JP6984337B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関する。
従来この種の画像形成装置としては、例えば特許文献1〜3に記載のものが既に知られている。
特許文献1には、サイズの異なる記録材に対しても点状の転写抜けの発生を防止できるように、記録材が転写部に突入する前に吸着帯電器のローラにより挟んで高圧電源からローラに印加したバイアスにより記録材を逆帯電するに際し、予め記録材の幅を検知して、記録材の幅に応じて高圧電源の出力を制御する画像形成装置が開示されている。
特許文献2には、用紙後端領域における用紙とトナー像との静電的結着力の低下を補正し均一化することで安定した画像品質性能を得るために、記録媒体の先端が予め接地された定着手段に到達すると、記録媒体の転写電荷が定着手段を介して逃げ易い状態になることから、記録媒体における所定位置よりも後端側の領域にトナー像を転写する場合に、転写手段に印加する電圧を増加させる転写電圧制御手段を備えた画像形成装置が開示されている。
特許文献3には、転写材案内部材のうち紙と接触する面を導電性部材で構成し、当該導電性部材は紙の抵抗と相反する環境特性、すなわち吸湿量に応じて高抵抗化する感湿抵抗体を介して接地し、これにより、転写部位から転写材案内部材までの間に介在する紙の抵抗と紙に接触している転写材案内部材との抵抗成分の和を環境に関わらず一定にし、転写材案内部材側に漏洩する転写電流量の環境依存性を無くすようにした画像形成装置が開示されている。
特開2000−162897号公報(発明の実施の形態,図1) 特開平10−97147号公報(発明の実施の形態,図9) 特開平6−124004号公報(実施例,図1)
本発明が解決しようとする技術的課題は、種類の異なる記録媒体が像保持体の転写域を通過したとしても、転写域の入口側に設置される案内部材の接地条件を一律に設定した場合に比べて、転写域における転写画像の濃度ムラを抑制することにある。
請求項1に係る発明は、画像を保持して移動する像保持体と、前記像保持体の画像保持面に接触して配置される転写部材を有し、前記像保持体と前記転写部材とで記録媒体を挟持して搬送すると共に、前記像保持体の画像保持面とは反対側から転写電圧を印加することで前記像保持体と前記転写部材との間の転写域に転写電界を作用させて前記像保持体に保持された画像を前記記録媒体に静電転写させる転写装置と、前記転写装置の転写域の入口側に接地した状態で設けられ、前記転写域に向けて前記記録媒体を案内する案内部材と、前記転写域へ向かって走行する記録媒体の種類を判別する判別器と、前記判別器にて判別された記録媒体が予め決められた表面抵抗値以下又は媒体基材面に沿って導電層を有する低抵抗の条件では、前記案内部材の接地条件として予め決められた高抵抗接地の抵抗値よりも低い抵抗値の低抵抗接地に切り替える切替器と、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る画像形成装置において、前記切替器は前記転写部材の抵抗値よりも大きい高抵抗を用いた高抵抗接地を採用することを特徴とする画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る画像形成装置において、前記切替器は抵抗値0の低抵抗接地を含むことを特徴とする画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに係る画像形成装置において、前記判別器が記録媒体の種類として予め決められた抵抗値以上の高絶縁性の記録媒体を判別した条件では、前記切替器は前記高抵抗接地に代えて除電バイアスを介したバイアス接地に切り替えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに係る画像形成装置において、前記切替器は前記判別器による記録媒体の種類の判別信号に基づいて接地条件を自動的に切り替えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかに係る画像形成装置において、前記切替器は抵抗値が変化する可変抵抗器を用いることを特徴とする画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれかに係る画像形成装置において、前記判別器は走行する記録媒体の表面抵抗を検出する検出器からの検出信号に基づいて記録媒体の種類を判別することを特徴とする画像形成装置である。
請求項8に係る発明は、画像を保持して移動する像保持体と、前記像保持体の画像保持面に接触して配置される転写部材を有し、前記像保持体と前記転写部材とで記録媒体を挟持して搬送すると共に、前記像保持体と前記転写部材との間の転写域に転写電界を作用させて前記像保持体に保持された画像を前記記録媒体に静電転写させる転写装置と、前記転写装置の転写域の入口側に接地した状態で設けられ、前記転写域に向けて前記記録媒体を案内する案内部材と、前記転写域へ向かって走行する記録媒体の種類を判別する判別器と、前記判別器にて判別された記録媒体が予め決められた表面抵抗値以下又は媒体基材面に沿って導電層を有する低抵抗の条件では、前記案内部材の接地条件として予め決められた高抵抗接地の抵抗値よりも低い抵抗値の低抵抗接地に切り替える切替器と、を備え、前記案内部材は、前記転写域から離れた部位に設けられる第1の案内部材と、当該第1の案内部材と前記転写域との間に設けられる第2の案内部材とを有し、前記第2の案内部材には接地条件が切り替えられる前記切替器を付加すると共に、前記第1の案内部材を前記第2の案内部材の高抵抗接地の抵抗値よりも低い低抵抗接地にすることを特徴とする画像形成装置である。
請求項9に係る発明は、請求項1乃至8のいずれかに係る画像形成装置において、前記転写装置は、前記判別器にて判別された記録媒体が予め決められた表面抵抗値以下又は媒体基材面に沿って導電層を有する低抵抗の条件では、前記転写域に供給される転写電流を定電流に制御する定電流制御部を有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項10に係る発明は、請求項1乃至9のいずれかに係る画像形成装置において、前記像保持体は、像形成保持体上の画像を記録媒体に転写する前に中間的に転写して保持する中間転写体であり、前記転写装置は前記中間転写体上の画像を記録媒体に転写するものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項11に係る発明は、画像を保持して移動する像保持体と、前記像保持体の画像保持面に接触して配置される転写部材を有し、前記像保持体と前記転写部材とで前記記録媒体を挟持して搬送すると共に、前記像保持体の画像保持面とは反対側から転写電圧を印加することで前記像保持体と前記転写部材との間の転写域に転写電界を作用させて前記像保持体に保持された画像を前記記録媒体に静電転写させる転写装置と、前記転写装置の転写域の入口側に接地した状態で設けられ、前記転写域に向けて前記記録媒体を案内する案内部材と、前記転写域へ向かって走行する記録媒体の種類を判別する判別器と、前記判別器にて判別された記録媒体が予め決められた表面抵抗値以上の高絶縁性の記録媒体である条件では、前記案内部材の接地条件として予め決められた高抵抗接地に代えて除電バイアスを介したバイアス接地に切り替える切替器と、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、種類の異なる記録媒体が像保持体の転写域を通過したとしても、転写域の入口側に設置される案内部材の接地条件を一律に設定した場合に比べて、転写域における転写画像の濃度ムラを抑制することができる。
請求項2に係る発明によれば、記録媒体として表面抵抗値の高い高抵抗のものを使用したときに、転写部材の抵抗値以下の高抵抗接地を採用した場合に比べて、案内部材への転写電流の漏洩を抑制し、転写部位への転写電流を確保することができる。
請求項3に係る発明によれば、抵抗値が0よりも大きい低抵抗接地を採用した場合に比べて、転写域における転写画像の濃度ムラをより少なく抑制することができる。
請求項4に係る発明によれば、特に絶縁性の高い記録媒体が像保持体の転写域を通過したとしても、転写域に至る前に記録媒体の帯電ムラを低減でき、転写域における転写画像の濃度ムラを抑制することができる。
