JP7004342B2 - 塗装被覆成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、金型内で成形した樹脂成形品の表面を樹脂成形品の溶融樹脂の粘度よりも低粘度流体の被覆剤で被覆し、それを硬化させて被覆する塗装被覆成形品に関すもので、特に、金型内で成形した樹脂成形品の表面に塗布する塗装被覆成形品に関するものである。塗装被覆成形品を観察すれば2色成形、多色成形する技術に近似しており、樹脂成形品の塗布した被膜を薄くすることができる。
例えば、特許文献1には、金型内で成形した樹脂成形品の表面と、金型キャビティ面との間に被覆剤を注入し、被覆剤を金型内で硬化させ、樹脂成形品の表面に被覆剤が密着一体化した成形品を得ている。
この型内塗装用金型は、主キャビティの外側全周に該主キャビティの背面の一部を構成する副キャビティと、該副キャビティの反塗装面側外周部内側において該副キャビティ内に進退する可動中子と、該可動中子に対向する位置に高温部を備えている。
故に、この型内塗装用金型によれば、可動中子により、金型副キャビティ面に樹脂成形品の副キャビティ部分の外周部付近が押し付けられる。このため、特許文献1によれば、樹脂成形品の副キャビティ部分の外周部付近が金型副キャビティ面に押し付けられた部分より外側には塗料が漏れ出すことがない。
また、この型内塗装用金型によれば、副キャビティの可動中子に対向する位置に高温部を設けることにより、瞬間的に塗膜を硬化させることができる。これにより、特許文献1の発明では、金型外部への塗膜の漏れを確実に防止できる。
加えて、特許文献2乃至特許文献5には、樹脂成形品の表面に被覆剤が密着一体化する成形品を得る方法が開示され、公知である。
特開2002-172657号公報 特許第3843833号明細書 特許第3820332号明細書 特開2006-256088号公報 特開2009-220327号公報
前述した特許文献1の技術では、副キャビティの反塗装面側の外周部内側にある可動中子により樹脂成形品の副キャビティ部分の塗装面側の外周部内側付近が金型副キャビティ面に押し付けられ、被覆剤(塗膜)が外側に漏れ出すのを防止している。
しかしながら、特許文献1の技術では、樹脂成形品の主キャビティ部の外周全周において副キャビティ部と主キャビティ部の背面の一部とは一体に成形されており、金型を微少開いて被覆剤を注入する際には、樹脂成形品の主キャビティ部は被覆剤注入圧やその後の再型締め動作による金型キャビティ内圧により反塗装面側の金型キャビティ面に押し付けられるのに反して、副キャビティ部分は可動中子により塗装面側の金型副キャビティ面へ押し付けられる。
そこで、特許文献1の技術では、一体の樹脂成形品である主キャビティ部と副キャビティ部との間で、それぞれが反対方向に押し付けられる。これにより、製品となる主キャビティ部へ無理なストレスが加わり、製品の変形等をまねく懸念があると共に、副キャビティ部に対しても、本来の目的である被覆剤の外部への漏れを防ぐシール圧力に関して、主キャビティ部から及ぶ変形や、被覆剤の注入、再型締め時の内圧の影響を受けるために不確実なものとなる可能性がある。
これらの可能性を小さくするために副キャビティ内に薄肉部を設けることも記載されているが、この薄肉部は前記変形や圧力を受けても破損しない強度を備えていなければならないから、その効果は限定的なものとなる。
加えて、この技術では、副キャビティ部と一体となっている主キャビティ部の背面側(反被覆面側金型キャビティ面)に被覆剤を流し入れることはできないし、製品形状に沿って副キャビティ部をカットする後工程も複雑で高い精度が要求される。
例えば、最終製品を別部品の上に重ねて取付ける場合、被覆された製品面と前記別部品とのわずかな取付け隙間から後工程でカットされた非被覆面が見え、外部から見た意匠性において問題となる。このため、取付け方法自体が制約を受けるので、反被覆面側にいくらかでも被覆剤を廻すことができ、この制約を解消できるとしている。
特許文献2乃至特許文献5等に代表される従来の技術は、押圧部を持たず、シール性能が副キャビティの形状によってのみ決定されるものが殆どで、樹脂の種類や被覆剤の種類が変わって、それぞれの粘度が変わるとその度に形状の寸法検討、試行錯誤をしなければならない。また、形状によるシール性能は部分的に均一でない可能性や量産において形状が経時的に変化する可能性等も含め確実なシール性能とは言えない。
例えば、特許文献5は、キャビティと離間して外側全周に位置する補助キャビティにキャビティから必要最小限の断面積を持つ貫通部に溶融樹脂を流通させることによって、パーティング面シール部材を成形する。加えて、補助キャビティ形成溝及び補助キャビティ形成面に対してパーティング面シール部材を圧接させるために、アーム部の傾斜面が、該傾斜面に密着したパーティング面シール部材の押圧面を押圧するものである。
しかし、特許文献1乃至特許文献5の発明は、2色成形を前提とする技術であり、原理的には、金型内で成形した樹脂成形品の表面を樹脂成形品の溶融樹脂の粘度よりも低粘度流体の被覆剤で被覆するものであるが、低粘度流体の被覆剤の流れの影響が被覆に生じ、被覆剤の厚みを1mm程度以上とする必要があった。それでも、被覆剤の流れの影響が被覆に現れる現象が生じていた。
そこで、本発明は上記問題点を解消すべく、最大塗膜の膜厚がポリウレタン塗膜の被覆であっても、金型間にバリが生ぜず、「流体特性(圧力エネルギ、速度エネルギ、位置エネルギ)」の急激な被覆剤の空気による巻き込みの影響が被覆に生じ難い塗装被覆成形品の提供を課題とするものである。
