次に、図面を参照して、実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
また、以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
[第1の実施の形態]
(冷蔵庫の全体構成)
図1を参照して、本実施の形態に係る冷蔵庫1Aの全体構成について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る冷蔵庫1Aの概略構成を示す側方断面図である。
図1に示す冷蔵庫1Aは、冷却器10で生成された冷気A(A2、A3)を冷蔵室C2内に吹き出す冷気吹出口11と、冷気吹出口11に対向して取り外し可能に設置され、被冷却物Mを冷却する冷却ボックスB1とを備えている。
本実施の形態に係る冷蔵庫1Aは、図1に示すように、下方に冷凍室C1を開閉する第1ドア121を備え、その上方に冷蔵室C2を開閉する第2ドア122を備える所謂2ドアタイプの冷蔵庫である。
冷凍室C1の後面側(図上左側)には、コンプレッサ等で構成され、冷気Aを生成する冷却器10が配置されている。
冷蔵室C2内には、二段の棚部材20、21が設置され、3箇所の冷蔵区画13~15が形成されている。
なお、棚部材20、21と冷蔵室C2の後側の内壁260との間には、冷気吹出口11、12から吹き出される冷気A2、A3を流通させる隙間20a、21aが形成されている。
冷凍室C1および冷蔵室C2の後側の内壁260と冷蔵庫1自体の後部壁261との間には、冷気Aを上方に導く気流通路16が延設されている。なお、気流通路16の途中には、冷気Aを送風するファン(図示せず)や、冷気Aの導入、遮断を制御するダンパ等(図示せず)が設けられている。
内壁260には、冷凍室C1内に冷気A1を吹き出す冷気吹出口17、冷蔵室C2内に冷気A2、A3を吹き出す冷気吹出口11、12が形成されている。
また、冷凍室C1に吹き出された冷気A1および冷蔵室C2内に吹き出された冷気A2、A3は、それぞれ図示しない帰還路を通過して冷却器10に帰還して再び冷却され、冷凍室C1および冷蔵室C2に送風される構造となっており、冷蔵庫1内に冷気Aの循環経路が構成されている。
そして、図1に示す例では、棚部材21と天井部1aとの間の空間に、冷気吹出口11に対向して冷却ボックスB1が設置されている。
なお、内壁260と冷却ボックスB1との間、および天井部1aと冷却ボックスB1との間には、それぞれ隙間30、31が形成されるようにして、冷却ボックスB1が設置される。隙間30、31を介して、冷気A3が冷蔵区画15内等に流入できるようにするためである。
このように、冷気吹出口11に対向して取外し可能な冷却ボックスB1を備える冷蔵庫1Aによれば、冷蔵室C2内にチラー室と同等の冷蔵機能を簡単な構造により低コストで提供することができる。また、従来のチラー室を備える冷蔵庫に比して部品点数を低減でき、庫内容量を確保することができる。
また、図1では、棚部材21上にのみ冷却ボックスB1を配置した場合を示したが、これに限定されず、冷気吹出口12に対向させた状態で棚部材20上に冷却ボックスB1を配置してもよい。また、棚部材20上にのみ冷却ボックスB1を配置するようにしてもよい。
以下、冷却ボックスB1の具体的な実施例について詳述する。
(冷却ボックスB1の第1実施例)
図2を参照して、第1の実施の形態に係る冷蔵庫1Aに適用される第1実施例に係る冷却ボックスB1aについて説明する。
図2(a)は第1実施例に係る冷却ボックスB1aを示す側方断面図、図2(b)および図2(c)は冷却ボックスB1aの要部の拡大図、図2(d)は冷却ボックスB1aの正面図である。
図2(a)に示すように、冷却ボックスB1aは、冷気吹出口側に形成される第1開口部61と、反冷気吹出口側に形成される第2開口部55とを備え、冷気吹出口11(図1参照)より第1開口部61に流入し、第2開口部55より外部に流出する冷気経路150が内部に形成されている。
なお、本実施の形態において、冷気吹出口11と対向する側を「冷気吹出口側」、冷気吹出口側の反対位置となる側を「反冷気吹出口側」と云うものとする。
冷却ボックスB1aは、樹脂製の下側筐体50と、この下側筐体50の上部にヒンジ部材52を介してD1方向に開閉自在に取り付けられる樹脂製あるいは金属製の上側筐体51とから構成される。
下側筐体50の冷気吹出口11と対向する冷気吹出口側には、複数の開口611、612…より構成される第1開口部61が設けられている。
また、上側筐体51の反冷気吹出口側には、例えば複数の矩形状の開口551、552、553…より第2開口部55が形成されている(図2(d)参照)。
なお、第2開口部55は、冷却ボックスB1aの上寄りの位置に形成されている。
これにより、冷気経路150において、空気密度が比較的大きく下方に流れ易い冷気A3bをできるだけ下方に溜め、比較的暖かい空気を排出することで、冷却ボックスB1a内をより低温に維持し、缶飲料等の被冷却物Mをより効率的に冷却することができる。
また、下側筐体50の底には、蓄冷剤70と、被冷却物Mと接触する金属部材(金属板)71とが配置されている。
蓄冷剤70としては、水あるいは水に食品衛生法に適合したゲル化材を添加したものなどが適用される。また、蓄冷剤70に防腐剤を添加してもよい。
