JP6998125B2 - 船舶の推進システムの制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、船舶の推進システムの制御方法に関する。
近年、船舶用の推進器として、羽根の角度(ピッチ)を自在に変えることができる可変ピッチプロペラ(CPP:Controllable Pitch Propeller)が一般的である(例えば特許文献1を参照)。CPPでは、与えられた翼角指令値に従って、CPPのピッチを変えることにより、主機の回転数および回転方向を一定に維持しながら任意の前後方向の推進力を得ることができる。
CPPの翼角を制御する制御方式として、自動負荷制御(ALC:Automatic Load Control)がある。ALCでは、主機の回転数および出力に基づいて設定された負荷領域内で主機が運転されるように、与えられた翼角指令値に対して可変ピッチプロペラの翼角を制限する。例えばある主機の回転数に対して、設定された負荷領域の上限を超えて主機が過負荷となった場合にCPPの翼角を制限する。これにより、過負荷による主機のトリップを防ぐことができる。
特開2010-132161号公報
しかし、突発的な負荷変動が発生した場合、上記従来の翼角制限によって、一旦翼角が制限されると、過負荷が解消されるが、元の翼角に戻るまでには時間がかかってしまう。このため、その間は所望の推力を得ることができない。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、可変ピッチプロペラを備えた船舶の推進システムにおいて、翼角制限に伴う一時的な推力の低下を防ぐことを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のある形態に係る船舶の推進システムの制御方法は、電力源と、主機と、電動機または電動発電機と、与えられた翼角指令値に従って翼角制御される可変ピッチプロペラと、前記電力源により発電された電力を前記電動機または前記電動発電機に供給する電力変換装置と、制御装置と、を備え、前記主機、前記電動機または前記電動発電機、および、前記可変ピッチプロペラは同じ駆動軸に接続されている、船舶の推進システムの制御方法であって、前記主機の回転数および出力に基づいて設定された負荷領域内で前記主機が運転されるように、与えられた前記翼角指令値に対して前記可変ピッチプロペラの翼角を制限することと、前記翼角制限に先立って、前記電動機または前記電動発電機を駆動し、前記主機の負荷を低減するよう前記電力変換装置を制御することと、を含む。
上記構成によれば、電動機によって主機の加勢を行う船舶推進システムにおいて、可変ピッチプロペラを与えられた翼角指令値に従って翼角制御する。このとき、可変ピッチプロペラの自動負荷制御(ALC)により、主機の回転数および出力に基づいて設定された負荷領域内で主機が運転されるように可変ピッチプロペラの翼角を制限する。これにより、過負荷による主機のトリップを防ぐことができる。突発的な負荷変動が発生し、翼角を制限した場合、過負荷は解消されるが、元の翼角に戻るまでには時間がかかり、その間は所望の推力が得られない。そこで、翼角制限に先立って、可変ピッチプロペラと同じ駆動軸に接続された電動機(または電動発電機)を駆動し、主機の負荷が低減されるように電力変換装置を制御する。電動機による加勢により、主機が過負荷になる前に主機の負荷が低減されるので、翼角制限による推力低下を防ぐことができる。万が一、電動機が何らかの理由で駆動できなくなった場合においても、翼角制限が機能するので主機が過負荷でトリップすることはない。
上記船舶の推進システムの制御方法は、前記主機の回転数に対して、前記負荷領域の上限値より小さい所定の値を翼角制限開始負荷として設定し、前記翼角制限開始負荷より小さい所定の値を加勢開始負荷として設定することと、前記主機の出力が前記翼角制限開始負荷を超過した場合に前記翼角を制限するように与えられた前記翼角指令値を補正することと、前記主機の出力が前記加勢開始負荷より大きい値である場合には、前記電動機または前記電動発電機を駆動するよう前記電力変換装置に加勢駆動指令を与えることと、前記主機の出力が前記加勢開始負荷より小さい値である場合には、前記電動機または前記電動発電機の駆動を停止するように前記加勢駆動指令をゼロまたはゼロまで低下させることと、を更に含んでもよい。
上記構成によれば、電動機(または電動発電機)を駆動し主機の負荷を低減した後、CPP負荷が低下して主機に余裕ができた場合は、加勢駆動指令をゼロまで低下させる。尚、主機に最初から余裕がある場合には、加勢駆動指令はゼロであり電動機による加勢は行われない。
前記船舶の推進システムは、前記電力源の全部または一部として、前記電力変換装置の直流部に接続され、または、他の電力変換装置と前記電力系統を介して前記電力変換装置に接続された電力貯蔵装置を更に備え、上記船舶の推進システムの制御方法は、前記電動機または前記電動発電機の駆動電力の全部または一部を前記電力貯蔵装置から放電するよう制御することを更に含んでもよい。
上記構成によれば、電動機(または電動発電機)による加勢に必要な駆動電力の一部または全部を、電力貯蔵装置から供給することができる。
本発明の他の形態に係る船舶の推進システムの制御方法は、電力系統と、主機と、発電機または電動発電機と、与えられた翼角指令値に従って翼角制御される可変ピッチプロペラと、前記発電機または前記電動発電機により発電された電力を電力系統に供給可能な電力変換装置と、制御装置と、を備え、前記主機、前記発電機または前記電動発電機、および、前記可変ピッチプロペラは同じ駆動軸に接続されており、前記主機の出力の一部を駆動力として前記発電機または前記電動発電機が運転される、船舶の推進システムの制御方法であって、前記主機の回転数および出力に基づいて設定された負荷領域内で前記主機が運転されるように、与えられた前記翼角指令値に対して前記可変ピッチプロペラの翼角を制限することと、前記翼角制限に先立って、前記発電機または前記電動発電機の発電電力を低減し、前記主機の負荷を低減するよう前記電力変換装置を制御することと、を含む。
