JP6993844B2 - 溶融金属容器の付着物除去装置及び付着物除去方法 - Google Patents

溶融金属容器の付着物除去装置及び付着物除去方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶融金属容器に付着した付着物を除去するための付着物除去装置及び付着物除去方法に関するものである。
従来から、溶銑を収容する容器として溶融金属容器が使用されている。溶融金属容器を繰り返し使用すると、溶銑に含まれる地金などが溶融金属容器の内面に付着し、その付着物が溶融金属容器から溶銑を流出させる際の妨げになるといった問題がある。そこで、効率よく溶融金属容器の付着物を除去するための装置及び方法が各種提案されている(例えば、下記特許文献1及び2参照)。なお、溶融金属容器としては、溶銑を収容する溶銑鍋、タンディッシュ、取鍋等の容器が含まれる。
特許文献1に開示された燃焼装置には、燃焼バーナ先端の中央部に内炎用の燃焼用ノズルが設けられるとともに、この内炎用の燃焼用ノズルの外周側に外炎用の燃焼用ノズルが設けられている。内炎用及び外炎用のそれぞれの燃焼用ノズルは、助燃性ガスを吐出させる助燃性ガス吐出ノズルと、燃料ガスを吐出させる燃料ガス吐出ノズルとを有する。
特許文献2に開示されたバーナ装置には、複数のバーナが配列されたバーナ列が複数列設けられている。また、バーナ装置の位置が位置制御装置により制御されるとともに、バーナ装置の各バーナ列におけるバーナの燃焼が燃焼制御装置により制御されるようになっている。
特許第5749112号公報 特許第5827368号公報
溶融金属容器の付着物をさらに効率よく除去するために、付着物を予熱した上で溶削することが考えられる。しかし、不純物が多い地金を含む付着物は、鉄の酸化反応が小さいため、単に熱を加えただけでは付着物を十分に予熱することができず、付着物を良好に除去できないという場合があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、溶融金属容器の付着物を良好に予熱して除去することができる溶融金属容器の付着物除去装置及び付着物除去方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る溶融金属容器の付着物除去装置は、溶融金属容器に付着した付着物を除去するための付着物除去装置であって、予熱用バーナと、溶削用バーナとを備える。前記予熱用バーナは、前記付着物に火炎を噴射して予熱するためのものである。前記溶削用バーナは、前記予熱用バーナに並べて設けられ、当該予熱用バーナにより予熱された前記付着物に火炎を噴射して溶削するためのものである。
前記予熱用バーナは、予熱用燃料ガス流路と、予熱用助燃ガス流路とを有する。前記予熱用燃料ガス流路は、噴射する火炎の燃料ガスが流れる。前記予熱用助燃ガス流路は、前記予熱用燃料ガス流路の外側に筒状に形成され、前記燃料ガスに混合される助燃ガスが流れる。
前記溶削用バーナは、溶削ガス流路と、溶削用燃料ガス流路と、溶削用助燃ガス流路とを有する。前記溶削ガス流路は、超音速で噴射される溶削ガスが流れる。前記溶削用燃料ガス流路は、前記溶削ガス流路の外側に筒状に形成され、噴射する火炎の燃料ガスが流れる。前記溶削用助燃ガス流路は、前記溶削用燃料ガス流路の外側に筒状に形成され、前記燃料ガスに混合される助燃ガスが流れる。
このような構成によれば、予熱用バーナから火炎を噴射して付着物を予熱した上で、溶削用バーナから付着物に火炎を噴射して除去することができる。予熱用バーナ及び溶削用バーナには、それぞれ、燃料ガス流路と、その外側に筒状に形成された助燃ガス流路とが備えられているため、燃料ガスと助燃ガスの混合ガスによって付着物を良好に予熱した上で溶削することができる。また、溶削用バーナには、燃料ガス流路の内側に溶削ガス流路が備えられているため、超音速で噴射される溶削ガスによって付着物を良好に溶削することができる。
