JP7007060B2 - 基板材のエッチング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基板材のエッチング装置に関する。すなわち、電子回路基板の製造工程で使用される、基板材のエッチング装置に関するものである。
《技術的背景》
電子機器に用いられるプリント配線基板,その他の電子回路基板は、小型軽量化,極薄化,フレキシブル化等の進展が著しく、形成される電子回路も、高密度化,微細化が顕著である。
このような電子回路基板の代表的な製造工程については、次のとおり。まず、銅張り積層板よりなる基板材に、感光性レジスト(エッチングレジスト)が塗布又は貼り付けられる。
それから、回路のネガフィルムを当てて露光し、回路形成部分以外のレジストを、現像工程により溶解除去する。そして、露出した回路形成部分以外の銅箔を、エッチング工程により溶解除去してから、回路形成部分のレジストを剥離工程により溶解除去する。
もって、基板材外表面に残った回路形成部分の銅箔にて、電子回路が形成され、電子回路基板が製造される。
《一般例のエッチング装置1》
図6の(2)図は、このような電子回路基板の製造工程で使用される、エッチング装置1の一般例を示す。
このエッチング装置1では、コンベア2のホイール3にて搬送されワークつまり基板材Aの上下両面に、スプレーノズル4からエッチング液Bを噴射して、エッチングする。
図中、5はチャンバー、6は液槽、7はスプレーポンプ、8はスプレー管(シャワー管)である。Cは搬送方向(前後方向)、Dは上下方向を示す。
《従来例のエッチング装置9》
さて図3,図4,図5の(2)図は、エッチング装置9の従来例を示す。このエッチング装置9においても、上述した一般例のエッチング装置1と同様、コンベア2のホイール3にて水平搬送される基板材Aの両面に、上下,左右,前後に多数配されたスプレーノズル4から、スプレーゾーンZを介しエッチング液Bを噴射して、エッチングする。
そして上述した一般例に準じ、スプレーノズル4は、基板材Aとの上下間隔距離Eが90mm以上、相互間の左右ピッチ間隔Fが70mm以上、噴射圧が上側0.18Mpaで下側0.16Mpaで、設けられている。下側のスプレーノズル4は、傾斜することなく基板材Aに対し垂直に設けられていた。
ところで、このエッチング装置9では、前述した一般例とは異なり、上側についてスプレーノズル4は、垂直から斜めに傾斜した噴射角度αで、交互に左右方向Gに向けられている(図5の(2)図を参照)。
又、上側について、ストレートローラー製のダムロール10が、スプレーノズル4のスプレーゾーンZを介し前後対をなして配されると共に、搬送される基板材A上面に接すべく配設されている。
ところで、このような従来例のエッチング装置9については、次の第1,第2,第3の課題が指摘されていた。
《第1:エッチファクター,エッチレートの向上》
第1に、エッチファクター向上、エッチレート向上の要請が強かった。
すなわち、前述したように、電子回路基板そしてその電子回路については、高密度化,微細化の進展が著しく、エッチファクターのより一段の改善や、エッチレートのより一層の改善が、強く望まれていた。
これらについて、更に詳述する。形成される電子回路のパターンに関し、図7の(2)図は、断面が矩形の理想例を示す。(3)図は、これに近い断面よりなる良い例を示す。これに対し(4)図は、断面が急傾斜の台形状をなす悪い例を示す。図中、Lは回路幅(ボトム幅)、Tは頂面幅(トップ幅)、Sは回路間スペース、Hは回路高さ(深さ)である。
そしてエッチング装置9については、従来、高密度化,微細化が進む回路Kに対応すべく、より精度の高いエッチング、つまり図7の(3)図に示したように断面矩形に近く仕上がった回路Kパターン形成が、強く望まれていた。エッチファクター(Etch Factor)の一段の向上ニーズが、強まっていた。
又、このようなエッチングのスピードの向上、より一層のエッチレート(Etch Rate)の向上ニーズも強かった。
《第2:エッチング均一性の維持》
第2に、エッチング均一性の維持が、課題となっていた。
さて、上述したエッチファクター向上やエッチレート向上は、エッチング液Bが、より強いインパクトのスプレー打力(スプレーノズル4から噴射されたエッチング液Bが、基板材Aに衝突,噴射する時の強さ)により、実現される。そして、強いインパクトのスプレー打力は、スプレーノズル4と基板材A間の上下間隔距離Eを、より近くすることにより実現される。
すなわち、従来例のエッチング装置9において、スプレーノズル4を基板材Aに、より近づけることにより、すなわち従来例,一般例では、90mm以上であった上下間隔距離Eを、短く設定することにより、強いスプレー打力そしてエッチファクターやエッチレート向上が実現される。
しかしながら上下間隔距離Eを近づけると、エッチング均一性(ユニフォミティー)(Uniformity)が害され悪化する、という問題が生じてしまう。
この問題について、更に詳述する。噴射されたエッチング液Bは、ノーマルな状態においては、基板材Aの上面や下面の外表面を左右方向Gに流れ、基板材Aをエッチングした後、左右両サイドから流下,排出され、もって順次新鮮な液へと更新される。
これに対し、スプレーノズル4を近づけスプレー打力をより強くすると、形成される回路Kの深さや幅にバラツキが生じ、エッチング均一性が損なわれ易くなる。
すなわち、基板材Aの上面や下面の外表面について、a.スプレーノズル4の真下であるか否かでエッチング液Bのスプレー打力に差が生じる、b.エッチング液Bの流れ,更新が阻害される。c.エッチング液Bが飛散したり前後方向Cにも流れる、d.液溜まりや滞留が発生する。等々により、エッチングの過不足,遅速が発生してしまう。