上記構成によれば、主機の出力の一部を用いて発電機(または電動発電機)を駆動し、船内電力を供給する船舶の推進システムにおいて、可変ピッチプロペラを与えられた翼角指令値に従って翼角制御する。このとき、可変ピッチプロペラの自動負荷制御(ALC)により、主機の回転数および出力に基づいて設定された負荷領域内で主機が運転されるように可変ピッチプロペラの翼角を制限する。これにより、過負荷による主機のトリップを防ぐことができる。突発的な負荷変動が発生し、翼角を制限した場合、過負荷は解消されるが、元の翼角に戻るまでには時間がかかり、その間は所望の推力が得られない。そこで、翼角制限に先立って、可変ピッチプロペラと同じ駆動軸に接続された発電機(または電動発電機)の発電電力を低減し、主機の負荷が低減されるように電力変換装置を制御する。発電機による発電電力の低減により、主機が過負荷になる前に主機の負荷が低減されるので、翼角制限による推力低下を防ぐことができる。万が一、発電機が何らかの理由で駆動できなくなった場合においても、翼角制限が機能するので主機が過負荷でトリップすることはない。
上記船舶の推進システムの制御方法は、前記主機の回転数に対して、前記負荷領域の上限値より小さい所定の値を翼角制限開始負荷として設定し、前記翼角制限開始負荷より小さい所定の値を発電制限開始負荷として設定することと、前記主機の出力が前記翼角制限開始負荷を超過した場合に前記翼角を制限するように与えられた前記翼角指令値を補正することと、前記主機の出力が前記発電制限開始負荷より大きい値である場合には、前記発電機または前記電動発電機の発電電力を低減するように前記電力変換装置に与える発電電力指令から発電量補正指令を減算することと、前記主機の出力が、前記発電制限開始負荷より小さい値である場合には、前記発電機または前記電動発電機の発電電力を低減しないように前記発電量補正指令をゼロまたはゼロまで低下させることと、を更に含んでもよい。
上記構成によれば、発電機(または電動発電機)の発電電力を低減し主機の負荷を低減した後、CPP負荷が低下して主機に余裕ができた場合は、発電量補正指令をゼロまで低下させる。尚、主機に最初から余裕がある場合には、発電量補正指令はゼロであり発電機による発電電力の低減は行われない。
前記船舶の推進システムは、前記電力変換装置の直流部に接続され、または、他の電力変換装置を介して前記電力系統に接続された電力貯蔵装置を更に備え、上記船舶の推進システムの制御方法は、前記発電機または前記電動発電機の発電電力の低減量の全部または一部を前記電力貯蔵装置から放電するよう制御することを更に含んでもよい。
上記構成によれば、発電電力の低減量の一部または全部を、電力貯蔵装置から供給することができる。
本発明によれば、可変ピッチプロペラを備えた船舶の推進システムにおいて、翼角制限に伴う一時的な推力の低下を防ぐことができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る船舶推進システムのハードウェア構成を概略的に示す図である。 図2は、図1の船舶推進システムの制御系の構成の一例を示すブロック図である。 図3は、図1の船舶推進システムの負荷領域を示すグラフである。 図4は、図1の電力変換装置の動作を説明するための図である。 図5は、本発明の第2実施形態に係る船舶推進システムのハードウェア構成を概略的に示す図である。 図6は、図5の船舶推進システムの制御系の構成の一例を示すブロック図である。 図7は、本発明の第3実施形態に係る船舶推進システムのハードウェア構成を概略的に示す図である。 図8は、図7の船舶推進システムの制御系の構成の一例を示すブロック図である。 図9は、図8の船舶推進システムの負荷領域を示すグラフである。 図10は、ドループ特性線のグラフである。 図11は、本発明の第4実施形態に係る船舶推進システムのハードウェア構成を概略的に示す図である。 図12は、図11の船舶推進システムの制御系の構成の一例を示すブロック図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ説明する。以下では、全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同じ符号を付して、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る船舶推進システム100のハードウェア構成を概略的に示す図である。図1に示すように、船舶推進システム100は、主機1と、電力源2と、電動発電機3と、船内母線4と、可変ピッチプロペラ5と、電力変換装置6と、制御システム7とを備える。太線は機械的接続を示し、細線は電気配線を示している。
主機1は推進器としての可変ピッチプロペラ5を回転駆動する主動力源である。本実施の形態では、主機1は例えば重油やLNGを燃料として可変ピッチプロペラ5を駆動するディーゼルエンジンである。主機1はその他の動力源(例えばガスタービン、ガスエンジン、蒸気タービン)でもよい。このディーゼルエンジンの回転軸が減速装置8を介して可変ピッチプロペラ5に動力伝達可能に接続され、可変ピッチプロペラ5を駆動する。船舶推進システム100において、主機1は主機回転数指令値に従って回転数制御される。