請求項5に係る発明によれば、任意の種類の記録媒体を使用しても、案内部材の接地条件を適切に選択することができる。
請求項6に係る発明によれば、高抵抗接地と低抵抗接地との切り替えを容易に実現することができる。
請求項7に係る発明によれば、任意の種類の記録媒体を使用しても、表面抵抗の異なる記録媒体を走行中に判別することができる。
請求項8に係る発明によれば、低抵抗の記録媒体を使用し、当該記録媒体の搬送方向後端部が第1の案内部材を抜けて第2の案内部材に至ったとしても、転写域における転写画像の濃度ムラを抑制することができる。
請求項9に係る発明によれば、転写域に供給される転写電流を定電圧制御する場合に比べて、低抵抗の記録媒体が案内部材を通過したときに当該転写域のシステム抵抗が変化したとしても、転写域に作用する転写電界を確保することができる。
請求項10に係る発明によれば、中間転写方式の画像形成装置において、低抵抗の記録媒体が中間転写体の転写域を通過したとしても、転写域における転写画像の濃度ムラを抑制することができる。
請求項11に係る発明によれば、予め決められた高抵抗の記録媒体のうち、特に絶縁性の高い記録媒体が像保持体の転写域を通過したとしても、転写域に至る前に記録媒体の帯電ムラを低減でき、転写域における転写画像の濃度ムラを抑制することができる。
本発明が適用された画像形成装置の実施の形態の概要を示す説明図である。 実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。 図2に示す画像形成装置の二次転写部周りの構成の詳細を示す説明図である。 (a)は実施の形態1に係る画像形成装置で用いられる切替器の構成例1を示す説明図、(b)は同構成例2を示す説明図、(c)は同構成例3を示す説明図である。 (a)は実施の形態1に係る画像形成装置による低抵抗用紙への作像例1を示す説明図、(b)は同作像例2を示す説明図、(c)は図3に示す判別器の一例を示す説明図である。 実施の形態1に係る画像形成装置で用いられる用紙種作像シーケンスを示すフローチャートである。 実施の形態1に係る画像形成装置による二次転写部での低抵抗用紙に対する転写動作過程を模式的に示し、(a)は用紙後端前段案内シュート通過前、(b)は用紙後端前段案内シュート通過後、(c)は用紙後端二次転写域通過時の状態を夫々示す説明図である。 比較の形態1に係る画像形成装置による二次転写部での低抵抗用紙に対する転写動作過程を模式的に示し、(a)は用紙後端前段案内シュート通過前、(b)は用紙後端前段案内シュート通過後、(c)は用紙後端二次転写域通過時の状態を夫々示す説明図である。 (a)は実施の形態1に係る画像形成装置による低抵抗用紙に対する転写動作過程の転写電流の流れを模式的に示す説明図、(b)は比較の形態1に係る画像形成装置による低抵抗用紙に対する転写動作過程の転写電流の流れを模式的に示す説明図である。 実施の形態2に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。 (a)は実施の形態2に係る画像形成装置で用いられる切替器の構成例1を示す説明図、(b)は同構成例2を示す説明図である。 実施の形態2に係る画像形成装置で用いられる用紙種作像シーケンスを示すフローチャートである。 (a)は実施の形態2に係る画像形成装置による高抵抗用紙に対する転写動作過程を示す説明図、(b)は比較の形態1に係る画像形成装置による高抵抗用紙に対する転写動作過程を示す説明図である。 (a)は実施例1において、二次転写部の転写域に低抵抗用紙が通過する際に、二次転写部における転写電流の測定回路例を示す説明図、(b)は測定回路例の転写電流の変化例と、低抵抗用紙への作像の影響とを示す説明図である。 (a)は比較例1において、二次転写部の転写域に低抵抗用紙が通過する際に、二次転写部における転写電流の測定回路例を示す説明図、(b)は測定回路例の転写電流の変化例と、低抵抗用紙への作像の影響とを示す説明図である。
◎実施の形態の概要
図1は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態の概要を示す。
同図において、画像形成装置は、画像Gを保持して移動する像保持体1と、像保持体1の画像保持面に接触して配置される転写部材2aを有し、像保持体1と転写部材2aとで記録媒体Sを挟持して搬送すると共に、像保持体1と転写部材2aとの間の転写域TRに転写電界を作用させて像保持体1に保持された画像Gを記録媒体Sに静電転写させる転写装置2と、転写装置2の転写域TRの入口側に接地した状態で設けられ、転写域TRに向けて記録媒体Sを案内する案内部材3と、転写域TRへ向かって走行する記録媒体Sの種類を判別する判別器4と、判別器4にて判別された記録媒体Sが予め決められた表面抵抗値以下又は媒体基材面に沿って導電層を有する低抵抗の条件では、案内部材3の接地条件として予め決められた高抵抗接地(高抵抗Rを介して接地)の抵抗値よりも低い抵抗値の低抵抗接地(低抵抗Rを介して接地)に切り替える切替器5と、を備える。
尚、図1では、転写装置2は、転写部材2aに対向する像保持体1の裏面に対向部材2bを設置し、当該対向部材2bに転写電源2cから転写電圧を印加することで転写域TRに画像Gを転写するための転写電界を形成するものである。また、符号7は判別器4からの判別信号に基づいて切替器5を切り替えるための制御信号を送出する制御装置である。
このような技術的手段において、本実施の形態は、低抵抗の記録媒体Sについての転写性能の改善対策を企図したものであり、記録媒体Sの種類としては適宜選定して差し支えないが、主としてメタリック用紙等の低抵抗の記録媒体Sを転写対象として加える上で有効である。
本例において、像保持体1は画像Gを保持するものであれば、中間転写方式の中間転写体は勿論、直接転写方式の感光体、誘電体をも含む。
また、案内部材3は、図1では第1の案内部材3aと第2の案内部材3bとに分かれた態様が示されているが、これに限られるものではなく、2つに分かれていない態様であってもよいし、3以上に分かれた態様でもよい。ここで、案内部材3のうち、転写域TRに近い案内部材(本例では第2の案内部材3b)については、例えば記録媒体Sとして表面抵抗値が高い高抵抗のもの(低抵抗の記録媒体S以外で表面抵抗値1010〜1012Ω程度の普通紙も含む)を使用したとしても、高湿環境時には記録媒体Sの含水率が高くなるため、転写域TRに流れる転写電流が案内部材3(本例では第2の案内部材3b)を通じて不必要に漏洩しないように、案内部材3(本例では第2の案内部材3b)を高抵抗接地する構造が多く採用される。尚、転写域TRから離れた位置の案内部材(本例では第1の案内部材3a)については、転写域TRからの距離分だけ記録媒体Sの表面抵抗が大きくなるほか、走行中の摩擦帯電による電荷の蓄積を抑制するという観点から、低抵抗接地する構造が多く採用される。
更に、判別器4は走行中の記録媒体Sの表面抵抗値を検出して判別する態様に限らず、記録媒体Sの種類を選別器等で選別し、これに基づいて判別する態様でもよい。
そして、判別器4による判別条件として記録媒体Sが低抵抗である条件では、予め決められた表面抵抗値以下のもののほか、媒体基材面に沿って導電層を有する態様(所謂メタリック用紙に相当)を含むことにした。後者のものを別途記載したのは、JIS規格に則った表面抵抗測定法にて測定される抵抗値そのものは閾値レベル以下にはならないものの、転写電圧のような高電圧を印加したときには実質的に低抵抗として作用するものが存在することによる。
また、切替器5の切り替えは手動、自動のいずれでもよい。また、低抵抗接地は予め決められた高抵抗接地の抵抗値より低い抵抗値を介していればよく、後述するように、抵抗値0の態様も含む。そして、案内部材3は通常対構成で記録媒体Sの搬送経路を規制する態様が多く採用されているが、対構成の案内部材3に対して夫々抵抗を介して接地する態様でもよいし、対構成の案内部材3の一部を接触させ、一方の案内部材3に抵抗を介して接地する態様をも含む。