金属板71は、比較的熱伝導率に優れたAl、Cu、ステンレス鋼等で形成される。
このような構成により、冷却ボックスB1a内を流通する冷気A3a等によって、金属板71および蓄冷剤70を冷却し、被冷却物Mに対する冷却効果や保冷効果を向上させることができる。
また、第1実施例に係る冷却ボックスB1aでは、第1開口部61に、冷気A3の流入を調整する流入量調整手段60が設けられている。
本実施例において、流入量調整手段60は、図2(a)および図2(b)に示すように、第1開口部61の形成されている壁面に対して摺動して開口面積を調整するスライド部材62で構成されている。
即ち、下側筐体50の冷気吹出口側には、幅方向に沿って上下一対のレール部63が形成され、このレール部63に複数の矩形状の開口部が形成されたスライド部材62が摺動可能に支持されている。
また、第1開口部61は、スライド部材62のスライド方向に隣接して形成された複数の開口により構成され、スライド方向における各開口の幅W10は、隣接する開口同士の距離W11よりも小さく設定されている(即ち、W11>W10)。
なお、スライド部材62には、操作者が指で摘んで摺動させるためのツマミ部65が形成されている。
そして、例えば図2(b)に示すように、第1開口部61の全開状態から、ツマミ部65を操作して、スライド部材62をD2方向に摺動させることにより、図2(c)に示すように略半開状態に変更することができる。なお、ツマミ部65の操作により第1開口部61を全閉状態から全開状態の範囲で無段階に開口量を調整可能である。
これにより、冷却ボックスB1a内への冷気A3aの導入量を調整することができ、被冷却物Mの冷却程度を調節することができる。
なお、図2に示す実施例では、第1開口部61にのみ流入量調整手段60を設けた例を示したが、これには限定されず、第1開口部61、第2開口部55の何れか、或いは双方に同様の構成または他の構成に係る流入量調整手段を設けてもよい。
また、第1開口部61および第2開口部55を全閉状態とした場合には、冷却ボックスB1aの気密性を高めることができ、被冷却物Mの鮮度を保つことができる。
(冷却ボックスB1の第2実施例)
図3を参照して、第1の実施の形態に係る冷蔵庫1Aに適用される第2実施例に係る冷却ボックスB1bについて説明する。
図3(a)は、第2実施例に係る冷却ボックスB1bを示す側方断面図、図2(b)は、冷却ボックスB1bの正面図である。
第2実施例に係る冷却ボックスB1bは、反冷気吹出口側から出し入れ可能な引出し式の収容部81を備えている。
即ち、図3(a)に示すように、冷却ボックスB1bは、断面形状が略コ字状を呈する樹脂製の筐体80と、筐体80内に収容され、反冷気吹出口側からD3方向に出し入れ可能な引出し式の収容部81と、から構成されている。
筐体80および収容部81の冷気吹出口側には、冷気吹出口11(図示せず)からの冷気A3aを導入する第1開口部161、162が形成されている。
また、第1開口部161には、第1実施例で説明した流入量調整手段60が設けられている。なお、流入量調整手段60の具体的構成は第1実施例と同様であるので、図2(a)と同一符号を付して重複した説明は省略する。
収容部81の反冷気吹出口側の上部には、冷気A3cを排出する複数の開口851、852、853…より成る第2開口部85が設けられている。なお、第2開口部85に流入量調整手段を設けてもよい。
また、収容部81の反冷気吹出口側の外壁には、収容部81を引き出すためのツマミ部82が設けられている。
収容部81の底には、第1実施例と同様に、被冷却物Mと接触する金属部材(金属板)71が配置されている。なお、金属板71の下側に、第1実施例と同様の蓄冷剤を配置するようにしてもよい。
筐体80の底面には、図1に示すように冷蔵室C2内に配置される棚部材21に当接して冷却ボックスB1b自体を仮固定するゴム足や吸盤部材等で構成される滑り止め部材86が設けられている。これにより、収容部81をD3方向に出し入れする際に、筐体80が一緒に動く事態を回避でき、利便性が向上する。
また、収容部81を引き出すことにより、容易に被冷却物Mを出し入れすることができ、使い勝手が向上する。
なお、第1開口部161、162および第2開口部85を全閉状態とした場合には、冷却ボックスB1bの気密性を高めることができ、被冷却物Mの鮮度を保つことができる。
(冷却ボックスB1の第3実施例)
図4を参照して、第1の実施の形態に係る冷蔵庫1Aに適用される第3実施例に係る冷却ボックスB1cについて説明する。
図4(a)は第3実施例に係る冷却ボックスB1cを示す側方断面図、図4(b)は冷却ボックスB1cのシャッター部材95の動作を示す説明図、図4(c)は冷却ボックスB1cの正面図である。
第3実施例に係る冷却ボックスB1cは、第2実施例と同様に反冷気吹出口側からD3方向に出し入れ可能な引出し式の収容部91を備えると共に、第2開口部として、例えば全閉状態から全開状態の範囲で開口面積を調整する簾状のシャッター部材95等で構成される流入量調整手段を備えている。
なお、簾状のシャッター部材95に代えて、可撓性を備える板部材によって形成され、冷却ボックスB1cの上面又は底面と、第2開口部が形成された壁面との間に亘って摺動可能なスライド部材を設けるようにしてもよい。
