JP6999837B2 - 配線用遮断器のアーク消弧室ベース - Google Patents

配線用遮断器のアーク消弧室ベース Download PDF

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Description

本発明は、配線用遮断器のアーク消弧室ベース(MCCB AEC(Arc Extinguish Chamber) BASE)に関し、より詳しくは、熱可塑性樹脂で作製された配線用遮断器のアーク消弧室ベースに関する。
一般に、配線用遮断器は、交流600V以下、直流250V以下の低圧屋内電路の保護に用いる定格電流2500A以下のモールドケースに囲まれた遮断器であり、米国NEMA規格ではMolded Case Circuit Breaker(MCCB)と称し、これは国際的に通用する名称である。
韓国では電気設備技術基準や内線規程などにおいて配線用遮断器の設置が義務付けられており、配線用遮断器とは、開閉機構やトリップ装置などを絶縁物の容器内に一体に組み立てたものであって、通電状態の電路を手動又は電気操作により開閉し、過負荷や短絡などの状態になると自動的に電路を遮断する装置をいう。
配線用遮断器は、回路に異常が発生すると迅速に電路を遮断することにより、配線や接続器の破壊又は火災発生を防止し、過負荷や短絡電流などの事故電流を遮断する。
すなわち、定格電流以上の電流が流れると温度が危険な状態に達する前に電路を遮断し、短絡電流などの大きな事故電流が流れると瞬間的に電路を遮断する。
電流が流れている回路で接触子により電流を遮断する場合、接触子間でアーク(絶縁体である大気が電圧により絶縁破壊を起こしてプラズマ状態の導電体になる現象)が発生し、アークは電流の大きさに比例して大きくなる。
アークは、中心温度が8000~12000℃に達して爆発的な膨張圧力を有するので、接触子を溶融、消耗させて絶縁物を劣化破壊する。
よって、配線用遮断器のケースは、遮断時に発生するこのようなアークによる被害を防止することにより、アークを安全に消弧して製品内部の他の部品を保護する役割を果たす。
このような配線用遮断器において、配線用遮断器のケース、とりわけアーク消弧室ベースに適用される素材は、不飽和ポリエステルを主成分として、それに低収縮剤を混合し、さらに酸化マグネシウムや水酸化マグネシウムなどの増粘剤を添加することが特徴である。当該素材は、熱硬化性素材であり、電気的、機械的、熱的特性、寸法安定性、耐化学性に優れているので、熱可塑性素材の適用に限界がある電力機器に一般的に適用されている。
このような熱硬化性素材としては、生産工法によってSMC(Sheet Molding Compound)、BMC(Bulk Molding Compound)などが用いられている。
図1は従来の配線用遮断器の製造に用いられるBMCの作製過程を示す概念図であり、図2は従来の配線用遮断器の製造に用いられるSMCの作製過程を示す概念図である。
図1及び図2に示すように、従来の配線用遮断器の製造に用いられるBMCは、不飽和ポリエステル樹脂、低収縮剤、硬化剤、充填剤、離型剤などを混練機(ニーダー)に入れて均一に混合した母材(マトリックス)に補強材としてガラス繊維を加えて含浸させたバルク状の熱硬化性強化プラスチック機械成形材料からなる。
また、SMCは、不飽和ポリエステル樹脂、低収縮剤、硬化剤、充填剤、離型剤などを予混合器(プレミキサー)に入れて均一に混合した母材(マトリックス)にガラス繊維(1インチ)を含浸させて熱化学的に熟成させたシート状の熱硬化性強化プラスチック機械成形材料からなる。
具体的には、配線用遮断器には、不飽和ポリエステルを主原料とするSMC、BMC素材が適用されるが、当該素材は、既に硬化剤が含まれていて室温でも次第に硬化反応が進むので、長時間の使用が不可能であり、保管期間によって物性にバラツキが生じることがある。
また、BMCは、温度/湿度に敏感で物性の変化が大きいので、生産季節によって品質のバラツキが大きく生じ、BMC混練工程でガラス繊維の均一な分散に限界があり、部品の射出時に部品の部位によってバラツキが生じる。
さらに、前記素材は製品の保証期間が一般的に6カ月と非常に短く、前記素材を適用して配線用遮断器を生産する場合、硬化時間が遅い熱硬化性不飽和ポリエステルで成形するので、モールド後、長時間の硬化時間を必要とし、帯状に突出した部分であるバリの発生により後処理工程を必要とするので、生産工程及び作業工数が増加して部品コストが高くなる。
さらに、配線用遮断器の主材料として循環リサイクルが不可能な熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂を用いるので、資源のリサイクルが困難であり、環境にやさしくないという問題があった。
部品の生産方法には次の2つの方法がある。
図3は従来の配線用遮断器の部品を生産するための射出成形装置を示す構成図であり、図4は従来の配線用遮断器の部品を生産するための圧縮成形装置を示す構成図である。
図3及び図4に示すように、射出成形により作製されたSMC、BMC素材の最も大きな長所は、強度を補強するガラス繊維の長さが長い(3~12mm)ので機械的強度に非常に優れているという特徴を有することであるが、生産性の高い射出成形を適用した場合、ガラス繊維がホッパー20を介してノズル30に供給される際に不規則に破断してしまう。このような工程により生産された部品の強度は圧縮成形方法の1/5のレベルに低下し、素材本来の優れた特徴を発現しにくくなる。
一方、圧縮成形は、作業者が材料を正確に計量してモールド40に入れて成形を行わなければならないので、工程時間が長くなり、生産量が低くなるだけでなく、計量量/計量サイズ/計量位置/作業者によって製品の品質が異なることになる。
このように、従来の配線用遮断器においては、熱硬化性樹脂を用いることから、長時間の硬化時間を必要とし、バリの発生により後処理工程を必要とするので、生産工程及び作業工数が増加して部品コストが高くなるという問題があった。
また、配線用遮断器の主材料として循環リサイクルが不可能な熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂を用いるので、資源のリサイクルが困難であり、環境にやさしくないという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、熱可塑性樹脂で作製された配線用遮断器のアーク消弧室ベースを提供することを目的とする。
本発明の一実施形態による配線用遮断器に適用されるアーク消弧室ベースは、熱可塑性樹脂からなり、前記熱可塑性樹脂は、下記化学式を有する芳香族ポリアミド(ポリフタルアミド)系樹脂であることを特徴とする。
Figure 0006999837000001
ここで、前記熱可塑性樹脂には、PA66(ポリアミド樹脂)素材が含まれることを特徴とする。
また、前記芳香族ポリアミド系樹脂は、芳香族ジカルボン酸が30モル%以上、100モル%未満であることを特徴とする。
さらに、前記芳香族ポリアミド系樹脂には、C4~C15の脂肪族又は脂環族ジアミンが含まれることを特徴とする。
さらに、前記アーク消弧室ベースには、金属素材が含まれることを特徴とする。
さらに、前記アーク消弧室ベースには、無機充填材、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤及び調色剤がさらに含まれることを特徴とする。
さらに、前記アーク消弧室ベースの素材組成範囲は、前記芳香族ポリアミド系樹脂30~75重量%、前記無機充填材20~65重量%、残部1~50重量%からなることを特徴とする。
さらに、前記アーク消弧室ベースには、セラミック、ガラス及び繊維のいずれかからなるボール粒子が含まれることを特徴とする。
本発明の一実施形態による配線用遮断器に適用されるアーク消弧室ベースは、芳香族ポリアミド(ポリフタルアミド)系の熱可塑性樹脂で作製されるので、生産性の向上、部品の軽量化、部品生産時間の短縮、環境調和性の向上、及びリサイクルが可能である。
また、ポリフタルアミド系の熱可塑性樹脂にPA66素材を重合させて成形するので、材料の物性(機械的特性)が向上する。
さらに、ポリフタルアミド系の熱可塑性樹脂を、脂肪族炭素が4~15となり、ベンゼン環が30~100モル%となるように構成するので、配線用遮断器の物性(機械的特性)が大きく改善される。
特に、上記構成からなる熱可塑性樹脂により、部品の寿命が長くなり、時間経過による物的特性の低下率が減少する。