電力源2は、原動機2aと発電機2bを回転軸で接続した装置であり、原動機2aの回転軸の回転により発電機2bを駆動して発電するように構成されている。原動機2aは例えばディーゼルエンジンまたはその他の動力源(例えばガスタービン、ガスエンジン、蒸気タービン)でもよい。電力源2は船内の電力系統21に接続されている。電力系統21は船内母線4に接続された電力負荷21aを含む。電力負荷21aは、例えば船舶の照明・空調等のホテル負荷(hotel loads)などの連続的に動作する設備、ウインチ、主機1のエンジンスタータモータ等の短時間に動作する装置が含まれる。電力源2により発電された電力は、船内母線4を介して電力負荷21aまたは電力変換装置6に給電される。
電動発電機3は、電動動作又は発電動作するように制御される。電動発電機3は電動動作する場合には、電力変換装置6から供給された電力により主機1による可変ピッチプロペラ5の駆動をアシストする。電動発電機3は発電動作する場合には、主機1から減速装置8を介して伝達される動力により発電した電力を電力変換装置6に供給する。電動発電機3は、回転軸が減速装置8を介して可変ピッチプロペラ5に機械的に接続され、電力変換装置6を介して船内母線4に電気的に接続されている。本実施の形態では、電動発電機3は、専ら電動動作によって、主機1の加勢を行うように制御される。
船内母線4は、電力源2又は電力変換装置6から供給される電力を船内の電力系統21(電力負荷21a)に伝送する交流のバスラインである。本実施の形態では、船内母線4は、電力源2と、電力負荷21aと、電力変換装置6とに電気的に接続されている。船内母線4は電力源2に電気的に接続され、電力変換装置6を介して電動発電機3に電気的に接続される。
可変ピッチプロペラ(以下、単にCPPともいう)5は、船舶に推力を与える推進器であって、1つまたは複数、船舶に設けられている。可変ピッチプロペラ5は、動力伝達機構としての減速装置8を介して主機1と電動発電機3とに機械的に接続される。可変ピッチプロペラ5は減速装置8を介して主機1および電動発電機3と同じ駆動軸に接続されている。可変ピッチプロペラ5は、主機1および電動動作する電動発電機3の一方又は双方から出力される回転動力を、減速装置8を介して受けて、回転動力を推力に変換する。可変ピッチプロペラ5の推力は、減速装置8により調整される可変ピッチプロペラ5の回転数、および、ピッチ角調整機構(図示せず)により調整される可変ピッチプロペラ5のピッチ角(翼角)によって制御される。このピッチ角調整機構は、例えば油圧式のアクチュエータを備え、翼角指令値に従ってアクチュエータを駆動して可変ピッチプロペラ5の翼角を変更する。
電力変換装置6は、その一方の端子が船内母線4に接続され、他方の端子が電動発電機3に接続されている。電力変換装置6は、交流電力を一旦直流電力変換し、その変換により得られた直流電力を交流電力に変換して、電力系統21および電動発電機3の交流の周波数および電圧を相互に変換する機器である。電力変換装置6は、発電状態では、電動発電機3により発電された電力が電力系統21に供給され、電動状態では電力源2により発電された電力が電力系統21から供給されてこの電力を電動発電機3に供給するように構成されている。
電力変換装置6は、第1電力変換器6aと、第2電力変換器6bを備えている。第1電力変換器6aは、系統側電力変換器であって、たとえば双方向インバータで構成されている。第1電力変換器6aの交流端が船内母線4(電力系統側)に接続され、かつ、直流端が直流中間部60に接続されている。第1電力変換器6aは、直流中間部60から入力された直流電力を交流電力に変換して船内母線4(電力系統側)に出力する。また船内母線4(電力系統側)から入力された交流電力を直流電力に変換して直流中間部60に出力する。第2電力変換器6bは、電動発電機側電力変換器であって、たとえば双方向インバータで構成されている。第2電力変換器6bの直流端が直流中間部60に接続され、かつ、交流端が電動発電機3に接続されている。第2電力変換器6bは、電動発電機3から入力された交流電力を直流電力に変換して直流中間部60へ出力する。また、直流中間部60から入力された直流電力を交流電力に変換して電動発電機3に出力する。
制御システム7は、主機1、電力源2、電動発電機3、CPP5、および、電力変換装置6の制御を司る。図2は、制御システム7の構成の一例を示すブロック図である。ここで船舶推進システム100の制御系は、例えば、FPGA(field programmable gate array)、PLC(programmable logic controller)、マイクロコントローラ等の演算装置およびメモリで構成されている。なお、制御システム7は、集中制御する単独の制御装置によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御装置によって構成されていてもよい。制御システム7を構成する各要素は、上記演算装置においてメモリに内蔵されているプログラムが実行されることにより実現される。
図2(a)のブロック図は、主機1の制御系を示している。図2(a)に示すように、主機1の制御系は、加減算器70と、回転数制御器71と、燃料供給器72と、を備える。なお、以下では、加算器、減算器及び加減算器を区別せずに、加減算器と記載する。
加減算器70は、主機回転数指令値から主機回転数を減算し、減算した値(偏差)を回転数制御器71に出力するように構成される。ここで主機回転数指令値は、例えば運転者のレバー操作を通じて入力されてもよいし、制御系のメモリに予め記憶されてもよい。主機回転数は、主機1の主軸に設けられた回転数検出器1a(たとえば、回転センサ等)により主軸の回転数を検出した値である。
回転数制御器71は、加減算器70の出力に基づいて、主機1の燃料供給指令値を演算し、演算した燃料供給指令値を燃料供給器72に出力するように構成される。本実施の形態では、回転数制御器71は、主機1の回転数を主機回転数指令値に近づけるように、主機1の燃料供給指令値を演算する。