本実施の形態によれば、判別器4により記録媒体Sが低抵抗であると判別されたときに、切替器5は案内部材3(図1では転写域TRに近い第2の案内部材3b)を高抵抗接地から低抵抗接地に切り替える。このとき、案内部材3を通過する低抵抗の記録媒体Sが転写域TRに至ると、転写域TRには転写電源2cからの転写電圧による転写電界が作用しているが、転写部材2a側のシステム抵抗に比べて、低抵抗の記録媒体S及び案内部材3の低抵抗接地の抵抗が小さいので、転写電界による転写電流は転写部材2a側には流れず、低抵抗の記録媒体Sを通電経路として案内部材3(図1では第2の案内部材3b)から低抵抗接地への通電経路に流れる。このため、記録媒体Sの先端が転写域TRに到達してから、記録媒体Sの後端が案内部材3(図1では第2の案内部材3b)を抜けるまでの間、転写域TRには転写電流が安定的に供給される。
これに対し、例えば案内部材3のうち、転写域TRに近い第2の案内部材3bを高抵抗接地したままの態様で、低抵抗の記録媒体Sが転写域TRに至る状況を想定すると、低抵抗の記録媒体Sが転写域TRから離れた箇所に位置する案内部材3(図1では第1の案内部材3a)を通過するときには、転写域TRの転写電流は低抵抗の記録媒体Sを通電経路として第1の案内部材3aから低抵抗接地への通電経路に流れるが、記録媒体Sの後端が第1の案内部材3aを抜けると、転写域TRの転写電流は低抵抗の記録媒体Sを通電経路として第2の案内部材3bから高抵抗接地への通電経路に流れる。このとき、第1の案内部材3aと第2の案内部材3bの接地条件の違いから、低抵抗の記録媒体Sが第1の案内部材3aを抜けた段階で転写域TRの転写電流が変化してしまい、記録媒体Sの後端付近で転写不良が起こり易くなる懸念がある。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の代表的態様又は好ましい態様について説明する。
先ず、切替器5の好ましい態様としては、転写部材2aの抵抗値よりも大きい高抵抗を用いた高抵抗接地を採用する態様が挙げられる。本例は、記録媒体Sとして表面抵抗値の高い高抵抗のもの(低抵抗の記録媒体S以外のものに相当)を使用したとすると、記録媒体Sが案内部材3と転写域TRとの間に跨がって配置されたとしても、転写域TRの転写電流が記録媒体Sを通電経路として案内部材3側に流れることは少ないが、例えば転写部材2aの抵抗値以下の高抵抗接地を採用したと仮定すると、転写部材2a側に比べて案内部材3側の方がシステム抵抗が大きいとは言えないことから、転写域TRの転写電流の一部が記録媒体Sを介して案内部材3側から漏洩する可能性が高くなるが、本態様では、このような転写電流の漏洩は起こり難い点で好ましい。
また、切替器5の別の好ましい態様としては、抵抗値0の低抵抗接地を採用する態様である。本例では、低抵抗の記録媒体Sを使用したときに、低抵抗接地によるシステム抵抗を抑えることが可能になる分、転写域TRの転写電流は十分に確保される。
更に、切替器5の別の好ましい態様としては、判別器4が記録媒体Sの種類として予め決められた抵抗値以上の高絶縁性の記録媒体Sを判別した条件では、切替器5は高抵抗接地に代えて除電バイアスBdを介したバイアス接地に切り替える態様が挙げられる。本例では、高絶縁性の記録媒体Sの条件では、高抵抗接地に代えてバイアス接地を付加した態様である。ここで、対構成の案内部材3(本例では第2の案内部材3b)をバイアス接地する態様では、一方に除電バイアスBdを与え、他方を接地する構成が必要になるため、両者を非接触配置にするか、接触状態を解除するスイッチ機構などを設けるようにすればよい。
また、切替器5の自動切り替え方式としては、判別器4による記録媒体Sの種類の判別信号に基づいて接地条件を自動的に切り替えるようにすればよい。
更に、切替器5の簡易構成例としては、抵抗値が変化する可変抵抗器を用いるようにすればよい。
更にまた、判別器4の好ましい態様としては、走行する記録媒体Sの表面抵抗を検出する検出器からの検出信号に基づいて記録媒体Sの種類を判別するものが挙げられる。
また、案内部材3の代表的態様としては、転写域TRから離れた部位に設けられる第1の案内部材3aと、当該第1の案内部材3aと転写域TRとの間に設けられる第2の案内部材3bとを有し、第2の案内部材3bには接地条件が切り替えられる切替器5を付加すると共に、第1の案内部材3aを第2の案内部材3bの高抵抗接地の抵抗値よりも低い低抵抗接地にする態様が挙げられる。本例は、案内部材3が2つの要素に分かれた態様においては、第2の案内部材3b側に切替器5を付加し、第1の案内部材3aを低抵抗接地する態様を示す。
また、転写装置2の好ましい態様としては、判別器4にて判別された記録媒体Sが予め決められた表面抵抗値以下又は媒体基材面に沿って導電層を有する低抵抗の条件では、転写域TRに供給される転写電流を定電流に制御する定電流制御部を有する態様が挙げられる。本例は、記録媒体Sが低抵抗の条件では、案内部材3の接地条件を切り替えることに加え、転写域TRに供給される転写電流を定電流制御する。このため、本例では、低抵抗の記録媒体Sが案内部材3を抜けたとき、転写域TRの転写電流が転写部材2a側に流れることから、転写域TRのシステム抵抗が変化するが、定電流制御することで所望の転写電界を確保する。
また、主として、高絶縁性の記録媒体Sについての転写性能の改善対策を企図する場合には、以下のような態様にすればよい。
つまり、本態様としては、画像を保持して移動する像保持体1と、像保持体1の画像保持面に接触して配置される転写部材2aを有し、像保持体1と転写部材2aとで記録媒体Sを挟持して搬送すると共に、像保持体1と転写部材2aとの間の転写域TRに転写電界を作用させて像保持体1に保持された画像を記録媒体Sに静電転写させる転写装置2と、転写装置2の転写域TRの入口側に接地した状態で設けられ、転写域TRに向けて記録媒体Sを案内する案内部材3と、転写域TRへ向かって走行する記録媒体Sの種類を判別する判別器4と、判別器4にて判別された記録媒体Sが予め決められた表面抵抗値以上の高絶縁性の記録媒体である条件では、案内部材3の接地条件として予め決められた高抵抗接地に代えて除電バイアスBdを介したバイアス接地に切り替える切替器5と、を備えたものであればよい。
◎実施の形態1
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
図2は実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す。
−画像形成装置の全体構成−
同図において、画像形成装置20は、画像形成装置筐体21内に、複数の色成分(本実施の形態ではホワイト#1、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラック、ホワイト#2)画像を形成する各画像形成部22(具体的には22a〜22f)と、各画像形成部22にて形成された各色成分画像を順次転写(一次転写)保持するベルト状の中間転写体30と、中間転写体30上に転写された各色成分画像を記録媒体としての用紙に二次転写(一括転写)する二次転写装置(一括転写装置)50と、二次転写された画像を用紙上に定着させる定着装置70と、二次転写域に用紙を搬送する用紙搬送系80と、を備えている。尚、本例では、ホワイト#1、ホワイト#2は全く同色の白色材料を用いているが、用紙上他の色成分画像よりも下層に位置するか、上層に位置するかによって異なる白色材料を用いたものでもよいことは勿論である。また、例えば一方のホワイト#1に代えて透明色の材料を用いるようにしてもよい。
−画像形成部−
本実施の形態において、各画像形成部22(22a〜22f)は、夫々ドラム状の感光体23を有し、各感光体23の周囲には、感光体23が帯電されるコロトロンや転写ロール等の帯電装置24、帯電された感光体23上に静電潜像が書き込まれるレーザ走査装置等の露光装置25、感光体23上に書き込まれた静電潜像が各色成分トナーにて現像される現像装置26、感光体23上のトナー画像が中間転写体30に転写される転写ロール等の一次転写装置27及び感光体23上の残留トナーが除去される感光体清掃装置28を夫々配設したものである。
また、中間転写体30は、複数(本実施の形態では三つ)の張架ロール31〜33に掛け渡されており、例えば張架ロール31が図示外の駆動モータにて駆動される駆動ロールとして用いられ、当該駆動ロールにて循環移動するようになっている。更に、張架ロール31,33間には二次転写後の中間転写体30上の残留トナーを除去するための中間転写体清掃装置35が設けられている。