このように、予熱用バーナ及び溶削用バーナの双方で燃料ガスと助燃ガスの混合ガスを噴射し、かつ、溶削用バーナから超音速で溶削ガスを噴射することにより、溶融金属容器の付着物を良好に予熱して除去することができる。また、溶融金属容器の付着物を予熱しながら溶削することができるため、予熱及び溶削を別々に行う必要がなく、簡単な作業で溶融金属容器の付着物を除去することができる。
(2)前記予熱用燃料ガス流路を流れる燃料ガスの流速と、前記溶削用燃料ガス流路を流れる燃料ガスの流速とが、略同一であることが好ましい。
このような構成によれば、予熱用バーナ及び溶削用バーナの双方から、略同一の流速で燃料ガスが噴射されるため、それぞれの火炎の長さが略同一となる。その結果、予熱用バーナの火炎により予熱された付着物の熱を保ったまま、溶削用バーナの火炎により付着物を溶削することができるため、溶融金属容器の付着物をさらに良好に除去することができる。
(3)前記予熱用バーナの先端位置と、前記溶削用バーナの先端位置とが、略同一であることが好ましい。
このような構成によれば、予熱用バーナ及び溶削用バーナの各先端位置から、それぞれ略同一の長さで火炎を噴射させることができるため、溶融金属容器の付着物をさらに良好に除去することができる。
(4)前記予熱用燃料ガス流路の噴射口は、内側に蓋部材が挿入されることにより、当該蓋部材の外側に形成された筒状の断面を有することが好ましい。
このような構成によれば、予熱用バーナにおける燃料ガス流路の断面が、溶削用バーナにおける燃料ガス流路の断面と同様の筒状に形成されるため、予熱用バーナ及び溶削用バーナから同様の構造により火炎を噴射し、溶融金属容器の付着物をさらに良好に除去することができる。
また、予熱用バーナにおける燃料ガス流路の断面が筒状に形成されることにより、同一の断面積で円形の断面を有する場合と比較して、噴射口から予熱用バーナ内に飛散物が入りにくい。これにより、予熱用バーナの噴射口の断面積を十分に確保しつつ、飛散物によって噴射口が詰まるのを防止することができる。
(5)前記予熱用助燃ガス流路を流れる助燃ガスの流速と、前記溶削用助燃ガス流路を流れる助燃ガスの流速とが、略同一であることが好ましい。
このような構成によれば、予熱用バーナ及び溶削用バーナの双方から、略同一の流速で助燃ガスが噴射されるため、それぞれの火炎の状態を近付けることができる。その結果、溶融金属容器の付着物に対して、それぞれの火炎を同時に位置合わせしやすいという利点がある。
(6)前記付着物除去装置は、移動機構をさらに備えることが好ましい。前記移動機構は、前記予熱用バーナを移動させるとともに、当該予熱用バーナの移動軌跡に追従させて前記溶削用バーナを移動させる。
このような構成によれば、予熱用バーナ及び溶削用バーナを移動機構により移動させ、溶融金属容器の付着物を予熱しながら溶削することができるため、簡単な作業で溶融金属容器の付着物を除去することができる。特に、予熱用バーナの移動軌跡に追従させて溶削用バーナを移動させることにより、溶融金属容器の付着物を予熱用バーナからの火炎により確実に予熱した上で、溶削用バーナからの火炎により溶削することができる。
(7)本発明に係る溶融金属容器の付着物除去方法は、前記付着物除去装置を用いた溶融金属容器の付着物除去方法であって、前記予熱用バーナを移動させるとともに、当該予熱用バーナの移動軌跡に追従させて前記溶削用バーナを移動させる。
このような構成によれば、予熱用バーナの移動軌跡に追従させて溶削用バーナを移動させることにより、溶融金属容器の付着物を予熱用バーナからの火炎により確実に予熱した上で、溶削用バーナからの火炎により溶削することができる。
(8)前記予熱用バーナ及び前記溶削用バーナからそれぞれ噴射される火炎が、当該各バーナの移動方向の前方側に傾斜した角度で噴射されることが好ましい。
このような構成によれば、予熱用バーナ及び溶削用バーナの移動方向の前方側に、それぞれの火炎が噴射されるため、溶融金属容器の付着物を十分に予熱した上で溶削することができる。
本発明によれば、予熱用バーナ及び溶削用バーナの双方で燃料ガスと助燃ガスの混合ガスを噴射し、かつ、溶削用バーナから超音速で溶削ガスを噴射することにより、溶融金属容器の付着物を良好に予熱して除去することができる。
