-エキセナチドペプチドの二重結合を表す9218Daの付加を示していた。
Figure 0007007261000039
実施例15改変FcRn結合親和性を有する組み合わせ変異体のFLAGペプチドとの結合
実施例10で5mg/mLで調製して2~8℃で3ヶ月間保存したチオアルブミン組み合わせ変異体を図13Aに示す1.5倍過剰のマレイミド-プロピル-FLAGペプチド(Peptide Protein Research Ltd.、英国、カスタム合成)を用いて結合させた。変異体をPBS緩衝液(pH:7.4)で希釈して、1mLの溶液(1mg/mL、15.05nmol)を得た。5.4mgの材料を5.4mLのPBS緩衝液(pH:7.4)で戻してマレイミド-プロピル-FLAGペプチドの1mg/mL保存液を調製した。マレイミド-プロピル-FLAGペプチド保存液から、26.28μL(22.58nmol)を単一のチオール変異体に加え、52.56μL(45.15nmol)のペプチド保存液を二重チオール変異体に加え、78.84μL(67.73nmol)のペプチド保存液を三重チオール変異体に加えて、遊離チオール数に対して3倍過剰のマレイミド-プロピル-FLAGペプチドを供給した。試料を穏やかに混ぜて、周囲温度で一晩インキュベートした。インキュベーション後、試料を質量分析にかけて、15分の分析溶離勾配及びタンパク質ピークの約7~10分の処理データを用いたことを除き、実施例2に記載したMS法により結合後のタンパク質の完全な質量を決定した。結果を表31にまとめて示す。
図13Bに示す改変FcRn結合変異体K573PのMSスペクトルは、一晩インキュベーションした後に結合が起こり、タンパク質種のピークの相対的な高さを比べて約29%のモノコンジュゲート種及び71%の非コンジュゲート種がそれぞれ得られたことを示している。66409.1Daにある主ピーク種は非コンジュゲートK573P変異体であることを明らかになった。次に多いピーク種は、マレイミド-プロピル-FLAGペプチドの単一の付加により約1164Da増加していた。図13Cに示すチオアルブミン変異体K93C+E294C+K573PのMSスペクトルは、一晩インキュベーションした後に結合が起こり、タンパク質種のピークの相対的な高さを比べて約29%のトリコンジュゲート種、約50%のジコンジュゲート種、約20%のモノコンジュゲート種、及び約2%の非コンジュゲート種がそれぞれ得られたことを示している。主ピーク種は約2328Da増加して68685.5Daになったことが明らかになった。また、69850.5Daの種は、マレイミド-プロピル-FLAGペプチドの三重結合を表す3492Daの 付加を示している。
Figure 0007007261000040
実施例16 EpiScreen(商標)経時変化T細胞アッセイを用いたチオアルブミン変異体の免疫原性評価
野生型アルブミン対照(配列番号2)と共に、実施例10に記載したようにチオアルブミン変異体K93C(配列番号142)及びE294C(配列番号143)を調製した。実施例10に比べて、サイズ排除クロマトグラフの溶出液を4mg/mL(±5%)に希釈した。EpiScreen(商標)経時変化T細胞アッセイ(Abzena, Cambridge、英国)を用いて、CD4+T細胞応答を誘導する能力にすいてアルブミン試験試料を評価した。つまり、EpiScreen(商標)アッセイを以下のように行った。欧州集団及び北米集団(HLAアロタイプに基づく)を表す50人の健康な提供者の集団由来の末梢血単核球を試験試料と共にインキュベートした。増殖アッセイ([3H]-チミジンの取り込み)及びサイトカイン分泌アッセイ(IL-2 ELISpot)を用いてT細胞応答を測定した。
増殖アッセイの肯定的応答の頻度はすべての試料で低く(0%~8%の範囲)、IL-2 ELISpotアッセイでは肯定的応答は観察されなかった。このことは、3種の試料すべてで臨床免疫原性の危険性が低いことを暗示している。

Claims (55)

  1. ヒトアルブミン(配列番号2)に対して90%以上同一のアミノ酸配列を含む、コンジュゲーション可能なポリペプチド、又はその断片であって、
    配列番号2のK93、230、I271、E294、E358、L24、F49、V54、D56、156、E227、D237、K240、262、268、317、A322、E333、359、A362、及びE382ら選択される位置に等しい1又は2以上の位置に、コンジュゲーション可能なシステイン残基を含み、
    コンジュゲーション可能なポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向が、配列番号2のポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向の0%以上である、コンジュゲーション可能なポリペプチド。
  2. 前記ポリペプチドが、
    配列番号2の残基K93、230、I271、E294、E358、L24、F49、V54、D56、156、E227、D237、K240、262、268、317、A322、E333、359、A362、及びE382何れかに等しい位置に対応する位置における、システイン以外のアミノ酸からシステインへの置換;及び/又は
    配列番号2の残基K93、230、I271、E294、E358、L24、F49、V54、D56、156、E227、D237、K240、262、268、317、A322、E333、359、A362、及びE382何れかに等しい位置に対応するアミノ酸のN又はC側に隣接する位置における、システインの挿入
    のうち1又は2以上含む、請求項1に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  3. 配列番号2のK93、230、I271、E294、E358、L24、F49、V54、D56、156、E227、D237、K240、262、268、317、A322、E333、359、A362、及びE382ら選択される位置に等しい2、3、4、5又はそれ以上の置に、コンジュゲーション可能なシステイン残基を含む、請求項1又は2に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  4. 前記ポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向が、配列番号2のポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向の5%以上0%以上5%以上0%以上5%以上、又は00%である、請求項1~3の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  5. 配列番号2の位置34に等しい位置に、コンジュゲーション可能なシステインが存在する、請求項1~4の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  6. 配列番号2の位置34に等しい位置に、コンジュゲーション可能なシステインが存在しない、請求項1~4の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  7. 前記ポリペプチドが、2又はそれ以上のンジュゲーション可能なシステイン残基を含むと共に、前記ポリペプチドが折り畳まれた場合に、前記のコンジュゲーション可能なシステイン残基のうち以上の間に以上の距離が存在する、請求項1~6の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  8. 前記ポリペプチドが、配列番号2の残基K93又はE294に等しい位置に対応する位置の一方又は両方に、システイン以外のアミノ酸からシステインへの置換を含む、請求項1~7の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  9. 前記ポリペプチドが、5%以上のコンジュゲーション効率で、マレイミド-ポリエチレングリコール2-ビオチンとコンジュゲートを形成する能力を有する請求項1~8の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  10. 前記マレイミド-ポリエチレングリコール2-ビオチンと形成されるコンジュゲートが、制御下の加水分解に対して95%以上安定である、請求項9に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  11. ヒトアルブミン(配列番号2)に対して90以上同一のアミノ酸配列を含む、コンジュゲーション可能なポリペプチド、又はその断片であって、