−二次転写装置(一括転写装置)−
更に、二次転写装置(一括転写装置)50は、図2及び図3に示すように、複数(例えば2つ)の張架ロール52(具体的には52a,52b)に転写搬送ベルト53が張架されたベルト転写モジュール51を中間転写体30の表面に接触するように配置したものである。
ここで、転写搬送ベルト53はクロロプレン等の材料を用いた体積抵抗率10〜1012Ω・cmの半導電性ベルトであり、一方の張架ロール52aを弾性転写ロール55として構成し、この弾性転写ロール55を転写搬送ベルト53を介して中間転写体30に二次転写域(一括転写域)TRにて圧接配置すると共に、中間転写体30の張架ロール33を弾性転写ロール55の対向電極をなす対向ロール56として対向配置し、一方の張架ロール52a位置から他方の張架ロール52b位置に向けて用紙Sの搬送経路を形成するものである。
また、本例では、弾性転写ロール55は金属製シャフトの周囲に発泡ウレタンゴムやEPDMにカーボンブラック等が配合された弾性層を被覆した構成になっている。そして、本例では、ベルト転写モジュール51の各張架ロール52(52a,52b)はいずれも接地されており、転写搬送ベルト53への帯電を防止するようになっている。また、転写搬送ベルト53の下流端での用紙Sの剥離性を考慮すると、下流側の張架ロール52bを上流側の張架ロール52aよりも小径にすることが有効である。
更に、対向ロール56(本例では張架ロール33を兼用)には導電性の給電ロール57を介して転写電源60からの転写バイアスVTRが印加されており、弾性転写ロール55及び対向ロール56間に所定の転写電界が形成されるようになっている。
そして、本例では、転写電源60と給電ロール57との間には定電流制御回路61が直列に接続されており、定電流制御回路61と転写電源60との間には選択スイッチ62が設けられ、定電流制御回路61側の通電経路と当該定電流制御回路61を迂回する迂回経路とのいずれかが選択されるようになっている。
−定着装置−
定着装置70は、図2に示すように、用紙の画像保持面側に接触して配置される駆動回転可能な加熱定着ロール71と、当該加熱定着ロール71に対向して圧接配置され、加熱定着ロール71に追従して回転する加圧定着ロール72とを有し、両定着ロール71,72間の転写領域に用紙上に保持された画像を通過させ、当該画像を加熱加圧定着するものである。
−用紙搬送系−
更に、用紙搬送系80は、図2及び図3に示すように、複数段(本例では二段)の用紙供給容器81,82を有し、用紙供給容器81,82のいずれかから供給される用紙Sを略鉛直方向に延びる鉛直搬送路83から略水平方向に延びる水平搬送路84を経て二次転写域TRへと至り、その後、転写された画像が保持された用紙Sを、搬送ベルト85を経由して定着装置70による定着部位に至り、画像形成装置筐体21の側方に設けられた用紙排出受け86に排出するものである。
そして更に、用紙搬送系80は、水平搬送路84のうち定着装置70の用紙搬送方向下流側に位置する部分から下方に向かって分岐する反転可能な分岐搬送路87を有し、当該分岐搬送路87で反転された用紙Sを戻し搬送路88を経て再び鉛直搬送路83から水平搬送路84へと戻し、二次転写域TRにて用紙Sの裏面に画像を転写し、定着装置70を経て用紙排出受け86へ排出するようになっている。
また、用紙搬送系80には用紙Sを位置合せして二次転写域TRに供給する位置合せロール90のほか、各搬送路83,84,87,88には適宜数の搬送ロール91が設けられている。
更にまた、画像形成装置筐体21の用紙排出受け86の反対側には水平搬送路84に向かって手差し用紙が供給可能な手差し用紙供給器95が設けられている。
−案内シュート−
更に、水平搬送路84の二次転写域TRの入口側には位置合せロール90を通過した用紙Sを二次転写域TRへ案内する複数(本例では2つ)の案内シュート92,93が設けられている。本例では、二次転写域TRから離れた前段に位置する案内シュート92は位置合せロール90を通過した用紙Sを後段に位置する案内シュート93の入口に案内するものであり、後段案内シュート93は二次転写域TRに向けて用紙Sを案内するものであり、前段案内シュート92及び後段案内シュート93は夫々異なる傾斜姿勢にて配置されている。
更に、二次転写域TRから離れた位置に配置される前段案内シュート92は直接接地されており、二次転写域TRに近い位置に配置される後段案内シュート93は切替器96を介して接地条件が切り替え可能になっている。
<切替器>
本例において、切替器96は、図4に示すように、用紙種に応じて接地条件を切り替えるものであり、高抵抗Rを介して接地する高抵抗接地と、低抵抗Rを介して接地する低抵抗接地とを切替スイッチ97にて切り替え選択するようになっている。
本例では、高抵抗Rはベルト転写モジュール51の抵抗値よりも高い抵抗値のものが選定されており、低抵抗接地は低抵抗Rが0の直接接地構造になっている。
ここで、図4を用いて切替器96の具体的な構成例1−1〜1−3について説明する。
●構成例1−1:
切替器96の構成例1−1は、図4(a)に示すように、後段案内シュート93を構成する対構成のシュート部材93a,93bの一部を接触させ、一方のシュート部材93aに切替器96としての要素を接続し、切替スイッチ97の接点A側を高抵抗接地し、接点B側を低抵抗接地するようにしたものである。
●構成例1−2:
切替器96の構成例1−2は、図4(b)に示すように、後段案内シュート93を構成する対構成のシュート部材93a,93bを非接触配置し、両方のシュート部材93a,93bに夫々切替器96(具体的には96a,96b)の要素を接続し、切替スイッチ97の接点A側を高抵抗接地し、接点B側を低抵抗接地するようにしたものである。尚、切替器96(96a,96b)の各切替スイッチ97は接点A,Bを同期して切り替えるようになっている。
●構成例1−3:
切替器96の構成例1−3は、図4(c)に示すように、後段案内シュート93を構成する対構成のシュート部材93a,93bの一部を接触させ、一方のシュート部材93aに切替器96としての要素として切替スイッチ97に代えて可変抵抗器98を接続し、可変抵抗器98にて高抵抗R又は低抵抗Rを生成し、高抵抗接地又は低抵抗接地するようにしたものである。
−用紙種−
本例で使用可能な用紙Sとしては、例えば表面抵抗1010〜1012Ω/□の普通紙は勿論、普通紙よりも表面抵抗が低い低抵抗用紙Smが挙げられる。
ここで、低抵抗用紙Smの代表的態様としては、例えば図5(a)に示すように、用紙基材からなる基材層100上にアルミニウム等の金属層101を積層すると共に、当該金属層101をPET等の合成樹脂製の表層102で被覆する所謂メタリック用紙と称されるものがある。尚、基材層100と金属層101との間にPET等からなる接着層を設けるようにしたものもある。
この種のメタリック用紙には予め決められた表面抵抗値(例えば10〜10Ω/□)以下のものもあるが、例えば高抵抗素材の表層102を具備したメタリック用紙のように、JIS規格に則った表面抵抗測定法にて測定される抵抗値そのものは閾値レベル以下にはならないものの、転写電圧VTRを印加したときには実質的に低抵抗として作用するものもある。
この種の低抵抗用紙Smとしてのメタリック用紙には例えばYMCK(イエロ、マゼンタ、シアン、ブラック)からなるカラー画像を直に形成することも可能であるが、例えば図5(a)に示すように、メタリック用紙上に例えば図2に示す画像形成部22fを用いてホワイト(白色)Wによる背景画像としての白色画像Gを形成すると共に、白色画像G上に図2に示す画像形成部22b〜22eを用いてYMCKによるカラー画像GYMCKを形成するようにしてもよいし、あるいは、図5(b)に示すように、メタリック用紙上に例えば図2に示す画像形成部22b〜22eを用いたYMCKによるカラー画像GYMCKを形成すると共に、カラー画像GYMCK上に図2に示す画像形成部22aを用いてホワイト(白色)Wによる白色画像Gを形成するようにしてもよい。
尚、低抵抗用紙Smには、例えばカーボンブラック等の導電材を含む黒紙等が挙げられる。
−判別器の構成例−
