JP6991663B2 - 加工方法 - Google Patents

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本発明は、金属を含む部材が設けられている被加工物を加工する加工方法に関する。
各種の電子機器等に組み込まれるデバイスチップを小型化、軽量化するために、デバイスチップへと分割される前のウェーハを薄く加工する機会が増えている。このウェーハの内部には、デバイスチップの電極や配線として機能する金属ポスト等の部材が予め埋め込まれていることも多い。
ところが、金属ポストのような延性のある金属を含む部材は、力を加えると塑性的に引き延ばされてしまうので、研削や研磨等の方法で容易に加工できない。よって、金属を含む部材が埋め込まれた被加工物を薄くする場合には、例えば、研削等の方法で被加工物の母材を削り取った後に、バイト切削等の別の方法で金属を含む部材を加工する必要があった(例えば、特許文献1参照)。
特開2013-8898号公報
しかしながら、上述のように異なる複数の加工方法を組み合わせると、工程が煩雑化して被加工物の加工に要するコストが高くなってしまうという問題がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、金属を含む部材が設けられている被加工物を簡単な工程で適切に加工できる加工方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、被加工領域に金属を含む部材が設けられている被加工物を研削砥石又は研磨パッドが装着された加工手段で加工する加工方法であって、該被加工領域を露出させた状態で被加工物を保持テーブルで保持する保持ステップと、該保持ステップを実施した後、被加工物の該被加工領域に有機酸と酸化剤とを含む加工液を供給しつつ該被加工領域を該加工手段で該被加工領域の下端の深さまで研削又は研磨して被加工物を薄くする加工ステップと、該加工ステップを実施する前に、該下端の深さを超えない深さの溝を被加工物の該被加工領域に形成する溝形成ステップと、を備える加工方法が提供される。
本発明の一態様に係る加工方法では、有機酸と酸化剤とを含む加工液を供給しながら、金属を含む部材が設けられている被加工領域を研削又は研磨するので、被加工領域中の部材に含まれる金属を改質して、その延性を抑えながら被加工領域を加工できる。つまり、金属を含む部材が設けられた被加工物を簡単な工程で適切に加工できる。
また、本発明の一態様に係る加工方法では、被加工領域を研削又は研磨する前に、この被加工領域に溝を形成するので、研削又は研磨の際に加工液の保持力が高まり、被加工領域中の部材に含まれる金属の延性をより適切に抑えることができる。つまり、金属を含む部材が設けられた被加工物を簡単な工程でより適切に加工できる。
図1(A)は、被加工物の構成例を模式的に示す斜視図であり、図1(B)は、被加工物の構成例を模式的に示す断面図である。 被加工物の被加工領域に溝が形成される様子を模式的に示す断面図である。 図3(A)及び図3(B)は、被加工物の被加工領域が研削される様子を模式的に示す断面図である。
添付図面を参照して、本発明の一態様に係る実施形態について説明する。本実施形態に係る加工方法は、被加工領域に金属を含む部材が予め設けられている被加工物を加工するための加工方法であって、溝形成ステップ(図2参照)、保持ステップ(図3参照)、及び加工ステップ(図3参照)を含む。
溝形成ステップでは、被加工物の被加工領域に溝を形成する。保持ステップでは、被加工領域が露出するように、研削装置(加工装置)のチャックテーブル(保持テーブル)で被加工物を保持する。加工ステップでは、被加工領域に有機酸と酸化剤とを含む加工液を供給しながら、この被加工領域を研削ユニット(加工手段)で所定の深さまで研削(加工)して被加工物を薄くする。以下、本実施形態に係る加工方法について詳述する。
図1(A)は、本実施形態で加工される被加工物11の構成例を模式的に示す斜視図であり、図1(B)は、被加工物11の構成例を模式的に示す断面図である。図1(A)及び図1(B)に示すように、被加工物11は、例えば、シリコン(Si)等の半導体材料で構成された円盤状のウェーハである。この被加工物11の表面11a側は、交差する複数の分割予定ライン(ストリート)13によって複数の領域に区画されており、各領域には、IC(Integrated Circuit)等のデバイス15が形成されている。
また、被加工物11の内部には、各デバイス15の電極や配線等として機能する金属ポスト(金属を含む部材)17が埋め込まれている。この金属ポスト17は、TSV(Through Silicon Via)等と呼ばれることもある。本実施形態の加工方法では、金属ポスト17が埋め込まれた領域の少なくとも一部を含む被加工領域を加工して、被加工物11を薄くする。なお、この被加工物11を加工する前には、被加工物11の表面11a側に樹脂フィルム等の保護部材21(図2等参照)を貼付してデバイス15を保護すると良い。
本実施形態では、シリコン等の半導体材料で構成される円盤状のウェーハを被加工物11としているが、被加工物11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えば、金属板、WL-CSP(Wafer Level Chip Size Package)用の基板、金属膜が形成されたウェーハ等、金属を含む部材が被加工領域に設けられている板等を被加工物11とすることができる。同様に、デバイス15の種類、数量、大きさ、配置等にも制限はない。また、デバイス15が形成されていない基板等を被加工物11としても良い。
本実施形態に係る加工方法では、まず、被加工物11の被加工領域に溝を形成する溝形成ステップを行う。図2は、溝形成ステップで被加工物11の被加工領域に溝が形成される様子を模式的に示す断面図である。この溝形成ステップは、例えば、図2に示す切削装置2を用いて行われる。
切削装置2は、被加工物11を吸引、保持するためのチャックテーブル(保持テーブル)4を備えている。チャックテーブル4は、モータ等の回転駆動源(不図示)に連結されており、鉛直方向に概ね平行な回転軸の周りに回転する。また、チャックテーブル4の下方には、加工送り機構(不図示)が設けられており、チャックテーブル4は、この加工送り機構によって加工送り方向(第1水平方向)に移動する。
チャックテーブル4の上面の一部は、被加工物11の表面11a側(保護部材21)を吸引、保持する保持面4aになっている。保持面4aは、チャックテーブル4の内部に形成された吸引路(不図示)等を介して吸引源(不図示)に接続されている。吸引源の負圧を保持面4aに作用させることで、被加工物11は、チャックテーブル4に吸引、保持される。なお、チャックテーブル4の代わりに、機械的な方法や電気的な方法等により被加工物11を保持する別のチャックテーブル(保持テーブル)を用いても良い。
チャックテーブル4の上方には、被加工物11を切削加工するための切削ユニット6が配置されている。切削ユニット6は、加工送り方向に対して概ね垂直な回転軸となるスピンドル(不図示)を備えている。スピンドルの一端側には、環状の切削ブレード8が装着されている。スピンドルの他端側には、モータ等の回転駆動源(不図示)が連結されており、スピンドルに装着された切削ブレード8は、この回転駆動源から伝わる力によって回転する。
切削ユニット6は、昇降機構(不図示)及び割り出し送り機構(不図示)に支持されており、昇降機構によって切り込み送り方向(鉛直方向)に移動(昇降)するとともに、割り出し送り機構によって加工送り方向に概ね垂直な割り出し送り方向(第2水平方向)に移動する。
溝形成ステップでは、まず、切削装置2のチャックテーブル4で被加工物11を吸引、保持する。具体的には、被加工物11の表面11a側に貼付されている保護部材21(保護部材21が貼付されていない場合には、被加工物11の表面11a)をチャックテーブル4の保持面4aに接触させて、吸引源の負圧を作用させる。これにより、被加工物11は、被加工領域である裏面11b側が上方に露出した状態でチャックテーブル4に保持される。
次に、チャックテーブル4を回転させて、裏面11b側に予め設定されている溝形成予定ライン(不図示)を切削装置2の加工送り方向に合わせる。また、チャックテーブル4及び切削ユニット6を相対的に移動させて、この溝形成予定ラインの延長線上方に切削ブレード8の位置を合わせる。
そして、切削ブレード8の下端を、裏面11bから深さD1の位置(高さ)まで移動させる。なお、深さD1は、被加工領域の下端の深さD2(被加工物11を仕上げ厚みまで加工したときの裏面に相当する深さD2)よりも浅く設定される。すなわち、切削ブレード8の下端を、被加工領域の下端より裏面11b側に位置付ける。
その後、切削ブレード8を回転させながらチャックテーブル4を加工送り方向に移動させる。これにより、対象の溝形成予定ラインに沿って切削ブレード8を切り込ませ、被加工領域に溝を形成できる。これら手順を繰り返し、裏面11b側に設定されている全ての溝形成予定ラインに沿って溝が形成されると、溝形成ステップは終了する。
なお、溝形成ステップで形成される溝(溝形成予定ライン)の形状、数量、配置、深さ等は、後の加工ステップにおいて用いられる加工液の保持力を高めることができる範囲内で適切に設定される。ただし、溝の具体的な形状、数量、配置、深さ等に特段の制限はない。
例えば、溝の端部を被加工物11の外周縁より内側に配置しても良い。この場合には、溝の端部から加工液が流出し難くなるので、加工液の保持力が更に高まる。また、溝の深さを、金属ポスト17の上端の深さ(金属ポスト17の裏面11b側の端の深さ)より深く設定すると良い。これにより、溝に保持される加工液を金属ポスト17に作用させ易くなる。また、例えば、分割予定ライン13に沿って溝を配置しても良いし、分割予定ライン13とは関係のない位置に溝を配置しても良い。
溝形成ステップの後には、被加工領域である裏面11b側が露出するように、研削装置(加工装置)のチャックテーブル(保持テーブル)で被加工物11を保持する保持ステップを行う。図3(A)及び図3(B)は、被加工物11の被加工領域が研削される様子を模式的に示す断面図である。この保持ステップは、例えば、図3に示す研削装置(加工装置)12を用いて行われる。
研削装置12は、被加工物11を吸引、保持するためのチャックテーブル(保持テーブル)14を備えている。チャックテーブル14は、モータ等の回転駆動源(不図示)に連結されており、鉛直方向に概ね平行な回転軸の周りに回転する。また、チャックテーブル14の下方には、移動機構(不図示)が設けられており、チャックテーブル14は、この移動機構によって水平方向に移動する。
チャックテーブル14の上面の一部は、被加工物11の表面11a側(保護部材21)を吸引、保持する保持面14aになっている。保持面14aは、チャックテーブル14の内部に形成された吸引路(不図示)等を介して吸引源(不図示)に接続されている。吸引源の負圧を保持面14aに作用させることで、被加工物11は、チャックテーブル14に吸引、保持される。なお、チャックテーブル14の代わりに、機械的な方法や電気的な方法等により被加工物11を保持する別のチャックテーブル(保持テーブル)を用いても良い。
チャックテーブル14の上方には、研削ユニット(加工手段)16が配置されている。研削ユニット16は、昇降機構(不図示)によって支持されたスピンドルハウジング(不図示)を備えている。スピンドルハウジングには、鉛直方向に概ね平行な回転軸となるスピンドル18が収容されており、スピンドル18の下端部には、円盤状のマウント20が固定されている。
マウント20の下面には、マウント20と概ね径が等しい円盤状の研削ホイール22が装着されている。研削ホイール22は、ステンレス、アルミニウム等の金属材料で形成されたホイール基台24を備えている。ホイール基台24の下面には、複数の研削砥石26が環状に配列されている。
スピンドル18の上端側(基端側)には、モータ等の回転駆動源(不図示)が連結されており、研削ホイール22は、この回転駆動源から伝わる力によって回転する。研削ユニット16の近傍(又は、内部)には、有機酸と酸化剤とを含む加工液(研削液)23を被加工物11等に対して供給するためのノズル28が設けられている。
保持ステップでは、まず、研削装置12のチャックテーブル14で被加工物11を吸引、保持する。具体的には、被加工物11の表面11a側に貼付されている保護部材21(保護部材21が貼付されていない場合には、被加工物11の表面11a)をチャックテーブル14の保持面14aに接触させて、吸引源の負圧を作用させる。これにより、被加工物11は、被加工領域である裏面11b側が上方に露出した状態でチャックテーブル14に保持される。
保持ステップの後には、被加工領域を研削ユニット(加工手段)で所定の深さまで研削(加工)して被加工物を薄くする加工ステップを行う。加工ステップは、引き続き研削装置12を用いて行われる。具体的には、まず、被加工物11を保持したチャックテーブル14を研削ユニット16の下方に移動させる。
そして、図3(A)に示すように、チャックテーブル14と研削ホイール22とをそれぞれ回転させて、有機酸と酸化剤とを含む加工液23を被加工領域である被加工物11の裏面11b側に供給しながら、スピンドルハウジング(スピンドル18、研削ホイール22)を下降させる。
スピンドルハウジングの下降速度(下降量)は、研削砥石26の下面が適切な力でウェーハ11の裏面11b側に押し当てられるように調整される。これにより、被加工領域である裏面11b側を研削して被加工物11を薄くできる。図3(B)に示すように、被加工物11が所定の仕上げ厚みまで薄くなると、加工ステップは終了する。
本実施形態では、加工液23に有機酸を含ませているので、被加工領域中の金属ポスト17を改質して、その延性を抑えることができる。また、加工液23に酸化剤を含ませることで、金属ポスト17の表面が酸化し易くなる。その結果、被加工領域中の金属ポスト17の延性を十分に下げて、金属ポスト17が引き延ばされるのを防止できる。
加工液23に含まれる有機酸としては、例えば、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基と少なくとも1つのアミノ基とを有する化合物を用いることができる。この場合、アミノ基のうち少なくとも1つは、2級又は3級のアミノ基であると好ましい。また、有機酸として用いる化合物は、置換基を有していてもよい。
有機酸として用いることのできるアミノ酸としては、グリシン、ジヒドロキシエチルグリシン、グリシルグリシン、ヒドロキシエチルグリシン、N-メチルグリシン、β-アラニン、L-アラニン、L-2-アミノ酪酸、L-ノルバリン、L-バリン、L-ロイシン、L-ノルロイシン、L-アロイソロイシン、L-イソロイシン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、サルコシン、L-オルニチン、L-リシン、タウリン、L-セリン、L-トレオニン、L-アロトレオニン、L-ホモセリン、L-チロキシン、L-チロシン、3,5-ジヨード-L-チロシン、β-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-L-アラニン、4-ヒドロキシ-L-プロリン、L-システィン、L-メチオニン、L-エチオニン、L-ランチオニン、L-シスタチオニン、L-シスチン、L-システィン酸、L-グルタミン酸、L-アスパラギン酸、S-(カルボキシメチル)-L-システィン、4-アミノ酪酸、L-アスパラギン、L-グルタミン、アザセリン、L-カナバニン、L-シトルリン、L-アルギニン、δ-ヒドロキシ-L-リシン、クレアチン、L-キヌレニン、L-ヒスチジン、1-メチル-L-ヒスチジン、3-メチル-L-ヒスチジン、L-トリプトファン、アクチノマイシンC1、エルゴチオネイン、アパミン、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII及びアンチパイン等が挙げられる。中でも、グリシン、L-アラニン、L-プロリン、L-ヒスチジン、L-リシン、ジヒドロキシエチルグリシンが好ましい。
また、有機酸として用いることのできるアミノポリ酸としては、イミノジ酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、エチレンジアミン-N,N,N’,N’-テトラメチレンスルホン酸、1,2-ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、β-アラニンジ酢酸、N-(2-カルボキシラートエチル)-L-アスパラギン酸、N,N’-ビス(2-ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン-N,N’-ジ酢酸等が挙げられる。
更に、有機酸として用いることのできるカルボン酸としては、ギ酸、グリコール酸、プロピオン酸、酢酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、リンゴ酸、コハク酸、ピメリン酸、メルカプト酢酸、グリオキシル酸、クロロ酢酸、ピルビン酸、アセト酢酸、グルタル酸等の飽和カルボン酸や、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、メサコン酸、シトラコン酸、アコニット酸等の不飽和カルボン酸、安息香酸類、トルイル酸、フタル酸類、ナフトエ酸類、ピロメット酸、ナフタル酸等の環状不飽和カルボン酸等が挙げられる。
加工液23に含まれる酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、セリウム酸塩、バナジン酸塩、オゾン水および銀(II)塩、鉄(III)塩や、その有機錯塩等を用いることができる。
また、加工液23には、防食剤が混合されても良い。防食剤を混合することで、被加工物11に含まれる金属の腐食(溶出)を防止できる。防食剤としては、例えば、分子内に3つ以上の窒素原子を有し、且つ、縮環構造を有する複素芳香環化合物、又は、分子内に4つ以上の窒素原子を有する複素芳香環化合物を用いることが好ましい。更に、芳香環化合物は、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基を含むことが好ましい。具体的には、テトラゾール誘導体、1,2,3-トリアゾール誘導体、及び1,2,4-トリアゾール誘導体であることが好ましい。
防食剤として用いることのできるテトラゾール誘導体としては、テトラゾール環を形成する窒素原子上に置換基を有さず、且つ、テトラゾールの5位に、スルホ基、アミノ基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スルファモイル基、及びスルホンアミド基からなる群より選択された置換基、又は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スルファモイル基、及びスルホンアミド基からなる群より選択された少なくとも1つの置換基で置換されたアルキル基が導入されたものが挙げられる。