    配列番号2のK93、230、I271、E294、E358、L24、F49、V54、D56、156、E227、D237、K240、262、268、317、A322、E333、359、A362、及びE382ら選択される位置に等しい1又は2以上の位置に、コンジュゲーション可能なシステイン残基を含むと共に、
    配列番号2と比較して1又は2以上の更なる修飾含む、コンジュゲーション可能なポリペプチド。
  12. 前記1又は2以上の更なる修飾が、請求項1、2、3、又は8に記載の1又は2以上の更なるコンジュゲーション可能なシステイン付加する修飾、前記ポリペプチドのFcRnに対する結合親和性を変更する修飾、及び、前記ポリペプチドの血漿中半減期を変更する修飾から選択される1又は2以上の修飾である、請求項11に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  13. 配列番号2のD1、A2、H3、S5、A55、S58、C75、T76、T79、E82、T83、E86、C91、D121、V122、C124、T125、D129、C169、C177、A229、T236、E266、D269、S270、S273、S304、K313、D314、C316、N318、A320、C361、A364、C369、A371、N386、Q390、Q397、S435、T478、T496、A504、E505、T506、T508、D549、C558、D562、C567、A581、L585、及びA578から選択される位置に等しい1又は2以上の位置に、コンジュゲーション可能なシステインを含む、請求項1~12の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  14. 前記ポリペプチドが、
    配列番号2の残基D1、A2、H3、S5、A55、S58、C75、T76、T79、E82、T83、E86、C91、D121、V122、C124、T125、D129、C169、C177、A229、T236、E266、D269、S270、S273、S304、K313、D314、C316、N318、A320、C361、A364、C369、A371、N386、Q390、Q397、S435、T478、T496、A504、E505、T506、T508、D549、C558、D562、C567、A581、L585、及びA578の何れかに等しい位置に対応する位置における、システイン以外のアミノ酸からシステインへの置換;及び/又は
    配列番号2の残基D1、A2、H3、S5、A55、S58、C75、T76、T79、E82、T83、E86、C91、D121、V122、C124、T125、D129、C169、C177、A229、T236、E266、D269、S270、S273、S304、K313、D314、C316、N318、A320、C361、A364、C369、A371、N386、Q390、Q397、S435、T478、T496、A504、E505、T506、T508、D549、C558、D562、C567、A581、L585、及びA578の何れかに等しい位置に対応するアミノ酸のN又はC側に隣接する位置へのシステインの挿入;及び/又は
    配列番号2のC369、C361、C91、C177、C567、C316、C75、C169、C124、及びC558のうち何れかにコンジュゲーション可能なシステインを生成するような、配列番号2のC360、C316、C75、C168、C558、C361、C91、C124、C169、及びC567のうち何れかに対応する位置におけるシステインの欠失又は置換;及び/又は
    アルブミン配列のN末端残基のN側又はアルブミン配列のC末端残基のC側へのシステインの付加
    のうち1又は2以上含む、請求項1~13の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  15. 前記ポリペプチドが、
    (a)A2+L585;(b)A2+A364+D562+L585C;(c)A2及びアルブミンのC末端のC側に隣接する位置;(d)T79+A364;(e)A364+D1;(f)T79+D562+A364;(g)D562+A364+D1;(h)T79+D562+A364+A504;(i)T79+D562+A364+L585;(j)T79+D562+A364+D1;(k)T79+D562+A364+L585+D1;(l)E86+D562+A364+A504+A2;(m)S270+A581;(n)S270+D129;(o)S270+A581+E82;(p)S270+A581+D129;(q)S270+A581+E82+D129;(r)S270+A581+E82+D129+Q397;(s)C369+C177;(t)A364+A581;(u)T79+A364+A581;(v)A364+A581+D129;(w)A364+C177;(x)D562+C369;(y)D129+C369;(z)A581+C369;又は(aa)D562+D129+C369
    の位置に、コンジュゲーション可能なシステインを含む、請求項1~14の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  16. 前記ポリペプチドが、アルブミンドメインIII又はその変異体と、1又は2以上の更なるアルブミンドメイン又はその断片を含むか、或いはこれらからなる、請求項1~15の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  17. 前記1又は2以上の更なるアルブミンドメイン又はその断片が、第二のアルブミンドメインIII又はその変異体である、請求項16に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  18. 前記ポリペプチドが、1又は2以上のアルブミンドメインIII又は変異体又はその断片を含むか、或いはこれらからなると共に、前記1又は2以上のアルブミンドメインIIIが、配列番号2の573、500、550、417、440、464、490、492、493、494、495、496、499、501、503、504、505、506、510、535、536、537、538、540、541、542、574、575、577、578、579、580、581、582、及び584から選択される位置に対応する位置に、1又は2以上の換を含む、請求項1~16の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  19. 配列番号2の前記位置に対応する位置における1又は2以上の換が、K573Y、W、P、H、F、V、I、T、N、S、G、M、C、A、E、Q、R、L、D、K500E、G、D、A、S、C、P、H、F、N、W、T、M、Y、V、Q、L、I、R、Q417A、H440A、H464Q、E492G、D494N,Q,A、E495Q,A、T496A、D494E+Q417H、D494N+T496A、E492G+V493P、P499A、E501A,Q、N503H,K、H510Q、H535Q、K536A、P537A、K538A、K541G,D、D550E,N、E492G+K573P,A、又はE492G/N503H/K573Pから選択される、請求項18に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  20. 前記ポリペプチドが、配列番号2の位置(a)492及び580;(b)492及び574;(c)492及び550;(d)550及び573;(e)550及び574;並びに(f)550及び580に対応する位置から選択される2上の置に改変を含む、請求項1~19の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  21. 前記ポリペプチドが、(i)第一のアルブミンを含むN末端領域と、(ii)第二のアルブミンのC末端領域とを含み、
