JP6994979B2 - モータ制御装置及びモータ制御方法 - Google Patents

モータ制御装置及びモータ制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6994979B2
JP6994979B2 JP2018029679A JP2018029679A JP6994979B2 JP 6994979 B2 JP6994979 B2 JP 6994979B2 JP 2018029679 A JP2018029679 A JP 2018029679A JP 2018029679 A JP2018029679 A JP 2018029679A JP 6994979 B2 JP6994979 B2 JP 6994979B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
target
energization
current
motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018029679A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019146405A (ja
Inventor
寿彦 政光
正大 石島
勇 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuba Corp
Original Assignee
Mitsuba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuba Corp filed Critical Mitsuba Corp
Priority to JP2018029679A priority Critical patent/JP6994979B2/ja
Publication of JP2019146405A publication Critical patent/JP2019146405A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6994979B2 publication Critical patent/JP6994979B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Ac Motors In General (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)

Description

本発明は、電動モータの通電制御技術に関し、特に、SRモータ(Switched reluctance motor:スイッチトリラクタンスモータ)の駆動制御に適用して有効な技術に関する。
従来より、SRモータ等のブラシレスモータでは、各相巻線の電流値を一定時間間隔でモニタしながらその駆動制御を行っている。その際、PWM制御(パルス幅変調制御)が行われるモータでは、制御応答性を高めるべく、通電相の切り替え時にまず巻線電流値が目標電流値となるまでDuty100%にて通電を行う。そして、巻線電流値が目標電流値に到達した後、検出した電流値と目標電流値との差に応じてPID制御を実施し、所望の回転数やトルクを得ている。
特開2002-335687号公報 特開2008-193789号公報
しかしながら、駆動制御の際、図7(a)のように巻線電流値のモニタ間隔が短いと、応答性や制御精度は高いものの、制御装置にかかる負荷が大きくなる。このように電流モニタ処理が高負荷となると、他の制御処理に支障が生じるおそれがある。この場合、他の制御処理に影響を与えることなく高負荷のモニタ処理を行うには、高性能の制御素子を使用しなければならず、コストアップにつながるという問題があった。
これに対し、制御負荷を軽減すべく、巻線電流値のモニタ間隔を長くすると、計測間隔が空くため、目標電流値への到達を正確に把握できず、図7(b)のように、電流値のオーバーシュートが発生してしまう、という問題が生じる。バッテリへの負荷を考慮すると、電流のオーバーシュートはなるべく避けることが望ましく、上述のように、モニタ間隔が短い場合、長い場合それぞれに問題点があり、目標電流値に到達するまでの制御形態を如何に最適化するかが課題となっていた。
本発明の目的は、目標電流値に到達するまでの制御形態を最適化し、制御負荷を抑えつつ、電流のオーバーシュートを防止し得るモータ制御装置・制御方法を提供することにある。