即ち、図4(a)に示すように、冷却ボックスB1cは、樹脂製の筐体90と、筐体90内に収容され、反冷気吹出口側からD3方向に出し入れ可能な引出し式の収容部91等から構成されている。
筐体90および収容部91の冷気吹出口側には、冷気吹出口11(図1参照)からの冷気A3aを導入する第1開口部161、162が形成されている。
また、第1開口部161には、第1実施例で説明した流入量調整手段60が設けられている。なお、流入量調整手段60の具体的構成は第1実施例と同様であるので、図2(a)と同一符号を付して重複した説明は省略する。
収容部91の反冷気吹出口側には、D4方向に昇降可能な簾状の可撓性を有するシャッター部材95等で構成される流入量調整手段が設けられている。
より具体的には、筐体90の天井側に、簾状のシャッター部材95の昇降時において余長部を収容する戸袋状の収容部97が設けられている。
また、筐体90の天井部の略中央付近から反冷気吹出口側の先端部にかけて、簾状のシャッター部材95の左右両端(図4(c)参照)をD4方向に昇降可能に支持する支持部92、93が設けられている。
シャッター部材95の反冷気吹出口側の先端には、シャッター部材95の昇降を操作するツマミ部96が形成されている。
また、収容部91の反冷気吹出口側の外壁には、収容部91を引き出すためのツマミ部82が設けられている。
収容部91の底には、第1実施例と同様に、被冷却物Mと接触する金属部材(金属板)71が配置されている。
筐体90の底面には、図1に示すように冷蔵室C2内に配置される棚部材21に当接して冷却ボックスB1c自体を仮固定するゴム足や吸盤部材等で構成される滑り止め部材86が設けられている。これにより、収容部91をD3方向に引き出す際に、筐体90が一緒に動く事態を回避でき、利便性が向上する。
また、収容部91を引き出すことにより、容易に被冷却物Mを出し入れすることができ、使い勝手が向上する。
そして、第2開口部としてのシャッター部材95の開口量を増やしたい場合には、ツマミ部96を指で摘んで、D4方向に上昇させる。これにより、簾状のシャッター部材95の余長部はD5方向に移動して、戸袋状の収容部97に収容されて開口量が増える。よって、冷気A3a~A3cの流通量が増加して、被冷却物Mがより効率的に冷却される。
逆に、被冷却物Mの冷却を抑えたい場合には、ツマミ部96を指で摘んで、簾状のシャッター部材95を降下させて開口量を減少させる。
なお、本実施例に係る冷却ボックスB1cは、第1開口部161にも流入量調整手段60が設けられているので、第2開口部としてのシャッター部材95の昇降と併せて流入量調整手段60を操作することにより、冷気A3a等の流通量をより細かく微調整することが可能となり、被冷却物Mを所望の温度に冷却することができる。
なお、第1開口部161、162および第2開口部としてのシャッター部材95を全閉状態とした場合には、冷却ボックスB1cの気密性を高めることができ、被冷却物Mの鮮度を保つことができる。
また、気密性を高めるために、シャッター部材95と収容部91等との当接部にシール材を設けるようにしてもよい。
(冷却ボックスB1の第4実施例)
図5を参照して、第1の実施の形態に係る冷蔵庫1Aに適用される第4実施例に係る冷却ボックスB1dについて説明する。
図5は、第4実施例に係る冷却ボックスB1dを示す側方断面図である。
なお、第4実施例に係る冷却ボックスB1dの主な構成は、第3実施例に係る冷却ボックスB1cと同様であり、共通の構成については、同一符号を付して重複した説明は省略する。
第4実施例に係る冷却ボックスB1dの特徴点は、金属板71の下側に蓄冷剤101を配置している点である。
蓄冷剤101としては、水あるいは水に食品衛生法に適合したゲル化材を添加したものなどが適用される。また、蓄冷剤101に防腐剤を添加してもよい。
このような構成により、冷却ボックスB1d内を流通する冷気A3a等の流通量を第1開口部161の流入量調整手段60および第2開口部としてのシャッター部材95の操作によって調節すると共に、冷気A3a等によって金属板71および蓄冷剤101を冷却し、被冷却物Mに対する冷却効果や保冷効果を向上させることができる。
なお、第1開口部161、162および第2開口部としてのシャッター部材95を全閉状態とした場合には、冷却ボックスB1dの気密性を高めることができ、被冷却物Mの鮮度を保つことができる。
また、気密性を高めるために、シャッター部材95と収容部91等との当接部にシール材を設けるようにしてもよい。
(冷却ボックスB1の第5実施例)
図6を参照して、第1の実施の形態に係る冷蔵庫1Aに適用される第5実施例に係る冷却ボックスB1eについて説明する。
図6は、第5実施例に係る冷却ボックスB1eを示す側方断面図である。
なお、第5実施例に係る冷却ボックスB1eの主な構成は、第4実施例に係る冷却ボックスB1dと同様であり、共通の構成については、同一符号を付して重複した説明は省略する。
第5実施例に係る冷却ボックスB1eの特徴点は、蓄冷剤101の下側に断熱材(断熱部材)102を配置すると共に、筐体90の天井部90aに断熱材104を配置し、シャッター部材95の裏側に断熱材103を配置している点である。
断熱材102~104としては、発泡スチロールやウレタン材等が適用される。
このような構成により、冷却ボックスB1e内を流通する冷気A3a等の流通量を第1開口部161の流入量調整手段60および第2開口部としてのシャッター部材95の操作によって調節すると共に、冷気A3a等によって金属板71および蓄冷剤101を冷却し、且つ、断熱材102~104により外部との熱の伝導を抑制して、被冷却物Mに対する冷却効果や保冷効果をより向上させることができる。
なお、第1開口部161、162および第2開口部としてのシャッター部材95を全閉状態とした場合には、冷却ボックスB1eの気密性を高めることができ、被冷却物Mの鮮度を保つことができる。
また、気密性を高めるために、シャッター部材95と収容部91等との当接部にシール材を設けるようにしてもよい。
(冷却ボックスB1の第6実施例)
図7を参照して、第1の実施の形態に係る冷蔵庫1Aに適用される第6実施例に係る冷却ボックスB1fについて説明する。
図7は、第6実施例に係る冷却ボックスB1fを示す側方断面図である。
なお、第6実施例に係る冷却ボックスB1fの主な構成は、第4実施例に係る冷却ボックスB1dと同様であり、共通の構成については、同一符号を付して重複した説明は省略する。
第6実施例に係る冷却ボックスB1fの特徴点は、筐体90の天井部90aに蓄冷材(蓄冷部材)204を、シャッター部材95の裏側に蓄冷剤203をそれぞれ配置している点である。
このような構成により、冷却ボックスB1e内を流通する冷気A3a等の流通量を第1開口部161の流入量調整手段60および第2開口部としてのシャッター部材95の操作によって調節すると共に、冷気A3a等によって金属板71および蓄冷剤101、203、204を冷却して、被冷却物Mに対する冷却効果や保冷効果をより向上させることができる。
なお、第1開口部161、162および第2開口部としてのシャッター部材95を全閉状態とした場合には、冷却ボックスB1fの気密性を高めることができ、被冷却物Mの鮮度を保つことができる。
また、気密性を高めるために、シャッター部材95と収容部91等との当接部にシール材を設けるようにしてもよい。
(冷却ボックスB1の第7実施例)
図8を参照して、第1の実施の形態に係る冷蔵庫1Aに適用される第7実施例に係る冷却ボックスB1gおよび変形例に係る冷却ボックスB1hについて説明する。
図8(a)は第7実施例に係る冷却ボックスB1gの要部を示す側方断面図、図8(b)はその変形例に係る冷却ボックスB1hの要部を示す側方断面図である。
第7実施例に係る冷却ボックスB1gでは、第1開口部350aは、斜め上向きに開口されている。
即ち、図8(a)に示すように、冷却ボックスB1gを構成する筐体の冷気吹出口側の第1開口部350aは、第1壁体301と第2壁体302の隙間で構成されている。
より具体的には、第2壁体302は、第1壁体301よりも反冷気吹出口側にズレた位置で、且つ、第2壁体302の下端部が第1壁体30の上端部よりも上方に位置するように立設されている。
これにより、冷気A3によって形成される下降気流A3eは、斜め上向きに開口された第1開口部350aからスムーズに冷却ボックスB1g内に導入することが可能となる。
ところで、コンプレッサ等で構成する冷却器10は、温度制御により間欠的に稼働されるが、冷却器10の稼働停止時には、冷気吹出口11から一時的に比較的温度の高い空気A3dが吹き出される。
また、コンプレッサの停止時における冷蔵室C2内の対流によっても比較的温度の高い空気A3dが生成される場合がある。
このような場合には、空気A3dは、空気密度の差から、冷気A3によって形成される下降気流A3eより上方を流通する(図8(a)参照)。
ここで、本実施例に係る冷却ボックスB1gでは、上述のように第1開口部350aは、斜め上向きに開口されているので、下降気流A3eの上方を流通する比較的温度の高い空気A3dは、冷却ボックスB1g内に侵入し難い構成となっている。
また、冷却ボックスB1gの第2壁体302から上面に亘っては、比較的半径の大きな円弧302aにより繋がれた形状になっている。
これにより、冷却器10の稼働停止時に冷気吹出口11から比較的温度の高い空気A3dが吹き出された場合でも、冷却ボックスB1gの上方に空気A3dを逃がし易くなっている。
従って、冷却ボックスB1g内の温度が、比較的温度の高い空気A3dの影響で上昇してしまう事態を抑制することができ、被冷却物Mに対する冷却効果あるいは保冷効果を保持することができる。
また、変形例に係る冷却ボックスB1hでは、第1開口部350bは、上向きに開口されている。
即ち、図8(b)に示すように、筐体の冷気吹出口側の第1開口部350bは、第1壁体303と第2壁体304との隙間で構成されている。
より具体的には、第2壁体304は、第1壁体303よりも反冷気吹出口側にズレた位置で、且つ、第2壁体304の下端部が第1壁体303の上端部と略同じ高さに位置するように立設されている。
これにより、冷気A3によって形成される下降気流A3eを上向きに開口された第1開口部350bからスムーズに冷却ボックスB1g内に導入することが可能となる。
また、冷却ボックスB1hの第2壁体304から上面に亘っては、比較的半径の大きな円弧304aにより繋がれた形状になっており、図8(a)の場合と同様に、比較的温度の高い空気A3dが吹き出された場合でも、冷却ボックスB1hの上方に空気A3dを逃がし易くなっている。
なお、第1開口部350a、350bに、上述のような構成の流量調整手段を設けて、冷却ボックスB1g、B1h内への冷気A3eの流量を調整できるように構成してもよい。
[第2の実施の形態]
(冷蔵庫の全体構成)
第2の実施の形態に係る冷蔵庫1Bの主な構成は、図1に示す第1の実施の形態に係る冷蔵庫1Aと同様である。
異なる点は、冷却ボックスB1に代えて、密閉可能な筐体と、筐体の少なくとも冷気吹出口に対向する位置から下面の一部に亘って配置される金属部とを備える冷却ボックスB2を用いる点である。
図1に示すように、内壁260と冷却ボックスB2との間、および天井部1aと冷却ボックスB1との間には、幅W3の隙間30と、高さhの隙間31が形成されるようにして、冷却ボックスB2が設置される。隙間30、31を介して、冷気A3が冷蔵区画15内等に流入できるようにするためである。
このように、冷気吹出口11に対向して取外し可能な冷却ボックスB2を備える冷蔵庫1Bによれば、冷蔵室C2内にチラー室と同等の冷蔵機能を簡単な構造により低コストで提供することができる。また、従来のチラー室を備える冷蔵庫に比して部品点数を低減でき、庫内容量を確保することができる。
また、図1では、棚部材21上にのみ冷却ボックスB2を配置した場合を示したが、これに限定されず、冷気吹出口12に対向させた状態で棚部材20上に冷却ボックスB2を配置してもよい。また、棚部材20上にのみ冷却ボックスB1を配置するようにしてもよい。
以下、冷却ボックスB1の具体的な実施例について詳述する。
(冷却ボックスB2の第1実施例)
図9を参照して、第2の実施の形態に係る冷蔵庫1Bに適用される第1実施例に係る冷却ボックスB2aについて説明する。
図9は、冷却ボックスB2aを示す側方断面図である。
図9に示すように、第1実施例に係る冷却ボックスB2aは、Al等の金属で成形された筐体500と、筐体500の冷気吹出口側の上端部にヒンジ502を介してD5方向に開閉可能に取り付けられている樹脂製または金属製の蓋部501とから構成されている。
なお、筐体500は、全体が金属で成形される場合に限定されず、筐体500の少なくとも冷気吹出口11に対向する位置から下面の一部に亘る部位を金属で構成し、他の部位を樹脂で成形するようにしてもよい。
蓋部501の反冷気吹出口側の先端には、ヒンジ506と樹脂製のロック部材505とから構成されるロック機構が設けられている。そして、筐体500の上端部に形成される突起状のロック受部504とロック部材505とが係合することにより、蓋部501を筐体500の上端に密着させた状態で保持することができ、冷却ボックスB2aを密閉状態とすることができる。
なお、蓋部501の内側縁部に沿ってゴム等のシール部材を設けるようにしてもよい。これにより、冷却ボックスB2aの気密性を高めることができる。
また、筐体500を構成する金属板の厚さは、例えば0.5mm~4mm程度とするとよい。
さらに、筐体500内および蓋部501の内側には、脱酸素剤510が配置されている。これにより、冷却ボックスB2a内の酸素を除去して、被冷却物Mの酸化を抑制することができる。
第1実施例に係る冷却ボックスB2aによれば、冷気吹出口11から吹き出される冷気A3が、Al等の金属で成形された筐体500に吹き付けられて冷却される。
そして、熱伝導によって、筐体500全体が徐々に冷却され、筐体500内に載置された被冷却物Mを適温まで冷却することができる。
さらに、本実施例では、筐体500内は蓋部501で密閉され、且つ脱酸素剤510によって酸素が除去された雰囲気となるので、被冷却物Mの鮮度を保つことができる。
(冷却ボックスB2の第2実施例)
図10を参照して、第2の実施の形態に係る冷蔵庫1Bに適用される第2実施例に係る冷却ボックスB2bについて説明する。
図10は、冷却ボックスB2bを示す側方断面図である。
図10に示すように、第2実施例に係る冷却ボックスB2bは、Al、Cu等の金属で成形された筐体550に冷気吹出口側の反対位置となる反冷気吹出口側に開口部が形成され、この開口部にD6方向に出し入れ可能な引出し式の収容部551が設けられている。
収容部551の反冷気吹出口側の端部には、蓋部材551aが設けられ、蓋部材551aと開口部との当接部にはゴム等から成るシール部材552が設けられている。
なお、蓋部材551aの外壁には、収容部551を引き出す際に指で摘むツマミ部555が設けられている。
また、筐体550の天井部および収容部551内に脱酸素剤510を配置してもよい。
第2実施例に係る冷却ボックスB2bによれば、冷気吹出口11から吹き出される冷気A3が、Al等の金属で成形された筐体550に吹き付けられて冷却される。
そして、熱伝導によって、筐体500および収容部551の全体が徐々に冷却され、収容部551内に載置された被冷却物Mを適温まで冷却することができる。
さらに、収容部551内は、脱酸素剤510によって酸素が除去された雰囲気となるので、被冷却物Mの鮮度を保つことができる。
また、収容部551は、D6方向に出し入れすることができるので、被冷却物Mを容易に出し入れすることができる。