    (i)前記N末端領域の第一のアルブミンはヒトアルブミン変異体であり、ここで前記第一のアルブミンのN末端は、前記ヒトアルブミン変異体のC末端の2~30アミノ酸を除く全アミノ酸を含み、
    (ii)前記第二のアルブミンのC末端領域は、マカクザルアルブミン、マウスアルブミン、ウサギアルブミン、ヒツジアルブミン、ヒトアルブミン、ヤギアルブミン、チンパンジーアルブミン、ハムスターアルブミン、モルモットアルブミン、ラットアルブミン、ウシアルブミン、ウマアルブミン、ロバアルブミン、イヌアルブミン、ニワトリアルブミン、又はブタアルブミン、又はその変異体から選択され、ここで前記第二のアルブミン又はアルブミン変異体のC末端は、前記第二のアルブミン又はアルブミン変異体のC末端の2~30アミノ酸を含み、
    ここで前記ポリペプチドは、(i)前記ヒトアルブミン変異体と比較して改変された血漿中半減期、及び/又は、(ii)前記ヒトアルブミン変異体と比較して改変されたFcRnへの結合親和性を有する、請求項1~18の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  22. 前記ポリペプチドは、配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列のドメインI内に、1又は2以上の変を含むと共に、配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列のドメインIII内に、1又は2以上の変を含み、ここで前記1又は2以上の変が、前記ポリペプチドのFcRnに対する結合親和性が改変される、請求項1~21の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  23. 前記のドメインIにおける改変が、配列番号2の位置78~120の何れかに対応する位置から、或いは、位置78~88及び/又は105~120の何れかから選択されると共に、前記のドメインIIIにおける改変が、配列番号2の位置425、505、510、512、524、527、531、534、569、573、及び575の何れかに対応する位置から選択される、請求項22に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  24. 前記の配列番号2の位置78~120又は425、505、510、512、524、527、531、534、569、573、及び/又は575の何れかに対応する位置の改変が、i)83N、K又はS;(ii)111D、G、H、R、Q又はE;又は(iii)573P、Y、W、H、F、T、I又はVから選択される置換である、請求項23に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  25. 前記ポリペプチドが、配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列のドメインII内に、配列番号2の位置349、342、381、345、384、198、206、340、341、343、344、352、382、348、及び/又は、383に対応する位置からなる群より選択される位置に、1又は2以上の変を含み、ここで前記1又は2以上の変が、前記コンジュゲーション可能なポリペプチドに、(i)改変された血漿中半減期、及び/又は、(ii)改変されたFcRnに対する結合親和性を付与する、請求項1~24の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  26. 前記の位置349、342、381、345、384、198、206、340、341、343、344、352、382、348、及び/又は、383に対応する位置における改変が、i)349F、W、Y、H、P、K又はQ(ii)342Y、W、F、H、T、N、Q、A、C、I、L、P、V(iii)381G又はA又は(iv)345E、H、I又はQから選択される置換である、請求項25に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  27. 前記ポリペプチドが、配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列内に、配列番号2の位置V418、T420、V424、E505、V547、K573に対応する位置からなる群より選択される、1又は2以上の変を含み、ここで前記1又は2以上の変が、前記コンジュゲーション可能なポリペプチドに、(i)改変された血漿中半減期、及び/又は、(ii)改変されたFcRnに対する結合親和性を付与する、請求項1~26の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  28. 前記ポリペプチドが、配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列内に、配列番号2の位置V381E383N391Y401K402L407Y411K413K414V415CQ416V424V426DG434E442R445P447E450S454V455V456L457Q459L463E495T506T508F509A511D512T515L516S517K519R521I523K524K525Q526T527E531H535K538A539K541K557A561T566A569対応する位置からなる群より選択される1又は2以上の変を含み、ここで前記1又は2以上の変が、前記コンジュゲーション可能なポリペプチドに、(i)改変された血漿中半減期、及び/又は、(ii)改変されたFcRnに対する結合親和性を付与する、請求項1~27の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  29. 前記1又は2以上の改変が、配列番号2のV381N又はQ;E383A、G、I、L、又はV;N391A、G、I、L又はV;Y40Y401D又はE;K402A、G、I、L、又はV;L407F、N、Q、W、又はY;Y411Q、又はN;K413C、S、又はT;K414S又はT;V415C、S、又はT;Q416H又はP;V424A、G、I、L、N、又はQ;V426D、E、H、又はP;G434C、S、又はT;E442K又はR;R445F、W又はY;P447S又はT;E450D又はE;S454C、M又はT;V455N又はQ;V456N又はQ;L457F、W又はY;Q459K又はR;L463N又はQ;E495D;T506F、W又はY;T508K、R、又はS;F509C、I、L、M、V、W又はY;A511F、W、又はY;D512F、W又はY;T515C、H、N、P、Q又はS;L516F、S、T、W又はY;S517C、F、M、T、W又はY;K519A、G、I、L、又はV;R521F、W又はY;I523A、D、E、F、G、K、L、N、Q、R、V、W又はY;K524A、G、I、L又はV;K525A、G、I、L又はV;Q526C、M、S、T又はY;T527F、W又はY;E531A、G、I、L又はV;H535D、E又はP;K538F、W又はY;A539I、L又はV;K541F、W又はY;K557A、G、I、L又はV;A561F、W又はY;T566F、W又はY;A569H又はPからなる群より選択される1又は2以上の改変である、請求項28に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  30. 前記ポリペプチドが、配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列内に、配列番号2の位置V547K573I523T527K500又はE505対応する位置からなる群より選択される1又は2以上の変を含み、ここで前記1又は2以上の変が、前記コンジュゲーション可能なポリペプチドに、(i)改変された血漿中半減期、及び/又は、(ii)改変されたFcRnに対する結合親和性を付与する、請求項1~29の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  31. 