JP6979102B2 - 塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体の製造方法に関する。
ポリウレタン樹脂組成物は、耐摩耗性、屈曲性、可撓性、柔軟性、加工性、接着性、耐薬品性等の諸物性に優れ、かつ各種加工法への適性にも優れるため、電子機器部材、衣料、家具・家電、日用雑貨、建築・土木、及び自動車部材へのコーティング材、インキ、接着剤、塗料等の樹脂成分として、又はフィルム、シート等の各種成形体として広く使用されている。
また、近年、環境負荷低減の意識が高まり、環境に配慮した商品への置換が求められている。塗料分野においては、例えば、有機溶剤の使用量を低減することが要求されており、水性塗料組成物を用いることにより、このような要求を満たすことができる。
ところで、上記コーティング材及び塗料の分野においては、得られる塗膜(コーティング)の強度そして耐久性をより向上させることが求められている。しかしながら、従来のポリウレタン樹脂から得られる塗膜は、柔軟性には優れるが、強度(抗張力)を求められる分野においては要求品質を満足することが困難であった。
ポリウレタン樹脂において得られる塗膜の強度を向上させる方法の1つとして、ポリウレタン樹脂中にウレア結合を導入する方法が挙げられる。ウレア結合は、ウレタン結合と比べて結合力が強く耐加水分解性に優れる。そのため、ウレア結合を導入することによって、得られる塗膜の耐水性、耐食性、耐薬品性や塗膜の強度等の性能を向上させることができると考えられる。
例えば、特開平9−291242号公報(特許文献1)には、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体50〜90重量%及びウレア結合基を有する水性ポリウレタン樹脂50〜10重量%からなる樹脂組成物をバインダーとする水性印刷インキ組成物が記載される(請求項1)。上記特許文献1に記載される水性印刷インキ組成物に含まれる「ウレア結合基を有する水性ポリウレタン樹脂」は、ポリオール及びイソシアネート化合物を予め反応させてイソシアネート基含有プレポリマー溶液を調製し、これに有機溶媒を加え、次いで塩基及び水を加えることによって調製されている(例えば、明細書[0024]段落等)。この手法においては、ウレア結合基を有する水性ポリウレタン樹脂を製造するための工程数が多く、さらに有機溶媒の添加が必要となるため脱有機溶媒工程も必要となる等、製造時間が長くなるという技術的課題がある。加えて、上記ウレア結合基を有する水性ポリウレタン樹脂は水性印刷インキ組成物に用いられる樹脂であるため、塗料組成物の分野において必要とされる物理的強度を満たしていない可能性もある。
特表2019−527273号公報(特許文献2)には、水性ポリウレタン−ポリウレア分散体(PD)及びオレフィン性不飽和モノマーの水性分散体(wD)を含む水性ベースコート材料が記載される。特許文献2には、この水性ベースコート材料によって、自動車塗装におけるマルチコート塗装系(元の仕上げ)及び再仕上げされたマルチコート塗装系の提供が可能となると記載される(例えば、[0010]、[0014]段落等)。上記水性ポリウレタン−ポリウレア分散体(PD)は、ポリウレタンプレポリマーを調製する工程を含む、特定の三段階の方法によって得られると記載される(例えば、[0025]〜[0107]段落等)。
特表2003−518546号公報(特許文献3)には、アルカリ膨潤性コア−シェル付加ポリマー(I)及びポリウレタン(II)を含む水性コーティング組成物が記載され、そして上記ポリウレタン(II)がポリウレタンポリウレアである態様が記載される(請求項1、3)。上記ポリウレタンポリウレアを特許文献3に記載される手順により調製する場合は、反応成分の種類が多いこと、そしてウレタン基及びウレア基の両方が生成すると考えられることから、得られるポリウレタンポリウレア中に含まれるウレア基の割合を調整することが難しいと考えられる。さらに特許文献3に記載される手順においては、低分子量の成分が用いられるため、製造時においてVOC(揮発性有機化合物)排出規制について考慮する必要がある。
特開平9−291242号公報 特表2019−527273号公報 特表2003−518546号公報
上記のように、塗料組成物中に含まれる樹脂成分がウレア基を有することについて開示する先行技術文献はいくつか存在する。一方で、ウレア基を含む樹脂成分の調製においては、プレポリマーを予め調製することが多いため調製時工程数が多く、そのため生成物の物性の制御が必要となる等の技術的課題がある。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、その目的とするところは、塗料組成物の調製において好適に用いることができる塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体を、より簡便に製造する方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は下記態様を提供する。
[1]
塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体の製造方法であって、下記工程:
ポリアミン化合物水分散体を得る、ポリアミン化合物水分散体調製工程、
ポリアミン化合物水分散体と、ポリイソシアネート水分散体とを混合して反応させて、塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体を得る、反応工程、
を包含する、
塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体の製造方法。
[2]
上記ポリアミン化合物水分散体調製工程は、ポリアミン化合物及び界面活性剤を水系溶媒中で混合して、ポリアミン化合物水分散体を調製する工程である、[1]の製造方法。
[3]
上記界面活性剤は、アニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤の少なくとも1種を含む、[2]の製造方法。
[4]
上記アニオン界面活性剤は、リン酸エステル型界面活性剤、カルボン酸型界面活性剤、スルホン酸型界面活性剤及び硫酸エステル型界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
上記ノニオン界面活性剤は、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル類、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル類及びポリオキシアルキレンアルキルエーテル類からなる群より選ばれる少なくとも1種である
[3]の製造方法。
[5]
上記ポリアミン化合物の水分散体に含まれるポリアミン化合物は、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、ポリオキシアルキレン基含有ポリアミン、ポリオキシアルキレン基含有芳香族ポリアミンからなる群から選択される1種又はそれ以上である、
[1]〜[4]いずれかの製造方法。
[6]
上記塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体中のウレア樹脂におけるウレア基濃度が、5〜30質量%の範囲内である、
[1]〜[5]いずれかの製造方法。
[7]
塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体であって、
上記ウレア樹脂水分散体の平均粒子径が100〜1,000nmの範囲内であり、
上記水分散体中のウレア樹脂におけるウレア基濃度が、5〜30質量%の範囲内である、
塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体。
[8]
水性塗料組成物であって、
上記水性塗料組成物は、塗膜形成樹脂(A)、硬化剤(B)及び塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体(C)を含み、
上記ウレア樹脂水分散体の平均粒子径が100〜1000nmの範囲内であり、
上記水分散体中のウレア樹脂におけるウレア基濃度が、5〜30質量%の範囲内である、
水性塗料組成物。
[9]
