JP7002762B2 - 着床式洋上風力発電装置とこの洋上風力発電装置のタワー部の交換方法、及び着床式洋上風力発電装置の製造方法 - Google Patents

着床式洋上風力発電装置とこの洋上風力発電装置のタワー部の交換方法、及び着床式洋上風力発電装置の製造方法 Download PDF

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本発明は、洋上に設置される洋上風力発電装置に関し、とくに、海底に着床して設置される着床式洋上風力発電装置とこの洋上風力発電装置のタワー部の交換方法、及び着床式洋上風力発電装置の製造方法に関する。
近年の石油資源の枯渇に伴い、太陽エネルギーに代表される再生可能エネルギーが注目されている。しかしながら、太陽光発電は、天気による変動が大きく、また、夜間には発電できないため、これに代わる再生可能エネルギーとして風力発電が注目されている。風力発電は、民家近くでは低周波騒音などの問題が指摘されているため、これを回避するため、洋上に風力発電設備を設置することに注目されている。
洋上風力発電装置は、風力発電機を設置する洋上架台システムの設置方法として、浮体式と固定式(着床式)に大別される(特許文献1ないし3参照)。
浮体式の架台システムを備える洋上風力発電装置は、所定の深さ以上、例えば100m以上の水深を有する海域で設置可能であり、海面に浮かせた状態で使用するため、風力発電装置を同じ規格として多量生産が可能である。ただ、浮体式の風力発電装置の場合、架台システム自体も大型化する必要があって、個々の製造単価が高くなるため、採算が悪くなる問題点があった。また、浮体式の風力発電装置の場合、水深100m以下の海域に設置することは難しい。
これに対して、固定式の架台システムを備える洋上風力発電装置は、土台となる部分を海底に設置するので風力発電装置を安定して支持できる特長があるが、一方で、装置を設置する海域の水深によって、使用する架台システムのタイプによる種々の問題点がある。例えば、水深30m以下の海域では、モノパイルタイプの架台を備える風力発電装置が好適に採用されている。モノパイルタイプの架台は、1本の金属管の下端を海底に固定し、海面上に突出する上端側に風力発電機を配置して支持するので、製造コストを低減できる。ただ、モノパイルタイプの架台は、水深が30m以上になると、製造コストが高くなるため、採算が悪くなる問題点がある。
このため、水深が40m以上の海域では、鉄骨を組み立てたタワー(鉄塔)からなるジャケットタイプの架台を備える風力発電装置が好適に採用されている。このように、鉄塔からなるジャケットタイプの架台システムは、波の影響を受けにくくできる特長がある。また、ジャケットタイプの架台は、石油の採掘等に使用される鉄塔のように、その製造技術が確立されているため、水深がある程度深く(例えば40m以上)なっても、これに対応して製造することができる。ただ、石油の採掘に比べて風力発電では収益が少なく、採算が悪くなる問題点がある。とくに、ジャケットタイプの架台は、鉄塔の下端を海底に固定するために、太くて長いアンカーを地下深くに打設する必要があり、設置コストが極めて大きくなる。また、ジャケットタイプの架台は、鉄骨で製造されるので耐用年数が約25年と短く、長期間にわたって使用できないため、風力発電装置を維持するためには、このジャケットを交換する必要があり、さらに採算が悪化してしまう。
さらに、短期間で建設可能な着床式の架台として、複数に分割されたブロックを海底から海面上まで積み上げてタワーを立設する構造の風力発電装置も提案されている(特許文献4参照)。
この風力発電装置は、タワーとして、海底に固定された基礎ブロックの上に複数の分割ブロックを積み上げて海面上に突出させており、これらの分割ブロックと基礎ブロックとを連結具で連結してタワーを立設させる構造としている。この構造のタワーは、短期間での建設を可能とするが、海面上に突出するブロックが海面近くにおいて波の影響を強く受ける欠点がある。このため、台風等の波浪や強風により、安定した姿勢を維持できない問題点がある。また、海底から海面上まで積み重ねられた複数のブロックを、中心を上下に貫通する連結具で連結する必要があるので、水深が深い海域においては、連結具の製造コストや設置コストが高くなるばかりか、複数のブロックを強く締結するための手段も複雑になり、安全に、しかも安定してタワーを立設された状態に保持するのが難しくなる。
以上のように、水深が30m~100mの海域においては、風力発電装置の架台として未だ有効な技術が確立されていないのが現状である。とくに、海岸線が長く、急深な沿岸域の多い日本においては、風況に適した海域として中水域の海域も多く、これらの海域における経済性の高い方式の実用化・普及が急務となっている。
特開2016-113996号公報 特開2005-180239号公報 特開2003-206852号公報 特開2000-213451号公報
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的の一は、製造コストと設置コストを低減できるとともに、長期間にわたって有効に使用できる構造を実現して、経済性を高めることができる着床式洋上風力発電装置と洋上風力発電装置のタワー部の交換方法、及び着床式洋上風力発電装置の製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明のある態様に係る着床式洋上風力発電装置は、風力発電機を洋上に設置してなる着床式洋上風力発電装置であって、海底面に設置されて、上面が水平面状に整地された基礎部と、外形を柱状とする形状にコンクリートで形成されてなり、基礎部の上面に載置されて海面下に配置される土台部と、複数の鉄骨を組み立ててタワー状に構築されてなり、下端部を海面下に配置して土台部の上に載置し、上端部を海面上に配置して上端にプラットホームを設けてなるタワー部と、プラットホームに設置されて、風力発電を行う風力発電機とを備えている。土台部は、その上端部に、所定の高さを有する筒状の収容壁を設けて、収容壁の内側に、上方開口された有底の収容部を備えている。タワー部は、鉄骨で形成されたタワー本体の下端部を埋設してなるコンクリートブロックを備えており、コンクリートブロックは、土台部の収容壁の内側に収まる外形を有している。さらに、洋上風力発電装置は、収容部の底部に配置されたコンクリートブロックの上に粒状錘が積載されて収容部に充填され、土台部の上方に立設されるタワー部を鉛直姿勢に保持している。
以上の着床式洋上風力発電装置は、コンクリート製の土台部の重量で土台部を定位置に保持し、土台部の上に設けた収容部の内側にタワー部の下端部に設けたコンクリートブロックを配置することで横ずれを阻止しながら、コンクリートブロックの上に積載される粒状錘の重量でタワー部を立設された状態に維持するので、特別な固定構造を用いることなくコンクリートブロックを土台部に保持でき、製造コストと設置コストを低減できる。
また、以上の構造の着床式洋上風力発電装置は、耐用年数が相対的に長いコンクリート製の土台部を交換することなく、耐用年数が相対的に短い鉄骨製のタワー部のみを交換することで、長期間にわたって安全に使用できる構造を実現しながら、製造、維持コストを低減できる。すなわち、この洋上風力発電装置は、複雑な構造のタワー部を海面の上下にわたって配置される構造として安価に多量生産しながら、海底に設置されるコンクリート製の土台部を長期間にわたって使用することで、長期的な採算性を向上できる。とくに、この装置は、土台部の収容部に配置されるコンクリートブロックの上に粒状錘を積載して充填するので、多量の粒状錘であっても、容易に搬送して充填できる。また、タワー部の交換作業時においては、収容部に充填された粒状錘を除去することで、タワー部を簡単に取り外して交換できる。