前記1又は2以上の改変が、配列番号2のV457A;K573P又はY;I523A又はG;T527M;K500A;又はE505Qからなる群より選択される1又は2以上の改変である、請求項30に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  32. 前記ポリペプチドが、配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列内に、配列番号2の位置573、523、527又は505対応する位置からなる群より選択される1又は2以上の変を含む、請求項1~31の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  33. 前記1又は2以上の改変が、配列番号2のK573Y;I523G;I523A;T527M;E505Q;又はK573Pからなる群より選択される1又は2以上の改変である、請求項32に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  34. 前記ポリペプチドが、配列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列内に、位置K573Y及びI523G;K573Y、I523G及びT527M;K573Y、E505Q及びT527M;K573Y及びT527M;K573P及びI523G;K573P、I523G及びT527M;K573P、E505Q及びT527M;K573P及びT527M;V547A;V547A及びK573P;V547A、E505Q、K573P及びT527M;又はK500A及びH510Qに対応する位置からなる群より選択される1又は2以上の変を含む、請求項32又は33に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  35. 前記コンジュゲーション可能なポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向が、配列番号2のポリペプチドが溶液中で単量体として存在する傾向の0%以上5%以上0%以上0%、5%以上、又は00%である、請求項1134の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  36. 前記ポリペプチドが、配列番号2に対して%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上、99.2%以上、99.4%以上、99.6%以上又は99.8%以上の配列同一性を有する、請求項1~35の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  37. 前記ポリペプチドが折り畳まれた場合に、配列番号2のポリペプチドの天然のジスルフィド結合のうち1個以上、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、10個以上、11個以上、12個以上、13個以上、14個以上、15個以上、16個以上又は17個全てが存在する、請求項1~36の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  38. 前記ポリペプチドが更なるリンカーを更に含み、当該リンカーには生物活性化合物、放射性医薬又は画像化剤が結合していてもよい、請求項1~37の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  39. 前記のコンジュゲーション可能なシステイン残基を付与する改変が、ヒトにおける前記ポリペプチドの免疫原性に悪影響を及ぼさない、請求項1~38の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチド。
  40. 請求項1~39の何れか一項に記載のコンジュゲーション可能なポリペプチドと、融合パートナーポリペプチドとを含む融合ポリペプチド。
  41. 請求項1~39の何れか一項に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
  42. 請求項41に記載のポリヌクレオチドを含むプラスミド。
  43. 請求項41に記載のポリヌクレオチド、及び/又は、請求項42に記載のプラスミドを含む宿主細胞。
  44. 酵母細胞、又は、サッカロミセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)細胞である、請求項43に記載の宿主細胞。
  45. (i)生物活性化合物、放射性医薬又は画像化剤と、(ii)請求項1~41の何れか一項に記載のポリペプチドとを含むコンジュゲートであって、前記の生物活性化合物、放射性医薬又は画像化剤が、前記ポリペプチドのコンジュゲーション可能なシステイン残基を介して、前記ポリペプチドに連結されてなる、コンジュゲート。
  46. 前記コンジュゲートが更に、1又は2以上のなる生物活性化合物、放射性医薬、又は画像化剤を含み、各生物活性化合物、放射性医薬又は画像化剤は、前記ポリペプチドのコンジュゲーション可能なシステイン残基を介して、前記ポリペプチドに連結されてなる、請求項45に記載のコンジュゲート。
  47. 請求項41に記載のポリヌクレオチドを製造する方法であって、
    親アルブミン又はその断片をコードする核酸分子を提供し、
    前記核酸分子の核酸配列を、列番号2の成熟ヒトアルブミンポリペプチド配列の残基1~585、又はその断片と90%以上同一なコンジュゲーション可能なポリペプチドをコードするように改変することを含み、
    ここで配列番号2のK93、230、I271、E294、E358、L24、F49、V54、D56、156、E227、D237、K240、262、268、317、A322、E333、359、A362、及びE382ら選択される位置に等しい1又は2以上の位置が、コンジュゲーション可能なシステイン残基を含む、方法。
  48. 請求項1~40の何れか一項に記載のポリペプチドを製造する方法であって、
    (a)請求項43又は44に記載の宿主細胞を、前記ポリペプチドの発現を許容する条件下で培養し、
    (b)前記ポリペプチドを、前記宿主細胞、及び/又は、宿主細胞の成長培地から回収することを含む方法。
  49. 工程(b)で得られたポリペプチドを更に精製することを含む、請求項48に記載の方法。
  50. 請求項45又は46に記載のコンジュゲートを製造する方法であって、請求項1~40の何れか一項に記載のポリペプチド、又は請求項48又は49に記載の方法により製造されたポリペプチドを、前記ポリペプチドのコンジュゲーション可能なシステイン残基を介して、生物活性化合物、放射性医薬又は画像化剤と連結することを含む方法。
  51. 請求項45又は46に記載のコンジュゲートと、生物活性、治療、予防、診断、画像化、又は他の有用な部分とを含むアソシエイト。
  52. 請求項1~40の何れか一項に記載のポリペプチド、請求項45又は46に記載のコンジュゲート、又は請求項51に記載のアソシエイトを含む、ナノ粒子又はマイクロ粒子又はリポソーム。
  53. 請求項45又は46に記載のコンジュゲート、請求項51に記載のアソシエイト、又は、請求項52に記載のナノ粒子又はマイクロ粒子又はリポソームと1又は2以上の医薬的に許容可能な担体又は希釈剤とを含む組成物。
  54. 前記の生物活性分子、放射性医薬、又は画像化剤が、