なお、図示は省略するが、筐体550等に吸気弁を設け、減圧ポンプ等によって筐体550内および収容部551内の空気を抜いて、被冷却物Mの鮮度を保つようにしてもよい。その場合には、脱酸素剤510を省略するようにしてもよい。
また、筐体550および収容部551内に蓄冷剤を配置するようにしてもよい。
(冷却ボックスB1、B2の他の実施例)
図1、図11および図12を参照して、第1、第2の実施の形態に係る冷蔵庫1A、1Bに適用される他の実施例に係る冷却ボックスB1、B2の構成について説明する。
図1、図11および図12に示す構成例では、冷蔵庫1A、1Bは、冷気吹出口11と冷却ボックスB1、B2との相対位置を位置決めするための位置決め手段600、610、620を備えている。
図11に示される位置決め手段600は、冷却ボックスB1、B2の底面に形成される凸部602と、この凸部602と係合可能に冷蔵庫1A、1B側の棚部材21に形成される凹部601と、から構成されている。
この位置決め手段600により、冷気吹出口11と冷却ボックスB1、B2との相対位置の位置決めを行うことができる。
また、冷却ボックスB1、B2の左右に、予め定めた幅W1、W2の隙間32、33を確保した状態で冷却ボックスB1、B2を保持することができる。
図1に示される位置決め手段610は、冷却ボックスB1の底面に形成される凸部612と、この凸部612と係合可能に冷蔵庫1A、1B側の棚部材21に形成される凹部611と、から構成されている。
この位置決め手段600により、図1に示すように、冷蔵庫1A、1Bの冷蔵室C2において冷気吹出口11と冷却ボックスB1、B2との相対位置の位置決めを行うことができる。
これにより、冷却ボックスB1、B2と冷気吹出口11との間に予め定めた幅W3の隙間30を確保した状態で冷却ボックスB1、B2を保持することができる。
ここで、上述した冷却ボックスB1、B2の左右の隙間32、33の幅W1、W2は10~50mmの範囲とすることが好ましく、冷却ボックス31の上方の隙間31の高さhは10~30mmの範囲とすることが好ましい。
また、冷却ボックスB1、B2と冷気吹出口11との隙間30の幅W3は10~50mmの範囲とすることが好ましい。
このようにすることで、適切に、冷気Aの一部を冷却ボックスB1、B2の内部に取り込んで被冷却物Mを冷却すると共に、残りの冷気Aを冷蔵室C2内に行き渡らせて冷蔵室C2内全体を冷却することが可能となる。
図12に示される位置決め手段620は、冷蔵庫1A、1Bの冷蔵室C2の後側の内壁260に設けられる上向きのフック部材621と、冷却ボックスB1、B2の冷気吹出口側の端部上方に設けられてフック部材621と係合可能な下向きのフック部材620と、から構成されている。
この位置決め手段620により、図12に示すように、冷蔵庫1A、1Bの冷蔵室C2において冷気吹出口11と冷却ボックスB1、B2との相対位置の位置決めを行うことができる。
これにより、冷却ボックスB1、B2と冷気吹出口11との間に予め定めた幅W3の隙間30を確保した状態で冷却ボックスB1、B2を保持することができる。
なお、何れの構成においても、天井部1aと冷却ボックスB1、B2との間には、高さhの隙間31が形成されるように設計するとよい。これにより、冷気吹出口11から吹き出される冷気の一部を隙間31を介して冷蔵室C2に流通させることができる。
このように、位置決め手段600、610、620を設けることにより、冷却ボックスB1、B2を冷却効率を高めることができる位置に容易且つ確実に設置することができる。
さらに、冷気A3等の流通量を安定化して、庫内の温度調整を容易に行うことができるようになる。
[第3の実施の形態]
(冷蔵庫の全体構成)
第3の実施の形態に係る冷蔵庫1Cの主な構成は、図1に示す第1の実施の形態に係る冷蔵庫1Aと同様である。
異なる点は、冷却ボックスB1に代えて、図13~図18に示す冷却ボックスB3を用いる点である。
ここで、図13は、第3の実施形態に係る冷蔵庫1Cに適用される冷却ボックスB3を示す分解斜視図、図14は、その後方斜視図、図15は、冷却ボックスB3の要部を示す背面図、図16は、冷却ボックスB3を示す前方斜視図、図17は、その下方斜視図、図18は、冷却ボックスB3の要部を示す側方断面図である。
(冷却ボックスの構成例)
図13等に示すように、冷却ボックスB3は主に、冷蔵庫1C内の最上段に位置する棚部材21に載置される樹脂製のチラー室本体700と、棚部材21とチラー室本体700とで形成される空間(チラー室)に対して出し入れ可能な樹脂製の引出し式の収容部800と、引出し式の収容部800に載置されるアルミ等の金属で成形された載置部材900とから構成されている。
まず、チラー室本体700の構成について説明する。
チラー室本体700の前面側(図16における正面側)には、開口部(第2開口部)700aが形成されている。チラー室本体700の前面側には、軸受部725と回動軸720との係合により扉部材701が回動自在に取り付けられ、前記開口部700aを開閉するようになっている。
扉部材701の前面側上部および上端部には、通気部703、704が形成されており、チラー室本体700を流通する冷気が、この通気部703、704から排出されるようになっている。
