JP6988082B2 - シーラントフィルム及び包装材 - Google Patents
シーラントフィルム及び包装材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6988082B2 JP6988082B2 JP2016247863A JP2016247863A JP6988082B2 JP 6988082 B2 JP6988082 B2 JP 6988082B2 JP 2016247863 A JP2016247863 A JP 2016247863A JP 2016247863 A JP2016247863 A JP 2016247863A JP 6988082 B2 JP6988082 B2 JP 6988082B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- resin
- film
- sealant film
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Wrappers (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
本発明のシーラントフィルムの外層(A)に使用するポリエチレン系樹脂としては、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状中密度ポリエチレン(LMDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)等のポリエチレン樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等のエチレン系共重合体;更にはエチレン−アクリル酸共重合体のアイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー等が例示できる。これらポリエチレン系樹脂は、単独でも、2種以上を混合して使用しても良い。これらの中でも好適な耐衝撃性を得やすいことから、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状中密度ポリエチレンを好ましく使用でき、直鎖状低密度ポリエチレンが特に好ましい。また、これら中・低密度ポリエチレンに併用して高密度ポリエチレン(HDPE)を使用することも好ましい。
本発明のシーラントフィルムの中間層(B)は、密度が0.937g/cm3以上の直鎖状低密度ポリエチレン(b1)を含有する。当該直鎖状低密度ポリエチレンを含有することで、好適な耐衝撃性と共に、高温処理時のレトルト殺菌処理時の内面同士の融着や外観ムラを好適に抑制できる。直鎖状低密度ポリエチレン(b1)の密度は、好ましくは0.940g/cm3以上、より好ましくは0.940〜0.945g/cm3である。
本発明のシーラントフィルムにおける内層(C)は、ポリエチレン系樹脂を含有し、層中の樹脂成分の平均密度が0.940g/cm3以上の層である。当該内層(C)はシーラントフィルムのヒートシール層となる層である。
本発明のシーラントフィルムは、上記外層(A)、中間層(B)及び内層(C)が順に積層された積層フィルムである。本発明のシーラントフィルムは、当該構成により、好適な易引き裂き性及び直進カット性を有しながらも、レトルト殺菌処理等の高温処理時に内面融着や外観ムラが生じない包装材を実現できる。また、好適なシール性や耐破袋性も実現しやすいことから、レトルト包装材用途に好適である。
本発明のシーラントフィルムは、レトルト用包装材として使用する場合、シーラントフィルムの外層(A)側表面に、他の基材フィルムを貼りあわせて使用できる。他の基材フィルムとしては、特に限定されるものではないが、本発明の効果を容易に発現させる観点から、プラスチック基材、特には二軸延伸された樹脂フィルムを用いることが好ましい。また透明性を必要としない用途の場合はアルミ箔を組み合わせて使用することもできる。
外層、中間層及び内層の各層を形成する樹脂成分として、各々下記の樹脂を使用して、各層を形成する樹脂混合物を調整した。これら混合物を3台の押出機に各々供給して250℃で溶融した。溶融した樹脂をフィードブロックを有するTダイ・チルロール法の共押出多層フィルム製造装置(フィードブロック及びTダイ温度:250℃)にそれぞれ供給して共溶融押出を行って、フィルムの層構成が、外層/中間層/内層の3層構成で、各層の厚み比率が25/50/25%の総厚50μmの積層フィルムを得た。
中間層:LLDPE(1)75質量%、ノルボルネン系モノマーの開環重合体(MFR10g/10分(230℃、21.18N)、ガラス転移温度(Tg)78℃)(以下、「COC(1)」と称する)25質量%
内層 :LLDPE(1)60質量%、高密度ポリエチレン(MFR8g/10分(190℃、21.18N)、密度0.960g/cm3)(以下、「HDPE」と称する。)40質量%
中間層に使用する樹脂成分を下記とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
中間層:LLDPE(1)70質量%、COC(1)30質量%
中間層に使用する樹脂成分を下記とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
中間層:LLDPE(1)65質量%、COC(1)35質量%
中間層に使用する樹脂成分を下記とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
中間層:LLDPE(1)75質量%、ノルボルネン系モノマーの開環重合体(MFR10g/10分(230℃、21.18N)、ガラス転移温度(Tg)120℃)(以下、「COC(2)」と称する。)25質量%
外層/中間層/内層の厚み比率を20/60/20%とした以外は実施例2と同様にして積層フィルムを得た。
外層/中間層/内層の厚み比率を15/70/15%とした以外は実施例2と同様にして積層フィルムを得た。
外層/中間層/内層の厚み比率を30/40/30%とした以外は実施例2と同様にして積層フィルムを得た。
内層に使用する樹脂成分を下記とした以外は実施例2と同様にして積層フィルムを得た。
内層:エチレン−αオレフィン共重合体(MFR2.5g/10分(190℃、21.18N)、密度0.925g/cm3)(以下、「LLDPE(2)」と称する。)50質量%、HDPE50質量%
