JP7001332B2 - 造粒物 - Google Patents

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Description

本発明は、アミノ酸を含んでいながら、製造ロスが少なく、高い製造効率で製造できる造粒物に関する。更に、本発明は、アミノ酸を含んでいながら、打錠障害を抑制して、高い製造効率で製造できる錠剤に関する。更に、本発明は、当該造粒物及び当該錠剤の製造方法に関する。
アミノ酸は、生命活動に必要な基本物質であり、多様な機能性が知られている。また、タンパク質を構成する20種のアミノ酸の中には、体内で合成できない必須アミノ酸があり、生命機能の維持にはアミノ酸の摂取が不可欠である。近年、食生活の偏り等によって、アミノ酸の摂取不足になっている人が増加している。そこで、食事で不足するアミノ酸を補給するために、アミノ酸を含むサプリメントやドリンク剤が開発されている。また、アミノ酸には、薬理作用を発揮するものが知られており、医薬としても利用されている。
このように、アミノ酸は、食品や医薬品等の分野において広く利用されている。一方、アミノ酸には、他の物質と物理的に結合し難いという特有の性質がある。そのため、アミノ酸を固形状に製剤化する場合、アミノ酸の結合力が弱いことに起因して製剤化が困難になるという欠点があった。とりわけ、錠剤の場合には、打錠時に、キャッピング(錠剤の上下が剥がれる事象)、スティッキング(杵や臼に原料の一部が付着し、錠剤の一部が剥がれる事象)、バインディング(臼壁での摩擦により錠剤表面に傷が入る事象)等の打錠障害が生じるという欠点がある。このような打錠障害を防ぐには、結合剤等の添加剤を多く使用することが有効になるが、多量の添加剤の使用では、アミノ酸やアミノ酸以外の栄養成分や薬理成分(以下、「機能成分」と表記することもある。)の含有量の低下を招き、1回当たりの摂取量が増大して摂取者の負担が増してしまう。
そこで、従来、アミノ酸を含む錠剤を製造する際に打錠障害を抑制する手法について、検討がなされている。例えば、特許文献1には、アミノ酸をラクチトールと共に錠剤化することにより、打錠障害を抑制できることが開示されている。また、特許文献2には、イソロイシン、ロイシン、及びバリンを造粒して顆粒にした後に、当該顆粒を結合剤でコーティングして打錠することにより、打錠障害を抑制できることが開示されている。しかしながら、特許文献1の製剤化技術では、いまだ十分な効果があるとは言えず、また、特許文献2の製剤化技術では、コーティング工程の増加により製造効率が低下するという欠点がある。
このような従来技術を背景として、打錠障害を抑制してアミノ酸を含む錠剤を効率的に製剤化する技術の確立が望まれている。
特開2001-258509号公報 特開2003-221326号公報
従来、錠剤を製造する際に、原料を一旦造粒した後に、打錠成型に供する手法が知られている。そこで、本発明者は、アミノ酸を含む原料を一旦造粒した後に打錠成型することを試みたところ、アミノ酸を含む原料を造粒した後に整粒すると、整粒機(コーミル)に造粒物が残存し、効率的に造粒物が得られないという新たな課題に直面した。そのため、依然として、打錠障害を抑制してアミノ酸を含む錠剤を製造する技術を確立できない状況に陥った。
そこで、本発明の目的の一つは、アミノ酸を含む原料から高い製造効率で造粒物を製造する技術を提供することである。更に、本発明の他の目的は、アミノ酸を含む錠剤を、打錠障害を抑制して効率的に製造する製剤化技術を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、アミノ酸にα化澱粉及び/又は部分α化澱粉を共存させて造粒物を製造することによって、整粒機に造粒物が残存するのを抑制でき、アミノ酸を含む造粒物が効率的に得られることを見出した。更に、本発明者は、当該造粒物を用いて錠剤を製造することによって、打錠障害を抑制して、アミノ酸を含む錠剤を効率的に製造できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいてさらに検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. (A)アミノ酸、並びに(B)α化澱粉及び部分α化澱粉よりなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする、造粒物。
項2. 前記(A)成分1重量部当たり、前記(B)成分を0.03~6重量部の比率で含む、項1に記載の造粒物。
項3. 前記(B)成分がα化澱粉である、項1又は2に記載の造粒物。
項4. 前記(A)成分の含有量が1~6重量%である、項1~3のいずれかに記載の造粒物。