    (i)次から選択される治療用化合物:4-1BBリガンド、5-ヘリックス、ヒトC-Cケモカイン、ヒトL105ケモカイン、ヒトL105ケモカインであるhuL105_3、γ-インターフェロンによって誘導されたモノカイン(MIG)、部分CXCR4Bタンパク質、血小板塩基性タンパク質(PBP)、α1-抗トリプシン、ACRP-30ホモログ、補体成分C1q C、アデノイド発現ケモカイン(ADEC)、酸性線維芽細胞成長因子(acidic fibroblast growth factor:aFGF)、線維芽細胞成長因子1(fibroblast growth factor:FGF-1)、アンジオポエイチン成長因子(angiopoeitin growth factor:AGF)、AGFタンパク質、アルブミン、エトポシド、アンジオスタチン、炭疽菌ワクチン、コラプシン特異抗体、アンチスタシン、抗TGFβ族抗体、抗トロンビンIII、APM-1、ACRP-30、ファモキシン、アポリポタンパク質種、アリールスルファターゼB、b57タンパク質、BCMA、β-トロンボグロブリンタンパク質(β-TG)、bFGF、FGF2、血液凝固因子、骨形態形成タンパク質(bone morphogenetic protein:BMP)プロセシング酵素フーリン(Furin)、BMP-10、BMP-12、BMP-15、BMP-17、BMP-18、BMP-2B、BMP-4、BMP-5、BMP-6、BMP-9、骨形態形成タンパク質-2、カルシトニン、カルパイン-10a、カルパイン-10b、カルパイン-10c、ガンワクチン、カルボキシペプチダーゼ、C-Cケモカイン、MCP2、CCR5変異体、CCR7、CCR7、CD11aモノクローナル抗体(monoclonal antibody: Mab)、CD137、4-1BB受容体タンパク質、CD20Mab、CD27、CD27L、CD30、CD30リガンド、CD33免疫毒素、CD40、CD40L、CD52Mab、ケルベロス(Cerebus)タンパク質、ケモカインエオタキシン、ケモカインhIL-8、ケモカインhMCP1、ケモカインhMCP1a、ケモカインhMCP1b、ケモカインhMCP2、ケモカインhMCP3、ケモカインhSDF1b、ケモカインMCP-4、ケモカインTECK及びTECK変異体、ケモカイン様タンパク質IL-8M1全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質IL-8M10全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質IL-8M3、ケモカイン様タンパク質IL-8M8全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質IL-8M9全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質PF4-414全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質PF4-426全長及び成熟体、ケモカイン様タンパク質PF4-M2全長及び成熟体、コレラワクチン、コンドロモジュリン様タンパク質、c-kitリガンド、SCF、マスト細胞増殖因子、MGF、線維肉腫由来幹細胞因子、CNTF及びその断片CNTFAx15`(Axokine(商標)))、凝固因子(前駆体及び活性体)、コラーゲン、補体C5Mab、結合組織活性化タンパク質-III、CTAA16.88Mab、CTAP-III、CTLA4-Ig、CTLA-8、CXC3、CXCケモカイン受容体3、シアノビリン-N、ダルベポエチン(エクソダス(exodus)、huL105_7ともいう)、DIL-40、デオキシリボヌクレアーゼ、エクトジスプラシンA受容体(ectodysplastin A receptor:EDAR)、上皮成長因子(epidermal growth factor receptor:EGF)受容体Mab、ENA-78、エンドスタチン、エオタキシン、上皮好中球活性化タンパク質-78、エリトロポエチン(EPO)受容体、EPOR、エリトロポエチン(EPO)及びEPO模倣物、ユートロピン(Eutropin)、エクソダス(Exodus)タンパク質、第IX因子、第VII因子、第VIII因子、第X因子、及び第XIII因子、FASリガンド阻害タンパク質(DcR3)、FasL、FGF、FGF-12、線維芽細胞増殖因子相同因子(FGF)-1、FGF-15、FGF-16、FGF-18、FGF-3、INT-2、FGF-4、ゲロニン、HST-1、HBGF-4、FGF-5、FGF-6、ヘパリン結合性分泌形質転換因子-2、FGF-8、FGF-9、グリア活性化因子、フィブリノゲン、flt-1、flt-3リガンド、卵胞刺激ホルモンαサブユニット、卵胞刺激ホルモンβサブユニット、フォリトロピン、フラクタルカイン、断片筋原線維タンパク質トロポニンI、卵胞刺激ホルモン(follicle stimulating hormone:FSH)、ガラクトシダーゼ、ガレクチン-4、顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte-colony stimulating factor:G-CSF)、GDF-1、遺伝子治療、グリオーマ由来増殖因子、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド、グルコセレブロシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシダーゼ、グリコデリン-A、プロゲステロン関連子宮内膜タンパク質、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(granulocyte/macrophage-colony stimulating factor:GM-CSF)、ゴナドトロピン、顆粒球走化性タンパク質-2(granulocyte chemotactic protein-2:GCP-2)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、成長ホルモン、増殖関連オンコジーン-α(Growth related oncogene-alpha:GRO-α)、増殖関連オンコジーン-β(GRO-β)、増殖関連オンコジーン-γ(GRO-γ)、ヒトアポリポタンパク質(human apolipoprotein-4:hAPO-4)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー、メンバー19:TROY(tumor necrosis factor receptor superfamily, member 19)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(human chronionic gonadotropin:hCG)、B型肝炎表面抗原、B型肝炎ワクチン、HER2受容体Mab、ヒルジン、HIV gp120、HIV gp41、HIV阻害ペプチド、HIV阻害ペプチド、HIV阻害ペプチド、HIVプロテアーゼ阻害ペプチド、HIV-1プロテアーゼ阻害剤、HPVワクチン、ヒト6CKineタンパク質、ヒトAct-2タンパク質、ヒト脂質生成阻害因子、ヒトB細胞刺激因子-2受容体、ヒトβ-ケモカインH1305(MCP-2)、ヒトC-CケモカインDGWCC、ヒトCCケモカインELCタンパク質、ヒトCC型ケモカインインターロイキンC、ヒトCCC3タンパク質、ヒトCCF18ケモカイン、ヒトCC型ケモカインタンパク質である二次リンパケモカイン(secondary lymphoid chemokine:SLC)、ヒトケモカインβ-8短小型、ヒトケモカインC10、ヒトケモカインCC-2、ヒトケモカインCC-3、ヒトケモカインCCR-2、ヒトケモカインCkβ-7、ヒトケモカインENA-78、ヒトケモカインエオタキシン、ヒトケモカインGROα、ヒトケモカインGROα、ヒトケモカインGROβ、ヒトケモカインHCC-1、ヒトケモカインHCC-1、ヒトケモカインI-309、ヒトケモカインIP-10、ヒトケモカインL105_3、ヒトケモカインL105_7、ヒトケモカインMIG、ヒトケモカインMIG-βタンパク質、ヒトケモカインMIP-1α、ヒトケモカインMIP1β、ヒトケモカインMIP-3α、ヒトケモカインMIP-3β、ヒトケモカインPF4、ヒトケモカインタンパク質331D5、ヒトケモカインタンパク質61164、ヒトケモカイン受容体CXCR3、ヒトケモカインSDF1α、ヒトケモカインSDF1β、ヒトケモカインZSIG-35、ヒトChr19Kineタンパク質、ヒトCKβ-9、ヒトCX3C 111アミノ酸ケモカイン、ヒトDNAXインターロイキン-40、ヒトDVic-1 C-Cケモカイン、ヒトEDIRF Iタンパク質配列、ヒトEDIRF IIタンパク質配列、好酸球CC型ケモカインエオタキシン、ヒト好酸球発現ケモカイン(eosinophil-expressed