燃料供給器72は、回転数制御器71から入力された燃料供給指令値にしたがって燃料を主機1に供給するように構成されている。本実施の形態では、燃料供給器72は、例えば重油やLNG燃料をディーゼルエンジン(主機1)に供給する。
図2(b)のブロック図はCPP5の制御系を示している。図2(b)に示すように、CPP5の制御系は、加減算器73と、加減算器74と、翼角信号演算器75と、を備える。
加減算器73は、翼角指令値から後述する翼角補正値を減算し、減算した値(偏差)を加減算器74に出力するように構成される。ここで翼角指令値は、例えば運転者のレバー操作を通じて入力されてもよいし、制御系のメモリに予め記憶されてもよい。
加減算器74は、加減算器73の出力値から翼角検出値を減算し、減算した値(偏差)を翼角信号演算器75に出力するように構成される。翼角検出値は、CPP5のピッチ角調整機構(図示せず)に設けられた翼角検出器5aにより翼角を検出した値である。
翼角信号演算器75は、加減算器74の出力に基づいて、翼角信号を演算し、演算した翼角信号をCPP5のピッチ角調整機構に出力するように構成される。翼角信号演算器75は、翼角を翼角指令値に近づけるように、例えば入力された偏差を比例処理、積分処理および微分処理することによって翼角信号を算出し、算出した翼角信号をピッチ角調整機構に出力する。
本実施形態では、CPP5の制御系は、翼角制限開始負荷設定器76と、加減算器77と、ALC制御器78と、負荷上限補正値設定器79と、加減算器80と、加減算器81と、PID制御器82と、リミッタ回路83と、を更に備える。
翼角制限開始負荷設定器76は、主機1の主軸に設けられた回転数検出器1aにより検出された主機回転数に基づいて、翼角制限開始負荷を設定し、これを加減算器77および加減算器80に出力するように構成される。翼角制限開始負荷設定器76は、例えば制御系のメモリ(図示せず)に予め記憶されたルックアップテーブルを参照し、主機の回転数に対して、主機の回転数および出力に基づいて設定された負荷領域の上限値より小さい所定の値を翼角制限開始負荷として設定する。
加減算器77は、主機出力の推定値から翼角制限開始負荷設定器76で設定された翼角制限開始負荷を減算し、減算した値(偏差)をALC制御器78に出力するように構成される。ここで主機出力の推定値は主機1への燃料供給量(フューエルインデックス)から推定される。尚、主機出力の推定方法はその他の公知の方法でもよい。
ALC制御器78は、翼角制限開始負荷と主機出力推定値との差に基づいて、翼角指令補正値を算出し、これを加減算器73に出力するように構成される。ALC制御器78により、主機の回転数および出力に基づいて設定された負荷領域内で主機が運転されるように、与えられた翼角指令値に対して可変ピッチプロペラの翼角が制限される。
負荷上限補正値設定器79は、主機1の主軸に設けられた回転数検出器1aにより検出された主機回転数に基づいて、負荷上限補正値を設定し、これを加減算器80に出力するように構成される。負荷上限補正値設定器79は、例えば制御系のメモリ(図示せず)に予め記憶されたルックアップテーブルを参照し、主機の回転数に対する所定の値を負荷上限補正値として設定する。
加減算器80は、翼角制限開始負荷から負荷上限補正値を減算し、減算した値(偏差)を加勢開始負荷として加減算器81に出力するように構成される。
加減算器81は、上記主機出力推定値から加減算器80で算出された加勢開始負荷を減算し、減算した値(偏差)をPID制御器82に出力するように構成される。
PID制御器82は、主機出力推定値と加勢開始負荷との偏差に対して比例処理、積分処理および微分処理を施し、これをリミッタ回路83に出力するように構成される。尚、微分処理については、省略してもよい。
リミッタ回路83は、PID制御器82の出力値を予め定めた上限値および下限値の範囲内に制限し、これを加勢駆動指令として出力するように構成される。つまり、リミッタ回路83は、入力されたPID制御器82の出力値が上限値を超えている場合には、この上限値を加勢駆動指令として出力する。同様に、リミッタ回路83は、入力されたPID制御器82の出力値が下限値を超えている場合には、この下限値を加勢駆動指令として出力する。本実施形態では上限値は電動発電機3の定格で定まる値であり、下限値はゼロの値である。
次に、船舶推進システム100の動作を説明する。まず、船速を調整する場合の一般的な動作を説明する。本実施の形態では主機1は一定回転数で駆動しつつ可変ピッチプロペラ5の翼角を変化させて船速を調整する。図2に示すように、例えば運転者のレバー操作等を通じて、システム100の制御系に主機回転数指令値(一定値)及び翼角指令値(可変値)が入力される。まず、加減算器70は、入力された主機回転数指令値に対する主機回転数の偏差を回転数制御器71に出力する(図2(a)参照)。回転数制御器71は、この主機回転数の偏差に応じて燃料供給指令値を生成し、これを燃料供給器72に出力する。燃料供給器72は、燃料供給指令値に従って燃料を主機1に供給する。これにより、主機1は、回転数が主機回転数指令値に近づくようにフィードバック制御される。一方、入力された翼角指令値に従って、可変ピッチプロペラ5のピッチ角調整機構(図示せず)が翼角を変更する。これにより、主機の回転数および回転方向を一定に維持しながら任意の前後方向の推進力を得ることができ、船舶を所望の船速で運転することができる。このようにして船速を調整する場合、入力された翼角指令値の増加又は減少に応じて主機1の負荷が増加または減少する。