従来のエッチング装置9にあっても、上側にダムロール10を設ける、上側のスプレーノズル4を傾斜させる等、基板材A上面のエッチング液Bの流れ規制策、つまりエッチング均一性の維持策が講じられていたが、強いスプレー打力への対応策としては不十分であった。
例えば、強いスプレー打力により、エッチング液Bが基板材Aから跳ね返って、前後方向Cに飛散する虞があった。又、噴射されたエッチング液Bが自然落下,自重落下するので、エッチング均一性に問題ないとされていた基板材Aの下面についても、強いスプレー打力の場合は、問題発生が懸念されていた。
エッチファクターやエッチレートの向上に伴い、エッチング均一性が損なわれることが指摘されており、大きな課題となっていた。
《第3:搬送安定性の確保》
第3に、搬送安定性の確保が、課題となっていた。
電子回路基板そして基板材Aは、軽量化,極薄化,フレキシブル化等の進展が著しい。そしてエッチング装置9では、基板材Aは、コンベア2の上下のホイール3群で挟まれて搬送される。
これに対し、上述したように基板材A上面のエッチング均一性維持策として、ダムロール10が設けられているが、その分だけ、代わりに上側のホイール3について、使用が控えられ欠如,削除されている。ホイール3に代え、ダムロール10が設けられていた次第である。
又、基板材A下面のエッチング均一性維持策として、要部について、ホイール3に代え新たにダムロールを設けることも検討されたが、その分だけ、代わりに下側のホイール3の使用が控えられ欠如,削減されてしまう。
これでは、軽量化,極薄化が著しい基板材Aを、安定搬送できない虞が生じ、搬送中の基板材Aの落下等の危険も指摘される。
そこで、前述したエッチファクター,エッチレートの向上、そしてエッチング均一性の維持に拘らず、基板材Aの搬送安定性が確保されることが要請されており、大きな課題となっていた。
《本発明について》
本発明の基板材のエッチング装置は、このような実情に鑑み、上記従来技術の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、エッチファクターやエッチレートが向上し、第2に、エッチング均一性が維持され、第3に、これらと同時に搬送安定性が確保される、基板材のエッチング装置を提案することを目的とする。
《各請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、特許請求の範囲に記載したように、次のとおりである。
請求項1については、次のとおり。
請求項1の基板材のエッチング装置は、電子回路基板の製造工程で使用され、コンベアにて搬送される基板材両面に、スプレーノズルからエッチング液を噴射して、エッチングする。そして、上下のダムロール,上側の液止めバー,下側の渡り治具を、有している。
該コンベアは、上下のホイール群で該基板材を挟んで搬送する。
該スプレーノズルは、搬送される該基板材に各スプレーゾーンで対向位置して、上下,左右,前後に多数配されると共に、左方向又は右方向に向け斜めに傾斜して配設されている。
該ダムロールは、ストレートローラーよりなり、該スプレーゾーンを介し前後対をなして配されると共に、搬送される該基板材に接すべく配設され、もって噴射された該エッチング液が、該基板材の上面や下面を前後に流れるのを規制する。
該液止めバーは、該エッチング液が該ダムロールを越えて、前後に流出するのを規制する。
該渡り治具は、左右,前後に多数配設され、もって搬送される該基板材の下面を当接保持する。
該スプレーノズルは、該基板材との間の上下間隔距離が、30mm以上~80mm以下に設定されており、もって該エッチング液が、強いインパクトのスプレー打力で該基板材に噴射される。
かつ該スプレーノズルは、噴射圧が0.1MPa以上~0.3MPa以下で、相互間の左右ピッチ間隔が30mm以上~60mm以下で、傾斜噴射角度が10度以上~30度以下に設定されている。
該渡り治具は、縦板状をなし、該ダムロールとその前後の該ホイールの軸との間に掛け渡されており、前後方向に直線状をなす上端縁が、該ダムロール付近を搬送される該基板材の下面に下側から接すること、を特徴とする。
請求項2については、次のとおり。
請求項2の基板材のエッチング装置では、請求項1において、該スプレーノズルと該基板材間の上記上下間隔距離の設定により、エッチファクターおよびエッチレートが向上する。
このような上記上下間隔距離の設定に拘らず、該スプレーノズルの上記左右ピッチ間隔や上記傾斜噴射角度の設定、および該ダムロールや該液止めバーの配設により、エッチング均一性が維持される。
そして、このような上下の該ダムロールの配設に拘らず、該渡り治具の配設により、該基板材の搬送安定性が確保されること、を特徴とする。
請求項3については、次のとおり。
請求項3の基板材のエッチング装置では、請求項2において、該ダムロールは、駆動されると共に上下で対向配設されており、もって該基板材を挟んで搬送することにより、該基板材の搬送安定性が更に確保されること、を特徴とする。
《作用等について》
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)エッチング装置では、コンベアで搬送される基板材の両面に、スプレーノズルからエッチング液を噴射してエッチングする。
(2)そして本発明では、スプレーノズルと基板材間の上下間隔距離が、30mm~80mmに設定されている。
(3)このように両者が接近しているので、エッチング液が強いスプレー打力で基板材に噴射され、エッチファクターやエッチレートが向上する。
(4)スプレーノズルの噴射圧は0.1Mpa~0.3Mpaであり、その能力を上げることなく、このような強いスプレー打力は実現される。
(5)ところで本発明は、上下のダムロールと、液止めバーと、スプレーノズルの密な左右ピッチ間隔30mm~60mmと、スプレーノズルの10度~30度の傾斜噴射角度等を、組み合わせて採用してなる。
(6)そこで、エッチング液が強いスプレー打力で噴射されるにも拘らず、前後への飛散,流出,インパクト差,液溜まり,滞留等の発生が防止されるようになる。エッチング液は、所期の通り基板材を左右に流れてエッチングした後、両サイドから流下,排出,更新される。
もって、エッチングの過不足,遅速は回避され、回路がバラツキなく形成され、エッチング均一性は維持される。
(7)ところで本発明では、多くのダムロールが設けられており、その分だけ、代わりにコンベアのホイールの使用が控えられ欠如,削減せしめられている。
(8)そこで本発明では、渡り治具が、ダムロール付近を搬送される基板材を、下側から保持してサポートする。
又、上下のダムロールが、搬送される基板材を挟んで、サポート搬送する。もって、ホイール数の減少にも拘わらず、搬送安定性が確保される。
(9)本発明のエッチング装置は、以上のように、エッチファクターやエッチレート向上にも拘わらず、エッチング均一性が維持される。そして、エッチング均一性維持にも拘わらず、搬送安定性が確保される。
渡り治具は、縦板状をなし、ダムロールとその前後のホイール軸との間に掛け渡されている。そして、直線状をなす上端縁が、搬送される基板材下面に、下側から接するようになっており、搬送安定性が確保される。
(10)そこで、本発明に係る基板材のエッチング装置は、次の効果を発揮する。
《第1の効果》
第1に、エッチファクターやエッチレートが向上する。
本発明のエッチング装置は、スプレーノズルと基板材間の上下間隔距離が近く設定されており、エッチング液が強いインパクトのスプレー打力で、基板材に噴射される。
そこで、エッチファクターが向上すると共にエッチレートも向上し、高密度化,微細化が進展する回路基板に確実かつ速やかに対応可能である。
《第2の効果》
第2に、エッチング均一性が維持される。
本発明のエッチング装置は、下側にもダムロールが配設され、上側には液止めバーが配設され、上下スプレーノズルについて、左右ピッチ間隔が密に設定されると共に、傾斜配設されている。
もって、エッチングの過不足,遅速は回避され、回路がバラツキなく形成される。上述したように、エッチファクターやエッチレート向上のため、スプレーノズルを基板材に近づけて、スプレー打力を高めたにも拘らず、エッチング均一性は維持される。
《第3の効果》
第3に、これらと同時に搬送安定性が確保される。
本発明のエッチング装置は、渡り治具が配設されており、基板材を下側から保持して搬送をサポートする。又、上下のダムロールが、基板材を挟んでサポート搬送する。
そこで、エッチング均一性維持のため、上述したように上下にダムロールを配設し、その分だけ、ホイールの使用が控えられたにも拘らず、搬送安定性は変わらず確保される。
このように、この種従来技術に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
本発明に係る基板材のエッチング装置について、発明を実施するための形態の説明に供し、要部の側面説明図である。 同発明を実施するための形態の説明に供し、(1)図は、要部の平面説明図、(2)図は、要部の底面説明図である。 従来例の説明に供し、要部の側面説明図である。 従来例の説明に供し、(1)図は、要部の平面説明図、(2)図は、要部の底面説明図である。 (1)図は、同発明を実施するための形態の説明に供し、要部の正面説明図である。(2)図は、従来例の説明に供し、要部の正面説明図である。 (1)図は、同発明を実施するための形態の説明に供し、渡り治具の側面図である。(2)図は、エッチング装置の一般例の側面図である。 電子回路基板の説明に供する。そして(1)図は、平面説明図である。(2)図,(3)図,(4)図は、回路の拡大した断面説明図であり、(2)図は理想例、(3)図は良い例、(4)図は悪い例を示す。 電子回路基板の説明に供し、回路の断面写真である。そして(1)図は、同発明を実施するための形態の説明に供し、(2)図は、従来例の説明に供する。 同発明を実施するための形態の説明に供し、エッチレートのグラフである。
以下、本発明について、図面を参照して詳細に説明する。
《本発明の概要》
まず、本発明の概要については、次のとおり。
本発明に係る基板材Aのエッチング装置11は、電子回路基板Jの製造工程で使用され、コンベア2にて搬送される基板材Aの両面に、スプレーノズル4からエッチング液Bを噴射してエッチングする。そして上下のダムロール10,12、上側の液止めバー13、下側の渡り治具14を、有している。
そしてまず、スプレーノズル4と基板材A間の上下間隔距離Eの設定により、エッチファクターやエッチレートが向上する。
そして、このような上下間隔距離Eの設定に拘らず、スプレーノズル4の左右ピッチ間隔Fや傾斜噴射角度αの設定、および上下ダムロール10,12や液止めバー13の配設により、エッチング均一性が維持される。
しかも、このような上下のダムロール10,12の配設に拘らず、渡り治具14の配設により、基板材Aの搬送安定性が確保される。
渡り治具14は、下側の左右,前後に多数配設され、もって搬送される基板材Aの下面を当接保持する。
すなわち渡り治具14は、縦板状をなし、ダムロール12とその前後のホイール軸15との間に掛け渡されている。そして、前後方向に直線状をなす上端縁が、そのダムロール12付近を搬送される基板材Aの下面に、下側から接するようになっている。
このように本発明は、エッチレートやエッチファクター向上に拘らず、エッチング均一性が維持される。そして、エッチング均一性が維持されるに拘わらず、搬送安定性が確保される。