請求項1の発明に係る塗装被覆成形品は、金型内で成形した樹脂成形品の表面を、前記樹脂成形品の溶融樹脂の粘度よりも低粘度の塗膜で被覆する塗装被覆成形品であって、前記塗装被覆成形品の表面を被覆する2液混合タイプのポリウレタン塗料の塗膜は、厚みが0.2mm以上のポリウレタン塗膜として使用できる。金型相互間のインローを精度1/100mmより良くし、更に、ベルヌーイの定理を圧力p[Pa]、密度ρ[kg/m3]、速度V[m/s]、高さz[m]、重力加速度 g[m/s2] で現わすとき、「速度エネルギ」を所定の範囲内に固定するものである。
このとき、金型内で成形した樹脂成形品の表面を、前記樹脂成形品の溶融樹脂の粘度よりも低粘度の樹脂塗料で被覆する塗装被覆成形品の表面に被覆する樹脂塗料は、厚みが新規に可能になった0.1mmから、多色成形の公知の0.8mmのポリウレタン塗膜以上まで成型できる。
また、塗装被覆成形品において、金型相互間のインローを精度1/100mm以下とした従来からの公知の精度のインロー加工であっても、無いよりはあった方が良いことが確認された。実用的な効果が表れる金型相互間のインローの精度は、1/1000mm~7/1000mmの範囲内とするのが好ましい。
そして、ベルヌーイの定理を、流体の圧力p[Pa]、密度をρ[kg/m3]、速度(流速)V[m/s]、高さz[m]、重力加速度 g[m/s2] で現わすと、p+ρV2/2+ρ gz = Const(一定)で、「圧力エネルギ」+「速度エネルギ」+「位置エネルギ」の和が等しくなるように「流体特性(圧力エネルギ、速度エネルギ、位置エネルギ)」の断面積をConst(一定)にするように制御する。このとき、速度Vは流体の速度[m/s]であり、入出力の流体の速度VをConst(一定)とするものである。逆に、速度V[m/s]をconst(一定)でなくなったときには、それをもって充填終了とすることができる。
請求項1の発明の溶融樹脂の粘度よりも低粘度の塗膜で被覆する塗装被覆成形品の表面を被覆する2液混合タイプのポリウレタン塗料の塗膜は、被覆する塗膜は薄く、厚みが0.2mm以上のポリウレタン塗膜とし、かつ、金型相互間のインローを精度1/100mmより良くしたものである。
更に、ベルヌーイの定理を圧力p[Pa]、密度ρ[kg/m3]、速度V[m/s]、高さz[m]、重力加速度 g[m/s2] で現わすと、「速度エネルギ」を固定し、「圧力エネルギ」及び「位置エネルギ」を変量とするものである。
したがって、速度V[m/s]の違いは、その自乗に影響することから、その速度V[m/s]をConst(一定)とし、誤差をそれだけでも少なくするものである。
ベルヌーイの定理の流体の圧力p[Pa]、密度をρ[kg/m3]、速度(流速)V[m/s]、高さz[m]、重力加速度 g[m/s2] で現わすと、p+ρV2/2+ρ gz = Const(一定)で、「圧力エネルギ」+「速度エネルギ」+「位置エネルギ」の和が等しくなるように「流体特性(圧力エネルギ、速度エネルギ、位置エネルギ)」をConst(一定)にすることは、重力加速度を g[m/s2]が変化しないから、流体の圧力p[Pa]、高さz[m]によって対応することになるから、概略的な誤差の少ない値が出せる。
このとき、金型内で成形した樹脂成形品の表面に、前記樹脂成形品の溶融樹脂の粘度よりも低粘度の塗膜で被覆する塗装被覆成形品の表面に被覆する塗膜は、空気の巻き込みを生じさせない厚みが0.2mmのポリウレタン塗膜としているから、薄手のポリウレタン塗膜の被覆を形成できる。
また、塗装被覆成形品において、金型相互間のインローを精度1/100以下とし、従来からのインローの精度であっても、無いよりはあった方が良いことが発明者らに確認された。金型相互間のインローの精度は1/1000mm~7/1000mmの範囲内とする方が好ましくバリの発生を抑止できる。
図1はポリウレタン塗料の粘度特性を示す粘性特性図である。 図2はイソシアネートAとポリオールBとの混合を行った場合の温度と粘性の関係を示す特性表図である。 図3は成形品のバリの発生(a)、バリの巻き込み処理(b)を説明する説明図である。 図4はインローの原理を説明する説明図で、(a)は上金型の斜視図、(b)は下型の斜視図を分解した状態の説明図である。 図5はインローを説明する下金型の事例の説明図である。 図6はインローを説明する図5の切断線A-Aの下金型の事例の説明図である。 図7はインローを説明する上金型の事例の説明図である。 図8はインローを説明する図7の切断線B-Bの上金型の事例の説明図である。 図9はインローを説明する上金型及び下型の説明図である。 図10はインローを説明する下金型の説明図である。 図11はインローを説明する上金型の説明図である。 図12は塗装被覆成形品 (サイドモール)で、(a)はその長さ方向を示す平面図、(b)は正面図、(c)は背面図である。 図13は本発明の実施の形態の塗装被覆成形品を示す成形品(a)及び断面の面積を取得する概念を示す説明図(b)である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
[実施の形態]
図1及び図2において、ポリウレタン塗料等の樹脂(75℃)の粘度は97(mPa・s)である。因みに、20℃の水の粘度は1.0(mPa・s)であり、一般合成樹脂の260℃の温度の粘度は1.0×105~1.0×106(mPa・s)であるから、ポリウレタン(75℃)の粘度は水の粘度に近似している。また、一般合成樹脂の260℃の温度の粘度は、1.0×105~1.0×106(mPa・s)であり、一般論からしてポリウレタン(75℃)の粘度が一般樹脂の1000~10000倍粘度が低く、水に近い粘度であることがわかる。これに対して、一般合成樹脂の260℃の温度の粘度は、成形温度が高いばかりか、260℃の温度で粘度は1.0×105(mPa・s)と射出成型の管理が難しい。そこで、本実施の形態では、ポリウレタン(75℃)を使用することとする。
因みに、イソシアネートA(Puronate 960/1)とポリオールB(Puroclear 3351 IT)の関係を、2液混合タイプのポリウレタン樹脂(塗料)を例に説明する。
本発明を実施する場合の樹脂塗料は、ウレタン結合を有する共重合からなるポリマーのことで、高い基材密着性、反発弾性を有する皮膜特性、伸びと硬さのバランスを特徴として挙げることができる。即ち、イソシアネートAとポリオールBとの2液混合タイプで、70℃以上、即ち、70℃~80℃で液混合タイプの粘性が柔らかくなり、30℃以下で粘性が6×102(mPa・s)以上に粘性が固くなるものである。即ち、70℃以上で粘性が1.15×102(mPa・s)よりも柔らかく、30℃以下で粘性が6×102(mPa・s)以上に固くなる2液混合タイプの樹脂塗料である。
イソシアネートAとポリオールBとの温度と粘度との関係を図1に示す。70~80℃で粘性が弱くなり、60~80℃の範囲で比較的低い粘性が安定していることから、この温度範囲で樹脂加工すると、軽負荷で比較的流動性の高いポリウレタン樹脂の加工を行うことができる。
しかし、ポリウレタン(75℃)の粘度が一般合成樹脂に比して非常に弱いことは、塗装被覆成形品13を形成する塗装被覆成形品用金型にインロー加工(精度1/100)21a~21dされていても、その塗装被覆成形品用金型の隙間に図3(a)に示すバリ29が発生し、そのバリ29の除去は簡単化することができない。また、1回の操作で全面切除することもできない。この流動性の高いポリウレタン塗料のバリ29を切断するには、下金型20及び上金型30の金型相互間の間隔が精度1/1000mm~7/1000mmの範囲でないと切断できないことが発明者等によって確認された。
前記下金型20及び上金型30の形状は、煩雑になるので省略しているが、前記下金型20及び上金型30が3個または4個に分割することがあり、本実施の形態では、樹脂成形品11及び被覆成形部12を形成したものであるから、形成前の被覆成形部12は金型の一部であることも当然あり得る。勿論、樹脂成形品11を金型とする場合もある。
イソシアネートAとポリオールBの温度と粘度との関係を図1に示す。70~80℃で粘性が小さくなり、比較的低い60~80℃の範囲で特性が安定していることから、この温度範囲で加工すると、軽負荷で比較的流動性の高いポリウレタン樹脂の加工を行うことができる。
しかし、ポリウレタン(75℃)の粘度が一般合成樹脂に比して非常に小さいことは、塗装被覆成形品13を形成する塗装被覆成形品用金型にインロー加工(精度1/100mm)21a~21dが形成されていても、その塗装被覆成形品用金型の隙間に図3(a)に示すバリ29が発生し、そのバリ29の除去は簡単化できない。また、1回のストロークでバリ29を除去して図3(b)に示すように、全面切除することもできない。この流動性の高いポリウレタン樹脂のバリ29を切断するには、下金型20及び上金型30の金型相互間の間隔が精度1/1000mm~7/1000mmの範囲でないとバリ切りできないことが発明者等によって確認された。
例えば、塗装被覆成形品13を成形する金型はインロー加工21a~21dされている。しかし、図4乃至図13に示すように、インロー加工21a~21dの精度が1/100程度であるから、精度1/100mm程度の流動性の高いポリウレタン樹脂のバリ29が発生する確率が高い。
図4はインロー加工の参考説明図で、上金型30に突出した形状の凸部30Xを形成し、また、それと嵌合する下金型20に凹部20Yを形成する。この上金型30の下に凸の凸部30X、及び嵌合する下金型20に凹部20Yは、上金型30及び下金型20の何れも外径に近い位置で位置決めできるように形成するのが望ましい。
図4に示す上金型30に突出した形状の凸部30X、下金型20に突出した形状の凹部20Yを形成する所謂、嵌め合いに対しても所定の射出する成形型が形成されている。
前記金型相互間はインロー方式とし、かつ、前記塗装被覆成形品の表面に被覆し、図4に示すように、上金型30及び下金型20を形成した状態の部品同士が噛み合いをインローという。特に、部品がしっくりはまる凸部30X、凹部20Yの部分のことを「インロー」という。これは現場用語である。ここで、塗装被覆成形品用金型のインロー加工の精度を、図4乃至図8に示すように、1/100、1/200、1/300、1/400と小さく仕上げ精度を上げると、論理的にはバリ29の発生が少なくなる。
図4乃至図11は、射出成型に使用される金型のインロー方式を形成したものである。
塗装被覆成形品13は、樹脂成形品11及びその上に樹脂塗料による被覆成形部12を保持しており、図12及び図13に示すように、ベースを樹脂成形品11とし、その上に樹脂塗料による被覆成形部12を形成している。ベースを樹脂成形品11は、幅方向の断面の面積、即ち、幅の長さ[m]と、その厚み[h]の[幅m×厚h]が特定の値になるように断面積を決めている。図では樹脂成形品11を略凹字状として形成されているが、現実には合成樹脂の流れが乱されないように、角が面取りされている。幅の長さ[m]とその厚み[h]からなる[幅m×厚h]は、ベルヌーイの定理の速度(流速)V[m/s]一定から決定されるものである。
図4乃至図13に示すように、下金型20には、その4隅に、インロー加工21a~21d用の4角柱をNC加工機によって形成している。上金型30も同様、インロー加工22a~22dの4角柱は、1/100mm程度の精度に仕上げている。即ち、精度1/100のテーパによって、設定値の誤差が最小値になるようにした。図中、ボルト穴2は塗装被覆成形品13を保持しており、ボルト3によって上金型30と下金型20を接続している。
図9に示すインロー加工23a~23dは、インロー加工22a~22dと噛み合う凹部からなり、対となってインロー加工21a~21dを構成している。
本発明で実施するインロー加工は、四隅に凹凸を配設するものに限られるものではなく、公知の形態からのインローの構造形態が採用できる。
図4乃至図11に示すように、インロー加工22a~22dの4角柱は、NC旋盤、NC工作機械等のNC加工装置で1/100mmの精度で切削されている。勿論、本発明を実施する場合には、円柱とテーパによって1/100mmの精度に切削してもよく、そのインロー加工方法について限定されるものではない。
なお、インロー加工の加工は、例えば、文章では1/100mmの精度と示しているが、これは1/100mmの精度に機械設定したことを意味するものである。故に、インローの加工精度との間は目安に過ぎない。
インロー加工21a~21d以外の塗装被覆成形品13の金型、即ち、下金型20及び上金型30は、ベースを樹脂成形品11とし、その上に塗膜による被覆成形部12を形成している。塗装被覆成形品13は、樹脂成形品11及び被覆成形部12を形成したもので、形成前の被覆成形部12は塗装被覆成形品13が形成されるキャビティとして使用されている。
しかし、インロー加工の加工精度を良くしても(数値を小さくしても)、1対の金型の収まりが悪いと、金型全体の精度を下げ、インロー加工の全加工精度を良くすることができない。
そこで、発明者等は1/1000mm~1/100mmをNC旋盤、NC工作機械等のNC加工装置で切削したインロー加工精度を基に、その下金型20と上金型30の収まりを検証した。
発明者等はインロー加工として1/1000mm~1/100mmの四角柱のものを切削加工して試験資料に供した。8/1000mm以下では位置によって温度が変化し、必ずしも安定した特性が得られなかった。また、8/1000mm以上では、金型間の隙間により、ポリウレタン樹脂のバリ29が強くなる傾向にある。結果、1/1000mm~8/1000mmであれば、インロー加工として精度を上げた効果が得られた。
特に、精度1/1000mm以上になると、安定した収まりによって、金型相互のボルト穴2、ボルト3による金型の締め付けも正しく行なわれた。
しかし、インロー加工の精度1/1000mm以上になると、安定した金型の収まりによって、ボルト2、ボルト穴3による締め付けも正しく行なわれた。
従来の1/100mmの精度のインロー加工を基に、ポリウレタン樹脂のバリ29を最小とする場合には、厚みが0.1mm以上で、従来の2色成形での厚み0.8mm以上のポリウレタン塗膜として、金型相互間のインローを1/1000mm~7/1000mmの範囲とした場合にバリ切りが減少した。6/1000mm、7/1000mmにおいては、どれだけ温度による膨張・収縮が生じているのか究明中である。
即ち、発明者らの実験によれば、インロー加工の精度1/1000mm~7/1000mmの範囲では、厚みが0.1~0.8mmという1mm以下のポリウレタン塗膜とすることができる。即ち、ポリウレタン塗料の表面張力が維持されているとき、ポリウレタン塗料の容積の一部が金型の温度膨張となって減容量側に傾くから、ポリウレタン塗料の塊(澱んだ結果の塊)がバースト(破裂)に至らないからと推定される。
特に、厚みが0.8mm以上のポリウレタン塗膜においては、表面張力によって体積を保持しており、また、毛細管現象による広がりが加わると、厚みが0.1~0.8mmの範囲の数値よりも大きくならない。この要因は表面張力及び毛細管現象が作用していると推定される。
特に、厚みが0.8mm以上のポリウレタン塗膜においては、表面張力によってポリウレタン塗膜の体積が丸くなろうとしており、また、毛細管現象による広がりが加わると、厚みが0.1mm以下の範囲の数値よりも大きくならない。この要因には表面張力及び毛細管現象が作用していると推定される。
特に、見栄えを良くするには、厚みが0.1~0.8mmの薄さで、特に、厚みは0.8mm以上とすることもできるが、ポリウレタン塗膜を塗布する場合の厚みむらが出やすくなる。厚みが0.1mmのポリウレタン塗膜、特に好ましくは、厚みが0.8mm以上のポリウレタン塗膜は、2色成形でも成形可能であるから、それを除去すると、厚みが0.1~0.8mmのポリウレタン塗膜には、毛細管現象及び表面張力のバランスが取れていると推定される。
図12(a)乃至図12(c)の成形品及び図12の塗装被覆成形品(サイドモール)13は、例えば、20等分した測定点は、溶融樹脂がW=50、51、52、・・・56、57、58、59、60、・・・・等に順次溶融樹脂が射出される。これは、幅方向の測定点、即ち、幅方向の断面の面積、幅の長さmとその厚みhが、[幅m×厚h]として現して±30%以内に入るように設定されている。ここで、溶融樹脂Wは[幅m×厚h]が均一となる。
各測定点W=50をV1=V[m/s]とする入力速度、右端側の測定点は、W=50をV2=V[m/s]とする出力速度であり、中央付近の変化点の測定点、測定点W=59ではV3となる。更に、厚みの異なるところは、ヒケ、ボイドが生じないように意識して樹脂成形品11に凹部、凸部を形成している。
ベルヌーイの定理から
1+ρ1(V12/2+ρ111 =p2+ρ2(V22/2+ρ222
との式から、被覆成形部12の幅が左端から射出するとなると、途中で3倍の幅に広くなっているから、V2[m/s]と(V/3)2 [m/s]が等しくなるように他の制御が必要である。ここでは、速度VからV/9の制御が必要となることがわかる。
塗装被覆成形品13の設計値から、下金型20及び上金型30のキャビティとしての被覆成形部12によって樹脂成形品11の一次元の長さ方向の測定点W=50、・・・、70を得る。また、各断面点のサイドモールの断面積を算出し、当該キャビティの被覆成形部12の断面形状を得る。それらのキャビティを基に速度V[m/s]を均一にする場合、高さz[m]、重力加速度 g[m/s2]、流体の圧力p[Pa]、密度ρ[kg/m3]を変数として、成形が変化しない程度の均一の速度V[m/s]を得る。
本実施の形態の図12のサイドモールのような塗装被覆成形品13の被覆成形部12は、図12(a)及び図12(b)に示すように、下金型20及び上金型30内で成形した樹脂成形品11の表面のキャビティとなる部分である。
なお、本実施の形態の説明では、被覆成形部12には塗膜で被覆成形部12を形成したものと、塗膜で被覆成形部12を形成するキャビティを指す場合もある。
前記樹脂成形品11における溶融樹脂の粘度よりも低粘度の塗膜で被覆するものである。図12(b)の正面図に示すように、前記樹脂成形品11の一次元の長さ方向の測定点Xに対して、幅方向の測定点が変化していることが判る。ところが、幅(二次元の長さ)の測定点が変化しているのみではなく、図12(a)乃至(c)に示す平面図、正面図、背面図から示されているように、サイドモールは曲面となっている。
図12(a)乃至図12(c)の成形品及び図13のサイドモール等の塗装被覆成形品13は、例えば、20等分した測定点は、W=50、51、52、・・・56、57、58、59、60、・・・・を検出点としたものである。左端側の測定点Wは、W=50をV1=V[m/s]とすると、中央付近の変化点の測定点は、測定点W=59ではV2=V/3[m/s]の断面となる。また、W=V2=V1=V[m/s]と見做される。
なお、測定点Wの等分は10等分または20等分に限定されるものではないし、必ずしも等分にする必要はなく、図面(設計値)の測定点と実施物の測定点とが1対1に対応すればよい。
ベルヌーイの定理から
1+ρ1(V12/2+ρ111 =p2+ρ2(V22/2+ρ222
この式から、図12(b)の幅が中央部付近で3倍になっているから、V2[m/s]とその自乗の(V/3)2 [m/s]が等しくなるように制御が必要である。即ち、ここでは、1/9の制御が必要となることがわかる。
即ち、左端側の断面の速度V1=V[m/s]、中央付近の速度V2=V/3[m/s]とすれば、中央付近の断面は、1/9の速度とする必要がある。
ベルヌーイの定理で断面の速度V[m/s]を変化しないでConst(一定)とすれば、高さz[m]及び重力加速度 g[m/s2]も変化しないので、流体の圧力p[Pa]、密度をρ[kg/m3]を変化させることになる。
速度V[m/s]、高さz[m]、重力加速度 g[m/s2]、流体の圧力p[Pa]、密度ρ[kg/m3]は、塗装被覆成形品13の値から、下金型20及び上金型30のキャビティとしての被覆成形部12によって樹脂成形品11の一次元の長さ方向の測定点Wは、W=50、・・・、70を得る。各断面点のサイドモールの断面を算出し、当該キャビティの被覆成形部12の断面形状を得る。それらのキャビティを基に速度V[m/s]、高さをz[m]、重力加速度g[m/s2]、流体の圧力p[Pa]、密度ρ[kg/m3]を算出する。
即ち、下金型20及び上金型30内の塗装被覆成形品13は、前記樹脂成形品11における溶融樹脂の粘度よりも低粘度の塗膜で被覆し、また、サイドモールとしての塗装被覆成形品13は、前記樹脂成形品11の表面に塗膜を噴射する射出口SGを取付け、前記樹脂成形品11の長さ方向の表面に沿って塗料を噴射し、前記射出口SGから前記樹脂成形品11の長さ方向の表面に沿って塗料を噴射するとき、流体調整機構90の「流体特性」を常に均一として制御する。
この流体調整機構90は、ステッピングモータ、サーボモータで横方向の測定点Wの位置の検出ができるもので、符号化または複合化コード盤を具備しているパルスモータ等であっても使用可能である。
なお、ベルヌーイの定理の「流体特性」とは、速度V[m/s]、高さをz[m]、重力加速度g[m/s2]、流体の圧力p[Pa]、密度ρ[kg/m3]の個々の特性をいう。
上記樹脂成形品11の表面に塗料を噴射する射出口SGは、塗料を霧状に噴霧する噴射口を有するもので、本実施の形態では所定の幅を塗布できるものである。
この射出口SGとしては、イオンエアーコンプレッサ、静電除去エアーガン等が使用できる。
また、流体調整機構90は、塗装被覆成形品13に沿って前記射出口SGを取付け、少なくとも、樹脂成形品11の長さ方向の表面に沿って塗料を噴射し、一次元または二次元的に頭部が移動するものである。
流体調整機構90は、図12の概念図において、下端に一次元または二次元的に移動する射出口SGを取付けた軌条を移動するものである。
ここで、本実施の形態の流体調整機構90は、射出口SGから樹脂成形品11の長さ方向の表面に沿って塗料を噴射するとき、樹脂成形品11の長さ方向に測定点Xに移動する「流体特性」は、流体調整機構90の何れの位置においても「流体特性」が同じになるように設定する。
この時、設計的に測定点W=50、・・・、70の側は、サイドモールの片端から空気を抜きながら射出口SGで塗装するのが効率的である。
流体調整機構90は、射出口SGの流体調整機構90の位置を対応付けるもので、速度V[m/s]、高さz[m]、重力加速度 g[m/s2]、流体の圧力p[Pa]、密度ρ[kg/m3]を算出する。全長の流体抵抗に対するベルヌーイの定理から、「圧力エネルギ」+「速度エネルギ」+「位置エネルギ」との前提を算出する。
そして、塗装被覆成形品13の設計値から、下金型20及び上金型30のキャビティを基に作成された被覆成形部12によって、樹脂成形品11の一次元の長さ方向の測定点W=50、・・・、70を得る。また、サイドモールの各断面を算出し、塗装被覆成形品13のキャビティから、「圧力エネルギ」+「速度エネルギ」+「位置エネルギ」を算出する。
ここで、塗装被覆成形品13の一次元の長さ方向の測定点Wに対して何等分かに分け、樹脂成形品11の表面の空気の巻き込みを塗装被覆成形品13の一次元の長さ方向の測定点Wに対しても、二次元の測定点Wの変化を少なくする。勿論、等分する距離は細分化することが望ましいが、この検出位置は、ベルヌーイの定理の入力端と出力端からその間の数値を推定することができる。
発明者等の実験では
1+ρ1(V12/2+ρ111 =p2+ρ2(V22/2+ρ222
が3割内の誤差を持つ時には表面の空気の巻き込みが抑えられ塗装被覆成形品13の見栄えがそれほど低下しないので、3割以下の誤差に抑えるか、二次元の長さ測定点について、できるだけ変動を少なくするのが望ましい。特に、速度は、速度V[m/s]の自乗で影響するから、誤差は3割内に抑えるのが好ましい。
本実施の形態は、下金型20及び上金型30内で成形した樹脂成形品11の表面を、樹脂成形品11における溶融樹脂の粘度よりも低粘度の塗料で被覆する下金型20及び上金型30内で成形した樹脂成形品11の表面を、前記樹脂成形品11における溶融樹脂の粘度よりも低粘度の塗料で被覆した塗装被覆成形品13であって、樹脂成形品11の表面に塗料を噴射する射出口SGを取付け、樹脂成形品11の長さ方向の表面に沿って塗料を噴射し、前記射出口SGから樹脂成形品11の長さ方向の表面に沿って塗料を噴射するとき、「流体特性」を常に均一として制御する流体調整機構90を具備するものである。
本実施の形態の被覆成形部12である2液混合タイプの塗料は、塗装被覆成形品13の表面に被覆し、かつ、70℃以上で粘性が1.15×102(mPa・s)よりも柔らかく、30℃以下で粘性が6×102(mPa・s)以上に固くしたものである。
ここで、70℃以上で粘性が1.15×102(mPa・s)よりも柔らかくは、必ずしも、2液混合タイプの塗料が当該値に特定されるものではなく、3割前後の粘性が異なっても被覆成形部12の形態によって、問題にならない場合もある。
同様に、30℃以下で粘性が6×102(mPa・s)以上に固くしたについても、3割前後の粘性が異なっても被覆成形部12の形態によって、問題にならない場合があることを付言する。
上記樹脂成形品11の表面に樹脂塗料を噴射する射出口SGは、樹脂塗料を霧状に噴霧する噴射口を有するもので、本実施の形態では所定の幅を塗布できるものである。
また、射出口SGを取付け、少なくとも、樹脂成形品11の長さ方向の表面に沿って塗膜を噴射し、一次元または二次元的平面または曲面にポリウレタン塗料が移動する。そして、流体調整機構90は、射出口SGから樹脂成形品11の長さ方向の表面に沿って塗膜を噴射するとき、何れの位置においても常に均一として移動するものである。
この発明に係る塗装被覆成形品13は、前記樹脂成形品11の表面に沿って噴射する樹脂塗料は、ポリウレタン塗料としたものである。
ここで、前記樹脂成形品11の表面に沿って噴射する塗料は、ポリウレタン塗料としたものであるから、前記樹脂成形品11の表面に沿って噴射するとは、一次元または二次元平面または曲面とするものである。特に、ベルヌーイの定理の前提は、流体は摩擦の少ない非粘性流体であることから、ポリウレタン塗料を非粘性流体と見做すことができる。
上記樹脂成形品11の表面に樹脂塗料を噴射する射出口SGは、樹脂塗料を霧状に噴霧する噴射口を有するもので、本実施の形態では所定の幅を塗布できるものである。
また、流体調整機構90は、射出口SGを取付け、少なくとも、樹脂成形品11の長さ方向の表面に沿って樹脂塗料を噴射し、一次元または二次元的平面または曲面に移動する。
そして、流体調整機構90の「流体特性」は、射出口SGから樹脂成形品11の長さ方向の表面に沿って樹脂塗料を噴射するとき、何れの位置においても常に均一として移動するものである。
更に、この発明に係る塗装被覆成形品13は、前記樹脂成形品11の表面に沿って噴射する塗料は、ポリウレタン塗料としたものである。
ここで、樹脂成形品11の表面に沿って噴射するとは、一次元または二次元平面または曲面とするものである。特に、ベルヌーイの定理でいう前提は、流体は摩擦の少ない非粘性流体であり、ポリウレタン塗料は非粘性流体と見做すことができる程度の粘性である。