さらに、以上の着床式洋上風力発電装置は、コンクリート製の土台部を海面下に配置し、鉄骨で組み立てられたタワー部を海面下から海面上にわたって配置するハイブリッド構造とすることで、コンクリート製の土台部の利点と、鉄骨製のタワー部の利点を活用できる。すなわち、この装置は、土台部をコンクリート製とすることで、土台部を安定して海底面に保持できる構造としながら、津波による被害を防止できる。また、鉄骨で構築されたタワー部を海面下から海面上にわたって配置することで、台風等により海面が荒れたときに、波から受ける力の一部をタワー部に通過させて低減できるので、装置全体が波から受ける力を低減して、波浪による悪影響を抑制でき、長期間にわたって風力発電機を安定して支持できる特徴が実現できる。
また、本発明の他の態様に係る着床式洋上風力発電装置は、粒状錘を、砂、砂利、砕石、スラグのいずれかとしている。
上記構成により、粒状錘を、砂、砂利、砕石、スラグのいずれかとすることで、収容部内への粒状錘の充填が容易となる上、粒状錘を除去する際には、サクションや水中ポンプ等の吸引装置を使用して効率よく粒状錘を吸引して除去できる。
また、粒状錘をスラグとする構造においては、廃棄物として多量に発生するスラグを有効利用しながら、製造コストを低減できる。
さらに、本発明の他の態様に係る着床式洋上風力発電装置は、収容部に充填される粒状錘の上面位置を、海面下5m~15mとしている。
上記構成により、収納壁部に充填される粒状錘の上面に太陽光が届くため、粒状錘に海藻や海草等の水生植物を繁殖させることができる。これにより、収容部の内側領域を藻場として活用して、海中の環境を良好にできる。
また、以上の着床式洋上風力発電装置は、タワー部の下端を海面下5m~15mに配置するので、設置海域の水深に左右されることなく、タワー部を特定の高さとして多量生産できるので、生産性を向上して製造コストを低減できる。
さらに、本発明の他の態様に係る着床式洋上風力発電装置は、土台部が、外周方向に突出するフランジ部を下端に有しており、フランジ部の下面を基礎部の上面に対して面接触状態で配置している。
上記構成によると、土台部の下端に設けたフランジ部を基礎部の上面に面接触状態で配置することで、土台部と基礎部との抵抗を大きくして、土台部の横ずれを防止しながら安定して定位置に保持できる。また、土台部の下端にフランジ部を設けることで、横からの荷重による土台部の転倒を抑止するはたらきもある。
さらに、本発明の他の態様に係る着床式洋上風力発電装置は、土台部が、上下に積載された複数のコンクリートケーソンを備えており、最上段に配置されるコンクリートケーソンが、外周面を形成する筒状の周壁部と、周壁部の下端開口部を閉塞する底板部とを備えると共に、周壁部を収容壁として周壁部の内側を収容部とし、収容部にタワー部の下端部を配置してタワー部を土台部の定位置に立設している。
上記構成により、土台部を上下に積載される複数のコンクリートケーソンで構成することにより、風力発電装置の設置海域の水深に応じて土台部の高さを最適な高さに変更して、風力発電機を最適な位置に配置できる。特に、上段に配置されるコンクリートケーソンの周壁部を収容壁に兼用しながらタワー部の下端部を収容して、タワー部を定位置に保持できる。この構造によると、専用の収容壁を形成することなく、土台部として使用するコンクリートケーソンの周壁部を収容壁として使用するので、製造工程を短縮しながら製造コストを低減できる。
さらに、本発明の他の態様に係る着床式洋上風力発電装置は、土台部が、上下に積載された複数のコンクリートケーソンを備えており、下段に配置されるコンクリートケーソンが、外周面を形成する筒状の周壁部と、周壁部の下端開口部を閉塞する底板部と、周壁部の内側に設けられて、コンクリートケーソンの内部空間を複数の区画室に区画する複数の垂直壁とを備え、複数の垂直壁の上であって、周壁部の内側に位置して、上段に配置されるコンクリートケーソンを載置している。
上記構成により、土台部を上下に積載される複数のコンクリートケーソンで構成することにより、風力発電装置の設置海域の水深に応じて土台部の高さを最適な高さに変更して、風力発電機を最適な位置に配置できる。特に、下段に配置されるコンクリートケーソンの周壁部の内側に複数の垂直壁を設けてコンクリートケーソンの内部空間を複数の区画室に区画することで、コンクリートケーソンの強度を高めつつ、製造コストを低減できる。
さらに、本発明の他の態様に係る着床式洋上風力発電装置は、土台部が、上下に積載された複数のコンクリートケーソンを備えており、下段に配置されるコンクリートケーソンが、外周面を形成する筒状の周壁部と、周壁部の下端開口部を閉塞する底板部とを備えて内部に中空部を設けており、周壁部が開口窓を有すると共に、開口窓を介してコンクリートケーソンの内部空間を外部に連通している。
上記構成により、コンクリートケーソンの内部を中空状とし、周壁部に設けた開口窓を介して内部空間を外部に連通するので、海中に生息する生物の出入りを可能としてコンクリートケーソンの内部を魚礁として海中の環境を良好にできる。
さらに、本発明の他の態様に係る着床式洋上風力発電装置は、土台部が、外周面を形成する筒状の周壁部と、周壁部の下端開口部を閉塞する底板部とを備えるコンクリートケーソンで構成されている。このコンクリートケーソンは、周壁部の内側の下端部を中実として重り部を形成すると共に、周壁部の上部を収容壁として周壁部の内側の上部を収容部とし、収容部にタワー部の下端部を配置してタワー部を土台部の定位置に立設している。
上記構成により、土台部が筒状のコンクリートケーソンの周壁部を収容壁部に兼用しながらタワー部の下端部を収容して、タワー部を定位置に保持できる。この構造によると、専用の収容壁部を形成することなく、土台部として使用するコンクリートケーソンの周壁部を収容壁部として使用するので、製造工程を短縮しながら製造コストを低減できる。
さらに、本発明の他の態様に係る着床式洋上風力発電装置は、土台部の周壁部の平面視における外形を方形状としている。
さらに、本発明の他の態様に係る着床式洋上風力発電装置は、土台部の周壁部の平面視における外形を円形状としている。上記構成によると、土台部の平面視を円形状とすることで、土台部に対して潮流を方向性なく作用させて受け流すことができる。
さらに、本発明の他の態様に係る着床式洋上風力発電装置は、基礎部が、海底面に多数の捨石を敷設して、上面が平面状に均らされた基礎捨石層と、基礎捨石層の上面に配置された被覆部材とを備えている。
本発明のある態様に係る着床式洋上風力発電装置のタワー部の交換方法は、以上に記載される着床式洋上風力発電装置のタワー部を交換する方法であって、土台部の収容部に充填された粒状錘を除去する除去工程と、粒状錘が除去された収容部からタワー部を取り出すタワー部取り出し工程と、タワー部取り出し工程でタワー部が取り出された収容部に、新たに設置されるタワー部の下端部に設けたコンクリートブロックを配置すると共に、収容部の底部に配置されたコンクリートブロックの上に粒状錘を積載して収容壁部の内側に充填するタワー部設置工程とを含んでいる。
また、本発明の他の態様に係る着床式洋上風力発電装置のタワー部の交換方法は、粒状錘を、砂、砂利、砕石、スラグのいずれかとすると共に、除去工程において、吸引装置を使用して、粒状錘を収容壁部の内側から吸い出して除去する。
上記方法によると、収容部に収容された粒状錘を吸引装置で吸引するので、多量の粒状錘を、簡単かつ容易に、しかも短時間で吸引して除去できる。
本発明のある態様に係る着床式洋上風力発電装置の製造方法は、外形を柱状とする形状にコンクリートで形成されると共に、その上端部に筒状の収容壁を設けて、収容壁の内側に上方開口された有底の収容部を備える土台部を製造する土台部製造工程と、複数の鉄骨を組み立てて構築されたタワー本体と、タワー本体の上端に設けられたプラットホームと、タワー本体の下端部を埋設して、収容壁に収まる外形に形成されたコンクリートブロックとを備えるタワー部を製造するタワー部製造工程と、海底面に、上面が水平面状に整地された基礎部を形成する基礎部形成工程と、基礎部形成工程で形成された基礎部の上面に、土台部を載置して海面下に配置する土台部設置工程と、土台部設置工程で海面下に設置された土台部の上に、タワー部を載置して、タワー部の上部を海面上に配置するタワー部設置工程と、タワー部設置工程で海面上に配置されたプラットホームに風力発電機を設置する発電機設置工程とを含んでいる。タワー部設置工程において、タワー部の下端部に設けたコンクリートブロックを、土台部の収容部の底部に配置すると共に、収容部に配置されたコンクリートブロックの上に粒状錘を積載して収容部の内側に充填して、土台部の上方に立設されるタワー部を鉛直姿勢に保持している。