本発明の概要については、以上のとおり。以下、このような本発明の基板材Aのエッチング装置11について、更に詳述する。
《電子回路基板Jについて》
本発明のエッチング装置11は、電子回路基板Jの製造工程で使用される。そこでまず電子回路基板Jについて、図7を参照して一般的に説明しておく。
プリント配線基板等の電子回路基板Jは、小型軽量化,極薄化,フレキシブル化等の進展が著しく、形成される電子回路Kも、高密度化,微細化が顕著である。
そして、その製造工程で使用される基板材Aは、絶縁基材に銅箔が張り付けられた銅張り積層板よりなる。そして、500mm×400mmサイズや、600mm×500mmサイズで、肉厚0.06mm×1.6mm程度のものが代表的である。
形成される電子回路Kについては、回路幅(ボトム幅)Lが5μm~40μm程度、回路間スペースSが5μm~40μm程度、回路高さ(深さ)Hが12μm~35μm程度のものが、多くなってきている。
電子回路基板Jは、表裏に電子回路Kが形成される両面基板よりなり、硬質のリジットタイプとフィルム状のフレキシブルタイプとに分けられるが、更に多層タイプ,その他各種タイプのものも出現している。本発明は、従来よりのプリント配線基板の外、このような各種タイプの電子回路Kにも、広く適用される。
このような電子回路基板Jの製造方法としては、サブトラクティブ法(前述した背景技術欄を参照)、セミアディティブ法,その他各種の製造方法が知られており、本発明は、このような各製造方法について適用される。例えば、ハーフエッチング,ソフトエッチング,クイックエッチング等でも使用される。
電子回路基板Jについては、以上のとおり。
《エッチング装置11》
以下、本発明のエッチング装置11について、説明する。まずエッチング装置11について、図1,図2,図5の(1)図等を参照して、一般的に説明する。
エッチング装置11は、上述した電子回路基板Jの製造工程で使用され、コンベア2にて水平搬送される基板材Aの上下両面に対し、上下のスプレーノズル4からエッチング液Bを噴射して、エッチング処理する。
エッチング液Bは、塩化第二銅,塩化第二鉄,その他の腐食液よりなり、基板材Aについて、露出した銅箔部分を溶解除去する。エッチング処理後のエッチング液Bは、図6の(2)図にも示したように、チャンバー5の液槽6へと流下,回収,貯留された後、スプレーポンプ7,フィルター,スプレー管8等を経由し、スプレーノズル4へと循環供給されて再使用される。
コンベア2は、上下のホイール3群で基板材Aを挟んで、搬送方向(前後方向)Cに搬送する。ホイール3は、例えば径32mmの駆動されるリングホイールよりなり、前後,左右,上下に多数配設されている。
多くのホイール3は、上下で対応位置しているが、下側スプレーゾーンZ上では上側のみに配設され、上側スプレーゾーンZ下では下側のみに配設されている。各ホイール3は、それぞれホイール軸15に取付けられている。
各ホイール軸15は、搬送方向Cに等ピッチ間隔で配列されている。勿論、ダムロール10,12が配設される箇所については、配列が欠如される。ダムロール10,12配設箇所については、ホイール軸15の配列そしてホイール3の配設が、控えられることになる。つまり、ホイール軸15やホイール3に代えて、ダムロール10,12が配設されている次第である。
そして、例えば15個のホイール3が、左右方向(幅方向)Gの各ホイール軸15に、それぞれ等ピッチ間隔で配設されるが、下側のスプレーゾーンZ付近に配設されるものについては、より少数個となっている。
すなわち下側は、搬送される基板材Aの落下防止のため、上側に比し、スプレーゾーンZにより近接してホイール軸15そしてホイール3が配設されるが、エッチング液Bの噴射の邪魔となることの回避のため、ホイール3の数が間引きされており少ない個数となっている。
各ホイール軸15は、チャンバー5内左右に設けられたホルダーフレーム(図示せず)間に、架設されている。なお、搬送方向(前後方向)Cに観察した場合、前後に位置する各ホイール3は、一部オーバーラップする位置関係で配設されている。
エッチング装置11の一般的説明については、以上のとおり。
《スプレーノズル4について》
まず、本発明のエッチング装置11のスプレーノズル4について、図1,図2,図5の(1)図等を参照して、説明する。
スプレーノズル4は、搬送される基板材Aに各スプレーゾーンZで対向位置して、上下,左右,前後に多数配されると共に、左方向又は右方向に向け斜めに傾斜して配設されている。
そして、基板材Aとの間の上下間隔距離Eが、30mm以上~80mm以下に設定されており、もってエッチング液Bが、強いインパクトのスプレー打力で基板材Aに噴射されるようになっている。
又、噴射圧が、0.1MPa以上~0.3MPa以下で、相互間の左右ピッチ間隔Fが、30mm以上~60mm以下で、傾斜噴射角度αが、10度以上~30度以下に設定されている。
このようなスプレーノズル4について、更に詳述する。スプレーノズル4は、上下方向D,左右方向G,前後方向Cに多数配設されている。図示例のスプレーノズル4は、長ノズルよりなる。
そしてまず、搬送方向(前後方向)Cについて観察した場合、前後に位置するスプレーノズル4相互間が、対応位置しないように、列をなすことがないように、左右方向(幅方向)Gに若干ずれた位置関係となっている。すなわち、前後のスプレーノズル4間が、搬送方向(前後方向)Cに各1列に並ばないように、左右方向Gにずれて配設されている。
もって基板材Aについて、噴射されたエッチング液Bにてスプレー打力を受ける箇所が、同じ軌跡で重ならないように配慮されている。
そしてスプレーノズル4は、次の各設定よりなる。
まず、上下のスプレーノズル4は、パスラインの基板材Aとの上下方向Dの上下間隔距離Eが、それぞれ、近くに接近すべく設定されている。もってエッチング液Bが、強いインパクトのスプレー打力で、基板材Aに噴射されるようになる(図1,図5の(1)図を参照)。
上下間隔距離Eは、30mm~80mmに設定される。30mm未満の場合は、スプレーノズル4が基板材Aに接近し過ぎとなり、エッチング液Bにて基板材Aが受けるスプレー打力差,インパクト差,強弱差が顕著化し、基板材Aでのエッチング液Bの跳ね返り,飛散も拡大する。
これに対し、80mmを越えると遠過ぎて、全体的にインパクト不足,スプレー打力不足,エッチング不足となる。
次に、上下のスプレーノズル4は、それぞれ、噴射圧が0.1MPa~0.3MPaに設定される。
0.1MPa未満の場合は弱過ぎて、エッチング液Bの基板材Aへのインパクト不足,スプレー打力不足,エッチング不足となる。これに対し、0.3MPaを越えると強過ぎて、インパクト差,スプレー打力差,強弱差が顕著化し、基板材Aでのエッチング液Bの跳ね返り,飛散が拡大する。
そこで例えば、上側のスプレーノズル4の噴射圧は0.18MPa、下側のスプレーノズル4の噴射圧は0.16MPaに設定される。
上下のスプレーノズル4は、それぞれ、搬送方向Cに向け順次は列設された各列について、左右方向Gの左右ピッチ間隔Fが、30mm~60mmに設定されている。
30mm未満の場合、スプレーノズル4の配設が困難化する。これに対し、60mmを越えると相互間隔が広過ぎて、スプレーノズル4との遠近差により、エッチング液Bのインパクト差,スプレー打力差,強弱差が顕著化する。
上下のスプレーノズル4は、それぞれ、左右方向Gに向け交互に、斜めに傾斜配設されている(図2,図5の(1)図を参照)。
すなわち、搬送方向Cに向けて列設された各スプレーノズル4は、その各列毎に左右方向Gの右方向又は左方向に順次、交互に向けられている。そして、右方向に向けられた列と、左方向に向けられた列とが、同数列設けられている。
このようなスプレーノズル4の傾斜配設により、基板材Aに噴射されたエッチング液Bの左右方向Gへの流れが促進される。もって、エッチング液Bの更新促進,液溜まり解消,滞留解消が図られる。
従って傾斜噴射角度αは、10度~30度に設定される。10度未満の場合は、エッチング液Bの流れが促進されないのに対し、30度を越えると、エッチング液Bのインパクト差,スプレー打力差,強弱差が顕著化する。
スプレーノズル4については、以上のとおり。
《ダムロール10,12について》
次に、本発明のエッチング装置11のダムロール10,12について、図1,図2を参照して、説明する。
上下のダムロール10,12は、ストレートローラーよりなり、スプレーゾーンZを介し前後対をなして配されると共に、搬送される基板材Aに接すべく配設されている。もって、噴射されたエッチング液Bが、基板材Aの上面および下面を前後に流れるのを規制する。
又、ダムロール10,12は、駆動されると共に、上下で対向配設されており、もって基板材Aを挟んで搬送する。
このような上下のダムロール10,12について、更に詳述する。このエッチング装置11では、コンベア2の前後ホイール3間を中心として形成される各スプレーゾーンZ、つまりエッチング液Bの各噴射スペースについて、その前後にそれぞれダムロール10,12が、対をなして配設されている。
上側の各スプレーノズル4の列に対応して、前後対をなすダムロール10がそれぞれ配設され、下側のスプレーノズル4の列に対応して、前後対をなすダムロール12がそれぞれ配設されている。
この上下のダムロール10,12は、例えば径16mmのストレートローラー製よりなる。そして左右方向Gに軸を向けて配設され、駆動付となっており、基板材Aに接触回転する。
そして、この多数のダムロール10,12は、スプレーノズル4から噴射されたエッチング液Bが、基板材Aの上面や下面を伝って前後方向Cに流れることを阻止する。すなわち、エッチング液Bが、左右方向Gのみに流れるように規制し、もってエッチング液Bの更新促進,液溜まり解消,滞留解消が図られている。
又、上下のダムロール10,12は、それぞれ上下で対向する位置に配設されており、もって、コンベア2で搬送される基板材Aを、挟んで搬送する。基板材Aは、コンベア2のホイール3による搬送が、このようなダムロール10,12により補助的にサポートされ、より安定的に搬送されるようになる。
ダムロール10,12については、以上のとおり。
《液止めバー13について》
次に、本発明のエッチング装置11の液止めバー13について、図1,図2の(1)図を参照して説明する。液止めバー13は、エッチング液Bが上側のダムロール10を越えて、前後に流出するのを規制すべく、上側に多数配設されている。
すなわち液止めバー13は、左右のホルダーフレーム(図示せず)間に、左右方向Gに固定架設され、もって各ダムロール10に対し僅かな間隔を存しつつ、より高く位置している。
そこで各液止めバー13は、エッチング液Bが、強いインパクトのスプレー打力で基板材Aに噴射されて、跳ね返り,飛散し,溢れ、もって各ダムロール10を越えて、前後方向Dに流出するのを規制する。ダムロール10だけでは溢れてしまうエッチング液Bを、より高位で規制する。
液止めバー13は、エッチング液Bが左右方向Gに流れるように規制する。つまり、ダムロール10による前述した更新促進,液溜まり解消,滞留解消を、補完する。
液止めバー13については、以上のとおり。
《渡り治具14について》
次に、本発明のエッチング装置11の渡り治具14について、図1,図2の(2)図,図6の(1)図等を参照して説明する。
渡り治具14は、下側の左右,前後に多数配設され、もって搬送される基板材Aの下面を当接保持する。