上記水性塗料組成物における塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体(C)の樹脂固形分含有量は、塗膜形成樹脂(A)、硬化剤(B)及び塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体(C)の樹脂固形分の総量100質量部に対して、5〜30質量部の範囲内である、[8]の水性塗料組成物。
[10]
水性塗料組成物の製造方法であって、下記工程、
[1]〜[6]いずれかの製造方法により得られた塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体(C)及び塗膜形成樹脂(A)を混合して水性主剤(I)を調製し、一方で、硬化剤(B)を含む水性硬化剤(II)を調製することにより、水性塗料組成物を調製する、塗料製造工程、
を包含する、
製造方法。
[11]
水性塗料組成物の製造方法であって、下記工程、
[1]〜[6]いずれかの製造方法により得られた塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体(C)、塗膜形成樹脂(A)及び硬化剤(B)を混合して、水性塗料組成物を調製する、塗料製造工程、
を包含する、
製造方法。
上記製造方法によって、塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体を、より簡便に製造することができる。上記塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体を含む塗料組成物を塗装することによって、塗膜物性が良好である塗膜を形成することができる。
上記塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体の製造方法は、下記工程を包含する製造方法である:
ポリアミン化合物水分散体を得る、ポリアミン化合物水分散体調製工程、
ポリアミン化合物水分散体と、ポリイソシアネート水分散体とを混合して反応させて、塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体を得る、反応工程。
以下、各工程及び各工程で用いられる成分等について記載する。
ポリアミン化合物水分散体調製工程
ポリアミン化合物水分散体調製工程は、ポリアミン化合物を水中に分散させて分散体を得る工程である。塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体の製造において、ポリアミン化合物を水中に分散させてポリアミン化合物水分散体を調製し、このポリアミン化合物水分散体とポリイソシアネート水分散体とを反応させることによって、簡便に室温条件下においても、ウレア反応を良好に進行させることができる利点がある。
ポリアミン化合物水分散体の調製に用いられるポリアミン化合物は、2以上のアミノ基を有する化合物であれば特に限定されない。ポリアミン化合物として、例えば、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、ポリオキシアルキレン基含有ポリアミン、ポリオキシアルキレン基含有芳香族ポリアミン等を挙げることができる。
脂肪族系アミンとしては、例えば、アルキレンポリアミン、ポリアルキレンポリアミン、その他の脂肪族系アミン等が挙げられる。
アルキレンポリアミンとしては、例えば、HN−R−NH(式中、Rは、1個以上の炭素数1〜10の炭化水素基で置換されていてもよい炭素数1〜12の二価の炭化水素基である。)で表されるポリアミン化合物が挙げられる。より具体的には、メチレンジアミン、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン等が挙げられる。
ポリアルキレンポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。
その他の脂肪族系アミンとしては、例えば、テトラ(アミノメチル)メタン、テトラキス(2−アミノエチルアミノメチル)メタン、1,3−ビス(2’−アミノエチルアミノ)プロパン、トリエチレン−ビス(トリメチレン)ヘキサミン、ビス(3−アミノエチル)アミン、ビスヘキサメチレントリアミン等が挙げられる。
脂環式ポリアミンとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルアミン、4,4’−イソプロピリデンビスシクロヘキシルアミン、ノルボルナジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン(MDA)等を含む脂環式ポリアミンが挙げられる。
芳香族ポリアミンとしては、例えば、ビス(アミノアルキル)ベンゼン、ビス(アミノアルキル)ナフタレン、ベンゼン環に結合した2個以上の1級アミノ基を有する芳香族ポリアミン化合物、及びその他の芳香族系ポリアミン化合物等が挙げられる。芳香族ポリ
アミンは特に限定されるものではないが、より具体的には、ビス(シアノエチル)ジエチレントリアミン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン(MXDA)、p−キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、ナフチレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジエチルフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノビフェニル、2,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、ビス(アミノメチル)ナフタレン、ビス(アミノエチル)ナフタレン等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン基含有ポリアミンは、ポリオキシアルキレン鎖を有するポリアミン化合物であって、以下に示す「ポリオキシアルキレン基含有芳香族ポリアミン」に該当しないもの、すなわち芳香族基を有しないもの、をいう。ポリオキシアルキレン基含有ポリアミンが有するポリオキシアルキレン鎖として、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)鎖、ポリ(オキシテトラメチレン)鎖等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン基含有ポリアミンとして、例えば、ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)ジアミン等のポリオキシアルキレンジアミン等が挙げられる。これらは、脂肪族ポリアミンにポリオキシアルキレン基が導入された化合物であり、ポリオキシアルキレン基含有脂肪族ポリアミンということもできる。
他のポリオキシアルキレン基含有ポリアミンとして、例えば、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオールに、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを反応させて得られる化合物のヒドロキシル基の2個以上をアミノ基に変換させたポリアミン等が挙げられる。
上記ポリオキシアルキレン基含有ポリアミンは、分子量が200〜2,000の範囲内であるのが好ましく、600〜1,800の範囲内であるのがより好ましい。分子量が上記範囲内であることによって、得られる塗膜の耐水性等の性能を向上させることができる。上記分子量は、ポリアミン化合物の分子式が判明している場合は、分子式に従って計算することにより求めることができる。また上記分子量は、ポリオキシアルキレン鎖におけるオキシアルキレンの繰り返し単位数が自然数ではない場合は、数平均分子量であってもよい。数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)の測定結果を、ポリスチレン標準として換算した値として求めることができる。
上記ポリオキシアルキレン基含有ポリアミンとして市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、ジェファーミンシリーズ(ハンツマン社製)等のポリオキシアルキレン基含有脂肪族ポリアミン等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン基含有芳香族ポリアミンは、ポリオキシアルキレン鎖及び芳香族基を有するポリアミン化合物である。ポリオキシアルキレン鎖の具体例は上記と同様である。
ポリオキシアルキレン基含有芳香族ポリアミンは、例えば、ジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及び/又はテトラメチレンオキシド等のアルキレンオキシドに、アミノ基含有芳香族化合物を導入したポリアミン等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン基含有芳香族ポリアミンとして、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、エラスマーシリーズ(クミアイ化学協業社製)が挙げられる。
上記ポリアミン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種又はそれ以上を併用してもよい。上記ポリアミン化合物のうち、ポリオキシアルキレン基含有ポリアミン、ポリオキシアルキレン基含有芳香族ポリアミン用いるのがより好ましい。上記ポリアミン化合物を用いることで、調製されるウレア樹脂水分散体の水分散安定性が良好になるという利点がある。
ポリアミン化合物水分散体調製工程は、上記ポリアミン化合物を水系溶媒中に分散させる。水系溶媒として、水(イオン交換水、純水、上水、工業水等)、及び水と水混和性有機溶媒との混合物等が挙げられる。水混和性有機溶媒として、例えば、酢酸エチル等のエステル類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;アセトン等のケトン類;等が挙げられる。
ポリアミン化合物を水系溶媒中に分散させる方法として、上記ポリアミン化合物が親水性基を有する場合は、上記ポリアミン化合物を水中に加えて攪拌することによって分散させることができる。また、上記ポリアミン化合物の分散において、必要に応じて、界面活性剤、分散樹脂等を併用してもよい。
上記ポリアミン化合物の分散における1態様として、ポリアミン化合物及び界面活性剤を水系溶媒中で混合して、ポリアミン化合物水分散体を調製する態様が挙げられる。
上記界面活性剤は、アニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤のうち少なくとも1種を含むのが好ましい。そして上記アニオン界面活性剤は、リン酸エステル型界面活性剤、カルボン酸型界面活性剤、スルホン酸型界面活性剤、及び硫酸エステル型界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。上記ノニオン界面活性剤は、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル類、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル類、及びポリオキシアルキレンアルキルエーテル類からなる群より選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。
アニオン界面活性剤の1種である、リン酸エステル型界面活性剤は、陰イオン基としてリン酸基を有する界面活性剤である。リン酸エステル型界面活性剤として、例えば、
リン酸基を有する界面活性剤の例としては、以下が挙げられる:
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル等;及びこれらの塩、例えばアンモニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等。
上記リン酸エステル及びその塩として、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、ディスパロンPW−36、ディスパロンAQ−330(楠本化成社製)、DISPERBYK−103、DISPERBYK−111、DISPERBYK−145(ビックケミー・ジャパン社製)等が挙げられる。
アニオン界面活性剤の1種である、カルボン酸型界面活性剤は、陰イオン基としてカルボン酸基を有する界面活性剤である。カルボン酸型界面活性剤として、例えば、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、2−エチルカプロン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の飽和脂肪酸;クロトン酸、ウンデシレン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸等のモノ不飽和脂肪酸;リノール酸、エイコサジン酸、ドコサジエン酸等のジ不飽和脂肪酸;リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、エイコサトリエン酸等のトリ不飽和脂肪酸;ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレン酸等のテトラ不飽和脂肪酸;ポセオペンタエン酸、エイコサペンタエン酸、オズポンド酸、イワシ酸、テトラコサペンタエン酸等のペンタ不飽和脂肪酸;ドコサヘキサエン酸、ニシン酸等のヘキサ不飽和脂肪酸;ヒマシ油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、糠脂肪酸、コメ油脂肪酸、ダイズ脂肪酸、サフラワー脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸等の植物油誘導体及び混合脂肪酸;セバシン酸、アジピン酸、ダイマー酸等のジカルボン酸;安息香酸、サリチル酸、ケイ皮酸等の芳香族カルボン酸;及びこれらの塩、例えば、アンモニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
上記カルボン酸型界面活性剤としては、市販品を用いてよく、例えば、キシダ化学社、東京化成工業社、日本精化社等から入手することができる。
アニオン界面活性剤の1種である、スルホン酸型界面活性剤は、陰イオン基としてスルホン酸基を有する界面活性剤である。スルホン酸基を有する界面活性剤の例としては、以下が挙げられる:
アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、ペルフルオロアルキルオキシベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、スルホコハク酸、N−アシルスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート、アルキル硫酸、アルキルエーテル硫酸、アルキルアミド硫酸等;及び
これらの塩、例えばアンモニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等。
上記スルホン酸基を有する界面活性剤として、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、ペレックスSS−H、ネオペレックスG‐25(花王社製)、リポランPB−800(ライオン社製)、テイカパワーL128(テイカ社製)、ニューコール565SNC、ニューコール707SF(日本乳化剤社製)、アクアロンKH−10(第一工業製薬社製)等が挙げられる。
アニオン界面活性剤の1種である、硫酸エステル型界面活性剤は、陰イオン基として硫酸エステル基を有する界面活性剤である。硫酸エステル型界面活性剤として、例えば、脂肪酸硫酸エステル塩、アルキルサルフェート塩、アルキルエーテルサルフェート塩、アマイドエーテルサルフェート塩等が挙げられる。上記硫酸エステル基を有する界面活性剤としては、市販品を用いてもよい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル類、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル類、及びポリオキシアルキレンアルキルエーテル類からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。ノニオン界面活性剤として市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、Genapolシリーズ、Genagenシリーズ(クラリアントジャパン社製)、ノイゲンシリーズ(第一工業製薬社製)、ニューコールN700シリーズ(日本乳化剤社製)等が挙げられる。
上記界面活性剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種又はそれ以上を併用してもよい。例えば、アニオン界面活性剤のみを用いてもよく、ノニオン界面活性剤のみを用いてもよく、アニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤を組み合わせて用いてもよい。
上記分散体調製工程における温度及び分散条件は、当業者において通常行われる範囲で適宜選択することができる。
上記調製工程で調製されるポリアミン化合物水分散体は、水分散体の平均粒子径が100〜1,000nmの範囲内であるのが好ましく、100〜300nmの範囲内であるのがより好ましい。調製されるポリアミン化合物水分散体の平均粒子径が上記範囲内であることによって、得られるウレア樹脂水分散体の分散安定性等が向上する利点がある。
本開示において、水分散体の平均粒子径は、動的光散乱法によって決定される平均粒子径を意味し、具体的には、電気泳動光散乱光度計ELSZシリーズ(大塚電子社製)等を使用して測定することができる。
ポリアミン化合物水分散体調製工程において、ポリアミン化合物水分散体中に含まれるポリアミン化合物の含有量は、ポリアミン化合物の構造及び分子量等に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリアミン化合物水分散体中に含まれるポリアミン化合物の含有量は、ポリアミン化合物水分散体100質量部に対して30〜70質量部の範囲内であるのが好ましく、40〜60質量部の範囲内であるのがより好ましい。ポリアミン化合物の含有量が上記範囲内にあることによって、ウレア水分散体を効率よく製造でき、かつ得られる塗膜の耐水性等が向上するという利点がある。
上記分散体調製工程において、界面活性剤を用いる場合における界面活性剤の含有量は、ポリアミン化合物100質量部に対して0.01〜20質量部の範囲内であるのが好ましい。界面活性剤の含有量が上記範囲内であることによって、得られるウレア水分散体の水分散性及び得られる塗膜の耐水性等が良好になるという利点がある。
反応工程
反応工程は、上記より得られたポリアミン化合物水分散体と、ポリイソシアネート水分散体とを混合して反応させる工程である。この反応によって、塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体を得ることができる。
ポリイソシアネート水分散体は、水分散性を有するポリイソシアネート化合物を水系溶媒中に分散させることによって調製することができる。水分散性を有するポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を2又はそれ以上有するポリイソシアネート化合物に親水性基を導入したもの、及び、ポリイソシアネート化合物及び界面活性剤を混合乳化させて、いわゆる自己乳化させたもの等を挙げることができる。
イソシアネート基を2又はそれ以上有するポリイソシアネート化合物として、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、メタキシリレンジイソシアネート(MXDI)等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添MDI等の脂環式ジイソシアネート;これらのジイソシアネート化合物を不揮発性化し、毒性を低くした形態の化合物;これらのジイソシアネート化合物のビューレット体、ウレトジオン体、イソシアヌレート体又はアロハネート体等のアダクト体;比較的低分子のウレタンプレポリマー;等のポリイソシアネート化合物を挙げることができる。
ポリイソシアネート化合物に導入することができる親水性基として、カルボキシル基及びスルホン酸基等のアニオン性基、第三級アミノ基等のカチオン性基及びポリオキシアルキレン基等のノニオン性基が挙げられる。これらの中で、耐水性等の性能を考慮すると、上記親水性基はノニオン性基であることが好ましい。具体的なノニオン性基として、親水性が高いポリオキシエチレン基が好ましい。
上記ポリイソシアネート化合物と界面活性剤とを混合し乳化させた、自己乳化ポリイソシアネート化合物の調製に好適に用いられる界面活性剤として、例えば、カルボキシル基及びスルホン酸基等のアニオン性基を有するアニオン界面活性剤、第三級アミノ基等のカチオン性基を有するカチオン界面活性剤、及びポリオキシアルキレン基等のノニオン性基を有するノニオン界面活性剤が挙げられる。これらの中で、耐水性を考慮すると、ノニオン界面活性剤を用いるのがより好ましい。
水分散性を有するポリイソシアネート化合物として、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、アクアネート130、アクアネート140、アクアネート200及びアクアネート210(東ソー社製)、バイヒジュール304、バイヒジュールXP−2655、バイヒジュール401−70、バイヒジュール3100、(住化コベストロウレタン社製)、バーノックDNW−5000、バーノックDNW−5500、バーノックDNW−6000(DIC社製)、レザミンD−1063、レザミンD−2040(大日精化工業社製)等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物として、1種を単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記反応工程で用いられるポリイソシアネート水分散体の含有量は、ポリアミン化合物水分散体の有するアミン基と、ポリイソシアネート基の有するイソシアネート基との当量比(NH/NCO)が0.5〜2.0の範囲内となる量であるのが好ましく、0.8〜1.2の範囲内となる量であるのがより好ましい。なお、上記当量比は、いずれも固形分換算したものである。当量比(NH/NCO)が上記範囲内となる量であることによって、ポリアミン化合物水分散体とポリイソシアネー水分散体との反応性を良好な範囲で確保することができる利点がある。また、上記反応工程における温度及び反応条件は、当業者において通常行われる範囲で適宜選択することができる。
塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体
上記製造方法によって、ウレア樹脂水分散体を得ることができる。そして、上記製造方法によって得られるウレア樹脂水分散体は、塗料組成物の調製において好適に用いることができる。
上記ウレア樹脂水分散体中のウレア樹脂におけるウレア基濃度は、得られるウレア樹脂水分散体の乳化性や分散安定性の観点から、5〜30質量%の範囲内であるのが好ましく、10〜25質量%の範囲内であるのがより好ましい。
上記ウレア樹脂は、ウレア基濃度が高いという特徴を有する。このような特徴を有することによって、上記ウレア樹脂水分散体が水性塗料組成物に含まれる場合において、良好な塗膜物性を有する塗膜を形成することができる利点がある。
本開示において上記ウレア樹脂におけるウレア基濃度は、ウレア樹脂の製造配合より、計算(ウレア基分子量/ウレア樹脂全体の分子量)により求められる値である。
上記ウレア樹脂水分散体は、平均粒子径が100〜1,000nmの範囲内であるのが好ましく、100〜300nmの範囲内であるのがより好ましい。ウレア樹脂水分散体の平均粒子径が上記範囲内であることによって、得られる水分散体の分散安定性等が向上し、また、得られる塗膜の塗膜外観を良好にできる等の利点がある。
上記ウレア樹脂水分散体における有機溶媒含有量は、ウレア樹脂水分散体中に含まれるウレア樹脂の樹脂固形分100質量部に対して30質量部以下であるのが好ましく、1〜10質量部の範囲内であるのが好ましい。有機溶媒含有量が上記範囲内であることによって、分散安定性の良好な水分散体が得られるという利点がある。上記ウレア樹脂水分散体に含まれ得る有機溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル等のエステル類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン等のケトン類;等が挙げられる。
上記製造方法によって、塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体を、より簡便な手順で製造することができる。より具体的には、塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体の製造において、ポリアミン化合物及びポリイソシアネート水分散体を必須成分とする、より簡便な構成成分により、ウレア樹脂水分散体を製造することができる。そして上記塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体の製造においては、ポリアミン化合物を水中に分散させてポリアミン化合物水分散体を調製し、そしてこのポリアミン化合物水分散体とポリイソシアネート水分散体とを反応させることによって、簡便にそして穏やかな反応条件下において、ウレア反応を良好に進行させることができる利点がある。
上記反応においては、ポリアミン化合物を水中に分散させてポリアミン化合物水分散体を調製し、そしてこのポリアミン化合物水分散体とポリイソシアネート水分散体とを反応させる。このため、反応速度制御を目的として、ポリアミン化合物及びポリイソシアネート成分それぞれにおいて、多量の有機溶媒等を用いて希釈する必要はない。そして上記製造方法は、反応制御を目的とした、多量の希釈用有機溶媒の添加を必要としないことから、希釈用有機溶媒の脱溶媒工程もまた必要としない。これにより、ウレア樹脂水分散体の製造において、脱溶媒工程等の製造工程の工数を減らすことができる利点がある。希釈用有機溶媒の脱溶媒工程を必要としないことはさらに、得られたウレア樹脂水分散体の黄変等の性状変化を低減することができる利点もある。
このような塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体を水性塗料組成物中に含めることによって、得られる塗膜の耐アルカリ加水分解性及び耐酸性を向上させることができる利点がある。
上記製造方法はさらに、ポリアミン化合物水分散体とポリイソシアネート水分散体とを反応させることによってウレア反応を制御するため、例えば、ウレタン樹脂水分散体の製造時におけるように、予めプレポリマーを調製して分子量を高めることによりイソシアネート基の反応を制御する等の必要はない。上記製造方法においては上記工程を有することから、ポリアミン化合物、ポリイソシアネート化合物の選択自由度が高いという利点がある。
水性塗料組成物
本明細書はまた、上記塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体を含む水性塗料組成物も提供する。水性塗料組成物として、例えば、塗膜形成樹脂(A)、硬化剤(B)及び上記製造方法によって製造される塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体(C)を含み、上記ウレア樹脂水分散体の平均粒子径が100〜1,000nmの範囲内であり、上記水分散体中のウレア樹脂におけるウレア基濃度が、5〜30質量%の範囲内である、水性塗料組成物、が挙げられる。
塗膜形成樹脂(A)は、塗料分野において用いることができる樹脂成分を用いることができる。塗膜形成樹脂(A)としては、塗料分野において用いられる樹脂を用いることができ、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
上記塗膜形成樹脂(A)の1例として、例えば、アクリル樹脂水分散体が挙げられる。アクリル樹脂水分散体は、エチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物を重合することによって調製することができる。上記エチレン性不飽和モノマーとしては、水酸基含有エチレン性不飽和モノマー、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー及びその他のモノマーを混合したものを使用することができる。
上記水酸基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、ε−カプロラクトン変性(メタ)アクリルモノマー等が挙げられる。ε−カプロラクトン変性(メタ)アクリルモノマーの具体例としては、ダイセル化学工業社製のプラクセルFA−1、プラクセルFA−2、プラクセルFA−3、プラクセルFA−4、プラクセルFA−5、プラクセルFM−1、プラクセルFM−2、プラクセルFM−3、プラクセルFM−4及びプラクセルFM−5等が挙げられる。なお、本明細書中において、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及びメタクリル酸を意味する。
カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−エチルプロペン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボン酸モノマー又はこれらのジカルボン酸モノエステルモノマー等を挙げることができる。カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸等が好ましい。これらは単独で使用してもよく、2種又はそれ以上を併用してもよい。
その他のエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸−n、i及びt−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド等のアミド類等を挙げることができる。
アクリル樹脂水分散体は、無溶媒又は適当な有機溶媒の存在下において上記モノマー混合物の重合反応を行い、水中に滴下、混合し、必要に応じて過剰な溶媒を除去することによって調製することができる。
重合反応において、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤として例えば、ラジカル重合開始剤として当技術分野において用いられる開始剤を使用することができる。重合開始剤の具体例として、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシド及びクメンハイドロパーオキシド等の有機過酸化物、アゾビスシアノ吉草酸及びアゾイソブチロニトリル等の有機アゾ化合物等が挙げられる。
重合反応は、例えば、80〜140℃の温度で行うことができる。重合反応時間は、重合温度及び反応スケールに応じて適宜選択することができ、例えば、1〜8時間で行うことができる。重合反応は、当業者に通常行われる操作で行うことができる。例えば、加熱した有機溶媒中に、エチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物及び重合開始剤を滴下することにより重合を行うことができる。重合に用いることができる有機溶媒は、特に限定されないが、沸点が60〜250℃程度のものが好ましい。好適に用いることができる有機溶媒として、例えば、酢酸ブチル、キシレン、トルエン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、メチルエーテルアセテートのような非水溶性有機溶媒;及びテトラヒドロフラン、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−ブタノール、t−ブチルアルコール、ジオキサン、メチルエチルケトン、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、2−メトキシプロパノール、2−ブトキシプロパノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ブチルジグリコール、N−メチルピロリドン、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートのような水溶性有機溶媒が挙げられる。
重合により得られたアクリル樹脂に中和剤を加えて、アクリル樹脂に含まれる酸基の少なくとも一部を中和してもよい。この工程により、アクリル樹脂に対して水分散性を良好に付与することができる。中和剤は水分散性樹脂組成物を調製する際にその中に含まれる酸基を中和するために一般的に用いられているものであれば特に限定されない。例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びジメチルエタノールアミンのような有機アミン及び水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウムのような無機塩基類が挙げられる。これら中和剤は単独で使用してもよく、2種又はそれ以上を併用してもよい。
必要に応じて中和したアクリル樹脂に対して水を混合するか、又は水中にアクリル樹脂を混合することにより、アクリル樹脂水分散体を調製することができる。アクリル樹脂水分散体の調製において、必要に応じて、中和剤の添加前又は水分散後に、過剰な有機溶媒を除去してもよい。