本実施形態の可変ピッチプロペラ5は、自動負荷制御機能(ALC)を有する。主機の回転数および出力に基づいて設定された負荷領域内で主機が運転されるように、与えられた翼角指令値に対して可変ピッチプロペラ5の翼角を制限する。図3のグラフは主機の負荷領域を示している。横軸は主機回転数を示し、縦軸は主機出力を示している。主機の回転数に対して、上限値と下限値(破線で示したライン)で規定される負荷領域は経済運転領域とも呼ばれ、効率の良い運転が可能な領域である。また、上限値を超えた領域を過負荷領域といい、下限値未満の領域を低負荷領域という。グラフに示すように、主機の回転数に対して、負荷領域の上限値より小さい所定の値は翼角制限開始負荷として設定され、翼角制限開始負荷より小さい所定の値は加勢開始負荷として設定される。
主機が過負荷に近い状態になった場合、すなわち、ある主機の回転数に対して、主機の出力が翼角制限開始負荷を超過した場合、ALC制御器78は、翼角を制限するように、与えられた翼角指令値を補正する(図2)。過負荷による主機のトリップを防ぐことができる。このように、突発的な負荷変動が発生し、翼角を制限した場合、過負荷は解消されるが、元の翼角に戻るまでには時間がかかり、その間は所望の推力が得られない。
そこで、本実施形態では、翼角制限に先立って、電動発電機3(電動動作)を駆動し、主機の負荷が低減されるように電力変換装置6を制御する。主機の出力が加勢開始負荷より大きい値である場合には、電動発電機3を駆動するよう電力変換装置6に加勢駆動指令を与える。ALC制御器78の動作がルックアップテーブル(76)で定められた翼角制限開始負荷と、主機出力推定値との差に基づいて定まるのに対し、翼角制限開始負荷から負荷上限補正値を減算し、減算した値を加勢開始負荷とし、この加勢開始負荷と主機出力推定値との差に基づいて加勢駆動指令を定める。加勢駆動指令が与えられる対象は、表1に示すように、電力変換装置6の制御方式によって異なる。電力変換装置6を構成する電力変換器の1つは必ず直流中間部電圧の制御が行われる。これによって、直流中間部に流出入する電力差が直流中間部電圧制御を行う電力変換器に吸収される。
Figure 0006998125000001
これにより、電動発電機3は、電力変換装置6から供給された電力により電動動作し、主機1による可変ピッチプロペラ5の駆動をアシストする(図4参照)。ALC制御器78により翼角制限動作に先立って、電動発電機3による加勢を行うことにより、主機が過負荷になる前に主機の負荷を低減することができる。これにより、翼角制限による一時的な推力低下を防ぐことができる。
一方、主機の出力が加勢開始負荷より小さい値である場合には、電動発電機3の駆動を停止するように加勢駆動指令をゼロまたはゼロまで低下させる。加勢駆動指令は、PID制御器82の後段にあるリミッタ回路83によって負にならないようになっており、主機に余裕がある場合には加勢は行われない(図2参照)。ここで、リミッタ回路83が動作しているときにはPID制御器82の積分は停止されるので、主機出力推定値が加勢開始負荷を超えたとき、速やかに加勢を行うことができる。
万が一、電動発電機3が何らかの理由で駆動できなくなった場合においても、ALC制御器78の翼角制限が機能するので主機が過負荷でトリップすることはない。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と共通する構成の説明は省略し、相違する構成についてのみ説明する。
図5は、第2実施形態に係る船舶推進システムのハードウェア構成を示す概略図である。本実施形態の船舶推進システム100Aは、第1実施形態(図1)と比較すると、第3電力変換器6cと、第3電力変換器6cを介して接続された電力貯蔵装置9とを更に備える点が異なる。電力貯蔵装置9は、例えばリチウムイオン電池等の二次電池である。図5(a)および図5(b)は、電力貯蔵装置9の二種類の接続態様を示している。
図5(a)では、第3電力変換器6cは、電力貯蔵装置9から直流中間部60に充放電する電力を制御するDC/DC変換器である。第3電力変換器6cの一方の直流端は直流中間部60に接続され、且つ、第3電力変換器6cの他方の直流端は電力貯蔵装置9に接続される。電力貯蔵装置9は、第3電力変換器6cの他方の直流端に接続される。電力貯蔵装置9は例えば二次電池、キャパシタで構成される。二次電池としては、たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池および鉛蓄電池を用いてもよい。キャパシタとしては、たとえば、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ、ナノハイブリッドキャパシタ、カーボンナノチューブキャパシタを用いてもよい。
図5(b)では、第3電力変換器6cは、電力貯蔵装置9から船内母線4に充放電する電力を制御するAC/DC変換器である。第3電力変換器6cの一方の直流端は交流のバスラインである船内母線4(電力系統側)に接続され、且つ、第3電力変換器6cの他方の直流端は電力貯蔵装置9に接続される。
図6は、船舶推進システム100Aの制御システム7Aの構成の一例を示すブロック図である。制御システム7Aは、第1実施形態(図2)と比較すると、リミッタ回路83の後段に別のリミッタ回路84を更に備える点が異なる。
リミッタ回路84は、リミッタ回路83の出力値である加勢駆動指令を、予め定めた上限値および下限値の範囲内に制限し、これを加勢放電指令として出力するように構成される。つまり、リミッタ回路84は、入力された加勢駆動指令値が上限値を超えている場合には、この上限値を加勢放電指令として出力する。同様に、リミッタ回路84は、入力された加勢駆動指令が下限値を超えている場合には、この下限値を加勢放電指令として出力する。本実施形態では上限値は電力貯蔵装置9の定格で定まる値であり、下限値はゼロの値である。
加勢駆動指令を加勢放電指令として与えることで、加勢に必要な電力は、電力貯蔵装置9から優先的に供給することができる。なお、加勢駆動指令および加勢放電指令が与えられる対象は、表2に示すように、システム構成と電力変換装置の制御方式によって異なる。