すなわち渡り治具14は、縦板状をなし、下側のダムロール12とその前後のホイール軸15との間に掛け渡されており、前後方向Cに直線状をなす上端縁が、そのダムロール12付近を搬送される基板材Aの下面に、下側から接する。
このような渡り治具14について、更に詳述する。図示例の渡り治具14は、縦板状をなすと共に、3個の係止穴16を備えている。そして、中央の係止穴16が、ダムロール12外周に形成された溝に、嵌入係止され、前後の係止穴16が、ダムロール12前後のホイール軸15に、外嵌係止される。
もって渡り治具14が、下側の各ダムロール12とその前後のホイール軸15との間に、掛け渡されている。そして上端縁が、前後方向Cに直線状をなしており、上側を搬送通過する基板材A下面を、下側から当接保持する。
このような渡り治具14が、下側の各ダムロール12について、それぞれ、左右方向Gに等ピッチで配設されている。もって、下側からの当接保持により、基板材Aの搬送をサポートするようになっている。
なお渡り治具14は、図示例以外にも各種構成のものが考えられる。例えば、係止穴16が2個よりなり、一方の係止穴16が、ダムロール12の溝に嵌入係止され、他方の係止穴16が、ホイール軸15に外嵌係止される構成も可能である。
《作用等》
本発明の基板材Aのエッチング装置11は、以上説明したように構成されている。そこで以下のようになる。
(1)エッチング装置11は、電子回路基板Jの製造工程で使用される。そして、コンベア2のホイール3群にて搬送されるワーク、つまり基板材Aの上下両面に対し、上下,左右,前後に多数配設されたスプレーノズル4から、エッチング液Bを噴射して、基板材Aの上下両面を、エッチングする(図1等を参照)。
(2)さて、電子回路基板Jそして電子回路Kについては、高密度化,微細化の進展が著しく、もって、エッチファクター向上やエッチレート向上の要請が、一段と強まっている。
このようなニーズに答えるべく、このエッチング装置11では、スプレーノズル4として長ノズルが用いられると共に、スプレーノズル4とパスラインの基板材Aとの間の上下間隔距離Eが、30mm~80mmに設定されている(図1,図5の(1)図を参照)。これに対し、従来例のエッチング装置9では通常、90mm以上であった(図3,図5の(2)図を参照)。
(3)このように、スプレーノズル4と基板材A間が近く接近しているので、エッチング液Bが強いインパクトのスプレー打力で基板材Aに噴射され、もって銅箔が溶解除去される。
従って、精度高いエッチングが実施され、断面が矩形に近く仕上がった回路Kが、パターン形成され(図7の(3)図を参照)、エッチファクターが向上する。更にエッチングに要する時間も短縮され、エッチングスピードそしてエッチレートが向上する。
(4)しかもこれは、スプレーノズル4の噴射圧やスプレーポンプ7(図6の(2)図を参照)の能力を、上げることなく実現される。スプレーノズル4の噴射圧(スプレー圧)は、従来通り0.1MPa~0.3MPa程度である。
(5)又、このように近い上下間隔距離Eに基づき、エッチング液Bが強いスプレー打力で基板材Aに噴射されるものの、エッチング均一性は維持される。
これらについて詳述すると、まず、このエッチング装置11では、次の各構成が採用されている。
・上側のみならず下側にも、ダムロール10,12が配設されている(図1,図2を参照)。これに対し、従来例のエッチング装置9では、上側にのみ配設であった(図3,図4を参照)。
・上側には、液止めバー13が配設されている(図1,図2の(1)図を参照)。
・上下のスプレーノズル4は、左右ピッチ間隔Fが30mm~60mmと密に設定されている(図2を参照)。これに対し、従来例のエッチング装置9では、70mm以上であった(図4を参照)。
・上下のスプレーノズル4は、10度~30度に設定された傾斜噴射角度αで、傾斜配設されている(図5の(1)図を参照)。これに対し、従来例のエッチング装置9では、上側のみの傾斜配設であった(図5の(2)図を参照)。
(6)このエッチング装置11は、このようなダムロール10,12と、液止めバー13と、スプレーノズル4の左右ピッチ間隔Fと、噴射角度αとを組み合せて採用したことにより、エッチング均一性が維持される。
すなわちエッチング液Bは、強いスプレー打力で噴射されるにも拘らず、基板材Aの上面や下面について、前後に飛散し,流れ,流出することなく、インパクト差も解消され、液溜まりや滞留も発生しない。エッチング液Bは、所期の通り、左右方向Gに流れて、基板材Aをエッチングした後、左右両サイドから流下,排出され、順次新鮮な液へと更新される。
打力が強化されたにも拘わらず、エッチングの過不足,遅速発生は防止され、回路Kが深さや幅にバラツキなく形成される。このように、エッチング均一性は、低下することなく従来と変わらず継続,維持される。
(7)ところで基板材Aは、コンベア2のホイール3群で、挟んで搬送される。これに対し本発明では、上下共に多くのダムロール10,12が、ホイール3に代えて設けられている。
すなわちコンベア2について、その分だけ、ホイール3の使用が削減され控えられており、多くのホイール3が、ダムロール10,12が設けられた箇所では、部分的に欠如せしめられている(図1,図2の(2)図と、従来例の図3,図4の(2)図とを、比較対照)。
そこでそのままでは、基板材Aの安定搬送に不安が生じてしまう。基板材Aは軽量化,極薄化,フレキシブル化が著しく、特に下側のホイール3の欠如,削減の増加は、搬送中の基板材Aの落下危険等が生じる等、基板材Aの挟みや保持が弱くなり不足する。
(8)さてそこで、このエッチング装置11では、渡り治具14が、下側の左右,前後に多数配設されており、コンベア2にてダムロール10,12付近を搬送される基板材Aを、下側から当接保持する(図1,図2の(2)図,図6の(1)図等を参照)。