アクリル樹脂水分散体は、水酸基価が5〜200mgKOH/gの範囲内であり、酸価が5〜100mgKOH/gの範囲内であり、数平均分子量が1,000〜100,000の範囲内であるのが好ましい。アクリル樹脂水分散体の水酸基価、酸価、数平均分子量等が上記範囲内であることによって、得られる塗膜において、より良好な物理的強度等を確保することができる利点がある。なお、本明細書中において、酸価及び水酸基価は、いずれも固形分換算での値を示し、JIS K 0070に準拠した方法により測定された値である。
アクリル樹脂水分散体として市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、MACRYNAL SM 6810w/42WA等のMACRYNALシリーズ(ダイセル・オルネクス社製)、BAYHYDROL A2470等のBAYHYDROLシリーズ(住化コベストロウレタン社製)、バーノックWD−551等のバーノックシリーズ(DIC社製)、NeoCryl XK−555等のNeoCrylシリーズ(DSM社製)等を挙げることができる。
上記塗膜形成樹脂(A)の他の1例として、例えば、ポリエステル樹脂水分散体が挙げられる。ポリエステル樹脂は、一般的には、多価アルコール成分と多塩基酸成分とを、上記水酸基及びカルボキシル基についての要件を満たすよう縮合することによって、調製することができる。
上記多価アルコール成分の例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,9−ノナンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール等のヒドロキシカルボン酸成分を挙げることができる。
上記多塩基酸成分の例としては、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸及び酸無水物;ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、1,4−及び1,3−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式多価カルボン酸及び無水物;無水マレイン酸、フマル酸、無水コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族多価カルボン酸及び無水物等の多塩基酸成分及びそれらの無水物等を挙げることができる。必要に応じて安息香酸又はt−ブチル安息香酸等の一塩基酸を併用してもよい。
また、反応成分として、更に、1価アルコール、カージュラE(商品名:シエル化学製)等のモノエポキサイド化合物、及びラクトン類(β−プロピオラクトン、ジメチルプロピオラクトン、ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン等)を併用してもよい。
上記成分に加えてヒマシ油、脱水ヒマシ油等の脂肪酸、及びこれらの脂肪酸のうち1種、又は2種以上の混合物である油成分を、上記酸成分及びアルコール成分に加えてもよい。また、アクリル樹脂、ビニル樹脂等をグラフト化したり、ポリイソシアネート化合物を反応させたりすることも、上記水酸基及びカルボキシル基についての要件を満たしていれば可能である。
このようにして得られるポリエステル樹脂に対して、先に挙げた塩基性化合物で中和することによって、ポリエステル樹脂水分散体を得ることができる。
上記ポリエステル樹脂水分散体として市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、バイロナールMD−1100、バイロナールMD−1200等のバイロナールシリーズ(東洋紡社製)、プラスコートZ−730、プラスコートZ−760等のプラスコートシリーズ(互応化学工業社製)等を挙げることができる。
上記硬化剤(B)として水分散性硬化剤を用いるのが好ましい。そして水分散性硬化剤は、ポリイソシアネート水分散体を含むのが好ましい。ポリイソシアネート水分散体は、水分散性を有するポリイソシアネート化合物であって、水性媒体に添加したときに分離することなく分散させることができるポリイソシアネート化合物をいう。ポリイソシアネート水分散体は、必要に応じて、親水基を有する親水性化合物によって変性されたものであってもよい。上記親水基は、イオン性の親水基であってもよく、ノニオン性の親水基であってもよい。
上記ポリイソシアネート水分散体に含まれるポリイソシアネート化合物は、本発明の範囲を逸脱しない限り特に限定されない。例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、メタキシリレンジイソシアネート(MXDI)等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂環族のポリイソシアネート;及びそのビュレットタイプ、ヌレートタイプ、トリメチロールプロパン(TMP)アダクトタイプ等の多量体を挙げることができる。これらの2以上のポリイソシアネートの混合物であってもよい。
好ましくは、ポリイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネート及び/又は脂環族のポリイソシアネートであり、より好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及び/又はイソホロンジイソシアネート(IPDI)である。このようなポリイソシアネート化合物は、芳香族系のイソシアネート化合物と比べて反応性が低く、水等の水性媒体との副反応を抑制することができる等の利点がある。
本発明の範囲を逸脱しない範囲で、所望によりポリイソシアネート鎖を変性してもよく、更に、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基によって架橋反応が生じてもよい。多量体であるポリイソシアネート化合物は、3官能以上であることから、複数のイソシアネート基のうち少なくとも1つを変性してもよく、また、少なくとも2つのイソシアネート基により架橋反応が生じてもよい。
上記水分散性ポリイソシアネートとして市販品を用いてもよい。市販品として、例えば、バイヒジュール304、バイヒジュールXP−2655、バイヒジュール401−70(住化コベストロウレタン社製)、バーノックDNW−5000、バーノックDNW−6000(DIC社製)、デュラネートWB40−100、デュラネートWT20−100、デュラネートWL70−100(旭化成社製)等が挙げられる。
上記水性塗料組成物における水分散性ポリイソシアネートの含有量は、水分散性ポリイソシアネートが有するイソシアネート基と、アクリル樹脂水分散体が有する水酸基との当量比(NCO/OH)が0.5〜3.0の範囲内となる量であるのが好ましく、0.8〜2.0の範囲内となる量であるのがより好ましい。なお、上記当量比は、いずれも固形分換算したものである。当量比(NCO/OH)が上記範囲内となる量であることによって、水性塗料組成物の硬化反応性を良好な範囲で確保することができる利点がある。
上記水性塗料組成物中に含まれる、塗膜形成樹脂(A)、硬化剤(B)及びウレア樹脂水分散体(C)の樹脂固形分質量比は、(A)+(C):(B)=85:15〜50:50の範囲内であるのが好ましく、(A)+(C):(B)=75:25〜60:40の範囲内であるのがより好ましい。水性塗料組成物において、塗膜形成樹脂(A)、硬化剤(B)及びウレア樹脂水分散体(C)の樹脂固形分質量比が上記範囲内であることによって、塗料組成物の硬化性を良好に確保することができ、得られる塗膜の物理的性能を確保することができる。
また、上記水性塗料組成物における塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体(C)の樹脂固形分含有量は、塗膜形成樹脂(A)、硬化剤(B)及び塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体(C)の樹脂固形分の総量100質量部に対して、5〜30質量部の範囲内であるのが好ましい。上記水性塗料組成中に含まれる上記ウレア樹脂水分散体(C)の樹脂固形分質量が上記範囲内であることによって、得られる塗膜の耐アルカリ加水分解性及び耐酸性をより向上させることができる。
他の成分等
上記水性塗料組成物は、上記成分に加えて、目的、用途に応じて、他の成分を必要に応じて含んでもよい。他の成分としては、例えば、顔料、樹脂粒子、樹脂成分、分散剤、硬化触媒、粘性剤、造膜助剤、そして塗料組成物において通常用いられる添加剤(例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、消泡剤、表面調整剤、ピンホール防止剤、防錆剤等)等が挙げられる。これらの成分は、本開示の塗料組成物が有する諸物性を損なわない態様で適宜添加することができる。