また、扉部材701の左右端部にはガイド片760が設けられている。これにより、後述する引出し式の収容部800側のレール部830(830a、830b,830c)にガイド片760が連続的に摺接して、引出し式の収容部800の出し入れ動作に連動して扉部材701を自動的に開閉するようになっている。
図14等に示すようにチラー室本体700の後側の下端部には、棚部材21の後端部21aと係合する係合爪710が一体的に形成されている。
また、チラー室本体700の前方側に形成される左右一対のアーム状の延長部712の前端部には、棚部材21の前端部21bと係合する係合部711が一体的に形成されている。
チラー室本体700の側面および天井面には、複数条に亘って補強用の凸状部705が一体的に形成されている。
また、チラー室本体700の天井面の角部には、チラー室本体700の内部に突出するガイド部706が形成されており、引出し式の収容部800側のレール部830の上端部をガイドするようになっている。
また、チラー室本体700の左右内壁の前方下端部には、後述する引出し式の収容部800の左右の下端側に形成されるガイド溝890と係合して案内する係合部750が一体的に形成されている。
図14等に示すように、チラー室本体700の背面壁770には、第1開口部702aを形成する枠体702が一体的に形成されている。
また、背面壁770および枠体702の上端部から天井面にかけて、テーパ面707が延設されている。
枠体702は、背面壁770よりも所定幅だけ後方に突出して形成されている。
そして、図18に示すように、枠体702は、冷気吹出口11から吹き出される冷気A3に含まれる冷気成分A3aと暖気成分A4とを振り分ける振分構造(突出部)を構成する。即ち、振分構造としての枠体702は、冷気吹出口11と第1開口部702aとの間に、上方に開口する隙間Eを形成する。
これにより、図18に示すように、冷気A3に含まれる暖気成分A4は、隙間Eの上方から冷蔵庫1Cの庫内に放出され、冷気成分A3aのみをチラー室本体700内に導入することができる。
なお、暖気成分A4の一部(A4a)は、テーパ面707を伝って冷蔵庫1Cの庫内に放出される。
一方、図13等に示すように、引出し式の収容部800は、前面側に収容部800の出し入れを操作するハンドル801が一体的に形成されている。
引出し式の収容部800の底部802には、図13、図17等に示すように、波型状の凹凸部802a、802bが左右に複数に亘って形成されている。この波型状の凹凸部802a、802bを設けることにより、冷気が通り易くなると共に、後述のアルミ等の金属で成形された載置部材900を用いずに、底部802上に直に食品等の被冷却物を置く場合に、安定して載置することができる。
底部802の左右端には、側壁部805が起立されている。各側壁部805の上端には、レール部830が設けられている。より具体的には、図13に示すように、ハンドル801の上端と同等の高さに形成された第1レール部830aと、第1レール部830aと連続して上端側に伸びる湾曲部を有する第2レール部830bと、第2レール部830bと連続して後端側に延設され、第1レール部830aより高い位置に形成される第3レール部830cとから構成されている。
そして、前述のように、チラー室本体700側の扉部材701の左右端部に設けられているガイド片760が、引出し式の収容部800を出し入れする際に、収容部800側のレール部830(830a、830b,830c)に連続的に接して摺動することにより、ハンドル801により引出し式の収容部800を出し入れする動作に連動して扉部材701を自動的に上下方向に開閉させることができ、被冷却物の出し入れの際の利便性を向上できる。
各側壁部805の下方には、後述のアルミ等の金属で成形された載置部材900を底面側に空隙を設けた状態で支承するリブ820が複数個に亘って形成されている。
図13に示すように、左右の側壁部805の間には、背面壁870が形成されている。
この背面壁870の略中央には、背面側に突出した仕切壁810が形成されている。図14等に示すように、引出し式の収容部800がチラー室本体700内に収容された状態において、仕切壁810は、チラー室本体700側の第1開口部702aから背面側に露出される。また、仕切壁810の表面は、チラー室本体700側の枠体702の縁部と略面一となるように構成されている。
図14および図15に示すように、仕切壁810の上端には、冷気吹出口11から吹き出される冷気の風量のばらつきを均等化する風量調整部が設けられている。より具体的には、本構成例では、風量調整部は、第1開口部内において仕切壁810の上端に起立され、冷気の風量のばらつきに応じて形成される段差部811a~811dを上端側に有する風量調整板811で構成されている。
図15等に示す構成例では、風量調整板811において左側から右側の冷気の風量が、例えば、やや強い→強い→徐々に弱い→弱いというような分布となっている場合に対応させて、段差部811a:「やや高い」、段差部811b:「高い」、段差部811c:「徐々に低い」、段差部811c:「低い」という高さに設定されている。
これにより、引出し式の収容部800内を流通する冷気の風量を全体的に均一化することができ、引出し式の収容部800内に収容される被冷却物を均一に冷却することができる。
なお、背面壁870の内側にも後述のアルミ等の金属で成形された載置部材900を底面側に空隙を設けた状態で支承するリブ820が形成されている。