従来の配線用遮断器の製造に用いられるBMCの作製過程を示す概念図である。 従来の配線用遮断器の製造に用いられるSMCの作製過程を示す概念図である。 従来の配線用遮断器の製造に用いられる射出成形装置を示す断面図である。 従来の配線用遮断器の製造に用いられる圧縮成形装置を示す断面図である。 本発明の一実施形態による配線用遮断器を示す断面図である。 本発明の一実施形態による配線用遮断器に適用されるアーク消弧室ベースを示す斜視図である。 本発明の他の実施形態による配線用遮断器に備えられるアーク消弧室ベースを示す切取図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態による配線用遮断器について詳細に説明する。
図5に本発明の一実施形態による配線用遮断器を示し、図6に本発明の一実施形態による配線用遮断器に適用されるアーク消弧室ベースを示す。
図5及び図6に示すように、本発明による配線用遮断器100は、線路(回路)の一部に設けられ、過電流や事故電流が発生すると線路の開閉動作を行う。配線用遮断器100は、トリップ装置を備え、線路の過負荷や短絡などの異常が発生すると開閉機構部を動作させることにより、線路を自動で遮断して負荷及び線路を保護する。
ここで、配線用遮断器100は、ケース110と、ケース110の一側で電源端子120に固定された固定部130と、シャフト140により回動可能に備えられた可動部150と、接点部130、150の周辺に設けられた消弧室160と、ハンドル170に連結された上部リンク(図示せず)により下部リンク(図示せず)が連動してシャフト140を回動させるように備えられた開閉機構部200と、線路に発生した過電流や短絡電流により開閉機構部200を動作させて電流を遮断するトリップ機構部300と、トリップ機構部300に接続された負荷端子400とから構成される。
上記構成を有する配線用遮断器100においては、線路に発生した過負荷が過電流領域にある場合、トリップケース301の内部に備えられたヒータ307が発熱し、リベットで固定されたバイメタル306が湾曲し始める。
バイメタル306の湾曲が進むと、上部に備えられた調整ネジ308とトリップバー309の間隔が狭くなり、結局のところ、調整ネジ308がトリップバー309を押し、それによりトリップバー309が反時計方向に回動する。
このとき、トリップバー309により拘束されていたシュータ(図示せず)が解除されて開閉機構部200を動作させ、それにより遮断器100が開路される。
図6に本発明の一実施形態による配線用遮断器100に適用されるアーク消弧室ベース500を示す。アーク消弧室ベース500は、射出成形物又は圧縮成形物からなる。アーク消弧室ベース500には、固定部130、可動部150、シャフト140、消弧室160などが設置され、上部に開閉機構部200が設置される。
前述したように構成される本発明による配線用遮断器100のアーク消弧室ベース500は、熱可塑性樹脂で成形される。ここで、熱可塑性樹脂は、下記化学式を有する芳香族ポリアミド(ポリフタルアミド)系樹脂であってもよい。
Figure 0006999837000002
前記芳香族ポリアミド系樹脂は、上記化学式の繰り返し単位を含む。ここで、4<m<15、50<n<1000であり、m及びnはそれぞれ整数である。
前記芳香族ポリアミド系樹脂は、ベンゼン環を含み、前記芳香族ポリアミド系樹脂は、芳香族ジカルボン酸が30モル%以上、100モル%未満であることが好ましい。
従来電力機器に一般的に多く用いられていた素材は、ポリアミド(PA)素材であり、電気絶縁性、機械的強度、耐熱性、耐摩耗性、難燃性、成形性に優れていて電力機器の絶縁材料として広く用いられており、ポリアミドの中でもPA66、PA6素材が多く用いられていた。
また、低圧電力機器遮断器、開閉器製品群のケースにポリアミドが主に用いられていたが、耐熱特性(融点)が劣るので熱硬化性素材を代替することが困難であった(PA6の融点:220℃、PA66の融点:260℃)。
よって、本発明においては、ケース110を構成する上で、芳香族ポリアミド、すなわちポリフタルアミド(PPA)を用いる。芳香族ポリアミド(ポリフタルアミド)素材は、その分子構造がポリアミド(PA)に類似しているが、一般的なポリアミドとは異なり、芳香族構造(ベンゼン環構造)を有するので、剛性及び機械的強度が高く、高温で高い剛性を維持する特性(Tm:290℃~325℃、Tg:90℃~140℃)があり、高耐熱性、低い水分吸収率、寸法安定性、低歪み性、耐化学性、外部環境に対する高い物性維持率を有する。
本発明に適用される素材は、芳香族の割合を30~100モル%にし、アミド基両側の脂肪族炭素鎖を4~15の範囲にする。
また、重合された高分子ではなく他の素材と混合された合金の場合も、全体での芳香族の割合が30~100モル%の範囲となるように構成してもよい。
下記表は、アーク消弧室ベース500を作製する上でSMCを用いた素材と本発明のPPAを用いた素材とを比較した表である。
Figure 0006999837000003
上記表に示すように、本発明による配線用遮断器100は、アーク消弧室ベース500がポリフタルアミド系の熱可塑性樹脂で成形されるので、SMCを用いて製造された従来の配線用遮断器よりも、引張強度や引張弾性率などの機械的特性に優れている。
アーク消弧室ベース500の素材には、芳香族ポリアミド系樹脂(A)、無機充填材(B)、熱安定剤(C)、酸化防止剤(D)、光安定剤(E)、難燃剤(F)、調色剤(G)などが含まれる。
ここで、無機充填材(B)は、炭素繊維、ガラス繊維、ホウ素繊維、カーボンブラック、クレイ(粘土)、カオリン、タルク、雲母(マイカ)、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどであり、熱可塑性樹脂との界面接着力の向上のためにカップリング剤でコーティングして用いてもよい。
前記素材の組成範囲は、芳香族ポリアミド系樹脂30~75重量%、無機充填材(ガラス繊維)20~65重量%、残部1~50重量%からなることが好ましい。
試験片を用いてアーク消弧室ベース500の素材の試験を行った結果を下記表2、3に示す。下記実施例及び比較実施例においては、芳香族ポリアミド系樹脂(A)の容量のみを変化させ、無機充填材(B)、熱安定剤(C)、酸化防止剤(D)、光安定剤(E)、難燃剤(F)、調色剤(G)の種類及び重量比は全て同一にした。ここで、前記素材全体に対する芳香族ポリアミド系樹脂(A)を除く組成の総重量比は55%にした。
また、芳香族ポリアミド系樹脂(A)としては、成形工程での流動性、射出性などを考慮して、主鎖に芳香族環を有する芳香族ポリアミド系樹脂を単独で用いたのではなく、PA66素材を重合して用いた。
*本試験における「芳香族ポリアミド系樹脂」の区分
(A1)ポリアミド樹脂(PA6T):テレフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの縮重合により形成された主鎖に芳香族環を有する芳香族ポリアミド系樹脂であるPA6Tを用いた。
(A2)ポリアミド樹脂(PA4T):テレフタル酸とテトラメチレンジアミンとの縮重合により形成された主鎖に芳香族環を有する芳香族ポリアミド系樹脂であるPA4Tを用いた。
(A3)ポリアミド樹脂(PA66):アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの縮重合により形成された主鎖に芳香族環を有する芳香族ポリアミド系樹脂であるPA66を用いた。
下記表2において、(B+C+D+E+F+G)の割合(混合比)は全体を100重量%としたときの割合を示すものであり、Aは(B+C+D+E+F+G)を除いた状態を100重量%としたときの各芳香族ポリアミド系樹脂(ベース樹脂)の割合を示すものである。
下記表2の含有量に従って各構成成分を添加して二軸溶融押出することによりペレット状にし、そのように得られたペレットを100℃の温度で6時間以上乾燥させ、その後射出機を用いて物性評価用試験片を作製した(ISO規格試験片)。
Figure 0006999837000004
Figure 0006999837000005
初期物性の測定結果は、作製した物性評価用試験片に対して25℃の温度、50%の相対湿度で48時間前処理を行った後に物性を測定した結果であり、試験後の物性の測定結果は、物性評価用試験片を180℃の温度で648時間放置してから物性を測定した結果である。
ここで、部品寿命は、UL746-b(RTI試験)規格に準拠して、ギア老化試験機(ギアオーブン)を用いて160℃、180℃、200℃でそれぞれ2400時間、648時間、480時間放置してから加速試験を行い、前記前処理の方法と同様に前処理を行った後に物性を測定した結果に基づいて、アレニウスの式(Arrhenius equation)により、配線用遮断器のアーク消弧室ベースの実際の使用温度条件である100℃の条件で引張強度物性が40Mpaまで低下する時間(年)を計算した値である。引張強度の基準である40Mpaは、製品への適用時に部品に要求される引張強度の最小の物性である。
