蒸気タービンは、主として、主蒸気が導かれる高圧タービン、再熱蒸気が導かれる中圧タービン、中圧タービンから排出された蒸気が導かれる低圧タービンで構成される。蒸気タービンにおいて、環境負荷低減のために高効率化が求められている。例えば、蒸気タービンの高圧部および中圧部の高温高圧化に伴い、内部車室と外部車室とを備える二重構造の車室が広く採用されている。
蒸気タービンの車室は、メンテナンス時の分解および組立を容易に行えるように、一般的に、タービンロータの回転軸中心線を含む水平面、またはその水平面近傍の水平面で車室上半と車室下半に2分割されている。
ここで、図8は、従来の車室201を備える蒸気タービン200の構成の概要を示す断面図である。なお、図8に示した断面は、タービンロータの軸方向に垂直な断面を示している。また、従来の車室201を備える蒸気タービン200は、例えば、高圧タービン、中圧タービン、高中圧タービンなどである。
図8に示すように、蒸気タービン200の車室201は、外部車室210と、この外部車室210内に設けられた内部車室220とを備える。なお、ここでは、下半側の一箇所に、蒸気タービン200内へ蒸気を導入する蒸気導入部205を備えた形態を例示している。
外部車室210および内部車室220は、タービンロータ230の回転軸中心線Oを含む水平面で上半と下半に2分割されている。具体的には、外部車室210は、外部車室上半211と、外部車室下半212とに2分割されている。内部車室220は、内部車室上半221と、内部車室下半222とに2分割されている。
外部車室上半211の下端の外側部には、外部上半フランジ部213が設けられている。外部車室下半212の上端の外側部には、外部下半フランジ部214が設けられている。内部車室上半221の下端の外側部には、内部上半フランジ部223が設けられている。内部車室下半222の上端の外側部には、内部下半フランジ部224が設けられている。
外部上半フランジ部213および内部上半フランジ部223の下端面は、水平面であり、外部車室上半211および内部車室上半221の下端面と同一平面上にある。外部下半フランジ部214および内部下半フランジ部224の上端面は、水平面であり、外部車室下半212および内部車室下半222の上端面と同一平面上にある。
そして、外部上半フランジ部213と外部下半フランジ部214は、ボルト240およびナット241で互いに締結されている。内部上半フランジ部223と内部下半フランジ部224は、ボルト250およびナット251で互いに締結されている。
図8に示す蒸気タービン200では、下半側の一箇所に蒸気導入部205を備えるため、外部車室210および内部車室220において、上記したようなボルト240、250およびナット241、251による締結が可能となる。
ここで、内部車室220において、ボルト250が内部下半フランジ部224に固定されている。具体的には、ボルト250の頭部250aが内部下半フランジ部224に接合されている。内部車室上半221が外された状態では、ボルト穴260を貫通するボルト250の一部がボルト穴260から上方に突き出た状態となる。なお、ボルト250の先端側には、ナット251と螺合するネジ部250bが形成されている。
このような蒸気タービン200では、メンテナンスの分解時には、まず、ボルト240およびナット241を取り外し、外部車室上半211を取り外す。続いて、ナット251を取り外し、内部車室上半221を取り外す。この際、ボルト250は、内部下半フランジ部224に接合されているため、下方に落ちない。
このような分解工程を経て、内部車室220内の静翼や動翼の状態を確認することができる。
しかしながら、蒸気タービンにおいて、蒸気タービン内へ蒸気を導入する方法は、蒸気タービンのレイアウト、性能、導入コスト、運用などの条件によって、適宜設定される。
例えば、蒸気タービンへの蒸気の導入方法として、上半側および下半側のそれぞれ一箇所から蒸気を導入する形態、上半側および下半側のそれぞれ二箇所から蒸気を導入する形態などがある。
また、例えば、上半側の一箇所から蒸気を導入する場合でも、上記した条件によっては、図8に示す内部車室220のナットの締結部分に蒸気を導入する構成を備えなければならないこともある。このような場合、ナットによる締結構造を採用することは困難となる。
図9は、上半側の一箇所から水平方向に蒸気を導入する蒸気導入部305を備える従来の車室301を備える蒸気タービン300の構成の概要を示す断面図である。
蒸気タービン300の車室301は、外部車室310と、この外部車室310内に設けられた内部車室320とを備える。
外部車室310は、タービンロータ330の回転軸中心線Oを含む水平面で、外部車室上半311と、外部車室下半312とに2分割されている。また、内部車室320は、内部車室上半321と、内部車室下半322とに2分割されている。