アルミ等の金属で成形された載置部材900は、例えばアルミ板等の押出成形および折曲加工等により成形され、缶ビール等の缶入飲料950を載置するための円弧状の窪み部900aが複数に亘って設けられている。
この載置部材900は、上述のように引出し式の収容部800内に形成されているリブ820により支承されて載置される。
ここで、載置部材900の底面と引出し式の収容部800の底部802との間に隙間が形成されるようにリブ820の高さが設定されているので、この隙間を介して冷気を流通させて、載置部材900および被冷却物の冷却効率を高めることができる。
このような構成の冷却ボックスB3を用いる場合には、まず、チラー室本体700を棚部材21に載置する。より具体的には、チラー室本体700の後端側の係合爪710を棚部材21の後端部21aと係合させ、次いで、チラー室本体700の前端側の係合部711を棚部材21の前端部21bに係合させる。
次に、アルミ等の金属で成形された載置部材900を載置した引出し式の収容部800をチラー室本体700内に設置する。より具体的には、チラー室本体700の扉部材701を手動で開き、収容部800のハンドル801等を手で保持した状態で、後端側からチラー室本体700内に押し込む。
この際に、収容部800の左右の下端側に形成されるガイド溝890と、チラー室本体700内の係合部750が摺動可能に係合される(図19参照)。これにより、引出し式の収容部800をスムーズに押し込むことができる。
また、扉部材701のガイド片760が、引出し式の収容部800側のレール部830(830a、830b,830c)に連続的に接して摺動することにより、ハンドル801により引出し式の収容部800を出し入れする動作に連動して扉部材701を自動的に上下方向に開閉させることができる。
即ち、冷却ボックスB3の使用状態を示す側方断面図(図19)に示すように、収容部800のハンドル801をD10方向に操作して引出し式の収容部800を出し入れすると、扉部材701のガイド片760が、引出し式の収容部800側のレール部830(830a、830b,830c)に連続的に接して摺動することにより、扉部材701が回動軸720を中心としてD20方向に自動的に回動される。
これにより、被冷却物の出し入れの際の利便性が向上される。
そして、引出し式の収容部800を引き出した状態で、載置部材900の窪み部900aに缶ビール等の缶入飲料950を載置する。
次いで、ハンドル801を操作して引出し式の収容部800を押し込んでセットする。
これにより、冷蔵庫1Cの冷気吹出口11から吹き出される冷気(冷気成分)A3aが仕切壁810の段差部811a~811dを介してチラー室本体700内を流通することにより、缶入飲料950を効率的に冷却することができる。
なお、載置部材900を取り外して、引出し式の収容部800の底部802上に、野菜や果物等の被冷却物を直に載置して冷却することもできる。
[第4の実施の形態]
(冷蔵庫の全体構成)
第4の実施の形態に係る冷蔵庫1Dの主な構成は、図1に示す第1の実施の形態に係る冷蔵庫1Aと同様である。
異なる点は、冷却ボックスB1に代えて、図19に示す冷却ボックスB4を用いる点である。
(冷却ボックスの構成例)
図20は、第4の実施形態に係る冷蔵庫1Dに適用される冷却ボックスB4を示す概略断面図である。
図20に示すように、冷却ボックスB4は、チラー室本体B4A内に、密閉可能な筐体で構成される引出し式の収容部B4Bが収容されている。
引出し式の収容部B4Bは、チラー室本体B4Aの前方側(図上は右側)に形成される開口部995からD20方向に出し入れ可能に構成されている。
また、引出し式の収容部B4Bは、冷気A1aが吹き出される冷気吹出口(図示せず)に対向する位置から下面に亘って配置されるアルミ等で構成される金属製の載置部980を備えている。
載置部980より上側は、樹脂製の容器部981で構成され、例えば一体的な食品容器のタッパのように密閉可能に構成されている。
また、引出し式の収容部B4Bの外周面とチラー室本体B4Aの内周面との間には、冷気A1b、A1cの流路が形成されている。なお、引出し式の収容部B4Bの下方に、アルミ板等で構成される載置台960を設けるようにしてもよい。
このような構成により、金属製の載置部980上に載置される野菜や果物等の被冷却物951は、熱伝導率が比較的高い金属製の載置部980を介して強めに冷却されると共に、熱伝導率が比較的低い樹脂製の容器部981を介して弱めに冷却される。
これにより、野菜や果物等の被冷却物951を適度に冷却することができ、冷やし過ぎを抑制することができる。
また、引出し式の収容部B4Bは密閉可能に構成されているので、野菜や果物等の被冷却物951が乾燥する事態を回避することができる。
[その他の実施の形態]
上記のように、実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、これに限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
このように、本実施の形態はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。