Figure 0006998125000002
ここでも電力変換装置6を構成する電力変換器の1つは必ず直流中間部電圧の制御が行われる。これによって、直流中間部60に流出入する電力差が直流中間部電圧制御を行う電力変換器に吸収される。
本実施形態のように、電力貯蔵装置9および第3電力変換器6cを推進システムに追加する場合、電力貯蔵装置9を直流中間部60に接続する態様(図5(a)参照)、電力系統21に接続する態様(図5(b)参照)の二通りが考えられる。電力系統21に接続した場合、第3電力変換器6cは電力制御またはドループ制御することができる。電力制御された電力変換器は電力系統に授受する電力のみを制御可能であり、単独で系統を維持することはできない。一方で、ドループ制御された電力変換器は発電機と同等に作用し、単独運転も可能である。
[制御方式2-1]
加勢駆動指令を第2電力変換器6bに直接与える。このとき、加勢放電指令を第3電力変換器6cに与えることで、加勢に必要な電力を電力貯蔵装置9から供給できる。電力貯蔵装置9からすべての電力を供給できない場合には、不足分は第1電力変換器6aを介して自動的に電力系統21から供給される。
[制御方式2-2]
加勢駆動指令を第2電力変換器6bに直接与える。このとき、必要な電力は第2電力変換器6bを介して自動的に電力貯蔵装置9から供給される。電力貯蔵装置9から全ての電力を供給できない場合には、不足分の電力指令を第1電力変換器6aに与えることで、不足電力を電力系統21から供給することもできる。
[制御方式2-3]
加勢放電指令を第3電力変換器6cに与える。このとき、放電した電力は第2電力変換器6bによって自動的に吸収されるため、放電した分だけ電動発電機3が駆動される(主機を加勢する)。電力貯蔵装置9から全ての電力を供給できない場合には、不足分の電力指令を第1電力変換器6aに与えることで、その分だけ電動発電機3をさらに駆動することができる。
[制御方式2-4,2-5]
制御方式2-4,2-5の違いは、制御方式2-1,2-3で電力貯蔵装置9がないケース(放電指令=0)と同等なので割愛する。加勢放電指令を第3電力変換器6cに与えることで、加勢のために電力変換装置6が必要とする電力を電力貯蔵装置9から供給できる。電力貯蔵装置9から全ての電力を供給できない場合、不足分は自動的に発電機2bから供給される。
[制御方式2-6,2-7]
制御方式2-6,2-7の違いは、制御方式2-1,2-3で電力貯蔵装置9がないケース(放電指令=0)と同等なので割愛する。このケースでは第3電力変換器6cは発電機2bと連系して運転しているため、加勢のために電力変換装置6が必要とする電力は、互いのドループ特性線にしたがって、発電機2bおよび電力貯蔵装置9の両者から供給される。
以上のように、本実施形態によれば、電力貯蔵装置9を備えているので、第1実施形態による効果に加え、電動発電機3の駆動電力の全部または一部を電力貯蔵装置9から放電することができる。とくに、電動発電機3の駆動電力の全部を電力貯蔵装置9から放電する場合においては、電力源2を廃する構成としてもよい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と共通する構成の説明は省略し、相違する構成についてのみ説明する。
図7は、第3実施形態に係る船舶推進システムのハードウェア構成を示す概略図である。本実施形態の船舶推進システム100Bは、第1実施形態(図1)と比較すると、主機の出力の一部を駆動力として電動発電機3を発電動作し、かつ、電力系統側の第1電力変換器6aをドループ制御する点が異なる。
図8は、船舶推進システム100Bの制御系の構成の一例を示すブロック図である。図8に示すように、制御システム7Bは、第1実施形態(図2(b))と比較すると、加減算器80が、翼角制限開始負荷から負荷上限補正値を減算し、減算した値を発電制限開始負荷とし、かつ、主機出力推定値と発電制限開始負荷との偏差をPID処理された出力値を、リミッタ回路83が、予め定めた上限値および下限値の範囲内に制限し、これを発電量補正指令として出力する点が異なる。
図9のグラフは、船舶推進システム100Bの負荷領域を示している。翼角制限開始負荷と発電制限開始負荷の関係は、図3の翼角制限開始負荷と加勢開始負荷と同様な関係にある。ここで、電力系統側の第1電力変換器6aはドループ制御される。ドループ特性線の調整によって、発電機2bと電動発電機3の負荷分担比率を変え、主機の負荷を低減する。図10は、ドループ特性線のグラフである。リミッタ回路83の出力を加勢駆動指令に代わって発電量補正指令としているので(図8参照)、この分だけ発電機(電動発電機3)の発電電力を下げるようドループ特性線を調整する。なお、ドループ特性線の調整は公知の技術であるので、詳細な説明は省略する。制御システム7Bは、電力系統側の第1電力変換器6aをドループ制御し、ドループ特性線の調整によって、発電機2bと電動発電機3の負荷分担比率を変え、主機の負荷を低減する。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と共通する構成の説明は省略し、相違する構成についてのみ説明する。
図11は、本発明の第4実施形態に係る船舶推進システムのハードウェア構成を概略的に示す図である。本実施形態の船舶推進システム100Cは、第3実施形態(図7)と比較すると、主機の出力の一部を駆動力として電動発電機3を発電動作し、かつ、電力系統側の第1電力変換器6aをドループ制御する点は共通するが、第3電力変換器6cと、第3電力変換器6cを介して接続された電力貯蔵装置9とを更に備える点が異なる。
図11(a)では、第3電力変換器6cは、電力貯蔵装置9から直流中間部60に充放電する電力を制御するDC/DC変換器である。第3電力変換器6cの一方の直流端は直流中間部60に接続され、且つ、第3電力変換器6cの他方の直流端は電力貯蔵装置9に接続される。電力貯蔵装置9は、第3電力変換器6cの他方の直流端に接続される。電力貯蔵装置9は例えば二次電池、キャパシタで構成される。二次電池としては、たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池および鉛蓄電池を用いてもよい。キャパシタとしては、たとえば、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ、ナノハイブリッドキャパシタ、カーボンナノチューブキャパシタを用いてもよい。
図11(b)では、第3電力変換器6cは、電力貯蔵装置9から船内母線4に充放電する電力を制御するAC/DC変換器である。第3電力変換器6cの一方の直流端は交流のバスラインである船内母線4(電力系統側)に接続され、且つ、第3電力変換器6cの他方の直流端は電力貯蔵装置9に接続される。
図11(c)では、図11(a)と比較すると、第3電力変換器6cの一方の直流端は直流中間部60に接続され、且つ、第3電力変換器6cの他方の直流端は電力貯蔵装置9に接続され、電力貯蔵装置9は、第3電力変換器6cの他方の直流端に接続される点は共通するが、原動機2aと発電機2bが回転軸で接続された電力源2を備えていない点が異なる。
図12は、船舶推進システム100Cの制御システム7Cの構成の一例を示すブロック図である。制御システム7Cは、第1実施形態(図8)と比較すると、リミッタ回路83の後段に別のリミッタ回路84を更に備える点が異なる。
リミッタ回路84は、リミッタ回路83の出力値である発電量補正指令を、予め定めた上限値および下限値の範囲内に制限し、これを補正放電指令として出力するように構成される。つまり、リミッタ回路84は、入力された発電量補正指令値が上限値を超えている場合には、この上限値を補正放電指令として出力する。同様に、リミッタ回路84は、入力された発電量補正指令値が下限値を超えている場合には、この下限値を補正放電指令として出力する。本実施形態では上限値は電力貯蔵装置9の定格で定まる値であり、下限値はゼロの値である。発電量補正指令を補正放電指令として与えることで、発電に必要な電力は、電力貯蔵装置9から優先的に供給することができる。なお、発電量補正指令および補正放電指令が与えられる対象は、表3に示すように、システム構成と電力変換装置の制御方式によって異なる。
Figure 0006998125000003
[制御方式3-1]
第1電力変換器6aは発電機2bと連系運転しているため、ドループ特性線の調整によって負荷分担率を制御することができる。通常の状態では、第1電力変換器6aが電力系統21に供給している電力分をトルクまたはパワー指令として第2電力変換器6bに与え、電動発電機3が発電した電力を系統に供給している。この状況で発電制限がかかった場合、補正放電指令分だけ第2電力変換器6bに与えているトルクまたはパワー指令値の大きさを小さくする。このようにすることで、電動発電機3が発電する電力は低減され、低減した分だけ自動的に電力貯蔵装置9から電力供給される。電力貯蔵装置9からの電力で発電量補正分をまかなえない場合、第1電力変換器6aのドループ特性線を調整することで電動発電機3の発電電力をさらに低減することができる。
[制御方式3-2]
第1電力変換器6aは発電機2bと連系運転しているため、ドループ特性線の調整によって負荷分担率を制御することができる。通常の状態では、第1電力変換器6aが電力系統に供給している電力は第2電力変換器6bを介して自動的に電動発電機3から供給される。この状況で発電制限がかかった場合、補正放電指令を第3電力変換器6cに与えれば、電力貯蔵装置9からも系統に電力が供給され、その分だけ自動的に電動発電機3が発電する電力が低減される。電力貯蔵装置9からの電力で発電量補正分をまかなえない場合、第1電力変換器6aのドループ特性線を調整することで電動発電機3の発電電力をさらに低減することができる。
[制御方式3-3]
第1電力変換器6aと第2電力変換器6bの制御は制御方式3-2と同じであり、電力貯蔵装置9が直流中間部60に存在しない。このため、ドループ特性線の調整で発電電力の低減が行われる。このとき、発電量補正指令を電力変換器3に与えることで、発電機2bが肩代わりするはずの電力を電力貯蔵装置9から供給できる。電力貯蔵装置9からの電力で発電量補正分をまかなえない場合、不足分は自動的に発電機2bが担うことになる。
[制御方式3-4]
第1電力変換器6aと第2電力変換器6bの制御は制御方式3-2と同じであり、電力貯蔵装置9が直流中間部60にないためドループ特性線の調整で発電電力の低減が行われる。第3電力変換器6cは発電機(電動発電機3)と連系して運転しているため、電動発電機3の発電電力低下分は、互いのドループ特性線にしたがって発電機2b・電力貯蔵装置9の両者が肩代わりする。このケースでは発電機2bと第1電力変換器6aと第3電力変換器6cの3台が連系運転している。(第1電力変換器6aの)ドループ特性線の調整によって第1電力変換器6aの発電量を下げ、発電機2bと第3電力変換器の電力はそれぞれのドループ特性線にしたがって変化する。とくに、この方式においては、電力源2を廃し、第3電力変換器6cを単独運転させる構成としてもよい。
[制御方式3-5,3-6]
制御方式3-1,3-2と基本的に同じであるが、本ケースでは発電機がない。第1電力変換器6aは単独運転となるため発電電力は電力負荷に応じて成り行きで変化する。発電量補正は電力貯蔵装置からの放電のみでしか行うことができない。
本実施形態によれば、電力貯蔵装置9を備えているので、第3実施形態による効果に加え、電動発電機3の発電電力の低減量の一部または全部を、電力貯蔵装置から供給することができる。
(その他の実施形態)