内層に使用する樹脂成分を下記とした以外は実施例2と同様にして積層フィルムを得た。
内層:エチレン−αオレフィン共重合体(MFR3.5g/10分(190℃、21.18N)、密度0.933g/cm3)(以下、LLDPE(3)と称する。)70質量%、HDPE30質量%
外層/中間層/内層の厚み比率を35/30/35%とした以外は実施例2と同様にして積層フィルムを得た。
外層/中間層/内層の厚み比率を10/80/10%とした以外は実施例2と同様にしてシーラントフィルムを得た。
中間層に使用する樹脂成分を下記とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
中間層:LLDPE(1)100質量%
内層に使用する樹脂成分を下記とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
内層:LLDPE(3)100質量%
外層及び中間層に使用する樹脂成分を下記とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
外層:LLDPE(3)100質量%
中間層:LLDPE(3)75質量%、COC(1)25質量%
中間層に使用する樹脂成分を下記とし、外層/中間層/内層の厚み比率を25/50/25%とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
中間層:LLDPE(1)85質量%、COC(1)15質量%
中間層に使用する樹脂成分を下記とし、外層/中間層/内層の厚み比率を40/20/40%とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
中間層:LLDPE(1)50質量%、COC(1)50質量%
JIS K7128−1(トラウザー法)に従い、23℃、50%Rhの恒温室内にて流れ方向の引き裂き強度を測定した。
5N以下 〇 ; 引き裂き性に優れる
5N超 × ; 引き裂き性劣る
フィルムの流れ方向の長さが150mm、幅方向の長さが50mmの試験片を用い、幅方向の中央に15mm幅の切れ込みを10mm入れ、切れ込みの先端の幅(W0)を実測する。切れ込みの先端部に、予め用意した厚み0.3mm、幅15mm、長さ160mmのポリエステルシートをテープで貼り付ける。貼り付けたポリエステルシートを180°方向に折り返し、その先端部と反対側の切れ込み部を除いた試験片を引っ張り試験機に取り付け、300mm/minのスピードで、100mm引き裂き、その終点の幅(W1)を実測する。この時、以下の式から保持率を求め、直進カット性の指標とした。
保持率[%]= W1/W0×100
100±20% 〇 ; 直進カット性に優れる
100±30%超 × ; 直進性は無い
厚さ25μmの二軸延伸ポリアミドフィルム上に、ワイヤーバーを用いて、塗布厚みが3.5g/m2となるようにポリエステル系接着剤を塗布する。接着剤を乾燥後、シーラントフィルムを貼り合わせ、40℃で24時間乾燥し、ヒートシール試験用ラミネートフィルムを得た。得られたフィルムを用いて、160℃、0.2MPa、1秒の条件でヒートシールした試験片を作成し、オートクレーブを用いて、121℃、30分の加熱処理を施した。加熱処理後の試験片を15mm幅に裁断し、引張試験機にて、シール強度を測定した。40N/15mm以上であれば、通常に使用できる。
(3)と同様にしてラミネートフィルムを得た。得られたフィルムのシールどうしを重ねて、オートクレーブを用いて、121℃、30分の加熱処理を施した。加熱処理後の試験片を常温まで冷却した後
15mm幅に裁断し、引張試験機にて剥離強度を測定した。
1N/15mm以下 〇 ; 耐熱性に優れる
1N/15mmを超える × ; 耐熱性に劣る
(3)と同様にしてラミネートフィルムを得た。得られたフィルムを用いて、内寸が100mm×150mm(ヒートシール幅10mm)となるように製袋加工し、水200mlを密封した。水を封入した製袋品を121℃、30分レトルト処理した後、外観ムラの状態を目視で評価した。
Claims (9)
- 外層(A)、中間層(B)及び内層(C)が順に積層された積層フィルムからなり、
外層(A)及び内層(C)がポリエチレン系樹脂を含有し、各層中の樹脂成分の平均密度が0.940g/cm3以上であり、
中間層(B)が、直鎖状低密度ポリエチレン(b1)及び環状オレフィン系樹脂(b2)を含有し、
前記直鎖状低密度ポリエチレン(b1)の密度が0.937g/cm3以上であり、
前記中間層(B)中に含まれる樹脂成分中の前記環状オレフィン系樹脂(b2)の含有量が20〜40質量%であることを特徴とするシーラントフィルム。 - 前記外層(A)中の樹脂成分の平均密度が0.940g/cm 3 以上(ただし、平均密度が0.945g/cm 3 以上である場合を除く)である請求項1に記載のシーラントフィルム。
- 前記直鎖状低密度ポリエチレン(b1)の密度が0.937g/cm 3 以上(ただし、平均密度が0.945g/cm 3 以上である場合を除く)である請求項1に記載のシーラントフィルム。
- 前記中間層(B)の厚み比率が、シーラントフィルムの総厚の20〜80%である請求項1〜3のいずれかに記載のシーラントフィルム。
- 前記外層(A)の厚み比率がシーラントフィルムの総厚の10〜40%、前記内層(C)の厚み比率が10〜40%である請求項1〜4のいずれかに記載のシーラントフィルム。
- 前記環状オレフィン系樹脂(b2)のガラス転移温度が140℃以下である請求項1〜5のいずれかに記載のシーラントフィルム。
- 総厚みが20〜150μmである請求項1〜6のいずれかに記載のシーラントフィルム。
- 前記直鎖状低密度ポリエチレン(b1)のMFRが0.1〜20g/10分、前記環状オレフィン系樹脂(b2)のMFRが0.2〜17g/10分である請求項1〜7のいずれかに記載のシーラントフィルム。
- 請求項1〜8の何れかに記載のシーラントフィルムを使用した包装材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016247863A JP6988082B2 (ja) | 2016-12-21 | 2016-12-21 | シーラントフィルム及び包装材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016247863A JP6988082B2 (ja) | 2016-12-21 | 2016-12-21 | シーラントフィルム及び包装材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018099843A JP2018099843A (ja) | 2018-06-28 |