このように、アーク消弧室ベース500は、ポリフタルアミド系の熱可塑性樹脂を適用し、当該熱可塑性樹脂にPA66などの素材を重合して成形してもよい。
上記表に示す物性のうち、初期物性においては、ガラス繊維や補強材などの含有量が多くなると、重合体(ポリマー)間の支持力が高まり、機械的強度が向上する。
試験片の機械的物性は、PA66、PA6、PPA、無機充填材の含有量が同じであれば同程度である。
ポリフタルアミド系の熱可塑性樹脂は、高温の使用環境で時間の経過による物性の低下率が低いので、硬化性材料を代替できることが特徴である。すなわち、長時間の使用において、アーク消弧室ベース500は、初期物性よりはPPAの物性を維持する特性が重要である。具体的には、上記表に示すように、本発明の実施例においては、部品寿命が比較実施例より長い。また、本発明の実施例においては、引張強度、衝撃強度、絶縁強度などの機械的特性も比較実施例と同等のレベルであるか又は比較実施例より高い。さらに、本発明の実施例においては、初期物性に対する試験後の物性の低下率が比較実施例より低い。
このように、本発明においては、配線用遮断器100を構成するアーク消弧室ベース500がポリフタルアミド系の熱可塑性樹脂で作製されるので、生産性の向上、部品の軽量化、部品生産時間の短縮、環境調和性の向上、及びリサイクルが可能である。
また、ポリフタルアミド系の熱可塑性樹脂にPA66素材を重合させて成形するので、材料の物性(機械的特性)が向上する。
さらに、ポリフタルアミド系の熱可塑性樹脂を、脂肪族炭素が4~15となり、ベンゼン環が30~100モル%となるように構成するので、配線用遮断器の物性(機械的特性)が大きく改善される。
特に、上記構成からなる熱可塑性樹脂により、部品の寿命が長くなり、時間経過による物的特性の低下率が減少する。
図7に他の実施形態によるアーク消弧室ベース500を示す。本実施形態においては、アーク消弧室ベース500を形成する樹脂にボール粒子501が含まれる。ボール粒子501は、セラミック、ガラス、繊維などからなるようにしてもよい。ボール粒子501は、プラスチック射出成形工程に進む前に混合してもよい。こうすることにより、耐圧性、耐衝撃性、耐熱性などの機械的特性がさらに向上する。

Claims (8)

  1. 内部に各構成部品が備えられ、回路の一部に設けられて前記回路を遮断又は通電する配線用遮断器に適用されるアーク消弧室ベースにおいて、
    前記アーク消弧室ベースは、熱可塑性樹脂からなり、
    前記熱可塑性樹脂は、下記化学式を有する芳香族ポリアミド(ポリフタルアミド)系樹脂であることを特徴とする配線用遮断器のアーク消弧室ベース。
    Figure 0006999837000006
  2. 前記熱可塑性樹脂には、PA66(ポリアミド樹脂)素材が含まれることを特徴とする請求項1に記載の配線用遮断器のアーク消弧室ベース。
  3. 前記芳香族ポリアミド系樹脂は、芳香族ジカルボン酸が30モル%以上、100モル%未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の配線用遮断器のアーク消弧室ベース。
  4. 前記芳香族ポリアミド系樹脂には、C4~C15の脂肪族又は脂環族ジアミンが含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の配線用遮断器のアーク消弧室ベース。
  5. 前記アーク消弧室ベースには、金属素材が含まれることを特徴とする請求項1に記載の配線用遮断器のアーク消弧室ベース。
  6. 前記アーク消弧室ベースには、無機充填材、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤及び調色剤がさらに含まれることを特徴とする請求項1に記載の配線用遮断器のアーク消弧室ベース。
  7. 前記アーク消弧室ベースの素材組成範囲は、前記芳香族ポリアミド系樹脂30~75重量%、前記無機充填材20~65重量%、残部1~50重量%からなることを特徴とする請求項1に記載の配線用遮断器のアーク消弧室ベース。
  8. 前記アーク消弧室ベースには、セラミック、ガラス及び繊維のいずれかからなるボール粒子が含まれることを特徴とする請求項1に記載の配線用遮断器のアーク消弧室ベース。
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