本発明の他の態様に係る着床式洋上風力発電装置の製造方法は、土台部が、平面視を多角形状としており、土台部設置工程において、土台部が設置される海域における津波の到達側に対して、土台部の平面視における頂点が対向するように土台部を配置して、土台部の側面を津波の進行方向に対して交差姿勢で配置している。
上記方法によると、平面視を多角形状とする土台部の頂点を津波の到達側に配置することで、津波発生時における津波の進行方向に対して土台部の側面を交差姿勢で配置でき、土台部の側面に対して津波が垂直方向に作用するのを防止して、津波による弊害を抑制できる特長がある。
本発明の実施形態1に係る着床式洋上風力発電装置の垂直断面図である。 図1に示す着床式洋上風力発電装置の概略分解斜視図である。 本発明の実施形態2に係る着床式洋上風力発電装置の垂直断面図である。 本発明の実施形態3に係る着床式洋上風力発電装置の垂直断面図である。 本発明の実施形態4に係る着床式洋上風力発電装置の概略分解斜視図である。 図1に示す着床式洋上風力発電装置の製造工程を示す断面図である。 図1に示す着床式洋上風力発電装置の製造工程を示す断面図である。 図1に示す着床式洋上風力発電装置の製造工程を示す断面図である。 津波の進行方向に対する着床式洋上風力発電装置の設置例を示す平面図である。 図1に示す着床式洋上風力発電装置のタワー部の交換工程を示す断面図である。 図1に示す着床式洋上風力発電装置のタワー部の交換工程を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は以下のものに特定されない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部品を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
本発明の着床式洋上風力発電装置は、風力発電を行う風力発電機を洋上に設置してなる装置あって、主として、水深を20m~100mとする海洋上に風力発電機を設置する。ただ、本発明の着床式洋上発電装置は、海洋上のみならず、所定の水深を有する湖の湖底に着床させて水面上に風力発電機を配置する装置として使用することもできる。したがって、本明細書において、洋上とは、海上だけでなく湖上も含む広い意味で使用し、この場合、海底は湖底に相当し、海面は湖面に相当するものとする。
(実施形態1)
図1は実施形態1に係る洋上風力発電装置100の設置状態を示す垂直断面図であり、図2は図1に示す洋上風力発電装置100の概略分解斜視図である。これらの図に示す洋上発電装置100は、海底面50に設置されて、上面が水平面状に整地された基礎部3と、外形を柱状とする形状にコンクリートで形成されると共に、基礎部3の上面に載置されて海面下に配置される土台部1と、複数の鉄骨23を組み立ててタワー状に構築されて、下端部を海面下に配置して土台部1の上に載置し、上端部を海面上に配置して上端にプラットホーム21を設けてなるタワー部2と、プラットホーム21に設置されて風力発電を行う風力発電機4とを備えている。土台部1は、その上端部に、所定の高さを有する筒状の収容壁5を設けており、この収容壁5の内側に、上方開口された有底の収容部6を備えている。タワー部2は、鉄骨23で形成されたタワー本体20の下端部を埋設してなるコンクリートブロック22を備えており、このコンクリートブロック22は、土台部1の収容壁5の内側に収まる外形を有している。洋上風力発電装置100は、収容部6の底部に配置されたコンクリートブロック22の上に粒状錘7が積載されて収容部6に充填され、土台部1の上方に立設されるタワー部2を鉛直姿勢に保持している。
(基礎部3)
基礎部3は、海底面50の任意の領域であって、洋上風力発電装置100を設置する領域に施工される。基礎部3は、土台部1が設置される海底の表面状態を良好にして、その上面に土台部3を安定して載置するために海底面50に形成される。基礎部3は、土台部1を水平姿勢で載置できるように、上面を水平面状に整地している。図の基礎部1は、海底面50に対して全体を所定の高さに形成しており、中央部の上面を水平面状として土台部1を水平姿勢で設置可能とすると共に、外周部を外側に向かって下り勾配となる傾斜面として、潮流や津波に対して崩れにくくしている。図1に示す基礎部3は、水平面状に形成される中央部の外形が、土台部1の底面よりもひと回り大きな外形となるように形成している。基礎部3は、例えば、中央部の外形を土台部1の外形よりも1~10m、好ましくは3~5m大きくすると共に、外周部に形成される傾斜面の幅を2m~10m、好ましくは3~5mとし、傾斜面の勾配を5度~30度としている。
図1に示す基礎部3は、海底面50の上に敷設された多数の捨石32からなる基礎捨石層31と、基礎捨石層31の上面に配置された被覆部材33とを備えている。基礎捨石層31は、多数の捨石32を所定の高さとなるように積み重ねて敷設すると共に、中央部の上面を均して平面状としている。全体が所定の形状に形成された基礎捨石層31の上面には、被覆部材33を敷設している。被覆部材33は、津波による押し波や引き波で基礎捨石層31を構成する捨石32や砂、土砂が流出しないように、基礎捨石層31を上から押圧する重量を有する板状ないしシート状の部材であって、基礎捨石層31の上面全体を被覆している。このような被覆部材33として、アスファルトマット33Aが使用できる。アスファルトマット33Aは、アスファルトを所定の厚さのマット状に成形したものであって、激しい潮流によっても流されない比重と、基礎捨石層31の表面に沿って変形可能な柔軟性とを備えている。アスファルトマット33Aからなる被覆部材33は、基礎捨石層31の上面に沿って密着状態で敷設されて、その自重で基礎捨石層31を上面から押圧する。これにより、基礎捨石層31を構成する多量の捨石32が激しい潮流や津波により流出して基礎部3が変形するのを有効に防止している。ただ、基礎部は、基礎捨石層31を上面から押圧して補強する被覆部材として、コンクリートパネルを使用することもできる。この基礎部は、複数枚のコンクリートパネルを基礎捨石層の上面に敷き詰めることで、基礎捨石層を構成する捨石の流出を防止できる。さらに、基礎部2は、基礎捨石層31の上面に敷設されたアスファルトマット33Aの上に、重りとしてコンクリートブロックやコンクリートパネルを配置することもできる。
(土台部1)
土台部1は、洋上に配置される風力発電機4を支持するタワー部2を載せる土台として海中に設置される。土台部1は、海底面50に設置された基礎部3の上に載置されて、その上にタワー部2が鉛直姿勢で立設される。土台部1は、外形を柱状とする形状にコンクリートで形成されている。コンクリート製の土台部1は、後述するタワー部2を安定して立設された状態に支持できる大きさと重量となるように設計される。とくに、土台部1は、津波による押し波や引き波で横ずれしないように、浮力を差し引いた全体の重量が2000t以上、好ましくは3000t以上となるように設計される。なお、土台部は、詳細には後述するが、水深の深い海底に設置する際には、高さが高くなるように設計されるので、その高さや横幅に応じてさらに大きく、例えば浮力を差し引いた全体の重量が5000t以上に設計されることもある。
さらに、土台部1は、その上にタワー部2を垂直姿勢で立設するために、上端部に筒状の収容壁5を設けており、この収容壁5の内側に上方開口された有底の収容部6を設けている。この土台部1は、図2に示すように、タワー部2の下端部に設けたコンクリートブロック22を収容部6の底部に配置して定位置に保持する。このコンクリートブロック22は、収容壁5に収まる外形を有する板状であって、鉄骨23で形成されたタワー本体20の下端部を埋設する状態で形成されている。土台部1は、収容部6の底部にコンクリートブロック22を配置した状態で、このコンクリートブロック22の上に粒状錘7が積載される。粒状錘7は、収容部6に充填されて、コンクリートブロック22の重しとなって、収容部6に配置されるタワー部2を鉛直姿勢に保持する。
土台部1の上部に設けられる収容壁5は、内側に配置されるタワー部2のコンクリートブロック22から水平方向に移動しようとする荷重を受けてもこれを支持できる厚さに形成される。収容壁5は、その厚さを、50cm~150cm、好ましくは80cm~120cmとすることができる。さらに、収容壁の内側に形成される収容部は、その容積を2000m~10000m、好ましくは3000m~6000mとしており、内側に充填される粒状錘7による浮力を差し引いた重量が3000t以上となるようにしている。ここで、タワー部2の上に設置される風力発電機4の重量を、例えば500~600tとすると、これを支持するタワー部2に対して作用する強風等による横向きの荷重の最大値は、風力発電機4の重量の5~6倍になると考えられる。したがって、この横向きの荷重に耐えるために、コンクリートブロックの上に積載されてタワー部の下端部を支持する粒状錘の全体の重量は、3000t以上であって、例えば5000t以上とすることが好ましい。したがって、土台部1は、収容部6の容積を、前述の範囲としている。
図2に示す土台部1は、収容壁5の平面形状を正方形状としており、その内のりを20m×20mとして、高さを10mとしている。この収容部6は、底部に配置されるコンクリートブロック22の厚さを1mとし、粒状錘7の比重を2.5t/mとすると、コンクリートブロック22の上に積載されて収容部6に充填される粒状錘7による荷重であって、浮力を差し引いた重量が5000t~6000tとなる。したがって、この土台部1は、収容部6に充填される粒状錘7の重量により、タワー部2の下端部を横ずれや転倒することなく固定でき、タワー部2を鉛直姿勢に保持して倒れないように支持できる。
さらに、図1及び図2に示す土台部1は、外周方向に突出するフランジ部13を下端に有している。このフランジ部13は、コンクリート製で、柱状に形成される土台部1の下端に一体的成形して設けられている。土台部1は、このフランジ部13の下面を基礎部3の上面に対して面接触状態で配置している。この土台部1は、フランジ部13を基礎部2の上面に面接触状態で配置することで、土台部1と基礎部2との摩擦抵抗を大きくして、土台部1の横ずれを防止して定位置に保持できる。また、土台部1の下端にフランジ部13を設けることで、底面を広くしつつ、全体の重心を低くして、横からの荷重による土台部1の転倒を抑止している。
土台部1は、フランジ部13の突出量を2m~5mとすることができる。さらに、図に示す土台部1は、外周方向へ突出するフランジ部13を補強するために、土台部1の周壁部11とフランジ部13とを連結する補強リブ19を設けている。これにより、フランジ部13の突出量を大きくしながら、周壁部11に対して強固に固定できるようにしている。例えば、図2に示す土台部1は、フランジ部13の突出量を4mとしており、フランジ部13の外形を1辺を40mとする正方形状としている。この構造のフランジ部は、その厚さを1mとすると、フランジ部13全体の重量が約1400tとなり、浮力を差し引いた荷重が約800tとなる。土台部1は、このフランジ部13の荷重により、さらに基礎部3に対して安定した姿勢で保持される。
(コンクリートケーソン10)
以上の構造の土台部1は、好ましくは、コンクリートケーソン10で構成される。コンクリートケーソン10は、外周面を形成する筒状の周壁部11と、周壁部11の下端開口部を閉塞する底板部12とを備える箱形であって、全体をコンクリートで製作している。さらに、図1と図2に示すコンクリートケーソン10は、周壁部11の下端に外周方向に突出するフランジ部13を一体成形して設けている。コンクリートケーソン10は、事前に工場で製作されると共に、設置現場となる海域に運搬されて、自重により海中に沈降させて海底に設置される。このため、土台部1をコンクリートケーソン10で構成する構造は、製造コストと設置コストの両方を低減できる特長がある。
コンクリートケーソン10で構成される土台部1は、洋上風力発電装置100が設置される海域の水深に応じてその高さを調整することで、タワー部2を海面に対して理想的な位置に配置できる。言い換えると、土台部1は、タワー部2を海面に対して所定の位置に配置できるように、その高さが調整される。土台部1は、設置される海域の水深に応じて、複数のコンクリートケーソン10を上下に積載して配置することにより、その高さが調整される。
図1に示す洋上風力発電装置100は、土台部1が、上下2段に積載されるコンクリートケーソン10を備えている。図に示す土台部1は、下段に配置されるコンクリートケーソン10Bの高さを約20mとし、上段に配置されるコンクリートケーソン10Aの高さを約11mとし、これらを積み重ねた状態での全体の高さを約30mとしている。この構造の土台部1は、図1に示すように、水深を約40mとする海域に設置する状態で、海面下20mの位置に収容部6の底板を配置できる。したがって、海面下20mの深さにタワー部2の下端が位置するように、タワー部2を所定の深さに確実に配置できる。このように、土台部1を上下に積載される複数のコンクリートケーソン10で構成することにより、風力発電装置100の設置海域の水深に応じて、土台部1の高さを最適な高さに調整できる特長がある。
図1及び図2に示す土台部1は、下段に配置されるコンクリートケーソン10Bを、上段に配置されるコンクリートケーソン10Aよりもひと回り大きな外形としており、上下2段に積載されるコンクリートケーソン10を安定して支持できるようにしている。図の土台部1は、下段のコンクリートケーソン10Bの上に、上段のコンクリートケーソン10Aを積み重ねて確実に保持できるように、下段のコンクリートケーソン10Bの周壁部11の内径を30mとして、上段のコンクリートケーソン10Aのフランジ部13の外径を30mより小さくしており、下段のコンクリートケーソン10Bの周壁部11の内側に上段のコンクリートケーソン10Aを配置できるようにしている。
さらに、上段に配置されるコンクリートケーソン10Aは、外周面を形成する筒状の周壁部11と、周壁部11の下端開口部を閉塞する底板部12とを備えると共に、周壁部11を収容壁5として周壁部11の内側を収容部6としている。このコンクリートケーソン10Aは、収容部6にタワー部2の下端に設けたコンクリートブロック22を配置する状態で、収容部に多量の粒状錘7を充填してタワー部2を土台部1の定位置に立設された状態に保持している。この構造は、上段に配置されるコンクリートケーソン10Aの周壁部11を収容壁5に兼用しながらタワー部2の下端部を収容して、タワー部2を定位置に保持できる。
さらに、下段に配置されるコンクリートケーソン10Bは、外周面を形成する筒状の周壁部11と、周壁部11の下端開口部を閉塞する底板部12と、周壁部11の内側に設けられて、コンクリートケーソン10の内部空間を複数の区画室15に区画する複数の垂直壁14とを備えている。このコンクリートケーソン10Bは、複数の垂直壁14の上であって、周壁部11の内側に位置して、上段に配置されるコンクリートケーソン10Aを載置している。このように、下段に配置されるコンクリートケーソン10Bの周壁部11の内側に複数の垂直壁14を設ける構造は、コンクリートケーソン10Bの強度を高めつつ、製造コストを低減できる。さらに、このコンクリートケーソン10Bは、図の鎖線で示すように、各区画室15に粒状錘等の錘を充填することで重り部として機能させても良い。この部分に重り部を設ける構造は、土台部の重量を重くすることができ、また、錘の充填量によりその重量を簡単に調整できる。
さらに、図1及び図2に示す下段のコンクリートケーソン10Bは、周壁部11に開口窓16を開口して設けている。このコンクリートケーソン10Bは、この開口窓16を介して内部空間を外部に連通することで、海中に生息する生物の出入りを可能としてコンクリートケーソン10Bを魚礁としている。図に示すコンクリートケーソン10Bは、垂直壁14にも開口窓17を設けており、内部に形成された複数の区画室15同士をこの開口窓17を介して連通している。