外部車室上半311の下端の外側部には、外部上半フランジ部313が設けられている。外部車室下半312の上端の外側部には、外部下半フランジ部314が設けられている。内部車室上半321の下端の外側部には、内部上半フランジ部323が設けられている。内部車室下半322の上端の外側部には、内部下半フランジ部324が設けられている。
ここで、蒸気タービン300内へ蒸気を導入する蒸気導入部305は、外部車室上半311および内部車室上半321に形成されている。また、蒸気導入部305は、外部上半フランジ部313および内部上半フランジ部323にも形成されている。
外部上半フランジ部313および内部上半フランジ部323の下端面は、図8に示した車室201と同様に、水平面である。また、外部下半フランジ部314および内部下半フランジ部324の上端面も、図8に示した車室201と同様に、水平面である。
図9に示すように、蒸気導入部305を備える部分における、外部車室上半311と外部車室下半312、および内部車室上半321と内部車室下半322は、下方から挿入されたボルトによって固定される。具体的には、外部上半フランジ部313および内部上半フランジ部323の下面側に、ネジ山を有するネジ穴315、325が備えられる。
そして、外部下半フランジ部314のネジ貫通穴316に挿入したボルト340をネジ穴315に螺合して、外部車室上半311と外部車室下半312とを固定する。また、内部下半フランジ部324のネジ貫通穴326に挿入したボルト350をネジ穴325に螺合して、内部車室上半321と内部車室下半322を固定する。
なお、蒸気導入部305を備える部分以外における上半車室と下半車室の固定方法は、図8に示した上半車室と下半車室の固定方法と同じである。すなわち、外部車室上半311と外部車室下半312は、ボルト360とナット361によって固定される。また、内部車室上半321と内部車室下半322は、ボルト370とナット371によって固定される。
このような蒸気タービン300では、メンテナンスの分解時には、まず、ボルト360、ナット361およびボルト340を取り外し、外部車室上半311を取り外す。
続いて、内部車室上半221を取り外す工程に入る。この際、外部車室下半312内に内部車室320を設置した状態では、ボルト350を外すことができない。
そのため、タービンロータカップリング結合部を一旦切り離し、タービンロータ330を治具により内部車室320と一体化した状態で吊り上げることにより、内部車室320を外部車室下半312から取り出す。その後、内部車室320は、専用の架台に設置され、その状態で内部車室320からボルト350およびナット371を外して、内部車室上半321を取り外す。
なお、ボルト370は、図8に示したボルト370と同様に、内部下半フランジ部324に接合されている。
このような分解工程を経て、内部車室320内の静翼や動翼の状態を確認することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の車室20を備える蒸気タービン1の構成の概要を示す断面図である。なお、図1に示した断面は、タービンロータの軸方向に垂直な断面を示している。図2は、図1のA-A断面を示す図である。なお、図2に示された断面は、一部の構造が省略されている。なお、車室20は、蒸気タービン車室として機能する。
図1に示すように、蒸気タービン1は、外部車室30と、外部車室30内に設けられた内部車室50とを有する二重構造の車室20を備える。また、蒸気タービン1は、内部車室50および外部車室30を貫通するタービンロータ10を備える。
ここで、蒸気タービン1として、例えば、高圧タービン、中圧タービン、高中圧タービンなどが例示できるが、特に限定させるものではい。蒸気タービン1としては、外部車室30と内部車室50を有する車室20を備えるものであればよい。
内部車室50の内周には、ダイヤフラム外輪11とダイヤフラム内輪12との間に支持された静翼13が配設されている。静翼13を周方向に複数備えることで静翼翼列を構成する。
また、内部車室50内において、タービンロータ10には、周方向に動翼(図示しない)が植設されている。この動翼を周方向に複数植設することで動翼翼列を構成している。この動翼翼列は、タービンロータ10の軸方向に、静翼翼列と交互になるように設けられている。そして、静翼翼列とこの静翼翼列の直下流の動翼翼列とで一つのタービン段落を構成する。
外部車室30および内部車室50は、例えば、タービンロータ10の回転軸中心線Oを含む水平面で上半と下半に2分割されている。具体的には、外部車室30は、外部車室上半31と、外部車室下半32とに2分割されている。内部車室50は、内部車室上半51と、内部車室下半52とに2分割されている。
なお、ここでは、タービンロータ10の回転軸中心線Oを含む水平面で上半と下半に2分割されている一例を示しているが、分割位置はこれに限られない。例えば、タービンロータ10の回転軸中心線Oを含む水平面よりも上方において水平面で上半と下半に2分割されてもよい。また、例えば、タービンロータ10の回転軸中心線Oを含む水平面よりも下方において水平面で上半と下半に2分割されてもよい。