項5. 項1~4のいずれかに記載の造粒物を含む、錠剤。
項6. 項1~4のいずれかに記載の造粒物を打錠成型する工程を含む、錠剤の製造方法。
本発明の造粒物は、アミノ酸を含んでいながら、整粒時に生じる製造ロスを抑制できるので、工業的製造において高い製造効率を実現することができる。更に、本発明の錠剤は、アミノ酸を含んでいながら、打錠成型時の打錠障害を抑制できるので、効率的に製造することができる。
1.造粒物
本発明の造粒物は、アミノ酸(以下、(A)成分と表記することもある)、並びにα化澱粉及び部分α化澱粉よりなる群から選択される少なくとも1種(以下、(B)成分と表記することもある)を含有することを特徴とする。以下、本発明の造粒物について詳述する。
(A)アミノ酸
本発明の造粒物は、アミノ酸を含有する。従来技術では、アミノ酸を含む造粒物では、整粒時に整粒機に造粒物が残存し、効率的に造粒物が得られなかったが、本発明では、α化澱粉及び/又は部分α化澱粉を含むことにより、アミノ酸を含んでいても、効率的に造粒物を製造することが可能になっている。
本発明で使用されるアミノ酸の種類については、特に制限されず、その用途に応じて適宜設定すればよく、タンパク質の構成アミノ酸であってもよく、また、タンパク質の非構成アミノ酸であってもよい。
タンパク質の構成アミノ酸としては、具体的には、メチオニン、システイン、アルギニン、イソロイシン、ロイシン、バリン、ヒスチジン、リジン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、アスパラギン、アスパラギン酸、アラニン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、プロリン、セリン、チロシンが挙げられる。
また、タンパク質の非構成アミノ酸としては、具体的には、オルニチン、シトルリン、ヒドロキシプロリン、γ-アミノ酪酸、シスチン、テアニン等が挙げられる。
これらのアミノ酸の中でも、好ましくはタンパク質の構成アミノ酸、更に好ましくはメチオニン、システイン、アルギニンが挙げられる。
本発明の造粒物において、これらのアミノ酸は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の造粒物における(A)成分の含有量については、特に制限されないが、例えば、1~6重量%、好ましくは1~5.5重量%、更に好ましくは1~5重量%が挙げられる。従来技術では、(A)成分を含む場合には、造粒物の製造ロスが大きくなるという欠点があったが、本発明の造粒物では、このような従来技術の問題点が克服されており、前記含有量で(A)成分を含む場合であっても、製造ロスが少なく、しかも錠剤製造に供すると打錠障害を抑制することが可能になっている。
(B)α化澱粉及び/又は部分α化澱粉
本発明の造粒物は、α化澱粉及び/又は部分α化澱粉を含有する。α化澱粉及び/又は部分α化澱粉を含むことにより、従来のアミノ酸を含む造粒物の欠点を克服し、製造ロスが少なく、更には錠剤製造に供すると打錠障害を抑制することが可能になる。
α化澱粉とは、α化度が90%以上である澱粉を指す。本発明で使用されるα化澱粉のα化度については、特に制限されないが、製造ロスをより少なくし、更には打錠成型に供した際の打錠障害をより一層効果的に抑制するという観点から、好ましくは92%以上、更に好ましくは94%以上、特に好ましくは96%以上が挙げられる。なお、本発明において、α化度は、グルコアミラーゼ法(二國二郎編、「澱粉科学ハンドブック」、朝倉書店、1977年、p.242)に従って測定される値を指す。
また、部分α化澱粉とは、α化度が50%以上90%未満の澱粉を指す。本発明で使用される部分α化澱粉のα化度については、特に制限されないが、製造ロスをより少なくし、更には打錠成型に供した際の打錠障害をより一層効果的に抑制するという観点から、好ましくは55%以上90%未満、更に好ましくは60%以上90%未満、特に好ましくは65%以上90%未満が挙げられる。
本発明において、α化澱粉及び/又は部分α化澱粉の原料澱粉の種類については、特に制限されないが、例えば、トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、ソラマメ澱粉、緑豆澱粉、大豆澱粉、小豆澱粉等が挙げられる。これらの原料澱粉の中でも、打錠障害をより一層効果的に抑制するという観点から、好ましくはトウモロコシ澱粉が挙げられる。
また、本発明で使用されるα化澱粉及び/又は部分α化澱粉は、必要に応じて、化学的加工処理が施されたものであってよい。このような化学的加工処理の種類については、特に制限されないが、例えば、ヒドロキシプロピル化、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋、リン酸架橋、リン酸化、リン酸化モノエステル化リン酸架橋、アセチル化アジピン酸架橋、アセチル化、アセチル化リン酸架橋、オクテニルコハク酸化、酢酸化、漂白等が挙げられる。