本発明のモータ制御装置は、複数の相を有するスイッチトリラクタンスモータの駆動制御を行うモータ制御装置であって、前記スイッチトリラクタンスモータの目標出力を設定する目標出力設定部と、前記目標出力に応じた目標電流値を設定し、該目標電流値に基づいて電流指令値を生成する電流指令値生成部と、前記スイッチトリラクタンスモータに供給される通電電流の電流値を検出する電流検出部と、前記電流指令値生成部により生成された前記電流指令値と、前記電流検出部により検出された電流検出値との偏差に基づき、パルス幅変調信号からなる駆動制御信号を生成する駆動制御信号生成部と、前記駆動制御信号のDuty比に基づいて、前記スイッチトリラクタンスモータに対し通電を行う通電制御部と、前記駆動制御信号の前記Duty比を、80%以上の高Duty比を有する初動Duty値に設定した場合に、前記スイッチトリラクタンスモータへの通電開始時から、前記通電電流が前記目標電流値又はその近傍に設定された所定の目標閾値に到達するまでの目標値到達時間を算出する目標値到達時間算出部と、前記通電制御部に対し、動作停止状態にある前記スイッチトリラクタンスモータへの通電開始から前記目標値到達時間の間、前記初動Duty値による初期通電を行わせ、該初期通電終了後に、前記駆動制御信号の前記Duty比にて通電を行わせる通電指令部と、を有することを特徴とする。
本発明にあっては、目標値到達時間算出部により、駆動制御信号のDuty比を80%以上の高Duty比を有する初動Duty値に設定した場合に、通電開始時から、通電電流が目標電流値又はその近傍に設定された所定の目標閾値に到達するまでの目標値到達時間を算出し、通電指令部によって、通電開始から目標値到達時間の間、初動Duty値による初期通電を行い、初期通電終了後に、駆動制御信号のDuty比にて通電を行う。この場合、通電開始から目標値到達時間の間は、駆動制御信号生成部にて算出された駆動制御信号のDuty比を用いずに初動Duty値によって初期通電を行う。そして、経過時間を監視しつつ、高Duty比の初動Duty値によって、巻線電流を目標電流値又は目標閾値まで迅速に立ち上げる。これにより、制御装置は、電流モニタによる制御負荷から解放され、処理負荷の軽減が図られる。また、巻線電流値のオーバーシュートも防止でき、バッテリへの負荷も軽減される。
前記モータ制御装置において、前記初動Duty値をDuty比100%とし、前記通電指令部は、時間経過の監視のみによって前記スイッチトリラクタンスモータの巻線電流値を前記目標電流値に到達させるようにしても良い。これにより、目標電流値又は目標閾値(以下、適宜、目標電流値等と略記する)に到達するまでの時間が早くなり、応答性が向上する。また、前記目標閾値を、前記目標値到達時間経過後に、前記スイッチトリラクタンスモータの巻線電流値が前記目標電流値を超えてオーバーシュートしないよう、前記目標電流値の80%以上100%未満の値に設定し、初期通電終了後に、駆動制御信号のDuty比にて通電を行って電流のオーバーシュートを抑制しても良い。また、前記目標閾値として、前記目標電流値を超える値を設定し、前記通電指令部は、前記スイッチトリラクタンスモータの巻線電流値が前記目標電流値を超えてオーバーシュートしないよう、前記初期通電における通電時間を前記目標値到達時間よりも短くするようにしても良い。さらに、前記通電指令部により、前記モータへの通電開始から前記目標値到達時間の間、異なる複数の初動Duty値にて前記初期通電を行うようにしても良い。
加えて、本発明のモータ制御装置は、複数の相を有するスイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)を制御対象としており、特に、車両エンジンのスタータ・ジェネレータ用のモータに本発明を適用しても良い。この場合、SRモータは、電流の生成する磁界のみでトルクが発生するため、電流を早く目標電流値等まで到達させれば、その分、トルクの応答性も向上する。したがって、初期通電により巻線電流を目標電流値等まで迅速に立ち上げる本発明は、SRモータに好適である。また、モータ制御装置に、SRモータが発電機として機能する際、その回生動作を制御する回生制御部を設けても良く、回生制御の短時間通電(供給モード)においても、初期通電と同様の通電制御を行うことにより、短時間通電の消費電力を抑えることができ、結果として回生で得られる電力が増加する。
一方、本発明のモータ制御方法は、複数の相を有するスイッチトリラクタンスモータの駆動制御を行うためのモータ制御方法であって、前記スイッチトリラクタンスモータの目標出力に応じた目標電流値を設定し、該目標電流値に基づいて電流指令値を生成し、前記電流指令値と、前記スイッチトリラクタンスモータに供給される通電電流の電流値との偏差に基づき、パルス幅変調信号からなる駆動制御信号を生成し、前記駆動制御信号のDuty比に基づいて、前記スイッチトリラクタンスモータに対し通電を行、前記駆動制御信号の前記Duty比を、80%以上の高Duty比を有する初動Duty値に設定した場合に、前記スイッチトリラクタンスモータへの通電開始時から、前記通電電流が前記目標電流値又はその近傍に設定された所定の目標閾値に到達するまでの目標値到達時間を算出し、動作停止状態にある前記スイッチトリラクタンスモータへの通電開始から前記目標値到達時間の間、前記初動Duty値による初期通電を行い、該初期通電終了後に、前記駆動制御信号の前記Duty比にて通電を行うことを特徴とする。