外部車室上半31の下端の外側部には、外部上半フランジ部33A、33Bが設けられている。外部車室下半32の上端の外側部には、外部下半フランジ部34が設けられている。内部車室上半51の下端の外側部には、内部上半フランジ部53A、53Bが設けられている。内部車室下半52の上端の外側部には、内部下半フランジ部54が設けられている。
なお、ここで、後述する蒸気導入部70が構成されている部位における外部上半フランジ部、内部上半フランジ部は、それぞれ符号33B、53Bで示されている。また、蒸気導入部70が構成されていない部位における外部上半フランジ部、内部上半フランジ部は、それぞれ符号33A、53Aで示されている。
外部上半フランジ部33A、33Bおよび内部上半フランジ部53A、53Bの下端面35、55は、水平面であり、外部車室上半31および内部車室上半51の下端面31a、51aと同一平面上にある。
外部下半フランジ部34および内部下半フランジ部54の上端面34a、54aは、水平面であり、外部車室下半32および内部車室下半52の上端面32a、52aと同一平面上にある。
図1および図2に示すように、外部車室上半31および内部車室上半51には、蒸気タービン1内に蒸気を導入する蒸気導入部70が設けられている。ここでは、蒸気導入部70が、水平方向に設けられた一例を示している。
蒸気導入部70は、外部上半フランジ部33Bおよび外部車室上半31に設けられた蒸気通路36と、内部上半フランジ部53Bおよび内部車室上半51に設けられた蒸気通路56と、蒸気通路36と蒸気通路56とを連通させる筒状のスリーブ57とを備える。
スリーブ57は、例えば、蒸気通路36の入口36aから蒸気通路36の内周面および蒸気通路56の内周面に沿って設けられている。蒸気通路36の入口36aは、例えば、ボイラ(図示しない)などで加熱された過熱蒸気を導く蒸気管(図示しない)に連結される。
次に、蒸気導入部70が構成される部位における、外部車室上半31と外部車室下半32の締結部80、内部車室上半51と内部車室下半52の締結部90について説明する。
なお、図1および図2において、ボルト91の構造を明確にするため、ボルト91を断面図で示し、他のボルトやナットは断面図としていない。
蒸気導入部70が構成される部位における、締結部80および締結部90では、後述する、内部上半フランジ部53Aと内部下半フランジ部54のようなボルト96とナット97による締結ができない。そこで、締結部80および締結部90は、次のように構成される。
まず、外部車室上半31と外部車室下半32の締結部80について説明する。
締結部80は、ボルト81と、ネジ貫通穴37と、ネジ穴38とを備える。
ボルト81は、一端側に頭部81aを有し、他端側にネジ部81bを有する。
ネジ貫通穴37は、外部下半フランジ部34に形成され、ボルト81のネジ部81bを鉛直下方側から上方に貫通させる貫通穴である。
ネジ穴38は、外部上半フランジ部33Bの下端面35側に形成され、ボルト81のネジ部81bと螺合する穴である。ネジ穴38の内周面には、ネジ部81bと螺合するネジ山が形成さている。なお、ネジ穴38は、貫通孔ではなく、ネジ穴38の先端部は、閉塞している。
ここで、ボルト81のネジ部81bを外部下半フランジ部34のネジ貫通穴37を介して鉛直下方側からネジ穴38に挿入する。そして、ネジ穴38にネジ部81bを螺合して締付けることで、外部車室上半31と外部車室下半32とが締結される。
次に、内部車室上半51と内部車室下半52の締結部90について説明する。
締結部90は、締結部80と同様の構造を有し、ボルト91と、ネジ貫通穴58と、ネジ穴59とを備える。
ボルト91は、締結部材として機能し、一端側に頭部91aを有し、他端側にネジ部91bを有する。
ネジ貫通穴58は、内部下半フランジ部54に形成され、ボルト91のネジ部91bを鉛直下方側から上方に貫通させる貫通穴である。
ネジ穴59は、内部上半フランジ部53Bの下端面55側に形成され、ボルト91のネジ部91bと螺合する穴である。ネジ穴59の内周面には、ネジ部91bと螺合するネジ山が形成さている。なお、ネジ穴59は、貫通孔ではなく、ネジ穴59の先端部は、閉塞している。
ここで、ボルト91のネジ部91bを内部下半フランジ部54のネジ貫通穴58を介して鉛直下方側からネジ穴59に挿入する。そして、ネジ穴59にネジ部91bを螺合して締付けることで、内部車室上半51と内部車室下半52とが締結される。
なお、蒸気導入部70は、水平方向に設けられることに限られない。蒸気導入部70は、水平方向に対して入口側が上方、出口側が下方となるように傾斜して設けられてもよい。そして、車室20の構成としては、外部車室上半31および内部車室上半51に蒸気導入部70を設けることによって、図1および図2に示すように、内部上半フランジ部53Bと内部下半フランジ部54とをボルト91によって下方から締結する構成であればよい。
次に、蒸気導入部70が構成されていない部位における、外部車室上半31と外部車室下半32の締結部85、内部車室上半51と内部車室下半52の締結部95について説明する。
なお、締結部85および締結部95の構成は同じなので、ここでは、締結部95について主に説明する。
締結部95は、ボルト96と、ネジ貫通穴60、61と、ナット97とを備える。
ボルト96は、一端側に頭部96aを有し、他端側にネジ部96bを有する。
ネジ貫通穴60は、内部下半フランジ部54に形成され、ボルト96のネジ部96bを鉛直下方側から上方に貫通させる貫通穴である。
ネジ貫通穴61は、内部上半フランジ部53Aに形成され、ボルト96のネジ部96bを鉛直下方側から上方に貫通させる貫通穴である。
ここで、ボルト96の頭部96aは、内部下半フランジ部54に接合されている。また、ボルト96のネジ部96bは、ネジ貫通穴61を貫通し、上部に突き出た状態となる。
ナット97は、ネジ貫通穴61から上方に突き出たネジ部96bに螺合する。これによって、内部車室上半51と内部車室下半52とが締結される。
なお、ボルト96の頭部96aは内部下半フランジ部54に接合されているため、ナット97が取り外された状態でも、ボルト96は下方に落ちない。
上記した締結部95と同様に、外部車室上半31と外部車室下半32の締結部85は、ボルト86と、ネジ貫通穴39、40と、ナット87とを備える。
ボルト86は、一端側に頭部86aを有し、他端側にネジ部86bを有する。
ネジ貫通穴39は、外部下半フランジ部34に形成され、ネジ貫通穴40は、外部上半フランジ部33Aに形成されている。
なお、締結部85における締結方法は、上記した締結部95における締結方法と同じである。
ここで、図1および図2に示すように、内部車室上半51と内部車室下半52の締結部90の鉛直下方の外部車室下半32には、開口部41が形成されている。この開口部41は、締結部材であるボルト91が取り外された際、そのボルト91を外部車室下半32の外側に取り出すことができる寸法に設定されている。
開口部41は、例えば、締結部90の鉛直下方の外部車室下半32に形成された開口42と、この開口42の周囲を囲むように外部車室下半32に接合され、鉛直下方側に延びる筒状のフランジ43とを備える。
フランジ43の開口断面(水平断面)の形状は、例えば、矩形に構成されている。なお、フランジ43の開口断面の形状は、これに限られるもではない。開口42の形状や開口寸法、フランジ43を構成する筒体の形状やフランジ43の開口断面寸法は、ボルト91を外部車室下半32の外側に取り出すことができる寸法に設定されていればよい。
フランジ43の下端には、フランジ43の下端の開口を閉じる蓋部材44が設けられている。蓋部材44は、例えば、ボルト45によってフランジ43の下端に固定されている。なお、フランジ43の下面側には、ボルト45と螺合するネジ穴43aが形成されている。フランジ43の下端を蓋部材44で閉鎖することで、外部車室30の内部と、外部車室30の外部とを遮断できる。
次に、締結部材であるボルト91が締結部90から取り外されている際、ボルト91を支持する支持機構110について説明する。
図3は、第1の実施の形態の車室20において、ボルト91を取り外す工程における、図1のA-A断面に相当する断面図である。なお、図3では、フランジ43の下端の蓋部材44は、取り外されている。図4は、第1の実施の形態の車室20において、支持部材103を構成する板状部材105および固定部材106の断面を拡大して示した図である。
支持機構110は、例えば、ボルト91が締結部90から取り外された際、またはボルト91を締結部90に締結する際、下端部からボルト91を支持してボルト91の落下を防ぐ。
支持機構110は、図3に示すように、連通通路100、貫通通路101と、支持部材103とを備える。
連通通路100は、内部車室上半51の内部上半フランジ部53Bに形成され、締結部90に上方側から連通する貫通孔で構成される。すなわち、連通通路100の上端は、締結部90よりも上方に位置している。連通通路100の下端の開口は、ネジ穴59の上端に位置している。
貫通通路101は、締結部90を貫通する。ここで、ボルト91には、ボルト91の中心軸に沿って貫通する貫通孔102が形成されている。この貫通孔102は、ボルト91の中心軸に沿ってネジ部91bの先端から頭部91aの端部に亘って形成されている。
例えば、図2に示すように、ボルト91が取り付けられた状態において、貫通通路101は、ネジ穴59およびボルト91の貫通孔102で構成される。
例えば、図3に示すように、ボルト91が取り外された状態において、貫通通路101は、ネジ穴59、ネジ貫通穴58およびボルト91の貫通孔102で構成される。
支持部材103は、ボルト91をボルト91の下端部で支持する。
図3に示すように、支持部材103は、吊り部材104と、板状部材105と、固定部材106とを備える。
吊り部材104は、金属製のチェーン(鎖)や金属製のワイヤロープなどで構成される。吊り部材104は、連通通路100および貫通通路101を通して一端部がボルト91の下方まで延設される。