渡り治具14は、コンベア2のホイール3による基板材Aの搬送を、サポートすべく機能する。
これに加え、上下の各ダムロール10,12も、補助的ではあるが、基板材Aを挟んで搬送する。ダムロール10,12は、前述したように、エッチング均一性をサポートする機能を発揮すると共に、このように、コンベア2による基板材Aの搬送をサポートする機能も発揮する。
このエッチング装置11では、このような渡り治具14とダムロール10,12により、ホイール3の減少にも拘わらず、基板材Aの保持や挟みが補強され、基板材Aの落下の危険等もなく、搬送安定性が変わらず確保される。
(9)以上のように、本発明のエッチング装置11は、上下間隔距離Eの設定により、エッチファクターやエッチレートが向上する。
そして、このような設定にも拘わらず、左右ピッチ間隔F,傾斜噴射角度αの設定や、上下ダムロール10,12,液止めバー13の配設等により、エッチング均一性が維持される。
そして、ホイール3数の減少にも拘わらず、渡り治具14や上下ダムロール10,12により、搬送安定性は低下することなく、従来通り確保される。
本発明の作用等については、以上のとおり。
以下、本発明の実施例について、説明する。
《実施例1》
まず、実施例1(エッチファクター)について、説明する。
図8は、電子回路基板J中央部における電子回路Kの縦断面写真であり、(1)図は本発明の実施例に関し、(2)図は従来例に関する。
すなわち、電子回路基板Jの製造工程(サブトラクティブ法)において、図8の(1)図は、本発明の実施例のエッチング装置11を用いてエッチングテストした結果、製造された電子回路基板Jの電子回路Kを示す。
これに対し図8の(2)図は、従来例のエッチング装置9を用いてエッチングテストした結果、製造された電子回路基板Jの電子回路Kを示す。
テスト対象の電子回路基板J,電子回路Kの仕様は、次のとおり(図7も参照)。
・基板:両面銅張り積層板
・基板サイズ:W510mm×L410mm
・銅箔厚H:上面側18μm、下面側18μm
・DF厚(感光性レジスト厚):15μm
・基材厚(絶縁基材の肉厚):150μm
・L/S(ボトム幅(回路幅)/回路間スペース):30μm/30μm
・Pitch(L/SのPitch):60μm
なお、L/Sは補正値40/20を観察。つまり幅40μmでスペース20μmの感光性レジストを使用。
エッチング処理条件は、次のとおり。
・スプレー圧:0.18MPa
・エッチング液:塩化第二銅(47℃)
・搬送速度:1.99m/min(実施例)
1.54m/min(従来例)
テストの結果、本発明の実施例と従来例とを比較すると、実施例によりパターン形成された図8の(1)図の回路Kは、図8の(2)図の従来例の回路Kに比し、エッチファクターに関し、断面がより矩形に近い理想形となった(図7の(3)図を参照)。
すなわち、製造された両者の電子回路基板Jについて、それぞれ、XY方向に等間隔の基板面内150の測定ポイントで、電子回路Kを断面観察した。すると、本発明の実施例は従来例に比し、エッチファクターが約1.1倍向上した。すなわちエッチファクターの平均値データが、実施例では約6.1、従来例では約5.5であった。
このように、本発明の作用効果であるエッチファクター向上が、実施例のエッチング装置11のテストデータによっても、裏付けられた。スプレーノズル4を基板材Aに対し、上下間隔距離Eを接近せしめた設定の採用により、より精度高い銅箔の溶解除去つまりエッチングが実現し、エッチファクターが向上することが、裏付けられた。
実施例1については、以上のとおり。
《実施例2》
次に、実施例2(エッチレート)について、説明する。
図9は、エッチレートのグラフである。この実施例2では、電子回路基板Jの製造工程(サブトラクティブ法)において、本発明の実施例のエッチング装置11および従来例のエッチング装置9を用いて、エッチレートについて、それぞれエッチングテストを実施した。
そして、形成される電子回路Kのボトム幅(回路幅)L(図7を参照)を、5秒間隔で計測した。すなわち、45秒~75秒までのエッチング時間について、5秒間隔で、形成される回路Kのボトム幅Lをそれぞれ計測した。
テスト対象の電子回路基板J,電子回路Kの仕様や、エッチング処理条件については、実施例1について前述した所に準じるが、次の点のみ相違する。
・DF厚(感光性レジスト厚):20μm
・L/S(ボトム幅(回路幅)/回路間スペース):25μm/25μm(補正なし)
・Pitch(L/SのPitch):50μm
テストの結果、所期のボトム幅25μmを得るのに、本発明の実施例では、約53.5秒であったのに対し、従来例では約62.5秒であった。実施例では53.5秒程度で済んだのに対し、従来例では62.5秒程度を要した(因みに、図9中ボトム幅40μmはエッチング当初の状態、ボトム幅15μmはエッチング過多の状態)。
このように、エッチレートがデータ上で約1.2倍向上する等、本発明の作用効果であるエッチレート向上が、実施例のエッチング装置11のテストデータによっても、裏付けられた。
スプレーノズル4を基板材Aに対し、上下間隔距離Eを接近せしめた設定の採用により、銅箔を溶解除去するのに要する時間が短縮され、エッチングスピードそしてエッチレートが向上することが、裏付けられた。
実施例2については、以上のとおり。
《実施例3》
次に、実施例3(エッチング均一性)について、説明する。
この実施例3では、本発明の実施例のエッチング装置11および従来例のエッチング装置9を用いて、ハーフエッチングを実施し、もってエッチング均一性についてテストを実施した。