α化澱粉及び部分α化澱粉の中でも、製造ロスをより少なくし、更には打錠成型に供した際の打錠障害をより一層効果的に抑制するという観点から、好ましくはα化澱粉、更に好ましくはα化トウモロコシ澱粉が挙げられる。
本発明の造粒物において、α化澱粉及び部分α化澱粉の中から1種のものを選択して使用してもよく、また、これらの中から2種以上のものを組み合わせて使用してもよい。
本発明の造粒物において、(A)成分と(B)成分の比率については、特に制限されないが、製造ロスをより一層少なくし、更には錠剤製造に供した際の打錠障害をより一層効果的に抑制するという観点から、(A)成分の総量1重量部当たり、(B)成分が総量で0.03~6重量部、好ましくは0.2~5.5重量部、更に好ましくは0.2~5重量部が挙げられる。
本発明の造粒物における(B)成分の含有量については、前述するアミノ酸とα化澱粉及び/又は部分α化澱粉との比率を充足する範囲で適宜設定すればよいが、例えば、0.2~6重量%、好ましくは1~5.5重量%、更に好ましくは1~5重量%が挙げられる。
その他の成分
本発明の造粒物には、前述する成分の他に、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、他の添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、賦形剤、流動化剤、滑沢剤、崩壊剤、結合剤、存剤、酸味料、甘味料、香料、着色料等が挙げられる。
このような添加剤としては、具体的には、乳糖、ブドウ糖、麦芽糖、ショ糖、白糖等の糖類:マンニトール、ソルビトール、キシリトール、トレハロース、エリスリトール等の糖アルコール;トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、デキストリン、カルボキシメチルスターチ等の澱粉及びその誘導体;セルロース、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース及びその誘導体;アラビアガム、デキストラン、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。これらの添加剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の造粒物は、前述する成分の他に、機能成分を含有していてもよい。このような機能成分としては、食品や医薬品に使用可能なものであれば特に制限されないが、例えば、制酸剤、健胃剤、消化剤、整腸剤、鎮痙剤、粘膜修復剤、抗炎症剤、収斂剤、鎮吐剤、鎮咳剤、去痰剤、消炎酵素剤、鎮静催眠剤、抗ヒスタミン剤、カフェイン類、強心利尿剤、抗菌剤、血管収縮剤、血管拡張剤、局所麻酔剤、生薬、生薬エキス末、ビタミン類、メントール類、グルコサミン化合物、キチン、キトサン等が挙げられる。これらの栄養成分や薬理成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの成分の含有量については、使用する成分の種類等に応じて適宜設定される。
本発明の造粒物に(A)成分及び(B)成分以外の成分を含有させる場合、その含有量については、適宜設定すればよいが、例えば、(A)成分及び(B)成分以外の成分の総量で88~98.8重量%、好ましくは89~98.8重量%、更に好ましくは89~98重量%が挙げられる。
平均粒径
本発明の造粒物の平均粒径については、特に制限されないが、例えば、20~500μm、好ましくは30~400μm、更に好ましくは40~250μmが挙げられる。ここで、造粒物の平均粒径とは、レーザー回析式粒度分布測定装置で測定される値である。
用途
本発明の造粒物は、打錠成型に供して錠剤を製造するための原料として使用することが好ましいが、そのまま顆粒剤又は細粒剤として使用してもよく、更に水溶性高分子等によりコーティングを施してコーティング製剤として提供したり、カプセルに充填してカプセル剤として提供してもよい。
造粒物の製造方法
本発明の造粒物は、(A)成分及び(B)成分を混合して造粒することにより製造することができる。また、本発明の造粒物に、必要に応じて添加される他の成分を含有させる場合には、(A)成分及び(B)成分と共に当該他の成分を混合して、造粒を行えばよい。造粒方法については、湿式造粒が挙げられる。
湿式造粒に使用される溶媒については、特に制限されないが、例えば、水、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの溶媒の中でも、好ましくは水が挙げられる。
湿式造粒に使用される溶媒の添加量については、特に制限されないが、例えば、造粒に供される成分の総量100重量部当たり、3~10重量部、好ましくは4~9重量部、更に好ましくは4~8重量部が挙げられる。
湿式造粒により得られた造粒物は、必要に応じて乾燥させた後に、整粒機を用いて所望の平均粒径になるように整粒することが好ましい。
2.錠剤
本発明の錠剤は、前記造粒物を含むことを特徴とする。従来技術では、アミノ酸は、打錠成型時に打錠障害を引き起こす要因になっていたが、本発明では、前記造粒物を使用して打錠成型することにより、アミノ酸を含んでいても、打錠障害を抑制して効率的に錠剤を得ることが可能になっている。
本発明の錠剤における前記造粒物の含有量については、特に制限されないが、例えば、66~100重量%、好ましくは66~97重量%、更に好ましくは70~97重量%が挙げられる。
本発明の錠剤における(A)成分の含有量については、当該錠剤中の前記造粒物の含有量、及び前記造粒物中の(A)成分の含有量に応じて定まるが、具体的には0.66~6重量%、好ましくは0.66~5.5重量%、更に好ましくは0.66~5重量%が挙げられる。
本発明の錠剤における(B)成分の含有量については、当該錠剤中の前記造粒物の含有量、及び前記造粒物中の(B)成分の含有量に応じて定まるが、具体的には0.13~6重量%、好ましくは0.66~5.5重量%、更に好ましくは0.66~5重量%が挙げられる。
また、本発明の錠剤には、前記造粒物以外に、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、錠剤への製剤化等に必要な他の添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、賦形剤、流動化剤、滑沢剤、崩壊剤、結合剤、存剤、酸味料、甘味料、香料、着色料等が挙げられる。これらの添加剤の具体例については、前記「1.造粒物」で例示したものと同様である。
更に、本発明の錠剤には、必要に応じて、機能成分を含有していてもよい。このような機能成分の具体例については、前記「1.造粒物」で例示したものと同様である。また、これらの成分の含有量については、使用する成分の種類等に応じて適宜設定される。
本発明の錠剤に、前記造粒物以外に添加される添加剤や機能性成分の含有量については、適宜設定すればよいが、例えば、前記造粒物以外に添加される添加剤及び機能性成分の総量(但し、前記造粒物中に含まれる添加剤及び機能成分を除いた量)で0~34重量%、好ましくは3~34重量%、更に好ましくは3~30重量%が挙げられる。
本発明の錠剤は、前記造粒物を打錠成型に供することによって得ることができる。本発明の錠剤は、前記造粒物を用いることにより、打錠成型時にステッィキング、キャッピング、バインディング等の打錠障害を抑制し、効率的に製造することができる。
本発明の錠剤を製造する際には、打錠成型に供する前に、前記造粒物に対して、必要に応じてコーティングを施してもよい。更に、本発明の錠剤を製造する際には、打錠成型に供する前に、前記造粒物に対して、必要に応じて添加される他の成分(例えば、結合剤等)一部または全部を用いてコーティングを施してもよい。
また、本発明の錠剤に、必要に応じて添加される他の成分(添加剤、栄養成分、及び/又は薬理成分)を含有させる場合には、当該他の成分を造粒物と混合して打錠成型を行えばよい。
打錠成型の方法については、特に制限されないが、例えば、単発錠剤機、ロータリー式錠剤機、高速回転式錠剤機等の装置を用いて行うことができる。また、打錠成型する際の打圧については、錠剤成型が可能である限り、特に制限されないが、通常0.9~2.0t程度、好ましくは1.0~2.0t程度、更に好ましくは1.2~2.0t程度に設定すればよい。
本発明の錠剤は、アミノ酸による有用な生理機能がもたらされるので、食品や医薬品として使用される。本発明の錠剤は、素錠の状態で使用してもよいが、必要に応じて、糖衣コーティング、フィルムコーティング等のコーティングを施してコーティング錠として使用してもよい。
本発明の錠剤の1錠あたりの重量については、1回当たりの服用量、アミノ酸の含有量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば120~350mg程度が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の試験例及び製造例において、α化トウモロコシ澱粉は、商品名「アミコールC」(日澱化學株式会社製;α化度98.4)を使用し、部分α化トウモロコシ澱粉は、商品名「PCS」(旭化成ケミカルズ株式会社製;α化度70.0)を使用した。
試験例1
1.造粒物の製造
表1に示す組成の造粒物を製造した。具体的な製造方法は以下に示す通りである。先ず、表1に示す各成分及び水を混合して、撹拌造粒機にて湿式造粒を行った。なお、水の添加量は、表1に示す各成分の総量100重量部当たり、6重量部となるように設定した。次いで、造粒物を40℃、10分間の条件で乾燥させることにより造粒物を得た。得られた造粒物をコーミル(目開き1mm)で整粒した。
2.回収率の測定
整粒によって回収された造粒物(コーミルを通過した造粒物)の重量を測定し、以下の算出式に従って、回収率を算出した。
Figure 0007001332000001
算出された回収率を以下の判定基準に従って分類し、製造効率について評価した。
<判定基準>
◎ :回収率が95%以上
○ :回収率が80%以上95%未満
△ :回収率が70%以上80%未満
× :回収率が50%以上70%未満
××:回収率が50%未満
3.結果
得られた結果を表1に示す。アミノ酸と、トウモロコシ澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、又はキシリトールを含む造粒物では、造粒物がコーミルに付着して残存したため、回収率が50%未満と低い値になった。これに対して、アミノ酸とα化澱粉及び/又は部分α化澱粉を含む造粒物では、いずれも回収率が70%以上であり、高い製造効率を示していた。更に、実施例1と5の対比から明らかなように、α化澱粉を使用した方が、部分α化澱粉よりも、回収率が高くなっていた。
Figure 0007001332000002
試験例2
1.錠剤の製造
(実施例9及び比較例6)
表2に示す組成の成分を所定量混合し、打錠機(ロータリー方式、VIRGO、株式会社菊水製作所)を用いて、打錠圧1.8t、回転数40rpmに設定して打錠成型に供することにより、錠剤(φ9mm、合計3000錠)を製造した。なお、実施例9では、メチオニン、及びα化トウモロコシ澱粉及びグルコサミンとして、前記実施例1の造粒物を使用した。また、比較例6では、メチオニン及びグルコサミンとして、前記比較例1の造粒物を使用した。
(比較例5)
表2に示す各成分を混合し、錠機(ロータリー方式、VIRGO、株式会社菊水製作所)を用いて、打錠圧1.8t、回転数40rpmに設定して打錠成型に供することにより、錠剤(φ9mm、合計3000錠)を製造した。なお、比較例5では、造粒物を使用せずに実施した。
2.打錠障害の有無
各錠剤を打錠成型した際の打錠障害の有無について観察した結果を表2に示す。アミノ酸及びα化澱粉を含んでいても、これらを予め造粒せずに打錠成型に供すると、スティッキング(杵や臼に原料の一部が付着し、錠剤の一部が剥がれる事象)が認められた(比較例5)。また、α化澱粉を含まない比較例1の造粒物を使用して打錠成型した場合には、バインディング(臼壁での摩擦により錠剤表面に傷が入る事象)の発生が認められた(比較例6)。これに対して、アミノ酸及びα化澱粉を含む実施例1の造粒物を使用して打錠成型すると、スティッキング、バインディング、キャッピング等の打錠障害は認められず、効率的に錠剤を製造できた(実施例9)。
Figure 0007001332000003
製造例1:造粒物
表3に示す組成の造粒物を前記試験例1と同様の条件で製造した。得られた造粒物は、いずれも、コーミルへの付着が抑制され、回収率が高かった。
Figure 0007001332000004
製造例2:錠剤
表4に示す組成の錠剤を前記試験例2と同様の条件で製造した。いずれの錠剤の製造でも、スティッキング、バインディング、キャッピング等の打錠障害が認められなかった。
Figure 0007001332000005

Claims (6)

  1. (A)アミノ酸、並びに(B)α化澱粉を含有し、
    前記(A)成分が、メチオニン、システイン、アルギニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、及びテアニンからなる群より選択されることを特徴とする、湿式造粒物(但し、DPP-4阻害剤を含む場合を除く)。
  2. 前記(A)成分1重量部当たり、前記(B)成分を0.03~6重量部の比率で含む、請求項1に記載の湿式造粒物。
  3. 更に部分α化澱粉を含む、請求項1又は2に記載の湿式造粒物。
  4. 前記(A)成分の含有量が1~6重量%である、請求項1~3のいずれかに記載の湿式造粒物。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の湿式造粒物を含む、錠剤。
  6. 請求項1~4のいずれかに記載の湿式造粒物を打錠成型する工程を含む、錠剤の製造方法。
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