吊り部材104は、ボルト91を吊り下げることができる強度を有している。また、連通通路100および貫通通路101の通路断面は、吊り部材104が通過可能な形状およびサイズに設定されている。
なお、吊り部材104を使用するときには、外部車室上半31は取り外されている。そして、吊り部材104の他端は、例えば、クレーンなどに固定され、ボルト91を吊り下げ可能な状態になっている。
板状部材105は、例えば、金属製の平板で構成される。板状部材105は、例えば、ボルト91の頭部91aの下面と同サイズに形成される。なお、板状部材105は、例えば、頭部91aの下面よりも小さく形成されてもよい。
板状部材105のサイズをこのようにすることで、板状部材105が頭部91aを下方から支持した状態においても、頭部91aに下方から工具を嵌合して、ボルト91を締付けたり、取り外したりすることができる。
固定部材106は、板状部材105の頭部91a側の表面105aの中央に固定されている。固定部材106は、板状部材105をボルト91の頭部91aの下面に接触させた際、ボルト91の貫通孔102内に挿入される。
この固定部材106は、吊り部材104の一端を固定する。固定部材106は、例えば、フック状の部材で構成される。吊り部材104の一端を、固定部材106に引っかけることで、吊り部材104の一端が板状部材105に固定される。
なお、固定部材106は、フック状の部材に限られず、吊り部材104の一端を固定できるものであればよい。
そして、吊り部材104を上方に引っ張ることで、吊り部材104の一端が固定された板状部材105は、ボルト91の頭部91aの下面に接触する。このように、板状部材105は、頭部91aを下方から支持するように設けられる。
このような支持機構110を備えることで、工具によってボルト91を回転させたとき、ボルト91の頭部91aは、板状部材105の表面105a上を摺動する。そのため、吊り部材104は、ボルト91を回転させても捩られない。なお、板状部材105の表面105aは、摺動性に優れた構成とすることが好ましい。例えば、板状部材105の表面105aに、摺動部材をコーティングしてもよい。
また、支持機構110を備えることで、ボルト91のネジ部91bがネジ穴59のネジ山から完全に外れたときでも、ボルト91の落下や横倒しを防止できる。
ここで、蒸気タービン1のメンテナンスの分解工程に関して、内部車室上半51を取り外すまでの工程について説明する。
まず、図1に示す外部上半フランジ部33Aと外部下半フランジ部34と締結しているボルト86およびナット87を取り外す。さらに、外部上半フランジ部33Bおよび外部下半フランジ部34のボルト81を取り外す。
続いて、蒸気通路36と蒸気通路56とを連通させるスリーブ57を取り外す。そして、外部車室上半31を取り外す。
次に、内部上半フランジ部53Aと内部下半フランジ部54を締結しているナット97を取り外す。
続いて、開口部41のフランジ43に蓋部材44を固定しているボルト45を取り外して、蓋部材44を取り外す。
続いて、吊り部材104を連通通路100および貫通通路101に挿入し、吊り部材104の一端をボルト91の下方まで通す。また、吊り部材104の他端を、例えば、クレーンなどに固定する。
続いて、吊り部材104の一端を板状部材105の固定部材106に固定する。そして、クレーンで吊り部材104の他端を引き上げ、板状部材105をボルト91の頭部91aの下面に接触させる。
続いて、開口部41を介してボルト91を取り外すための工具を外部車室下半32内に挿入する。そして、ボルト91の頭部91aに下方から工具を嵌合して、ボルト91を取り外す。
ボルト91のネジ部91bがネジ穴59のネジ山から完全に外れたときに、図3に示すように、ボルト91は、支持機構110によって鉛直下方側から支持される。これによって、ボルト91が落下することはない。また、ボルト91は所定の長さを有するが、ボルト91の中心軸に沿う貫通孔102に吊り部材104が通っているため、横に倒れることもない。
なお、ボルト91の取り外し状態に応じて、クレーンを操作して、吊り部材104を下降させる。外れたボルト91は、開口部41から外部車室下半32の外部に取り出される。
続いて、吊り部材104の一端を板状部材105の固定部材106から外して、吊り部材104を連通通路100および貫通通路101から抜き出す。そして、内部車室上半51を取り外す。
このようにして、内部車室上半51が取り外される。内部車室上半51を取り外すことで、静翼や動翼の状態を確認することができる。
なお、内部上半フランジ部53Aと内部下半フランジ部54を締結しているナット97を取り外す工程と、内部上半フランジ部53Bと内部下半フランジ部54を締結しているボルト91を取り外す工程は、いずれを先に行ってもよい。
次に、蒸気タービン1のメンテナンスの組み立て工程に関して、内部車室上半51を取り付けるまでの工程について主に説明する。
まず、内部車室下半52上の所定の位置に内部車室上半51を置く。そして、吊り部材104を連通通路100および貫通通路101に挿入し、吊り部材104の一端を外部車室下半32の外部まで通す。
続いて、吊り部材104の一端部を外部車室下半32の外部に取り出されているボルト91の貫通孔102に通して貫通させる。
続いて、吊り部材104の一端を板状部材105の固定部材106に固定する。そして、クレーンで吊り部材104の他端を引き上げ、板状部材105をボルト91の頭部91aの下面に接触させる。クレーンで吊り部材104の他端をさらに引き上げ、ボルト91のネジ部91bをネジ貫通穴58を介してネジ穴59に挿入する。
続いて、開口部41を介してボルト91を取り付けるための工具を外部車室下半32内に挿入する。そして、ボルト91の頭部91aに下方から工具を嵌合して、ボルト91を締付ける。
続いて、内部上半フランジ部53Aの上方に突出しているボルト96のネジ部96bにナット97を取り付けて締付ける。
なお、ボルト91、ナット97を一旦締付けた状態で、再度ボルト91、ナット97を締付けて締結状態を調整することもある。
続いて、クレーンを操作して、吊り部材104を下降させ、板状部材105を外部車室下半32の外部に出す。そして、吊り部材104の一端を板状部材105の固定部材106から外す。
続いて、吊り部材104を連通通路100および貫通通路101から抜き出す。そして、ボルト45によって、開口部41のフランジ43に蓋部材44を固定する。
このようにして、内部車室上半51が取り付けられる。
なお、内部車室上半51の取り付け後、外部車室下半32上の所定の位置に外部車室上半31を置き、それぞれをボルト86およびナット87、ボルト81によって固定する。
上記したように、第1の実施の形態の車室20では、外部車室上半31および内部車室上半51に蒸気導入部70が設けられ、内部上半フランジ部53Bと内部下半フランジ部54とをボルト91によって下方から締結する構成であっても、内部車室50を外部車室下半32内に備えた状態で、内部車室上半51の取り外しや取り付けができる。
すなわち、第1の実施の形態の車室20では、内部車室50を外部車室下半32内に備えた状態で、内部上半フランジ部53Bと内部下半フランジ部54とを下方から締結するボルト91を取り外したり、取り付けたりすることができる。
このように、第1の実施の形態の車室20では、内部上半フランジ部53Bと内部下半フランジ部54とを下方から締結する構成を有しても、メンテナンス性に優れる。そして、車室20を備える蒸気タービンでは、メンテナンス工期を短縮することができる。
したがって、図9に示した従来構造のような、内部車室をタービンロータと一体にして、タービンロータを吊り上げて、タービンロータと一体の内部車室を、外部車室から取り外してはじめて内部車室を締結しているボルトの取り外しができる、という構造に比べて、本実施形態では、内部車室を外部車室下半に取り付けられた状態で、内部車室を締結しているボルトの取り外しができる。そのため、本実施形態の構成では、従来の構成よりも、メンテナンスに要する工程を短縮できる。
ここで、支持部材103の構造は、上記した構造に限られるものではない。図5は、第1の実施の形態の車室20において、他の構造の支持部材103の断面を拡大して示した図である。
図5に示すように、支持部材103は、吊り部材104と、板状部材120と、固定部材130とを備える。
吊り部材104は、前述したとおりである。
板状部材120は、例えば、金属製の平板で構成される。板状部材120の中央には貫通孔121が形成されている。
板状部材120は、例えば、ボルト91の頭部91aの下面と同サイズに形成される。なお、板状部材120は、例えば、頭部91aの下面よりも小さく形成されてもよい。板状部材120のサイズをこのようにする理由は、前述したとおりである。
固定部材130は、板状部材120の貫通孔121に配置される。この固定部材130は、金属部材で構成され、上端板131と、中間部132と、下端板133と、固定部134とを備える。
上端板131と下端板133は、例えば、平板で構成される。上端板131と下端板133の外形は、貫通孔121の内径よりも大きく構成される。そのため、固定部材130は、貫通孔121から外れることはない。
固定部134は、上端板131の頭部91a側の表面131aに固定されている。この固定部134は、吊り部材104の一端を固定する。固定部134は、例えば、フック状の部材で構成される。吊り部材104の一端を、固定部134に引っかけることで、吊り部材104の一端が固定部材130に固定される。
なお、固定部134は、フック状の部材に限られず、吊り部材104の一端を固定できるものであればよい。
中間部132は、円柱状の部材で構成され、中間部132の外径は、貫通孔121の内径よりも小さく形成されている。そして、中間部132は、ボルト91の中心軸を回転軸中心として回転可能なように、貫通孔121内に嵌っている。換言すると、ボルト91の中心軸を回転軸中心として、板状部材120が中間部132の周囲を回転可能なように構成されている。
なお、固定部材130の上端板131および固定部134は、板状部材120をボルト91の頭部91aの下面に接触させた際、ボルト91の貫通孔102内に挿入される。
このような支持部材103を備えることで、ボルト91の締め込みまたは取り外しの際、例えば、板状部材120がボルト91とともに回転しても、固定部材130は回転しない。これによって、吊り部材104は、ボルト91を回転させても捩られない。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態の車室21では、内部上半フランジ部53Bと内部下半フランジ部54とを締結する締結部140および締結部材の構成が、第1の実施の形態の車室20における締結部90および締結部材の構成と異なる。ここでは、この異なる構成について主に説明する。
図6は、第2の実施の形態の車室21における、図1のA-A断面に相当する断面図である。なお、図6に示された断面は、一部の構造が省略されている。また、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
蒸気導入部70が構成される部位における内部車室上半51と内部車室下半52の締結部140について説明する。
なお、図6において、植込ボルト150およびナット160の構造を明確にするため、植込ボルト150およびナット160を断面図で示し、他のボルトやナットは断面図としていない。
内部車室上半51と内部車室下半52の締結部140について説明する。
締結部140は、植込ボルト150と、植込ボルト固定部152と、ネジ貫通穴58と、ナット160とを備える。
植込ボルト150は、例えば、一端側に第1ネジ部150aを有する。植込ボルト150は、例えば、他端側に第2ネジ部150bを有する。
植込ボルト固定部152は、植込ボルト150を内部上半フランジ部53Bに固定する。この植込ボルト固定部152は、例えば、内部上半フランジ部53Bの下端面55側に形成されたネジ穴59と、植込ボルト150の他端側の第2ネジ部150bとを備える。
この場合、第2ネジ部150bは、ネジ穴59に螺合し、植込ボルト150は、内部上半フランジ部53Bに固定された状態となっている。
なお、植込ボルト固定部152の構成は、この構成に限らない。植込ボルト固定部152は、ネジ穴59の代わりに、内部上半フランジ部53Bの下端面55側に形成された嵌合穴と、第2ネジ部150bの代わりに、植込ボルト150の他端側を構成する柱体状端部とで構成されてもよい。
なお、柱体状端部は、円柱等の柱体で構成される。また、嵌合穴の形状は、この柱体状端部の形状に対応して形成され、柱体状端部の形状よりも少し大きく構成される。
この場合、植込ボルト150の他端側の柱体状端部を嵌合穴に挿入する。そして、柱体状端部と内部上半フランジ部53Bは、例えば、溶接などで固定される。
植込ボルト150には、植込ボルト150の中心軸に沿って貫通する貫通孔151が形成されている。この貫通孔151は、植込ボルト150の中心軸に沿って第2ネジ部150bの先端から第1ネジ部150aの先端に亘って形成されている。
ネジ貫通穴58は、内部下半フランジ部54に形成され、植込ボルト150の第1ネジ部150aを鉛直下方側に貫通させる貫通穴である。ネジ貫通穴58の下方には、第1ネジ部150aが突出している。
ナット160は、締結部材として機能し、内部下半フランジ部54から鉛直下方に突出する第1ネジ部150aに取り付けられる。ナット160を第1ネジ部150aに螺合して締付けることで、内部車室上半51と内部車室下半52とが締結される。
次に、締結部材であるナット160が締結部140から取り外されている際、ナット160を支持可能な支持機構110について説明する。
図7は、第2の実施の形態の車室21において、ナット160を取り外す工程における、図1のA-A断面に相当する断面図である。なお、図7では、フランジ43の下端の蓋部材44は、取り外されている。
支持機構110は、例えば、ナット160が締結部140から取り外された際、またはナット160を締結部140に締結する際、下端部からナット160を支持してナット160の落下を防ぐ。
支持機構110は、連通通路100、貫通通路170と、支持部材103とを備える。
連通通路100は、第1の実施の形態と同様に、内部車室上半51の内部上半フランジ部53Bに形成され、締結部140に上方側から連通する貫通孔で構成される。
貫通通路170は、締結部140を貫通する。例えば、図6に示すように、ナット160が取り付けられた状態において、貫通通路170は、ネジ穴59および植込ボルト150の貫通孔151で構成される。
例えば、図7に示すように、ナット160が取り外された状態において、貫通通路170は、ネジ穴59、ネジ貫通穴58および植込ボルト150の貫通孔151で構成される。
支持部材103は、ナット160を下端部で支持する。
図7に示すように、支持部材103は、吊り部材104と、板状部材105と、固定部材106とを備える。なお、支持部材103の構造は、第1の実施の形態の支持部材103の構造と同じである。
ここで、吊り部材104は、連通通路100および貫通通路170を通して一端が植込ボルト150の下方まで延設される。板状部材105は、例えば、ナット160の下面と同サイズ、または、ナット160の下面よりも小さく形成される。
このような構成を備えることで、工具によってナット160を回転させたとき、ナット160の下面は、板状部材105の表面105a上を摺動する。そのため、吊り部材104は、ナット160を回転させても捩られない。
なお、支持部材103の構造は、図5に示した構造と同じ構造としてもよい。
このような支持機構110を備えることで、第1の実施の形態と同様に、吊り部材104は、ナット160を回転させても捩られない。また、支持機構110を備えることで、ナット160が植込ボルト150から完全に外れたときでも、ナット160の落下などを防止できる。
ここで、蒸気タービンのメンテナンスの分解工程に関して、内部車室上半51を取り外すまでの工程について説明する。
なお、第1の実施の形態で説明した工程と同一の工程の説明は、省略する。ここでは、外部車室上半31が取り外され、内部上半フランジ部53Aと内部下半フランジ部54を締結しているナット160が取り外され、蓋部材44が取り外された後の工程を説明する。
吊り部材104を連通通路100および貫通通路170に挿入し、吊り部材104の一端を植込ボルト150の下方まで通す。また、吊り部材104の他端を、例えば、クレーンなどに固定する。
続いて、吊り部材104の一端を板状部材105の固定部材106に固定する。そして、クレーンで吊り部材104の他端を引き上げ、板状部材105を植込ボルト150の下面に接触させる。
続いて、開口部41を介してナット160を取り外すための工具を外部車室下半32内に挿入する。そして、ナット160に下方から工具を嵌合して、ナット160を取り外す。
ナット160が植込ボルト150から完全に外れたときに、ナット160は、支持機構110によって下方側から支持される。これによって、ナット160が落下することはない。
なお、ナット160の取り外し状態に応じて、クレーンを操作して、吊り部材104を下降させる。外れたナット160は、開口部41から外部車室下半32の外部に取り出される。
なお、この後の工程は、第1の実施の形態で説明した工程と同じである。
次に、蒸気タービンのメンテナンスの組み立て工程に関して、内部車室上半51を取り付けるまでの工程について主に説明する。
まず、内部車室下半52上の所定の位置に内部車室上半51を置く。そして、吊り部材104を連通通路100および貫通通路170に挿入し、吊り部材104の一端を外部車室下半32の外部まで通す。
続いて、吊り部材104の一端を外部車室下半32の外部に取り出されているナット160の内部に通して貫通させる。
続いて、吊り部材104の一端を板状部材105の固定部材106に固定する。そして、クレーンで吊り部材104の他端を引き上げ、板状部材105をナット160の下面に接触させる。クレーンで吊り部材104の他端をさらに引き上げ、ナット160を植込ボルト150の第1ネジ部150aに嵌合させる。
続いて、開口部41を介してナット160を取り付けるための工具を外部車室下半32内に挿入する。そして、ナット160に下方から工具を嵌合して、ナット160を締付ける。
なお、この後の工程は、第1の実施の形態で説明した工程と同じである。
上記したように、第2の実施の形態の車室21では、外部車室上半31および内部車室上半51に蒸気導入部70が設けられ、内部上半フランジ部53Bと内部下半フランジ部54とをナット160によって下方から締結する構成であっても、内部車室50を外部車室下半32内に備えた状態で、内部車室上半51の取り外しや取り付けができる。
すなわち、第2の実施の形態の車室21では、内部車室50を外部車室下半32内に備えた状態で、内部上半フランジ部53Bと内部下半フランジ部54とを下方から締結するナット160を取り外したり、取り付けたりすることができる。
このように、第2の実施の形態の車室21では、内部上半フランジ部53Bと内部下半フランジ部54とを下方から締結する構成を有しても、メンテナンス性に優れる。そして、車室20を備える蒸気タービンでは、メンテナンス工期を短縮することができる。
なお、上記した実施の形態では、外部車室30と、外部車室30内に設けられた内部車室50とを有する二重構造の車室20を例示して説明したが、例えば、三重構造以上の車室においても本実施の形態の構成は適用できる。
以上説明した実施形態によれば、外部車室と内部車室を備え、上半側に蒸気導入部を有し、下方から締結部材によって内部車室上半と内部車室下半を固定する構成を備える蒸気タービン車室において、内部車室を外部車室下半に備えた状態でメンテナンスが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。