また、防食剤として用いることのできる1,2,3-トリアゾール誘導体としては、1,2,3-トリアゾール環を形成する窒素原子上に置換基を有さず、且つ、1,2,3-トリアゾールの4位及び/又は5位に、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スルファモイル基、及びスルホンアミド基からなる群より選択された置換基、或いは、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スルファモイル基、及びスルホンアミド基からなる群より選択された少なくとも1つの置換基で置換されたアルキル基又はアリール基が導入されたものが挙げられる。
また、防食剤として用いることのできる1,2,4-トリアゾール誘導体としては、1,2,4-トリアゾール環を形成する窒素原子上に置換基を有さず、且つ、1,2,4-トリアゾールの2位及び/又は5位に、スルホ基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スルファモイル基、及びスルホンアミド基からなる群より選択された置換基、或いは、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スルファモイル基、及びスルホンアミド基からなる群より選択された少なくとも1つの置換基で置換されたアルキル基又はアリール基が導入されたものが挙げられる。
本実施形態に係る加工方法では、有機酸と酸化剤とを含む加工液23を供給しながら、金属ポスト(金属を含む部材)17が設けられている被加工領域を研削するので、被加工領域中の金属ポスト17を構成する金属を改質して、その延性を抑えながら被加工領域を加工できる。つまり、金属を含む部材が設けられた被加工物11を簡単な工程で適切に加工できる。
また、本実施形態に係る加工方法では、被加工領域を研削する前に、この被加工領域に溝を形成するので、研削の際に加工液23の保持力が高まり、被加工領域中の金属ポスト23を構成する金属の延性をより適切に抑えることができる。つまり、金属を含む部材が設けられた被加工物11を簡単な工程でより適切に加工できる。
なお、本発明は、上記実施形態の記載に制限されず種々変更して実施可能である。例えば、上記実施形態では、研削砥石26を含む研削ホイール22が装着された研削ユニット(加工手段)16で被加工物11を研削する場合について説明したが、例えば、研磨パッドが装着された研磨ユニット(加工手段)で被加工物11を研磨する場合にも、本発明を適用できる。
また、上記実施形態では、被加工物11の被加工領域に切削ブレード8を切り込ませる方法で溝を形成しているが、例えば、レーザビームを用いるアブレーション加工によって溝を形成しても良い。
また、上記実施形態では、加工液23を供給しながら被加工物11を研削する加工ステップを例示しているが、例えば、加工ステップは、純水を供給しながら被加工物11を研削する第1加工ステップと、加工液23を供給しながら被加工物11を研削する第2加工ステップとを含んでも良い。
この場合には、例えば、上述した金属ポスト17が露出する直前の高さ(厚み)まで、純水を供給しながら被加工物11を研削する第1加工ステップを行い、その後、上述した加工液23を供給しながら被加工物11を研削する第2加工ステップを行う。なお、金属ポスト17が露出する直前の高さ(厚み)は、例えば、金属ポスト17の高さのばらつきや、保護部材21の厚みのばらつき、チャックテーブル14の保持面14aの平坦度等に応じて決定できる。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
11 被加工物
11a 表面
11b 裏面
13 分割予定ライン(ストリート)
15 デバイス
17 金属ポスト(金属を含む部材)
21 保護部材
23 加工液(研削液)
2 切削装置
4 チャックテーブル(保持テーブル)
4a 保持面
6 切削ユニット
8 切削ブレード
12 研削装置(加工装置)
14 チャックテーブル(保持テーブル)
14a 保持面
16 研削ユニット(加工手段)
18 スピンドル
20 マウント
22 研削ホイール
24 ホイール基台
26 研削砥石
28 ノズル

Claims (1)

  1. 被加工領域に金属を含む部材が設けられている被加工物を研削砥石又は研磨パッドが装着された加工手段で加工する加工方法であって、
    該被加工領域を露出させた状態で被加工物を保持テーブルで保持する保持ステップと、
    該保持ステップを実施した後、被加工物の該被加工領域に有機酸と酸化剤とを含む加工液を供給しつつ該被加工領域を該加工手段で該被加工領域の下端の深さまで研削又は研磨して被加工物を薄くする加工ステップと、
    該加工ステップを実施する前に、該下端の深さを超えない深さの溝を被加工物の該被加工領域に形成する溝形成ステップと、を備えることを特徴とする加工方法。
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