本発明の一実施形態に係る付着物除去装置の構成例を示した概略図である。 溶銑鍋の付着物について説明するための概略図である。 予熱用バーナ及び溶削用バーナの具体的構成を示した断面図である。 ノズル部材の変形例を示した断面図である。
1.付着物除去装置の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る付着物除去装置1の構成例を示した概略図である。この付着物除去装置1は、溶融金属容器の一例として溶銑を収容する溶銑鍋に付着した付着物100を除去するための装置であり、予熱用バーナ2及び溶削用バーナ3を備えている。
予熱用バーナ2は、端面21から付着物100に火炎を噴射して予熱するためのものである。溶削用バーナ3は、端面31から付着物100に火炎を噴射して、付着物100を除去するためのものである。すなわち、予熱用バーナ2から噴射する火炎だけでは付着物100を溶融することはできず、この予熱用バーナ2により付着物100を予熱した上で溶削用バーナ3から火炎を噴射することにより、付着物100を溶融して切断することができるようになっている。
予熱用バーナ2及び溶削用バーナ3は、それぞれ長尺形状の筒体であり、互いに平行となるように並べて連結され、一体的に取り扱われる。予熱用バーナ2の端面21と溶削用バーナ3の端面31は、同一平面Pに位置している。すなわち、ある平面Pに対して直交する方向D1において、各端面21,31の位置が略同一となっている。このように、予熱用バーナ2の先端位置と溶削用バーナ3の先端位置とが略同一となるように、予熱用バーナ2及び溶削用バーナ3が連結されている。
予熱用バーナ2には、火炎が噴射される端面21とは反対側の端部から、燃料ガス及び助燃ガスがそれぞれ別の流路を通って流入する。燃料ガス及び助燃ガスは、予熱用バーナ2内を通って端面21近傍で混合され、その混合ガスが燃焼されることにより端面21から火炎が噴射される。
溶削用バーナ3には、火炎が噴射される端面31とは反対側の端部から、燃料ガス、助燃ガス及び溶削ガスがそれぞれ別の流路を通って流入する。燃料ガス及び助燃ガスは、溶削用バーナ3内を通って端面31近傍で混合され、その混合ガスが燃焼されることにより端面31から火炎が噴射される。また、溶削ガスは、溶削用バーナ3内を通って火炎中に超音速で噴射される。
燃料ガスとしては、例えばプロパンガスが用いられる。また、助燃ガス及び溶削ガスとしては、例えば酸素ガスが用いられる。ただし、燃料ガス、助燃ガス及び溶削ガスのいずれについても、上記のようなガスに限られるものではなく、他の任意のガスを使用することができる。
予熱用バーナ2及び溶削用バーナ3において、燃料ガス及び助燃ガスの流速は、それぞれ100m/s以下であり、例えば80m/s程度である。一方、溶削用バーナ3における溶削ガスの流速は、700~1000m/s程度であり、燃料ガスや助燃ガスの約10倍の流速となっている。
予熱用バーナ2及び溶削用バーナ3は、移動機構10により一体的に移動される。具体的には、溶削用バーナ3の端面31と付着物100の表面との間の距離Lを一定に保つようにして、予熱用バーナ2及び溶削用バーナ3が付着物100の表面に対して平行移動される。上記距離Lは特に限定されないが、本実施形態に係る付着物除去装置1では、上記距離Lが300mm以上であっても付着物100を除去することが可能である。
予熱用バーナ2及び溶削用バーナ3の移動方向D2は、予熱用バーナ2と溶削用バーナ3とが並ぶ方向において、予熱用バーナ2側が前方、溶削用バーナ3側が後方となる。すなわち、移動機構10は、予熱用バーナ2を移動方向D2に沿って移動させるとともに、予熱用バーナ2の移動軌跡に追従させて溶削用バーナ3を移動方向D2に移動させる。その結果、予熱用バーナ2からの火炎により付着物100の表面を赤熱する温度(例えば900℃以上)まで予熱した上で、溶削用バーナ3からの火炎により付着物100を溶削することができる。
予熱用バーナ2及び溶削用バーナ3の各端面21,31が並ぶ平面Pは、付着物100の表面に対して傾斜している。これにより、各端面21,31からの火炎は、付着物100の表面に対して垂直方向ではなく、垂直方向に対して傾斜した角度で噴射される。付着物100の表面に対する各端面21,31からの火炎の角度θは、例えば45°以上、90°未満である。このように、予熱用バーナ2及び溶削用バーナ3からそれぞれ噴射される火炎は、各バーナ2,3の移動方向D2の前方側に向かって傾斜した角度で噴射されるようになっている。