本発明にあっては、駆動制御信号のDuty比を80%以上の高Duty比を有する初動Duty値に設定した場合に、通電開始時から、通電電流が目標電流値又はその近傍に設定された所定の目標電流値等に到達するまでの目標値到達時間を算出し、通電開始から目標値到達時間の間、初動Duty値による初期通電を行い、初期通電終了後に、駆動制御信号のDuty比にて通電を行う。この場合、通電開始から目標値到達時間の間は、駆動制御信号生成部にて算出された駆動制御信号のDuty比を用いずに初動Duty値によって初期通電を行う。そして、経過時間を監視しつつ、高Duty比の初動Duty値によって、巻線電流を目標電流値等まで迅速に立ち上げる。これにより、電流モニタによる制御負荷から解放され、処理負荷の軽減が図られる。また、巻線電流値のオーバーシュートも防止でき、バッテリへの負荷も軽減される。
本発明のモータ制御装置によれば、駆動制御信号のDuty比を高Duty比の初動Duty値に設定した場合に、通電開始時から、通電電流が目標電流値等に到達するまでの目標値到達時間を算出する目標値到達時間算出部と、通電開始から目標値到達時間の間、初動Duty値による初期通電を行い、初期通電終了後に、駆動制御信号のDuty比にて通電を行う通電指令部を制御装置に設けたので、経過時間の監視により、巻線電流を目標電流値等まで迅速に立ち上げることが可能となる。これにより、電流モニタによる制御負荷から解放され、処理負荷の軽減が図られ、巻線電流値のオーバーシュートも防止できる。
本発明のモータ制御方法によれば、駆動制御信号のDuty比を高Duty比の初動Duty値に設定した場合に、通電開始時から、通電電流が目標電流値等に到達するまでの目標値到達時間を算出し、通電開始から目標値到達時間の間、初動Duty値による初期通電を行い、初期通電終了後に、駆動制御信号のDuty比にて通電を行うようにしたので、経過時間の監視により、巻線電流を目標電流値等まで迅速に立ち上げることが可能となる。これにより、電流モニタによる制御負荷から解放され、処理負荷の軽減が図られ、巻線電流値のオーバーシュートも防止できる。
本発明の一実施の形態であるモータ制御装置を用いたSRモータ制御システムの構成を示すブロック図である。 SRモータの電気的な構成を模式的に表した説明図である。 初期通電動作の処理手順を示すフローチャートである。 図3の処理を行った場合の通電電流の状態を示す説明図である。 SRモータにて回生動作を行う場合の制御形態(1相分:U相)を示す説明図であり、(a)は駆動回路1相分の構成、(b)はFET動作と巻線電流値との関係をそれぞれ示している。 初期通電動作の変形例を示す説明図である。 従来の初期通電動作における通電電流の状態を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態であるモータ制御装置10を用いたSRモータ制御システムの構成を示すブロック図であり、本発明の方法も図1のシステムにて実施される。図1の制御システムは、SRモータ1と、SRモータ1の通電状態(通電タイミング・通電電流値)を制御するドライバ回路(通電制御部)2と、ドライバ回路2のスイッチング素子(FET31~34)を制御しSRモータ1の駆動状態を制御する駆動制御部3と、から構成されている。当該制御システムにて駆動されるSRモータ1は、例えば、車両エンジンのスタータ・ジェネレータ(始動発電機:Integrated Starter Generator(ISG))に適用され、エンジンのクランク軸に直結されるなどして使用される。
SRモータ1は、励磁コイル(巻線)4を有するステータ5と、ステータ5内に回転自在に配置されたロータ6とを備えている。ステータ5には、径方向内側に向かって突設された複数の突極7が設けられている。各突極7には、3相の励磁コイル4(4U,4V,4W)が巻装されている。SRモータ1は、PWM(Pulse Width Modulation)制御にて駆動され、励磁コイル4に供給される巻線電流の電流値は、電流センサ41を用いて検知される。ロータ6の外周には、径方向外側に向かって突設された複数の突極8が設けられている。突極8は、ステータ5側の突極7とは異なる個数設けられている。ロータ6の回転位置は、レゾルバ等の回転検出センサ9を用いて検知されている。各励磁コイル4は、ロータ6の回転位置に応じて選択的に通電される。これにより、ステータ5の突極7にロータ6の突極8が磁気吸引され、ロータ6に回転トルクが発生してSRモータ1が回転駆動する。
また、当該システムでは、車両減速時等にSRモータ1を発電機として機能させる回生動作も実施される。回生動作に際しては、SRモータ1はモータ内にマグネットが存在しないため、発電を行うには、励磁コイルに通電を行って磁束を発生させる必要がある。そこで、駆動制御部3は、回生動作を行う場合には、励磁コイル4に電力を一時的に供給し(供給モード)、ロータ6の突極8を介してモータ内に磁束を発生させる。そして、この状態で外力によってロータ6が回転すると、ロータ回転動作より発生した磁束が減少し、磁束を保持しようとすべく励磁コイル4に起電力が生じる。その結果、励磁コイル4に回生電流が発生し、バッテリ42側に電力が回生される(回生モード)。
ドライバ回路2は、駆動制御部3から入力される駆動制御信号に応じて、バッテリ42から出力される直流電力をスイッチングし、SRモータ1の各相を構成する励磁コイル4に供給する。ドライバ回路2には、各相ごとにブリッジ回路30U,30V,30Wが形成されており、各ブリッジ回路30U,30V,30Wには、半導体スイッチ素子であるFETがそれぞれ4個ずつ(FET31~34)設けられている。この場合、FETは、SRモータ1の上段側(バッテリ42側:ハイサイド)と下段側(ローサイド)にそれぞれ、2個ずつ設けられている(ハイサイド:FET31a~31c,34a~34c、ローサイド:FET32a~32c,33a~33c)。FET31~34は、駆動制御部3からの駆動制御信号により適宜オン/オフされる。
駆動制御部3は、図1に示すように、電流指令値演算部11、駆動制御信号生成部12、通電指令部13、電流検出部14、回転位置検出部15を備えており、制御マップ16に格納された制御データ等に基づいてドライバ回路2を制御する。ドライバ回路2は、駆動制御部3からの指令に基づき通電相を適宜切り替えつつ、バッテリ42から励磁コイル4U,4V,4Wに選択的に電力を供給してSRモータ1を回転駆動させる。この場合、電流検出部14は電流センサ41と接続されており、励磁コイル4に供給される通電電流の電流値は、電流検出部14によって常時モニタされている。回転位置検出部15は、回転検出センサ9と接続されており、ロータ6の回転位置もまた、回転位置検出部15によって常時モニタされている。
また、駆動制御部3には、目標値到達時間算出部17やタイマ18が設けられており、通電指令部13の指示の下、通電相切り替え時における巻線電流値の最適化を図っている。さらに、駆動制御部3には、同期整流部(回生制御部)19が設けられており、この同期整流部19により、SRモータ1が発電機として機能する際の回生動作を制御している。
電流指令値演算部11は、SRモータ1に求められるトルクや発電量に対応する電流指令値を演算する部位であり、目標出力設定部21と電流指令値生成部22を備えている。目標出力設定部21は、制御マップ16を参照しつつ、負荷等に応じてSRモータ1の目標出力を設定する。電流指令値生成部22は、目標出力設定部21にて設定した目標出力に応じた目標電流値Itを設定し、この目標電流値Itに基づいて電流指令値を生成する。
駆動制御信号生成部12は、電流指令値演算部11によって生成された電流指令値と、電流センサ41によって検出された電流検出値との偏差に基づき、ドライバ回路2を制御するための駆動制御信号を生成する。駆動制御信号生成部12には、フィードバック処理部23と、DUTY演算部24が設けられている。フィードバック処理部23は、例えばPID(Proportional-Integral-Differential:比例・積分・微分)演算により、各相ごとの電流指令値と巻線電流の検出値との偏差を制御増幅し、偏差がゼロとなるような電圧指令値を算出する。DUTY演算部24は、フィードバック処理部23により算出された電圧指令値に応じて、ドライバ回路2のPWMdutyを計算し、駆動制御信号としてドライバ回路2に出力する。
通電指令部13は、通電相切り替え時に、初期通電動作とフィードバック処理による通常通電動作を切り替え、目標電流値Itに到達するまでの制御形態を最適化する。前述のように、巻線電流値のモニタ間隔は、図7に示したように、長短それぞれの場合に問題点がある。そこで、当該システムでは、駆動制御部3に目標値到達時間算出部17とタイマ18を設け、高Duty比による所定時間の初期通電動作により、巻線電流を素早く目標電流値等まで到達させ、制御負荷を増大させることなく、電流のオーバーシュートを防止している。
この場合、目標値到達時間算出部17は、まず、ドライバ回路2に対する駆動制御信号のPWMduty比を、80%以上の高Duty比(例えば、Duty100%)の初動Duty値とした場合を想定する。そして、この初動Duty値を用いた場合、SRモータ1への通電開始時から、励磁コイル4への通電電流が、目標電流値It又は所定の目標閾値Isに到達するまでの目標値到達時間Ttを算出する。このとき、目標閾値Isとしては、目標電流値Itの近傍値(例えば、目標電流値Itの80%以上100%未満の値:0.8It≦Is<It、好ましくは、90%以上100%未満の値:0.9It≦Is<It)を設定する。
この場合、目標値到達時間算出部17は、次のようにして目標値到達時間Ttを算出する。まず、図2に示すように、SRモータを模式的に示すと、L(コイル:単位H)とR(抵抗:単位Ω)にて構成されている。この場合、電流の動きは一次遅れとなり、一次遅れの電流の式は、
y=K(1-e-(t/x)) ・・・(1)
(y:電流(出力),K:電流最大値,t:時間,x:時定数)
と表すことができる。
一方、図2のSRモータの時定数は、L/R(sec)となる。また、Duty100%の場合、電源電圧Eに対応した電流が流れるため、SRモータの最大電流は、E/R(A)となる。
したがって、前記の式(1)に基づいて目標電流値等を表すと、
目標電流値等(A)=(E/R)×(1-e-(t/(L/R))) ・・・(2)
となり、このときのtは、目標電流値等までの到達時間(目標値到達時間Tt)となる。
そこで、目標値到達時間算出部17は、式(2)をtについて解くことにより、目標値到達時間Ttを算出する。
図3は、通電指令部13による初期通電動作の処理手順を示すフローチャート、図4は、図3の処理を行った場合の通電電流の状態を示す説明図である。初期通電動作は、各相の励磁コイル4U,4V,4Wの通電タイミングの切り替え時ごとに実施され、図3に示すように、通電指令部13はまず、目標値到達時間算出部17により、目標電流値等までの目標値到達時間Ttを算出する(ステップS1)。本実施形態では、ステップS1にて目標電流値Itまでの目標値到達時間Ttを算出する。また、この目標値到達時間Ttを、初期通電動作の制御目標時間Tcとして設定する(ステップS2)。その上で、通電指令部13は、駆動制御信号生成部12からドライバ回路2に対し、初動Duty値(ここでは、Duty100%)の駆動制御信号を出力させ、SRモータ1を高Duty比にて駆動させる(ステップS3:図4のP部)。
また、通電指令部13は、SRモータ1を高Duty比にて駆動させると同時に、タイマ18を用いて初期通電動作の経過時間(通電相切り替え時点からの経過時間)を計時する。そして、初期通電動作の経過時間が目標値到達時間Ttに至ったか否かを確認する(ステップS4)。ステップS4にて、初期通電動作の経過時間が目標値到達時間Ttに至っていない場合は、ステップS3に戻り高Duty比駆動を継続する。一方、初期通電動作の経過時間が目標値到達時間Ttに到達した場合は、ステップS5に進み、初期通電動作を終了し(図4のQ部)、フィードバックPID制御による通常通電動作を開始してルーチンを抜ける。なお、何らかの外乱等により、目標値到達時間Ttの経過時に通電電流が目標電流値Itに至っていない場合でも、その後の通常通電動作におけるPID制御により、通電電流は速やかに目標電流値Itに到達する。
このように、当該システムでは、通電開始から目標値到達時間Ttまでの間は、駆動制御信号生成部12にて算出された駆動制御信号のDuty比を用いずに、高Duty比の初動Duty値による初期通電を行う。すなわち、駆動制御信号生成部12からドライバ回路2に出力される駆動制御信号のPWMduty比を、フィードバック処理による通常通電動作のDuty比から、一時的に初動Duty値に切り替える。これにより、モータ制御装置10は、時間経過の監視のみにて、巻線電流を目標電流値Itまで迅速に立ち上げることができ、電流モニタによる制御負荷から解放され、制御装置の処理負荷の軽減が図られる。また、巻線電流値のオーバーシュートも防止でき、バッテリへの負荷も軽減される。加えて、SRモータにあっては、電流の生成する磁界のみでトルクが発生し、トルクは電流の二乗に比例する。このため、電流を早く目標電流値Itまで到達させれば、その分、トルクの応答性も向上する。したがって、初期通電により巻線電流を目標電流値等まで迅速に立ち上げる当該システムは、SRモータに特に好適である。
同期整流部19は、SRモータ1が発電機として機能する際、その回生動作を制御し、供給モードや回生モードの切り替えを行う。図5は、SRモータ1にて回生動作を行う場合の制御形態(1相分:U相)を示す説明図であり、(a)は駆動回路1相分の構成、(b)はFET動作と巻線電流値との関係をそれぞれ示している。図5(b)に示すように、回生動作は、停止モードから供給モードを実行し、その後、回生モードにて電力回生を行い停止モードに戻る、という作動形態を取る。なお、回生動作においても各FET31~34はPWM制御される。
供給モードでは、図5(a)のFET31a,32aがONされ、励磁コイル4Uに一時的に電力が供給され電流が流れる。この際、FET31a,32aのON→OFF信号のタイミングに同期して、FET33a,34aをOFF→ONする同期整流制御が行われる。その後、FET31a,32aがOFFされ、次に、FET33a,34aがONされ、回生モードが実施される。回生モードでは、励磁コイル4Uに起電力が生じ、図5(a)のように回生電流が流れる。また、モード切替時には、貫通電流(電源→ハイサイド側FET→ローサイド側FET→電源)が流れる可能性があるため、全FETをオフとするデッドタイムDTが設けられる。
当該システムでは、供給モードにおいて、初動Duty値と同様の高Duty比(例えば、Duty100%)にて短時間の通電を行う。このため、供給モードにて得られる磁束量が大きくなり、回生効率の向上が図られる。また、供給モード時における短時間通電の消費電力を抑えることができ、結果として回生で得られる電力が増加する。なお、発電量を調整するため、励磁コイル4Uの両端を同電位とし、図5(a)のブリッジ回路内に電流を循環させるような「還流モード」、を「供給モード」や「回生モード」で適宜実施しても良い。
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施形態では、初動Duty値をDuty100%としたが、ここで高Duty比による初期通電動作を行うのは、巻線電流を素早く目標電流値Itまで到達させるため(応答性向上のため)であり、その趣旨を実現できるDuty比であれば、100%未満のDuty値であっても良い。但し、前記趣旨実現のためには80%以上であることが好ましい。
また、前述の実施形態では、目標電流値Itまでの到達時間を目標値到達時間Ttとした場合を述べたが、前述のように、目標電流値Itの近傍値である目標閾値Isまでの到達時間を目標値到達時間Ttとしても良い。この場合、目標閾値Isを目標電流値Itの90%程度とすると、目標電流値に到達する時間を短縮しつつ、オーバーシュートも抑えやすくなる。なお、応答性の向上のため、目標閾値Isとして、目標電流値Itを超える値(例えば、Itの105%)を設定することも可能であるが、その場合、オーバーシュート防止のため、目標値到達時間Ttに対し、初期通電動作における実際の制御目標時間Tcを短めに調整することが望ましい。
さらに、前述の実施形態では、目標値到達時間Ttの間、初動Duty値を一定とした制御形態を示したが、目標値到達時間Ttに至るまでの間で初動Duty値を変化させても良い。例えば、図6に示すように、目標値到達時間Ttの初めの8割はDuty100%とし、残りの2割はDuty80%とするような制御形態も可能である。なお、その際のDuty値と、それを実施する時間配分、Duty値の設定数などは、モータ特性に応じて適宜設定可能である。つまり、前半5割の時間を100%、後半5割の半分を90%、さらに残りの後半半分を80%とするような制御形態も可能である。
加えて、前述の実施形態では、3相駆動のSRモータに本発明を適用した例を示したが、2相駆動や4相以上で駆動のSRモータや、SRモータ以外のブラシレモータにも本発明は適用可能である。また、目標閾値Isや初動Duty値として示した値は一例であり、本発明は前述の数値には限定されないのは言うまでもない。
本発明によるモータ制御装置・制御方法は、エンジン用のスタータ・ジェネレータのみならず、電気自動車用駆動モータ等の他の車載モータや、家電製品や産業機械等に使用されるモータの駆動制御にも広く適用可能である。
1 SRモータ
2 ドライバ回路
3 駆動制御部
4 励磁コイル
4U U相励磁コイル
4V V相励磁コイル
4W W相励磁コイル
5 ステータ
6 ロータ
7 突極
8 突極
9 回転検出センサ
10 モータ制御装置
11 電流指令値演算部
12 駆動制御信号生成部
13 通電指令部
14 電流検出部
15 回転位置検出部
16 制御マップ
17 目標値到達時間算出部
18 タイマ
19 同期整流部
21 目標出力設定部
22 電流指令値生成部
23 フィードバック処理部
24 DUTY演算部
30U,30V,30W ブリッジ回路
31,31a~31c FET
32,32a~32c FET
33,33a~33c FET
34,34a~34c FET
41 電流センサ
42 バッテリ
Is 目標閾値
It 目標電流値
Tt 目標値到達時間
Tc 制御目標時間
DT デッドタイム

Claims (8)

  1. 複数の相を有するスイッチトリラクタンスモータの駆動制御を行うモータ制御装置であって、
    前記スイッチトリラクタンスモータの目標出力を設定する目標出力設定部と、
    前記目標出力に応じた目標電流値を設定し、該目標電流値に基づいて電流指令値を生成する電流指令値生成部と、
    前記スイッチトリラクタンスモータに供給される通電電流の電流値を検出する電流検出部と、
    前記電流指令値生成部により生成された前記電流指令値と、前記電流検出部により検出された電流検出値との偏差に基づき、パルス幅変調信号からなる駆動制御信号を生成する駆動制御信号生成部と、
    前記駆動制御信号のDuty比に基づいて、前記スイッチトリラクタンスモータに対し通電を行う通電制御部と
    前記駆動制御信号の前記Duty比を、80%以上の高Duty比を有する初動Duty値に設定した場合に、前記スイッチトリラクタンスモータへの通電開始時から、前記通電電流が前記目標電流値又はその近傍に設定された所定の目標閾値に到達するまでの目標値到達時間を算出する目標値到達時間算出部と、
    前記通電制御部に対し、動作停止状態にある前記スイッチトリラクタンスモータへの通電開始から前記目標値到達時間の間、前記初動Duty値による初期通電を行わせ、該初期通電終了後に、前記駆動制御信号の前記Duty比にて通電を行わせる通電指令部と、を有することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 請求項1記載のモータ制御装置において、
    前記初動Duty値は、Duty比100%であり、
    前記通電指令部は、時間経過の監視のみによって前記スイッチトリラクタンスモータの巻線電流値を前記目標電流値に到達させることを特徴とするモータ制御装置。
  3. 請求項1又は2記載のモータ制御装置において、
    前記目標閾値は、前記目標値到達時間経過後に、前記スイッチトリラクタンスモータの巻線電流値が前記目標電流値を超えてオーバーシュートしないよう、前記目標電流値の80%以上100%未満の値に設定されてなることを特徴とするモータ制御装置。
  4. 請求項1又は2記載のモータ制御装置において、
    前記目標閾値として、前記目標電流値を超える値が設定され、
    前記通電指令部は、前記スイッチトリラクタンスモータの巻線電流値が前記目標電流値を超えてオーバーシュートしないよう、前記初期通電における通電時間を前記目標値到達時間よりも短くすることを特徴とするモータ制御装置。
  5. 請求項1~4の何れか1項に記載のモータ制御装置において、
    前記通電指令部は、前記モータ制御装置への通電開始から前記目標値到達時間の間、異なる複数の初動Duty値にて前記初期通電を行わせることを特徴とするモータ制御装置。
  6. 請求項1~の何れか1項に記載のモータ制御装置において、
    前記スイッチトリラクタンスモータは、車両エンジンのスタータ・ジェネレータ用のモータであることを特徴とするモータ制御装置。
  7. 請求項1~6の何れか1項に記載のモータ制御装置において、
    前記モータ制御装置はさらに、前記スイッチトリラクタンスモータが発電機として機能する際、その回生動作を制御する回生制御部を有することを特徴とするモータ制御装置。
  8. 複数の相を有するスイッチトリラクタンスモータの駆動制御を行うためのモータ制御方法であって、
    前記スイッチトリラクタンスモータの目標出力に応じた目標電流値を設定し、該目標電流値に基づいて電流指令値を生成し、
    前記電流指令値と、前記スイッチトリラクタンスモータに供給される通電電流の電流値との偏差に基づき、パルス幅変調信号からなる駆動制御信号を生成し、
    前記駆動制御信号のDuty比に基づいて、前記スイッチトリラクタンスモータに対し通電を行
    前記駆動制御信号の前記Duty比を、80%以上の高Duty比を有する初動Duty値に設定した場合に、前記スイッチトリラクタンスモータへの通電開始時から、前記通電電流が前記目標電流値又はその近傍に設定された所定の目標閾値に到達するまでの目標値到達時間を算出し、
    動作停止状態にある前記スイッチトリラクタンスモータへの通電開始から前記目標値到達時間の間、前記初動Duty値による初期通電を行い、該初期通電終了後に、前記駆動制御信号の前記Duty比にて通電を行うことを特徴とするモータ制御方法。
JP2018029679A 2018-02-22 2018-02-22 モータ制御装置及びモータ制御方法 Active JP6994979B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018029679A JP6994979B2 (ja) 2018-02-22 2018-02-22 モータ制御装置及びモータ制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018029679A JP6994979B2 (ja) 2018-02-22 2018-02-22 モータ制御装置及びモータ制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019146405A JP2019146405A (ja) 2019-08-29
JP6994979B2 true JP6994979B2 (ja) 2022-01-14

Family

ID=67772908

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018029679A Active JP6994979B2 (ja) 2018-02-22 2018-02-22 モータ制御装置及びモータ制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6994979B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007245476A (ja) 2006-03-15 2007-09-27 Seiko Epson Corp 印刷装置、スティックスリップ対応方法、プログラム、及び印刷システム
JP2008193789A (ja) 2007-02-02 2008-08-21 Mitsuba Corp スイッチトリラクタンスモータの制御装置
WO2013057853A1 (ja) 2011-10-17 2013-04-25 パナソニック株式会社 モータ駆動システムおよびその制御方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09149683A (ja) * 1995-11-20 1997-06-06 Ebara Densan:Kk 直流ブラシレスモータの駆動装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007245476A (ja) 2006-03-15 2007-09-27 Seiko Epson Corp 印刷装置、スティックスリップ対応方法、プログラム、及び印刷システム
JP2008193789A (ja) 2007-02-02 2008-08-21 Mitsuba Corp スイッチトリラクタンスモータの制御装置
WO2013057853A1 (ja) 2011-10-17 2013-04-25 パナソニック株式会社 モータ駆動システムおよびその制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019146405A (ja) 2019-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1710904B1 (en) Brushless DC motor control
US8710788B2 (en) Brushless motor drive apparatus and drive method
JP4133054B2 (ja) 電子式整流子電気モータの制動制御方法および回路
US20100060217A1 (en) Brushless motor starting method and control device
JP4633433B2 (ja) ブラシレス直流モータの転流方法
US9816306B2 (en) Opening/closing body control device and opening/closing body control method
JP2008301588A (ja) ブラシレスモータの駆動装置
JP5561792B2 (ja) ブラシレスモータの駆動装置
JP5188723B2 (ja) スイッチトリラクタンスモータの制御装置
JP3753074B2 (ja) Dcブラシレスモーター装置
JP2003018890A (ja) スイッチトリラクタンス駆動システムに関する制御方法
JP5139229B2 (ja) スイッチトリラクタンスモータの制御装置
JP5511923B2 (ja) 電動機制御装置
JP6994979B2 (ja) モータ制御装置及びモータ制御方法
US20200036306A1 (en) Pump control device
JP2017507630A (ja) モータ加速方法
JP5653264B2 (ja) 同期電動機の駆動装置
JP2017507631A (ja) スイッチドリラクタンスモータの始動方法
KR102474670B1 (ko) 스위치드 릴럭턴스 모터를 구동하는 구동 제어기 및 구동 제어 방법
JP6643968B2 (ja) Srモータ制御システム及びsrモータ制御方法
JP2008043073A (ja) ブラシレスモータの回転数制御方法、ブラシレスモータの回転数制御装置
US11539311B2 (en) Control of a fan motor for an improved EMC behavior
TWI389445B (zh) 無刷直流馬達之無感測器啟動方法
KR102384881B1 (ko) 자동 호환 제어기능이 구비되는 bldc 모터
JP2012239301A (ja) モータ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200824

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210608

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210803

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6994979

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150