塗装被覆成形品13は、インロー加工により、射出口SGで噴射する樹脂塗料及び空気の通過が特定された金型を通過するものである。金型をインロー加工とすることにより密着性を出し、射出口SGで噴射する樹脂塗料及び空気の通過が特定された金型のキャビティを通過するものであるから、そこを通過する時間変化のない定常流、流体は摩擦の少ない非粘性流体として設計できる。
下金型20及び上金型30の他の金型内で成形した樹脂成形品11の表面を、樹脂成形品11の溶融樹脂の粘度よりも低粘度の樹脂塗料で被覆成形部12を被覆する塗装被覆成形品13であって、前記塗装被覆成形品13の表面に被覆する塗料は、ポリウレタン塗料とし、かつ、金型相互間のインローを5/1000mm以下とし、更に、ベルヌーイの定理の「圧力エネルギ」+「速度エネルギ」+「位置エネルギ」の和が等しくなるように「流体特性(圧力エネルギ、速度エネルギ、位置エネルギ)」を設定するものである。
下金型20及び上金型30内で成形した樹脂成形品11の表面の被覆成形部12を、樹脂成形品11の溶融樹脂の粘度よりも低粘度の樹脂塗料で被覆する塗装被覆成形品13であって、塗装被覆成形品13の表面に被覆する樹脂塗料は、厚みが0.1~0.8mmまたは0.2~0.8mmのポリウレタン塗料とし、かつ、金型相互間のインローを1/1000~7/1000の範囲とし、更に、ベルヌーイの定理の「圧力エネルギ」+「速度エネルギ」+「位置エネルギ」の和が等しくなるように「流体特性」を設定するものである。
他の金型で成形した樹脂成形品11の表面を、樹脂成形品11の溶融樹脂の粘度よりも低粘度の樹脂塗料で被覆する塗装被覆成形品13であって、塗装被覆成形品13の表面に被覆する塗膜は、ポリウレタン塗膜とし、かつ、金型相互間のインローを精度1/1000mm~7/1000mmの範囲とし、更に、ベルヌーイの定理のエネルギの和が等しくなるように「流体特性」を制御するものである。
本発明に係る塗装被覆成形品13は、樹脂成形品11の表面に沿って噴射する樹脂塗料をポリウレタン塗料としたものであり、一次元または二次元平面または曲面を樹脂成形品11の表面に沿って噴射するものである。特に、ベルヌーイの定理による「圧力エネルギ」+「速度エネルギ」+「位置エネルギ」=Const(一定)の前提は、摩擦の少ない非粘性流体であることから、ポリウレタン塗料は非粘性流体と見做しても問題は確認されなかった。
下金型20及び上金型30内で成形した樹脂成形品11の表面を、樹脂成形品11における溶融樹脂の粘度よりも低粘度の樹脂塗料で被覆する塗装被覆成形品13において、樹脂成形品11の表面に噴射する樹脂塗料は、流体調整機構90の「圧力エネルギ」、「速度エネルギ」、「位置エネルギ」からなる「流体特性」を常に均一になるように樹脂成形品11の長さ方向の表面に沿ってポリウレタン塗料を噴射し、射出口SGの出力を制御する。樹脂成形品11の表面に樹脂塗料を噴射する射出口SGを取付け、樹脂成形品11の長さ方向の表面に沿って樹脂塗料を噴射し、前記射出口SGから樹脂成形品11の長さ方向の表面に沿って樹脂塗料を噴射するとき、「流体特性」、例えば、速度V[m/s]を常にConst(一定)としたとき、他を変量として制御する。このように、下金型20及び上金型30内で成形した樹脂成形品11の表面を、樹脂成形品11における溶融樹脂の粘度よりも低粘度の樹脂塗料で被覆するものである。
樹脂成形品11の表面に沿って噴射するポリウレタン塗膜は、一次元または二次元平面または曲面とするものである。特に、ベルヌーイの定理の「流体特性」は、流体として摩擦の少ない非粘性流体であることから、ポリウレタン塗膜は非粘性流体と見做している。
即ち、2つの流体の流れの断面を通過する圧縮性流体のエネルギは、ベルヌーイの定理を流体の圧力p[Pa]、密度をρ[kg/m3]、速度V[m/s]、高さz[m]、重力加速度 g[m/s2] で現わすとすれば、
p+ρV2/2+ρ gz = Const(一定) であり、
「圧力エネルギ」+「速度エネルギ」+「位置エネルギ」=Const(一定)から、入口と出口の2つの流れ方向に垂直な断面は、そこを通過する時間変化のない定常流、「流体特性」は摩擦の少ない非粘性流体である。ここで、2つの流れに対して垂直な断面を通過する「流体特性」は、その速度Vの自乗に影響することになる。したがって、速度V[m/s]をConst(一定)にすれば、密度ρ[kg/m3]が変化しないので、前記スプレーガンの樹脂塗料の噴霧雰囲気を均一化でき、仕上がり面が均一化できる。
下金型20及び上金型30内で成形した樹脂成形品11の表面を、樹脂成形品11の溶融樹脂の粘度よりも低粘度の樹脂塗料で被覆する塗装被覆成形品13であって、塗装被覆成形品13の表面に被覆する樹脂塗料は、厚みが0.1~0.8mmまたは0.2~0.8mmのポリウレタン塗膜とし、かつ、金型相互間のインローを1/1000~7/1000mmの範囲とし、更に、ベルヌーイの定理の「圧力エネルギ」+「速度エネルギ」+「位置エネルギ」の和が等しくなるように「流体特性」を制御する。
本発明に係る塗装被覆成形品13は、流体調整機構90の「流体特性」を常に均一になるように樹脂成形品11の長さ方向の表面に沿ってポリウレタン塗料を噴射し、前記射出口SGの出力を制御する。樹脂成形品11の表面に樹脂塗料を噴射する射出口SGを取付け、樹脂成形品11の長さ方向の表面に沿って樹脂塗料を噴射し、前記射出口SGから樹脂成形品11の長さ方向の表面に沿って樹脂塗料を注入するとき、前記「流体特性」を常に均一として制御する流体調整機構90とを具備し、他の金型内で成形した樹脂成形品11の表面を、樹脂成形品11における溶融樹脂の粘度よりも低粘度の樹脂塗料で被覆するものである。