なお、本実施形態では、移動機構10により各バーナ2,3を移動させるような構成について説明するが、これに限らず、各バーナ2,3を作業者が手動で移動させてもよい。この場合、作業者は、予熱用バーナ2の移動軌跡に追従して溶削用バーナ3が移動するように、各バーナ2,3を一体的に移動させればよい。
2.溶銑鍋の付着物
図2は、溶銑鍋200の付着物100について説明するための概略図である。溶銑鍋200は、溶銑300を収容する容器として使用されるものであり、溶銑鍋200内の溶銑300は予備処理炉などの注入先へと注入される。なお、本実施形態における溶銑鍋200は、予備処理後の溶銑300を収容する容器など、溶銑300を収容する全ての容器を含む概念である。
溶銑鍋200の上部には、内部に収容された溶銑300を流出させるための流出口201が形成されている。また、溶銑鍋200の内面には耐火材202が設けられており、この耐火材202により保護された領域に溶銑300が収容される。付着物100は、溶銑鍋200を繰り返し使用することにより、溶銑鍋200の内面における溶銑300の液面近傍に形成される。これにより、付着物100は、溶銑鍋200の内面における所定の高さ位置において、当該内面に沿って環状に形成されることとなる。
付着物100には、地金が含まれる。ここで、地金とは、鉄に不純物(スラグ)が混ざったものであり、成分としては、鉄分が50%程度、その他が不純物である。不純物としては、SiO、CaO、Mnなどを例示することができるが、これらに限られるものではない。
図2のように溶銑鍋200の内面に付着物100が付着すると、その付着物100が、溶銑鍋200の流出口201から溶銑を流出させる際の妨げとなる。そこで、図1に示すような付着物除去装置1を用いて、溶銑鍋200の付着物100を除去する必要がある。付着物100に含まれる地金の成分として、不純物が多いほど、鉄の酸化反応が小さくなるため、付着物100の溶削が困難となる。本実施形態に係る付着物除去装置1の予熱用バーナ2及び溶削用バーナ3は、このような不純物が多い地金を含む付着物100であっても、良好に溶削して除去することができるような構成を有している。
3.予熱用バーナ及び溶削用バーナの具体的構成
図3は、予熱用バーナ2及び溶削用バーナ3の具体的構成を示した断面図である。予熱用バーナ2及び溶削用バーナ3は、いずれも複数の筒体同士が互いに挿入されることにより構成された多層構造を有している。
予熱用バーナ2は、内筒22、外筒23及び蓋部材24を備えている。内筒22の内部空間は、予熱用バーナ2から噴射する火炎の燃料ガスが流れる予熱用の燃料ガス流路221を構成している。外筒23は、その内周面が内筒22の外周面に対して離間するように空間を隔てて配置され、その空間は、燃料ガスに混合される助燃ガスが流れる予熱用の助燃ガス流路231を構成している。このように、助燃ガス流路231は、燃料ガス流路221の外側に筒状に形成されている。
本実施形態では、内筒22の端部における内側に、蓋部材24が挿入されている。蓋部材24は、その外周面が内筒22の内周面に対して離間するように空間を隔てて配置されている。これにより、燃料ガス流路221は、蓋部材24が挿入されている領域において筒状に形成されている。すなわち、燃料ガス流路221の噴射口222は、内側に蓋部材24が挿入されることにより、蓋部材24の外側に形成された筒状の断面を有している。
外筒23の端面は、上述した予熱用バーナ2の端面21を構成している。内筒22は、その端面が予熱用バーナ2の端面21よりも内方に位置するように配置されている。これにより、外筒23の内部空間における外筒23の端面と内筒22の端面との間には、燃料ガスと助燃ガスを混合するための混合領域25が形成されている。燃料ガス流路221から混合領域25へと噴射される燃料ガス、及び、助燃ガス流路231から混合領域25へと噴射される助燃ガスは、混合領域25において混合され、その混合ガスが燃焼されることにより予熱用バーナ2の端面21から火炎が噴射される。
溶削用バーナ3は、内筒32、中筒33、外筒34、ノズル部材35及び先端部材36を備えている。内筒32の内部空間は、溶削ガスが流れる溶削ガス流路321を構成している。この内筒32の端部にノズル部材35が設けられることにより、溶削ガス流路321を流れる溶削ガスは、ノズル部材35を介して超音速で噴射される。
ノズル部材35は、中央部の内径が縮小された筒体からなる周知の構造(いわゆるラバール構造)を有しており、溶削ガスの流通方向に沿って、内径が収縮した後、再び拡大するような形状によって、溶削ガスを超音速で噴射させることができる。すなわち、ノズル部材35内には、溶削ガスの流通方向に沿って、内径が徐々に収縮する収縮部351と、内径が一定である直線部352と、内径が徐々に拡大する拡大部353とが、この順序で連続するように形成されている。
中筒33は、その内周面が内筒32の外周面に対して離間するように空間を隔てて配置され、その空間は、溶削用バーナ3から噴射する火炎の燃料ガスが流れる溶削用の燃料ガス流路331を構成している。このように、燃料ガス流路331は、溶削ガス流路321の外側に筒状に形成されている。この燃料ガス流路331の先端部における断面形状は、予熱用バーナ2の燃料ガス流路221の先端部(蓋部材24の外側の領域)の断面形状と略同一である。また、溶削用バーナ3の燃料ガス流路331を流れる燃料ガスの流速は、予熱用バーナ2の燃料ガス流路221を流れる燃料ガスの流速と略同一である。
外筒34は、その内周面が中筒33の外周面に対して離間するように空間を隔てて配置され、その空間は、燃料ガスに混合される助燃ガスが流れる溶削用の助燃ガス流路341を構成している。このように、助燃ガス流路341は、燃料ガス流路331の外側に筒状に形成されている。この助燃ガス流路341の先端部における断面形状は、予熱用バーナ2の助燃ガス流路231の先端部の断面形状と略同一である。また、溶削用バーナ3の助燃ガス流路341を流れる助燃ガスの流速は、予熱用バーナ2の助燃ガス流路231を流れる助燃ガスの流速と略同一である。
本実施形態では、外筒34の端部に筒状の先端部材36が取り付けられており、この先端部材36の端面が、上述した溶削用バーナ3の端面31を構成している。先端部材36は、外筒34よりも耐熱性が高く、溶削用バーナ3から噴射される火炎の熱によって外筒34が溶けるのを防止することができる。ただし、先端部材36は省略されてもよく、その場合には、外筒34の端面が、上述した溶削用バーナ3の端面31を構成していてもよい。
内筒32及び中筒33は、それらの端面が溶削用バーナ3の端面31よりも内方に位置するように配置されている。これにより、先端部材36の内部空間における先端部材36の端面と中筒33の端面との間には、燃料ガスと助燃ガスを混合するための混合領域37が形成されている。燃料ガス流路331から混合領域37へと噴射される燃料ガス、及び、助燃ガス流路341から混合領域37へと噴射される助燃ガスは、混合領域37において混合され、その混合ガスが燃焼されることにより溶削用バーナ3の端面31から火炎が噴射される。
溶削ガス流路321は、燃料ガス流路331よりも内側(中心側)に位置しているため、溶削ガス流路321から噴射される溶削ガスは、溶削用バーナ3の端面31から噴射される火炎の中心を通って付着物100に噴射される。これにより、溶削用バーナ3の端面31から噴射される火炎を勢いよく付着物100に噴射し、溶融した付着物100を運動エネルギーによって除去することができる。
4.作用効果
(1)本実施形態では、予熱用バーナ2から火炎を噴射して付着物100を予熱した上で、溶削用バーナ3から付着物100に火炎を噴射して除去することができる。予熱用バーナ2及び溶削用バーナ3には、それぞれ、燃料ガス流路221,331と、その外側に筒状に形成された助燃ガス流路231,341とが備えられているため、燃料ガスと助燃ガスの混合ガスによって付着物100を良好に予熱した上で溶削することができる。また、溶削用バーナ3には、燃料ガス流路331の内側に溶削ガス流路321が備えられているため、超音速で噴射される溶削ガスによって付着物100を良好に溶削することができる。
このように、予熱用バーナ2及び溶削用バーナ3の双方で燃料ガスと助燃ガスの混合ガスを噴射し、かつ、溶削用バーナ3から超音速で溶削ガスを噴射することにより、溶銑鍋200の付着物100を良好に予熱して除去することができる。また、溶銑鍋200の付着物100を予熱しながら溶削することができるため、予熱及び溶削を別々に行う必要がなく、簡単な作業で溶銑鍋200の付着物100を除去することができる。さらに、予熱用バーナ2及び溶削用バーナ3から噴射される火炎の先端の位置合わせが簡単であり、ピンポイントで付着物100を除去することができるため、溶銑鍋200の周囲以外の対象物の付着物除去も可能である。
(2)本実施形態では、予熱用バーナ2及び溶削用バーナ3の双方から、略同一の流速で燃料ガスが噴射されるため、それぞれの火炎の長さが略同一となる。その結果、予熱用バーナ2の火炎により予熱された付着物100の熱を保ったまま、溶削用バーナ3の火炎により付着物100を溶削することができるため、溶銑鍋200の付着物100をさらに良好に除去することができる。
(3)また、本実施形態では、予熱用バーナ2の先端位置(端面21の位置)と、溶削用バーナ3の先端位置(端面31の位置)とが、略同一であるため、予熱用バーナ2及び溶削用バーナ3の各先端位置から、それぞれ略同一の長さで火炎を噴射させることができる。これにより、溶銑鍋200の付着物100をさらに良好に除去することができる。
(4)さらに、本実施形態では、蓋部材24が内筒22の内側に挿入されることにより、予熱用バーナ2における燃料ガス流路221の断面が、溶削用バーナ3における燃料ガス流路331の断面と同様の筒状に形成されるため、予熱用バーナ2及び溶削用バーナ3から同様の構造により火炎を噴射し、溶銑鍋200の付着物100をさらに良好に除去することができる。
また、蓋部材24を内筒22の内側に挿入して、予熱用バーナ2における燃料ガス流路221の断面を筒状に形成することにより、同一の断面積で円形の断面を有する場合と比較して、噴射口222から予熱用バーナ2内に飛散物が入りにくい。これにより、予熱用バーナ2の噴射口222の断面積を十分に確保しつつ、飛散物によって噴射口222が詰まるのを防止することができる。
(5)本実施形態では、予熱用バーナ2及び溶削用バーナ3の双方から、略同一の流速で助燃ガスが噴射されるため、それぞれの火炎の状態を近付けることができる。その結果、溶銑鍋200の付着物100に対して、それぞれの火炎を同時に位置合わせしやすいという利点がある。
(6)また、本実施形態では、予熱用バーナ2及び溶削用バーナ3を移動機構10により移動させ、溶銑鍋200の付着物100を予熱しながら溶削することができるため、簡単な作業で溶銑鍋200の付着物100を除去することができる。特に、予熱用バーナ2の移動軌跡に追従させて溶削用バーナ3を移動させることにより、溶銑鍋200の付着物100を予熱用バーナ2からの火炎により確実に予熱した上で、溶削用バーナ3からの火炎により溶削することができる。
5.変形例
図4は、ノズル部材35の変形例を示した断面図である。上記実施形態では、ノズル部材35が、溶削ガスの流通方向に沿って、内径が収縮した後、再び拡大するような形状である場合について説明した。これに対して、図4に示すノズル部材35では、溶削ガスの流通方向に沿って内径が収縮しているが、その後に拡大しないような形状となっている。すなわち、ノズル部材35内には、溶削ガスの流通方向に沿って、内径が徐々に収縮する収縮部351と、内径が一定である直線部352とが、この順序で連続するように形成されており、上記実施形態のような拡大部353は形成されていない。
このような構成を有するノズル部材35を備えた溶削用バーナ3であっても、溶削ガスを超音速で噴射させることが可能である。すなわち、ノズル部材35は、ラバール構造を有する構成に限られるものではない。
また、図4に示すノズル部材35では、その外周面における先端部側にテーパ面354が形成されている。具体的には、ノズル部材35における収縮部351及び直線部352に対応する部分の外周面が、先端に向かって先細りしたテーパ面354となっている。このようなテーパ面354は、上記実施形態のようなラバール構造のノズル部材35に適用することも可能である。この場合、図3に示すノズル部材35における拡大部353に対応する部分の外周面が、先端に向かって先細りしたテーパ面354となっていてもよい。
本実施形態では、溶融金属容器として溶銑鍋の場合を取り上げたが、タンディッシュ、取鍋等の他の容器を含む場合にも本発明を適用できることは明らかである。
1 付着物除去装置
2 予熱用バーナ
3 溶削用バーナ
10 移動機構
21 端面
22 内筒
23 外筒
24 蓋部材
25 混合領域
31 端面
32 内筒
33 中筒
34 外筒
35 ノズル部材
36 先端部材
37 混合領域
100 付着物
200 溶銑鍋
221 燃料ガス流路
231 助燃ガス流路
321 溶削ガス流路
331 燃料ガス流路
341 助燃ガス流路

Claims (7)

  1. 溶融金属容器に付着した付着物を除去するための付着物除去装置であって、
    前記付着物に火炎を噴射して予熱するための予熱用バーナと、
    前記予熱用バーナに並べて設けられ、当該予熱用バーナにより予熱された前記付着物に火炎を噴射して溶削するための溶削用バーナとを備え、
    前記予熱用バーナは、
    噴射する火炎の燃料ガスが流れる予熱用燃料ガス流路と、
    前記予熱用燃料ガス流路の外側に筒状に形成され、前記燃料ガスに混合される助燃ガスが流れる予熱用助燃ガス流路とを有し、
    前記溶削用バーナは、
    超音速で噴射される溶削ガスが流れる溶削ガス流路と、
    前記溶削ガス流路の外側に筒状に形成され、噴射する火炎の燃料ガスが流れる溶削用燃料ガス流路と、
    前記溶削用燃料ガス流路の外側に筒状に形成され、前記燃料ガスに混合される助燃ガスが流れる溶削用助燃ガス流路とを有し、
    前記溶削用燃料ガス流路の先端部における断面形状は、前記予熱用燃料ガス流路の先端部の断面形状と同一であり、
    前記溶削用助燃ガス流路の先端部における断面形状は、前記予熱用助燃ガス流路の先端部の断面形状と同一であり、
    前記予熱用燃料ガス流路を流れる燃料ガスの流速と、前記溶削用燃料ガス流路を流れる燃料ガスの流速とが、同一であることを特徴とする溶融金属容器の付着物除去装置。
  2. 前記予熱用バーナの先端位置と、前記溶削用バーナの先端位置とが、同一であることを特徴とする請求項に記載の溶融金属容器の付着物除去装置。
  3. 前記予熱用燃料ガス流路の噴射口は、内側に蓋部材が挿入されることにより、当該蓋部材の外側に形成された筒状の断面を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の溶融金属容器の付着物除去装置。
  4. 前記予熱用助燃ガス流路を流れる助燃ガスの流速と、前記溶削用助燃ガス流路を流れる助燃ガスの流速とが、同一であることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の溶融金属容器の付着物除去装置。
  5. 前記予熱用バーナを移動させるとともに、当該予熱用バーナの移動軌跡に追従させて前記溶削用バーナを移動させる移動機構をさらに備えることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の溶融金属容器の付着物除去装置。
  6. 請求項1~のいずれか一項に記載の付着物除去装置を用いた溶融金属容器の付着物除去方法であって、
    前記予熱用バーナを移動させるとともに、当該予熱用バーナの移動軌跡に追従させて前記溶削用バーナを移動させることを特徴とする溶融金属容器の付着物除去方法。
  7. 前記予熱用バーナ及び前記溶削用バーナからそれぞれ噴射される火炎が、当該各バーナの移動方向の前方側に傾斜した角度で噴射されることを特徴とする請求項6に記載の溶融金属容器の付着物除去方法。
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