図1及び図2に示す下段のコンクリートケーソン10Bは、複数の垂直壁14の上に、天板を構成するコンクリート板18を配置している。このコンクリート板18は、コンクリートケーソン10Bの周壁部11の内形に沿う外形を有しており、その厚さを例えば1mとして強度を高めることで、上に載置される上段のコンクリートケーソン10Aやタワー部2の荷重を支持できるようにしている。コンクリート板18は、コンクリートケーソン10Bと別部材として工場で製造されて、設置現場に搬送されると共に、コンクリートケーソン10Bを海底に設置した後、海中に沈めてコンクリートケーソン10Bの定位置に配置することができる。ただ、垂直壁の上に配置される天板は、鉄板とすることもできる。
さらに、コンクリート板18の上面には、アスファルトマット37を敷設している。この構造は、アスファルトマット37により、コンクリート板18の上面に載置される上段のコンクリートケーソン10Aの横すべりを効果的に防止できる。ただ、アスファルトマットは省略しても良い。
以上の土台部は上下2段のコンクリートケーソンで構成されるが、土台部は、上下3段以上のコンクリートケーソンで構成し、あるいは1段のコンクリートケーソンで構成することもできる。土台部は、前述のように、洋上風力発電装置が設置される海域の水深やその環境に応じて上下に積載するコンクリートケーソンの数を調整してその高さを調整する。
図3は、実施形態2に係る洋上風力発電装置200を示している。この図に示す洋上風力発電装置200は、土台部1が、上下3段に積載されるコンクリートケーソン10を備えている。図の土台部1は、下段に配置されるコンクリートケーソン10Bと中段に配置されるコンクリートケーソン10Cの高さをともに約15mとして、上段に配置されるコンクリートケーソン10Aの高さを約11mとし、これらを積み重ねた状態での全体の高さを約40mとしている。この構造の土台部1は、図に示すように、水深を約50mとする海域に設置する状態で、海面下20mの位置に収容部6の底板を配置できる。したがって、海面下20mの深さにタワー部2の下端が位置するように、タワー部2を所定の深さに確実に配置できる。
さらに、図3に示す土台部1は、上段から下段に向かって配置されるコンクリートケーソン10の外形を次第に大きくして、上下3段に積載されるコンクリートケーソン10を安定して支持できるようにしている。図3に示す土台部1は、下段のコンクリートケーソン10Bの上に、中段のコンクリートケーソン10Cを積み重ねて確実に保持できるように、下段のコンクリートケーソン10Bの周壁部11の内径を40mとして、中段のコンクリートケーソン10Aのフランジ部13の外径を40mより小さくしており、下段のコンクリートケーソン10Bの周壁部11の内側に中段のコンクリートケーソン10Cを配置できるようにしている。さらに、中段のコンクリートケーソン10Cの上に、上段のコンクリートケーソン10Aを積み重ねて確実に保持できるように、中段のコンクリートケーソン10Bの周壁部11の内径を30mとし、上段のコンクリートケーソン10Aのフランジ部13の外径を30mより小さくしており、中段のコンクリートケーソン10Bの周壁部11の内側に上段のコンクリートケーソン10Aを配置できるようにしている。
なお、図3に示す下段のコンクリートケーソン10Bは、前述の図1及び図2に示す下段のコンクリートケーソン10Bよりも外径を大きくしている。このため、図3に示す下段のコンクリートケーソン10Bは、外周方向に突出するフランジ部13の突出量を4mとして、このフランジ部13の外形を1辺を50mとする正方形状としている。この構造のフランジ部13は、その厚さを1mとすると、フランジ部13全体の重量が約1800tとなり、浮力を差し引いた荷重が約1000tとなる。この土台部1は、このフランジ部13の荷重により、さらに基礎部3に対して安定した姿勢で保持される。
さらに、図3に示す下段のコンクリートケーソン10B及び中段のコンクリートケーソン10Cは、周壁部11の内側に、コンクリートケーソン10の内部空間を複数の区画室15に区画する複数の垂直壁14を備えている。これらのコンクリートケーソン10B、10Cは、複数の垂直壁14の上であって、周壁部11の内側に位置して、上段に配置されるコンクリートケーソン10を載置している。これらのコンクリートケーソン10B、10Cも、図の鎖線で示すように、各区画室15に粒状錘等の錘を充填することで重り部として重量を調整することができる。また、図に示すコンクリートケーソン10B、10Cは、周壁部11に開口窓16を開口して設けると共に、垂直壁14にも開口窓17を設けている。このコンクリートケーソン10B、10Cも、これらの開口窓16、17を介して内部空間を外部に連通して、海中に生息する生物の出入りが可能な魚礁としている。
さらに、図4は、実施形態3に係る洋上風力発電装置300を示している。この図に示す洋上風力発電装置300は、土台部1が、1段のコンクリートケーソン10を備えている。図に示す土台部1は、コンクリートケーソン10の高さを約20mとしており、このコンクリートケーソン10の周壁部11の内側の上部の領域を収容部6としている。図に示すコンクリートケーソン10は、周壁部11の上端から10mの深さの位置を収容部6の底面として中間プレート36を配置している。この中間プレート36には、前述のコンクリート板18が使用できる。この構造の土台部1は、図4に示すように、水深を約30mとする海域に設置する状態で、海面下20mの位置に収容部6の底板(図においては中間プレート36)を配置できる。したがって、海面下20mの深さにタワー部2の下端が位置するように、タワー部2を所定の深さに確実に配置できる。
図に示すコンクリートケーソン10は、外周面を形成する筒状の周壁部11と、周壁部11の下端開口部を閉塞する底板部12とを備えており、周壁部11の下端には、外周方向に突出するフランジ部13を一体成形して設けている。さらに、図に示するコンクリートケーソン10は、周壁部11の内側に、コンクリートケーソン10の内部空間を複数の区画室15に区画する複数の垂直壁14とを備えている。複数の垂直壁14は、周壁部11の中間部分までの高さを有しており、周壁部11の中間部より上側の部分は、タワー部2の下端部を収容する収容部6としている。すなわち、このコンクリートケーソン10は、周壁部11の上部を収容壁5として周壁部11の上部の内側を収容部6としている。図のコンクリートケーソン10は、周壁部11の内側の下端部を中実として重り部35を形成している。このコンクリートケーソン10は、各区画室15に粒状錘等の錘を充填することで重り部35として重量を調整している。ただ、コンクリートケーソンは、必ずしも内部空間を重り部とする必要はなく、開口窓を設けて魚礁とすることもできる。
以上の実施形態にかかる洋上風力発電装置100、200、300の土台部1は、その平面形状を方形状であって、図2に示すように正方形状としている。ただ、洋上風力発電装置は、土台部の平面形状を正方形には特定せず、多角形状、円形状、楕円形状等とすることもできる。図5は、実施形態4に係る洋上風力発電装置400であって、土台部1の平面形状を円形状とする例を示している。図に示す洋上風力発電装置400は、図1及び図2に示す洋上風力発電装置100と同様に、上下2段にコンクリートケーソン10A、10Bを積み重ねている。平面形状を円形とする土台部1は、上段のコンクリートケーソン10Aの円筒状の周壁部11を半径10m~20mの収容壁5として、その内側を収容部6とし、下段のコンクリートケーソン10Bの周壁部11を半径15m~30mの円筒状とすることができる。このコンクリートケーソン10Bも、下端には外周方向に突出するフランジ部13を設けて、周壁部11の内側には複数の垂直壁14を設けて、内部空間を複数の区画室15に分割している。このように平面形状を円形状とする土台部1は、波や潮流による横からの荷重に対して、方向性なく力を逃がすことができる特徴がある。
なお、以上の実施形態において、土台部1を構成するコンクリートケーソン10の各寸法は、本発明の洋上風力発電装置における土台部の構成をわかりやすくするための一例であって、本発明における各実施形態の各寸法を特定するものではない。本発明においては、各実施形態の土台部1を構成するコンクリートケーソン10の各寸法を種々に変更することができるのは言うまでもない。