本例では、図3に示すように、用紙搬送系80の鉛直搬送路83又は水平搬送路84の一部に用紙種を判別するための判別器110が設けられている。この判別器110は、例えば図5(c)に示すように、用紙Sの搬送方向に沿って対構成の判別ロール111,112を並設し、用紙Sの搬送方向上流側に位置する対構成の判別ロール111の一方には判別用電源113を接続すると共に、他方を抵抗114を介して接地し、用紙Sの搬送方向下流側に位置する対構成の判別ロール112の一方と接地との間に電流計115を設けるようにしたものである。尚、判別ロール111,112としては用紙Sの搬送部材(位置合せロール90や搬送ロール91)を兼用してもよいし、搬送部材とは別に設けるようにしてもよい。
本例では、例えば用紙Sとして普通紙(低抵抗用紙以外の高抵抗用紙を含む)が使用されると仮定すると、普通紙の表面抵抗はある程度大きいことから、対構成の判別ロール111,112間に普通紙が跨がって配置されたとしても、判別用電源113からの判別電流は、図5(c)に点線で示すように、対構成の判別ロール111を横切るように流れ、用紙Sを伝わって判別ロール112側の電流計115に至るものはほとんどない。
これに対し、用紙Sとしてメタリック用紙等の低抵抗用紙が使用されると仮定すると、低抵抗用紙の表面抵抗は普通紙に比べて小さいことから、対構成の判別ロール111,112間に低抵抗用紙が跨がって配置された場合、判別用電源113からの判別電流の一部は、図5(c)に実線で示すように、対構成の判別ロール111を横切るように流れると共に、判別電流の残りは用紙Sを伝わって判別ロール112側の電流計115に至り、電流計115にて測定された測定電流と判別用電源113の印加電圧とによって用紙Sの表面抵抗が演算されて用紙種が判別される。
尚、本例では、判別器110は搬送中の用紙Sの表面抵抗を測定することで用紙種を判別する態様であるが、例えばユーザが使用する用紙種を指定したときの指定信号に基づいて用紙種を判別するようにしたものでもよい。
−画像形成装置の駆動制御系−
本実施の形態において、図3に示すように、符号120は画像形成装置の作像処理を制御する制御装置であり、この制御装置120は、CPU、ROM、RAM及び入出力インタフェースを含むマイクロコンピュータからなり、入出力インタフェースを介して図示外のスタートスイッチや作像モードを選択するモード選択スイッチ等のスイッチ信号や各種センサ信号、更には、用紙種を判別する判別器110からの用紙判別信号等の各種入力信号を取り込み、ROMに予め格納されている作像制御プログラム(図6参照)をCPUで実行し、駆動制御対象に対する制御信号を生成した後に、各駆動制御対象(切替器96、選択スイッチ62)に制御信号を送出するようになっている。
−画像形成装置の作動−
今、図2に示す画像形成装置において、表面抵抗の異なる用紙Sが混在して使用される場合を想定すると、図6に示すように、図示外のスタートスイッチをオン操作することで画像形成装置によるプリント(作像処理)が開始される。
このとき、用紙Sは用紙供給容器81,82又は手差し用紙供給器95のいずれかから供給され、所定の搬送経路を経て二次転写域TRに向かって搬送されるが、二次転写域TRに至る前の搬送途中において、判別器110による用紙Sの表面抵抗の測定(用紙種の判別処理)が実施される。
制御装置120は、判別器110の判別結果に基づいて用紙Sが低抵抗用紙か否かを判別し、低抵抗用紙の場合には、切替器96により後段案内シュート93を低抵抗接地に切り替え選択すると共に、選択スイッチ62にて定電流制御回路61を選択して定電流制御を実施可能とする。
一方、制御装置120は、用紙Sが低抵抗用紙ではないと判別すると、切替器96により後段案内シュート93に対し高抵抗接地を維持するように切り替え選択する。尚、選択スイッチ62は定電流制御回路61を迂回する迂回経路を選択した状態である。
この後、用紙Sが二次転写域TRに至ると、各画像形成部22(22a〜22f)にて形成されて中間転写体30に一次転写された画像Gは用紙Sに二次転写され、定着装置70による定着処理を経て用紙排出受け86に排出され、一連のプリント(作像処理)が終了する。
−二次転写動作過程−
<普通紙>
今、用紙Sが普通紙の場合には、図3及び図6に示すように、定電流制御回路61が選択されないので、二次転写域TRには転写電源60による転写電圧VTRが印加され、ベルト転写モジュール51側に転写電流が流れる。
この状態において、用紙Sは案内シュート92,93を経て二次転写域TRに至り、二次転写域TRにて中間転写体30上の画像Gが用紙Sに二次転写される。このとき、用紙Sが二次転写域TRを通過する間、用紙Sが案内シュート92,93に接触していたとしても、用紙Sの表面抵抗はある程度高いため、二次転写域TRでの転写電流の一部が用紙Sを通電経路として案内シュート92,93の接地に至る通電経路を経て漏れることはなく、二次転写域TRにおける用紙Sに対する転写動作は安定して行われ、用紙Sの一部にて画像濃度が低下する等のトラブルは発生しない。
<低抵抗用紙>
次に、用紙Sが低抵抗用紙(例えばメタリック用紙)Smである場合について説明する。
この場合には、図3、図6及び図7(a)に示すように、後段案内シュート93が低抵抗接地(本例では直接接地)され、定電流制御回路61による定電流制御が実施される。
このため、二次転写域TRには転写電源60による転写電圧VTRが定電流制御回路61を経て印加される。
この状態において、後段案内シュート93が低抵抗接地(本例では直接接地)されているため、後段案内シュート93から接地に至る抵抗成分は略0であり、ベルト転写モジュール51のシステム抵抗に比べて十分に小さい。
今、低抵抗用紙Smの後端が前段案内シュート92を通過する前であると仮定すると、図7(a)に示すように、低抵抗用紙Smは二次転写域TRと前段案内シュート92との間に跨がって配置されているが、前段案内シュート92、後段案内シュート93はいずれも低抵抗接地(本例では直接接地)されているため、二次転写域TRに流れる転写電流ITRは図7(a)の実線に示すように、低抵抗用紙Smを通電経路として、前段案内シュート92よりも二次転写域TRに近い後段案内シュート93から接地に至る通電経路へと流れる。このため、二次転写域TRでは、中間転写体30の画像Gに対し低抵抗用紙Sm側に向かう転写電界が作用し、安定した二次転写動作が行われる。
次いで、低抵抗用紙Smが前段案内シュート92を通過すると、図7(b)に示すように、低抵抗用紙Smの後端は後段案内シュート93を接触しながら通過することになり、低抵抗用紙Smは二次転写域TRと後段案内シュート93との間に跨がって配置される。
このとき、後段案内シュート93は低抵抗接地されていることから、二次転写域TRの転写電流ITRは低抵抗用紙Smを通電経路として後段案内シュート93から接地に至る通電経路へと流れる。この状態において、二次転写域TRの転写電流ITRは前段案内シュート92の通過前と通過後との間で変化することなく、後段案内シュート93から接地に至る通電経路へと流れているため、二次転写域TRでは、安定した二次転写動作が継続的に行われる。
特に、本例では、二次転写域TRには定電流制御回路61を経た転写電流ITRが供給されるので、二次転写域TRの転写電流ITRは定電流に保たれる。
ここで、図9(a)は、本実施の形態の二次転写域TR周りの各要素のインピダンスを以下のように定義し、その等価回路を模式的に示したものである。
BUR+ITB:対向ロール56+中間転写体30のインピダンス
BTB+DR:ベルト転写モジュール51(転写搬送ベルト53+弾性転写ロール55)のインピダンス
toner:トナーのインピダンス
Z基材層:低抵抗用紙Smの基材層100のインピダンス
Z金属層:低抵抗用紙Smの金属層101のインピダンス
Z表層:低抵抗用紙Smの表層102のインピダンス
Chute(f):前段案内シュート92のインピダンス
Chute(r):後段案内シュート93のインピダンス
尚、図9(a)において、VTRは転写電圧、ITRは転写電流を夫々示す。
同図に示す等価回路において、二次転写域TRに転写電圧VTRが印加されると、転写電流ITRはベルト転写モジュール51側には流れず、図9(a)に示すように、低抵抗用紙Smの金属層101を通電経路として後段案内シュート93の接地に至る経路に流れる。ここで、転写電流ITRは、図9(a)に示すように、転写電圧VTRと、対向ロール56及び中間転写体30のインピダンス(ZBUR+ITB)とによって決定される。
このため、低抵抗用紙Smが二次転写域TRと案内シュート92(93)との間に跨がって配置されたとしても、転写電流ITRは低抵抗用紙Sm及び後段案内シュート93を経由して後段案内シュート93の接地に至る経路へと流れ込むことから、二次転写域TRを流れる転写電流ITRは安定した状態を保つ。よって、例えば低抵抗用紙Smの略全域に均一濃度のハーフトーン画像をプリントするとしても、二次転写域TRにて転写電流ITRのムラに起因する転写画像の濃度段差は抑制される。
この後、低抵抗用紙Smの後端が後段案内シュート93を抜けて二次転写域TRを通過する場合には、図7(c)に示すように、低抵抗用紙Smが二次転写域TRと後段案内シュート93との間に跨がって配置された状態から、後段案内シュート93から離れて二次転写域TRを通過する状態へと変化することになり、二次転写域TRの転写電流ITRはベルト転写モジュール51側に流れる。このとき、二次転写域TRのシステム抵抗が変化することから、転写電流ITRが変化しようとするが、本実施の形態では、定電流制御回路61による定電流制御が実施されるため、二次転写域TRのシステム抵抗が変化したとしても、転写電流ITRは定電流を保ち、安定した二次転写動作が行われる。
このため、本実施の形態では、例えば低抵抗用紙Smの略全域に均一濃度のハーフトーン画像をプリントするとしても、低抵抗用紙Smの後端において転写画像に濃度段差が生ずる懸念はない。
尚、本実施の形態では、定電流制御回路61を実施する態様が示されているが、仮に、定電流制御回路61を実施しない態様であるとしても、後段案内シュート93と二次転写域TRとの間の距離を極力短く設定するようにすれば、低抵抗用紙Smの後端が後段案内シュート93を抜けて二次転写域TRのシステム抵抗が変化することに起因する転写電流ITRの変化領域は低抵抗用紙Smの後端の極一部になるため、転写電流ITRの変化に伴う転写不良領域は狭い範囲に抑えられる。
◎比較の形態1
次に、本実施の形態に係る二次転写域TR周りの構成による性能を評価する上で比較の形態1に係る二次転写域TR周りの構成による性能について説明する。
比較の形態1に係る二次転写域TR周りの基本的構成は、図8(a)に示すように、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なり、メタリック用紙等の低抵抗用紙Smを使用する場合であっても、前段案内シュート92の接地条件は低抵抗接地(本例では直接接地)で、かつ、後段案内シュート93の接地条件は高抵抗94(実施の形態1の高抵抗Rと同等)を介して接地(高抵抗接地)のままであり、更に、定電流制御を実施せずに、転写電源60による定電圧の転写電圧VTRを給電ロール57に印加するようにしたものである。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
今、図8(a)に示すように、低抵抗用紙Smの後端が前段案内シュート92を通過する前であると仮定すると、実施の形態1と略同様に、低抵抗用紙Smは二次転写域TRと前段案内シュート92との間に跨がって配置されている。
このとき、前段案内シュート92は低抵抗接地(本例では直接接地)されているため、二次転写域TRの転写電流ITRは低抵抗用紙Smを通電経路として前段案内シュート92から接地に至る経路を流れることになる。このため、二次転写域TRの転写電流ITRは対向ロール56から中間転写体30を経て低抵抗用紙Sm側へと安定的に流れるため、二次転写域TRでは安定した二次転写動作が行われる。
次いで、低抵抗用紙Smが前段案内シュート92を通過すると、図8(b)に示すように、低抵抗用紙Smの後端は後段案内シュート93を接触しながら通過することになり、低抵抗用紙Smは二次転写域TRと後段案内シュート93との間に跨がって配置される。
このとき、後段案内シュート93は前段案内シュート92と異なり高抵抗接地されているため、低抵抗用紙Smが接触する案内シュート92,93との間の接地条件が変化することになるが、案内シュート92,93間の接地条件の差異により、二次転写域TRでは転写電流ITRが変化する懸念がある。
ここで、図9(b)は比較の形態1における二次転写域TR周りの各要素の等価回路を示す。尚、図中の各要素のインピダンスについては図9(a)で定義したものと同様に表記した。
同図において、二次転写域TRに転写電圧VTRが印加されると、例えばベルト転写モジュール51のインピダンスZBTB+DRが後段案内シュート93の高抵抗RによるインピダンスZRHよりも高い場合には、二次転写域TRでは、図9(b)に実線で示すように、転写電源60からの転写電流ITRが低抵抗用紙Smを通電経路として後段案内シュート93から接地に至る通電経路へと流れる。また、ベルト転写モジュール51のインピダンスZBTB+DRが後段案内シュート93の高抵抗RによるインピダンスZRHよりも低い場合には、二次転写域TRでは、転写電源60からの転写電流I’TRは、図9(b)に仮想線で示すように、ベルト転写モジュール51の弾性転写ロール55から接地に至る通電経路へと流れる。但し、いずれの場合であっても、案内シュート92,93間の抵抗条件の差異、あるいは、前段案内シュート92、ベルト転写モジュール51の抵抗条件の差異により、二次転写域TRでは転写電流ITRが変化する懸念がある。このため、例えば低抵抗用紙Smの略全域に均一濃度のハーフトーン画像をプリントする場合には、低抵抗用紙Smの後端付近のうち前段案内シュート92と二次転写域TRとの間の領域にて転写電流ITRのムラに起因する転写画像の濃度段差が生じ易い。
この後、低抵抗用紙Smの後端が二次転写域TRを通過する場合には、図8(c)に示すように、低抵抗用紙Smの後端が後段案内シュート93から離れるため、二次転写域TRでは、転写電源60からの転写電流ITRはベルト転写モジュール51の弾性転写ロール55から接地に至る通電経路へと流れる。このとき、ベルト転写モジュール51のインピダンスZBTB+DRと後段案内シュート93の接地に至る高抵抗RによるインピダンスZRHとの間に差異があれば、二次転写域TRでの転写電流ITRが更に変化するため、例えば低抵抗用紙Smの略全域に均一濃度のハーフトーン画像をプリントする場合には、低抵抗用紙Smの後端付近のうち後段案内シュート93と二次転写域TRとの間にも、二次転写域TRでの転写電流ITRのムラに起因する転写画像の濃度段差が生じ易い。
◎実施の形態2
−二次転写部周りの要部−
図10は実施の形態2に係る画像形成装置の二次転写部周りの要部を示す。
同図において、画像形成装置20の二次転写部周りの基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、後段案内シュート93の接地条件を切り替えるための切替器96が実施の形態1と異なっている。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態において、切替器96は、実施の形態1と略同様に、高抵抗Rを介して接地する高抵抗接地(接点A)と、低抵抗R(本例では抵抗値0)を介して接地する低抵抗接地(接点B)とを切替スイッチ97にて切り替え選択するものであるが、実施の形態1と異なり、更に、予め決められた除電バイアスBdを介して接地するバイアス接地(接点C)を切替スイッチ97にて切り替え選択するようにしたものである。
本例では、高抵抗Rはベルト転写モジュール51の抵抗値よりも高い抵抗値のものが選定されており、低抵抗接地は低抵抗Rが0の直接接地構造になっている。また、除電バイアスBdは、高抵抗用紙のうち特に表面抵抗が1013Ω以上の高絶縁性用紙(例えばプラスチックフィルム等)に生じ易い走行中の帯電ムラをならすように除電するものであれば適宜選定して差し支えなく、本例では負極性の200〜2000V程度の直流バイアスが選定されている。
ここで、図11を用いて切替器96の具体的な構成例2−1,2−2について説明する。
●構成例2−1:
