JP6998500B1 - 端面コルク魂柱 - Google Patents

Abstract

【課題】擦弦楽器の魂柱を作成する際に、楽器ボディー内で自立するための要素である長さ及び端面の合わせを、容易に行うことのできる魂柱を提供する。【解決手段】魂柱用材料２の両端面にコルク板１をそれぞれ貼付した構造とする。魂柱用材料２は、予め楽器ボディー内で魂柱が自立するために必要な長さを予測し、両端面に貼付するコルク板１の厚み及び柔らかさを考慮して短くした後、両端面を、接する表板および裏板の内面形状に概ね一致する程度に仕上げる。これにコルク板１を両端面に接着剤で貼り付ける。コルク素材の柔軟性により、魂柱の適正な長さに許容の幅を得ると同時に表板および裏板と魂柱端面の接する部分の合わせに関しても厳密性を必要とせずに魂柱を作成することができる。【選択図】図１

Description

本発明は、擦弦楽器の構成部品である魂柱に関する。

魂柱を作成する場合、楽器ボディー内で表板と裏板の魂柱の当たる部分のそれぞれの内面形状に正確に一致するように成形し、魂柱端面と表板および裏板との間に隙間が無いようにすると同時に、表板と裏板に挟まれた状態で自立するようにセットするため、魂柱の長さを適正にする必要がある。それらの正確な確認およびセッティングは作業者の技能に依存している。

実用新案登録第３２１０５７１号 登録実用新案広報（Ｊ）

本発明は、魂柱を楽器ボディー内にセットする際に必要とする適正な魂柱の長さ、そして表板と魂柱および裏板と魂柱とのそれぞれの接し面の正確な合わせの成形において、技術的な難しさの軽減を図るとともに、それらに伴う作業時間の短縮を提供することにある。

魂柱の両端面に、端面と同じ形状のコルク板を接着することにより、表板と魂柱および裏板と魂柱との間に挟まれたコルク板の厚み方向の変形を利用して、隙間をなくすと同時に自立するための適正な長さを得る。

魂柱の長さ、そして表板および裏板と魂柱との接し面の合わせをコルク板の変形を利用することにより厳密な調整を必要とせず、また魂柱の端面が柔軟性のあるコルク素材のため魂柱を立てる際のボディー内面での表板および裏板への当たりが柔らかく、従来の魂柱端面の木部エッジが当たる状況よりもセッティングが容易である。

本発明に係る魂柱の斜視図である。 本発明に係る魂柱の正面図である。 従来技術に係る魂柱の正面図である。

魂柱を作成するにあたり、楽器に適した大きさの材料を用意し、楽器ボディー内のセット場所に表板と裏板に挟まれた状態で自立するための適正な長さ、そして表板および裏板と魂柱が接する部分のそれぞれの魂柱端面を、その接し面に隙間が生じないように加工する必要がある。

従来技術では、魂柱の適正な長さ及び隙間が生じないための端面の調整のために魂柱の加工およびセッティングを繰り返し試行し、時間と技能を要して正しい魂柱３を完成させるが、本実施例では、予め短くした魂柱用材料２の両端面にコルク板１をそれぞれ貼付し、コルク板１の柔軟性を利用して、魂柱の適正な長さに許容の幅を得ると同時に表板および裏板と魂柱端面の接する部分の合わせに関しても厳密性を必要としない。また、セッティングは魂柱の両端面が柔軟性を持ったコルク素材のため従来よりも行いやすく作業時間の短縮を得ることが期待できる。

従来技術と同様に楽器ボディー内で魂柱が自立するために必要な長さを予測し、両端面に貼付するコルク板１の厚み及び柔らかさを考慮して短くした魂柱用材料２を作成する。この時に、魂柱の両端面は接する表板および裏板の内面形状に概ね一致する程度でよい。コルク板の厚みは、薄すぎると柔軟性による変形を得られず、また厚すぎるとセッティングが不安定になるため１ｍｍ～３ｍｍとする。魂柱用材料２の加工が終了した後、魂柱用材料２と両端面用のコルク板１をそれぞれ接着剤で貼り付ける。

１ コルク板
２ 魂柱用材料

Claims (2)

1. 魂柱を有する擦弦楽器において、魂柱の両端面に、端面と同じ形状のコルク板を接着したことを特徴とする魂柱。
2. 既存の楽器にセットされている魂柱に対し、楽器より取り出してその両端または一端を削り魂柱の長さを短くした後、コルク板を両端面に接着した魂柱。

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