chemokine:EEC)、ヒト速収縮骨格筋トロポニンC、ヒト速収縮骨格筋トロポニンI、ヒト速収縮骨格筋トロポニンサブユニットC、ヒト速収縮骨格筋トロポニンサブユニットIタンパク質、ヒト速収縮骨格筋トロポニンサブユニットT、ヒト速収縮骨格筋トロポニンT、ヒト胎児脾臓発現ケモカイン、FSEC、ヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(granulocyte/macrophage-colony stimulating factor:GM-CSF)受容体、ヒトgro-αケモカイン、ヒトgro-βケモカイン、ヒトgro-γケモカイン、ヒトIL-16タンパク質、ヒトIL-1RD10タンパク質配列、ヒトIL-1RD9、ヒトIL-5受容体α鎖、ヒトIL-6受容体、ヒトIL-8受容体タンパク質hIL8RA、ヒトIL-8受容体タンパク質hIL8RB、ヒトIL-9受容体タンパク質、ヒトIL-9受容体タンパク質変異体#3、ヒトIL-9受容体タンパク質変異体断片、ヒトIL-9受容体タンパク質変異体断片#3、ヒトインターロイキン1δ、ヒトインターロイキン10、ヒトインターロイキン18、ヒトインターロイキン18誘導体、ヒトインターロイキン-1β前駆体、ヒトインターロイキン-1β前駆体、ヒトインターロイキン-1受容体補助タンパク質、ヒトインターロイキン-1受容体拮抗薬β、ヒトインターロイキン-1タイプ3受容体、ヒトインターロイキン-10(前駆体)、ヒトインターロイキン-11受容体、ヒトインターロイキン-12 40kDサブユニット、ヒトインターロイキン-12 β-1受容体、ヒトインターロイキン-12 β-2受容体、ヒトインターロイキン-12 p35タンパク質、ヒトインターロイキン-12 p40タンパク質、ヒトインターロイキン-12受容体、ヒトインターロイキン-13α受容体、ヒトインターロイキン-13β受容体、ヒトインターロイキン-15、クローンP1由来ヒトインターロイキン-15受容体、ヒトインターロイキン-17受容体、ヒトインターロイキン-18タンパク質(IL-18)、ヒトインターロイキン-3、ヒトインターロイキン-3受容体、ヒトインターロイキン-3変異体、ヒトインターロイキン-4受容体、ヒトインターロイキン-5、ヒトインターロイキン-6、ヒトインターロイキン-7、ヒトインターロイキン-7、ヒトインターロイキン-8(IL-8)、ヒト細胞内IL-1受容体拮抗薬、ヒトIP-10及びHIV-1 gp120超可変領域融合タンパク質、ヒトIP-10及びヒトMuc-1コアエピトープ(VNT)融合タンパク質、ヒト肝臓及び活性化調節ケモカイン(liver and activation regulated chemokine:LARC)、ヒトLkn-1全長及び成熟体タンパク質、ヒト***関連ケモカイン(mammary associated chemokine:MACK)タンパク質全長及び成熟体、ヒト成熟ケモカインCkβ-7、ヒト成熟gro-α、ヒト成熟gro-γポリペプチド(敗血症治療用)、ヒトMCP-3及びヒトMuc-1コアエピトープ(VNT)融合タンパク質、ヒトMI10タンパク質、ヒトMI1Aタンパク質、ヒト単球走化性因子hMCP-1、ヒト単球走化性因子hMCP-3、ヒト単球走化性前駆タンパク質(monocyte chemotactic proprotein:MCPP)配列、ヒトニューロタクチン(neurotactin)ケモカイン様ドメイン、ヒト非ELR CXCケモカインH174、ヒト非ELR CXCケモカインIP10、ヒト非ELR CXCケモカインMig、ヒトPAI-1変異体、IL-16活性を有するヒトタンパク質、IL-16活性を有するヒトタンパク質、ヒト二次リンパケモカイン(secondary lymphoid chemokine:SLC)、ヒトSISDタンパク質、ヒトSTCP-1、ヒト間質細胞由来ケモカイン、SDF-1、ヒトT細胞混合リンパ球反応性発現型ケモカイン(T cell mixed lymphocyte reaction expressed chemokine:TMEC)、ヒト胸腺及び活性化調節サイトカイン(thymus and activation regulated cytokine:TARC)、ヒト胸腺発現型、ヒト腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor:TNF)-α、ヒトTNF-β(LT-α)、ヒトタイプCCケモカインエオタキシン3タンパク質配列、ヒトタイプIIインターロイキン-1受容体、ヒト野生型インターロイキン-4(hIL-4)タンパク質、ヒトZCHEMO-8タンパク質、ヒト化抗血管上皮成長因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)抗体及び
    その断片、ヒト化抗血管上皮成長因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)抗体及びその断片、ヒアルロニダーゼ、インターロイキン1β転換酵素(interleukin-1 beta converting enzyme:ICE)10kDサブユニット、ICE20kDサブユニット、ICE22kDサブユニット、イズロン酸-2-スルファターゼ、イズロニダーゼ、IL-1α、IL-1β、IL-1阻害剤(IL-1i)、IL-1成熟体、IL-10受容体、IL-11、IL-11、IL-12 p40サブユニット、IL-13、IL-14、IL-15、IL-15受容体、IL-17、IL-17受容体、受容体、IL-19、IL-1i断片、IL1-受容体拮抗薬、IL-21(TIF)、IL-3含有融合タンパク質、IL-3変異体タンパク質、IL-3変異体、IL-4、IL-4変異タンパク質、IL-4変異タンパク質Y124G、IL-4変異タンパク質Y124X、IL-5、IL-5変異タンパク質、Il-5受容体、IL-6、Il-6受容体、IL-7受容体クローン、IL-8受容体、IL-9成熟タンパク質変異体(Met117バージョン)、免疫グロブリンもしくは免疫グロブリン系分子またはそのいずれかの断片Small Modular ImmunoPharmaceutical(商標)(「SMIP」)、dAb、Fab’断片、F(ab’)2、scAb、scFv、またはscFv断片)、プラスミノーゲンを含むがこれに限定されない、インフルエンザワクチン、インヒビンα、インヒビンβ、インスリン、インスリン様成長因子、インテグリンMab、インタ-αトリプシン阻害剤、インタ-αトリプシン阻害剤、インターフェロンγ誘導性タンパク質(IP-10)、インターフェロンインターフェロンα種及び亜種、インターフェロンβ種及び亜種、インターフェロンγ種及び亜種)、インターロイキン6、インターロイキン8(IL-8)受容体、インターロイキン8受容体B、インターロイキン-1α、インターロイキン-2受容体関連タンパク質p43、インターロイキン-3、インターロイキン-4変異タンパク質、インターロイキン-8(IL-8)タンパク質、インターロイキン-9、インターロイキン-9(IL-9)成熟タンパク質(Thr117バージョン)、インターロイキンIL10、IL11、及びIL2)、日本脳炎ワクチン、カリクレイン阻害剤、ケラチノサイト増殖因子、クニッツ(Kunitz)ドメインタンパク質アプロチニン、アミロイド前駆体タンパク質LACI、ラクトフェリン、潜在型TGF-β結合タンパク質II、レプチン、肝臓発現型ケモカイン-1(LVEC-1)、肝臓発現型ケモカイン-2(LVEC-2)、LT-α、LT-β、黄体化ホルモン、ライム病(Lyme)ワクチン、リンホタクチン、マクロファージ由来ケモカインアナログMDC(n+1)、マクロファージ由来ケモカインアナログMDC-eyfy、マクロファージ由来ケモカインアナログMDC-yl、マクロファージ由来ケモカイン(MDC)、マスピン、プロテアーゼ阻害剤5、MCP-1受容体、MCP-1a、MCP-1b、MCP-3、MCP-4受容体、M-CSF、メラノーマ阻害タンパク質、膜結合タンパク質、Met117ヒトインターロイキン9、MIP-3α、MIP-3β、MIP-γ、MIRAP、修飾型ランテス(Modified Rantes)、モノクローナル抗体、MP52、ミュータントインターロイキン6 S176R、筋原線維収縮性タンパク質トロポニンI、ナトリウム利尿ペプチド、神経増殖因子-β、神経増殖因子-β2、ニューロピリン(Neuropilin)-1、ニューロピリン-2、ニューロタクチン(Neurotactin)、ニューロトロフィン(Neurotrophin)-3、ニューロトロフィン-4、ニューロトロフィン-4a、ニューロトロフィン-4b、ニューロトロフィン-4c、ニューロトロフィン-4d、好中球活性化ペプチド-2(NAP-2)、NOGO-66受容体、NOGO-A、NOGO-B、NOGO-C、新規β-ケモカインであるPTEC、N末端変性ケモカインGroHEK/hSDF-1α、N末端変性ケモカインGroHEK/hSDF-1β、N末端変性ケモカインmet-hSDF-1α、N末端変性ケモカインmet-hSDF-1β、OPGL、骨原性タンパク質-1(OP-1)、BMP-7、骨原性タンパク質-2、OX40、ACT-4、OX40L、オキシトシン(ニューロフィジンI)、副甲状腺ホルモン、パッチ型、パッチ型-2、PDGF-D、百日咳トキソイド、下垂体発現型ケモカイン(Pituitary expressed chemokine:PGEC)、胎盤増殖因子、胎盤増殖因子-2、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤-1(PAI-1)、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤-2(PAI-2)、血小板由来増殖因子、血小板由来増殖因子Bv-sis、血小板由来増殖因子前駆体A、血小板由来増殖因子前駆体B、血小板Mab、血小板由来内皮細胞増殖因子(PD-ECGF)、血小板由来増殖因子A鎖、血小板由来増殖因子B鎖、敗血症治療用ポリペプチド、プレプロアポリポタンパク質「ミラノ」変異体、プレプロアポリポタンパク質「パリ」変異体、プレトロンビン、霊長類CCケモカイン「ILINCK」、霊長類CXCケモカイン「IBICK」、プロインスリン、プロラクチン、プロラクチン2、プロサプチド、プロテアーゼ阻害ペプチド、タンパク質C、タンパク質S、プロトロンビン、プロウロキナーゼ、RANTES、RANTES8-68、RANTES9-68、RANTESペプチド、RANTES受容体、組換えインターロイキン-16、レジスチン(Resistin)、レストリクトシン、レトロウイルスプロテアーゼ阻害剤、リシン(ricin)、ロタウイルスワクチン、RSV Mab、サポリン、サルシン、分泌及び膜貫通ポリペプチド、血清コリンエストラーゼ、血清タンパク質血液凝固因子溶解性BMP受容体キナーゼタンパク質-3、溶解性VEGF受容体、幹細胞阻害因子、ブドウ球菌ワクチン、間質由来因子-1α、間質由来因子-1β、サブスタンスP(タキキニン)、T1249ペプチド、T20ペプチド、T4エンドヌクレアーゼ、TACI、胸腺及び活性化調節ケモカイン(Thymus and activation regulated chemokine:Tarc)、TGF-β1、TGF-β2、Thr117ヒトインターロイキン9、トロンビン、トロンボポエチン、トロンボポエチン誘導体1、トロンボポエチン誘導体2、トロンボポエチン誘導体3、トロンボポエチン誘導体4、トロンボポエチン誘導体5、トロンボポエチン誘導体6、トロンボポエチン誘導体7、胸腺発現型ケモカイン(Thymus expressed chemokine:TECK)、甲状腺刺激ホルモン、ダニ抗凝固ペプチド、Tim-1タンパク質、TNF-α前駆体、TNF-R、TNF-RII、TNF p75受容体、デス(Death)受容体、組織プラスミノーゲン活性化因子(tissue prasminogen activator:tPA)、トランスフェリン、形質転換増殖因子β,トロポニンペプチド、切断型単球走化性タンパク質2(6-76)、切断型RANTESタンパク質(3-68)、腫瘍壊死因子、尿酸オキシダーゼ、ウロキナーゼ、バソプレッシン(ニューロフィジンII)、血管内皮成長因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)R-3、flt-4、VEGF受容体、KDR、flk-1、VEGF-110、VEGF-121、VEGF-138、VEGF-145、VEGF-162、VEGF-165、VEGF-182、VEGF-189、VEGF-206、VEGF-D、VEGF-E、VEGF-X、フォン・ヴィルブラント因子、野生型単球走化性タンパク質2、ZTGF-β9;
    (ii)次から選択される化学療法薬物:13-シス-レチノイン酸、2-CdA、2-クロロデオキシアデノシン、5-アザシチジン、5-フルオロウラシル、5-FU、6-メルカプトプリン、6-MP、6-TG、6-チオグアニン、アブラキサン(Abraxane)、Accutane(登録商標)、アクチノマイシン-D、Adriamycin(登録商標)、Adrucil(登録商標)、Agrylin(登録商標)、Ala-Cort(登録商標)、アルデスロイキン(Aldesleukin)、アレムツズマブ(Alemtuzumab)、ALIMTA、アリトレチノイン(Alitretinoin)、Alkaban-AQ(登録商標)、Alkeran(登録商標)、すべてのトランスレチノイン酸、αインターフェロン、アルトレタミン(Altretamine)、アメトプテリン(Amethopterin)、アミホスチン(Amifostine)、アミノグルテチミド、アナグレリド、Anandron(登録商標)、アナストロゾール、アラビノシルシトシン、シタラビン(Ara-C)、Aranesp(登録商標)、Aredia(登録商標)、Arimidex(登録商標)、Aromasin(登録商標)、Arranon(登録商標)、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、ATRA、Avastin(登録商標)、アザシチジン、BCG、BCNU、ベバシズマブ(Bevacizumab)、ベキサロテン、BEXXAR(登録商標)、ビカルタミド(Bicalutamide)、BiCNU、Blenoxane(登録商標)、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブスルファン、Busulfex(登録商標)、C225、ロイコボリンカルシウム、Campath(登録商標)、Camptosar(登録商標)、カンプトテシン-11、カペシタビン、Carac(商標)、カルボプラチン、カルムスチン、カルムスチン・ウェファー、Casodex(登録商標)、CC-5013、CCNU、CDDP、CeeNU、Cerubidine(登録商標)、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、シトロボラム因子、クラドリビン、コルチゾン、Cosmegen(登録商標)、CPT-11、シクロホスファミド、Cytadren(登録商標)、シタラビン、シタラビンリポソーム(Cytarabine Liposomal)、Cytosar-U(登録商標)、Cytoxan(登録商標)、ダカルバジン、Dacogen(登録商標)、ダクチノマイシン、ダルベポエチンα、ダサチニブ、ダウノマイシン、ダウノルビシン、塩酸ダウノルビシン、ダウノルビシンリポソーム(Daunorubicin Liposomal)、DaunoXome(登録商標)、Decadron、デシタビン、Delta-Cortef(登録商標)、Deltasone(登録商標)、デニロイキンジフチトクス、DepoCyt(商標)、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、Dexasone、デキスラゾキサン、DHAD、DIC、Diodex、ドセタキセル、Doxil(登録商標)、ドキソルビシン(Doxorubicin)、ドキソルビシンリポソーム(Doxorubicin liposomal)、Droxia(商標)、DTIC、DTIC-Dome(登録商標)、Duralone(登録商標)、Efudex(登録商標)、Eligard(商標)、Ellence(商標)、Eloxatin(商標)、Elspar(登録商標)、Emcyt(登録商標)、エピルビシン、エポエチンα、Erbitux(商標)、エルロチニブ、エルウィニアL-アスパラギナーゼ、エストラムスチン、Ethyol、Etopophos(登録商標)、エトポシド、リン酸エトポシド、Eulexin(登録商標)、Evista(登録商標)、エキセメスタン、Fareston(登録商標)、Faslodex(登録商標)、Femara(登録商標)、フィルグラスチム、フロクスウリジン(Floxuridine)、Fludara(登録商標)、フルダラビン、Fluoroplex(登録商標)、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルタミド、フォリン酸、FUDR(登録商標)、フルベストラント、顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte-colony