切替器96の構成例2−1は、図11(a)に示すように、後段案内シュート93を構成する対構成のシュート部材93a,93bの一部を接触させ、一方のシュート部材93aに切替器96としての要素を接続し、切替スイッチ97の接点Aを高抵抗接地し、接点Bを低抵抗接地し、接点Cをバイアス接地するようにしたものである。そして、本例では、対構成のシュート部材93a,93b間の接続経路中に第1の開閉スイッチ131を介在させ、更に、他方のシュート部材93bを第2の開閉スイッチ132を介して接地し、以下に示すように、切替スイッチ97の接点位置に連動して各開閉スイッチ131,132を開閉するようにしたものである。
切替スイッチ97 第1の開閉スイッチ131 第2の開閉スイッチ132
高抵抗接地 オン オフ
直接接地 オン オフ
バイアス接地 オフ オン
つまり、切替器96が一方のシュート部材93aに対して高抵抗接地、直接接地を選択したときには、対構成のシュート部材93a,93bを一部接触させ、他方のシュート部材93bを非接地状態にすればよく、また、切替器96が一方のシュート部材93aに対してバイアス接地を選択するときには、対構成のシュート部材93a,93bを非接触配置し、更に、他方のシュート部材93bを直接接地するようにすればよい。
●構成例2−2:
切替器96の構成例2−2は、図11(b)に示すように、後段案内シュート93を構成する対構成のシュート部材93a,93bを非接触配置し、一方のシュート部材93aには第1の切替器96aを接続し、第1の切替スイッチ133の接点A側を高抵抗接地し、接点B側を低抵抗接地(本例では直接接地)し、接点C側をバイアス接地するようにしたものであり、他方のシュート部材には第2の切替器96bを接続し、第2の切替スイッチ134の接点D側を高抵抗接地し、接点E側を低抵抗接地(本例では直接接地)するようにしたものであり、以下に示すように、第1の切替スイッチ133に連動して、第2の切替スイッチ134を切替選択するようになっている。
第1の切替スイッチ133 第2の切替スイッチ134
高抵抗接地 高抵抗接地
直接接地 直接接地
バイアス接地 直接接地
−画像形成装置の作動−
今、図10に示す画像形成装置において、表面抵抗の異なる用紙Sが混在して使用される場合を想定すると、図12に示すように、図示外のスタートスイッチをオン操作することで画像形成装置によるプリント(作像処理)が開始される。
このとき、用紙Sは用紙供給容器81,82又は手差し用紙供給器95のいずれかから供給され、所定の搬送経路を経て二次転写域TRに向かって搬送されるが、二次転写域TRに至る前の搬送途中において、判別器110による用紙Sの表面抵抗の測定(用紙種の判別処理)が実施される。
制御装置120は、判別器110の判別結果に基づいて用紙Sが低抵抗用紙か否かを判別し、低抵抗用紙の場合には、切替器96により後段案内シュート93を低抵抗接地に切り替え選択すると共に、選択スイッチ62にて定電流制御回路61を選択して定電流制御を実施可能とする。
一方、制御装置120は、用紙Sが低抵抗用紙ではないと判別すると、高抵抗用紙のうち特に表面抵抗が1013Ω/□以上の高絶縁性用紙かを判別し、高絶縁性用紙であるときには切替器96により後段案内シュート93に対しバイアス接地を切替選択することで後段案内シュート93に除電バイアスBdを印加する。また、用紙Sが高抵抗用紙のうち高絶縁性用紙以外であるときには切替器96により後段案内シュート93に対し高抵抗接地を維持するように切替え選択する。尚、用紙Sが高抵抗用紙であるときには選択スイッチ62は定電流制御回路61を迂回する迂回経路を選択した状態である。
この後、用紙Sが二次転写域TRに至ると、各画像形成部22(22a〜22f)にて形成されて中間転写体30に一次転写された画像Gは用紙Sに二次転写され、定着装置70による定着処理を経て用紙排出受け86に排出され、一連のプリント(作像処理)が終了する。
−二次転写動作過程−
今、用紙Sが普通紙又は低抵抗用紙の場合には、図10及び図12に示すように、実施の形態1と略同様な二次転写動作が実施される。
<高絶縁性用紙>
次に、用紙Sが高抵抗用紙のうち特に高絶縁性用紙Stである場合には、図13(a)に示すように、二次転写域TRには転写電源60による転写電圧VTRが印加され、ベルト転写モジュール51側に転写電流ITRが流れる。また、後段案内シュート93は切替器96によりバイアス接地され、後段案内シュート93には除電バイアスBdが印加されている。
このとき、高絶縁性用紙Stは二次転写域TRに至るまでの走行中に案内部材や搬送部材等と摺擦することに起因して局所的に帯電し、二次転写域TRに至る段階で高絶縁性用紙Stに帯電ムラが発生する懸念がある。しかしながら、高絶縁性用紙Stは除電バイアスBdが印加された後段案内シュート93に接触しながら移動するため、図13(a)に示すように、高絶縁性用紙Stの帯電電位Vpは除電バイアスBdにより略均等な帯電レベルにならされた後に二次転写域TRに到達する。よって、二次転写域TRでの二次転写動作中に、高絶縁性用紙Stの帯電ムラに起因する転写不良が生ずる懸念は少ない。
特に、導電性の高い作像材料(例えば白トナー)を使用する場合には、そもそも中間転写体30に対する白トナーの静電付着力が弱いことから、高絶縁性用紙Stに帯電ムラがある態様では白トナーの転写ムラにつながり易いという懸念があるものの、本実施の形態では前述したような懸念は全くない。
◎比較の形態1
次に、本実施の形態に係る二次転写域TR周りの構成による性能を評価する上で比較の形態1に係る二次転写域TR周りの構成による性能について説明する。
比較の形態1に係る二次転写域TR周りの基本的構成は、図13(b)に示すように、実施の形態2と異なり、用紙種とは無関係に、前段案内シュート92の接地条件は低抵抗接地(本例では直接接地)で、かつ、後段案内シュート93の接地条件は高抵抗接地のままであり、更に、転写電源60による定電圧の転写電圧VTRを印加するようにしたものである。
このとき、高絶縁性用紙Stが位置合せロール90、案内シュート92,93を経て二次転写域TRに至ったものと仮定すると、二次転写域TRの直前に位置する高絶縁性用紙Stの帯電電位Vpを調べたところ、高絶縁性用紙Stには走行中の摺擦に起因した帯電ムラがそのまま残存する懸念があり、高絶縁性用紙Stの帯電ムラがそのまま転写ムラにつながり易いことが判明した。つまり、高絶縁性用紙Stが高抵抗接地された後段案内シュート93を通過したとしても、その帯電ムラが除電されることはほとんどないことが理解される。
◎実施例1
実施例1は、実施の形態1に係る画像形成装置を具現化し、メタリック用紙等の低抵抗用紙Smを使用する場合の一例を示す。
本実施例では、用紙種を判別する判別器110は、図5(c)に示すように、判別用電源113から判別用電圧を印加したときに電流計115を流れる電流をモニタし、ある閾値を超えて電流が流れる条件で低抵抗用紙Smと判断するようにすればよい。例えば判別用電源113による判別用電流として130μAをかけた場合に、メタリック用紙等の低抵抗用紙Smを通過させると、電流計115のモニタ電流としては半分近い60μAが検出され、普通紙の場合に30μA未満であると仮定すれば、電流計115の閾値として30μAを選定することで低抵抗用紙Smの判別を行うことが可能である。
また、本実施例では、低抵抗用紙Smが二次転写域TRを通過する条件では、図14(a)に示すように、後段案内シュート93を直接接地に切り替え選択し、更に、転写電源60からの転写電圧VTRを定電流制御回路61を介して給電ロール57に印加するようにしたものである。
本実施例によれば、転写電源60及び定電流制御回路61に対して電流計140を直列に接続することで、当該電流計140のモニタ電流を計測したところ、図14(b)に実線で示すように、低抵抗用紙Smの後端付近では転写電圧VTRに変化が見られるものの、図14(b)に点線で示すように、モニタ電流に対応する転写電流ITRは約−100μAの定電流で推移していることが確認された。
この結果、低抵抗用紙Smが二次転写域TRを通過したとしても、二次転写域TRでの転写電界は安定していることから、低抵抗用紙Smに均一濃度のハーフトーン画像Gを形成する作像条件にて作像処理を実施したものに対しても、低抵抗用紙Smの画像は均一濃度のハーフトーン画像Gが形成され、低抵抗用紙Smの後端付近に濃度段差は見られなかった。