尚、第1及び第2実施形態の船舶推進システムでは電動発電機3を電動動作させたが、電動発電機3に代えて電動機を備え、これを動作させてもよい。
尚、第3及び第4実施形態の船舶推進システムでは電動発電機3を発電動作させたが、電動発電機3に代えて発電機を備え、これを動作させてもよい。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び機能の一方又は双方の詳細を実質的に変更できる。
本発明は、可変ピッチプロペラを備えた船舶の推進システムに有用である。
1 主機
1a 主機回転数検出器
2 電力源
3 電動発電機
4 船内母線
5 可変ピッチプロペラ
5a 翼角検出器
6 電力変換装置
6a 第1電力変換器
6b 第2電力変換器
6c 第3電力変換器
7 制御システム
8 減速装置
9 電力貯蔵装置
21 電力系統
21a 電力負荷
70 加減算器
71 回転数制御器
72 燃料供給器
73,74 加減算器
75 翼角信号演算器
76 翼角制限開始負荷設定器
77 加減算器
78 ALC制御器
79 負荷上限補正値設定器
80,81 加減算器
82 PID制御器
83 リミッタ回路
100 船舶推進システム

Claims (6)

  1. 電力源と、主機と、電動機または電動発電機と、与えられた翼角指令値に従って翼角制御される可変ピッチプロペラと、前記電力源により発電された電力を前記電動機または前記電動発電機に供給する電力変換装置と、制御装置と、を備え、前記主機、前記電動機または前記電動発電機、および、前記可変ピッチプロペラは同じ駆動軸に接続されている、船舶の推進システムの制御方法であって、
    前記主機の回転数および出力に基づいて設定された負荷領域内で前記主機が運転されるように、与えられた前記翼角指令値に対して前記可変ピッチプロペラの翼角を制限することと、
    前記主機の出力が予め定めた加勢開始負荷より大きくなったとき、前記翼角制限に先立って、前記電動機または前記電動発電機による前記主機の加勢を開始し、前記主機の負荷を低減するよう前記電力変換装置を制御することと、
    を含む、船舶の推進システムの制御方法。
  2. 前記主機の回転数に対して、前記負荷領域の上限値より小さい所定の値を翼角制限開始負荷として設定し、前記翼角制限開始負荷より小さい所定の値を前記加勢開始負荷として設定することと、
    前記主機の出力が前記翼角制限開始負荷を超過した場合に前記翼角を制限するように与えられた前記翼角指令値を補正することと、
    前記主機の出力が前記加勢開始負荷より大きい値である場合には、前記電動機または前記電動発電機を駆動するよう前記電力変換装置に加勢駆動指令を与えることと、
    前記主機の出力が前記加勢開始負荷より小さい値である場合には、前記電動機または前記電動発電機の駆動を停止するように前記加勢駆動指令をゼロに維持するまたはゼロまで低下させることと、を更に含む、請求項1に記載の船舶の推進システムの制御方法。
  3. 前記船舶の推進システムは、前記電力源の全部または一部として、前記電力変換装置の直流部に接続され、または、他の電力変換装置と電力系統を介して前記電力変換装置に接続された電力貯蔵装置を更に備え、
    前記電動機または前記電動発電機の駆動電力の全部または一部を前記電力貯蔵装置から放電するよう制御すること
    を更に含む、請求項1又は2に記載の船舶の推進システムの制御方法。
  4. 電力系統と、主機と、発電機または電動発電機と、与えられた翼角指令値に従って翼角制御される可変ピッチプロペラと、前記発電機または前記電動発電機により発電された電力を電力系統に供給可能な電力変換装置と、制御装置と、を備え、前記主機、前記発電機または前記電動発電機、および、前記可変ピッチプロペラは同じ駆動軸に接続されており、前記主機の出力の一部を駆動力として前記発電機または前記電動発電機が運転される、船舶の推進システムの制御方法であって、
    前記主機の回転数および出力に基づいて設定された負荷領域内で前記主機が運転されるように、与えられた前記翼角指令値に対して前記可変ピッチプロペラの翼角を制限することと、
    前記主機の出力が予め定めた発電制限開始負荷より大きくなったとき、前記翼角制限に先立って、前記発電機または前記電動発電機の発電電力を低減し、前記主機の負荷を低減するよう前記電力変換装置を制御することと、
    を含む、船舶の推進システムの制御方法。
  5. 前記主機の回転数に対して、前記負荷領域の上限値より小さい所定の値を翼角制限開始負荷として設定し、前記翼角制限開始負荷より小さい所定の値を前記発電制限開始負荷として設定することと、
    前記主機の出力が前記翼角制限開始負荷を超過した場合に前記翼角を制限するように与えられた前記翼角指令値を補正することと、
    前記主機の出力が前記発電制限開始負荷より大きい値である場合には、前記発電機または前記電動発電機の発電電力を低減するように前記電力変換装置に与える発電電力指令から発電量補正指令を減算することと、
    前記主機の出力が、前記発電制限開始負荷より小さい値である場合には、前記発電機または前記電動発電機の発電電力を低減しないように前記発電量補正指令をゼロに維持するまたはゼロまで低下させることと、を更に含む、請求項4に記載の船舶の推進システムの制御方法。
  6. 前記船舶の推進システムは、前記電力変換装置の直流部に接続され、または、他の電力変換装置を介して前記電力系統に接続された電力貯蔵装置を更に備え、
    前記発電機または前記電動発電機の発電電力の低減量の全部または一部を前記電力貯蔵装置から放電するよう制御すること
    を更に含む、請求項4又は5に記載の船舶の推進システムの制御方法。
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