樹脂成形品11の表面に沿って噴射するポリウレタン塗料が、樹脂成形品11の表面に沿って噴射する対象は、一次元または二次元平面または曲面とするものである。特に、ベルヌーイの定理の前提は、流体は摩擦の少ない非粘性流体であることから、ポリウレタン塗料は非粘性流体と見做すことができる。
即ち、2つの流体の流れの方向に対して垂直な断面を通過する圧縮性流体のエネルギは、ベルヌーイの定理の流体の圧力p[Pa]、密度ρ[kg/m3]、速度V[m/s]、高さz[m]、重力加速度 g[m/s2] で現わすとすれば、p+ρV2/2+ρ gz = Const(一定) であり、
「圧力エネルギ」+「速度エネルギ」+「位置エネルギ」=Const(一定)から、2つの流れに対して垂直な断面は、そこを通過する時間変化のない定常流、流体は摩擦の少ない非粘性流体である。
ここで、2つの断面を通過する流体は、その速度Vの自乗に影響することになる。
したがって、速度V[m/s]をConst(一定)にすれば、密度ρ[kg/m3]が変化しないので、前記スプレーガンの樹脂塗料の噴霧雰囲気を均一化でき、仕上がり面が均一化できる。
この塗装被覆成形品13の表面に沿って射出口SGで噴射する樹脂塗料は、ポリウレタン塗料としたものである。ここで、樹脂成形品11の表面に沿って噴射するとは、一次元または二次元、即ち、平面または曲面とするものである。特に、ベルヌーイの定理の前提は、流体は摩擦の少ない非粘性流体であることから、ポリウレタン塗料は非粘性流体と見做すことができる。
ポリウレタン塗料として1.0×102のものを使用すれば、下金型20及び上金型30の相互間のインローを5/1000以下で被膜形成は、厚みが0.1~0.8mmとした厚みに実施できる。更に歩留まりを考慮すれば、かつ、安全性を考慮すれば、高効率で塗装被覆成形品13が得られる。
塗装被覆成形品13の表面に被覆する樹脂塗料は、厚みが0.1~0.8mmのポリウレタン塗料とし、かつ、金型相互間のインローを5/1000以下とし、更に、ベルヌーイの定理のエネルギの和が等しくなるように制御するものである。
下金型20及び上金型30内に収納して成形する事例で説明したが、中子にも同様に使用できる。また、ベルヌーイの定理に従って、「圧力エネルギ」+「速度エネルギ」+「位置エネルギ」特別しているが、本発明を実施する場合には、コントロールが容易な項目を制御すればよい。
この成形により、ポリウレタンの単色成形または2色成形したものと同一の質感が出せる。特に、樹脂成形品11は下金型20及び上金型30内で形成してもよいし、下金型20及び上金型30内で全体を移動しないようにしてもよい。したがって、多層化が可能であり、多層化による違和感がない。
本実施の形態の塗装被覆成形品は、下金型20及び上金型30内で成形した樹脂成形品11の表面を、前記樹脂成形品11の溶融樹脂の粘度よりも低粘度の樹脂塗料で被覆する塗装被覆成形品13であって、前記塗装被覆成形品13の表面を被覆する2液混合タイプ、その例として、ポリウレタン塗料の樹脂塗料とし、前記2液混合タイプのポリウレタン塗料の樹脂塗料の供給は、製品として使用する前記樹脂成形品11の被覆形態の断面積に応じて供給し、断面積を一定にして樹脂の充填速度を一定にするか及び/またはオーバーフロー部を設けて気泡が巻き込んだ部位を成形製品部から離す発明である。
樹脂成形品11の表面に、前記樹脂成形品11を被覆する溶融樹脂の粘度よりも低粘度の樹脂塗料で被覆する塗装被覆成形品13であって、塗装被覆成形品13の表面に被覆する樹脂塗料はポリウレタン塗膜とする。ポリウレタンは非粘性に近いため一般樹脂に比べて気泡を巻き込み易い。故に、空気の巻き込みの影響で、被覆剤の流れが被覆に現れる現象が生じていた。そこで、外観不良を改善する案として、塗装被覆成形品13とランナーの断面積を一定にして速度を一定にするか、オーバーフロー部を設けて気泡が巻き込み部位を塗装被覆成形品13から離すことで対応できる。逆に、例えば、それまで使用していた速度V[m/s]が一定でなくなったときには、それをもって充填制御を終了とすることができる。
11 樹脂成形品
12 被覆成形部(塗装被覆成形品の金型のキャビティ)
13 塗装被覆成形品
20 下金型
29 バリ
30 上金型
SG 射出口

Claims (1)

  1. 金型内で成形した樹脂成形品の表面を、前記樹脂成形品の溶融樹脂の粘度よりも低粘度の樹脂塗料で被覆する塗装被覆成形品の製造方法であって、
    前記樹脂成形品の表面を被覆する2液混合タイプのポリウレタン塗料の塗膜は、厚みが0.1mm以上のポリウレタン塗膜とし、かつ、金型相互間のインローを有し、
    更に、ベルヌーイの定理を圧力p[Pa]、密度ρ[kg/m3]、速度V[m/s]、高さz[m]、重力加速度g[m/s2]で現わすとき、p+ρV2/2+ρgz=Const(一定)で、「圧力エネルギ」+「速度エネルギ」+「位置エネルギ」の和が一定となるように、前記樹脂成形品の表面に沿って噴射する前記樹脂塗料の「流体特性(圧力エネルギ、速度エネルギ、位置エネルギ)」を制御するときの「速度エネルギ」の値を所定の値内に固定することを特徴とする塗装被覆成形品の製造方法。
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