すなわち、回路Kが存しないCCL基板について、その肉厚70μmの銅箔を、目標値35μmとしてハーフエッチングすることにより、エッチングテストし、もって、X、Y方向に等間隔の基板面内100の測定ポイントで、残銅厚を測定した。
テスト対象の仕様については、次のとおり。
・基板:両面銅張り積層板,CCL基板
・基板サイズ:W510mm×L410mm
・銅箔厚:70μm
なお、処理条件のエッチング時間やスプレー圧は表中に記載、エッチング液は塩化第二銅(47℃)を使用。
このようなテストの結果、次の表1および表2のデータが得られた。そしてデータ上、90%以上のエッチング均一性(ユニフォミティー)が、変わらず確保された。
すなわち表1および表2に示されたように、本発明のエッチング装置11によると、従来例のエッチング装置9と同等か、それ以上のエッチング均一性のデータが、上下面共に得られた。
Figure 0007007060000001
Figure 0007007060000002
表中のエッチング均一性(ユニフォミティー)の算出については、次のとおり。まず、測定された残銅厚(μm)に基づき、→平均残銅厚(μm)が得られる。→そして70(μm)から、該平均残銅厚(μm)を減算することにより、→平均エッチング量(μm)(表中記載)が算出される。
→それから、3×標準偏差(μm)(表中記載)/該平均エッチング量(μm)の値を、1から減算する。→もって、エッチング均一性(%)が算出される。
すると、表1や表2中に示したように、本発明のエッチング均一性は、上面95.0%、下面93.7%となり、従来例の上面91.2%、下面94.0%と、同じレベルのデータとなった。
因みに、表1や表2中に示されたように、標準偏差(μm)の値や、RつまりRange(残銅厚のMax―残銅厚のMin)についても、それぞれ本発明の実施例の方が従来例より若干低い値となり優れており、この面からも、エッチング均一性の維持が確認された。又、エッチレートについても、本発明は、従来例に比し短時間となり優れたデータが得られた。
このように、本発明の作用効果であるエッチング均一性の維持が、実施例のエッチング装置11のテストデータによっても、裏付けられた。
ダムロール10,12,液止めバー13,スプレーノズル4の左右ピッチ間隔F,噴射角度α等を、組み合わせて採用したことにより、スプレーノズル4の上下間隔距離Eの接近にも拘わらず、エッチング均一性の確保が裏付けられた。
実施例3については、以上のとおり。
A 基板材
B エッチング液
C 搬送方向(前後方向)
D 上下方向
E 上下間隔距離
F 左右ピッチ間隔
G 左右方向(幅方向)
H 回路高さ(深さ)
J 電子回路基板
K (電子)回路
L 回路幅(ボトム幅)
S 回路間スペース
T 頂面幅(トップ幅)
Z スプレーゾーン
α 傾斜噴射角度
1 エッチング装置(一般例)
2 コンベア
3 ホイール
4 スプレーノズル
5 チャンバー
6 液槽
7 スプレーポンプ
8 スプレー管
9 エッチング装置(従来例)
10 ダムロール
11 エッチング装置(本発明)
12 ダムロール
13 液止めバー
14 渡り治具
15 ホイール軸
16 係止穴


Claims (3)

  1. 電子回路基板の製造工程で使用され、コンベアにて搬送される基板材両面に、スプレーノズルからエッチング液を噴射して、エッチングするエッチング装置であって、上下のダムロール,上側の液止めバー,下側の渡り治具を、有しており、
    該コンベアは、上下のホイール群で該基板材を挟んで搬送し、該スプレーノズルは、搬送される該基板材に各スプレーゾーンで対向位置して、上下,左右,前後に多数配されると共に、左方向又は右方向に向け斜めに傾斜して配設されており、
    該ダムロールは、ストレートローラーよりなり、該スプレーゾーンを介し前後対をなして配されると共に、搬送される該基板材に接すべく配設され、もって噴射された該エッチング液が、該基板材の上面や下面を前後に流れるのを規制し、
    該液止めバーは、該エッチング液が該ダムロールを越えて前後に流出するのを規制し、
    該渡り治具は、左右,前後に多数配設され、もって搬送される該基板材の下面を当接保持し、
    該スプレーノズルは、該基板材との間の上下間隔距離が、30mm以上~80mm以下に設定されており、もって該エッチング液が、強いインパクトのスプレー打力で該基板材に噴射され、
    かつ該スプレーノズルは、噴射圧が0.1MPa以上~0.3MPa以下で、相互間の左右ピッチ間隔が30mm以上~60mm以下で、傾斜噴射角度が10度以上~30度以下に設定されており、
    該渡り治具は、縦板状をなし、該ダムロールとその前後の該ホイールの軸との間に掛け渡されており、前後方向に直線状をなす上端縁が、該ダムロール付近を搬送される該基板材の下面に下側から接すること、を特徴とする基板材のエッチング装置。
  2. 請求項1において、該スプレーノズルと該基板材間の上記上下間隔距離の設定により、エッチファクターおよびエッチレートが向上し、
    このような上記上下間隔距離の設定に拘らず、該スプレーノズルの上記左右ピッチ間隔や上記傾斜噴射角度の設定、および該ダムロールや該液止めバーの配設により、エッチング均一性が維持され、
    このような上下の該ダムロールの配設に拘らず、該渡り治具の配設により、該基板材の搬送安定性が確保されること、を特徴とする基板材のエッチング装置。
  3. 請求項2において、該ダムロールは、駆動されると共に上下で対向配設されており、もって該基板材を挟んで搬送することにより、該基板材の搬送安定性が更に確保されること、を特徴とする基板材のエッチング装置。
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