水性塗料組成物の調製等
水性塗料組成物は、上記成分(A)〜(C)及び必要に応じた他の成分を、当業者に知られた方法によって混合することによって調製することができる。塗料組成物の調製方法は、当業者において通常用いられる方法を用いることができる。例えば、ニーダー又はロール等を用いた混練混合手段、又は、サンドグラインドミル又はディスパー等を用いた分散混合手段等の、当業者において通常用いられる方法を用いることができる。
上記水性塗料組成物は、主剤及び硬化剤から構成される2液型塗料組成物であってもよく、1液型塗料組成物であってもよい。上記水性塗料組成物の製造方法として、例えば、下記態様が挙げられる。
態様1
上記方法より得られた塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体(C)及び塗膜形成樹脂(A)を混合して水性主剤(I)を調製し、一方で、硬化剤(B)を含む水性硬化剤(II)を調製することにより、水性塗料組成物を調製する、塗料製造工程、
を包含する、製造方法。
態様2
上記方法より得られた塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体(C)、塗膜形成樹脂(A)及び硬化剤(B)を混合して、水性塗料組成物を調製する、塗料製造工程、
を包含する、製造方法。
上記水性塗料物を塗装する被塗物として、例えば、金属基材、プラスチック基材及びこれらの複合基材、そして、木、ガラス、布、コンクリート、窯業系材料等が挙げられる。金属基材として、例えば、鉄、鋼、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛等の金属及びこれらの金属を含む合金等が挙げられる。金属基材は、亜鉛、銅、クロム等のメッキが施されていてもよく、また、クロム酸、リン酸亜鉛又はジルコニウム塩等の表面処理剤を用いた表面処理が施されていてもよい。プラスチック基材として、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。これらのプラスチック基材は、プライマー塗装が施されていてもよい。
上記水性塗料組成物を塗装する方法は特に限定されず、例えば、浸漬、刷毛、ローラー、ロールコーター、エアスプレー、エアレススプレー、カーテンフローコーター、ローラーカーテンコーター、ダイコーター等の一般に用いられている塗装方法等を挙げることができる。上記スプレー塗装においては、必要に応じて2液混合ガンを用いてもよい。これらは被塗物に応じて適宜選択することができる。
上記水性塗料組成物が、水性主剤及び水分散性硬化剤から構成される2液型塗料組成物である場合における、水性主剤及び水分散性硬化剤の混合時期については、使用前に水性主剤及び水分散性硬化剤を混合して、通常の塗装方法により塗装してもよい。また、2液混合ガンでそれぞれの液をガンまで送液し、ガン先で混合する方法で塗装してもよい。
水性塗料組成物の調製において、上記塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体を、ウレタン樹脂水分散体の代わりに用いることによって、得られる塗膜の耐アルカリ加水分解性及び耐酸性を向上させることができる利点がある。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」及び「%」は、ことわりのない限り、質量基準による。
製造例1−1 ポリイソシアネート水分散体の製造
イソシアネート化合物としてバイヒジュール401−70(住化コベストロウレタン社製、ノニオン変性親水性ポリイソシアネート(IPDI);固形分濃度:70質量%)100質量部、イオン交換水40質量部をディスパーにより混合、撹拌し、ポリイソシアネート水分散体を得た。得られたポリイソシアネート水分散体の不揮発分は50質量%であり、平均粒子径は180nmであった。なお、平均粒子径は、電気泳動光散乱光度計ELS−800(大塚電子社製)を用いて測定した。
製造例2−1 ポリアミン化合物水分散体(1)の製造
ポリアミン化合物としてエラスマー650 100質量部、有機溶媒として1−ブトキシ−2−プロパノール(ダワノールPnB、安藤パラケミー社製)6質量部、アニオン界面活性剤としてラテムルPD−104(花王社製、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸アンモニウム;固形分濃度:20質量%)5質量部、ノニオン界面活性剤としてニューコールN723(日本乳化剤社製、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル;固形分濃度:60質量%)10質量部をディスパーにより混合、均一になるまで撹拌し、イオン交換水を53質量部添加した。粘度上昇を確認した後、5分間攪拌を維持した。続いてイオン交換水を27質量部添加し、粘度低下を確認し、ポリアミン化合物水分散体(1)を得た。得られたポリアミン化合物水分散体(1)の固形分濃度は52質量%であり、平均粒子径は1,000nmであった。
製造例2−2〜2−5 ポリアミン化合物水分散体(2)〜(5)の製造
ポリアミン化合物水分散体(1)と同様にして、ポリアミン化合物水分散体(2)〜(5)を製造した。各水分散体における組成、諸特数値を表1に示す。また、表中に記載の成分は下記のとおりである。
Figure 0006979102
・エラスマー650:クミアイ化学工業社製、ポリオキシアルキレン基含有芳香族アミン;分子量:900、有効成分濃度:100質量%
・ジェファーミンD2000:ハンツマン社製、ポリオキシアルキレン基含有脂肪族ポリアミン;分子量:2,000、有効成分濃度:100質量%
・ジェファーミンD230:ハンツマン社製、ポリオキシアルキレン基含有脂肪族ポリアミン;分子量:230、有効成分濃度:100質量%
実施例1−1 ウレア樹脂水分散体(1)の製造
製造例2−1で得られたポリアミン化合物水分散体(1)100質量部、製造例1で得られたポリイソシアネート水分散体(1)100質量部、イオン交換水5質量部をディスパーにより混合、撹拌し、ウレア樹脂水分散体(1)を得た。得られたウレア樹脂水分散体(1)の固形分濃度は50質量%であり、平均粒子径は200nmであった。また、得られたウレア樹脂水分散体(1)中のウレア樹脂におけるウレア基濃度は10質量%であった。
実施例1−2〜1−5 ウレア樹脂水分散体(2)〜(5)の製造
各成分の種類及び量を、下記表2に記載したこと以外は実施例1と同様にして、ウレア樹脂水分散体を調製した。各水分散体における組成、諸特数値を表2に示す。また、用いた各成分の詳細を以下に記載する。
Figure 0006979102
比較例1−1 ウレア樹脂溶剤系分散体(1)の製造
ポリアミン化合物としてジェファーミンD230 50質量部、イソシアネート化合物としてバイヒジュール401−70 100質量部、有機溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA、協和発酵ケミカル社製)76質量部をディスパーにより混合、撹拌し、ウレア溶剤系分散体(1)を得た。得られたウレア樹脂溶剤系分散体の固形分濃度は50質量%であったが、撹拌後ゲル状物が生成し、安定な分散体を得ることはできなかった。
実施例2−1 水性塗料組成物の製造
塗膜形成樹脂(A)としてアクリル樹脂水分散体(1)(SM6810:ダイセル・オルネクス社製)119質量部、塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体(C)としてウレア樹脂水分散体(1)40質量部及び硬化剤(B)としてバイヒジュールXP2655(住化コベストロウレタン社製)30質量部をディスパーにて混合して、水性塗料組成物(1)を調製した。
実施例2−2〜2−5、2−7、2−8、参考例2−6 水性塗料組成物(2)〜(8)の製造
塗膜形成樹脂(A)、塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体(C)及び硬化剤(B)の
種類、量を、下記表3に記載したものに変更したこと以外は実施例2−1と同様にして、
水性塗料組成物(2)〜(8)を調製した。
比較例2−1 水性塗料組成物(9)の製造
塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体(C−1)をウレタン樹脂水分散体(Neorez R−9603、楠本化成社製)にしたこと以外は実施例2−1と同様にして、水性塗料組成物(9)を調製した。
比較例2−2 水性塗料組成物(10)の製造
塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体(C)及びウレタン樹脂水分散体を含まない塗料として実施例2−1〜2−8と同様にして、下記表に記載の成分をディスパーにて混合して、水性塗料組成物(10)を調製した。
上記実施例及び比較例で調製した水性塗料組成物を用いて、下記評価を行った。評価結果を下記表に示す。
試験板の製造例
厚さ0.8mm、70×150mmサイズのJIS G 3141(SPCC〜SD)冷間圧延鋼板を溶剤脱脂した。次に、水性主剤及び水分散性硬化剤を、下記表の配合にてディスパー混合し、上記鋼板表面に、乾燥膜厚が100μmとなるようにスプレー塗装し、60℃で1時間乾燥させた。
耐水性評価
上記実施例及び比較例で形成した塗膜を有する試験評価板を、20℃の水中に168時間浸漬した後、塗膜の外観を目視で観察して、以下の基準により評価した。
◎:塗膜に異常(フクレ)発生なし
○:塗膜の一部に直径1mm未満のフクレ有
△:塗膜の一部に直径1mm以上2mm未満のフクレ有
×:塗膜の一部に直径2mm以上のフクレ有
耐アルカリ性評価
上記実施例及び比較例で形成した塗膜を有する試験評価板を、5%水酸化ナトリウム水溶液に、23℃にて24時間浸漬した後、塗膜の外観を目視で観察した。評価基準は以下のとおりである。
◎:塗膜に異常(フクレ)発生なし
○:塗膜の一部に直径1mm未満のフクレ有
△:塗膜の一部に直径1mm以上2mm未満のフクレ有
×:塗膜の一部に直径2mm以上のフクレ有
耐酸性評価
上記実施例及び比較例で形成した塗膜を有する試験評価板を、5%硫酸水溶液に、23℃にて24時間浸漬した後、塗膜の外観を目視観察した。評価基準は以下のとおりである。
◎:塗膜に異常(フクレ)発生なし
○:塗膜の一部に直径1mm未満のフクレ有
△:塗膜の一部に直径1mm以上2mm未満のフクレ有
×:塗膜の一部に直径2mm以上のフクレ有
Figure 0006979102
表中に記載の成分は下記の通りである。
塗膜形成樹脂(A)
・塗膜形成樹脂(A−1):SM6810(ダイセル・オルネクス社製)、アクリル樹脂水分散体(1);数平均分子量:6500、酸価:20mgKOH/g、水酸基価:135mgKOH/g、固形分濃度:42質量%
・塗膜形成樹脂(A−2):WD−551(DIC社製)、アクリル樹脂水分散体(2);数平均分子量:4600、酸価:8.5mgKOH/g、水酸基価:100mgKOH/g、固形分濃度:45質量%
・塗膜形成樹脂(A−3):BAYHYDROL A 2470(住化コベストロウレタン社製)、アクリル樹脂水分散体(3);数平均分子量:4,300、酸価:20mgKOH/g、水酸基価:129mgKOH/g、固形分濃度:45質量%
硬化剤(B)
・硬化剤(B−1):バイヒジュールXP2655(住化コベストロウレタン株式会社製)、アニオン変性脂肪族ポリイソシアネート;固形分濃度:100質量%
・硬化剤(B−2):バーノックDNW−5000(DIC社製)、水分散性ポリイソシアネート;固形分濃度:80質量%
その他
・ウレタン樹脂水分散体:Neorez R−9603(楠本化成株式会社製);粒子径:110nm、固形分濃度:33質量%
実施例1−1〜1−5では、塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体を良好に調製することができた。そして、上記実施例より得られた塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体を含む水性塗料組成物(実施例2−1〜2−8)を用いて形成した塗膜はいずれも、密着性、耐水性、耐アルカリ性、耐酸性に優れることが確認された。
比較例1−1は、ポリアミン化合物とポリイソシアネート化合物を、水分散体の形態ではなく有機溶媒中で反応させた例である。この例では、ゲル状物が生成し、安定な分散体を得ることができなかった。
比較例2−1の水性塗料組成物は、ウレア樹脂水分散体の代わりにウレタン樹脂水分散体を用いた例である。比較例2−1の水性塗料組成物は、ウレタン樹脂水分散体の量が20質量部である。この例では、耐水性、耐アルカリ性、耐酸性に劣ることが確認された。
比較例2−2の水性塗料組成物は、ウレア樹脂水分散体、ウレタン水分散体を含まない塗料組成物である。この例では、耐水性、耐アルカリ性、耐酸性に劣ることが確認された。
上記製造方法により、塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体を、より簡便に製造することができる利点がある。上記塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体を塗料組成物に含めることによって、耐酸性、耐アルカリ加水分解性等を有意に向上させることができる利点がある。

Claims (7)

  1. 塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体の製造方法であって、下記工程:
    ポリアミン化合物水分散体を得る、ポリアミン化合物水分散体調製工程、
    ポリアミン化合物水分散体と、ポリイソシアネート水分散体とを混合して反応させて、塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体を得る、反応工程、
    を包含し、
    前記ポリアミン化合物水分散体調製工程は、ポリアミン化合物及び界面活性剤を水系溶媒中で混合して、ポリアミン化合物水分散体を調製する工程であり、
    前記塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体中のウレア樹脂におけるウレア基濃度は、10質量%以上であ
    前記ポリアミン化合物は、ポリオキシアルキレン基含有ポリアミンである、
    塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体の製造方法。
  2. 前記界面活性剤は、アニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤の少なくとも1種を含む、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記アニオン界面活性剤は、リン酸エステル型界面活性剤、カルボン酸型界面活性剤、スルホン酸型界面活性剤及び硫酸エステル型界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    前記ノニオン界面活性剤は、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル類、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル類及びポリオキシアルキレンアルキルエーテル類からなる群より選ばれる少なくとも1種である
    請求項2記載の製造方法。
  4. 前記塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体中のウレア樹脂におけるウレア基濃度が、10〜30質量%の範囲内である、
    請求項1〜いずれかに記載の製造方法。
  5. 前記ポリアミン化合物の分子量が、600以上である、請求項1〜いずれかに記載の製造方法。
  6. 水性塗料組成物の製造方法であって、下記工程、
    前記請求項1〜いずれかに記載の製造方法により得られた塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体(C)及び塗膜形成樹脂(A)を混合して水性主剤(I)を調製し、一方で、硬化剤(B)を含む水性硬化剤(II)を調製することにより、水性塗料組成物を調製する、塗料製造工程、
    を包含する、
    製造方法。
  7. 水性塗料組成物の製造方法であって、下記工程、
    前記請求項1〜いずれかに記載の製造方法により得られた塗料組成物調製用ウレア樹脂水分散体(C)、塗膜形成樹脂(A)及び硬化剤(B)を混合して、水性塗料組成物を調製する、塗料製造工程、
    を包含する、
    製造方法。
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