以上の土台部1は、収容部6の内部に充填される粒状錘7の上面位置を、海面下5m~15mであって、好ましくは5m~10mとする。粒状錘7の上面位置を、以上の範囲とすることで、粒状錘7の上面には太陽光が届くため、粒状錘7に海藻や海草等の水生植物を繁殖させることができる。これにより、収容部6の内側領域を藻場として活用できる。
(粒状錘7)
収容部7に配置されたコンクリートブロック22の上に積載されて、収容部に充填される粒状錘7は、所定の大きさの粒状に形成された錘であって、例えば、砂、砂利、砕石、スラグ等が使用できる。とくに、粒状錘をスラグとする場合、廃棄物として多量に発生するスラグを有効利用しながら、製造コストを低減できる。
粒状錘は、その外径を75mm以下であって、好ましくは、50mm以下とする。粒状錘7は、砂、砂利、砕石、スラグのいずれかとし、とくに、砕石、スラグについては以上の外径とすることで、収容部6内への充填を容易にできる特長がある。また、粒状錘を除去する際には、サクションや水中サンドポンプ等の吸引装置を使用して効率よく吸引して除去できる。とくに、吸引装置は、水搬工法によりスラリー輸送することで、外径を数cmとする粒状の砂利や砕石、スラグ等であっても容易に吸引して搬送することができる。
(タワー部2)
タワー部2は、鉄骨23を組み立ててタワー状に構築されており、下端が海面下に配置されて、上端が洋上に突出して配置される。図1~図4に示すタワー部2は、複数の鉄骨23を組み立てた鉄塔であるタワー本体20と、このタワー本体20の上端に設けられたプラットホーム21と、タワー本体20の下端に設けられたコンクリートブロック22とを備えている。海面下から海洋上に延長して配置されるタワー部2は、海中に配置される浸水部分の下端にコンクリートブロック22を固定しており、海面上に突出する突出部の上端にプラットホーム21を固定している。
タワー部2は、海面下15m~20mの水深に下端を配置すると共に、上端のプラットホーム21を海面から5m~10m突出させる姿勢で配置している。したがって、タワー部2の高さは、25m~35mであって例えば、約30mとしている。本発明の洋上風力発電装置は、設置される海域の水深に応じて土台部1の高さを変えることで、タワー部2を海面位置に対して所定の位置に配置することができる。したがって、水深の異なる海域に設置する場合においても、タワー部2を同一のサイズとして多量生産でき、製造コストを低減することができる。例えば、タワー部の高さを30mとする洋上風力発電装置においては、タワー部2の下端を水深20mの位置に配置できる高さを有する土台部1を使用し、タワー部の上端に設けたプラットホームを、海面上の10mの高さに配置する。すなわち、高さを30mとするタワー部2は、上部の10mを海面上に突出させ、中間の10mを海面から海中に配置し、下端部の10mを土台部1の収容部6に配置して、粒状錘7に埋設される。
洋上風力発電装置は、設置する海域の深さによって土台部1の高さを決定する。例えば、図4に示すように、水深を30mとする海域においては、海底から収容壁5の上端までの高さを約20mとして、収容部6の底面を海面下20mの深さに配置する。また、図1に示すように、水深を40mとする海域においては、海底から収容壁5の上端までの高さを約30mとして、収容部6の底面を海面下20mの深さに配置する。さらにまた、図3に示すように、水深を50mとする海域においては、海底から収容壁5の上端までの高さを約40mとして、収容部6の底面を海面下20mの深さに配置する。
(タワー本体20)
タワー本体20は、高さが約30mであって、その上端に水平面状のプラットホーム21を備えると共に、下端にはコンクリートブロック22を埋設して固定している。コンクリートブロック22は、板状であって、タワー本体20の下端部を埋設する状態で形成されている。タワー本体20の下端は、図示しないが、鉄骨23の一部をアンカーロッドとして、コンクリートブロック22にインサートして一体的に製造される。タワー本体20は、例えば、下端に水平姿勢に連結されたアンカーロッドをコンクリートブロック22にインサート成形することで、コンクリートブロック22に対して倒れないように強固に固定される。
タワー本体20は、多数の鉄骨23を組み合わせてタワー状に形成されている。図2に示すタワー本体20は、横断面形状を正方形とする四角錐台形状であって、下端から上端に向かって断面積を次第に小さくする形状のジャケットタイプとしている。この形状のタワー本体20は、下端に固定されるコンクリートブロックの外形を15m×15m~20m×20mとすることで、土台部1に設けた収容壁5の内側に収まるように配置できる。さらに、タワー本体20は、図4に示すように、平面視を正三角形状とするトラスタワーとすることもできる。この構造のタワー本体20は、横波や横風を受けた際の捻れに対する強度を強くできる。
(コンクリートブロック22)
コンクリートブロック22は、鉄骨23で形成されたタワー本体20の下端部を埋設する状態で、タワー本体20に一体成形されている。コンクリートブロック22は、平らな板状に成形されており、土台部1の収容壁5の内側に収まる外形を有している。図2に示す収容壁5は、平面視を正方形状としているので、コンクリートブロック22の外形を正方形状としている。また、図4に示す収容壁5は、平面視を円形状としているので、コンクリートブロック22の外形を円形状としている。さらに、コンクリートブロック22は、収容壁5の内側に沿って収容できる大きさとしている。すなわち、コンクリートブロック22は、周壁の内径よりも多少小さな外径となるように成形して、収容壁5の内側に沿って収容できるようにしている。これらのコンクリートブロック22は、その厚さを、数十cm~数m、好ましくは、1m~2mとすることができ、コンクリートブロック22自体の重量によっても、タワー本体20を支持できる構造としている。また、コンクリートブロック22を厚くすることで、上に積載される粒状錘7の荷重に耐える強度を実現している。
以上のタワー部2は、下端に固定されたコンクリートブロック22を含む下端部が土台部1に設けた収容壁5の内側に配置される。コンクリートブロック22は、収容壁5の内側に嵌合構造で配置されて、横ずれが防止される。さらに、収容部6の底部に配置されるコンクリートブロック22の上に粒状錘7を積載し、収容部6の内側に多量の粒状錘7を充填することで、粒状錘7の重量で定位置に固定されるコンクリートブロック22を介して、土台部1の上に立設されるタワー部2を鉛直姿勢に保持する。
(プラットホーム21)
プラットホーム21は、風力発電機4を洋上の所定の位置に配置するための設置台であって、上端部を洋上に突出させるように配置されたタワー部2の上端に水平な姿勢で固定されている。水平姿勢で配置されるプラットホーム21は、上面に風力発電機4が設置される。さらに、プラットホームは、風力発電機30に加えて、各種監視装置や各種観測装置を設置することもできる。このような装置として、例えば、バードレーダーや監視カメラ、気象観測用の気象レーダ、あるいは風向計、風量計、風力計等の風況観測機が挙げられる。
(風力発電機4)
風力発電機4は、図2に示すように、風力を受けて回転する複数のブレード41と、回転するブレード41の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機42と、発電機42を収納しているナセル43と、ナセル43を所定の高さに配置するためのタワー44とを備えている。風力発電機4は、タワー44の基部がプラットホーム21の上面に固定されて、洋上において所定の姿勢で配置される。
図1及び図2に示す洋上風力発電装置100は、図6~図8に示す以下の工程で製造される。
[土台部製造工程]
この工程では、タワー部2を支える土台となる土台部1を製造する。土台部1は、外形を柱状とする形状にコンクリートで形成される。土台部1は、その上端部に筒状の収容壁5が設けられて、収容壁5の内側に上方開口された有底の収容部6が形成される。
コンクリートケーソン10で構成される土台部1においては、陸上において、所定の形状と大きさのコンクリートケーソン10を製造する。製造されたコンクリートケーソン10は、設置海域まで船で搬送された後、海底に設置される。
[タワー部製造工程]
この工程では、タワー本体20とプラットホーム21とコンクリートブロック22とを備えるタワー部2を製造する。タワー本体20は、複数の鉄骨を組み立てて所定の形状に構築される。プラットホーム21は、タワー本体20の上端に形成される。コンクリートブロック22は、タワー本体20の下端部を埋設する状態であって、好ましくは、タワー本体20の下端に水平姿勢で連結されたアンカーロッドを埋設する状態で一体成形される。コンクリートブロック22は、平らな板状であって、好ましくは、土台部1の収容壁5の内側に沿う外形を有し、収容壁5の内径よりも多少小さな外径であって、所定の厚さとなるように製造される。以上のタワー部2は、工場で製造された後、設置海域まで船で搬送されて、クレーンで吊り下げられて洋上に設置される。
[基礎部形成工程]
図6の(A)で示すように、海底面50の任意の領域であって、洋上風力発電装置を設置する領域に、多数の捨石32を敷き詰めて所定の高さの基礎捨石層31を形成する。基礎捨石層31は、中央部の上面を水平面状に均すと共に、外周部を外側に向かって下り勾配に傾斜させる。その後、図6の(B)で示すように、基礎捨石層31の上面に被覆部材33としてアスファルトマット33Aを敷設し、基礎捨石層31の上面全体を被覆する。
[土台部設置工程]、
基礎部形成工程で形成された基礎部3の上面に、土台部1を載置して海面下に配置する。まず、図6の(C)で示すように、基礎部の上面に下段のコンクリートケーソン10Bを載置する。その後、コンクリートケーソン10Bに設けた複数の垂直壁14の上面であって周壁部11の内側に、天板としてコンクリート板18を配置する。さらに、図7の(D)で示すように、コンクリート板18の上面にアスファルトマット37を敷設する。
さらに、図7の(E)で示すように、下段のコンクリートケーソン10Bの上に、上段のコンクリートケーソン10Aを載置する。上段のコンクリートケーソン10Aは、下段のコンクリートケーソン10Bの周壁部11の内側であって、上面に敷設したアスファルトマット37の上面に配置される。
[タワー部設置工程]
土台部設置工程で海面下に設置された土台部1の上に、タワー部2を載置する。この工程では、まず、図8の(F)に示すように、タワー部2をクレーン(図示せず)で吊り下げて、タワー部2の下部を海中に沈めて土台部1の収容部6に収容し、タワー部2の下端に設けたコンクリートブロック22を収容部6の底部に配置する。
さらに、図8の(G)に示すように、収容部6の底部に配置されたコンクリートブロック2の上に粒状錘7を積載する。粒状錘7は、所定の大きさの砕石、スラグまたは砂利や砂であって、収容部6の上端開口から流し込むようにして収容部6に充填する。収容部6に充填された多量の粒状錘7の荷重により、タワー部2の下端部が土台部1の上部に保持されて、タワー部2が鉛直姿勢に保持される。以上のようにして土台部1の上部に固定されたタワー部2は、上端部が海面上に突出する状態で配置される。
[発電機設置工程]
タワー部設置工程で海面上に配置されたプラットホーム21に、図1に示すように風力発電機4を設置して固定する。
なお、洋上に設置される洋上風力発電装置において、前述のように平面視における外形を正方形状とする土台部やタワー部に設置に関しては、設置海域における津波の到達方向を考慮してその向きを調整することが好ましい。洋上風力発電装置が設置される海域における津波の到達方向は、統計的に既知となっている。したがって、平面視を多角形状とする土台部1においては、図9に示すように、津波の到達方向に対して、土台部1の平面視における頂点が対向するように土台部1を配置して、土台部1の側面を津波の進行方向に対して交差姿勢で配置する。ここで、図9は、洋上風力発電装置100の土台部1及びタワー部2の平面視における外形を正方形状とする例を示しており、津波による押し波の進行方向を実線の矢印で示し、引き波の進行方向を鎖線の矢印で示している。このように、土台部1やタワー部2の側面を津波の進行方向に対して傾斜姿勢で配置する構造は、側面に対して津波を垂直方向に受けることなく、力を分散させることができる。とくに、平面視を正方形状とする土台部やタワー部を備える洋上風力発電装置は、正方形の対角線が津波の進行方向と平行姿勢となるように配置することで、最も効果的に津波による荷重を抑制して洋上風力発電装置を保護できる。
以上のように、本発明の洋上風力発電装置は、コンクリート製の土台部1と鉄骨23で組み立てられたタワー部2とを組み合わせることで各々の利点を生かしたハイブリッド構造を実現して、洋上風力発電装置として理想的な特徴を実現できる。例えば、コンクリート製の土台部1は、その耐用年数が75年~100年と長いのに対し、鉄骨製のタワー部2は、その耐用年数がおよそ25年であり、土台部1に対して相対的に短くなる。このため、タワー部2の耐用年数が経過した後も風力発電装置を維持するためには、タワー部2を交換する必要がある。このような場合に、本発明の洋上風力発電装置では、多量の粒状錘7を介してタワー部2を支持する構造としているので、簡単かつ低コストにタワー部2を交換できる。本発明の洋上風力発電装置では、コンクリート製の土台部を再利用し、タワー部のみを交換することができるので、ひとつの土台部に対して、2~3回にわたってタワー部2を交換することで、長期的なスパンにおける経済性を高くできる。
以下、本発明の洋上風力発電装置におけるタワー部の交換方法を図10と図11に基づいて説明する。
[除去工程]
この工程では、交換するタワー部2が固定された土台部1の収容部6に充填されている粒状錘7を除去する。この除去工程においては、図10の(A)で示すように、サクションや水中サンドポンプ等の吸引装置38を使用することで、粒状錘7を水搬工法によりスラリー輸送して容易に吸引して除去することができる。
[タワー部取り出し工程]
除去工程によって、土台部1の収容部6から粒状錘7が除去されると、図10の(B)で示すように、収容部6からタワー部を取り出す。タワー部2は、クレーンで吊り上げて収容部6から取り出される。
[タワー部設置工程]
さらに、古いタワー部が取り外された土台部1の上に、新しいタワー部2を設置する。図11の(C)に示すように、新しいタワー部2をクレーン(図示せず)で吊り下げて、タワー部2の下部を海中に沈めて土台部1の収容部6に収容し、タワー部2の下端に設けたコンクリートブロック22を収容部6の底部に配置する。さらに、図11の(D)に示すように、収容部6の底部に配置されたコンクリートブロック22の上に粒状錘7を積載する。粒状錘7は、所定の大きさの砕石、スラグまたは砂利や砂であって、収容部6の上端開口から流し込むようにして収容部6に充填する。
本発明の着床式洋上風力発電装置は、洋上に風力発電機を配置してなる風力発電装置として、水深の異なる海域においても好適に設置できる。
100、200、300、400…洋上風力発電装置
1…土台部
2…タワー部
3…基礎部
4…風力発電機
5…収容壁
6…収容部
7…粒状錘
10、10A、10B、10C…コンクリートケーソン
11…周壁部
12…底板部
13…フランジ部
14…垂直壁
15…区画室
16…開口窓
17…開口窓
18…コンクリート板
19…補強リブ
20…タワー本体
21…プラットホーム
22…コンクリートブロック
23…鉄骨
31…基礎捨石層
32…捨石
33…被覆部材
33A…アスファルトマット
35…重り部
36…中間プレート
37…アスファルトマット
38…吸引装置
41…ブレード
42…発電機
43…ナセル
44…タワー
50…海底面

Claims (15)

  1. 風力発電機を洋上に設置してなる着床式洋上風力発電装置であって、
    海底面に設置されて、上面が水平面状に整地された基礎部と、
    外形を柱状とする形状にコンクリートで形成されてなり、前記基礎部の上面に載置されて海面下に配置される土台部と、
    複数の鉄骨を組み立ててタワー状に構築されてなり、下端部を海面下に配置して前記土台部の上に載置し、上端部を海面上に配置して上端にプラットホームを設けてなるタワー部と、
    前記プラットホームに設置されて、風力発電を行う風力発電機と、
    を備え、
    前記土台部は、
    その上端部に、所定の高さを有する筒状の収容壁を設けて、前記収容壁の内側に、上方開口された有底の収容部を備えており、
    前記タワー部は、
    前記鉄骨で形成されたタワー本体の下端部を埋設してなるコンクリートブロックを備えており、
    前記コンクリートブロックは、前記土台部の前記収容壁の内側に収まる外形を有しており、
    さらに、前記収容部の底部に配置された前記コンクリートブロックの上に粒状錘が積載されて該収容部に充填され、前記土台部の上方に立設される前記タワー部を鉛直姿勢に保持してなることを特徴とする着床式洋上風力発電装置。
  2. 請求項1に記載される着床式洋上風力発電装置であって、
    前記粒状錘が、砂、砂利、砕石、スラグのいずれかである着床式洋上風力発電装置。
  3. 請求項2に記載される着床式洋上風力発電装置であって、
    前記収容部に充填される前記粒状錘の上面位置が、海面下5m~15mである着床式洋上風力発電装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載される着床式洋上風力発電装置であって、
    前記土台部が、外周方向に突出するフランジ部を下端に有しており、前記フランジ部の下面を前記基礎部の上面に対して面接触状態で配置してなる着床式洋上風力発電装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載される着床式洋上風力発電装置であって、
    前記土台部が、上下に積載された複数のコンクリートケーソンを備えており、
    最上段に配置される前記コンクリートケーソンが、
    外周面を形成する筒状の周壁部と、
    前記周壁部の下端開口部を閉塞する底板部とを備え、
    前記周壁部を前記収容壁として該周壁部の内側を前記収容部とし、該収容部に前記タワー部の下端部を配置して該タワー部を前記土台部の定位置に立設してなる着床式洋上風力発電装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載される着床式洋上風力発電装置であって、
    前記土台部が、上下に積載された複数のコンクリートケーソンを備えており、
    下段に配置される前記コンクリートケーソンが、
    外周面を形成する筒状の周壁部と、
    前記周壁部の下端開口部を閉塞する底板部と
    前記周壁部の内側に設けられて、前記コンクリートケーソンの内部空間を複数の区画室に区画する複数の垂直壁とを備えており、
    複数の前記垂直壁の上であって、前記周壁部の内側に位置して、上段に配置されるコンクリートケーソンを載置してなる着床式洋上風力発電装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載される着床式洋上風力発電装置であって、
    前記土台部が、上下に積載された複数のコンクリートケーソンを備えており、
    下段に配置される前記コンクリートケーソンが、
    外周面を形成する筒状の周壁部と、
    前記周壁部の下端開口部を閉塞する底板部と
    を備えて内部に中空部を設けており、
    前記周壁部が、開口窓を有すると共に、前記開口窓を介して前記コンクリートケーソンの内部空間を外部に連通してなる着床式洋上風力発電装置。
  8. 請求項1から4のいずれか一項に記載される着床式洋上風力発電装置であって、
    前記土台部が、
    外周面を形成する筒状の周壁部と、
    前記周壁部の下端開口部を閉塞する底板部と
    を備えるコンクリートケーソンで構成されており、
    前記コンクリートケーソンが、
    前記周壁部の内側の下端部を中実として重り部を形成すると共に、
    前記周壁部の上部を前記収容壁として該周壁部の内側の上部を前記収容部とし、該収容部に前記タワー部の下端部を配置して該タワー部を前記土台部の定位置に立設してなる着床式洋上風力発電装置。
  9. 請求項5から8のいずれか一項に記載される着床式洋上風力発電装置であって、
    前記土台部の前記周壁部の平面視における外形が方形状である着床式洋上風力発電装置。
  10. 請求項5から8のいずれか一項に記載される着床式洋上風力発電装置であって、
    前記土台部の前記周壁部の平面視における外形が円形状である着床式洋上風力発電装置
  11. 請求項1ないし10のいずれか一項に記載される着床式洋上風力発電装置であって、
    前記基礎部が、
    海底面に多数の捨石が敷設されて、上面が平面状に均らされた基礎捨石層と、
    前記基礎捨石層の上面に配置された被覆部材とを備えることを特徴とする着床式洋上風力発電装置。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載される着床式洋上風力発電装置のタワー部の交換方法であって、
    前記土台部の前記収容部に充填された粒状錘を除去する除去工程と、
    前記粒状錘が除去された前記収容部からタワー部を取り出すタワー部取り出し工程と、
    前記タワー部取り出し工程で前記タワー部が取り出された前記収容部に、新たに設置されるタワー部の下端部に設けたコンクリートブロックを配置すると共に、前記収容部の底部に配置された前記コンクリートブロックの上に粒状錘を積載して該収容壁部の内側に充填するタワー部設置工程と
    を含むことを特徴とする着床式洋上風力発電装置のタワー部の交換方法。
  13. 請求項12に記載される着床式洋上風力発電装置のタワー部の交換方法であって、
    前記粒状錘が、砂、砂利、砕石、スラグのいずれかであって、
    前記除去工程において、
    吸引装置を使用して、前記粒状錘を前記収容壁部の内側から吸い出して除去することを特徴とする着床式洋上風力発電装置のタワー部の交換方法。
  14. 風力発電機を洋上に設置してなる着床式洋上風力発電装置の製造方法であって、
    外形を柱状とする形状にコンクリートで形成されると共に、その上端部に筒状の収容壁を設けて、前記収容壁の内側に上方開口された有底の収容部を備える土台部を製造する土台部製造工程と、
    複数の鉄骨を組み立てて構築されたタワー本体と、前記タワー本体の上端に設けられたプラットホームと、該タワー本体の下端部を埋設して、前記収容壁に収まる外形に形成されたコンクリートブロックとを備えるタワー部を製造するタワー部製造工程と、
    海底面に、上面が水平面状に整地された基礎部を形成する基礎部形成工程と、
    前記基礎部形成工程で形成された前記基礎部の上面に、前記土台部を載置して海面下に配置する土台部設置工程と、
    前記土台部設置工程で海面下に設置された前記土台部の上に、前記タワー部を載置して、前記タワー部の上部を海面上に配置するタワー部設置工程と、
    タワー部設置工程で海面上に配置された前記プラットホームに風力発電機を設置する発電機設置工程と
    を含み、
    前記タワー部設置工程において、
    前記タワー部の下端部に設けた前記コンクリートブロックを、前記土台部の前記収容部の底部に配置すると共に、前記収容部に配置された前記コンクリートブロックの上に粒状錘を積載して該収容部の内側に充填して、前記土台部の上方に立設される前記タワー部を鉛直姿勢に保持することを特徴とする着床式洋上風力発電装置の製造方法。
  15. 請求項14に記載される着床式洋上風力発電装置の製造方法であって、
    前記土台部が、平面視を多角形状としており、
    前記土台部設置工程において、
    前記土台部が設置される海域における津波の到達側に対して、前記土台部の平面視における頂点が対向するように前記土台部を配置して、前記土台部の側面を津波の進行方向に対して交差姿勢で配置することを特徴とする着床式洋上風力発電装置の製造方法。
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