stimulating factor:G-CSF)、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブオゾガマイシン、Gemzar(登録商標)、Gleevec(商標)、Gliadel(登録商標)ウェファー、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(granulocyte/macrophage-colony stimulating factor:GM-CSF)、ゴセレリン、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、Halotestin(登録商標)、Herceptin(登録商標)、Hexadrol、Hexalen(登録商標)、ヘキサメチルメラミン、HMM、Hycamtin(登録商標)、Hydrea(登録商標)、Hydrocort Acetate(登録商標)、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンリン酸ナトリウム、ヒドロコルチゾンコハク酸ナトリウム、ハイドロコートンリン酸塩、ヒドロキシウレア、イブリツモマブ、イブリツモマブチウキセタン、Idamycin(登録商標)、イダルビシン、Ifex(登録商標)、IFN-α、イホスファミド、IL-11、IL-2、メシル酸イマチニブ、イミダゾールカルボキサミド、インターフェロンα、インターフェロンα-2b(PEGコンジュゲート)、インターロイキン-2、インターロイキン-11、Intron A(登録商標)(インターフェロンα-2b)、Iressa(登録商標)、イリノテカン、イソトレチノイン、Kidrolase(登録商標)、Lanacort(登録商標)、ラパチニブ、L-アスパラギナーゼ、LCR、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、Leukeran、Leukine(商標)、ロイプロリド、ロイロクリスチン(Leurocristine)、Leustatin(商標)、リポソームシタラビン(Ara-C)、Liquid Pred(登録商標)、ロムスチン、L-PAM、L-サルコリシン、Lupron(登録商標)、Lupron Depot(登録商標)、Matulane(登録商標)、Maxidex、メクロレタミン、塩酸メクロレタミン、Medralone(登録商標)、Medrol(登録商標)、Megace(登録商標)、メゲストロール、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、Mesnex(商標)、メトトレキサート、メトトレキサートナトリウム、メチルプレドニゾロン、Meticorten(登録商標)、マイトマイシン、マイトマイシン-C、ミトキサントロン、M-Prednisol(登録商標)、MTC、MTX、Mustargen(登録商標)、ムスチン、Mutamycin(登録商標)、Myleran(登録商標)、Mylocel(商標)、Mylotarg(登録商標)、Navelbine(登録商標)、ネララビン、Neosar(登録商標)、Neulasta(商標)、Neumega(登録商標)、Neupogen(登録商標)、Nexavar(登録商標)、Nilandron(登録商標)、ニルタミド、Nipent(登録商標)、ナイトロジェンマスタード、Novaldex(登録商標)、Novantrone(登録商標)、オクトレオチド、酢酸オクトレオチド、Oncospar(登録商標)、Oncovin(登録商標)、Ontak(登録商標)、Onxal(商標)、オプレルベキン(Oprevelkin)、Orapred(登録商標)、Orasone(登録商標)、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリタキセルタンパク質結合、パミドロネート、パニツムマブ、Panretin(登録商標)、Paraplatin(登録商標)、Pediapred(登録商標)、PEGインターフェロン、ペグアスパラガーゼ、ペグフィルグラスチム、PEG-INTRON(商標)、PEG-L-アスパラギナーゼ、ペメトレキセド、ペントスタチン、フェニルアラニンマスタード、Platinol(登録商標)、Platinol-AQ(登録商標)、プレドニゾロン、プレドニゾン、Prelone(登録商標)、プロカルバジン、PROCRIT(登録商標)、Proleukin(登録商標)、カルムスチンインプラントと共にプロリフェプロスパン20、Purinethol(登録商標)、ラロキシフェン、Revlimid(登録商標)、Rheumatrex(登録商標)、Rituxan(登録商標)、リツキシマブ、Roferon-A(登録商標)(インターフェロンα-2a)、Rubex(登録商標)、塩酸ルビドマイシン、Sandostatin(登録商標)、Sandostatin LAR(登録商標)、サルグラモスチム、Solu-Cortef(登録商標)、Solu-Medrol(登録商標)、ソラフェニブ、SPRYCEL(商標)、STI-571、ストレプトゾシン、SU11248、スニチニブ、Sutent(登録商標)、タモキシフェン、Tarceva(登録商標)、Targretin(登録商標)、Taxol(登録商標)、Taxotere(登録商標)、Temodar(登録商標)、テモゾロミド、テニポシド、TESPA、サリドマイド、Thalomid(登録商標)、TheraCys(登録商標)、チオグアニン、Thioguanine Tabloid(登録商標)、チオホスホアミド、Thioplex(登録商標)、チオテパ、TICE(登録商標)、Toposar(登録商標)、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、Trexall(商標)、Trisenox(登録商標)、TSPA、TYKERB(登録商標)、VCR、Vectibix(商標)、Velban(登録商標)、Velcade(登録商標)、VePesid(登録商標)、Vesanoid(登録商標)、Viadur(商標)、Vidaza(登録商標)、ビンブラスチン、硫酸ビンブラスチン、Vincasar Pfs(登録商標)、ビンクリスチン、ビノレルビン、酒石酸ビノレルビン、VLB、VM-26、ボリノスタット、VP-16、Vumon(登録商標)、Xeloda(登録商標)、Zanosar(登録商標)、Zevalin(商標)、Zinecard(登録商標)、Zoladex(登録商標)、ゾレドロン酸、Zolinza、Zometa(登録商標)
    (iii)次から選択される放射性医薬:炭素11、炭素14、クロム51、コバルト57、コバルト58、エルビウム169、フッ素18、ガリウム67、金198、インジウム111、インジウム113m、ヨウ素123、ヨウ素125、ヨウ素131、鉄59、クリプトン81m、窒素13、酸素15、リン32、レニウム186、ルビジウム82、サマリウム153、セレン75、ストロンチウム89、テクネチウム99m、タリウム201、トリチウム、キセノン127、キセノン133、イットリウム90及び
    (iv)次から選択される画像化剤:ガドリニウム、マグネタイト、マンガン、テクネチウム、I125、I131、P32、TI201、イオパミドール、PET-FDG
    から選択される、請求項45又は46のコンジュゲート、請求項51のアソシエイト、請求項52のナノ粒子又はマイクロ粒子又はリポソーム、又は請求項53の組成物。
  55. 疾患の処置、病気の処置、及び/又は、診断のための、請求項4546又は54に記載のコンジュゲート、又は請求項51に記載のアソシエイト、請求項52に記載のナノ粒子又はマイクロ粒子又はリポソーム。
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