◎比較例1
比較例1は、比較の形態1に係る画像形成装置(図8(a)〜(c)参照)を具現化したもので、図15(a)に示すように、後段案内シュート93を高抵抗94(本実施の形態の高抵抗Rと同等)を介して接地(高抵抗接地)し、転写電源60からの転写電圧VTRを給電ロール57に印加するようにしたものである。尚、図15(a)において、比較の形態1と同様な構成要素については同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本比較例1では、ベルト転写モジュール51の弾性転写ロール55と接地との間に電流計141を接続し、二次転写域TRには転写電源60による転写電圧VTRを印加し、低抵抗用紙Smに均一濃度のハーフトーン画像を形成する作像条件にて作像処理を実施し、低抵抗用紙Smが二次転写域TRを通過する間に電流計141を流れる電流をモニタするようにしたものである。
本比較例1においては、図15(a)に示すように、低抵抗用紙Smの後端が前段案内シュート92を抜ける前の状況で二次転写域TRを通過する場合には、二次転写域TRの転写電流ITRは低抵抗用紙Smを通じて前段案内シュート92から接地に至る通電経路を経て流れ、ベルト転写モジュール51側の電流計141に流れるモニタ電流は略0の状態を維持する。
このとき、二次転写域TRでは、転写電流ITRは対向ロール56から中間転写体30を介して低抵抗用紙Smへと流れるため、中間転写体30上の画像Gには低抵抗用紙Sm側に向かう転写電界が作用し、安定した二次転写動作が実施される。
この後、低抵抗用紙Smの後端が前段案内シュート92を抜けると、低抵抗用紙Smは後段案内シュート93に接触することになる。このとき、案内シュート92,93の接地条件(直接接地/高抵抗接地)が異なるため、二次転写域TRに流れる転写電流ITRは低抵抗用紙Smを通電経路として後段案内シュート93から接地に至る通電経路を経て流れるものの、転写電流ITRは変化する傾向を示す。このことは、図15(b)に点線で示すように、電流計141のモニタ電流が低抵抗用紙Smの後端付近において略0レベルであった状態から急激(本例では約−20μA程度)に変化していることからも理解される。この状態においては、二次転写域TRでの転写電流ITRが変化している可能性が高く、低抵抗用紙Smの後端付近(前段案内シュート92から二次転写域TRに至るまでの距離に相当)では転写不良が生じ易く、均一濃度のハーフトーン画像Gに濃度段差Gdが生ずる懸念がある。
1…像保持体,2…転写装置,2a…転写部材,2b…対向部材,2c…転写電源,3…案内部材,3a…第1の案内部材,3b…第2の案内部材,4…判別器,5…切替器,7…制御装置,TR…転写域,R…高抵抗,R…低抵抗,Bd…除電バイアス,G…画像,S…記録媒体

Claims (11)

  1. 画像を保持して移動する像保持体と、
    前記像保持体の画像保持面に接触して配置される転写部材を有し、前記像保持体と前記転写部材とで記録媒体を挟持して搬送すると共に、前記像保持体の画像保持面とは反対側から転写電圧を印加することで前記像保持体と前記転写部材との間の転写域に転写電界を作用させて前記像保持体に保持された画像を前記記録媒体に静電転写させる転写装置と、
    前記転写装置の転写域の入口側に接地した状態で設けられ、前記転写域に向けて前記記録媒体を案内する案内部材と、
    前記転写域へ向かって走行する記録媒体の種類を判別する判別器と、
    前記判別器にて判別された記録媒体が予め決められた表面抵抗値以下又は媒体基材面に沿って導電層を有する低抵抗の条件では、前記案内部材の接地条件として予め決められた高抵抗接地の抵抗値よりも低い抵抗値の低抵抗接地に切り替える切替器と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記切替器は前記転写部材の抵抗値よりも大きい高抵抗を用いた高抵抗接地を採用することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2に記載の画像形成装置において、
    前記切替器は抵抗値0の低抵抗接地を含むことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記判別器が記録媒体の種類として予め決められた抵抗値以上の高絶縁性の記録媒体を判別した条件では、前記切替器は前記高抵抗接地に代えて除電バイアスを介したバイアス接地に切り替えることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記切替器は前記判別器による記録媒体の種類の判別信号に基づいて接地条件を自動的に切り替えることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記切替器は抵抗値が変化する可変抵抗器を用いることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記判別器は走行する記録媒体の表面抵抗を検出する検出器からの検出信号に基づいて記録媒体の種類を判別することを特徴とする画像形成装置。
  8. 画像を保持して移動する像保持体と、
    前記像保持体の画像保持面に接触して配置される転写部材を有し、前記像保持体と前記転写部材とで記録媒体を挟持して搬送すると共に、前記像保持体と前記転写部材との間の転写域に転写電界を作用させて前記像保持体に保持された画像を前記記録媒体に静電転写させる転写装置と、
    前記転写装置の転写域の入口側に接地した状態で設けられ、前記転写域に向けて前記記録媒体を案内する案内部材と、
    前記転写域へ向かって走行する記録媒体の種類を判別する判別器と、
    前記判別器にて判別された記録媒体が予め決められた表面抵抗値以下又は媒体基材面に沿って導電層を有する低抵抗の条件では、前記案内部材の接地条件として予め決められた高抵抗接地の抵抗値よりも低い抵抗値の低抵抗接地に切り替える切替器と、
    を備え、
    前記案内部材は、前記転写域から離れた部位に設けられる第1の案内部材と、当該第1の案内部材と前記転写域との間に設けられる第2の案内部材とを有し、前記第2の案内部材には接地条件が切り替えられる前記切替器を付加すると共に、前記第1の案内部材を前記第2の案内部材の高抵抗接地の抵抗値よりも低い低抵抗接地にすることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記転写装置は、前記判別器にて判別された記録媒体が予め決められた表面抵抗値以下又は媒体基材面に沿って導電層を有する低抵抗の条件では、前記転写域に供給される転写電流を定電流に制御する定電流制御部を有することを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記像保持体は、像形成保持体上の画像を記録媒体に転写する前に中間的に転写して保持する中間転写体であり、前記転写装置は前記中間転写体上の画像を記録媒体に転写するものであることを特徴とする画像形成装置。
  11. 画像を保持して移動する像保持体と、
    前記像保持体の画像保持面に接触して配置される転写部材を有し、前記像保持体と前記転写部材とで前記記録媒体を挟持して搬送すると共に、前記像保持体の画像保持面とは反対側から転写電圧を印加することで前記像保持体と前記転写部材との間の転写域に転写電界を作用させて前記像保持体に保持された画像を前記記録媒体に静電転写させる転写装置と、
    前記転写装置の転写域の入口側に接地した状態で設けられ、前記転写域に向けて前記記録媒体を案内する案内部材と、
    前記転写域へ向かって走行する記録媒体の種類を判別する判別器と、
    前記判別器にて判別された記録媒体が予め決められた表面抵抗値以上の高絶縁性の記録媒体である条件では、前記案内部材の接地条件として予め決められた高抵抗接地に代えて除電バイアスを介したバイアス接地に切り替える切替器と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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