JP6988082B2 true JP6988082B2 (ja) | 2022-01-05 |
Family
ID=62713968
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016247863A Active JP6988082B2 (ja) | 2016-12-21 | 2016-12-21 | シーラントフィルム及び包装材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6988082B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7342694B2 (ja) * | 2019-12-25 | 2023-09-12 | Dic株式会社 | 積層フィルム及び包装材 |
JP7452020B2 (ja) * | 2020-01-15 | 2024-03-19 | Toppanホールディングス株式会社 | 自立性包装袋 |
WO2024024780A1 (ja) * | 2022-07-28 | 2024-02-01 | Toppanホールディングス株式会社 | 積層体、包装材料、および包装体 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3410219B2 (ja) * | 1994-07-15 | 2003-05-26 | 大倉工業株式会社 | ラミネート用多層シーラントフィルム |
JP6191189B2 (ja) * | 2013-03-26 | 2017-09-06 | 日本ポリエチレン株式会社 | 電子線照射された易引裂性多層フィルム及び包装材 |
JP6565640B2 (ja) * | 2015-12-01 | 2019-08-28 | 日本ポリエチレン株式会社 | 耐熱性を有する易引裂性フィルム及び包装材 |
-
2016
- 2016-12-21 JP JP2016247863A patent/JP6988082B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018099843A (ja) | 2018-06-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102595636B1 (ko) | 실런트 필름 및 포장재 | |
US10625493B2 (en) | Sealant film and laminate film | |
JP4702245B2 (ja) | 共押出多層フィルム、並びに該フィルムを用いたラミネートフィルム及び包装材 | |
KR20160147721A (ko) | 다층 실란트 필름 | |
JP5713190B2 (ja) | 易開封性多層フィルム及び該フィルムを用いた包装材 | |
JP6255910B2 (ja) | 多層フィルム及びこれを用いる包装材 | |
JP6988082B2 (ja) | シーラントフィルム及び包装材 | |
JP6863085B2 (ja) | シーラントフィルム及び包装材 | |
JPWO2016021682A1 (ja) | 多層フィルム、包装材用積層フィルム、包装袋及びスタンディングパウチ | |
TW201420345A (zh) | 低吸附性積層用多層膜、使用其的複合膜及包裝材 | |
KR102507571B1 (ko) | 첩부제의 포장 구조 | |
JP5761472B1 (ja) | バリア性積層体及びこれを用いた包装材 | |
JP6428624B2 (ja) | バリア性積層体及びこれを用いた包装材 | |
JP6424997B1 (ja) | シーラントフィルム及び包装材 | |
JP6355007B1 (ja) | シーラントフィルムの製造方法 | |
JP6168255B2 (ja) | シーラントフィルム及びラミネートフィルム | |
JP7207604B2 (ja) | アルコール透過抑制フィルム、及びアルコール透過抑制フィルムを用いた包装材並びに包装体 | |
JP6477985B2 (ja) | 積層フィルム、ラミネートフィルム及び包装容器 | |
WO2015037409A1 (ja) | バリア性積層体及びこれを用いた包装材 | |
JPWO2014207950A1 (ja) | 積層体及びこれを用いた包装材 | |
JP2021102277A (ja) | 積層フィルム及び包装袋 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20180220 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20190624 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191018 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200729 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200929 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210330 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210520 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210603 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211102 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211115 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6988082 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |